JPH09235378A5 - - Google Patents
Info
- Publication number
- JPH09235378A5 JPH09235378A5 JP1996357299A JP35729996A JPH09235378A5 JP H09235378 A5 JPH09235378 A5 JP H09235378A5 JP 1996357299 A JP1996357299 A JP 1996357299A JP 35729996 A JP35729996 A JP 35729996A JP H09235378 A5 JPH09235378 A5 JP H09235378A5
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- water
- absorbent resin
- absorbing agent
- region
- extrusion
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Description
【発明の名称】吸水剤及びその製造方法並びにその製造装置並びに衛生材料
【特許請求の範囲】
【請求項1】アクリル酸及び/又はその塩を主成分とする親水性単量体を重合・架橋することにより得られ、カルボキシル基を有し、ヒドロゲルを形成する吸水性樹脂粒子と、このカルボキシル基に反応する架橋剤とを混合、反応させて得られる吸水剤であって、
上記吸水剤5gを70mm×100mmの袋に密封し、その上から重量4kgのローラを10往復させることにより上記吸水剤に衝撃力(A)を与えたとき、その衝撃後の吸水剤における圧力50g/cm2 での吸収倍率をQ、衝撃前の吸水剤における同一圧力での吸収倍率をPとすると、
P≧20(g/g)
であり、かつ、
Q/P≧0.85
であることを特徴とする吸水剤。
【請求項2】P≧25(g/g)であることを特徴とする請求項1記載の吸水剤。
【請求項3】Q/P≧0.9であることを特徴とする請求項1記載の吸水剤。
【請求項4】Q/P≧0.95であることを特徴とする請求項1記載の吸水剤。
【請求項5】アクリル酸及び/又はその塩を主成分とする親水性単量体を重合・架橋することにより得られ、カルボキシル基を有し、ヒドロゲルを形成する吸水性樹脂粒子と、このカルボキシル基に反応する架橋剤とを混合、反応させて得られる吸水剤であって、
上記吸水剤30.0gをガラスビーズ10.0gと共に、所定の大きさを有する容器に入れて100V/60Hzで振動速度回転数750 c.p.m の振動を30分間与えて上記吸水剤同士を衝突させることにより衝撃力(B)を与えたとき、その衝撃後の吸水剤における圧力50g/cm 2 での吸収倍率をY、衝撃前の吸水剤における同一圧力での吸収倍率をXとすると、
X≧20(g/g)
であり、かつ、
Y/X≧0.90
であることを特徴とする吸水剤。
【請求項6】X≧25(g/g)であることを特徴とする請求項5記載の吸水剤。
【請求項7】Y/X≧0.92であることを特徴とする請求項5記載の吸水剤。
【請求項8】Y/X≧0.95であることを特徴とする請求項5記載の吸水剤。
【請求項9】上記架橋剤が、多価アルコール化合物、エポキシ化合物、多価アミン化合物およびそれらの塩、アルキレンカーボネート化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物であることを特徴とする請求項1〜8の何れか1項に記載の吸水剤。
【請求項10】平均粒径子径200μm〜800μmの吸水性樹脂造粒物を表面架橋して得られる吸水剤であって、
50g/cm 2 の加圧下での吸収倍率が20g/g以上であり、吸収速度が25秒以下であり、かつ、造粒破壊率が10重量%以下であることを特徴とする吸水剤。
【請求項11】請求項1〜10の何れか1項に記載の吸水剤を含むことを特徴とする衛生材料。
【請求項12】カルボキシル基を有する吸水性樹脂を、固定円筒の内部における回転軸の周りに、上記吸水性樹脂に押し出し推力を与える少なくとも一種の攪拌部材を設けた攪拌型の連続押出式混合機における第一領域に供給し、上記吸水性樹脂を、上記第一領域で分散させた後、該第一領域における押し出し推力よりも押し出し推力が小さい第二領域に押し出し、該第二領域で上記吸水性樹脂と水性液とを混合させることを特徴とする吸水剤の製造方法。
【請求項13】JIS標準篩で分級して得られた平均粒径10μm〜150μmの吸水性樹脂100重量部に水性液70重量部〜400重量部を混合して平均粒径0.3mm〜10mmの含水ゲル状造粒物を得た後、該含水ゲル状造粒物を、粉砕しない条件下、110℃〜300℃で収縮乾燥し、JIS標準篩で分級して得られた平均粒径200μm〜800μmの吸水性樹脂造粒物を表面架橋することを特徴とする吸水剤の製造方法。
【請求項14】カルボキシル基を有する吸水性樹脂と水性液とを混合するための攪拌型の連続押出式混合機を有する吸水剤の製造装置であって、
上記連続押出式混合機は、内部に回転軸を有する固定円筒を備え、上記回転軸の周りには、少なくとも一種の攪拌部材が、上記固定円筒内に供給された吸水性樹脂を分散させる第一領域における押し出し推力よりも押し出し推力が小さい第二領域を排出側に形成するように設けられていることを特徴とする吸水剤の製造装置。
【請求項15】カルボキシル基を有する吸水性樹脂と水性液とを混合するための攪拌型の連続押出式混合機を有する吸水剤の製造装置であって、
上記連続押出式混合機は、内部に回転軸を有する固定円筒を備え、上記回転軸の周りには、少なくとも一種の攪拌部材が、上記固定円筒内に供給された吸水性樹脂を分散させる分散領域としての第一領域と、上記第一領域よりも排出側に設けられ、かつ、上記分散領域において分散された吸水性樹脂を上記水性液と混合する混合領域としての第二領域とを形成するように設けられていることを特徴とする吸水剤の製造装置。
【請求項16】カルボキシル基を有する吸水性樹脂と水性液とを混合するための攪拌型の連続押出式混合機を有する吸水剤の製造装置であって、
上記連続押出式混合機は、内部に回転軸を有する固定円筒を備え、上記回転軸の周りには、形状の異なる2種類以上の攪拌翼が設けられていることを特徴とする吸水剤の製造装置。
【請求項17】カルボキシル基を有する吸水性樹脂と水性液とを混合するための攪拌型の連続押出式混合機を有する吸水剤の製造装置であって、
上記連続押出式混合機は、内部に回転軸を有する固定円筒を備え、上記回転軸の周りに、同一形状の攪拌部材が配され、その吸水性樹脂押出面と回転軸に垂直な平面とのなす角度および該攪拌部材の配設密度が異なることにより、上記固定円筒内に供給された吸水性樹脂を分散させる第1領域と、該第1領域よりも排出側に、該第1領域における押し出し推力よりも押し出し推力が小さい第2領域とが設けられていることを特徴とする吸水剤の製造装置。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、紙オムツ(使い捨てオムツ)や生理用ナプキン、いわゆる失禁パット等の衛生材料に好適に用いられる、カルボキシル基を有する吸水性樹脂とこのカルボキシル基と反応し得る架橋剤等を含む水性液とを混合させてなる吸水剤及びその製造方法並びにその製造装置並びに上記吸水剤を含む衛生材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、紙オムツや生理用ナプキン、いわゆる失禁パット等の衛生材料には、その構成材として、体液を吸収させることを目的とする吸水性樹脂を含有する吸水剤が幅広く利用されている。
【0003】
上記の吸水性樹脂としては、例えば、ポリアクリル酸部分中和物架橋体、澱粉−アクリル酸グラフト重合体の加水分解物、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体のケン化物、アクリロニトリル共重合体若しくはアクリルアミド共重合体の加水分解物又はこれらの架橋体、及びカチオン性モノマーの架橋体等が知られている。
【0004】
上記の吸水性樹脂が備えるべき特性としては、体液等の水性液体に接した際の優れた吸水量や吸収速度、通液性、膨潤ゲルのゲル強度、水性液体を含んだ基材から水を吸い上げる吸引力等が挙げられる。しかしながら、これらの諸特性間の関係は必ずしも正の相関関係を示さず、例えば、吸収倍率の高いものほど通液性、ゲル強度及び吸収速度等の物性は低下してしまう。
【0005】
このような、吸水性樹脂の吸水諸特性をバランス良く改良する方法として吸水性樹脂の表面近傍を架橋する技術が知られており、これまでに様々な方法が開示されている。
【0006】
例えば、架橋剤として、多価アルコールを用いる方法(特開昭58−180233号公報、特開昭61−16903号公報)、多価グリシジル化合物、多価アジリジン化合物、多価アミン化合物、多価イソシアネート化合物を用いる方法(特開昭59−189103号公報)、グリオキシサールを用いる方法(特開昭52−117393号公報)、多価金属を用いる方法(特開昭51−136588号公報、特開昭61−257235号公報、特開昭62−7745号公報)、シランカップリング剤を用いる方法(特開昭61−211305号公報、特開昭61−252212号公報、特開昭61−264006号公報)、アルキレンカーボネートを用いる方法(独国特許第4020780号公報)等が知られている。また、架橋反応時に、不活性無機粉末を存在させる方法(特開昭60−163956号公報、特開昭60−255814号公報)、二価アルコールを存在させる方法(特開平1−292004号公報)、水とエーテル化合物とを存在させる方法(特開平2−153903号公報)、一価アルコールのアルキレンオキサイド付加物、有機酸塩、ラクタム等を存在させる方法(欧州特許第555692号公報)も知られている。
【0007】
また、一般的に、吸水性樹脂は、150μm以下の粒径を有する粉末(微粉末)の含有量が少ない程好ましい。かかる微粉末は、おむつ等の吸収物品中で目詰まりし、通液性が低下する要因となる。また、取り扱い時の粉塵としてのロスや塵肺の問題に加え、表面架橋を施したとしても、加圧下での吸収倍率等の諸物性が向上し難いという問題点を有している。このため、微粉末の少ない吸水性樹脂が切望されている。
【0008】
従来、微粉末の少ない吸水性樹脂の製造方法としては、(1) 重合や粉砕の度合いを調節することにより粒度を調節する方法、および、(2) 発生した微粉末を、篩や気流等により分級、除去する方法(米国特許第4973632号公報)が知られている。
【0009】
しかしながら、上記(1) の方法でも、製造工程中に、十数%〜数十%といった多量の微粉末が発生する。従って、(2) の方法で、発生した微粉末を更に廃棄することは、収率を大きく低下させることになると共に、廃棄コストの面からも不利となる。
【0010】
そこで、吸水性樹脂の製造工程で必然的に発生してしまう微粉末を造粒ないし再生することで上記の問題を解決しようとする提案、さらには、造粒によって一次粒子に比べて表面積を相対的に大きくすることで高吸収速度を達成しようとする提案が種々なされている。
【0011】
例えば、造粒以外の手法として、欧州特許第0463388A号、米国特許第4950692号公報、米国特許第4970267号公報、欧州特許第0417761A号、欧州特許第0496594A号では、微粉末に水や含水ゲルを混合することにより上記微粉末をゲル化した後、得られたゲル化物を粉砕後、乾燥させることで大きな粒子に再生する方法が提案されている。また、欧州特許第0644224号公報では、不溶性無機微粉末の存在下、吸水性樹脂に水溶性ないし水分散性高分子化合物を含む水性液を造粒物の含水率が30重量%〜70重量%となるように添加することで造粒する方法が提案されている。さらに、米国特許第5002986号公報、欧州特許第0318989B号、米国特許第5248709号公報、米国特許第4123397号公報、米国特許第4734478号公報、欧州特許第0629411号公報、米国特許第5369148号公報では、約150μm〜数十μmの微粉末を、単独ないし大きな粒子との混合物として用いると共に、これら粉末に対して数%〜二十数%程度の水性液等をバインダとして用いて粉末造粒することにより、上記微粉末の平均粒径を、数百μmにまで大きくする方法が提案されている。
【0012】
一般的に、吸水性樹脂のバインダとしては、効率や安全性、製造コスト等の面から、水ないし水性液が好適である。そこで、上述した各方法においても、微粉末に、バインダ的役割を果たす水性液を添加する方法が殆どである。
【0013】
しかしながら、吸水性樹脂、特に、微粉末状の吸水性樹脂は、その表面積が大きいため、吸収速度が速く、水性液を均一に添加することは困難である。また、水性液の混合助剤としての不溶性無機微粉末等の使用は、一般に、コストの問題のみならず、粉塵の発生、造粒強度や諸物性を低下させるという問題点を有している。
【0014】
そこで、微粉末を造粒する場合に、水を均一に添加することができる混合機として、例えば、低速パドル型混合機(欧州特許第0644224号公報)、高速攪拌型ミキサ(米国特許第5002986号公報、米国特許第4734478号公報)、特定の噴霧連続造粒機(米国特許第5360148号公報)、流動床(欧州特許第05342899号公報)等が提案されている。さらに、造粒以外の手法には、微粉末の再循環用の混合機として、ナウタ(Nauta)混合機(米国特許第4950692号公報)や特定の剪断混合機(欧州特許第0417761号公報)等が提案されている。そして、これら混合機のなかでも、上記高速攪拌型ミキサは、生産性が高い等の理由から、吸水性樹脂の製造方法において、造粒以外にも、前記した表面近傍の架橋(米国特許第5140076号公報)等にも広く使用されている。
【0015】
例えば、本願発明者等は、前記架橋剤や架橋剤を含む処理液等の水性液を吸水性樹脂の表面に効率良く混合することにより吸水剤を製造する方法として、既に、米国特許第5140076号公報(特開平4−214734号公報)において、特定基材からなる内面を有する高速攪拌型ミキサを用いて、吸水性樹脂と架橋剤との混合を行い、次いで、この混合物を加熱することにより表面架橋剤を反応させる方法を提案した。さらに、本願発明者等は、このような方法によって、吸水諸性能のバランス、特に加圧下での吸収倍率を改良した吸水性樹脂を得ている。
【0016】
上記米国特許第5140076号公報(特開平4−214734号公報)に開示された従来の混合機は、図21に示すように、特定基材からなる内面を有する固定円筒101中の回転軸102の周りに複数の攪拌翼103…を備えた連続押出式混合機100である。該連続押出式混合機100は、吸水性樹脂粒子を樹脂供給口104から供給すると共に、液体注入口105から架橋剤を供給し、攪拌翼103の回転による押し出し流れによって、排出口106から混合物を取り出すようになっている。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の連続押出式混合機を使用して、吸水性樹脂粒子の表面架橋を行っても、吸水性樹脂の搬送工程や、ユーザ側での、例えばおむつ等の最終製品への加工工程等で、表面架橋部分あるいは造粒部分が欠損または破壊されてしまうためか、最終製品中において期待通りの優れた吸水特性を維持できていないという問題点が見出された。また、この問題点は、高加圧下での吸収倍率が高い値を示す吸水性樹脂程、顕著に現れることも見出された。
【0018】
さらに、微粉末の造粒や再生によって、吸収速度の低下や、不純物である水可溶成分の増加や、高加圧下での吸収倍率の低下等の物性低下が見られる場合があることも見い出された。また、上記造粒による物性低下の問題は、前記した造粒破壊を避けるため、バインダである水性液を増加させることで造粒強度を向上させる際に、特に顕著であることも見い出された。
【0019】
そして、上記各問題の要因としては、従来の混合機では、吸水性樹脂と架橋剤や水性液との混合が未だ満足いくものではなかったということが挙げられる。
【0020】
例えば、従来造粒に用いられてきた流動床(欧州特許第05342899号公報)や高速攪拌型ミキサ(米国特許第5140076号公報)では水性液の添加量が数%からせいぜい30%と少量であり、60%を越えると、連続的で安定な混合が極めて困難であった。
【0021】
さらに、本願発明者等の検討によれば、従来の混合機は、水性液の添加量が10%を越えると、吸水性樹脂と水性液との混合が極端に不均一になり、その結果、造粒強度向上のための水性液の添加量に限界があるばかりか、不均一な水性液の添加によって、物性低下や造粒破壊が起こっていたことが見い出された。特に、吸水性樹脂の製造に従来使用されてきた高速攪拌型ミキサでは、少量の水性液では高い生産性を示すが、多量の水性液の添加は殆ど不可能であった。
【0022】
また、本願発明者等の検討によれば、造粒以外に用いられていた剪断混合機(欧州特許第0417761号公報)やナウタ混合機等、大きな混練力を有する混合機では、水性液の添加は比較的行い易いものの、水性液添加後の混合物は粒子状の造粒物にはならず、一体化した巨大なゲルの塊が得られるだけであり、しかも、その剪断力のため、吸水性樹脂自体が劣化することが見い出された。さらに、吸水性樹脂の含水ゲルをあまり大きな力で混練ないし粉砕すると、該含水ゲルは、凝集体ではなく、練りつぶされたような表面積の小さなゲルとなるため、表面積の大きな微粉末を原料としても、かえって吸収速度が低下する場合があることが見い出された。また、造粒以外の手法での一体化した巨大なゲルの塊を粉砕する工程(米国特許第4950692号公報)も吸水性樹脂自身の劣化を引き起こし易いことも見い出された。
【0023】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、加圧下において高い吸収倍率を示し、かつ製造プラントにおける搬送やユーザにおける最終製品の加工等を行った後にもその優れた吸水性能を維持し、最終製品中において、その使用方法を選ばず、常に優れた特性を発揮することのできる吸水剤及びその製造方法並びにその製造装置並びに上記吸水剤を含む衛生材料を提供することにある。
【0024】
【課題を解決するための手段】
本願発明者等は、上記目的を達成すべく、吸水剤及びその製造方法並びにその製造装置並びに衛生材料について鋭意検討した。その結果、本願発明者等は、カルボキシル基を有する吸水性樹脂と、このカルボキシル基に反応する架橋剤とを混合、反応させて得られる吸水剤が以下の構成を満たすように製造することで、常に優れた特性を発揮することのできる吸水剤を提供することができることを見い出して本発明を完成させるに至った。
【0025】
即ち、請求項1記載の発明の吸水剤は、上記の課題を解決するために、アクリル酸及び/又はその塩を主成分とする親水性単量体を重合・架橋することにより得られ、カルボキシル基を有し、ヒドロゲルを形成する吸水性樹脂粒子と、このカルボキシル基に反応する架橋剤とを混合、反応させて得られる吸水剤であって、上記吸水剤5gを70mm×100mmの袋に密封し、その上から重量4kgのローラを10往復させることにより上記吸水剤に衝撃力(A)を与えたとき、その衝撃後の吸水剤における圧力50g/cm2 での吸収倍率をQ、衝撃前の吸水剤における同一圧力での吸収倍率をPとすると、
P≧20(g/g)
であり、かつ、
Q/P≧0.85
であることを特徴としている。
【0026】
請求項2記載の発明の吸水剤は、上記の課題を解決するために、請求項1記載の吸水剤において、P≧25(g/g)であることを特徴としている。
【0027】
請求項3記載の発明の吸水剤は、上記の課題を解決するために、請求項1記載の吸水剤において、Q/P≧0.9であることを特徴としている。
【0028】
請求項4記載の発明の吸水剤は、上記の課題を解決するために、請求項1記載の吸水剤において、Q/P≧0.95であることを特徴としている。
【0029】
請求項5記載の発明の吸水剤は、上記の課題を解決するために、アクリル酸及び/又はその塩を主成分とする親水性単量体を重合・架橋することにより得られ、カルボキシル基を有し、ヒドロゲルを形成する吸水性樹脂粒子と、このカルボキシル基に反応する架橋剤とを混合、反応させて得られる吸水剤であって、上記吸水剤30.0gをガラスビーズ10.0gと共に、所定の大きさを有する容器に入れて100V/60Hzで振動速度回転数750 c.p.m の振動を30分間与えて上記吸水剤同士を衝突させることにより衝撃力(B)を与えたとき、その衝撃後の吸水剤における圧力50g/cm2 での吸収倍率をY、衝撃前の吸水剤における同一圧力での吸収倍率をXとすると、
X≧20(g/g)
であり、かつ、
Y/X≧0.90
であることを特徴としている。
【0030】
請求項6記載の発明の吸水剤は、上記の課題を解決するために、請求項5記載の吸水剤において、X≧25(g/g)であることを特徴としている。
【0031】
請求項7記載の発明の吸水剤は、上記の課題を解決するために、請求項5記載の吸水剤において、Y/X≧0.92であることを特徴としている。
【0032】
請求項8記載の発明の吸水剤は、上記の課題を解決するために、請求項5記載の吸水剤において、Y/X≧0.95であることを特徴としている。
【0033】
請求項9記載の発明の吸水剤は、上記の課題を解決するために、請求項1〜8の何れか1項に記載の吸水剤において、上記架橋剤が、多価アルコール化合物、エポキシ化合物、 多価アミン化合物およびそれらの塩、アルキレンカーボネート化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物であることを特徴としている。
【0034】
本発明の吸水剤は、優れた吸収性能を持ち、かつ機械的ストレスに強いものである。従って、製造プラントにおける搬送や、ユーザにおける加工等で加わる機械的ストレスを受けてもその吸水特性を殆ど低下させず、最終製品中においてその優れた吸収性能を維持する吸水剤を提供することができる。上記各吸水剤は、これらをユーザにおいて最終製品の吸収性物品に加工した後も、その優れた吸収特性を維持できるので、各種の吸収性物品、特に、加圧下における吸収特性を重視される紙オムツや生理用ナプキン、失禁パット等の吸収体を含む衛生材料等の吸収性物品に好適である。
【0035】
請求項10記載の発明の吸水剤は、上記の課題を解決するために、平均粒径子径200μm〜800μmの吸水性樹脂造粒物を表面架橋して得られる吸水剤であって、50g/cm 2 の加圧下での吸収倍率が20g/g以上であり、吸収速度が25秒以下であり、かつ、造粒破壊率が10重量%以下であることを特徴としている。
【0036】
上記の構成によれば、従来の造粒方法ではそれぞれ相反する特性であり、同時には満足し得ない物性であった高加圧下での吸収倍率、造粒強度、吸収速度の3つの物性を同時に満足することができる吸水剤を提供することができる。
【0037】
請求項11記載の発明の衛生材料は、上記の課題を解決するために、請求項1〜10の何れか1項に記載の吸水剤を含むことを特徴としている。
【0038】
上記各吸水剤は、吸収性物品に加工した後も、その優れた吸収特性を維持できるので、特に、加圧下における吸収特性を重視される紙オムツや生理用ナプキン、失禁パット等の吸収体を含む衛生材料に好適である。
【0039】
請求項12記載の発明の吸水剤の製造方法は、上記の課題を解決するために、カルボキシル基を有する吸水性樹脂を、固定円筒の内部における回転軸の周りに、上記吸水性樹脂に押し出し推力を与える少なくとも一種の攪拌部材を設けた攪拌型の連続押出式混合機における第一領域に供給し、上記吸水性樹脂を、上記第一領域で分散させた後、該第一領域における押し出し推力よりも押し出し推力が小さい第二領域に押し出し、該第二領域で上記吸水性樹脂と水性液とを混合させることを特徴としている。
【0040】
上記の構成によれば、カルボキシル基を有する吸水性樹脂とこのカルボキシル基と反応し得る架橋剤等を含む水性液との混合、反応が効率よく行われ、しかも均一混合を確保することができる。従って、上記の構成によれば、加圧下において高い吸収倍率を示し、かつ製造プラントにおける搬送やユーザにおける最終製品の加工等を行った後にもその優れた吸水性能を維持し、最終製品中において、その使用方法を選ばず、常に優れた特性を発揮することのできる吸水剤を製造することができる吸水剤の製造方法を提供することができる。
【0041】
請求項13記載の発明の吸水剤の製造方法は、上記の課題を解決するために、JIS標準篩で分級して得られた平均粒径10μm〜150μmの吸水性樹脂100重量部に水性液70重量部〜400重量部を混合して平均粒径0.3mm〜10mmの含水ゲル状造粒物を得た後、該含水ゲル状造粒物を、粉砕しない条件下、110℃〜300℃で収縮乾燥し、JIS標準篩で分級して得られた平均粒径200μm〜800μmの吸水性樹脂造粒物を表面架橋することを特徴としている。
【0042】
上記の構成によれば、従来の造粒方法ではそれぞれ相反する特性であり、同時には満足 し得ない物性であった高加圧下での吸収倍率、造粒強度、吸収速度の3つの物性を同時に満足することができる吸水剤を提供することができる。
【0043】
請求項14記載の発明の吸水剤の製造装置は、上記の課題を解決するために、カルボキシル基を有する吸水性樹脂と水性液とを混合するための攪拌型の連続押出式混合機を有する吸水剤の製造装置であって、上記連続押出式混合機は、内部に回転軸を有する固定円筒を備え、上記回転軸の周りには、少なくとも一種の攪拌部材が、上記固定円筒内に供給された吸水性樹脂を分散させる第一領域における押し出し推力よりも押し出し推力が小さい第二領域を排出側に形成するように設けられていることを特徴としている。
【0044】
請求項15記載の発明の吸水剤の製造装置は、上記の課題を解決するために、カルボキシル基を有する吸水性樹脂と水性液とを混合するための攪拌型の連続押出式混合機を有する吸水剤の製造装置であって、上記連続押出式混合機は、内部に回転軸を有する固定円筒を備え、上記回転軸の周りには、少なくとも一種の攪拌部材が、上記固定円筒内に供給された吸水性樹脂を分散させる分散領域としての第一領域と、上記第一領域よりも排出側に設けられ、かつ、上記分散領域において分散された吸水性樹脂を上記水性液と混合する混合領域としての第二領域とを形成するように設けられていることを特徴としている。
【0045】
請求項16記載の発明の吸水剤の製造装置は、上記の課題を解決するために、カルボキシル基を有する吸水性樹脂と水性液とを混合するための攪拌型の連続押出式混合機を有する吸水剤の製造装置であって、上記連続押出式混合機は、内部に回転軸を有する固定円筒を備え、上記回転軸の周りには、形状の異なる2種類以上の攪拌翼が設けられていることを特徴としている。
【0046】
請求項17記載の発明の吸水剤の製造装置は、上記の課題を解決するために、カルボキシル基を有する吸水性樹脂と水性液とを混合するための攪拌型の連続押出式混合機を有する吸水剤の製造装置であって、上記連続押出式混合機は、内部に回転軸を有する固定円筒を備え、上記回転軸の周りに、同一形状の攪拌部材が配され、その吸水性樹脂押出面と回転軸に垂直な平面とのなす角度および該攪拌部材の配設密度が異なることにより、上記固定円筒内に供給された吸水性樹脂を分散させる第1領域と、該第1領域よりも排出側に、該第1領域における押し出し推力よりも押し出し推力が小さい第2領域とが設けられていることを特徴としている。
【0047】
上記の各構成によれば、連続押出式混合機における攪拌部材の諸構成により、カルボキシル基を有する吸水性樹脂とこのカルボキシル基と反応し得る架橋剤等を含む水性液との混合、反応が効率よく行われ、しかも均一混合を確保することができる。従って、上記の構成によれば、加圧下において高い吸収倍率を示し、かつ製造プラントにおける搬送やユーザにおける最終製品の加工等を行った後にもその優れた吸水性能を維持し、最終製品中において、その使用方法を選ばず、常に優れた特性を発揮することのできる吸水剤を製造することができる吸水剤の製造装置を提供することができる。
【0048】
以下に本発明について詳細に説明する。
本願発明者等は、各種の表面架橋した吸水剤の物性値Q/Pあるいは物性値Y/Xを測定することにより、加圧下において特定値以上の吸収倍率を有する多種の吸水剤においても該物性値Q/Pや物性値Y/Xが異なることを発見した。
【0049】
そして、鋭意検討の結果、本願発明者等は、表面架橋された吸水剤においての物性値Q/Pおよび物性値Y/Xは、加圧下での吸収倍率の値によらず、表面架橋の深さ、架橋の密度、架橋の均一性、表面の壊れ易さ等によって変化することを見出した。そして、その結果、本願発明者等は、吸水性樹脂の表面近傍を架橋する工程において、該物性値Q/Pあるいは物性値Y/Xが下記に示した特定の数値以上となるように製造することで、優れた吸収性能を持ち、かつ機械的ストレスに強い吸水剤が得られることを見出した。
【0050】
即ち、本発明の吸水剤は、カルボキシル基を有する吸水性樹脂と、このカルボキシル基に反応する架橋剤とを混合、反応させて得られる吸水剤であって、上記吸水剤に所定の荷重を加えることにより衝撃力(A)を与えたとき、その衝撃後の吸水剤における圧力50g/cm2 での吸収倍率をQ、衝撃前の吸水剤における同一圧力での吸収倍率をPとするとき、
P≧20(g/g)
であり、かつ、
Q/P≧0.85
である。
【0051】
また、本発明の吸水剤は、カルボキシル基を有する吸水性樹脂と、このカルボキシル基に反応する架橋剤とを混合、反応させて得られる吸水剤であって、上記吸水剤に、所定の振動を与えることにより衝撃力(B)を与えたとき、その衝撃後の吸水剤における圧力50g/cm2 での吸収倍率をY、衝撃前の吸水剤における同一圧力での吸収倍率をXとするとき、
X≧20(g/g)
であり、かつ、
Y/X≧0.90
である。
【0052】
ここで、本発明における衝撃力(A)を与えた前後の、加圧下での吸収倍率の商Q/Pは、吸水剤、つまり、表面架橋が施された吸水性樹脂の架橋表面の機械的ストレスに対する強さを表す物性値である。同様に、本発明における衝撃力(B)を与えた前後の、加圧下での吸収倍率の商Y/Xもまた、吸水剤である表面架橋後の吸水性樹脂の架橋表面の機械的ストレスに対する強さを表す物性値である。
【0053】
但し、上記衝撃力(A)を与えたときの吸水剤の表面架橋にかかる機械的ストレスと、衝撃力(B)を与えたときの吸水剤の表面架橋にかかる機械的ストレスとでは、そのストレスの程度に差がある。つまり、衝撃力(A)を与えたときの吸水剤の表面架橋にかかる機械的ストレスの方が、衝撃力(B)を与えたときの吸水剤の表面架橋にかかる機械的ストレスよりも強い。
【0054】
本発明において、吸水剤に加えられる衝撃力(A)は、反応物である吸水剤5gを70mm×100mmの袋に密封し、その上から重量4kgのローラにて10往復させたものであることが好ましい。
【0055】
上記衝撃力(A)の与え方について、以下に具体的に説明する。
まず、図11に示すように、吸水剤(図示せず)5.0gを70mm×100mm、厚み0.04mmのチャック付きポリ袋35に入れ、該チャック付きポリ袋35の内部空気を抜いた後、チャックする。その後、上記吸水剤を上記チャック付きポリ袋35全体に均一に広げ、その上から直径85mm、長さ200mm、重量4kgのローラ36を20回(10往復)転がすことにより、チャック付きポリ袋35内の吸水剤に衝撃力を与える。以上のように、上記吸水剤に所定の荷重を加えることにより、上記吸水剤に加えられた衝撃力を、衝撃力(A)とする。チャック付きポリ袋35としては、例えば株式会社生産日本社製「ユニパック(登録商標)C−4」が好ましく用いられる。
【0056】
また、本発明において、吸水剤に加えられる衝撃力(B)は、反応物である吸水剤30.0gを、玉径約6mmのガラスビーズ10.0gと共に内容積225gの容器41(図12および図13参照)に入れ、図13(a)に示すように、上記容器41の縦中心線と鉛直線とのなす角度が、鉛直線の左右各々に12.5°であり、図13(b)に示すように、上記容器41の水平方向への移動が、上記容器41の静止位置を基準として前後に各々8mmであり、振動速度回転数が750c.p.m となるように、楕円状の振動を一定時間与えたものであることが好ましい。
【0057】
上記衝撃力(B)の与え方について、以下に具体的に説明する。
上記吸水剤に衝撃力(B)を与える際に用いられる上記容器41としては、図12に示すように、高さ約10.8cm、直径約6.2cm、内容積225gの透明なガラス製の容器本体41cに、内蓋41bおよび外蓋41aが設けられた容器が用いられる。このような容器としては、例えば、山村硝子株式会社製の所謂マヨネーズ瓶(商品名:A−29)が好適に用いられる。
【0058】
また、上記ガラスビーズとしては、約5.9mm〜6.4mmの玉径に揃えられた玉径約6mmの精密分留充填用ソーダ石灰ガラス製のガラスビースが好適である。上記ガラスビーズ10.0gは、該ガラスビーズ31個〜33個に相当する。
【0059】
上記吸水剤に衝撃力(B)を与える際には、上記吸水剤30.0gを上記ガラスビーズ10.0gと共に上記容器41の容器本体41cに入れて内蓋41bおよび外蓋41aを閉める。そして、この容器41を、図14に示す分散機(株式会社東洋精機製作所製、No488試験用分散機)42に、該分散機42に備えられた上クランプ43および下クランプ44で挟んで固定し、100V/60Hzで振動速度回転数750c.p.m の振動を30分間与える。これにより、上記分散機42に固定された容器41は、上記分散機42における上クランプ43および下クランプ44の取付け面45に対して左右に各々12.5°(合計25°)傾斜運動すると同時に、前後に各々8mm(合計16mm)振動することにより、容器41内部の吸水剤に衝撃力を与える。
【0060】
この場合の上記容器41の振動の様子を図15を用いて以下に説明する。上記容器41の振動による容器41の軌跡は、クランプ46(上クランプ43、下クランプ44)に、重力に対して垂直となるように固定された棒47の任意の位置における鉛直線の軌跡によって容易に確認することができる。上記クランプ46に固定された棒47の任意の位置における鉛直線は、棒47が、その静止状態から、左右に各々12.5°傾斜すると同時に、前後に各々8mm移動することにより、本図に示すような楕円状の軌跡を描く。つまり、容器41は、図15に示すような楕円状の振動を受ける。これにより、容器41内の吸水剤は、該吸水剤と共に容器41内に封入されたガラスビーズによって攪拌されると共に、上記吸水剤同士、或いは上記吸水剤とガラスビーズ、或いは上記吸水剤と容器41内壁とが、上記振動に即した強さで衝突することにより、衝撃を受ける。以上のように、上記吸水剤に所定の振動を与えることにより、上記吸水剤に加えられた衝撃力を、衝撃力(B)とする。
【0061】
上記衝撃力(A)・(B)は、製造工程中に吸水性樹脂が受ける衝撃力を代表するものとして、経験的に定められた力である。尚、加圧下での吸収倍率の測定方法については後述の実施例において詳述する。
【0062】
表面処理された吸水剤の評価としては加圧下での吸収倍率の評価が一般的である。しかし、加圧下での吸収倍率だけの評価では、加圧下における吸水剤の吸水特性は評価できるが、表面架橋の深さ、架橋の均一さ及び表面の壊れ易さ等は評価できない。このため、上記加圧下での吸収倍率だけの評価では、表面架橋された吸水剤を製造したり、該吸水剤を用いて吸収性物品を生産する際に、表面処理後の各工程で発生する機械的ストレスによって低下する吸水特性を予測することができない。この結果、従来は、最終製品中において、期待された特性が得られないことがあった。
【0063】
しかし、本発明では、吸水性樹脂粒子の耐衝撃試験として、上記の物性値Q/Pあるいは物性値Y/Xを測定することにより、表面架橋された吸水剤の機械的ストレスに対する強さを評価、予測することができるようになった。上記物性値Q/Pおよび物性値Y/Xは、サンプル量等に応じて、何れか一方のみを測定してもよいし、両方共に測定してもよい。
【0064】
そして、本願発明者等は、物性値Q/Pが下記の条件を満たすように形成した吸水剤が製造プラントにおける搬送や、ユーザにおける加工等で加わる機械的ストレスを受けてもその吸水特性を殆ど低下させず、最終製品中においてその優れた吸収性能を維持する吸水剤であることを見出した。
【0065】
即ち、本発明の吸水剤においては、物性値Q/Pが0.85以上になることが好ましく、0.90以上がさらに好ましく、0.95以上が吸収性物品中で該吸水剤の優れた吸収性能を維持するのに最も好ましい。
【0066】
また、本発明の吸水剤においては、物性値Y/Xが0.90以上になることが好ましく、0.92以上がさらに好ましく、0.95以上が吸収性物品中で該吸水剤の優れた吸収性能を維持するのに最も好ましい。
【0067】
本発明においては、衝撃力(A)あるいは衝撃力(B)を与える前の吸収剤の50g/cm2 における加圧下吸収倍率PあるいはXは、20g/g以上であることが必要であり、25g/g以上であることが好ましく、30g/g以上であることが最も好ましい。
【0068】
また、上記表面架橋前の吸水性樹脂の生理食塩水に対する吸収倍率は、40g/g以上であることが好ましく、45g/g以上であることがさらに好ましい。
【0069】
次に、上記吸水剤の製造方法及びその製造装置について説明する。
【0070】
本発明の吸水剤の製造に際して使用される吸水性樹脂は、カルボキシル基を有するものであれば特に制限はしないが、典型的にはアクリル酸及び/又はその塩(中和物)を主成分とする親水性単量体を重合・架橋することにより得られ、イオン交換水中において50倍から1000倍という多量の水を吸収し、ヒドロゲルを形成する従来公知の樹脂である。また、上記吸水性樹脂としては、該吸水性樹脂中の未架橋の水可溶成分が25重量%以下、好ましくは15重量%以下、さらに好ましくは10重量%以下のものが用いられる。
【0071】
上記アクリル酸塩としては、アクリル酸のアルカリ金属塩、アンモニウム塩及びアミン塩等を例示することができる。上記吸水性樹脂は、その構成単位としてアクリル酸10モル%〜40モル%およびアクリル酸塩90モル%〜60モル%(但し、両者の合計量は100モル%とする)の範囲にあるものが好ましい。
【0072】
アクリル酸及び/又はその塩を主成分とする親水性単量体を重合して吸水性樹脂を得るに際しては、必要に応じて、これらアクリル酸又はその塩に併用して、アクリル酸以外の単量体を含有していてもよい。
【0073】
アクリル酸以外の単量体としては、特に限定されるものではないが、具体的には、例えば、メタクリル酸、マレイン酸、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルエタンスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルプロパンスルホン酸等のアニオン性不飽和単量体及びその塩;アクリルアミド、メタアクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−n−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ビニルピリジン、N−ビニルピロリドン、N−アクリロイルピペリジン、N−アクリロイルピロリジン等のノニオン性の親水基含有不飽和単量体;N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、及びこれらの四級塩等のカチオン性不飽和単量体等が挙げられる。これら単量体は、単独で用いてもよく、適宜2種類以上を混合して用いてもよい。
【0074】
本発明において、アクリル酸以外の単量体を用いる場合には、該アクリル酸以外の単量体は、主成分として用いるアクリル酸及びその塩との合計量に対して、30モル%以下、好ましくは10モル%以下の割合で用いることが好ましい。上記アクリル酸以外の単量体を上記の割合で用いることにより、得られる吸水性樹脂の吸水特性がより一層向上すると共に、吸水性樹脂をより一層安価に得ることができる。
【0075】
本発明に用いられる吸水性樹脂を得るために上述のアクリル酸又はその塩を主成分とする親水性単量体を重合するに際しては、バルク重合や沈殿重合を行うことが可能であるが、性能面や重合の制御の容易さから、上記親水性単量体を水溶液とすることによる水溶液重合又は逆相懸濁重合を行うことが好ましい。
【0076】
尚、上記親水性単量体を水溶液とする場合の該水溶液(以下、単量体水溶液と称する)中の単量体の濃度は、特に限定されるものではないが、10重量%〜70重量%の範囲内が好ましく、20重量%〜40重量%の範囲内がさらに好ましい。また、上記水溶液重合又は逆相懸濁重合を行う際には、水以外の溶媒を必要に応じて併用してもよく、併用して用いられる溶媒の種類は、特に限定されるものではない。
【0077】
上記の重合を開始させる際には、例えば過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、t−ブチルハイドロパーオキサイド、過酸化水素、2,2’−アゾビス(2−アミノジプロパン)二塩酸塩等のラジカル重合開始剤を用いることができる。
【0078】
さらに、これら重合開始剤の分解を促進する還元剤を併用し、両者を組み合わせることによりレドックス系開始剤とすることもできる。上記の還元剤としては、例えば、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム等の(重)亜硫酸(塩)、L−アスコルビン酸(塩)、第一鉄塩等の還元性金属(塩)、アミン類等が挙げられるが、特に限定されるものではない。
【0079】
これら重合開始剤の使用量は、通常0.001モル%〜2モル%、好ましくは0.01モル%〜0.05モル%である。これら重合開始剤の使用量が0.001モル%未満の場合には、未反応の単量体が多くなり、従って、得られる吸水性樹脂中の残存単量体量が増加するので好ましくない。一方、これら重合開始剤の使用量が2モル%を超える場合には、得られる吸水性樹脂中の水可溶成分量が増加するので好ましくない。
【0080】
また、重合開始剤を用いる代わりに、反応系に放射線、電子線、紫外線等の活性エネルギー線を照射することにより重合反応の開始を行ってもよい。尚、上記重合反応における反応温度は、特に限定されるものではないが、20℃〜90℃の範囲内が好ましい。また、反応時間も特に限定されるものではなく、親水性単量体や重合開始剤の種類、反応温度等に応じて適宜設定すればよい。
【0081】
本発明において用いられる吸水性樹脂としては、架橋剤を使用しない自己架橋型のものであってもよいが、一分子中に、2個以上の重合性不飽和基や、2個以上の反応性基を有する内部架橋剤を共重合又は反応させたものがさらに好ましい。
【0082】
これら内部架橋剤の具体例としては、例えば、N,N−メチレンビス(メタ)アクリルアミド、(ポリ)エチレングリコール(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチルロールプロパントリ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、グリセリンアクリレートメタクリレート、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルホスフェート、トリアリルアミン、ポリ(メタ)アリロキシアルカン、(ポリ)エチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセロールジグリシジルエーテル、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、エチレンジアミン、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ポリエチレンイミン、グリシジル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
【0083】
これら内部架橋剤は、単独で用いてもよく、適宜2種類以上を混合して用いてもよい。また、これら内部架橋剤は、反応系に一括添加してもよく、分割添加してもよい。2種類以上の内部架橋剤を使用する場合には、得られる吸水性樹脂の吸水特性等を考慮して、2個以上の重合性不飽和基を有する化合物を必須に用いることが好ましい。これら内部架橋剤の使用量は、前記親水性単量体に対して、0.005モル%〜2モル%の範囲内であることが好ましく、0.01モル%〜1モル%の範囲内とすることがさらに好ましい。上記内部架橋剤の使用量が0.005モル%よりも少ない場合、並びに、2モル%よりも多い場合には、所望の吸水特性を備えた吸水性樹脂が得られない虞れがある。
【0084】
上記内部架橋剤を用いて架橋構造を吸水性樹脂内部に導入する場合には、上記内部架橋剤を、上記親水性単量体の重合時あるいは重合後、または重合、中和後に反応系に添加するようにすればよい。
【0085】
尚、上記重合に際しては、反応系に、炭酸(水素)塩、二酸化炭素、アゾ化合物、不活性有機溶媒等の各種発泡剤;澱粉・セルロース、澱粉・セルロースの誘導体、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸(塩)、ポリアクリル酸(塩)架橋体等の親水性高分子;各種界面活性剤;次亜燐酸(塩)等の連鎖移動剤を添加してもよい。
【0086】
上記重合反応により得られた重合体がゲル状である場合には、該ゲル状重合体は、乾燥され、必要により粉砕することで、平均粒径が10μm〜1000μm、好ましくは50μm〜800μmであり、水性液がカルボキシル基と反応し得る架橋剤を含む場合には、好ましくは75μmを越えて600μm以下、特に好ましくは150μmを越えて500μm以下に調整される。このようにして得られた上記吸水性樹脂の粒子形状は、特に限定されるものではないが、粉砕工程を経て得られた不定形破砕状である方が、本発明の効果が特に顕著になり、好ましい。
【0087】
上記の方法により得られた吸水性樹脂は、生理食塩水に対する吸収倍率が40g/g以上、さらには45g/g以上という高い値を示すものを用いることが、水性液を混合する上で、本発明の効果を顕著に表すので好ましいが、勿論、上記吸収倍率は目的に応じて適宜調整される。本発明は、従来、水性液の均一な添加が困難であった45g/g以上の高吸収倍率を示す吸水性樹脂に対して好適に用いることができる。
【0088】
本発明では、上記の重合で得られたカルボキシル基を有する吸水性樹脂と水性液とを特定の連続押出式混合機で混合する。上記水性液としては、水;若しくは、塩類、界面活性剤、消臭剤、抗菌剤、水溶性高分子等の水溶性化合物を溶解した水または親水性有機溶媒等でもよいが、本発明の吸水剤を得るためには、カルボキシル基と反応し得る架橋剤又は該架橋剤を含む処理液であることが必要となる。つまり、本発明にかかる吸水剤は、カルボキシル基を有する吸水性樹脂と、このカルボキシル基に反応する架橋剤とを混合、反応させることによって得ることができる。
【0089】
このような架橋剤としては、カルボキシル基と反応し得る、通常、該用途に用いられている公知の表面架橋剤が好適である。上記の表面架橋剤としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、ジプロピレングリコール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、ポリプロピレングリコール、グリセリン、ポリグリセリン、2−ブテン−1,4−ジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,2−シクロヘキサノール、トリメチロールプロパン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ポリオキシプロピレン、オキシエチレン−オキシプロピレンブロック共重合体、ペンタエリスリトール、ソルビトール等の多価アルコール化合物;エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレンジグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、グリシドール等のエポキシ化合物;エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、ポリエチレンイミン等の多価アミン化合物や、それらの無機塩ないし有機塩(例えば、アジチニウム塩等);2,4−トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等の多価イソシアネート化合物;1,2−エチレンビスオキサゾリン等の多価オキサゾリン化合物;1,3−ジオキソラン−2−オン、4−メチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、4,5−ジメチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、4,4−ジメチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、4−エチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、4−ヒドロキシメチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、1,3−ジオキサン−2−オン、4−メチル−1,3−ジオキサン−2−オン、4,6−ジメチル−1,3−ジオキサン−2−オン、1,3−ジオキソパン−2−オン等のアルキレンカーボネート化合物;エピクロロヒドリン、エピブロムヒドリン、α−メチルエピクロロヒドリン等のハロエポキシ化合物、および、その多価アミン付加物(例えばハーキュレス製カイメン;登録商標);亜鉛、カルシウム、マグネシウム、アルミニウム、鉄、ジルコニウム等の水酸化物又は塩化物等の多価金属化合物等が挙げられる。これら表面架橋剤は、単独で用いてもよく、また、2種類以上を適宜混合して用いてもよい。これら表面架橋剤のなかでも、多価アルコール化合物、エポキシ化合物、多価アミン化合物やそれらの塩、アルキレンカーボネート化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物が好適である。
【0090】
また、上記吸水剤の製造方法において、本願発明者等が以前に特開平6−184320号公報(米国特許第5422405号公報)にて提案したように、カルボキシル基と反応し得る架橋剤が、溶解度パラメータ(SP値)の互いに異なる第一表面架橋剤及び第二表面架橋剤を組み合わせてなる場合には、加圧下吸収倍率がさらに一層優れた吸収剤を得ることができる。尚、上記の溶解度パラメータとは、化合物の極性を表すファクターとして一般に用いられる値である。本発明においては、上記の溶解度パラメータに対して、ポリマーハンドブック第3版(WILEY INTERSCIENCE社発行)527頁〜539頁に記載されている溶媒の溶解度パラメータδ(cal/cm3)1/2の値を適用することとする。また、上記の頁に記載されていない溶媒の溶解度パラメータに関しては、該ポリマーハンドブックの524頁に記載されているSmallの式に、同525頁に記載されているHoyの凝集エネルギー定数を代入して導かれる値を適用することとする。
【0091】
上記の第一表面架橋剤は、カルボキシル基と反応可能な、溶解度パラメータが12.5(cal/cm3)1/2以上の化合物が好ましく、13.0(cal/cm3)1/2以上の化合物がより好ましい。
【0092】
また、上記の第二表面架橋剤は、カルボキシル基と反応可能な、溶解度パラメータが12.5(cal/cm3)1/2未満の化合物が好ましく、9.5(cal/cm3)1/2〜12.0(cal/cm3)1/2の範囲内の化合物がより好ましい。
【0093】
これら架橋剤の使用量は、用いる化合物やそれらの組み合わせ等にもよるが、吸水性樹脂の固形分100重量部に対して、0.001重量部〜10重量部の範囲内が好ましく、0.01重量部〜5重量部の範囲内がより好ましい。
【0094】
上記の架橋剤を用いることにより、吸水性樹脂の表面近傍の架橋密度を内部よりも高くすることができる。また、架橋剤の使用量が10重量部を越える場合には、不経済となるばかりか、吸水剤における最適な架橋構造を形成する上で、架橋剤の量が過剰となるため、好ましくない。さらに、架橋剤の使用量が0.001重量部未満の場合には、吸水剤における加圧下吸収倍率等の性能を向上させる上で、その改良効果が得られ難いため、好ましくない。
【0095】
本発明において、吸水性樹脂と架橋剤とを混合する際には、溶媒として水を用いることが好ましい。水の使用量は、吸水性樹脂の種類や粒径、含水率等にもよるが、吸水性樹脂の固形分100重量部に対して、0を越え、20重量部以下が好ましく、0.5重量部〜10重量部の範囲内がより好ましい。また、表面架橋以外の目的で水性液を添加する場合には、その水の量は通常400重量部以下程度であれば十分均一な混合が可能である。
【0096】
従来、70重量部〜400重量部程度の多量の水を混合するには、造粒以外の手法では、(1) 剪断力を伴う強力な混合機を用いるか、(2) 混合後、得られた一体化したゲルの塊を粉砕する必要があり、また、造粒には、(3) 混合助剤としての不溶性無機微粉末や水溶性高分子、親水性有機溶媒、界面活性剤等を必要とし、これらの方法は、造粒強度や物性の低下を伴う上、コスト的にも好ましくないものであった。これに対し、本発明は、これらの問題が生じないばかりか、従来とは異なり、吸水性樹脂粒子が水性液との混合で直接含水ゲル状造粒物に造粒されるので、物性低下を伴う混合助剤の添加やゲルの粉砕工程等を必要としない。
【0097】
また、吸水性樹脂と架橋剤とを混合する際には、必要に応じて、溶媒として親水性有機溶媒(水性液)を用いてもよい。上記の親水性有機溶媒としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、t−ブチルアルコール等の低級アルコール類;アセトン等のケトン類;ジオキサン、テトラヒドロフラン、メトキシ(ポリ)エチレングリコール等のエーテル類;ε−カプロラクタム、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類等が挙げられる。親水性有機溶媒の使用量は、吸水性樹脂の種類や粒径、含水率等にもよるが、吸水性樹脂の固形分100重量部に対して、20重量部以下が好ましく、0.1重量部〜10重量部の範囲内がより好ましい。また、欧州特許第0668080号公報に示された無機酸、有機酸、ポリアミノ酸を存在させてもよい。
【0098】
本発明において、上記の吸水性樹脂と架橋剤との混合は、吸水剤の製造装置を構成し、吸水剤の製造に供せられる特定の高速攪拌型の連続押出式混合機にて行われる。尚、上記高速攪拌型の連続押出式混合機の構成および該連続押出式混合機を用いた吸水性樹脂と架橋剤との混合については、後に詳述する。
【0099】
そして、上記高速攪拌型の連続押出式混合機にて架橋剤と混合された吸水性樹脂は、さらに、必要に応じて加熱処理が施されることによって、その表面近傍が架橋され、この結果、吸水剤が得られる。この場合、上記吸水性樹脂の表面近傍で架橋剤を反応させるには、架橋剤の反応性、製造装置の簡易性、および生産性を考慮すると、加熱処理を行うことが好ましい。
【0100】
上記吸水性樹脂と架橋剤との混合物を加熱処理する際の処理温度は、用いる架橋剤の種類や目的とする架橋密度等に応じて適宜決定され、特に限定されるものではないが、好ましくは80℃以上であり、さらに好ましくは100℃〜250℃の範囲内であり、特に好ましくは120℃〜210℃の範囲内である。処理温度が80℃未満の場合には、加熱処理に時間がかかるので、生産性の低下を引き起こすのみならず、均一な表面架橋が達成されず、得られる吸水剤の加圧下の吸収特性の低下および架橋剤の残存を招き易い。
【0101】
上記の加熱処理は、通常の乾燥機又は加熱炉を用いて行うことができる。該乾燥機としては、例えば、溝型混合乾燥機、ロータリー乾燥機、デスク乾燥機、流動層乾燥機、気流型乾燥機、及び赤外線乾燥機等が挙げられるが、特に限定されるものではない。
【0102】
次に、本発明において用いられる高速攪拌型の連続押出式混合機の構成を、該連続押出式混合機を用いた吸水性樹脂と架橋剤との混合方法と合わせて、以下に説明する。
【0103】
本発明に係る上記連続押出式混合機は、カルボキシル基を有する吸水性樹脂と、このカルボキシル基と反応し得る架橋剤等を含む水性液とを混合すべく、固定円筒の内部における回転軸の周りに、上記吸水性樹脂に押し出し推力を与える少なくとも一種の攪拌部材が設けられた構成を有している。上記連続押出式混合機において、上記攪拌部材は、上記固定円筒内に供給された吸水性樹脂を分散させる分散領域としての第一領域と、上記第一領域よりも排出側に設けられ、かつ、上記分散領域において分散された吸水性樹脂と上記水性液とを混合する混合領域としての第二領域とを形成するように設けられている。
【0104】
そして、本発明において、上記攪拌部材は、上記分散領域と混合領域とを形成すべく、上記固定円筒内に供給された吸水性樹脂を分散させる第一領域における押し出し推力よりも押し出し推力が小さい第二領域を排出側に形成するように設けられている。
【0105】
つまり、上記攪拌部材は、その形状や配設密度、配置の仕方、吸水性樹脂押出面と回転軸に垂直な平面とのなす角度(或いは吸水性樹脂押出面と吸水性樹脂押し出し方向である回転軸の軸方向に平行な平面とのなす角度)等を調整することにより、上記固定円筒内部に、吸水性樹脂に対する押し出し推力が異なる領域を形成するようになっている。尚、上記攪拌翼における吸水性樹脂押出面とは、吸水性樹脂に回転軸と平行な押し出し推力を与える面を示す。
【0106】
上記連続押出式混合機において、上記第一領域では、固定円筒内に供給された吸水性樹脂に、連続押出式混合機の内部へと十分な押し出し推力を与え、分散させるようになっている。そして、上記第二領域では、上記第一領域における押し出し推力よりも押し出し推力を小さくすることで、吸水性樹脂の平均速度を低下させ、上記吸水性樹脂と水性液との混合攪拌時間を十分に確保すると共に、上記第一領域にて分散された吸水性樹脂と、水性液とを素早く均一に混合するようになっている。
【0107】
一方、吸水性樹脂と架橋剤や架橋剤を含む処理液等の水性液との混合に用いられる従来の高速攪拌型の連続押出式混合機は、同一形状の複数の攪拌翼が、等間隔かつその翼面の向きが同一となるように、回転軸の周りに複数配設されたものである。つまり、上記従来の連続押出式混合機(米国特許5140076号公報)は、その内部における押し出し推力が一定であり、吸水性樹脂に水性液を均一に付着、混合させることはできなかった。このため、この従来の連続押出式混合機にて混合して得られる吸水剤は、処理剤による表面架橋が不均一となり、その吸水特性を最終製品中まで保持するという面からは未だ十分なものではなかった。
【0108】
しかし、本発明の連続押出式混合機では、攪拌部材(例えば攪拌翼)が、上記分散領域の排出側に混合領域を有するように設けられているため、吸水性樹脂と水性液との混合が2種以上の攪拌状態を有するように行われる。この結果、カルボキシル基を有する吸水性樹脂とこのカルボキシル基と反応し得る架橋剤等を含む水性液との混合が効率よく行われ、均一な混合を行うことができる。尚、以下、特に断りのない限り、単に連続押出式混合機と記する場合には、本発明の連続押出式混合機を示す。
【0109】
本発明において、上記押し出し推力の測定方法は特に限定されず、種々の方法を用いることができる。上記押し出し推力の測定方法としては、例えば、(1) 上記各領域における攪拌部材によって生じる風速や流速等を測定する方法、(2) 上記固定円筒断面にかかる圧力を測定する方法、(3) 上記各領域における攪拌部材の吸水性樹脂押出面と回転軸に垂直な平面とのなす角度等から計算によって測定する方法等が挙げられる。
【0110】
上記攪拌部材は、吸水性樹脂の供給側よりも排出側に、吸水性樹脂の供給側よりも押し出し推力が小さくなる領域を有するように設けられてさえいれば、その形状や配置の仕方等は、特に限定されるものではない。
【0111】
上記攪拌部材は、例えばスクリューコンベヤに見られるような、連続した1枚のねじ翼状の攪拌部材(攪拌翼)でもよいし、それぞれ独立して設けられた複数の例えば翼状等の攪拌部材(攪拌翼)でもよい。
【0112】
また、上記複数の攪拌部材は、形状の異なる2種類以上のものであってもよいし、同一形状のものであってもよい。
【0113】
このような連続押出式混合機の構成としては、例えば、前記回転軸の周りに、吸水性樹脂に押し出し推力を与える複数の第一の攪拌部材と、これら第一の攪拌部材の排出側にこれら第一の攪拌部材の配設領域における押し出し推力よりも押し出し推力が小さくなる領域を形成する複数の第二の攪拌部材とが配されている構成が挙げられる。
【0114】
この場合、上記の第一の攪拌部材は板状に形成されていることが、吸水性樹脂に押し出し推力を与える形状として好ましい。さらに、第二の攪拌部材は例えば円柱状に形成されていることが、その配設領域における押し出し推力を上記第一の攪拌部材の配設領域における押し出し推力よりも小さくし、混合攪拌を十分に確保する形状として好ましい。
【0115】
このように、上記第二の攪拌部材が円柱状に形成されている場合には、一般的に押し出し推力は生じない。このため、上記第二の攪拌部材の配設領域において吸水性樹脂が受ける押し出し推力は、上記第一の攪拌部材によって生じた押し出し推力である(但し、この場合は、押し出し推力は次第に小さくなる)。この結果、上記第二の攪拌部材の配設領域では、上記第一の攪拌部材の配設領域における押し出し推力よりも押し出し推力が小さくなり、吸水性樹脂の平均速度が低下するので、上記第二の攪拌部材によって効率的に水性液と混合される。
【0116】
但し、上記第二の攪拌部材が円柱状に形成されている場合、単独では押し出し推力は生じないが、複数配設され、かつ、その配設間隔が十分に狭ければ、その配列の仕方によっては吸水性樹脂排出方向への推力が逆向きの推力よりも大きくなる場合があり、この場合には、吸水性樹脂排出方向への押し出し推力が生じる。
【0117】
つまり、上記第二の攪拌部材は、その配設領域において、上記第一の攪拌部材の配設領域よりも押し出し推力が小さくなるように形成されていればよく、上記連続押出式混合機の構成としては、例えば、回転軸の周りに、吸水性樹脂供給側に設けられて押し出し推力を生じる形状に形成された複数の第一の攪拌部材と、これら第一の攪拌部材よりも排出側に設けられ、かつ、第一の攪拌部材よりも小さい押し出し推力を生じる形状に形成された複数の第二の攪拌部材とが順次配されている構成であってもよい。
【0118】
この場合、上記の第一の攪拌部材および第二の攪拌部材は板状に形成されていることが押し出し推力を生じる形状として好ましい。但し、上記第二の攪拌部材は、第一の攪拌部材よりも押し出し推力が小さくなるように、第一の攪拌部材の面積よりも小さな面積を有する形状に形成されていることが好ましい。
【0119】
また、上記各領域に設けられる攪拌部材の種類は、一種類に限定されない。例えば、上記第二領域に上記第一の攪拌部材と第二の攪拌部材とを混合して設けることにより、その押し出し推力を調整してもよい。具体的には、上記第二領域に、円柱状の攪拌部材と板状の攪拌部材とを混在させることにより、上記第二領域では、該第二領域に配設された板状の攪拌部材の配設数や配設の仕方等に応じた押し出し推力が得られる。
【0120】
さらに、上記連続押出式混合機における複数の攪拌部材は、順次、螺旋状に並び配されていることが好ましい。これによって、押し出し推力を十分に確保することができると共に、吸水性樹脂等を円滑に押し出すことができる。
【0121】
一方、上記攪拌部材として、一枚のねじ翼状の攪拌部材を用いる場合には、上記攪拌部材が、例えば第二領域となるべき部分に、切り込みや開口部を有している構成あるいは、第二領域となるべき部分の翼幅がしだいに狭くなるような構成とすることで、上記固定円筒内に押し出し推力が異なる領域を形成することができる。
【0122】
さらに、上記連続押出式混合機の構成としては、例えば、吸水性樹脂に対する押し出し推力が異なる領域を形成すべく、少なくとも一種の攪拌部材が、その吸水性樹脂押出面と回転軸に垂直な平面とのなす角度(以下、単に角度あるいは吸水性樹脂押出面の角度と称することもある)を上記第一領域と第二領域とで異にして設けられている構成としてもよい。
【0123】
具体的には、(1) 例えば攪拌部材として攪拌翼を用いる場合に、攪拌翼の翼面の向きを第一領域と第二領域とで変えたり、(2) 上記攪拌翼を螺旋状に配置する際に、第一領域と第二領域とで螺旋の傾きを変えたり、(3) 回転軸に対する攪拌部材の取付け角度を第一領域と第二領域とで変えることにより、攪拌部材における吸水性樹脂押出面と回転軸に垂直な面とのなす角度を第一領域と第二領域とで変えることができる。
【0124】
この場合、上記攪拌部材が押し出し推力を生じるためには、上記吸水性樹脂押出面が回転軸に垂直な平面に対して傾斜するように(言い換えれば、吸水性樹脂押出面が吸水性樹脂排出方向である回転軸の軸方向に平行な平面に対して傾斜するように)攪拌部材を配すればよい。
【0125】
但し、本発明において、上記攪拌部材は、それ単独、或いは、複数個配設されることによって攪拌機能を有するものであればよく、上記第一領域において押し出し推力を生じるような形状および角度を有してさえいれば、固定円筒内に配設される全ての攪拌翼が押し出し推力を生じる形状、さらには、上述した角度を有している必要はない。
【0126】
また、上記第二領域では、上記第二領域全体における吸水性樹脂排出方向への押し出し推力が、上記第一領域におけるそれよりも小さければよく、吸水性樹脂を排出側に押し出すことができさえすれば、第一領域における押し出し推力の大きさにもよるが、例えば、上記第二領域では、攪拌部材の上記角度を、押し出し推力を生じない角度或いは吸水性樹脂排出方向とは逆向きの推力を生じる角度に設定してもよい。
【0127】
さらに、上記連続押出式混合機の構成としては、例えば、吸水性樹脂に対する押し出し推力が異なる領域を形成すべく、少なくとも一種の攪拌部材が、その配設密度を、上記第一領域と第二領域とで異にして設けられている構成としてもよい。
【0128】
この場合、例えば、上記第二領域における攪拌部材の配設間隔を第一領域における攪拌部材の配設間隔よりも広くしたり、上記第二領域における攪拌部材の配設数を、第一領域における攪拌部材の配設数よりも少なくすることで、上記第二領域における押し出し推力を、第一領域における押し出し推力よりも小さくすることができる。
【0129】
尚、上記第一領域と第二領域とで攪拌部材の吸水性樹脂押出面と回転軸に垂直な平面とのなす角度や配設密度を変えることにより押し出し推力を変える方法は、例えば第一領域と第二領域とで形状の同じ攪拌部材を用いる場合に、特に有効である。
【0130】
また、上記攪拌部材として1枚のねじ翼状の攪拌翼を用いる場合には、ピッチを決めることによって、自動的に、その取付け角度(吸水性樹脂押出面と回転軸に垂直な平面とのなす角度)や配設密度が決まる。
【0131】
本発明において、上記第一領域と第二領域における押し出し推力は、上記した各構成を組み合わせることによって、種々調整が可能である。
【0132】
さらに、本発明においては、上記連続押出式混合機における固定円筒の内面が、実質的に、水に対する接触角が約60°以上で約70℃以上の熱変形温度を有する基材から形成されていることが好ましい。
【0133】
上記水に対する基材の接触角が約60°未満であれば、含水した吸水性樹脂が固定円筒内面に付着する量が多くなり、この結果、吸水性樹脂と水性液との混合が不均一になる場合がある。一方、上記基材の熱変形温度が約70℃未満であれば、該基材は、混合期間中に発生する熱に十分耐えることができず、そのため安定した混合を継続することができない場合があるので注意を要する。
【0134】
また、本発明においては、上記連続押出式混合機における固定円筒の内径に対する回転軸の直径の比が0.4〜0.6の範囲内であることが好ましい。
【0135】
上記の比が0.4未満であれば、第二領域において、吸水性樹脂と水性液とを混合する際に、攪拌翼による十分な混合を受けることができなくなる虞れがある。一方、上記の比が0.6を越えると、固定円筒から吸水性樹脂を良好に押し出すことが困難となり、安定した混合を継続することができない場合があるので注意を要する。
【0136】
また、本発明において、上記連続押出式混合機は、上記カルボキシル基を有する吸水性樹脂の粉末が上記第一領域に供給投入され、水性液が、上記第二領域、好ましくは、上記第一領域と第二領域との境界域に供給投入されるように形成されていることが好ましい。
【0137】
即ち、吸水性樹脂と水性液とを混合させる際には、できるだけ瞬時に両者が全体的に接触する必要がある。従って、この接触が不十分であると、凝集塊、所謂「ダマ」が生じて混合の均一性が損なわれる。その点、本発明に係る上記連続押出式混合機は、第一領域に配設された攪拌部材によって吸水性樹脂の連続押出式混合機の内部への送り込みを行い、次いで、上記第二領域、好ましくは、上記第一領域と第二領域との境界域に水性液を供給投入することで、第二領域に配設された攪拌部材により瞬時に吸水性樹脂と水性液との高速攪拌混合を行う。従って、吸水性樹脂と水性液とを十分均一に、「ダマ」を形成させることなく混合させることができる。
【0138】
また、本発明において、上記吸水性樹脂が受ける押し出し推力は、第一領域から第二領域に移行する際に、吸水性樹脂供給口からの距離に応じてなだらかに変化するよりも、できるだけ大きく変化する方が好ましい。
【0139】
つまり、上記固定円筒内に水性液が供給投入されると、第一領域において分散された吸水性樹脂の表面に、上記水性液が付着する。しかしながら、水性液付着後も押し出し推力が高いままであれば、吸水性樹脂が、攪拌部材により十分に混合されないまま押し出されてしまう虞れがある。
【0140】
このため、より均一な混合を行うためには、(1) 上記吸水性樹脂表面に付着した水性液が該吸水性樹脂に吸収される前に素早く混合を行うことが好ましいと共に、(2) 上記吸水性樹脂の平均速度を低下させ、好ましくは、固定円筒内部の底壁に滞留させることにより、攪拌部材と円筒内壁による機械的な混合を効率的に行わせ、かつ、上記吸水性樹脂と水性液との十分な混合攪拌時間を確保することが好ましい。
【0141】
従って、本発明において、上記攪拌部材は、用いる吸水性樹脂の種類や量等に応じて上記した各構成を組み合わせることにより、上記第一領域と第二領域とで押し出し推力の変化ができるだけ大きくなるように設けられていることが好ましい。
【0142】
また、本発明では、前記した第二の攪拌部材の排出側に、複数の第一の攪拌部材をさらに設けることによっても、排出時の押し出し推力を十分に確保でき、排出が好適に行われることがある。
【0143】
つまり、分散領域としての第一領域および混合領域としての第二領域のさらに排出側には、上記第二領域で混合攪拌されてなる吸水性樹脂と水性液との混合物に、該混合物を上記連続押出式混合機の外に押し出すための押し出し推力を与える混合物押し出し領域としての第三領域が設けられていてもよい。
【0144】
上記第三領域では、上記混合物を連続押出式混合機の外に効率良く押し出すために、排出口の位置に応じて、吸水性樹脂の排出方向に押し出し推力が生じるように攪拌部材が設けられている。
【0145】
さらに、上記連続押出式混合機は、用いる吸水性樹脂の種類やその他の条件等によっては、上記第一領域および第二領領域が交互に設けられている構成を有していてもよい。
【0146】
本発明において、上記回転軸の回転数、つまり、上記攪拌部材の回転数は、用いる吸水性樹脂および水性液の種類や量、得られる混合物の粘度等にもよるが、10rpm〜5000rpmの範囲内に設定することが好ましく、200rpm〜4000rpmの範囲内に設定することがさらに好ましく、500rpm〜3000rpmの範囲内に設定することが特に好ましい。
【0147】
上記回転数が小さすぎると、吸水性樹脂の搬送速度が遅くなりすぎ、固定円筒内に滞留している吸水性樹脂の量が多くなりすぎるので、吸水性樹脂と水性液とを十分均一に混合することができなくなる虞がある。一方、上記回転数が大きすぎると、吸水性樹脂と水性液との十分な混合攪拌時間を確保することが困難となり、吸水性樹脂と水性液とが十分に混合しきれないうちに排出されてしまう虞れがある。
【0148】
このように、本発明によれば、カルボキシル基を有する吸水性樹脂と、このカルボキシル基と反応し得る架橋剤等を含む水性液とを均一に混合することができるので、上記吸水性樹脂の表面近傍を適度な深さで均一に架橋させることができる。
【0149】
このため、以上の製造方法により得られた吸水剤は、従来の混合機により得られる吸水剤と比べて、吸水特性、特に、加圧下での吸収倍率等の特性に優れている。
【0150】
また、上述のように、本発明の吸水剤は、該吸水剤の圧力50g/cm2 での吸収倍率をPとし、上記吸水剤に所定の荷重を加えることにより衝撃力(A)を与え、その衝撃後の吸水剤における同一圧力(50g/cm2 )での吸収倍率をQとした時、
P≧20(g/g)
であり、かつ、
Q/P≧0.85
となる。
【0151】
さらに、本発明の吸水剤は、該吸水剤の圧力50g/cm2 での吸収倍率をXとし、上記吸水剤に所定の振動を与えることにより衝撃力(B)を与え、その衝撃後の吸水剤における同一圧力(50g/cm2 )での吸収倍率をYとした時、
X≧20(g/g)
であり、かつ、
Y/X≧0.90
となる。
【0152】
従って、本発明によれば、製造プラントにおける搬送やユーザにおける最終製品の加工等を行った後にもその優れた吸水性能を維持し、最終製品中において、その使用方法を選ばず常に優れた特性を維持する吸水剤を得ることができる。
【0153】
また、本発明では、上述したように、上記吸水剤の製造を、優れた混合性を有する特定の連続押出式混合機を用いて行っている。
【0154】
このため、従来の混合機を用いた吸水剤の製造方法では、吸水性樹脂と水性液との混合をより均一にするため、吸水性樹脂の粒径分布を狭くしたり、150μm以下の粒径を有する粉末、つまり、吸水性樹脂微粉末(以下、単に微粉末と記す場合もある)の量を特定範囲内に制御する必要があったが、本発明によれば、このような粒径の制御を厳密に行わなくても、常に優れた混合性を実現することができる。従って、本発明によれば、粒径150μm以下の微粉末の含有量が多くても、加圧下での吸収倍率等の諸特性を向上させることができる。
【0155】
本発明では、このように、厳密な粒径の制御を必ずしも必要としない。しかしながら、取り扱い性の向上やさらなる物性の向上を目的として、上記吸水性樹脂の製造工程で得られた微粉末、具体的には、粒径150μm以下、特に75μm以下の微粉末を分級して除去することで、微粉末を低減した、粒度分布の狭い吸水性樹脂を吸水剤の原料として用いてもよい。
【0156】
本発明において除去された微粉末は、廃棄することなく、上記連続押出式混合機を用いて造粒することにより、回収し、再び吸水剤の原料として用いることができる。つまり、上記連続押出式混合機は、吸収剤の製造において、表面架橋のみならず、吸水性樹脂の造粒にも用いることができる。
【0157】
上記吸水剤の原料として、造粒によって得られた表面積の大きな吸水性樹脂(吸水性樹脂造粒物)を用いることで、該吸水性樹脂造粒物を架橋してなる表面積の大きな造粒物(架橋造粒物)を含む吸水剤を得ることができる。本発明において、上記造粒に用いられる微粉末は、吸水剤の製造工程によって除去されたものであってもよいが、吸収速度の向上を目的として、粉砕ないし重合条件を調整して意図的に製造したものであってもよい。さらに、本発明では、微粉末を除去せず、微粉末を含む吸水性樹脂をそのまま表面架橋した後、得られた微粉末を含む吸水剤をさらに造粒してもよい。
【0158】
つまり、本発明において用いられる吸水剤が、表面積の大きな架橋造粒物を含むことで、さらに高吸収速度の吸水剤を得ることができる。
【0159】
以下に、吸水性樹脂の造粒方法並びに該造粒方法を用いた吸水剤の製造方法について説明する。本発明において、吸水剤の原料として造粒に用いられる吸水性樹脂は、微粉末(例えば粒径150μm以下)のみでもよいし、このような微粉末を含む吸水性樹脂でもよい。また、微粉末を含む吸水剤をそのまま造粒してもよい。さらに、上記微粉末としては、上述したように、吸水剤の製造工程で上記微粉末と微粉末よりも粒径の大きな吸水性樹脂との混合物(つまり、重合後の吸水性樹脂)から分級されたものであってもよいし、吸収速度の向上を目的として粉砕ないし重合条件を調整して意図的に製造されたものであってもよい。また、造粒に用いられる吸水性樹脂は表面架橋が施されていてもよいし、施されていなくてもよい。
【0160】
上記吸水性樹脂ないしその微粉末を造粒する際には、バインダーとして、水性液、特に水を用いることが好ましい。上記吸水性樹脂を造粒する際には、上記バインダーとしての水性液の使用量は、吸水性樹脂の種類や粒径、含水率等にもよるが、吸水性樹脂100重量部に対して、0を越え、400重量部以下の範囲内とすればよい。吸水剤の原料として吸水性樹脂造粒物或いは吸水性樹脂造粒物を含む吸水性樹脂を用いることで、吸収速度の速い吸水剤を得ることができる。
【0161】
そして、本願発明者等の検討によれば、最終製品中において、高物性で且つその使用方法を選ばず、常に優れた特性を発揮することができるように造粒強度に優れた吸水剤を得るためには、上記バインダーとしての水性液の使用量は、吸水性樹脂100重量部に対して、70重量部以上、つまり、70重量部〜400重量部の範囲内であることが好ましく、80重量部〜200重量部の範囲内であることが特に好ましく、100重量部〜180重量部の範囲内であることが、物性面、造粒強度、混合性等から最も好ましいことが判った。
【0162】
上記水性液の使用量が400重量部を越えると、水性液の添加量の増加に見合った造粒強度の向上効果が得られず、乾燥コスト等の面で不利益である。また、上記水性液の使用量が400重量部を越えると、本発明の連続押出式混合機を用いても、物性低下や、吸水性樹脂と水性液(バインダ)とを十分均一に混合することができなくなる虞れがある。尚、上記水性液としては、物性や造粒強度の面から、その90重量%以上、好ましくは99重量%以上、より好ましくは99重量%〜100重量%の範囲内が水であることが好ましく、水のみからなることが特に好ましい。
【0163】
一方、上記水性液の使用量が70重量部よりも少ない場合、造粒強度が不十分となり、最終製品中において、その使用方法を選ばず、常に優れた特性を発揮することができなくなる虞れがある。特に、水性液の使用量が少なすぎる場合、造粒強度が不十分となり易いばかりか、得られる含水ゲル状造粒物の粘着力が強くなり、例えば、水の添加量が30重量部〜65重量部の範囲内では、上記含水ゲル状造粒物が混合機の固定円筒内面等に付着したり、互いに凝集し易いという問題が生じる。この結果、水性液の使用量を減らしたにも拘らず乾燥に不利となることがあるので、注意を要する。
【0164】
つまり、造粒強度を向上させるためには、吸水性樹脂に対して所定量以上の水性液を添加する必要がある。
【0165】
しかしながら、従来は、その混合機の問題から、造粒のための水性液の混合機として、前記した高速攪拌型ミキサ(米国特許第5002986号公報、米国特許第4734478号公報)や、特定の噴霧連続造粒機(米国特許第5360148号公報)、流動床(欧州特許第05342899号公報)等を用いても、吸水性樹脂100重量部に対して均一かつ安定に添加できる水性液の量は、約30重量部が限界であった。
【0166】
また、造粒以外の手法として、上記微粉末と水性液との混合に剪断混合機(欧州特許第0417761号公報)やナウタ混合機(米国特許第4950692号公報)を用いる場合には、その強い剪断力のため、100重量部を越える水性液の添加、混合も可能であるが、得られる混合物は一体化してしまい、造粒物とはならない上、あまり大きな力で混練すると、その剪断力で吸水性樹脂が劣化するという問題点を有している。
【0167】
一般的に、上記吸水性樹脂に対する水性液の添加量が60重量部を越えると、上記吸水性樹脂はゲル化して含水ゲルとなる。この場合、上記剪断混合機は、その剪断力により吸水性樹脂と水性液とを混練するので、得られる含水ゲルは粒子状の造粒物(凝集体)とはならず、連続的かつ一体化した巨大なゲル状物となる。このため、上記含水ゲルは表面積が小さくなり、そのままでは乾燥が行えず、別途、剪断によるゲルの粉砕(米国特許第4950692号公報)を一般に必要とする。このため、吸水速度の低下や、上記粉砕工程によっても、吸水性樹脂造粒物が劣化するという問題点もまた有している。
【0168】
また、水の混合性の改良にために不溶性無機粉末や水溶性高分子等の混合助剤を用いる方法(欧州特許第0644224号公報)では、未だ混合が不均一である上、かえって造粒強度や諸物性の低下を引き起こす。
【0169】
従って、造粒強度や諸物性を向上させるためには、吸水性樹脂に対する水性液の添加量を所定範囲内に設定すると共に、上記吸水性樹脂と水性液とを混練(剪断)することなく均一混合させ、造粒物(凝集体)を直接得ることが重要である。本発明によれば、特定の連続押出式混合機を用いることで、従来、造粒に用いられた混合助剤や、造粒以外に用いられたゲルの粉砕を行うことなく、初めて、実質、水と微粉末とから含水ゲル状造粒物が得られるようになった。
【0170】
本発明では、前述の連続押出式混合機を用いることにより、上記の条件をクリアした。つまり、本発明では、上記連続押出式混合機を用いることにより、水性液の量が多い場合でも、吸水性樹脂と水性液とを混練することなく、しかも、物性の低下を引き起こす混合助剤を用いずとも均一に混合することが可能である。しかも、上記連続押出式混合機を用いて得られた含水ゲルは粒子状であり、通常は、個々の含水ゲルが凝集した不連続な粒子状造粒物としてそのまま乾燥させることができる。尚、個々の含水ゲルが不連続な粒子状造粒物(凝集体)となっていることは、光学顕微鏡写真によって、個々の粒子がその形状を保ったまま複数個集まり凝集している事実や、吸水時の不連続粒子として膨潤する事実で確認できる。従って、水と微粉末とから直接、含水ゲル状造粒物を得る本発明では、従来のように、混合助剤や剪断によるゲルの粉砕を必要としないので、吸水性樹脂造粒物の劣化を防止することができる。
【0171】
本発明において、上記造粒に用いられる水性液としては、例えば、水や、前述した親水性有機溶媒等が挙げられる。そのなかでも、上記水性液として好ましくは、水単独ないし少量の架橋剤を含む水である。この場合、上記架橋剤としては、例えば前述した種類や使用量の表面架橋剤を用いることができる。このように、上記水性液に架橋剤を併用することで、水可溶成分の低減や、造粒強度のさらなる向上を図ることができる。
【0172】
また、上述したように、本発明の連続押出式混合機は、混合性に極めて優れている。これにより、多量の水性液を安定的に混合することができると共に、連続造粒能や生産性を向上させることができる。尚、上記連続押出式混合機における上記吸水性樹脂および水性液の混合方法は、前記吸水剤の製造方法において説明した通りである。
【0173】
本発明において、上記吸水性樹脂として微粉末のみを造粒する場合、上記微粉末の平均粒径は150μm〜10μmの範囲内であることが好ましく、実質150μm以下の粒径を有する粒子を、70重量%以上、さらには、90重量%以上含んでいることが好ましい。また、微粉末の形状としては、造粒強度の面から、逆相懸濁重合で得られた球形よりも、水溶液重合で得られた不定形のものが好ましい。さらに、上記微粉末としては、表面架橋が施される前の微粉末がより好ましい。
【0174】
また、本発明において、得られる含水ゲル状造粒物の平均粒径は、0.3mm〜10mmの範囲内であることが好ましく、0.5mm〜8mmの範囲内であることがさらに好ましく、1mm〜5mmの範囲内であることが特に好ましい。上記含水ゲル状造粒物の粒径が0.3mmよりも小さければ、造粒される割合が低い上、上記含水ゲル状造粒物を乾燥してなる乾燥造粒物の造粒強度が不十分となる虞れがある。また、上記含水ゲル状造粒物の粒径が10mmを越える場合には、物性が低下したり、微粉末が増加する場合がある。
【0175】
つまり、より一層造粒強度に優れ、かつ、加圧下での吸収倍率や吸収速度等の特性に優れる吸水剤を得るためには、適度な粒径を有する粒子状の含水ゲル状造粒物を得た後、該含水ゲル状造粒物を乾燥させ、収縮させることが好ましい。
【0176】
このように、本発明の造粒方法では、水性液、特に水を添加後、好ましくは乾燥することで更に造粒強度を向上させることができる。
【0177】
上記水性液の添加量が10重量未満の場合には、特に乾燥は行わなくてもよいが、水性液を70重量部以上加える場合には、乾燥により、得られる含水ゲル状造粒物を収縮させることが必要である。
【0178】
上記吸水性樹脂は、多量の水性液を添加した後、乾燥することで強固に一体化され、図19の電子顕微鏡写真に示すように、ほぼ凝似一次粒子の造粒物(微粉末の凝集体)となる。このように、吸水性樹脂微粉末が造粒によりほぼ凝似一次粒子の造粒物(微粉末の凝集体)になっていることは、20倍〜100倍、好ましくは30倍〜50倍に拡大した電子顕微鏡写真で造粒前の粒子と造粒後の粒子とを比較すれば容易に判断することができる。また、この粒子が造粒物(微粉末の凝集体)であることは、含水ゲル状造粒物の光学顕微鏡写真ないし含水ゲル状造粒物の乾燥物を粉砕せずに撮影した電子顕微鏡写真によって、個々の粒子の凝集を確認できる事実や、大過剰の水の中では、該粒子が、造粒前の複数の粒子に分かれて不連続に膨潤する事実で判る。
【0179】
本発明において、上記含水ゲル状造粒物を乾燥させる際には、上記含水ゲル状造粒物を実質粉砕や混練せず、そのまま乾燥させることが望ましい。つまり上記含水ゲル状造粒物の乾燥は、吸水性樹脂の粉末(微粉末)から直接得られた含水ゲル状造粒物を粉砕や混練しない条件下において行われる。
【0180】
本発明において、上記乾燥方法は特に限定されず、例えば、前述の乾燥機または加熱炉が好適に用いられる。また、乾燥温度は、特に限定されるものではないが、比較的高温で乾燥させることが造粒強度の点から好ましい。上記乾燥温度としては、具体的には、110℃〜300℃の範囲内、好ましくは120℃〜200℃の範囲内、さらに好ましくは150℃〜180℃の範囲である。上記含水ゲル状造粒物を上記の乾燥温度にて乾燥させると、粒子状の含水ゲル状造粒物が乾燥時により収縮し、その結果、強固な吸水性樹脂造粒物を得ることができるので好ましい。尚、上記含水ゲル状造粒物を乾燥させる際には、該含水ゲル状造粒物を単独で乾燥させてもよいし、前述の水溶液重合ないし逆相懸濁重合で得られた乾燥前のゲル状重合体と混合して一緒に乾燥させてもよい。この場合、乾燥には、前述した通常の乾燥機や加熱炉が用いられる。
【0181】
このようにして得られた粒子状の乾燥造粒物は、乾燥によって収縮して強固な乾燥造粒物となっているが、必要に応じてさらに粉砕して粒度調整してもよい。上記乾燥造粒物の粉砕方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、振動ミルやロールグラニュレター型粉砕機等が好適に用いられる。
【0182】
以上のように、本発明の吸水性樹脂造粒物は、吸水性樹脂100重量部に対して70重量部〜400重量部の水性液を特定の連続押出式混合機にて混合後、得られた粒子状の含水ゲル状造粒物を、該含水ゲル状造粒物を粉砕しない条件下で乾燥させることによって容易に得ることができる。
【0183】
本発明において、上記の方法により得られた吸水性樹脂造粒物の平均粒径は、200μm〜800μmの範囲内であることが好ましく、200μm〜500μmの範囲内であることがさらに好ましい。即ち、本発明では、150μm以下(平均粒径としては例えば100μm以下)の粒子を平均粒径で200μm〜800μmに造粒することが好ましい。
【0184】
上記吸水性樹脂造粒物は、従来の吸水性樹脂造粒物と異なり、はるかに優れた造粒強度を有する上、物性低下もない。しかも、上記吸水性樹脂造粒物は、図19で示す電子顕微鏡写真に示すように、驚くべきことに多孔質の凝似一次粒子に造粒されており、高吸収速度を示す。
【0185】
従って、上述したように上記造粒工程を経て得られた吸水性樹脂造粒物にさらに前述の表面架橋を施すことにより、優れた高加圧下吸収倍率や造粒強度、高吸収速度を示す吸水剤を得ることができる。尚、該吸水剤の無加圧下での吸収倍率は20g/g以上、好ましくは25g/g以上、さらに好ましくは30g/g以上である。
【0186】
即ち、本発明における吸水剤の製造方法としては、平均粒径10μm〜150μmの吸水性樹脂100重量部に水性液70重量部〜400重量部を混合して平均粒径0.3mm〜10mmの粒子状の含水ゲル状造粒物を得た後、粉砕しない条件下、110℃〜300℃で収縮乾燥し、次いで、得られた平均粒径200μm〜800μmの吸水性樹脂造粒物をさらに表面架橋する方法が最も好ましい。
【0187】
上記の製造方法を用いれば、高加圧下の吸収倍率が20g/g以上、好ましくは25g/g以上であり、吸収速度が25秒以下、好ましくは20秒以下であり、かつ、造粒破壊率が10重量%以下、好ましくは5重量%以下、さらに好ましくは2重量%以下、特に好ましくは1重量%以下という優れた性能を有する吸水剤が得られる。
【0188】
このように、本発明によれば、従来の造粒方法ではそれぞれ相反する特性であり、同時には満足し得ない物性であった高加圧下での吸収倍率、造粒強度、吸収速度の3つの物性を、初めて同時に満足することができる吸水剤を得ることができる。
【0189】
つまり、従来の造粒方法では、表面架橋後に造粒する場合、造粒後に表面架橋を施す場合、造粒と同時に表面架橋する場合の何れの場合であっても、前述したように、造粒による表面破壊や物性の低下が生じ易く、高加圧下での吸収倍率、吸収速度、造粒強度の3つの物性を同時に満足することができる吸水剤を得ることはできなかった。特に、混合助剤の使用は、得られる吸水性樹脂造粒物の物性や造粒強度の低下を引き起こし易いという問題がある。これに対し、本発明によれば、粒子状の含水ゲル状造粒物を経て、凝似一次粒子に造粒された多孔質造粒粒子(凝集体)の表面を架橋することで上記物性を全て同時に満足させることができる吸水剤を得ることができる。本発明では、上記造粒には混合助剤を用いず、実質、水単独ないし少量の架橋剤を含む水が好適に用いられる。
【0190】
また、本発明において、上記造粒方法は、表面架橋された吸水剤中に含まれる比較的少量の微粉末を造粒する場合や、他の水溶性化合物との複合化にも適用することができる。但し、この場合には、上記バインダーや溶液としての水性液の使用量は、吸収剤100重量部に対して、0.1重量部〜30重量部の範囲内とすることが好ましく、0.5重量部〜10重量部の範囲内とすることがさらに好ましく、1重量部〜5重量部の範囲内とすることが特に好ましい。
【0191】
上記水性液の量が多すぎると、本発明に係る連続押出式混合機を用いたとしても表面架橋が破壊される虞れがある。一方、上記水性液の量が少なすぎると、十分な造粒強度が得られないので好ましくない。
【0192】
本発明では、上記のように吸水剤中に含まれる既に表面架橋された微粉末を造粒する場合であっても、上記吸水性樹脂造粒物を製造する場合と同様、その造粒工程において、得られる架橋造粒物が劣化することがなく、造粒強度に優れた吸水剤を得ることができる。また、該吸水剤(架橋造粒物)は、造粒によって、一次粒子と比べて大きな表面積を有しているので、加圧下での吸収倍率や吸収速度等の特性に特に優れている。
【0193】
また、本願によれば、上記架橋造粒物の造粒強度として、架橋造粒物に所定の振動を与えることにより衝撃力(B)を与え、その衝撃後の架橋造粒物の破壊率を測定することで、該架橋造粒物の機械的ストレスに対する強さを評価、予測することができる。このため、本願によれば、上記架橋造粒物の破壊率を測定することで、製造プラントにおける搬送やユーザにおける最終製品の加工等を行った後にもその優れた吸水性能を維持し、最終製品中において、その使用方法を選ばず常に優れた特性を維持する吸水剤を得ることができる。
【0194】
本発明において、吸水剤に加えられる衝撃力(B)は、前述した通りである。そして、上記架橋造粒物の破壊率(以下、造粒破壊率と記す)は、上記架橋造粒物に前述の衝撃力(B)を30分間与えた後、ガラスビーズと共に振動することで破壊された前記容器41内の架橋造粒粒子の重量を測定し、この振動後の架橋造粒粒子の重量を振動前の造粒粒子の重量で除した値である。
【0195】
上記架橋造粒物の造粒破壊率を測定する際には、造粒物として、架橋造粒物30.00gが用いられる。つまり、上記造粒破壊率は、一定粒度の粒子を造粒した場合、造粒前の粒度以上の粒度を有する架橋造粒物30.00gに対して衝撃力(B)を与え、破壊され、発生した一定粒度の粒子の重量を、JIS標準篩を用いたロータップ分級により測定することによって測定することができる。
【0196】
尚、上記の測定において、架橋造粒物に代えて吸水性樹脂造粒物や吸水性樹脂を用いることにより、表面架橋前の造粒物の造粒破壊率を測定することができると共に、吸水性樹脂粒子の耐衝撃試験方法の一つとして、架橋や造粒がなされていない吸水性樹脂の破壊率の測定をも行うことができる。
【0197】
このように、本発明では、上記造粒破壊率や前記物性値Q/P、物性値Y/Xを測定することにより、吸水剤が造粒物(架橋造粒物)を含む場合の該吸水剤の機械的ストレスに対する強さを評価、予測することができる。つまり、これまで、吸水剤が造粒物(架橋造粒物)を含む場合、最終製品における造粒破壊を評価しようとした製造プラントにおける搬送やユーザにおける最終製品の加工等を実際に多量の吸水剤を使用して行わなければ、物性低下や造粒破壊率を評価することができなかった。しかしながら、上記の方法によれば、製造プラントにおける搬送やユーザにおける最終製品の加工等に対応した、実験室レベルでの吸水剤の簡易的な耐衝撃試験方法を提供することができる。
【0198】
従って、本発明によれば、吸水剤の機械的ストレスに対する強さを、簡便な方法により予め評価することができるので、製造プラントにおける搬送やユーザにおける最終製品の加工等を行った後にもその優れた吸水性能を維持し、最終製品中において、その使用方法を選ばず常に優れた特性を維持する吸水剤を得ることができる。
【0199】
また、本発明では、上記した各吸水剤にさらに消毒剤、消臭剤、抗菌剤、香料、各種の無機粉末、発泡剤、顔料、染料、親水性短繊維、肥料、酸化剤、還元剤、水、塩類等を添加し、これにより、吸水剤に種々の機能を付与させることもできる。勿論、斯かる化合物の添加にも本発明の混合機は好適に使用できる。
【0200】
さらに、上述したように、上記各吸水剤は、これらをユーザにおいて最終製品の吸収性物品に加工した後も、その優れた吸収特性を維持できるので、各種の吸収性物品、特に、加圧下における吸収特性を重視される紙オムツや生理用ナプキン、失禁パット等の吸収体を含む衛生材料等の吸収性物品に好適である。
【0201】
尚、特開平8−84927号公報、カナダ特許公開公報第2154425号には、非反応性の水可溶性フィルム形成ポリマーで吸水性ポリマーを被覆させることにより機械的負荷によって磨耗された微粉含有量を低減させることが記載されている。しかしながら、本願によれば、特定の連続押出式混合機を用いることで、上記公報のように樹脂粒子の表面部分を非反応性の水可溶性フィルム形成ポリマー等で被覆する等の工程を必要とせず、フィルム被覆による物性低下もない上、通常の工程によって、機械的ストレスに強く、優れた吸収性能を有する吸水剤を提供することができる。
【0202】
【発明の実施の形態】
〔実施の形態1〕
本発明の実施の一形態について図1〜図5に基づいて説明すれば、以下の通りである。
【0203】
本実施の形態の吸水剤の製造装置の一部を構成する高速攪拌型の連続押出式混合機1は、図1に示すように、例えば水平に固定された固定円筒としてのケーシング2を有している。
【0204】
ケーシング2には、同図において右側に示すように、粉末の吸水性樹脂を投入供給するための材料供給口(第一供給口)3が形成されており、この材料供給口3よりも排出側の位置には架橋剤等の水性液を投入する液供給口(第二供給口)4が設けられている。また、同図において左端側には、排出口5が形成されている。
【0205】
尚、このケーシング2の内面には、前記特開平4−214734号公報に開示されているように、水に対する接触角が60°で熱変形温度が70℃以上の基材が内管として設けられていることが好ましい。
【0206】
即ち、水に対する上記基材の接触角が約60°未満であれば、吸水性樹脂と水性液との混合が不均一になる場合がある。また、熱変形温度が約70℃未満であれば、上記基材は、混合期間中に発生する熱に十分耐えることができない。このため、上記基材が、上記条件を満たしていない場合、安定した混合を継続することができない場合があるので注意を要する。
【0207】
このようなケーシング2の内面の基材を例示すれば、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアミド、フッ素樹脂、ポリ塩化ビニル、エポキシ樹脂及びシリコーン樹脂等の合成樹脂、或いはこの合成樹脂を、ガラス、グラファイト、ブロンズ及びモリブデンジサルファイド等の無機充填剤、又はポリイミド等の有機充填剤で増強してなる前記合成樹脂の複合体が挙げられる。
【0208】
また、上記物質の中でも、ポリエチレンテトラフルオライド、ポリエチレントリフルオライド、ポリエチレントリフルオロクロライド、エチレンテトラフルオライド−エチレンコポリマー、エチレントリフルオロクロライド−エチレンコポリマー、プロピレンペンタフルオライド−エチレンテトラフルオライドコポリマー、パーフルオロアルキルビニルエーテル−エチレンテトラフルオライドコポリマー及びポリフッ化ビニル等のフッ素樹脂が、特に望ましいものである。
【0209】
一方、上記ケーシング2の内部には、駆動モータ8によって回転駆動する回転軸6が設けられており、この回転軸6の周りには、攪拌部材として、複数の攪拌翼7…が設けられている。
【0210】
上記複数の攪拌翼7…は、上記ケーシング2内に供給された吸水性樹脂を分散させる分散領域としての第一領域と、上記第一領域よりも排出口5側に設けられ、かつ、上記分散領域において分散された吸水性樹脂と上記水性液とを混合する混合領域としての第二領域とを形成すべく、上記第一領域における押し出し推力よりも押し出し推力が小さい第二領域を排出口5側に有するように設けられている。
【0211】
本実施の形態において、上記の複数の攪拌翼7…は、それぞれが順次、回転軸6の周りに螺旋状に並び配されていると共に、形状の異なる第一の攪拌翼7a…と第二の攪拌翼7b…とからなっている。本実施の形態において、上記第一領域には第一の攪拌翼7a…が配されている。また、上記第二領域には、第二の攪拌翼7b…が配されると共に、部分的に第一の攪拌翼7a…が配されている。
【0212】
上記第一の攪拌翼7aの形状は、例えば長方形等の板状となっており、これによって、押し出し推力を生じるようになっている。尚、上記第一の攪拌翼7aは、必ずしも長方形等の板状に限らず、例えば、あしひれや蝶等のパドル状の板状とすることが可能であると共に、平板ではなく湾曲面を有する板状であっても良い。さらに、第一の攪拌翼7aは、図1に示すように、その先端縁が直線的である必要はなく、例えば円弧状に形成されていても良く、また、例えばノミ状等の刃先を有したものであっても良い。
【0213】
その他、上記第一の攪拌翼7a…の形状としては、円形や楕円形、三角形の板状、角柱等、押し出し推力を生じる形状であれば、種々変更が可能である。
【0214】
つまり、上記第一の攪拌翼7a…の形状や大きさ、配設密度、配設の仕方、吸水性樹脂押出面7a1 と回転軸6に垂直な平面とのなす角度等は、第一領域において、ケーシング2内に供給された吸水性樹脂に、連続押出式混合機1の内部へと十分な押し出し推力を与え、分散させることができるように設定されてさえいれば、特に限定されるものではない。
【0215】
本実施の形態において、上記連続押出式混合機1は、他の条件との兼合いもあるが、例えば、上記第一の攪拌翼7a…の大きさを部分的に変えることによって、押し出し推力の調整を図っている。また、上記第一の攪拌翼7a…は、回転軸6に対して垂直、かつ、吸水性樹脂押出面7a1 が回転軸6に垂直な平面に対して傾斜するように回転軸6の周りに配されている。
【0216】
一方、上記第二の攪拌翼7bの形状は、例えば円柱状となっている。また、該第二の攪拌翼7bは、回転軸6に対して垂直となるように固定されている。この場合、上記第二領域では、第二の攪拌翼7b…によって押し出し推力は生じず、第一の攪拌翼7a…によってのみ押し出し推力が生じるようになっている。また、僅かではあるが、上記第二の攪拌翼7b…によって、抵抗を受けて押し出し推力が低下する。
【0217】
従って、上記第二領域では、第一領域に比べて吸水性樹脂の押し出し推力が小さくなり、吸水性樹脂の平均速度が低下する。この結果、上記連続押出式混合機1では、図2(a)・(b)に示すように、2種類の攪拌状態によって攪拌が行われる。図2(a)に示すように、上記第一領域では、吸水性樹脂37は、第一の攪拌翼7a…によって排出口5方向への押し出し推力と受けると共に、第一の攪拌翼7a…の回転によって遠心力を受ける。このため、上記吸水性樹脂37は、上記第一領域では、第一の攪拌翼7a…による混合を受けず、分散された状態でケージング2の外壁に沿って回転しながら第二領域に押し出される。
【0218】
一方、図2(b)に示すように、上記第二領域では、押し出し推力が第一領域よりも小さくなり、吸水性樹脂37の平均速度が低下する。このため、吸水性樹脂37は、ケーシング2の底壁に滞留し、第一の攪拌翼7a…および第二の攪拌翼7b…によって、液供給口4から供給され吸水性樹脂37表面に付着した図示しない水性液と混合されながら、上記第一領域から伝えられた押し出し推力および該第二領域に配設された第一の攪拌翼7a…によって生じる押し出し推力によって、排出口5側へと押し出される。
【0219】
本実施の形態において、上記連続押出式混合機1では、上記第二の攪拌翼7bの形状を円柱状としたが、上記第二の攪拌翼7bの形状は、これに限定されるものではない。上記第二の攪拌翼7bの形状は、その配設領域において、上記第一の攪拌翼7a…の配設領域よりも押し出し推力が小さくなるように形成されてさえいればよい。
【0220】
従って、上記第二の攪拌翼7bの形状としては、例えば、押し出し推力を生じない形状であってもよく、第一の攪拌翼7aよりも小さい押し出し推力を生じる形状であってもよい。
【0221】
ここで、押し出し推力を生じない形状としては、具体的には、例えば、円柱状や、円柱状よりも細い棒状、またはピン状等が挙げられる。また、第一の攪拌翼7aよりも小さい押し出し推力を生じる形状としては、第一の攪拌翼7aの形状にもよるが、押し出し推力を生じる形状であって、かつ、第一の攪拌翼7aの面積(吸水性樹脂押出面7a1 の面積)よりも面積が小さくなる形状であればよい。従って、上記第二の攪拌翼7bの形状としては、例えば、第一の攪拌翼7aよりも幅の狭い或いは大きさが小さい板状等であってもよく、第一の攪拌翼7aにスリットや開口部が設けられた形状であってもよい。
【0222】
また、上記第二の攪拌翼7bの先端形状は、図1に示すように必ずしも平面である必要はなく、半球面等の球面状であっても良い。
【0223】
さらに、第一の攪拌翼7a…及び第二の攪拌翼7b…は、下部に取り付けナット等が設けられていても良い。また、攪拌翼7…や回転軸6に混合物が付着するのを防止するために、攪拌翼7…や回転軸6の表面にテフロン樹脂等による皮膜形成、メッキ処理又はテフロン樹脂チューブ等による被覆を施してあることが好ましい。
【0224】
上記連続押出式混合機1においては、円柱状の第二の攪拌翼7b…の配設領域(第二領域)に、部分的に第一の攪拌翼7a…が混在している。これによって、上記連続押出式混合機1は、第二の攪拌翼7b…の配設領域における押し出し推力の調整を図り得るものとなっている。
【0225】
つまり、上記押し出し推力は、例えば、攪拌翼7の形状や、各領域における攪拌翼7…の配設密度、或いは、攪拌翼7…の配置の仕方、吸水性樹脂押出面7a1 と回転軸6に垂直な平行な面とのなす角度等を調整することによって、調整することができる。
【0226】
尚、上記の回転軸6の外周とケーシング2の内壁との距離は、攪拌効率を考慮して設定するのが好ましい。
【0227】
上記板状の第一の攪拌翼7a…は、図1に示すように、ケーシング2内に存在する回転軸6の全長を100%とした場合、回転軸6における上記材料供給口3の端から約35%の長さの部分に設けられている一方、円柱状の第二の攪拌翼7b…は、上記排出口5側の端から約65%の長さの部分に設けられている。
【0228】
これにより、上記第一の攪拌翼7a…は、カルボキシル基を有する吸水性樹脂とこのカルボキシル基と反応し得る架橋剤等を含む水性液とに対して、連続押出式混合機1の内部へと十分な押し出し推力を与える。そして、第二の攪拌翼7b…によって、第一の攪拌翼7a…の配設領域における押し出し推力よりも押し出し推力を小さくすることによって、混合攪拌時間を十分に確保し、十分に混合させることができる。
【0229】
尚、上記各攪拌翼7…の取り付けピッチは、目的とする均一混合状態に合わせて、設定することが好ましい。
【0230】
上記連続押出式混合機1において、粉末の吸水性樹脂を投入するための材料供給口3は、第一領域である第一の攪拌翼7a…の配設領域に形成され、架橋剤を含む水性液を投入するための液供給口4は、第二領域である第二の攪拌翼7b…の配設領域における、第一領域との境界付近に形成されている。
【0231】
即ち、吸水性樹脂と水性液との混合に際しては、できるだけ瞬時に両者が全体的に接触する必要があり、これが不十分であると、いわゆる「ダマ」が生じて混合の均一性が損なわれる。その点、上記連続押出式混合機1は、第一の攪拌翼7a…によって吸水性樹脂の連続押出式混合機1の内部への送り込みを行い、第二の攪拌翼7b…によって瞬時に吸水性樹脂と水性液との高速攪拌混合を行うので、吸水性樹脂と水性液とを十分均一に混合させることができる。
【0232】
上記の構成を有する連続押出式混合機1にて、カルボキシル基を有する吸水性樹脂とこのカルボキシル基と反応し得る架橋剤等を含む水性液とを混合する場合には、駆動モータ8により、回転軸6を例えば約500〜3000rpmの高速で回転させる。
【0233】
そして、この状態で、材料供給口3からカルボキシル基を有する吸水性樹脂を供給する。すると、螺旋状に形成された板状の第一の攪拌翼7a…の押し出し推力にて吸水性樹脂が連続押出式混合機1の内部に移送される。
【0234】
次いで、液供給口4から架橋剤を含有する水性液を注入することにより、押し出し推力の小さい第二の攪拌翼7b…の配設領域にて吸水性樹脂と架橋剤等を含む水性液との混合が十分に行われる。この結果、上記吸水性樹脂と架橋剤等を含む水性液とが均一混合され、やがて排出口5から混合物が自動的に排出される。
【0235】
次いで、この混合物は、例えば、吸水剤の製造装置における図示しない加熱装置より、表面がさらに架橋されて優れた強度特性を有する吸水剤となる。
【0236】
このように、本実施の形態における連続押出式混合機1は、カルボキシル基を有する吸水性樹脂とこのカルボキシル基と反応し得る架橋剤等を含む水性液とを均一に混合すべく、固定のケーシング2の内部における回転軸6の周りに複数の攪拌翼7…を設けた構造を有しており、これら攪拌翼7…は、形状の異なる2種類以上のものからなっている。
【0237】
即ち、従来の連続押出式混合機の攪拌翼は、同一形状の複数の攪拌翼が、等間隔かつその翼面の向きが同一となるように、回転軸の周りに複数配設されたものからなっており、攪拌が不均一で混合が十分ではなかった。
【0238】
しかし、本実施の形態においては、攪拌翼7…は、形状の異なる2種類以上のものからなっているので、混合が2種以上の攪拌状態によって行われる。この結果、カルボキシル基を有する吸水性樹脂とこのカルボキシル基と反応し得る架橋剤等を含む水性液との混合が効率よく行われ、「ダマ」を生成することなく、均一な混合を行うことができる。このため、最終製品中において、その使用方法を選ばず、常に優れた特性を発揮することのできる吸水剤及びその製造装置を提供することができる。
【0239】
また、複数の攪拌翼7…は、順次、螺旋状に並び配されているので、押し出し推力が十分に確保できると共に、吸水性樹脂等を円滑に押し出すことができる。
【0240】
さらに、本実施の形態における連続押出式混合機1における回転軸6の周りには、吸水性樹脂に押し出し推力を与える複数の第一の攪拌翼7a…と、これら第一の攪拌翼7a…の排出側に、これら第一の攪拌翼7a…の配設領域における押し出し推力よりも押し出し推力が小さくなる領域を形成する第二の攪拌翼7b…とが配されている。
【0241】
従って、上記連続押出式混合機1は、第一の攪拌翼7a…により、カルボキシル基を有する吸水性樹脂とこのカルボキシル基と反応し得る架橋剤等を含む水性液とに対して、連続押出式混合機1の内部へと十分な押し出し推力を与え、次いで、第二の攪拌翼7b…によって、第一の攪拌翼7a…の配設領域における押し出し推力よりもよりも押し出し推力を小さくすることによって、混合攪拌時間を十分に確保し、十分に混合させることができる。したがって、吸水性樹脂と水性液とが十分均一に混合した状態で反応させることができる。
【0242】
また、上記の第一の攪拌翼7a…は板状に形成されているので、押し出し推力を生じる形状として好ましい。さらに、第二の攪拌翼7b…は円柱状に形成されているので、第二の攪拌翼7b…の配設領域である第二領域における押し出し推力を第一の攪拌翼7a…の配設領域である第一領域における押し出し推力よりも小さくし、混合攪拌を十分に確保する形状として好ましい。
【0243】
さらに、上記連続押出式混合機1におけるケーシング2の内面は、実質的に、水に対する接触角が約60°以上で約70℃以上の熱変形温度を有する基材から形成されている。
【0244】
即ち、水に対する基材の接触角が約60°未満であれば、吸水性樹脂と水性液との混合が不均一になる場合があり、熱変形温度が約70℃未満であれば、基材は、混合期間中に発生する熱に十分耐えることができず、そのため安定した混合を継続することができない場合があるが、本実施の形態ではそれを回避することができる。
【0245】
また、連続押出式混合機1は、カルボキシル基を有する吸水性樹脂の粉末が第一の攪拌翼7a…の配設領域に供給投入され、このカルボキシル基と反応し得る架橋剤を含む水性液が第二の攪拌翼7b…の配設領域に供給投入されるように形成されている。
【0246】
従って、上記連続押出式混合機1は、第一の攪拌翼7a…によって吸水性樹脂の連続押出式混合機1の内部への送り込みを行い、次いで、第二の攪拌翼7b…の配設領域に水性液を供給投入することによって、第二の攪拌翼7b…にて瞬時に吸水性樹脂と水性液との高速攪拌混合を行う。これにより、上記連続押出式混合機1は、吸水性樹脂と水性液とを十分均一に混合させることができる。
【0247】
尚、本実施の形態における攪拌翼7…は、2種類の形状の第一の攪拌翼7a…及び第二の攪拌翼7b…となっているが、必ずしもこれに限らず、例えば、さらに異なる種類の形状の攪拌翼7…を設けることが可能であり、これよって、攪拌効率をさらに向上させることができる。
【0248】
また、上記連続押出式混合機1では、カルボキシル基と反応し得る架橋剤を含む水性液が第二の攪拌翼7b…の配設領域に供給投入されるように形成されている構成としたが、上記水性液の供給投入は、第一領域と第二領域との境界において行われることがより好ましい。このためには、上記液供給口4は、図3の連続押出式混合機51に示すように、第一の攪拌翼7a…の配設領域と第二の攪拌翼7b…の配設領域との境界域に設けられている構成とすればよい。
【0249】
上記液供給口4が第一の攪拌翼7a…の配設領域と第二の攪拌翼7b…の配設領域との境界域に設けられていることで、上記第一の攪拌翼7a…にて分散された吸水性樹脂に水性液を均一に付着させ、この吸水性樹脂に付着した水性液が吸水性樹脂に吸収される前に、吸水性樹脂と水性液とをより素早く均一に混合することができる。従って、カルボキシル基を有する吸水性樹脂とこのカルボキシル基と反応し得る架橋剤等を含む水性液との混合がさらに効率よく行われ、「ダマ」を生成することなく、均一な混合が行える。このため、上記液供給口4が第一の攪拌翼7a…の配設領域と第二の攪拌翼7b…の配設領域との境界域に設けられていることで、最終製品中において、その使用方法を選ばず、常に優れた特性を発揮することのできる吸水剤をより安定して製造することができる。
【0250】
また、前記連続押出式混合機1では排出口5がケーシング2の底壁に形成されている構成としたが、上記排出口5の形成位置は、必ずしもケーシング2の底壁に限定されるものではなく、例えば、図3の連続押出式混合機51に示すように、ケーシング2における吸水性樹脂排出方向端面としてもよい。
【0251】
さらに、上記ケーシング2の形状、つまり、連続押出式混合機の形状も、特に限定されるものではなく、図4および図5に示すように、種々の形状とすることができる。例えば、図4に示す連続押出式混合機52は、傾斜して設けられたケーシング2の天壁に材料供給口3が設けられ、底壁に排出口5が設けられた構成である。従って、上記連続押出式混合機52では、押し出し推力に重力が加わるような構成となっている。逆に、図5に示す連続押出式混合機53は、図中、右側に示す材料供給口3から供給された吸水性樹脂を、重力に逆らって押し上げながら押し出す構成となっている。また、上記連続押出式混合機52および連続押出式混合機53は、何れも、ケーシング2が傾斜して設けられていることから、狭いスペースで、攪拌路の長さ(ケーシング2の長さ)を確保することができる。或いは、同一のスペースにおいて、攪拌路をより長く設定することができる。このように、本発明において、上記連続押出式混合機の形状は特に限定されない。上記連続押出式混合機としては、例えば、用いる吸水性樹脂の種類や使用量、用途等に応じて、最適な形状のものを選択すればよい。
【0252】
以上のように、本発明によれば、カルボキシル基を有する吸水性樹脂と、このカルボキシル基と反応し得る架橋剤等を含む水性液とを均一に混合することができる。従って、本発明によれば、上記吸水性樹脂の表面近傍を適度な深さで均一に架橋させることができ、優れた吸収性能を持ち、かつ機械的ストレスに強い吸水剤を得ることができる。
【0253】
さらに、発明によれば、製造プラントにおける搬送や、ユーザにおける加工等で加わる機械的ストレスを受けてもその吸水特性を殆ど低下させず、最終製品中においてその優れた吸収性能を維持する吸水剤を提供することができるという効果を奏する。
【0254】
また、本発明の吸水剤の製造方法及び吸水剤の製造装置を用いれば、連続押出式混合機における複数の攪拌翼の諸構成により、カルボキシル基を有する吸水性樹脂とこのカルボキシル基と反応し得る架橋剤等を含む水性液との混合反応が効率よく行われ、均一混合を確保することができるという効果を奏する。
【0255】
〔実施の形態2〕
本発明の実施の一形態について図6に基づいて説明すれば、以下の通りである。本実施の形態では、主に、上記実施の形態1との相違点について説明する。尚、説明の便宜上、上記実施の形態1と同一の機能を有する構成要素には同一の番号を付し、その説明を省略する。
【0256】
本実施の形態の吸水剤の製造装置の一部を構成する高速攪拌型の連続押出式混合機54は、図6に示すように、例えば水平に固定された固定円筒としてのケーシング2を有している。
【0257】
ケーシング2には、同図において右側に示すように、粉末の吸水性樹脂を投入供給するための材料供給口3が形成されており、この材料供給口3よりも排出側の位置には架橋剤等の水性液を投入する液供給口4が設けられている。また、同図において左端側には、排出口5が形成されている。
【0258】
そして、本実施の形態における連続押出式混合機54は、カルボキシル基を有する吸水性樹脂とこのカルボキシル基と反応し得る架橋剤等を含む水性液とを均一に混合すべく、ケーシング2の内部における回転軸6の周りに、攪拌部材として複数の攪拌翼7…を設けた構造を有しており、これら攪拌翼7…は、形状の異なる2種類以上のものからなっている。
【0259】
本実施の形態において、上記連続押出式混合機54には、ケーシング2内に存在する回転軸6の全長を100%とした場合、回転軸6の上記材料供給口3の端から約25%の長さの部分と排出口5側の端から約25%の長さの部分とにパドル状の第一の攪拌翼7a…が設けられていると共に、上記以外の中央部に、先端が半球の円柱状の第二の攪拌翼7b…が設けられている。
【0260】
そして、上記連続押出式混合機54は、このように、材料供給口3側から順に、第一の攪拌翼7a…、第二の攪拌翼7b…、第一の攪拌翼7a…が、回転軸6の周りに螺旋状に並び配されることによって、材料供給口3側から順に、第一領域、第二領域、および混合物押し出し領域としての第三領域を形成している。
【0261】
また、上記連続押出式混合機54において、排出口5は、ケーシング2における上記材料供給口3形成側とは反対側の底壁に設けられている。
【0262】
また、上記連続押出式混合機54において、上記第一の攪拌翼7a…及び第二の攪拌翼7b…は、下部に取り付けナットが設けられ、この取り付けナットにより、回転軸6に固定されている。
【0263】
そして、上記第一の攪拌翼7a…は、回転軸6に対して垂直、かつ、吸水性樹脂押出面7a1 が回転軸6に垂直な平面に対して傾斜するように回転軸6の周りに固定され、これにより、吸水性樹脂に押し出し推力を与えている。
【0264】
上記連続押出式混合機51では、他の条件との兼合いもあるが、例えば、上記第一の攪拌翼7a…の吸水性樹脂押出面7a1 と回転軸6に垂直な面とのなす角度や、その配設密度を部分的に変えることによって、押し出し推力の調整を図っている。
【0265】
また、上記連続押出式混合機54では、上記第二の攪拌翼7b…の形状が円柱状に形成されていると共に、該第二の攪拌翼7bが、回転軸6に対して垂直となるように固定されている。従って、上記第二領域では、第二の攪拌翼7b…によって押し出し推力が生じていないことから、第一領域に配設された第一の攪拌翼7a…の押し出し推力のみで吸水性樹脂が押し出される。また、僅かではあるが、上記第二の攪拌翼7b…によって抵抗を受けて押し出し推力が低下する。このため、上記第二領域において、押し出し推力は、排出口5側ほど小さくなる。
【0266】
このように、上記第二の攪拌翼7b…は、上記第一の攪拌翼7a…の排出側に、上記第一の攪拌翼7a…の配設領域である第一領域における押し出し推力よりも押し出し推力が小さくなる第二領域を形成している。
【0267】
従って、上記連続押出式混合機51でも、上記第二の攪拌翼7b…の配設領域(第二領域)では、上記第一の攪拌翼7b…の配設領域(第一領域)における押し出し推力よりも押し出し推力が小さくなり、吸水性樹脂の平均速度が低下する。この結果、上記第二の攪拌翼7b…の配設領域において吸水性樹脂が滞留し、上記第二の攪拌翼7b…によって上記吸水性樹脂と水性液とが均一に混合される。
【0268】
また、上記連続押出式混合機54でも、粉末の吸水性樹脂を投入するための材料供給口3は、第一領域である第一の攪拌翼7a…の配設領域に形成され、架橋剤を含む水性液を投入するための液供給口4は、第二領域である第二の攪拌翼7b…の配設領域に形成されている。これにより、上記連続押出式混合機54においても、吸水性樹脂と水性液とが瞬時に全体的に接触し、「ダマ」のない混合物を得ることができる。
【0269】
そして、上記連続押出式混合機54には、混合物押し出し領域(第三領域)として、上記第二の攪拌翼7b…の排出側に、さらに複数の第一の攪拌翼7a…が設けられている。これにより、上記連続押出式混合機54は、水性液と均一混合された吸水性樹脂(混合物)を、該連続押出式混合機54の外に効率良く押し出すようになっている。
【0270】
上記連続押出式混合機54において、第一領域と第三領域とでは、同一形状の第一の攪拌翼7a…を用いている。しかしながら、上記第三領域では、第一の攪拌翼7aを、その翼面の向きが第一領域に配設された第一の攪拌翼7aの翼面の向きとは異なるように配置している。つまり、上記各領域に配設された第一の攪拌翼7a…は、各々、排出口5の位置に応じて、その押し出し推力の向きを調整している。
【0271】
従って、上記連続押出式混合機54では、排出口5がケーシング2の底壁に設けられている構成としたため、上記第一領域と第三領域とで第一の攪拌翼7aの翼面の向きを変えたが、例えば、排出口5がケーシング2における吸水性樹脂排出方向端面に設けられている場合には、上記第一領域と第三領域とで押し出し推力の向きが同一となるように設定すればよい。
【0272】
このように、上記連続押出式混合機54では、上記第二の攪拌翼7b…の排出側にパドル状の第一の攪拌翼7a…を設けることによって、排出口5付近における押し出し推力が大きくなり、混合の排出が好適に行われる。
【0273】
〔実施の形態3〕
本発明の実施の一形態について図7および図8に基づいて説明すれば、以下の通りである。本実施の形態では、主に、前記実施の形態1および2との相違点について説明する。尚、説明の便宜上、上記実施の形態1と同一の機能を有する構成要素には同一の番号を付し、その説明を省略する。
【0274】
本実施の形態の吸水剤の製造装置の一部を構成する高速攪拌型の連続押出式混合機55は、図7に示すように、例えば水平に固定された固定円筒としてのケーシング2を有している。
【0275】
ケーシング2には、同図において右側に示すように、粉末の吸水性樹脂を投入供給するための材料供給口3が形成されており、この材料供給口3よりも排出側の位置には架橋剤等の水性液を投入する液供給口4が設けられている。また、同図において左端側には、排出口5が形成されている。
【0276】
そして、本実施の形態における連続押出式混合機55は、カルボキシル基を有する吸水性樹脂とこのカルボキシル基と反応し得る架橋剤等を含む水性液とを均一に混合すべく、ケーシング2の内部における回転軸6の周りに、攪拌部材として複数の攪拌翼7…を設けた構造を有しており、これら攪拌翼7…は、同一の形状を有する1種類のものからなっている。
【0277】
本実施の形態において、上記連続押出式混合機55には、ケーシング2内に設けられた回転軸6の周りに、パドル状の第一の攪拌翼7a…が、部分的に配設密度を異にして設けられている。
【0278】
つまり、上記連続押出式混合機55において、第一の攪拌翼7a…は、ケーシング2内に存在する回転軸6の全長を100%とした場合、例えば回転軸6の上記材料供給口3の端から約25%の長さの部分と排出口5側の端から約25%の長さの部分とでは配設密度が高く、上記以外の中央部で配設密度が低くなるように設けられている。
【0279】
そして、上記連続押出式混合機55は、このように、材料供給口3側から順に、第一の攪拌翼7a…が、その配設密度が密、粗、密となるように回転軸6の周りに螺旋状に並び配されることによって、材料供給口3側から順に、第一領域、第二領域、および混合物押し出し領域としての第三領域を形成している。
【0280】
また、上記連続押出式混合機55において、排出口5は、ケーシング2における上記材料供給口3形成側とは反対側の底壁に設けられている。
【0281】
また、上記連続押出式混合機55において、上記第一の攪拌翼7a…は、下部に取り付けナットが設けられ、この取り付けナットにより、回転軸6に固定されている。
【0282】
そして、上記第一領域および第二領域に配設された第一の攪拌翼7a…は、回転軸6に対して垂直、かつ、吸水性樹脂押出面7a1 が回転軸6に垂直な平面に対して傾斜するように回転軸6の周りに固定され、これにより、吸水性樹脂に押し出し推力を与えている。
【0283】
本実施の形態において、上記連続押出式混合機55は、上記第一領域と第二領域とで同一形状の攪拌翼7を用いていると共に、その翼面の向き(例えば吸水性樹脂押出面7a1 の向き)も同じである。本実施の形態にかかる上記連続押出式混合機55において、上記第一領域および第二領域に配された各第一の攪拌翼7aの吸水性樹脂押出面7a1 と回転軸6に垂直な平面とのなす角度は、各々等しく45°に設定されている。
【0284】
しかしながら、上記連続押出式混合機55では、上記第二領域(前記中央部)における第一の攪拌翼7a…の配設密度が、上記第一領域(前記回転軸6における上記材料供給口3の端から約25%の長さの部分)における配設密度よりも低いことから、上記第二領域における押し出し推力は、上記第一領域における押し出し推力よりも小さくなる。
【0285】
従って、本実施の形態でも、上記第二領域における吸水性樹脂の平均速度は上記第一領域における吸水性樹脂の平均速度よりも低下し、この結果、上記第二領域において、吸水性樹脂と水性液との混合がなされる。
【0286】
但し、本実施の形態において、上記連続押出式混合機55では、上記第一領域および第二領域における押し出し推力を、上記第一の攪拌翼7a…の配設密度のみにて調整している。このため、上記第一領域から第二領域に移行する際の押し出し推力の変化並びに第一領域と第二領域との押し出し推力の大きさの差は、前記実施の形態1および実施の形態2と比べて小さくなる。
【0287】
本発明において、より均一な混合を行うためには、第一領域から第二領域に移行する際に、押し出し推力がなだらかに変化するよりも、できるだけ大きく変化する方が好ましい。
【0288】
従って、より均一な混合を行うためには、例えば、上記第一領域と第二領域とで、第一の攪拌翼7aの吸水性樹脂押出面7a1 と回転軸6に垂直な平面とのなす角度等を変えることにより、上記押し出し推力の差をさらに大きくすることが好ましい。
【0289】
この場合、例えば、図8の連続押出式混合機55’に示すように、第二領域において、攪拌翼7を、その翼面が回転軸6の軸方向に平行となるように配設したり、例えば吸水性樹脂押出面7a1 が第一領域と反対方向を向くように配設することで、上記押し出し推力の差をさらに大きくすることができる。
【0290】
つまり、上記攪拌翼7が、その翼面が回転軸6の軸方向に平行となるように配設されている場合、該攪拌翼7(第一の攪拌翼7a)による押し出し推力は生じない。また、上記攪拌翼7が、例えば吸水性樹脂押出面7a1 が第一領域と反対方向を向くように配設されている場合、該攪拌翼7(第一の攪拌翼7a)によって、第一領域とは逆向きに推力が生じることになる。
【0291】
尚、上記各領域における攪拌翼7の翼面の向き、特に上記第二領域における翼面の向きは、必ずしも同一である必要はない。例えば、上記第二領域における攪拌翼7…の翼面の向き(吸水性樹脂押出面7a1 …と回転軸6に垂直な平面とのなす角度)は、図8の連続押出式混合機55’に示すように、第一領域における推力の大きさに応じて、上記第一領域よりも押し出し推力が小さくなると共に、吸水性樹脂が排出口5方向に排出されるように押し出し推力が働く範囲内において、各々別個に設定することができる。
【0292】
また、上記連続押出式混合機55・55’においても、上記図7および図8に示すように、上記第二領域の排出側に、第一の攪拌翼7a…の配設密度が高い領域である第三領域(混合物押し出し領域)を形成することによって、排出口5付近の押し出し推力が大きくなり、混合物の排出が好適に行われる。
【0293】
〔実施の形態4〕
本発明の実施の一形態について図9に基づいて説明すれば、以下の通りである。本実施の形態では、主に、前記実施の形態1との相違点について説明する。尚、説明の便宜上、上記実施の形態1と同一の機能を有する構成要素には同一の番号を付し、その説明を省略する。
【0294】
本実施の形態の吸水剤の製造装置の一部を構成する高速攪拌型の連続押出式混合機56は、図9に示すように、例えば水平に固定された固定円筒としてのケーシング2を有している。
【0295】
ケーシング2には、同図において右側に示すように、粉末の吸水性樹脂を投入供給するための材料供給口3が形成されており、この材料供給口3よりも排出側の位置には架橋剤等の水性液を投入する液供給口4が設けられている。また、同図において左端側には、排出口5が形成されている。
【0296】
そして、本実施の形態における連続押出式混合機56は、カルボキシル基を有する吸水性樹脂とこのカルボキシル基と反応し得る架橋剤等を含む水性液とを均一に混合すべく、ケーシング2の内部における回転軸6の周りに、攪拌翼として、複数の攪拌翼7…を設けた構造を有しており、これら攪拌翼7…は、形状の異なる2種類以上のものからなっている。
【0297】
本実施の形態において、上記連続押出式混合機56には、ケーシング2内に設けられた回転軸6の周りに、長方形の板状の第一の攪拌翼7a…が、部分的に配設密度を異にすると共に、その形状(大きさ)を異にして二重螺旋状に並び配されている。
【0298】
上記連続押出式混合機56において、例えば、回転軸6における材料供給口3の端から約35%の長さの部分(第一領域)には、実施の形態1と同様の第一の攪拌翼7a…が、二条ねじのように、リードがピッチの2倍になると共に、配設密度が高い状態で配設されている。一方、回転軸6における排出口5側の端から約65%の長さの部分(第二領域)には、長方形の細い板状に形成された第一の攪拌翼7a…が、上記第一領域よりもその配設密度が低くなるように配設されている。
【0299】
上記連続押出式混合機56において、上記第一領域における第一の攪拌翼7a…の平均速度は、前記連続押出式混合機1の第一領域における第一の攪拌翼7a…の平均速度よりも速くなるように設定されている。つまり、上記連続押出式混合機56では、上記第一の攪拌翼7a…が、リードがピッチの2倍になるように配置されているため、例えば、図9において、A地点の吸水性樹脂は、回転軸6が一回転すると、B地点に移動する。
【0300】
そして、上記第一領域および第二領域に配された第一の攪拌翼7a…は、回転軸6に対して垂直、かつ、吸水性樹脂押出面7a1 が回転軸6に垂直な平面に対して傾斜するように回転軸6の周りに固定され、これにより、吸水性樹脂に押し出し推力を与えている。但し、上記第一領域および第二領域に配された各第一の攪拌翼7aの吸水性樹脂押出面7a1 と回転軸に垂直な平面とのなす角度は各々等しい。
【0301】
本実施の形態では、上記実施の形態3同様、第一領域においても第二領域においても押し出し推力が生じている。しかしながら、上記連続押出式混合機56では、上記第一領域と第二領域とにおける第一の攪拌翼7a…の配設密度や形状の違いから、上記第一領域と第二領域との押し出し推力の差は、実施の形態3における連続押出式混合機55よりも大きくなる。
【0302】
そして、本実施の形態においても、上記第二領域では、上記第一領域における押し出し推力よりも押し出し推力が小さくなり、吸水性樹脂の平均速度が低下する。この結果、上記第二領域において吸水性樹脂が滞留し、上記第二領域に配設された第一の攪拌翼7a…によって、上記吸水性樹脂と水性液とが均一に混合される。
【0303】
〔実施の形態5〕
本発明の実施の一形態について図10に基づいて説明すれば、以下の通りである。本実施の形態では、主に、前記実施の形態1および実施の形態2との相違点について説明する。尚、説明の便宜上、上記実施の形態1と同一の機能を有する構成要素には同一の番号を付し、その説明を省略する。
【0304】
本実施の形態の吸水剤の製造装置の一部を構成する高速攪拌型の連続押出式混合機57は、図10に示すように、例えば水平に固定された固定円筒としてのケーシング2を有している。
【0305】
ケーシング2には、同図において右側に示すように、粉末の吸水性樹脂を投入供給するための材料供給口3が形成されており、この材料供給口3よりも排出側の位置には架橋剤等の水性液を投入する液供給口4が設けられている。また、同図において左端側には、排出口5が形成されている。
【0306】
そして、本実施の形態における連続押出式混合機57は、カルボキシル基を有する吸水性樹脂とこのカルボキシル基と反応し得る架橋剤等を含む水性液とを均一に混合すべく、ケーシング2の内部における回転軸6の周りに、攪拌部材として、1枚のねじ翼状の攪拌翼7が設けられた構造を有している。
【0307】
本実施の形態において、上記攪拌翼7における、第二領域となる部分の翼面には、開口部9…が設けられている。本実施の形態では、例えば、ケーシング2内に存在する回転軸6の全長を100%とした場合、回転軸6の上記材料供給口3の端から約25%の長さの部分を第一領域とし、回転軸6の上記排出口5側の端から約25%の長さの部分を第三領域とし、上記第一領域と第二領域との間の中央部を第二領域とする。
【0308】
上記連続押出式混合機57では、他の条件との兼合いもあるが、例えば、上記攪拌翼7に開口部9…を設けることによって押し出し推力の調整を図っている。つまり、上記連続押出式混合機57では、上記攪拌翼7は、上記第二領域において、第一領域において生じる押し出し推力よりも小さな押し出し推力を生じる形状に形成されている。
【0309】
従って、上記連続押出式混合機57でも、上記第二領域では、上記第一領域における押し出し推力よりも押し出し推力が小さくなり、吸水性樹脂の平均速度が低下する。この結果、上記第二領域において吸水性樹脂が滞留し、上記第二領域における攪拌翼7によって吸水性樹脂と水性液とが均一に混合される。
【0310】
そして、上記攪拌翼7には、混合物押し出し領域(第三領域)として、上記第二領域の排出側に、開口部のない部分が設けられている。これにより、上記連続押出式混合機57では、排出口5付近の押し出し推力が大きくなり、混合物の排出が好適に行われる。
【0311】
【実施例】
以下、実施例および比較例により、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。尚、吸水剤の諸性能は、以下の方法で測定した。
【0312】
(a)無加圧下吸収倍率
吸水剤0.2gを不織布製の袋(60mm×60mm)に均一に入れ、0.9重量%塩化ナトリウム水溶液(生理食塩水)中に浸漬した。60分後に袋を引上げ、遠心分離機を用いて250Gにて3分間水切りを行った後、袋の重量W1 (g)を測定した。また、同様の操作を吸水剤を用いないで行い、その時の重量W0 (g)を測定した。そして、これらW1 ・W0 から、次式、
無加圧下吸収倍率(g/g)
=(重量W1 (g)−重量W0 (g))/吸水剤の重量(g)
に従って、無加圧下での吸収倍率(g/g)を算出した。
【0313】
尚、吸水性樹脂、吸水性樹脂混合物、吸水性樹脂造粒物についても、吸水剤を用いた場合と同様の方法により無加圧下での吸収倍率(g/g)を算出した。
【0314】
(b)高加圧下吸収倍率
まず、加圧下の吸収倍率の測定に用いる測定装置について、図15に基づいて説明する。
【0315】
図15に示すように、測定装置は、天秤21と、この天秤21上に載置された所定容量の容器22と、外気吸入パイプシート23と、導管24と、ガラスフィルタ26と、このガラスフィルタ26上に載置された測定部25とからなってる。
【0316】
上記の容器22は、その頂部に開口部22aを、その側面部に開口部22bをそれぞれ有している。容器22の開口部22aには外気吸入パイプ23が嵌入される一方、開口部22bには導管24が取り付けられている。
【0317】
また、容器22には、所定量の生理食塩水32が入っている。外気吸入パイプ23の下端部は、生理食塩水32中に没している。外気吸入パイプ23は、容器22内の圧力をほぼ大気圧に保つために設けられている。上記のガラスフィルタ26は、直径55mmに形成されている。そして、容器22及びガラスフィルタ26は、シリコーン樹脂からなる導管24によって互いに連通している。また、ガラスフィルタ26は、容器22に対する位置及び高さが固定されている。
【0318】
上記の測定部25は、濾紙27と、支持円筒28と、この支持円筒28の底部に貼着された金網29と、おもり30とを有している。そして、測定部25は、ガラスフィルタ26上に濾紙27、底部に金網29を有する支持円筒28がこの順に載置されると共に、支持円筒9内部、つまり金網10上におもり30が載置されてなっている。金網29は、ステンレスからなり、400メッシュ(目開き38μm)に形成されている。また、金網29の上面、つまり金網29と吸水剤31との接触面の高さは、外気吸入パイプ23の下端面23aの高さと等しくなるように設定されている。そして、金網29上に、所定量及び所定粒径の吸水剤が均一に散布されるようになっている。おもり30は、金網29上の吸水剤31に対して、50g/cm2 の荷重を均一に加えることができるように、その重量が調整されている。
【0319】
上記構成の測定装置を用いて、吸水剤31の高加圧下での吸収倍率を測定した。測定方法について以下に説明する。
【0320】
まず、容器22に所定量の生理食塩水32を入れ、外気吸入パイプ23を嵌入する等の所定の準備動作を行う。次に、ガラスフィルタ26上に濾紙27を載置すると共に、この載置動作に平行して、支持円筒28内部、つまり金網29上に、吸水剤0.9gを均一に散布し、この吸水剤31上におもり30を載置する。
【0321】
次いで、濾紙27上に、吸水剤31及びおもり30を載置した上記支持円筒28の金網29を、その中心部がガラスフィルタ26の中心部に一致するように載置する。
【0322】
そして、濾紙27上に支持円筒28を載置した時点から、60分にわたって経時的に、該吸水剤31が吸水した生理食塩水32の重量を天秤21の測定値から求める。
【0323】
また、同様の操作を吸水剤31を用いないで行い、ブランク重量、すなわち、吸水剤31以外の例えば濾紙27等が吸水した生理食塩水32の重量を、天秤21の測定値から求め、ブランク値とした。次いで、ブランク値を差し引く補正を行って、吸水剤31が実際に吸水した生理食塩水32の重量を、吸水剤31の重量(0.9g)で除して、高加圧下での吸収倍率(g/g)を算出した。
(c)吸収速度
内径約60mmのガラス製シャーレに、吸水剤1.000gを散布した。次いで、上記シャーレに、中央部より、温度25℃に設定された20.00gの0.4重量%食塩水を一気に静注し、上記吸水剤が上記食塩水を全て吸収する(目視)までの秒数を測定した。尚、この時間が短い程、高吸収速度であることを示す。
【0324】
〔実施例1〕
カルボキシル基を有する吸水性樹脂の製造に際して、単量体成分としてのアクリル酸ナトリウム(中和率75モル%)の33重量%水溶液5500部に、内部架橋剤としてのポリエチレングリコールジアクリレート(n=8)2.9部を溶解させて反応液とした。次に、この反応液を窒素ガス雰囲気下で、30分間脱気した。
【0325】
次いで、シグマ型羽根を2本有するジャケット付きステンレス製双碗型ニーダーに蓋を付けた反応器に上記反応液を供給し、反応液を30℃に保ちながら上記反応器内を窒素ガス置換した。続いて、反応液を攪拌しながら、重合開始剤としての過硫酸アンモニウム2.4部、及び重合開始剤の分解を促進する還元剤としてのL−アスコルビン酸0.12部を添加したところ、凡そ1分後に重合が開始した。そして、30℃〜80℃で重合を行い、重合を開始して60分後に含水ゲル状重合体を取り出した。
【0326】
得られた含水ゲル状重合体を50メッシュ(目開き300μm)の金網上に広げ、150℃で90分間熱風乾燥した。次いで、乾燥物を振動ミルを用いて粉砕し、さらに20メッシュの金網(目開き850μm)で分級することにより平均粒径が400μmで、粒径が150μm未満の粒子の割合が12重量%の不定型破砕状の吸水性樹脂を得た。
【0327】
次いで、上記の吸水性樹脂100重量部に対し、エチレングリコールジグリシジルエーテル0.1重量部、水4重量部と、イソプロピルアルコール1重量部とからなる着色した表面架橋剤を、図1に示す連続押出式混合機1、即ち、ケーシング2内に存在する回転軸6の全長を100%とした場合、回転軸6における上記材料供給口3の端から約35%の長さの部分に設けられた板状の第一の攪拌翼7a…と、排出口5側の端から約65%の長さの部分に設けられた円柱状の第二の攪拌翼7b…を有する高速攪拌混合機に投入し、連続的に混合反応させた。
【0328】
得られた混合物の着色は均一であり、また、この混合物を20メッシュ金網に通過させたところ、通過しない塊は0.2%であった。
【0329】
その後、上記の混合物を195℃で40分間加熱処理することにより、NO.1吸水剤を得た。上記NO.1吸水剤の無加圧下および高加圧下での吸収倍率を測定した。上記測定結果を表1に示す。
【0330】
〔実施例2〕
上記実施例1と同じ吸水性樹脂100重量部に対し、第一表面架橋部としてのグリセリン0.5重量部、第二表面架橋部としてのエチレングリコールジグリシジルエーテル0.1重量部、水3重量部と、エチルアルコール1重量部とからなる着色した表面架橋剤を、上記実施例1で用いたものと同じ連続押出式混合機1を用いて、連続的に混合した。
【0331】
得られた混合物の着色は均一であり、また、この混合物を20メッシュ金網に通過させたところ、通過しない塊は0%であった。
【0332】
その後、上記の混合物を195℃で40分間加熱処理することにより、NO.2吸水剤を得た。上記NO.2吸水剤の無加圧下および高加圧下での吸収倍率を測定した。上記測定結果を表1に示す。
【0333】
〔実施例3〕
上記実施例1及び実施例2と同じ吸水性樹脂100重量部に対し、第一表面架橋部としてのグリセリン0.5重量部、第二表面架橋部としてのエチレングリコールジグリシジルエーテル0.1重量部、水3重量部と、エチルアルコール1重量部とからなる着色した表面架橋剤を、図6に示す連続押出式混合機54、即ち、回転軸6の全長を100%とした場合、回転軸6における、材料供給口3の端から約25%の長さの部分と、排出口5側の端から約25%の長さの部分にパドル状の第一の攪拌翼7a…を有し、上記以外の中央部には、先端が半球の円柱状の第二の攪拌翼7b…を有する高速攪拌混合機を用いて連続的に混合した。
【0334】
得られた混合物の着色は均一であり、また、この混合物を20メッシュ金網に通過させたところ、通過しない塊は0.5%であった。
【0335】
その後、上記の混合物を195℃で40分間加熱処理することにより、NO.3吸水剤を得た。上記NO.3吸水剤の無加圧下および高加圧下での吸収倍率を測定した。上記測定結果を表1に示す。
【0336】
〔実施例4〕
上記実施例1〜実施例3と同じ吸水性樹脂100重量部に対し、エチレングリコールジグリシジルエーテル0.1重量部、水4重量部と、イソプロピルアルコール1重量部とからなる着色した表面架橋剤を、図7に示す連続押出式混合機55を用いて連続的に高速攪拌混合した。
【0337】
得られた混合物の着色は不均一であり、着色度合いの高い「ダマ」が目視で観察された。また、この混合物を20メッシュ金網に通過させたところ、通過しない塊が7.3%存在した。
【0338】
その後、上記の混合物を、実施例1〜実施例3と同様に、195℃で40分間加熱処理することにより、NO.4吸水剤を得た。上記NO.4吸水剤の無加圧下および高加圧下での吸収倍率を測定した。上記測定結果を表1に示す。
【0339】
〔実施例5〕
上記実施例1〜実施例3と同じ吸水性樹脂100重量部に対し、第一表面架橋部としてのグリセリン0.5重量部、第二表面架橋部としてのエチレングリコールジグリシジルエーテル0.1重量部、水3重量部と、エチルアルコール1重量部とからなる着色した表面架橋剤を、図7に示す連続押出式混合機55を用いて連続的に混合した。
【0340】
得られた混合物の着色は不均一であり、着色度合いの高い「ダマ」が目視で観察された。また、この混合物を20メッシュ金網に通過させたところ、通過しない塊が5.4%存在した。
【0341】
その後、上記の混合物を195℃で40分間加熱処理することにより、NO.5吸水剤を得た。上記NO.5吸水剤の無加圧下および高加圧下での吸収倍率を測定した。上記測定結果を表1に示す。
【0342】
【表1】
【0343】
表1の結果から、実施例1〜実施例3に示すように、2種類以上の形状の攪拌翼7…を備えた連続押出式混合機1・54にて吸水性樹脂と架橋剤とを混合、反応させた場合には、実施例4及び実施例5に示すように、1種類(同一形状)の攪拌翼7…を備え、その配設密度を変更することで押し出し推力を調整する連続押出式混合機55にて混合、反応させた場合と比べて、高加圧下における吸収倍率により優れた吸水剤を得ることができることが判る。従って、連続押出式混合機1・54にて混合攪拌することにより、高加圧下においてさらに高い吸収倍率を示す吸水剤が得られることが判明した。
【0344】
〔実施例6〕
実施例1で得られたNO.1吸水剤に対して、前述の方法により衝撃力(A)を与えてNO.6吸水剤を得た。また、このNO.6吸水剤に対して、衝撃付与前後の高加圧下の吸収倍率の測定を前記方法にて行った。上記測定結果を表2に示す。
【0345】
〔実施例7〕
実施例2で得られたNO.2吸水剤に対して、前述の方法により衝撃力(A)を与えてNO.7吸水剤を得た。また、このNO.7吸水剤に対して、衝撃付与前後の高加圧下の吸収倍率の測定を前記方法にて行った。上記測定結果を表2に示す。
【0346】
〔実施例8〕
実施例3で得られたNO.3吸水剤に対して、前述の方法により衝撃力(A)与えてNO.8吸水剤を得た。また、このNO.8吸水剤に対して、衝撃付与前後の高加圧下の吸収倍率の測定を前記方法にて行った。上記測定結果を表2に示す。
【0347】
【表2】
【0348】
表2の結果から、前記実施例1〜実施例3に示す吸水剤に衝撃力(A)を与えた場合には、実施例6〜実施例8に示すように、物性値Q/Pが0.93〜1.00となり、衝撃による高加圧下吸収倍率があまり変化しないこと、即ち、衝撃前の高加圧下吸収倍率を維持できることが判明した。
【0349】
〔実施例9〕
実施例1で得られたNO.1吸水剤に対して前述の方法により衝撃力(B)を与えてNO.9吸水剤を得た。また、このNO.9吸水剤に対して、衝撃付与前後の高加圧下の吸収倍率の測定を前記方法にて行った。上記測定結果を表3に示す。
【0350】
〔実施例10〕
実施例2で得られたNO.2吸水剤に対して前述の方法により衝撃力(B)を与えてNO.10吸水剤を得た。また、このNO.10吸水剤に対して、衝撃付与前後の高加圧下の吸収倍率の測定を前記方法にて行った。上記測定結果を表3に示す。
【0351】
〔実施例11〕
実施例3で得られたNO.3吸水剤に対して前述の方法により衝撃力(B)を与えてNO.11吸水剤を得た。また、このNO.11吸水剤に対して、衝撃付与前後の高加圧下の吸収倍率の測定を前記方法にて行った。上記測定結果を表3に示す。
【0352】
〔実施例12〕
実施例5で得られたNO.5吸水剤に対して前述の方法により衝撃力(B)を与えてNO.12吸水剤を得た。また、このNO.12吸水剤に対して、衝撃付与前後の高加圧下の吸収倍率の測定を前記方法にて行った。上記測定結果を表3に示す。
【0353】
【表3】
【0354】
表3の結果から、前記実施例1〜実施例3および実施例5に示す吸水剤に衝撃力(B)を与えた場合には、実施例9〜実施例12に示すように、物性値Y/Xが0.86〜1.00となり、衝撃による高加圧下吸収倍率があまり変化しないこと、即ち、衝撃前の高加圧下吸収倍率を維持できることが判明した。
【0355】
〔実施例13〕
カルボキシル基を有する吸水性樹脂の製造に際して、単量体成分としてのアクリル酸ナトリウム(中和率75モル%)の38重量%水溶液5500部に、内部架橋剤としてのトリメチロールプロパントリアクリレート2.7部を溶解させて反応液とした。単量体成分に対するトリメチロールプロパントリアクリレートの使用量は、0.04モル%である。次に、この反応液を窒素ガス雰囲気下で、30分間脱気した。
【0356】
次いで、シグマ型羽根を2本有するジャケット付きステンレス製双碗型ニーダーに蓋を付けた反応器に上記反応液を供給し、反応液を30℃に保ちながら、上記反応器内を窒素ガス置換した。続いて、反応液を攪拌しながら、重合開始剤としての過硫酸アンモニウム2.8部及び還元剤としてのL−アスコルビン酸0.02部を添加し、実施例1と同様の重合操作を行った。この結果、約0.1mm〜3mmに細分化された含水ゲル状重合体を得た。
【0357】
次いで、上記含水ゲル状重合体を、実施例1と同様に乾燥した後、粉砕に用いられるロール同士が所定の間隔(ロールギャップ約1.63mm、約0.43mm、約0.15mm)を有するように3段に形成されたロールグラニュレター型粉砕機を用いて粉砕し、次いで、目開き850μmのJIS標準篩で分級することにより、平均粒径が300μmの不定型破砕状の吸水性樹脂(A)を得た。さらに、この吸水性樹脂(A)を、目開き150μmのJIS標準篩で分級することにより、粒径850μm〜150μmの吸水性樹脂(A1)86.3重量%および粒径150μm未満の吸水性樹脂微粉末(A2)13.7重量%を得た。
【0358】
次いで、上記の吸水性樹脂微粉末(A2)を、図1に示す連続押出式混合機1に2kg/分の割合で投入すると共に、上記連続押出式混合機1に設けられた口径5mmの液供給口4から、イオン交換水を、吸水性樹脂微粉末(A2)100重量部に対してイオン交換水130重量部の割合で投入することによって、上記吸水性樹脂微粉末(A2)とイオン交換水とを連続的に混合した。この結果、排出口5から、粒子状の均一な含水ゲル状造粒物が連続的に排出された。得られた粒子状の含水ゲル状造粒物は、個々の粒子の凝集体であり、その大部分が、粒径約1mm〜5mmの均一な含水ゲル状造粒物であった。また、上記含水ゲル状造粒物の固形分は、43.6重量%であった。尚、含水ゲル状造粒物の固形分とは、含水ゲル状造粒物中の吸水性樹脂の量(含有量)を示す。
【0359】
次に、この含水ゲル状造粒物を、目開き300μmのJIS標準金網上に、約5cmの厚みになるように広げ、160℃の熱風循環式乾燥機で乾燥させた。この結果、上記含水ゲル状造粒物は均一かつ固形分90重量%以上に十分に乾燥され、造粒粒子同士を手でも容易に解砕することが可能な粉体状の乾燥造粒物が得られた。該乾燥造粒物中の10mmを越える塊は5%に過ぎなかった。
【0360】
次いで、この乾燥造粒物を、前記ロールグラニュレター型粉砕機を用いると共に、ロールギャップを広げて粉砕(最終ロールギャップ約0.27mm)し、目開き850μmのJIS標準篩で分級することにより、吸水性樹脂造粒物(1)を得た。
【0361】
このようにして得られた上記吸水性樹脂造粒物(1)、吸水性樹脂(A)、吸水性樹脂(A1)、および吸水性樹脂微粉末(A2)の粒度分布、無加圧下での吸収倍率および造粒破壊率を測定した。上記粒度分布を表4に示すと共に、吸収倍率および造粒破壊率の測定結果を合わせて表5に示す。また、上記吸水性樹脂微粉末(A2)の電子顕微鏡写真(50倍)を図18に示す。
【0362】
さらに、上記吸水性樹脂造粒物(1)100重量部に対し、エチレングリコールジグリシジルエーテル0.05重量部、グリセリン0.75重量部、水3重量部、イソプロピルアルコール0.75重量部、および乳酸0.5重量部からなる表面架橋剤を混合し、200℃で40分間加熱することにより、No.13吸水剤を得た。上記測定上記NO.13吸水剤の無加圧下および高加圧下の吸収倍率、吸収速度、および造粒破壊率を測定した。上記測定結果を表6に示す。
【0363】
また、上記吸水性樹脂造粒物(1)の電子顕微鏡写真(50倍)を図19に示す。上記吸水性樹脂造粒物(1)は、原料として図18に示した粒径150μm未満の吸水性樹脂微粉末(A2)を用いているにも拘らず、300μm〜850μmの粒径を有する粒子が約8割を占める凝似一次粒子の造粒物(凝集体)となり、結果的に、衝撃力(B)によって規定される造粒破壊率が2.4重量%という造粒強度の強い造粒物(凝集体)となっていた。
【0364】
尚、図示はしないが、本実施例にて得られた乾燥前の含水ゲル状造粒物の光学顕微鏡写真では、該含水ゲル状造粒物が個々の一粒一粒の含水ゲルの凝集体である事実や、架橋剤を含まない水で造粒した場合、吸水膨潤後は造粒前の複数の粒子に分かれて膨潤する事実も別途確認されている。
【0365】
〔実施例14〕
実施例13において、連続押出式混合機1で含水ゲル状造粒物を得るに際して、吸水性樹脂微粉末(A2)100重量部に対して添加するイオン交換水の量を、130重量部から163重量部に変更する以外は、実施例13と同様の反応・操作を行って、固形分38.0重量%の含水ゲル状造粒物を得た。
【0366】
その後、上記含水ゲル状造粒物を実施例13と同様の方法により乾燥した。この結果、上記含水ゲル状造粒物は均一かつ十分に乾燥され、造粒粒子同士を手でも容易に解砕することが可能な粉体状の乾燥造粒物が得られた。該乾燥造粒物中の10mmを越える塊は5%に過ぎなかった。
【0367】
次いで、この乾燥造粒物を、実施例13と同様に粉砕、分級することにより、吸水性樹脂造粒物(2)を得た。該吸水性樹脂造粒物(2)の粒度分布、無加圧下での吸収倍率および造粒破壊率を測定した。上記粒度分布を表4に示すと共に、吸収倍率および造粒破壊率の測定結果を合わせて表5に示す。
【0368】
さらに、上記吸水性樹脂造粒物(2)を用いて、実施例13と同様の混合・加熱処理を行ってNo.14吸水剤を得た。上記NO.14吸水剤の無加圧下および高加圧下の吸収倍率、吸収速度、および造粒破壊率を測定した。上記測定結果を表6に示す。
【0369】
〔実施例15〕
実施例13において、連続押出式混合機1で含水ゲル状造粒物を得るに際して、吸水性樹脂微粉末(A2)100重量部に対して添加するイオン交換水の量を、130重量部から74重量部に変更する以外は、実施例13と同様の反応・操作を行って、固形分57.6重量%の含水ゲル状造粒物を得た。尚、混合は均一であったが、実施例13・14と比較すると、その混合の均一性は、若干劣るものであった。
【0370】
その後、上記含水ゲル状造粒物を実施例13と同様の方法により乾燥した。この結果、上記含水ゲル状造粒物は均一かつ十分に乾燥され、造粒粒子同士を手でも容易に解砕することが可能な粉体状の乾燥造粒物が得られた。該乾燥造粒物中の10mmを越える塊は5%に過ぎなかった。
【0371】
次いで、この乾燥造粒物を、実施例13と同様に粉砕、分級することにより、吸水性樹脂造粒物(3)を得た。該吸水性樹脂造粒物(3)の粒度分布、無加圧下での吸収倍率および造粒破壊率を測定した。上記粒度分布を表4に示すと共に、吸収倍率および造粒破壊率の測定結果を合わせて表5に示す。
【0372】
さらに、上記吸水性樹脂造粒物(3)を用いて、実施例13と同様の混合・加熱処理を行ってNo.15吸水剤を得た。このNO.15吸水剤の無加圧下および高加圧下の吸収倍率、吸収速度、および造粒破壊率を測定した。上記測定結果を表6に示す。
【0373】
〔実施例16〕
実施例13において、連続押出式混合機1で含水ゲル状造粒物を得るに際して、吸水性樹脂微粉末(A2)100重量部に対して添加するイオン交換水の量を、230重量部から41重量部に変更する以外は、実施例13と同様の反応・操作を行って、固形分70.9重量%の含水ゲル状造粒物を得た。尚、混合は均一であったが、実施例15よりはやや劣るものであり、また、得られた含水ゲル状造粒物は、連続押出式混合機1のケーシング2の内面への付着や、凝集が起こりやすいものであった。
【0374】
その後、上記含水ゲル状造粒物を実施例13と同様の方法により乾燥した。この結果、上記含水ゲル状造粒物は均一かつ十分に乾燥され、造粒粒子同士を手でも容易に解砕することが可能な粉体状の乾燥造粒物が得られた。該乾燥造粒物中の10mmを越える塊は5%に過ぎなかった。
【0375】
次いで、この乾燥造粒物を、実施例13と同様に粉砕、分級することにより、吸水性樹脂造粒物(4)を得た。該吸水性樹脂造粒物(4)の粒度分布、無加圧下での吸収倍率および造粒破壊率を測定した。上記粒度分布を表4に示すと共に、吸収倍率および造粒破壊率の測定結果を合わせて表5に示す。
【0376】
さらに、上記吸水性樹脂造粒物(4)を用いて、実施例13と同様の混合・加熱処理を行ってNo.16吸水剤を得た。このNO.16吸水剤の無加圧下および高加圧下の吸収倍率、吸収速度、および造粒破壊率を測定した。上記測定結果を表6に示す。
【0377】
〔比較例1〕
実施例13において、吸水性樹脂微粉末(A2)とイオン交換水とを混合する際に、連続押出式混合機1に代えて、図21に示す従来の連続押出式混合機100を用いた以外は、実施例13と同様の反応・操作を行った。しかしながら、上記従来の連続押出式混合機100によって得られた混合物は、造粒物ではなく、主に1cm〜5cmのゲル状の塊であり、この結果、上記連続押出式混合機100の排出口106から連続的に排出することはできなかった。次に、上記ゲル状の塊に対し、実施例1と同様の方法により乾燥を試みたが、乾燥しなかった。しかも、水可溶成分の増加等、物性低下が見られた。
【0378】
〔比較例2〕
比較例1において、図17に示す従来の連続押出式混合機100で吸水性樹脂微粉末(A2)とイオン交換水とを混合する際に、吸水性樹脂微粉末(A2)100重量部に対して添加するイオン交換水の量を、130重量部から10重量部に変更する以外は、比較例1と同様の反応・操作を行った。しかしながら、上記吸水性樹脂微粉末(A2)は吸収速度が速く、上記従来の連続押出式混合機100によって得られた混合物は、含水ゲル状造粒物ではなく、ダマ状の粉末状造粒物を多く含むと共に、水性液が全く行き渡らず、未造粒のままの吸水性樹脂微粉末(A2)を半分以上含むものであった。
【0379】
次に、上記ダマ状の粉末状造粒物を、実施例13と同様に乾燥、粉砕、分級することにより、比較吸水性樹脂造粒物(1)を得た。該比較吸水性樹脂造粒物(1)の粒度分布、無加圧下での吸収倍率および造粒破壊率を測定した。上記粒度分布を表4に示すと共に、吸収倍率および造粒破壊率の測定結果を合わせて表5に示す。
【0380】
また、上記比較吸水性樹脂造粒物(1)の電子顕微鏡写真(50倍)を図20に示す。上記比較吸水性樹脂造粒物(1)は、原料として図18に示した粒径150μm未満の吸水性樹脂微粉末(A2)を用いているが、150μm以上の造粒物が約24重量%しかなく、かつ、その造粒も個々の微粉末の点接触であり、結果的に、衝撃力(B)によって規定される造粒破壊率100重量%という、弱い造粒物(凝集体)となっていた。
【0381】
さらに、上記比較吸水性樹脂造粒物(1)を用いて、実施例13と同様の混合・加熱処理を行ってNo.1比較用吸水剤を得た。上記No.1比較用吸水剤の無加圧下および高加圧下の吸収倍率、吸収速度、および造粒破壊率を測定した。上記測定結果を表6に示す。
【0382】
〔比較例3〕
実施例13において、吸水性樹脂造粒物(1)に代えて、吸水性樹脂(A1)を86.3重量%、吸水性樹脂微粉末(A2)を13.7重量%の割合で含む吸水性樹脂(A)を用いた以外は、実施例13と同様の反応・操作を行って、No.2比較用吸水剤を得た。また、このNO.2比較用吸水剤の無加圧下および高加圧下の吸収倍率、吸収速度、および造粒破壊率を測定した。上記測定結果を表6に示す。
【0383】
〔実施例17〕
実施例1において、内部架橋剤としてのポリエチレングリコールジアクリレート(n=8)の使用量を、2.9部から3.9部に変更した以外は、実施例1と同様の反応・操作を行って、含水ゲル状重合体を得た。
【0384】
次いで、上記含水ゲル状重合体を、実施例1と同様に乾燥した後、実施例13よりもロールギャップが狭くなるように設定(最終ロールギャップ約0.15mm)されたロールグラニュレター型粉砕機を用いて粉砕し、目開き850μmのJIS標準篩で分級することにより、平均粒径が260μmの不定型破砕状の吸水性樹脂(B)を得た。さらに、この吸水性樹脂(B)を、目開き150μmのJIS標準篩で分級することにより、粒径850μm〜150μmの吸水性樹脂(B1)82.0重量%および粒径150μm未満の吸水性樹脂微粉末(B2)18.0重量%を得た。
【0385】
次いで、上記の吸水性樹脂微粉末(B2)を、図1に示す連続押出式混合機1に2kg/分の割合で投入すると共に、上記連続押出式混合機1に設けられた口径5mmの液供給口4から、グリセリン0.1重量部を溶解させたイオン交換水を、吸水性樹脂微粉末(B2)100重量部に対して163重量部の割合で投入することによって、上記吸水性樹脂微粉末(B2)と、グリセリンを含むイオン交換水とを連続的に混合した。この結果、排出口5から、粒子状の均一な含水ゲル状造粒物が連続的に排出された。得られた粒子状の含水ゲル状造粒物は、個々の粒子の凝集体であり、その大部分が、粒径約1mm〜5mmの均一な含水ゲル状造粒物であった。また、得られた上記含水ゲル状造粒物の固形分は、38.0重量%であった。
【0386】
次に、この含水ゲル状造粒物を、目開き300μmのJIS標準金網上に、約5cmの厚みになるように広げ、160℃の熱風循環式乾燥機で乾燥させた。この結果、上記含水ゲル状造粒物は均一かつ十分に乾燥され、手でも容易に解砕可能な粉体状の乾燥造粒物が得られた。該乾燥造粒物中の10mmを越える塊は5%に過ぎなかった。
【0387】
次いで、この乾燥造粒物を、実施例13における乾燥造粒物粉砕時と同じロールギャップ(最終ロールギャップ約0.27mm)に設定されたロールグラニュレター型粉砕機を用いて粉砕し、その後、目開き850μmのJIS標準篩で分級することにより、吸水性樹脂造粒物(5)を得た。
【0388】
このようにして得られた上記吸水性樹脂造粒物(5)、吸水性樹脂(B)、吸水性樹脂(B1)、および吸水性樹脂微粉末(B2)の粒度分布、無加圧下での吸収倍率および造粒破壊率を測定した。上記粒度分布を表4に示すと共に、吸収倍率および造粒破壊率の測定結果を合わせて表5に示す。
【0389】
さらに、上記吸水性樹脂造粒物(5)を用いて、実施例13と同様の混合・加熱処理を行ってNo.17吸水剤を得た。また、このNo.17吸水剤の無加圧下および高加圧下の吸収倍率、吸収速度、および造粒破壊率を測定した。上記測定結果を表6に示す。
【0390】
【表4】
【0391】
【表5】
【0392】
【表6】
【0393】
上記実施例13〜17および比較例1〜3の結果から、2種類以上の攪拌翼7…を有し、これによって、押し出し推力が異なる領域を有する本願の連続押出式混合機1を用いて造粒することにより、造粒強度に優れた吸水性樹脂造粒物が得られることが判る。また、このように造粒強度に優れた吸水性樹脂造粒物を吸水剤の原料として用いることで、機械的ストレスに強く、しかも、吸水速度の速い吸水剤を得ることができることが判る。これに対し、押し出し推力が一定である従来の連続押出式混合器100を用いた場合には、吸水性樹脂微粉末に添加する水分量が多ければ造粒物とはならず、逆に水分量が少なければ造粒強度に優れた吸水性樹脂造粒物を得ることができないことが判る。
【0394】
〔実施例18〕
実施例5において、図7に示す連続押出式混合機55に設けられた攪拌翼7(第一の攪拌翼7a)の吸水性樹脂押出面7a1 と回転軸6に垂直な平面とのなす角度(以下、単に吸水性樹脂押出面の角度と記す)を、回転軸の全長を100%としたときの攪拌翼7…の配設域に応じて種々変更することで、実施例5とは混合条件を変えて吸水性樹脂と表面架橋剤とを混合した。そして、得られた混合物における「ダマ」の割合を測定した。
【0395】
次いで、上記混合物を20メッシュ金網に通過させた後、該混合物を195℃で40分間加熱処理することにより、吸水剤を得た。上記吸水剤の無加圧下および高加圧下での吸収倍率を測定した。上記測定結果を、上記連続押出式混合機55における混合条件と合わせて表7に示す。
【0396】
【表7】
【0397】
上記表7において、「送り」、「戻り」とは、吸水性樹脂の押し出し方向に対する押し出し推力の向きを示す。例えば、図17に示すように、吸水性樹脂排出方向(つまり、連続押出式混合機55における材料供給口3側から排出口5側への吸水性樹脂の進行方向)である矢印A方向に対して矢印B方向に回転軸6が回転したときに、吸水性樹脂の進行方向であるA方向と同方向に押し出し推力が生じる場合を「送り」、A方向とは逆方向であるC方向に押し出し推力が生じる場合を「戻り」と記す。
【0398】
従って、「送り45°」とは、攪拌翼7の吸水性樹脂押出面7a1 と回転軸6に垂直な平面とのなす角度が45°であり、吸水性樹脂進行方向に押し出し推力が生じていることを示す。また、「戻り45°」とは、攪拌翼7の吸水性樹脂押出面7a1 と回転軸6に垂直な平面とのなす角度が45°であり、吸水性樹脂進行方向とは逆向きに押し出し推力が生じていることを示す。
【0399】
また、吸水性樹脂押出面の角度が水平とは、攪拌翼7の翼面が回転軸6の軸方向と平行な状態にあることを示し、上記吸水性樹脂押出面の角度が水平に設定されている場合には、攪拌翼7による押し出し推力は新たには生じない。
【0400】
上記表7の結果から、攪拌翼7の吸水性樹脂押出面の角度(攪拌翼7の翼面の向き)を種々変更することにより押し出し推力が小さくなる領域を排出側に設けることで、吸水性樹脂と表面架橋剤等を含む水性液とをより均一に混合することができることが判る。
【0401】
以上のように、本発明の吸水剤は、カルボキシル基を有する吸水性樹脂と、このカルボキシル基に反応する架橋剤とを混合、反応させて得られる吸水剤であって、上記吸水剤に所定の荷重を加えることにより衝撃力(A)を与えたとき、その衝撃後の吸水剤における圧力50g/cm 2 での吸収倍率をQ、衝撃前の吸水剤における同一圧力での吸収倍率をPとすると、
P≧20(g/g)
であり、かつ、
Q/P≧0.85
である構成である。
【0402】
また、本発明の吸水剤は、以上のように、カルボキシル基を有する吸水性樹脂と、このカルボキシル基に反応する架橋剤とを混合、反応させて得られる吸水剤であって、上記吸水剤に所定の振動を与えることにより衝撃力(B)を与えたとき、その衝撃後の吸水剤における圧力50g/cm 2 での吸収倍率をY、衝撃前の吸水剤における同一圧力での吸収倍率をXとすると、
X≧20(g/g)
であり、かつ、
Y/X≧0.90
である構成である。
【0403】
上記の構成によれば、本発明の吸水剤は、優れた吸収性能を持ち、かつ機械的ストレスに強いものである。従って、製造プラントにおける搬送や、ユーザにおける加工等で加わる機械的ストレスを受けてもその吸水特性を殆ど低下させず、最終製品中においてその優れた吸収性能を維持する吸水剤を提供することができる。上記各吸水剤は、これらをユーザにおいて最終製品の吸収性物品に加工した後も、その優れた吸収特性を維持できるので、各種の吸収性物品、特に、加圧下における吸収特性を重視される紙オムツや生理用ナプキン、失禁パット等の吸収体を含む衛生材料等の吸収性物品に好適である。
【0404】
さらに、本発明の吸水剤の製造方法は、以上のように、カルボキシル基を有する吸水性樹脂を、固定円筒の内部における回転軸の周りに、上記吸水性樹脂に押し出し推力を与える少なくとも一種の攪拌部材を設けた攪拌型の連続押出式混合機における第一領域に供給し、上記吸水性樹脂を、上記第一領域で分散させた後、該第一領域における押し出し推力よりも押し出し推力が小さい第二領域に押し出し、該第二領域で上記吸水性樹脂と水性液とを混合させる構成である。
【0405】
本発明の吸水剤の製造方法は、以上のように、上記した各吸水剤の製造方法において、上記第二領域に上記水性液を供給する構成である。
【0406】
本発明の吸水剤の製造方法は、以上のように、上記した各吸水剤の製造方法において、上記水性液がカルボキシル基と反応し得る架橋剤を含む構成である。
【0407】
上記の構成によれば、吸水性樹脂を上記第一領域で分散させた後、該第一領域における押し出し推力よりも押し出し推力が小さい第二領域に押し出し、該第二領域で上記吸水性樹脂と水性液とを混合させることで、第二領域では、第一領域にて分散された吸水性樹脂の平均速度を低下させ、上記吸水性樹脂と水性液との混合攪拌時間を十分に確保すると共に、上記第一領域にて分散された吸水性樹脂と、水性液とを素早く均一に混合させることができる。この結果、カルボキシル基を有する吸水性樹脂とこのカルボキシル基と反応し得る架橋剤等を含む水性液との混合、反応が効率よく行われ、しかも均一混合を確保することができる。従って、上記の構成によれば、加圧下において高い吸収倍率を示し、かつ製造プラントにおける搬送やユーザにおける最終製品の加工等を行った後にもその優れた吸水性能を維持し、最終製品中において、その使用方法を選ばず、常に優れた特性を発揮することのできる吸水剤を製造することができる吸水剤の製造方法を提供することができる。
【0408】
本発明の吸水剤の製造装置は、以上のように、カルボキシル基を有する吸水性樹脂と水性液とを混合するための攪拌型の連続押出式混合機を有する吸水剤の製造装置であって、上記連続押出式混合機は、内部に回転軸を有する固定円筒を備え、上記回転軸の周りには、少なくとも一種の攪拌部材が、上記固定円筒内に供給された吸水性樹脂を分散させる第一領域における押し出し推力よりも押し出し推力が小さい第二領域を排出側に形成するように設けられている構成である。
【0409】
本発明の吸水剤の製造装置は、以上のように、上記吸水剤の製造装置において、上記連続押出式混合機の固定円筒は、上記吸水性樹脂を供給するための第一供給口と、上記第一供給口よりも排出側に設けられ、上記水性液を供給するための第二供給口とを備え、上記第二供給口は、上記第二領域に設けられている構成である。
【0410】
本発明の吸水剤の製造装置は、以上のように、前記した吸水剤の製造装置において、上記連続押出式混合機の固定円筒は、上記吸水性樹脂を供給するための第一供給口と、上記第一供給口よりも排出側に設けられ、上記水性液を供給するための第二供給口とを備え、上記第二供給口は、上記第一領域と第二領域との境界域に設けられている構成である。
【0411】
本発明の吸水剤の製造装置は、以上のように、上記各吸水剤の製造装置において、上記回転軸の周りには、上記吸水性樹脂供給側に設けられて押し出し推力を生じる形状に形成された複数の第一の攪拌部材と、これら第一の攪拌部材の排出側に設けられ、かつ、第一の攪拌部材の配設領域における押し出し推力よりも押し出し推力が小さくなる領域を形成する複数の第二の攪拌部材とが順次配されている構成である。
【0412】
本発明の吸水剤の製造装置は、以上のように、上記吸水剤の製造装置において、上記第一の攪拌部材は、板状に形成されている構成である。
【0413】
本発明の吸水剤の製造装置は、以上のように、上記各吸水剤の製造装置において、上記第二の攪拌部材は、円柱状に形成されている構成である。
【0414】
本発明の吸水剤の製造装置は、以上のように、上記各吸水剤の製造装置において、上記固定円筒の内径に対する回転軸の直径の比が0.4〜0.6の範囲内である構成である。
【0415】
本発明の吸水剤の製造装置は、以上のように、上記各吸水剤の製造装置において、上記連続押出式混合機における固定円筒の内面が、実質的に、水に対する接触角が約60°以上で約70℃以上の熱変形温度を有する基材から形成されている構成である。
【0416】
上記の構成によれば、上記第一領域では、固定円筒内に供給された吸水性樹脂に、連続 押出式混合機の内部へと十分な押し出し推力を与えて分散させ、上記第二領域では、上記第一領域における押し出し推力よりも押し出し推力を小さくすることで、吸水性樹脂の平均速度を低下させ、上記吸水性樹脂と水性液との混合攪拌時間を十分に確保すると共に、上記第一領域にて分散された吸水性樹脂と、水性液とを素早く均一に混合することができる。
【0417】
また、上記固定円筒の内面が、実質的に、水に対する接触角が約60°以上で約70℃以上の熱変形温度を有する基材から形成されていることで、含水した吸水性樹脂が固定円筒内面に付着することを防止することができると共に、混合期間中に発生する熱に十分耐えることができ、安定した混合を継続することができる。
【0418】
さらに、上記固定円筒の内径に対する回転軸の直径の比が0.4〜0.6の範囲内であることで、上記吸水性樹脂と水性液との十分な混合を安定的かつ連続的に行うことができる。
【0419】
また、本発明において、上記吸水性樹脂と水性液とを混合させる際には、できるだけ瞬時に両者が全体的に接触する必要がある。このため、上記水性液を供給するための第二供給口が、上記第二領域、より好ましくは第一領域と第二領域との境界域に設けられていることで、上記吸水性樹脂と水性液とを瞬時に接触させ、これにより吸水性樹脂と水性液とを十分均一に、「ダマ」を形成させることなく混合させることができる。
【0420】
従って、上記の構成によれば、連続押出式混合機における攪拌部材の諸構成により、カルボキシル基を有する吸水性樹脂とこのカルボキシル基と反応し得る架橋剤等を含む水性液との混合、反応が効率よく行われ、しかも均一混合を確保することができる。そして、上記の構成によれば、加圧下において高い吸収倍率を示し、かつ製造プラントにおける搬送やユーザにおける最終製品の加工等を行った後にもその優れた吸水性能を維持し、最終製品中において、その使用方法を選ばず、常に優れた特性を発揮することのできる吸水剤を製造することができる吸水剤の製造装置を提供することができる。
【0421】
【発明の効果】
請求項1記載の発明の吸水剤は、以上のように、アクリル酸及び/又はその塩を主成分とする親水性単量体を重合・架橋することにより得られ、カルボキシル基を有し、ヒドロゲルを形成する吸水性樹脂粒子と、このカルボキシル基に反応する架橋剤とを混合、反応させて得られる吸水剤であって、上記吸水剤5gを70mm×100mmの袋に密封し、その上から重量4kgのローラを10往復させることにより上記吸水剤に衝撃力(A)を与えたとき、その衝撃後の吸水剤における圧力50g/cm2 での吸収倍率をQ、衝撃前の吸水剤における同一圧力での吸収倍率をPとすると、
P≧20(g/g)
であり、かつ、
Q/P≧0.85
である構成である。
【0422】
請求項2記載の発明の吸水剤は、以上のように、請求項1記載の吸水剤において、P≧25(g/g)である構成である。
【0423】
請求項3記載の発明の吸水剤は、以上のように、請求項1記載の吸水剤において、Q/P≧0.9である構成である。
【0424】
請求項4記載の発明の吸水剤は、以上のように、請求項1記載の吸水剤において、Q/P≧0.95である構成である。
【0425】
請求項5記載の発明の吸水剤は、以上のように、アクリル酸及び/又はその塩を主成分とする親水性単量体を重合・架橋することにより得られ、カルボキシル基を有し、ヒドロゲルを形成する吸水性樹脂粒子と、このカルボキシル基に反応する架橋剤とを混合、反応させて得られる吸水剤であって、上記吸水剤30.0gをガラスビーズ10.0gと共に、所定の大きさを有する容器に入れて100V/60Hzで振動速度回転数750 c.p.m の振動を30分間与えて上記吸水剤同士を衝突させることにより衝撃力(B)を与えたとき、その衝撃後の吸水剤における圧力50g/cm2 での吸収倍率をY、衝撃前の吸水剤における同一圧力での吸収倍率をXとすると、
X≧20(g/g)
であり、かつ、
Y/X≧0.90
である構成である。
【0426】
請求項6記載の発明の吸水剤は、以上のように、請求項5記載の吸水剤において、X≧25(g/g)である構成である。
【0427】
請求項7記載の発明の吸水剤は、以上のように、請求項5記載の吸水剤において、Y/X≧0.92である構成である。
【0428】
請求項8記載の発明の吸水剤は、以上のように、請求項5記載の吸水剤において、Y/X≧0.95である構成である。
【0429】
請求項9記載の発明の吸水剤は、以上のように、請求項1〜8の何れか1項に記載の吸水剤において、上記架橋剤が、多価アルコール化合物、エポキシ化合物、多価アミン化合物およびそれらの塩、アルキレンカーボネート化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物である構成である。
【0430】
本発明の吸水剤は、優れた吸収性能を持ち、かつ機械的ストレスに強いものである。従って、製造プラントにおける搬送や、ユーザにおける加工等で加わる機械的ストレスを受けてもその吸水特性を殆ど低下させず、最終製品中においてその優れた吸収性能を維持する吸水剤を提供することができる。上記各吸水剤は、これらをユーザにおいて最終製品の吸収性物品に加工した後も、その優れた吸収特性を維持できるので、各種の吸収性物品、特に、加圧下における吸収特性を重視される紙オムツや生理用ナプキン、失禁パット等の吸収体を含む衛生材料等の吸収性物品に好適であるという効果を奏する。
【0431】
請求項10記載の発明の吸水剤は、以上のように、平均粒径子径200μm〜800μmの吸水性樹脂造粒物を表面架橋して得られる吸水剤であって、50g/cm 2 の加圧下での吸収倍率が20g/g以上であり、吸収速度が25秒以下であり、かつ、造粒破壊率が10重量%以下である構成である。
【0432】
上記の構成によれば、従来の造粒方法ではそれぞれ相反する特性であり、同時には満足し得ない物性であった高加圧下での吸収倍率、造粒強度、吸収速度の3つの物性を同時に満足することができる吸水剤を提供することができるという効果を奏する。
【0433】
請求項11記載の発明の衛生材料は、以上のように、請求項1〜10の何れか1項に記載の吸水剤を含む構成である。
【0434】
上記各吸水剤は、衛生材料等の吸収性物品に加工した後も、その優れた吸収特性を維持できるので、特に、加圧下における吸収特性を重視される紙オムツや生理用ナプキン、失 禁パット等の吸収体を含む衛生材料に好適である。よって、上記の構成によれば、優れた吸収特性を有する衛生材料を提供することができるという効果を奏する。
【0435】
請求項12記載の発明の吸水剤の製造方法は、以上のように、カルボキシル基を有する吸水性樹脂を、固定円筒の内部における回転軸の周りに、上記吸水性樹脂に押し出し推力を与える少なくとも一種の攪拌部材を設けた攪拌型の連続押出式混合機における第一領域に供給し、上記吸水性樹脂を、上記第一領域で分散させた後、該第一領域における押し出し推力よりも押し出し推力が小さい第二領域に押し出し、該第二領域で上記吸水性樹脂と水性液とを混合させる構成である。
【0436】
上記の構成によれば、吸水性樹脂を上記第一領域で分散させた後、該第一領域における押し出し推力よりも押し出し推力が小さい第二領域に押し出し、該第二領域で上記吸水性樹脂と水性液とを混合させることで、第二領域では、第一領域にて分散された吸水性樹脂の平均速度を低下させ、上記吸水性樹脂と水性液との混合攪拌時間を十分に確保すると共に、上記第一領域にて分散された吸水性樹脂と、水性液とを素早く均一に混合させることができる。この結果、カルボキシル基を有する吸水性樹脂とこのカルボキシル基と反応し得る架橋剤等を含む水性液との混合、反応が効率よく行われ、しかも均一混合を確保することができる。従って、上記の構成によれば、加圧下において高い吸収倍率を示し、かつ製造プラントにおける搬送やユーザにおける最終製品の加工等を行った後にもその優れた吸水性能を維持し、最終製品中において、その使用方法を選ばず、常に優れた特性を発揮することのできる吸水剤を製造することができる吸水剤の製造方法を提供することができるという効果を奏する。
【0437】
請求項13記載の発明の吸水剤の製造方法は、以上のように、JIS標準篩で分級して得られた平均粒径10μm〜150μmの吸水性樹脂100重量部に水性液70重量部〜400重量部を混合して平均粒径0.3mm〜10mmの含水ゲル状造粒物を得た後、該含水ゲル状造粒物を、粉砕しない条件下、110℃〜300℃で収縮乾燥し、JIS標準篩で分級して得られた平均粒径200μm〜800μmの吸水性樹脂造粒物を表面架橋する構成である。
【0438】
上記の構成によれば、従来の造粒方法ではそれぞれ相反する特性であり、同時には満足し得ない物性であった高加圧下での吸収倍率、造粒強度、吸収速度の3つの物性を同時に満足することができる吸水剤を提供することができるという効果を奏する。
【0439】
請求項14記載の発明の吸水剤の製造装置は、以上のように、カルボキシル基を有する吸水性樹脂と水性液とを混合するための攪拌型の連続押出式混合機を有する吸水剤の製造装置であって、上記連続押出式混合機は、内部に回転軸を有する固定円筒を備え、上記回転軸の周りには、少なくとも一種の攪拌部材が、上記固定円筒内に供給された吸水性樹脂を分散させる第一領域における押し出し推力よりも押し出し推力が小さい第二領域を排出側に形成するように設けられている構成である。
【0440】
請求項15記載の発明の吸水剤の製造装置は、以上のように、カルボキシル基を有する吸水性樹脂と水性液とを混合するための攪拌型の連続押出式混合機を有する吸水剤の製造装置であって、上記連続押出式混合機は、内部に回転軸を有する固定円筒を備え、上記回転軸の周りには、少なくとも一種の攪拌部材が、上記固定円筒内に供給された吸水性樹脂を分散させる分散領域としての第一領域と、上記第一領域よりも排出側に設けられ、かつ、上記分散領域において分散された吸水性樹脂を上記水性液と混合する混合領域としての第二領域とを形成するように設けられている構成である。
【0441】
請求項16記載の発明の吸水剤の製造装置は、以上のように、カルボキシル基を有する 吸水性樹脂と水性液とを混合するための攪拌型の連続押出式混合機を有する吸水剤の製造装置であって、上記連続押出式混合機は、内部に回転軸を有する固定円筒を備え、上記回転軸の周りには、形状の異なる2種類以上の攪拌翼が設けられている構成である。
【0442】
請求項17記載の発明の吸水剤の製造装置は、以上のように、カルボキシル基を有する吸水性樹脂と水性液とを混合するための攪拌型の連続押出式混合機を有する吸水剤の製造装置であって、上記連続押出式混合機は、内部に回転軸を有する固定円筒を備え、上記回転軸の周りに、同一形状の攪拌部材が配され、その吸水性樹脂押出面と回転軸に垂直な平面とのなす角度および該攪拌部材の配設密度が異なることにより、上記固定円筒内に供給された吸水性樹脂を分散させる第1領域と、該第1領域よりも排出側に、該第1領域における押し出し推力よりも押し出し推力が小さい第2領域とが設けられている構成である。
【0443】
上記の構成によれば、上記第一領域では、固定円筒内に供給された吸水性樹脂に、連続押出式混合機の内部へと十分な押し出し推力を与えて分散させ、上記第二領域では、上記第一領域における押し出し推力よりも押し出し推力を小さくすることで、吸水性樹脂の平均速度を低下させ、上記吸水性樹脂と水性液との混合攪拌時間を十分に確保すると共に、上記第一領域にて分散された吸水性樹脂と、水性液とを素早く均一に混合することができる。
【0444】
従って、上記の構成によれば、連続押出式混合機における攪拌部材の諸構成により、カルボキシル基を有する吸水性樹脂とこのカルボキシル基と反応し得る架橋剤等を含む水性液との混合、反応が効率よく行われ、しかも均一混合を確保することができる。そして、上記の構成によれば、加圧下において高い吸収倍率を示し、かつ製造プラントにおける搬送やユーザにおける最終製品の加工等を行った後にもその優れた吸水性能を維持し、最終製品中において、その使用方法を選ばず、常に優れた特性を発揮することのできる吸水剤を製造することができる吸水剤の製造装置を提供することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る吸水剤の製造装置における連続押出式混合機の概略の断面図である。
【図2】図1に示す連続押出式混合機における攪拌状態を示す説明図であり、(a)は、上記連続押出式混合機における第一領域での攪拌状態を示す説明図であり、(b)は、上記連続押出式混合機における第二領域での攪拌状態を示す説明図である。
【図3】本発明の他の実施の形態に係る吸水剤の製造装置における連続押出式混合機の概略の断面図である。
【図4】本発明のさらに他の実施の形態に係る吸水剤の製造装置における連続押出式混合機の概略の断面図である。
【図5】本発明のさらに他の実施の形態に係る吸水剤の製造装置における連続押出式混合機の概略の断面図である。
【図6】本発明のさらに他の実施の形態に係る吸水剤の製造装置における連続押出式混合機の概略の断面図である。
【図7】本発明のさらに他の実施の形態に係る吸水剤の製造装置における連続押出式混合機の概略の断面図である。
【図8】本発明のさらに他の実施の形態に係る吸水剤の製造装置における連続押出式混合機の概略の断面図である。
【図9】本発明のさらに他の実施の形態に係る吸水剤の製造装置における連続押出式混合機の概略の断面図である。
【図10】本発明のさらに他の実施の形態に係る吸水剤の製造装置における連続押出式混合機の概略の断面図である。
【図11】上記吸水剤に衝撃力(A)を与えるための装置を示す斜視図である。
【図12】上記吸水剤に衝撃力(B)を与えるために用いられる容器の概略構成図である。
【図13】(a)は、上記吸水剤に衝撃力(B)を与える場合の上記容器に対する振動の与え方を説明する説明図であり、(b)は、上記吸水剤に衝撃力(B)を与える場合の上記容器に対する振動の与え方を(a)とは別の角度から説明する説明図である。
【図14】上記吸水剤に衝撃力(B)を与えるための装置の概略構成図である。
【図15】上記吸水剤に衝撃力(B)を与える場合の容器の振動の様子を説明する説明図である。
【図16】上記吸水剤の加圧下での吸収倍率を測定するための装置を示す断面図である。
【図17】上記連続押出式混合機における攪拌部材の吸水性樹脂押出面の角度と押し出し推力の生じる方向との関係について説明する説明図である。
【図18】実施例13で得られた粒径150μm未満の吸水性樹脂微粉末(A2)の構造を電子顕微鏡写真(50倍)によって示す図面代用写真である。
【図19】実施例13で得られた吸水性樹脂造粒物(1)の構造を電子顕微鏡写真(50倍)によって示す図面代用写真である。
【図20】比較例2で得られた比較吸水性樹脂造粒物(1)の構造を電子顕微鏡写真(50倍)によって示す図面代用写真である。
【図21】従来の吸水剤の製造装置における連続押出式混合機を示す断面図である。
【符号の説明】
1 連続押出式混合機
2 ケーシング(固定円筒)
3 材料供給口(第一供給口)
4 液供給口(第二供給口)
5 排出口
6 回転軸
7 攪拌翼(攪拌部材)
7a 第一の攪拌翼(第一の攪拌部材)
7a1 吸水性樹脂押出面
7b 第二の攪拌翼(第一の攪拌部材)
51 連続押出式混合機
52 連続押出式混合機
53 連続押出式混合機
54 連続押出式混合機
55 連続押出式混合機
55’ 連続押出式混合機
56 連続押出式混合機
57 連続押出式混合機
【特許請求の範囲】
【請求項1】アクリル酸及び/又はその塩を主成分とする親水性単量体を重合・架橋することにより得られ、カルボキシル基を有し、ヒドロゲルを形成する吸水性樹脂粒子と、このカルボキシル基に反応する架橋剤とを混合、反応させて得られる吸水剤であって、
上記吸水剤5gを70mm×100mmの袋に密封し、その上から重量4kgのローラを10往復させることにより上記吸水剤に衝撃力(A)を与えたとき、その衝撃後の吸水剤における圧力50g/cm2 での吸収倍率をQ、衝撃前の吸水剤における同一圧力での吸収倍率をPとすると、
P≧20(g/g)
であり、かつ、
Q/P≧0.85
であることを特徴とする吸水剤。
【請求項2】P≧25(g/g)であることを特徴とする請求項1記載の吸水剤。
【請求項3】Q/P≧0.9であることを特徴とする請求項1記載の吸水剤。
【請求項4】Q/P≧0.95であることを特徴とする請求項1記載の吸水剤。
【請求項5】アクリル酸及び/又はその塩を主成分とする親水性単量体を重合・架橋することにより得られ、カルボキシル基を有し、ヒドロゲルを形成する吸水性樹脂粒子と、このカルボキシル基に反応する架橋剤とを混合、反応させて得られる吸水剤であって、
上記吸水剤30.0gをガラスビーズ10.0gと共に、所定の大きさを有する容器に入れて100V/60Hzで振動速度回転数750 c.p.m の振動を30分間与えて上記吸水剤同士を衝突させることにより衝撃力(B)を与えたとき、その衝撃後の吸水剤における圧力50g/cm 2 での吸収倍率をY、衝撃前の吸水剤における同一圧力での吸収倍率をXとすると、
X≧20(g/g)
であり、かつ、
Y/X≧0.90
であることを特徴とする吸水剤。
【請求項6】X≧25(g/g)であることを特徴とする請求項5記載の吸水剤。
【請求項7】Y/X≧0.92であることを特徴とする請求項5記載の吸水剤。
【請求項8】Y/X≧0.95であることを特徴とする請求項5記載の吸水剤。
【請求項9】上記架橋剤が、多価アルコール化合物、エポキシ化合物、多価アミン化合物およびそれらの塩、アルキレンカーボネート化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物であることを特徴とする請求項1〜8の何れか1項に記載の吸水剤。
【請求項10】平均粒径子径200μm〜800μmの吸水性樹脂造粒物を表面架橋して得られる吸水剤であって、
50g/cm 2 の加圧下での吸収倍率が20g/g以上であり、吸収速度が25秒以下であり、かつ、造粒破壊率が10重量%以下であることを特徴とする吸水剤。
【請求項11】請求項1〜10の何れか1項に記載の吸水剤を含むことを特徴とする衛生材料。
【請求項12】カルボキシル基を有する吸水性樹脂を、固定円筒の内部における回転軸の周りに、上記吸水性樹脂に押し出し推力を与える少なくとも一種の攪拌部材を設けた攪拌型の連続押出式混合機における第一領域に供給し、上記吸水性樹脂を、上記第一領域で分散させた後、該第一領域における押し出し推力よりも押し出し推力が小さい第二領域に押し出し、該第二領域で上記吸水性樹脂と水性液とを混合させることを特徴とする吸水剤の製造方法。
【請求項13】JIS標準篩で分級して得られた平均粒径10μm〜150μmの吸水性樹脂100重量部に水性液70重量部〜400重量部を混合して平均粒径0.3mm〜10mmの含水ゲル状造粒物を得た後、該含水ゲル状造粒物を、粉砕しない条件下、110℃〜300℃で収縮乾燥し、JIS標準篩で分級して得られた平均粒径200μm〜800μmの吸水性樹脂造粒物を表面架橋することを特徴とする吸水剤の製造方法。
【請求項14】カルボキシル基を有する吸水性樹脂と水性液とを混合するための攪拌型の連続押出式混合機を有する吸水剤の製造装置であって、
上記連続押出式混合機は、内部に回転軸を有する固定円筒を備え、上記回転軸の周りには、少なくとも一種の攪拌部材が、上記固定円筒内に供給された吸水性樹脂を分散させる第一領域における押し出し推力よりも押し出し推力が小さい第二領域を排出側に形成するように設けられていることを特徴とする吸水剤の製造装置。
【請求項15】カルボキシル基を有する吸水性樹脂と水性液とを混合するための攪拌型の連続押出式混合機を有する吸水剤の製造装置であって、
上記連続押出式混合機は、内部に回転軸を有する固定円筒を備え、上記回転軸の周りには、少なくとも一種の攪拌部材が、上記固定円筒内に供給された吸水性樹脂を分散させる分散領域としての第一領域と、上記第一領域よりも排出側に設けられ、かつ、上記分散領域において分散された吸水性樹脂を上記水性液と混合する混合領域としての第二領域とを形成するように設けられていることを特徴とする吸水剤の製造装置。
【請求項16】カルボキシル基を有する吸水性樹脂と水性液とを混合するための攪拌型の連続押出式混合機を有する吸水剤の製造装置であって、
上記連続押出式混合機は、内部に回転軸を有する固定円筒を備え、上記回転軸の周りには、形状の異なる2種類以上の攪拌翼が設けられていることを特徴とする吸水剤の製造装置。
【請求項17】カルボキシル基を有する吸水性樹脂と水性液とを混合するための攪拌型の連続押出式混合機を有する吸水剤の製造装置であって、
上記連続押出式混合機は、内部に回転軸を有する固定円筒を備え、上記回転軸の周りに、同一形状の攪拌部材が配され、その吸水性樹脂押出面と回転軸に垂直な平面とのなす角度および該攪拌部材の配設密度が異なることにより、上記固定円筒内に供給された吸水性樹脂を分散させる第1領域と、該第1領域よりも排出側に、該第1領域における押し出し推力よりも押し出し推力が小さい第2領域とが設けられていることを特徴とする吸水剤の製造装置。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、紙オムツ(使い捨てオムツ)や生理用ナプキン、いわゆる失禁パット等の衛生材料に好適に用いられる、カルボキシル基を有する吸水性樹脂とこのカルボキシル基と反応し得る架橋剤等を含む水性液とを混合させてなる吸水剤及びその製造方法並びにその製造装置並びに上記吸水剤を含む衛生材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、紙オムツや生理用ナプキン、いわゆる失禁パット等の衛生材料には、その構成材として、体液を吸収させることを目的とする吸水性樹脂を含有する吸水剤が幅広く利用されている。
【0003】
上記の吸水性樹脂としては、例えば、ポリアクリル酸部分中和物架橋体、澱粉−アクリル酸グラフト重合体の加水分解物、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体のケン化物、アクリロニトリル共重合体若しくはアクリルアミド共重合体の加水分解物又はこれらの架橋体、及びカチオン性モノマーの架橋体等が知られている。
【0004】
上記の吸水性樹脂が備えるべき特性としては、体液等の水性液体に接した際の優れた吸水量や吸収速度、通液性、膨潤ゲルのゲル強度、水性液体を含んだ基材から水を吸い上げる吸引力等が挙げられる。しかしながら、これらの諸特性間の関係は必ずしも正の相関関係を示さず、例えば、吸収倍率の高いものほど通液性、ゲル強度及び吸収速度等の物性は低下してしまう。
【0005】
このような、吸水性樹脂の吸水諸特性をバランス良く改良する方法として吸水性樹脂の表面近傍を架橋する技術が知られており、これまでに様々な方法が開示されている。
【0006】
例えば、架橋剤として、多価アルコールを用いる方法(特開昭58−180233号公報、特開昭61−16903号公報)、多価グリシジル化合物、多価アジリジン化合物、多価アミン化合物、多価イソシアネート化合物を用いる方法(特開昭59−189103号公報)、グリオキシサールを用いる方法(特開昭52−117393号公報)、多価金属を用いる方法(特開昭51−136588号公報、特開昭61−257235号公報、特開昭62−7745号公報)、シランカップリング剤を用いる方法(特開昭61−211305号公報、特開昭61−252212号公報、特開昭61−264006号公報)、アルキレンカーボネートを用いる方法(独国特許第4020780号公報)等が知られている。また、架橋反応時に、不活性無機粉末を存在させる方法(特開昭60−163956号公報、特開昭60−255814号公報)、二価アルコールを存在させる方法(特開平1−292004号公報)、水とエーテル化合物とを存在させる方法(特開平2−153903号公報)、一価アルコールのアルキレンオキサイド付加物、有機酸塩、ラクタム等を存在させる方法(欧州特許第555692号公報)も知られている。
【0007】
また、一般的に、吸水性樹脂は、150μm以下の粒径を有する粉末(微粉末)の含有量が少ない程好ましい。かかる微粉末は、おむつ等の吸収物品中で目詰まりし、通液性が低下する要因となる。また、取り扱い時の粉塵としてのロスや塵肺の問題に加え、表面架橋を施したとしても、加圧下での吸収倍率等の諸物性が向上し難いという問題点を有している。このため、微粉末の少ない吸水性樹脂が切望されている。
【0008】
従来、微粉末の少ない吸水性樹脂の製造方法としては、(1) 重合や粉砕の度合いを調節することにより粒度を調節する方法、および、(2) 発生した微粉末を、篩や気流等により分級、除去する方法(米国特許第4973632号公報)が知られている。
【0009】
しかしながら、上記(1) の方法でも、製造工程中に、十数%〜数十%といった多量の微粉末が発生する。従って、(2) の方法で、発生した微粉末を更に廃棄することは、収率を大きく低下させることになると共に、廃棄コストの面からも不利となる。
【0010】
そこで、吸水性樹脂の製造工程で必然的に発生してしまう微粉末を造粒ないし再生することで上記の問題を解決しようとする提案、さらには、造粒によって一次粒子に比べて表面積を相対的に大きくすることで高吸収速度を達成しようとする提案が種々なされている。
【0011】
例えば、造粒以外の手法として、欧州特許第0463388A号、米国特許第4950692号公報、米国特許第4970267号公報、欧州特許第0417761A号、欧州特許第0496594A号では、微粉末に水や含水ゲルを混合することにより上記微粉末をゲル化した後、得られたゲル化物を粉砕後、乾燥させることで大きな粒子に再生する方法が提案されている。また、欧州特許第0644224号公報では、不溶性無機微粉末の存在下、吸水性樹脂に水溶性ないし水分散性高分子化合物を含む水性液を造粒物の含水率が30重量%〜70重量%となるように添加することで造粒する方法が提案されている。さらに、米国特許第5002986号公報、欧州特許第0318989B号、米国特許第5248709号公報、米国特許第4123397号公報、米国特許第4734478号公報、欧州特許第0629411号公報、米国特許第5369148号公報では、約150μm〜数十μmの微粉末を、単独ないし大きな粒子との混合物として用いると共に、これら粉末に対して数%〜二十数%程度の水性液等をバインダとして用いて粉末造粒することにより、上記微粉末の平均粒径を、数百μmにまで大きくする方法が提案されている。
【0012】
一般的に、吸水性樹脂のバインダとしては、効率や安全性、製造コスト等の面から、水ないし水性液が好適である。そこで、上述した各方法においても、微粉末に、バインダ的役割を果たす水性液を添加する方法が殆どである。
【0013】
しかしながら、吸水性樹脂、特に、微粉末状の吸水性樹脂は、その表面積が大きいため、吸収速度が速く、水性液を均一に添加することは困難である。また、水性液の混合助剤としての不溶性無機微粉末等の使用は、一般に、コストの問題のみならず、粉塵の発生、造粒強度や諸物性を低下させるという問題点を有している。
【0014】
そこで、微粉末を造粒する場合に、水を均一に添加することができる混合機として、例えば、低速パドル型混合機(欧州特許第0644224号公報)、高速攪拌型ミキサ(米国特許第5002986号公報、米国特許第4734478号公報)、特定の噴霧連続造粒機(米国特許第5360148号公報)、流動床(欧州特許第05342899号公報)等が提案されている。さらに、造粒以外の手法には、微粉末の再循環用の混合機として、ナウタ(Nauta)混合機(米国特許第4950692号公報)や特定の剪断混合機(欧州特許第0417761号公報)等が提案されている。そして、これら混合機のなかでも、上記高速攪拌型ミキサは、生産性が高い等の理由から、吸水性樹脂の製造方法において、造粒以外にも、前記した表面近傍の架橋(米国特許第5140076号公報)等にも広く使用されている。
【0015】
例えば、本願発明者等は、前記架橋剤や架橋剤を含む処理液等の水性液を吸水性樹脂の表面に効率良く混合することにより吸水剤を製造する方法として、既に、米国特許第5140076号公報(特開平4−214734号公報)において、特定基材からなる内面を有する高速攪拌型ミキサを用いて、吸水性樹脂と架橋剤との混合を行い、次いで、この混合物を加熱することにより表面架橋剤を反応させる方法を提案した。さらに、本願発明者等は、このような方法によって、吸水諸性能のバランス、特に加圧下での吸収倍率を改良した吸水性樹脂を得ている。
【0016】
上記米国特許第5140076号公報(特開平4−214734号公報)に開示された従来の混合機は、図21に示すように、特定基材からなる内面を有する固定円筒101中の回転軸102の周りに複数の攪拌翼103…を備えた連続押出式混合機100である。該連続押出式混合機100は、吸水性樹脂粒子を樹脂供給口104から供給すると共に、液体注入口105から架橋剤を供給し、攪拌翼103の回転による押し出し流れによって、排出口106から混合物を取り出すようになっている。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の連続押出式混合機を使用して、吸水性樹脂粒子の表面架橋を行っても、吸水性樹脂の搬送工程や、ユーザ側での、例えばおむつ等の最終製品への加工工程等で、表面架橋部分あるいは造粒部分が欠損または破壊されてしまうためか、最終製品中において期待通りの優れた吸水特性を維持できていないという問題点が見出された。また、この問題点は、高加圧下での吸収倍率が高い値を示す吸水性樹脂程、顕著に現れることも見出された。
【0018】
さらに、微粉末の造粒や再生によって、吸収速度の低下や、不純物である水可溶成分の増加や、高加圧下での吸収倍率の低下等の物性低下が見られる場合があることも見い出された。また、上記造粒による物性低下の問題は、前記した造粒破壊を避けるため、バインダである水性液を増加させることで造粒強度を向上させる際に、特に顕著であることも見い出された。
【0019】
そして、上記各問題の要因としては、従来の混合機では、吸水性樹脂と架橋剤や水性液との混合が未だ満足いくものではなかったということが挙げられる。
【0020】
例えば、従来造粒に用いられてきた流動床(欧州特許第05342899号公報)や高速攪拌型ミキサ(米国特許第5140076号公報)では水性液の添加量が数%からせいぜい30%と少量であり、60%を越えると、連続的で安定な混合が極めて困難であった。
【0021】
さらに、本願発明者等の検討によれば、従来の混合機は、水性液の添加量が10%を越えると、吸水性樹脂と水性液との混合が極端に不均一になり、その結果、造粒強度向上のための水性液の添加量に限界があるばかりか、不均一な水性液の添加によって、物性低下や造粒破壊が起こっていたことが見い出された。特に、吸水性樹脂の製造に従来使用されてきた高速攪拌型ミキサでは、少量の水性液では高い生産性を示すが、多量の水性液の添加は殆ど不可能であった。
【0022】
また、本願発明者等の検討によれば、造粒以外に用いられていた剪断混合機(欧州特許第0417761号公報)やナウタ混合機等、大きな混練力を有する混合機では、水性液の添加は比較的行い易いものの、水性液添加後の混合物は粒子状の造粒物にはならず、一体化した巨大なゲルの塊が得られるだけであり、しかも、その剪断力のため、吸水性樹脂自体が劣化することが見い出された。さらに、吸水性樹脂の含水ゲルをあまり大きな力で混練ないし粉砕すると、該含水ゲルは、凝集体ではなく、練りつぶされたような表面積の小さなゲルとなるため、表面積の大きな微粉末を原料としても、かえって吸収速度が低下する場合があることが見い出された。また、造粒以外の手法での一体化した巨大なゲルの塊を粉砕する工程(米国特許第4950692号公報)も吸水性樹脂自身の劣化を引き起こし易いことも見い出された。
【0023】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、加圧下において高い吸収倍率を示し、かつ製造プラントにおける搬送やユーザにおける最終製品の加工等を行った後にもその優れた吸水性能を維持し、最終製品中において、その使用方法を選ばず、常に優れた特性を発揮することのできる吸水剤及びその製造方法並びにその製造装置並びに上記吸水剤を含む衛生材料を提供することにある。
【0024】
【課題を解決するための手段】
本願発明者等は、上記目的を達成すべく、吸水剤及びその製造方法並びにその製造装置並びに衛生材料について鋭意検討した。その結果、本願発明者等は、カルボキシル基を有する吸水性樹脂と、このカルボキシル基に反応する架橋剤とを混合、反応させて得られる吸水剤が以下の構成を満たすように製造することで、常に優れた特性を発揮することのできる吸水剤を提供することができることを見い出して本発明を完成させるに至った。
【0025】
即ち、請求項1記載の発明の吸水剤は、上記の課題を解決するために、アクリル酸及び/又はその塩を主成分とする親水性単量体を重合・架橋することにより得られ、カルボキシル基を有し、ヒドロゲルを形成する吸水性樹脂粒子と、このカルボキシル基に反応する架橋剤とを混合、反応させて得られる吸水剤であって、上記吸水剤5gを70mm×100mmの袋に密封し、その上から重量4kgのローラを10往復させることにより上記吸水剤に衝撃力(A)を与えたとき、その衝撃後の吸水剤における圧力50g/cm2 での吸収倍率をQ、衝撃前の吸水剤における同一圧力での吸収倍率をPとすると、
P≧20(g/g)
であり、かつ、
Q/P≧0.85
であることを特徴としている。
【0026】
請求項2記載の発明の吸水剤は、上記の課題を解決するために、請求項1記載の吸水剤において、P≧25(g/g)であることを特徴としている。
【0027】
請求項3記載の発明の吸水剤は、上記の課題を解決するために、請求項1記載の吸水剤において、Q/P≧0.9であることを特徴としている。
【0028】
請求項4記載の発明の吸水剤は、上記の課題を解決するために、請求項1記載の吸水剤において、Q/P≧0.95であることを特徴としている。
【0029】
請求項5記載の発明の吸水剤は、上記の課題を解決するために、アクリル酸及び/又はその塩を主成分とする親水性単量体を重合・架橋することにより得られ、カルボキシル基を有し、ヒドロゲルを形成する吸水性樹脂粒子と、このカルボキシル基に反応する架橋剤とを混合、反応させて得られる吸水剤であって、上記吸水剤30.0gをガラスビーズ10.0gと共に、所定の大きさを有する容器に入れて100V/60Hzで振動速度回転数750 c.p.m の振動を30分間与えて上記吸水剤同士を衝突させることにより衝撃力(B)を与えたとき、その衝撃後の吸水剤における圧力50g/cm2 での吸収倍率をY、衝撃前の吸水剤における同一圧力での吸収倍率をXとすると、
X≧20(g/g)
であり、かつ、
Y/X≧0.90
であることを特徴としている。
【0030】
請求項6記載の発明の吸水剤は、上記の課題を解決するために、請求項5記載の吸水剤において、X≧25(g/g)であることを特徴としている。
【0031】
請求項7記載の発明の吸水剤は、上記の課題を解決するために、請求項5記載の吸水剤において、Y/X≧0.92であることを特徴としている。
【0032】
請求項8記載の発明の吸水剤は、上記の課題を解決するために、請求項5記載の吸水剤において、Y/X≧0.95であることを特徴としている。
【0033】
請求項9記載の発明の吸水剤は、上記の課題を解決するために、請求項1〜8の何れか1項に記載の吸水剤において、上記架橋剤が、多価アルコール化合物、エポキシ化合物、 多価アミン化合物およびそれらの塩、アルキレンカーボネート化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物であることを特徴としている。
【0034】
本発明の吸水剤は、優れた吸収性能を持ち、かつ機械的ストレスに強いものである。従って、製造プラントにおける搬送や、ユーザにおける加工等で加わる機械的ストレスを受けてもその吸水特性を殆ど低下させず、最終製品中においてその優れた吸収性能を維持する吸水剤を提供することができる。上記各吸水剤は、これらをユーザにおいて最終製品の吸収性物品に加工した後も、その優れた吸収特性を維持できるので、各種の吸収性物品、特に、加圧下における吸収特性を重視される紙オムツや生理用ナプキン、失禁パット等の吸収体を含む衛生材料等の吸収性物品に好適である。
【0035】
請求項10記載の発明の吸水剤は、上記の課題を解決するために、平均粒径子径200μm〜800μmの吸水性樹脂造粒物を表面架橋して得られる吸水剤であって、50g/cm 2 の加圧下での吸収倍率が20g/g以上であり、吸収速度が25秒以下であり、かつ、造粒破壊率が10重量%以下であることを特徴としている。
【0036】
上記の構成によれば、従来の造粒方法ではそれぞれ相反する特性であり、同時には満足し得ない物性であった高加圧下での吸収倍率、造粒強度、吸収速度の3つの物性を同時に満足することができる吸水剤を提供することができる。
【0037】
請求項11記載の発明の衛生材料は、上記の課題を解決するために、請求項1〜10の何れか1項に記載の吸水剤を含むことを特徴としている。
【0038】
上記各吸水剤は、吸収性物品に加工した後も、その優れた吸収特性を維持できるので、特に、加圧下における吸収特性を重視される紙オムツや生理用ナプキン、失禁パット等の吸収体を含む衛生材料に好適である。
【0039】
請求項12記載の発明の吸水剤の製造方法は、上記の課題を解決するために、カルボキシル基を有する吸水性樹脂を、固定円筒の内部における回転軸の周りに、上記吸水性樹脂に押し出し推力を与える少なくとも一種の攪拌部材を設けた攪拌型の連続押出式混合機における第一領域に供給し、上記吸水性樹脂を、上記第一領域で分散させた後、該第一領域における押し出し推力よりも押し出し推力が小さい第二領域に押し出し、該第二領域で上記吸水性樹脂と水性液とを混合させることを特徴としている。
【0040】
上記の構成によれば、カルボキシル基を有する吸水性樹脂とこのカルボキシル基と反応し得る架橋剤等を含む水性液との混合、反応が効率よく行われ、しかも均一混合を確保することができる。従って、上記の構成によれば、加圧下において高い吸収倍率を示し、かつ製造プラントにおける搬送やユーザにおける最終製品の加工等を行った後にもその優れた吸水性能を維持し、最終製品中において、その使用方法を選ばず、常に優れた特性を発揮することのできる吸水剤を製造することができる吸水剤の製造方法を提供することができる。
【0041】
請求項13記載の発明の吸水剤の製造方法は、上記の課題を解決するために、JIS標準篩で分級して得られた平均粒径10μm〜150μmの吸水性樹脂100重量部に水性液70重量部〜400重量部を混合して平均粒径0.3mm〜10mmの含水ゲル状造粒物を得た後、該含水ゲル状造粒物を、粉砕しない条件下、110℃〜300℃で収縮乾燥し、JIS標準篩で分級して得られた平均粒径200μm〜800μmの吸水性樹脂造粒物を表面架橋することを特徴としている。
【0042】
上記の構成によれば、従来の造粒方法ではそれぞれ相反する特性であり、同時には満足 し得ない物性であった高加圧下での吸収倍率、造粒強度、吸収速度の3つの物性を同時に満足することができる吸水剤を提供することができる。
【0043】
請求項14記載の発明の吸水剤の製造装置は、上記の課題を解決するために、カルボキシル基を有する吸水性樹脂と水性液とを混合するための攪拌型の連続押出式混合機を有する吸水剤の製造装置であって、上記連続押出式混合機は、内部に回転軸を有する固定円筒を備え、上記回転軸の周りには、少なくとも一種の攪拌部材が、上記固定円筒内に供給された吸水性樹脂を分散させる第一領域における押し出し推力よりも押し出し推力が小さい第二領域を排出側に形成するように設けられていることを特徴としている。
【0044】
請求項15記載の発明の吸水剤の製造装置は、上記の課題を解決するために、カルボキシル基を有する吸水性樹脂と水性液とを混合するための攪拌型の連続押出式混合機を有する吸水剤の製造装置であって、上記連続押出式混合機は、内部に回転軸を有する固定円筒を備え、上記回転軸の周りには、少なくとも一種の攪拌部材が、上記固定円筒内に供給された吸水性樹脂を分散させる分散領域としての第一領域と、上記第一領域よりも排出側に設けられ、かつ、上記分散領域において分散された吸水性樹脂を上記水性液と混合する混合領域としての第二領域とを形成するように設けられていることを特徴としている。
【0045】
請求項16記載の発明の吸水剤の製造装置は、上記の課題を解決するために、カルボキシル基を有する吸水性樹脂と水性液とを混合するための攪拌型の連続押出式混合機を有する吸水剤の製造装置であって、上記連続押出式混合機は、内部に回転軸を有する固定円筒を備え、上記回転軸の周りには、形状の異なる2種類以上の攪拌翼が設けられていることを特徴としている。
【0046】
請求項17記載の発明の吸水剤の製造装置は、上記の課題を解決するために、カルボキシル基を有する吸水性樹脂と水性液とを混合するための攪拌型の連続押出式混合機を有する吸水剤の製造装置であって、上記連続押出式混合機は、内部に回転軸を有する固定円筒を備え、上記回転軸の周りに、同一形状の攪拌部材が配され、その吸水性樹脂押出面と回転軸に垂直な平面とのなす角度および該攪拌部材の配設密度が異なることにより、上記固定円筒内に供給された吸水性樹脂を分散させる第1領域と、該第1領域よりも排出側に、該第1領域における押し出し推力よりも押し出し推力が小さい第2領域とが設けられていることを特徴としている。
【0047】
上記の各構成によれば、連続押出式混合機における攪拌部材の諸構成により、カルボキシル基を有する吸水性樹脂とこのカルボキシル基と反応し得る架橋剤等を含む水性液との混合、反応が効率よく行われ、しかも均一混合を確保することができる。従って、上記の構成によれば、加圧下において高い吸収倍率を示し、かつ製造プラントにおける搬送やユーザにおける最終製品の加工等を行った後にもその優れた吸水性能を維持し、最終製品中において、その使用方法を選ばず、常に優れた特性を発揮することのできる吸水剤を製造することができる吸水剤の製造装置を提供することができる。
【0048】
以下に本発明について詳細に説明する。
本願発明者等は、各種の表面架橋した吸水剤の物性値Q/Pあるいは物性値Y/Xを測定することにより、加圧下において特定値以上の吸収倍率を有する多種の吸水剤においても該物性値Q/Pや物性値Y/Xが異なることを発見した。
【0049】
そして、鋭意検討の結果、本願発明者等は、表面架橋された吸水剤においての物性値Q/Pおよび物性値Y/Xは、加圧下での吸収倍率の値によらず、表面架橋の深さ、架橋の密度、架橋の均一性、表面の壊れ易さ等によって変化することを見出した。そして、その結果、本願発明者等は、吸水性樹脂の表面近傍を架橋する工程において、該物性値Q/Pあるいは物性値Y/Xが下記に示した特定の数値以上となるように製造することで、優れた吸収性能を持ち、かつ機械的ストレスに強い吸水剤が得られることを見出した。
【0050】
即ち、本発明の吸水剤は、カルボキシル基を有する吸水性樹脂と、このカルボキシル基に反応する架橋剤とを混合、反応させて得られる吸水剤であって、上記吸水剤に所定の荷重を加えることにより衝撃力(A)を与えたとき、その衝撃後の吸水剤における圧力50g/cm2 での吸収倍率をQ、衝撃前の吸水剤における同一圧力での吸収倍率をPとするとき、
P≧20(g/g)
であり、かつ、
Q/P≧0.85
である。
【0051】
また、本発明の吸水剤は、カルボキシル基を有する吸水性樹脂と、このカルボキシル基に反応する架橋剤とを混合、反応させて得られる吸水剤であって、上記吸水剤に、所定の振動を与えることにより衝撃力(B)を与えたとき、その衝撃後の吸水剤における圧力50g/cm2 での吸収倍率をY、衝撃前の吸水剤における同一圧力での吸収倍率をXとするとき、
X≧20(g/g)
であり、かつ、
Y/X≧0.90
である。
【0052】
ここで、本発明における衝撃力(A)を与えた前後の、加圧下での吸収倍率の商Q/Pは、吸水剤、つまり、表面架橋が施された吸水性樹脂の架橋表面の機械的ストレスに対する強さを表す物性値である。同様に、本発明における衝撃力(B)を与えた前後の、加圧下での吸収倍率の商Y/Xもまた、吸水剤である表面架橋後の吸水性樹脂の架橋表面の機械的ストレスに対する強さを表す物性値である。
【0053】
但し、上記衝撃力(A)を与えたときの吸水剤の表面架橋にかかる機械的ストレスと、衝撃力(B)を与えたときの吸水剤の表面架橋にかかる機械的ストレスとでは、そのストレスの程度に差がある。つまり、衝撃力(A)を与えたときの吸水剤の表面架橋にかかる機械的ストレスの方が、衝撃力(B)を与えたときの吸水剤の表面架橋にかかる機械的ストレスよりも強い。
【0054】
本発明において、吸水剤に加えられる衝撃力(A)は、反応物である吸水剤5gを70mm×100mmの袋に密封し、その上から重量4kgのローラにて10往復させたものであることが好ましい。
【0055】
上記衝撃力(A)の与え方について、以下に具体的に説明する。
まず、図11に示すように、吸水剤(図示せず)5.0gを70mm×100mm、厚み0.04mmのチャック付きポリ袋35に入れ、該チャック付きポリ袋35の内部空気を抜いた後、チャックする。その後、上記吸水剤を上記チャック付きポリ袋35全体に均一に広げ、その上から直径85mm、長さ200mm、重量4kgのローラ36を20回(10往復)転がすことにより、チャック付きポリ袋35内の吸水剤に衝撃力を与える。以上のように、上記吸水剤に所定の荷重を加えることにより、上記吸水剤に加えられた衝撃力を、衝撃力(A)とする。チャック付きポリ袋35としては、例えば株式会社生産日本社製「ユニパック(登録商標)C−4」が好ましく用いられる。
【0056】
また、本発明において、吸水剤に加えられる衝撃力(B)は、反応物である吸水剤30.0gを、玉径約6mmのガラスビーズ10.0gと共に内容積225gの容器41(図12および図13参照)に入れ、図13(a)に示すように、上記容器41の縦中心線と鉛直線とのなす角度が、鉛直線の左右各々に12.5°であり、図13(b)に示すように、上記容器41の水平方向への移動が、上記容器41の静止位置を基準として前後に各々8mmであり、振動速度回転数が750c.p.m となるように、楕円状の振動を一定時間与えたものであることが好ましい。
【0057】
上記衝撃力(B)の与え方について、以下に具体的に説明する。
上記吸水剤に衝撃力(B)を与える際に用いられる上記容器41としては、図12に示すように、高さ約10.8cm、直径約6.2cm、内容積225gの透明なガラス製の容器本体41cに、内蓋41bおよび外蓋41aが設けられた容器が用いられる。このような容器としては、例えば、山村硝子株式会社製の所謂マヨネーズ瓶(商品名:A−29)が好適に用いられる。
【0058】
また、上記ガラスビーズとしては、約5.9mm〜6.4mmの玉径に揃えられた玉径約6mmの精密分留充填用ソーダ石灰ガラス製のガラスビースが好適である。上記ガラスビーズ10.0gは、該ガラスビーズ31個〜33個に相当する。
【0059】
上記吸水剤に衝撃力(B)を与える際には、上記吸水剤30.0gを上記ガラスビーズ10.0gと共に上記容器41の容器本体41cに入れて内蓋41bおよび外蓋41aを閉める。そして、この容器41を、図14に示す分散機(株式会社東洋精機製作所製、No488試験用分散機)42に、該分散機42に備えられた上クランプ43および下クランプ44で挟んで固定し、100V/60Hzで振動速度回転数750c.p.m の振動を30分間与える。これにより、上記分散機42に固定された容器41は、上記分散機42における上クランプ43および下クランプ44の取付け面45に対して左右に各々12.5°(合計25°)傾斜運動すると同時に、前後に各々8mm(合計16mm)振動することにより、容器41内部の吸水剤に衝撃力を与える。
【0060】
この場合の上記容器41の振動の様子を図15を用いて以下に説明する。上記容器41の振動による容器41の軌跡は、クランプ46(上クランプ43、下クランプ44)に、重力に対して垂直となるように固定された棒47の任意の位置における鉛直線の軌跡によって容易に確認することができる。上記クランプ46に固定された棒47の任意の位置における鉛直線は、棒47が、その静止状態から、左右に各々12.5°傾斜すると同時に、前後に各々8mm移動することにより、本図に示すような楕円状の軌跡を描く。つまり、容器41は、図15に示すような楕円状の振動を受ける。これにより、容器41内の吸水剤は、該吸水剤と共に容器41内に封入されたガラスビーズによって攪拌されると共に、上記吸水剤同士、或いは上記吸水剤とガラスビーズ、或いは上記吸水剤と容器41内壁とが、上記振動に即した強さで衝突することにより、衝撃を受ける。以上のように、上記吸水剤に所定の振動を与えることにより、上記吸水剤に加えられた衝撃力を、衝撃力(B)とする。
【0061】
上記衝撃力(A)・(B)は、製造工程中に吸水性樹脂が受ける衝撃力を代表するものとして、経験的に定められた力である。尚、加圧下での吸収倍率の測定方法については後述の実施例において詳述する。
【0062】
表面処理された吸水剤の評価としては加圧下での吸収倍率の評価が一般的である。しかし、加圧下での吸収倍率だけの評価では、加圧下における吸水剤の吸水特性は評価できるが、表面架橋の深さ、架橋の均一さ及び表面の壊れ易さ等は評価できない。このため、上記加圧下での吸収倍率だけの評価では、表面架橋された吸水剤を製造したり、該吸水剤を用いて吸収性物品を生産する際に、表面処理後の各工程で発生する機械的ストレスによって低下する吸水特性を予測することができない。この結果、従来は、最終製品中において、期待された特性が得られないことがあった。
【0063】
しかし、本発明では、吸水性樹脂粒子の耐衝撃試験として、上記の物性値Q/Pあるいは物性値Y/Xを測定することにより、表面架橋された吸水剤の機械的ストレスに対する強さを評価、予測することができるようになった。上記物性値Q/Pおよび物性値Y/Xは、サンプル量等に応じて、何れか一方のみを測定してもよいし、両方共に測定してもよい。
【0064】
そして、本願発明者等は、物性値Q/Pが下記の条件を満たすように形成した吸水剤が製造プラントにおける搬送や、ユーザにおける加工等で加わる機械的ストレスを受けてもその吸水特性を殆ど低下させず、最終製品中においてその優れた吸収性能を維持する吸水剤であることを見出した。
【0065】
即ち、本発明の吸水剤においては、物性値Q/Pが0.85以上になることが好ましく、0.90以上がさらに好ましく、0.95以上が吸収性物品中で該吸水剤の優れた吸収性能を維持するのに最も好ましい。
【0066】
また、本発明の吸水剤においては、物性値Y/Xが0.90以上になることが好ましく、0.92以上がさらに好ましく、0.95以上が吸収性物品中で該吸水剤の優れた吸収性能を維持するのに最も好ましい。
【0067】
本発明においては、衝撃力(A)あるいは衝撃力(B)を与える前の吸収剤の50g/cm2 における加圧下吸収倍率PあるいはXは、20g/g以上であることが必要であり、25g/g以上であることが好ましく、30g/g以上であることが最も好ましい。
【0068】
また、上記表面架橋前の吸水性樹脂の生理食塩水に対する吸収倍率は、40g/g以上であることが好ましく、45g/g以上であることがさらに好ましい。
【0069】
次に、上記吸水剤の製造方法及びその製造装置について説明する。
【0070】
本発明の吸水剤の製造に際して使用される吸水性樹脂は、カルボキシル基を有するものであれば特に制限はしないが、典型的にはアクリル酸及び/又はその塩(中和物)を主成分とする親水性単量体を重合・架橋することにより得られ、イオン交換水中において50倍から1000倍という多量の水を吸収し、ヒドロゲルを形成する従来公知の樹脂である。また、上記吸水性樹脂としては、該吸水性樹脂中の未架橋の水可溶成分が25重量%以下、好ましくは15重量%以下、さらに好ましくは10重量%以下のものが用いられる。
【0071】
上記アクリル酸塩としては、アクリル酸のアルカリ金属塩、アンモニウム塩及びアミン塩等を例示することができる。上記吸水性樹脂は、その構成単位としてアクリル酸10モル%〜40モル%およびアクリル酸塩90モル%〜60モル%(但し、両者の合計量は100モル%とする)の範囲にあるものが好ましい。
【0072】
アクリル酸及び/又はその塩を主成分とする親水性単量体を重合して吸水性樹脂を得るに際しては、必要に応じて、これらアクリル酸又はその塩に併用して、アクリル酸以外の単量体を含有していてもよい。
【0073】
アクリル酸以外の単量体としては、特に限定されるものではないが、具体的には、例えば、メタクリル酸、マレイン酸、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルエタンスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルプロパンスルホン酸等のアニオン性不飽和単量体及びその塩;アクリルアミド、メタアクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−n−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ビニルピリジン、N−ビニルピロリドン、N−アクリロイルピペリジン、N−アクリロイルピロリジン等のノニオン性の親水基含有不飽和単量体;N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、及びこれらの四級塩等のカチオン性不飽和単量体等が挙げられる。これら単量体は、単独で用いてもよく、適宜2種類以上を混合して用いてもよい。
【0074】
本発明において、アクリル酸以外の単量体を用いる場合には、該アクリル酸以外の単量体は、主成分として用いるアクリル酸及びその塩との合計量に対して、30モル%以下、好ましくは10モル%以下の割合で用いることが好ましい。上記アクリル酸以外の単量体を上記の割合で用いることにより、得られる吸水性樹脂の吸水特性がより一層向上すると共に、吸水性樹脂をより一層安価に得ることができる。
【0075】
本発明に用いられる吸水性樹脂を得るために上述のアクリル酸又はその塩を主成分とする親水性単量体を重合するに際しては、バルク重合や沈殿重合を行うことが可能であるが、性能面や重合の制御の容易さから、上記親水性単量体を水溶液とすることによる水溶液重合又は逆相懸濁重合を行うことが好ましい。
【0076】
尚、上記親水性単量体を水溶液とする場合の該水溶液(以下、単量体水溶液と称する)中の単量体の濃度は、特に限定されるものではないが、10重量%〜70重量%の範囲内が好ましく、20重量%〜40重量%の範囲内がさらに好ましい。また、上記水溶液重合又は逆相懸濁重合を行う際には、水以外の溶媒を必要に応じて併用してもよく、併用して用いられる溶媒の種類は、特に限定されるものではない。
【0077】
上記の重合を開始させる際には、例えば過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、t−ブチルハイドロパーオキサイド、過酸化水素、2,2’−アゾビス(2−アミノジプロパン)二塩酸塩等のラジカル重合開始剤を用いることができる。
【0078】
さらに、これら重合開始剤の分解を促進する還元剤を併用し、両者を組み合わせることによりレドックス系開始剤とすることもできる。上記の還元剤としては、例えば、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム等の(重)亜硫酸(塩)、L−アスコルビン酸(塩)、第一鉄塩等の還元性金属(塩)、アミン類等が挙げられるが、特に限定されるものではない。
【0079】
これら重合開始剤の使用量は、通常0.001モル%〜2モル%、好ましくは0.01モル%〜0.05モル%である。これら重合開始剤の使用量が0.001モル%未満の場合には、未反応の単量体が多くなり、従って、得られる吸水性樹脂中の残存単量体量が増加するので好ましくない。一方、これら重合開始剤の使用量が2モル%を超える場合には、得られる吸水性樹脂中の水可溶成分量が増加するので好ましくない。
【0080】
また、重合開始剤を用いる代わりに、反応系に放射線、電子線、紫外線等の活性エネルギー線を照射することにより重合反応の開始を行ってもよい。尚、上記重合反応における反応温度は、特に限定されるものではないが、20℃〜90℃の範囲内が好ましい。また、反応時間も特に限定されるものではなく、親水性単量体や重合開始剤の種類、反応温度等に応じて適宜設定すればよい。
【0081】
本発明において用いられる吸水性樹脂としては、架橋剤を使用しない自己架橋型のものであってもよいが、一分子中に、2個以上の重合性不飽和基や、2個以上の反応性基を有する内部架橋剤を共重合又は反応させたものがさらに好ましい。
【0082】
これら内部架橋剤の具体例としては、例えば、N,N−メチレンビス(メタ)アクリルアミド、(ポリ)エチレングリコール(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチルロールプロパントリ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、グリセリンアクリレートメタクリレート、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルホスフェート、トリアリルアミン、ポリ(メタ)アリロキシアルカン、(ポリ)エチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセロールジグリシジルエーテル、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、エチレンジアミン、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ポリエチレンイミン、グリシジル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
【0083】
これら内部架橋剤は、単独で用いてもよく、適宜2種類以上を混合して用いてもよい。また、これら内部架橋剤は、反応系に一括添加してもよく、分割添加してもよい。2種類以上の内部架橋剤を使用する場合には、得られる吸水性樹脂の吸水特性等を考慮して、2個以上の重合性不飽和基を有する化合物を必須に用いることが好ましい。これら内部架橋剤の使用量は、前記親水性単量体に対して、0.005モル%〜2モル%の範囲内であることが好ましく、0.01モル%〜1モル%の範囲内とすることがさらに好ましい。上記内部架橋剤の使用量が0.005モル%よりも少ない場合、並びに、2モル%よりも多い場合には、所望の吸水特性を備えた吸水性樹脂が得られない虞れがある。
【0084】
上記内部架橋剤を用いて架橋構造を吸水性樹脂内部に導入する場合には、上記内部架橋剤を、上記親水性単量体の重合時あるいは重合後、または重合、中和後に反応系に添加するようにすればよい。
【0085】
尚、上記重合に際しては、反応系に、炭酸(水素)塩、二酸化炭素、アゾ化合物、不活性有機溶媒等の各種発泡剤;澱粉・セルロース、澱粉・セルロースの誘導体、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸(塩)、ポリアクリル酸(塩)架橋体等の親水性高分子;各種界面活性剤;次亜燐酸(塩)等の連鎖移動剤を添加してもよい。
【0086】
上記重合反応により得られた重合体がゲル状である場合には、該ゲル状重合体は、乾燥され、必要により粉砕することで、平均粒径が10μm〜1000μm、好ましくは50μm〜800μmであり、水性液がカルボキシル基と反応し得る架橋剤を含む場合には、好ましくは75μmを越えて600μm以下、特に好ましくは150μmを越えて500μm以下に調整される。このようにして得られた上記吸水性樹脂の粒子形状は、特に限定されるものではないが、粉砕工程を経て得られた不定形破砕状である方が、本発明の効果が特に顕著になり、好ましい。
【0087】
上記の方法により得られた吸水性樹脂は、生理食塩水に対する吸収倍率が40g/g以上、さらには45g/g以上という高い値を示すものを用いることが、水性液を混合する上で、本発明の効果を顕著に表すので好ましいが、勿論、上記吸収倍率は目的に応じて適宜調整される。本発明は、従来、水性液の均一な添加が困難であった45g/g以上の高吸収倍率を示す吸水性樹脂に対して好適に用いることができる。
【0088】
本発明では、上記の重合で得られたカルボキシル基を有する吸水性樹脂と水性液とを特定の連続押出式混合機で混合する。上記水性液としては、水;若しくは、塩類、界面活性剤、消臭剤、抗菌剤、水溶性高分子等の水溶性化合物を溶解した水または親水性有機溶媒等でもよいが、本発明の吸水剤を得るためには、カルボキシル基と反応し得る架橋剤又は該架橋剤を含む処理液であることが必要となる。つまり、本発明にかかる吸水剤は、カルボキシル基を有する吸水性樹脂と、このカルボキシル基に反応する架橋剤とを混合、反応させることによって得ることができる。
【0089】
このような架橋剤としては、カルボキシル基と反応し得る、通常、該用途に用いられている公知の表面架橋剤が好適である。上記の表面架橋剤としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、ジプロピレングリコール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、ポリプロピレングリコール、グリセリン、ポリグリセリン、2−ブテン−1,4−ジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,2−シクロヘキサノール、トリメチロールプロパン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ポリオキシプロピレン、オキシエチレン−オキシプロピレンブロック共重合体、ペンタエリスリトール、ソルビトール等の多価アルコール化合物;エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレンジグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、グリシドール等のエポキシ化合物;エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、ポリエチレンイミン等の多価アミン化合物や、それらの無機塩ないし有機塩(例えば、アジチニウム塩等);2,4−トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等の多価イソシアネート化合物;1,2−エチレンビスオキサゾリン等の多価オキサゾリン化合物;1,3−ジオキソラン−2−オン、4−メチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、4,5−ジメチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、4,4−ジメチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、4−エチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、4−ヒドロキシメチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、1,3−ジオキサン−2−オン、4−メチル−1,3−ジオキサン−2−オン、4,6−ジメチル−1,3−ジオキサン−2−オン、1,3−ジオキソパン−2−オン等のアルキレンカーボネート化合物;エピクロロヒドリン、エピブロムヒドリン、α−メチルエピクロロヒドリン等のハロエポキシ化合物、および、その多価アミン付加物(例えばハーキュレス製カイメン;登録商標);亜鉛、カルシウム、マグネシウム、アルミニウム、鉄、ジルコニウム等の水酸化物又は塩化物等の多価金属化合物等が挙げられる。これら表面架橋剤は、単独で用いてもよく、また、2種類以上を適宜混合して用いてもよい。これら表面架橋剤のなかでも、多価アルコール化合物、エポキシ化合物、多価アミン化合物やそれらの塩、アルキレンカーボネート化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物が好適である。
【0090】
また、上記吸水剤の製造方法において、本願発明者等が以前に特開平6−184320号公報(米国特許第5422405号公報)にて提案したように、カルボキシル基と反応し得る架橋剤が、溶解度パラメータ(SP値)の互いに異なる第一表面架橋剤及び第二表面架橋剤を組み合わせてなる場合には、加圧下吸収倍率がさらに一層優れた吸収剤を得ることができる。尚、上記の溶解度パラメータとは、化合物の極性を表すファクターとして一般に用いられる値である。本発明においては、上記の溶解度パラメータに対して、ポリマーハンドブック第3版(WILEY INTERSCIENCE社発行)527頁〜539頁に記載されている溶媒の溶解度パラメータδ(cal/cm3)1/2の値を適用することとする。また、上記の頁に記載されていない溶媒の溶解度パラメータに関しては、該ポリマーハンドブックの524頁に記載されているSmallの式に、同525頁に記載されているHoyの凝集エネルギー定数を代入して導かれる値を適用することとする。
【0091】
上記の第一表面架橋剤は、カルボキシル基と反応可能な、溶解度パラメータが12.5(cal/cm3)1/2以上の化合物が好ましく、13.0(cal/cm3)1/2以上の化合物がより好ましい。
【0092】
また、上記の第二表面架橋剤は、カルボキシル基と反応可能な、溶解度パラメータが12.5(cal/cm3)1/2未満の化合物が好ましく、9.5(cal/cm3)1/2〜12.0(cal/cm3)1/2の範囲内の化合物がより好ましい。
【0093】
これら架橋剤の使用量は、用いる化合物やそれらの組み合わせ等にもよるが、吸水性樹脂の固形分100重量部に対して、0.001重量部〜10重量部の範囲内が好ましく、0.01重量部〜5重量部の範囲内がより好ましい。
【0094】
上記の架橋剤を用いることにより、吸水性樹脂の表面近傍の架橋密度を内部よりも高くすることができる。また、架橋剤の使用量が10重量部を越える場合には、不経済となるばかりか、吸水剤における最適な架橋構造を形成する上で、架橋剤の量が過剰となるため、好ましくない。さらに、架橋剤の使用量が0.001重量部未満の場合には、吸水剤における加圧下吸収倍率等の性能を向上させる上で、その改良効果が得られ難いため、好ましくない。
【0095】
本発明において、吸水性樹脂と架橋剤とを混合する際には、溶媒として水を用いることが好ましい。水の使用量は、吸水性樹脂の種類や粒径、含水率等にもよるが、吸水性樹脂の固形分100重量部に対して、0を越え、20重量部以下が好ましく、0.5重量部〜10重量部の範囲内がより好ましい。また、表面架橋以外の目的で水性液を添加する場合には、その水の量は通常400重量部以下程度であれば十分均一な混合が可能である。
【0096】
従来、70重量部〜400重量部程度の多量の水を混合するには、造粒以外の手法では、(1) 剪断力を伴う強力な混合機を用いるか、(2) 混合後、得られた一体化したゲルの塊を粉砕する必要があり、また、造粒には、(3) 混合助剤としての不溶性無機微粉末や水溶性高分子、親水性有機溶媒、界面活性剤等を必要とし、これらの方法は、造粒強度や物性の低下を伴う上、コスト的にも好ましくないものであった。これに対し、本発明は、これらの問題が生じないばかりか、従来とは異なり、吸水性樹脂粒子が水性液との混合で直接含水ゲル状造粒物に造粒されるので、物性低下を伴う混合助剤の添加やゲルの粉砕工程等を必要としない。
【0097】
また、吸水性樹脂と架橋剤とを混合する際には、必要に応じて、溶媒として親水性有機溶媒(水性液)を用いてもよい。上記の親水性有機溶媒としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、t−ブチルアルコール等の低級アルコール類;アセトン等のケトン類;ジオキサン、テトラヒドロフラン、メトキシ(ポリ)エチレングリコール等のエーテル類;ε−カプロラクタム、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類等が挙げられる。親水性有機溶媒の使用量は、吸水性樹脂の種類や粒径、含水率等にもよるが、吸水性樹脂の固形分100重量部に対して、20重量部以下が好ましく、0.1重量部〜10重量部の範囲内がより好ましい。また、欧州特許第0668080号公報に示された無機酸、有機酸、ポリアミノ酸を存在させてもよい。
【0098】
本発明において、上記の吸水性樹脂と架橋剤との混合は、吸水剤の製造装置を構成し、吸水剤の製造に供せられる特定の高速攪拌型の連続押出式混合機にて行われる。尚、上記高速攪拌型の連続押出式混合機の構成および該連続押出式混合機を用いた吸水性樹脂と架橋剤との混合については、後に詳述する。
【0099】
そして、上記高速攪拌型の連続押出式混合機にて架橋剤と混合された吸水性樹脂は、さらに、必要に応じて加熱処理が施されることによって、その表面近傍が架橋され、この結果、吸水剤が得られる。この場合、上記吸水性樹脂の表面近傍で架橋剤を反応させるには、架橋剤の反応性、製造装置の簡易性、および生産性を考慮すると、加熱処理を行うことが好ましい。
【0100】
上記吸水性樹脂と架橋剤との混合物を加熱処理する際の処理温度は、用いる架橋剤の種類や目的とする架橋密度等に応じて適宜決定され、特に限定されるものではないが、好ましくは80℃以上であり、さらに好ましくは100℃〜250℃の範囲内であり、特に好ましくは120℃〜210℃の範囲内である。処理温度が80℃未満の場合には、加熱処理に時間がかかるので、生産性の低下を引き起こすのみならず、均一な表面架橋が達成されず、得られる吸水剤の加圧下の吸収特性の低下および架橋剤の残存を招き易い。
【0101】
上記の加熱処理は、通常の乾燥機又は加熱炉を用いて行うことができる。該乾燥機としては、例えば、溝型混合乾燥機、ロータリー乾燥機、デスク乾燥機、流動層乾燥機、気流型乾燥機、及び赤外線乾燥機等が挙げられるが、特に限定されるものではない。
【0102】
次に、本発明において用いられる高速攪拌型の連続押出式混合機の構成を、該連続押出式混合機を用いた吸水性樹脂と架橋剤との混合方法と合わせて、以下に説明する。
【0103】
本発明に係る上記連続押出式混合機は、カルボキシル基を有する吸水性樹脂と、このカルボキシル基と反応し得る架橋剤等を含む水性液とを混合すべく、固定円筒の内部における回転軸の周りに、上記吸水性樹脂に押し出し推力を与える少なくとも一種の攪拌部材が設けられた構成を有している。上記連続押出式混合機において、上記攪拌部材は、上記固定円筒内に供給された吸水性樹脂を分散させる分散領域としての第一領域と、上記第一領域よりも排出側に設けられ、かつ、上記分散領域において分散された吸水性樹脂と上記水性液とを混合する混合領域としての第二領域とを形成するように設けられている。
【0104】
そして、本発明において、上記攪拌部材は、上記分散領域と混合領域とを形成すべく、上記固定円筒内に供給された吸水性樹脂を分散させる第一領域における押し出し推力よりも押し出し推力が小さい第二領域を排出側に形成するように設けられている。
【0105】
つまり、上記攪拌部材は、その形状や配設密度、配置の仕方、吸水性樹脂押出面と回転軸に垂直な平面とのなす角度(或いは吸水性樹脂押出面と吸水性樹脂押し出し方向である回転軸の軸方向に平行な平面とのなす角度)等を調整することにより、上記固定円筒内部に、吸水性樹脂に対する押し出し推力が異なる領域を形成するようになっている。尚、上記攪拌翼における吸水性樹脂押出面とは、吸水性樹脂に回転軸と平行な押し出し推力を与える面を示す。
【0106】
上記連続押出式混合機において、上記第一領域では、固定円筒内に供給された吸水性樹脂に、連続押出式混合機の内部へと十分な押し出し推力を与え、分散させるようになっている。そして、上記第二領域では、上記第一領域における押し出し推力よりも押し出し推力を小さくすることで、吸水性樹脂の平均速度を低下させ、上記吸水性樹脂と水性液との混合攪拌時間を十分に確保すると共に、上記第一領域にて分散された吸水性樹脂と、水性液とを素早く均一に混合するようになっている。
【0107】
一方、吸水性樹脂と架橋剤や架橋剤を含む処理液等の水性液との混合に用いられる従来の高速攪拌型の連続押出式混合機は、同一形状の複数の攪拌翼が、等間隔かつその翼面の向きが同一となるように、回転軸の周りに複数配設されたものである。つまり、上記従来の連続押出式混合機(米国特許5140076号公報)は、その内部における押し出し推力が一定であり、吸水性樹脂に水性液を均一に付着、混合させることはできなかった。このため、この従来の連続押出式混合機にて混合して得られる吸水剤は、処理剤による表面架橋が不均一となり、その吸水特性を最終製品中まで保持するという面からは未だ十分なものではなかった。
【0108】
しかし、本発明の連続押出式混合機では、攪拌部材(例えば攪拌翼)が、上記分散領域の排出側に混合領域を有するように設けられているため、吸水性樹脂と水性液との混合が2種以上の攪拌状態を有するように行われる。この結果、カルボキシル基を有する吸水性樹脂とこのカルボキシル基と反応し得る架橋剤等を含む水性液との混合が効率よく行われ、均一な混合を行うことができる。尚、以下、特に断りのない限り、単に連続押出式混合機と記する場合には、本発明の連続押出式混合機を示す。
【0109】
本発明において、上記押し出し推力の測定方法は特に限定されず、種々の方法を用いることができる。上記押し出し推力の測定方法としては、例えば、(1) 上記各領域における攪拌部材によって生じる風速や流速等を測定する方法、(2) 上記固定円筒断面にかかる圧力を測定する方法、(3) 上記各領域における攪拌部材の吸水性樹脂押出面と回転軸に垂直な平面とのなす角度等から計算によって測定する方法等が挙げられる。
【0110】
上記攪拌部材は、吸水性樹脂の供給側よりも排出側に、吸水性樹脂の供給側よりも押し出し推力が小さくなる領域を有するように設けられてさえいれば、その形状や配置の仕方等は、特に限定されるものではない。
【0111】
上記攪拌部材は、例えばスクリューコンベヤに見られるような、連続した1枚のねじ翼状の攪拌部材(攪拌翼)でもよいし、それぞれ独立して設けられた複数の例えば翼状等の攪拌部材(攪拌翼)でもよい。
【0112】
また、上記複数の攪拌部材は、形状の異なる2種類以上のものであってもよいし、同一形状のものであってもよい。
【0113】
このような連続押出式混合機の構成としては、例えば、前記回転軸の周りに、吸水性樹脂に押し出し推力を与える複数の第一の攪拌部材と、これら第一の攪拌部材の排出側にこれら第一の攪拌部材の配設領域における押し出し推力よりも押し出し推力が小さくなる領域を形成する複数の第二の攪拌部材とが配されている構成が挙げられる。
【0114】
この場合、上記の第一の攪拌部材は板状に形成されていることが、吸水性樹脂に押し出し推力を与える形状として好ましい。さらに、第二の攪拌部材は例えば円柱状に形成されていることが、その配設領域における押し出し推力を上記第一の攪拌部材の配設領域における押し出し推力よりも小さくし、混合攪拌を十分に確保する形状として好ましい。
【0115】
このように、上記第二の攪拌部材が円柱状に形成されている場合には、一般的に押し出し推力は生じない。このため、上記第二の攪拌部材の配設領域において吸水性樹脂が受ける押し出し推力は、上記第一の攪拌部材によって生じた押し出し推力である(但し、この場合は、押し出し推力は次第に小さくなる)。この結果、上記第二の攪拌部材の配設領域では、上記第一の攪拌部材の配設領域における押し出し推力よりも押し出し推力が小さくなり、吸水性樹脂の平均速度が低下するので、上記第二の攪拌部材によって効率的に水性液と混合される。
【0116】
但し、上記第二の攪拌部材が円柱状に形成されている場合、単独では押し出し推力は生じないが、複数配設され、かつ、その配設間隔が十分に狭ければ、その配列の仕方によっては吸水性樹脂排出方向への推力が逆向きの推力よりも大きくなる場合があり、この場合には、吸水性樹脂排出方向への押し出し推力が生じる。
【0117】
つまり、上記第二の攪拌部材は、その配設領域において、上記第一の攪拌部材の配設領域よりも押し出し推力が小さくなるように形成されていればよく、上記連続押出式混合機の構成としては、例えば、回転軸の周りに、吸水性樹脂供給側に設けられて押し出し推力を生じる形状に形成された複数の第一の攪拌部材と、これら第一の攪拌部材よりも排出側に設けられ、かつ、第一の攪拌部材よりも小さい押し出し推力を生じる形状に形成された複数の第二の攪拌部材とが順次配されている構成であってもよい。
【0118】
この場合、上記の第一の攪拌部材および第二の攪拌部材は板状に形成されていることが押し出し推力を生じる形状として好ましい。但し、上記第二の攪拌部材は、第一の攪拌部材よりも押し出し推力が小さくなるように、第一の攪拌部材の面積よりも小さな面積を有する形状に形成されていることが好ましい。
【0119】
また、上記各領域に設けられる攪拌部材の種類は、一種類に限定されない。例えば、上記第二領域に上記第一の攪拌部材と第二の攪拌部材とを混合して設けることにより、その押し出し推力を調整してもよい。具体的には、上記第二領域に、円柱状の攪拌部材と板状の攪拌部材とを混在させることにより、上記第二領域では、該第二領域に配設された板状の攪拌部材の配設数や配設の仕方等に応じた押し出し推力が得られる。
【0120】
さらに、上記連続押出式混合機における複数の攪拌部材は、順次、螺旋状に並び配されていることが好ましい。これによって、押し出し推力を十分に確保することができると共に、吸水性樹脂等を円滑に押し出すことができる。
【0121】
一方、上記攪拌部材として、一枚のねじ翼状の攪拌部材を用いる場合には、上記攪拌部材が、例えば第二領域となるべき部分に、切り込みや開口部を有している構成あるいは、第二領域となるべき部分の翼幅がしだいに狭くなるような構成とすることで、上記固定円筒内に押し出し推力が異なる領域を形成することができる。
【0122】
さらに、上記連続押出式混合機の構成としては、例えば、吸水性樹脂に対する押し出し推力が異なる領域を形成すべく、少なくとも一種の攪拌部材が、その吸水性樹脂押出面と回転軸に垂直な平面とのなす角度(以下、単に角度あるいは吸水性樹脂押出面の角度と称することもある)を上記第一領域と第二領域とで異にして設けられている構成としてもよい。
【0123】
具体的には、(1) 例えば攪拌部材として攪拌翼を用いる場合に、攪拌翼の翼面の向きを第一領域と第二領域とで変えたり、(2) 上記攪拌翼を螺旋状に配置する際に、第一領域と第二領域とで螺旋の傾きを変えたり、(3) 回転軸に対する攪拌部材の取付け角度を第一領域と第二領域とで変えることにより、攪拌部材における吸水性樹脂押出面と回転軸に垂直な面とのなす角度を第一領域と第二領域とで変えることができる。
【0124】
この場合、上記攪拌部材が押し出し推力を生じるためには、上記吸水性樹脂押出面が回転軸に垂直な平面に対して傾斜するように(言い換えれば、吸水性樹脂押出面が吸水性樹脂排出方向である回転軸の軸方向に平行な平面に対して傾斜するように)攪拌部材を配すればよい。
【0125】
但し、本発明において、上記攪拌部材は、それ単独、或いは、複数個配設されることによって攪拌機能を有するものであればよく、上記第一領域において押し出し推力を生じるような形状および角度を有してさえいれば、固定円筒内に配設される全ての攪拌翼が押し出し推力を生じる形状、さらには、上述した角度を有している必要はない。
【0126】
また、上記第二領域では、上記第二領域全体における吸水性樹脂排出方向への押し出し推力が、上記第一領域におけるそれよりも小さければよく、吸水性樹脂を排出側に押し出すことができさえすれば、第一領域における押し出し推力の大きさにもよるが、例えば、上記第二領域では、攪拌部材の上記角度を、押し出し推力を生じない角度或いは吸水性樹脂排出方向とは逆向きの推力を生じる角度に設定してもよい。
【0127】
さらに、上記連続押出式混合機の構成としては、例えば、吸水性樹脂に対する押し出し推力が異なる領域を形成すべく、少なくとも一種の攪拌部材が、その配設密度を、上記第一領域と第二領域とで異にして設けられている構成としてもよい。
【0128】
この場合、例えば、上記第二領域における攪拌部材の配設間隔を第一領域における攪拌部材の配設間隔よりも広くしたり、上記第二領域における攪拌部材の配設数を、第一領域における攪拌部材の配設数よりも少なくすることで、上記第二領域における押し出し推力を、第一領域における押し出し推力よりも小さくすることができる。
【0129】
尚、上記第一領域と第二領域とで攪拌部材の吸水性樹脂押出面と回転軸に垂直な平面とのなす角度や配設密度を変えることにより押し出し推力を変える方法は、例えば第一領域と第二領域とで形状の同じ攪拌部材を用いる場合に、特に有効である。
【0130】
また、上記攪拌部材として1枚のねじ翼状の攪拌翼を用いる場合には、ピッチを決めることによって、自動的に、その取付け角度(吸水性樹脂押出面と回転軸に垂直な平面とのなす角度)や配設密度が決まる。
【0131】
本発明において、上記第一領域と第二領域における押し出し推力は、上記した各構成を組み合わせることによって、種々調整が可能である。
【0132】
さらに、本発明においては、上記連続押出式混合機における固定円筒の内面が、実質的に、水に対する接触角が約60°以上で約70℃以上の熱変形温度を有する基材から形成されていることが好ましい。
【0133】
上記水に対する基材の接触角が約60°未満であれば、含水した吸水性樹脂が固定円筒内面に付着する量が多くなり、この結果、吸水性樹脂と水性液との混合が不均一になる場合がある。一方、上記基材の熱変形温度が約70℃未満であれば、該基材は、混合期間中に発生する熱に十分耐えることができず、そのため安定した混合を継続することができない場合があるので注意を要する。
【0134】
また、本発明においては、上記連続押出式混合機における固定円筒の内径に対する回転軸の直径の比が0.4〜0.6の範囲内であることが好ましい。
【0135】
上記の比が0.4未満であれば、第二領域において、吸水性樹脂と水性液とを混合する際に、攪拌翼による十分な混合を受けることができなくなる虞れがある。一方、上記の比が0.6を越えると、固定円筒から吸水性樹脂を良好に押し出すことが困難となり、安定した混合を継続することができない場合があるので注意を要する。
【0136】
また、本発明において、上記連続押出式混合機は、上記カルボキシル基を有する吸水性樹脂の粉末が上記第一領域に供給投入され、水性液が、上記第二領域、好ましくは、上記第一領域と第二領域との境界域に供給投入されるように形成されていることが好ましい。
【0137】
即ち、吸水性樹脂と水性液とを混合させる際には、できるだけ瞬時に両者が全体的に接触する必要がある。従って、この接触が不十分であると、凝集塊、所謂「ダマ」が生じて混合の均一性が損なわれる。その点、本発明に係る上記連続押出式混合機は、第一領域に配設された攪拌部材によって吸水性樹脂の連続押出式混合機の内部への送り込みを行い、次いで、上記第二領域、好ましくは、上記第一領域と第二領域との境界域に水性液を供給投入することで、第二領域に配設された攪拌部材により瞬時に吸水性樹脂と水性液との高速攪拌混合を行う。従って、吸水性樹脂と水性液とを十分均一に、「ダマ」を形成させることなく混合させることができる。
【0138】
また、本発明において、上記吸水性樹脂が受ける押し出し推力は、第一領域から第二領域に移行する際に、吸水性樹脂供給口からの距離に応じてなだらかに変化するよりも、できるだけ大きく変化する方が好ましい。
【0139】
つまり、上記固定円筒内に水性液が供給投入されると、第一領域において分散された吸水性樹脂の表面に、上記水性液が付着する。しかしながら、水性液付着後も押し出し推力が高いままであれば、吸水性樹脂が、攪拌部材により十分に混合されないまま押し出されてしまう虞れがある。
【0140】
このため、より均一な混合を行うためには、(1) 上記吸水性樹脂表面に付着した水性液が該吸水性樹脂に吸収される前に素早く混合を行うことが好ましいと共に、(2) 上記吸水性樹脂の平均速度を低下させ、好ましくは、固定円筒内部の底壁に滞留させることにより、攪拌部材と円筒内壁による機械的な混合を効率的に行わせ、かつ、上記吸水性樹脂と水性液との十分な混合攪拌時間を確保することが好ましい。
【0141】
従って、本発明において、上記攪拌部材は、用いる吸水性樹脂の種類や量等に応じて上記した各構成を組み合わせることにより、上記第一領域と第二領域とで押し出し推力の変化ができるだけ大きくなるように設けられていることが好ましい。
【0142】
また、本発明では、前記した第二の攪拌部材の排出側に、複数の第一の攪拌部材をさらに設けることによっても、排出時の押し出し推力を十分に確保でき、排出が好適に行われることがある。
【0143】
つまり、分散領域としての第一領域および混合領域としての第二領域のさらに排出側には、上記第二領域で混合攪拌されてなる吸水性樹脂と水性液との混合物に、該混合物を上記連続押出式混合機の外に押し出すための押し出し推力を与える混合物押し出し領域としての第三領域が設けられていてもよい。
【0144】
上記第三領域では、上記混合物を連続押出式混合機の外に効率良く押し出すために、排出口の位置に応じて、吸水性樹脂の排出方向に押し出し推力が生じるように攪拌部材が設けられている。
【0145】
さらに、上記連続押出式混合機は、用いる吸水性樹脂の種類やその他の条件等によっては、上記第一領域および第二領領域が交互に設けられている構成を有していてもよい。
【0146】
本発明において、上記回転軸の回転数、つまり、上記攪拌部材の回転数は、用いる吸水性樹脂および水性液の種類や量、得られる混合物の粘度等にもよるが、10rpm〜5000rpmの範囲内に設定することが好ましく、200rpm〜4000rpmの範囲内に設定することがさらに好ましく、500rpm〜3000rpmの範囲内に設定することが特に好ましい。
【0147】
上記回転数が小さすぎると、吸水性樹脂の搬送速度が遅くなりすぎ、固定円筒内に滞留している吸水性樹脂の量が多くなりすぎるので、吸水性樹脂と水性液とを十分均一に混合することができなくなる虞がある。一方、上記回転数が大きすぎると、吸水性樹脂と水性液との十分な混合攪拌時間を確保することが困難となり、吸水性樹脂と水性液とが十分に混合しきれないうちに排出されてしまう虞れがある。
【0148】
このように、本発明によれば、カルボキシル基を有する吸水性樹脂と、このカルボキシル基と反応し得る架橋剤等を含む水性液とを均一に混合することができるので、上記吸水性樹脂の表面近傍を適度な深さで均一に架橋させることができる。
【0149】
このため、以上の製造方法により得られた吸水剤は、従来の混合機により得られる吸水剤と比べて、吸水特性、特に、加圧下での吸収倍率等の特性に優れている。
【0150】
また、上述のように、本発明の吸水剤は、該吸水剤の圧力50g/cm2 での吸収倍率をPとし、上記吸水剤に所定の荷重を加えることにより衝撃力(A)を与え、その衝撃後の吸水剤における同一圧力(50g/cm2 )での吸収倍率をQとした時、
P≧20(g/g)
であり、かつ、
Q/P≧0.85
となる。
【0151】
さらに、本発明の吸水剤は、該吸水剤の圧力50g/cm2 での吸収倍率をXとし、上記吸水剤に所定の振動を与えることにより衝撃力(B)を与え、その衝撃後の吸水剤における同一圧力(50g/cm2 )での吸収倍率をYとした時、
X≧20(g/g)
であり、かつ、
Y/X≧0.90
となる。
【0152】
従って、本発明によれば、製造プラントにおける搬送やユーザにおける最終製品の加工等を行った後にもその優れた吸水性能を維持し、最終製品中において、その使用方法を選ばず常に優れた特性を維持する吸水剤を得ることができる。
【0153】
また、本発明では、上述したように、上記吸水剤の製造を、優れた混合性を有する特定の連続押出式混合機を用いて行っている。
【0154】
このため、従来の混合機を用いた吸水剤の製造方法では、吸水性樹脂と水性液との混合をより均一にするため、吸水性樹脂の粒径分布を狭くしたり、150μm以下の粒径を有する粉末、つまり、吸水性樹脂微粉末(以下、単に微粉末と記す場合もある)の量を特定範囲内に制御する必要があったが、本発明によれば、このような粒径の制御を厳密に行わなくても、常に優れた混合性を実現することができる。従って、本発明によれば、粒径150μm以下の微粉末の含有量が多くても、加圧下での吸収倍率等の諸特性を向上させることができる。
【0155】
本発明では、このように、厳密な粒径の制御を必ずしも必要としない。しかしながら、取り扱い性の向上やさらなる物性の向上を目的として、上記吸水性樹脂の製造工程で得られた微粉末、具体的には、粒径150μm以下、特に75μm以下の微粉末を分級して除去することで、微粉末を低減した、粒度分布の狭い吸水性樹脂を吸水剤の原料として用いてもよい。
【0156】
本発明において除去された微粉末は、廃棄することなく、上記連続押出式混合機を用いて造粒することにより、回収し、再び吸水剤の原料として用いることができる。つまり、上記連続押出式混合機は、吸収剤の製造において、表面架橋のみならず、吸水性樹脂の造粒にも用いることができる。
【0157】
上記吸水剤の原料として、造粒によって得られた表面積の大きな吸水性樹脂(吸水性樹脂造粒物)を用いることで、該吸水性樹脂造粒物を架橋してなる表面積の大きな造粒物(架橋造粒物)を含む吸水剤を得ることができる。本発明において、上記造粒に用いられる微粉末は、吸水剤の製造工程によって除去されたものであってもよいが、吸収速度の向上を目的として、粉砕ないし重合条件を調整して意図的に製造したものであってもよい。さらに、本発明では、微粉末を除去せず、微粉末を含む吸水性樹脂をそのまま表面架橋した後、得られた微粉末を含む吸水剤をさらに造粒してもよい。
【0158】
つまり、本発明において用いられる吸水剤が、表面積の大きな架橋造粒物を含むことで、さらに高吸収速度の吸水剤を得ることができる。
【0159】
以下に、吸水性樹脂の造粒方法並びに該造粒方法を用いた吸水剤の製造方法について説明する。本発明において、吸水剤の原料として造粒に用いられる吸水性樹脂は、微粉末(例えば粒径150μm以下)のみでもよいし、このような微粉末を含む吸水性樹脂でもよい。また、微粉末を含む吸水剤をそのまま造粒してもよい。さらに、上記微粉末としては、上述したように、吸水剤の製造工程で上記微粉末と微粉末よりも粒径の大きな吸水性樹脂との混合物(つまり、重合後の吸水性樹脂)から分級されたものであってもよいし、吸収速度の向上を目的として粉砕ないし重合条件を調整して意図的に製造されたものであってもよい。また、造粒に用いられる吸水性樹脂は表面架橋が施されていてもよいし、施されていなくてもよい。
【0160】
上記吸水性樹脂ないしその微粉末を造粒する際には、バインダーとして、水性液、特に水を用いることが好ましい。上記吸水性樹脂を造粒する際には、上記バインダーとしての水性液の使用量は、吸水性樹脂の種類や粒径、含水率等にもよるが、吸水性樹脂100重量部に対して、0を越え、400重量部以下の範囲内とすればよい。吸水剤の原料として吸水性樹脂造粒物或いは吸水性樹脂造粒物を含む吸水性樹脂を用いることで、吸収速度の速い吸水剤を得ることができる。
【0161】
そして、本願発明者等の検討によれば、最終製品中において、高物性で且つその使用方法を選ばず、常に優れた特性を発揮することができるように造粒強度に優れた吸水剤を得るためには、上記バインダーとしての水性液の使用量は、吸水性樹脂100重量部に対して、70重量部以上、つまり、70重量部〜400重量部の範囲内であることが好ましく、80重量部〜200重量部の範囲内であることが特に好ましく、100重量部〜180重量部の範囲内であることが、物性面、造粒強度、混合性等から最も好ましいことが判った。
【0162】
上記水性液の使用量が400重量部を越えると、水性液の添加量の増加に見合った造粒強度の向上効果が得られず、乾燥コスト等の面で不利益である。また、上記水性液の使用量が400重量部を越えると、本発明の連続押出式混合機を用いても、物性低下や、吸水性樹脂と水性液(バインダ)とを十分均一に混合することができなくなる虞れがある。尚、上記水性液としては、物性や造粒強度の面から、その90重量%以上、好ましくは99重量%以上、より好ましくは99重量%〜100重量%の範囲内が水であることが好ましく、水のみからなることが特に好ましい。
【0163】
一方、上記水性液の使用量が70重量部よりも少ない場合、造粒強度が不十分となり、最終製品中において、その使用方法を選ばず、常に優れた特性を発揮することができなくなる虞れがある。特に、水性液の使用量が少なすぎる場合、造粒強度が不十分となり易いばかりか、得られる含水ゲル状造粒物の粘着力が強くなり、例えば、水の添加量が30重量部〜65重量部の範囲内では、上記含水ゲル状造粒物が混合機の固定円筒内面等に付着したり、互いに凝集し易いという問題が生じる。この結果、水性液の使用量を減らしたにも拘らず乾燥に不利となることがあるので、注意を要する。
【0164】
つまり、造粒強度を向上させるためには、吸水性樹脂に対して所定量以上の水性液を添加する必要がある。
【0165】
しかしながら、従来は、その混合機の問題から、造粒のための水性液の混合機として、前記した高速攪拌型ミキサ(米国特許第5002986号公報、米国特許第4734478号公報)や、特定の噴霧連続造粒機(米国特許第5360148号公報)、流動床(欧州特許第05342899号公報)等を用いても、吸水性樹脂100重量部に対して均一かつ安定に添加できる水性液の量は、約30重量部が限界であった。
【0166】
また、造粒以外の手法として、上記微粉末と水性液との混合に剪断混合機(欧州特許第0417761号公報)やナウタ混合機(米国特許第4950692号公報)を用いる場合には、その強い剪断力のため、100重量部を越える水性液の添加、混合も可能であるが、得られる混合物は一体化してしまい、造粒物とはならない上、あまり大きな力で混練すると、その剪断力で吸水性樹脂が劣化するという問題点を有している。
【0167】
一般的に、上記吸水性樹脂に対する水性液の添加量が60重量部を越えると、上記吸水性樹脂はゲル化して含水ゲルとなる。この場合、上記剪断混合機は、その剪断力により吸水性樹脂と水性液とを混練するので、得られる含水ゲルは粒子状の造粒物(凝集体)とはならず、連続的かつ一体化した巨大なゲル状物となる。このため、上記含水ゲルは表面積が小さくなり、そのままでは乾燥が行えず、別途、剪断によるゲルの粉砕(米国特許第4950692号公報)を一般に必要とする。このため、吸水速度の低下や、上記粉砕工程によっても、吸水性樹脂造粒物が劣化するという問題点もまた有している。
【0168】
また、水の混合性の改良にために不溶性無機粉末や水溶性高分子等の混合助剤を用いる方法(欧州特許第0644224号公報)では、未だ混合が不均一である上、かえって造粒強度や諸物性の低下を引き起こす。
【0169】
従って、造粒強度や諸物性を向上させるためには、吸水性樹脂に対する水性液の添加量を所定範囲内に設定すると共に、上記吸水性樹脂と水性液とを混練(剪断)することなく均一混合させ、造粒物(凝集体)を直接得ることが重要である。本発明によれば、特定の連続押出式混合機を用いることで、従来、造粒に用いられた混合助剤や、造粒以外に用いられたゲルの粉砕を行うことなく、初めて、実質、水と微粉末とから含水ゲル状造粒物が得られるようになった。
【0170】
本発明では、前述の連続押出式混合機を用いることにより、上記の条件をクリアした。つまり、本発明では、上記連続押出式混合機を用いることにより、水性液の量が多い場合でも、吸水性樹脂と水性液とを混練することなく、しかも、物性の低下を引き起こす混合助剤を用いずとも均一に混合することが可能である。しかも、上記連続押出式混合機を用いて得られた含水ゲルは粒子状であり、通常は、個々の含水ゲルが凝集した不連続な粒子状造粒物としてそのまま乾燥させることができる。尚、個々の含水ゲルが不連続な粒子状造粒物(凝集体)となっていることは、光学顕微鏡写真によって、個々の粒子がその形状を保ったまま複数個集まり凝集している事実や、吸水時の不連続粒子として膨潤する事実で確認できる。従って、水と微粉末とから直接、含水ゲル状造粒物を得る本発明では、従来のように、混合助剤や剪断によるゲルの粉砕を必要としないので、吸水性樹脂造粒物の劣化を防止することができる。
【0171】
本発明において、上記造粒に用いられる水性液としては、例えば、水や、前述した親水性有機溶媒等が挙げられる。そのなかでも、上記水性液として好ましくは、水単独ないし少量の架橋剤を含む水である。この場合、上記架橋剤としては、例えば前述した種類や使用量の表面架橋剤を用いることができる。このように、上記水性液に架橋剤を併用することで、水可溶成分の低減や、造粒強度のさらなる向上を図ることができる。
【0172】
また、上述したように、本発明の連続押出式混合機は、混合性に極めて優れている。これにより、多量の水性液を安定的に混合することができると共に、連続造粒能や生産性を向上させることができる。尚、上記連続押出式混合機における上記吸水性樹脂および水性液の混合方法は、前記吸水剤の製造方法において説明した通りである。
【0173】
本発明において、上記吸水性樹脂として微粉末のみを造粒する場合、上記微粉末の平均粒径は150μm〜10μmの範囲内であることが好ましく、実質150μm以下の粒径を有する粒子を、70重量%以上、さらには、90重量%以上含んでいることが好ましい。また、微粉末の形状としては、造粒強度の面から、逆相懸濁重合で得られた球形よりも、水溶液重合で得られた不定形のものが好ましい。さらに、上記微粉末としては、表面架橋が施される前の微粉末がより好ましい。
【0174】
また、本発明において、得られる含水ゲル状造粒物の平均粒径は、0.3mm〜10mmの範囲内であることが好ましく、0.5mm〜8mmの範囲内であることがさらに好ましく、1mm〜5mmの範囲内であることが特に好ましい。上記含水ゲル状造粒物の粒径が0.3mmよりも小さければ、造粒される割合が低い上、上記含水ゲル状造粒物を乾燥してなる乾燥造粒物の造粒強度が不十分となる虞れがある。また、上記含水ゲル状造粒物の粒径が10mmを越える場合には、物性が低下したり、微粉末が増加する場合がある。
【0175】
つまり、より一層造粒強度に優れ、かつ、加圧下での吸収倍率や吸収速度等の特性に優れる吸水剤を得るためには、適度な粒径を有する粒子状の含水ゲル状造粒物を得た後、該含水ゲル状造粒物を乾燥させ、収縮させることが好ましい。
【0176】
このように、本発明の造粒方法では、水性液、特に水を添加後、好ましくは乾燥することで更に造粒強度を向上させることができる。
【0177】
上記水性液の添加量が10重量未満の場合には、特に乾燥は行わなくてもよいが、水性液を70重量部以上加える場合には、乾燥により、得られる含水ゲル状造粒物を収縮させることが必要である。
【0178】
上記吸水性樹脂は、多量の水性液を添加した後、乾燥することで強固に一体化され、図19の電子顕微鏡写真に示すように、ほぼ凝似一次粒子の造粒物(微粉末の凝集体)となる。このように、吸水性樹脂微粉末が造粒によりほぼ凝似一次粒子の造粒物(微粉末の凝集体)になっていることは、20倍〜100倍、好ましくは30倍〜50倍に拡大した電子顕微鏡写真で造粒前の粒子と造粒後の粒子とを比較すれば容易に判断することができる。また、この粒子が造粒物(微粉末の凝集体)であることは、含水ゲル状造粒物の光学顕微鏡写真ないし含水ゲル状造粒物の乾燥物を粉砕せずに撮影した電子顕微鏡写真によって、個々の粒子の凝集を確認できる事実や、大過剰の水の中では、該粒子が、造粒前の複数の粒子に分かれて不連続に膨潤する事実で判る。
【0179】
本発明において、上記含水ゲル状造粒物を乾燥させる際には、上記含水ゲル状造粒物を実質粉砕や混練せず、そのまま乾燥させることが望ましい。つまり上記含水ゲル状造粒物の乾燥は、吸水性樹脂の粉末(微粉末)から直接得られた含水ゲル状造粒物を粉砕や混練しない条件下において行われる。
【0180】
本発明において、上記乾燥方法は特に限定されず、例えば、前述の乾燥機または加熱炉が好適に用いられる。また、乾燥温度は、特に限定されるものではないが、比較的高温で乾燥させることが造粒強度の点から好ましい。上記乾燥温度としては、具体的には、110℃〜300℃の範囲内、好ましくは120℃〜200℃の範囲内、さらに好ましくは150℃〜180℃の範囲である。上記含水ゲル状造粒物を上記の乾燥温度にて乾燥させると、粒子状の含水ゲル状造粒物が乾燥時により収縮し、その結果、強固な吸水性樹脂造粒物を得ることができるので好ましい。尚、上記含水ゲル状造粒物を乾燥させる際には、該含水ゲル状造粒物を単独で乾燥させてもよいし、前述の水溶液重合ないし逆相懸濁重合で得られた乾燥前のゲル状重合体と混合して一緒に乾燥させてもよい。この場合、乾燥には、前述した通常の乾燥機や加熱炉が用いられる。
【0181】
このようにして得られた粒子状の乾燥造粒物は、乾燥によって収縮して強固な乾燥造粒物となっているが、必要に応じてさらに粉砕して粒度調整してもよい。上記乾燥造粒物の粉砕方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、振動ミルやロールグラニュレター型粉砕機等が好適に用いられる。
【0182】
以上のように、本発明の吸水性樹脂造粒物は、吸水性樹脂100重量部に対して70重量部〜400重量部の水性液を特定の連続押出式混合機にて混合後、得られた粒子状の含水ゲル状造粒物を、該含水ゲル状造粒物を粉砕しない条件下で乾燥させることによって容易に得ることができる。
【0183】
本発明において、上記の方法により得られた吸水性樹脂造粒物の平均粒径は、200μm〜800μmの範囲内であることが好ましく、200μm〜500μmの範囲内であることがさらに好ましい。即ち、本発明では、150μm以下(平均粒径としては例えば100μm以下)の粒子を平均粒径で200μm〜800μmに造粒することが好ましい。
【0184】
上記吸水性樹脂造粒物は、従来の吸水性樹脂造粒物と異なり、はるかに優れた造粒強度を有する上、物性低下もない。しかも、上記吸水性樹脂造粒物は、図19で示す電子顕微鏡写真に示すように、驚くべきことに多孔質の凝似一次粒子に造粒されており、高吸収速度を示す。
【0185】
従って、上述したように上記造粒工程を経て得られた吸水性樹脂造粒物にさらに前述の表面架橋を施すことにより、優れた高加圧下吸収倍率や造粒強度、高吸収速度を示す吸水剤を得ることができる。尚、該吸水剤の無加圧下での吸収倍率は20g/g以上、好ましくは25g/g以上、さらに好ましくは30g/g以上である。
【0186】
即ち、本発明における吸水剤の製造方法としては、平均粒径10μm〜150μmの吸水性樹脂100重量部に水性液70重量部〜400重量部を混合して平均粒径0.3mm〜10mmの粒子状の含水ゲル状造粒物を得た後、粉砕しない条件下、110℃〜300℃で収縮乾燥し、次いで、得られた平均粒径200μm〜800μmの吸水性樹脂造粒物をさらに表面架橋する方法が最も好ましい。
【0187】
上記の製造方法を用いれば、高加圧下の吸収倍率が20g/g以上、好ましくは25g/g以上であり、吸収速度が25秒以下、好ましくは20秒以下であり、かつ、造粒破壊率が10重量%以下、好ましくは5重量%以下、さらに好ましくは2重量%以下、特に好ましくは1重量%以下という優れた性能を有する吸水剤が得られる。
【0188】
このように、本発明によれば、従来の造粒方法ではそれぞれ相反する特性であり、同時には満足し得ない物性であった高加圧下での吸収倍率、造粒強度、吸収速度の3つの物性を、初めて同時に満足することができる吸水剤を得ることができる。
【0189】
つまり、従来の造粒方法では、表面架橋後に造粒する場合、造粒後に表面架橋を施す場合、造粒と同時に表面架橋する場合の何れの場合であっても、前述したように、造粒による表面破壊や物性の低下が生じ易く、高加圧下での吸収倍率、吸収速度、造粒強度の3つの物性を同時に満足することができる吸水剤を得ることはできなかった。特に、混合助剤の使用は、得られる吸水性樹脂造粒物の物性や造粒強度の低下を引き起こし易いという問題がある。これに対し、本発明によれば、粒子状の含水ゲル状造粒物を経て、凝似一次粒子に造粒された多孔質造粒粒子(凝集体)の表面を架橋することで上記物性を全て同時に満足させることができる吸水剤を得ることができる。本発明では、上記造粒には混合助剤を用いず、実質、水単独ないし少量の架橋剤を含む水が好適に用いられる。
【0190】
また、本発明において、上記造粒方法は、表面架橋された吸水剤中に含まれる比較的少量の微粉末を造粒する場合や、他の水溶性化合物との複合化にも適用することができる。但し、この場合には、上記バインダーや溶液としての水性液の使用量は、吸収剤100重量部に対して、0.1重量部〜30重量部の範囲内とすることが好ましく、0.5重量部〜10重量部の範囲内とすることがさらに好ましく、1重量部〜5重量部の範囲内とすることが特に好ましい。
【0191】
上記水性液の量が多すぎると、本発明に係る連続押出式混合機を用いたとしても表面架橋が破壊される虞れがある。一方、上記水性液の量が少なすぎると、十分な造粒強度が得られないので好ましくない。
【0192】
本発明では、上記のように吸水剤中に含まれる既に表面架橋された微粉末を造粒する場合であっても、上記吸水性樹脂造粒物を製造する場合と同様、その造粒工程において、得られる架橋造粒物が劣化することがなく、造粒強度に優れた吸水剤を得ることができる。また、該吸水剤(架橋造粒物)は、造粒によって、一次粒子と比べて大きな表面積を有しているので、加圧下での吸収倍率や吸収速度等の特性に特に優れている。
【0193】
また、本願によれば、上記架橋造粒物の造粒強度として、架橋造粒物に所定の振動を与えることにより衝撃力(B)を与え、その衝撃後の架橋造粒物の破壊率を測定することで、該架橋造粒物の機械的ストレスに対する強さを評価、予測することができる。このため、本願によれば、上記架橋造粒物の破壊率を測定することで、製造プラントにおける搬送やユーザにおける最終製品の加工等を行った後にもその優れた吸水性能を維持し、最終製品中において、その使用方法を選ばず常に優れた特性を維持する吸水剤を得ることができる。
【0194】
本発明において、吸水剤に加えられる衝撃力(B)は、前述した通りである。そして、上記架橋造粒物の破壊率(以下、造粒破壊率と記す)は、上記架橋造粒物に前述の衝撃力(B)を30分間与えた後、ガラスビーズと共に振動することで破壊された前記容器41内の架橋造粒粒子の重量を測定し、この振動後の架橋造粒粒子の重量を振動前の造粒粒子の重量で除した値である。
【0195】
上記架橋造粒物の造粒破壊率を測定する際には、造粒物として、架橋造粒物30.00gが用いられる。つまり、上記造粒破壊率は、一定粒度の粒子を造粒した場合、造粒前の粒度以上の粒度を有する架橋造粒物30.00gに対して衝撃力(B)を与え、破壊され、発生した一定粒度の粒子の重量を、JIS標準篩を用いたロータップ分級により測定することによって測定することができる。
【0196】
尚、上記の測定において、架橋造粒物に代えて吸水性樹脂造粒物や吸水性樹脂を用いることにより、表面架橋前の造粒物の造粒破壊率を測定することができると共に、吸水性樹脂粒子の耐衝撃試験方法の一つとして、架橋や造粒がなされていない吸水性樹脂の破壊率の測定をも行うことができる。
【0197】
このように、本発明では、上記造粒破壊率や前記物性値Q/P、物性値Y/Xを測定することにより、吸水剤が造粒物(架橋造粒物)を含む場合の該吸水剤の機械的ストレスに対する強さを評価、予測することができる。つまり、これまで、吸水剤が造粒物(架橋造粒物)を含む場合、最終製品における造粒破壊を評価しようとした製造プラントにおける搬送やユーザにおける最終製品の加工等を実際に多量の吸水剤を使用して行わなければ、物性低下や造粒破壊率を評価することができなかった。しかしながら、上記の方法によれば、製造プラントにおける搬送やユーザにおける最終製品の加工等に対応した、実験室レベルでの吸水剤の簡易的な耐衝撃試験方法を提供することができる。
【0198】
従って、本発明によれば、吸水剤の機械的ストレスに対する強さを、簡便な方法により予め評価することができるので、製造プラントにおける搬送やユーザにおける最終製品の加工等を行った後にもその優れた吸水性能を維持し、最終製品中において、その使用方法を選ばず常に優れた特性を維持する吸水剤を得ることができる。
【0199】
また、本発明では、上記した各吸水剤にさらに消毒剤、消臭剤、抗菌剤、香料、各種の無機粉末、発泡剤、顔料、染料、親水性短繊維、肥料、酸化剤、還元剤、水、塩類等を添加し、これにより、吸水剤に種々の機能を付与させることもできる。勿論、斯かる化合物の添加にも本発明の混合機は好適に使用できる。
【0200】
さらに、上述したように、上記各吸水剤は、これらをユーザにおいて最終製品の吸収性物品に加工した後も、その優れた吸収特性を維持できるので、各種の吸収性物品、特に、加圧下における吸収特性を重視される紙オムツや生理用ナプキン、失禁パット等の吸収体を含む衛生材料等の吸収性物品に好適である。
【0201】
尚、特開平8−84927号公報、カナダ特許公開公報第2154425号には、非反応性の水可溶性フィルム形成ポリマーで吸水性ポリマーを被覆させることにより機械的負荷によって磨耗された微粉含有量を低減させることが記載されている。しかしながら、本願によれば、特定の連続押出式混合機を用いることで、上記公報のように樹脂粒子の表面部分を非反応性の水可溶性フィルム形成ポリマー等で被覆する等の工程を必要とせず、フィルム被覆による物性低下もない上、通常の工程によって、機械的ストレスに強く、優れた吸収性能を有する吸水剤を提供することができる。
【0202】
【発明の実施の形態】
〔実施の形態1〕
本発明の実施の一形態について図1〜図5に基づいて説明すれば、以下の通りである。
【0203】
本実施の形態の吸水剤の製造装置の一部を構成する高速攪拌型の連続押出式混合機1は、図1に示すように、例えば水平に固定された固定円筒としてのケーシング2を有している。
【0204】
ケーシング2には、同図において右側に示すように、粉末の吸水性樹脂を投入供給するための材料供給口(第一供給口)3が形成されており、この材料供給口3よりも排出側の位置には架橋剤等の水性液を投入する液供給口(第二供給口)4が設けられている。また、同図において左端側には、排出口5が形成されている。
【0205】
尚、このケーシング2の内面には、前記特開平4−214734号公報に開示されているように、水に対する接触角が60°で熱変形温度が70℃以上の基材が内管として設けられていることが好ましい。
【0206】
即ち、水に対する上記基材の接触角が約60°未満であれば、吸水性樹脂と水性液との混合が不均一になる場合がある。また、熱変形温度が約70℃未満であれば、上記基材は、混合期間中に発生する熱に十分耐えることができない。このため、上記基材が、上記条件を満たしていない場合、安定した混合を継続することができない場合があるので注意を要する。
【0207】
このようなケーシング2の内面の基材を例示すれば、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアミド、フッ素樹脂、ポリ塩化ビニル、エポキシ樹脂及びシリコーン樹脂等の合成樹脂、或いはこの合成樹脂を、ガラス、グラファイト、ブロンズ及びモリブデンジサルファイド等の無機充填剤、又はポリイミド等の有機充填剤で増強してなる前記合成樹脂の複合体が挙げられる。
【0208】
また、上記物質の中でも、ポリエチレンテトラフルオライド、ポリエチレントリフルオライド、ポリエチレントリフルオロクロライド、エチレンテトラフルオライド−エチレンコポリマー、エチレントリフルオロクロライド−エチレンコポリマー、プロピレンペンタフルオライド−エチレンテトラフルオライドコポリマー、パーフルオロアルキルビニルエーテル−エチレンテトラフルオライドコポリマー及びポリフッ化ビニル等のフッ素樹脂が、特に望ましいものである。
【0209】
一方、上記ケーシング2の内部には、駆動モータ8によって回転駆動する回転軸6が設けられており、この回転軸6の周りには、攪拌部材として、複数の攪拌翼7…が設けられている。
【0210】
上記複数の攪拌翼7…は、上記ケーシング2内に供給された吸水性樹脂を分散させる分散領域としての第一領域と、上記第一領域よりも排出口5側に設けられ、かつ、上記分散領域において分散された吸水性樹脂と上記水性液とを混合する混合領域としての第二領域とを形成すべく、上記第一領域における押し出し推力よりも押し出し推力が小さい第二領域を排出口5側に有するように設けられている。
【0211】
本実施の形態において、上記の複数の攪拌翼7…は、それぞれが順次、回転軸6の周りに螺旋状に並び配されていると共に、形状の異なる第一の攪拌翼7a…と第二の攪拌翼7b…とからなっている。本実施の形態において、上記第一領域には第一の攪拌翼7a…が配されている。また、上記第二領域には、第二の攪拌翼7b…が配されると共に、部分的に第一の攪拌翼7a…が配されている。
【0212】
上記第一の攪拌翼7aの形状は、例えば長方形等の板状となっており、これによって、押し出し推力を生じるようになっている。尚、上記第一の攪拌翼7aは、必ずしも長方形等の板状に限らず、例えば、あしひれや蝶等のパドル状の板状とすることが可能であると共に、平板ではなく湾曲面を有する板状であっても良い。さらに、第一の攪拌翼7aは、図1に示すように、その先端縁が直線的である必要はなく、例えば円弧状に形成されていても良く、また、例えばノミ状等の刃先を有したものであっても良い。
【0213】
その他、上記第一の攪拌翼7a…の形状としては、円形や楕円形、三角形の板状、角柱等、押し出し推力を生じる形状であれば、種々変更が可能である。
【0214】
つまり、上記第一の攪拌翼7a…の形状や大きさ、配設密度、配設の仕方、吸水性樹脂押出面7a1 と回転軸6に垂直な平面とのなす角度等は、第一領域において、ケーシング2内に供給された吸水性樹脂に、連続押出式混合機1の内部へと十分な押し出し推力を与え、分散させることができるように設定されてさえいれば、特に限定されるものではない。
【0215】
本実施の形態において、上記連続押出式混合機1は、他の条件との兼合いもあるが、例えば、上記第一の攪拌翼7a…の大きさを部分的に変えることによって、押し出し推力の調整を図っている。また、上記第一の攪拌翼7a…は、回転軸6に対して垂直、かつ、吸水性樹脂押出面7a1 が回転軸6に垂直な平面に対して傾斜するように回転軸6の周りに配されている。
【0216】
一方、上記第二の攪拌翼7bの形状は、例えば円柱状となっている。また、該第二の攪拌翼7bは、回転軸6に対して垂直となるように固定されている。この場合、上記第二領域では、第二の攪拌翼7b…によって押し出し推力は生じず、第一の攪拌翼7a…によってのみ押し出し推力が生じるようになっている。また、僅かではあるが、上記第二の攪拌翼7b…によって、抵抗を受けて押し出し推力が低下する。
【0217】
従って、上記第二領域では、第一領域に比べて吸水性樹脂の押し出し推力が小さくなり、吸水性樹脂の平均速度が低下する。この結果、上記連続押出式混合機1では、図2(a)・(b)に示すように、2種類の攪拌状態によって攪拌が行われる。図2(a)に示すように、上記第一領域では、吸水性樹脂37は、第一の攪拌翼7a…によって排出口5方向への押し出し推力と受けると共に、第一の攪拌翼7a…の回転によって遠心力を受ける。このため、上記吸水性樹脂37は、上記第一領域では、第一の攪拌翼7a…による混合を受けず、分散された状態でケージング2の外壁に沿って回転しながら第二領域に押し出される。
【0218】
一方、図2(b)に示すように、上記第二領域では、押し出し推力が第一領域よりも小さくなり、吸水性樹脂37の平均速度が低下する。このため、吸水性樹脂37は、ケーシング2の底壁に滞留し、第一の攪拌翼7a…および第二の攪拌翼7b…によって、液供給口4から供給され吸水性樹脂37表面に付着した図示しない水性液と混合されながら、上記第一領域から伝えられた押し出し推力および該第二領域に配設された第一の攪拌翼7a…によって生じる押し出し推力によって、排出口5側へと押し出される。
【0219】
本実施の形態において、上記連続押出式混合機1では、上記第二の攪拌翼7bの形状を円柱状としたが、上記第二の攪拌翼7bの形状は、これに限定されるものではない。上記第二の攪拌翼7bの形状は、その配設領域において、上記第一の攪拌翼7a…の配設領域よりも押し出し推力が小さくなるように形成されてさえいればよい。
【0220】
従って、上記第二の攪拌翼7bの形状としては、例えば、押し出し推力を生じない形状であってもよく、第一の攪拌翼7aよりも小さい押し出し推力を生じる形状であってもよい。
【0221】
ここで、押し出し推力を生じない形状としては、具体的には、例えば、円柱状や、円柱状よりも細い棒状、またはピン状等が挙げられる。また、第一の攪拌翼7aよりも小さい押し出し推力を生じる形状としては、第一の攪拌翼7aの形状にもよるが、押し出し推力を生じる形状であって、かつ、第一の攪拌翼7aの面積(吸水性樹脂押出面7a1 の面積)よりも面積が小さくなる形状であればよい。従って、上記第二の攪拌翼7bの形状としては、例えば、第一の攪拌翼7aよりも幅の狭い或いは大きさが小さい板状等であってもよく、第一の攪拌翼7aにスリットや開口部が設けられた形状であってもよい。
【0222】
また、上記第二の攪拌翼7bの先端形状は、図1に示すように必ずしも平面である必要はなく、半球面等の球面状であっても良い。
【0223】
さらに、第一の攪拌翼7a…及び第二の攪拌翼7b…は、下部に取り付けナット等が設けられていても良い。また、攪拌翼7…や回転軸6に混合物が付着するのを防止するために、攪拌翼7…や回転軸6の表面にテフロン樹脂等による皮膜形成、メッキ処理又はテフロン樹脂チューブ等による被覆を施してあることが好ましい。
【0224】
上記連続押出式混合機1においては、円柱状の第二の攪拌翼7b…の配設領域(第二領域)に、部分的に第一の攪拌翼7a…が混在している。これによって、上記連続押出式混合機1は、第二の攪拌翼7b…の配設領域における押し出し推力の調整を図り得るものとなっている。
【0225】
つまり、上記押し出し推力は、例えば、攪拌翼7の形状や、各領域における攪拌翼7…の配設密度、或いは、攪拌翼7…の配置の仕方、吸水性樹脂押出面7a1 と回転軸6に垂直な平行な面とのなす角度等を調整することによって、調整することができる。
【0226】
尚、上記の回転軸6の外周とケーシング2の内壁との距離は、攪拌効率を考慮して設定するのが好ましい。
【0227】
上記板状の第一の攪拌翼7a…は、図1に示すように、ケーシング2内に存在する回転軸6の全長を100%とした場合、回転軸6における上記材料供給口3の端から約35%の長さの部分に設けられている一方、円柱状の第二の攪拌翼7b…は、上記排出口5側の端から約65%の長さの部分に設けられている。
【0228】
これにより、上記第一の攪拌翼7a…は、カルボキシル基を有する吸水性樹脂とこのカルボキシル基と反応し得る架橋剤等を含む水性液とに対して、連続押出式混合機1の内部へと十分な押し出し推力を与える。そして、第二の攪拌翼7b…によって、第一の攪拌翼7a…の配設領域における押し出し推力よりも押し出し推力を小さくすることによって、混合攪拌時間を十分に確保し、十分に混合させることができる。
【0229】
尚、上記各攪拌翼7…の取り付けピッチは、目的とする均一混合状態に合わせて、設定することが好ましい。
【0230】
上記連続押出式混合機1において、粉末の吸水性樹脂を投入するための材料供給口3は、第一領域である第一の攪拌翼7a…の配設領域に形成され、架橋剤を含む水性液を投入するための液供給口4は、第二領域である第二の攪拌翼7b…の配設領域における、第一領域との境界付近に形成されている。
【0231】
即ち、吸水性樹脂と水性液との混合に際しては、できるだけ瞬時に両者が全体的に接触する必要があり、これが不十分であると、いわゆる「ダマ」が生じて混合の均一性が損なわれる。その点、上記連続押出式混合機1は、第一の攪拌翼7a…によって吸水性樹脂の連続押出式混合機1の内部への送り込みを行い、第二の攪拌翼7b…によって瞬時に吸水性樹脂と水性液との高速攪拌混合を行うので、吸水性樹脂と水性液とを十分均一に混合させることができる。
【0232】
上記の構成を有する連続押出式混合機1にて、カルボキシル基を有する吸水性樹脂とこのカルボキシル基と反応し得る架橋剤等を含む水性液とを混合する場合には、駆動モータ8により、回転軸6を例えば約500〜3000rpmの高速で回転させる。
【0233】
そして、この状態で、材料供給口3からカルボキシル基を有する吸水性樹脂を供給する。すると、螺旋状に形成された板状の第一の攪拌翼7a…の押し出し推力にて吸水性樹脂が連続押出式混合機1の内部に移送される。
【0234】
次いで、液供給口4から架橋剤を含有する水性液を注入することにより、押し出し推力の小さい第二の攪拌翼7b…の配設領域にて吸水性樹脂と架橋剤等を含む水性液との混合が十分に行われる。この結果、上記吸水性樹脂と架橋剤等を含む水性液とが均一混合され、やがて排出口5から混合物が自動的に排出される。
【0235】
次いで、この混合物は、例えば、吸水剤の製造装置における図示しない加熱装置より、表面がさらに架橋されて優れた強度特性を有する吸水剤となる。
【0236】
このように、本実施の形態における連続押出式混合機1は、カルボキシル基を有する吸水性樹脂とこのカルボキシル基と反応し得る架橋剤等を含む水性液とを均一に混合すべく、固定のケーシング2の内部における回転軸6の周りに複数の攪拌翼7…を設けた構造を有しており、これら攪拌翼7…は、形状の異なる2種類以上のものからなっている。
【0237】
即ち、従来の連続押出式混合機の攪拌翼は、同一形状の複数の攪拌翼が、等間隔かつその翼面の向きが同一となるように、回転軸の周りに複数配設されたものからなっており、攪拌が不均一で混合が十分ではなかった。
【0238】
しかし、本実施の形態においては、攪拌翼7…は、形状の異なる2種類以上のものからなっているので、混合が2種以上の攪拌状態によって行われる。この結果、カルボキシル基を有する吸水性樹脂とこのカルボキシル基と反応し得る架橋剤等を含む水性液との混合が効率よく行われ、「ダマ」を生成することなく、均一な混合を行うことができる。このため、最終製品中において、その使用方法を選ばず、常に優れた特性を発揮することのできる吸水剤及びその製造装置を提供することができる。
【0239】
また、複数の攪拌翼7…は、順次、螺旋状に並び配されているので、押し出し推力が十分に確保できると共に、吸水性樹脂等を円滑に押し出すことができる。
【0240】
さらに、本実施の形態における連続押出式混合機1における回転軸6の周りには、吸水性樹脂に押し出し推力を与える複数の第一の攪拌翼7a…と、これら第一の攪拌翼7a…の排出側に、これら第一の攪拌翼7a…の配設領域における押し出し推力よりも押し出し推力が小さくなる領域を形成する第二の攪拌翼7b…とが配されている。
【0241】
従って、上記連続押出式混合機1は、第一の攪拌翼7a…により、カルボキシル基を有する吸水性樹脂とこのカルボキシル基と反応し得る架橋剤等を含む水性液とに対して、連続押出式混合機1の内部へと十分な押し出し推力を与え、次いで、第二の攪拌翼7b…によって、第一の攪拌翼7a…の配設領域における押し出し推力よりもよりも押し出し推力を小さくすることによって、混合攪拌時間を十分に確保し、十分に混合させることができる。したがって、吸水性樹脂と水性液とが十分均一に混合した状態で反応させることができる。
【0242】
また、上記の第一の攪拌翼7a…は板状に形成されているので、押し出し推力を生じる形状として好ましい。さらに、第二の攪拌翼7b…は円柱状に形成されているので、第二の攪拌翼7b…の配設領域である第二領域における押し出し推力を第一の攪拌翼7a…の配設領域である第一領域における押し出し推力よりも小さくし、混合攪拌を十分に確保する形状として好ましい。
【0243】
さらに、上記連続押出式混合機1におけるケーシング2の内面は、実質的に、水に対する接触角が約60°以上で約70℃以上の熱変形温度を有する基材から形成されている。
【0244】
即ち、水に対する基材の接触角が約60°未満であれば、吸水性樹脂と水性液との混合が不均一になる場合があり、熱変形温度が約70℃未満であれば、基材は、混合期間中に発生する熱に十分耐えることができず、そのため安定した混合を継続することができない場合があるが、本実施の形態ではそれを回避することができる。
【0245】
また、連続押出式混合機1は、カルボキシル基を有する吸水性樹脂の粉末が第一の攪拌翼7a…の配設領域に供給投入され、このカルボキシル基と反応し得る架橋剤を含む水性液が第二の攪拌翼7b…の配設領域に供給投入されるように形成されている。
【0246】
従って、上記連続押出式混合機1は、第一の攪拌翼7a…によって吸水性樹脂の連続押出式混合機1の内部への送り込みを行い、次いで、第二の攪拌翼7b…の配設領域に水性液を供給投入することによって、第二の攪拌翼7b…にて瞬時に吸水性樹脂と水性液との高速攪拌混合を行う。これにより、上記連続押出式混合機1は、吸水性樹脂と水性液とを十分均一に混合させることができる。
【0247】
尚、本実施の形態における攪拌翼7…は、2種類の形状の第一の攪拌翼7a…及び第二の攪拌翼7b…となっているが、必ずしもこれに限らず、例えば、さらに異なる種類の形状の攪拌翼7…を設けることが可能であり、これよって、攪拌効率をさらに向上させることができる。
【0248】
また、上記連続押出式混合機1では、カルボキシル基と反応し得る架橋剤を含む水性液が第二の攪拌翼7b…の配設領域に供給投入されるように形成されている構成としたが、上記水性液の供給投入は、第一領域と第二領域との境界において行われることがより好ましい。このためには、上記液供給口4は、図3の連続押出式混合機51に示すように、第一の攪拌翼7a…の配設領域と第二の攪拌翼7b…の配設領域との境界域に設けられている構成とすればよい。
【0249】
上記液供給口4が第一の攪拌翼7a…の配設領域と第二の攪拌翼7b…の配設領域との境界域に設けられていることで、上記第一の攪拌翼7a…にて分散された吸水性樹脂に水性液を均一に付着させ、この吸水性樹脂に付着した水性液が吸水性樹脂に吸収される前に、吸水性樹脂と水性液とをより素早く均一に混合することができる。従って、カルボキシル基を有する吸水性樹脂とこのカルボキシル基と反応し得る架橋剤等を含む水性液との混合がさらに効率よく行われ、「ダマ」を生成することなく、均一な混合が行える。このため、上記液供給口4が第一の攪拌翼7a…の配設領域と第二の攪拌翼7b…の配設領域との境界域に設けられていることで、最終製品中において、その使用方法を選ばず、常に優れた特性を発揮することのできる吸水剤をより安定して製造することができる。
【0250】
また、前記連続押出式混合機1では排出口5がケーシング2の底壁に形成されている構成としたが、上記排出口5の形成位置は、必ずしもケーシング2の底壁に限定されるものではなく、例えば、図3の連続押出式混合機51に示すように、ケーシング2における吸水性樹脂排出方向端面としてもよい。
【0251】
さらに、上記ケーシング2の形状、つまり、連続押出式混合機の形状も、特に限定されるものではなく、図4および図5に示すように、種々の形状とすることができる。例えば、図4に示す連続押出式混合機52は、傾斜して設けられたケーシング2の天壁に材料供給口3が設けられ、底壁に排出口5が設けられた構成である。従って、上記連続押出式混合機52では、押し出し推力に重力が加わるような構成となっている。逆に、図5に示す連続押出式混合機53は、図中、右側に示す材料供給口3から供給された吸水性樹脂を、重力に逆らって押し上げながら押し出す構成となっている。また、上記連続押出式混合機52および連続押出式混合機53は、何れも、ケーシング2が傾斜して設けられていることから、狭いスペースで、攪拌路の長さ(ケーシング2の長さ)を確保することができる。或いは、同一のスペースにおいて、攪拌路をより長く設定することができる。このように、本発明において、上記連続押出式混合機の形状は特に限定されない。上記連続押出式混合機としては、例えば、用いる吸水性樹脂の種類や使用量、用途等に応じて、最適な形状のものを選択すればよい。
【0252】
以上のように、本発明によれば、カルボキシル基を有する吸水性樹脂と、このカルボキシル基と反応し得る架橋剤等を含む水性液とを均一に混合することができる。従って、本発明によれば、上記吸水性樹脂の表面近傍を適度な深さで均一に架橋させることができ、優れた吸収性能を持ち、かつ機械的ストレスに強い吸水剤を得ることができる。
【0253】
さらに、発明によれば、製造プラントにおける搬送や、ユーザにおける加工等で加わる機械的ストレスを受けてもその吸水特性を殆ど低下させず、最終製品中においてその優れた吸収性能を維持する吸水剤を提供することができるという効果を奏する。
【0254】
また、本発明の吸水剤の製造方法及び吸水剤の製造装置を用いれば、連続押出式混合機における複数の攪拌翼の諸構成により、カルボキシル基を有する吸水性樹脂とこのカルボキシル基と反応し得る架橋剤等を含む水性液との混合反応が効率よく行われ、均一混合を確保することができるという効果を奏する。
【0255】
〔実施の形態2〕
本発明の実施の一形態について図6に基づいて説明すれば、以下の通りである。本実施の形態では、主に、上記実施の形態1との相違点について説明する。尚、説明の便宜上、上記実施の形態1と同一の機能を有する構成要素には同一の番号を付し、その説明を省略する。
【0256】
本実施の形態の吸水剤の製造装置の一部を構成する高速攪拌型の連続押出式混合機54は、図6に示すように、例えば水平に固定された固定円筒としてのケーシング2を有している。
【0257】
ケーシング2には、同図において右側に示すように、粉末の吸水性樹脂を投入供給するための材料供給口3が形成されており、この材料供給口3よりも排出側の位置には架橋剤等の水性液を投入する液供給口4が設けられている。また、同図において左端側には、排出口5が形成されている。
【0258】
そして、本実施の形態における連続押出式混合機54は、カルボキシル基を有する吸水性樹脂とこのカルボキシル基と反応し得る架橋剤等を含む水性液とを均一に混合すべく、ケーシング2の内部における回転軸6の周りに、攪拌部材として複数の攪拌翼7…を設けた構造を有しており、これら攪拌翼7…は、形状の異なる2種類以上のものからなっている。
【0259】
本実施の形態において、上記連続押出式混合機54には、ケーシング2内に存在する回転軸6の全長を100%とした場合、回転軸6の上記材料供給口3の端から約25%の長さの部分と排出口5側の端から約25%の長さの部分とにパドル状の第一の攪拌翼7a…が設けられていると共に、上記以外の中央部に、先端が半球の円柱状の第二の攪拌翼7b…が設けられている。
【0260】
そして、上記連続押出式混合機54は、このように、材料供給口3側から順に、第一の攪拌翼7a…、第二の攪拌翼7b…、第一の攪拌翼7a…が、回転軸6の周りに螺旋状に並び配されることによって、材料供給口3側から順に、第一領域、第二領域、および混合物押し出し領域としての第三領域を形成している。
【0261】
また、上記連続押出式混合機54において、排出口5は、ケーシング2における上記材料供給口3形成側とは反対側の底壁に設けられている。
【0262】
また、上記連続押出式混合機54において、上記第一の攪拌翼7a…及び第二の攪拌翼7b…は、下部に取り付けナットが設けられ、この取り付けナットにより、回転軸6に固定されている。
【0263】
そして、上記第一の攪拌翼7a…は、回転軸6に対して垂直、かつ、吸水性樹脂押出面7a1 が回転軸6に垂直な平面に対して傾斜するように回転軸6の周りに固定され、これにより、吸水性樹脂に押し出し推力を与えている。
【0264】
上記連続押出式混合機51では、他の条件との兼合いもあるが、例えば、上記第一の攪拌翼7a…の吸水性樹脂押出面7a1 と回転軸6に垂直な面とのなす角度や、その配設密度を部分的に変えることによって、押し出し推力の調整を図っている。
【0265】
また、上記連続押出式混合機54では、上記第二の攪拌翼7b…の形状が円柱状に形成されていると共に、該第二の攪拌翼7bが、回転軸6に対して垂直となるように固定されている。従って、上記第二領域では、第二の攪拌翼7b…によって押し出し推力が生じていないことから、第一領域に配設された第一の攪拌翼7a…の押し出し推力のみで吸水性樹脂が押し出される。また、僅かではあるが、上記第二の攪拌翼7b…によって抵抗を受けて押し出し推力が低下する。このため、上記第二領域において、押し出し推力は、排出口5側ほど小さくなる。
【0266】
このように、上記第二の攪拌翼7b…は、上記第一の攪拌翼7a…の排出側に、上記第一の攪拌翼7a…の配設領域である第一領域における押し出し推力よりも押し出し推力が小さくなる第二領域を形成している。
【0267】
従って、上記連続押出式混合機51でも、上記第二の攪拌翼7b…の配設領域(第二領域)では、上記第一の攪拌翼7b…の配設領域(第一領域)における押し出し推力よりも押し出し推力が小さくなり、吸水性樹脂の平均速度が低下する。この結果、上記第二の攪拌翼7b…の配設領域において吸水性樹脂が滞留し、上記第二の攪拌翼7b…によって上記吸水性樹脂と水性液とが均一に混合される。
【0268】
また、上記連続押出式混合機54でも、粉末の吸水性樹脂を投入するための材料供給口3は、第一領域である第一の攪拌翼7a…の配設領域に形成され、架橋剤を含む水性液を投入するための液供給口4は、第二領域である第二の攪拌翼7b…の配設領域に形成されている。これにより、上記連続押出式混合機54においても、吸水性樹脂と水性液とが瞬時に全体的に接触し、「ダマ」のない混合物を得ることができる。
【0269】
そして、上記連続押出式混合機54には、混合物押し出し領域(第三領域)として、上記第二の攪拌翼7b…の排出側に、さらに複数の第一の攪拌翼7a…が設けられている。これにより、上記連続押出式混合機54は、水性液と均一混合された吸水性樹脂(混合物)を、該連続押出式混合機54の外に効率良く押し出すようになっている。
【0270】
上記連続押出式混合機54において、第一領域と第三領域とでは、同一形状の第一の攪拌翼7a…を用いている。しかしながら、上記第三領域では、第一の攪拌翼7aを、その翼面の向きが第一領域に配設された第一の攪拌翼7aの翼面の向きとは異なるように配置している。つまり、上記各領域に配設された第一の攪拌翼7a…は、各々、排出口5の位置に応じて、その押し出し推力の向きを調整している。
【0271】
従って、上記連続押出式混合機54では、排出口5がケーシング2の底壁に設けられている構成としたため、上記第一領域と第三領域とで第一の攪拌翼7aの翼面の向きを変えたが、例えば、排出口5がケーシング2における吸水性樹脂排出方向端面に設けられている場合には、上記第一領域と第三領域とで押し出し推力の向きが同一となるように設定すればよい。
【0272】
このように、上記連続押出式混合機54では、上記第二の攪拌翼7b…の排出側にパドル状の第一の攪拌翼7a…を設けることによって、排出口5付近における押し出し推力が大きくなり、混合の排出が好適に行われる。
【0273】
〔実施の形態3〕
本発明の実施の一形態について図7および図8に基づいて説明すれば、以下の通りである。本実施の形態では、主に、前記実施の形態1および2との相違点について説明する。尚、説明の便宜上、上記実施の形態1と同一の機能を有する構成要素には同一の番号を付し、その説明を省略する。
【0274】
本実施の形態の吸水剤の製造装置の一部を構成する高速攪拌型の連続押出式混合機55は、図7に示すように、例えば水平に固定された固定円筒としてのケーシング2を有している。
【0275】
ケーシング2には、同図において右側に示すように、粉末の吸水性樹脂を投入供給するための材料供給口3が形成されており、この材料供給口3よりも排出側の位置には架橋剤等の水性液を投入する液供給口4が設けられている。また、同図において左端側には、排出口5が形成されている。
【0276】
そして、本実施の形態における連続押出式混合機55は、カルボキシル基を有する吸水性樹脂とこのカルボキシル基と反応し得る架橋剤等を含む水性液とを均一に混合すべく、ケーシング2の内部における回転軸6の周りに、攪拌部材として複数の攪拌翼7…を設けた構造を有しており、これら攪拌翼7…は、同一の形状を有する1種類のものからなっている。
【0277】
本実施の形態において、上記連続押出式混合機55には、ケーシング2内に設けられた回転軸6の周りに、パドル状の第一の攪拌翼7a…が、部分的に配設密度を異にして設けられている。
【0278】
つまり、上記連続押出式混合機55において、第一の攪拌翼7a…は、ケーシング2内に存在する回転軸6の全長を100%とした場合、例えば回転軸6の上記材料供給口3の端から約25%の長さの部分と排出口5側の端から約25%の長さの部分とでは配設密度が高く、上記以外の中央部で配設密度が低くなるように設けられている。
【0279】
そして、上記連続押出式混合機55は、このように、材料供給口3側から順に、第一の攪拌翼7a…が、その配設密度が密、粗、密となるように回転軸6の周りに螺旋状に並び配されることによって、材料供給口3側から順に、第一領域、第二領域、および混合物押し出し領域としての第三領域を形成している。
【0280】
また、上記連続押出式混合機55において、排出口5は、ケーシング2における上記材料供給口3形成側とは反対側の底壁に設けられている。
【0281】
また、上記連続押出式混合機55において、上記第一の攪拌翼7a…は、下部に取り付けナットが設けられ、この取り付けナットにより、回転軸6に固定されている。
【0282】
そして、上記第一領域および第二領域に配設された第一の攪拌翼7a…は、回転軸6に対して垂直、かつ、吸水性樹脂押出面7a1 が回転軸6に垂直な平面に対して傾斜するように回転軸6の周りに固定され、これにより、吸水性樹脂に押し出し推力を与えている。
【0283】
本実施の形態において、上記連続押出式混合機55は、上記第一領域と第二領域とで同一形状の攪拌翼7を用いていると共に、その翼面の向き(例えば吸水性樹脂押出面7a1 の向き)も同じである。本実施の形態にかかる上記連続押出式混合機55において、上記第一領域および第二領域に配された各第一の攪拌翼7aの吸水性樹脂押出面7a1 と回転軸6に垂直な平面とのなす角度は、各々等しく45°に設定されている。
【0284】
しかしながら、上記連続押出式混合機55では、上記第二領域(前記中央部)における第一の攪拌翼7a…の配設密度が、上記第一領域(前記回転軸6における上記材料供給口3の端から約25%の長さの部分)における配設密度よりも低いことから、上記第二領域における押し出し推力は、上記第一領域における押し出し推力よりも小さくなる。
【0285】
従って、本実施の形態でも、上記第二領域における吸水性樹脂の平均速度は上記第一領域における吸水性樹脂の平均速度よりも低下し、この結果、上記第二領域において、吸水性樹脂と水性液との混合がなされる。
【0286】
但し、本実施の形態において、上記連続押出式混合機55では、上記第一領域および第二領域における押し出し推力を、上記第一の攪拌翼7a…の配設密度のみにて調整している。このため、上記第一領域から第二領域に移行する際の押し出し推力の変化並びに第一領域と第二領域との押し出し推力の大きさの差は、前記実施の形態1および実施の形態2と比べて小さくなる。
【0287】
本発明において、より均一な混合を行うためには、第一領域から第二領域に移行する際に、押し出し推力がなだらかに変化するよりも、できるだけ大きく変化する方が好ましい。
【0288】
従って、より均一な混合を行うためには、例えば、上記第一領域と第二領域とで、第一の攪拌翼7aの吸水性樹脂押出面7a1 と回転軸6に垂直な平面とのなす角度等を変えることにより、上記押し出し推力の差をさらに大きくすることが好ましい。
【0289】
この場合、例えば、図8の連続押出式混合機55’に示すように、第二領域において、攪拌翼7を、その翼面が回転軸6の軸方向に平行となるように配設したり、例えば吸水性樹脂押出面7a1 が第一領域と反対方向を向くように配設することで、上記押し出し推力の差をさらに大きくすることができる。
【0290】
つまり、上記攪拌翼7が、その翼面が回転軸6の軸方向に平行となるように配設されている場合、該攪拌翼7(第一の攪拌翼7a)による押し出し推力は生じない。また、上記攪拌翼7が、例えば吸水性樹脂押出面7a1 が第一領域と反対方向を向くように配設されている場合、該攪拌翼7(第一の攪拌翼7a)によって、第一領域とは逆向きに推力が生じることになる。
【0291】
尚、上記各領域における攪拌翼7の翼面の向き、特に上記第二領域における翼面の向きは、必ずしも同一である必要はない。例えば、上記第二領域における攪拌翼7…の翼面の向き(吸水性樹脂押出面7a1 …と回転軸6に垂直な平面とのなす角度)は、図8の連続押出式混合機55’に示すように、第一領域における推力の大きさに応じて、上記第一領域よりも押し出し推力が小さくなると共に、吸水性樹脂が排出口5方向に排出されるように押し出し推力が働く範囲内において、各々別個に設定することができる。
【0292】
また、上記連続押出式混合機55・55’においても、上記図7および図8に示すように、上記第二領域の排出側に、第一の攪拌翼7a…の配設密度が高い領域である第三領域(混合物押し出し領域)を形成することによって、排出口5付近の押し出し推力が大きくなり、混合物の排出が好適に行われる。
【0293】
〔実施の形態4〕
本発明の実施の一形態について図9に基づいて説明すれば、以下の通りである。本実施の形態では、主に、前記実施の形態1との相違点について説明する。尚、説明の便宜上、上記実施の形態1と同一の機能を有する構成要素には同一の番号を付し、その説明を省略する。
【0294】
本実施の形態の吸水剤の製造装置の一部を構成する高速攪拌型の連続押出式混合機56は、図9に示すように、例えば水平に固定された固定円筒としてのケーシング2を有している。
【0295】
ケーシング2には、同図において右側に示すように、粉末の吸水性樹脂を投入供給するための材料供給口3が形成されており、この材料供給口3よりも排出側の位置には架橋剤等の水性液を投入する液供給口4が設けられている。また、同図において左端側には、排出口5が形成されている。
【0296】
そして、本実施の形態における連続押出式混合機56は、カルボキシル基を有する吸水性樹脂とこのカルボキシル基と反応し得る架橋剤等を含む水性液とを均一に混合すべく、ケーシング2の内部における回転軸6の周りに、攪拌翼として、複数の攪拌翼7…を設けた構造を有しており、これら攪拌翼7…は、形状の異なる2種類以上のものからなっている。
【0297】
本実施の形態において、上記連続押出式混合機56には、ケーシング2内に設けられた回転軸6の周りに、長方形の板状の第一の攪拌翼7a…が、部分的に配設密度を異にすると共に、その形状(大きさ)を異にして二重螺旋状に並び配されている。
【0298】
上記連続押出式混合機56において、例えば、回転軸6における材料供給口3の端から約35%の長さの部分(第一領域)には、実施の形態1と同様の第一の攪拌翼7a…が、二条ねじのように、リードがピッチの2倍になると共に、配設密度が高い状態で配設されている。一方、回転軸6における排出口5側の端から約65%の長さの部分(第二領域)には、長方形の細い板状に形成された第一の攪拌翼7a…が、上記第一領域よりもその配設密度が低くなるように配設されている。
【0299】
上記連続押出式混合機56において、上記第一領域における第一の攪拌翼7a…の平均速度は、前記連続押出式混合機1の第一領域における第一の攪拌翼7a…の平均速度よりも速くなるように設定されている。つまり、上記連続押出式混合機56では、上記第一の攪拌翼7a…が、リードがピッチの2倍になるように配置されているため、例えば、図9において、A地点の吸水性樹脂は、回転軸6が一回転すると、B地点に移動する。
【0300】
そして、上記第一領域および第二領域に配された第一の攪拌翼7a…は、回転軸6に対して垂直、かつ、吸水性樹脂押出面7a1 が回転軸6に垂直な平面に対して傾斜するように回転軸6の周りに固定され、これにより、吸水性樹脂に押し出し推力を与えている。但し、上記第一領域および第二領域に配された各第一の攪拌翼7aの吸水性樹脂押出面7a1 と回転軸に垂直な平面とのなす角度は各々等しい。
【0301】
本実施の形態では、上記実施の形態3同様、第一領域においても第二領域においても押し出し推力が生じている。しかしながら、上記連続押出式混合機56では、上記第一領域と第二領域とにおける第一の攪拌翼7a…の配設密度や形状の違いから、上記第一領域と第二領域との押し出し推力の差は、実施の形態3における連続押出式混合機55よりも大きくなる。
【0302】
そして、本実施の形態においても、上記第二領域では、上記第一領域における押し出し推力よりも押し出し推力が小さくなり、吸水性樹脂の平均速度が低下する。この結果、上記第二領域において吸水性樹脂が滞留し、上記第二領域に配設された第一の攪拌翼7a…によって、上記吸水性樹脂と水性液とが均一に混合される。
【0303】
〔実施の形態5〕
本発明の実施の一形態について図10に基づいて説明すれば、以下の通りである。本実施の形態では、主に、前記実施の形態1および実施の形態2との相違点について説明する。尚、説明の便宜上、上記実施の形態1と同一の機能を有する構成要素には同一の番号を付し、その説明を省略する。
【0304】
本実施の形態の吸水剤の製造装置の一部を構成する高速攪拌型の連続押出式混合機57は、図10に示すように、例えば水平に固定された固定円筒としてのケーシング2を有している。
【0305】
ケーシング2には、同図において右側に示すように、粉末の吸水性樹脂を投入供給するための材料供給口3が形成されており、この材料供給口3よりも排出側の位置には架橋剤等の水性液を投入する液供給口4が設けられている。また、同図において左端側には、排出口5が形成されている。
【0306】
そして、本実施の形態における連続押出式混合機57は、カルボキシル基を有する吸水性樹脂とこのカルボキシル基と反応し得る架橋剤等を含む水性液とを均一に混合すべく、ケーシング2の内部における回転軸6の周りに、攪拌部材として、1枚のねじ翼状の攪拌翼7が設けられた構造を有している。
【0307】
本実施の形態において、上記攪拌翼7における、第二領域となる部分の翼面には、開口部9…が設けられている。本実施の形態では、例えば、ケーシング2内に存在する回転軸6の全長を100%とした場合、回転軸6の上記材料供給口3の端から約25%の長さの部分を第一領域とし、回転軸6の上記排出口5側の端から約25%の長さの部分を第三領域とし、上記第一領域と第二領域との間の中央部を第二領域とする。
【0308】
上記連続押出式混合機57では、他の条件との兼合いもあるが、例えば、上記攪拌翼7に開口部9…を設けることによって押し出し推力の調整を図っている。つまり、上記連続押出式混合機57では、上記攪拌翼7は、上記第二領域において、第一領域において生じる押し出し推力よりも小さな押し出し推力を生じる形状に形成されている。
【0309】
従って、上記連続押出式混合機57でも、上記第二領域では、上記第一領域における押し出し推力よりも押し出し推力が小さくなり、吸水性樹脂の平均速度が低下する。この結果、上記第二領域において吸水性樹脂が滞留し、上記第二領域における攪拌翼7によって吸水性樹脂と水性液とが均一に混合される。
【0310】
そして、上記攪拌翼7には、混合物押し出し領域(第三領域)として、上記第二領域の排出側に、開口部のない部分が設けられている。これにより、上記連続押出式混合機57では、排出口5付近の押し出し推力が大きくなり、混合物の排出が好適に行われる。
【0311】
【実施例】
以下、実施例および比較例により、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。尚、吸水剤の諸性能は、以下の方法で測定した。
【0312】
(a)無加圧下吸収倍率
吸水剤0.2gを不織布製の袋(60mm×60mm)に均一に入れ、0.9重量%塩化ナトリウム水溶液(生理食塩水)中に浸漬した。60分後に袋を引上げ、遠心分離機を用いて250Gにて3分間水切りを行った後、袋の重量W1 (g)を測定した。また、同様の操作を吸水剤を用いないで行い、その時の重量W0 (g)を測定した。そして、これらW1 ・W0 から、次式、
無加圧下吸収倍率(g/g)
=(重量W1 (g)−重量W0 (g))/吸水剤の重量(g)
に従って、無加圧下での吸収倍率(g/g)を算出した。
【0313】
尚、吸水性樹脂、吸水性樹脂混合物、吸水性樹脂造粒物についても、吸水剤を用いた場合と同様の方法により無加圧下での吸収倍率(g/g)を算出した。
【0314】
(b)高加圧下吸収倍率
まず、加圧下の吸収倍率の測定に用いる測定装置について、図15に基づいて説明する。
【0315】
図15に示すように、測定装置は、天秤21と、この天秤21上に載置された所定容量の容器22と、外気吸入パイプシート23と、導管24と、ガラスフィルタ26と、このガラスフィルタ26上に載置された測定部25とからなってる。
【0316】
上記の容器22は、その頂部に開口部22aを、その側面部に開口部22bをそれぞれ有している。容器22の開口部22aには外気吸入パイプ23が嵌入される一方、開口部22bには導管24が取り付けられている。
【0317】
また、容器22には、所定量の生理食塩水32が入っている。外気吸入パイプ23の下端部は、生理食塩水32中に没している。外気吸入パイプ23は、容器22内の圧力をほぼ大気圧に保つために設けられている。上記のガラスフィルタ26は、直径55mmに形成されている。そして、容器22及びガラスフィルタ26は、シリコーン樹脂からなる導管24によって互いに連通している。また、ガラスフィルタ26は、容器22に対する位置及び高さが固定されている。
【0318】
上記の測定部25は、濾紙27と、支持円筒28と、この支持円筒28の底部に貼着された金網29と、おもり30とを有している。そして、測定部25は、ガラスフィルタ26上に濾紙27、底部に金網29を有する支持円筒28がこの順に載置されると共に、支持円筒9内部、つまり金網10上におもり30が載置されてなっている。金網29は、ステンレスからなり、400メッシュ(目開き38μm)に形成されている。また、金網29の上面、つまり金網29と吸水剤31との接触面の高さは、外気吸入パイプ23の下端面23aの高さと等しくなるように設定されている。そして、金網29上に、所定量及び所定粒径の吸水剤が均一に散布されるようになっている。おもり30は、金網29上の吸水剤31に対して、50g/cm2 の荷重を均一に加えることができるように、その重量が調整されている。
【0319】
上記構成の測定装置を用いて、吸水剤31の高加圧下での吸収倍率を測定した。測定方法について以下に説明する。
【0320】
まず、容器22に所定量の生理食塩水32を入れ、外気吸入パイプ23を嵌入する等の所定の準備動作を行う。次に、ガラスフィルタ26上に濾紙27を載置すると共に、この載置動作に平行して、支持円筒28内部、つまり金網29上に、吸水剤0.9gを均一に散布し、この吸水剤31上におもり30を載置する。
【0321】
次いで、濾紙27上に、吸水剤31及びおもり30を載置した上記支持円筒28の金網29を、その中心部がガラスフィルタ26の中心部に一致するように載置する。
【0322】
そして、濾紙27上に支持円筒28を載置した時点から、60分にわたって経時的に、該吸水剤31が吸水した生理食塩水32の重量を天秤21の測定値から求める。
【0323】
また、同様の操作を吸水剤31を用いないで行い、ブランク重量、すなわち、吸水剤31以外の例えば濾紙27等が吸水した生理食塩水32の重量を、天秤21の測定値から求め、ブランク値とした。次いで、ブランク値を差し引く補正を行って、吸水剤31が実際に吸水した生理食塩水32の重量を、吸水剤31の重量(0.9g)で除して、高加圧下での吸収倍率(g/g)を算出した。
(c)吸収速度
内径約60mmのガラス製シャーレに、吸水剤1.000gを散布した。次いで、上記シャーレに、中央部より、温度25℃に設定された20.00gの0.4重量%食塩水を一気に静注し、上記吸水剤が上記食塩水を全て吸収する(目視)までの秒数を測定した。尚、この時間が短い程、高吸収速度であることを示す。
【0324】
〔実施例1〕
カルボキシル基を有する吸水性樹脂の製造に際して、単量体成分としてのアクリル酸ナトリウム(中和率75モル%)の33重量%水溶液5500部に、内部架橋剤としてのポリエチレングリコールジアクリレート(n=8)2.9部を溶解させて反応液とした。次に、この反応液を窒素ガス雰囲気下で、30分間脱気した。
【0325】
次いで、シグマ型羽根を2本有するジャケット付きステンレス製双碗型ニーダーに蓋を付けた反応器に上記反応液を供給し、反応液を30℃に保ちながら上記反応器内を窒素ガス置換した。続いて、反応液を攪拌しながら、重合開始剤としての過硫酸アンモニウム2.4部、及び重合開始剤の分解を促進する還元剤としてのL−アスコルビン酸0.12部を添加したところ、凡そ1分後に重合が開始した。そして、30℃〜80℃で重合を行い、重合を開始して60分後に含水ゲル状重合体を取り出した。
【0326】
得られた含水ゲル状重合体を50メッシュ(目開き300μm)の金網上に広げ、150℃で90分間熱風乾燥した。次いで、乾燥物を振動ミルを用いて粉砕し、さらに20メッシュの金網(目開き850μm)で分級することにより平均粒径が400μmで、粒径が150μm未満の粒子の割合が12重量%の不定型破砕状の吸水性樹脂を得た。
【0327】
次いで、上記の吸水性樹脂100重量部に対し、エチレングリコールジグリシジルエーテル0.1重量部、水4重量部と、イソプロピルアルコール1重量部とからなる着色した表面架橋剤を、図1に示す連続押出式混合機1、即ち、ケーシング2内に存在する回転軸6の全長を100%とした場合、回転軸6における上記材料供給口3の端から約35%の長さの部分に設けられた板状の第一の攪拌翼7a…と、排出口5側の端から約65%の長さの部分に設けられた円柱状の第二の攪拌翼7b…を有する高速攪拌混合機に投入し、連続的に混合反応させた。
【0328】
得られた混合物の着色は均一であり、また、この混合物を20メッシュ金網に通過させたところ、通過しない塊は0.2%であった。
【0329】
その後、上記の混合物を195℃で40分間加熱処理することにより、NO.1吸水剤を得た。上記NO.1吸水剤の無加圧下および高加圧下での吸収倍率を測定した。上記測定結果を表1に示す。
【0330】
〔実施例2〕
上記実施例1と同じ吸水性樹脂100重量部に対し、第一表面架橋部としてのグリセリン0.5重量部、第二表面架橋部としてのエチレングリコールジグリシジルエーテル0.1重量部、水3重量部と、エチルアルコール1重量部とからなる着色した表面架橋剤を、上記実施例1で用いたものと同じ連続押出式混合機1を用いて、連続的に混合した。
【0331】
得られた混合物の着色は均一であり、また、この混合物を20メッシュ金網に通過させたところ、通過しない塊は0%であった。
【0332】
その後、上記の混合物を195℃で40分間加熱処理することにより、NO.2吸水剤を得た。上記NO.2吸水剤の無加圧下および高加圧下での吸収倍率を測定した。上記測定結果を表1に示す。
【0333】
〔実施例3〕
上記実施例1及び実施例2と同じ吸水性樹脂100重量部に対し、第一表面架橋部としてのグリセリン0.5重量部、第二表面架橋部としてのエチレングリコールジグリシジルエーテル0.1重量部、水3重量部と、エチルアルコール1重量部とからなる着色した表面架橋剤を、図6に示す連続押出式混合機54、即ち、回転軸6の全長を100%とした場合、回転軸6における、材料供給口3の端から約25%の長さの部分と、排出口5側の端から約25%の長さの部分にパドル状の第一の攪拌翼7a…を有し、上記以外の中央部には、先端が半球の円柱状の第二の攪拌翼7b…を有する高速攪拌混合機を用いて連続的に混合した。
【0334】
得られた混合物の着色は均一であり、また、この混合物を20メッシュ金網に通過させたところ、通過しない塊は0.5%であった。
【0335】
その後、上記の混合物を195℃で40分間加熱処理することにより、NO.3吸水剤を得た。上記NO.3吸水剤の無加圧下および高加圧下での吸収倍率を測定した。上記測定結果を表1に示す。
【0336】
〔実施例4〕
上記実施例1〜実施例3と同じ吸水性樹脂100重量部に対し、エチレングリコールジグリシジルエーテル0.1重量部、水4重量部と、イソプロピルアルコール1重量部とからなる着色した表面架橋剤を、図7に示す連続押出式混合機55を用いて連続的に高速攪拌混合した。
【0337】
得られた混合物の着色は不均一であり、着色度合いの高い「ダマ」が目視で観察された。また、この混合物を20メッシュ金網に通過させたところ、通過しない塊が7.3%存在した。
【0338】
その後、上記の混合物を、実施例1〜実施例3と同様に、195℃で40分間加熱処理することにより、NO.4吸水剤を得た。上記NO.4吸水剤の無加圧下および高加圧下での吸収倍率を測定した。上記測定結果を表1に示す。
【0339】
〔実施例5〕
上記実施例1〜実施例3と同じ吸水性樹脂100重量部に対し、第一表面架橋部としてのグリセリン0.5重量部、第二表面架橋部としてのエチレングリコールジグリシジルエーテル0.1重量部、水3重量部と、エチルアルコール1重量部とからなる着色した表面架橋剤を、図7に示す連続押出式混合機55を用いて連続的に混合した。
【0340】
得られた混合物の着色は不均一であり、着色度合いの高い「ダマ」が目視で観察された。また、この混合物を20メッシュ金網に通過させたところ、通過しない塊が5.4%存在した。
【0341】
その後、上記の混合物を195℃で40分間加熱処理することにより、NO.5吸水剤を得た。上記NO.5吸水剤の無加圧下および高加圧下での吸収倍率を測定した。上記測定結果を表1に示す。
【0342】
【表1】
【0343】
表1の結果から、実施例1〜実施例3に示すように、2種類以上の形状の攪拌翼7…を備えた連続押出式混合機1・54にて吸水性樹脂と架橋剤とを混合、反応させた場合には、実施例4及び実施例5に示すように、1種類(同一形状)の攪拌翼7…を備え、その配設密度を変更することで押し出し推力を調整する連続押出式混合機55にて混合、反応させた場合と比べて、高加圧下における吸収倍率により優れた吸水剤を得ることができることが判る。従って、連続押出式混合機1・54にて混合攪拌することにより、高加圧下においてさらに高い吸収倍率を示す吸水剤が得られることが判明した。
【0344】
〔実施例6〕
実施例1で得られたNO.1吸水剤に対して、前述の方法により衝撃力(A)を与えてNO.6吸水剤を得た。また、このNO.6吸水剤に対して、衝撃付与前後の高加圧下の吸収倍率の測定を前記方法にて行った。上記測定結果を表2に示す。
【0345】
〔実施例7〕
実施例2で得られたNO.2吸水剤に対して、前述の方法により衝撃力(A)を与えてNO.7吸水剤を得た。また、このNO.7吸水剤に対して、衝撃付与前後の高加圧下の吸収倍率の測定を前記方法にて行った。上記測定結果を表2に示す。
【0346】
〔実施例8〕
実施例3で得られたNO.3吸水剤に対して、前述の方法により衝撃力(A)与えてNO.8吸水剤を得た。また、このNO.8吸水剤に対して、衝撃付与前後の高加圧下の吸収倍率の測定を前記方法にて行った。上記測定結果を表2に示す。
【0347】
【表2】
【0348】
表2の結果から、前記実施例1〜実施例3に示す吸水剤に衝撃力(A)を与えた場合には、実施例6〜実施例8に示すように、物性値Q/Pが0.93〜1.00となり、衝撃による高加圧下吸収倍率があまり変化しないこと、即ち、衝撃前の高加圧下吸収倍率を維持できることが判明した。
【0349】
〔実施例9〕
実施例1で得られたNO.1吸水剤に対して前述の方法により衝撃力(B)を与えてNO.9吸水剤を得た。また、このNO.9吸水剤に対して、衝撃付与前後の高加圧下の吸収倍率の測定を前記方法にて行った。上記測定結果を表3に示す。
【0350】
〔実施例10〕
実施例2で得られたNO.2吸水剤に対して前述の方法により衝撃力(B)を与えてNO.10吸水剤を得た。また、このNO.10吸水剤に対して、衝撃付与前後の高加圧下の吸収倍率の測定を前記方法にて行った。上記測定結果を表3に示す。
【0351】
〔実施例11〕
実施例3で得られたNO.3吸水剤に対して前述の方法により衝撃力(B)を与えてNO.11吸水剤を得た。また、このNO.11吸水剤に対して、衝撃付与前後の高加圧下の吸収倍率の測定を前記方法にて行った。上記測定結果を表3に示す。
【0352】
〔実施例12〕
実施例5で得られたNO.5吸水剤に対して前述の方法により衝撃力(B)を与えてNO.12吸水剤を得た。また、このNO.12吸水剤に対して、衝撃付与前後の高加圧下の吸収倍率の測定を前記方法にて行った。上記測定結果を表3に示す。
【0353】
【表3】
【0354】
表3の結果から、前記実施例1〜実施例3および実施例5に示す吸水剤に衝撃力(B)を与えた場合には、実施例9〜実施例12に示すように、物性値Y/Xが0.86〜1.00となり、衝撃による高加圧下吸収倍率があまり変化しないこと、即ち、衝撃前の高加圧下吸収倍率を維持できることが判明した。
【0355】
〔実施例13〕
カルボキシル基を有する吸水性樹脂の製造に際して、単量体成分としてのアクリル酸ナトリウム(中和率75モル%)の38重量%水溶液5500部に、内部架橋剤としてのトリメチロールプロパントリアクリレート2.7部を溶解させて反応液とした。単量体成分に対するトリメチロールプロパントリアクリレートの使用量は、0.04モル%である。次に、この反応液を窒素ガス雰囲気下で、30分間脱気した。
【0356】
次いで、シグマ型羽根を2本有するジャケット付きステンレス製双碗型ニーダーに蓋を付けた反応器に上記反応液を供給し、反応液を30℃に保ちながら、上記反応器内を窒素ガス置換した。続いて、反応液を攪拌しながら、重合開始剤としての過硫酸アンモニウム2.8部及び還元剤としてのL−アスコルビン酸0.02部を添加し、実施例1と同様の重合操作を行った。この結果、約0.1mm〜3mmに細分化された含水ゲル状重合体を得た。
【0357】
次いで、上記含水ゲル状重合体を、実施例1と同様に乾燥した後、粉砕に用いられるロール同士が所定の間隔(ロールギャップ約1.63mm、約0.43mm、約0.15mm)を有するように3段に形成されたロールグラニュレター型粉砕機を用いて粉砕し、次いで、目開き850μmのJIS標準篩で分級することにより、平均粒径が300μmの不定型破砕状の吸水性樹脂(A)を得た。さらに、この吸水性樹脂(A)を、目開き150μmのJIS標準篩で分級することにより、粒径850μm〜150μmの吸水性樹脂(A1)86.3重量%および粒径150μm未満の吸水性樹脂微粉末(A2)13.7重量%を得た。
【0358】
次いで、上記の吸水性樹脂微粉末(A2)を、図1に示す連続押出式混合機1に2kg/分の割合で投入すると共に、上記連続押出式混合機1に設けられた口径5mmの液供給口4から、イオン交換水を、吸水性樹脂微粉末(A2)100重量部に対してイオン交換水130重量部の割合で投入することによって、上記吸水性樹脂微粉末(A2)とイオン交換水とを連続的に混合した。この結果、排出口5から、粒子状の均一な含水ゲル状造粒物が連続的に排出された。得られた粒子状の含水ゲル状造粒物は、個々の粒子の凝集体であり、その大部分が、粒径約1mm〜5mmの均一な含水ゲル状造粒物であった。また、上記含水ゲル状造粒物の固形分は、43.6重量%であった。尚、含水ゲル状造粒物の固形分とは、含水ゲル状造粒物中の吸水性樹脂の量(含有量)を示す。
【0359】
次に、この含水ゲル状造粒物を、目開き300μmのJIS標準金網上に、約5cmの厚みになるように広げ、160℃の熱風循環式乾燥機で乾燥させた。この結果、上記含水ゲル状造粒物は均一かつ固形分90重量%以上に十分に乾燥され、造粒粒子同士を手でも容易に解砕することが可能な粉体状の乾燥造粒物が得られた。該乾燥造粒物中の10mmを越える塊は5%に過ぎなかった。
【0360】
次いで、この乾燥造粒物を、前記ロールグラニュレター型粉砕機を用いると共に、ロールギャップを広げて粉砕(最終ロールギャップ約0.27mm)し、目開き850μmのJIS標準篩で分級することにより、吸水性樹脂造粒物(1)を得た。
【0361】
このようにして得られた上記吸水性樹脂造粒物(1)、吸水性樹脂(A)、吸水性樹脂(A1)、および吸水性樹脂微粉末(A2)の粒度分布、無加圧下での吸収倍率および造粒破壊率を測定した。上記粒度分布を表4に示すと共に、吸収倍率および造粒破壊率の測定結果を合わせて表5に示す。また、上記吸水性樹脂微粉末(A2)の電子顕微鏡写真(50倍)を図18に示す。
【0362】
さらに、上記吸水性樹脂造粒物(1)100重量部に対し、エチレングリコールジグリシジルエーテル0.05重量部、グリセリン0.75重量部、水3重量部、イソプロピルアルコール0.75重量部、および乳酸0.5重量部からなる表面架橋剤を混合し、200℃で40分間加熱することにより、No.13吸水剤を得た。上記測定上記NO.13吸水剤の無加圧下および高加圧下の吸収倍率、吸収速度、および造粒破壊率を測定した。上記測定結果を表6に示す。
【0363】
また、上記吸水性樹脂造粒物(1)の電子顕微鏡写真(50倍)を図19に示す。上記吸水性樹脂造粒物(1)は、原料として図18に示した粒径150μm未満の吸水性樹脂微粉末(A2)を用いているにも拘らず、300μm〜850μmの粒径を有する粒子が約8割を占める凝似一次粒子の造粒物(凝集体)となり、結果的に、衝撃力(B)によって規定される造粒破壊率が2.4重量%という造粒強度の強い造粒物(凝集体)となっていた。
【0364】
尚、図示はしないが、本実施例にて得られた乾燥前の含水ゲル状造粒物の光学顕微鏡写真では、該含水ゲル状造粒物が個々の一粒一粒の含水ゲルの凝集体である事実や、架橋剤を含まない水で造粒した場合、吸水膨潤後は造粒前の複数の粒子に分かれて膨潤する事実も別途確認されている。
【0365】
〔実施例14〕
実施例13において、連続押出式混合機1で含水ゲル状造粒物を得るに際して、吸水性樹脂微粉末(A2)100重量部に対して添加するイオン交換水の量を、130重量部から163重量部に変更する以外は、実施例13と同様の反応・操作を行って、固形分38.0重量%の含水ゲル状造粒物を得た。
【0366】
その後、上記含水ゲル状造粒物を実施例13と同様の方法により乾燥した。この結果、上記含水ゲル状造粒物は均一かつ十分に乾燥され、造粒粒子同士を手でも容易に解砕することが可能な粉体状の乾燥造粒物が得られた。該乾燥造粒物中の10mmを越える塊は5%に過ぎなかった。
【0367】
次いで、この乾燥造粒物を、実施例13と同様に粉砕、分級することにより、吸水性樹脂造粒物(2)を得た。該吸水性樹脂造粒物(2)の粒度分布、無加圧下での吸収倍率および造粒破壊率を測定した。上記粒度分布を表4に示すと共に、吸収倍率および造粒破壊率の測定結果を合わせて表5に示す。
【0368】
さらに、上記吸水性樹脂造粒物(2)を用いて、実施例13と同様の混合・加熱処理を行ってNo.14吸水剤を得た。上記NO.14吸水剤の無加圧下および高加圧下の吸収倍率、吸収速度、および造粒破壊率を測定した。上記測定結果を表6に示す。
【0369】
〔実施例15〕
実施例13において、連続押出式混合機1で含水ゲル状造粒物を得るに際して、吸水性樹脂微粉末(A2)100重量部に対して添加するイオン交換水の量を、130重量部から74重量部に変更する以外は、実施例13と同様の反応・操作を行って、固形分57.6重量%の含水ゲル状造粒物を得た。尚、混合は均一であったが、実施例13・14と比較すると、その混合の均一性は、若干劣るものであった。
【0370】
その後、上記含水ゲル状造粒物を実施例13と同様の方法により乾燥した。この結果、上記含水ゲル状造粒物は均一かつ十分に乾燥され、造粒粒子同士を手でも容易に解砕することが可能な粉体状の乾燥造粒物が得られた。該乾燥造粒物中の10mmを越える塊は5%に過ぎなかった。
【0371】
次いで、この乾燥造粒物を、実施例13と同様に粉砕、分級することにより、吸水性樹脂造粒物(3)を得た。該吸水性樹脂造粒物(3)の粒度分布、無加圧下での吸収倍率および造粒破壊率を測定した。上記粒度分布を表4に示すと共に、吸収倍率および造粒破壊率の測定結果を合わせて表5に示す。
【0372】
さらに、上記吸水性樹脂造粒物(3)を用いて、実施例13と同様の混合・加熱処理を行ってNo.15吸水剤を得た。このNO.15吸水剤の無加圧下および高加圧下の吸収倍率、吸収速度、および造粒破壊率を測定した。上記測定結果を表6に示す。
【0373】
〔実施例16〕
実施例13において、連続押出式混合機1で含水ゲル状造粒物を得るに際して、吸水性樹脂微粉末(A2)100重量部に対して添加するイオン交換水の量を、230重量部から41重量部に変更する以外は、実施例13と同様の反応・操作を行って、固形分70.9重量%の含水ゲル状造粒物を得た。尚、混合は均一であったが、実施例15よりはやや劣るものであり、また、得られた含水ゲル状造粒物は、連続押出式混合機1のケーシング2の内面への付着や、凝集が起こりやすいものであった。
【0374】
その後、上記含水ゲル状造粒物を実施例13と同様の方法により乾燥した。この結果、上記含水ゲル状造粒物は均一かつ十分に乾燥され、造粒粒子同士を手でも容易に解砕することが可能な粉体状の乾燥造粒物が得られた。該乾燥造粒物中の10mmを越える塊は5%に過ぎなかった。
【0375】
次いで、この乾燥造粒物を、実施例13と同様に粉砕、分級することにより、吸水性樹脂造粒物(4)を得た。該吸水性樹脂造粒物(4)の粒度分布、無加圧下での吸収倍率および造粒破壊率を測定した。上記粒度分布を表4に示すと共に、吸収倍率および造粒破壊率の測定結果を合わせて表5に示す。
【0376】
さらに、上記吸水性樹脂造粒物(4)を用いて、実施例13と同様の混合・加熱処理を行ってNo.16吸水剤を得た。このNO.16吸水剤の無加圧下および高加圧下の吸収倍率、吸収速度、および造粒破壊率を測定した。上記測定結果を表6に示す。
【0377】
〔比較例1〕
実施例13において、吸水性樹脂微粉末(A2)とイオン交換水とを混合する際に、連続押出式混合機1に代えて、図21に示す従来の連続押出式混合機100を用いた以外は、実施例13と同様の反応・操作を行った。しかしながら、上記従来の連続押出式混合機100によって得られた混合物は、造粒物ではなく、主に1cm〜5cmのゲル状の塊であり、この結果、上記連続押出式混合機100の排出口106から連続的に排出することはできなかった。次に、上記ゲル状の塊に対し、実施例1と同様の方法により乾燥を試みたが、乾燥しなかった。しかも、水可溶成分の増加等、物性低下が見られた。
【0378】
〔比較例2〕
比較例1において、図17に示す従来の連続押出式混合機100で吸水性樹脂微粉末(A2)とイオン交換水とを混合する際に、吸水性樹脂微粉末(A2)100重量部に対して添加するイオン交換水の量を、130重量部から10重量部に変更する以外は、比較例1と同様の反応・操作を行った。しかしながら、上記吸水性樹脂微粉末(A2)は吸収速度が速く、上記従来の連続押出式混合機100によって得られた混合物は、含水ゲル状造粒物ではなく、ダマ状の粉末状造粒物を多く含むと共に、水性液が全く行き渡らず、未造粒のままの吸水性樹脂微粉末(A2)を半分以上含むものであった。
【0379】
次に、上記ダマ状の粉末状造粒物を、実施例13と同様に乾燥、粉砕、分級することにより、比較吸水性樹脂造粒物(1)を得た。該比較吸水性樹脂造粒物(1)の粒度分布、無加圧下での吸収倍率および造粒破壊率を測定した。上記粒度分布を表4に示すと共に、吸収倍率および造粒破壊率の測定結果を合わせて表5に示す。
【0380】
また、上記比較吸水性樹脂造粒物(1)の電子顕微鏡写真(50倍)を図20に示す。上記比較吸水性樹脂造粒物(1)は、原料として図18に示した粒径150μm未満の吸水性樹脂微粉末(A2)を用いているが、150μm以上の造粒物が約24重量%しかなく、かつ、その造粒も個々の微粉末の点接触であり、結果的に、衝撃力(B)によって規定される造粒破壊率100重量%という、弱い造粒物(凝集体)となっていた。
【0381】
さらに、上記比較吸水性樹脂造粒物(1)を用いて、実施例13と同様の混合・加熱処理を行ってNo.1比較用吸水剤を得た。上記No.1比較用吸水剤の無加圧下および高加圧下の吸収倍率、吸収速度、および造粒破壊率を測定した。上記測定結果を表6に示す。
【0382】
〔比較例3〕
実施例13において、吸水性樹脂造粒物(1)に代えて、吸水性樹脂(A1)を86.3重量%、吸水性樹脂微粉末(A2)を13.7重量%の割合で含む吸水性樹脂(A)を用いた以外は、実施例13と同様の反応・操作を行って、No.2比較用吸水剤を得た。また、このNO.2比較用吸水剤の無加圧下および高加圧下の吸収倍率、吸収速度、および造粒破壊率を測定した。上記測定結果を表6に示す。
【0383】
〔実施例17〕
実施例1において、内部架橋剤としてのポリエチレングリコールジアクリレート(n=8)の使用量を、2.9部から3.9部に変更した以外は、実施例1と同様の反応・操作を行って、含水ゲル状重合体を得た。
【0384】
次いで、上記含水ゲル状重合体を、実施例1と同様に乾燥した後、実施例13よりもロールギャップが狭くなるように設定(最終ロールギャップ約0.15mm)されたロールグラニュレター型粉砕機を用いて粉砕し、目開き850μmのJIS標準篩で分級することにより、平均粒径が260μmの不定型破砕状の吸水性樹脂(B)を得た。さらに、この吸水性樹脂(B)を、目開き150μmのJIS標準篩で分級することにより、粒径850μm〜150μmの吸水性樹脂(B1)82.0重量%および粒径150μm未満の吸水性樹脂微粉末(B2)18.0重量%を得た。
【0385】
次いで、上記の吸水性樹脂微粉末(B2)を、図1に示す連続押出式混合機1に2kg/分の割合で投入すると共に、上記連続押出式混合機1に設けられた口径5mmの液供給口4から、グリセリン0.1重量部を溶解させたイオン交換水を、吸水性樹脂微粉末(B2)100重量部に対して163重量部の割合で投入することによって、上記吸水性樹脂微粉末(B2)と、グリセリンを含むイオン交換水とを連続的に混合した。この結果、排出口5から、粒子状の均一な含水ゲル状造粒物が連続的に排出された。得られた粒子状の含水ゲル状造粒物は、個々の粒子の凝集体であり、その大部分が、粒径約1mm〜5mmの均一な含水ゲル状造粒物であった。また、得られた上記含水ゲル状造粒物の固形分は、38.0重量%であった。
【0386】
次に、この含水ゲル状造粒物を、目開き300μmのJIS標準金網上に、約5cmの厚みになるように広げ、160℃の熱風循環式乾燥機で乾燥させた。この結果、上記含水ゲル状造粒物は均一かつ十分に乾燥され、手でも容易に解砕可能な粉体状の乾燥造粒物が得られた。該乾燥造粒物中の10mmを越える塊は5%に過ぎなかった。
【0387】
次いで、この乾燥造粒物を、実施例13における乾燥造粒物粉砕時と同じロールギャップ(最終ロールギャップ約0.27mm)に設定されたロールグラニュレター型粉砕機を用いて粉砕し、その後、目開き850μmのJIS標準篩で分級することにより、吸水性樹脂造粒物(5)を得た。
【0388】
このようにして得られた上記吸水性樹脂造粒物(5)、吸水性樹脂(B)、吸水性樹脂(B1)、および吸水性樹脂微粉末(B2)の粒度分布、無加圧下での吸収倍率および造粒破壊率を測定した。上記粒度分布を表4に示すと共に、吸収倍率および造粒破壊率の測定結果を合わせて表5に示す。
【0389】
さらに、上記吸水性樹脂造粒物(5)を用いて、実施例13と同様の混合・加熱処理を行ってNo.17吸水剤を得た。また、このNo.17吸水剤の無加圧下および高加圧下の吸収倍率、吸収速度、および造粒破壊率を測定した。上記測定結果を表6に示す。
【0390】
【表4】
【0391】
【表5】
【0392】
【表6】
【0393】
上記実施例13〜17および比較例1〜3の結果から、2種類以上の攪拌翼7…を有し、これによって、押し出し推力が異なる領域を有する本願の連続押出式混合機1を用いて造粒することにより、造粒強度に優れた吸水性樹脂造粒物が得られることが判る。また、このように造粒強度に優れた吸水性樹脂造粒物を吸水剤の原料として用いることで、機械的ストレスに強く、しかも、吸水速度の速い吸水剤を得ることができることが判る。これに対し、押し出し推力が一定である従来の連続押出式混合器100を用いた場合には、吸水性樹脂微粉末に添加する水分量が多ければ造粒物とはならず、逆に水分量が少なければ造粒強度に優れた吸水性樹脂造粒物を得ることができないことが判る。
【0394】
〔実施例18〕
実施例5において、図7に示す連続押出式混合機55に設けられた攪拌翼7(第一の攪拌翼7a)の吸水性樹脂押出面7a1 と回転軸6に垂直な平面とのなす角度(以下、単に吸水性樹脂押出面の角度と記す)を、回転軸の全長を100%としたときの攪拌翼7…の配設域に応じて種々変更することで、実施例5とは混合条件を変えて吸水性樹脂と表面架橋剤とを混合した。そして、得られた混合物における「ダマ」の割合を測定した。
【0395】
次いで、上記混合物を20メッシュ金網に通過させた後、該混合物を195℃で40分間加熱処理することにより、吸水剤を得た。上記吸水剤の無加圧下および高加圧下での吸収倍率を測定した。上記測定結果を、上記連続押出式混合機55における混合条件と合わせて表7に示す。
【0396】
【表7】
【0397】
上記表7において、「送り」、「戻り」とは、吸水性樹脂の押し出し方向に対する押し出し推力の向きを示す。例えば、図17に示すように、吸水性樹脂排出方向(つまり、連続押出式混合機55における材料供給口3側から排出口5側への吸水性樹脂の進行方向)である矢印A方向に対して矢印B方向に回転軸6が回転したときに、吸水性樹脂の進行方向であるA方向と同方向に押し出し推力が生じる場合を「送り」、A方向とは逆方向であるC方向に押し出し推力が生じる場合を「戻り」と記す。
【0398】
従って、「送り45°」とは、攪拌翼7の吸水性樹脂押出面7a1 と回転軸6に垂直な平面とのなす角度が45°であり、吸水性樹脂進行方向に押し出し推力が生じていることを示す。また、「戻り45°」とは、攪拌翼7の吸水性樹脂押出面7a1 と回転軸6に垂直な平面とのなす角度が45°であり、吸水性樹脂進行方向とは逆向きに押し出し推力が生じていることを示す。
【0399】
また、吸水性樹脂押出面の角度が水平とは、攪拌翼7の翼面が回転軸6の軸方向と平行な状態にあることを示し、上記吸水性樹脂押出面の角度が水平に設定されている場合には、攪拌翼7による押し出し推力は新たには生じない。
【0400】
上記表7の結果から、攪拌翼7の吸水性樹脂押出面の角度(攪拌翼7の翼面の向き)を種々変更することにより押し出し推力が小さくなる領域を排出側に設けることで、吸水性樹脂と表面架橋剤等を含む水性液とをより均一に混合することができることが判る。
【0401】
以上のように、本発明の吸水剤は、カルボキシル基を有する吸水性樹脂と、このカルボキシル基に反応する架橋剤とを混合、反応させて得られる吸水剤であって、上記吸水剤に所定の荷重を加えることにより衝撃力(A)を与えたとき、その衝撃後の吸水剤における圧力50g/cm 2 での吸収倍率をQ、衝撃前の吸水剤における同一圧力での吸収倍率をPとすると、
P≧20(g/g)
であり、かつ、
Q/P≧0.85
である構成である。
【0402】
また、本発明の吸水剤は、以上のように、カルボキシル基を有する吸水性樹脂と、このカルボキシル基に反応する架橋剤とを混合、反応させて得られる吸水剤であって、上記吸水剤に所定の振動を与えることにより衝撃力(B)を与えたとき、その衝撃後の吸水剤における圧力50g/cm 2 での吸収倍率をY、衝撃前の吸水剤における同一圧力での吸収倍率をXとすると、
X≧20(g/g)
であり、かつ、
Y/X≧0.90
である構成である。
【0403】
上記の構成によれば、本発明の吸水剤は、優れた吸収性能を持ち、かつ機械的ストレスに強いものである。従って、製造プラントにおける搬送や、ユーザにおける加工等で加わる機械的ストレスを受けてもその吸水特性を殆ど低下させず、最終製品中においてその優れた吸収性能を維持する吸水剤を提供することができる。上記各吸水剤は、これらをユーザにおいて最終製品の吸収性物品に加工した後も、その優れた吸収特性を維持できるので、各種の吸収性物品、特に、加圧下における吸収特性を重視される紙オムツや生理用ナプキン、失禁パット等の吸収体を含む衛生材料等の吸収性物品に好適である。
【0404】
さらに、本発明の吸水剤の製造方法は、以上のように、カルボキシル基を有する吸水性樹脂を、固定円筒の内部における回転軸の周りに、上記吸水性樹脂に押し出し推力を与える少なくとも一種の攪拌部材を設けた攪拌型の連続押出式混合機における第一領域に供給し、上記吸水性樹脂を、上記第一領域で分散させた後、該第一領域における押し出し推力よりも押し出し推力が小さい第二領域に押し出し、該第二領域で上記吸水性樹脂と水性液とを混合させる構成である。
【0405】
本発明の吸水剤の製造方法は、以上のように、上記した各吸水剤の製造方法において、上記第二領域に上記水性液を供給する構成である。
【0406】
本発明の吸水剤の製造方法は、以上のように、上記した各吸水剤の製造方法において、上記水性液がカルボキシル基と反応し得る架橋剤を含む構成である。
【0407】
上記の構成によれば、吸水性樹脂を上記第一領域で分散させた後、該第一領域における押し出し推力よりも押し出し推力が小さい第二領域に押し出し、該第二領域で上記吸水性樹脂と水性液とを混合させることで、第二領域では、第一領域にて分散された吸水性樹脂の平均速度を低下させ、上記吸水性樹脂と水性液との混合攪拌時間を十分に確保すると共に、上記第一領域にて分散された吸水性樹脂と、水性液とを素早く均一に混合させることができる。この結果、カルボキシル基を有する吸水性樹脂とこのカルボキシル基と反応し得る架橋剤等を含む水性液との混合、反応が効率よく行われ、しかも均一混合を確保することができる。従って、上記の構成によれば、加圧下において高い吸収倍率を示し、かつ製造プラントにおける搬送やユーザにおける最終製品の加工等を行った後にもその優れた吸水性能を維持し、最終製品中において、その使用方法を選ばず、常に優れた特性を発揮することのできる吸水剤を製造することができる吸水剤の製造方法を提供することができる。
【0408】
本発明の吸水剤の製造装置は、以上のように、カルボキシル基を有する吸水性樹脂と水性液とを混合するための攪拌型の連続押出式混合機を有する吸水剤の製造装置であって、上記連続押出式混合機は、内部に回転軸を有する固定円筒を備え、上記回転軸の周りには、少なくとも一種の攪拌部材が、上記固定円筒内に供給された吸水性樹脂を分散させる第一領域における押し出し推力よりも押し出し推力が小さい第二領域を排出側に形成するように設けられている構成である。
【0409】
本発明の吸水剤の製造装置は、以上のように、上記吸水剤の製造装置において、上記連続押出式混合機の固定円筒は、上記吸水性樹脂を供給するための第一供給口と、上記第一供給口よりも排出側に設けられ、上記水性液を供給するための第二供給口とを備え、上記第二供給口は、上記第二領域に設けられている構成である。
【0410】
本発明の吸水剤の製造装置は、以上のように、前記した吸水剤の製造装置において、上記連続押出式混合機の固定円筒は、上記吸水性樹脂を供給するための第一供給口と、上記第一供給口よりも排出側に設けられ、上記水性液を供給するための第二供給口とを備え、上記第二供給口は、上記第一領域と第二領域との境界域に設けられている構成である。
【0411】
本発明の吸水剤の製造装置は、以上のように、上記各吸水剤の製造装置において、上記回転軸の周りには、上記吸水性樹脂供給側に設けられて押し出し推力を生じる形状に形成された複数の第一の攪拌部材と、これら第一の攪拌部材の排出側に設けられ、かつ、第一の攪拌部材の配設領域における押し出し推力よりも押し出し推力が小さくなる領域を形成する複数の第二の攪拌部材とが順次配されている構成である。
【0412】
本発明の吸水剤の製造装置は、以上のように、上記吸水剤の製造装置において、上記第一の攪拌部材は、板状に形成されている構成である。
【0413】
本発明の吸水剤の製造装置は、以上のように、上記各吸水剤の製造装置において、上記第二の攪拌部材は、円柱状に形成されている構成である。
【0414】
本発明の吸水剤の製造装置は、以上のように、上記各吸水剤の製造装置において、上記固定円筒の内径に対する回転軸の直径の比が0.4〜0.6の範囲内である構成である。
【0415】
本発明の吸水剤の製造装置は、以上のように、上記各吸水剤の製造装置において、上記連続押出式混合機における固定円筒の内面が、実質的に、水に対する接触角が約60°以上で約70℃以上の熱変形温度を有する基材から形成されている構成である。
【0416】
上記の構成によれば、上記第一領域では、固定円筒内に供給された吸水性樹脂に、連続 押出式混合機の内部へと十分な押し出し推力を与えて分散させ、上記第二領域では、上記第一領域における押し出し推力よりも押し出し推力を小さくすることで、吸水性樹脂の平均速度を低下させ、上記吸水性樹脂と水性液との混合攪拌時間を十分に確保すると共に、上記第一領域にて分散された吸水性樹脂と、水性液とを素早く均一に混合することができる。
【0417】
また、上記固定円筒の内面が、実質的に、水に対する接触角が約60°以上で約70℃以上の熱変形温度を有する基材から形成されていることで、含水した吸水性樹脂が固定円筒内面に付着することを防止することができると共に、混合期間中に発生する熱に十分耐えることができ、安定した混合を継続することができる。
【0418】
さらに、上記固定円筒の内径に対する回転軸の直径の比が0.4〜0.6の範囲内であることで、上記吸水性樹脂と水性液との十分な混合を安定的かつ連続的に行うことができる。
【0419】
また、本発明において、上記吸水性樹脂と水性液とを混合させる際には、できるだけ瞬時に両者が全体的に接触する必要がある。このため、上記水性液を供給するための第二供給口が、上記第二領域、より好ましくは第一領域と第二領域との境界域に設けられていることで、上記吸水性樹脂と水性液とを瞬時に接触させ、これにより吸水性樹脂と水性液とを十分均一に、「ダマ」を形成させることなく混合させることができる。
【0420】
従って、上記の構成によれば、連続押出式混合機における攪拌部材の諸構成により、カルボキシル基を有する吸水性樹脂とこのカルボキシル基と反応し得る架橋剤等を含む水性液との混合、反応が効率よく行われ、しかも均一混合を確保することができる。そして、上記の構成によれば、加圧下において高い吸収倍率を示し、かつ製造プラントにおける搬送やユーザにおける最終製品の加工等を行った後にもその優れた吸水性能を維持し、最終製品中において、その使用方法を選ばず、常に優れた特性を発揮することのできる吸水剤を製造することができる吸水剤の製造装置を提供することができる。
【0421】
【発明の効果】
請求項1記載の発明の吸水剤は、以上のように、アクリル酸及び/又はその塩を主成分とする親水性単量体を重合・架橋することにより得られ、カルボキシル基を有し、ヒドロゲルを形成する吸水性樹脂粒子と、このカルボキシル基に反応する架橋剤とを混合、反応させて得られる吸水剤であって、上記吸水剤5gを70mm×100mmの袋に密封し、その上から重量4kgのローラを10往復させることにより上記吸水剤に衝撃力(A)を与えたとき、その衝撃後の吸水剤における圧力50g/cm2 での吸収倍率をQ、衝撃前の吸水剤における同一圧力での吸収倍率をPとすると、
P≧20(g/g)
であり、かつ、
Q/P≧0.85
である構成である。
【0422】
請求項2記載の発明の吸水剤は、以上のように、請求項1記載の吸水剤において、P≧25(g/g)である構成である。
【0423】
請求項3記載の発明の吸水剤は、以上のように、請求項1記載の吸水剤において、Q/P≧0.9である構成である。
【0424】
請求項4記載の発明の吸水剤は、以上のように、請求項1記載の吸水剤において、Q/P≧0.95である構成である。
【0425】
請求項5記載の発明の吸水剤は、以上のように、アクリル酸及び/又はその塩を主成分とする親水性単量体を重合・架橋することにより得られ、カルボキシル基を有し、ヒドロゲルを形成する吸水性樹脂粒子と、このカルボキシル基に反応する架橋剤とを混合、反応させて得られる吸水剤であって、上記吸水剤30.0gをガラスビーズ10.0gと共に、所定の大きさを有する容器に入れて100V/60Hzで振動速度回転数750 c.p.m の振動を30分間与えて上記吸水剤同士を衝突させることにより衝撃力(B)を与えたとき、その衝撃後の吸水剤における圧力50g/cm2 での吸収倍率をY、衝撃前の吸水剤における同一圧力での吸収倍率をXとすると、
X≧20(g/g)
であり、かつ、
Y/X≧0.90
である構成である。
【0426】
請求項6記載の発明の吸水剤は、以上のように、請求項5記載の吸水剤において、X≧25(g/g)である構成である。
【0427】
請求項7記載の発明の吸水剤は、以上のように、請求項5記載の吸水剤において、Y/X≧0.92である構成である。
【0428】
請求項8記載の発明の吸水剤は、以上のように、請求項5記載の吸水剤において、Y/X≧0.95である構成である。
【0429】
請求項9記載の発明の吸水剤は、以上のように、請求項1〜8の何れか1項に記載の吸水剤において、上記架橋剤が、多価アルコール化合物、エポキシ化合物、多価アミン化合物およびそれらの塩、アルキレンカーボネート化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物である構成である。
【0430】
本発明の吸水剤は、優れた吸収性能を持ち、かつ機械的ストレスに強いものである。従って、製造プラントにおける搬送や、ユーザにおける加工等で加わる機械的ストレスを受けてもその吸水特性を殆ど低下させず、最終製品中においてその優れた吸収性能を維持する吸水剤を提供することができる。上記各吸水剤は、これらをユーザにおいて最終製品の吸収性物品に加工した後も、その優れた吸収特性を維持できるので、各種の吸収性物品、特に、加圧下における吸収特性を重視される紙オムツや生理用ナプキン、失禁パット等の吸収体を含む衛生材料等の吸収性物品に好適であるという効果を奏する。
【0431】
請求項10記載の発明の吸水剤は、以上のように、平均粒径子径200μm〜800μmの吸水性樹脂造粒物を表面架橋して得られる吸水剤であって、50g/cm 2 の加圧下での吸収倍率が20g/g以上であり、吸収速度が25秒以下であり、かつ、造粒破壊率が10重量%以下である構成である。
【0432】
上記の構成によれば、従来の造粒方法ではそれぞれ相反する特性であり、同時には満足し得ない物性であった高加圧下での吸収倍率、造粒強度、吸収速度の3つの物性を同時に満足することができる吸水剤を提供することができるという効果を奏する。
【0433】
請求項11記載の発明の衛生材料は、以上のように、請求項1〜10の何れか1項に記載の吸水剤を含む構成である。
【0434】
上記各吸水剤は、衛生材料等の吸収性物品に加工した後も、その優れた吸収特性を維持できるので、特に、加圧下における吸収特性を重視される紙オムツや生理用ナプキン、失 禁パット等の吸収体を含む衛生材料に好適である。よって、上記の構成によれば、優れた吸収特性を有する衛生材料を提供することができるという効果を奏する。
【0435】
請求項12記載の発明の吸水剤の製造方法は、以上のように、カルボキシル基を有する吸水性樹脂を、固定円筒の内部における回転軸の周りに、上記吸水性樹脂に押し出し推力を与える少なくとも一種の攪拌部材を設けた攪拌型の連続押出式混合機における第一領域に供給し、上記吸水性樹脂を、上記第一領域で分散させた後、該第一領域における押し出し推力よりも押し出し推力が小さい第二領域に押し出し、該第二領域で上記吸水性樹脂と水性液とを混合させる構成である。
【0436】
上記の構成によれば、吸水性樹脂を上記第一領域で分散させた後、該第一領域における押し出し推力よりも押し出し推力が小さい第二領域に押し出し、該第二領域で上記吸水性樹脂と水性液とを混合させることで、第二領域では、第一領域にて分散された吸水性樹脂の平均速度を低下させ、上記吸水性樹脂と水性液との混合攪拌時間を十分に確保すると共に、上記第一領域にて分散された吸水性樹脂と、水性液とを素早く均一に混合させることができる。この結果、カルボキシル基を有する吸水性樹脂とこのカルボキシル基と反応し得る架橋剤等を含む水性液との混合、反応が効率よく行われ、しかも均一混合を確保することができる。従って、上記の構成によれば、加圧下において高い吸収倍率を示し、かつ製造プラントにおける搬送やユーザにおける最終製品の加工等を行った後にもその優れた吸水性能を維持し、最終製品中において、その使用方法を選ばず、常に優れた特性を発揮することのできる吸水剤を製造することができる吸水剤の製造方法を提供することができるという効果を奏する。
【0437】
請求項13記載の発明の吸水剤の製造方法は、以上のように、JIS標準篩で分級して得られた平均粒径10μm〜150μmの吸水性樹脂100重量部に水性液70重量部〜400重量部を混合して平均粒径0.3mm〜10mmの含水ゲル状造粒物を得た後、該含水ゲル状造粒物を、粉砕しない条件下、110℃〜300℃で収縮乾燥し、JIS標準篩で分級して得られた平均粒径200μm〜800μmの吸水性樹脂造粒物を表面架橋する構成である。
【0438】
上記の構成によれば、従来の造粒方法ではそれぞれ相反する特性であり、同時には満足し得ない物性であった高加圧下での吸収倍率、造粒強度、吸収速度の3つの物性を同時に満足することができる吸水剤を提供することができるという効果を奏する。
【0439】
請求項14記載の発明の吸水剤の製造装置は、以上のように、カルボキシル基を有する吸水性樹脂と水性液とを混合するための攪拌型の連続押出式混合機を有する吸水剤の製造装置であって、上記連続押出式混合機は、内部に回転軸を有する固定円筒を備え、上記回転軸の周りには、少なくとも一種の攪拌部材が、上記固定円筒内に供給された吸水性樹脂を分散させる第一領域における押し出し推力よりも押し出し推力が小さい第二領域を排出側に形成するように設けられている構成である。
【0440】
請求項15記載の発明の吸水剤の製造装置は、以上のように、カルボキシル基を有する吸水性樹脂と水性液とを混合するための攪拌型の連続押出式混合機を有する吸水剤の製造装置であって、上記連続押出式混合機は、内部に回転軸を有する固定円筒を備え、上記回転軸の周りには、少なくとも一種の攪拌部材が、上記固定円筒内に供給された吸水性樹脂を分散させる分散領域としての第一領域と、上記第一領域よりも排出側に設けられ、かつ、上記分散領域において分散された吸水性樹脂を上記水性液と混合する混合領域としての第二領域とを形成するように設けられている構成である。
【0441】
請求項16記載の発明の吸水剤の製造装置は、以上のように、カルボキシル基を有する 吸水性樹脂と水性液とを混合するための攪拌型の連続押出式混合機を有する吸水剤の製造装置であって、上記連続押出式混合機は、内部に回転軸を有する固定円筒を備え、上記回転軸の周りには、形状の異なる2種類以上の攪拌翼が設けられている構成である。
【0442】
請求項17記載の発明の吸水剤の製造装置は、以上のように、カルボキシル基を有する吸水性樹脂と水性液とを混合するための攪拌型の連続押出式混合機を有する吸水剤の製造装置であって、上記連続押出式混合機は、内部に回転軸を有する固定円筒を備え、上記回転軸の周りに、同一形状の攪拌部材が配され、その吸水性樹脂押出面と回転軸に垂直な平面とのなす角度および該攪拌部材の配設密度が異なることにより、上記固定円筒内に供給された吸水性樹脂を分散させる第1領域と、該第1領域よりも排出側に、該第1領域における押し出し推力よりも押し出し推力が小さい第2領域とが設けられている構成である。
【0443】
上記の構成によれば、上記第一領域では、固定円筒内に供給された吸水性樹脂に、連続押出式混合機の内部へと十分な押し出し推力を与えて分散させ、上記第二領域では、上記第一領域における押し出し推力よりも押し出し推力を小さくすることで、吸水性樹脂の平均速度を低下させ、上記吸水性樹脂と水性液との混合攪拌時間を十分に確保すると共に、上記第一領域にて分散された吸水性樹脂と、水性液とを素早く均一に混合することができる。
【0444】
従って、上記の構成によれば、連続押出式混合機における攪拌部材の諸構成により、カルボキシル基を有する吸水性樹脂とこのカルボキシル基と反応し得る架橋剤等を含む水性液との混合、反応が効率よく行われ、しかも均一混合を確保することができる。そして、上記の構成によれば、加圧下において高い吸収倍率を示し、かつ製造プラントにおける搬送やユーザにおける最終製品の加工等を行った後にもその優れた吸水性能を維持し、最終製品中において、その使用方法を選ばず、常に優れた特性を発揮することのできる吸水剤を製造することができる吸水剤の製造装置を提供することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る吸水剤の製造装置における連続押出式混合機の概略の断面図である。
【図2】図1に示す連続押出式混合機における攪拌状態を示す説明図であり、(a)は、上記連続押出式混合機における第一領域での攪拌状態を示す説明図であり、(b)は、上記連続押出式混合機における第二領域での攪拌状態を示す説明図である。
【図3】本発明の他の実施の形態に係る吸水剤の製造装置における連続押出式混合機の概略の断面図である。
【図4】本発明のさらに他の実施の形態に係る吸水剤の製造装置における連続押出式混合機の概略の断面図である。
【図5】本発明のさらに他の実施の形態に係る吸水剤の製造装置における連続押出式混合機の概略の断面図である。
【図6】本発明のさらに他の実施の形態に係る吸水剤の製造装置における連続押出式混合機の概略の断面図である。
【図7】本発明のさらに他の実施の形態に係る吸水剤の製造装置における連続押出式混合機の概略の断面図である。
【図8】本発明のさらに他の実施の形態に係る吸水剤の製造装置における連続押出式混合機の概略の断面図である。
【図9】本発明のさらに他の実施の形態に係る吸水剤の製造装置における連続押出式混合機の概略の断面図である。
【図10】本発明のさらに他の実施の形態に係る吸水剤の製造装置における連続押出式混合機の概略の断面図である。
【図11】上記吸水剤に衝撃力(A)を与えるための装置を示す斜視図である。
【図12】上記吸水剤に衝撃力(B)を与えるために用いられる容器の概略構成図である。
【図13】(a)は、上記吸水剤に衝撃力(B)を与える場合の上記容器に対する振動の与え方を説明する説明図であり、(b)は、上記吸水剤に衝撃力(B)を与える場合の上記容器に対する振動の与え方を(a)とは別の角度から説明する説明図である。
【図14】上記吸水剤に衝撃力(B)を与えるための装置の概略構成図である。
【図15】上記吸水剤に衝撃力(B)を与える場合の容器の振動の様子を説明する説明図である。
【図16】上記吸水剤の加圧下での吸収倍率を測定するための装置を示す断面図である。
【図17】上記連続押出式混合機における攪拌部材の吸水性樹脂押出面の角度と押し出し推力の生じる方向との関係について説明する説明図である。
【図18】実施例13で得られた粒径150μm未満の吸水性樹脂微粉末(A2)の構造を電子顕微鏡写真(50倍)によって示す図面代用写真である。
【図19】実施例13で得られた吸水性樹脂造粒物(1)の構造を電子顕微鏡写真(50倍)によって示す図面代用写真である。
【図20】比較例2で得られた比較吸水性樹脂造粒物(1)の構造を電子顕微鏡写真(50倍)によって示す図面代用写真である。
【図21】従来の吸水剤の製造装置における連続押出式混合機を示す断面図である。
【符号の説明】
1 連続押出式混合機
2 ケーシング(固定円筒)
3 材料供給口(第一供給口)
4 液供給口(第二供給口)
5 排出口
6 回転軸
7 攪拌翼(攪拌部材)
7a 第一の攪拌翼(第一の攪拌部材)
7a1 吸水性樹脂押出面
7b 第二の攪拌翼(第一の攪拌部材)
51 連続押出式混合機
52 連続押出式混合機
53 連続押出式混合機
54 連続押出式混合機
55 連続押出式混合機
55’ 連続押出式混合機
56 連続押出式混合機
57 連続押出式混合機
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP35729996A JP3688418B2 (ja) | 1995-12-27 | 1996-12-25 | 吸水剤並びに衛生材料 |
Applications Claiming Priority (3)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP34120095 | 1995-12-27 | ||
| JP7-341200 | 1995-12-27 | ||
| JP35729996A JP3688418B2 (ja) | 1995-12-27 | 1996-12-25 | 吸水剤並びに衛生材料 |
Related Child Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2005134470A Division JP3742098B2 (ja) | 1995-12-27 | 2005-05-02 | 吸水剤の製造方法並びに吸水性樹脂への水性液の混合方法 |
Publications (3)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH09235378A JPH09235378A (ja) | 1997-09-09 |
| JPH09235378A5 true JPH09235378A5 (ja) | 2004-12-09 |
| JP3688418B2 JP3688418B2 (ja) | 2005-08-31 |
Family
ID=26576917
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP35729996A Expired - Lifetime JP3688418B2 (ja) | 1995-12-27 | 1996-12-25 | 吸水剤並びに衛生材料 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3688418B2 (ja) |
Families Citing this family (31)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US6228930B1 (en) | 1997-06-18 | 2001-05-08 | Nippon Shokubai Co., Ltd. | Water-absorbent resin granule-containing composition and production process for water-absorbent resin granule |
| JP5153975B2 (ja) * | 2000-05-09 | 2013-02-27 | 株式会社日本触媒 | 吸収体 |
| US6720389B2 (en) | 2000-09-20 | 2004-04-13 | Nippon Shokubai Co., Ltd. | Water-absorbent resin and production process therefor |
| CN1277583C (zh) | 2001-06-08 | 2006-10-04 | 株式会社日本触媒 | 吸水剂及其制备方法,以及卫生材料 |
| JP4326752B2 (ja) * | 2001-06-08 | 2009-09-09 | 株式会社日本触媒 | 吸水剤の製造方法 |
| WO2004037900A1 (de) | 2002-10-25 | 2004-05-06 | Stockhausen Gmbh | Zweistufiges mischverfahren zur herstellung eines absorbierenden polymers |
| DE10249822A1 (de) | 2002-10-25 | 2004-05-13 | Stockhausen Gmbh & Co. Kg | Zweistufiges Mischverfahren zur Herstellung eines absorbierenden Polymers |
| EP1594557B1 (en) | 2003-02-10 | 2019-05-01 | Nippon Shokubai Co., Ltd. | Water-absorbent resin composition and its production process |
| US7282262B2 (en) | 2003-02-10 | 2007-10-16 | Nippon Shokubai Co., Ltd. | Particulate water absorbent containing water absorbent resin as a main component |
| US8846823B2 (en) | 2004-05-07 | 2014-09-30 | Nippon Shokubai Co., Ltd. | Water absorbing agent and production method thereof |
| JP4564499B2 (ja) | 2004-05-12 | 2010-10-20 | 株式会社日本触媒 | 廃液固化剤、その製造方法およびその用途 |
| US7750085B2 (en) | 2005-03-14 | 2010-07-06 | Nippon Shokubai Co., Ltd. | Water-absorbing agent and its production process |
| TWI344469B (en) | 2005-04-07 | 2011-07-01 | Nippon Catalytic Chem Ind | Polyacrylic acid (salt) water-absorbent resin, production process thereof, and acrylic acid used in polymerization for production of water-absorbent resin |
| TWI394789B (zh) | 2005-12-22 | 2013-05-01 | Nippon Catalytic Chem Ind | 吸水性樹脂組成物及其製造方法、吸收性物品 |
| EP1837348B9 (en) | 2006-03-24 | 2020-01-08 | Nippon Shokubai Co.,Ltd. | Water-absorbing resin and method for manufacturing the same |
| CN102698719B (zh) | 2006-03-27 | 2016-04-27 | 株式会社日本触媒 | 吸水剂、使用所述吸水剂的吸水芯片以及制备吸水剂的方法 |
| CN101678315B (zh) | 2007-03-05 | 2014-11-12 | 株式会社日本触媒 | 吸水剂及其制造方法 |
| EP2253657B1 (en) | 2008-03-13 | 2015-06-03 | Nippon Shokubai Co., Ltd. | Method for producing particulate water-absorbing agent composed principally of a water-absorbing resin |
| WO2011034146A1 (ja) | 2009-09-16 | 2011-03-24 | 株式会社日本触媒 | 吸水性樹脂粉末の製造方法 |
| JP5801203B2 (ja) | 2009-09-29 | 2015-10-28 | 株式会社日本触媒 | 粒子状吸水剤及びその製造方法 |
| JP5722921B2 (ja) | 2011-01-28 | 2015-05-27 | 株式会社日本触媒 | ポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂粉末の製造方法 |
| JP6096199B2 (ja) | 2012-08-27 | 2017-03-15 | 株式会社日本触媒 | 粒子状吸水剤及びその製造方法 |
| WO2014181859A1 (ja) | 2013-05-10 | 2014-11-13 | 株式会社日本触媒 | ポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂の製造方法 |
| CN105658323B (zh) | 2013-10-09 | 2019-05-10 | 株式会社日本触媒 | 以吸水性树脂作为主要成分的颗粒状吸水剂及其制造方法 |
| CN109310986B (zh) | 2016-03-28 | 2022-03-15 | 株式会社日本触媒 | 颗粒状吸水剂 |
| CN110325273B (zh) | 2017-02-22 | 2022-09-06 | 株式会社日本触媒 | 吸水性片、长条状吸水性片及吸收性物品 |
| EP4113099B1 (en) | 2017-10-12 | 2025-07-09 | Nippon Shokubai Co., Ltd. | Particulate water-absorbing agent |
| CN108818999A (zh) * | 2018-08-31 | 2018-11-16 | 江苏中宏环保科技有限公司 | 高效、密闭式单轴连续捏炼机 |
| EP4059602A4 (en) | 2019-11-12 | 2023-05-03 | Nippon Shokubai Co., Ltd. | Particulate water absorbent and method for producing same |
| JPWO2025013774A1 (ja) | 2023-07-07 | 2025-01-16 | ||
| CN121468920B (zh) * | 2026-01-08 | 2026-03-31 | 四川中旺科技有限公司 | 一种用于锂电池隔膜塑料的双螺杆挤出机 |
-
1996
- 1996-12-25 JP JP35729996A patent/JP3688418B2/ja not_active Expired - Lifetime
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| JPH09235378A5 (ja) | ||
| JP3688418B2 (ja) | 吸水剤並びに衛生材料 | |
| US6458921B1 (en) | Water-absorbent resin granule-containing composition and production process for water-absorbent resin granule | |
| JP4266710B2 (ja) | 吸水性樹脂の製造方法および鋤型混合装置 | |
| US6071976A (en) | Water absorbing agent, manufacturing method thereof, and manufacturing machine thereof | |
| JP3415036B2 (ja) | 含水ゲル状架橋重合体の細粒化方法 | |
| CN107936189B (zh) | 聚丙烯酸(盐)系吸水性树脂粉末及其制品 | |
| US9593212B2 (en) | Method for producing water absorbent resin particle | |
| EP1800740B1 (en) | Method for manufacturing water-absorbing resin | |
| EP3543280A1 (en) | Production method for water-absorbing resin powder, and production device for same | |
| EP2185631B1 (en) | Binding method of water absorbent resin | |
| EP3795616A1 (en) | Method for producing water-absorbent resin particles | |
| JP4199330B2 (ja) | 吸水性樹脂組成物の製造方法 | |
| WO2020067311A1 (ja) | 吸水性樹脂の製造方法および吸水性樹脂 | |
| JP5132927B2 (ja) | 吸水性樹脂の製造方法 | |
| JP2004352941A (ja) | 吸水性樹脂の製造法 | |
| JP4236745B2 (ja) | 粉体の連続造粒方法 | |
| JP3742098B2 (ja) | 吸水剤の製造方法並びに吸水性樹脂への水性液の混合方法 | |
| CN116323688A (zh) | 吸水性树脂粉末的制造方法 | |
| US20250229253A1 (en) | Method for producing water-absorbing resin powder | |
| CN121843971A (zh) | 吸水性树脂和吸水性树脂的制造方法 |