JPH09234100A - 核酸の検出方法 - Google Patents

核酸の検出方法

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JPH09234100A
JPH09234100A JP4265096A JP4265096A JPH09234100A JP H09234100 A JPH09234100 A JP H09234100A JP 4265096 A JP4265096 A JP 4265096A JP 4265096 A JP4265096 A JP 4265096A JP H09234100 A JPH09234100 A JP H09234100A
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JP4265096A
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Kojiro Kurisu
浩二郎 栗栖
Youtai Iwamoto
容泰 岩本
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Takara Shuzo Co Ltd
Original Assignee
Takara Shuzo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来のインサイチュー(in situ)ハイブリ
ダイゼーション法の問題を解消した、簡便で応用範囲の
広い核酸の検出方法を提供する。 【解決手段】 細胞または細胞下生物構造等の生物材料
内における一本鎖または二本鎖核酸中の標的配列の存在
を検出する方法であって、組織、細胞または細胞下生物
構造を薄膜支持体に転写、保持させる工程を含むことを
特徴とする核酸の検出方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する分野】本発明は、核酸の検出方法、さら
に詳しくは、組織や細胞構造内の一本鎖または二本鎖の
核酸中に存在する標的配列の検出方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年の急速な遺伝子クローニング技術の
進歩は、数多くの遺伝子の単離とその解析に貢献し、生
物学的、医学的に重要な成果をもたらした。こうして得
られた遺伝子の機能や発現の制御機構を解明するため
に、現在では遺伝子の発現の状態を組織または細胞のレ
ベルで研究するための手法も開発されてきている。イン
サイチュー(in situ)ハイブリダイゼーション法(I
SH法)は、基本的な構造を維持したまま、膜の透過性
を高められた状態で固体支持体上に固定された検体生物
材料からの、例えば、組織、細胞または細胞下構造から
なる試料中に含まれるDNAまたはRNAと、調べよう
とする目的遺伝子の塩基配列を含むDNAまたはRNA
プローブとのハイブリダイゼーションによって目的遺伝
子の存在を検出する方法である(例えば、特表平4−5
02553号参照)。また、上記の試料中の目的遺伝子
の存在を目的遺伝子に特異的なプライマーを用いた核酸
増幅法、例えば、PCR法によって検出することも可能
であり、この方法はインサイチューPCR法と呼ばれて
いる(特公平8−73号参照)。これらの方法は、細胞
工学別冊9、脱アイソトープ実験プロトコール、DI
Gハイブリダイゼーション、第7章および第9章(19
94年3月25日、株式会社秀潤社発行)にもまとめら
れている。これらの方法は遺伝子の存在またはその発現
状態に関する情報を組織、細胞レベルで得ることが可能
であり、生物学や医学の分野において広範に活用されて
いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ISH法およびインサ
イチューPCR法による遺伝子の検出を行う場合には、
対象となる検体生物材料は支持体上に保持され、生存時
の構造を残した状態で固定されたものを試料として使用
する。通常、この支持体には検出時の試料の観察が容易
であるなどの理由からスライドガラスが用いられるが、
この場合の試料作製には煩雑な操作を要する。また、組
織切片を試料とする場合には、試料作製時および遺伝子
検出操作時に切片の剥離が起こりやすいという問題があ
り、特に、歯学領域で取り扱うことの多い脱灰標本にお
いてその危険が高い。さらに、切片の剥離は試料を高温
で処理した場合に起こりやすいことから、一般には試料
を高温(例えば、65℃以上)で処理することは望まし
くない。しかし、その一方で不十分な熱処理は試料中の
核酸が十分に変性されないことに伴う検出感度の低下お
よびプローブまたはプライマーが試料中の核酸と非特異
的なアニーリングを起こすことによるバックグラウンド
の上昇を招く。このように、現在用いられているISH
法およびインサイチューPCR法には、なお解決すべき
課題が残されている。
【0004】
【課題を解決するための手段】最近、タンパク質の免疫
組織化学的方法の一つとして凍結転移法(McGrath eta
l,Biotechniques,Vol.11,pp.352−361,
1991)が開発されている。この方法は、凍結切片を
ニトロセルロース膜上で解凍しながら切片中のタンパク
質を膜上に転移した後、免疫化学的にタンパク質の検出
を行う方法である。この方法では膜の持つタンパク質吸
着の許容量が大きいこと、および未変性タンパク質を含
む試料が得られることから目的タンパクの検出を高感度
に行うことができる利点がある。また、通常の組織化学
的染色も可能であり、膜を透明化処理することで光学顕
微鏡を用いた観察も行うことができる。この方法はタン
パク質を対象としたものであるが、本発明者らは、サザ
ンおよびノーザンハイブリダイゼーション法の例に示さ
れるように核酸(DNA、RNA)もニトロセルロース
膜に強く吸着することに着目し、ニトロセルロース膜の
ような薄膜支持体上に保持された試料を用いることによ
り、従来の問題点を克服した新たなISH法およびイン
サイチューPCR法の開発が可能と考え、鋭意研究を重
ねた。その結果、薄膜支持体および凍結転移法を利用す
ることにより、ISH法およびインサイチューPCR法
に適用可能な試料を、従来法に比べて簡便な操作で作製
できること、さらに、得られる実験結果が従来法よりも
優れていることを見い出し、本発明を完成するに至っ
た。
【0005】すなわち、本発明は、検体における核酸中
の標的配列の存在を検出するに際し、検体を薄膜支持体
へ転写、保持させて試料を作製することを特徴とする核
酸の検出方法を提供するものである。また、本発明は、
かかる方法に使用するキットも提供するものである。
【0006】本発明の核酸の検出方法は、特に、検体の
組織切片、細胞または細胞下生物構造等を、好ましくは
凍結転移法を応用して、薄膜支持体へ転移させて試料を
作製し、薄膜上で、好ましくはISH法やインサイチュ
ーPCR法等により、試料中の標的配列の存在を検出す
ることにより特徴づけられる。これにより、本発明の方
法は、従来法の欠点を解消し、従来法よりも簡便な操作
で、より高感度で核酸やその断片の検出が可能になり、
基礎的研究の分野はもとより、臨床医学、歯学の分野で
も広く核酸の検出に応用できる。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の方法を適用する検体は、
特に限定するものではなく、例えば、一本鎖または二本
鎖核酸のごときポリヌクレオチドを含む、基礎的研究分
野、臨床医学分野、歯学分野等における各種の組織、細
胞等の生物材料が包含される。例えば、本発明の方法
は、基礎医学においては、骨格形成の機構を調べる場
合、発生中の動物胎仔の検体における、I型コラーゲン
遺伝子、II型コラーゲン遺伝子、IX型コラーゲン遺
伝子、X型コラーゲン遺伝子、アグリカン遺伝子等の種
々のマトリックス(細胞外基質)遺伝子の発現の研究に
使用でき、また、臨床医学においては、生検材料におけ
る種々の疾患マーカーや腫瘍マーカー、ならびに癌遺伝
子などの遺伝子発現部位および発現レベル(量)の検討
に使用できる。
【0008】薄膜支持体としては、ポリヌクレオチドに
対して親和性を有する可塑性の高分子薄膜、例えば、ニ
トロセルロース膜や、それと同等な性質を有する高分子
膜、例えば、ナイロン膜、PVDF(ポリビニリデンジ
フルオライド)膜等が挙げられ、とりわけ、サザンまた
はノーザンハイブリダイゼーション法やウエスタンブロ
ッティング法に使用されるようなニトロセルロース膜が
好適に使用できる。また、これらの高分子膜について
は、例えば、ドットブロット法のような自体公知の方法
によって、核酸およびタンパクの吸着能を調べることに
より、本発明の方法への使用に適するものであるかどう
かを調べることができる。薄膜支持体の使用により、検
体組織等を支持体に架橋結合させることができ、試料の
支持体からの剥離や、試料成分のロスが防止できる。ま
た、従来のISH法で使用されるスライドガラスに比
し、検体試料の保持量を著しく増加でき、さらに、微量
のmRNAの保持が可能となり、リボヌクレアーゼの不
動化により、ハイブリダイゼーション中のRNAの分解
が起こりにくく、大きな切片の保持もよくなり、試料作
製がより容易になり、かつ高感度の検出が可能となる。
【0009】試料の作製における、検体組織等の薄膜支
持体への転写、保持は、毛細管現象を利用したキャピラ
リーブロッティング(Tissue Printing,pp.139−
151,1992,Academic Press)のような、常法に
よって行うことができるが、本発明においては、特に、
凍結転移法によって行うことが好ましい。例えば、適宜
の大きさに切断した薄膜支持体を、10分間程度、約9
0℃の蒸留水または塩溶液(例、0.1M CaCl2
液)に浸漬し、風乾し、クリップ等でスライドガラス上
に固定する。ついで、凍結した検体切片を薄膜支持体上
で、ドライヤー等にて十分に乾燥させる。所望により、
自体公知の方法で紫外線架橋させてもよい。その後、固
定する。ついで、酵素処理(例、プロテイナーゼ処理
等)、洗浄、さらに必要に応じて再固定処理(例、4%
パラホルムアルデヒド処理)などの後処理をし、ドライ
ヤー等で乾燥し、検出操作に付す。
【0010】試料中の標的配列の存在の検出には、自体
公知の方法によるハイブリダイゼーション法やPCR法
に代表される核酸増幅法を使用することが可能である。
PCR法としては、インサイチューPCR法が好まし
い。なお、同一検体より得られた材料をニトロセルロー
ス膜に移して目的の核酸を検出するノザン・ハイブリダ
イゼーションを、本発明のハイブリダイゼーションと同
じ条件で並行して行うことにより、非特異的反応を排除
する条件を容易に見いだすことができる。また、インサ
イチューPCR法では、薄膜支持体上で増幅したmRN
Aの拡散が最小限に抑えられるので、高い効率と検出感
度が得られ、さらに、微量にしか発現しない遺伝子の検
出も可能となる。
【0011】ハイブリダイゼーション用のRNAプロー
ブの作製は、自体公知の方法で行うことができ、例え
ば、II型コラーゲン遺伝子を検出するためのジゴキシ
ゲニン(DIG)標識されたRNAプローブは、つぎの
ようにして作製した。J.Biol.Chem.,Vol.259,p
p.13668−13673(1989)に記載のラッ
トα1(II)コラーゲンのN末端部分をコードするc
DNAを含むプラスミドpRcol2を調製し、これをPst
I消化して得られる約550bpのDNA断片をプラスミ
ドベクターpGEM(プロメガ社製)に導入した組換え
プラスミドp1377(α1II)を作製した。このプ
ラスミド1μgを鋳型として含む20μl反応液[4μl
の5倍濃度RNAポリメラーゼ緩衝液、2μlのジチオ
トレイール(DDT)、1μlのリボヌクレアーゼ・イ
ンヒビター(40U/μl、プロメガ社製)、2μlのD
IG RNAラベリングミクスチャー(ベーリンガー・
マンハイム社製)、1μlのRNAポリメラーゼ(20
μg/μl、プロメガ社製)を含む]を調製した。RNA
ポリメラーゼは転写産物としてアンチセンス側のRNA
が得られるものをT7RNAポリメラーゼおよびSP6
RNAポリメラーゼから選択して使用し、鋳型となるプ
ラスミドは使用したRNAポリメラーゼによって認識さ
れない側のプロモーター配列と、挿入DNA断片の間を
適当な制限酵素で切断し、直鎖状としたものを用いた。
この反応液を37℃にて60分間インキュベートした
後、反応液に2μlのDDT、1μlのリボヌクレアーゼ
・インヒビター、1μlのリボヌクレアーゼ・フリー・
デオキシリボヌクレアーゼ(50U/μl、プロメガ社
製)を加え、さらに滅菌蒸留水を加えて全量を50μl
とした。この反応液を37℃にて15分間インキュベー
トして反応液中鋳型DNAを分解した後、エタノール沈
澱(−80℃、60分間)を行って合成されたDIG標
識RNAプローブを回収し、50μlのジエチルピロカ
ーボネート(DEPC)処理蒸留水に溶解してプローブ
溶液とした。
【0012】I型コラーゲン、IX型コラーゲン、X型
コラーゲンおよびアグリカンの各遺伝子を検出するため
のプローブは、以下に示す文献記載の遺伝子をもとに、
上記と同様の操作を行って調製できる。 I型コラーゲン:(α1(I)コラーゲンcDNA):B
iochemistry,Vol.23,pp.6210−6216(1
984)、 IX型コラーゲン(α1(IX)コラーゲンcDN
A):J.Bone Miner.Res.,Vol.8,pp.1377−
1387(1993)、 X型コラーゲン(α1(X)コラーゲンNC1ドメイン
cDNA):Dev.Biol.,Vol.170,pp.387−3
96(1995)、 アグリカン(プラスミドpRC11挿入DNA断片):
J.Biol.Chem.,Vol.262,pp.17757−17
767(1987)。
【0013】PCR用のプライマーは、検出しようとす
る遺伝子の塩基配列をもとに、該配列またはその一部を
増幅できりるよう、任意に設計して使用することができ
る。その設計に当たり、特に制限はないが、鋳型DNA
とプライマーとの融解温度(Tm値)が適当な温度とな
り、また、プライマー自体が分子内で二次構造を形成し
ないような配列を選ぶなど、一般的なプライマー設計上
の問題点を考慮することが望ましい。
【0014】かくして、本発明の方法は、例えば、つぎ
のような工程で実施できる。 方法1 (1)薄膜支持体を適当な大きさに切る。支持体を90
℃の蒸留水または0.1M CaCl2溶液に10分間浸漬
し、風乾し、使用時に支持体をクリップでスライドガラ
スに固定する。 (2)支持体に検体の凍結切片を載せる。ドライヤー等
で完全に乾燥させる。 (3)緩衝液で洗浄する。 (4)室温で10〜60分間プロテイナーゼKで処理す
る(pH8.0)。 (5)4℃にて20分間、緩衝液中、4%パラホルムア
ルデヒド(pH7.2)で処理して固定する。 (6)室温にて0.2N HClで10分間処理する。 (7)緩衝液で洗浄する。 (8)室温にて、0.1Mトリエタノールアミン(pH
8.0)中、10分間振盪処理する。 (9)室温にて、0.1Mトリエタノールアミン(pH
8.0)、0.25%無水酢酸で10分間室温処理する。 (10)緩衝液で洗浄する。 (11)ドライヤー等で乾燥して試料を調製する。 (12)この支持体を適宜のサイズに切断し、チューブ
(エッペンドルフチューブ等)または密閉できるマルチ
・ウエル・プレート等に入れる。
【0015】(13)例えば、65℃にて3時間以上プ
レハイブリダイゼーションを行う。ハイブリダイゼーシ
ョン緩衝液:50%ホルムアミド、10mM トリス−H
Cl(pH7.6)、1mM EDTA、0.2%SDS、1
×デンハルト(Denhardt)溶液、0.6M NaCl、10
% デキストラン・サルフェート、200μg/ml酵母t
RNA。 (14)例えば、DIG標識RNAプローブについて、
65℃にて一夜、ハイブリダイゼーションを行う。 (15)50%ホルムアミドを含む2×SSC[1×S
CCは0.15M NaCl、0.015M クエン酸ナトリ
ウム(pH7.0)]で20分間洗浄する操作を2回繰り
返す。 (16)10mM トリス−HCl(pH7.6)、500m
M NaClおよび1mMEDTA(TNE)で37℃にて
10分間処理する。 (17)TNE中、リボヌクレアーゼA10〜40μg
/mlで37℃にて10〜30分間処理する。 (18)TNEで37℃にて5分間処理する。 (19)2×SSCで60℃にて20分間処理する。 (20)0.2×SSCで60〜65℃にて15分間の
処理を2回繰り返す。 (21)ドライヤー等で乾燥する。 (22)アルカリホスファターゼ結合抗DIG抗体でD
IG標識プローブを検出する。
【0016】このうち、工程(3)、(6)、(7)、
(8)、(9)および(16)〜(19)は省略可能で
あり、つぎのような簡略化した方法2を採用することが
できる。 方法2 (1)薄膜支持体を適当な大きさに切る。支持体を90
℃の蒸留水または0.1M CaCl2溶液に10分間浸漬
し、風乾し、使用時に支持体をクリップでスライドガラ
スに固定する。 (2)支持体に検体の凍結切片を載せる。ドライヤー等
で完全に乾燥させる。 (3)室温で10〜60分間プロテイナーゼKで処理す
る(pH8.0)。 (4)4℃にて10〜20分間、緩衝液中、4%パラホ
ルムアルデヒド(pH7.2)で処理して固定する。 (5)緩衝液で洗浄する。 (6)ドライヤー等で乾燥して試料を調製する。 (7)この支持体を適宜のサイズに切断し、チューブ
(エッペンドルフチューブ等)または密閉できるマルチ
・ウエル・プレート等に入れる。
【0017】(8)例えば、65℃にて3時間以上プレ
ハイブリダイゼーションを行う。ハイブリダイゼーショ
ン緩衝液:50%ホルムアミド、10mM トリス−HC
l(pH7.6)、1mM EDTA、0.2%SDS、1×
デンハルト(Denhardt)溶液、0.6M NaCl、10%
デキストラン・サルフェート、200μg/ml酵母tR
NA。 (9)例えば、DIG標識RNAプローブについて、6
5℃にて一夜、ハイブリダイゼーションを行う。 (10)2×SSC、ついで50%ホルムアミドで60
〜65℃にて15〜20分間洗浄する操作を2回繰り返
す。 (11)0.2×SSCで60〜65℃にて15分間の
処理を2回繰り返す。 (12)ドライヤー等で乾燥する。 (13)アルカリホスファターゼ結合抗DIG抗体でD
IG標識プローブを検出する。
【0018】これに対し、従来のISH法での工程は、
例えば、つぎの方法3のとおりであり、その工程は、い
ずれも省略できない。 方法3 (1)スライドガラスを中性洗剤で十分に(約60分
間)洗浄する。10分間水洗した後、120℃で20分
間オートクレーブし、さらに、10分間水洗し、つい
で、180℃で3時間乾熱する。その後、アセトン中、
2%アミノプロピルトリエトキシシランに10秒間浸漬
し、ドライヤー等で完全に乾燥させる。 (2)スライドガラスに検体の凍結切片を載せる。ドラ
イヤー等で完全に乾燥させる。 (3)4℃にて20分間、緩衝液中、4%パラホルムア
ルデヒド(pH7.2)で処理して固定する。 (4)緩衝液で洗浄する。 (5)室温で10〜60分間プロテイナーゼKで処理す
る(pH8.0)。 (6)緩衝液で洗浄する。 (7)4℃にて5分間、緩衝液中、4%パラホルムアル
デヒド(pH7.2)で処理して固定する。 (8)緩衝液で洗浄する。 (9)室温にて0.2N HClで10分間処理する。 (10)緩衝液で洗浄する。 (11)室温にて、0.1Mトリエタノールアミン(pH
8.0)中、10分間振盪処理する。 (12)室温にて、0.1Mトリエタノールアミン(pH
8.0)、0.25%無水酢酸で10分間室温処理する。 (13)緩衝液で洗浄する。 (14)ドライヤー等で乾燥して試料を調製する。
【0019】(15)スライドガラス上の切片を保持し
た部分に適当量のハイブリダイゼーション緩衝液を滴下
し、その上をパラフィルム等で覆って、42〜50℃で
3時間以上プレハイブリダイゼーションを行う。ハイブ
リダイゼーション緩衝液:50%ホルムアミド、10m
M トリス−HCl(pH7.6)、1mM EDTA、0.
2%SDS、1×デンハルト(Denhardt)溶液、0.6
M NaCl、10% デキストラン・サルフェート、2
00μg/ml酵母tRNA。 (16)例えば、DIG標識RNAプローブについて、
42〜50℃にて一夜、ハイブリダイゼーションを行
う。 (17)50%ホルムアミドを含む2×SSCで50℃
にて20分間洗浄する操作を2回繰り返す。 (18)10mM トリス−HCl(pH7.6)、500m
M NaClおよび1mMEDTA(TNE)で37℃にて
10分間処理する。 (19)TNE中、リボヌクレアーゼA10〜40μg
/mlで37℃にて10〜30分間処理する。 (20)TNEで37℃にて5分間処理する。 (21)2×SSCで50℃にて20分間処理する。 (22)0.2×SSCで50℃にて15分間の処理を
2回繰り返す。 (23)ドライヤー等で乾燥する。 (24)アルカリホスファターゼ結合抗DIG抗体でD
IG標識プローブを検出する。
【0020】核酸増幅法にて検出を行う場合には、上記
と同様にして調製した試料について核酸増幅法を適用す
る。例えば、本発明に使用される核酸増幅法としては、
PCR法の他、RNAポリメラーゼを用いて増幅する方
法(特開平2−5864号)や鎖置換増幅法(特公平7
−114718号)等の方法を使用できる。核酸増幅法
では、例えば、増幅に用いるプライマーを標識しておく
か、標識されたヌクレオチド三リン酸を反応液に加えて
増幅反応を行い、その後、使用した標識化合物に応じた
方法で増幅された核酸を検出することができる。
【0021】また、本発明は上記の方法によって標的配
列の存在を検出するためのキットも提供する。該キット
は、必須の構成員として、本発明の方法に使用する薄膜
支持体を含むものであればいずれでもよく、例えば、検
体の種類、検出の目的等に応じて、これと、試料作製に
使用する固定用試薬、ハイブリダイゼーション用試薬、
PCR用試薬、検出試薬等から選ばれる少なくとも1種
の試薬とを組み合わせてよい。また、これらの試薬は固
体でも、液体でもよい。
【0022】
【実施例】つぎに、試験例および実施例を挙げて本発明
をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に
よって限定されるものではない。 試験例1 ポリL−リジンコートスライドガラス、シランコートス
ライドガラスおよびニトロセルロース膜への検体試料の
結合性の比較 従来のISH法ではスライドガラス上に生体試料を保持
する手段としてポリL−リジンコート(Huang,W.H.,
et al,(1983)Histochemistry,77,275−
279)またはシランコート(Burns et al,(198
7)J.Clin.Pathol.,40,858−864)が汎用
されている。これらをコートしたスライドガラスとニト
ロセルロース膜への検体試料の結合性を比較した。
【0023】マウス14日齢胎仔の後肢の凍結切片(5
μm厚)を、各々、ポリL−リジンコートスライドガラ
ス、シランコートスライドガラスまたは0.05μm孔径
のニトロセルロース膜(BA85−PH75ニトロセル
ロースメンブレン、S&S社製)上に載せ、ドライヤー
で乾燥させて切片を転写した後、55℃、65℃および
75℃にて50%ホルムアミド、2×SSC中で12時
間インキュベートした。ついで、切片をニュークリア・
ファスト・レッドで染色し、試料(各10切片)の剥離
状態を調べた。結果を表1に示す。結果は、各条件にお
いて、10切片の試料中で剥離(完全剥離ないし70%
以上剥離)したものの枚数で示す。
【0024】
【表1】
【0025】表1に示すごとく、ニトロセルロース膜は
スライドガラスに比べて、切片の保持が著しく良好であ
り、より高い温度でハイブリダイゼーションを行えるこ
とが判明した。
【0026】試験例2 ISH法の簡略化の検討 従来のISH法では、プローブの非特異的吸着によるバ
ックグラウンドのシグナルを減少させるために、上記方
法3に示すごとく、切片のHCl処理(前出、細胞工学
別冊9、第7章)、アセチレーシヨン(Hayashi et a
l,(1978)J.Histochem.,Cytochem.,26
(8),pp.677−679)や、ハイブリダイゼーシ
ョン後のリボヌクレアーゼ処理(Takabayashi et al,
(1995)J.Cell Biol.,129(5),pp.14
11−1419)などを行っている。一方、RNAを電
気泳動した後に、ニトロセルロース膜やナイロン膜に転
写して、プローブとハイブリダイズさせることにより目
的とするmRNAを検出するノーザンハイブリダイゼー
ション法では、高ストリンジェンシーでハイブリダイズ
および洗浄できるので、このような操作は不要である。
そこで、ニトロセルロース膜に転写した組織のISHに
おいて、これらの処理の必要性を検討した。
【0027】上記方法1に従い、マウス14日齢胎仔の
後肢芽の凍結切片(5μm厚)を0.05μm孔径のニト
ロセルロース膜(BA85−PH75ニトロセルロース
メンブレン)に転写し、DIG標識したラットII型コ
ラーゲンRNAプローブ(0.1μg/ml)とハイブリダ
イズさせた。ただし、緩衝液としては、PBT緩衝液
[0.1%ツゥイーン(Tween)20を含む、0.1Mリ
ン酸ナトリウム緩衝液(NaPB)、pH7.2]を用
い、アルカリホスファターゼ結合DIG抗体と4−ニト
ロブルーテトラゾリウムクロライド(NBT)および5
−ブロモ−4−クロロ−3−インドリルリン酸(BCI
P)を用いてプローブを検出した。また、上記試料の作
製においては、A:方法1における工程(6)のHCl
処理を実施しなかった場合、B:方法1における工程
(6)のHCl処理および工程(7)〜(9)のアセチ
レーションを実施しなかった場合、C:方法1における
工程(6)のHCl処理、工程(7)〜(9)のアセチ
レーションおよび工程(16)〜(19)のリボヌクレ
アーゼ処理を実施しなかった場合、D:方法1の全工程
を実施した場合の4通りの方法で試料を作製した。
【0028】その結果、1時間の発色による検出で、A
〜Dの全ての群で軟骨組織に強いシグナルが認められ
た。特に、リボヌクレアーゼ処理を実施しなかったCで
は、10分で十分なシグナルが得られた。また、いずれ
の群においても、バックグラウンドはほとんど認められ
なかった。したがって、本発明の方法では、従来必要と
されていたHCl処理、アセチレーションおよびリボヌ
クレアーゼ処理を行う必要がなく、ISH法に要する時
間を短縮できることが判明した。
【0029】試験例3 ニトロセルロース膜を用いたISH法におけるプローブ
の至適濃度の検討 一般に、ISH法において、ハイブリダイゼーションに
用いるプローブの濃度は、検出方法の成否を左右する重
要なファクターの1つである。プローブの濃度が低すぎ
ると、目的の遺伝子が検出できないことがあり、また、
多すぎると高いバックグラウンドシグナルのために特異
的シグナルが検出できなくなる。例えば、DIG標識し
たRNAプローブの場合、通常、0.1〜1μg/mlの濃
度で使用されるが、至適濃度は個々のプローブで相違
し、ハイブリダイゼーションの条件によっても変わる。
そこで、本発明の方法におけるII型コラーゲンRNA
プローブの至適濃度を検討した。
【0030】試験例2のCと同じ方法で、ただし、プロ
ーブの濃度を0.3μg/ml、0.1μg/ml、30ng/m
l、10ng/mlまたは3ng/mlとしてハイブリダイゼー
ションを行った。試料を洗浄後、アルカリホスファター
ゼ結合抗DIG抗体と反応させ、NBTおよびBCIP
で最大9時間反応させた。この時のバックグラウンドお
よびシグナルの強さを、2人の観察者が実体顕微鏡下で
観察して評価した。試料の観察は10分おきに行い、明
らかなシグナルが得られた時間を計測した。結果を表2
に示す。表2中、バックグラウンドおよびシグナルの強
さの評価は、以下のとおりである。 バックグラウンド +++:軟骨以外の組織全域に強い発色を認める。 ++ :軟骨以外の組織全域に発色を認める。 + :軟骨以外の一部の組織に発色を認める。 − :発色を認めない。 シグナル +++:軟骨組織全域に強い発色を認める。 ++ :軟骨組織全域に発色を認める。 + :一部の軟骨組織に発色を認める。 − :発色を認めない。
【0031】
【表2】
【0032】表2に示すごとく、10ng/ml〜0.1μg
/mlの広い範囲で特異的シグナルが観察できた。しか
し、0.3μg/ml以上の濃度では、長時間の反応により
バックグラウンドも上昇したところから、本発明の方法
におけるII型コラーゲンRNAプローブの至適濃度は
3ng/ml〜100ng/mlであると考えられる、この濃度
は従来法におけるこのプローブの至適濃度の1/10〜
1/100である。
【0033】試験例4 従来法と本発明の方法の検出感度の比較 ラットアグリカンおよびII型コラーゲンのDIG標識
したRNAプローブを用いて、従来法と、本発明の方法
の検出感度を比較した。シランコートしたスライドガラ
スまたは孔径0.05μmのニトロセルロース膜に、16
日齢のラット胎仔の顔面の凍結切片(8μm厚)または
後肢芽の凍結切片(8μm厚)を載せ、従来法は、上記
方法3により、また、本発明の方法は上記方法2により
ISHを行った。ただし、顔面由来の切片に対してはI
I型コラーゲンプローブ、後肢芽由来の切片に対しては
アグリカンプローブをそれぞれ使用し、緩衝液は試験例
2に示したとおりである。ついで、同一条件で発色を行
い、5分おきに観察を行ってII型コラーゲンおよびア
グリカンを発現する軟骨全域に明らかなシグナルが検出
された時間を測定した。結果を表3に示す。
【0034】
【表3】
【0035】表3から明らかなごとく、II型コラーゲ
ンプローブ、アグリカンプローブのどちらの場合も、本
発明の方法では従来法に比べて短時間でシグナルが確認
できた。また、アグリカンプローブの場合には、発色か
ら8時間後の観察においても、本発明の方法で得られる
シグナルの方が従来法に比べて強かった。このように、
本発明の方法は、従来法より感度た高く、かつ必要とす
るプローブの量も少ないことが判明した。
【0036】種々のプローブを用いた検討 ラットI型コラーゲン、II型コラーゲン、IX型コラ
ーゲンおよびX型コラーゲンのDIG標識プローブを用
いて本発明の方法の有効性を検討した。試料としてマウ
ス14日齢胎仔の後肢を用い、プローブは全て100ng
/mlの濃度で用いて、上記方法2によりISHを行っ
た。この結果、I型コラーゲンについては、骨端軟骨以
外の組織全域、特に骨組織に強いシグナルが認められ、
II型コラーゲンについては、軟骨組織のほぼ全域でシ
グナルが認められ、IX型コラーゲンについては、骨端
軟骨全域に特異的なシグナルが認められ、X型コラーゲ
ンについては、軟骨の中でも骨に近接した、いわゆる肥
大軟骨細胞層に強いシグナルが認められた。このように
各種のプローブで、それぞれ特異的なシグナルが得られ
たことは、本発明の方法が有効であることを示してい
る。
【0037】実施例1 ニトロセルロース膜への生体試料の転写 0.05μm孔径のニトロセルロース膜を適当な大きさに
切断した後、90℃の蒸留水、または0.1M CaCl2
溶液に10分間浸した後、風乾した。使用時にクリップ
を用いてスライドグラスに固定した。生体試料として例
えば、生後4週令のラットの四肢をOCTコンパウンド
に包埋し、8μm厚の凍結切片を作製した。作製した凍
結切片をニトロセルロース膜に載せた後、ドライヤーで
完全に乾燥させることで転写を完成させた。その後、1
0μg/mlプロテイナーゼKで処理し、PBT緩衝液
中、4% パラホルムアルデヒドで4℃、20分再固定
した後、ハイブリダイゼーションに用いた。 II型コラーゲンのISH 調製した生体試料を転写したニトロセルロース膜を適当
な大きさに切断した後、チューブもしくは密閉できるマ
ルチ・ウエル・プレートに入れた。ハイブリダイゼーシ
ョン緩衝液(50% ホルムアミド、10mM トリス−
HCl、pH7.6、1mM EDTA、0.2% SDS、
1×デンハルト液、0.6M NaCl、10%デキストラ
ン・サルフェート、200μg/ml酵母tRNA)を加え
て65℃で3時間以上プレハイブリダイゼーションを行
った後、ジゴキシゲニン標識したII型コラーゲンのR
NAプローブを加え、65℃で一晩ハイブリダイゼーシ
ョンを行った。ハイブリダイゼーション後、2×SS
C、50%ホルムアミドを用いて60〜65℃で洗浄を
行った。20分の洗浄を2回行った後、さらに0.2×
SSCを用いて60〜65℃で15分間2回洗浄を行っ
た。その後、アルカリホスファターゼ結合した抗ジゴキ
シゲニン抗体を反応させ、NBTおよびBCIPを用い
て発色を行い、検出を行った。本実験ではプローブ量を
従来法の1/50量用い、検出時間10分で低バックグ
ラウンドでかつ十分な強度のシグナルを得ることができ
た。また、6時間発色反応をさせたままでも、バックグ
ラウンドが高くなることはなかった。
【0038】
【発明の効果】以上記載したごとく、本発明によれば、
従来のISH法の問題を解消した、簡便で、高感度の応
用範囲の広い改良された核酸の検出方法が提供できる。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 検体における核酸中の標的配列の存在を
    検出するに際し、検体を薄膜支持体へ転写、保持させて
    試料を作製することを特徴とする核酸の検出方法。
  2. 【請求項2】 薄膜支持体が高分子膜である請求項1に
    記載の方法。
  3. 【請求項3】 薄膜支持体がニトロセルロース膜である
    請求項2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 薄膜支持体がニトロセルロース膜と同等
    な高分子膜である請求項2に記載の方法。
  5. 【請求項5】 薄膜支持体への転写を凍結転移法によっ
    て行う請求項1〜4いずれか1項に記載の方法。
  6. 【請求項6】 標的配列の存在の検出をハイブリダイゼ
    ーションによって行う請求項1〜5いずれか1項に記載
    の方法。
  7. 【請求項7】 標的配列の存在の検出を核酸増幅法によ
    って行う請求項1〜5いずれか1項に記載の方法。
  8. 【請求項8】 標的配列の存在の検出をPCR法によっ
    て行う請求項7に記載の方法。
  9. 【請求項9】 薄膜支持体を構成員としてなる請求項1
    に記載の方法のための核酸検出用キット。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8524507B2 (en) 2009-08-19 2013-09-03 The Cleveland Clinic Foundation Method for detecting a target molecule in a biological sample

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