JPH09234242A - 骨接合材の製造方法 - Google Patents

骨接合材の製造方法

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JPH09234242A
JPH09234242A JP8216875A JP21687596A JPH09234242A JP H09234242 A JPH09234242 A JP H09234242A JP 8216875 A JP8216875 A JP 8216875A JP 21687596 A JP21687596 A JP 21687596A JP H09234242 A JPH09234242 A JP H09234242A
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保夫 敷波
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【解決手段】 生体内分解吸収性の結晶性熱可塑性
高分子材料を溶融成形して予備成形体を造り、これを下
端が閉鎖された成形型の狭い空間に冷間で塑性変形させ
ながら押込み加圧配向させて、配向成形体を製造する骨
接合材の製造方法。 配向成形体が結晶化し、結晶が
複数の基準軸に平行に配向している結晶形態を有する。
加圧配向が、予備成形体を成形体の断面積より小さ
い断面積を持つ下端が閉鎖された成形型に冷間で塑性変
形させながら圧入充填して圧縮配向させることよりな
る。 加圧配向が、予備成形体を成形体の断面積、厚
み、幅が小さい空間を持つ成形型の狭い空間に、又は成
形型の空間を予備成形体の空間よりも小さくした成形型
に冷間で塑性変形させながら鍛造充填して配向させるこ
とよりなる。 【効果】 再手術の不要な優れた骨接合材を簡単に製造
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、機械的強度が大き
い生体内分解吸収性である骨接合材の製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】整形外科、形成外科、胸部外科、口腔外
科、脳外科等の外科分野では、生体骨の固定、接合を目
的とする骨接合材として、金属製やセラミックス製のプ
レート、スクリュー、ピン等が使用されている。
【0003】しかし、これらの骨接合材は、機械的強度
及び弾性率が生体骨よりも遥かに高いため、治癒後にス
トレス保護により周囲骨の強度を低下させる現象を招く
等の問題がある。特に金属製の骨接合材は、金属イオン
の溶出によって生体に毒害を及ぼす恐れがあるため、骨
折等が治癒した時点で、できるだけ早期にそれを体内か
ら取出すべく再手術をしなければならないという大きな
問題を残している。
【0004】このような事情から、骨接合材として生体
内分解吸収性の高分子材料を用いる研究が北欧を中心に
盛んに行われるようになり、ポリグリコール酸の繊維を
溶着した自己強化型の骨接合器具が提案され(米国特許
第4,968,317号明細書参照)、臨床に使用され
たが、分解が速く、また融着した繊維間での剥離とその
崩壊した細片が生体を刺激して炎症を惹起するという欠
点が問題となった。
【0005】また、別に、特開昭59−97654号公
報には、生体内分解吸収性の骨接合器具として使用でき
るポリ乳酸又は乳酸−グリコール酸共重合体の合成法が
開示されているが、この場合には骨接合用材料として挙
げられているのは重合生成物自身であり、この材料の成
形加工性については何も説明されておらず、その強度を
人の骨程度に上げる試みは示されていない。しかも、こ
の骨接合器具は強度が充分でなく、折損等の恐れがあっ
た。
【0006】そこで、強度を上げるための製造法上の一
つの工夫として、ハイドロキシアパタイト(以下HAと
略称する)の少量を含むポリ乳酸等の生体内分解吸収性
の高分子材料を成形し、次いで長軸方向に加熱下に延伸
する骨接合ピンの製造方法(特開昭63−68155
号)が提案された。また、溶融成形後の粘度平均分子量
が20万以上のポリ乳酸又は乳酸−グリコール酸共重合
体の成形体を延伸した高強度骨接合材(特開平1−19
8553号公報)が提案された。
【0007】これらの製造方法によって得られる骨接合
材又はピンは、本質的に高分子材料の結晶軸(分子鎖
軸)が基準軸である長軸方向に平行に一軸配向している
ため、曲げ強度や長軸方向の引張強度が向上する。特
に、後者の骨接合材のように溶融成形後のポリ乳酸等の
粘度平均分子量が20万以上であると、フィブリル化し
ない程度の低倍率延伸においても強度が高いので有用で
ある。けれども、本質的に長軸方向にのみ延伸して得ら
れる骨接合材には次のような問題があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】通常、骨接合材を用い
て生体骨を接合固定すると、骨接合材には種々の方向の
力が作用する。例えば、プレート形状の骨接合材の場合
は、曲げ力、引張力、圧縮力、引裂き力、剪断力など種
々の力が単独或いは複合して作用するし、また、スクリ
ュー形状の骨接合材の場合は、これらの力に加えて生体
骨にねじ込むときと生体中にあるときに大きい捩り力が
作用する。しかし、前記のように長軸方向に延伸して得
られる骨接合材では、分子が分子鎖軸である長軸方向
[延伸軸である機械方向]にのみ配向しているので、こ
の長軸方向に対して直角の方向である横方向との分子配
向の異方性が大きい。
【0009】そのために、長軸方向からの引裂強度や横
方向からの剪断力に弱く、長軸を回転軸とする捩りの力
にも弱い。それ故、骨中で骨接合材に上記の引裂き力や
剪断力が作用すると、骨接合材が長軸方向に沿って比較
的簡単に割れたり、裂けたり、剪断破壊を生じたりする
恐れがあり、また、トルクを加えながら骨中に埋入する
スクリューなどのように長軸を回転軸として捩りの力が
作用した場合は、骨接合材が捩り破壊を生じるという問
題があった。
【0010】このような問題は、延伸の度合を上げるこ
とによって高分子材料が球晶構造からラメラの配向を経
て、更に繊維構造に達して、フィブリル化の度合が進む
ほど顕著になる。本発明は上記の課題に鑑みてなされた
もので、その目的とするところは、強度的に異方性が少
なく、長軸(一軸)延伸によって得られた一軸配向の材
料よりも大きな強度を有し、その結晶が本質的に複数の
基準軸に平行に配向している生体内分解吸収性の骨接合
材を容易に製造できる方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
について種々検討した結果、生体内分解吸収性である結
晶性の熱可塑性高分子材料を含む予備成形体を予め造
り、これを下端が本質的に閉鎖された成形型の狭い空間
に冷間で塑性変形させながら押込み加圧配向させること
により、一軸配向の材料より大きな強度を有する配向成
形体が容易に製造できることを見出し、本発明を完成す
るに至った。
【0012】すなわち、本発明は: 生体内分解吸収性である結晶性の熱可塑性高分子材
料を溶融成形して予備成形体を造り、この予備成形体を
本質的に下端が閉鎖された成形型の狭い空間に冷間で塑
性変形させながら押込み加圧配向させることにより、配
向成形体を製造する、骨接合材の製造方法を提供する。
また、 配向成形体が結晶化し、該結晶が本質的に複数の基
準軸に平行に配向している結晶形態を有している点にも
特徴を有する。また、 加圧配向が、記載の予備成形体を該成形体の断面
積より小さい断面積を持つ下端が本質的に閉鎖された成
形型に冷間で塑性変形させながら圧入充填して圧縮配向
させることからなる点にも特徴を有する。また、
【0013】 加圧配向が、記載の予備成形体を該
成形体の断面積、厚み、或いは幅のいずれかが部分的又
は全体的に小さい空間を持つ、成形型の狭い空間に、或
いは成形型の空間を予備成形体の体積よりも小さくした
成形型に冷間で塑性変形させながら鍛造充填して配向さ
せることからなる点にも特徴を有する。また、 該高分子材料の初期の粘度平均分子量が20万〜6
0万であって、その後の溶融成形された予備成形体の粘
度平均分子量が10万〜40万である点にも特徴を有す
る。また、 予備成形体の横断面の面積の2/3〜1/6の横断
面の面積を有する成形型のキャビティ内に予備成形体を
圧入充填する点にも特徴を有する。また、 成形型が、予備成形体を収容する断面積の大きい収
容筒部と、圧縮充填される断面積のより小さいキャビテ
ィと、これらを結ぶテーパー面を有する縮径部とからな
る点にも特徴を有する。また、 予備成形体の塑性変形温度が、該熱可塑性高分子材
料のガラス転移温度以上溶融温度以下の間の結晶化可能
な温度である点にも特徴を有する。また、 配向成形体を所望の骨接合材の形状に切削加工等す
る点にも特徴を有する。
【0014】以下、本発明を詳細に説明する。なお、こ
こにおいて、「本質的に閉鎖された成形型内に押込んで
加圧配向させる圧縮成形、又は打ち込み圧入方式で加圧
配向させる鍛造成形」を単に「圧縮成形、圧縮配向」又
は「鍛造成形、鍛造配向」と略称する。ただし、本発明
で言う圧縮成形と鍛造成形は以下の点で異なる。
【0015】両者は材料を加圧成形して、結晶(分子
鎖)を一軸延伸のような長軸方向(機械方向)のみに配
向する成形法ではなく、複数の軸を持つ或る方向に配向
させることを目的とする成形法である。そして、両者は
その方法が異なり、得られた成形物の配向形態も本質的
に異なる。即ち、圧縮成形は図1、図2に示すように、
予備成形体であるビレットをそれよりも小さい断面積を
持ち、下端が本質的に閉鎖された比較的単純な形状の成
形型に冷間で圧入充填することで塑性変形させながら成
形して配向させる方法である。
【0016】一方、鍛造成形は、ビレットを図1、図2
よりもより複雑な形状であり、且つその断面の厚み、或
いは幅のいずれかが部分的又は全体的に小さい空間を持
つ図4のような成形型の空間に、或いは成形型の空間が
ビレットの体積よりも小さい成形型に冷間で鍛造充填す
ることで塑性変形させながら配向させる成形方法であ
る。そのため、金型は本質的に下端が閉鎖されていなく
てもよく、断面積(又は厚み又は幅)の小さい空間に圧
入される部位では圧縮配向された分子鎖(結晶)の形態
が得られるが、そうでなく断面積が等しいか、大きい部
位では圧入により圧延或いは型の形状によって変形のみ
がなされる成形物の部分もまた存在し、かかる複雑な形
状のすみずみまでに、材料を完全に充填させるために、
圧入に強弱をつけたり、或いは連続的、不連続的に圧入
したりして、成形の仕方を適宜調整しなければならな
い。
【0017】このような打ち込み圧入方式による成形方
法自体が、鍛造と呼ばれる成形法である。即ち、本発明
で言う鍛造で得られた成形体は、圧縮成形と同様に圧縮
配向された形態からなる部分と打延によって配向された
形態からなる部分が混在したものも含むのである。ま
た、「生体内分解吸収性である結晶性の熱可塑性高分子
材料」を単に「高分子材料」と略称する。また、本発明
で言う「結晶の配向」とは、場合によってはポリマーの
分子鎖の配向も同時に意味するものである。
【0018】(A)〔総論〕骨接合材の製造方法: (a) 本発明の骨接合材、即ち結晶が本質的に複数の基準
軸に沿って平行に配向している結晶形態を有する配向成
形体の製造方法は、基本的に(イ) 生体内分解吸収性、
結晶性、熱可塑性高分子材料を押出機等を用いて溶融成
形して予備成形体を造る第1の工程、(ロ) この予備成
形体(ビレット)を下端が本質的に閉鎖された成形型が
形成する狭い空間に、冷間で塑性変形させながら押込ん
で加圧配向させることにより、配向成形体を製造する第
2の工程、
【0019】或いはビレットを該成形体の径、厚み或い
は幅のいずれかが部分的或いは全体的に小さい空間を持
つ成形型の空間に、或いは成形型の空間がビレットの体
積よりも小さい成形型に鍛造充填することで塑性変形さ
せながら配向成形体を製造する第2の工程、(ハ) 更に
必要に応じて切削加工等を施こして目的とする形状に作
り出すことからなるものである。ここに「冷間」とは、
熱可塑性高分子材料のガラス転移温度(Tg)以上溶融
温度(Tm)以下の間の、通常行われる溶融温度以上で
の成形温度よりも低い結晶化可能な温度(Tc)を意味
する。
【0020】即ち、大径のビレットから小径の閉鎖され
た成形型のキャビティ内に、図1のようなθの勾配を持
つ縮径部を通して冷間で塑性変形させながら上部より強
制的に加圧して押し込むと、圧入時に溶融ポリマーのよ
うには熱流動性を持たないTm以下の流動性の乏しいポ
リマーが塑性変形されながらビレットと成形型の内面と
の間で摩擦による大きな剪断を受ける。そして、この剪
断力はポリマーを配向させる斜め或いは横方向の外力と
して作用するため、ポリマーの分子鎖(結晶)は成形型
へ圧入する方向に沿って配向する。
【0021】つまり、ビレットの圧入方式に相応して複
数の基準軸に沿って平行に配向している結晶形態が得ら
れる。この場合、配向の基準軸の多いものほど物理強度
的な異方性は少なくなる。そして斯かる状態では、圧入
方向である縦或いは斜め方向に成形体が加圧されるの
で、成形体は質的に緻密になる。その結果、物理強度的
な異方性は単なる長軸方向の一軸延伸とは異なって少な
く、曲げ強度、引張強度、引裂き強度、剪断強度、捩り
強度、表面硬度などの力学的性質が総体的に向上した配
向成形体が得られる。この配向成形体は、必要に応じて
最終的に切削加工などを施して所定の形状とすることに
より、高強度の種々の形状を持つ骨接合材に製造され
る。
【0022】(b) 加圧配向成形体の結晶形態について:
図5、6は、夫々円柱状と板状の骨接合材11の結晶の
配向状態を示す模式図であり、(イ)は縦断面の配向状
態を示し、(ロ)は平面の配向状態を示す。加圧配向成
形体の結晶は、基本的に図5に模式的に示すように、成
形体の力学的な芯となる軸(単に中心軸という)L、即
ち成形時に外部からの力が集中した力学的な点の連続し
た中心の軸Lに向かって外周面から斜めに傾斜した多数
の基準軸Nに沿って図5(イ)の上方から下方に連続し
て平行に斜めに配向している形態をなしている。
【0023】換言すれば、中心軸Lの周りに放射状の斜
め配向状態をとる多数の基準軸Nが図5 (ロ)のように円
周状に連結して略円錐状を作り、これが図5(イ)のよ
うに上下方向に連結し、結晶がこれらの基準軸Nに平行
に配向して略円錐状の面の連続相を構成している。すな
わち、該円錐状の結晶面が中心軸Lの上下方向に連続
し、且つ外周から中心に向かう結晶面が中心軸の方向に
配向した状態をなしている配向構造と見なすこともでき
る。このような結晶状態は、ビレットが圧縮成形される
際に摩擦による大きな剪断を受け、結晶化が進むと同時
に中心軸Lに向かって斜めに配向することによりなされ
る。
【0024】この場合、断面が長方形である大きなビレ
ットを断面が長方形である形状の成形キャビティで圧縮
成形すると、図6に模式的に示されるように、得られた
配向成形体は板状であり、その長辺の両側面から大きな
剪断を受けて力学的な芯となる軸は中心線とはならず、
この軸を含み且つ板の対向する両側面に平行で等距離の
面Mを形成する。従って、配向成形体の結晶の状態は、
板の対面する両側面から該面に向かう斜めの基準軸Nに
平行に配向する。
【0025】また、成形体の力学的な芯となる軸L又は
該軸Lを含む面Mは、外部からの力の集中した点である
から、例えば図1に示す成形型2の縮径されている縮径
部20aの傾斜角θを全周に亘って若しくは部分的に漸
次変化した有底の成形型2を使用すると、外部からの力
の集中した点が中心を外れて、結晶は中心を外れた軸L
(これが複数の場合もあり得る)に向かって外周面から
傾斜した傾斜角θに相応して変化している基準軸Nに平
行に配向することとなる。更に、配向成形体が図6に示
す板状であれば、力学的な芯となる軸Lの連続した面M
が、両側面から等距離の真中から外れてどちらかの側面
に偏ったものとなる。このような結晶の配向状態を、図
5、6では上記軸L又は面Mが成形体の中心又は真中を
通る場合について説明したが、これらの図は、当然なが
ら、概念的に上記軸L又は面Mが成形体の中心又は真中
から左右のいずれかに偏位した場合も含んでいる。
【0026】(c) 加圧配向成形体の製造: 1)圧縮配向成形;高分子材料を溶融成形して予備成形
体を造り、この予備成形体を本質的に下端が閉鎖された
成形型の狭い空間に冷間で塑性変形させながら圧入充填
して圧縮配向させることからなる。 2)鍛造配向成形;高分子材料を溶融成形して予備成形
体を造り、この予備成形体を上記に定義付けしたように
該成形体の断面積の厚み、或いは幅のいずれかが部分的
又は全体的に小さい成形型の狭い空間に、或いは成形型
の空間を予備成形体の体積よりも小さくした総体積の成
形型に冷間で塑性変形させながら連続的或いは非連続的
に押し込んで圧入充填して鍛造配向させることからな
る。
【0027】3)変形度 ・ビレットの断面積の2/3〜1/6の断面積を有する
成形型のキャビティ内にビレットを圧入充填(押込加
圧)すると、得られる加圧配向成形体の変形度R=So
/S(但し、So はビレットの断面積、Sは圧縮配向成
形体の断面積)は実質的に1.5〜6.0の範囲の値と
なり、このものは後述の実施例のデータに示すように強
度の向上が顕著である。また、この範囲のRの値をも
ち、それが部分的に異なるような型(ポリマーが圧入に
よって進行する方向の横断面の面積が部分的に異なり、
この部分を除く残りの部分がビレットの断面積と同じで
ある場合も含む)に圧入充填した場合は、配向軸は複雑
に入り乱れるので、異方性もまた単純でなくなる。
【0028】Rの大きい成形体の部分は、Rの小さい部
分よりも配向の度合が高くなるので一般に機械的な強度
が大きくなる。そこで、部分的に強度の異なる成形体を
用途に合わせて意図的につくることもできる。これは、
本発明の方法のように型中に塑性変形により圧入して配
向成形体をつくる方法によって初めてなし得るものであ
り、延伸操作の途中で部分的に延伸倍率の異なる部位を
つくることのできない延伸法と比べると、本発明の特筆
すべき長所と言える。
【0029】すなわち、本発明の加圧配向による方法
が、従来の延伸配向による方法に比べると大いに有利で
ある理由がここにも存在する。ここで、キャビティの断
面積をビレットの断面積の2/3より大きくすると、圧
入充填時の分子鎖や結晶の配向、圧縮率が低いため、強
度や硬度の大きい圧縮配向成形体を得難い。一方、1/
6より小さくすると、ビレットのキャビティへの圧入充
填が困難になるだけでなく、ポリマーがフィブリル化す
る恐れが出てくる。フィブリル化が生じると、成形体の
横方向の強度は向上するが、縦方向のそれは低下し、剪
断力によって縦方向であるフィブリル間で裂け易くな
る。
【0030】4)塑性変形温度 ビレットの塑性変形温度は、熱可塑性高分子材料のガラ
ス転移温度(Tg)以上溶融温度(Tm)以下の間の結
晶化可能な温度(Tc)であることが望ましい。具体的
には、例えばポリ乳酸又は乳酸−グリコール酸共重合体
の場合、後述の実施例に示される範囲内の60〜160
℃、好ましくは80〜110℃が望ましい。この温度で
ビレットをキャビティへ圧入充填すると、比較的圧入充
填が容易であり、分子鎖(結晶)の配向が効果的に行わ
れ、結晶化度も意に沿って調整することができる。ま
た、その際に、圧入過程におけるスプリングバック現象
を抑えるために適当な速度(例えば8〜80mm/分)
を選ぶことが必要である。
【0031】5)圧縮配向成形又は鍛造配向成形のいず
れの加圧配向成形の場合も、成形型に適切な高い圧力
(例えば100〜4000kg/cm2 、好ましくは2
00〜2500kg/cm2 )下で冷間(上記高分子材
料のガラス転移温度(Tg)以上溶融温度(Tm)以下
の間の結晶化可能な温度(Tc)、例えばポリ乳酸又は
乳酸−グリコール酸共重合体の場合、60〜160℃、
好ましくは80〜110℃)で塑性変形させながら圧入
充填する時に成形型壁との間に摩擦が生じ、これがポリ
マーが配向するための横或いは斜め方向の外力として作
用するので、多数の基準軸に平行に配向した結晶構造が
形成されるのである。また、この時に縦方向に成形体が
加圧され、質的に緻密になり、骨接合材の密度が高くな
り、その結果、高い強度が得られるわけである。
【0032】(B)〔各論〕骨接合材の製造法:更に、
図面に基いて具体的に説明する。図1は、圧縮配向成形
において、ビレットを成形型のキャビティに圧入充填す
る前の状態を示す断面図である。図2は、圧縮配向成形
において、ビレットを成形型のキャビティに圧入充填し
た後の状態を示す断面図である。図3は最終的に切削加
工して得られる骨接合スクリューの一例を示す正面図で
ある。
【0033】本発明の製造方法を、例えば図3に示すよ
うな骨接合スクリューSを製造する場合について説明す
る。それは基本的に以下の三つの工程から構成される。 生体内分解吸収性、結晶性、熱可塑性高分子材料を
溶融成形して予備成形体、例えば太い円柱状のビレット
1を造る一次成形工程、 次いで、図1に示すように、ビレット1を成形型2
の収容筒部2aに収容し、ピストン(ラム)その他の加
圧手段2bでビレット1を連続的又は断続的に加圧する
ことにより、図2に示すようにビレット1を成形型2の
キャビティ2cの中に冷間で塑性変形させながら圧入充
填して細い円柱状の圧縮配向成形体10とする二次成形
工程、 そして成形型2から取出した圧縮配向成形体10を
図3に示すような骨接合スクリューSに切削する加工工
程。
【0034】(a) 原料組成:本発明に使用される高分子
材料は、生体内分解吸収性で結晶性の直鎖状のポリマー
であれば特に制限されないが、その中でも生体安全性、
生体適合性が確認され、既に実用されているポリ乳酸
や、各種のポリ乳酸共重合体(例えば乳酸−グリコール
酸共重合体、乳酸−カプロラクトン共重合体等)が好ま
しく使用される。ポリ乳酸としては、L−乳酸又はD−
乳酸のホモポリマーが好適であり、また乳酸−グリコー
ル酸共重合体としては、モル比が99:1〜75:25
の範囲内のものが、グリコール酸のホモポリマーよりは
耐加水分解性が良くて好適である。また、非晶性のD,
L−ポリ乳酸又は非晶質の乳酸−グリコール酸共重合体
の少量を塑性変形しやすくするため、或いは得られる加
圧配向による配向成形体に靱性をもたせるために混合し
てもよい。
【0035】(b) 原料及び予備成形体の分子量:上記
高分子材料は、骨接合材として少なくとも或る値以上の
強度と或る期間内それを維持しているなどの物性が必要
であるが、該高分子材料の分子量がビレット等の予備成
形体に溶融成形する段階でどうしても低下するので、原
料ポリマーの粘度平均分子量は20万〜60万程度、好
ましくは30万〜55万であることが望ましい。この範
囲の粘度平均分子量を有する高分子材料を使用すると、
通常は溶融成形後のビレットの粘度平均分子量は10万
〜40万になるが、好ましくは18万〜35万に調整す
るのが良い。
【0036】その後の成形型への圧入充填による結晶の
配向の操作は上記温度範囲の冷間で短時間に行うので、
分子量を実質的に低下させることなく高強度の加圧配向
成形体が得られ、また切削加工等によって骨接合材を切
り出す工程でも摩擦による温度上昇を抑える工夫を施せ
ば、加圧配向成形体の分子量が維持された骨接合材が得
られる。この場合、初期の粘度平均分子量が60万より
高い高分子材料を使用すると、溶融成形によってビレッ
トを造る際に高温、高圧が必要となるため大幅な分子量
の低下を招き、却ってビレットの分子量が60万以下の
原料ポリマーを用いたときよりも低くなるので無意味に
帰する。
【0037】図3に示されるように、最終的に10万〜
40万程度の分子量を有するビレットから得られた加圧
配向成形体を切削加工した骨接合スクリューSは、生体
内において骨癒合に必要な平均的期間である2〜4ケ月
間は生体骨と同程度の強度を維持し、その後は骨接合材
が分解してできる細片が周囲の組織細胞と強い異物反応
を示して炎症反応を呈する恐れのない分解速度で徐々に
加水分解するので望ましいわけである。
【0038】溶融成形後のビレットの粘度平均分子量が
10万より低くなると、加圧成形された配向成形体は、
高い初期強度を得ることが難しく、しかも加水分解によ
る強度の低下が2ケ月よりも速くなることもあるので骨
癒合に必要な期間、強度を維持できないという危惧があ
る。また、生体埋入後の1.5〜2年以内の短期間に低
分子量の細片が一時に生ずることもあるので、周囲細胞
がこれを処理しきれず、異物反応による炎症の危惧があ
る。一方、溶融成形後の粘度平均分子量が40万より高
いビレットを用いて加圧成形された配向成形体である骨
接合材は、骨癒合後に生体内で分解され、完全に吸収さ
れるまでに不必要に長時間を要する。また、生体内に埋
入して2年以上の後の長期間経過後に、一時に発生する
低分子量の多くの細片によって生体内で異物反応が生じ
て炎症として発現するという危惧もある。
【0039】(c) 溶融成形:一次成形工程において、高
分子材料からビレット1を溶融成形する方法としては、
溶融押出成形法が好ましく採用されるが、分子量低下を
避ける配慮をするならば、射出成形法やプレス成形法な
どの他の成形法を採用してもよい。溶融押出成形法を採
用する場合は、高分子材料の分子量低下を極力抑えるた
めに、高分子材料の融点より少し高い温度条件と、押出
可能な最小限の圧力条件を採用することが重要である。
例えば、高分子材料が20万〜60万程度の粘度平均分
子量を有するポリ−L−乳酸(PLLA)である場合に
は、融点以上で220℃以下、好ましくは200℃以下
の温度条件と、260kg/cm2 以下、好ましくは1
70〜210kg/cm2 程度の圧力条件を採用するの
が良い。
【0040】(d) 圧縮配向成形:圧縮配向成形として
例示された図1〜2に示されるように、ビレット1は、
成形型2のキャビティ2cの断面形状に相似した断面形
状となるように溶融成形することが望ましく、本実施形
態のようにキャビティ2cが円形の断面形状を有する場
合は、それより大きい円形の断面形状を有する円柱体と
なるようにビレット1を溶融成形することが望ましい。
このようにビレット1の断面形状がキャビティ2cの断
面形状に相似していると、ビレット1を周囲から均等に
圧縮しながら塑性変形させてキャビティ2c内へ圧入充
填できるため、均等な変形度をもつ圧縮配向成形体10
を得ることが可能となる。
【0041】ただし、このビレットの断面形状は、円形
に限定されず、多角形、その他の異形であっても良いの
は勿論であり、その後の圧縮成形又は鍛造成形等による
加圧配向成形体の断面に見合った所望の形状とすればよ
い。また、ビレット1は、その断面積がキャビティ2c
の断面積の1.5〜6.0倍であることが好ましい。つ
まり、該ビレット1をビレット1の断面積の2/3〜1
/6の断面積をもつキャビティ2c内に圧入充填するこ
とによって、得られる圧縮配向成形体10の変形度R=
So /S(但し、So はビレット1の断面積、Sは圧縮
配向成形体10の断面積)を1.5〜6.0となるよう
に加工することができる。
【0042】このようにすると、後述の実施例のデータ
に示すように圧縮配向成形体10の強度や硬度が顕著に
向上する。そして、これに切削加工、ネジ切り加工、ス
ライス加工等を施すことにより理想的な骨接合スクリュ
ーS、釘、ピン、プレート等の骨接合材を得ることがで
きる。ビレット1を、ビレット1の断面積の2/3より
大きいキャビティ2cに圧入充填する場合は、分子鎖や
結晶の配向と圧縮率が低いため、強度や硬度の大きい圧
縮配向成形体10は得難くなる。一方、断面積が1/6
より小さいキャビティ2cに圧入充填しようとしても圧
入充填が困難であり、仮にできたとしてもポリマーの配
向が過度となり、フィブリル化の恐れがあり、フィブリ
ル間で亀裂を生じ易くなるのでよくない。
【0043】続いて圧縮配向成形に用いる型と配向の機
構(メカニズム)及びその方法等について記述する。図
1は、圧縮配向成形において、ビレットを成形型のキャ
ビティに圧入充填する前の状態を例示した断面図であ
る。 1)図1に示すように、二次成形工程で用いる成形型2
は、ビレット1を収容する太い円筒状の収容筒部2a
と、加圧手段2bによりビレット1を圧入充填する細い
円筒状の成形キャビティ2cとを、下窄まりのテーパー
を付した縮径部20aを介して上下に同軸上に連結した
ものである。収容筒部2aの上部には、ビレット1を連
続的又は断続的に加圧するピストン(ラム)等の加圧手
段2bが設けられている。そして、キャビティ2cの底
部には、極く微小な空気抜きの孔や隙間(不図示)が形
成されている。
【0044】2)収容筒部2aの半径r1 とキャビティ
2cの半径r2 は、上記した理由により不等式:1.5
≦(r1 /r2 2 ≦6.0が成立するように設定され
ており、キャビティー2cの断面積の1.5〜6.0倍
の断面積を有する円柱状のビレット1が収容筒部2aに
収容できるようになっている。
【0045】3)また、縮径部20aのテーパーの傾斜
角θは10〜60°の範囲内に設定されている。傾斜角
θを10°より小さくすると、ビレット1をキャビティ
2cへ圧入するときの圧力が高くならず、得られる圧縮
配向成形体10(図示なし)の分子鎖(結晶)の配向が
低いので、高い強度が得られない。一方、傾斜角θが6
0°より大きくなると、圧入充填が困難となる。従っ
て、傾斜角θは10°〜60°、好ましくは15°〜4
5°とすることが望ましい。そして、(r1 /r2 2
の値が1.5〜6.0の範囲で6.0に近いほど傾斜角
θを小さく設定すると圧入充填操作が容易であり、均質
な成形体を得やすいので望ましい。
【0046】4)図2に示すように、このような成形型
2を用いてビレット1を収容筒部2aに収容し、加圧手
段2bでビレット1を連続的又は断続的に加圧して、キ
ャビティ2c内に冷間で塑性変形させながら圧入充填す
ると、圧入時に縮径部20aの内面との間及びキャビテ
ィ2cの内面との間に摩擦による大きな剪断が生じ、こ
れがポリマーを配向させる横と斜めの方向の外力(ベク
トル力)として作用する。そのため、縮径部20aの内
面に沿って本質的にポリマーが配向して結晶化が進行
し、同時に成形キャビティ2cの中心部への圧入が周囲
部より優先的であるために、キャビティ2cの形状通り
に成形された圧縮配向成形体10の結晶軸は、その縦方
向の軸線に対して縮径部のテーパーの傾斜角θに応じて
斜めに配向する。
【0047】5)そして、得られた圧縮配向成形体はキ
ャビティ2cの内面に沿って同心円状に配向しており、
多くの基準軸を有していると考えられる。それと同時に
縦方向(機械方向)にポリマーは圧縮されるので、質的
に緻密な細い円柱状の圧縮配向成形体10が得られる。
その場合、結晶の配向角(圧縮配向成形体の力学的な芯
となる軸に対する結晶の角度)は、縮径部20aの傾斜
角θと、収容筒部2aとキャビティ2cの横断面面の面
積比によって近似的に定まる。
【0048】即ち、図7に示すように、収容筒部2aの
半径をr1 、キャビティ2cの半径をr2 、成形型2の
中心の軸Lcに対する縮径部20aの傾斜角をθ、収容
筒部2aとキャビティ2cの横断面の面積比をA=r1
2 /r2 2 とし、ビレット1の外周部の点Xがテーパー
内面に沿って軸Lc方向に距離dだけ圧入される間に中
心の軸Lc上の点Yが圧入される距離をDとすると、結
晶は線分Lmの方向に配向すると考えられる。この線分
Lmの方向に配向した結晶の配向角(軸Lcに対する角
度)をθmとすると、tanθm=r2 /(D−d)と
なり、D−d=A・dであるから、tanθm=r2
A・d・・〔1〕となる。d=(r1 −r2 )/tan
θであるから、これを〔式1〕に代入すると、tanθ
m=r2 tanθ/〔A(r1 −r2 )〕・・〔式2〕
となり、r1 =r2 ・A0.5 であるから、これを〔式
2〕に代入すると、tanθm=tanθ/〔A・(A
0.5 −1)〕・・〔式3〕となる。
【0049】6)従って、結晶は上記の〔式3〕が成立
する配向角θmで軸に対して斜めに配向することにな
り、テーパー内面の傾斜角θが大きくなるほど、結晶の
配向角θmは大きくなり、収容筒部2aとキャビティ2
cの横断面の面積比Aが大きくなるほど、結晶の配向角
が小さくなる。従って、傾斜角θと面積比Aを変えるこ
とによって、結晶を所望の配向角θmに調節することが
できる。
【0050】7)上記のように多くの基準軸に平行に配
向している結晶形態を有する圧縮配向成形体10は、単
に長軸方向に一軸延伸した成形体と比べると、強度的な
異方性が少なく、質的に緻密になっているため圧縮曲げ
強度、圧縮曲げ弾性率、引張強度、引裂き強度、剪断強
度、捩り強度、表面硬度などの力学的性質が向上し、破
壊が生じ難くなる。特に、圧縮配向成形体10の変形度
Rが1.5〜6.0の範囲にあると、強度の向上が顕著
であり、例えばポリ乳酸のビレット1(粘度平均分子
量:10万〜40万)を圧入充填して得られる上記変形
度の圧縮配向成形体10は160〜300MPaの圧縮
曲げ強度を有し、上記変形度と実質的に同一の変形度で
ある延伸倍率にポリ乳酸を一軸延伸した延伸物より圧縮
曲げ強度、捩り強度や表面硬度などの物理的強度が総体
的に大きい。
【0051】8)これに対し、高分子材料のビレットを
長軸方向に延伸する自由幅一軸延伸の場合は、横方向
(側面)から外力はかからず、延伸過程で成形物の太さ
が細くなる。また、配向軸である長軸方向に延伸される
ために延伸物は質的に稀薄である。従って、この延伸成
形体は本発明によって得られる本質的に多くの基準軸に
沿って配向している結晶形態を有する圧縮配向成形体1
0に比べると異方性が大きく、機械的強度もまた総じて
小さいものである。
【0052】9)ビレット1の圧入充填は、高分子材料
の種類によってはガラス転移温度(Tg)より低い室温
で行ってもよいが、圧入充填性の容易さ、分子鎖(結
晶)の配向の効果、および結晶化度の調整等を図るため
に、収容筒部2a内でビレット1をガラス転移温度(T
g)以上溶融温度(Tm)以下の間の結晶化可能な温度
(Tc)に加熱して、キャビティ2c内へ圧入充填する
ことが望ましい。この圧入充填して塑性変形させるため
の温度は、前述のポリ乳酸のビレット1の場合、60〜
160℃、好ましくは80〜110℃である。
【0053】10)また、圧入・充填圧は、100〜4
000kg/cm2 、好ましくは200〜2500kg
/cm2 である。圧入・充填圧が4000kg/cm2
を超えて過激に圧入すると、剪断力とそれによる発熱に
よって分子量が大幅に低下するので、かえって高強度の
圧縮配向成形体10が得難くなる。また、圧入・充填圧
が100kg/cm2 未満であるとビレット1を断面積
が2/3より小さいキャビティ2cに圧入充填すること
が困難となり、強度と硬度の大きい圧縮配向成形体が得
られなくなる。
【0054】11)圧入速度は、一般的な成形に用いる
金型を使用するか、金属の表面に滑りを良くする特殊な
表面処理を施さない場合は、8〜80mm/分、好まし
くは40〜60mm/分が適当である。8mm/分より
遅い速度で圧入すると、ビレット1の未だキャビティ2
cに圧入されていない部分までが結晶化の進行によって
硬化し、圧入が困難となる。一方、80mm/分より速
い速度で圧入充填すると、スティックスリップが生じ、
不均質な成形体となるので好ましくない。上記のように
ビレット1をキャビティ2cに圧入充填して得られる圧
縮配向成形体10の結晶化度は、該成形体10の変形度
R、圧入時の温度、圧力、時間(圧入速度)等によって
変化し、一般に変形度Rが大きく、温度が高く、圧力が
大きく、時間が長くなるほど結晶化度は高くなる。
【0055】12)圧縮配向成形体10の結晶化度は3
0〜60%、好ましくは40〜50%の範囲にあること
が望ましい。このような結晶化度の圧縮配向成形体10
に切削加工等を施して得られる骨接合スクリューS等の
骨接合材は、高分子の結晶相と非晶相の比率のバランス
が良いので、結晶相による強度及び硬度の向上と、非晶
相による柔軟性とがよく調和されるため、結晶相のみの
場合のような脆さがなく、非晶相のみの場合のような軟
質で強度のない弱い性質も現れない。そのため、靱性が
あり、総合的に強度が充分高い骨接合材となる。
【0056】結晶化度が30%未満では、一般に結晶に
よる強度の向上が期待できない。一方、結晶化度が高く
なればそれに応じて強度は向上するが、60%より高く
なると却って靱性の欠如により衝撃等を受けたときに容
易に破壊するという脆い性質が著しく発現する。また、
本発明に用いる高分子材料は、一般に生体内で加水分解
が進行して低分子に変化する過程において結晶化度が徐
々に上昇し、この結晶化度の上昇につれて加水分解の進
行が低下するため、生体内に吸収されるまでの低分子量
に容易に達しなくなることが知られているが、上記のよ
うに30〜60%の結晶化度を有するものは、生体内に
あって生体外からの力によって分解物が更に細片化する
ことが併行するので、生体内での加水分解速度の低下を
招く心配もそれほど大きくない。
【0057】このような理由から、圧縮配向成形体10
の加工度Rや圧入時の温度、圧力、時間などを前記の範
囲内でコントロールしたり、圧入充填後に結晶化温度
(例えば90〜160℃の温度)で短時間熱処理するこ
とによって、圧縮配向成形体10の結晶化度を30〜6
0%に調節することが望ましい。13)ビレット1の圧
入充填が終わると、圧縮配向成形体10を冷却して成形
型2から取出し、圧縮配向成形体10の配向されていな
い余白材料部分10aを切除して、切削加工やネジ切り
加工やスライス加工などを施し、図3に示すようなネジ
軸部S1 、ネジ頭部S2 、回転治具挿入穴S3 を備えた
骨接合スクリューSを得る。
【0058】骨接合スクリューSは、図3に示す形状以
外の種々の形状としてもよく、また、スクリュー以外の
骨接合材、例えばピン、釘、プレート、ボタン、円筒状
物等、所望の骨接合材の形状に切削加工、ネジ切り加
工、孔開け加工、スライス加工等をしてもよいことは言
うまでもない。なお、余白材料部分10aを切除した細
い円柱状の圧縮配向成形体10をそのまま骨接合ロッド
として使用する場合は、上記の切削加工等は不要であ
る。以上の実施形態によって製造される骨接合スクリュ
ーSは、本質的に多くの基準軸に平行に配向している結
晶形態を備えた変形度Rが1.5〜6.0の緻密な圧縮
配向成形体10(粘度平均分子量:10万〜40万、結
晶化度:30〜60%)を切削加工等したものであるか
ら、従来の一軸延伸した骨接合材に比べると、強度的な
異方性が少なく、圧縮曲げ強度、圧縮曲げ弾性率、引張
強度、引裂き強度、剪断強度、捩り強度、表面硬度など
の力学的性質が優れており、しかも、耐加水分解性が適
度で、生体内において骨癒合に必要な数ケ月間は生体骨
と同程度の強度を維持し、その後は炎症反応を呈するこ
とのない適度の分解速度で徐々に分解、吸収されるので
理想に近いインプラント材料である。
【0059】14)前述した実施形態では、成形型2と
して半径の大きい円筒状の収容筒部2aと半径の小さい
円筒状のキャビティ2cを、全周に同じ傾斜角θを持つ
テーパーを付した載頭円錐状の縮径部20aを介して上
下に連結したものを使用している。しかし、例えば骨接
合プレートのような板状の骨接合材を製造する場合は、
断面が長方形の収容筒部と、これに相似する小さな長方
形断面のキャビティとを縮径部を介して連結した成形型
を使用すればよい。この場合、縮径部のテーパーを4辺
に設けると縦軸に向かって4周より斜めに配向したプレ
ート状成形体となるが、長辺方向の2辺のみにテーパー
を付した縮径部を設けると、縦軸を含む面に向かって両
側面より斜めに配向したプレート状成形体となる。
【0060】15)前述した円柱体の実施態様では、縮
径部20aの傾斜角θを一定にしているが、全周にわた
って、若しくは部分的に変化させたり、角柱体の長辺方
向の2辺の傾斜角θを変えることによって、成形体の力
学的な芯となる軸L又は該軸Lを含む面Mが中心を外
れ、偏位した軸L又は面Mに向かって斜めに配向する。
例えば、図8に示すように、縮径部20aの傾斜角
θ1 、θ2 (θ1 <θ2 )が左右で異なる成形型2を用
い、大きい断面積を有する長方形のビレット1から圧縮
成形して長方形の圧縮配向成形体を成形すると、面Mが
右側に偏位した配向成形体が得られる。
【0061】この配向成形体の結晶は、図9に示すよう
に、右側に偏位した面Mに向かって両側面から斜めに傾
斜した基準軸NとN’に平行に配向したものとなる。こ
の圧縮配向成形体は、左右の結晶の配向する角度が異な
るので、両側で強度が異なるプレート状成形体となり、
両側で強度が異なる骨接合材が必要な用途に好ましく用
いられる。両側の強度は、傾斜角を種々変化させて面M
の位置を変えることにより偏向させることができるの
で、用途に応じて自由に調整可能である。このように、
製造しようとする骨接合材の形状や用途に応じて成形型
を選択すればよい。
【0062】(e) 鍛造配向成形 図4は、本発明の他の実施形態である鍛造配向成形にお
いて、ビレット1を成形型2のキャビティ2cに圧入充
填する前の状態を表す断面図である。 1)この実施形態に用いる成形型2は、円筒状又は
(多)角筒状の収容筒部2aを、該筒部2aの断面積よ
りも大きい投影平面の面積を有する中空円板状又は中空
(多)角板状(異形状)のキャビティ2cの中央部に設
け、収容筒部2aの上部にピストン(ラム)等の加圧手
段2bを設けたものである。
【0063】但し、キャビティ2cの厚み(圧入方向の
横断面の面積)は収容筒部2aの直径(横断面の面積)
より小さいことを基本的な条件としている。それは鍛造
法においても、加圧して結晶配向することを目的とする
からである。この条件はキャビティ2cの全体にわたっ
て満たされても一部に満たされてもよいが、成形される
べき材料をキャビティ2c内に隈なく充填させるため
に、ビレット1の体積はキャビティ2cの容積よりも大
きいことが必要である。特に、この条件が一部分(部分
的な箇所)で満たされる場合(換言すればキャビティ2
cの厚み(径)が部分的にビレット1の径よりも大きい
部分を有し、残りの部分は小さいか同じである成形体の
場合)には、材料が型内に加圧されながらくまなく行き
わたるためにビレット1の体積がキャビティの全容積よ
りもかなり大きいことが必要である。
【0064】2)図4に見られる実施形態では、断面形
状が収容筒部2aの断面形状と同一で、且つ体積がキャ
ビティ2cの容積より大きい円柱状又は(多)角柱状
(異形状)の溶融成形して得た、高分子材料からなるビ
レット1を、収容筒部2aに収容して加圧手段2bで連
続的又は断続的に加圧することにより、ビレット1を冷
間で投影平面の面積の大きいキャビティ2cの中央部か
ら周辺部へ打延により押し広げながら圧入充填して、円
板状又は(多)角板状(異形状)の鍛造配向成形体を得
るようにしている。
【0065】この実施の形態で得られる鍛造配向成形体
は、前記圧縮配向成形体とは異なり、分子鎖や結晶が成
形キャビティ2cの中心部から周辺部に向かって多くの
軸をもって放射状に配向している本質的に多くの基準軸
に平行に配向した鍛造配向成形体を形成する。これは明
らかに単なる一軸延伸物とは配向形態の異なる成形体で
ある。 3)このような実施形態の方法は、円筒状、(多)角板
状、ボタン状などの内部に孔を有する骨接合材や部分的
に厚みの異なる箇所のある異形のプレート状骨補綴材
(骨充填材)を製造するような場合に特に有効である。
【0066】4)また、図4に点線にて併記したキャビ
ティ2dは、その先端に行くにつれてRが徐々に大きく
なる例を示している。すなわち、同一の成形体内にRが
2/3〜1/6の範囲で変化する部分をもつ例を示して
いる。この場合、キャビティ2dの先端部に行くにつれ
て配向軸は厚み方向に(底部に向かって)食い込んだ状
態を形成するので、上記の成形キャビティ2cの中心部
から周辺部に向かって放射状に配向した状態と、相互に
絡み合っている状態の配向が成立している複雑な配向形
態の成形体となる。 5)また、圧縮配向成形 (d)の場合に示された各種条件
についてはこの鍛造配向成形(e) の場合にも同様に採用
できる。
【0067】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
るが、これらは本発明の範囲を制限しない。本発明の骨
接合材の物性等は以下の測定によって得られた値であ
る。 結晶化度:示差走査型熱量計(DSC)による分析
結果から算出した値である。 曲げ強度:[JIS K 7203]に準拠した方
法で測定した値である。 曲げ弾性率:JIS K 7203に準拠した方法
で測定した値である。 密度:得られた配向成形体の体積と重量から算出し
た数値である。 破壊トルク:トルク試験機(シンポ工業(株)製、
ネジテスター)により測定した値である。
【0068】(実施例1)<圧縮配向の例;その例1> 粘度平均分子量が40万のポリL乳酸を押出機にて19
0℃で溶融押出し、縦×横=60mm×60mm、長さ
が50mm、粘度平均分子量が30万の角柱状のビレッ
トを得た。このビレットを同じ断面形状の成形型の収容
筒部に入れて110℃に加熱し、縮径部を通じて圧力2
000kg/cm2 で縦×横×長さ=35mm×35m
m×120mmのキャビティに圧入充填した。そして、
冷却後、成形型から角柱状の圧縮配向成形体(変形度R
≒3)を取出し、余白の材料部分を切除すると共に、該
成形体を厚さ30mmのプレート状に縦方向にスライス
して骨接合プレートを製造した。
【0069】下記の表1に、得られた骨接合プレート
と、その比較例である長軸方向に3倍延伸した同形状の
ポリ乳酸の骨接合プレートとの物性を比較した。なお、
ビレットを圧入充填する前にその密度を求め、表1に併
記した。
【表1】 但し、比較例の延伸プレートは同じビレットを110℃
のパラフィン浴中で長軸方向に3倍延伸する方法で得た
ものである。
【0070】表1に示すように、圧縮配向成形体からな
る骨接合プレートは、一軸延伸した延伸物からなる骨接
合プレートと比較すると密度が大で曲げ強度、曲げ弾性
率、剪断強度が共に高く、勿論、圧入充填前のビレット
よりも密度が高い。すなわち、本発明の製造方法による
骨接合プレートは、ビレットを成形型のキャビティに圧
入する際に縮径部表面で摩擦による剪断力を受けて、結
晶が本質的に縮径部表面に沿って配向し、外周より中心
軸に向かって斜めに配向したことにより強度的な異方性
がなく、圧縮力によって質的により緻密になったことか
ら、延伸配向によって得た一軸配向の質的に稀薄な配向
体よりも総体的に強度が上がったと考えられる。そし
て、塑性変形のための成形温度と速度を適切に選択した
ために結晶化度は比較的低く抑えられた。そのため、こ
のプレートは良好な靱性を有し、且つ分解速度も生体反
応に支障のない範囲内にある。
【0071】(実施例2)<圧縮配向の例;その例2> 粘度平均分子量が40万のポリL乳酸を押出機にて19
0℃で溶融押出し、直径が13mm、長さが50mm、
粘度平均分子量が30万の円柱状のビレットを得た。こ
のビレットを成形型の13mmの直径を有する円筒状の
収容筒部に入れて110℃に加熱し、直径が8.5m
m、長さが92mmの円筒状のキャビティに塑性変形さ
せながら圧力1800kg/cm2 で圧入充填して、キ
ャビティと同様のサイズを有する円柱状の圧縮配向成形
体(変形度R=2.3)を得た。
【0072】そして、この圧縮配向成形体を切削加工す
ることにより、直径が3.2mm、長さが40mmの骨
接合ピンを製造し、実施例1と同様の物性試験を行っ
た。また、トルク試験機による破壊トルク値も測定し
た。その結果を表2に示す。また、比較例として、同じ
ビレットを長軸方向に延伸加工した延伸倍率が2.3倍
のポリL乳酸の同形状の骨接合ピンを用い、同様の物性
を測定して比較した。その結果を表2に示す。
【表2】
【0073】表2に示すように、本発明の製造方法によ
る骨接合ピンは、延伸による骨接合ピンと比較して曲げ
強度、曲げ弾性率が高く、密度も大きい緻密なものであ
った。また、破壊トルク値も大きく、前者は捩りに対し
ても後者より強いことが分かる。このことは先に説明し
たように、後者は結晶軸が長軸方向にのみ一軸配向して
いるのに対して、前者は本質的に結晶軸が縮径部表面に
沿って、骨接合ピンの外周面より中心軸に向かって斜め
に配向しているために、強度的な異方性が少なくなり、
長軸の廻りの捩りに対しても大きな強度を示したことを
裏付けているものと考えられる。
【0074】(実施例3)<圧縮配向の例;その例3> 粘度平均分子量が30万のポリL乳酸を押出機にて18
8℃で溶融押出し、直径が13mm、長さが50mm、
粘度平均分子量が22万の円柱状のビレットを得た。こ
のビレットを成形型の13mmの直径を有する円筒状の
収容筒部に入れて100℃に加熱し、直径が10.6m
m、長さが60mmの円筒状のキャビティに圧力400
kg/cm2 で圧入充填することにより、キャビティと
同様のサイズを有する円柱状の圧縮配向成形体(変形度
R=1.5)を得た。そして、この成形体を切削加工す
ることによって、直径が3.2mm、長さが40mmの
骨接合ピンを製造し、実施例1と同様の物性試験を行っ
た。その結果を表3に示す。
【0075】(実施例4)<鍛造配向の例:その例1> 粘度平均分子量が25万のポリL乳酸を押出機にて18
8℃で溶融押出し、直径が50mm、長さが43mm
(余白材料部分を含む)、粘度平均分子量が20万の円
柱状のビレットを得た。そして、直径が50mmの円筒
状の収容筒部と、直径が100mm、厚みが10mmの
中空円板状のキャビティとを同軸的に上下に連結した図
4に示す形状の成形型を使用し、上記ビレットを収容筒
部に入れて100℃に加熱し、塑性変形させながらキャ
ビティに圧力2500kg/cm2で圧入充填して、キ
ャビティと同サイズの円板状の鍛造配向成形体(直径方
向への変形度=2.0)を得た。この鍛造成形体から中
心の円筒部を除いた半径方向に試験片を切り取り、物性
を測定した。その結果を表3に示す。この試験片は結晶
面が上記実施例3とは異なり、配向軸が円板状の中心部
から外周方向に向かって多軸に放射状に配向している面
配向性の大きい成形体である。
【0076】(実施例5)<圧縮配向の例;その例4> 粘度平均分子量40万のポリ乳酸を実施例2と同様の方
法と条件で押出して、粘度平均分子量が30万のビレッ
トを得た。次いで、このビレットを成形型の直径13m
mの円筒状の収容筒部に入れ、直径11.9mmm、長
さ46mmの円筒状のキャビティに実施例2と同様の条
件で圧力80kg/cm2 で圧入充填し、変形度Rが
1.2の圧縮配向成形体を得た。この成形体から切削加
工により直径3.2mm、長さ40mmのピンを作製
し、実施例1と同様の物性試験を行った。
【0077】その結果を表3に示す。
【表3】 この値は変形度Rと同じ比率の延伸倍率で一軸延伸した
延伸物よりも曲げ強度や密度は高い値を示した。しか
し、この成形体の圧縮曲げ強度は、一般的皮質骨の強度
である150〜200MPaの下限値よりも低かった。
そのため150MPa以上の強度を得るためには、実施
例2のように変形度Rが少なくとも1.5以上であるこ
とが必要と思われる。
【0078】(実施例6)<圧縮配向の例;その例5> 実施例5で得たと同じポリ乳酸のビレットを、成形型の
直径13.0mmの円筒状の収容筒部に入れ、直径5.
3mm、長さ220mmのキャビティに実施例2と同様
の条件で圧入充填し、変形度Rが6.0の圧縮配向成形
体を得ることを試みた。しかし、圧入充填には1000
0kg/cm2 の非常に高い圧力を必要とした。また、
得られた成形体はクラックを有していた。同様に、変形
度Rが5.5の場合の試作を行った。得られた成形体は
クラックを部分的に有していて十分満足するものではな
かった。しかし、縮径部の傾斜角を小さく(15°)し
金型の表面を滑りやすくする処理を施すと良質の圧縮配
向成形体が得られた。
【0079】(実施例7)<圧縮配向の例;その例6> 粘度平均部40万のポリL−乳酸とポリグリコール酸
(モル比=95:5)の共重合体を用いて実施例2と同
じ方法で円柱体の圧縮配向成形体を作り、その物性を測
った。その結果を表3に併記する。共重合体は単独重合
体より結晶性が低下するのでその強度は単一重合体より
やや低下するが、この圧縮配向成形体は骨接合材として
の使用に値する強度を有しており、生体内での分解は単
一重合体よりも速いという利点を持っている。
【0080】<証明実験>本発明によって得られた配向
成形体が、長軸方向に延伸して得られる一軸延伸による
配向成形体とは異なった配向形態をとっていることを証
明するための実験を以下のように行った。 (1) 上記した溶融成形にて得られた透明のポリL乳酸
のビレットに小径の貫通孔を図10のように開け、同質
のポリL乳酸に無機質の白色顔料を混合した同径の白色
不透明のポリL乳酸の丸棒を挿入して完全に詰め込ん
だ。これを実施例に記載した型に充填して同様の方法に
て変形度=2.8に圧縮配向成形した。その結果、図1
1のように成形された丸棒が得られた。白色不透明な小
径の丸棒はその中心を境にしてθm=28°の角度をも
って折れ曲がった状態を形成していた。丸棒の太さは成
形されたポリL乳酸の透明体の中で径方向ではなく、長
さ方向に太く(変形度に相当する太さに)変形した。
【0081】(2) (1) と同様に図12のように透明の
ポリL乳酸のビレットに下端より3個の小孔を開け、
(1) に用いた白色不透明のポリL乳酸丸棒と同じ丸棒を
挿入した。そして、変形度=2.8にて圧縮配向成形し
た。その結果、図13のような成形体が得られた。ビレ
ットの中心部に挿入したBの小径の丸棒と同一直径上の
外周部に近いところに挿入したAとCの丸棒はθm =2
8°の角度をなして、Bは底面にまで達していたが、A
とCは底面より浮き上がった図13の状態をなしてい
た。
【0082】(1) と(2) のθmは成形型のテーパ部分の
傾斜角(この場合は45°)と変形度(この場合は2.
8)に影響されるが、理論式tanθm=tanθ/
〔A(A0.5 −1)〕(但し、θ=45°、A=2.
8)から得られるθm≒30°に近い値である28°を
なしていた。(1) と(2) の実験から明らかなように、図
1のような型をもって圧縮配向成形されて得られた成形
体は、ビレットの同一径上にある材料の中で中心部に近
い材料ほど先行して成形キャビティ内を進行し、外周に
近いほど遅れて成形キャビティ内に押し込まれる。
【0083】そのため、中心部と外周部との材料のなす
角度はテーパ面部の角度に左右されるが、変形度に相応
してθmである理論角度に近い角度を形成するという事
実が裏付けられた。視点を変えるならば、同一径上にあ
る材料は配向軸が放射状に連続しているθmの角度をも
った蟻地獄のような”すり鉢型”の配向面を形成してお
り、また、これらの配向面が長軸方向に連続していると
も言える配向の形態をなしている。このような形態は長
軸方向に延伸して得られる単純な一軸配向の形態とは明
らかに異なっている。そして、その応用形態は図9にお
いて得られるものであり、図4の鍛造成形の場合はより
複雑な配向の形態が得られていることが容易に理解され
る。
【0084】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の製造方法によれば、結晶が本質的に複数の基準軸に平
行に配向しており、異方性が少ない緻密で高強度の配向
成形体からなる骨接合材であって、適度な加水分解性を
備え骨の癒合に必要な期間充分な強度を維持し、骨折部
が治癒した後は炎症反応を起こさない速度で分解吸収さ
れる再手術の不要な優れた骨接合材を、簡単に製造する
ことができるといった顕著な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】圧縮配向成形において、ビレットを成形型のキ
ャビティに圧入充填する前の状態を示す断面図である。
【図2】圧縮配向成形において、ビレットを成形型のキ
ャビティに圧入充填した後の状態を示す断面図である。
【図3】最終的に切削加工して得られる骨接合スクリュ
ーの一例を示す正面図である。
【図4】鍛造配向成形において、ビレットを成形型のキ
ャビティに圧入充填する前の状態を示す断面図である。
【図5】円柱状の骨接合材の結晶の配向状態を示す模式
図である。図5(イ)は縦断面の配向状態を示し、図5
(ロ)は平面の配向状態を示す。
【図6】板状の骨接合材の結晶の配向状態を示す模式図
である。図6(イ)は縦断面の配向状態を示し、図6
(ロ)は平面の配向状態を示す。
【図7】圧縮配向成形において、結晶配向の機構を説明
する模式的な断面図である。
【図8】縮径部の両傾斜角が異なる成形型を用いる圧縮
配向成形において、ビレットを成形型のキャビティに圧
入充填する前の状態を説明する模式的な断面図である。
【図9】板状の骨接合材の結晶の配向状態を示す模式図
である。図2(イ)は縦断面の配向状態を示し、図2
(ロ)は平面の配向状態を示す。
【図10】図10(イ)は証明実験(1) に使用したビレ
ットの側面図であり、図10 (ロ)はその平面図である。
【図11】証明実験(1) の圧縮配向成形後の丸棒の側面
図である。
【図12】図12(イ)は証明実験(2) に使用したビレ
ットの側面図であり、図12 (ロ)はその平面図である。
【図13】証明実験(2) の圧縮配向成形後の成形体の側
面図である。
【符号の説明】 1 ビレット 2 成形型 2a 収容筒部 2b 加圧手段 2c,2d キャビティ 10 圧縮配向成形体 10a 余白材料部分 11 骨接合材 20a 縮径部 θ 傾斜角 S 骨接合スクリュー r1 収容筒部の半径 r2 キャビティの半径

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 生体内分解吸収性である結晶性の熱可塑
    性高分子材料を溶融成形して予備成形体を造り、この予
    備成形体を本質的に下端が閉鎖された成形型の狭い空間
    に冷間で塑性変形させながら押込み加圧配向させること
    により、配向成形体を製造することを特徴とする、骨接
    合材の製造方法。
  2. 【請求項2】 配向成形体が結晶化し、該結晶が本質的
    に複数の基準軸に平行に配向している結晶形態を有して
    いることを特徴とする、請求項1記載の骨接合材の製造
    方法。
  3. 【請求項3】 加圧配向が、請求項1記載の予備成形体
    を該成形体の断面積より小さい断面積を持つ下端が本質
    的に閉鎖された成形型に冷間で塑性変形させながら圧入
    充填して圧縮配向させることからなることを特徴とす
    る、請求項1又は2記載の骨接合材の製造方法。
  4. 【請求項4】 加圧配向が、請求項1記載の予備成形体
    を該成形体の断面積、厚み、或いは幅のいずれかが部分
    的又は全体的に小さい体積を持つ、成形型の狭い空間
    に、或いは成形型の空間を予備成形体の体積よりも小さ
    くした成形型に冷間で塑性変形させながら鍛造充填して
    配向させることからなることを特徴とする、請求項1又
    は2記載の骨接合材の製造方法。
  5. 【請求項5】 該高分子材料の初期の粘度平均分子量が
    20万〜60万であって、その後の溶融成形された予備
    成形体の粘度平均分子量が10万〜40万であることを
    特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の骨接合材
    の製造方法。
  6. 【請求項6】 予備成形体の横断面の面積の2/3〜1
    /6の横断面の面積を有する成形型のキャビティ内に予
    備成形体を圧入充填することを特徴とする請求項1〜5
    のいずれかに記載の骨接合材の製造方法。
  7. 【請求項7】 成形型が、予備成形体を収容する断面積
    の大きい収容筒部と、圧縮充填される断面積のより小さ
    いキャビティと、これらを結ぶテーパー面を有する縮径
    部とからなることを特徴とする、請求項1〜6のいずれ
    に記載の骨接合材の製造方法。
  8. 【請求項8】 予備成形体の塑性変形温度が、該熱可塑
    性高分子材料のガラス転移温度以上溶融温度以下の間の
    結晶化可能な温度であることを特徴とする、請求項1〜
    7のいずれかに記載の骨接合材の製造方法。
  9. 【請求項9】 配向成形体を所望の骨接合材の形状に切
    削加工等することを特徴とする、請求項1〜8のいずれ
    かに記載の骨接合材の製造方法。
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