JPH09234069A - 遺伝子導入用組成物及び該組成物を用いた遺伝子導入方法 - Google Patents

遺伝子導入用組成物及び該組成物を用いた遺伝子導入方法

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JPH09234069A
JPH09234069A JP8045252A JP4525296A JPH09234069A JP H09234069 A JPH09234069 A JP H09234069A JP 8045252 A JP8045252 A JP 8045252A JP 4525296 A JP4525296 A JP 4525296A JP H09234069 A JPH09234069 A JP H09234069A
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安史 金田
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吉和 米満
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護 長谷川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、効率よく遺伝子を細胞内に導入す
るための組成物を提供することを課題とする。 【解決手段】 ウイルス粒子またはウイルス由来のタン
パク質、カチオン性脂質及び核酸を含む遺伝子導入用組
成物が提供された。該組成物を用いることによって、DN
Aの高い確率で封入すると同時に、封入されたDNAを細胞
に高い効率で導入することができ、遺伝子を高頻度で細
胞内に導入することが可能となった。本発明による遺伝
子導入は、特に遺伝子治療分野における利用が期待され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、遺伝子工学分野、例え
ば遺伝子治療の分野に関する。
【0002】
【従来の技術】薬物治療において、薬物(特に高分子化
合物)を目的とする細胞又は細胞内組織に到達させるシ
ステム、すなわちドラッグデリバリーシステム(Drug D
elivery System;以下単にDDSと言う)は重要な技術であ
る。遺伝子治療においても、DDSを利用して遺伝子を所
望の細胞に導入することが中心的な技術であることは言
うまでもない。細胞内に遺伝子を導入するための方法は
大きく二つに分類することができる。
【0003】一つは、ウイルスベクターを用いる方法で
ある。これには、所望の外来性遺伝子をゲノム上に有す
るウイルスを感染させることにより、内部の核酸を細胞
内に導入するという方法が含まれる。
【0004】もう一つは、人工的なまたは半人工的な輸
送担体(キャリアー)に、所望の遺伝子または該遺伝子
を含むベクターを封入または担持させる方法である。こ
の方法は、目的物の生体内挙動および輸送に関与する諸
過程を、キャリアー自体の物理化学的性質に依存させる
ことにより、生理活性物質を所望の臓器(標的臓器)、
細胞(標的細胞)または細胞内器官(標的器官)に到達
せしめることを特徴とする。この方法におけるキャリア
ーとしては例えば、タンパク質(Human Gene Therapy,
5,429,1994)、ペプチド(Proceedings of National Aca
demy of Sciences of United States of America,90,89
3,1993)、合成高分子化合物(The Journal of Biologic
al Chemistry,269,12918,1994)、リポソーム(Proceedi
ngs of National Academy of Sciences of United Stat
es of America,92,1774,1995)およびセンダイウイルス
(Exp. Cell Res.,159,399,1985)などを例示することが
できる。
【0005】キャリアとしてリポソームを用いる方法に
は、様々な工夫が施されてきた。その一つにカチオン性
脂質を利用する方法がある。この方法では、通常、リポ
ソーム、カチオン性脂質及び核酸の混合物が利用されて
いる(Felgner,P.L.,et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,8
4,7413(1987))。
【0006】更に、センダイウイルス(HVJ)は生体に対
する毒性が少なく細胞親和性が高いので、キャリアとし
て大いに有用である。センダイウイルスをキャリアとし
て用いる際は、通常、不活性化したセンダイウイルス粒
子、リポソーム及び核酸を混合した組成物(膜融合リポ
ソーム)が利用されている(金田安史:BIOTHERAPY,8,1
265(1994))。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】前記カチオン性脂質と
DNAとの複合体は、DNAの封入効率は高いものの、エンド
サイトーシス過程を経て細胞内に取り込まれる。そのた
め、かなりの比率の脂質/DNA複合体が、細胞内のエン
ドソーム等で分解されてしまう。また、それを回避する
ために多量の脂質/DNA複合体を投与した場合には、カ
チオン性脂質の細胞障害性が顕著に現れるため、実際に
使用できる濃度が限られていた。更に、カチオン性脂質
は、生体内および培地中の成分と複合体を形成して沈殿
を生じるため、生体内に投与する場合および培地中で使
用する場合は、遺伝子導入効率が著しく低下してしまっ
た。そこで、細胞質内へ効率良く遺伝子を導入できるシ
ステムの開発が必要とされていた。
【0008】一方、センダイウイルスが細胞に融合する
性質を利用した、前述のHVJ-膜融合リポソームを利用す
ることで、細胞質内へ効率良く遺伝子を導入することが
可能であるが、従来のHVJ-膜融合リポソームはDNAの封
入効率が低いため、大量に投与した場合には、宿主細胞
同士が細胞融合を起こす可能性が高く、実用に際して問
題があった。(なお、封入効率が低いのは、HVJ-膜融合
リポソームを作製する際に用いるリポソーム(アニオン
性脂質)とDNAとの静電的反発等によって、リポソー
ム内に効率良くDNAを封入できないことに原因があ
る。)そこで、DNAを高い確率で封入すると同時に高い
導入効率を達成する遺伝子導入用組成物が希求されてい
た。
【0009】本発明は、効率よく遺伝子を細胞内に導入
するための組成物を提供することを課題とする。また、
本発明は、該組成物を用いた遺伝子導入方法を提供する
ことを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意研究
した結果、ウイルス粒子またはウイルス粒子由来のタン
パク質、カチオン性脂質及び核酸を含む組成物またはそ
の溶解物を細胞に適用すると、該核酸が細胞に導入され
る割合が顕著に上昇することを見いだし、本発明を完成
した。即ち、本発明は、以下のものを含む。 (1) ウイルス粒子またはウイルス由来の細胞親和性
を有するタンパク質、カチオン性脂質及び核酸を含む遺
伝子導入用組成物。 (2) ウイルス粒子がエンベロープを有するものであ
る、(1)記載の組成物。 (3) カチオン性脂質がコレステロール骨格を有する
ものである、(1)または(2)に記載の組成物。 (4) カチオン性脂質が[N−(N’,N’−ジメチ
ルアミノエタン)−カルバモイル]コレステロール(DC
-Chol)である、(3)に記載の組成物。 (5) カチオン性脂質がグルタミン酸骨格を有するも
のである、(1)または(2)に記載の組成物。 (6) カチオン性脂質が塩化N−(α−トリメチルア
ンモニオアセチル)−ジドデシル−D−グルタミン酸
(TMAG)である、(5)に記載の組成物。 (7) カチオン性脂質が4級アンモニウム塩である、
(1)または(2)に記載の組成物。 (8)(1)〜(7)のいずれかに記載の組成物を用い
ることを特徴とする、核酸またはその誘導体を細胞内に
導入する方法。
【0011】なお、本発明において、ウイルス粒子と
は、増殖能を有するウイルス粒子、ウイルス膜タンパク
質と脂質により再構成された粒子の他、紫外線照射等に
よって不活化し、増殖能を失ったウイルス粒子も含まれ
る。ウイルス粒子の不活化は、紫外線照射、放射線照射
等の物理的方法、酵素および抗ウイルス剤による処理等
の化学的方法、遺伝子組換え技術を用いた分子生物学的
方法等で行うことができる。
【0012】更に、本発明において、核酸とは、環状お
よび直鎖状の1本鎖または2本鎖の、DNAおよびRNAもし
くはそのキメラ体を意味し、エステル化、チオリン酸化
等の方法によって化学的に修飾された核酸を意味する。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明に用いられるウイルス粒子
としては、エンベロープタンパク質を有するものが好適
である。たとえば、パラミクソウイルス科、オルソミク
ソウイルス科、ラブドウイルス科、レトロウイルス科、
ヘルペスウイルス科、フィロウイルス科、トガウイルス
科、フラビウイルス科、コロナウイルス科、ブンヤウイ
ルス科、アレナウイルス科、ヘパドナウイルス科、ポッ
クスウイルス科、バキュロウイルス科、イリドウイルス
科の各種ウイルスのものが好適に用いられる。また、本
発明に用いられるウイルス由来のタンパク質としては、
エンベロープタンパク質、エンベロープ裏打ちタンパク
質、カプシドタンパク質、ヌクレオカプシドタンパク質
等が用いられる。具体的には、パラミクソウイルス科の
各種ウイルスのHNタンパク質、Fタンパク質、オルソ
ミクソウイルス科の各種ウイルスのHAタンパク質、N
Aタンパク質、ラブドウイルス科の各種ウイルスのGタ
ンパク質、レトロウイルス科の各種ウイルスのエンベロ
ープタンパク質、ヘルペスウイルス科の各種ウイルスの
エンベロープタンパク質、フィロウイルス科の各種ウイ
ルスのエンベロープタンパク質、トガウイルス科の各種
ウイルスのエンベロープタンパク質およびペプロマー、
フラビウイルス科の各種ウイルスのエンベロープ(E)
タンパク質およびペプロマー、コロナウイルス科の各種
ウイルスのE1タンパク質およびE2タンパク質、ブン
ヤウイルス科の各種ウイルスのG1タンパク質およびG
2タンパク質、アレナウイルス科の各種ウイルスのエン
ベロープタンパク質、ヘパドナウイルス科の各種ウイル
スのエンベロープタンパク質、ポックスウイルス科の各
種ウイルスのエンベロープタンパク質、バキュロウイル
ス科の各種ウイルスのエンベロープタンパク質、イリド
ウイルス科の各種ウイルスのエンベロープタンパク質等
を含むことが好ましい。
【0014】本発明に用いられるカチオン性脂質は、核
酸と複合体を形成するものであれば特に制限はないが、
コレステロール骨格を有するもの、グルタミン酸骨格を
有するもの、4級アンモニウム塩等が用いられる。コレ
ステロール骨格を有するカチオン性脂質の例として[N
−(N’,N’−ジメチルアミノエタン)−カルバモイ
ル]コレステロール(DC-Chol)等、グルタミン酸骨格
を有するカチオン性脂質の例として塩化N−(α−トリ
メチルアンモニオアセチル)−ジドデシル−D−グルタ
ミン酸(TMAG)等、4級アンモニウム塩の例としてDOTM
A(N−(1−(2,3−ジオレイロキシ)プロピル)
−N,N,N−トリメチルアンモニウムブロマイド)、
DDAB(ジメチルジオクタクレシルアンモニウムブロマイ
ド)、DOSPA(2,3−ジオレイロキシ−N−[2(ス
ペルミンカルボキシアミド)エチル]−N,N−ジメチ
ル−1−プロパンアミニウムトリフルオロアセテー
ト)、DOGS(ジオレオイル−D−グルタメート−N−2
(スペルミンカルボキシアミド)エチル)、DMRIE
(1,2−ジミリスチロキシプロピル−3−ジメチル−
ヒドロキシエチルアンモニウムブロマイド)等が挙げら
れる。
【0015】また、本発明において、遺伝子が導入され
る細胞としては、インビトロ培養細胞、生体から抽出し
た細胞、生体内に存在する細胞等が挙げられる。遺伝子
を細胞に導入するには、組織に直接注入する、静脈およ
び標的組織の支配動脈等の血管内に投与する、エアロゾ
ル化して呼吸器に投与する、生分解性カプセル等に封入
して組織に埋め込む、消化管内で分解可能なカプセル等
に封入して経口投与する等の方法が用いられる。インビ
トロ培養細胞への遺伝子導入には、溶液、凍結乾燥物、
エアロゾルの形態の組成物が用いられる。
【0016】なお、本発明の組成物は、通常のカチオン
性脂質と異なり、生体内および培地中の成分と複合体を
形成して沈殿を生じにくいため、生体内に直接投与した
り培地に混入して使用することが可能である。
【0017】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明は、これらの実施例に限定されるものでは
ない。 [実施例1] 再構成センダイウイルス粒子の調製 100個の発育鶏卵(9〜10日目)を検卵し、希ヨー
ドチンキ液で消毒した後、ポリペプトン溶液(1%ポリ
ペプトン、0.2%NaCl、pH7.2)で希釈したセンダイ
ウイルスシードを26ゲージの注射針を装着した1mlの
ディスポーザブルのシリンジで0.1mlずつ漿尿膜腔に
投与した。十分な湿度を保ちながら35.5℃で4日間
放置し、4℃で6時間以上放置した後、18ゲージの注
射針を装着した10mlのディスポーザブルのシリンジに
てそれぞれの鶏卵から漿尿液を回収した。回収した漿尿
液800mlを、1000g、4℃で10分間遠心して上
清を回収した。さらにこの上清を、27000g、4℃
で30分間遠心しウイルスをペレットとして得た。10
mlのBSS(137mMNaCl、5.4mMKCl、10mMTris-HC
l、pH7.6)を加え、4℃で一夜放置した後、ペレット
を懸濁し、2本のチューブに集め27000g、4℃で
30分間遠心しペレットを回収した。2本のチューブに
8mlのBSSを加え、4℃で3時間放置した後懸濁し、1
000g、4℃で10分間遠心して得られた上清を精製
したセンダイウイルスとして回収した。ニワトリ赤血球
凝集活性が200万HAUの精製したセンダイウイルスを
含む8mlのBSS溶液に0.5%NP-40を1mlを加え、4
℃で30分間処理した後、10500g、4℃で75分
間遠心し、上清を5mMのリン酸緩衝液(pH6.0)に対
して4℃で3日間透析した。10500g、4℃で75
分間遠心し、上清をリン酸緩衝液(pH6.0)で平衡し
たCM-セファロース(CM-Sepharose)にアプライし、ボ
イドボリューム(void volume)を回収した。F、HN蛋白
の精製はSDS-PAGE後のCBB染色で確認した。2mgの凍結
乾燥した脂質[ホスファチジルコリン:コレステロール
8:1(重量比)]とボイドボリューム画分の1ml
(約2mg蛋白含有)を混合し、0.85%NP-40を4ml
を加えてボルテックスミックスし、0.3Mの蔗糖、1mM
のKClを含む10mMのリン酸緩衝液(pH7.2)に対して
4℃で6日間透析した後、ゲルろ過し540nmの吸収の
ピークの画分を回収した。この画分のニワトリ赤血球凝
集活性を調べたところ2万HAUであった。この画分は、
再構成センダイウイルスであり、この再構成センダイウ
イルスを用いて膜融合リポソームの調製が可能である。 [実施例2] カチオン性脂質によるDNAの封入 ホスファチディルコリン(PC)、コレステロール(CH
O)、及びカチオン性脂質である[N−(N',N'−ジメチル
アミノエタン)−カルバモイル]コレステロール(DC-ch
ol)を重量比48:24:6で混合し、この混合物9.75mgに対し
160μgのpEBC(InVitrigene社)を加え、BSS0.5ml中に
おいて、通常のボルテックス法でリポソームを作成後、
CaCl2及びDNaseIをそれぞれ1mM、100μg/mlになるよう
に添加した。次いで、これをBSSに対して透析後、フェ
ノール/クロロホルム-イソアミルアルコールで抽出
し、さらにエタノール沈殿を行って、その沈殿物である
リポソームに封入されていたDNAに対しアガロース電気
泳動を行った。その後、泳動したDNAを臭化エチジウム
(EtBr)で染色し、デンシトメーターで定量を行った。
なお、本実験のコントロールとして、従来法で使用され
ていたホスファチディルコリン、コレステロール、及び
ホスファチディルセリン(PS)の重量比48:20:10からな
る混合物を等量用いた。
【0018】この結果、コントロールでは、DNAの封入
率が10〜15%にとどまったのに対し、カチオン性脂質を
用いた場合は、50〜60%となり、DNAの封入効率が4〜6倍
に上昇した。 [実施例3] カチオン性脂質を含むリポソームのセンダ
イウイルス(HVJ)への融合 実施例2で調製したPC、CHO、及びDC-cholの混合物9.75
mgから作成したリポソームを不活性化したセンダイウイ
ルス溶液0.5mlと融合させ、その後蔗糖密度勾配遠心を
行い、融合していないリポソーム及びセンダイウイルス
の分離を行った。なお、本実験のコントロールとして、
実施例1で用いたコントロールと同じ組成の混合物を等
量用いて同様の実験を行った。
【0019】この結果、コントロールでは、未反応のセ
ンダイウイルスが認められたが、DC-cholを含むリポソ
ームを用いた場合はほとんど認められなかった。すなわ
ち、カチオン性脂質を含むことによりリポソームのセン
ダイウイルスに対する融合能が上昇した。 [実施例4] カチオン性脂質を含むHVJ-膜融合リポソー
ムを用いたインビトロ(in vitro)での遺伝子導入 重量比48:20:10のPC、CHO及びDC-cholからなる混合物を
9.75mg調製し、該混合物に9kbpのルシフェラーゼ遺伝子
を発現させるプラスミドであるpcLucを200μg、HMG1タ
ンパク質を65μg、ボルテックス法により混合させリポ
ソームを作成した。次いで、これらの混合物を不活化し
たセンダイウイルスと融合させた後、直径60mmの細胞培
養ディッシュあたり1〜5×105の293細胞及びBHK細
胞にDMEM/FCS10%で遺伝子導入を行った。ルミノフォト
メーターで、PicaGene試薬(和光純薬)を用いて48時
間後のルシフェラーゼ活性を測定した。本実験のコント
ロールとして、重量比48:20:10のPC、CHO、及びPSから
なる混合物を等量用いて同様の実験を行った。
【0020】この結果、293細胞では、カチオン性脂質
であるDC-cholを含むリポソームを用いた場合、コント
ロールと比較して約10倍のルシフェラーゼ活性が検出さ
れた。一方、BHK細胞を用いた場合には、コントロール
と比較して約2倍のルシフェラーゼ活性が検出された。
【0021】
【表1】 ───────────────────────────────── 光量(Light Units/Dish) 脂質組成 ─────────────────── 293細胞 BHK細胞 ───────────────────────────────── PC:CHO:PS=48:20:10 11.8 2.4 ───────────────────────────────── PC:CHO:DC-chol=48:20:10 116.3 4.6 ───────────────────────────────── 遺伝子導入効率をさらに高めるため、本実験における膜
融合リポソームとセンダイウイルスとの融合前に、膜融
合リポソームをアセチルセルロースフィルターに通す過
程を加えるとともに、PC、CHO、及びDC-cholの重量比の
調整を行い、BHK細胞にて同様の実験を行った。
【0022】この結果、0.45μmのアセチルセルロース
フィルターに通す過程を加えた場合には、該過程がない
実験の場合と比較して、約4倍のルシフェラーゼ活性が
検出された。該過程に加え、さらに、PC、CHO、及びDC-
cholの重量比を48:24:6に改変したところ、ルシフェー
ゼ活性はさらに約5倍に高まった。PC、CHO、及びDC-cho
lの重量比を48:24:6に調整し、アセチルセルロースフィ
ルターを0.22μmにしたところ、アセチルセルロースフ
ィルターが0.45μmの場合と比較して、さらに約1.5倍と
なった。
【0023】
【表2】 ───────────────────────────────── 光量(Light Units/Dish) 脂質組成 フィルター ───────────── BHK細胞 ───────────────────────────────── PC:CHO:DC-Chol=48:20:10 なし 4.6 ───────────────────────────────── PC:CHO:DC-Chol=48:20:10 0.45μm 17.6 ───────────────────────────────── PC:CHO:DC-Chol=48:24:6 0.45μm 84.1 ───────────────────────────────── PC:CHO:DC-Chol=48:24:6 0.22μm 128.1 ───────────────────────────────── [実施例5] カチオン性脂質を含むHVJ-膜融合リポソー
ムを用いたインビボ(invivo)での遺伝子導入 重量比48:20:10のホスファチディルコリン、コレステロ
ール、及び[N−(α−トリメチルアンモニオアセチル)
−ジドデシル−D−グルタミン酸(TMAG)]からなる混
合物10mgに、pGL2-Control Vector(Promega 社)200ug
を加え、ボルテックス法によりリポソームを調製した。
このリポソームを不活化センダイウイルスとOD比で1:
5で融合し、「HVJ−TMAG−リポソーム」を作成した。
次いで、1mlのHVJ−TMAG−リポソームをコンプレッサー
付きネブライザーでラットに噴霧し、ラットの気管内の
ルシフェラーゼ活性を測定した。比較対象として、TMAG
に代えてホスファチディルセリンを用いた以外は「HVJ
−TMAG−リポソーム」と同様の「HVJ−PS−リポソー
ム」及びセンダイウイルスを含まないこと以外は「HVJ
−TMAG−リポソーム」と同様の「TMAG−リポソーム」を
用いた。また、コントロールとして、プラスミドを含ま
ないHVJ−TMAG−リポソームを用いた。
【0024】この結果、「TMAG−リポソーム」を用いた
場合には低いルシフェラーゼ活性が検出されたが、「HV
J−PS−リポソーム」を用いた場合には、コントロール
と同様に、ルシフェラーゼ活性は検出されなかった。一
方、「HVJ−TMAG−リポソーム」を用いた場合には高い
ルシフェラーゼ活性が検出された(図1)。
【0025】一方、この実験においてラットの右肺下葉
のルシフェラーゼ活性を測定したところ「HVJ−TMAG−
リポソーム」を用いた場合にのみ高いルシフェラーゼ活
性が検出された。その他の場合には、ルシフェラーゼ活
性は検出されなかった(図2)。 [実施例6] カチオン性脂質を含むHVJ-膜融合リポソー
ムを用いたインビボ(invivo)での遺伝子導入 重量比48:24:6のPC、CHO、及びDC-Cholからなる混合物
を9.75mg調製し、該混合物に単純ヘルペスウイルスのチ
ミジンキナーゼ遺伝子(HSV-tk)を含むプラスミドを20
0ug、HMG1タンパク質を65ug、ボルテックス法により混
合させリポソームを作成した。次いで、これらの混合物
を不活化したセンダイウイルス0.5mlと融合させて「HVJ
-DC-Chol-リポソーム」を調製した。比較対象として
は、重量比48:20:10のPC、CHO、及びPSからなる「HVJ-P
S-リポソーム」及びHSV-tkを含むレトロウイルスベクタ
ーを生産する細胞Φを用いた。C3H/NeNマウス脳内に5×
106の悪性グリオーマ細胞(RSV-M)を播種した後、2日
目にプラスミド10ug相当のHVJ-DC-Chol-リポソーム、HV
J-PS-リポソーム及びΦをそれぞれ5匹の腫瘍内に投与
した。Φについては、それ以外に3日目と4日目にも同
様の投与を行った群も設定した。その後4日目より、ガ
ンシクロビル10mg/kgの1日1回腹腔内投与を1週間継
続した。遺伝子導入効果については、生存数と平均体重
により評価を行った(図3、図4)。 その結果、レト
ロウイルス生産細胞であるΦを投与した場合は効果が見
られなかった。また、HVJ-DC-Chol-リポソームは、HVJ-
PS-リポソームと同等以上の効果が認められた。
【0026】
【発明の効果】本発明によって、DNAの高い確率で封入
すると同時に、封入されたDNAを細胞に高い効率で導入
することができる遺伝子導入用組成物が提供され、遺伝
子を高頻度で細胞内に導入することが可能となった。ま
た、本発明の組成物は、通常のカチオン性脂質と異な
り、生体内および培地中の成分と複合体を形成して沈殿
を生じにくいため、生体内に直接投与したり培地に混入
して使用することが可能である。本発明による遺伝子導
入は、特に遺伝子治療分野における利用が期待される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のカチオン性脂質を含むHVJ-膜融合リポ
ソーム及びその比較対象をラットに導入した際のラット
気管内におけるルシフェラーゼ活性の測定結果を示す図
である。
【図2】本発明のカチオン性脂質を含むHVJ-膜融合リポ
ソーム及びその比較対象をラットに導入した際のラット
右肺下葉におけるルシフェラーゼ活性の測定結果を示す
図である。
【図3】本発明のカチオン性脂質を含むHVJ-膜融合リポ
ソーム及びその比較対象をマウス脳内に導入した際のマ
ウスの生存数の経時的な測定結果を示す図である。
【図4】本発明のカチオン性脂質を含むHVJ-膜融合リポ
ソーム及びその比較対象をマウス脳内に導入した際のマ
ウスの平均体重の経時的な測定結果を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12N 7/00 C12N 7/00 // A61K 48/00 A61K 48/00 (72)発明者 米満 吉和 福岡県福岡市博多区吉塚5−7−33 (72)発明者 長谷川 護 茨城県つくば市観音台1丁目25番11号ディ ナベック研究所内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ウイルス粒子またはウイルス由来のタン
    パク質、カチオン性脂質及び核酸を含む遺伝子導入用組
    成物。
  2. 【請求項2】 ウイルス粒子がエンベロープを有するも
    のである、請求項1記載の組成物。
  3. 【請求項3】 カチオン性脂質がコレステロール骨格を
    有するものである、請求項1または2に記載の組成物。
  4. 【請求項4】 カチオン性脂質が[N−(N’,N’−
    ジメチルアミノエタン)−カルバモイル]コレステロー
    ル(DC-Chol)である、請求項3に記載の組成物。
  5. 【請求項5】 カチオン性脂質がグルタミン酸骨格を有
    するものである、請求項1または2に記載の組成物。
  6. 【請求項6】 カチオン性脂質が塩化N−(α−トリメ
    チルアンモニオアセチル)−ジドデシル−D−グルタミ
    ン酸(TMAG)である、請求項5に記載の組成物。
  7. 【請求項7】 カチオン性脂質が4級アンモニウム塩で
    ある、請求項1または2に記載の組成物。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれかに記載の組成物
    を用いることを特徴とする、核酸またはその誘導体を細
    胞内に導入する方法。
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JP2003523198A (ja) * 2000-02-15 2003-08-05 オボ バイオサイエンシーズ, インコーポレイテッド 殻の中での鳥類の卵のインオボ賦活化
US7091030B2 (en) 2001-12-12 2006-08-15 Kerrie Setiawan Composition for the preservation of viruses

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