JPH09235659A - バルブシート用焼結合金材 - Google Patents

バルブシート用焼結合金材

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JPH09235659A
JPH09235659A JP4337996A JP4337996A JPH09235659A JP H09235659 A JPH09235659 A JP H09235659A JP 4337996 A JP4337996 A JP 4337996A JP 4337996 A JP4337996 A JP 4337996A JP H09235659 A JPH09235659 A JP H09235659A
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Teruo Takahashi
輝夫 高橋
Arata Kakiuchi
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐摩耗性に優れたバルブシート用焼結合金材
を提供する。 【解決手段】 最終組成が、重量比で、C:0.5〜
2.1%、Cu:0.4〜4.2%、Cr:2.4〜
9.5%、Mo:3.0〜15.0%を含有し、残部F
eからなり、また、C:0.5〜2.1%、Cu:0.
4〜4.2%、Cr:2.4〜9.5%、Mo:3.0
〜15.0%、P:0.04〜0.51%を含有し、残
部Feからなる焼結合金材で、強靱なパーライト組織を
基地組織とし、基地組織中に耐摩耗性に寄与するCrリ
ッチ高合金相とフェロモリブデン粒子が均一に分散し、
さらに、微細Cr炭化物が析出した組織とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関のバルブ
シートに用いられる焼結合金材に関し、とくに耐摩耗性
に優れたバルブシート用焼結合金材に関する。
【0002】
【従来の技術】バルブシートは、エンジンのシリンダヘ
ッドに圧入されて使用され、燃焼ガスのシールとバルブ
を冷却する役目を担っている。そのため、バルブによる
叩かれ、すべりによる摩耗、燃焼ガスによる加熱、燃料
と燃料に含まれる添加物およびその燃焼生成物、熱変成
物による腐食等をうける。
【0003】焼結合金は、合金粉末を配合混練し、金型
に充填し圧縮成形したのち、所定の温度雰囲気中で焼結
したものであり、通常の溶製法では得難い金属や合金が
容易に製造でき、また機能の複合化が容易なため、独特
な機能を付与した部品の製造が可能である。さらに、多
孔質材や難加工材などの製造や、形の複雑な機械部品の
製造に適している。近年、耐摩耗性が要求されるバルブ
シートにこの焼結合金が適用されるようになった。
【0004】焼結合金製のバルブシートでは、内部に多
くの空孔を有しており、エンジン運転中に燃焼ガスで加
熱されることにより、空孔中に酸化鉄が形成され耐摩耗
性の向上に有利となっている。バルブシート用焼結合金
として、例えば、特公昭51−13093号公報に、無
鉛ガソリンの使用下にあっても、高度の耐摩耗性を有
し、同時に耐熱、耐食性を有するバルブシート用鉄系焼
結合金材が開示されている。この焼結合金は、C、N
i、Cr、Mo、Co、Wを多量に含み、パーライト基
地中にC−Cr−W−Coよりなる特殊合金粒子とフェ
ロモリブデン粒子が分散し、かつこれら粒子の周囲にC
o、Niが拡散したものである。このように、この焼結
合金では、耐摩耗性、耐熱性、耐食性等の特性を付与さ
せるため、W、Coの多量添加を必要としていた。W、
Coは、非常に高価な金属であり、そのため、この焼結
合金製のバルブシートは、高価なバルブシートとなり、
コスト的に問題を残していた。また、エンジンの高性能
化にともない、なお一層の耐熱性、耐摩耗性の向上が要
求されている。
【0005】また、特開昭54−19406号公報に
は、加工性の優れたバルブシートリング用耐熱耐摩耗性
鉄系焼結合金が提案されている。この焼結合金は、C
r、MoおよびPのうち一種または二種以上、Cuおよ
びNiの一種または二種、C、Sおよび残部鉄からなる
もので、硫化物を含むことで加工性が優れると記述され
ている。この焼結合金製のバルブシートでは、バルブシ
ートの加工性は向上するが、厳しい環境においては耐熱
性、耐摩耗性が低下することなど問題を残していた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点
を有利に解決し、耐摩耗性に優れたバルブシート用焼結
合金材を提供することを目的にする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、重量比で、
C:0.5〜2.1%、Cu:0.4〜4.2%、C
r:2.4〜9.5%、Mo:3.0〜15.0%を含
有し、残部Feおよび不可避的不純物からなるバルブシ
ート用焼結合金材であり、また、C:0.5〜2.1
%、Cu:0.4〜4.2%、Cr:2.4〜9.5
%、Mo:3.0〜15.0%、P:0.04〜0.5
1%を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる
バルブシート用焼結合金材である。また、上記組成を有
するバルブシート用焼結合金材は、パーライト組織を基
地組織とし、Crリッチ高合金相、フェロモルブデン粒
子が分散した組織であることが好適である。
【0008】
【発明の実施の形態】まず、本発明のバルブシート用焼
結合金材の成分組成の限定理由について説明する。 C:0.5〜2.1% Cは、強靱なパーライト基地組織を形成せしめるために
添加する。0.5%未満では、焼結拡散が進まず強度不
足になり、また、Crと結合し生成するCr炭化物の析
出量が少なく、耐摩耗性が低下する。2.1%を超える
と、融点が低下し、液相が形成されるため空孔が多くな
りすぎ、目標とするミクロ組織が得られ難くなる。この
ため、Cは0.5〜2.1%の範囲とする。
【0009】Cu:0.4〜4.2% Cuは、基地に固溶し、基地の強度を向上せしめる元素
である。0.4%未満では、粗大フェライトを生成しや
すく、層状組織が生成しにくくなるため、パーライト組
織が安定しない。4.2%を超えると基地中のCuの固
溶限界を超えるため、遊離Cu相が析出し、耐摩耗性が
低下する。このため、Cuは0.4〜4.2%の範囲と
する。
【0010】Cr:2.4〜9.5% Crは、強度、耐熱性および耐摩耗性を高める元素であ
るが、2.4%未満では、Cr炭化物の析出量が少な
く、耐摩耗性が劣化する。また、Cr量が少ないと、本
発明の特徴であるCrリッチ高合金相の析出が少なく、
耐摩耗性が劣化する。また、9.5%を超えると、Cr
炭化物の析出量が過多となり、被削性が低下する。この
ため、Crは2.4〜9.5%の範囲とする。
【0011】Mo:3.0〜15.0% Moは、基地に固溶し基地を強化するとともに、硬質粒
子(フェロモリブデン)として基地中に分散し耐摩耗性
を向上する。3.0%未満では、硬質粒子が少なく耐摩
耗性が劣化する。しかし、15.0%を超えると、粉末
の流動性が低下し、成形性が悪化する。さらに、焼結体
の被削性も劣化する。このため、Moは、3.0〜1
5.0%の範囲とする。
【0012】P:0.04〜0.51% Pは、基地に固溶し基地を強化するとともに、液相を生
成しやすくして、焼結拡散を進行させる。この効果は、
0.04%以上で認められるが、0.51%を超えると
液相化が進行しすぎて、Cr炭化物が粗大化し、粗大な
空孔が形成され、被削性が劣化する。このため、Pは
0.04〜0.51%の範囲とする。
【0013】上記した化学組成のバルブシート用焼結合
金材は、強靱なパーライト組織を基地組織とし、基地組
織中に耐摩耗性に寄与するCrリッチ高合金相と同じく
耐摩耗性に寄与するフェロモリブデン粒子が均一に分散
した組織とするのが好適であり、さらに、微細Cr炭化
物が析出してもよい。バルブシート用焼結合金材の組織
の一例を図3に示す。
【0014】図3は、本発明のバルブシート用焼結合金
材の光学顕微鏡組織写真(200倍)であり、写真中A
はパーライトであり、BはCrリッチ高合金相であり、
Cはフェロモリブデン粒子であり、Dは微細Cr炭化物
であり、Eは空孔である。Crリッチ高合金相は、C、
Cr、Cu等が固溶した、硬質なオーステナイト相であ
り、HV 500程度の硬さを有している。このようなC
rリッチ高合金相が、基地中に分散することにより、耐
摩耗性を向上させる。このCrリッチ高合金相は、面積
率で50〜80%基地中に分散した組織が好ましい。5
0%未満では耐摩耗性の向上が望めない、しかし80%
を超えると被削性が劣化する。
【0015】フェロモリブデン粒子は、フェロモリブデ
ン粉末で添加することにより、基地中に分散する。フェ
ロモリブデン粒子は硬質な粒子であり、分散することに
より、耐摩耗性が向上する。耐摩耗性を向上させるため
には、フェロモリブデン粒子が、面積率で5〜20%基
地中に分散した組織が好ましい。本発明においては、上
記した組成を得るために、Cr、Mo、Cu等の金属を
添加するが、これら金属を単粉として添加してもよい
が、焼結性を改善する目的から、これら金属を予め合金
化しておくのが好ましい。
【0016】得られる焼結合金材の基地組成は、C:
0.7〜2.2%、Cu:0.6〜4.4%、Cr:
3.0〜10.0%、Mo:0.1〜1.0%を含み残
部Feからなり、あるいは、また、焼結合金材の基地組
成が、C:0.7〜2.2%、Cu:0.6〜4.4
%、Cr:3.0〜10.0%、P:0.06〜0.5
3%を含み残部Feからなり、あるいは、焼結合金材の
基地組成が、C:0.7〜2.2%、Cu:0.6〜
4.4%、Cr:3.0〜10.0%、Mo:0.1〜
1.0%、P:0.06〜0.53%を含み残部Feか
らなるのが好適である。
【0017】本発明のバルブシート用焼結合金材を得る
には、純鉄粉に、Cr、Mo、CuC、Pの単粉を混合
するか、純鉄粉に、Cr、Cu、Moおよび/またはP
を予合金した高Cr系合金粉およびCu粉、C粉を上記
基地組成となるように配合し、さらにフェロモリブデン
粉とともに混練する。なお、潤滑剤としてステアリン酸
亜鉛等を配合してもよい。
【0018】またさらに、バルブの攻撃性を低下させる
ために、固体潤滑材として硫化物、フッ化物のいずれか
あるいは複合で0.2〜3.0%添加してもよい。硫化
物としてはMnS、MoS2 等が、フッ化物としてはC
aF2 が好適である。これら固体潤滑材は0.2%未満
ではその効果が少なく、3.0%を超えると焼結体の材
料強度が低下するため、0.2〜3.0%の範囲で添加
するのが望ましい。
【0019】配合するフェロモリブデン粉は、JISに
規定されるフェロモリブデンのインゴットを粉砕し、平
均粒径:30〜100μm の粉末としたものが、好適に
使用できる。フェロモリブデンの組成は、JISに規定
される範囲の組成であれば十分である。フェロモリブデ
ンの組成は、たとえば、Mo:50〜70wt%、Fe:
30〜50%である。フェロモリブデン粉末の配合量
は、5〜20wt%が好適である。
【0020】次に、これら粉末を金型に充填し、成形プ
レスにより圧縮・成形し圧粉体とする。ついで、圧粉体
を焼結させて焼結体を得る。本発明では、圧粉体を保護
雰囲気中で1100〜1200℃の温度範囲で加熱し焼
結させるのが好ましい。1100℃未満では、焼結拡散
が不足し、高Cr合金相の形成が不十分であり、120
0℃を超えると硬質粒子、基地の過拡散が生じ耐摩耗性
が劣化する。
【0021】焼結体を切削等により、バルブシートに加
工する。
【0022】
【実施例】鉄を主体としC、Cr、Cu、およびMoまたはP
の一種または二種を含有する高Cr系合金粉と、黒鉛粉、
Cu粉、および純鉄粉とを基地組織が表1に示す組成とな
るよう配合し、さらに、表1に示す量のフェロモリブデ
ン粉(B粉)と、潤滑材としてステアリン酸亜鉛を1%
添加して、混練したのち、金型に充填、圧縮・成形し、
アンモニア分解ガス雰囲気中で1150℃×0.5hr
で焼結した。使用したフェロモリブデン粉は、JIS
G2307のインゴットを粉砕して得た平均粒径80μ
m の粉末を用いた。得られた焼結体の最終組成、組織お
よび特性を表2に示す。
【0023】なお、比較例として、黒鉛粉、Ni粉、Co
粉、純鉄粉とを基地組織が表1に示す組成となるよう配
合し、さらに、C、Cr、W、Coよりなる合金粉とフェロ
モリブデン粉を表1に示す量だけ添加し、ステアリン酸
亜鉛1%を加え、混練したのち、金型に充填、圧縮・成
形し、アンモニア分解ガス雰囲気中で1150℃×0.
5hrで焼結した。得られた焼結体の最終組成、組織お
よび特性を表2に併記する。比較例は、実機に主として
使用されているCoを含有する鉄系焼結合金材である。
【0024】
【表1】
【0025】
【表2】
【0026】上記焼結体を4気筒−2000cc−16
バルブガソリンエンジン用のバルブシートに加工した。
これらバルブシートを実機シリンダーヘッドに圧入し、
無鉛ガソリンを使用し、6000rpm全負荷の条件で
100hrの高速耐久試験を実施した。この結果をバル
ブクリアランスの変化量およびバルブシートの摩耗量で
図1および図2に示す。比較例として、実機に主として
使用されているCoを含有する鉄系焼結合金材のバルブ
シートを用いた。
【0027】本発明例は、現在実機に使用されている比
較例に比べて、バルブクリアランスの変化量およびバル
ブシートの摩耗量も少なく、極めて耐摩耗性に優れたバ
ルブシートとなっている。
【0028】
【発明の効果】本発明によれば、厳しい運転状況にも適
用できる耐摩耗性に優れた焼結合金製バルブシートを、
安価に提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】高速耐久試験後のバルブクリアランス変化を示
すグラフである。
【図2】高速耐久試験後のバルブシート摩耗量を示すグ
ラフである。
【図3】(a)は、本発明例の焼結体の光学顕微鏡組織
を示す写真であり、(b)は、それのスケッチ図であ
る。
【符号の説明】
A パーライト B Crリッチ高合金相 C フェロモリブデン粒子 D 微細Cr炭火物 E 空孔

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量比で、 C:0.5〜2.1%、 Cu:0.4〜4.2%、 Cr:2.4〜9.5%、 Mo:3.0〜15.0% を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなるバル
    ブシート用焼結合金材。
  2. 【請求項2】 重量比で、 C:0.5〜2.1%、 Cu:0.4〜4.2%、 Cr:2.4〜9.5%、 Mo:3.0〜15.0%、 P:0.04〜0.51% を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなるバル
    ブシート用焼結合金材。
  3. 【請求項3】 前記焼結合金材の組織が、パーライト組
    織を基地組織とし、Crリッチ高合金相と、フェロモリ
    ブデン粒子が分散した組織であることを特徴とする請求
    項1または2記載のバルブシート用焼結合金材。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9212572B2 (en) 2009-12-21 2015-12-15 Hitachi Powdered Metals Co., Ltd. Sintered valve guide and production method therefor
DE102010055463C5 (de) * 2009-12-21 2018-02-01 Hitachi Powdered Metals Co., Ltd. Gesinterte Ventilführung und Herstellungsverfahren hierfür

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