JPH09229883A - 暗視野型光熱変換分光分析装置 - Google Patents

暗視野型光熱変換分光分析装置

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JPH09229883A
JPH09229883A JP3223796A JP3223796A JPH09229883A JP H09229883 A JPH09229883 A JP H09229883A JP 3223796 A JP3223796 A JP 3223796A JP 3223796 A JP3223796 A JP 3223796A JP H09229883 A JPH09229883 A JP H09229883A
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JP
Japan
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light
pump light
measured
lens
pump
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Pending
Application number
JP3223796A
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English (en)
Inventor
Tsuyoshi Makino
強 牧野
Shigetoshi Okazaki
茂俊 岡崎
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Bunshi Biophotonics Kenkyusho KK
Original Assignee
Bunshi Biophotonics Kenkyusho KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高感度でS/N比が良い簡易な構成からなる
暗視野型光熱変換分光分析装置を提供する。 【解決手段】 ポンプ用光源50から出力されたポンプ
光Aは、被測定物70に集光照射され、その照射位置近
傍に熱レンズが形成される。プローブ用光源60から出
力されたプローブ光Bも、熱レンズが形成される位置に
照射される。このプローブ光Bは、熱レンズの焦点距離
とレンズ径に応じた拡がり角で発散され出力される。そ
して、熱レンズで発散されたプローブ光Bのうち、光軸
付近の光束は遮蔽板82の遮蔽領域82aで遮蔽される
が、光軸から一定距離以上離れた光束は遮蔽板82で遮
蔽されることなく光検出器86で検出される。熱レンズ
が形成された位置における被測定物70の濃度に応じた
ものであるので、光検出器86からの出力信号に基づい
て、被測定物70の濃度が検出される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光が被測定物に照
射されて発生した熱が周辺の媒体に拡散することにより
生成された温度分布変化に伴って被測定物の屈折率が変
化する現象すなわち光熱レンズ効果を利用した暗視野型
光熱変換分光分析技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】被測定物に光が照射されると、その照射
された位置近傍の温度が上昇し、これに伴って屈折率が
変化する。その屈折率変化は、被測定物の温度分布に応
じたものであり、その温度分布は、被測定物の光吸収係
数、照射光の光束径と強度、溶媒の熱伝導率、溶媒の屈
折率変化、被測定物の濃度などに依存する。そして、こ
の屈折率分布がレンズとして作用する。これを熱レンズ
と呼ぶ。一般に、多くの物質では、温度が上昇すれば屈
折率は小さくなるので、熱レンズは凹レンズである。こ
のような光熱レンズ効果を利用して被測定物の分光分析
が行われている。
【0003】従来、この光熱レンズ効果を利用した分光
分析装置は、以下のような構成であった。図4は、従来
の分光分析装置の構成図である。
【0004】この装置では、ポンプ用光源10から出力
されたポンプ光Aは、光チョッパ30で透過/遮断の変
調を受けた後、ダイクロイックミラー14で反射され、
レンズ32に入射して被測定物34に集光照射される。
被測定物34にポンプ光Aが照射されると、温度上昇に
伴う屈折率変化が生じ熱レンズが形成される。
【0005】一方、プローブ用光源20から出力された
プローブ光Bは、反射鏡24で反射され、ダイクロイッ
クミラー14を透過してポンプ光Aと同一光軸上に出力
され、レンズ32に入射して、被測定物34に集光照射
される。
【0006】被測定物34を透過したプローブ光Bは、
ピンホール35により光束を制限され、レンズ36で集
光され、反射鏡38で反射され、ポンプ光吸収フィルタ
40を透過し、光検出器42で検出される。ポンプ光A
も、レンズ36で集光されてポンプ光吸収フィルタ40
まで到達するが、ポンプ光吸収フィルタ40で吸収され
るので、光検出器42で検出されることはない。
【0007】レンズ36で集光され光検出器42で検出
されるプローブ光Bの光量は、被測定物34に形成され
た熱レンズの光学特性に依存し、また、この熱レンズの
光学特性は、被測定物34の濃度に依存する。したがっ
て、ロックインアンプ44を用いて、光検出器42で検
出されたプローブ光Bの光量を、光チョッパ30の変調
周期で同期検出することにより、被測定物34の濃度を
知ることができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来例では以下のような問題点がある。レンズ36で集光
される光束のうちのプローブ光Bは、被測定物34に形
成された熱レンズの光軸付近を通過するものである。そ
れ故、被測定物34に熱レンズが形成されている時(ポ
ンプ光Aが照射されている時あるいはその直後)の光検
出器42に到達するプローブ光Bの光量と、熱レンズが
形成されていない時(ポンプ光Aの照射が終了して一定
時間経過後)の光検出器42に到達するプローブ光Bの
光量との差は小さい。
【0009】したがって、このプローブ光Bの光量変化
のうちの光チョッパ30の変調周期に同期した成分の振
幅を検出するために高価なロックインアンプ44を用い
なければならない。
【0010】また、レンズ36で集光された光束のうち
ポンプ光Aを遮断するためにポンプ光吸収フィルタ40
が設けられているが、ポンプ光Aは、このポンプ光吸収
フィルタ40によって完全に遮断されることはなく、僅
かではあるが一部が透過して光検出器42に到達する。
【0011】また、光検出器42に到達する光束の光量
のうち、光チョッパ30の変調周期に同期して変化する
光量は非常に小さい。それ故、光検出器42で受光され
てロックインアンプ44に入力される信号は、比較的大
きなバイアス信号に埋もれた小振幅の周期的な信号であ
るので、ロックインアンプ44による同期検出のS/N
比が悪いという問題点がある。
【0012】さらに、被測定物34の濃度すなわち形成
される熱レンズの光学特性が大きく異なる場合であって
も、その熱レンズの光軸付近を通過してレンズ36に集
光されて光検出器42に到達するプローブ光Aの光量の
差は小さい。それ故、測定感度が悪いという問題点もあ
る。
【0013】本発明は、上記問題点を解消する為になさ
れたものであり、高感度でS/N比が良い簡易な構成か
らなる暗視野型光熱変換分光分析装置を提供することを
目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明に係る暗視野型光
熱変換分光分析装置は、ポンプ光が照射されて被測定物
に形成される熱レンズにプローブ光を入射させ、熱レン
ズから出力されるプローブ光に基づいて、被測定物の分
光分析を行う暗視野型光熱変換分光分析装置であって、
(1) ポンプ光を出力するポンプ用光源部と、(2) プロー
ブ光を出力するプローブ用光源部と、(3) ポンプ光とプ
ローブ光とを入力し、ポンプ光を被測定物の所定位置に
集光照射して熱レンズを形成するとともに、プローブ光
を所定位置に照射する照射光学系と、(4) 所定位置に熱
レンズが形成されていないときに被測定物から出力され
るポンプ光とプローブ光とを遮蔽する遮蔽手段を備え、
被測定物の所定位置から出力されるポンプ光とプローブ
光とを入力し、遮蔽手段によって遮蔽された光束以外の
光束を出力する受光光学系と、(5) 受光光学系から出力
された光束を検出する光検出器と、を備えることを特徴
とする。
【0015】この暗視野型光熱変換分光分析装置は以下
のように作用する。ポンプ用光源部から出力されたポン
プ光が照射光学系によって被測定物の所定位置に集光照
射され、その所定位置近傍に温度分布が生じ、この温度
分布に応じて屈折率分布が生じて熱レンズが形成され
る。プローブ用光源部から出力されたプローブ光も、熱
レンズが形成される所定位置に照射光学系によって照射
される。このプローブ光は、熱レンズの焦点距離とレン
ズ径に応じた拡がり角で発散され出力される。そして、
熱レンズで発散されたプローブ光は、受光光学系によっ
て、光軸付近の光束が遮蔽手段で遮蔽されるが、光軸か
ら一定距離以上離れた光束が遮蔽手段で遮蔽されること
なく光検出器に到達する。この光検出器で検出された光
束の光量は、被測定物に形成された熱レンズに応じたも
のであり、また、この熱レンズの光学特性は被測定物の
濃度に応じたものであるので、光検出器からの出力信号
に基づいて、被測定物の濃度が検出される。
【0016】ポンプ用光源部は、ポンプ光をパルス状に
変調して出力するポンプ光変調手段を備えることとして
もよく、この場合には、レンズ径の小さい熱レンズが形
成されるので、高い位置分解能が得られる。
【0017】照射光学系は、ポンプ光の光束径を調整
し、所定位置に熱レンズが形成されていないときに被測
定物から出力されるポンプ光の全光束を遮蔽手段に入射
させる光束径調整手段を備えることとしてもよい。この
場合、被測定物に熱レンズが形成されていないときに
は、ポンプ光の全光束は遮蔽手段に遮蔽されて光検出器
で検出されることはないので、高いS/N比が得られ
る。
【0018】照射光学系は、(a) ポンプ光およびプロー
ブ光を同一光軸上に合波する合波手段と、(b) 合波手段
とプローブ用光源部との間に設けられ、プローブ光を第
1の位置に集光する第1のレンズと、(c) 合波手段と被
測定物との間に設けられ、ポンプ光を所定位置に集光照
射するとともに、第1の位置に集光されたプローブ光を
平行光束として所定位置に照射する第2のレンズと、を
備えることとしてもよい。または、(a) ポンプ光および
プローブ光を同一光軸上に合波する合波手段と、(b) 合
波手段とポンプ用光源部との間に設けられ、ポンプ光を
被測定物に集光する集光レンズと、を備えることとして
もよい。何れの場合も、被測定物はポンプ光が集光照射
されて熱レンズが形成され、その熱レンズが形成される
領域にプローブ光が照射される。
【0019】被測定物に入射するポンプ光の光軸と垂直
な方向に被測定物を相対的に走査する被測定物走査手段
を更に備える場合には、被測定物の2次元濃度分布が測
定される。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して本発明
の実施の形態を詳細に説明する。尚、図面の説明におい
て同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省
略する。図1は、本実施形態に係る暗視野型光熱変換分
光分析装置の構成図である。
【0021】ポンプ用光源50は、ポンプ光Aを平行光
束として出力するものであり、例えばArレーザ光源が
用いられ、その出力は例えば100mW程度である。光
チョッパ(ポンプ光変調手段)52は、このポンプ用光
源50から出力されたポンプ光Aを入力して、例えば変
調周期1kHzの透過/遮断の変調を行う。なお、ポン
プ用光源50がパルス発振するものであれば、光チョッ
パ52は不要である。
【0022】光チョッパ52で変調されて出力されたポ
ンプ光Aは、ダイクロイックミラー(合波手段)54を
透過し、ピンホール板(光束径調整手段)56に到達す
る。このピンホール板56には開口部56aが設けられ
ており、ピンホール板56に到達したポンプ光Aのう
ち、この開口部56aに照射された光束部分のみを通過
させる。
【0023】開口部56aを通過したポンプ光Aは、レ
ンズ58に到達する。このレンズ58は、その焦点位置
に置かれた被測定物70にポンプ光Aを集光照射する。
この被測定物70は、透明なセル容器中に入れられ、あ
るいは、透明なスライドガラス上に滴下されたものであ
る。または、被測定物70が一定の形状を有するもので
あれば、そのまま置かれてもよい。
【0024】このように、被測定物70にポンプ光Aが
集光照射されると、その集光照射された位置を中心とし
て熱レンズが形成される。図2は、被測定物70に形成
される熱レンズの説明図である。被測定物70は、ポン
プ光Aが集光照射されると、その照射された位置の温度
が上昇する。しかし、温度上昇する領域はポンプ光Aが
集光照射された位置だけでなく、その熱が周囲に拡散す
るので、その周囲の領域も温度上昇する。その温度プロ
ファイルは、ポンプ光Aが集光照射された位置に近いほ
ど温度が高い。そして、被測定物70は、その温度分布
に応じて屈折率分布が生じる。一般には、温度が高いほ
ど屈折率が小さいので、ポンプ光Aが集光照射された位
置に近いほど屈折率が小さくなる。すなわち、ポンプ光
Aが集光照射された位置を中心として熱レンズ72が形
成されることになる。
【0025】このようにして形成される熱レンズ72の
焦点距離およびレンズ径は、ポンプ光Aの強度、ポンプ
光Aが照射される位置におけるポンプ光Aの光吸収係数
と熱拡散係数、および、ポンプ光Aが照射された時刻か
らの経過時間に依存する。すなわち、ポンプ光Aの強度
が大きいほど、ポンプ光Aが照射される位置におけるポ
ンプ光Aの光吸収係数が大きいほど、また、熱拡散係数
が小さいほど、温度勾配すなわち屈折率勾配が大きくな
るので、焦点距離が短くなる。しかし、ポンプ光Aの照
射時刻から時間が経過するとともに、熱が拡散して温度
勾配が小さくなるので、焦点距離は次第に長くなり、ま
た、レンズ径は大きくなる。
【0026】ポンプ光Aは、このように被測定物70に
形成された熱レンズ72の中心近傍を透過することにな
るので、殆ど入射方向そのままの方向に出射する。すな
わち、熱レンズ72からのポンプ光Aの出射方向は、熱
レンズ72の焦点距離に殆ど依存することがなく、ま
た、熱レンズ72の形成の有無に殆ど関係がない。ただ
し、ポンプ光Aは、熱レンズ72の中心に集光照射され
るといえども有限の光束径を有するので、熱レンズ72
によって僅かに拡がって出射される。
【0027】被測定物70を透過したポンプ光Aは、レ
ンズ80で集光されて、遮蔽板(遮蔽手段)82の遮蔽
領域82aに到達する。この遮蔽板82は、中央に例え
ば金属材料やセラミック材料などの光束を全く透過させ
ない材料からなる遮蔽領域82aと、その周囲に例えば
ガラス材料などの光束を透過させる材料からなる透過領
域82bとからなるものである。ポンプ光Aは、遮蔽板
82の遮蔽領域82aで遮蔽され、これより更に先に進
むことはなく、光検出器86に到達することはない。な
お、僅かに熱レンズ72によって拡がって出射されたポ
ンプ光Aの一部は、遮蔽板82の透過領域82bを透過
するが、ポンプ光吸収フィルタ84により吸収されるの
で、やはり、光検出器86に到達することはない。
【0028】一方、プローブ用光源60は、プローブ光
Bを平行光束として出力するものであり、例えばHe−
Neレーザ光源が用いられ、その出力は例えば5mW程
度である。このプローブ用光源60から出力されたプロ
ーブ光Bは、レンズ62を経て、ダイクロイックミラー
54で反射され所定位置に集光される。このダイクロイ
ックミラー54は、前述したようにポンプ光Aを透過さ
せ、かつ、プローブ光Bを反射させ、そして、両者を同
一光軸上に出力するものである。
【0029】このプローブ光Bは、ピンホール板56の
開口部56aを通過し、レンズ58に到達する。このレ
ンズ58とレンズ62とは、両者の焦点距離の和に等し
い光路長を隔てられて配置されている。したがって、プ
ローブ光Bは、レンズ58から平行光束として出力され
る。そして、平行光束とされたプローブ光Bは、図2に
示すように、ポンプ光Aが集光照射されて被測定物70
に形成される熱レンズ72の領域に入力される。なお、
プローブ光Bは、熱レンズ72のレンズ径よりも大きな
光束径の平行光束に形成され、熱レンズ72が形成され
る領域の全体に照射されると、光軸を調整する上で好適
である。
【0030】このようにプローブ光Bが被測定物70に
照射されると、被測定物70にポンプ光Aが集光照射さ
れて熱レンズ72が形成されている時と、そうでない時
とでは、被測定物70から出力されるプローブ光Bの拡
がり角は異なる。すなわち、被測定物70にポンプ光A
が集光照射されてから一定時間経過した以後すなわち熱
レンズ72が形成されていない時には、被測定物70か
ら出力されたプローブ光B1は、平行光束のままであ
る。そして、レンズ80は、このプローブ光B1を入力
して遮蔽板82に照射する。この遮蔽板82の遮蔽領域
82aは、プローブ光B1の照射領域より広く形成され
ている。したがって、熱レンズ72が形成されていない
ときには、プローブ光B1は、光検出器86で検出され
ることはない。
【0031】しかし、被測定物70にポンプ光Aが集光
照射されて熱レンズ72が形成されている時には、被測
定物70から出力されたプローブ光B2は、熱レンズ7
2の焦点距離に応じた拡がり角で発散されて出力され
る。したがって、この場合、プローブ光B2は、遮蔽板
82の遮蔽領域82aで一部が遮蔽されるものの、残部
が透過領域82bを透過し、さらにポンプ光吸収フィル
タ84をも透過し、光検出器86で検出される。
【0032】ここで、光検出器86で検出されるプロー
ブ光B2の光量は、被測定物70に形成された熱レンズ
72の焦点距離すなわち被測定物70の濃度に依存する
ものであるので、光検出器86が受光した光量に基づい
て、被測定物70の濃度を測定することができる。
【0033】次に、本実施形態に係る暗視野型光熱変換
分光分析装置の作用について説明する。図3は、本実施
形態に係る暗視野型光熱変換分光分析装置におけるポン
プ光およびプローブ光それぞれについての光量変化図で
ある。
【0034】ポンプ用光源50から出力され光チョッパ
52で変調を受けて出力されたポンプ光Aの強度の時間
変化は、図3(a)に示すようにパルス状になる。この
パルス状とされたポンプ光Aは、ダイクロイックミラー
54を透過し、ピンホール板56の開口部を通過して所
定の光束径とされ、レンズ58によって被測定物70に
集光照射される。
【0035】そして、ポンプ光Aが被測定物40に照射
されている間は、被測定物70で熱レンズ72が成長
し、次第に或る熱平衡状態に近づく。この間、熱レンズ
72に入射したポンプ光Aは、僅かではあるが、熱レン
ズ72の成長に従って次第に拡がって出射される。しか
し、ポンプ光Aの照射が終わると、熱レンズ72は次第
に解消されていくので、熱レンズ72から出力されるプ
ローブ光Aの拡がり角は次第に小さくなる。
【0036】したがって、遮蔽板82の透過領域82b
に入射して透過するポンプ光Aの強度は、ポンプ光Aの
照射開始時刻から時間の経過に伴って次第に増加し、ポ
ンプ光Aの照射終了時刻から時間の経過に伴って次第に
減少していく。図3(b)は、この遮蔽板82を透過し
たポンプ光Aの強度の時間変化を示したものである。し
かし、遮蔽板82を透過するポンプ光Aは、前述したと
おり熱レンズ72の中心近傍を通過したものであるので
強度が弱い上に、ポンプ光吸収フィルタ84で吸収され
るので、光検出器86に到達することはない。
【0037】一方、プローブ用光源60から出力された
プローブ光Bは、レンズ62で一度集光され、ダイクロ
イックミラー54で反射され、レンズ58で平行光束と
されて、被測定物70の熱レンズ72が形成される領域
に照射される。プローブ光Bも、ポンプ光Aと同様に、
熱レンズ72の成長と解消に伴って、熱レンズ72から
出力されるときの拡がり角が変化し、遮蔽板82の透過
領域82bを透過するプローブ光Bの光量は変化する。
【0038】すなわち、遮蔽板82の透過領域82bに
入射して透過するプローブ光Bの強度は、ポンプ光Aの
照射開始時刻から時間の経過に伴って次第に増加し、ポ
ンプ光Aの照射終了時刻から時間の経過に伴って次第に
減少していく。図3(c)は、この遮蔽板82を透過し
たプローブ光Bの強度の時間変化を示したものである。
この遮蔽板82を透過したプローブ光Bは、ポンプ光吸
収フィルタ84を透過して、光検出器86で検出され
る。
【0039】したがって、光検出器86からの出力信号
を例えばオシロスコープ(図示せず)で観察すれば、図
3(c)に示すような波形が得られ、その波形の振幅か
ら被測定物70の濃度を測定することができる。あるい
は、光検出器86からの出力信号を平滑化回路(図示せ
ず)によって平滑化し、その平滑化された信号のレベル
から被測定物70の濃度を測定することができる。
【0040】このように、光検出器86によって検出さ
れる光量変化の周期は、パルス状のポンプ光Aが被測定
物70に照射されて形成される熱レンズ72の成長と解
消の周期、すなわち、光チョッパ52によるポンプ光A
の変調周期と同一である。また、光検出器86によって
検出される光量の振幅は、被測定物70に照射されるポ
ンプ光Aの強度、熱レンズ72が形成される領域に照射
されるプローブ光Bの強度、および、ポンプ光Aが照射
される被測定物70の位置における光吸収係数と熱拡散
係数とに依存する。ここで、ポンプ用光源50およびプ
ローブ用光源60それぞれの出力強度を一定とすれば、
光検出器86で検出される光量は、ポンプ光Aが照射さ
れる被測定物70の位置における光吸収係数と熱拡散係
数、すなわち、被測定物70の濃度に依存する。
【0041】また、ポンプ光Aの光軸に対して垂直な方
向に被測定物70を相対的に2次元走査する被測定物走
査手段(図示せず)を設けることにより、被測定物70
の2次元濃度分布を得ることができる。
【0042】なお、被測定物70の位置分解能は、ポン
プ光Aが被測定物70に集光照射されて形成される熱レ
ンズ72の径の程度である。したがって、被測定物70
がポンプ光Aの光軸方向に関して薄いほど、また、レン
ズ58の収差が小さく被測定物70に照射されるポンプ
光Aが回折限界まで絞られるほど、ポンプ光Aが照射さ
れる領域の面積が小さいので、位置分解能に優れた測定
が可能となる。さらに、被測定物70に集光照射される
ポンプ光Aのパルス幅が短く、また、強度が大きいほ
ど、熱拡散による熱レンズ径の拡大が小さいので、この
場合も測定の位置分解能が優れる。
【0043】本発明は、上記実施形態に限定されるもの
ではなく種々の変形が可能である。例えば、光チョッパ
52は必ずしも必要ではない。上述の実施形態において
は、光チョッパ52を用いてポンプ光Aをパルス状に被
測定物70に照射したので、被測定物70は熱平衡状態
に達することがなく、したがって、径の小さい熱レンズ
72を形成することができ、位置分解能の高い測定が可
能である。しかし、光チョッパ52を用いることなくポ
ンプ光Aを連続光として被測定物70に照射して、被測
定物70が熱平衡に達した状態であっても、ポンプ光A
照射位置近傍には熱レンズが形成される。そして、その
熱レンズの焦点距離とレンズ径は、熱レンズが形成され
た領域における被測定物70の濃度に応じたものであ
る。したがって、同様に、プローブ光Bをこの熱レンズ
に入射させ、熱レンズで発散されたプローブ光Bの光量
を検出することにより、被測定物70の濃度を測定する
ことができる。
【0044】また、ポンプ光吸収フィルタ84も必ずし
も必要ではない。なぜなら、被測定物70に形成された
熱レンズ72によってポンプ光Aも発散されるが、その
発散の程度、すなわち、熱レンズ72に入射したポンプ
光Aのうち発散された光束の光量も、被測定物70の濃
度に応じたものであるからである。
【0045】また、レンズ62および58を設ける替わ
りに、ポンプ用光源50とダイクロイックミラー54と
の間にレンズを設けて、このレンズによってポンプ光A
を被測定物70に集光照射してもよい。この場合も同様
に、ポンプ光Aは被測定物70上に集光照射され、プロ
ーブ光Bは平行光束として被測定物70に形成された熱
レンズ72に入射し、以降は同様の作用が得られる。
【0046】また、被測定物70に入射するポンプ光A
とプローブ光Bとは必ずしも同一光軸でなくてもよい。
要は、ポンプ光Aが集光照射されて被測定物70に形成
された熱レンズ72にプローブ光Bを入射させ、熱レン
ズ72によって発散されたプローブ光Bの光量を測定す
ることである。
【0047】また、遮蔽板の形状や配置は、図1に示す
ものに限られるものではなく、例えば、光軸に対して傾
斜して配置してもよく、この傾斜配置した遮蔽板の遮蔽
領域に入射した光をビームダンパに導いてもよい。
【0048】また、被測定物が、温度が高いほど屈折率
が大きくなる場合には、ポンプ光照射によって形成され
る熱レンズは凸レンズとなるが、この場合であっても、
本発明は適用可能である。すなわち、例えば、熱レンズ
で一度集光された後にその集光点から発散するプローブ
光を、上述の本実施形態と同様の光学系で検出すればよ
い。
【0049】
【発明の効果】以上、詳細に説明したとおり本発明によ
れば、ポンプ用光源から出力されたポンプ光が被測定物
の所定位置に集光照射され、その所定位置近傍に温度分
布が生じ、この温度分布に応じて屈折率分布が生じて熱
レンズが形成される。プローブ用光源から出力されたプ
ローブ光も、熱レンズが形成される所定位置に照射され
る。このプローブ光は、熱レンズの焦点距離とレンズ径
に応じた拡がり角で発散され出力される。そして、熱レ
ンズで発散されたプローブ光のうち、光軸付近の光束は
遮蔽手段で遮蔽されるが、光軸から一定距離以上離れた
光束は遮蔽手段で遮蔽されることなく光検出器で検出さ
れる。この光検出器で検出された光束の光量は、被測定
物に形成された熱レンズに応じたものであり、また、こ
の熱レンズの光学特性は被測定物の濃度に応じたもので
あるので、光検出器からの出力信号に基づいて、被測定
物の濃度が検出される。
【0050】このような構成として、光検出器は、ポン
プ光およびプローブ光の光軸近傍の光束を検出すること
なく、プローブ光が熱レンズで発散された光束のみを検
出するので、ロックインアンプを用いることなく、簡便
な装置構成で感度とS/N比の高い測定が可能となる。
【0051】また、ポンプ光がパルス状に被測定物に集
光照射されると、レンズ径の小さい熱レンズが形成され
るので、位置分解能の高い測定が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る暗視野型光熱変換分光分析装置の
構成図である。
【図2】本発明に係る暗視野型光熱変換分光分析装置に
おいて被測定物に形成される凹レンズの説明図である。
【図3】本発明に係る暗視野型光熱変換分光分析装置に
おけるポンプ光およびプローブ光それぞれについての光
量変化図である。
【図4】従来の光熱変換分光分析装置の構成図である。
【符号の説明】
50…ポンプ用光源、52…光チョッパ、54…ダイク
ロイックミラー、56…ピンホール板、56a…開口
部、58…レンズ、60…プローブ光源、62…レン
ズ、70…被測定物、72…熱レンズ、80…レンズ、
82…遮蔽板、82a…遮蔽領域、82b…透過領域、
84…ポンプ光吸収フィルタ、86…光検出器、A…ポ
ンプ光、B,B1,B2…プローブ光。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポンプ光が照射されて被測定物に形成さ
    れる熱レンズにプローブ光を入射させ、前記熱レンズか
    ら出力される前記プローブ光に基づいて、前記被測定物
    の分光分析を行う暗視野型光熱変換分光分析装置であっ
    て、 前記ポンプ光を出力するポンプ用光源部と、 前記プローブ光を出力するプローブ用光源部と、 前記ポンプ光と前記プローブ光とを入力し、前記ポンプ
    光を前記被測定物の所定位置に集光照射して前記熱レン
    ズを形成するとともに、前記プローブ光を前記所定位置
    に照射する照射光学系と、 前記所定位置に前記熱レンズが形成されていないときに
    前記被測定物から出力される前記ポンプ光と前記プロー
    ブ光とを遮蔽する遮蔽手段を備え、前記被測定物の前記
    所定位置から出力される前記ポンプ光と前記プローブ光
    とを入力し、前記遮蔽手段によって遮蔽された光束以外
    の光束を出力する受光光学系と、 前記受光光学系から出力された光束を検出する光検出器
    と、 を備えることを特徴とする暗視野型光熱変換分光分析装
    置。
  2. 【請求項2】 前記ポンプ用光源部は、前記ポンプ光を
    パルス状に変調して出力するポンプ光変調手段を備え
    る、ことを特徴とする請求項1記載の暗視野型光熱変換
    分光分析装置。
  3. 【請求項3】 前記照射光学系は、前記ポンプ光の光束
    径を調整し、前記所定位置に前記熱レンズが形成されて
    いないときに前記被測定物から出力される前記ポンプ光
    の全光束を前記遮蔽手段に入射させる光束径調整手段を
    備える、ことを特徴とする請求項1記載の暗視野型光熱
    変換分光分析装置。
  4. 【請求項4】 前記照射光学系は、 前記ポンプ光および前記プローブ光を同一光軸上に合波
    する合波手段と、 前記合波手段と前記プローブ用光源部との間に設けら
    れ、前記プローブ光を第1の位置に集光する第1のレン
    ズと、 前記合波手段と前記被測定物との間に設けられ、前記ポ
    ンプ光を前記所定位置に集光照射するとともに、前記第
    1の位置に集光された前記プローブ光を平行光束として
    前記所定位置に照射する第2のレンズと、 を備えることを特徴とする請求項1記載の暗視野型光熱
    変換分光分析装置。
  5. 【請求項5】 前記照射光学系は、 前記ポンプ光および前記プローブ光を同一光軸上に合波
    する合波手段と、 前記合波手段と前記ポンプ用光源部との間に設けられ、
    前記ポンプ光を前記被測定物に集光する集光レンズと、 を備えることを特徴とする請求項1記載の暗視野型光熱
    変換分光分析装置。
  6. 【請求項6】 前記被測定物に入射する前記ポンプ光の
    光軸と垂直な方向に前記被測定物を相対的に走査する被
    測定物走査手段を更に備えることを特徴とする請求項1
    記載の暗視野型光熱変換分光分析装置。
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