JPH09214421A - 移動無線システムにおける無線基地局アンテナ指向特 性の制御システム - Google Patents
移動無線システムにおける無線基地局アンテナ指向特 性の制御システムInfo
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- JPH09214421A JPH09214421A JP8056628A JP5662896A JPH09214421A JP H09214421 A JPH09214421 A JP H09214421A JP 8056628 A JP8056628 A JP 8056628A JP 5662896 A JP5662896 A JP 5662896A JP H09214421 A JPH09214421 A JP H09214421A
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- Variable-Direction Aerials And Aerial Arrays (AREA)
- Mobile Radio Communication Systems (AREA)
Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【課題】基地局に設けられたアンテナの指向性を移動無
線機から送られてきた無線信号レベルの大きい方向に向
くように制御し、送信電力及び電波干渉の軽減、周波数
の有効利用度の向上等を図る。 【解決手段】無線基地局1に具備されている複合アンテ
ナ10は2種類の機能(作用)を有する。その1は所管
するサービスエリヤの任意の場所に存在する移動無線機
に対し、制御信号を常時送受信すると共に移動無線機の
現在位置を確認・追跡可能な機能であり、その2は任意
の移動無線機との交信には複合アンテナの一部のみを使
用し、他の部分の使用による不必要な電波の放射を防止
する機能である。これらの機能を持たせるためアンテナ
は制御部14の制御により、任意の組合わせで使用が可
能なように同一特性を有する複数の基本アンテナから構
成され、かつこれら基本アンテナは水平面内指向特性と
して狭ビーム特性を有しており、チルト角制回路11に
よりそれぞれチルト角を制御する。
線機から送られてきた無線信号レベルの大きい方向に向
くように制御し、送信電力及び電波干渉の軽減、周波数
の有効利用度の向上等を図る。 【解決手段】無線基地局1に具備されている複合アンテ
ナ10は2種類の機能(作用)を有する。その1は所管
するサービスエリヤの任意の場所に存在する移動無線機
に対し、制御信号を常時送受信すると共に移動無線機の
現在位置を確認・追跡可能な機能であり、その2は任意
の移動無線機との交信には複合アンテナの一部のみを使
用し、他の部分の使用による不必要な電波の放射を防止
する機能である。これらの機能を持たせるためアンテナ
は制御部14の制御により、任意の組合わせで使用が可
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成され、かつこれら基本アンテナは水平面内指向特性と
して狭ビーム特性を有しており、チルト角制回路11に
よりそれぞれチルト角を制御する。
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は小ゾーンを用いた移動通
信システムの無線基地局アンテナ指向特性の制御に関す
る。詳しくは複数のゾーンをそれぞれカバーしてサービ
スエリアを構成する各無線基地局と、無線基地局と交信
するため各移動無線機との間の通信を実行するための移
動通信制御局とこれと伝送路により結合されている電話
網に含まれている電話機とを有するシステムがあり、無
線基地局と移動無線機との間で行う無線通信において、
無線基地局に具備されているアンテナの指向特性を無線
基地局の管理するサービスエリア内の移動無線機の移動
にともなって追跡・制御する技術に関する。 【0002】 【従来の技術】従来小ゾーンを用いた移動通信システム
の無線基地局に具備されているアンテナの指向特性を制
御する技術としては、移動無線に特有な多重波伝搬を少
なくする方法が知られている。これは、無線基地局に設
けられた指向性アンテナの指向性を移動無線機からの信
号にもとづき制御することにより、移動無線機から複数
の伝搬経路をへて無線基地局に到達する電波を主伝搬経
路のみに限定するものである(参考文献1:特開平3−
254228)。また、技術的には上記と同様である
が、無線基地局と移動無線機との交信中はパイロット信
号を相互に送受信して無線基地局の第二の指向性アンテ
ナの指向性を移動無線機へ向けるよう調整し、移動無線
通信システムの通信装置からの無線信号が送信アンテナ
から360°全方位に発射され、電界強度が全方位にわ
たるため生じる不要電波の氾濫、電子機器類への妨害、
第3者による通信の傍受等を防止するための方法も知ら
れている(参考文献2:特開平5−206918)。さ
らに無線基地局アンテナ主指向ビームの地表となす角度
を下方に向け(ビームチルト)、隣接サービスエリアへ
の電波の漏洩を減少させ、電波干渉を軽減する方法も実
用されている(参考文献3:昭和59年度電子通信学会
総合全国大会No.2452)。さらに、このビームチ
ルト技術を自サービスエリアにおいて半径方向へ帯状に
きめ細かく使用し、周波数の有効利用度の向上を図る提
案もされている(参考文献4:電子情報通信学会信学技
報A・P92−85)。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】一般に移動無線システ
ムの通信は、次のように伝送媒体として空間を使用する
ため多重波伝搬の影響を受ける。例えば、自動車電話の
場合、自動車に搭載された移動無線機から無線基地局あ
て送信されてきた電波が無線基地局のアンテナで受信さ
れるまでには、複数の伝搬経路をへて到達することにな
る。すなわち、移動無線機が無線基地局アンテナから見
通せる場合は少なく、一般には建物等地形・地物の影響
を受けこれらで反射・回折等の影響を受け伝搬経路が時
々刻々変化する。しかも、この伝搬経路は唯一ではな
く、複数存在するのが常である。これは多重波伝搬と言
われる現象でる。また、移動無線機が無線基地局アンテ
ナから見通せる場合でも反射・回折等の影響を受けた伝
搬経路が存在し、これらは上記と同様の多重波伝搬が発
生する。これらの電波は伝搬経路が異なるとその有する
位相が異なることになる。 【0004】したがって、上記のような多重波伝搬の影
響を受けた無線信号が無線基地局に到達し、無線基地局
のアンテナで受信され受信機へ導かれた場合、位相の異
なる信号が相加されることになるので、総合の信号の強
さは時々刻々変化することになる。また、移動無線シス
テムの通信で無線基地局の送信アンテナとして指向性を
有せず360°全方位に発射された場合、電界強度は全
方位にわたるが、相手の移動無線機は特定の方向にしか
存在しないため、無線基地局からの電波は特定の方向に
発射された電波しか有効に使用されず、その他の方向の
電波は不要電波となり他の通信に対する妨害となるほ
か、第3者による通信の傍受等の可能性を増大させてい
た。さらに無線基地局アンテナ主指向ビームが地表とな
す角度が適切でないと、隣接する無線ゾーンへの電波漏
洩が大きくなり、電波干渉の増大の可能性があった。上
記の技術的諸問題に対しての従来の対処策は既にのべた
方策が行われて来たが、依然として以下のような技術的
問題があった。 【0005】第一の無線基地局に設けられた指向性アン
テナの主指向性を移動無線機へ向ける対処策であるが、
移動無線機が高速で移動した場合、無線基地局への電波
の伝搬経路が急速に変化し、したがって到来方向は急速
に変化し、アンテナの主指向性の追尾が不可能となる危
険がある。次に、二つの異なる伝搬経路を経て無線基地
局に到来した信号の有する電力がほとんど等しい場合、
このいずれかにアンテナの主指向性を向ける結果、有効
な信号電力が半減すると言う無駄が生じた。さらに無線
システムで使用される変調方式によっては、例えば最近
有力になってきたCDMAを用いたシステムでは、受信
波として、多重波伝搬した複数の信号は有害ではなく、
むしろ信号のエネルギーの有効活用のため有用である場
合がある。或いは、現用の移動通信システムで使用され
ている狭帯域時分割多重システムでも、受信後の信号処
理により多重波伝搬した複数の信号は必ずしも有害では
ないようになってきている。 【0006】第二の無線基地局と移動無線機との交信中
にパイロット信号を相互に送受信して無線基地局の通信
用指向性アンテナの指向性を移動無線機へ向けるよう調
整する技術は、その指向性を駆動モータにより移動させ
るものである。これは、通信対象が特定している場合に
は有効であるが、公衆移動無線システムのように1つの
無線基地局がその管理するサービスエリア内の多数の移
動無線機が存在し、発着呼している複数の移動無線機に
対し適用するにはコスト高となり実用困難である。ま
た、無線基地局の通信用指向性アンテナの指向性を移動
無線機へ向けると言っても移動無線機と無線基地局との
相対位置により変化するアンテナの主ビームのチルト角
まで制御することまでは明らかにされていない。 【0007】第三の無線基地局アンテナのビームチルト
技術であるが、これは基地局アンテナの垂直面内指向性
を俯角方向に電気的にまたは機械的に傾斜させる技術で
ある。傾斜させる方法としては、アンテナ本体を機械的
に傾斜させる方法、アンテナは直立させたまま各素子の
給電位相を位相器等を用いて調整することにより、ビー
ム波面を傾斜させる方法等がある。この技術は最近開発
されたものであり、適用対象がサービスエリア内の全移
動無線機に対し行われる場合、あるいはサービスエリア
を半径方向に対し帯状に複数個に分割し、そのエリア内
に存在する移動無線機に対し行われる場合であり、特定
の移動無線機に対して行うと言う木目の細かな方法は未
開発であった。 【0008】 【課題を解決するための手段】本発明は小ゾーンを用い
た移動無線システムの無線基地局において、その管理す
るサービスエリア内の夫々の移動無線機と効率的な交信
をするため、下記の構成を有する複合アンテナを設け
た。すなわち複合アンテナを構成するアンテナは、その
総合特性として360°全方位に発射(もしくは受信)
される無指向性や、120゜の方位に発射(もしくは受
信)される指向性を有するものがあるが、いずれもその
構成するアンテナの有する指向性を角度別に複数個に分
割可能とし、それぞれシャープな指向性を有する複数個
の基本アンテナ(それらはほぼ同一の特性を有する)か
ら構成した。ついで、複合アンテナは、無線基地局に装
備され通信を行う送受信無線機やその制御を行う制御装
置と制御信号の授受を行うインタフェース部を有するよ
うに構成した。この制御装置からの情報によりアンテナ
のチルト角制御を可能とした。また、上記の複合アンテ
ナの動作を適用するシステムに応じて動作させるため、
時分割多重システムの場合には時分割的動作、アナログ
システムの場合には周波数分割的動作を行わせる事にし
た。さらに無線基地局とインタフェースを有する移動通
信制御局、これと伝送路により結合されている電話網
(40)に含まれている電話機とで移動通信網を構成し
た。 【0009】 【作用】無線基地局に具備された本発明による複合アン
テナは2種類の作用(機能)を有する。すなわち、上述
に説明したようなアンテナの時分割的使用(時分割多重
しシステムの場合)により、次の作用(機能)を有する
ことになる。まず、所管するサービスエリアの任意の場
所に存在する移動無線機に対し、制御信号を常時送受信
可能であると共に移動無線機の現在位置を確認・追跡可
能となった。それはアンテナを構成する全ての基本アン
テナを使用することにより全サービスエリアをカバーす
るに必要な360度無指向アンテナや120度内指向性
を有するアンテナを構成可能であり、かつ移動無線機か
ら送られてきた信号を基本アンテナ単位で識別可能なた
め、無線基地局からみた移動無線機の方角(無線基地局
からみた位置、正確には電波の到来角)を認識する事が
できることになる。この移動無線機の位置情報を制御部
へ送信し処理することより、次の作用(機能)に活用す
ることが可能となる。すなわち、移動無線機と基地局と
の通信(通話)に際して、上述の移動無線機の位置情報
を用いて、交信に必要とする部分アンテナのみを使用
し、他の部分アンテナの使用による不必要な電波の放射
を防止する作用である。また、この制御装置からの情報
によりアンテナのチルト角制御を可能とした。 【0010】上記をさらに詳しく説明すると以下のよう
になる。無線基地局に設けられた複合アンテナは同一特
性を有する複数個の狭ビーム指向性を有する基本アンテ
ナから構成され、各基本アンテナは同一の水平面内指向
性を有しており、これらを総合することで360度無指
向アンテナや120度内指向性を有するアンテナを構成
可能となっている。また、基本アンテナはチルト角制御
が可能となるよう構成され、それぞれ無線基地局内の各
無線機へ接続されている。そして、時分割的使用(時分
割多重システムの場合)によりこれらの無線機はその管
理するサービスエリア内に存在する各移動無線機に対
し、制御信号を常時送受信可能である。 【0011】また、無線基地局の制御部は移動無線機に
対し、無線基地局に具備されている検索用無線機、ある
いは通信用無線機からの無線制御信号をアンテナから送
信するのに、その基本アンテナのすべて、或いは1部を
使用して送信可能なように制御可能であり、逆に移動無
線機から送信されてきた制御信号の受信は基本アンテナ
のすべて、もしくは一部を使用して受信出来、かつその
受信信号レベルを常時比較可能なように構成されてい
る。その結果、制御部では複数の基本アンテナのそれぞ
れで受信した制御信号レベルが他に比べて高かった1つ
または複数の基本アンテナの示す方向をその移動無線機
の存在する方向と定め、これら以外の基本アンテナは通
信に使用しないように除外する。また使用すべきと決定
した1つまたは複数の基本アンテナについてはそれぞれ
チルト角制御量を決定し、指示する。複合アンテナで
は、この指示を受けて複合アンテナで使用すべき1つま
たは複数の基本アンテナを選択し、選択した基本アンテ
ナに適応すべき各チルト角制御を実行し、移動無線機と
通信を行うとになる。さらに、移動無線機のサービスエ
リア内移動にともない、無線基地局で使用に適する基本
アンテナは時々刻々変化することが予想されるが、これ
に対しては移動無線機からの制御信号を常時受信してい
る前記複合アンテナの制御チャネルにより、移動無線機
の現在位置が推定可能で、この情報を複合アンテナヘ教
示し、複合アンテナではこれを活用するため常に移動無
線機との交信が良好に実施可能となる。 【0012】さらに、無線基地局と移動無線機との通話
移行後においても、制御部では移動無線機の移動にとも
ない使用すべき基本アンテナの変更の要否、選択した基
本アンテナに対するチルト角制御情報とを複合アンテナ
ヘ指示を続け、複合アンテナではこの指示に従うため移
動無線機と無線基地局に具備されている通信用無線機と
の交信は常に良好に保たれる。以上述べたような理由に
より、本発明を適用したシステムは移動無線機と無線基
地局との交信が良好となるが、交信が良好となる理由は
他にも存在する。以下これらを説明する。まず、妨害電
波を受ける確率の減少である。それは、移動無線機から
送信された無線信号は複数の伝搬経路をへて無線基地局
へ到達するが、そのうち到来角度の異なる無線信号の
内、電力の大きな信号は複数個に限られる結果、上記の
ような複合アンテナの使用する基本アンテナ数は通常2
〜3となるからである。従って、無線基地局では他の方
向から入来する妨害電波を遮断することが可能となる。 【0013】また、移動無線機からの信号は無線基地局
内の複合アンテナの各基本アンテナのいずれか(複数を
含む)で常時受信可能なように設定されている。なぜな
らば、複合アンテナの基本アンテナの全てをもって無線
基地局の管理するサービスエリア内の全エリアをカバー
するように設定されているからである。従って、制御部
の制御により、各基本アンテナの受信信号の選択は瞬時
に変更可能である。上記の状態は移動無線システムのよ
うに移動無線機が高速で移動した場合における通信の連
続に極めて効果的である。すなわち、前述の移動無線機
が高速で移動した場合、電波の到来方向が急速に変化
し、アンテナの主指向性の追尾が不可能となる危険性を
大きく減少させることが出来る。 【0014】第三に無線基地局内の複合アンテナの各基
本アンテナの主指向ビームの地表となす角度(チルト
角)の制御をサービスエリア内の各移動無線機に対し夫
々下方へ向けて行うことにより、通信に要する無線信号
電力は従来よりも小電力で交信が良好に実行可能となっ
た。また、自己のサービスエリア以外へ漏洩する無線信
号が減少し、他通話者に対する電波干渉が減少させるこ
とが可能となった。第四に構成するアンテナを機械的に
可動させる基本を除去したから制御が簡単容易となっ
た。なお、上記の説明は移動無線システムが時分割多重
システムの場合であったが、本発明はアナログシステム
の場合も同様に適用可能である。アナログシステムの場
合は時分割多重システムのように多重化されていないか
ら、周波数分割法で本発明を適用すればよい。すなわ
ち、アナログシステムの場合制御用の無線チャンネルと
通話用の無線チャンネルとは別の周波数を使用されてい
るから、上記の制御信号と通話信号の時間分割使用を周
波数分割使用に変更すればよいことになる。 【0015】 【実施例】以下本発明を時分割デジタル多重移動通信シ
ステムに適応した実施例を用いて説明する。アナログシ
ステムについては簡略化した形で適応が可能である。図
1はシステム構成を示す。図1において左方に多数の移
動無線機100−1100−2、・・・及び移動無線機
100−p(以下特に混乱を生じない場合は移動無線機
100で代表させる)が存在し、その右隣に破線で囲ま
れた無線基地局1が描かれている。移動無線機100と
無線基地局1とは無線により結合されている。無線基地
局1もシステム内には数多く存在する(図11参照)
が、特に必要がないので1局だけ描き、あとは省略して
いる。無線基地局1の右隣に移動通信制御局30、さら
にその右隣に電話網40があり、これら3者間は通常有
線で結合されている。 【0016】以下、図1を示すシステム構成の各部を説
明する。まず無線基地局1に関し説明する。無線基地局
1は移動無線機100との信号の授受、および移動通信
制御局30との信号の授受を効率的に行うことであり、
以下詳細に説明する。第一に移動無線機100と信号の
送受信を行う複合アンテナ10について説明する。複合
アンテナ10は多数のアンテナで構成されている。これ
らのアンテナは同一の特性を有するので、以下基本アン
テナA1、A2、・・・、AN(以下特に混乱を生じな
い場合は基本アンテナAで代表させる)と称することに
する。基本アンテナAは夫々シャープな指向特性(送受
信される電波は垂直の偏波面)を有する。これらの具体
的構成を図2に示す。図2は複合アンテナ10の平面図
で、N=12の場合である。同図は無線基地局のサービ
スエリアがオムニゾーン(無線基地局を中心に円形)の
場合に使用される。図2では12個の基本アンテナAと
してそれぞれ、コーナアンテナ群を用いて作成された場
合で、コーナアンテナ群を各6個ずつ(図では見えない
が)、上下2段構成となっている。したがって、コーナ
アンテナの数は全体で6×12=72個となる。実際の
使用に際しては上下2段のアンテナを垂直に設置するこ
とになるが、同図の場合、これを1段ずつ切り離した場
合を示している。また、使用する電波の偏波面は垂直偏
波であり、電界は紙面に垂直でアンテナの主ビーム方向
はビームチルトのない場合は紙面と並行となる。 【0017】図2(a)または(b)で60度の角度を
なす6本の太線はコーナアンテナの金属反射板を示す。
また、○印は励振素子を、コーナアンテナの中央で大き
く外部へ広がり、金属反射板付近で内部へ収束(金属反
射板で利得は0となる)している点線は各コーナアンテ
ナ群の指向特性を示す。コーナアンテナ群を構成するコ
ーナアンテナの数は4〜8個等が使用される。そして各
コーナアンテナはチルト角制御回路11と結ばれてい
る。実際に図2(a)と図2(b)に示すコーナアンテ
ナ群の上下2段の垂直設置に際しては、上段と下段のコ
ーナアンテナ構成の相対位置を30度ずらせて設置させ
ているため、これら房状のコーナアンテナの指向特性
は、上下2段の総合アンテナとして見たとき、各コーナ
アンテナのヌル点(利得0の点)は除去され、良好なオ
ムニ特性が得られることになる。なお、無線基地局のサ
ービスエリアがオムニゾーンではなく、扇形ゾーン(無
線基地局を中心にした円を部分的に切り取った形のゾー
ン、セクターと呼ばれる)の場合には図2のコーナアン
テナの一部、例えば4個が使用される。以上の説明は複
合アンテナ10の機能として移動無線機100からの信
号を受信する場合であったが、逆に後述の検索用無線機
13や通信用無線機15から移動無線機100あての信
号を送出する機能を有していることは当然である。 【0018】次に複合アンテナ10とチルト角制御回路
11との結合について図3により説明する。本発明にお
けるチルト角制御回路11の機能は、複合アンテナ10
の有する垂直面内指向特性に関し、その主ビーム(実際
には各基本アンテナの有する主ビーム)の方向を通信す
る移動無線機へ向けることである。これは主ビームの方
向の地表とのなす角度を所要の角度に制御することであ
り、この角度の制御は通常は地表へ傾けられる。したが
って無線信号をチルト角制御されたアンテナへ印加する
ことは通常の制御されていないアンテナへの印加の場合
に比較して無線基地局のサービスエリア外へ漏洩する電
力が減少し、他の通信への干渉妨害の防止に極めて有効
である。また、無効な電力を削減できるから省電力化が
可能となる。逆に、移動無線機より送信されてきた無線
信号の受信に際しても、主ビームの方向が移動無線機へ
向けられているため、他の方向から来る妨害電波の受信
を減少させる効果が得られ、これまた他の通信からの干
渉妨害の防止に極めて有効で受信品質の向上に効果的で
ある。 【0019】さて、図3の上方の破線に囲まれた中に複
合アンテナ10、下方の破線に囲まれた中にチルト角制
御回路11が描かれている。複合アンテナ10は、右方
から順に基本アンテナA1、A2、・・・、ANから構
成されていることを示している。各基本アンテナはさら
に複数のコーナアンテナ群から形成されており、図の場
合各々W個のコーナアンテナ群から形成されている。例
えば、基本アンテナA1はコーナアンテナ群a11,a
12、・・・aw1から形成されている。また、チルト
角制御回路11も破線で囲まれているが、チルト角制御
回路11とアンテナとの結合はコーナアンテナ単位に細
分化されているのに対し、無線機側の結合は検索用無線
機13の場合は基本アンテナ単位に、また、通信用無線
機の場合は複数の基本アンテナが1個の通信用無線機1
5と結合されることになる。そして前者のアンテナとの
結合は常時成されてるのに対し、後者の無線機との結合
は後述するように、ある時間には検索用無線機13と、
他の時間には通信用無線機15と言うように時分割して
結合される。 【0020】以下検索用無線機13と結合されている場
合を説明する。図3はこのような場合で、チルト角制御
回路11が右下方から順に検索用無線機13の検索用送
受信部13−1、13−2、・・・13−Nと接続され
ている。そして、チルト角制御回路11において、例え
ば検索用送受信部13−1と接続されている回路はチル
ト角制御回路11内でそれぞれW個に分割され、可変位
相器φ11、φ12、・・・、φw1(以下可変位相器
φと略称する場合がある)と接続されている。そして、
右方から入力される制御部14よりの制御信号により可
変位相器φ11,φ12、・・・φw1を通過する信号
のそれぞれの給電位相が制御され、各コーナアンテナ群
a11.a12、・・・aw1のそれぞれのアンテナ特
性が変化する。その結果分割アンテナA1としてのチル
ト角の制御が可能となる。上記と同様な事が他のコーナ
アンテナ群a21、a22、・・・、a2w等において
も行われるので、各基本アンテナA1、A2、・・・、
ANにおけるチルト角が互いに他と独立して所望の値に
制御されることになる。通信用無線機がチルト角制御回
路11と結合されている場合も、上記と同様に複合アン
テナのチルト角の制御が可能となる。なお、上記の説明
は複合アンテナを送信アンテナとしてチルト角制御を行
う場合であったが、逆に複合アンテナを受信アンテナと
してチルト角制御を行う場合も同様であり、信号の流れ
の説明を逆にすればよい。 【0021】次にチルト角制御回路11とスイッチ回路
12との接続方法について図4により説明する。スイッ
チ回路12は図4に示す太い破線でかこまれた部分であ
り、制御・通話信号切替スイッチ部SWと下左方にある
スイッチマトリックス部Sとから構成される。以下、チ
ルト角制御回路11からスイッチ回路12への入力信号
の場合を説明する。図4の上方からのチルト角制御回路
11の出力は、まず制御・通話信号切替スイッチ部SW
に入力される。制御・通話信号切替スイッチ部SWは切
替スイッチSW1、SW2、SW3、・・・SWNから
構成されている。制御・通話信号切替スイッチ部SW
(以下切替スイッチ)の機能は名前のごとく、移動無線
機100からの信号を制御信号と通話信号とに切り分け
るものである。これらの信号は時分割的に送信されて来
ており、それぞれ制御・通話タイムスロットに収容され
ている。 【0022】一方制御部14ではすでに移動無線機10
0から送られてきた制御あるいは通信信号から、タイミ
ング信号を検知しており、制御・通話タイムスロットは
分離可能な状態になっている。タイミング信号の検知法
には種々の方法があるが、たとえば無線基地局1の動作
開始時にスイッチ回路12の制御・通話信号切替部SW
の状態を端子2をオンの状態に固定しておき、移動無線
機100からの制御信号を受信可能な状態にしておく方
法でタイミングを把握し、以後は自無線基地局内に具備
されている正確なクロック発生器でタイミングを維持さ
せる。あるいは、移動通信制御局30からタイミング情
報を送信してもらう等の方法がある。さて、上記のよう
に制御部14では制御・通話タイムスロットは分離可能
な状態になっているから、複合アンテナの各基本アンテ
ナA1、A2、A3、・・・ANで各々独立に受信され
た制御信号は、それぞれ切替スイッチ部SWのSW1、
SW2、SW3、・・・SWNの各端子2へ、通話信号
の場合はそれぞれ端子1へ、それぞれタイムスロット毎
に接続可能となる。ただし、切替スイッチSW1、SW
2、SW3、・・・SWNの動作は制御部14からの制
御信号により、すべての切替スイッチが端子1、もしく
は端子2へ同時に切り換えられるように構成されてい
る。 【0023】まず移動無線機100からの信号が制御信
号の場合をさらに説明する。この場合は各基本アンテナ
からの出力は切替スイッチの各端子2へ接続され、図2
下右に示した検索用無線機13の検索用送受信部13−
1、13−2、・・・13−Nへ送られる。次に移動無
線機100からの信号が通話信号の場合を説明する。こ
の場合は各基本アンテナからの出力は切替スイッチの各
端子1へ接続され、図2下左に示したスイッチマトリッ
クス部Sへ送られる。スイッチマトリックス部SにはM
2個のスイツチS11,S21、・・・、SM1・・
・、S1M、S2M、・・・、SMMが具備されてお
り、N個の基本アンテナからのあらゆる組合わせ出力は
制御部14からの制御信号によるスイッチのオン・オフ
動作により、通信用無線機11に具備されているM個の
通信用無線機15−1、13−2、・・・13−Mのど
の通信用無線機へも接続が可能なように構成されてい
る。図4のスイッチマトリックス部Sで入出力線の各交
点にそれぞれスイッチが設置されており、白い三角形は
オフ、黒い三角形はオンの状態を示す。図4の状態はス
イッチS11、S21およびS31がオンの状態である
から、基本アンテナA1、A2およびA3からの受信信
号が通信用無線機13−1へ入力されることを示してい
る。以上の説明はスイッチ回路12の機能としてチルト
角制御回路11からの信号を受信する場合であったが、
逆に後述の検索用無線機13や通信用無線機15から移
動無線機100あての信号を送出する機能をも有してい
ることは当然である。 【0024】次に検索用無線機13と制御部14の機能
を図5により説明する。移動無線機100から送信され
た制御信号はN個の検索用送受信部13−1、13−
2、・・・13−Nへ入力される。ここでは受信信号レ
ベルや受信品質を検出し、それぞれ制御部14へ送信す
る。これらのN個の信号を受信した制御部14では制御
信号レベルや品質を比較する。その結果、例えば一定の
受信品質を送信してきた検索用送受信部を13−1、1
3−2、13−3、13−4とすると、これらの信号を
受信した基本アンテナのビームチルト角を前述したよう
な方法により変化させ、移動無線機100からの無線信
号を一層良好に受信出来るように調整させる。そして、
再び移動無線機100からの制御信号の受信結果を検索
用無線機13から連絡させる。その結果、検索用無線機
13からの受信信号を得た制御部14ではその品質を再
度比較し、例えば上位3位以上の高い受信レベルを得た
基本アンテナがA1、A2、及びA3とすると、移動無
線機100の現在位置を基本アンテナA1、A2、及び
A3の有する主ビームの方向と判断する。ただしこの判
断は移動無線機100の現実的な位置が基本アンテナA
1、A2、及びA3の有する主ビーム方向にあるという
のではなく、移動無線機100と無線基地局1との間に
ある建物や地形・地物の影響による電波の反射や回折の
ため電波伝搬経路が無線基地局1から移動無線機100
を直視した場合の経路と異なる経路が存在すると言うこ
とであり、無線基地局1で受信した場合、基本アンテナ
A1、A2、及びA3での受信が他の基本アンテナに比
べて高いという意味である。 【0025】上記は移動無線機100の現在位置から無
線基地局1への電波到来方向の厳密な説明であるが、以
下では単に「移動無線機100の現在位置は基本アンテ
ナA1、A2、及びA3の方向、或いはさらに簡単に
「A1が最も良好に受信した場合はA1の方向」として
移動無線機100と無線基地局1との位置関係を説明す
る。以上の結果、基本アンテナA1、A2、及びA3を
移動無線機100と交信に使用するアンテナと決定し、
この情報を基地局変復調装置25へ送信する。この情報
を受信した基地局変復調装置25では各通信用無線機の
使用状況を調査し、移動無線機100と対向して通信さ
せる通信用無線機として例えば通信用無線機15−1と
決定し、移動通信制御局30へ発呼信号を送信すると共
に制御部14へ連絡する。制御部14ではスイッチ回路
12のマトリックススイッチSのスイッチや制御・通話
信号切替部SWを動作させ、通信用無線機15−1の信
号が基本アンテナA1、A2、及びA3へ送信可能で、
かつチルト角制御がなされている状態になるよう制御信
号をスイッチ回路12、チルト角制御回路11へ送信す
る。この結果、無線基地局1からの信号は移動無線機1
00へ送信される。また、移動無線機100からの信号
も上記の制御部14の動作で通信用無線機15−1へ伝
送されることが可能となる。さらに移動通信制御局30
や電話網40等の動作により、無線基地局1、移動通信
制御局30や電話網40等を介して移動無線機100と
電話網40内の電話機との通信が可能となる。 【0026】移動通信システムでは移動無線機或いは携
帯無線機の位置は通信中においても当然移動する。した
がって、移動無線機と無線基地局との相対位置は変化
し、これにつれて移動無線機から無線基地局へ到達する
電波伝搬経路も変化することになる。そこで本発明にお
いては、移動無線機100の移動に無関係に制御信号の
タイムスロットにおいては複合アンテナの全ての基本ア
ンテナを用いて、移動無線機からの制御信号を常時受信
し、上記で説明した方法により常に移動無線機からの送
受信が良好に行えるように検索を継続する。 【0027】つぎに基地局変復調装置25に関し図6に
より説明する。図6の右方には制御部14や、通信用無
線機15とインタフェースを有する無線系信号送受信部
78があり、信号の授受を行う。前者の制御部14とは
制御信号の授受を行い、これと協力して移動無線機10
0の現在位置の方角の情報を得て、使用すべき通信用無
線機15の決定等を行う。また、後者の通信用無線機1
5とは制御・通信信号の授受を行い、移動通信制御局3
0と協力して通信が終了するまで良好な通信を可能とす
るための一連の信号処理動作を行う。まず、無線基地局
1の各回路動作は図6に示されている、クロック発生器
71から発生されたクロック信号を受けたタイミング発
生回路70からのタイミング信号により時間的なずれを
生じない様に調整を受ける。なお、システム内に多数の
無線基地局が存在する場合のタイミングの決定は移動通
信制御局30に内臓された(図示せず)タイミング発生
回路で行われるが、本発明の動作説明に関係しないので
ここでは省略する。 【0028】さて、無線系信号送受信部78で受信した
信号は上記のタイミング発生回路70からのタイミング
信号によりタイミングが調整されて動作する復合化回路
63で復調される。さらに、デコーダ61でデコードさ
れた後、有線系信号送受信部60へ送られる。有線系信
号送受信部60は移動通信制御局30とインタフェース
を有しており、上記のデコードされた信号は移動通信制
御局30へ送られる。一方有線系信号送受信部60へ入
来した移動通信制御局30からの信号はコーダ62へ入
力されコード化される。その後、符号化回路64で変調
されるが、これらの動作はタイミング発生回路70から
のタイミング信号により動作を調整される。その後、無
線系信号送受信部78へ送られ、さらに通信用無線機1
5へ送られる。一方移動無線機100宛に送るため、移
動通信制御局30から有線系信号送受信部60へ入来し
た通話信号(一部制御信号を含む)はコーダ62へ入力
されコード化される。その後、符号化回路64で変調さ
れるが、これらの動作はタイミング発生回路70からの
タイミング信号により動作を調整される。その後、無線
系信号送受信部78へ送られ、さらに通信用無線機15
へ送られる。なお、通信用無線機15は対向して移動無
線機100と通信するのに必要な機能が具備されている
が、移動無線機100と公知の同様の公知デジタル移動
通信システムで使用されているのと同様であり、詳細な
説明は省略する。さらに移動通信制御局30や電話網4
0についても公知であるので詳細な説明は省略する。た
だ、これらの機器の本発明において重要となるシステム
うちの信号の伝送手順については別に説明する。 【0029】以下本発明によるシステム動作を図7、図
8及び図9により説明する。同図は移動無線機100か
らの発呼動作の流れ図を示している。まず、図7に示す
様にシステム内に具備されている移動無線機100、制
御部14、基地局変復調装置25、通信用無線機15−
1、移動通信制御局30を含む図1のすべての機器群が
動作開始中とする。移動無線機100では発呼用の制御
チャネルの自移動無線機100に与えられたタイムスロ
ットを用いて発呼用制御信号を無線基地局1あて送信す
る(ステップS101)。この信号は無線基地局1の複
合アンテナ10で受信されるが、実際には、受信信号は
移動無線機の所在する方向別に基本アンテナA1、
A2、・・・、ANで分割受信される。これら分割受信
信号は夫々、検索用無線機13の検索用送受信部11−
1、11−2、・・・、11−Nへ伝えられる(ステッ
プS102)。各検索用送受信部では受信信号の内容、
及び受信レベルを調査し制御部14へ送信する。制御部
14ではこれらの信号を分析し、信号レベルが基本アン
テナA1からの信号が最も高く、ついでアンテナA2と
A3、さらにアンテナA4である場合、一応この4個の
基本アンテナの主ビーム方向に発呼してきた移動無線機
100が存在するものとし、基本アンテナA1〜A4の
ビームチルト角を夫々変化させ、移動無線機100から
の無線信号を一層良好に受信出来るように調整する(ス
テップS103)。 【0030】以上の調整の結果でも、信号レベルが基本
アンテナA1からの信号が最も高く、ついでアンテナA
2、さらにアンテナA3であることが判明した場合は、
移動無線機100はこれら3つのアンテナの主ビーム方
向に存在するものと見なし、基地局変復調装置25へ連
絡する(ステップS104)。基地局変復調装置25で
はこの信号を受信し、自無線基地局内で使用可能な通信
用無線機15を調べたところ、通信用無線機15−1が
あいている(新しく通信可能)状態であることを認識す
る(正確には移動通信制御局30で使用すべき無線チャ
ネルの決定を行う事になるが、本発明の動作説明に影響
しないのでここでは基地局変復調装置25で代表させ
る)ので、15−1を使用することにし、制御部14へ
連絡する(ステップS105)。この信号を受信した制
御部14ではスイッチ回路12に対し、複合アンテナ1
0の各基本アンテナA1、A2、及びA3と通信用無線
機15−1との結線をオンにして、通信用無線機15−
1の出力が基本アンテナA1、A2、及びA3へ導かれ
る様に接続する(ステップS106)。 【0031】以上の動作により通信用無線機15−1は
移動無線機100よりの発呼用制御信号を受信し、移動
無線機100あて応答信号を送信する(ステップS10
7)。この信号は移動無線機100により受信され、ダ
イヤル信号が送信される(ステップS108)。このダ
イヤル信号は通信用無線機15−1により受信され、基
地局変復調装置25へ転送される(ステップS10
9)。基地局変復調装置25ではこの信号を受信し(ス
テップS110)、移動通信制御局30へダイヤル信号
を転送する(ステップS111)。移動通信制御局30
ではこの信号を受信して、電話網40へダイヤル信号を
転送し、網内の着呼先電話機へ呼出し信号を送信すると
共に、呼出し信号を基地局変復調装置25へ送信する
(ステップS112、以下図8)。基地局変復調装置2
5ではこれを通信用無線機15−1へ転送し(ステップ
S113)、通信用無線機15−1ではこれを移動無線
機100あて応答信号を送信する(ステップS11
4)。移動無線機100ではこの信号を受けると呼出し
音が鳴動するので、受話器をハングアップする(ステッ
プS115)。移動無線機100と着呼先電話機との双
方共受話器をハングアップすると通話が開始される(ス
テップS116)。 【0032】さて、移動無線機100と着呼先電話機と
が通話継続中であり、基地局変復調装置25と通信用無
線機15−1とは双方の信号の中継動作中であるとき
も、検索用無線機13の各検索用送受信部11−1、1
1−2、・・・、11−Nはそれぞれ、基本アンテナA
1、A2、及びA3から得られる移動無線機100の信
号レベルを測定中であり、これらの測定された信号レベ
ルは制御部14へ送信される(ステップS117)。そ
の結果、信号レベルの順位に変更がなければ従来の状態
が継続されるが、順位に変更が発生した場合、例えば基
本アンテナA1からの信号が最も高く、ついでアンテナ
A2、には変化はないがアンテナA3よりもA4からの
受信レベルが高い事が判明した場合は、ただちにその旨
基地局変復調装置25へ連絡する(ステップS118)
と共に、基地局変復調装置25と協力して、複合アンテ
ナ10の内使用すべき各基本アンテナをA1、A2、及
びA4に変更すべくスイッチ回路12に対し制御信号を
送信する。この結果、複合アンテナ10の各基本アンテ
ナA1、A2、及びA4と通信用無線機15−1とが接
続される(ステップS119、以下図9)。なお、この
場合も前述のビームチルト角制御は当然実行される。上
記と同様の監視は移動無線機100と無線基地局1とが
通信を終了するまで継続することになる。 【0033】終話は移動無線機100が受話器をハング
オンする事により行われる。この時移動無線機100か
ら終話信号が送信される(ステップS120)。この信
号は無線機15−1により受信され、基地局変復調装置
25へ送られる(ステップS121)。基地局変復調装
置25ではこれを移動通信制御局30へ転送し(ステッ
プS122)、移動通信制御局30では信号を受信する
が(ステップS123)、さらに電話網40へ再転送
し、網内の着呼先電話機を収容している交換機の着呼先
電話機との結線を開放する。以上で移動無線機100よ
りの発呼動作は終了する。 【0034】次に移動無線機100着呼の場合を説明す
る。電話網40に収容されている電話機からの発呼信号
は移動通信制御局30へ送られ、移動通信制御局30で
相手先の移動無線機100の現在位置を確認し、通信さ
せる無線基地局1を特定し、さらに、使用可能な無線チ
ャネル番号、タイムスロットの情報を含め、無線基地局
1の基地局変復調装置25へ発呼制御信号を送信する。
この信号を受信した基地局変復調装置25では制御部1
4へ連絡する。この連絡を受けた制御部14では、検索
用無線機13にふくまれているすべての検索用送受信部
13−1、13−2、・・・13−Nを動作させて、こ
れらの出力を各基本アンテナA1、A2、・・・及びA
Nへ導き、スイッチ回路12、チルト角制御回路11を
介して移動無線機100あて着呼制御信号を送出する。
この際はチルト角制御回路は特に動作させず標準状態に
固定させておく。この着呼制御信号を受信した移動無線
機100では自移動無線機100に与えられたタイムス
ロットを用いて、着呼応答用の制御信号を送信する。こ
の着呼応答制御信号は無線基地局1の複合アンテナ10
で受信される。これらの受信信号は前述の様に移動無線
機100の所在する方向別に基本アンテナA1、Λ2、
・・・、ANで分割受信され、スイッチ回路12を介し
て夫々、検索用無線機13の検索用送受信部11−1、
検索用送受信部11−2、・・・、11−Nへ伝えられ
る。各検索用送受信部では受信信号の内容、及び受信レ
ベルを調査し制御部14へ送信する。制御部14ではこ
れらの信号を分析し、信号レベルが基本アンテナA1か
らの信号が最も高く、ついでアンテナA2とA3、さら
にアンテナA4である場合、一応この4個の基本アンテ
ナの主ビーム方向に着発応答してきた移動無線機100
が存在するものとし、基本アンテナA1〜A4のビーム
チルト角を夫々変化させ、移動無線機100からの無線
信号を一層良好に受信出来るように調整する。 【0035】以上の調整の結果でも、信号レベルが基本
アンテナA1からの信号が最も高く、ついでアンテナA
2、さらにアンテナA3であることが判明した場合は、
移動無線機100はアンテナA1の主ビーム方向に存在
するものと見なし以下の動作に移行する。制御部14で
は基地局変復調装置25からの連絡により、通信用無線
機13−2があいている(新しく通信可能)状態である
ことを認識するので、スイッチ回路12に対し、複合ア
ンテナ10の各基本アンテナA1、A2、及びA3と通
信用無線機13−2との結線をオンにして、通信用無線
機13−2の出力が基本アンテナA1、A2、及びA3
へ導かれる様にする。それ以後の動作は移動無線機10
0からの発呼の場合のステップS107(図7参照)同
様に継続され、移動無線機100と無線基地局との通信
が終了すると共に動作が停止される。なお、上記のシス
テム例では複合アンテナ10の内、使用する基本アンテ
ナ数を3個とした場合であったが、3以外の数、例えば
2でも4でも可能であることは当然である。 【0036】上記のシステム動作は1つの無線搬送波に
1つの通話(電話)信号しかのせられていない場合(S
CPCシステム)、或いは1つの無線搬送波に多数の通
話(電話)信号が時分割多重にのせられている場合(T
DMAシステム)のいずれの場合でも動作可能である
が、以下後者の場合についてさらに具体的に本発明の動
作を説明する。 【0037】システム例として1つの無線搬送波に4個
の通話信号が時分割多重可能な場合をとる。図10はP
DCシステム(デジタルセルラーシステム)の無線チャ
ネル(チャネル番号1)内の信号フレーム構成の1例を
示す。図10の1フレーム(20ms)には通信に使用
する4個のタイムスロット(S1〜S4)と制御信号に
使用する1個のタイムスロット(C1)を含んでおり、
現在通話タイムスロット番号1〜3の各スロット(S1
〜S3)はすでに説明した発呼、もしくは着呼動作が完
了し、移動無線機100−1〜100−3と電話網40
内の電話機とそれぞれ通話状態にあるとする。 【0038】図11は本発明を適用したシステムの動作
を説明するための図で中央の○印が無線基地局1を示
し、正6角形が各無線基地局の占めるサービスエリアを
示す。無線基地局1から外部へ向けて描かれている長い
楕円は無線チャネル1の電波を用いて、通信用アンテナ
20の一部から放射される電波の主ビームを表してお
り、この内3つのビームが3台の自動車に向けられその
中に搭載されている移動無線機100−1、100−2
及び100−3と交信中であることを示している。他の
2つのビームは別の番号の無線チャネルを用いて他の移
動無線機100と交信中であるが、移動無線機100は
図では省略されている。また、同図では無線基地局1を
取り巻く他の無線基地局がそれぞれ、移動無線機と交信
している様子も描かれている。この時、無線基地局1の
サービスエリア内に存在する移動無線機100−4から
新たに発呼制御信号が無線チャネル1の制御信号用タイ
ムスロットを使用して無線基地局1へ送られて来たとす
る。無線基地局1では、この信号を移動通信制御局30
へ転送し、無線チャネルの使用法について指示を仰いだ
ところ、空いている無線チャネル1の通話タイムスロッ
ト番号4(S4)を指示されたとする。そこで、これを
使用してこの発呼を受け付けたとする。 【0039】本発明における上記の動作を以下説明す
る。まず移動無線機100−4からの発呼制御信号の送
信は無線チャネル1の制御信号用タイムスロット
(C1)を使用して行われるが、この制御信号用タイム
スロットが他の通信に使用されている時には送信されな
いから、他の通信と干渉を引き起こす事はない。移動無
線機100−4からの発呼制御信号の受信は複合アンテ
ナ10で受信され、検索用無線機13へ送られるが、こ
れらのタイミングはすべて図10の制御信号用タイムス
ロット内でのみ行われ、他の時間には全く行われないか
ら、これまた、他の通信と干渉を引き起こす事はない。
以下、複合アンテナ10に対する送受信電波ビームの検
索・追尾は各タイムスロットS4及びC1ごとに行わ
れ、また、スイッチ回路12、基地局変復調装置25、
通信用無線機15、移動通信制御局30等の各動作もタ
イムスロットS4及びC1に同期して実行されるから他
の通信と干渉を引き起こす事はない。 【0040】一方現在通信中の移動無線機100−1〜
100−3と無線基地局1との通信にかかわる諸動作は
すべて無線チャネル1の各タイムスロット(S1〜
S3)、と空きを確認して行われる制御信号用のタイム
スロット(C1)を使用して実行されるから、これま
た、移動無線機100−4と無線基地局1との通信にか
かわる諸動作に影響を与える事は全くない。また、無線
基地局1の他の無線チャネル(番号1以外の2、3、・
・・、等)を用いて他の移動無線機100−5、100
−6、・・・等と通信中のものには、使用する周波数が
異なるから無線干渉を起こす事はない。なお、SCPC
システムの場合は上記の無線チャネル1の各タイムスロ
ット(S1〜C1)を夫々別の無線チャネルに乗せられ
た信号と考えれば良い。 【0041】次に本発明による無線基地局1の有するア
ンテナの主ビームの方向と移動無線機100の移動速度
との関係を説明する。すなわち、上記のような移動無線
機100の位置検索や発呼動作中においても移動無線機
100は移動しているから、無線基地局1を中心にして
半径方向にどの程度移動するのか、もしも半径方向に関
する移動が大きいとアンテナの主ビームの方向と異なる
方向へ移動するのではないかと言う問題に対し説明す
る。移動無線機100を搭載した自動車が無線基地局1
から500メートルの円周と接する高速道路上を時速9
6kmで移動中とする。発呼動作に必要な制御信号の所
要送受信を1秒とすると、1秒間に自動車の移動した距
離は 96km×(10/3600)=36m。 となる。一方、無線基地局1から自動車の移動した36
mを見た角度は (36/500)×(360/2π)=4.13
(度)。 一方、すでに図2で説明したように、本発明で適用する
指向性アンテナは主ビーム幅が30度以上あるから、主
ビームの方向から完全に外れてしまう心配はない。さら
に、本発明を適用するシステムでは複数の基本アンテナ
を使用する上、時分割多重システムの信号1フレーム
(例えば20ms)もしくは数フレームごとに絶えず各
基本アンテナで受信する信号レベルを測定しているか
ら、この点からも上記の心配は全くない。 【0042】さらに、本発明では信号1フレームに含ま
れる制御信号のタイムスロットのレベルを検索用送受信
機11−1等で測定し、この結果を通話信号のタイムス
ロットのレベルでも同一の状態と仮定しているが、信号
1フレームの時間が、例えば20msのように移動無線
機100の移動速度に比較して極めて短いからこの仮定
も何等の問題がない。以上により、本発明によるシステ
ム動作はSCPC、或いはTDMAいずれでも良好に動
作する事が明らかになった。 【0043】最後に本発明の適用により移動通信システ
ム内で場所を違えて繰返し使用する同一無線チャネルの
協調距離を減少させることにより、周波数有効利用度の
向上が可能であることを説明する。それはすでに説明し
たように無線基地局で移動無線機向けに使用する電波が
従来システムと異なり、移動無線機の存在する方向のみ
に限定使用すること、及び無線基地局で具備されている
アンテナを使用するときはその主指向性が下方に向けら
れ、その下方に向けられる角度が従来以上に大きいこ
と、無線基地局から移動無線機あてに送信される無線信
号の有する電力が従来システムに比較して逓減されてい
ること、等により、同一無線チャネルを使用する距離
(協調距離)を減少させても干渉の発生確率が増加しな
いためである。その結果、同一無線チャネルの使用頻度
を増加させた分だけ周波数の有効利用度が増大する。 【0044】 【発明の効果】本発明を適用した移動通信システムで
は、次のような効果を実現させることが可能となった。
まず、無線基地局で移動無線機と通信を行うために使用
電波が有効に使用可能となった点である。無線基地局の
有するアンテナシステムの内、移動無線機の存在する方
向から有効に飛来する信号を受信可能なアンテナ(基本
アンテナ)のみに使用を限定することが出来、他の方向
から入来する妨害電波を遮断することが可能となるの
で、移動無線機からの送信電力は従来必要としていた値
よりも少ない電力でも同一品質を維持する事が可能とな
った。同様に無線基地局からの送信電力についても、移
動無線機の存在する方向へ有効に伝搬可能なアンテナ
(基本アンテナ)のみに使用を限定することができるの
で、従来必要としていた値よりも少ない電力でも同一品
質を維持する事が可能となった。また、上記のようなア
ンテナの使用では使用するアンテナ数は通常2〜3とな
るから、複数の伝搬経路をへて無線基地局へ到達した無
線信号の内、電力の大きな複数個の信号をすべて基本ア
ンテナで選択受信し、無線基地局内の無線受信部へ導く
ことが可能であり、この結果、前述の移動無線機が高速
で移動した場合、電波の到来方向が急速に変化し、アン
テナの主指向性の追尾が不可能となる危険性を大きく減
少させることが出来る。第三に同一システム内の他の通
信に及ぼす電波干渉を少なくした点である。これは第一
に説明したように、無線基地局から送信する電波を無駄
な方向へ発射するのを防止可能となったことによる。さ
らに自己のサービスエリア以外へ漏洩する無線信号が減
少し、他通話者に対する電波干渉を減少させることが可
能となった。以上の結果、同一無線チャネルを使用する
距離(協調距離)を減少させても干渉の発生確率が増加
せず、同一無線チャネルの使用頻度の増加が可能となり
周波数の有効利用度が大きく向上するのを期待できるゆ
え、本発明の効果はきわめて大きいと思われる。
信システムの無線基地局アンテナ指向特性の制御に関す
る。詳しくは複数のゾーンをそれぞれカバーしてサービ
スエリアを構成する各無線基地局と、無線基地局と交信
するため各移動無線機との間の通信を実行するための移
動通信制御局とこれと伝送路により結合されている電話
網に含まれている電話機とを有するシステムがあり、無
線基地局と移動無線機との間で行う無線通信において、
無線基地局に具備されているアンテナの指向特性を無線
基地局の管理するサービスエリア内の移動無線機の移動
にともなって追跡・制御する技術に関する。 【0002】 【従来の技術】従来小ゾーンを用いた移動通信システム
の無線基地局に具備されているアンテナの指向特性を制
御する技術としては、移動無線に特有な多重波伝搬を少
なくする方法が知られている。これは、無線基地局に設
けられた指向性アンテナの指向性を移動無線機からの信
号にもとづき制御することにより、移動無線機から複数
の伝搬経路をへて無線基地局に到達する電波を主伝搬経
路のみに限定するものである(参考文献1:特開平3−
254228)。また、技術的には上記と同様である
が、無線基地局と移動無線機との交信中はパイロット信
号を相互に送受信して無線基地局の第二の指向性アンテ
ナの指向性を移動無線機へ向けるよう調整し、移動無線
通信システムの通信装置からの無線信号が送信アンテナ
から360°全方位に発射され、電界強度が全方位にわ
たるため生じる不要電波の氾濫、電子機器類への妨害、
第3者による通信の傍受等を防止するための方法も知ら
れている(参考文献2:特開平5−206918)。さ
らに無線基地局アンテナ主指向ビームの地表となす角度
を下方に向け(ビームチルト)、隣接サービスエリアへ
の電波の漏洩を減少させ、電波干渉を軽減する方法も実
用されている(参考文献3:昭和59年度電子通信学会
総合全国大会No.2452)。さらに、このビームチ
ルト技術を自サービスエリアにおいて半径方向へ帯状に
きめ細かく使用し、周波数の有効利用度の向上を図る提
案もされている(参考文献4:電子情報通信学会信学技
報A・P92−85)。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】一般に移動無線システ
ムの通信は、次のように伝送媒体として空間を使用する
ため多重波伝搬の影響を受ける。例えば、自動車電話の
場合、自動車に搭載された移動無線機から無線基地局あ
て送信されてきた電波が無線基地局のアンテナで受信さ
れるまでには、複数の伝搬経路をへて到達することにな
る。すなわち、移動無線機が無線基地局アンテナから見
通せる場合は少なく、一般には建物等地形・地物の影響
を受けこれらで反射・回折等の影響を受け伝搬経路が時
々刻々変化する。しかも、この伝搬経路は唯一ではな
く、複数存在するのが常である。これは多重波伝搬と言
われる現象でる。また、移動無線機が無線基地局アンテ
ナから見通せる場合でも反射・回折等の影響を受けた伝
搬経路が存在し、これらは上記と同様の多重波伝搬が発
生する。これらの電波は伝搬経路が異なるとその有する
位相が異なることになる。 【0004】したがって、上記のような多重波伝搬の影
響を受けた無線信号が無線基地局に到達し、無線基地局
のアンテナで受信され受信機へ導かれた場合、位相の異
なる信号が相加されることになるので、総合の信号の強
さは時々刻々変化することになる。また、移動無線シス
テムの通信で無線基地局の送信アンテナとして指向性を
有せず360°全方位に発射された場合、電界強度は全
方位にわたるが、相手の移動無線機は特定の方向にしか
存在しないため、無線基地局からの電波は特定の方向に
発射された電波しか有効に使用されず、その他の方向の
電波は不要電波となり他の通信に対する妨害となるほ
か、第3者による通信の傍受等の可能性を増大させてい
た。さらに無線基地局アンテナ主指向ビームが地表とな
す角度が適切でないと、隣接する無線ゾーンへの電波漏
洩が大きくなり、電波干渉の増大の可能性があった。上
記の技術的諸問題に対しての従来の対処策は既にのべた
方策が行われて来たが、依然として以下のような技術的
問題があった。 【0005】第一の無線基地局に設けられた指向性アン
テナの主指向性を移動無線機へ向ける対処策であるが、
移動無線機が高速で移動した場合、無線基地局への電波
の伝搬経路が急速に変化し、したがって到来方向は急速
に変化し、アンテナの主指向性の追尾が不可能となる危
険がある。次に、二つの異なる伝搬経路を経て無線基地
局に到来した信号の有する電力がほとんど等しい場合、
このいずれかにアンテナの主指向性を向ける結果、有効
な信号電力が半減すると言う無駄が生じた。さらに無線
システムで使用される変調方式によっては、例えば最近
有力になってきたCDMAを用いたシステムでは、受信
波として、多重波伝搬した複数の信号は有害ではなく、
むしろ信号のエネルギーの有効活用のため有用である場
合がある。或いは、現用の移動通信システムで使用され
ている狭帯域時分割多重システムでも、受信後の信号処
理により多重波伝搬した複数の信号は必ずしも有害では
ないようになってきている。 【0006】第二の無線基地局と移動無線機との交信中
にパイロット信号を相互に送受信して無線基地局の通信
用指向性アンテナの指向性を移動無線機へ向けるよう調
整する技術は、その指向性を駆動モータにより移動させ
るものである。これは、通信対象が特定している場合に
は有効であるが、公衆移動無線システムのように1つの
無線基地局がその管理するサービスエリア内の多数の移
動無線機が存在し、発着呼している複数の移動無線機に
対し適用するにはコスト高となり実用困難である。ま
た、無線基地局の通信用指向性アンテナの指向性を移動
無線機へ向けると言っても移動無線機と無線基地局との
相対位置により変化するアンテナの主ビームのチルト角
まで制御することまでは明らかにされていない。 【0007】第三の無線基地局アンテナのビームチルト
技術であるが、これは基地局アンテナの垂直面内指向性
を俯角方向に電気的にまたは機械的に傾斜させる技術で
ある。傾斜させる方法としては、アンテナ本体を機械的
に傾斜させる方法、アンテナは直立させたまま各素子の
給電位相を位相器等を用いて調整することにより、ビー
ム波面を傾斜させる方法等がある。この技術は最近開発
されたものであり、適用対象がサービスエリア内の全移
動無線機に対し行われる場合、あるいはサービスエリア
を半径方向に対し帯状に複数個に分割し、そのエリア内
に存在する移動無線機に対し行われる場合であり、特定
の移動無線機に対して行うと言う木目の細かな方法は未
開発であった。 【0008】 【課題を解決するための手段】本発明は小ゾーンを用い
た移動無線システムの無線基地局において、その管理す
るサービスエリア内の夫々の移動無線機と効率的な交信
をするため、下記の構成を有する複合アンテナを設け
た。すなわち複合アンテナを構成するアンテナは、その
総合特性として360°全方位に発射(もしくは受信)
される無指向性や、120゜の方位に発射(もしくは受
信)される指向性を有するものがあるが、いずれもその
構成するアンテナの有する指向性を角度別に複数個に分
割可能とし、それぞれシャープな指向性を有する複数個
の基本アンテナ(それらはほぼ同一の特性を有する)か
ら構成した。ついで、複合アンテナは、無線基地局に装
備され通信を行う送受信無線機やその制御を行う制御装
置と制御信号の授受を行うインタフェース部を有するよ
うに構成した。この制御装置からの情報によりアンテナ
のチルト角制御を可能とした。また、上記の複合アンテ
ナの動作を適用するシステムに応じて動作させるため、
時分割多重システムの場合には時分割的動作、アナログ
システムの場合には周波数分割的動作を行わせる事にし
た。さらに無線基地局とインタフェースを有する移動通
信制御局、これと伝送路により結合されている電話網
(40)に含まれている電話機とで移動通信網を構成し
た。 【0009】 【作用】無線基地局に具備された本発明による複合アン
テナは2種類の作用(機能)を有する。すなわち、上述
に説明したようなアンテナの時分割的使用(時分割多重
しシステムの場合)により、次の作用(機能)を有する
ことになる。まず、所管するサービスエリアの任意の場
所に存在する移動無線機に対し、制御信号を常時送受信
可能であると共に移動無線機の現在位置を確認・追跡可
能となった。それはアンテナを構成する全ての基本アン
テナを使用することにより全サービスエリアをカバーす
るに必要な360度無指向アンテナや120度内指向性
を有するアンテナを構成可能であり、かつ移動無線機か
ら送られてきた信号を基本アンテナ単位で識別可能なた
め、無線基地局からみた移動無線機の方角(無線基地局
からみた位置、正確には電波の到来角)を認識する事が
できることになる。この移動無線機の位置情報を制御部
へ送信し処理することより、次の作用(機能)に活用す
ることが可能となる。すなわち、移動無線機と基地局と
の通信(通話)に際して、上述の移動無線機の位置情報
を用いて、交信に必要とする部分アンテナのみを使用
し、他の部分アンテナの使用による不必要な電波の放射
を防止する作用である。また、この制御装置からの情報
によりアンテナのチルト角制御を可能とした。 【0010】上記をさらに詳しく説明すると以下のよう
になる。無線基地局に設けられた複合アンテナは同一特
性を有する複数個の狭ビーム指向性を有する基本アンテ
ナから構成され、各基本アンテナは同一の水平面内指向
性を有しており、これらを総合することで360度無指
向アンテナや120度内指向性を有するアンテナを構成
可能となっている。また、基本アンテナはチルト角制御
が可能となるよう構成され、それぞれ無線基地局内の各
無線機へ接続されている。そして、時分割的使用(時分
割多重システムの場合)によりこれらの無線機はその管
理するサービスエリア内に存在する各移動無線機に対
し、制御信号を常時送受信可能である。 【0011】また、無線基地局の制御部は移動無線機に
対し、無線基地局に具備されている検索用無線機、ある
いは通信用無線機からの無線制御信号をアンテナから送
信するのに、その基本アンテナのすべて、或いは1部を
使用して送信可能なように制御可能であり、逆に移動無
線機から送信されてきた制御信号の受信は基本アンテナ
のすべて、もしくは一部を使用して受信出来、かつその
受信信号レベルを常時比較可能なように構成されてい
る。その結果、制御部では複数の基本アンテナのそれぞ
れで受信した制御信号レベルが他に比べて高かった1つ
または複数の基本アンテナの示す方向をその移動無線機
の存在する方向と定め、これら以外の基本アンテナは通
信に使用しないように除外する。また使用すべきと決定
した1つまたは複数の基本アンテナについてはそれぞれ
チルト角制御量を決定し、指示する。複合アンテナで
は、この指示を受けて複合アンテナで使用すべき1つま
たは複数の基本アンテナを選択し、選択した基本アンテ
ナに適応すべき各チルト角制御を実行し、移動無線機と
通信を行うとになる。さらに、移動無線機のサービスエ
リア内移動にともない、無線基地局で使用に適する基本
アンテナは時々刻々変化することが予想されるが、これ
に対しては移動無線機からの制御信号を常時受信してい
る前記複合アンテナの制御チャネルにより、移動無線機
の現在位置が推定可能で、この情報を複合アンテナヘ教
示し、複合アンテナではこれを活用するため常に移動無
線機との交信が良好に実施可能となる。 【0012】さらに、無線基地局と移動無線機との通話
移行後においても、制御部では移動無線機の移動にとも
ない使用すべき基本アンテナの変更の要否、選択した基
本アンテナに対するチルト角制御情報とを複合アンテナ
ヘ指示を続け、複合アンテナではこの指示に従うため移
動無線機と無線基地局に具備されている通信用無線機と
の交信は常に良好に保たれる。以上述べたような理由に
より、本発明を適用したシステムは移動無線機と無線基
地局との交信が良好となるが、交信が良好となる理由は
他にも存在する。以下これらを説明する。まず、妨害電
波を受ける確率の減少である。それは、移動無線機から
送信された無線信号は複数の伝搬経路をへて無線基地局
へ到達するが、そのうち到来角度の異なる無線信号の
内、電力の大きな信号は複数個に限られる結果、上記の
ような複合アンテナの使用する基本アンテナ数は通常2
〜3となるからである。従って、無線基地局では他の方
向から入来する妨害電波を遮断することが可能となる。 【0013】また、移動無線機からの信号は無線基地局
内の複合アンテナの各基本アンテナのいずれか(複数を
含む)で常時受信可能なように設定されている。なぜな
らば、複合アンテナの基本アンテナの全てをもって無線
基地局の管理するサービスエリア内の全エリアをカバー
するように設定されているからである。従って、制御部
の制御により、各基本アンテナの受信信号の選択は瞬時
に変更可能である。上記の状態は移動無線システムのよ
うに移動無線機が高速で移動した場合における通信の連
続に極めて効果的である。すなわち、前述の移動無線機
が高速で移動した場合、電波の到来方向が急速に変化
し、アンテナの主指向性の追尾が不可能となる危険性を
大きく減少させることが出来る。 【0014】第三に無線基地局内の複合アンテナの各基
本アンテナの主指向ビームの地表となす角度(チルト
角)の制御をサービスエリア内の各移動無線機に対し夫
々下方へ向けて行うことにより、通信に要する無線信号
電力は従来よりも小電力で交信が良好に実行可能となっ
た。また、自己のサービスエリア以外へ漏洩する無線信
号が減少し、他通話者に対する電波干渉が減少させるこ
とが可能となった。第四に構成するアンテナを機械的に
可動させる基本を除去したから制御が簡単容易となっ
た。なお、上記の説明は移動無線システムが時分割多重
システムの場合であったが、本発明はアナログシステム
の場合も同様に適用可能である。アナログシステムの場
合は時分割多重システムのように多重化されていないか
ら、周波数分割法で本発明を適用すればよい。すなわ
ち、アナログシステムの場合制御用の無線チャンネルと
通話用の無線チャンネルとは別の周波数を使用されてい
るから、上記の制御信号と通話信号の時間分割使用を周
波数分割使用に変更すればよいことになる。 【0015】 【実施例】以下本発明を時分割デジタル多重移動通信シ
ステムに適応した実施例を用いて説明する。アナログシ
ステムについては簡略化した形で適応が可能である。図
1はシステム構成を示す。図1において左方に多数の移
動無線機100−1100−2、・・・及び移動無線機
100−p(以下特に混乱を生じない場合は移動無線機
100で代表させる)が存在し、その右隣に破線で囲ま
れた無線基地局1が描かれている。移動無線機100と
無線基地局1とは無線により結合されている。無線基地
局1もシステム内には数多く存在する(図11参照)
が、特に必要がないので1局だけ描き、あとは省略して
いる。無線基地局1の右隣に移動通信制御局30、さら
にその右隣に電話網40があり、これら3者間は通常有
線で結合されている。 【0016】以下、図1を示すシステム構成の各部を説
明する。まず無線基地局1に関し説明する。無線基地局
1は移動無線機100との信号の授受、および移動通信
制御局30との信号の授受を効率的に行うことであり、
以下詳細に説明する。第一に移動無線機100と信号の
送受信を行う複合アンテナ10について説明する。複合
アンテナ10は多数のアンテナで構成されている。これ
らのアンテナは同一の特性を有するので、以下基本アン
テナA1、A2、・・・、AN(以下特に混乱を生じな
い場合は基本アンテナAで代表させる)と称することに
する。基本アンテナAは夫々シャープな指向特性(送受
信される電波は垂直の偏波面)を有する。これらの具体
的構成を図2に示す。図2は複合アンテナ10の平面図
で、N=12の場合である。同図は無線基地局のサービ
スエリアがオムニゾーン(無線基地局を中心に円形)の
場合に使用される。図2では12個の基本アンテナAと
してそれぞれ、コーナアンテナ群を用いて作成された場
合で、コーナアンテナ群を各6個ずつ(図では見えない
が)、上下2段構成となっている。したがって、コーナ
アンテナの数は全体で6×12=72個となる。実際の
使用に際しては上下2段のアンテナを垂直に設置するこ
とになるが、同図の場合、これを1段ずつ切り離した場
合を示している。また、使用する電波の偏波面は垂直偏
波であり、電界は紙面に垂直でアンテナの主ビーム方向
はビームチルトのない場合は紙面と並行となる。 【0017】図2(a)または(b)で60度の角度を
なす6本の太線はコーナアンテナの金属反射板を示す。
また、○印は励振素子を、コーナアンテナの中央で大き
く外部へ広がり、金属反射板付近で内部へ収束(金属反
射板で利得は0となる)している点線は各コーナアンテ
ナ群の指向特性を示す。コーナアンテナ群を構成するコ
ーナアンテナの数は4〜8個等が使用される。そして各
コーナアンテナはチルト角制御回路11と結ばれてい
る。実際に図2(a)と図2(b)に示すコーナアンテ
ナ群の上下2段の垂直設置に際しては、上段と下段のコ
ーナアンテナ構成の相対位置を30度ずらせて設置させ
ているため、これら房状のコーナアンテナの指向特性
は、上下2段の総合アンテナとして見たとき、各コーナ
アンテナのヌル点(利得0の点)は除去され、良好なオ
ムニ特性が得られることになる。なお、無線基地局のサ
ービスエリアがオムニゾーンではなく、扇形ゾーン(無
線基地局を中心にした円を部分的に切り取った形のゾー
ン、セクターと呼ばれる)の場合には図2のコーナアン
テナの一部、例えば4個が使用される。以上の説明は複
合アンテナ10の機能として移動無線機100からの信
号を受信する場合であったが、逆に後述の検索用無線機
13や通信用無線機15から移動無線機100あての信
号を送出する機能を有していることは当然である。 【0018】次に複合アンテナ10とチルト角制御回路
11との結合について図3により説明する。本発明にお
けるチルト角制御回路11の機能は、複合アンテナ10
の有する垂直面内指向特性に関し、その主ビーム(実際
には各基本アンテナの有する主ビーム)の方向を通信す
る移動無線機へ向けることである。これは主ビームの方
向の地表とのなす角度を所要の角度に制御することであ
り、この角度の制御は通常は地表へ傾けられる。したが
って無線信号をチルト角制御されたアンテナへ印加する
ことは通常の制御されていないアンテナへの印加の場合
に比較して無線基地局のサービスエリア外へ漏洩する電
力が減少し、他の通信への干渉妨害の防止に極めて有効
である。また、無効な電力を削減できるから省電力化が
可能となる。逆に、移動無線機より送信されてきた無線
信号の受信に際しても、主ビームの方向が移動無線機へ
向けられているため、他の方向から来る妨害電波の受信
を減少させる効果が得られ、これまた他の通信からの干
渉妨害の防止に極めて有効で受信品質の向上に効果的で
ある。 【0019】さて、図3の上方の破線に囲まれた中に複
合アンテナ10、下方の破線に囲まれた中にチルト角制
御回路11が描かれている。複合アンテナ10は、右方
から順に基本アンテナA1、A2、・・・、ANから構
成されていることを示している。各基本アンテナはさら
に複数のコーナアンテナ群から形成されており、図の場
合各々W個のコーナアンテナ群から形成されている。例
えば、基本アンテナA1はコーナアンテナ群a11,a
12、・・・aw1から形成されている。また、チルト
角制御回路11も破線で囲まれているが、チルト角制御
回路11とアンテナとの結合はコーナアンテナ単位に細
分化されているのに対し、無線機側の結合は検索用無線
機13の場合は基本アンテナ単位に、また、通信用無線
機の場合は複数の基本アンテナが1個の通信用無線機1
5と結合されることになる。そして前者のアンテナとの
結合は常時成されてるのに対し、後者の無線機との結合
は後述するように、ある時間には検索用無線機13と、
他の時間には通信用無線機15と言うように時分割して
結合される。 【0020】以下検索用無線機13と結合されている場
合を説明する。図3はこのような場合で、チルト角制御
回路11が右下方から順に検索用無線機13の検索用送
受信部13−1、13−2、・・・13−Nと接続され
ている。そして、チルト角制御回路11において、例え
ば検索用送受信部13−1と接続されている回路はチル
ト角制御回路11内でそれぞれW個に分割され、可変位
相器φ11、φ12、・・・、φw1(以下可変位相器
φと略称する場合がある)と接続されている。そして、
右方から入力される制御部14よりの制御信号により可
変位相器φ11,φ12、・・・φw1を通過する信号
のそれぞれの給電位相が制御され、各コーナアンテナ群
a11.a12、・・・aw1のそれぞれのアンテナ特
性が変化する。その結果分割アンテナA1としてのチル
ト角の制御が可能となる。上記と同様な事が他のコーナ
アンテナ群a21、a22、・・・、a2w等において
も行われるので、各基本アンテナA1、A2、・・・、
ANにおけるチルト角が互いに他と独立して所望の値に
制御されることになる。通信用無線機がチルト角制御回
路11と結合されている場合も、上記と同様に複合アン
テナのチルト角の制御が可能となる。なお、上記の説明
は複合アンテナを送信アンテナとしてチルト角制御を行
う場合であったが、逆に複合アンテナを受信アンテナと
してチルト角制御を行う場合も同様であり、信号の流れ
の説明を逆にすればよい。 【0021】次にチルト角制御回路11とスイッチ回路
12との接続方法について図4により説明する。スイッ
チ回路12は図4に示す太い破線でかこまれた部分であ
り、制御・通話信号切替スイッチ部SWと下左方にある
スイッチマトリックス部Sとから構成される。以下、チ
ルト角制御回路11からスイッチ回路12への入力信号
の場合を説明する。図4の上方からのチルト角制御回路
11の出力は、まず制御・通話信号切替スイッチ部SW
に入力される。制御・通話信号切替スイッチ部SWは切
替スイッチSW1、SW2、SW3、・・・SWNから
構成されている。制御・通話信号切替スイッチ部SW
(以下切替スイッチ)の機能は名前のごとく、移動無線
機100からの信号を制御信号と通話信号とに切り分け
るものである。これらの信号は時分割的に送信されて来
ており、それぞれ制御・通話タイムスロットに収容され
ている。 【0022】一方制御部14ではすでに移動無線機10
0から送られてきた制御あるいは通信信号から、タイミ
ング信号を検知しており、制御・通話タイムスロットは
分離可能な状態になっている。タイミング信号の検知法
には種々の方法があるが、たとえば無線基地局1の動作
開始時にスイッチ回路12の制御・通話信号切替部SW
の状態を端子2をオンの状態に固定しておき、移動無線
機100からの制御信号を受信可能な状態にしておく方
法でタイミングを把握し、以後は自無線基地局内に具備
されている正確なクロック発生器でタイミングを維持さ
せる。あるいは、移動通信制御局30からタイミング情
報を送信してもらう等の方法がある。さて、上記のよう
に制御部14では制御・通話タイムスロットは分離可能
な状態になっているから、複合アンテナの各基本アンテ
ナA1、A2、A3、・・・ANで各々独立に受信され
た制御信号は、それぞれ切替スイッチ部SWのSW1、
SW2、SW3、・・・SWNの各端子2へ、通話信号
の場合はそれぞれ端子1へ、それぞれタイムスロット毎
に接続可能となる。ただし、切替スイッチSW1、SW
2、SW3、・・・SWNの動作は制御部14からの制
御信号により、すべての切替スイッチが端子1、もしく
は端子2へ同時に切り換えられるように構成されてい
る。 【0023】まず移動無線機100からの信号が制御信
号の場合をさらに説明する。この場合は各基本アンテナ
からの出力は切替スイッチの各端子2へ接続され、図2
下右に示した検索用無線機13の検索用送受信部13−
1、13−2、・・・13−Nへ送られる。次に移動無
線機100からの信号が通話信号の場合を説明する。こ
の場合は各基本アンテナからの出力は切替スイッチの各
端子1へ接続され、図2下左に示したスイッチマトリッ
クス部Sへ送られる。スイッチマトリックス部SにはM
2個のスイツチS11,S21、・・・、SM1・・
・、S1M、S2M、・・・、SMMが具備されてお
り、N個の基本アンテナからのあらゆる組合わせ出力は
制御部14からの制御信号によるスイッチのオン・オフ
動作により、通信用無線機11に具備されているM個の
通信用無線機15−1、13−2、・・・13−Mのど
の通信用無線機へも接続が可能なように構成されてい
る。図4のスイッチマトリックス部Sで入出力線の各交
点にそれぞれスイッチが設置されており、白い三角形は
オフ、黒い三角形はオンの状態を示す。図4の状態はス
イッチS11、S21およびS31がオンの状態である
から、基本アンテナA1、A2およびA3からの受信信
号が通信用無線機13−1へ入力されることを示してい
る。以上の説明はスイッチ回路12の機能としてチルト
角制御回路11からの信号を受信する場合であったが、
逆に後述の検索用無線機13や通信用無線機15から移
動無線機100あての信号を送出する機能をも有してい
ることは当然である。 【0024】次に検索用無線機13と制御部14の機能
を図5により説明する。移動無線機100から送信され
た制御信号はN個の検索用送受信部13−1、13−
2、・・・13−Nへ入力される。ここでは受信信号レ
ベルや受信品質を検出し、それぞれ制御部14へ送信す
る。これらのN個の信号を受信した制御部14では制御
信号レベルや品質を比較する。その結果、例えば一定の
受信品質を送信してきた検索用送受信部を13−1、1
3−2、13−3、13−4とすると、これらの信号を
受信した基本アンテナのビームチルト角を前述したよう
な方法により変化させ、移動無線機100からの無線信
号を一層良好に受信出来るように調整させる。そして、
再び移動無線機100からの制御信号の受信結果を検索
用無線機13から連絡させる。その結果、検索用無線機
13からの受信信号を得た制御部14ではその品質を再
度比較し、例えば上位3位以上の高い受信レベルを得た
基本アンテナがA1、A2、及びA3とすると、移動無
線機100の現在位置を基本アンテナA1、A2、及び
A3の有する主ビームの方向と判断する。ただしこの判
断は移動無線機100の現実的な位置が基本アンテナA
1、A2、及びA3の有する主ビーム方向にあるという
のではなく、移動無線機100と無線基地局1との間に
ある建物や地形・地物の影響による電波の反射や回折の
ため電波伝搬経路が無線基地局1から移動無線機100
を直視した場合の経路と異なる経路が存在すると言うこ
とであり、無線基地局1で受信した場合、基本アンテナ
A1、A2、及びA3での受信が他の基本アンテナに比
べて高いという意味である。 【0025】上記は移動無線機100の現在位置から無
線基地局1への電波到来方向の厳密な説明であるが、以
下では単に「移動無線機100の現在位置は基本アンテ
ナA1、A2、及びA3の方向、或いはさらに簡単に
「A1が最も良好に受信した場合はA1の方向」として
移動無線機100と無線基地局1との位置関係を説明す
る。以上の結果、基本アンテナA1、A2、及びA3を
移動無線機100と交信に使用するアンテナと決定し、
この情報を基地局変復調装置25へ送信する。この情報
を受信した基地局変復調装置25では各通信用無線機の
使用状況を調査し、移動無線機100と対向して通信さ
せる通信用無線機として例えば通信用無線機15−1と
決定し、移動通信制御局30へ発呼信号を送信すると共
に制御部14へ連絡する。制御部14ではスイッチ回路
12のマトリックススイッチSのスイッチや制御・通話
信号切替部SWを動作させ、通信用無線機15−1の信
号が基本アンテナA1、A2、及びA3へ送信可能で、
かつチルト角制御がなされている状態になるよう制御信
号をスイッチ回路12、チルト角制御回路11へ送信す
る。この結果、無線基地局1からの信号は移動無線機1
00へ送信される。また、移動無線機100からの信号
も上記の制御部14の動作で通信用無線機15−1へ伝
送されることが可能となる。さらに移動通信制御局30
や電話網40等の動作により、無線基地局1、移動通信
制御局30や電話網40等を介して移動無線機100と
電話網40内の電話機との通信が可能となる。 【0026】移動通信システムでは移動無線機或いは携
帯無線機の位置は通信中においても当然移動する。した
がって、移動無線機と無線基地局との相対位置は変化
し、これにつれて移動無線機から無線基地局へ到達する
電波伝搬経路も変化することになる。そこで本発明にお
いては、移動無線機100の移動に無関係に制御信号の
タイムスロットにおいては複合アンテナの全ての基本ア
ンテナを用いて、移動無線機からの制御信号を常時受信
し、上記で説明した方法により常に移動無線機からの送
受信が良好に行えるように検索を継続する。 【0027】つぎに基地局変復調装置25に関し図6に
より説明する。図6の右方には制御部14や、通信用無
線機15とインタフェースを有する無線系信号送受信部
78があり、信号の授受を行う。前者の制御部14とは
制御信号の授受を行い、これと協力して移動無線機10
0の現在位置の方角の情報を得て、使用すべき通信用無
線機15の決定等を行う。また、後者の通信用無線機1
5とは制御・通信信号の授受を行い、移動通信制御局3
0と協力して通信が終了するまで良好な通信を可能とす
るための一連の信号処理動作を行う。まず、無線基地局
1の各回路動作は図6に示されている、クロック発生器
71から発生されたクロック信号を受けたタイミング発
生回路70からのタイミング信号により時間的なずれを
生じない様に調整を受ける。なお、システム内に多数の
無線基地局が存在する場合のタイミングの決定は移動通
信制御局30に内臓された(図示せず)タイミング発生
回路で行われるが、本発明の動作説明に関係しないので
ここでは省略する。 【0028】さて、無線系信号送受信部78で受信した
信号は上記のタイミング発生回路70からのタイミング
信号によりタイミングが調整されて動作する復合化回路
63で復調される。さらに、デコーダ61でデコードさ
れた後、有線系信号送受信部60へ送られる。有線系信
号送受信部60は移動通信制御局30とインタフェース
を有しており、上記のデコードされた信号は移動通信制
御局30へ送られる。一方有線系信号送受信部60へ入
来した移動通信制御局30からの信号はコーダ62へ入
力されコード化される。その後、符号化回路64で変調
されるが、これらの動作はタイミング発生回路70から
のタイミング信号により動作を調整される。その後、無
線系信号送受信部78へ送られ、さらに通信用無線機1
5へ送られる。一方移動無線機100宛に送るため、移
動通信制御局30から有線系信号送受信部60へ入来し
た通話信号(一部制御信号を含む)はコーダ62へ入力
されコード化される。その後、符号化回路64で変調さ
れるが、これらの動作はタイミング発生回路70からの
タイミング信号により動作を調整される。その後、無線
系信号送受信部78へ送られ、さらに通信用無線機15
へ送られる。なお、通信用無線機15は対向して移動無
線機100と通信するのに必要な機能が具備されている
が、移動無線機100と公知の同様の公知デジタル移動
通信システムで使用されているのと同様であり、詳細な
説明は省略する。さらに移動通信制御局30や電話網4
0についても公知であるので詳細な説明は省略する。た
だ、これらの機器の本発明において重要となるシステム
うちの信号の伝送手順については別に説明する。 【0029】以下本発明によるシステム動作を図7、図
8及び図9により説明する。同図は移動無線機100か
らの発呼動作の流れ図を示している。まず、図7に示す
様にシステム内に具備されている移動無線機100、制
御部14、基地局変復調装置25、通信用無線機15−
1、移動通信制御局30を含む図1のすべての機器群が
動作開始中とする。移動無線機100では発呼用の制御
チャネルの自移動無線機100に与えられたタイムスロ
ットを用いて発呼用制御信号を無線基地局1あて送信す
る(ステップS101)。この信号は無線基地局1の複
合アンテナ10で受信されるが、実際には、受信信号は
移動無線機の所在する方向別に基本アンテナA1、
A2、・・・、ANで分割受信される。これら分割受信
信号は夫々、検索用無線機13の検索用送受信部11−
1、11−2、・・・、11−Nへ伝えられる(ステッ
プS102)。各検索用送受信部では受信信号の内容、
及び受信レベルを調査し制御部14へ送信する。制御部
14ではこれらの信号を分析し、信号レベルが基本アン
テナA1からの信号が最も高く、ついでアンテナA2と
A3、さらにアンテナA4である場合、一応この4個の
基本アンテナの主ビーム方向に発呼してきた移動無線機
100が存在するものとし、基本アンテナA1〜A4の
ビームチルト角を夫々変化させ、移動無線機100から
の無線信号を一層良好に受信出来るように調整する(ス
テップS103)。 【0030】以上の調整の結果でも、信号レベルが基本
アンテナA1からの信号が最も高く、ついでアンテナA
2、さらにアンテナA3であることが判明した場合は、
移動無線機100はこれら3つのアンテナの主ビーム方
向に存在するものと見なし、基地局変復調装置25へ連
絡する(ステップS104)。基地局変復調装置25で
はこの信号を受信し、自無線基地局内で使用可能な通信
用無線機15を調べたところ、通信用無線機15−1が
あいている(新しく通信可能)状態であることを認識す
る(正確には移動通信制御局30で使用すべき無線チャ
ネルの決定を行う事になるが、本発明の動作説明に影響
しないのでここでは基地局変復調装置25で代表させ
る)ので、15−1を使用することにし、制御部14へ
連絡する(ステップS105)。この信号を受信した制
御部14ではスイッチ回路12に対し、複合アンテナ1
0の各基本アンテナA1、A2、及びA3と通信用無線
機15−1との結線をオンにして、通信用無線機15−
1の出力が基本アンテナA1、A2、及びA3へ導かれ
る様に接続する(ステップS106)。 【0031】以上の動作により通信用無線機15−1は
移動無線機100よりの発呼用制御信号を受信し、移動
無線機100あて応答信号を送信する(ステップS10
7)。この信号は移動無線機100により受信され、ダ
イヤル信号が送信される(ステップS108)。このダ
イヤル信号は通信用無線機15−1により受信され、基
地局変復調装置25へ転送される(ステップS10
9)。基地局変復調装置25ではこの信号を受信し(ス
テップS110)、移動通信制御局30へダイヤル信号
を転送する(ステップS111)。移動通信制御局30
ではこの信号を受信して、電話網40へダイヤル信号を
転送し、網内の着呼先電話機へ呼出し信号を送信すると
共に、呼出し信号を基地局変復調装置25へ送信する
(ステップS112、以下図8)。基地局変復調装置2
5ではこれを通信用無線機15−1へ転送し(ステップ
S113)、通信用無線機15−1ではこれを移動無線
機100あて応答信号を送信する(ステップS11
4)。移動無線機100ではこの信号を受けると呼出し
音が鳴動するので、受話器をハングアップする(ステッ
プS115)。移動無線機100と着呼先電話機との双
方共受話器をハングアップすると通話が開始される(ス
テップS116)。 【0032】さて、移動無線機100と着呼先電話機と
が通話継続中であり、基地局変復調装置25と通信用無
線機15−1とは双方の信号の中継動作中であるとき
も、検索用無線機13の各検索用送受信部11−1、1
1−2、・・・、11−Nはそれぞれ、基本アンテナA
1、A2、及びA3から得られる移動無線機100の信
号レベルを測定中であり、これらの測定された信号レベ
ルは制御部14へ送信される(ステップS117)。そ
の結果、信号レベルの順位に変更がなければ従来の状態
が継続されるが、順位に変更が発生した場合、例えば基
本アンテナA1からの信号が最も高く、ついでアンテナ
A2、には変化はないがアンテナA3よりもA4からの
受信レベルが高い事が判明した場合は、ただちにその旨
基地局変復調装置25へ連絡する(ステップS118)
と共に、基地局変復調装置25と協力して、複合アンテ
ナ10の内使用すべき各基本アンテナをA1、A2、及
びA4に変更すべくスイッチ回路12に対し制御信号を
送信する。この結果、複合アンテナ10の各基本アンテ
ナA1、A2、及びA4と通信用無線機15−1とが接
続される(ステップS119、以下図9)。なお、この
場合も前述のビームチルト角制御は当然実行される。上
記と同様の監視は移動無線機100と無線基地局1とが
通信を終了するまで継続することになる。 【0033】終話は移動無線機100が受話器をハング
オンする事により行われる。この時移動無線機100か
ら終話信号が送信される(ステップS120)。この信
号は無線機15−1により受信され、基地局変復調装置
25へ送られる(ステップS121)。基地局変復調装
置25ではこれを移動通信制御局30へ転送し(ステッ
プS122)、移動通信制御局30では信号を受信する
が(ステップS123)、さらに電話網40へ再転送
し、網内の着呼先電話機を収容している交換機の着呼先
電話機との結線を開放する。以上で移動無線機100よ
りの発呼動作は終了する。 【0034】次に移動無線機100着呼の場合を説明す
る。電話網40に収容されている電話機からの発呼信号
は移動通信制御局30へ送られ、移動通信制御局30で
相手先の移動無線機100の現在位置を確認し、通信さ
せる無線基地局1を特定し、さらに、使用可能な無線チ
ャネル番号、タイムスロットの情報を含め、無線基地局
1の基地局変復調装置25へ発呼制御信号を送信する。
この信号を受信した基地局変復調装置25では制御部1
4へ連絡する。この連絡を受けた制御部14では、検索
用無線機13にふくまれているすべての検索用送受信部
13−1、13−2、・・・13−Nを動作させて、こ
れらの出力を各基本アンテナA1、A2、・・・及びA
Nへ導き、スイッチ回路12、チルト角制御回路11を
介して移動無線機100あて着呼制御信号を送出する。
この際はチルト角制御回路は特に動作させず標準状態に
固定させておく。この着呼制御信号を受信した移動無線
機100では自移動無線機100に与えられたタイムス
ロットを用いて、着呼応答用の制御信号を送信する。こ
の着呼応答制御信号は無線基地局1の複合アンテナ10
で受信される。これらの受信信号は前述の様に移動無線
機100の所在する方向別に基本アンテナA1、Λ2、
・・・、ANで分割受信され、スイッチ回路12を介し
て夫々、検索用無線機13の検索用送受信部11−1、
検索用送受信部11−2、・・・、11−Nへ伝えられ
る。各検索用送受信部では受信信号の内容、及び受信レ
ベルを調査し制御部14へ送信する。制御部14ではこ
れらの信号を分析し、信号レベルが基本アンテナA1か
らの信号が最も高く、ついでアンテナA2とA3、さら
にアンテナA4である場合、一応この4個の基本アンテ
ナの主ビーム方向に着発応答してきた移動無線機100
が存在するものとし、基本アンテナA1〜A4のビーム
チルト角を夫々変化させ、移動無線機100からの無線
信号を一層良好に受信出来るように調整する。 【0035】以上の調整の結果でも、信号レベルが基本
アンテナA1からの信号が最も高く、ついでアンテナA
2、さらにアンテナA3であることが判明した場合は、
移動無線機100はアンテナA1の主ビーム方向に存在
するものと見なし以下の動作に移行する。制御部14で
は基地局変復調装置25からの連絡により、通信用無線
機13−2があいている(新しく通信可能)状態である
ことを認識するので、スイッチ回路12に対し、複合ア
ンテナ10の各基本アンテナA1、A2、及びA3と通
信用無線機13−2との結線をオンにして、通信用無線
機13−2の出力が基本アンテナA1、A2、及びA3
へ導かれる様にする。それ以後の動作は移動無線機10
0からの発呼の場合のステップS107(図7参照)同
様に継続され、移動無線機100と無線基地局との通信
が終了すると共に動作が停止される。なお、上記のシス
テム例では複合アンテナ10の内、使用する基本アンテ
ナ数を3個とした場合であったが、3以外の数、例えば
2でも4でも可能であることは当然である。 【0036】上記のシステム動作は1つの無線搬送波に
1つの通話(電話)信号しかのせられていない場合(S
CPCシステム)、或いは1つの無線搬送波に多数の通
話(電話)信号が時分割多重にのせられている場合(T
DMAシステム)のいずれの場合でも動作可能である
が、以下後者の場合についてさらに具体的に本発明の動
作を説明する。 【0037】システム例として1つの無線搬送波に4個
の通話信号が時分割多重可能な場合をとる。図10はP
DCシステム(デジタルセルラーシステム)の無線チャ
ネル(チャネル番号1)内の信号フレーム構成の1例を
示す。図10の1フレーム(20ms)には通信に使用
する4個のタイムスロット(S1〜S4)と制御信号に
使用する1個のタイムスロット(C1)を含んでおり、
現在通話タイムスロット番号1〜3の各スロット(S1
〜S3)はすでに説明した発呼、もしくは着呼動作が完
了し、移動無線機100−1〜100−3と電話網40
内の電話機とそれぞれ通話状態にあるとする。 【0038】図11は本発明を適用したシステムの動作
を説明するための図で中央の○印が無線基地局1を示
し、正6角形が各無線基地局の占めるサービスエリアを
示す。無線基地局1から外部へ向けて描かれている長い
楕円は無線チャネル1の電波を用いて、通信用アンテナ
20の一部から放射される電波の主ビームを表してお
り、この内3つのビームが3台の自動車に向けられその
中に搭載されている移動無線機100−1、100−2
及び100−3と交信中であることを示している。他の
2つのビームは別の番号の無線チャネルを用いて他の移
動無線機100と交信中であるが、移動無線機100は
図では省略されている。また、同図では無線基地局1を
取り巻く他の無線基地局がそれぞれ、移動無線機と交信
している様子も描かれている。この時、無線基地局1の
サービスエリア内に存在する移動無線機100−4から
新たに発呼制御信号が無線チャネル1の制御信号用タイ
ムスロットを使用して無線基地局1へ送られて来たとす
る。無線基地局1では、この信号を移動通信制御局30
へ転送し、無線チャネルの使用法について指示を仰いだ
ところ、空いている無線チャネル1の通話タイムスロッ
ト番号4(S4)を指示されたとする。そこで、これを
使用してこの発呼を受け付けたとする。 【0039】本発明における上記の動作を以下説明す
る。まず移動無線機100−4からの発呼制御信号の送
信は無線チャネル1の制御信号用タイムスロット
(C1)を使用して行われるが、この制御信号用タイム
スロットが他の通信に使用されている時には送信されな
いから、他の通信と干渉を引き起こす事はない。移動無
線機100−4からの発呼制御信号の受信は複合アンテ
ナ10で受信され、検索用無線機13へ送られるが、こ
れらのタイミングはすべて図10の制御信号用タイムス
ロット内でのみ行われ、他の時間には全く行われないか
ら、これまた、他の通信と干渉を引き起こす事はない。
以下、複合アンテナ10に対する送受信電波ビームの検
索・追尾は各タイムスロットS4及びC1ごとに行わ
れ、また、スイッチ回路12、基地局変復調装置25、
通信用無線機15、移動通信制御局30等の各動作もタ
イムスロットS4及びC1に同期して実行されるから他
の通信と干渉を引き起こす事はない。 【0040】一方現在通信中の移動無線機100−1〜
100−3と無線基地局1との通信にかかわる諸動作は
すべて無線チャネル1の各タイムスロット(S1〜
S3)、と空きを確認して行われる制御信号用のタイム
スロット(C1)を使用して実行されるから、これま
た、移動無線機100−4と無線基地局1との通信にか
かわる諸動作に影響を与える事は全くない。また、無線
基地局1の他の無線チャネル(番号1以外の2、3、・
・・、等)を用いて他の移動無線機100−5、100
−6、・・・等と通信中のものには、使用する周波数が
異なるから無線干渉を起こす事はない。なお、SCPC
システムの場合は上記の無線チャネル1の各タイムスロ
ット(S1〜C1)を夫々別の無線チャネルに乗せられ
た信号と考えれば良い。 【0041】次に本発明による無線基地局1の有するア
ンテナの主ビームの方向と移動無線機100の移動速度
との関係を説明する。すなわち、上記のような移動無線
機100の位置検索や発呼動作中においても移動無線機
100は移動しているから、無線基地局1を中心にして
半径方向にどの程度移動するのか、もしも半径方向に関
する移動が大きいとアンテナの主ビームの方向と異なる
方向へ移動するのではないかと言う問題に対し説明す
る。移動無線機100を搭載した自動車が無線基地局1
から500メートルの円周と接する高速道路上を時速9
6kmで移動中とする。発呼動作に必要な制御信号の所
要送受信を1秒とすると、1秒間に自動車の移動した距
離は 96km×(10/3600)=36m。 となる。一方、無線基地局1から自動車の移動した36
mを見た角度は (36/500)×(360/2π)=4.13
(度)。 一方、すでに図2で説明したように、本発明で適用する
指向性アンテナは主ビーム幅が30度以上あるから、主
ビームの方向から完全に外れてしまう心配はない。さら
に、本発明を適用するシステムでは複数の基本アンテナ
を使用する上、時分割多重システムの信号1フレーム
(例えば20ms)もしくは数フレームごとに絶えず各
基本アンテナで受信する信号レベルを測定しているか
ら、この点からも上記の心配は全くない。 【0042】さらに、本発明では信号1フレームに含ま
れる制御信号のタイムスロットのレベルを検索用送受信
機11−1等で測定し、この結果を通話信号のタイムス
ロットのレベルでも同一の状態と仮定しているが、信号
1フレームの時間が、例えば20msのように移動無線
機100の移動速度に比較して極めて短いからこの仮定
も何等の問題がない。以上により、本発明によるシステ
ム動作はSCPC、或いはTDMAいずれでも良好に動
作する事が明らかになった。 【0043】最後に本発明の適用により移動通信システ
ム内で場所を違えて繰返し使用する同一無線チャネルの
協調距離を減少させることにより、周波数有効利用度の
向上が可能であることを説明する。それはすでに説明し
たように無線基地局で移動無線機向けに使用する電波が
従来システムと異なり、移動無線機の存在する方向のみ
に限定使用すること、及び無線基地局で具備されている
アンテナを使用するときはその主指向性が下方に向けら
れ、その下方に向けられる角度が従来以上に大きいこ
と、無線基地局から移動無線機あてに送信される無線信
号の有する電力が従来システムに比較して逓減されてい
ること、等により、同一無線チャネルを使用する距離
(協調距離)を減少させても干渉の発生確率が増加しな
いためである。その結果、同一無線チャネルの使用頻度
を増加させた分だけ周波数の有効利用度が増大する。 【0044】 【発明の効果】本発明を適用した移動通信システムで
は、次のような効果を実現させることが可能となった。
まず、無線基地局で移動無線機と通信を行うために使用
電波が有効に使用可能となった点である。無線基地局の
有するアンテナシステムの内、移動無線機の存在する方
向から有効に飛来する信号を受信可能なアンテナ(基本
アンテナ)のみに使用を限定することが出来、他の方向
から入来する妨害電波を遮断することが可能となるの
で、移動無線機からの送信電力は従来必要としていた値
よりも少ない電力でも同一品質を維持する事が可能とな
った。同様に無線基地局からの送信電力についても、移
動無線機の存在する方向へ有効に伝搬可能なアンテナ
(基本アンテナ)のみに使用を限定することができるの
で、従来必要としていた値よりも少ない電力でも同一品
質を維持する事が可能となった。また、上記のようなア
ンテナの使用では使用するアンテナ数は通常2〜3とな
るから、複数の伝搬経路をへて無線基地局へ到達した無
線信号の内、電力の大きな複数個の信号をすべて基本ア
ンテナで選択受信し、無線基地局内の無線受信部へ導く
ことが可能であり、この結果、前述の移動無線機が高速
で移動した場合、電波の到来方向が急速に変化し、アン
テナの主指向性の追尾が不可能となる危険性を大きく減
少させることが出来る。第三に同一システム内の他の通
信に及ぼす電波干渉を少なくした点である。これは第一
に説明したように、無線基地局から送信する電波を無駄
な方向へ発射するのを防止可能となったことによる。さ
らに自己のサービスエリア以外へ漏洩する無線信号が減
少し、他通話者に対する電波干渉を減少させることが可
能となった。以上の結果、同一無線チャネルを使用する
距離(協調距離)を減少させても干渉の発生確率が増加
せず、同一無線チャネルの使用頻度の増加が可能となり
周波数の有効利用度が大きく向上するのを期待できるゆ
え、本発明の効果はきわめて大きいと思われる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるシステム構成の一実施例を示す図
である。 【図2】本発明のアンテナの特性を示す図である。 【図3】 【図1】のシステム構成の一部を示す図である。 【図4】 【図1】のシステム構成の一部を示す他の図である。 【図5】 【図1】のシステム構成の一部を示す他の図である。 【図6】 【図1】のシステム構成の一部を示す他の図である。 【図7】本発明によるシステムの動作の流れを示すフロ
ーチャートである。 【図8】図7と共に本発明によるシステムの動作の流れ
を示すフローチャートである。 【図9】図9と共に本発明によるシステムの動作の流れ
を示すフローチャートである。 【図10】本発明によるシステムに適用されるフレーム
構成の1例を示す図である。 【図11】本発明によるシステムの動作を説明するため
の図である。 【符号の説明】 1 無線基地局 10 複合アンテナ 11 チルト角制御回路 12 スイッチ回路 13 検索用送受信部 15、15−1、15−1、・・・15−M 通信用
無線機 25 基地局変復調装置 30 移動通信制御局 40 電話網 60 有線系信号送受信部 61 デコーダ 62 コーダ 63 復合化回路 64 符号化回路 70 タイミング発生回路 71 クロック発生器 75 基地局制御部 78 無線系信号送受信部 100、100−1、100−2、・・・15−p 移
動無線機
である。 【図2】本発明のアンテナの特性を示す図である。 【図3】 【図1】のシステム構成の一部を示す図である。 【図4】 【図1】のシステム構成の一部を示す他の図である。 【図5】 【図1】のシステム構成の一部を示す他の図である。 【図6】 【図1】のシステム構成の一部を示す他の図である。 【図7】本発明によるシステムの動作の流れを示すフロ
ーチャートである。 【図8】図7と共に本発明によるシステムの動作の流れ
を示すフローチャートである。 【図9】図9と共に本発明によるシステムの動作の流れ
を示すフローチャートである。 【図10】本発明によるシステムに適用されるフレーム
構成の1例を示す図である。 【図11】本発明によるシステムの動作を説明するため
の図である。 【符号の説明】 1 無線基地局 10 複合アンテナ 11 チルト角制御回路 12 スイッチ回路 13 検索用送受信部 15、15−1、15−1、・・・15−M 通信用
無線機 25 基地局変復調装置 30 移動通信制御局 40 電話網 60 有線系信号送受信部 61 デコーダ 62 コーダ 63 復合化回路 64 符号化回路 70 タイミング発生回路 71 クロック発生器 75 基地局制御部 78 無線系信号送受信部 100、100−1、100−2、・・・15−p 移
動無線機
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 【請求項1】 複数のゾーンをそれぞれカバーしてサー
ビスエリアを構成する各無線基地局(1)と、ゾーンを
横切って前記無線基地局と交信するための無線チャネル
を用いた各移動無線機(100)との間の通信を管理す
るための移動通信制御局(30)と、前記移動通信制御
局と伝送路により結合されている電話網(40)に含ま
れている電話機とがあり、前記無線基地局と前記移動無
線機との間で行う無線移動通信のために前記無線基地局
に具備されている複合アンテナは複数の同一特性を有す
る基本アンテナから構成され、水平面内指向特性として
狭ビーム特性を有し、前記無線基地局に具備されている
制御部の制御により任意の組合わせで使用が可能であ
り、かつそれぞれチルト角制御が可能であるように構成
されているとき、 前記移動無線機と前記無線基地局との通信においては前
記制御部は通信に適する前記基本アンテナの1つまたは
複数を特定し、かつ前記各基本アンテナのチルト角制御
量を決定し、それぞれその制御の実行により前記無線基
地局に具備された無線機により前記移動無線機との良好
な通信を行うことを可能とする移動通信システムにおけ
る無線基地局アンテナ指向特性の制御システム。 【請求項2】 前記 【請求項1】の前記無線基地局と前記移動無線機との交
信中において、前記移動無線機のサービスエリヤ内移動
にともない、使用中の基本アンテナの変更、チルト角の
変更をする必要が生じたことを前記制御部で見出した場
合は、 【請求項1】項記載の制御を実行する事を可能とする移
動通信システムにおける無線基地局アンテナ指向特性の
制御システム。 【請求項3】 前記 【請求項1】の前記無線基地局と前記移動無線機との交
信中において、前記移動無線機のサービスエリヤ内移動
にともない、前記移動無線機と前記無線基地局の相対距
離の変化により、前記無線基地局で使用に適する1つま
たは複数の基本アンテナの各主指向性のチルト角変更を
行う必要が生じたことを前記制御部で見出した場合は、 【請求項1】項記載の制御を時々刻々に実行可能とする
移動通信システムにおける無線基地局アンテナ指向特性
の制御システム。 【請求項4】 前記 【請求項1】による前記無線基地局で使用する前記基本
アンテナの使用を前記移動無線機の存在する方向のみに
限定可能なこと、及び前記 【請求項3】の前記基本アンテナのチルト角制御により
無線基地局アンテナの主指向性が平均的に下方に向けら
れること、等により、 送信に必要な無線電力の低減を可能とする移動通信シス
テムにおける無線基地局アンテナ指向特性の制御システ
ム。 【請求項5】 前記 【請求項1】による前記無線基地局で使用する前記基本
アンテナの使用を前記移動無線機の存在する方向のみに
限定可能なこと、及び前記 【請求項3】の前記基本アンテナのチルト角制御により
無線基地局アンテナの主指向性が平均的に下方に向けら
れること、等により、 前記無線基地局の有するサービスエリア外に存在する隣
接サービスエリアへの電波の漏洩を減少させ、電波干渉
の軽減を可能とする移動通信システムにおける無線基地
局アンテナ指向特性の制御システム。 【請求項6】 前記 【請求項1】による前記無線基地局で使用する前記基本
アンテナの使用を前記移動無線機の存在する方向のみに
限定可能なこと、及び前記 【請求項3】の前記基本アンテナのチルト角制御により
無線基地局アンテナの主指向性が平均的に下方に向けら
れること、等により、 システムの有する周波数有効利用度の向上を可能とする
移動通信システムにおける無線基地局アンテナ指向特性
の制御システム。 【請求項7】 前記 【請求項1】による前記無線基地局で使用する前記基本
アンテナの使用を前記移動無線機の存在する方向のみに
限定可能なこと、及び前記 【請求項3】の前記基本アンテナのチルト角制御により
無線基地局アンテナの主指向性が平均的に下方に向けら
れること、等により、 システム内で繰返し使用する同一無線チャネルの協調距
離を減少させ、周波数有効利用度の向上を可能とする移
動通信システムにおける無線基地局アンテナ指向特性の
制御システム。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP8056628A JPH09214421A (ja) | 1996-02-08 | 1996-02-08 | 移動無線システムにおける無線基地局アンテナ指向特 性の制御システム |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP8056628A JPH09214421A (ja) | 1996-02-08 | 1996-02-08 | 移動無線システムにおける無線基地局アンテナ指向特 性の制御システム |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH09214421A true JPH09214421A (ja) | 1997-08-15 |
Family
ID=13032578
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP8056628A Pending JPH09214421A (ja) | 1996-02-08 | 1996-02-08 | 移動無線システムにおける無線基地局アンテナ指向特 性の制御システム |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH09214421A (ja) |
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2000074414A1 (en) * | 1999-05-31 | 2000-12-07 | Sanyo Electric Co., Ltd. | Radio base station |
| SG85124A1 (en) * | 1998-07-28 | 2001-12-19 | Koninkl Philips Electronics Nv | Communication apparatus, mobile radio equipment, base station and power control method |
| KR100349660B1 (ko) * | 1999-12-24 | 2002-08-22 | 한국전자통신연구원 | 스마트 안테나를 이용한 가변처리이득패킷코드분할다중접속 시스템에서의 패킷 전송 장치 및 그 방법 |
| US7831280B2 (en) | 2002-09-09 | 2010-11-09 | Interdigital Technology Corporation | Reducing the effect of signal interference in null areas caused by overlapping antenna patterns |
| CN113612548A (zh) * | 2021-08-09 | 2021-11-05 | 成都卡莱博尔信息技术股份有限公司 | 基于航空通信的天线功率控制方法 |
-
1996
- 1996-02-08 JP JP8056628A patent/JPH09214421A/ja active Pending
Cited By (7)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
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| CN113612548B (zh) * | 2021-08-09 | 2022-04-15 | 成都卡莱博尔信息技术股份有限公司 | 基于航空通信的天线功率控制方法 |
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