JPH0922036A - 非線形光学用ポリウレタン系樹脂材料 - Google Patents

非線形光学用ポリウレタン系樹脂材料

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JPH0922036A
JPH0922036A JP7172009A JP17200995A JPH0922036A JP H0922036 A JPH0922036 A JP H0922036A JP 7172009 A JP7172009 A JP 7172009A JP 17200995 A JP17200995 A JP 17200995A JP H0922036 A JPH0922036 A JP H0922036A
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JP
Japan
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group
formula
dye
polyurethane resin
polymer
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JP7172009A
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English (en)
Inventor
Shinji Aramaki
晋司 荒牧
Yuko Okamoto
祐子 岡本
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】大きな非線形光学効果を発現する高分子材料を
提供する。 【解決手段】主鎖中に下記一般式(1)の構造単位を有
する非線形光学用ポリウレタン系樹脂材料。 【化1】 (式中、X1、X2、X3は二価の有機基であり、Z1、Z
2は、 【化2】 で表される分子の分子超分極率と双極子モーメントの積
が50×10-48静電単位以上となる原子団を表す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は非線形光学材料及び
その製造方法に関する。特に大きな非線形光学効果を発
現する高分子材料であって、電気光学光変調素子や波長
変換素子等に用いることのできる光の制御素子として有
効な非線形光学材料及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】非線形光学材料は、光の波長変換、屈折
率の変化による光の変調、スイッチング等、光、特にレ
ーザー光の変換や制御に広く利用されている。これは外
部より加えられる電磁場による物質の非線形な分極によ
り引き起こされる現象として理解されている。ここで、
外部より加えられる電場(光又は静電場)をE、それに
より誘起される物質の分極をPとして、PをEにより展
開すると、下記(I)式の如く表される。
【0003】
【数1】 P=P0+χ(1) E+χ(2) EE+χ(3) EEE+… …(I)
【0004】このχ(2) は2次の、χ(3) は3次の非線
形感受率と呼ばれ、これらの関係する現象は、例えば、
Y.R.Shen著“Principles of N
onlinear Optics”に記述されている。
【0005】現在、非線形光学材料として実際に用いら
れているのは、KDP(KH2PO4)、LiNbO3
(ニオブ酸リチウム)、KTP(KTiOPO4)等の
酸化物単結晶や、GaAs等の半導体材料が主である。
近年、π電子共役系の有機化合物が、この非線形光学材
料として注目を集めている。これは、その非線形感受率
が無機系材料と比較して非常に大きいことや、それが電
子分極に由来することから、全光デバイスに応用された
場合、ピコ秒以下の超高速の応答性が期待されることに
よる。また、誘電率の小さいことや、ニオブ酸リチウム
等と比較して光損傷に強いこと、高分子材料においては
製造法が単結晶成長に比較して容易なこと、多様な分子
設計により種々の機能を付加できる可能性のあること
も、有機材料が非線形光学材料として期待されている理
由として挙げられる。このような有機化合物の特長を利
用すれば、半導体レーザー等の低パワーレーザー用の第
二高調波発生等の波長変換素子や、低電圧駆動で高速応
答性の電気光学変調素子を作製することが可能である。
【0006】非線形光学材料としての実際の有機材料と
しては、種々の形態のものが検討されてきた。有機化合
物では、非線形感受率は分子の超分極率で議論される。
分子に作用する電場をEとし、これにより誘起される分
子の双極子モーメントをpとすると、下記(II)式で
表される。
【0007】
【数2】 p=μ+αE+βEE+γEEE+… …(II)
【0008】ここでαは分子分極率、β、γはそれぞれ
二次、三次の分子超分極率と呼ばれており、分子集合体
の非線形感受率はこれらβ、γに由来する。二次の非線
形光学材料としては、分子内に電子供与性の基と電子吸
引性の基を含み、それらがπ電子共役系で連結されてい
る分子内電荷移動性のものが、二次の分子超分極率
(β)が大きくなることが示されており、これまでに知
られている大きなχ(2)を示す有機化合物は、メチルニ
トロアニリン(MNA)に代表されるように、ほとんど
がこのタイプの分子である。
【0009】しかし、二次の非線形光学材料には、その
構造が巨視的に反転対称性を有しないという制限が存在
する。即ち、χ(2)が3階のテンソルであるために、β
が大きくても集合体が反転対称性を有する結晶構造をと
ったり、アモルファスである場合には、χ(2)は0にな
る。このため、βの大きな分子をいかにして極性構造に
配向させるかが、材料探索の大きな課題となっている。
【0010】この有機系非線形光学材料において、結晶
構造を利用することは最もよく行なわれることであり、
粉末SHG法はこのような材料を簡便にスクリーニング
する方法である。従来、分子が最適な配置をとった結晶
を得るために、光学活性な基の導入、基底状態の双極子
モーメントの小さい骨格、水素結合の利用等の分子設計
のアイデアは幾つか提案された。
【0011】しかしながら、最終的には実際に結晶を得
てみなければ、効果は明らかではない。また、有機化合
物の結晶は分子性結晶で、柔らかく加工性に乏しい。更
に、非線形光学素子として実用化する際に、導波路構造
に加工することが望ましいことが多いが、これに必要な
薄膜形成法、結晶方位の制御、部分的に屈折率を変化さ
せる方法が非常に難しい。このようなことから、膨大な
数の有機結晶について非線形光学材料としての可能性が
調べられているにもかかわらず、素子にまで加工された
例は少ないのが現状である。
【0012】もう一つの二次の有機系非線形光学材料と
しては、高分子材料が挙げられる。これはアクリル系の
高分子にディスパースレッド1(N−エチル−N−ヒド
ロキシルエチル−4−アミノ−4’−ニトロアゾベンゼ
ン)に代表される、βの大きな分子をドープしたり、高
分子の側鎖に色素を結合させたもので代表される。(な
お、本発明では可視光領域で色のない分子であっても、
非線形光学効果を示す分子または原子団を便宜上「色
素」と呼ぶ。)高分子材料は、コーティングによる薄膜
形成が容易で、光学的にも優れた光導波路材料となるこ
とは知られているが、コーティングしただけの膜は一般
にアモルファスでχ(2)は0である。χ(2)を示すように
するための方法としては、高分子の膜に電場を印加しな
がらガラス転移温度(以下「Tg」と略す)付近の温度
に加熱して、βの大きなユニットを配向させた後、室温
まで冷却して配向を固定するポーリングと呼ばれる操作
が最もよく利用されており、これにより、ニオブ酸リチ
ウム程度の電気光学効果を示す材料が得られている。し
かしながら、この操作における最も大きな欠点は、その
配向が熱的に緩和してしまい、χ(2)が次第に減衰する
ことである。また、ポーリングにより非線形光学効果を
発現するβの大きな色素は、高分子マトリクス中で希釈
されており、更には温度による擾乱のために完全な配向
はとりえない。これらのことから、有機化合物に期待さ
れる大きな非線形光学効果も得られていない。
【0013】高分子材料のχ(2)を大きくするのには、
それに含まれる色素のβを大きくする必要がある。βの
大きな分子は、電子供与性基と電子吸引性基がπ電子で
共役している構造をしており、この分子内の電荷移動性
を大きくするとβが大きくなることが分かっている。こ
れには、π電子の共役を伸ばしたり、より強力な電子供
与性基や電子吸引性基を導入することが効果的である。
しかしながら、このようにしてβを大きくした分子は、
一般に平面性が良く細長い構造となり、また双極子モー
メントも大きくなるので、高分子中に高濃度で存在した
場合、分子間の相互作用が大きく、凝集により透明な膜
が得られなかったり、ポーリング処理で期待される非線
形光学特性が得られなくなる傾向がある。そのために、
色素分子にかさ高いアルキル基等の分子間相互作用を緩
和する置換基を導入して、非線形光学用高分子としての
特性を満足させる工夫がなされている。しかし、大きな
アルキル基の導入は、色素の分子量を増加させ、ポリマ
ー中の色素ユニットの含有量を大きくする必要があり、
好ましいものではない。また、ポリマーのガラス転移温
度を低下させ、非線形光学効果の熱的な安定性を低下さ
せる欠点もある。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】上述の如く、高特性の
素子を得るためには、非線形感受率の高い非線形光学材
料を開発する必要があるが、従来において、このような
非線形光学材料が提供されていないのが現状である。本
発明は上記従来の実情に鑑みてなされたものであり、大
きな非線形感受率を有する材料を得るのに利用できる分
子超分極率βの大きな色素を特殊な構造で高分子に結合
し、これによりポーリングによって得られる非線形感受
率を大幅に高め、従来の素子に比較して、高い性能を示
す素子を作製することができる非線形光学材料を提供す
ることを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、βの大き
な色素を有し、かつ、その色素骨格部分が高分子主鎖に
特別な形で含まれる材料が、高い性能を示し、かつ配向
も安定であることを見いだし、本発明に至った。すなわ
ち、本発明の目的は、非線形感受率を大きく高めた非線
形光学用ポリウレタン系樹脂材料を提供することであ
り、かかる目的は、下記一般式(1)の構造を有する非
線形光学用ポリウレタン系樹脂材料により容易に達成さ
れる。
【0016】
【化7】
【0017】(式中、X1、X2、X3は二価の有機基で
あり、Z1、Z2は、
【0018】
【化8】
【0019】で表される分子の分子超分極率βと双極子
モーメントμの積が50×10-48静電単位以上となる
原子団を表す。) より好ましい非線形光学材料用ポリウレタン系樹脂材料
は、下記一般式(2)の構造単位を有するものである。
【0020】
【化9】
【0021】(式中、X1、X2、X3は二価の有機基で
あり、Y1、Y2、Y3、Y4はそれぞれCHまたはNを表
し、Dは電子供与性基、Aは電子吸引性基を表し、
1、Q2は置換されていてもよい芳香環もしくは複素環
を表す。)
【0022】
【発明の実施の形態】上記一般式(1)、(2)中の、
1、X2、X3の2価の有機基としては、置換もしくは
枝分かれしてもよいアルキレン基、や、その中にエーテ
ル性の酸素原子を含むものが挙げられる。この部分があ
まり長すぎると、高分子のTgが下がってしまうので、
水素以外の原子数としては6以下であるものが望まし
い。
【0023】Dの電子供与性基としては、例えば、アル
キル基、アリル基、アシル基で置換されてもよいアミノ
基、炭素数6以下のアルコキシ基、アリルオキシ基、チ
オエーテル基などが挙げられるが、特に炭素数6以下の
アルキル基で置換されたアミノ基が望ましい。また、A
の電子吸引性基としては、ニトロ基、シアノ基、ジシア
ノビニル基、トリシアノビニル基、ハロゲン原子、カル
ボニル基、スルホン基、ペルフルオロアルキル基、等が
挙げられるが、特にニトロ基、シアノ基、ジシアノビニ
ル基、トリシアノビニル基が望ましい。
【0024】Q1、Q2としては、ベンゼン環、ピリジン
環、チオフェン環、チアゾール環、チアジアゾール環、
フラン環、オキサゾール環、オキサジアゾール環、ナフ
タレン環、アントラセン環、等が挙げられる。これらの
環の水素原子が、アルキル基やアルコキシ基等で置換さ
れていても良く、さらにこの置換基の水素原子の一部が
フッ素原子や水酸基等で置換されていても良い。
【0025】本発明のポリウレタン系樹脂の分子量は成
形加工に支障がない範囲であればいずれでもよく、通常
は数平均分子量が2000〜10万程度が好ましい。本
発明の非線形光学用ポリウレタン系樹脂材料は、2次、
および3次の非線形光学材料として用いることができる
が、特に2次の非線形光学材料として優れており、その
ために、前記一般式(1)又は(2)の非線形光学用ポ
リウレタン系樹脂材料を、加熱しながら電場を印加して
配向し、これを固定して用いることが好ましい。
【0026】電場で配向した非線形光学用ポリウレタン
系樹脂材料のさらに好ましいものとしては、前記一般式
(1)又は(2)の非線形光学用ポリウレタン系樹脂材
料に、2つ以上のイソシアネート基を有する化合物を混
合し、電場を印加して配向する前もしくは後もしくは同
時に、加熱処理により架橋して固定したものである。こ
の超分極率の大きな色素を高分子骨格中に導入すること
は、隣り合う分子間の凝集を、高分子主鎖で妨げる効果
がある。これは、色素の分子間相互作用を緩和するため
にかさ高い基を導入することよりも効果が高く、高濃度
にまで有効に作用するものである。
【0027】超分極率βを求めるのには幾つかの方法が
ある。溶液に電場を印加してSHGを測定する方法(D
CDHG又はEFISH)、溶液のハイパーレイリー散
乱を測定する方法、分子をポリマーに溶解して一定電場
でポーリングし、このSHGや電気光学効果の測定から
求める方法が知られている。一般にβは関係する電場
(光や外部から印加する電場)の周波数に依存する。異
なる測定法で求められたβは、2準位モデルの分散関係
を用いることによって互いに変換することができ、かつ
実験で求められる値とよく合うことが知られている。さ
らに、周波数を0に外挿した極限ではすべてのχ(2)
よびβは収束する。本文中でいうβは、この周波数0に
外挿した値を示す。
【0028】以下、例を挙げながら本発明を具体的に説
明する。一般式(1)又は(2)の材料は、対応する色
素のジオール化合物と、ジイソシアネート化合物を反応
させて合成することができる。この一般式(1)又は
(2)の材料に対応する色素のジオール化合物の分子構
造はそれぞれ次に示すようなものになる。
【0029】
【化10】
【0030】
【化11】
【0031】このようなジオール化合物の具体例として
は、次のようなものが挙げられる。
【0032】
【化12】
【0033】
【化13】
【0034】
【化14】
【0035】
【化15】
【0036】
【化16】
【0037】
【化17】
【0038】これらの化合物は、単独で用いてもよい
し、二種類以上を混合して用いてもよい。さらに、色素
濃度を制御したり、別の機能を導入するために、他の二
つ以上の水酸基やアミノ基を有する化合物を混合して用
いてもよい。そのような低分子化合物としては数平均分
子量が300〜5000のポリオールや分子量が500
以下の短鎖ジオールまたは短鎖ジアミンが利用できる。
【0039】このようなポリオールの例としてはポリウ
レタン製造に通常用いられているものが使用でき、例え
ばポリエーテルジオール、ポリエステルジオール、ポリ
エーテルエステルジオール、ポリオレフィンポリオール
およびこれら2種類以上の混合物が挙げられる。ポリエ
ーテルジオールとしては、アルキレンオキシドを単独ま
たは共重合させて得られるもの、例えばポリエチレング
リコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレン−
プロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグ
リコール、ポリヘキサメチレンエーテルグリコール、ポ
リオクタメチレンエーテルグリコールおよびそれらの2
種以上の混合物が挙げられる。ポリエステルジオールと
してはジカルボン酸(テレフタル酸、コハク酸、グルタ
ル酸、アジピン酸、セバシン酸、フマル酸、マレイン
酸、フタル酸等)またはそれらの無水物とグリコール
(エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエ
チレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレ
ングリコール、トリプロピレングリコール、1,2−ブ
タンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタ
ンジオール、2,3−ブタンジオール、3−メチル−
1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、
2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−
2−プロピル−1,3−プロパンジオール、2−ブチル
−2−エチル−1,3−プロパンジオール、1,5−ペ
ンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2−メチ
ル−2,4−ペンタンジオール、2,2,4−トリメチ
ル−1,3−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−
ヘキサンジオール、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサ
ンジオール、1,8−オクタメチレングリコール、2−
メチル−1,8−オクタメチレングリコール、1,9−
ノナンジオール等の脂肪族グリコール;ビスヒドロキシ
メチルシクロヘキサン等の脂環族グリコール;キシリレ
ングリコール、ビスヒドロキシエトキシベンゼン等の芳
香族グリコール;C11 8アルキルジエタノールアミン
等のアルキルジアルカノールアミン等)とを縮重合させ
て得られたもの、例えばポリエチレンアジペート、ポリ
ブチレンアジペート、ポリヘキサメチレンアジペート、
ポリエチレン/プロピレンアジペート等、または前記ジ
オール類を開始剤として用いて得られるポリラクトンジ
オール、例えばポリカプロラクトンジオール、ポリメチ
ルバレロラクトンおよびこれらの2種以上の混合物が挙
げられる。ポリエーテルエステルジオールとしてはエー
テル基含有ジオールもしくは他のグリコールとの混合物
を前記ジカルボン酸とまたはそれらの無水物とを反応さ
せるか、またはポリエステルグリコールにアルキレンオ
キシドを反応させることによって得られるもの、例えば
ポリ(ポリテトラメチレンエーテル)アジペートが挙げ
られる。ポリオレフィンポリオールとしては、水素添加
型ポリブタジエンポリオール、水素添加型ポリイソプレ
ンポリオール等が挙げられる。
【0040】この他、ポリカーボネートジオール類、ポ
リブタジエンポリオール類も使用可能である。短鎖ジオ
ールの例としては、エチレングリコール、ジエチレング
リコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコ
ール、ジプロピレングリコール、1、2−ブタンジオー
ル、1、3−ブタンジオール、1、4−ブタンジオー
ル、ポリテトラメチレングリコール、1、5−ペンタン
ジオール、1、6−ヘキサンジオール、3−メチル−
1、5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、
2−エチル−1、3−ヘキサングリコール、2、2、4
−トリメチル−1、3−ペンタンジオール、3、3−ジ
メチロールヘプタン、1、9−ノナンジオール、2−メ
チル−1、8−オクタンジオール、シクロヘキサンジメ
タノール、ビスヒドロキシエトキシベンゼン、N−アル
キルジエタノールアミン、ビスフェノールA等が挙げら
れる。短鎖ジアミンの例としてはエチレンジアミン、プ
ロピレンジアミン、ヒドラジン、2、4、4−トリメチ
ルヘキサメチレンジアミン等の脂肪族ジアミン、ピペラ
ジン、シクロヘキサンジアミン、メンテンジアミン、イ
ソホロンジアミン、4、4’−メチレンビス(シクロヘ
キシルアミン)等の脂環族ジアミン等が挙げられる。さ
らにトリメチロールプロパン、グリセリン等の多官能ア
ルコール類も一部併用することができる。また、一部を
モノアミンやモノアルコールに置換することも可能であ
る。モノアミンとしてはメチルアミン、エチルアミン、
ブチルアミン、ジブチルアミン、エタノールアミン、ジ
エタノールアミン等が挙げられる。モノアルコールとし
てはメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノー
ル、ヘキサノール等が挙げられる。
【0041】さらには、N、N−ジヒドロキシルエチル
−4−アミノ−4’−ニトロアゾベンゼン、やN、N−
ジヒドロキシルエチル−4−アミノ−4’−ニトロスチ
ルベン、の様な、他の非線形光学用に用いられる色素を
含むジオール化合物、等のジオール類も挙げることがで
きる。
【0042】これらのジオールは、イソシアネート基を
二つ以上有する化合物と反応させて、ポリウレタンを合
成することができる。このようなポリイソシアネート化
合物の例としてはパラフェニレンジイソシアネート、
2、4−トリレンジイソシアネート、2、6−トリレン
ジイソシアネート、4、4’−ジフェニルメタンジイソ
シアネート、ナフタレン−1、5−ジイソシアネート、
トリジンジイソシアネート、3、3’−ジメチル−4、
4’−ジイソシアナトビフェニル、3、3’−ジメトキ
シ−4、4’−ジイソシアナトビフェニル、3、3’−
ジメチル−4、4’−ジフェニルメタンジイソシアネー
ト等の芳香族ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソ
シアネート、リジンメチルエステルジイソシアネート、
2、4、4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネー
ト、ダイマー酸ジイソシアネート等の脂肪族ジイソシア
ネート、イソホロンジイソシアネート、4、4’−メチ
レンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、ω、ω’
−ジイソシネートジメチルシクロヘキサン等の脂環族ジ
イソシアネート、キシリレンジイソシアネート、α、
α、α’、α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネ
ート等の芳香環を有する脂肪族ジイソシアネート等が挙
げられる。中でも芳香環を有するジイソシアネートが好
ましい。これらは、単独で用いてもよいし、二種類以上
を混合してもよい。
【0043】本発明のポリウレタンの製造は公知の方法
に従い、ワンショット法、プレポリマー化法等によって
行われる。ポリウレタンを製造する際の溶媒としては、
通常、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチ
ルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、イソ
ホロン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸セ
ロソルブ等のエステル類、ベンゼン、トルエン、キシレ
ン、ヘキサン等の炭化水素類、ジアセトンアルコール、
イソプロパノール、第二ブタノール、第三ブタノール等
一部のアルコール類、その他塩化メチレン、テトラヒド
ロフラン、ジメチルホルムアミド等が用いられる。
【0044】重合は、水酸基を有する化合物とイソシア
ネート基を有する化合物を溶媒中で混合して行うことが
できる。この際に、触媒を用いる事もできるが、用いな
くても加熱により重合することができる。触媒として
は、通常のウレタン化反応触媒が用いられる。例えば、
ジブチルスズジラウレート、ジオクチルスズジラウレー
ト、ジブチルスズジオクトエート、スタナスオクトエー
ト等の錫系、鉄アセチルアセトナート、塩化第二鉄等の
鉄系、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン等の三
級アミン系等が挙げられる。
【0045】次に、得られた高分子材料に、2次の非線
形光学効果を付与する方法について説明する。本発明の
高分子材料は、3次の非線形光学材料としても用いるこ
とは可能であるが、2次の非線形光学材料として用いる
方が好ましい。3次の非線形光学材料としては、単にバ
ルクもしくは膜状でも非線形光学効果は現れるが、2次
の非線形光学材料として用いる際には、何らかの方法で
バルクで反転対称性を有さない、極性構造とする必要が
ある。これには、幾つかの方法が提案されている。
【0046】最も一般に行われているのは、高分子中で
の色素が運動できるように高分子材料のTg付近まで加
熱し、電場を印加することによって、色素の双極子モー
メントと電場の相互作用で色素を配向させた後に、冷却
してその配向を固定するポーリングと呼ばれる方法であ
る。試料に電圧を印加する方法としては、試料に設けた
電極間に電圧を印加する方法と、コロナ帯電により電圧
を印加する方法がある。本発明の高分子材料は、高いT
gを有するものであれば十分な耐熱性を有するが、さら
に耐熱性を向上させる方法として、ポーリング処理中も
しくはポーリング後に架橋して高分子を硬化させ色素の
配向を固定することも可能である。ポリウレタンや、ポ
リ尿素では、イソシアネートを2つ以上含む化合物と混
合して加熱すると、架橋ポリマーを生成し、配向の緩和
の抑制に有効である。このようなポリイソシアネート化
合物の例としてはパラフェニレンジイソシアネート、
2、4−トリレンジイソシアネート、2、6−トリレン
ジイソシアネート、4、4’−ジフェニルメタンジイソ
シアネート、ナフタレン−1、5−ジイソシアネート、
トリジンジイソシアネート、3、3’−ジメチル−4、
4’−ジイソシアナトビフェニル、3、3’−ジメトキ
シ−4、4’−ジイソシアナトビフェニル、3、3’−
ジメチル−4、4’−ジフェニルメタンジイソシアネー
ト等の芳香族ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソ
シアネート、リジンメチルエステルジイソシアネート、
2、4、4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネー
ト、ダイマー酸ジイソシアネート等の脂肪族ジイソシア
ネート、イソホロンジイソシアネート、4、4’−メチ
レンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、ω、ω’
−ジイソシネートジメチルシクロヘキサン等の脂環族ジ
イソシアネート、キシリレンジイソシアネート、α、
α、α’、α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネ
ート等の芳香環を有する脂肪族ジイソシアネート、1、
6、11−ウンデカントリイソシアネート、1、8−ジ
イソシアネート−4−イソシアネートオクタン、1、
3、6−ヘキサメチレントリイソシアネート、ビシクロ
ヘプタントリイソシアネート、トリス(イソシアネート
フェニル)メタン、トリス(イソシアネートフェニル)
チオホスフェート等のポリイソシアネート、および、こ
れらの3量体、水付加物、さらにこれらのポリオール付
加物等が挙げられる。ポリイソシアネートの3量化によ
るイソシアヌレートの製造方法としては、前記ポリイソ
シアネート類を適当な3量化触媒、例えば第3級アミン
類、ホスフィン酸、アルコキシド類、金属酸化物、カル
ボン酸塩類等を用いてイソシアネート基の部分的な3量
化を行い、触媒毒の添加により3量化を停止させた後、
未反応のポリイソシアネートを溶媒抽出、薄膜蒸留等に
より除去して目的のイソシアヌレート基含有ポリイソシ
アネートを得る方法が挙げられる。ポリイソシアネート
の水付加物の製造方法としては、水1モルを70〜20
0℃の温度において前記ポリイソシアネートの最低3モ
ル以上と反応させる方法が挙げられる。ポリオール付加
物は、前記ポリイソシアネートとグリセリン、トリメチ
ロールプロパン、トリメチロールエタン、1、2、6−
ヘキサントリオール、1、2、4−ブタントリオール、
エリスリトール、ソルビトール、ペンタエリスリトー
ル、ジペンタエリスリトール等のポリオールとをイソシ
アネート過剰の条件下で反応することによって得られ
る。付加反応はポリウレタン製造における公知の方法に
従い、触媒としては通常のウレタン化反応触媒が用いら
れる。また、ポリオールとしては各種グリコールも使用
でき、一部をモノアルコール、ジアミン、モノアミン等
と置き換えることもできる。
【0047】これらは、単独で用いてもよいし、二種類
以上を混合してもよい。また、耐熱性の観点からは、イ
ソシアネート基が芳香環に直接結合しているものが好ま
しい。さらに、2官能のものよりも、3官能もしくはそ
れ以上のイソシアネートが分子内に含まれているものが
好ましい。さらに、本発明の高分子の側鎖もしくは主鎖
に光反応性の基を導入しておけば、光照射による架橋も
可能である。
【0048】これらのポリイソシアネート化合物を本発
明のポリマー1部に対して1〜60部、好ましくは5〜
40部添加する。これを100℃〜250℃で加熱する
と架橋反応が進行する。架橋進行度はIRスペクトルの
NCOの吸収やテトラヒドロフラン(以下「THF」)
等の有機溶媒への侵され易さを見たり、後に記述する電
気光学効果の測定でポーリング処理と同時に色素分子の
動き易さでモニターする事ができる。電気光学効果の測
定によるモニター法については、S.Aramakiら
によるJpn.J.Appl.Phys.33巻575
9項(1994)に詳しく記述されている。
【0049】ポーリング操作については、D.M.Bu
rlandらによるChemical Review
94巻 31項(1994)に詳しい解説があり、これ
に記載されているような公知の手法に準じて行うことが
できる。本発明の高分子材料は、このように反転対称性
を有しない構造を形成させれば、非常に大きな2次の非
線形光学効果を示す。この2次の非線形光学効果として
は、波長変換と1次の電気光学効果(ポッケルス効果)
があるが、本発明の高分子は、可視領域に強い吸収を有
するので、近赤外領域の光でのポッケルス効果を利用し
た光の制御への応用が有望である。
【0050】具体的な応用例として、電場により屈折率
が変化するので、光の位相制御が挙げられる。これは、
光の位相を変調して情報を付加することができ、光通信
や光情報処理に利用できる。また、この位相の変化は、
干渉計を用いれば光の強度の変化とすることができ、強
度変調にも応用できる。このような変調素子は、バルク
でも可能であるが、容易にフィルムにできるという高分
子材料の特性を活かして、光導波路素子を構成するのが
望ましい。また、方向性結合器に本発明の材料を応用す
れば、光スイッチ素子も構成できる。より具体的な光導
波路素子の例については、応用物理学会光学懇話会編、
「光集積回路 基礎と応用」(朝倉書店)に詳しい説明
があり、この中の電気光学効果を利用した光導波路素子
はすべて本発明の高分子材料で実現可能である。
【0051】また、本発明の高分子材料は、非常に高い
性能を有するので、フィルム内を伝播して位相を制御す
る光導波路でなくとも、フイルムに垂直に入射した光が
フィルム内を透過する際に位相を変化させる方法でも用
いることができる。このようなものでは、光の位相に、
場所により異なる変調を与えることができ、空間変調素
子として利用することができる。このようなものは、光
でボード間の接続をする光インターコネクションや、画
像処理等に有用である。さらに、本発明の高分子材料に
光導電性を付与すれば、フォトリフラクティブ効果を効
率良く発現させることも可能である。
【0052】本発明で用いた電気光学効果の測定法とし
ては、基本的には、C.C.TengらがAppl.P
hys.Lett.56、p1734(1990)に発
表したものを用いた。具体的な実験装置の配置図を図1
に示す。なお、図1中、1はレーザー、2は偏光子、3
はバビネソレイユ補償板、4は検光子、5はフォトダイ
オード、6はロックインアンプ、7は電源、8はサンプ
ル、9はヒーター、10は電極、11は温度制御器であ
る。ここで、Tengらと異なるのは、サンプル(8)
がヒートブロックに固定されており、温度コントローラ
で温度の制御ができるようになっていることと、印加す
る電圧が交流に直流のオフセットがかけられるようにな
っているところである。Tengらの論文ではp偏光と
s偏光の位相差の導出に不備があり、ポッケルス係数を
計算する式(論文では式(10))に次のものを用い
た。
【0053】
【数3】
【0054】
【実施例】以下、本発明を実施例を用いて、更に詳細に
説明する。 実施例1 ・2、5−ジ(アセトキシエトキシ)ニトロベンゼンの
合成 p−ジヒドロキシエトキシベンゼン11gを酢酸180
mlに溶解し、無水酢酸17.0gを滴下し、2時間還
流した。この溶液を20℃以下に冷却しながら、60%
硝酸5.78gを酢酸20mlに溶解したものを滴下し
た。2時間攪拌後、水に注入し、ジクロロメタンで2回
抽出した。分離した有機層を、水、炭酸水素ナトリウム
水溶液、塩化ナトリウム水溶液で洗浄後、無水硫酸ナト
リウムで乾燥した。液を濃縮、乾燥して黄色固体を1
0.4g得た。マススペクトルにより、2、5−ジ(ア
セトキシエトキシ)ニトロベンゼンの分子イオンピーク
を確認した。
【0055】・2、5−ジ(アセトキシエトキシ)アニ
リンの合成 2、5−ジ(アセトキシエトキシ)ニトロベンゼン4.
4gをエタノール100mlに加熱溶解し、これに10
%のパラジウム炭素を0.13g加えて、水素ガスによ
り接触還元を行った。水素が理論量の0.9リットル吸
収されたところで反応を止め、触媒を濾過後、溶媒を濃
縮し、白色の粉末8.1gを得た。
【0056】・アミノニトロアゾベンゼン誘導体の合成 ニトロアニリン1.4gを塩酸5ml、水13mlに溶
解し、5℃以下に冷却しながら亜硝酸ナトリウム0.8
gを水4mlに溶解したものを滴下し、3時間攪拌し
た。この反応液を、2、5−ジ(アセトキシエトキシ)
アニリン2.0gをメタノール20mlに溶解したもの
に0℃で滴下し、3時間攪拌した。得られた固体を濾過
し、下記構造式で表される赤色粉末3.0gを得た。
【0057】
【化18】
【0058】・ジスアゾ色素の合成 上のようにして得られたアミノニトロアゾベンゼン誘導
体7.9gをジメチルホルムアミド300mlに60℃
で溶解し、これに塩酸23ml、水55mlを室温で添
加した。室温で亜硝酸ナトリウム0.16gを水3ml
を添加し、徐々に加熱し40℃で1時間攪拌した。この
溶液をジエチルアニリン2.7gをメタノール80ml
に溶解したものに、10〜20℃で滴下し、3時間攪拌
した。生成した固体を濾過し、濾液はジクロロメタンで
抽出したものを濃縮して得られた固体と合わせて、ジク
ロロメタン/シリカゲルのカラムクロマトグラフィーに
より精製し、紫色粉末1.75gを得た。
【0059】この生成物1.75gをテトラヒドロフラ
ン50mlに溶解し、10℃に冷却し、これに水酸化カ
リウム0.57gをメタノール30mlに溶解したもの
を滴下し、10分間攪拌後、塩酸で中和し、水に注入し
た。生じた沈殿を濾別乾燥して、1.27gの紫色粉末
を得た。これを、テトラヒドロフラン/n−ヘキサン=
5/3の混合溶媒で、シリカゲルを用いてカラムクロマ
トグラフィーにより精製し、紫色粉末0.71gを得
た。マススペクトルで分子イオンピークを確認すること
により、紫色粉末が下記構造式で表されるジスアゾ色素
であることを確かめた。
【0060】
【化19】
【0061】・ポリウレタンの合成 モレキュラーシーブで乾燥したジメチルホルムアミド2
0mlにジスアゾ色素のジヒドロキシ体を0.6g、ポ
リ−3−メチル−1、5−ペンチレンテレフタレート
(数平均分子量500、(株)クラレ製、以下「PMP
T500」と略す)を0.5g、ネオペンチルグリコー
ルを0.106gを溶解し、加熱しながら50℃で4、
4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(以下MDI
と略す)0.793gを添加し、80℃で7時間加熱攪
拌した。メタノールに注入して得られる沈殿を濾過し、
テトラヒドロフラン/メタノールでの再沈殿を2回繰り
返して精製し、黒紫色粉末を1.2g得た。
【0062】・分析結果 得られたポリウレタンのフィルムのIRスペクトルを図
2に示す。ゲルパーミエーションクロマトグラフィーの
測定から、分子量はMn=4700、Mw=7400
(ポリスチレン換算)であり、モノマーは残存していな
い事が分かった。また、ジスアゾ色素のジヒドロキシ体
と、ポリウレタンのジメチルホルムアミド溶液の吸収ス
ペクトルの可視光吸収帯の振動子強度を比較して、ポリ
ウレタン中にジスアゾ色素は29wt%の濃度で含まれ
ていることが分かった。
【0063】参考実験 下記の色素のμβ(双極子モーメントμと超分極率βと
の積)を1.31μmのレーザーを用いてポッケルス効
果より測定した。
【0064】
【化20】
【0065】上記色素は実施例1に用いた色素と類似の
化合物であり、上記色素のμβは、実施例1で用いた色
素の値とほぼ同等であると考えられる。測定で求められ
た値は1370x10-48静電単位であった。この分子
の吸収極大(約550nm)と2準位モデルの分散式を
用いて周波数0に外挿した値は985x10-48静電単
位となる。
【0066】実施例2 ・N,N−ジエチル−2、5−ジ(アセトキシエトキ
シ)アニリンの合成 N−メチルピロリドン50mlに実施例1の中間体であ
る2、5−ジ(アセトキシエトキシ)アニリンを4.0
g、炭酸カリウムを2.2g、ヨウ化メチルを4.1g
混合し、50〜60℃で2時間加熱した。反応液を水に
注入し、ジクロロメタンで3回抽出した。抽出液を水で
2回洗浄し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃
縮した。N−メチルピロリドンを含んだ状態で次のジア
ゾカップリングに用いた。
【0067】・モノアゾ色素の合成 ニトロアニリン1.8gを塩酸7ml、水17mlに溶
解し、5℃以下に冷却しながら亜硝酸ナトリウム1.0
gを水5mlに溶解したものを滴下し、3時間攪拌し
た。この反応液を、上記N,N−ジエチル−2、5−ジ
(アセトキシエトキシ)アニリンの反応液の濃縮液をメ
タノール30mlに溶解したものに0℃で滴下し、3時
間攪拌した。得られた固体を濾過し、エタノールより再
結晶処理を行い、3.5gの赤色粉末を得た。これを、
メタノール10.4mlと水酸化カリウム1.35gと
混合し、10℃で15分攪拌した。これに水を20ml
添加し、塩酸で中和後、THFで抽出した。抽出液を濃
縮後、得られた粉末をエタノール/THF=2/1混合
溶媒より再結晶して、下記構造式で表されるモノアゾ色
素(赤色粉末)を得た。
【0068】
【化21】
【0069】・ポリウレタンの合成 モレキュラーシーブで乾燥したジメチルホルムアミド2
0mlに、上記の如く得られたアゾベンゼンのジヒドロ
キシ体を0.5g、PMPT500を0.391g、ネ
オペンチルグリコールを0.083g溶解し、加熱しな
がら50℃でMDIを0.693g添加し、80〜90
℃で7時間加熱攪拌した。メタノールに反応液を注入
し、生成した沈殿をテトラヒドロフラン/メタノールで
2回、テトラヒドロフラン/n−ヘキサンで1回再沈処
理を行い、暗赤色粉末0.6gを得た。
【0070】得られたポリウレタンのフィルムのIRス
ペクトルを図3に示す。ゲルパーミエーションクロマト
グラフィーの測定から、分子量はMn=5600、Mw
=11400(ポリスチレン換算)であり、モノマーは
残存していないことが分かった。
【0071】実施例3 ・ポリマーのポーリング 実施例1で合成したポリマー0.2gをシクロペンタノ
ン1gに溶解し、これをITOガラス(100オーム)
の上にスピンコートした。130℃で30分間乾燥し、
1.6μmの膜厚のフィルムが形成された。これにさら
に金を100nm蒸着した。電極間に80Vの電圧を印
加し(電場0.5MV/cm)、110℃に加熱して5
分間加熱した後電圧を印加したまま室温まで冷却し、電
圧を除去してポーリング処理を行った。このフィルムの
電気光学効果(ポッケルス係数r 33)を1.31μmの
半導体レーザーを用いて測定すると、4.4pm/Vで
あった。後述の比較例1と比較すると、色素濃度はほと
んど同じでポーリング電場が同じでも相当に大きなポッ
ケルス係数を示したことから、本発明のポリマーは、分
子間相互作用が緩和されて分子本来の大きな性能を示し
ていることが示唆される。
【0072】実施例4 ・光伝播特性の試験 実施例1のポリマーのシクロペンタノン溶液を石英基板
上にスピンコートして、2〜2.5μmのフィルムを作
製した。これに、1.32μmのNd:YAGレーザー
の連続光を、チタン酸ストロンチウムのプリズムを用い
て、プリズムカップリング法により光を結合し、フィル
ム中を伝播する光を赤外カメラを用いて観測した。観測
された光路の輝度を伝播した距離にプロットしたが、2
cm以上にわたり光の減衰は全く観測されなかった。こ
の測定から、このポリマーのフィルムの1.32μmで
の減衰定数は、1dB/cmよりも小さいことが分か
り、光導波路用の材料として優れていることが分かっ
た。
【0073】実施例5 ・架橋反応による固定 実施例1のポリマーを0.2g、2、4−トリレンジイ
ソシアネート三量体(50%溶液)0.36gをシクロ
ペンタノン1gに溶解した。これをITOガラス(10
0オーム)の上にスピンコートした。130℃で40分
間、さらに190℃で30分熱処理し、2.7μmの膜
厚のフィルムが形成された。これにさらに金を100n
m蒸着した。電極間に135Vの電圧を印加し(電場
0.5MV/cm)、190℃に加熱して30分間加熱
した後電圧を印加したまま室温まで冷却し、電圧を除去
してポーリング処理を行った。IR吸収スペクトルで
2、4−トリレンジイソシアネート三量体由来のイソシ
アネート基の吸収が消失し、また有機溶媒に全く侵され
なくなったことから、架橋反応が進行したことが分かっ
た。このフィルムの電気光学効果(ポッケルス係数
33)を1.31μmの半導体レーザーを用いて測定す
ると、3.5pm/Vであった。この値は、架橋剤の添
加により色素濃度が低下したことを考慮すると妥当な値
で、架橋により色素の配向性が妨げられてるようなこと
は無いことを示している。この分極ポリマーを、150
℃で1.5時間加熱しても、ポッケルス係数の減衰は全
く認められなかった。85℃の恒温器に保存すると、初
期に10%程度の減衰が見られた後は1000時間後で
も全く減衰は見られなく、分極の熱安定性が優れている
ことが分かった。
【0074】実施例6 ・架橋反応による固定 実施例1のポリマーを0.2g、トリス(イソシアネー
トフェニル)チオホスフェート(デスモジュールRF
E、バイエル製、27%溶液)0.3gをシクロペンタ
ノン1gに溶解した。これをITOガラス(100オー
ム)の上にスピンコートした。130℃で40分間、さ
らに190℃で30分熱処理し、2〜2.5μmの膜厚
のフィルムが形成された。これにさらに金を100nm
蒸着した。電極間に電場0.5MV/cmとなるような
電圧を印加し、190℃に加熱して30分間加熱した後
電圧を印加したまま室温まで冷却し、電圧を除去してポ
ーリング処理を行った。IR吸収スペクトルでイソシア
ネート基の吸収が消失し、また有機溶媒に全く侵されな
くなったことから、架橋反応が進行したことが分かっ
た。このフィルムの電気光学効果(ポッケルス係数
33)を1.31μmの半導体レーザーを用いて測定す
ると、3.0pm/Vであった。この分極ポリマーを、
150℃で1.5時間加熱しても、ポッケルス係数の減
衰は全く認められなかった。85℃の恒温器に保存する
と、85℃では、初期に10%程度の減衰が見られた後
は1000時間後でも全く減衰は見られなく、分極の熱
安定性が優れていることが分かった。
【0075】比較例1 ・色素モノマーの合成 N,N−ジヒドロキシエチルアニリン5gをメタノール
に溶解し、10℃以下に冷却した。これに、Fast
Black K塩(東京化成社製)11.5gをメタノ
ール50mlと水20mlの混合溶媒に溶解したものを
10℃以下の温度を保ちながら滴下した。反応液を4時
間攪拌後、濾過し水洗した。得られた粗結晶をTHFに
溶解し、n−ヘキサンを加えて再沈殿して得られた結晶
を重合に用いた。構造はマススペクトルでの分子イオン
ピーク(M+=494)が検出され、下記構造式で表さ
れる色素ジオール分子であることが確認された。
【0076】
【化22】
【0077】・重合 モレキュラーシーブで乾燥したジメチルホルムアミド3
0mlに、上記の如く得られた色素ジオール分子を1.
0g、PMPT500を0.821g、ネオペンチルグ
リコールを0.174g溶解し、加熱しながら50℃で
MDIを1.534g添加し、80〜90℃で8時間加
熱攪拌した。メタノールに反応液を注入し、生成した沈
殿をテトラヒドロフラン/メタノールで3回再沈処理を
行い、黒紫色粉末2.13gを得た。
【0078】・分析結果 得られたポリウレタンのフィルムのIRスペクトルを図
4に示す。ゲルパーミエーションクロマトグラフィーの
測定から、分子量はMn=4800、Mw=8600で
あり、モノマーは残存していない事が分かった。また、
ジスアゾ色素のジヒドロキシ体と、ポリウレタンのジメ
チルホルムアミド溶液の吸収スペクトルの可視光吸収帯
の振動子強度を比較して、ポリウレタン中にジスアゾ色
素は26wt%の濃度で含まれていることが分かった。
【0079】・ポーリング 上記の如く合成したポリマー0.2gをシクロペンタノ
ン1gに溶解し、これをITOガラス(100オーム)
の上にスピンコートした。130℃で30分間乾燥し、
1.6μmの膜厚のフィルムが形成された。これにさら
に金を100nm蒸着した。電極間に80Vの電圧を印
加し(電場0.5MV/cm)、110℃に加熱して5
分間加熱した後電圧を印加したまま室温まで冷却し、電
圧を除去してポーリング処理を行った。このフィルムの
電気光学効果(ポッケルス係数r33)を1.31μm
の半導体レーザーを用いて測定すると、2.5pm/V
であった。比較例1は、色素濃度やポーリング条件が実
施例3とほぼ同じであるが、電気光学効果が本発明に比
べて小さくなっている。これは、ポリマー側鎖に色素を
有するために分子間相互作用が大きく、分子が独立に配
向できないため、色素本来の非線形光学効果を利用でき
ないためと推測される。
【0080】
【発明の効果】本発明により、高性能な非線形光学用ポ
リウレタン系樹脂材料が提供され、これを用いて、高効
率で熱安定性にすぐれた非線形光学素子が製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明において、電気光学効果の測定に使用
される装置の構成図である。
【図2】 NaCl板上に形成した実施例1の高分子材
料のフィルムの赤外線吸収スペクトルである。
【図3】 NaCl板上に形成した実施例2の高分子材
料のフィルムの赤外線吸収スペクトルである。
【図4】 NaCl板上に形成した比較例1の高分子材
料のフィルムの赤外線吸収スペクトルである。
【符号の説明】
1 レーザー 2 偏光子 3 バビネソレイユ補償板 4 検光子 5 フォトダイオード 6 ロックインアンプ 7 電源 8 サンプル 9 ヒーター 10 電極(ITOおよび金) 11 温度制御器

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主鎖中に下記一般式(1)の構造単位を
    有する非線形光学用ポリウレタン系樹脂材料。 【化1】 (式中、X1、X2、X3は二価の有機基であり、Z1、Z
    2は、 【化2】 で表される分子の分子超分極率と双極子モーメントの積
    が50×10-48静電単位以上となる原子団を表す。)
  2. 【請求項2】 主鎖中に下記一般式(2)の構造単位を
    有する非線形光学用ポリウレタン系樹脂材料。 【化3】 (式中、X1、X2、X3は二価の有機基であり、Y1、Y
    2、Y3、Y4はそれぞれCHまたはNを表し、Dは電子
    供与性基、Aは電子吸引性基を表し、Q1、Q2は置換さ
    れていてもよい芳香環もしくは複素環を表す。)
  3. 【請求項3】 請求項1又は2の非線形光学用ポリウレ
    タン系樹脂材料に、2つ以上のイソシアネート基を有す
    る化合物を混合し、加熱処理により架橋して固定した非
    線形光学材料。
  4. 【請求項4】 ジイソシアネート成分とジオール成分と
    を重合させるポリウレタンの製造方法において、ジオー
    ル成分として下記一般式(3) 【化4】 (式中、X1、X2は二価の有機基であり、Z1、Z2は、 【化5】 で表される分子の分子超分極率と双極子モーメントの積
    が50×10-48静電単位以上となる原子団を表す。)
    で表されるジオールを含有するジオール成分を用いるこ
    とを特徴とする非線形光学用ポリウレタン樹脂の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 ジイソシアネート成分とジオール成分と
    を重合させるポリウレタンの製造方法において、ジオー
    ル成分として下記一般式(4) 【化6】 (式中、X1、X2は二価の有機基であり、Y1、Y2、Y
    3、Y4はそれぞれCHまたはNを表し、Dは電子供与性
    基、Aは電子吸引性基を表し、Q1、Q2は置換されてい
    てもよい芳香環もしくは複素環を表す。)で表されるジ
    オールを含有するジオール成分を用いることを特徴とす
    る非線形光学用ポリウレタン樹脂の製造方法。
JP7172009A 1995-07-07 1995-07-07 非線形光学用ポリウレタン系樹脂材料 Pending JPH0922036A (ja)

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JP7172009A Pending JPH0922036A (ja) 1995-07-07 1995-07-07 非線形光学用ポリウレタン系樹脂材料

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JP (1) JPH0922036A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009086299A (ja) * 2007-09-28 2009-04-23 Fujifilm Corp 重合性基を有する色素を含む2光子吸収光記録媒体

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