JPH09227410A - 臓器移植拒絶反応の抑制剤 - Google Patents
臓器移植拒絶反応の抑制剤Info
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- JPH09227410A JPH09227410A JP8060123A JP6012396A JPH09227410A JP H09227410 A JPH09227410 A JP H09227410A JP 8060123 A JP8060123 A JP 8060123A JP 6012396 A JP6012396 A JP 6012396A JP H09227410 A JPH09227410 A JP H09227410A
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- Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
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Abstract
(57)【要約】
【課題】臓器移植拒絶反応を抑制するための薬剤の提
供。 【解決手段】P−セレクチンの結合阻害剤を含有する臓
器移植拒絶反応の抑制剤。例えば、P−セレクチンの結
合阻害剤として抗P−セレクチン抗体を含有する該抑制
剤。
供。 【解決手段】P−セレクチンの結合阻害剤を含有する臓
器移植拒絶反応の抑制剤。例えば、P−セレクチンの結
合阻害剤として抗P−セレクチン抗体を含有する該抑制
剤。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、P−セレクチンの
結合阻害剤の新規医療用途に関する。さらに詳しくは本
発明はP−セレクチンの結合阻害剤を有効成分とする臓
器移植拒絶反応の抑制剤に関する。
結合阻害剤の新規医療用途に関する。さらに詳しくは本
発明はP−セレクチンの結合阻害剤を有効成分とする臓
器移植拒絶反応の抑制剤に関する。
【0002】
【従来の技術】臓器が種々の重篤な疾患により機能不全
に陥った場合、その治療法として他のヒトの臓器を移植
することが行われている。最近では動物の臓器をヒトに
移植する試みも始まっている。このヒトへの臓器移植に
おいて、臨床上一番問題となるのは拒絶反応である。こ
れは、移植される臓器(グラフト)が、移植を受ける側
(レシピエント)の体に生着できずに脱落してしまうと
いうものである。その拒絶反応の原因として第一に考え
られているのが同種移植免疫反応である。生体内に自己
の成分以外の物質が侵入して来ると、生体はその物質を
抗原として認識し、自己防御の一環として、リンパ球に
よる細胞性免疫と、産生した抗体による液性免疫とによ
って異物の排除を行おうとする。移植免疫反応において
は、レシピエントはグラフトを抗原として認識し、T細
胞の活性化および増殖、グラフトの破壊という一連のカ
スケードを示すT細胞主体の免疫反応により拒絶が行わ
れていると考えられている。したがって、臓器移植の際
には、この反応を抑えるために、免疫抑制剤と呼ばれる
一群の薬物が使用されている。それらには、コルチコス
テロイド(プレドニゾン)やシクロスポリンAがあり、
さらに最近ではFK−506が汎用されるようになっ
た。しかしながら、これらの薬剤の効果も完全では無
く、また副作用も報告されている。二番目に考えられて
いる原因が虚血再灌流障害である。臓器移植に際して
は、グラフトは、その摘出にともない一時的に血流が遮
断された(虚血)後、レシピエントへの移植により血液
が再開される(再灌流)。虚血−再灌流操作によって、
再灌流部位の組織が障害を受けることは良く知られてお
り、この作用機作の少なくとも1つとして、血液中に含
まれる好中球の活性化が関与していると考えられてい
る。即ち、動物実験において、好中球を減少させた動物
では、再灌流障害が大幅に軽減されることが明らかにさ
れている。従って、白血球の活性化を何らかの方法で抑
制することは、虚血再灌流障害を防止し、臓器移植時の
臓器障害防止の有効な手段と考えられる。
に陥った場合、その治療法として他のヒトの臓器を移植
することが行われている。最近では動物の臓器をヒトに
移植する試みも始まっている。このヒトへの臓器移植に
おいて、臨床上一番問題となるのは拒絶反応である。こ
れは、移植される臓器(グラフト)が、移植を受ける側
(レシピエント)の体に生着できずに脱落してしまうと
いうものである。その拒絶反応の原因として第一に考え
られているのが同種移植免疫反応である。生体内に自己
の成分以外の物質が侵入して来ると、生体はその物質を
抗原として認識し、自己防御の一環として、リンパ球に
よる細胞性免疫と、産生した抗体による液性免疫とによ
って異物の排除を行おうとする。移植免疫反応において
は、レシピエントはグラフトを抗原として認識し、T細
胞の活性化および増殖、グラフトの破壊という一連のカ
スケードを示すT細胞主体の免疫反応により拒絶が行わ
れていると考えられている。したがって、臓器移植の際
には、この反応を抑えるために、免疫抑制剤と呼ばれる
一群の薬物が使用されている。それらには、コルチコス
テロイド(プレドニゾン)やシクロスポリンAがあり、
さらに最近ではFK−506が汎用されるようになっ
た。しかしながら、これらの薬剤の効果も完全では無
く、また副作用も報告されている。二番目に考えられて
いる原因が虚血再灌流障害である。臓器移植に際して
は、グラフトは、その摘出にともない一時的に血流が遮
断された(虚血)後、レシピエントへの移植により血液
が再開される(再灌流)。虚血−再灌流操作によって、
再灌流部位の組織が障害を受けることは良く知られてお
り、この作用機作の少なくとも1つとして、血液中に含
まれる好中球の活性化が関与していると考えられてい
る。即ち、動物実験において、好中球を減少させた動物
では、再灌流障害が大幅に軽減されることが明らかにさ
れている。従って、白血球の活性化を何らかの方法で抑
制することは、虚血再灌流障害を防止し、臓器移植時の
臓器障害防止の有効な手段と考えられる。
【0003】白血球は生体外から侵入した異物の処理機
能を有し、通常異物排除を行っている。また組織が損傷
を受けた場合には損傷部位に集まり、組織の修復に寄与
する。一般に炎症反応で問題となるのは、この白血球の
自己防衛能が過剰に働くことにより、かえって自己組織
を損傷する場合である。炎症部位に集積した白血球は活
性化を受け、細胞内に貯蔵されているタンパク分解酵素
を放出したり、活性酸素を産生することにより異物の分
解、処理に働いている。臓器移植部位には、移植後、し
ばしば周辺組織への著明な白血球集積が生じる。このこ
とは白血球集積部位での組織障害が生じることを意味す
る。これに対する治療法としては、様々な試みがなされ
て来たが、現在のところ有効な手段は無い。
能を有し、通常異物排除を行っている。また組織が損傷
を受けた場合には損傷部位に集まり、組織の修復に寄与
する。一般に炎症反応で問題となるのは、この白血球の
自己防衛能が過剰に働くことにより、かえって自己組織
を損傷する場合である。炎症部位に集積した白血球は活
性化を受け、細胞内に貯蔵されているタンパク分解酵素
を放出したり、活性酸素を産生することにより異物の分
解、処理に働いている。臓器移植部位には、移植後、し
ばしば周辺組織への著明な白血球集積が生じる。このこ
とは白血球集積部位での組織障害が生じることを意味す
る。これに対する治療法としては、様々な試みがなされ
て来たが、現在のところ有効な手段は無い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、臓器
移植時において生じる白血球の集積と、それに引き続く
活性化を防止することによって、臓器移植の拒絶反応を
防ぐ薬剤を見出すことにある。
移植時において生じる白血球の集積と、それに引き続く
活性化を防止することによって、臓器移植の拒絶反応を
防ぐ薬剤を見出すことにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らはこのような
臓器移植時に生じる拒絶反応を改善すべく鋭意研究の結
果、動物におけるこれら病態には,白血球と血管内皮細
胞間の相互作用が重要な役割を演じていることを見出し
た。しかも,この病態は,白血球の血管内皮細胞への接
着に関与するP−セレクチンによって制御されているこ
とを、抗体を用いた検討により明らかにし、本発明を完
成するに至った。
臓器移植時に生じる拒絶反応を改善すべく鋭意研究の結
果、動物におけるこれら病態には,白血球と血管内皮細
胞間の相互作用が重要な役割を演じていることを見出し
た。しかも,この病態は,白血球の血管内皮細胞への接
着に関与するP−セレクチンによって制御されているこ
とを、抗体を用いた検討により明らかにし、本発明を完
成するに至った。
【0006】すなわち、本発明は、 (1)P−セレクチンの結合阻害剤を有効成分とする臓
器移植拒絶反応の抑制剤。 (2)P−セレクチンの結合阻害剤が、抗P−セレクチ
ン抗体、P−セレクチンのリガンドもしくはその誘導
体、P−セレクチンのリガンドに特異的な抗体、P−セ
レクチンもしくはその断片、P−セレクチンのリガンド
の生合成阻害剤またはP−セレクチンの発現阻害剤であ
る、上記(1)記載の抑制剤。 (3)P−セレクチンの結合阻害剤が、抗P−セレクチ
ン抗体である、上記(1)記載の抑制剤。 (4)臓器移植が心臓移植である、上記(1)ないし
(3)いずれかに記載の抑制剤。
器移植拒絶反応の抑制剤。 (2)P−セレクチンの結合阻害剤が、抗P−セレクチ
ン抗体、P−セレクチンのリガンドもしくはその誘導
体、P−セレクチンのリガンドに特異的な抗体、P−セ
レクチンもしくはその断片、P−セレクチンのリガンド
の生合成阻害剤またはP−セレクチンの発現阻害剤であ
る、上記(1)記載の抑制剤。 (3)P−セレクチンの結合阻害剤が、抗P−セレクチ
ン抗体である、上記(1)記載の抑制剤。 (4)臓器移植が心臓移植である、上記(1)ないし
(3)いずれかに記載の抑制剤。
【0007】本発明者は、ラットに他のラットの心臓を
移植し、移植された心臓の拒絶反応を抗P−セレクチン
抗体が著明に抑制することを見出した。このような事実
は、P−セレクチンが白血球の血管内皮細胞間の相互作
用を仲介し、白血球の活性化、さらには虚血再潅流部位
周辺組織の障害において重要な役割を果たしており、さ
らにP−セレクチンの結合阻害剤がこれらの要因にとも
なう臓器移植拒絶の改善に適していることを示してい
る。
移植し、移植された心臓の拒絶反応を抗P−セレクチン
抗体が著明に抑制することを見出した。このような事実
は、P−セレクチンが白血球の血管内皮細胞間の相互作
用を仲介し、白血球の活性化、さらには虚血再潅流部位
周辺組織の障害において重要な役割を果たしており、さ
らにP−セレクチンの結合阻害剤がこれらの要因にとも
なう臓器移植拒絶の改善に適していることを示してい
る。
【0008】「P−セレクチンの結合阻害剤」とは、血
管内皮細胞上のP−セレクチンと白血球上のリガンドの
結合を阻害するものをいう。本発明におけるP−セレク
チンの結合阻害剤としては、阻害様式によって、例えば
以下の4種類のものが挙げられる。 P−セレクチンに結合することで白血球上のリガンド
との結合を阻害するものこの種類の阻害剤としては、例
えば抗P−セレクチン抗体、P−セレクチンのリガンド
およびその誘導体が挙げられる。 白血球上のリガンドに結合することでP−セレクチン
の結合を阻害するものこの種類の阻害剤としては、例え
ばP−セレクチンのリガンドに特異的な抗体、P−セレ
クチンおよびその断片が挙げられる。 P−セレクチンのリガンドの生合成阻害剤 P−セレクチンの発現阻害剤 この中で特に好ましいものとしては、P−セレクチンに
結合することで白血球上のリガンドとの結合を阻害する
もの、およびP−セレクチンの発現阻害剤が挙げられ
る。
管内皮細胞上のP−セレクチンと白血球上のリガンドの
結合を阻害するものをいう。本発明におけるP−セレク
チンの結合阻害剤としては、阻害様式によって、例えば
以下の4種類のものが挙げられる。 P−セレクチンに結合することで白血球上のリガンド
との結合を阻害するものこの種類の阻害剤としては、例
えば抗P−セレクチン抗体、P−セレクチンのリガンド
およびその誘導体が挙げられる。 白血球上のリガンドに結合することでP−セレクチン
の結合を阻害するものこの種類の阻害剤としては、例え
ばP−セレクチンのリガンドに特異的な抗体、P−セレ
クチンおよびその断片が挙げられる。 P−セレクチンのリガンドの生合成阻害剤 P−セレクチンの発現阻害剤 この中で特に好ましいものとしては、P−セレクチンに
結合することで白血球上のリガンドとの結合を阻害する
もの、およびP−セレクチンの発現阻害剤が挙げられ
る。
【0009】抗P−セレクチン抗体とは、P−セレクチ
ンを認識し、P−セレクチンに選択的に結合し、これに
より細胞間の接着を抑制する免疫グロブリンを意味す
る。本抗体は、ポリクローナル抗体でもモノクローナル
抗体でもよい。本抗体の起源は制限されないが、マウス
またはヒト起源の抗体、ヒトおよびマウス抗体の両者の
一部分を結合したキメラ抗体、あるいは擬人化抗体等が
例として挙げられる。具体的には、WO93/2195
6号公報に記載のPB1.3が挙げられる。
ンを認識し、P−セレクチンに選択的に結合し、これに
より細胞間の接着を抑制する免疫グロブリンを意味す
る。本抗体は、ポリクローナル抗体でもモノクローナル
抗体でもよい。本抗体の起源は制限されないが、マウス
またはヒト起源の抗体、ヒトおよびマウス抗体の両者の
一部分を結合したキメラ抗体、あるいは擬人化抗体等が
例として挙げられる。具体的には、WO93/2195
6号公報に記載のPB1.3が挙げられる。
【0010】P−セレクチンのリガンドおよびその誘導
体には、白血球等の表面の糖蛋白、糖脂質ならびにそれ
らの末端構造であるオリゴサッカライド、さらにはそれ
らの誘導体が含まれる。例えば、オリゴサッカライドお
よびその誘導体として、シアリルルイスx及びシアリル
ルイスx誘導体、ルイスx及びルイスx誘導体、シアリ
ルルイスa及びシアリルルイスa誘導体、ルイスa及び
ルイスa誘導体、硫酸化糖、リン酸化糖、スルファタイ
ドなどが挙げられる(例えば、VarkiらProc.
Natl.Acad.Sci.USA 91,7390
(1994)、WO94/26760)。糖蛋白質の例
として、PSGL−1(例えば、Sakoら Cell
75,1179(1993))等が挙げられる。
体には、白血球等の表面の糖蛋白、糖脂質ならびにそれ
らの末端構造であるオリゴサッカライド、さらにはそれ
らの誘導体が含まれる。例えば、オリゴサッカライドお
よびその誘導体として、シアリルルイスx及びシアリル
ルイスx誘導体、ルイスx及びルイスx誘導体、シアリ
ルルイスa及びシアリルルイスa誘導体、ルイスa及び
ルイスa誘導体、硫酸化糖、リン酸化糖、スルファタイ
ドなどが挙げられる(例えば、VarkiらProc.
Natl.Acad.Sci.USA 91,7390
(1994)、WO94/26760)。糖蛋白質の例
として、PSGL−1(例えば、Sakoら Cell
75,1179(1993))等が挙げられる。
【0011】P−セレクチンのリガンドに特異的な抗体
とは、前述したリガンドに特異的な抗体を意味する。本
抗体は、ポリクローナル抗体でもモノクローナル抗体で
もよい。本抗体の起源は制限されないが、マウスまたは
ヒト起源の抗体、ヒトおよびマウス抗体の両者の一部分
を結合したキメラ抗体、あるいは擬人化抗体等が例とし
て挙げられる。具体的には、抗シアリルルイスx抗体、
抗シアリルルイスa抗体、抗ルイスx抗体、抗ルイスa
抗体などである(例えば、Fukushimaら Ca
ncer Res.44,5279(1984)、Sh
itaraらCancer Res.47,1267
(1987)、Takadaら Biochem.Bi
ophys.Res.Commun.179,713
(1991))。
とは、前述したリガンドに特異的な抗体を意味する。本
抗体は、ポリクローナル抗体でもモノクローナル抗体で
もよい。本抗体の起源は制限されないが、マウスまたは
ヒト起源の抗体、ヒトおよびマウス抗体の両者の一部分
を結合したキメラ抗体、あるいは擬人化抗体等が例とし
て挙げられる。具体的には、抗シアリルルイスx抗体、
抗シアリルルイスa抗体、抗ルイスx抗体、抗ルイスa
抗体などである(例えば、Fukushimaら Ca
ncer Res.44,5279(1984)、Sh
itaraらCancer Res.47,1267
(1987)、Takadaら Biochem.Bi
ophys.Res.Commun.179,713
(1991))。
【0012】P−セレクチンおよびその断片とは、膜結
合P−セレクチン、可溶性P−セレクチン、P−セレク
チン部分ペプチド等を意味する。P−セレクチンおよび
その断片は、細胞に対する接着、例えばプラスチック製
ウェルに固定させた前述のリガンドまたはその誘導体に
P−セレクチンが接着する(もしくは、P−セレクチン
を固定させたプラスチック製ウェルに前述のリガンドま
たはその誘導体が接着する)のを阻害する能力を有す
る。P−セレクチンの部分ペプチドとしては,例えば特
表平7─501828号公報に記載のペプチドが挙げら
れる。
合P−セレクチン、可溶性P−セレクチン、P−セレク
チン部分ペプチド等を意味する。P−セレクチンおよび
その断片は、細胞に対する接着、例えばプラスチック製
ウェルに固定させた前述のリガンドまたはその誘導体に
P−セレクチンが接着する(もしくは、P−セレクチン
を固定させたプラスチック製ウェルに前述のリガンドま
たはその誘導体が接着する)のを阻害する能力を有す
る。P−セレクチンの部分ペプチドとしては,例えば特
表平7─501828号公報に記載のペプチドが挙げら
れる。
【0013】P−セレクチンのリガンドの生合成阻害剤
とは、前述したP−セレクチンのリガンドの生合成に用
いられる糖転移酵素等の阻害剤を意味する。具体的に
は、オリゴサッカライド受容体にシアル酸を転移させる
ためのシアリルトランスフェラーゼに対する阻害剤や、
フコースを転移させるためのフコシルトランスフェラー
ゼに対する阻害剤等が挙げられる。例えば、特開平5−
247078号公報に記載のシアリルトランスフェラー
ゼ阻害剤や、Chi−Huey Wongら J.A
m.Chem.Soc.114,7321(1992)
記載のフコシルトランスフェラーゼ阻害剤等が挙げられ
る。
とは、前述したP−セレクチンのリガンドの生合成に用
いられる糖転移酵素等の阻害剤を意味する。具体的に
は、オリゴサッカライド受容体にシアル酸を転移させる
ためのシアリルトランスフェラーゼに対する阻害剤や、
フコースを転移させるためのフコシルトランスフェラー
ゼに対する阻害剤等が挙げられる。例えば、特開平5−
247078号公報に記載のシアリルトランスフェラー
ゼ阻害剤や、Chi−Huey Wongら J.A
m.Chem.Soc.114,7321(1992)
記載のフコシルトランスフェラーゼ阻害剤等が挙げられ
る。
【0014】P−セレクチンの発現阻害剤とは、血管内
皮細胞等の細胞表面上のP−セレクチンの発現を阻害す
るものをいい、例えば一酸化窒素(NO)供与物が挙げ
られる(Gastroenterology,107,
1199−1201(1994);Am.J.Phys
iol,267,G562−G568(1994))。
一酸化窒素供与物としては、例えばS−ニトロソチオー
ル類(Eur.J.Pharm,144,379−38
3(1987))、N−ニトロソチオール類(特表平5
−504760)、シドンイミン誘導体(J.Card
iovascular Pharmacology,1
8,522−527(1991);Biochem.
J.281,419−424(1992))、ニトログ
リセリン類(J.Pharmacology Expe
rimental Therapeutics,25
3,614−619(1990))、ニトロプルシド類
等が挙げられる。
皮細胞等の細胞表面上のP−セレクチンの発現を阻害す
るものをいい、例えば一酸化窒素(NO)供与物が挙げ
られる(Gastroenterology,107,
1199−1201(1994);Am.J.Phys
iol,267,G562−G568(1994))。
一酸化窒素供与物としては、例えばS−ニトロソチオー
ル類(Eur.J.Pharm,144,379−38
3(1987))、N−ニトロソチオール類(特表平5
−504760)、シドンイミン誘導体(J.Card
iovascular Pharmacology,1
8,522−527(1991);Biochem.
J.281,419−424(1992))、ニトログ
リセリン類(J.Pharmacology Expe
rimental Therapeutics,25
3,614−619(1990))、ニトロプルシド類
等が挙げられる。
【0015】本発明の臓器移植拒絶反応の抑制剤が用い
られる臓器移植として、ヒトからヒトへの同種臓器移
植、およびヒヒ、ブタなどの動物からヒトへの異種臓器
移植が挙げられる。また、移植される臓器としては、心
臓、肺、肝臓、腎臓、膵臓、皮フ等が挙げられ、好まし
い臓器は心臓である。本発明の抑制剤は、非経口的、局
所的、経口的、または経皮的に投与され、投与方法に依
存して、種々の単位投与形態で投与することができる。
例えば、経口的投与に適当な単位投与形態は、粉末、錠
剤、ピル、カプセル剤および糖剤を包含する。好ましく
は、本発明の抑制剤は静脈内に投与する。静脈内投与に
際しては、医薬として許容されうる担体、好ましくは水
性担体の中に溶解または懸濁して用いる。水性担体とし
ては、例えば、水、緩衝化水、生理食塩水などを使用す
ることができる。生ずる水溶液はそのまま包装するか、
あるいは凍結乾燥することができ、凍結乾燥した調製物
は投与の前に無菌の水溶液と組み合わせる。本発明の抑
制剤は、近似の生理学的状態に要求されるように、医薬
として許容される補助剤、例えば、pH調節剤および緩衝
剤、張度調節剤、浸潤剤など、例えば、酢酸ナトリウ
ム、乳酸ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、
塩化カルシウム、ソルビタンモノラウレート、トリエタ
ノールアミンオレエートなどを含有することができる。
られる臓器移植として、ヒトからヒトへの同種臓器移
植、およびヒヒ、ブタなどの動物からヒトへの異種臓器
移植が挙げられる。また、移植される臓器としては、心
臓、肺、肝臓、腎臓、膵臓、皮フ等が挙げられ、好まし
い臓器は心臓である。本発明の抑制剤は、非経口的、局
所的、経口的、または経皮的に投与され、投与方法に依
存して、種々の単位投与形態で投与することができる。
例えば、経口的投与に適当な単位投与形態は、粉末、錠
剤、ピル、カプセル剤および糖剤を包含する。好ましく
は、本発明の抑制剤は静脈内に投与する。静脈内投与に
際しては、医薬として許容されうる担体、好ましくは水
性担体の中に溶解または懸濁して用いる。水性担体とし
ては、例えば、水、緩衝化水、生理食塩水などを使用す
ることができる。生ずる水溶液はそのまま包装するか、
あるいは凍結乾燥することができ、凍結乾燥した調製物
は投与の前に無菌の水溶液と組み合わせる。本発明の抑
制剤は、近似の生理学的状態に要求されるように、医薬
として許容される補助剤、例えば、pH調節剤および緩衝
剤、張度調節剤、浸潤剤など、例えば、酢酸ナトリウ
ム、乳酸ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、
塩化カルシウム、ソルビタンモノラウレート、トリエタ
ノールアミンオレエートなどを含有することができる。
【0016】本発明の抑制剤は、臓器移植前あるいは臓
器移植後の患者に、移植拒絶反応を阻止するか、あるい
は少なくとも部分的に阻止するために十分な量で投与さ
れる。本発明の抑制剤の投与量は、例えば、有効成分、
投与方法、処置する疾患の程度、患者の全体の健康状態
に従い変化するが、一般に、体重 70 kgの患者につい
て、1日当たり、本発明の抑制剤を約 0.5 mg 〜約1 g
の範囲であり、好ましくは、体重 70 kgの患者につい
て、1日当たり、本発明の有効成分を約 5 mg 〜約500
mgの範囲の投与量を使用する。
器移植後の患者に、移植拒絶反応を阻止するか、あるい
は少なくとも部分的に阻止するために十分な量で投与さ
れる。本発明の抑制剤の投与量は、例えば、有効成分、
投与方法、処置する疾患の程度、患者の全体の健康状態
に従い変化するが、一般に、体重 70 kgの患者につい
て、1日当たり、本発明の抑制剤を約 0.5 mg 〜約1 g
の範囲であり、好ましくは、体重 70 kgの患者につい
て、1日当たり、本発明の有効成分を約 5 mg 〜約500
mgの範囲の投与量を使用する。
【0017】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に
説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限定
されるものではない。P−セレクチンの結合阻害剤が、
臓器移植における拒絶反応の有効な抑制剤であること
を、以下に心臓移植を例にして具体的に説明する。実験
には、P−セレクチンの結合阻害剤として、抗P−セレ
クチン抗体PB1.3(WO93/21956号公報記
載の抗体)を用いた。
説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限定
されるものではない。P−セレクチンの結合阻害剤が、
臓器移植における拒絶反応の有効な抑制剤であること
を、以下に心臓移植を例にして具体的に説明する。実験
には、P−セレクチンの結合阻害剤として、抗P−セレ
クチン抗体PB1.3(WO93/21956号公報記
載の抗体)を用いた。
【0018】実験例1 ラットの心臓移植拒絶反応に対する作用 (実験方法)F344系雄性ラットをドナー、Lewi
s系雄性ラットをレシピエントとして同種腹部異所性心
移植を行った。実体顕微鏡下で、抱水クロラール麻酔し
たドナーラットを開胸、心臓を摘出し、その心臓の肺静
脈および上、下大静脈を絹糸で結紮した。摘出した移植
心はレシピエントに移植するまで氷冷した心停止液中で
保存した。次に、抱水クロラール麻酔したレシピエント
ラットの腹部を正中切開し、腹部大動脈および下大静脈
を剥離した。絹糸およびブルドック鉗子にて結紮して血
流を遮断した後、両血管を一部切開し、レシピエントの
腹部大動脈と移植心の大動脈、レシピエントの下大静脈
と移植心の肺動脈を10−0ナイロン糸で端側吻合し
た。その後、絹糸での結紮を緩めて移植心への血流を再
開し、心拍動の回復を確認した後、腹壁を閉じた。移植
心の血流遮断時間は約20〜30分であり、通常、虚血
による心筋壊死はごくわずかであった。移植心の拒絶の
判定は、腹壁上からの触診で心拍動を確認して行った。
抗P−セレクチン抗体投与群(n=5)にはPB1.
3、400μg/headを、手術1日前、当日、1日
後、3日後、5日後、7日後に腹腔内へ投与した。ま
た、対照として無治療コントロール群(n=4)を設け
た。実験結果の統計学的有意性の検定は、マン−ホイッ
トネイのU検定により行った。 (実験結果)無治療コントロール群の移植心の生着期間
は、それぞれ、7、9、10、11日であった。抗P−
セレクチン抗体投与群の移植心の生着期間は、それぞ
れ、10、14、16、17、18日であり、抗P−セ
レクチン抗体投与により、ラット移植心の生着期間は有
意(p<0.05)に延長した。
s系雄性ラットをレシピエントとして同種腹部異所性心
移植を行った。実体顕微鏡下で、抱水クロラール麻酔し
たドナーラットを開胸、心臓を摘出し、その心臓の肺静
脈および上、下大静脈を絹糸で結紮した。摘出した移植
心はレシピエントに移植するまで氷冷した心停止液中で
保存した。次に、抱水クロラール麻酔したレシピエント
ラットの腹部を正中切開し、腹部大動脈および下大静脈
を剥離した。絹糸およびブルドック鉗子にて結紮して血
流を遮断した後、両血管を一部切開し、レシピエントの
腹部大動脈と移植心の大動脈、レシピエントの下大静脈
と移植心の肺動脈を10−0ナイロン糸で端側吻合し
た。その後、絹糸での結紮を緩めて移植心への血流を再
開し、心拍動の回復を確認した後、腹壁を閉じた。移植
心の血流遮断時間は約20〜30分であり、通常、虚血
による心筋壊死はごくわずかであった。移植心の拒絶の
判定は、腹壁上からの触診で心拍動を確認して行った。
抗P−セレクチン抗体投与群(n=5)にはPB1.
3、400μg/headを、手術1日前、当日、1日
後、3日後、5日後、7日後に腹腔内へ投与した。ま
た、対照として無治療コントロール群(n=4)を設け
た。実験結果の統計学的有意性の検定は、マン−ホイッ
トネイのU検定により行った。 (実験結果)無治療コントロール群の移植心の生着期間
は、それぞれ、7、9、10、11日であった。抗P−
セレクチン抗体投与群の移植心の生着期間は、それぞ
れ、10、14、16、17、18日であり、抗P−セ
レクチン抗体投与により、ラット移植心の生着期間は有
意(p<0.05)に延長した。
【0019】
【発明の効果】本発明により、臓器移植における拒絶反
応の有効な抑制剤を提供することができる。
応の有効な抑制剤を提供することができる。
【図1】図1は、抗P−セレクチン抗体投与後のラット
移植心の生着曲線を示す。
移植心の生着曲線を示す。
Claims (4)
- 【請求項1】 P−セレクチンの結合阻害剤を有効成分
とする臓器移植拒絶反応の抑制剤。 - 【請求項2】 P−セレクチンの結合阻害剤が、抗P−
セレクチン抗体、P−セレクチンのリガンドもしくはそ
の誘導体、P−セレクチンのリガンドに特異的な抗体、
P−セレクチンもしくはその断片、P−セレクチンのリ
ガンドの生合成阻害剤またはP−セレクチンの発現阻害
剤である、請求項1記載の抑制剤。 - 【請求項3】 P−セレクチンの結合阻害剤が、抗P−
セレクチン抗体である、請求項1記載の抑制剤。 - 【請求項4】 臓器移植が心臓移植である、請求項1な
いし3いずれか1項記載の抑制剤。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP8060123A JPH09227410A (ja) | 1996-02-21 | 1996-02-21 | 臓器移植拒絶反応の抑制剤 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP8060123A JPH09227410A (ja) | 1996-02-21 | 1996-02-21 | 臓器移植拒絶反応の抑制剤 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH09227410A true JPH09227410A (ja) | 1997-09-02 |
Family
ID=13133047
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP8060123A Pending JPH09227410A (ja) | 1996-02-21 | 1996-02-21 | 臓器移植拒絶反応の抑制剤 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH09227410A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2008260759A (ja) * | 2001-08-03 | 2008-10-30 | Abgenomics Corp | P−セレクチン糖タンパク質リガンド1のモジュレーター |
| US8628775B2 (en) | 2001-08-03 | 2014-01-14 | Abgenomics Cooperatief U.A. | Methods of reducing T cell-mediated immune responses with multimeric P-selectin and/or E-selectin compounds |
-
1996
- 1996-02-21 JP JP8060123A patent/JPH09227410A/ja active Pending
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2008260759A (ja) * | 2001-08-03 | 2008-10-30 | Abgenomics Corp | P−セレクチン糖タンパク質リガンド1のモジュレーター |
| US7744888B2 (en) | 2001-08-03 | 2010-06-29 | Abgenomics Cooperatief U.A. | Methods of modulating T cell or natural killer cell activity with anti-P-selectin glycoprotein ligand 1 antibodies |
| US8298540B2 (en) | 2001-08-03 | 2012-10-30 | Abgenomics Cooperatief U.A. | Methods of modulating T cell-mediated immune responses with anti-P-selectin glycoprotein ligand 1 antibodies |
| US8557579B2 (en) | 2001-08-03 | 2013-10-15 | Abgenomics Cooperatief U.A. | Screening for modulators of PSGL-1 with respect to T cell or NK cell death |
| US8628775B2 (en) | 2001-08-03 | 2014-01-14 | Abgenomics Cooperatief U.A. | Methods of reducing T cell-mediated immune responses with multimeric P-selectin and/or E-selectin compounds |
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