JPH09233700A - 日最大需要電力予測の信頼性評価方法 - Google Patents

日最大需要電力予測の信頼性評価方法

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JPH09233700A
JPH09233700A JP6736296A JP6736296A JPH09233700A JP H09233700 A JPH09233700 A JP H09233700A JP 6736296 A JP6736296 A JP 6736296A JP 6736296 A JP6736296 A JP 6736296A JP H09233700 A JPH09233700 A JP H09233700A
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power demand
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JP6736296A
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Tatsuya Iizaka
達也 飯坂
Tetsuo Matsui
哲郎 松井
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Fuji Electric Co Ltd
Original Assignee
Fuji Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来、ニューラルネットワーク等により予測
された日最大需要電力の信頼性評価方法は確立されてい
ない。また、予測データと実績データとの間に誤差が生
じた場合の誤差原因評価も困難である。 【解決手段】 予測対象日よりも前の一定期間の気象デ
ータ、日最大需要電力、土・日などの区別データを用い
て、回帰式モデル、ニューラルネットワーク等により予
測モデルを構築する(1)。次に、この予測モデルによ
り予測対象日の日最大需要電力を予測する(2)。更
に、日最大需要電力に関する過去の実績データを予測対
象年相当に補正し(3)、この実績データと予測モデル
により得た日最大需要電力に関する予測データとを、電
力相関図に重ね合わせて表示する(4)。これにより、
電力相関図上で過去の実績データから離れてプロットさ
れた予測データは、信頼性が低いものと判断される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種電力系統の中
央給電指令所、地方給電指令所、系統制御所において、
系統制御用電子計算機または汎用電子計算機上で日最大
需要電力を予測する際の信頼性評価方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】電力系統における翌日または当日の日最
大需要電力の予測作業は、熟練運用者の経験と直感的知
識により行われることが多く、そのすべての作業を手作
業に頼っている。このため、予測作業を自動化する例と
して、従来から、重回帰分析に代表される統計的手法に
基づく予測モデルを作成し、これを用いて日最大需要電
力を予測する方法が提案されている。また、最近では、
ニューラルネットワークにより過去の実績データを用い
て予測モデルを構築する方法も現れている。
【0003】しかし、一般にこれらの予測モデルを使用
して得た予測データの信頼性の評価方法はほとんどな
く、その信頼性は実績値が判明するまでわからないのが
現状である。また、誤差が生じたとしても、その原因は
人間による直観的な判断による以外は究明できない。
【0004】信頼性評価方法として唯一、提案されてい
る方法は、予測モデルの構築に用いた過去の実績データ
と予測データとの「条件付き標準偏差」に基づくものが
あり、この「条件付き標準偏差」によって誤差範囲を予
め求める方法である。この方法では、ある程度の評価が
可能であるが、「条件付き標準偏差」と誤差との相関は
非常に弱い、予測される誤差範囲も数十%台である、ま
た、予測データが予測モデル構築に用いる過去のサンプ
ルデータの範囲外(外挿のケース)では求めることがで
きない、等の欠点があり、「条件付き標準偏差」だけで
は良好な評価が困難である。
【0005】他の統計的手法として、例えば「確率密
度」、「標準偏差」を用いて評価することも考えられる
が、単体の評価手法だけでは「条件付き標準偏差」と同
様に良好な信頼性評価を行うことができない。
【0006】また、ニューラルネットワークを用いて予
測する場合、ニューラルネットワークの出力は一般に0
〜1に正規化された値であるため、通常学習された過去
の実績データの範囲を超える値(外挿のケース)は出力
できない。更に、正規化範囲を工夫して0.1〜0.9
のように変えた場合においても、学習されていない範囲
の予測データは極端に精度が悪いものである。
【0007】従来では、外挿を避けるために十分に多く
のデータを学習させる方法が採られているが、電力需要
は毎年増大しているため、外挿を避けることは困難であ
る。また、ニューラルネットワークは内部がブラックボ
ックスであり、内部構造の解析・予測データの信頼性評
価は通常、困難であることから、感度解析などの間接的
方法が採られてきた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】電力系統を運用するた
めには膨大な専門的知識が必要であるが、近年ではこの
知識を有する熟練運用者が減少の一途をたどっている。
一方、最大需要電力の予測は、系統運用の基盤とも言う
べき発電計画案の基礎となるものであり、その予測精度
の向上と自動化が切望されている。
【0009】前述のごとく、近年では、予測業務を自動
化するために重回帰式モデル、ニューラルネットワーク
等により予測モデルを構築して用いる例が増えてきてい
るが、その予測データの信頼性を評価することが困難で
あり、また、誤差が生じた場合の原因評価も難しい。
【0010】本発明は上記課題を解決するためになされ
たもので、計算機により求められた予測データの信頼性
を実績値の判明前に評価し、また、予測データに対する
手動または自動による補正を行うことで一層高精度の予
測を行うと共に、実績値が判明して誤差が生じていた場
合にその誤差原因をも評価できるようにした日最大需要
電力予測の信頼性評価方法を提供しようとするものであ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、請求項1記載の発明は、過去の実績データを用いて
構築した重回帰式モデル、ニューラルネットワーク等の
予測モデルを用いて計算機により予測した日最大需要電
力の信頼性を評価する日最大需要電力予測の信頼性評価
方法において、前記予測モデルの構築に用いた日最大需
要電力に関する過去の実績データと、前記予測モデルに
より得た日最大需要電力に関する予測データとを、電力
相関図に重ね合わせて表示して予測データの信頼性を評
価するものである。ここで、電力相関図とは、例えば最
高気温に対する日最大需要電力の過去の実績データと予
測データとを合わせて表示したものである。これによ
り、予測データが過去の実績データと異なる傾向を持つ
場合には、電力相関図上で予測データが過去の実績デー
タから大きく離れた位置にプロットされるため、運用者
は視覚的、直感的に上記予測データが信頼性の低いもの
であることを認識できる。
【0012】なお、一般的な傾向として電力需要は毎年
増大しているため、電力相関図上に表示する過去の実績
データが予測対象日の1年以上前のデータである場合に
は、請求項2に記載したように、その実績データを予測
対象年相当に補正(増加)することが望ましい。
【0013】請求項3に記載した発明は、過去の実績デ
ータを用いて構築した重回帰式モデル、ニューラルネッ
トワーク等の予測モデルを用いて計算機により予測した
日最大需要電力の信頼性を評価する日最大需要電力予測
の信頼性評価方法において、前記予測モデルの構築に用
いた過去の実績データと、前記予測モデルにより得た予
測データとの相関関係を、予測データに関する複数の数
学的指標の組み合わせに基づき判定して予測データの信
頼性を評価するものである。すなわち、個々の数学的指
標を評価するだけでは予測データの一面の評価に過ぎ
ず、高精度の信頼性評価を行うことが難しいが、本発明
のように複数の指標を用いれば、総合的な評価が可能に
なる。
【0014】請求項4に記載した発明は、過去の実績デ
ータを用いて構築したニューラルネットワークからなる
予測モデルを用いて計算機により予測した日最大需要電
力の信頼性を評価する日最大需要電力予測の信頼性評価
方法において、前記ニューラルネットワークによる予測
時の入力データが過去の実績データの範囲外にあるとき
には予測データの信頼性が低いと評価するものである。
これにより、予測時においてニューラルネットワークに
学習範囲外(外挿)のデータが入力された場合には直ち
に予測データの信頼性が低いと判断することができ、運
用者にとって信頼性評価を直接的に行うことが可能にな
る。
【0015】請求項5に記載した発明は、過去の実績デ
ータを用いて構築したニューラルネットワークからなる
予測モデルを用いて計算機により予測した日最大需要電
力の信頼性を評価する日最大需要電力予測の信頼性評価
方法において、前記ニューラルネットワークの入出力関
係が非線形関数で表されるときに、予測データをニュー
ラルネットワークの出力範囲と比較して予測データの信
頼性を評価し、信頼性が低いと評価されたときに予測デ
ータを補正するものである。一般に、ニューラルネット
ワークの出力範囲の上下限に近い予測データは、非線形
関数の飽和のために信頼性が低いと判断される。よっ
て、本発明ではこれらの予測データを信頼性が低いもの
と判断し、その値に応じて+または−の補正を行う。
【0016】請求項6に記載した発明は、過去の実績デ
ータを用いて構築した予測モデルを用いて計算機により
予測した日最大需要電力の信頼性を評価する日最大需要
電力予測の信頼性評価方法において、予測対象日の実績
データと前記予測モデルにより得た予測データとの誤差
を計算し、誤差の大きい予測対象日について予測データ
に関する複数の数学的指標に基づき誤差原因を評価、解
析するものである。これにより、予測誤差が生じた場合
にその原因を特定し、予測モデルの改良に役立てること
ができる。
【0017】なお、請求項3または請求項6おける前記
数学的指標としては、請求項7に記載したように、予測
データの過去の実績データに対する確率密度、標準偏
差、条件付き標準偏差等が用いられる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、図に沿って本発明の実施形
態を説明する。はじめに、請求項1及び請求項2に記載
した発明の実施形態を図1〜図3を参照しつつ説明す
る。この実施形態は、図1に示すように、(1)予測モ
デル構築、(2)日最大電力予測、(3)年増加補正、
(4)電力相関図表示の4つのステップからなってい
る。なお、図1において、破線で示した矢印はステップ
(2)〜(4)が予測期間中、毎日繰り返し実行される
ことを示す。
【0019】以下、各ステップにつき個別に説明する。 (1)予測モデル構築 このステップでは、予測モデルを、重回帰式モデル、ニ
ューラルネットワークまたはこれらを複合したものを用
いて、予測対象日よりも前の所定期間(例えば数十日〜
数年分)の気象データ、日最大需要電力、平日・土曜日
・休日等の区別データ(1,0など)からなる実績デー
タに基づいて構築する。この予測モデルは、気象条件等
と日最大需要電力との非線形な相関関係を示すものであ
り、予測モデルの入力データは気象データ、日最大需要
電力、平日・土曜日・休日等の区別データ、出力データ
は日最大需要電力である。なお、予測モデルの具体的な
構成方法は本発明の要旨ではないため、説明を省略す
る。
【0020】(2)日最大電力予測 予測モデルの構築に用いた気象データ、日最大需要電
力、平日・土曜日・休日等の区別データ、及び、予測対
象日の気象データ(気象予報による)並びに平日・土曜
日・休日等の区別データを入力データとし、予測モデル
によって予測対象日の日最大需要電力を予測する。予測
方法の具体的内容は本発明の要旨ではないため、説明を
省略する。
【0021】(3)年増加補正 電力需要は毎年増大し、年によって同じ気温でも日最大
需要電力は年々異なるのが通常である。このため、予測
モデルの構築に用いた過去の実績データが予測対象日よ
りも1年以上前の期間のデータである場合(予測対象年
のデータでない場合)には、これらの過去の本来の実績
データをそれぞれ年増加補正して、予測対象年相当に補
正することが望ましい。
【0022】ここで、年増加補正するデータは日最大需
要電力のみであり、気象データや平日・土曜日・休日等
の区別データは補正しない。また、過去の実績データが
予測対象日よりも数日前〜数ヶ月前のものであるような
ときは、これらの実績データは予測対象年のデータとし
て補正の対象とはしない。要するに、この年増加補正
は、過去の異なる年のデータでも、同じ入力データに対
しては同じ日最大需要電力が得られるように補正するも
のである。
【0023】図2はこの年増加補正の概念を示してお
り、例えば、実線で示した3年前の日最大需要電力の実
績データを、年ごとの増加率などを考慮して予測対象年
相当の値に換算する。このようにして過去の日最大需要
電力に関する実績データを年増加補正すれば、後述する
電力相関図上に異なる年の実績データを予測データと共
に表示して比較することが意味を持ってくる。
【0024】(4)電力相関図表示 このステップでは、図3に示すように、予測モデルによ
る日最大需要電力の予測データと、年増加補正を行った
過去の日最大需要電力の実績データとを、気温や湿度と
相関させて電力相関図上に同時に表示する。図3の例で
は、電力値を最高気温と対応させている。
【0025】予測モデルは過去の実績データに基づいて
構築されているので、電力相関図上で予測データが過去
の実績データの分布範囲内にある場合には高精度の予測
を期待することができる。また、分布範囲外にある場合
には、過去の実績データにないデータまたは過去とはま
ったく違う傾向を示すデータであると判断でき、予測の
信頼性が低いと考えることができる。すなわち、電力相
関図によって予測データと過去の実績データとの関係が
視覚的に表示されるため、運用者にとって直感的にわか
りやすい予測データの信頼性評価が可能になる。更に、
信頼性の低い予測データについては、改めて別の方法
(別の予測モデル、運用者の直感)により補正すること
が可能であり、高精度の日最大需要電力の予測が可能に
なる。
【0026】次に、請求項3及び請求項7に記載した発
明の実施形態を図4を参照しつつ説明する。この実施形
態は、図4に示すように、(1)予測モデル構築、
(2)日最大電力予測、(3)信頼性評価の3つのステ
ップからなっている。なお、図4において、破線で示し
た矢印はステップ(2),(3)が予測期間中、毎日繰
り返し実行されることを示す。
【0027】以下、各ステップにつき説明する。 (1)予測モデル構築及び(2)日最大電力予測 請求項1記載の発明の実施形態とまったく同様であり、
重回帰式モデル、ニューラルネットワークもしくはこれ
らを複合したものを用いて、予測モデルの構築及び実際
の予測を行う。
【0028】(3)信頼性評価 このステップでは、予測モデルの構築に用いた過去の実
績データと予測データとの相関関係を、「確率密度」、
「標準偏差」、「条件付き標準偏差」などの複数の数学
的指標を用いて表すとともにこれらを組み合わせて分類
することにより、予測データの信頼性を評価する。ここ
で、予測が外れる原因としては、以下のように3つが考
えられる。 予測モデルの構築時に用いた過去の実績データが少な
い。 予測モデルの構築時に用いた過去の実績データのばら
つきが大きい。 予測対象日が、予測モデルの構築に用いた過去の実績
データと違う傾向の特殊な日である。
【0029】上記を表す数学的指標としては、例えば
予測データの「確率密度」を用いる。予測データの「確
率密度」とは、予測データに類似したものが過去の実績
データにどのくらい存在するか(多いか少ないか)を表
す指標である。この確率密度が低い予測データに対する
予測モデルの精度、つまり予測精度は低いと考えられ
る。
【0030】確率密度を算出する数式の一例をあげる
と、例えば数式1のようなものが考えられる。
【0031】
【数1】確率密度=(a/n)ΣK(a‖X−Xi‖)
【0032】但し、数式1において、 n:サンプルデータの数 a:ぼかし定数(今回はa=1) X:予測対象日の入出力項目 X=(x1,x2,……,xm,y) y=f(x1,x2,……,xm) Xi:サンプルデータの入出力項目 K( ):ガウス分布に従う確率密度変数 K(x)=exp{−(x−μ)2/2σ2}/σ√(2
π)
【0033】上記を表す数学的指標としては、例えば
予測データの「標準偏差」を用いる。予測データの「標
準偏差」とは、予測データが過去の実績データにどのく
らい近いか遠いかを表す指標である。標準偏差が大きい
ものは、予測モデルの精度つまり予測精度が低いと考え
られる。ここで、標準偏差は、例えば数式2によって求
めることができる。
【0034】
【数2】 (標準偏差)2=‖X‖/(m+1) =(x1 2+x2 2+……xm 2+y2)/(m+1)
【0035】但し、数式2において、 m:入力項目数 x:予測日の入力項目(気温、天候など) y:予測電力(予測対象日の日最大需要電力)
【0036】更に、上記を表す数学的指標としては、
例えば予測データの「条件付き標準偏差」を用いる。こ
の「条件付き標準偏差」は、予測データと類似する過去
の実績データだけを対象にして標準偏差を求めるもので
ある。条件付き標準偏差が大きいものは、予測モデルの
精度つまり予測精度が低いと考えることができる。条件
付き標準偏差は、例えば数式3によって求めることがで
きる。
【0037】
【数3】 条件付き標準偏差=sqrt〔Σ{K(a‖X−Xii‖)(y−yi)2}〕
【0038】但し、数式3において、 n:サンプルデータの数 a:ぼかし定数(今回はa=1) X:予測対象日の入出力項目 X=(x1,x2,……,xm,y) y=f(x1,x2,……,xm) Xi:サンプルデータの入出力項目 K( ):ガウス分布に従う確率密度変数 K(x)=exp{−(x−μ)2/2σ2}/σ√(2
π)
【0039】本実施形態では、上記3つの数学的指標を
求めた後、それぞれの値の年・季節平均値などを閾値と
して当該項目に誤差原因があるか否かを判定し、表1に
示すように8つに分類分けする。
【0040】
【表1】
【0041】すなわち、個々の数学的指標単独では、予
測データのある一面の評価に過ぎず、精度の良い信頼性
評価を行うことができないため、3つの指標を組み合わ
せて分類分けすることで、総合的かつ多角的な信頼性の
評価が可能になる。表1において、3つの指標のすべて
について誤差原因なしとされる分類8に分類された予測
データは、最も信頼性が高いと考えられる。このことは
シミュレーションでも確認されている。なお、3つの指
標のすべてにつき誤差原因があるとされる分類1に分類
された予測データは、最も信頼性が低いと考えることが
できる。
【0042】一般に、予測データの信頼性を数学的指標
を用いて評価することは行われていないため、この実施
形態によれば、運用者は安心して予測データを使用する
ことができる。また、表1により信頼性が低いとされた
分類に属する予測データを、改めて別の方法(別の予測
モデル、運用者の直感)により補正することも可能であ
り、高精度の日最大電力予測が可能になる。
【0043】次いで、請求項4記載の発明の実施形態を
図5、図6を参照しつつ説明する。この実施形態は、図
5に示すごとく、(1)予測モデル構築、(2)日最大
電力予測、(3)信頼性評価の3つのステップからなっ
ている。なお、図5において、破線で示した矢印はステ
ップ(2),(3)が予測期間中、毎日繰り返し実行さ
れることを示す。
【0044】以下、各ステップにつき個別に説明する。 (1)予測モデル構築 予測モデルはニューラルネットワークにより構築され、
例えば予測対象日よりも前の所定期間(例えば数十日〜
数年分)の気象データ、日最大需要電力、平日・土曜日
・休日等の区別データ(1,0など)からなる実績デー
タに基づいて構築する。この予測モデルは、気象条件等
と日最大需要電力との非線形な相関関係を示すものであ
り、予測モデルの入力データは気象データ、日最大需要
電力、平日・土曜日・休日等の区別データ、出力データ
は日最大需要電力である。なお、予測モデルの具体的な
構成方法は本発明の要旨ではないため、説明を省略す
る。
【0045】(2)日最大電力予測 予測モデルの構築に用いた気象データ、日最大需要電
力、平日・土曜日・休日等の区別データ、及び、予測対
象日の気象データ(気象予報による)並びに平日・土曜
日・休日等の区別データを入力データとし、ニューラル
ネットワークからなる予測モデルによって予測対象日の
日最大需要電力を予測する。
【0046】(3)信頼性評価 予測時のニューラルネットワークへの入力データ(気象
データ、日最大需要電力、平日・土曜日・休日等の区別
データ)の全部または一部が、過去の実績データの内部
にあるか外部にあるかを判別する。ニューラルネットワ
ークにおいて、学習範囲外(外挿)のデータを用いて予
測した場合の予測精度は一般に悪い。通常行われている
ように、出力を0〜1に正規化した場合には、予測デー
タもその範囲内に限定されてしまう。つまり、入力デー
タの範囲が学習に用いられた過去の実績データの範囲外
にある外挿の場合には、その予測結果も信頼性が低いと
判断することができる。
【0047】例えば、図6に示すように、入力データと
しての気温の入力範囲と出力データとしての日最大需要
電力の出力範囲を考えた場合、出力で0〜1に相当する
日最大需要電力は8525MW〜22440MWの範囲
に限定され、22440MWを超える電力値はすべて2
2440MW以下に予測されてしまう。これを防ぐた
め、例えば気温に関しては、10℃〜35℃の範囲外の
データがニューラルネットワークに入力されたときは、
それに基づいて予測される予測データは信頼性が低いと
判断する。
【0048】一般に、ニューラルネットワークは非線形
であり、内部がブラックボックスとなっている。このた
め、内部構造の解析が困難であり、ニューラルネットワ
ークを用いた予測データの信頼性評価は、感度解析など
間接的な方法のみが使用されている。この実施形態によ
れば、入力データの範囲に基づいて予測データの信頼性
評価を直接行うことができるから、運用者は安心して予
測データを使用することができる。また、前期同様に、
信頼性が低いとされた予測データを、改めて別の方法
(別の予測モデル、運用者の直感)により補正すること
も可能であり、高精度の日最大電力予測が可能になる。
【0049】次に、請求項5記載の発明の実施形態を図
7を参照しつつ説明する。この実施形態は、図7に示す
ごとく、(1)予測モデル構築、(2)日最大電力予
測、(3)信頼性評価、(4)予測値補正の4つのステ
ップからなっている。なお、図7において、破線で示し
た矢印はステップ(2)〜(4)が予測期間中、毎日繰
り返し実行されることを示す。
【0050】以下、各ステップにつき説明する。 (1)予測モデル構築及び(2)日最大電力予測 これらのステップの処理内容は、請求項4記載の発明の
実施形態と同様であり、ニューラルネットワークを用い
て予測モデルの構築及び実際の予測を行う。
【0051】(3)信頼性評価 予測データが、ニューラルネットワークの出力範囲の0
または1に近い場合には、信頼性が低いと判断する。例
えば、予測データが0〜0.1または0.9〜1.0の
範囲内にあるときは、ニューラルネットワークの飽和と
見なして信頼性が低いと判断する。また、請求項4の発
明による信頼性評価の手法も加味し、入力データの全部
または一部が内挿の場合には信頼性が高く、外挿の場合
には信頼性が低いと判断しても良い。このように請求項
4の発明も併用することで、予測時の入力データ及び出
力データの双方からより厳密に信頼性を評価することが
できる。
【0052】一般に、ニューラルネットワークの入出力
関係は図6に示したような非線形関数によって表される
ものであり、0〜1の範囲を超える出力は非線形関数の
ために得ることができない。このため、実際には1を超
えるはずの値でも1より若干小さい値が、また、実際に
は0より小さいはずの値でも0より若干大きい値が出力
されることになる。従って、例えば予測データが0〜
0.1、0.9〜1.0の範囲内にあるときには、信頼
性が低いと判断するものである。
【0053】(4)予測値補正 上述のごとく、予測データが所定範囲にあって信頼性が
低いと判断された場合に、運用者に補正の必要を促して
人為的に、あるいは、計算機により自動的に予測値を補
正する。具体的には、予測データがニューラルネットワ
ークの出力の1に近い場合(0.9〜1.0)には予測
データを増加させるような+の補正を、0に近い場合
(0〜0.1)には予測データを減少させるような−の
補正を行う。例えば、図6において、予測データが85
00MWの場合には−の補正を行い、22000MWの
場合には+の補正を行う。
【0054】この実施形態によれば、信頼性が低いと判
断された予測データを+側または−側に補正することに
より、予測精度を一層向上させることが可能になる。
【0055】次いで、請求項6及び請求項7記載の発明
の実施形態を図8を参照しつつ説明する。この実施形態
は、図8に示すごとく、(1)予測モデル構築、(2)
日最大電力予測、(3)誤差計算、(4)誤差原因評価
の4つのステップからなっている。なお、図8におい
て、破線で示した矢印はステップ(2)〜(4)が予測
期間中、毎日繰り返し実行されることを示す。
【0056】以下、各ステップにつき説明する。 (1)予測モデル構築及び(2)日最大電力予測 請求項1記載の発明の実施形態とまったく同様であり、
重回帰式モデル、ニューラルネットワークもしくはこれ
らを複合したものを用いて予測モデルの構築及び実際の
予測を行う。
【0057】(3)誤差計算 予測データと予測対象日の実績データとの誤差を、例え
ば数式4により求める。この誤差は、絶対誤差または相
対誤差として求めればよい。
【0058】
【数4】 誤差=(予測データ−実績データ)/実績データ×100(%)
【0059】(4)誤差原因評価 誤差計算の結果、大きな誤差が生じた予測対象日につい
て、予測データの過去の実績データに対する「確率密
度」、「標準偏差」、「条件付き標準偏差」などの数学
的指標を求め、これらを組み合わせて分類することによ
り、誤差原因を評価、解析する。ここで、誤差原因とし
ては、以下のように3つが考えられる。 予測モデルの構築時に用いた過去の実績データが少な
い。 予測モデルの構築時に用いた過去の実績データのばら
つきが大きい。 予測対象日が、予測モデルの構築に用いた過去の実績
データと違う傾向の特殊な日である。 なお、上記数学的指標の算出方法は、請求項2記載の発
明の実施形態と同様である。
【0060】本実施形態においても、上記3つの数学的
指標を求めた後、それぞれの値の年・季節平均値などを
閾値として当該項目に誤差原因があるか否かを判定し、
前記表1に示すように8つに分類分けする。こうして3
つの指標を組み合わせて分類分けすることで、総合的か
つ多角的な誤差原因の評価が可能になる。
【0061】ここで、「確率密度」の低い予測データ
は、過去において類似の実績データが少なかったために
予測精度が低いことがわかり、また、「標準偏差」の大
きい予測データは、過去において実績データのばらつき
が大きいため予測精度が低いことがわかる。更に、「条
件付き標準偏差」の大きい予測データは、予測対象日が
過去とは傾向の異なる特殊な日であるため予測精度が低
いと考えることができる。
【0062】この実施形態によれば、誤差原因を数値的
に評価・解析することができる。予測モデルは日々、改
良が続けられており、本実施形態のごとく誤差原因を数
値的に評価・解析することで、予測モデルを改良する際
の指標の一つとすることもできる。すなわち、個々の数
学的指標単独では、予測データのある一面を評価したに
過ぎず、精度の良い誤差原因の評価を行うことができな
いが、3つの指標を組み合わせて分類分けすることで、
総合的かつ多角的な誤差原因の評価が可能になる。
【0063】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、電力相関
図や数学的指標、ニューラルネットワークの出力範囲等
を考慮することで、予測データの信頼性を適切かつ容易
に評価することができる。また、予測データの補正によ
り一層信頼性の高い予測が可能になると共に、誤差原因
の評価、解析により、予測モデルの改良にも寄与するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1,2に記載した発明の実施形態を示す
フローチャートである。
【図2】請求項1,2に記載した発明の実施形態におけ
る年増加補正の概念図である。
【図3】請求項1,2に記載した発明の実施形態におけ
る電力相関図である。
【図4】請求項3,7に記載した発明の実施形態を示す
フローチャートである。
【図5】請求項4に記載した発明の実施形態を示すフロ
ーチャートである。
【図6】請求項4に記載した発明の実施形態におけるニ
ューラルネットワークの入出力範囲の説明図である。
【図7】請求項5に記載した発明の実施形態を示すフロ
ーチャートである。
【図8】請求項6,7に記載した発明の実施形態を示す
フローチャートである。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 過去の実績データを用いて構築した予測
    モデルを用いて計算機により予測した日最大需要電力の
    信頼性を評価する日最大需要電力予測の信頼性評価方法
    において、 前記予測モデルの構築に用いた日最大需要電力に関する
    過去の実績データと、前記予測モデルにより得た日最大
    需要電力に関する予測データとを、電力相関図に重ね合
    わせて表示して予測データの信頼性を評価することを特
    徴とする日最大需要電力予測の信頼性評価方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の日最大需要電力予測の信
    頼性評価方法において、 電力相関図に表示するべき日最大需要電力に関する過去
    の実績データが、本来の日最大需要電力の実績データを
    予測対象年相当に補正したものであることを特徴とする
    日最大需要電力予測の信頼性評価方法。
  3. 【請求項3】 過去の実績データを用いて構築した予測
    モデルを用いて計算機により予測した日最大需要電力の
    信頼性を評価する日最大需要電力予測の信頼性評価方法
    において、 前記予測モデルの構築に用いた過去の実績データと、前
    記予測モデルにより得た予測データとの相関関係を、予
    測データに関する複数の数学的指標の組み合わせに基づ
    き判定して予測データの信頼性を評価することを特徴と
    する日最大需要電力予測の信頼性評価方法。
  4. 【請求項4】 過去の実績データを用いて構築したニュ
    ーラルネットワークからなる予測モデルを用いて計算機
    により予測した日最大需要電力の信頼性を評価する日最
    大需要電力予測の信頼性評価方法において、 前記ニューラルネットワークによる予測時の入力データ
    が過去の実績データの範囲外にあるときには予測データ
    の信頼性が低いと評価することを特徴とする日最大需要
    電力予測の信頼性評価方法。
  5. 【請求項5】 過去の実績データを用いて構築したニュ
    ーラルネットワークからなる予測モデルを用いて計算機
    により予測した日最大需要電力の信頼性を評価する日最
    大需要電力予測の信頼性評価方法において、 前記ニューラルネットワークの入出力関係が非線形関数
    で表されるときに、予測データをニューラルネットワー
    クの出力範囲と比較して予測データの信頼性を評価し、
    信頼性が低いと評価されたときに予測データを補正する
    ことを特徴とする日最大需要電力予測の信頼性評価方
    法。
  6. 【請求項6】 過去の実績データを用いて構築した予測
    モデルを用いて計算機により予測した日最大需要電力の
    信頼性を評価する日最大需要電力予測の信頼性評価方法
    において、 予測対象日の実績データと前記予測モデルにより得た予
    測データとの誤差を計算し、誤差の大きい予測対象日に
    ついて予測データに関する複数の数学的指標に基づき誤
    差原因を評価、解析することを特徴とする日最大需要電
    力予測の信頼性評価方法。
  7. 【請求項7】 請求項3または請求項6記載の日最大需
    要電力予測の信頼性評価方法において、 前記数学的指標が、予測データの過去の実績データに対
    する確率密度、標準偏差及び条件付き標準偏差であるこ
    とを特徴とする日最大需要電力予測の信頼性評価方法。
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