JPH09232971A - ビタビ復号方法及びビタビ復号回路 - Google Patents

ビタビ復号方法及びビタビ復号回路

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JPH09232971A JP8036294A JP3629496A JPH09232971A JP H09232971 A JPH09232971 A JP H09232971A JP 8036294 A JP8036294 A JP 8036294A JP 3629496 A JP3629496 A JP 3629496A JP H09232971 A JPH09232971 A JP H09232971A
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純 岩田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 処理時間を徒に長くしたり、構成を徒に複雑
にしたりすることなく、巡回入力畳み込み符号でなる受
信信号に対する最終的に出力された復号信号の精度(誤
り率)を向上させる。 【解決手段】 本発明では、ある状態を開始状態とした
パストレースによって得られた復号信号にエラーがあ
り、そのパストレースでの最終的な到達状態とその開始
状態とが異なるときに、最終的な到達状態を開始状態と
したパストレースを再度実行する。そして、この実行に
よる復号信号をも候補として最終的に出力する復号信号
を決定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、畳み込み符号をビ
タビアルゴリズムを用いて復号するビタビ復号回路及び
ビタビ復号方法に関し、例えば、移動通信システムや衛
星通信システム等で適用されているデジタル通信(TD
MA、CDMA)方式に従う受信装置に適用し得るもの
である。
【0002】
【従来の技術】移動通信システムや衛星通信システム等
のデジタル通信システム(TDMA、CDMA)や、デ
ィスク装置等の中には、データを正しく再生させるため
の誤り訂正符号として畳み込み符号を用いたものが多
く、この畳み込み符号の復号方式としてはビタビ復号方
式が利用されることが多い。
【0003】従来のビタビ復号方式を説明する前に、図
2を用いて、符号側の構成である畳み込み符号回路の一
例を説明する。図2に示す畳み込み符号回路は、符号化
レートr=1/2、拘束長k=3、2個の生成多項式が
それぞれ「111」(すなわちx2 +x+1)及び「1
01」(x2 +1)の場合を示している。
【0004】図2(A)は、畳み込み符号回路の構成を
示すブロック図である。畳み込み符号回路は、入力ビッ
トUを順次シフトさせる縦続接続された2個の1ビット
バッファメモリ(その保持値をそれぞれBF1、BF0
で表す)11、12と、入力ビットUとバッファメモリ
12の出力BF0とのモジュロ2の加算処理(イクスク
ルーシブオア処理)を行なう加算器14と、入力ビット
Uと両バッファメモリ11、12の出力BF1、BF0
とのモジュロ2の加算処理(イクスクルーシブオア処
理)を行なう加算器13とからなる。
【0005】かくして、加算器13からは、入力ビット
Uの系列(BF0、BF1、U)に対して、生成多項式
「111」の畳み込み演算を行なった結果の出力ビット
X0が得られ、加算器14からは、入力ビットUの系列
(BF0、BF1、U)に対して、生成多項式「10
1」の畳み込み演算を行なった結果の出力ビットX1が
得られる。
【0006】図2(B)に、この畳み込み符号回路の生
成規則を状態遷移図化したトレリス図を示す。縦方向は
バッファメモリ11及び12の内容BF1、BF0の組
(状態)を示し、この例では22 =4の状態(一般に
は、バッファメモリ数がk個であれば2k-1 の状態)が
生じる。各状態には状態番号が与えられており、以下で
は状態0〜状態3と状態を状態番号で呼ぶこととする。
【0007】図2(A)より明らかなように、時刻tの
状態s(実際上1個の状態である)において、U=0が
入力された場合は、実線に沿って次の時刻t+1の状態
に移り、この実線上の2ビット信号X0、X1が符号回
路から出力される。また、時刻tの状態sにおいてにU
=1が入力された場合は、点線に沿って次の時刻t+1
の状態に移り、この点線上の2ビット信号X0、X1が
符号回路から出力される。
【0008】図3は、初期時刻(t=0)で状態が状態
0である状況から、「0101100」という入力ビッ
ト列が入力されたときの符号回路の内部状態(BF1、
BF0)と符号回路からの出力ビットX0、X1とを示
す状態遷移図である。すなわち、符号回路における状態
遷移は、初期時刻での状態(初期状態)と入力ビット列
とで定まるパス上で変化する。従って、復号回路におい
て、最も確からしいパスを決定することにより、入力ビ
ット列を再生することができる。
【0009】ところで、以上のように複数の1ビットバ
ッファメモリを用いた畳み込み符号回路においては、出
力ビットを送出し始めるための符号回路の内部初期状態
(各バッファメモリの内容)を定められていることが多
い。
【0010】例えば、北米におけるTDMA方式を採用
しているデジタル移動通信システムにおいて、音声信号
の伝送では、5ビットあるバッファメモリの全てを
「0」とした状態を初期状態としており、また、FAC
CH信号と呼ばれる制御信号の伝送では、図4に示すよ
うに、送信しようとする入力ビット列U[0]〜U[n
−1]のバッファメモリ数(5)に等しい先頭側の入力
ビット列U[0]〜U[4]が5ビットのバッファメモ
リにセットされた状態を初期状態としている。後者の場
合は、この初期状態から、入力ビット列U[5]〜U
[n−1]を順次符号回路に入力させ、その後、先頭側
の入力ビット列U[0]〜U[4]も再度符号回路に入
力させ、これらの入力ビット列U[5]〜U[n−
1]、U[0]〜U[4]の各ビットが符号回路に入力
される毎に出力ビットを送出するようになされている。
【0011】なお、このように入力ビット列を巡回的に
使用する畳み込み符号は、巡回入力畳み込み符号と呼ば
れている。
【0012】上述した図3に示した状態遷移図は、初期
時刻と最終時刻との状態が等しいので、見方を変えれ
ば、入力ビット列「0001011」から巡回入力畳み
込み符号(出力ビット列)を生成する際の状態遷移図に
もなっている。
【0013】上述のような畳み込み符号に対する最尤復
号法としては、ビタビ復号方式(ビタビ復号アルゴリズ
ム)がよく知られている。ビタビ復号方式は、基本的に
は、トレリス図上で取り得るビット列と受信ビット列
(上述したX0、X1に対応する)とを照合し、復号時
に最も誤りの少ないパス(最尤パス)を選択することで
送信符号を推定するアルゴリズムである。
【0014】以下、ビタビ復号方式を適用した従来のビ
タビ復号回路における処理の流れを、図5のフローチャ
ートを参照しながら簡単に説明する。
【0015】パスの選択を行なうときには、メトリック
と呼ばれる基準値の比較を行なう。メトリックには、各
時刻の各状態で受信ビットに対応して計算された枝メト
リックと、この枝メトリックの累積であるパスメトリッ
クとがあり、各時刻においてある状態に達するパスのう
ち、より尤度(確からしさ)の大きいパスを選択し、そ
のパスのパスメトリック値がその状態の新たなパスメト
リック値として更新される。
【0016】この各時刻でのパスの選択、パスメトリッ
ク値の更新等の処理はACS(Add-Compare-Select;加
算−比較−選択)演算処理と呼ばれ、このACS演算処
理毎に、各状態について、その状態に達するどのパスを
選択したかという情報(パス選択信号)がパスメモリに
記憶される(ステップ201、202)。
【0017】ある定められた復号サイクル分の受信ビッ
ト列(多くの場合、全ての受信ビットれ)に対して、上
記ACS演算処理の繰返し実行が終了すると、その時点
で最も尤度が大きいパスメトリック値を保持する状態
(以下、最尤状態と呼ぶ)が選択される(ステップ20
3)。そして、この最尤状態を開始状態とし、パスメモ
リに記憶されたパス選択信号に基き、パスのトレースバ
ックが行なわれ、トレースされていく状態から復号ビッ
トが算出される(ステップ204)。全ての復号ビット
の算出が終了すると、復号ビット列のエラーチェックを
行ない、エラーの有無の判定を実行する(ステップ20
5)。そして最後に、エラー判定結果に基いて、出力ビ
ット列として、得られた復号ビット列を使用するか、使
用しないか等が決定される(ステップ206)。
【0018】なお、畳み込み符号回路への入力ビット列
は、一般には、送信データ本体に、この送信データ本体
から作成されたエラーチェックビット(列)が付加され
たものとなされており、復号回路において、上述したよ
うにエラーチェックを行なうことができる。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、パス
トレースバックは、開始状態である最尤状態が決定され
ると、あとはパスメモリに格納されている情報に従って
一意的に実行される。そのため、トレースバックによっ
て得られた復号ビット列にエラーがあると判定された場
合、パストレースバックの開始時点の最尤状態の選択が
正しくないことが、そのエラーの原因になっていること
がある。
【0020】最尤状態が誤っている場合において、最尤
状態以外の尤度が低い状態を開始状態としてパストレー
スバックをするとエラーのない出力ビット列が得られる
ことがある。しかし、復号ビット列のエラー原因を、最
尤状態の選択誤りか、その他の原因かを切り分けること
は困難である。このような切分けが困難な状況におい
て、正しい復号ビット列を得ようとすると、正しい復号
ビット列を得られるまで、開始状態を変更しながらパス
トレースバックを繰返し実行することが考えられる。し
かし、このようにすると、正しい復号ビット列が得られ
るまでの時間が長くかかってしまう。特に、状態数が多
い場合にはこの時間の長期化は著しい。
【0021】これを避けようとすると、パストレースバ
ックの実行構成を複数設けて、複数の状態からのパスト
レースバックを並列して実行することが考えられる。し
かし、このようにすると、回路が複雑、大型のものとな
ってしまう。
【0022】畳み込み符号回路における初期状態が入力
ビット列によって変化する巡回入力畳み込み符号の場合
には、初期状態が固定の場合より、最尤状態からのパス
トレースバックで得られた復号ビット列に対してエラー
という判定結果が得られることが多く、上述した課題は
特に問題となっている。
【0023】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、第1の本発明においては、巡回入力畳み込み符号で
なる送信信号を受信し、受信信号に応じて、ACS演算
処理を繰返し実行して各時刻でのパス選択情報をパスメ
モリに格納し、ACS演算処理の完了時に、パスメモリ
に格納されている情報に基いてパストレースを実行して
復号信号を得るビタビ復号方法において、ある状態から
のパストレースによって得られた復号信号にエラーがあ
り、そのパストレースでの最終的な到達状態とその開始
時の状態とが異なる場合に、最終的な到達状態を開始状
態としたパストレースを実行し、この実行による復号信
号をも候補として最終的に出力する復号信号を決定する
ことを特徴とする。
【0024】また、第2の本発明においては、巡回入力
畳み込み符号でなる送信信号を受信し、ACS演算手段
が、受信信号に応じて、ACS演算処理を繰返し実行し
て各時刻でのパス選択情報をパスメモリに格納し、AC
S演算処理の完了時に、パストレース制御手段が、パス
メモリに格納されている情報に基いてパストレースを実
行して復号信号を得るビタビ復号回路において、(1) あ
る状態からのパストレースによって得られた復号信号に
エラーがあるかをチェックするエラーチェック手段と、
(2) そのパストレースでの最終的な到達状態とその開始
時の状態とが異なるか否かを判定する状態一致判定手段
とを備え、(3) エラーチェック手段が、ある状態からの
パストレースによって得られた復号信号にエラーがある
ことを検出し、かつ、状態一致判定手段が、そのパスト
レースでの最終的な到達状態とその開始時の状態とが異
なることを検出したとき、パストレース制御手段が、最
終的な到達状態を開始状態としたパストレースを実行
し、この実行による復号信号をも候補として最終的に出
力する復号信号を決定することを特徴とする。
【0025】第1及び第2の本発明においては、ある状
態からのパストレースによって得られた復号信号にエラ
ーがあり、そのパストレースでの最終的な到達状態とそ
の開始時の状態とが異なるときに、最終的な到達状態を
開始状態としたパストレースを実行し、この実行による
復号信号をも候補として最終的に出力する復号信号を決
定するようにしたので、処理時間を徒に長くしたり、構
成を徒に複雑にしたりすることなく、最終的に出力され
た復号信号の精度(誤り率)を向上させることができ
る。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明によるビタビ復号方
法及び復号回路の実施形態を図面を参照しながら詳述す
る。なお、この実施形態は、巡回入力畳み込み符号を復
号するものである。
【0027】この実施形態のビタビ復号回路は、ハード
ウェアだけでなく、ソフトウェアやファームウェアによ
って実現可能であるが、機能ブロック図で示すと、図6
に示す通りである。
【0028】図6において、この実施形態のビタビ復号
回路は、受信ビット列の単位入力毎に処理を行なう構成
部分と、全ての受信ビット列に対する処理の終了後に復
号ビット列を再生する構成部分とからなっている。前者
は、枝メトリック演算部21、パスメトリックメモリ2
2、加算器23、比較器24、選択器25及びパスメモ
リ26が該当し、後者は、パスメモリ26、パストレー
スバック制御部27、第1の復号ビットレジスタ28、
トレース到達状態レジスタ29、エラーチェック部30
及び第2の復号ビットレジスタ31が該当するものであ
る。なお、加算器23、比較器24及び選択器25は、
ACS部20を構成している。
【0029】枝メトリック演算部21には、処理時刻毎
に、受信ビット列の1時刻での処理単位分のビット数が
入力される。例えば、上述した図3に示す符号回路に対
応するものであれば、各時刻毎に2ビット(X0、X1
に対応)の受信ビットが入力される。枝メトリック演算
部21は、現時刻の受信ビットの内容に基いて、枝メト
リック値を計算して加算器23に与える。
【0030】パスメトリックメモリ22は、各状態につ
いて、現時刻までのパスメトリック値を格納している。
【0031】加算器23は、パスメトリックメモリ22
から読出した各状態についての現時刻までのパスメトリ
ック値に、枝メトリック演算部21から与えられた枝メ
トリック値を加算して、次の時刻の各状態に至るパスの
メトリック値を求めて比較器24及び選択器25に与え
る。図2(B)に一例を示したように、現時刻のある状
態までのパスが1通りであっても、次の時刻のある状態
までのパスは複数形成され、加算器23からのパスメト
リック値も各状態について複数出力される。
【0032】比較器24は、各状態について、複数のパ
スメトリック値を大小比較し、最も尤度が高いパスの選
択信号を選択器25に出力すると共に、そのパス選択信
号をパスメモリ26に格納させる。
【0033】選択器25は、各状態について、加算器2
3から与えられたそれぞれ複数のパスメトリック値の中
から、比較器24からのパス選択信号に応じて、尤度が
最大なものを選択し、その選択した各状態のパスメトリ
ック値をパスメトリックメモリ22に与えてメモリ内容
を更新させる。
【0034】パスメモリ26には、上述したように、各
時刻でのパス選択信号が格納される。このパスメモリ2
6に、全ての時刻のパス選択信号が格納されたとき、言
い換えると、受信ビット列の全てに対するACS部20
の処理が終了したとき、パストレースバック制御部27
の処理が起動される。
【0035】パストレースバック制御部27は、処理が
起動されたとき、パスメトリックメモリ22に格納され
ている各状態でのパスメトリック値に基き、尤度が最も
高い状態(最尤状態)を認識し、その最尤状態を開始状
態として、パスメモリ26の格納内容に基き、パストレ
ースバックを実行するものである。
【0036】なお、パストレースバックの具体的方法に
ついては、例えば特開平8−8762号公報に詳述され
ている。
【0037】第1の復号ビットレジスタ28は、このと
きのパストレースバックによって、得られた復号ビット
列を格納するものであり、トレース到達状態レジスタ2
9は、パストレースバックが終了したときに到達した状
態(符号回路でのバッファメモリの初期状態に対応す
る)を格納するものである。
【0038】エラーチェック部30は、第1の復号ビッ
トレジスタ28に格納された復号ビット列、又は、後述
する第2の復号ビットレジスタ31に格納された復号ビ
ット列に対するエラーチェックを実行し、チェック結果
をパストレースバック制御部27に与えるものである。
なお、この実施形態も、符号回路への入力ビット列に、
送信したいビット列だけでなくエラービット列部分が存
在することを前提としている。
【0039】上述したパストレースバック制御部27は
また、エラーチェック部30から、第1の復号ビットレ
ジスタ28に格納された復号ビット列にエラーがあると
いうチェック結果が与えられたときには、最尤状態とト
レース到達状態レジスタ29内の格納状態とを比較し、
これら状態が不一致のときには、トレース到達状態レジ
スタ29内の格納状態を開始状態として、パスメモリ2
6の格納内容に基き、パストレースバックを実行するも
のである。
【0040】第2の復号ビットレジスタ31は、このと
きのパストレースバックによって、得られた復号ビット
列を格納するものである。
【0041】上述したパストレースバック制御部27
は、エラーチェック部30から、第1の復号ビットレジ
スタ28に格納された復号ビット列にエラーがないとい
うチェック結果が与えられたとき、エラーがあるという
チェック結果は与えられたが最尤状態とトレース到達状
態レジスタ29内の格納状態とが一致したとき、又は、
エラーチェック部30から、第2の復号ビットレジスタ
31に格納された復号ビット列に対するエラーチェック
結果が与えられたときには、エラーチェック結果や復号
ビット列に基いて出力ビット列(ない場合を含む)を決
定して次段の処理回路に出力するものである。
【0042】次に、以上のような各機能部21〜31か
らなるビタビ復号回路の動作、すなわち、実施形態のビ
タビ復号方法の処理を、図1のフローチャートを参照し
ながら詳述する。
【0043】ACS演算処理を繰返し実行し、各時刻で
のパスの選択やパスメトリックの更新を行ない、このA
CS演算処理毎に、各状態について、その状態に達する
どのパスを選択したかという情報(パス選択信号)をパ
スメモリ26に記憶する(ステップ101、102)。
【0044】全ての受信ビット列に対して、上記ACS
演算処理の繰返し実行が終了すると、その時点で最も尤
度が大きいパスメトリックを保持する最尤状態Ssを認
識する(ステップ103)。そして、この最尤状態Ss
を開始状態とし、パスメモリ26に記憶されたパス選択
信号に基き、パスのトレースバックを行ない、トレース
される各時刻の状態から復号ビットを算出し、復号ビッ
ト列Aを得る(ステップ104)。また、トレースバッ
クが終了したときに到達した状態Srを認識する(ステ
ップ105)。その後、復号ビット列Aのエラーチェッ
クを行ない、エラーの有無の判定を実行する(ステップ
106、107)。
【0045】この判定により、復号ビット列Aにエラー
が存在するという結果が得られると、最尤状態Ssとト
レースバックで到達した状態Srとを比較する(ステッ
プ108)。両状態Ss及びSrが一致すれば、後述す
るステップ111に進む。一方、両状態Ss及びSrが
不一致であれば、状態Srを開始状態とし、パスメモリ
26に記憶されたパス選択信号に基き、パスのトレース
バックを行ない、トレースされる各時刻の状態から復号
ビットを算出し、復号ビット列Bを得(ステップ10
9)、その後、復号ビット列Bのエラーチェックを行な
い、エラーの有無の判定を実行する(ステップ11
0)。
【0046】ステップ107の判定の結果が復号ビット
列Aにエラーがないという結果のとき、ステップ108
の判定の結果が最尤状態Ssとトレース最終到達状態S
rとが一致したという結果のとき、又は、復号ビット列
Bに対するエラーチェックが終了したときには、出力ビ
ット列として、得られた復号ビット列A又はBを使用す
るか、使用しないかや、得られた復号ビット列A又はB
をエラー訂正して使用するか等を決定し、出力ビット列
を送出する(ステップ111)。例えば、復号ビット列
Aにエラーがないときにはこの復号ビット列Aを出力ビ
ット列とし、復号ビット列Aにエラーがあり、復号ビッ
ト列Bにエラーがないときにはこの復号ビット列Bを出
力ビット列とし、復号ビット列A及びBに共にエラーが
あるときには所定ルールに従って出力ビット列を決定す
る。
【0047】図7は、パストレースバックの具体例を説
明するための状態遷移図であり、上述の図3に示した符
号回路での状態遷移図に対応するものである。
【0048】今、最終時刻の状態である最尤状態とし
て、正しくない状態2が選択されたとする。この状態2
からパストレースバックを開始すると、まず、復号ビッ
トとして「1」が得られる。図2(A)について説明し
たように、状態を(BF1、BF0)で定めているの
で、その状態を規定する2ビット中の上位ビット(バッ
ファメモリ11に格納されているビット)はその時刻で
の入力ビットになっている。そのため、状態2(10)
からのトレースバックで復号ビット「1」が得られる。
復号ビット(入力ビット)が「1」であって状態2に遷
移するので、前の時刻t=6での状態は状態1(01)
である。従って、次の復号ビットとして、状態を規定す
る2ビット中の上位ビットの「0」が得られる。
【0049】以下、同様にして、次々と復号ビットが得
られ、時刻t=0までトレースバックしたときには、復
号ビット列として「000101101」(トレースバ
ックの逆方向で並べている)が得られる。なお、先頭側
の2ビット「00」は、最終到達状態(この場合、状態
0)を表す2ビットであり、上述したように、巡回入力
畳み込み符号の場合、符号回路の全てのバッファメモリ
に入力ビット列を満たした状態を初期状態としているの
で、最終到達状態を表す2ビットを復号ビット列の先頭
に付加している。
【0050】このように、本来の状態ではない状態2を
最尤状態としてパストレースバックして得た復号ビット
列「000101101」に対してエラーチェックを実
行すると、エラーという結果が得られる。
【0051】そのため、1回目のパストレースバックで
の最終到達状態(この場合、状態0)を、最終時刻t=
7の状態としたパストレースバックが実行される。パス
トレースバックの開始状態が状態0(00)であるの
で、まず、復号ビットとして「0」が得られる。時刻t
=7の状態が状態0であって、その状態0へ遷移させる
ビット(復号ビット)が「0」であるので、時刻t=6
の状態は状態1(01)である。従って、次の復号ビッ
トとして「0」が得られる。以下、同様にして、次々と
復号ビットが得られ、時刻t=0までトレースバックし
たときには、復号ビット列として「00010110
0」が得られる。すなわち、符号回路への入力ビット列
に等しい復号ビット列が得られる。
【0052】以上のように、最尤状態を開始状態とした
パストレースバックで得られた復号ビット列がエラーと
判定された場合に、そのときのトレースバックでの最終
到達状態を開始状態としたパストレースバックを実行さ
せることとしたのは、以下の理由による。
【0053】巡回入力畳み込み符号は、上述したように
入力ビット列の一部を巡回させて符号回路に入力させて
いるので、符号回路における初期状態と最終状態とは等
しくなる(以下、符号回路におけるこれらの状態と基準
状態と呼ぶ)という性質を有する。従って、復号回路に
おいても、トレースバックの最終到達状態(符号回路の
初期状態に対応)と、トレースバックの開始状態(符号
回路の最終状態に対応)とが等しいことが期待される。
そのため、パスメトリック値が示す尤度が最も高い最尤
状態からパストレースバックして得た復号ビット列にエ
ラーが生じても、最尤状態及び最終到達状態は最尤パス
に係るものであるので(言い換えると、図7からも分か
るように、パスのかなりの部分が本来のパスに等しい可
能性が高いので)、少なくとも一方が符号回路での基準
状態に等しくなっている確率は非常に大きい。
【0054】復号回路では、最尤状態及び最終到達状態
のいずれが基準状態になっているかを認識することがで
きない。ここで、認識はし得ないが最尤状態が基準状態
になっている場合には、最尤状態を開始状態とするパス
トレースバックは必ず実行されるので、エラーが生じて
もこれ以上の措置を講じることはできない。最尤状態が
基準状態になっていない場合には、最尤状態を開始状態
とするパストレースバックで得られた最終到達状態が基
準状態になっている可能性がかなり高い。
【0055】そこで、最尤状態及び最終到達状態のいず
れが基準状態になっているかは認識できないが、最尤状
態からパストレースバックして得た復号ビット列にエラ
ーが生じた場合において最尤状態と最終到達状態とが異
なるときには、最終到達状態を開始状態としたパストレ
ースバックを実行し、正しい復号ビット列が得られる可
能性を高めることとした。
【0056】最尤状態からパストレースバックして得た
復号ビット列にエラーが生じた場合において、従来のよ
うに、エラーがない復号ビット列が得られるまで、開始
状態を変えたパストレースバックを繰返し実行すること
は、処理時間や構成の面の課題は大きいが、この実施形
態では、パストレースバックを多くても2回しか実行し
ないので、処理時間や構成の面の不都合はほとんど生じ
ない。
【0057】また、最尤状態からパストレースバックし
て得た復号ビット列にエラーが生じた場合において、パ
スメトリック値が示す尤度が2番目に大きいパスの最終
時刻の状態を開始状態としたパストレースバックを実行
し、正しい復号ビット列が得られる可能性を高めること
も考えられる。しかし、本来の論理レベルからの反転が
生じた受信ビット列の位置によっては、2番目以降の尤
度が近接した値となり、本来のパスと異なる部分が多い
パスが2番目の尤度のパスと選定されることもあり、巡
回入力畳み込み符号の性質を利用した実施形態の方法よ
り、復号ビット列の精度向上の度合いは劣ると考えられ
る。
【0058】図8は、北米におけるTDMA方式を採用
しているデジタル移動通信システムにおいて、FACC
H信号を復号した場合のシミュレーション結果を示した
特性図である。ここで、縦軸は誤り率(FACCH W
ER)を示し、横軸は隣接チャネルとの干渉の強さ(C
IR)を示している。
【0059】この図8からは、隣接チャネルとの干渉の
強さが同じ場合、この実施形態による誤り率(図面では
◆で示している)の方が、最尤状態を開始状態とするパ
ストレースバックだけを行なう従来での誤り率(図面で
は×で示している)より約4〜10dB改善されている
が分かる。
【0060】以上のように、上記実施形態によれば、最
尤状態を開始状態としたパストレースバックで得られた
復号ビット列にエラーがあり、そのパストレースバック
により最終的に到達した状態と最尤状態とが異なるとき
に、最終到達状態を開始状態としたパストレースバック
を行ない、2回のパストレースバックによって得られた
2種類の復号ビット列に基き、最終的に出力する復号ビ
ット列を決定するようにしたので、処理時間の長期化や
構成の複雑化をほとんど生じさせることなく、最終的に
出力する復号ビット列の精度を従来に比較して格段的に
高めることができる。
【0061】特に、各時刻での状態数が多いシステムに
おいては、最尤状態を開始状態としたパストレースバッ
クで得られた復号ビット列にエラーが生じる可能性が大
きいので、上記実施形態は有効である。
【0062】なお、上記実施形態においては、パストレ
ース方式として、パストレースバック方式を採用してい
るビタビ復号方法及び回路について説明したが、パスト
レース方式として、パストレースフォワード方式を採用
しているビタビ復号方法及び回路に本発明を適用するこ
とができる。ここで、パストレースフォワード方式と
は、パストレースバック方式と受信ビットの順番を逆に
してACS演算処理を各時刻毎に行ない、ACS演算処
理の完了時に、前方からパストレースを行なう方式であ
る。
【0063】また、上記実施形態においては、パストレ
ースを多くても2回行なうものを示したが、最大実行回
数が3回以上であっても良い。但し、2回目以上のパス
トレースは、直前のパストレースによる復号ビット列に
エラーが生じていること、直前のパストレースでの最終
到達状態が今までパストレースの開始状態にされたこと
がないものであることを条件に実行される。
【0064】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、ある状
態を開始状態としたパストレースによって得られた復号
信号にエラーがあり、そのパストレースでの最終的な到
達状態とその開始状態とが異なるときに、最終的な到達
状態を開始状態としたパストレースを再度実行し、この
実行による復号信号をも候補として最終的に出力する復
号信号を決定するようにしたので、処理時間を徒に長く
したり、構成を徒に複雑にしたりすることなく、最終的
に出力された復号信号の精度(誤り率)を向上させるこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態のビタビ復号方法を示すフローチャー
トである。
【図2】畳み込み符号回路の構成例及び単位時間での状
態遷移を示す説明図である。
【図3】畳み込み符号回路の全期間の状態遷移を示す説
明図である。
【図4】巡回入力畳み込み符号の説明図である。
【図5】従来のビタビ復号方法を示すフローチャートで
ある。
【図6】実施形態のビタビ復号回路を示すブロック図で
ある。
【図7】実施形態のパストレースバックの説明図であ
る。
【図8】実施形態の効果の説明図である。
【符号の説明】
20…ACS部、21…枝メトリック演算部、22…パ
スメトリックメモリ、26…パスメモリ、27…パスト
レースバック制御部、28、31…復号ビットレジス
タ、29…トレース到達状態レジスタ、30…エラーチ
ェック部。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 巡回入力畳み込み符号でなる送信信号を
    受信し、受信信号に応じて、ACS演算処理を繰返し実
    行して各時刻でのパス選択情報をパスメモリに格納し、
    上記ACS演算処理の完了時に、上記パスメモリに格納
    されている情報に基いてパストレースを実行して復号信
    号を得るビタビ復号方法において、 ある状態からのパストレースによって得られた復号信号
    にエラーがあり、そのパストレースでの最終的な到達状
    態とその開始時の状態とが異なる場合に、上記最終的な
    到達状態を開始状態としたパストレースを実行し、この
    実行による復号信号をも候補として最終的に出力する復
    号信号を決定することを特徴としたビタビ復号方法。
  2. 【請求項2】 パストレースの実行回数が多くても2回
    であり、2回目のパストレースは、最尤状態からの1回
    目のパストレースによって得られた復号信号にエラーが
    あり、そのパストレースでの最終的な到達状態とその開
    始時の最尤状態とが異なる場合に、上記最終的な到達状
    態を開始状態として実行することを特徴とした請求項1
    に記載のビタビ復号方法。
  3. 【請求項3】 巡回入力畳み込み符号でなる送信信号を
    受信し、ACS演算手段が、受信信号に応じて、ACS
    演算処理を繰返し実行して各時刻でのパス選択情報をパ
    スメモリに格納し、上記ACS演算処理の完了時に、パ
    ストレース制御手段が、上記パスメモリに格納されてい
    る情報に基いてパストレースを実行して復号信号を得る
    ビタビ復号回路において、 ある状態からのパストレースによって得られた復号信号
    にエラーがあるかをチェックするエラーチェック手段
    と、 そのパストレースでの最終的な到達状態とその開始時の
    状態とが異なるか否かを判定する状態一致判定手段とを
    備え、 上記エラーチェック手段が、ある状態からのパストレー
    スによって得られた復号信号にエラーがあることを検出
    し、かつ、上記状態一致判定手段が、そのパストレース
    での最終的な到達状態とその開始時の状態とが異なるこ
    とを検出したとき、上記パストレース制御手段が、上記
    最終的な到達状態を開始状態としたパストレースを実行
    し、この実行による復号信号をも候補として最終的に出
    力する復号信号を決定することを特徴としたビタビ復号
    回路。
  4. 【請求項4】 上記パストレース制御手段によるパスト
    レースの実行回数が多くても2回であり、上記パストレ
    ース制御手段は、2回目のパストレースを、最尤状態か
    らの1回目のパストレースによって得られた復号信号に
    エラーがあり、そのパストレースでの最終的な到達状態
    とその開始時の最尤状態とが異なる場合に、上記最終的
    な到達状態を開始状態として実行することを特徴とした
    請求項3に記載のビタビ復号回路。
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