JPH092108A - トロリ線の製造方法 - Google Patents
トロリ線の製造方法Info
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- JPH092108A JPH092108A JP15656895A JP15656895A JPH092108A JP H092108 A JPH092108 A JP H092108A JP 15656895 A JP15656895 A JP 15656895A JP 15656895 A JP15656895 A JP 15656895A JP H092108 A JPH092108 A JP H092108A
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- trolley wire
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 高速で運行する架線式電車へ給電するのに必
要な引張破断強度、伸び及び導電率を持ったトロリ線の
製造方法を提供する。 【構成】 連続鋳造後熱間加工して得たSn:0.30
乃至0.45重量%を含有し、残部がCu及び不可避的
不純物からなるワイヤロッドを冷間伸線加工してトロリ
線を製造する際に、前記冷間伸線加工の加工率x(%)
と加工前の線材温度y(℃)との関係が、y=5.6x
−320、y=5.6x−420、y=−10及びy=
−210で囲まれた範囲内にあるように設定する。
要な引張破断強度、伸び及び導電率を持ったトロリ線の
製造方法を提供する。 【構成】 連続鋳造後熱間加工して得たSn:0.30
乃至0.45重量%を含有し、残部がCu及び不可避的
不純物からなるワイヤロッドを冷間伸線加工してトロリ
線を製造する際に、前記冷間伸線加工の加工率x(%)
と加工前の線材温度y(℃)との関係が、y=5.6x
−320、y=5.6x−420、y=−10及びy=
−210で囲まれた範囲内にあるように設定する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高速で運行する架線式
電車へ給電するために使用されるトロリ線の製造方法に
関する。
電車へ給電するために使用されるトロリ線の製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】架線式電車へ給電するために使用される
トロリ線は、通常、銅線又は銅合金線が使用されてい
る。ところで、近時、電車の高速運行に対する要請が強
く、このため、トロリ線の強度を一層高めるか、又はト
ロリ線を軽量化することが要求されている。
トロリ線は、通常、銅線又は銅合金線が使用されてい
る。ところで、近時、電車の高速運行に対する要請が強
く、このため、トロリ線の強度を一層高めるか、又はト
ロリ線を軽量化することが要求されている。
【0003】つまり、電車の運行速度を高速化するため
には、トロリ線の波動伝播速度を高めておく必要があ
る。この波動伝播速度Cは、下記数式1により表され
る。
には、トロリ線の波動伝播速度を高めておく必要があ
る。この波動伝播速度Cは、下記数式1により表され
る。
【0004】
【数1】C=√(T/ρ) (m/sec) 但し、Tは架線張力(N)であり、ρはトロリ線の線密
度(単位長当たりの重さ、kg/m)である。また、√
( )は( )内の数値の平方根である。
度(単位長当たりの重さ、kg/m)である。また、√
( )は( )内の数値の平方根である。
【0005】従来から、一般に使用されている銅製又は
錫入り銅合金製の断面積が170mm2のトロリ線で
は、その架線張力が最大1500kgfに制限されてい
るため、この波動伝播速度Cは355km/hとなる。
しかしながら、電車の最高速度は、電車の集電性能が低
下しないようにするために、波動伝播速度の70%程度
に制限されている。従って、この場合の最高速度は、約
250km/hとなる。このため、現在開発が急がれて
いる300km/h以上の高速運行を可能にするために
は、トロリ線素材の改良により、波動伝播速度Cを高く
する必要がある。このため、数式1より、トロリ線を軽
量化して線密度ρを小さくするか、又はトロリ線の架線
張力Tを大きくする必要がある。
錫入り銅合金製の断面積が170mm2のトロリ線で
は、その架線張力が最大1500kgfに制限されてい
るため、この波動伝播速度Cは355km/hとなる。
しかしながら、電車の最高速度は、電車の集電性能が低
下しないようにするために、波動伝播速度の70%程度
に制限されている。従って、この場合の最高速度は、約
250km/hとなる。このため、現在開発が急がれて
いる300km/h以上の高速運行を可能にするために
は、トロリ線素材の改良により、波動伝播速度Cを高く
する必要がある。このため、数式1より、トロリ線を軽
量化して線密度ρを小さくするか、又はトロリ線の架線
張力Tを大きくする必要がある。
【0006】而して、線密度ρを小さくして波動伝播速
度Cを高くする技術として、従来、鋼線の周りに銅より
軽量であるアルミニウムを被覆して圧着させたアルミニ
ウム複合トロリ線が提案されている。
度Cを高くする技術として、従来、鋼線の周りに銅より
軽量であるアルミニウムを被覆して圧着させたアルミニ
ウム複合トロリ線が提案されている。
【0007】一方、トロリ線の引張破断荷重を高めるこ
とによって、架線張力Tを増して波動伝播速度Cを高め
る技術として、特開平5−125469号公報に開示さ
れたCu−Ni−Si合金トロリ線又は長沢ら、三菱電
線工業時報、第88号、56〜60頁(平成6年10
月)で報告されているCu−Cr−Zr合金トロリ線の
ような析出強化型銅合金トロリ線がある。
とによって、架線張力Tを増して波動伝播速度Cを高め
る技術として、特開平5−125469号公報に開示さ
れたCu−Ni−Si合金トロリ線又は長沢ら、三菱電
線工業時報、第88号、56〜60頁(平成6年10
月)で報告されているCu−Cr−Zr合金トロリ線の
ような析出強化型銅合金トロリ線がある。
【0008】なお、トロリ線には、上述の引張破断荷重
を高めること以外に、導電率が高いこと、また、延性の
指標となる伸びの値が一定値以上であることが要求され
る。
を高めること以外に、導電率が高いこと、また、延性の
指標となる伸びの値が一定値以上であることが要求され
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来のトロリ線には以下に示す問題点がある。
た従来のトロリ線には以下に示す問題点がある。
【0010】先ず、アルミニウム複合トロリ線において
は、トロリ線の取り付け金具が銅合金製であるために、
取り付け金具の銅合金とトロリ線のアルミニウム被覆層
とが接触して接触腐食が生じるという問題点がある。こ
の腐食を防止するためには、現在普及している取り付け
金具を全てアルミニウムとの間で接触腐食が生じない材
料のものに変更する必要があり、コストの点で実用的で
はない。
は、トロリ線の取り付け金具が銅合金製であるために、
取り付け金具の銅合金とトロリ線のアルミニウム被覆層
とが接触して接触腐食が生じるという問題点がある。こ
の腐食を防止するためには、現在普及している取り付け
金具を全てアルミニウムとの間で接触腐食が生じない材
料のものに変更する必要があり、コストの点で実用的で
はない。
【0011】一方、Cu−Ni−Si合金トロリ線及び
Cu−Cr−Zr合金トロリ線においては、添加した合
金元素を金属間化合物として析出させることにより合金
を強化している。このように、合金元素を析出物として
添加する方法においては、合金元素を加えても導電率を
低下させることがない。しかし、この従来技術において
は、冷間加工後又は冷間加工の途中に、線材に熱を加え
る析出処理が必要である。この場合、銅又は銅合金トロ
リ線の場合と異なり、製造工程に熱処理という工程が付
加される。このため、製造工程が煩雑となり、製品コス
トの上昇をもたらす。また、これらの析出により線材を
強化するための熱処理においては、所望の特性を得るた
めには、微妙な温度管理が必要となるため、多大の設備
投資が必要となる。更に、これらの析出強化型の線材に
おいては材料の強化に寄与する析出物は、本質的に経時
変化を伴うため、線材の強度が経時的に劣化する虞があ
る。特に、パンタグラフとの摩擦及びトロリ線とパンタ
グラフとの間の放電等に起因して発熱するトロリ線にお
いては、このような線材の強度変化は避けられない。
Cu−Cr−Zr合金トロリ線においては、添加した合
金元素を金属間化合物として析出させることにより合金
を強化している。このように、合金元素を析出物として
添加する方法においては、合金元素を加えても導電率を
低下させることがない。しかし、この従来技術において
は、冷間加工後又は冷間加工の途中に、線材に熱を加え
る析出処理が必要である。この場合、銅又は銅合金トロ
リ線の場合と異なり、製造工程に熱処理という工程が付
加される。このため、製造工程が煩雑となり、製品コス
トの上昇をもたらす。また、これらの析出により線材を
強化するための熱処理においては、所望の特性を得るた
めには、微妙な温度管理が必要となるため、多大の設備
投資が必要となる。更に、これらの析出強化型の線材に
おいては材料の強化に寄与する析出物は、本質的に経時
変化を伴うため、線材の強度が経時的に劣化する虞があ
る。特に、パンタグラフとの摩擦及びトロリ線とパンタ
グラフとの間の放電等に起因して発熱するトロリ線にお
いては、このような線材の強度変化は避けられない。
【0012】従来、断面積が170mm2の錫入り銅合
金トロリ線の引張破断荷重の規格は、6000kgf以
上と設定されていた。このトロリ線はCu:0.3重量
%Sn合金であり、直径が20乃至30mm程度の荒引
き線を、断面積が170mm2となるように冷間伸線加
工し、製造されていた。一般に、銅又は銅合金等の金属
材料の強度は、冷間加工率の増加に伴って高くなること
が知られている。このため、冷間加工する前の荒引き線
の断面積を大きくすることによって、断面積が170m
m2になるまで大きな加工率で加工することにより、ト
ロリ線の強度を高めることができる。
金トロリ線の引張破断荷重の規格は、6000kgf以
上と設定されていた。このトロリ線はCu:0.3重量
%Sn合金であり、直径が20乃至30mm程度の荒引
き線を、断面積が170mm2となるように冷間伸線加
工し、製造されていた。一般に、銅又は銅合金等の金属
材料の強度は、冷間加工率の増加に伴って高くなること
が知られている。このため、冷間加工する前の荒引き線
の断面積を大きくすることによって、断面積が170m
m2になるまで大きな加工率で加工することにより、ト
ロリ線の強度を高めることができる。
【0013】しかしながら、一般に、直径が30mm以
上の大径の荒引き線は、その重さが1m当たり6kg以
上となり、曲げに対する強度も高くなるため、作業性が
極めて悪くなってしまう。このため、一般には、トロリ
線の製造には直径20mmから30mmの荒引き線が使
用されており、加工率を大きくすることができない。
上の大径の荒引き線は、その重さが1m当たり6kg以
上となり、曲げに対する強度も高くなるため、作業性が
極めて悪くなってしまう。このため、一般には、トロリ
線の製造には直径20mmから30mmの荒引き線が使
用されており、加工率を大きくすることができない。
【0014】一方、銅合金中のSn等の添加元素量を増
加することにより、強度を高めることができることは公
知である。例えば、Snを0.3重量%以上添加するこ
とにより6000kgf以上の引張破断荷重を得ること
ができる。しかしながら、一般に、導電率は添加合金元
素量と共に低下する。具体的に、錫入り銅合金トロリ線
については、導電率は70%IACS以上であることが
要求されているが、Sn濃度が0.45重量%を超える
と導電率が70%IACS以下となる可能性がある。こ
のため、添加するSn濃度は0.45重量%を超えるこ
とは好ましくない。従って、錫を添加することのみによ
って、70%IACS以上の導電率を確保しつつ、電車
の高速運行に必要な7600kgf以上の引張破断荷重
を有するトロリ線を得ることは困難であった。
加することにより、強度を高めることができることは公
知である。例えば、Snを0.3重量%以上添加するこ
とにより6000kgf以上の引張破断荷重を得ること
ができる。しかしながら、一般に、導電率は添加合金元
素量と共に低下する。具体的に、錫入り銅合金トロリ線
については、導電率は70%IACS以上であることが
要求されているが、Sn濃度が0.45重量%を超える
と導電率が70%IACS以下となる可能性がある。こ
のため、添加するSn濃度は0.45重量%を超えるこ
とは好ましくない。従って、錫を添加することのみによ
って、70%IACS以上の導電率を確保しつつ、電車
の高速運行に必要な7600kgf以上の引張破断荷重
を有するトロリ線を得ることは困難であった。
【0015】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
のであって、架線式電車の高速運行を可能とするトロリ
線の製造方法を提供することを目的とする。
のであって、架線式電車の高速運行を可能とするトロリ
線の製造方法を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明に係るトロリ線の
製造方法は、連続鋳造後熱間加工して得たSn:0.3
0乃至0.45重量%を含有し、残部がCu及び不可避
的不純物からなるワイヤロッドを冷間伸線加工してトロ
リ線を製造するトロリ線の製造方法において、前記冷間
伸線加工は、加工率x(%)と加工前の線材温度y
(℃)との関係が、y=5.6x−320、y=5.6
x−420、y=−10及びy=−210で囲まれた範
囲内にある条件で行うことを特徴とする。
製造方法は、連続鋳造後熱間加工して得たSn:0.3
0乃至0.45重量%を含有し、残部がCu及び不可避
的不純物からなるワイヤロッドを冷間伸線加工してトロ
リ線を製造するトロリ線の製造方法において、前記冷間
伸線加工は、加工率x(%)と加工前の線材温度y
(℃)との関係が、y=5.6x−320、y=5.6
x−420、y=−10及びy=−210で囲まれた範
囲内にある条件で行うことを特徴とする。
【0017】
【作用】本願発明者等は、Snを0.30乃至0.45
重量%添加することにより、6000kgf以上の引張
破断荷重を得ると共に、加工技術の改良により強度を高
めることによって、本発明の目的を達成できることを見
出した。即ち本願発明者等は、熱間加工温度から種々の
温度に線材を冷却した後、所定の加工率で冷間伸線加工
を加え、この線材の強度及び伸びを測定し、更にこのト
ロリ線の横断面の中心部分を透過電子顕微鏡で観察し
た。その結果、断面積が170mm2の高強度トロリ線
に要求される引張破断荷重7600kgf以上及び伸び
3.2%以上(標点間距離250mm)を得るための冷
間伸線加工前の線材温度y(℃)及び加工率x(%)は
図1にハッチングにて示すような範囲であることを見い
だした。
重量%添加することにより、6000kgf以上の引張
破断荷重を得ると共に、加工技術の改良により強度を高
めることによって、本発明の目的を達成できることを見
出した。即ち本願発明者等は、熱間加工温度から種々の
温度に線材を冷却した後、所定の加工率で冷間伸線加工
を加え、この線材の強度及び伸びを測定し、更にこのト
ロリ線の横断面の中心部分を透過電子顕微鏡で観察し
た。その結果、断面積が170mm2の高強度トロリ線
に要求される引張破断荷重7600kgf以上及び伸び
3.2%以上(標点間距離250mm)を得るための冷
間伸線加工前の線材温度y(℃)及び加工率x(%)は
図1にハッチングにて示すような範囲であることを見い
だした。
【0018】また、材料を塑性流動させるために必要な
応力は、セルの直径に反比例する(浅尾ら、塑性と加
工、第26巻、1181〜1187頁(1985
年))。従って、セルの直径(転位がもつれ合って形成
されたセル壁によって囲まれたセルの大きさ)を小さく
するほど線材の強度は高くなり、結果的に材料の引張破
断荷重が増加する。トロリ線に所望の引張破断荷重を持
たせるためには、セルの直径が0.6μm以下であるこ
とが必要である。しかしながら、セルの直径が0.25
μm未満になると材料の延性が低下するため所望の伸び
を得ることができない。また、材料中の双晶変形組織は
材料の強化には寄与しないばかりか、延性を著しく低下
させるために、これが存在しないことが好ましい。
応力は、セルの直径に反比例する(浅尾ら、塑性と加
工、第26巻、1181〜1187頁(1985
年))。従って、セルの直径(転位がもつれ合って形成
されたセル壁によって囲まれたセルの大きさ)を小さく
するほど線材の強度は高くなり、結果的に材料の引張破
断荷重が増加する。トロリ線に所望の引張破断荷重を持
たせるためには、セルの直径が0.6μm以下であるこ
とが必要である。しかしながら、セルの直径が0.25
μm未満になると材料の延性が低下するため所望の伸び
を得ることができない。また、材料中の双晶変形組織は
材料の強化には寄与しないばかりか、延性を著しく低下
させるために、これが存在しないことが好ましい。
【0019】そして、図1に示す範囲で示されたような
低温で加工された場合、線材横断面の透過顕微鏡観察に
より測定したセル径は、0.25乃至0.6μmの範囲
であり、極めて小さいものである。このように、加工温
度が低くて、線材のセル径が小さい場合は、材料の強度
が高くなる(例えば、和田ら、塑性と加工第31巻99
6〜1000頁(1990年))。
低温で加工された場合、線材横断面の透過顕微鏡観察に
より測定したセル径は、0.25乃至0.6μmの範囲
であり、極めて小さいものである。このように、加工温
度が低くて、線材のセル径が小さい場合は、材料の強度
が高くなる(例えば、和田ら、塑性と加工第31巻99
6〜1000頁(1990年))。
【0020】また、低温で加工された場合は、双晶変形
組織は存在しなかった。この双晶変形組織は、著しく延
性(引張試験における伸び)を低下させる。
組織は存在しなかった。この双晶変形組織は、著しく延
性(引張試験における伸び)を低下させる。
【0021】次に、本発明に係るトロリ線の製造方法の
冷間伸線加工条件の限定理由について説明する。図1は
横軸に冷間加工率x(%)をとり、縦軸に伸線加工前の
線材温度y(℃)をとって、引張破断荷重7600kg
f以上、伸び3.2%以上を得ることができる範囲をハ
ッチングで示す図である。この範囲は、下記数式2乃至
5で囲まれたものである。
冷間伸線加工条件の限定理由について説明する。図1は
横軸に冷間加工率x(%)をとり、縦軸に伸線加工前の
線材温度y(℃)をとって、引張破断荷重7600kg
f以上、伸び3.2%以上を得ることができる範囲をハ
ッチングで示す図である。この範囲は、下記数式2乃至
5で囲まれたものである。
【0022】
【数2】y=5.6x−320
【0023】
【数3】y=5.6x−420
【0024】
【数4】y=−10
【0025】
【数5】y=−210 数式2乃至4は、実験的に定められたものである。数式
2で表される直線より左上の領域では、セル径は0.6
μmを超える値であり、伸びは3.2%以上であるが、
引張破断荷重が不足していた。次に、数式3で示される
直線より右下の領域ではセル径が0.25μm未満で、
引張破断荷重は7600kgf以上であったが、伸びが
不足していた。数式4で示された直線より上方の温度で
は、温度と冷間加工率との関係が直線から逸脱し、加工
率を大きくしても強度の増加が極めて小さかった。ま
た、数式5は、実用的に使用可能な冷媒である液体窒素
の1気圧下での気化温度から求められた。液体窒素の気
化温度以下の冷媒としては、例えば、液体ヘリウム等が
あるが、コストの面から線材への適用は困難である。
2で表される直線より左上の領域では、セル径は0.6
μmを超える値であり、伸びは3.2%以上であるが、
引張破断荷重が不足していた。次に、数式3で示される
直線より右下の領域ではセル径が0.25μm未満で、
引張破断荷重は7600kgf以上であったが、伸びが
不足していた。数式4で示された直線より上方の温度で
は、温度と冷間加工率との関係が直線から逸脱し、加工
率を大きくしても強度の増加が極めて小さかった。ま
た、数式5は、実用的に使用可能な冷媒である液体窒素
の1気圧下での気化温度から求められた。液体窒素の気
化温度以下の冷媒としては、例えば、液体ヘリウム等が
あるが、コストの面から線材への適用は困難である。
【0026】なお、上述の領域の加工条件で冷間伸線加
工した場合は、線材中のSn濃度が0.45%以下であ
れば、作製したすべての試料について、導電率は70%
IACS以上である。
工した場合は、線材中のSn濃度が0.45%以下であ
れば、作製したすべての試料について、導電率は70%
IACS以上である。
【0027】
【実施例】本願発明者らが、実際に製造した高強度トロ
リ線(実施例1)の製造方法について以下に示す。ま
ず、直径が18mmで、0.35重量%の錫を含有する
荒引き線を連続鋳造設備で製造した。次に、この荒引き
線を液体窒素中に浸漬して冷却した。その後、冷間引き
抜き伸線加工設備により、3パスの伸線で170mm2
のトロリ線を製造した。各パスの伸線前の線材表面温度
を−150℃にした。
リ線(実施例1)の製造方法について以下に示す。ま
ず、直径が18mmで、0.35重量%の錫を含有する
荒引き線を連続鋳造設備で製造した。次に、この荒引き
線を液体窒素中に浸漬して冷却した。その後、冷間引き
抜き伸線加工設備により、3パスの伸線で170mm2
のトロリ線を製造した。各パスの伸線前の線材表面温度
を−150℃にした。
【0028】加工後の線材(実施例1)について、導電
率の測定、引張試験による引張破断荷重及び標点間距離
250mmにおける伸びの測定、トロリ線の中心部から
作製した試料の透過電子顕微鏡観察を行った。その結
果、導電率は73%IACS、引張破断荷重は7740
kgf、伸びは3.8%であった。また、透過電子顕微
鏡組織の結果、セルの平均直径は0.4μmであり、双
晶変形組織は存在しなかった。
率の測定、引張試験による引張破断荷重及び標点間距離
250mmにおける伸びの測定、トロリ線の中心部から
作製した試料の透過電子顕微鏡観察を行った。その結
果、導電率は73%IACS、引張破断荷重は7740
kgf、伸びは3.8%であった。また、透過電子顕微
鏡組織の結果、セルの平均直径は0.4μmであり、双
晶変形組織は存在しなかった。
【0029】この実施例1及びその他の実施例及び比較
例のSn濃度、線材冷却温度及び加工率を表1に、そし
て、引張破断荷重、伸び、導電率、セルの直径、双晶変
形の有無及び判定結果を表2に示す。引張破断荷重76
00kgf以上、伸び3.2%以上、及び導電率70%
IACS以上であったトロリ線は○、それ以外のトロリ
線は×と判定した。実施例及び比較例の中で、線材冷却
温度が−50℃以上のものは、冷媒としてドライアイス
を使用した。また、実施例1、2及び比較例1〜8の加
工率及び線材冷却温度を図2中に示した。
例のSn濃度、線材冷却温度及び加工率を表1に、そし
て、引張破断荷重、伸び、導電率、セルの直径、双晶変
形の有無及び判定結果を表2に示す。引張破断荷重76
00kgf以上、伸び3.2%以上、及び導電率70%
IACS以上であったトロリ線は○、それ以外のトロリ
線は×と判定した。実施例及び比較例の中で、線材冷却
温度が−50℃以上のものは、冷媒としてドライアイス
を使用した。また、実施例1、2及び比較例1〜8の加
工率及び線材冷却温度を図2中に示した。
【0030】実施例1及び2では、引張破断荷重、伸び
及び導電率とも基準の値より大きな値となった。一方、
比較例1、3、4、6及び8では、引張破断荷重が、夫
々7510kgf、7340kgf、6970kgf、
7480kgf、7570kgfと7600kgf未満
であり、また比較例2及び5では、伸びが、夫々2.8
%、3.0%と3.2%未満であった。更に比較例7で
は、導電率が69%IACSと70%IACS未満であ
った。
及び導電率とも基準の値より大きな値となった。一方、
比較例1、3、4、6及び8では、引張破断荷重が、夫
々7510kgf、7340kgf、6970kgf、
7480kgf、7570kgfと7600kgf未満
であり、また比較例2及び5では、伸びが、夫々2.8
%、3.0%と3.2%未満であった。更に比較例7で
は、導電率が69%IACSと70%IACS未満であ
った。
【0031】上述のように、いずれの比較例において
も、冷間加工率x(%)と加工前の線材温度y(℃)と
の関係が、本発明にて規定した範囲から外れているため
に、必要とされる引張破断荷重、伸び又は導電率を得る
ことができなかった。
も、冷間加工率x(%)と加工前の線材温度y(℃)と
の関係が、本発明にて規定した範囲から外れているため
に、必要とされる引張破断荷重、伸び又は導電率を得る
ことができなかった。
【0032】
【表1】
【0033】
【表2】
【0034】
【発明の効果】本発明に係るトロリ線の製造法は、冷間
伸線加工時の加工率及び加工前の線材温度を制御するこ
とにより、電車の高速運行に必要な引張破断荷重、伸び
及び導電率を持ったトロリ線を製造することができる。
伸線加工時の加工率及び加工前の線材温度を制御するこ
とにより、電車の高速運行に必要な引張破断荷重、伸び
及び導電率を持ったトロリ線を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】冷間加工率x(%)と加工前の線材温度y
(℃)との関係を示す図である。
(℃)との関係を示す図である。
【図2】実施例及び比較例の冷間加工率x(%)及び加
工前の線材温度y(℃)を示す図である。
工前の線材温度y(℃)を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 河野 宰 東京都江東区木場1丁目5番1号 株式会 社フジクラ内
Claims (1)
- 【請求項1】 連続鋳造後熱間加工して得たSn:0.
30乃至0.45重量%を含有し、残部がCu及び不可
避的不純物からなるワイヤロッドを冷間伸線加工してト
ロリ線を製造するトロリ線の製造方法において、前記冷
間伸線加工は、加工率x(%)と加工前の線材温度y
(℃)との関係が、y=5.6x−320、y=5.6
x−420、y=−10及びy=−210で囲まれた範
囲内にある条件で行うことを特徴とするトロリ線の製造
方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP15656895A JPH092108A (ja) | 1995-06-22 | 1995-06-22 | トロリ線の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP15656895A JPH092108A (ja) | 1995-06-22 | 1995-06-22 | トロリ線の製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH092108A true JPH092108A (ja) | 1997-01-07 |
Family
ID=15630629
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP15656895A Pending JPH092108A (ja) | 1995-06-22 | 1995-06-22 | トロリ線の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH092108A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2006283181A (ja) * | 2005-04-05 | 2006-10-19 | Mitsubishi Cable Ind Ltd | 耐摩耗性銅合金トロリ線およびその製造方法 |
| JP2007056370A (ja) * | 2006-09-22 | 2007-03-08 | Hitachi Cable Ltd | 電車線用銅合金導体の製造方法及び電車線用銅合金導体 |
-
1995
- 1995-06-22 JP JP15656895A patent/JPH092108A/ja active Pending
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2006283181A (ja) * | 2005-04-05 | 2006-10-19 | Mitsubishi Cable Ind Ltd | 耐摩耗性銅合金トロリ線およびその製造方法 |
| JP2007056370A (ja) * | 2006-09-22 | 2007-03-08 | Hitachi Cable Ltd | 電車線用銅合金導体の製造方法及び電車線用銅合金導体 |
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