JPH09220647A - 連続鋳造用タンディッシュの湯道耐火物 - Google Patents

連続鋳造用タンディッシュの湯道耐火物

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JPH09220647A
JPH09220647A JP8050944A JP5094496A JPH09220647A JP H09220647 A JPH09220647 A JP H09220647A JP 8050944 A JP8050944 A JP 8050944A JP 5094496 A JP5094496 A JP 5094496A JP H09220647 A JPH09220647 A JP H09220647A
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refractory
continuous casting
tundish
runner
runner refractory
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JP8050944A
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Taijiro Matsui
泰次郎 松井
Sumio Sakaki
澄生 榊
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Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 連続鋳造用タンディッシュに使用する湯道耐
火物の亀裂発生を防止して、炉材コストを高騰させるこ
となく、長時間安定して多数回にわたる連続鋳造を可能
とする連続鋳造用タンディッシュの湯道耐火物を提供す
る。 【解決手段】 誘導加熱装置18を備えた連続鋳造用タ
ンディッシュ14の内部を、受鋼部15と鋳造部16と
に区画する堰17の内部に配置され、受鋼部15と鋳造
部16とを連結する通湯孔23を備えた連続鋳造用タン
ディッシュ14の湯道耐火物20において、湯道耐火物
20が、内側が通湯孔23となった厚みが20〜50m
mの内筒湯道耐火物21と、内筒湯道耐火物21の外側
に同心状に装着され、厚みが20〜50mmの外筒湯道
耐火物22とを有してなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、誘導加熱装置を備
えた連続鋳造用タンディッシュの湯道耐火物(現場では
湯溝耐火物ともいう)に関する。
【0002】
【従来の技術】連続鋳造用タンディッシュは、取鍋から
排出される必要な成分、及び温度に調整された溶鋼を受
鋼して保持すると共に、連続鋳造鋳型へ溶鋼を供給し
て、この間に連続鋳造鋳型への溶鋼供給量の調節、溶鋼
温度の均一化等を行い、かつ溶鋼中のスラグ及び介在物
を浮上させて除去する働きを担う装置である。そして、
このような連続鋳造用タンディッシュの操業において
は、連続鋳造用タンディッシュ内の溶鋼温度の制御は鋳
片の品質上あるいは、介在物の除去に際して極めて重要
な因子となる。このため誘導加熱装置を用いて連続鋳造
用タンディッシュ中の溶鋼を直接的に加熱する方法が採
用されている。このような誘導加熱装置を有する連続鋳
造用タンディッシュの内部は、耐火物製の堰によって受
鋼部と鋳造部とに区画されており、図6、図7に示すよ
うに堰50の中に設けられた湯道耐火物51の通湯孔5
2を通って溶鋼が受鋼部から鋳造部へと移動するように
なっている。このとき通湯孔52の周囲に配置された誘
導加熱装置により、通湯孔52を通過する溶鋼中に誘導
電流を発生させ、そのジュール熱により溶鋼を直接的に
加熱する。そして、例えば、実開平7−9548号公報
には、溶鋼中の介在物除去効率の向上のために溶鋼の流
れの方向に一段又は多段に縮小させてテーパ状とした通
湯孔を有する湯道耐火物や、通湯孔を上下に扁平な楕円
状とした湯道耐火物を用いる方法が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記実
開平7−9548号公報に記載されているような湯道耐
火物の孔形状を調整することにより溶鋼の高清浄化を図
る方法では、溶鋼中の介在物を浮上させる効果は促進さ
れるものの、通湯孔中を通過する溶鋼の誘導加熱による
温度変化に加えて、溶鋼の流速が加速されるために、耐
火物の損耗量が大きくなる。このために、通湯孔周囲の
湯道耐火物にかかる熱負荷が大きくなり、湯道耐火物に
温度及び溶鋼流速の変動に伴う亀裂あるいは損耗が増大
し、鋳造トラブルが発生すること等により操業が安定化
せず、鋳造歩留の低下と連続鋳造用タンディッシュの炉
材コストの高騰を招くという問題点を有していた。本発
明はこのような事情に鑑みてなされたもので、連続鋳造
用タンディッシュに使用する湯道耐火物の亀裂発生を防
止して、連続鋳造用タンディッシュの炉材コストを高騰
させることなく、長時間安定して多数回にわたる連続鋳
造を可能とする連続鋳造用タンディッシュの湯道耐火物
を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】前記目的に沿う請求項1
記載の連続鋳造用タンディッシュの湯道耐火物は、誘導
加熱装置を備えた連続鋳造用タンディッシュの内部を、
取鍋から排出される溶鋼の受鋼部と、該溶鋼をモールド
に注入する鋳造部とに区画する堰の内部に配置され、前
記受鋼部と前記鋳造部とを連結する通湯孔を備えた連続
鋳造用タンディッシュの湯道耐火物において、前記湯道
耐火物が、内側が通湯孔となった厚みが20〜50mm
の内筒湯道耐火物と、該内筒湯道耐火物の外側に同心状
に装着され、厚みが20〜50mmの外筒湯道耐火物と
を有する。請求項2記載の連続鋳造用タンディッシュの
湯道耐火物は、請求項1記載の連続鋳造用タンディッシ
ュの湯道耐火物において、前記内筒湯道耐火物が、それ
ぞれが400mm以下の長さを有する分割内筒湯道耐火
物によって構成されている。請求項3記載の連続鋳造用
タンディッシュの湯道耐火物は、請求項1又は2記載の
連続鋳造用タンディッシュの湯道耐火物において、前記
内筒湯道耐火物と外筒湯道耐火物との間に断熱材が設け
られている。
【0005】堰とは、溶鋼の通過する通湯孔を有した湯
道耐火物を内部に保持すると共に、通湯孔を通過する溶
鋼を加熱するための誘導加熱装置を有し、その溶鋼と接
する部分が耐火物で構成されている連続鋳造用タンディ
ッシュの仕切り壁である。誘導加熱装置とは、低周波あ
るいは高周波数の交番磁場を溶鋼中に発生させ、これに
より生じる誘導電流のジュール熱により溶鋼を加熱する
装置である。通湯孔を有する内筒湯道耐火物の厚み、及
び内筒湯道耐火物の周囲に配置される外筒湯道耐火物の
厚みがそれぞれ20mmより小さいと、通湯孔を流れる
溶鋼による内筒湯道耐火物が溶損あるいは摩耗したとき
に、最小限必要とする機械的強度を維持することが困難
となる。一方、前記それぞれの厚みが50mmより大き
くなると、通湯孔を流れる溶鋼側と、誘導加熱装置側と
の温度差が大きくなって、必要以上の熱応力が発生して
湯道耐火物の亀裂発生の原因となるので好ましくない。
通湯孔の方向に分割される分割内筒湯道耐火物の長さが
400mmより大きくなると、通湯孔を通過する溶鋼の
温度上昇に伴う、長さ方向の熱応力が必要な限度を越
え、亀裂が発生し易くなるので好ましくない。断熱材と
は、断熱モルタル、あるいはアルミナ質、ムライト質等
の無機質繊維からなるセラミックペーパーあるいはこれ
らを組み合わせたものをいう。
【0006】
【発明の実施の形態】続いて、添付した図面を参照しつ
つ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発
明の理解に供する。ここに、図1は本発明の一実施の形
態に係る連続鋳造用タンディッシュの湯道耐火物を適用
する連続鋳造設備10の概略説明図である。同図に示す
ように、連続鋳造設備10は、溶鋼13を保持する取鍋
11と、該取鍋11の下部に配置されたロングノズル1
2を介して排出される溶鋼13を受鋼する連続鋳造用タ
ンディッシュ14と、連続鋳造用タンディッシュ14の
下部に設けられた浸漬ノズル25を介して溶鋼13が注
入されるモールド19とを有する。そして、連続鋳造用
タンディッシュ14は耐火物製の堰17によって、内部
がロングノズル12から排出される溶鋼13の受鋼部1
5と、浸漬ノズル25よりモールド19に溶鋼13を供
給する鋳造部16とに区画されており、堰17の内部に
は通湯孔23を有した湯道耐火物20と、該通湯孔23
を通過する溶鋼13を加熱する誘導加熱装置18とが設
けられている。
【0007】取鍋11は転炉、二次精錬炉等で溶製され
た溶鋼13を保持して、連続鋳造用タンディッシュ14
に注入するためのアルミナシリカ質の耐火物等で内張り
された溶鋼容量350トンの鉄製容器である。そして、
取鍋11の底に設けられたアルミナ黒鉛質からなる筒状
のロングノズル12を介して、溶鋼13が容量40トン
の連続鋳造用タンディッシュ14に注入されるようにな
っており、この注入中の溶鋼13の酸化、あるいはスプ
ラッシュ等を防止することができる。連続鋳造用タンデ
ィッシュ14の内張り材には、一般に地金付きの少ない
ろう石質あるいはシャモット質のれんがが用いられ、こ
の溶鋼13と接する部分にマグネシアコーティング材等
からなる保護層を施工したものが用いられ、連続鋳造用
タンディッシュ14を構成する耐火物の溶損に起因する
溶鋼13中の非金属介在物の生成を抑制するようになっ
ている。堰17は前記連続鋳造用タンディッシュ14の
内張り材と同様の材質からなる耐火物で構成されてお
り、内部には溶鋼13を受鋼部15から鋳造部16へと
導く通湯孔23を有した湯道耐火物20と、誘導加熱装
置18とが配置されている。図2は湯道耐火物20とそ
の周辺の堰17の部分とを含めた構成説明図であり、図
3は湯道耐火物20の詳細説明図である。ここで、堰1
7は周辺を模式的に表しており、湯道耐火物20が通湯
孔23を有する内筒湯道耐火物21と、その周囲に配置
される外筒湯道耐火物22とを有して構成されている様
子を示している。なお、湯道耐火物20を同一の堰17
中に複数設けることができ、2つの湯道耐火物20を平
行して配置するような場合には、その2つの湯道耐火物
20の間に誘導加熱装置18の誘導コイルが設けられ、
通湯孔23を流れる溶鋼13を効率的に加熱することが
できる。
【0008】内筒湯道耐火物21はその内側部を通湯孔
23とする内径100mm、厚み20mm、全長120
0mmの円筒状であり、この全長を150mm、300
mm、300mm、300mm、150mmの長さにそ
れぞれ分割する分割内筒湯道耐火物21a〜21eによ
って構成されている。そして、これらの分割内筒湯道耐
火物21a〜21eはアルミナシリカ質、又はアルミナ
黒鉛質等の熱衝撃抵抗性の高い耐火物で構成することが
できる。外筒湯道耐火物22はその内側部に内筒湯道耐
火物21が挿入され、厚み20mm、全長1200mm
の円筒状であり、この全長を40mm、280mm、2
80mm、280mm、280mm、40mmの長さに
それぞれ分割する分割外筒湯道耐火物22a〜22eに
よって構成されている。これら外筒湯道耐火物22は内
筒湯道耐火物21と同様の材質とするか、又はシャモッ
ト質、ろう石質等の材質としてもよい。そして、図3に
示すように長さ方向に分割された内筒湯道耐火物21、
及び外筒湯道耐火物22のそれぞの接合面の位置が互い
に重ならないように配置した。これにより、内筒湯道耐
火物21間の接合面に溶鋼13が通湯孔23側から深く
侵入しても、外筒湯道耐火物22の内壁面で確実に止め
られるので安全に使用することができ、相互間に発生す
る熱応力を緩和することができる。
【0009】また、外筒湯道耐火物22の周囲に更に複
数の外筒湯道耐火物22を配置して、さらに熱応力の緩
和を図ると共に、外筒湯道耐火物22の交換作業を容易
とすることもできる。なお、内筒湯道耐火物21、及び
外筒湯道耐火物22間の円周目地部には予め断熱材が配
置されており、内筒湯道耐火物21、及び外筒湯道耐火
物22の熱衝撃を軽減するようになっている。また、断
熱材を外筒湯道耐火物22と堰17との間に配置するこ
とができ、外筒湯道耐火物を複数の円筒状スリーブで同
心状に装着して構成する場合に、該円筒状スリーブ間に
断熱材を配置することもできる。ここでは断熱材とし
て、厚み1〜5mmの断熱モルタル24を前記目地面に
施工したものを用いたが、断熱モルタル24に代えて無
機質繊維からなる耐火性のセラミックペーパー等を用い
ることもできる。浸漬ノズル25はアルミナ黒鉛質から
なる略円筒状の耐火物であり、下部の溶鋼13の吐出孔
26を介して溶鋼13をモールド19に注入して、モー
ルド19に溶鋼13のメニスカス面を安定に形成させる
働きを担う。誘導加熱装置18は、高周波又は低周波の
交番磁場を通湯孔23中を通過する溶鋼13に発生さ
せ、この磁場の変動に伴って生じる誘導電流のジュール
熱で溶鋼13を直接的に加熱する装置である。
【0010】従来の湯道耐火物では溶鋼の清浄性の観点
から通湯孔の形状等が設定され、また円筒状である湯道
耐火物の厚みは損耗速度の観点から設定されている。本
発明の実施の形態に係る連続鋳造用タンディッシュの湯
道耐火物20では、熱サイクルの厳しい負荷を受ける湯
道耐火物20の円筒状構造において、その熱サイクルに
より生じる熱応力の大きさを計算、評価し、又は実験的
に求めることにより、このような熱応力によっても亀裂
を誘発することのない湯道耐火物20の条件を設定し
て、亀裂の発生を抑制し、長時間にわたる安定的な連続
鋳造を可能とするものである。一般に、物体を加熱する
と物体の微小要素はその点の温度に応じて熱膨張しよう
とし、何らかの原因でこの熱膨張が妨げられると物体に
熱応力と呼ばれる応力が生じる。そして、円筒状である
湯道耐火物20の内、外径部に温度差(ΔT)を生じる
と耐火物内部には引張りの熱応力(σ)が発生する。円
筒状の場合には軸対称場における熱応力の基本式を適用
することができ、引張り応力(σ)を例えば以下に示す
(1)式を用いて計算することができる。 σ={E・α・ΔT/(1−ν)} ・{1/(2×Ln(b−a))−a2 /(b2 −a2 )}・・(1) なお、E、α、ν、ΔT、a、及びbはそれぞれ湯道耐
火物20の弾性率、熱膨張係数、ポアソン比、内、外径
部の温度差、外径、及び内径であり、Ln(x)は数:
xについての自然対数を表している。
【0011】なお、前記のような基本式によることな
く、設定される温度条件の下で湯道耐火物20にかかる
熱応力の大きさを実験的に測定することも可能である。
例えば、円筒状である湯道耐火物20の内径面及び外径
面の温度差が所定の温度差となるように制御して、この
時発生する各部位における歪み量、あるいは応力の値
を、ロードセル、ストレンゲージ等の手段を用いて直接
的に測定し、この値を実際使用時における温度条件に換
算することにより熱応力値を評価してもよい。さらに、
湯道耐火物20の実使用時における各部位の温度を測定
あるいは、予測して、この温度分布のデータを基にし
て、湯道耐火物20の各部位に発生する熱応力を算出あ
るいは予測することも可能である。これらの理論的考察
あるいは実験的データに基づいて求めた引張り応力
(σ)と湯道耐火物20の形状因子との関係を図4、図
5に示す。ここで図4は、内筒湯道耐火物21の通湯孔
23の口径、即ち内径(b)を所定の100mmに設定
して、外径(a)をそれぞれ異ならせることにより、厚
み(a−b)を10〜60mmの範囲で変化させたもの
を準備し、これの内、外径部の温度差(ΔT)を設定し
たときに発生する引張り応力の値を求めたデータの一例
である。なお、ΔTの値は実際に湯道耐火物20に埋設
した熱電対あるいは溶鋼13の温度等を用いて測定する
ことが可能である。
【0012】また、このようなΔTの値は連続鋳造用タ
ンディッシュ14の鋳造前の予熱時における値と、鋳造
時における値とでは受ける熱負荷の履歴に対応してそれ
ぞれ異なっている。このΔTの測定値、内筒湯道耐火物
21の外径(a)、及び内径(b)の値を用いて、
(1)式によりそれぞれ対応する引張り応力のデータを
計算することができる。なお、ここで内筒湯道耐火物2
1の弾性率、熱膨張係数、及びポアソン比の値には、こ
こで適用したアルミナシリカ質耐火物の一般的な値を適
用した。図4に示されるように、予熱時(●)、及び鋳
造時(○)共に、引張り応力(σ)は厚み(a−b)の
増加に伴って増加し、厚み(a−b)が50mmを越え
ると急激に増加する傾向にあることが分かる。この傾向
は予熱段階より、鋳造段階の方が大きくなるために50
mm以上の肉厚化は不適切である。また、本発明者等の
実験結果によると、このようなアルミナシリカ質の耐火
物に亀裂を誘発する限界的な引張り応力のレベルは20
Mpa〜30Mpa以上であることが分かっており、こ
のことからも、内筒湯道耐火物21の厚み(a−b)を
50mm以下とすることが、誘導加熱装置18を用いた
操業における熱負荷の影響を回避する上で望ましいこと
が分かる。
【0013】また、図5は、内筒湯道耐火物21の通湯
孔23の口径、即ち内径(b)を所定の100mmに、
また外径(a)を140mmにそれぞれ設定して、厚み
(a−b)を20mmとしたものを準備し、これの全長
を変化させて、その時に発生する引張り応力の値を求め
たデータの一例である。なお、内、外径部の温度差(Δ
T)のデータは別途実験的に測定したものを用いること
ができる。同図で明らかなように、予熱時(●)、及び
鋳造時(○)共に、引張り応力(σ)は長さの増加に伴
って増加し、長さが400mmを越えると、引張り応力
(σ)の値が耐火物の亀裂誘発の限界点である20Mp
aを越えるレベルとなることが分かる。従って、長さが
400mmを越えると、予熱時又は鋳造時に湯道耐火物
20が円周方向又は、軸方向の亀裂を誘発する傾向が強
くなる。さらに、(1)式でも分かるように湯道耐火物
20の外面に断熱材を設置し、内外面の温度差ΔTを小
さくすることによっても亀裂誘発を抑制することが可能
である。この際、使用される断熱材としては適度の厚さ
のセラミックペーパー、断熱モルタル24等を内筒湯道
耐火物21と外筒湯道耐火物22間あるいは湯道耐火物
20と堰17との間に介在させることが望ましい。これ
らの検討の結果により、内筒湯道耐火物21あるいは外
筒湯道耐火物22を、厚み10〜50mm、長さ400
mm以下の円筒状の構造として、これらを多層化した構
造とすることにより熱応力の発生を最小限度に抑制する
ことのできる連続鋳造用タンディッシュの湯道耐火物を
提案するものである。
【0014】続いて、本発明の実施の形態に係る連続鋳
造用タンディッシュの湯道耐火物を連続鋳造設備10に
適用した連続鋳造方法について説明する。まず、堰17
の中に湯道耐火物20を図2、図3に示すように多層化
状態でセットする。次に、連続鋳造用タンディッシュ1
4上部の開口部を図示しないタンディッシュカバーによ
り覆った後、ガスバーナー等により火炎を連続鋳造用タ
ンディッシュ14内に吹き込むことにより受鋼部15、
及び鋳造部16を含む連続鋳造用タンディッシュ14の
内部を予熱する。この間、誘導加熱装置18は稼働状態
にないが、高温の火炎が湯道耐火物20の通湯孔23を
通るために内筒湯道耐火物21、及び外筒湯道耐火物2
2におけるそれぞれの内、外径温度差は急激に増大す
る。しかし、湯道耐火物20がそれぞれ小部分に分割さ
れているので、過大な熱応力を生じることがなく、亀裂
等の発生が抑制されている。そして、350トンの溶鋼
13を保持する取鍋11から溶鋼13を連続鋳造用タン
ディッシュ14の受鋼部15に注入する。この溶鋼13
を湯道耐火物20の通湯孔23を通して鋳造部16に流
動させると共に、誘導加熱装置18を稼働させて、溶鋼
13を必要な温度レベルに加熱する。従って、このよう
な熱負荷を受けるために、湯道耐火物20の内、外径部
における温度が変動して、熱応力が発生する。
【0015】また、溶鋼13は通湯孔23を通過する間
に誘導加熱装置18によって加熱され、連続鋳造用タン
ディッシュ14の鋳造部16側に高温の溶鋼流となって
吐出する。従って、この鋳造部16にある溶鋼13と吐
出したばかりの高温の溶鋼13との比重差及び、吐出す
る溶鋼流の運動量により連続鋳造用タンディッシュ14
上方の溶鋼13の表面に向かう流れを生じる。従って、
溶鋼13中に浮遊する非金属介在物を溶鋼13の表面に
浮上させて、溶鋼13の清浄化効果がより促進される。
そして、連続鋳造用タンディッシュ14内の溶鋼13が
所定の湯面レベルとなり、必要な温度、清浄度のレベル
に達したときに、浸漬ノズル25を介してモールド19
への排出(鋳造)を開始する。そして、連続鋳造用タン
ディッシュ14と浸漬ノズル25間、取鍋11とロング
ノズル12間に設けられた図示しないスライディングノ
ズルあるいは連続鋳造用タンディッシュ14の上部に配
置されるストッパー装置等の溶鋼流量制御装置を用い
て、必要な溶鋼13の湯面レベル、モールドを介して鋳
造される鋳片の引き抜き速度を保持して連続鋳造が行わ
れる。
【0016】取鍋11内の溶鋼13の連続鋳造用タンデ
ィッシュ14への排出を終えたときには、次に待機して
いる取鍋11と交換して、続く連続鋳造用タンディッシ
ュ14への排出作業を繰り返し連続的に行うことができ
る。このように、取鍋11を交換しつつ同じ連続鋳造用
タンディッシュ14で連続して鋳造できるヒート回数が
多い程、より炉材コストの低い連続鋳造操業が可能とな
るが、湯道耐火物20における内筒湯道耐火物21の寿
命が短くなると、この連続鋳造操業に掛かる炉材コスト
が高騰することになる。本実施の形態においては、取鍋
11を3回分交換して1ヒート目の連続鋳造を終了し
た。次いで、連続鋳造用タンディッシュ14を補修ヤー
ドに移送し、排滓し、地金を落として冷却すると共に、
浸漬ノズル25の交換、コーティング材塗布等の補修作
業を行った。この間の冷却による湯道耐火物20の温度
変化は大きく、従って発生する熱応力も高くなるが、こ
の場合でも、このような熱応力を抑制するように湯道耐
火物20が小部分に分割されているので、熱応力に起因
する亀裂の発生を効果的に防止することができる。
【0017】そして、タンディッシュ14の補修後に再
度、連続鋳造用タンディッシュ14を前述のように予熱
して、前記のように連続鋳造を開始した。このようにし
て本実施の形態においては、3ヒート(3回+4回+3
回)の連続鋳造を繰り返し行うことができた。この時点
で、湯道耐火物20を連続鋳造用タンディッシュ14の
堰17から取り外して詳細に観察したところ、内筒湯道
耐火物21及び外筒湯道耐火物22は共に亀裂がなく、
通湯孔23の周囲の地金差しも認められず良好な状態で
あった。因みに、図7に示す従来例における分割されて
いない一体型の湯道耐火物51を本実施の形態と同様の
条件で処理して、これを取り外して観察したところ、5
箇所の亀裂発生、及び3箇所の地金差しとにより取鍋交
換6回分に相当する耐用性しかなかったが、本実施の形
態においては内筒湯道耐火物21については10回以
上、また外筒湯道耐火物22については15回以上とな
る大幅な寿命延長が可能であった。なお、従来例の湯道
耐火物51においては、通湯孔52である内径が100
mm、厚みが50mm、長さが1200mmであるアル
ミナシリカ質の耐火物を用いた。表1に本発明の実施の
形態に係る連続鋳造用タンディッシュの湯道耐火物20
を使用した場合と、従来例に係る湯道耐火物51を使用
した場合における各諸元データ及び、連続鋳造による試
験結果を比較した。
【0018】
【表1】
【0019】本実施の形態においては、従来例の単層構
造で長尺の湯道耐火物51に較べて、亀裂発生、地金差
しがなく、2倍近くの耐用性を示すことが分かる。この
ように内筒湯道耐火物21の損傷の程度が少なく、3ヒ
ート以上まで繰り返し使用が可能である。従って、その
外周に断熱材を介して配置された外筒湯道耐火物22に
かかる負荷も軽減され、炉材コストの削減を行うことが
できた。以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発
明はこれらの実施の形態に限定されるものではなく、要
旨を逸脱しない条件の変更等は全て本発明の適用範囲で
ある。例えば、本実施の形態においては外筒湯道耐火物
として単層構造の円筒状スリーブを使用したが、外筒湯
道耐火物を例えば2〜4層からなる多層構造とすること
により、さらに熱応力を緩和すると共に、湯道耐火物の
交換時における交換部位を損傷部のみに限定して交換で
きるので、炉材コストをさらに削減することができる。
また、本実施の形態において、外筒湯道耐火物を通湯孔
の方向に複数に分割したが、これを分割することなく目
地のない一体構造とすることも可能であり、このような
場合には連続鋳造用タンディッシュの補修時における湯
道耐火物の交換作業を容易にできる。
【0020】
【発明の効果】請求項1〜3記載の連続鋳造用タンディ
ッシュの湯道耐火物においては、湯道耐火物が、内側が
通湯孔となった厚みが20〜50mmの内筒湯道耐火物
と、該内筒湯道耐火物の外側に同心状に装着され、厚み
が20〜50mmの外筒湯道耐火物とを有するので、通
湯孔を流れる溶鋼、及び誘導加熱装置による溶鋼の加熱
によって発生する熱応力を低減すると共に、効果的にそ
の熱応力を分散させ、耐火物に亀裂を生じない低レベル
内に維持することができる。これにより、誘導加熱装置
の設置された連続鋳造用タンディッシュを地金差し、溶
鋼洩れなどを発生させることなく稼働させて、耐火物の
安全性が確保され、連続鋳造を安定的に行うことができ
ると共に、炉材コストの高騰を招くことなく溶鋼の清浄
性を確保できる。また、内筒湯道耐火物のみを交換し再
利用することにより更に炉材コストを削減することも可
能である。
【0021】特に、請求項2記載の連続鋳造用タンディ
ッシュの湯道耐火物においては、内筒湯道耐火物が、そ
れぞれが400mm以下の長さを有する分割内筒湯道耐
火物によって構成されるので、さらに湯道耐火物に発生
する熱応力のレベルを引き下げることができ、これによ
りさらに操業安定性の向上と、炉材コストの削減とが図
れる。また、請求項3記載の連続鋳造用タンディッシュ
の湯道耐火物においては、内筒湯道耐火物と外筒湯道耐
火物間の円周目地部に断熱材を設けているので、それぞ
れの湯道耐火物の外径部及び内径部間の温度差を少なく
することができ、連続鋳造時における熱応力をさらに低
レベルとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る連続鋳造用タンデ
ィッシュの湯道耐火物を適用する連続鋳造設備の説明図
である。
【図2】同連続鋳造用タンディッシュの湯道耐火物とそ
の周辺の説明図である。
【図3】同連続鋳造用タンディッシュの湯道耐火物の詳
細図である。
【図4】湯道耐火物の厚みと引張り応力との関係を示し
た図である。
【図5】湯道耐火物の長さと引張り応力との関係を示し
た図である。
【図6】従来例に係る連続鋳造用タンディッシュの湯道
耐火物とその周辺の説明図である。
【図7】同連続鋳造用タンディッシュの湯道耐火物の詳
細図である。
【符号の説明】
10 連続鋳造設備 11 取鍋 12 ロングノズル 14 連続鋳造
用タンディッシュ 13 溶鋼 15 受鋼部 16 鋳造部 17 堰 18 誘導加熱装置 19 モールド 20 湯道耐火物 21 内筒湯道
耐火物 21a 分割内筒湯道耐火物 21b 分割内
筒湯道耐火物 21c 分割内筒湯道耐火物 21d 分割内
筒湯道耐火物 21e 分割内筒湯道耐火物 22 外筒湯道
耐火物 22a 分割外筒湯道耐火物 22b 分割外
筒湯道耐火物 22c 分割外筒湯道耐火物 22d 分割外
筒湯道耐火物 22e 分割外筒湯道耐火物 22f 分割外
筒湯道耐火物 23 通湯孔 24 断熱モル
タル 25 浸漬ノズル 26 吐出孔

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 誘導加熱装置を備えた連続鋳造用タンデ
    ィッシュの内部を、取鍋から排出される溶鋼の受鋼部
    と、該溶鋼をモールドに注入する鋳造部とに区画する堰
    の内部に配置され、前記受鋼部と前記鋳造部とを連結す
    る通湯孔を備えた連続鋳造用タンディッシュの湯道耐火
    物において、 前記湯道耐火物が、内側が通湯孔となった厚みが20〜
    50mmの内筒湯道耐火物と、該内筒湯道耐火物の外側
    に同心状に装着され、厚みが20〜50mmの外筒湯道
    耐火物とを有してなることを特徴とする連続鋳造用タン
    ディッシュの湯道耐火物。
  2. 【請求項2】 前記内筒湯道耐火物が、それぞれが40
    0mm以下の長さを有する分割内筒湯道耐火物によって
    構成されたことを特徴とする請求項1記載の連続鋳造用
    タンディッシュの湯道耐火物。
  3. 【請求項3】 前記内筒湯道耐火物と外筒湯道耐火物と
    の間に断熱材が設けられたことを特徴とする請求項1又
    は2記載の連続鋳造用タンディッシュの湯道耐火物。
JP8050944A 1996-02-12 1996-02-12 連続鋳造用タンディッシュの湯道耐火物 Withdrawn JPH09220647A (ja)

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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008264834A (ja) * 2007-04-20 2008-11-06 Jfe Steel Kk 連続鋳造用タンディッシュ
KR20140041462A (ko) 2011-08-01 2014-04-04 쥬가이로 고교 가부시키가이샤 연소 장치 및 용융 금속 용기의 탕도 세정 방법
JP2015221456A (ja) * 2014-05-23 2015-12-10 新日鐵住金株式会社 誘導加熱型タンディッシュの堰耐火物施工方法及びこの方法で施工した堰耐火物の補修方法
CN111992702A (zh) * 2020-08-17 2020-11-27 青岛正望钢水控制股份有限公司 一种电磁感应加热中间包的流钢通道砖
JP2021087968A (ja) * 2019-12-04 2021-06-10 日本製鉄株式会社 薄肉鋳片の製造方法

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