JPH09219306A - 低損失酸化物磁性材料およびその製造方法 - Google Patents

低損失酸化物磁性材料およびその製造方法

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JPH09219306A
JPH09219306A JP8022579A JP2257996A JPH09219306A JP H09219306 A JPH09219306 A JP H09219306A JP 8022579 A JP8022579 A JP 8022579A JP 2257996 A JP2257996 A JP 2257996A JP H09219306 A JPH09219306 A JP H09219306A
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JP
Japan
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mol
loss
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low
mhz
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JP8022579A
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Yukiko Nakamura
由紀子 中村
Satoru Narutani
哲 成谷
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JFE Steel Corp
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Kawasaki Steel Corp
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    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F1/00Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties
    • H01F1/01Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials
    • H01F1/03Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity
    • H01F1/12Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity of soft-magnetic materials
    • H01F1/34Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity of soft-magnetic materials non-metallic substances, e.g. ferrites
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高抵抗(比抵抗≧106 Ωcm)で、かつ2M〜
10MHzの高周波帯域で大電流で励磁しても低損失なNiZn
系フェライトを提供すること。 【解決手段】 基本成分組成がFe2O3:48〜51 mol%、Zn
O:11〜25 mol%およびNiO:24〜41%からなるもの、また
は基本成分組成がFe2O3:48〜51 mol%、ZnO:11〜25 mol
%、CuO:8 mol%未満およびNiO:16〜41 mol%からなる
ものに、さらに、MoO3換算で 5000ppm以下のMo酸化物を
添加してなる、平均結晶粒径が1〜3μmで、かつその
焼結密度が理論密度の85〜96%であることを特徴とする
低損失酸化物磁性材料であり、基本成分組成におけるZn
O配合量を、トランスの駆動周波数f(MHz)に応じ
て、−1.7 ×f+30−2.0 ≦ZnO≦−1.7 ×f+30+2.
0 ( mol%)、但し、2≦f≦10(MHz),11≦ZnO≦
25( mol%)の範囲に調整してなることがより望まし
い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、低損失酸化物磁性
材料およびその製造方法に関し、特に、2M〜10MHzの
高周波帯域で使用されるスイッチング電源用メイントラ
ンス、なかでもチップトランスや薄膜トランスのように
巻線と磁性材料が一体構造をとるような部品に好適に用
いられる、高抵抗でかつ低損失な酸化物磁性材料につい
ての提案である。
【0002】
【従来の技術】スイッチング電源は、100k〜200kHz帯域
の変換周波数で使われるのが一般的であり、このような
スイッチング電源のトランス材料としては、従来から、
低損失MnZnフェライトが用いられている。ところが、電
子機器の小型軽量化に伴い、最近では、さらに高い周波
数帯域でもなお低損失特性を示す酸化物磁性材料に対す
る要求が高まっている。
【0003】この要求に対し、上記用途に用いられる従
来のMnZnフェライトであっても、基本成分組成や微量添
加物、粉砕方法、焼成方法などを工夫することにより、
2M〜3MHz程度の周波数帯域までであれば、低損失で
かつ所望の温度特性を示す材料を得ることができる。し
かしながら、従来のMnZnフェライトでは、2M〜3MHz
を超える高周波帯域でも低損失特性を示す材料を安定し
て得ることは困難であった。
【0004】そこで、2M〜3MHzを超える高周波帯域
では、MnZnフェライトに代わる上記トランス材料とし
て、高周波磁気特性に優れかつ高抵抗のNiZn系フェライ
トが注目されている。
【0005】一方、部品の小型化、自動実装化という最
近の傾向に伴い、小型トランスのチップ化が進んでい
る。このようなチップトランスでは、巻線と磁性材料を
一体構造にするため、該磁性材料として高抵抗を示すNi
Zn系フェライトが既に使用されている。
【0006】しかしながら、上記のNiZn系フェライト
は、励磁電流の微弱な信号処理用に開発されたものであ
り、それ故に、スイッチング電源用トランスのように大
電流で励磁すると、ヒステリシス損失が大きくなるとい
う問題があった。
【0007】このように、従来技術では、高周波、大電
流励磁下で好適に作用する低損失NiZn系フェライトを得
ることはできなかった。これに対し、発明者らは先に、
特開平7−272917号公報に開示の高周波低損失NiZn系フ
ェライトを提案した。しかしながら、この提案のNiZn系
フェライトは、その提案の実施例に示すように対象とし
た周波数が1MHzであり、これを2M〜10MHz程度のさ
らに高い周波数帯域で用いると、磁気損失が著しく増大
するという問題があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】以上説明したように従
来のNiZn系フェライトは、高抵抗であり、かつ高周波帯
域まで磁性を示すものの、高周波,大電流励磁下で大き
な磁気損失を招くという問題があった。
【0009】本発明の主たる目的は、従来技術が抱える
上記問題を解消すること、即ち、高抵抗(比抵抗≧106
Ωcm)で、かつ2M〜10MHzの高周波帯域で大電流で励
磁しても低損失なNiZn系フェライトを提供することにあ
る。本発明の他の目的は、上記の磁気特性を有するNiZn
系フェライトを製造するのに適した方法を提案すること
にある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的実現のために鋭
意研究を重ねた結果、発明者らは、以下の内容を要旨構
成とする本発明を開発したのである。即ち、本発明は、 (1) 基本成分組成がFe2O3:48〜51 mol%、ZnO:11〜25 m
ol%およびNiO:24〜41%からなるものに、さらに、MoO3
換算で 5000ppm以下のMo酸化物を添加してなる、平均結
晶粒径が1〜3μmで、かつその焼結密度が理論密度の
85〜96%であることを特徴とする低損失酸化物磁性材料
である。
【0011】(2) 基本成分組成がFe2O3:48〜51 mol%、
ZnO:11〜25 mol%、CuO:8 mol%未満およびNiO:16〜41
mol%からなるものに、さらに、MoO3換算で 5000ppm以
下のMo酸化物を添加してなる、平均結晶粒径が1〜3μ
mで、かつその焼結密度が理論密度の85〜96%であるこ
とを特徴とする低損失酸化物磁性材料である。
【0012】(3) 上記(1)(2)に記載の低損失酸化物磁性
材料において、基本成分組成におけるZnO配合量を、ト
ランスの駆動周波数f(MHz)に応じて、 −1.7 ×f+30−2.0 ≦ZnO≦−1.7 ×f+30+2.0 ( mol%) 但し、2≦f≦10(MHz),11≦ZnO≦25( mol%)の
範囲に調整したことを特徴とする低損失酸化物磁性材料
である。
【0013】そして、上記本発明にかかる低損失酸化物
磁性材の製造方法は、主要成分である酸化物原料を秤量
し、混合し、仮焼して得られたフェライト仮焼粉に副成
分を添加して粉砕し、次いで、造粒して成形したのち焼
成することにより、請求項1または2に記載の低損失酸
化物磁性材料を製造するにあたり、上記副成分として、
MoO3換算で 5000ppm以下のMo酸化物を添加し、1000〜11
30℃の温度範囲に保持して焼成することを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明にかかる酸化物磁性材料の
基本成分を構成するFe2O3 は、その含有量を48〜51 mol
%とする。この範囲に限定する理由は、Fe2O3 の含有量
が48 mol%未満では、トランスの磁芯などに使用する場
合に、安全性の観点から特に重視される高周波駆動時の
100 ℃における磁気損失に関し、ヒステリシス損失を低
減することができない。一方、Fe2O3 の含有量が51 mol
%を超えると、電気抵抗が急激に低下するために、渦電
流損失が高くなるとともに、NiZn系フェライトの長所の
1つであるコアへの直接巻線ができなくなるからであ
る。なお、より好ましいFe2O3 の含有量は、48.5〜50.0
mol%であり、この範囲で最も優れた低磁気損失特性が
得られる。
【0015】本発明にかかる酸化物磁性材料の基本成分
を構成するZnOは、その含有量を11〜25 mol%とする。
この範囲に限定する理由は、ZnOの含有量が11 mol%未
満では、ヒステリシス損失を低減することができず、一
方、25 mol%を超えると、高周波磁気特性が劣化し、10
0 ℃での残留損失が著しく増大するからである(特に、
4MHz以上で顕著となる。)。
【0016】より好ましいZnOの含有量は、トランスの
駆動周波数に依存し、駆動周波数が高くなると、最適Zn
O含有量の範囲は低下する。この点に関し、発明者らは
実験を行い以下の知見を得た。すなわち、まず、Fe2O3:
49mol%と一定、ZnO:10〜27 mol%および残部NiOと
組成比を変えて秤量し、湿式混合し、850 ℃で3時間仮
焼し、得られたNiZnフェライト仮焼粉にMoO3:3500ppmを
添加して湿式粉砕し、次いで、PVAをバインダーとし
て造粒し、成形圧力1ton/cm2 で成形して外径36mm, 内
径24mm, 高さ8mmのトロイダル形状の成形体を得、その
後、この成形体を大気中,1100℃で3時間焼成すること
により、各種のNiZnフェライト焼結体を作製した。そし
て、このようにして作製したNiZnフェライト焼結体につ
いて、(3MHz,20mT)、(6MHz,10mT)、(10MH
z, 5mT)でのコアロスを測定する実験を行った。その
結果、図1に示す結果から、駆動周波数f(MHz)と最
適ZnO含有量(mol%)の関係は、 ZnO=−1.7 ×f+30( mol%) ・・・・(1) 但し、2≦f≦10(MHz),11≦ZnO ≦25( mol%)で
表すことができる。さらに、高周波磁気損失は、焼結密
度や結晶粒径、結晶粒径分布、粒界構造などにも依存す
るため、最適ZnO含有量の範囲は、上記(1) 式で与えら
れる最適値±2.0 ( mol%)の幅を持つことを知見し
た。従って、例えば、駆動周波数fが3MHzの場合のZn
O含有量は22.9〜25 mol%であり、駆動周波数fが6M
Hzの場合のZnO含有量は17.8〜21.8 mol%であり、駆動
周波数fが10MHzの場合のZnO含有量は11〜15 mol%と
なる。
【0017】本発明にかかる酸化物磁性材料の基本成分
を構成するNiOは、その含有量を24〜41 mol%とする。
この範囲に限定する理由は、NiOの含有量が24 mol%未
満では、高周波磁気特性が劣化するために、100 ℃での
残留損失が増大し、一方、41 mol%を超えると、ヒステ
リシス損失が増大するからである。より好ましいNiOの
含有量は、トランスの駆動周波数に依存し、駆動周波数
が高くなると、最適ZnO含有量の低下に伴い最適NiO含
有量の範囲は高くなる。例えば、駆動周波数fが3MHz
の場合の好ましいNiO含有量は26〜29 mol%り、駆動周
波数fが10MHzの場合の好ましいNiO含有量は34〜41 m
ol%となる。
【0018】本発明においては、焼成温度の低減(焼結
促進)と原料コストの削減をするために、上記NiO成分
の一部を8 mol%未満、より好ましくは6 mol%以下の
CuO成分で置換することができる。NiO成分のCuO成分
による置換量を8 mol%未満とする理由は、8 mol%以
上のCuO で置換すると、結晶粒内の結晶磁気異方性定数
および磁歪定数が大きく変化すること、あるいは焼成温
度が低下して後述するようなMoO3添加による粒界応力緩
和効果が得られなくなることにより、高周波磁気損失が
著しく劣化するからである。
【0019】本発明においては、低損失の酸化物磁性材
料を得るために、上述したNiZn系フェライトの基本成分
に加えてさらに、副成分としてMo酸化物を添加する。こ
のMo酸化物は、MoO3換算で5000ppm 以下を含み、より好
ましくはMoO3で1500〜4500ppm 、さらに好ましくはMoO3
換算で3000超〜4000ppm を含む。この理由は、Mo酸化物
の含有量が 5000ppmを超えると、結晶粒の異常粒成長を
起こしやすくなり、損失低減効果が得られなくなるから
である。
【0020】本発明においては、MoO3添加による損失改
善作用をより効果的に引きだすために、平均結晶粒径を
1〜3μmの範囲とする必要がある。この理由は、平均
結晶粒径が1μmより小さいと、ヒステリシス損失が増
大し、一方、平均結晶粒径が3μmより大きいと、高周
波磁気特性が劣化して 100℃での残留損失が増大するか
らである。また、焼結密度は、理論密度の85〜96%の範
囲にすることが望ましい。この理由は、焼結密度が理論
密度の85%未満であると、実効的な磁性体占有率が低い
ために損失を低減することができず、一方、理論密度の
96%を超える高密度では、粒界の残留圧縮応力が高くな
るために、損失を低減することができなくなるからであ
る。
【0021】上述のMoO3添加によるNiZn系フェライトの
損失改善機構は、発明者らの検討によれば、以下のよう
に説明できる。すなわち、焼成温度域に沸点を持つMoO3
(単体での沸点:1257℃)を添加することにより、焼成
時に、MoO3の一部が粒界から蒸発し、粒界に残留する圧
縮応力が緩和されて、ヒステリシス損失が低減されるも
のと推測できる。また、MoO3は、低融点酸化物(単体で
の融点: 795℃)であり、焼成時の昇温過程で液相を生
じて焼結体の緻密化を促進し、保持過程では結晶粒径の
均一化に寄与する。その結果、ヒステリシス損失の原因
となる1μm未満の結晶粒の比率、および残留損失の原
因となる3μm超の結晶粒の比率が低減し、高周波磁気
損失が低減されるものと推測できる。このことから、結
晶粒径は、平均で1〜3μmとする必要がある。
【0022】このように本発明の酸化物磁性材料は、Mo
O3の上記熱的性質を利用して低損失化を実現している。
それ故に、本発明にかかる酸化物磁性材料の製造方法
は、焼成過程における保持温度を1000〜1130℃の範囲に
維持することが望ましい。この理由は、1000℃未満で
は、焼結密度および結晶粒径が小さくなってヒステリシ
ス損失が増大し、一方、1130℃を超えると、焼結密度お
よび結晶粒径が大きくなって残留損失が増大すると共
に、焼結体の緻密化が進み過ぎることでMoO3の蒸発が抑
制されてヒステリシス損失低減効果も得られなくなるか
らである。
【0023】以上説明したような本発明の酸化物磁性材
料によれば、比抵抗≧106 Ωcmで、かつ2M〜10MHzの
高周波帯域で大電流で励磁しても低損失なNiZn系フェラ
イトを得ることができる。
【0024】
【実施例】
(実施例1) (1)表1に示す成分組成比となるように、主要酸化物原
料であるFe2O3, ZnOおよびNiO を秤量し、湿式混合し、
850 ℃で3時間仮焼してNiZn系フェライト仮焼粉を得
た。 (2)次に、上記仮焼粉にMoO3を3000ppm 添加した後、湿
式粉砕し、乾燥した後、バインダーとしてPVAを添加
して造粒し、その後、成形圧力1ton/cm2 で成形して外
径36mm, 内径24mm, 高さ8mmのトロイダル形状の成形体
を得た。 (3)そして、得られた成形体を、大気中,1100℃で3時
間焼成してNiZn系フェライトを得た。
【0025】このようにして得られたNiZn系フェライト
について、焼結密度、平均結晶粒径、3MHz,20mT,100℃
の条件下でのコアロスおよび室温,10V印加の条件下で
の比抵抗を測定した。その結果を表1に示す。なお、表
1に示す比較例として、本発明範囲を逸脱する成分組成
のNiZn系フェライトを同様の方法にて作製し、同様の評
価を行った。
【0026】表1に示す結果から明らかなように、本発
明にかかる成分組成の範囲内において、比抵抗> 106Ω
cmで、かつコアロス<1200kW/m3 のNiZn系フェライト
が得られることがわかった。
【0027】
【表1】 *MoO3添加量:3000ppm , 焼成温度:1100℃ 比抵抗測定条件:室温,10V印加 コアロス測定条件:3MHz,20mT,100℃
【0028】(実施例2) (1)表2に示す成分組成比となるように、主要酸化物原
料であるFe2O3, ZnOおよびNiO を秤量し、湿式混合し、
950 ℃で2時間仮焼してNiZn系フェライト仮焼粉を得
た。 (2)次に、上記仮焼粉にMoO3を3500ppm 添加した後、湿
式粉砕し、乾燥した後、バインダーとしてPVAを添加
して造粒し、その後、成形圧力1ton/cm2 で成形して外
径36mm, 内径24mm, 高さ8mmのトロイダル形状の成形体
を得た。 (3)そして、得られた成形体を、大気中,1050℃で3時
間焼成して Ni-Zn系フェライトを得た。
【0029】このようにして得られたNiZn系フェライト
について、焼結密度、平均結晶粒径、6MHz,10mT,100℃
の条件下でのコアロスおよび室温,10V印加の条件下で
の比抵抗を測定した。その結果を表2に示す。
【0030】表2に示す結果から明らかなように、本発
明にかかる成分組成の範囲内において、比抵抗> 106Ω
cmで、かつコアロス<1200kW/m3 のNiZn系フェライト
が得られ、特に、請求項3に記載した駆動周波数に応じ
た ZnO量の範囲内で、コアロス<1100kW/m3 が得られ、
効果が著しいことがわかった。
【0031】
【表2】 *MoO3添加量:3500ppm , 焼成温度:1050℃ 比抵抗測定条件:室温,10V印加 コアロス測定条件:6MHz,10mT,100℃
【0032】(実施例3) (1)表3に示す成分組成比となるように、主要酸化物原
料であるFe2O3, ZnOおよびNiO を秤量し、湿式混合し、
925 ℃で2時間仮焼してNiZn系フェライト仮焼粉を得
た。 (2)次に、上記仮焼粉にMoO3を4000ppm 添加した後、湿
式粉砕し、乾燥した後、バインダーとしてPVAを添加
して造粒し、その後、成形圧力1ton/cm2 で成形して外
径36mm, 内径24mm, 高さ8mmのトロイダル形状の成形体
を得た。 (3)そして、得られた成形体を、大気中,1080℃で3時
間焼成してNiZn系フェライトを得た。
【0033】このようにして得られたNiZn系フェライト
について、焼結密度、平均結晶粒径、10MHz,5mT,100℃
の条件下でのコアロスおよび室温,10V印加の条件下で
の比抵抗を測定した。その結果を表3に示す。なお、表
3に示す比較例として、本発明範囲を逸脱する成分組成
のNiZn系フェライトを同様の方法にて作製し、同様の評
価を行った。
【0034】表3に示す結果から明らかなように、本発
明にかかる成分組成の範囲内において、比抵抗> 106Ω
cmで、かつコアロス<450kW/m3のNiZn系フェライトが
得られ、特に、請求項3に記載した駆動周波数に応じた
ZnO量の範囲内で、コアロス<400kW/m3が得られ、とり
わけ効果が顕著であった。
【0035】
【表3】 *MoO3添加量:4000ppm , 焼成温度:1080℃ コアロス測定条件:10MHz,5mT,100℃
【0036】(実施例4)表1のNo.1の成分組成に対
し、異なる焼成温度で焼成して得たNiZn系フェライトに
ついて、焼結密度、平均結晶粒径、3MHz,20mT,100℃の
条件下でのコアロスおよび室温,10V印加の条件下での
比抵抗を測定した。その結果を表4に示す。表4に示す
結果から明らかなように、本発明にかかる焼結密度、平
均結晶粒径の範囲内において、低損失となることがわか
った。
【0037】
【表4】 *MoO3添加量:3000ppm コアロス測定条件:3MHz,20mT,100℃
【0038】(実施例5)表1のNo.3の成分組成に対
し、NiOの一部をCuOに置換して、実施例1と同様の方
法にて得たNiZn系フェライトについて、焼結密度、平均
結晶粒径、3MHz,20mT,100℃の条件下でのコアロスおよ
び室温,10V印加の条件下での比抵抗を測定した。その
結果を表5に示す。表5に示す結果から明らかなよう
に、本発明にかかるCuOの置換量において、低損失とな
ることがわかった。
【0039】
【表5】 *MoO3添加量:3000ppm , 焼成温度:1100℃ コアロス測定条件:3MHz,20mT,100℃
【0040】(実施例6)表3のNo.1の同じ成分組成と
なるように主要酸化物原料を仮焼し、得られた仮焼粉に
添加するMoO3の量を変化させること以外は、実施例3と
同様の方法にてNiZn系フェライトを得た。
【0041】このようにして得られたNiZn系フェライト
について、焼結密度、平均結晶粒径、10MHz,5mT,100℃
の条件下でのコアロスおよび室温,10V印加の条件下で
の比抵抗を測定した。その結果を表6に示す。表6に示
す結果から明らかなように、本発明にかかるCuO置換量
において、低損失となることがわかった。
【0042】
【表6】 *焼成温度:1080℃ コアロス測定条件:10MHz,5mT,100℃
【0043】なお、上述した各実施例では、MoO3の添加
は粉砕前に行ったが、仮焼温度が1000℃以下の温度範囲
であれば他の成分とともに仮焼前に入れても同様の効果
が得られる。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように本発明の酸化物磁性
材料によれば、高抵抗(比抵抗≧106Ωcm)で、かつ2
M〜10MHzの高周波帯域で大電流で励磁しても低損失な
NiZn系フェライトを得ることができる。したがって、本
発明の酸化物磁性材料は、2M〜10MHzで使用するスイ
ッチング電源用トランスのような高周波,大電流励磁下
での用途に対し優れた特性を発揮し、特に、チップトラ
ンスや薄膜トランスのような巻線と磁性体が一体化した
構造を有するトランスのコア材料として優れた特性を発
揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】ZnO含有量とコアロスの関係を示す図である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基本成分組成がFe2O3:48〜51 mol%、Zn
    O:11〜25 mol%およびNiO:24〜41%からなるもの
    に、さらに、MoO3換算で 5000ppm以下のMo酸化物を添加
    してなる、平均結晶粒径が1〜3μmで、かつその焼結
    密度が理論密度の85〜96%であることを特徴とする低損
    失酸化物磁性材料。
  2. 【請求項2】 基本成分組成がFe2O3:48〜51 mol%、Zn
    O:11〜25 mol%、CuO:8 mol%未満およびNiO:16
    〜41 mol%からなるものに、さらに、MoO3換算で 5000p
    pm以下のMo酸化物を添加してなる、平均結晶粒径が1〜
    3μmで、かつその焼結密度が理論密度の85〜96%であ
    ることを特徴とする低損失酸化物磁性材料。
  3. 【請求項3】 基本成分組成におけるZnO配合量を、ト
    ランスの駆動周波数f(MHz)に応じて、 −1.7 ×f+30−2.0 ≦ZnO≦−1.7 ×f+30+2.0 ( mol%) 但し、2≦f≦10(MHz),11≦ZnO≦25( mol%)の
    範囲に調整したことを特徴とする請求項1または2に記
    載の低損失酸化物磁性材料。
  4. 【請求項4】 主要成分である酸化物原料を秤量し、混
    合し、仮焼して得られたフェライト仮焼粉に副成分を添
    加して粉砕し、次いで、造粒して成形したのち焼成する
    ことにより、請求項1〜3のいずれか1に記載の低損失
    酸化物磁性材料を製造するにあたり、 上記副成分として、MoO3換算で 5000ppm以下のMo酸化物
    を添加し、1000〜1130℃の温度範囲に保持して焼成する
    ことを特徴とする低損失酸化物磁性材料の製造方法。
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