JPH09239241A - 有機ハロゲン化合物含有ガスの処理方法及び有機ハロゲン化合物分解触媒 - Google Patents

有機ハロゲン化合物含有ガスの処理方法及び有機ハロゲン化合物分解触媒

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JPH09239241A
JPH09239241A JP8047130A JP4713096A JPH09239241A JP H09239241 A JPH09239241 A JP H09239241A JP 8047130 A JP8047130 A JP 8047130A JP 4713096 A JP4713096 A JP 4713096A JP H09239241 A JPH09239241 A JP H09239241A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ハロゲンを含有する有機化合物を高効率分解
し、長時間性能を維持する触媒を用いた有機ハロゲン化
合物の分解方法及び分解用触媒及び分解用触媒の製法を
提供する。 【解決手段】チタニアとシリカとタングステンを含有
し、チタニアの表面がシリカ,酸化タングステンの多孔
質層で覆われている触媒を有機ハロゲン化合物を含むガ
ス流と、500℃を超えない温度で、水蒸気の存在下で
接触させて、有機ハロゲン化合物を一酸化炭素,二酸化
炭素とハロゲン化水素に分解する。 【効果】クロロフルオロカーボン類(CFC類),トリ
クロロエチレン,臭化メチル,ハロン等フッ素,塩素,
臭素のハロゲンを含有する有機化合物を高効率で分解
し、かつ長時間活性を維持することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、クロロフルオロカ
ーボン類(CFC類、例えばフロン),トリクロロエチ
レン,臭化メチル,ハロン等フッ素,塩素,臭素のハロ
ゲンを含有する有機化合物を高効率で分解し、かつ長時
間活性を維持する触媒及びその製法に関する。
【0002】
【従来の技術】クロロフルオロカーボン,トリクロロエ
チレン,臭化メチル,ハロン等、有機化合物中にフッ
素,塩素,臭素を含有する有機ハロゲン化合物は、発泡
剤,冷媒,消火剤,薫蒸剤等に幅広く利用されてきた。
これらの化合物はオゾン層の破壊を引き起こし、発癌性
物質の生成等、環境に対し深刻な影響を与えることが指
摘され、これまでに使用された有機ハロゲン化合物の回
収・分解処理方法が検討されている。
【0003】ところで、回収した有機ハロゲン化合物
は、反応性が低い比較的安定な化合物であるため、適切
な分解処理技術がないのが現状である。また、分解生成
物中には腐食性のハロゲンガスが含まれるため、分解処
理技術を一層困難にしている。分解処理法としては、主
に高温での燃焼技術,プラズマ技術がある。しかしなが
ら、この方法は、大量の燃料,電力を使用するためエネ
ルギー効率が低く、また、生成するハロゲンによる炉壁
の損傷の問題もある。特にプラズマ法では、処理ガス中
の有機ハロゲン化合物の含有量が低い場合にはエネルギ
ーのロスが大きい。これらに対し、触媒を用いた分解法
は触媒の性能が充分に高ければ、低エネルギーで処理で
きる効率的な優れた方法である。
【0004】従来、TiO2−WO3触媒は有機ハロゲン
化合物の分解用触媒として、特公平6−59388号に報告さ
れている。この触媒はTiO2の0.1〜20wt%のW
を含む触媒(原子比にすると、Tiが92mol% 以上9
9.96mol%以下,Wが8mol% 以下0.04mol%以
上)であり、ppm オーダーのCCl4 を処理するのに3
75℃で分解率99%を1500時間保持していた。し
かし、有機ハロゲン化合物中で触媒毒としての影響はC
lだけでなく、むしろFの方が大きい。従って、Cl,
Fの両方のハロゲン元素と反応しにくい耐ハロゲン性触
媒が必要となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は有機ハロゲン
化合物中のF及びClとの反応を抑制し、長時間の間、
性能を維持することのできる有機ハロゲン化合物を分解
する高性能な触媒及び製法,装置,処理方法を提供する
ものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は有機ハロゲ
ン化合物を高効率で分解が可能で、しかも反応物及び分
解生成物中に含まれるハロゲン、特にFによる劣化を受
けにくい高性能触媒の探索を詳細に進めた結果、本発明
に至った。即ち、チタニアとシリカと酸化タングステン
を含み、シリカをチタニアに対して約2〜約15重量%
含有し、TiとWの原子比が、Tiが20mol%以上9
5mol%以下,Wが80mol%以下5mol%以上であり、
チタニアの少なくとも表面がシリカ,酸化タングステン
のうち1種の多孔質層で覆われている触媒と、10vol
% を超えない有機ハロゲン化合物を含むガス流を触媒
と接触させて有機ハロゲン化合物を処理する方法であっ
て、前記ガス流を500℃を超えない温度で、全ガス流
量の30vol% を超えない水蒸気の存在下で接触させ
て、前記有機ハロゲン化合物を一酸化炭素,二酸化炭素
とハロゲン化水素に分解する。触媒は、チタニア粒子表
面にシリカの多孔質層を有し、シリカの多孔質層の表面
に更に酸化タングステンよりなる多孔質層を有する場合
に、優れた分解活性、特に高い耐久性を示すことを見出
した。また、チタニア粒子表面に酸化タングステンの多
孔質層を有し、酸化タングステンの多孔質層の表面に更
にシリカよりなる多孔質層を有する場合にも同様の優れ
た分解活性を示すことを見出した。この触媒はシリカと
チタンとタングステンを酸化物の混合物あるいは複合酸
化物の形態で含有している。
【0007】チタニアは、有機ハロゲン化合物の分解に
対して高い活性を示すが、反応ガス中にFが存在する
と、TiOF2 という化合物を形成して触媒から脱離し
てしまい、活性点が減少するため、活性が徐々に低下す
ることが判明した。一方、シリカは単体では有機ハロゲ
ン化合物の分解に対して高い活性を示さないが、チタニ
アと組み合わせることによって強酸点が増加することに
よってチタニア単体の活性を上回ることが判った。
【0008】従って、チタニアの持つ高い活性を損なう
ことなく、高寿命を持たせることが必要であった。Fと
の反応性が小さい、すなわち、F化しにくい金属酸化物
を探索した結果、酸化タングステンがFとほとんど反応
しないことを見出した。従って、酸化タングステンのみ
で高活性を示すことが望ましいが、酸化タングステンの
みでは比表面積が小さく、活性は低い。酸化タングステ
ンの比表面積を増大させる方法として、チタニア,酸化
タングステン,ゼオライト等の上に分散させる方法があ
るが、特に、チタニアにシリカあるいは酸化タングステ
ンを混合した場合に活性点(特に強酸点)の量が増加し
た。これらの酸点は、分解生成物であるHF,HClに
対し劣化しにくく、高活性を維持する。そこで、チタニ
アとシリカが混合あるいは複合酸化物化した粒子の表面
に酸化タングステンの多孔質層を形成すればチタニアの
活性を損なうことなく、触媒寿命を延ばすことができる
と考えた。
【0009】また、チタニアと酸化タングステンが混合
あるいは複合酸化物化した粒子の表面にシリカの多孔質
層を形成した場合にもチタニア粒子の活性は損なわれ
ず、触媒寿命を延ばすことが出来ると考えた。
【0010】チタニア粒子表面にシリカあるいは酸化タ
ングステン多孔質層を形成する方法としては、シリカを
含む溶液あるいはWを含む溶液をチタニア粒にしみこま
せ、焼成する含浸法を用いることができる。シリカある
いは酸化タングステンが余剰にある場合、一個一個の細
かなチタニア粒子を集合させてできたチタニア造粒粒子
の表面も、余剰のシリカあるいはWイオンが被覆でき
る。また、チタニア粒にシリカあるいはWを含む溶液を
塗布したり、蒸着法等により調製することができる。
【0011】チタニア粒子の表面をシリカあるいは酸化
タングステンで覆うには、適切な量のシリカあるいは酸
化タングステンが必要であり、粒径0.5〜1mm のチタ
ニア粒子に含浸法により酸化タングステンの多孔質層を
形成する場合は、Tiに対するWの原子百分率が10%
以上でないと、チタニア粒子表面を完全に覆えないこと
が判明した。チタニアを完全に覆えないと、その部分で
TiOF2 が生じてしまう。一方、シリカは粒径0.5
〜1mm のチタニア粒子に含浸して、シリカの多孔質層
を形成する場合、チタニアに対してシリカを2重量%以
上であれば、チタニア粒子表面を完全に覆えることが判
った。しかし、シリカの量はチタニアに対して約15重
量%を超えると、シリカ単体の活性特性に次第に近づく
ことが判った。すなわち、チタニアに対してシリカが約
15重量%を超えるとチタニアに酸化タングステンを含
浸した触媒単体の活性に比べて活性の低下が認められ
る。
【0012】含浸処理する場合、有機ハロゲン化合物が
炭素数1の分子である場合、TiとWの原子比は、Ti
が40mol% 以上90mol% 以下,Wが60mol% 以下
10mol% 以上であることが好ましい。炭素数2の分子
である場合、分子中に含まれるハロゲン元素の数が多く
なるので、TiとWの原子比を、Tiが20mol% 以上
85mol% 以下,Wが80mol% 以下15mol% 以上と
し、チタニア粒子の表面の多孔質が厚く積層されている
ことが好ましい。シリカはいずれの場合にもチタニアに
対して約2〜約15重量%の範囲であることが望まし
い。
【0013】本発明における粒状のチタニアは、転動造
粒法により成型されるのが最も効果的である。この場
合、触媒内部の空孔量を容易に調節できる。
【0014】また、第四成分として、硫黄,燐,モリブ
デン,バナジウムのうち少なくとも一種以上の成分を添
加した触媒は触媒の耐久性が向上することが分かった。
即ち、このチタニアとシリカと酸化タングステンよりな
る触媒に、さらに第四成分として、S,Mo,Vをチタ
ン原子に対して、0.001〜10mol%で存在すると効
果が大きいことが判明した。
【0015】本発明における触媒は、そのまま粒状、あ
るいはペレット状,ハニカム状等に成形して使用するこ
とができる。成形法としては、押出し成形法,打錠成形
法,転動造粒法など目的に応じ任意の方法を採用でき
る。この場合強度向上や比表面積増加などの目的で、ア
ルミナセメント,カルシウム−ナトリウムセメント、他
のセラミックスや有機物成分を混合することもできる。
もちろん、アルミナやシリカ等の粒状担体に触媒成分を
含浸等の方法で担持して使用することもできる。また、
セラミックスや金属製のハニカムや板にコーティングし
て使用することもできる。
【0016】本発明の触媒を調製するためのチタン原料
としては、酸化チタン,加熱により酸化チタンを生成す
る各種のチタン酸,硫酸チタン,塩化チタン,有機チタ
ン化合物などを使用しうる。
【0017】これらのチタン原料を水やアンモニア水,
アルカリ溶液等で水酸化物の沈殿を生成し、最終的な焼
成により酸化物を形成するのも好ましい方法である。
【0018】シリカ原料としてはシリカゾル等を用いる
ことが出来る。
【0019】さらに、タングステン原料としては、酸化
タングステン,タングステン酸,パラタングステン酸ア
ンモニウム等が好ましい。リンタングステン酸アンモニ
ウムのように、リンとタングステンの両者を含有する原
料を用いることもできる。
【0020】また、本発明の触媒は触媒中の活性点が酸
性であるほど劣化しにくく、触媒中にSやP等の触媒酸
性を強める成分が含まれているのも効果的である。Sは
硫酸イオン等の酸化物イオンの形で存在している。
【0021】本発明の対象とする有機ハロゲン化合物は
各種のクロロフルオロカーボン(フロン),トリクロロ
エチレン,臭化メチル等、有機化合物中にフッ素,塩
素,臭素を含有する化合物である。
【0022】フロン113と臭化メチルを例に取るとそ
れぞれ次のような反応が代表的なものである。
【0023】CCl2F−CClF2+3H2O → CO
+CO2+3HCl+3HF CH3Br+3/2O2 → CO+HBr+H2O 炭素数が2の有機ハロゲン化合物の分解反応を実施する
には、処理するガス中に水蒸気を有機ハロゲン化合物に
対し、モル数で3倍以上存在するように調整しておく。
この様な雰囲気で反応を実施することにより、分解効率
の向上が期待できる。また分解生成物が後処理の楽な形
態のハロゲン化水素で得られるという長所もある。3倍
未満ではこれらの効果が充分でない。
【0024】反応ガス中の有機ハロゲン化合物の濃度は
10vol% を超えないことが好ましい。10vol% を超
える高濃度であると、酸化タングステンの多孔質層を有
する触媒でも、活性が低下しやすい。また、処理濃度が
大きくなると、生成するHF,HClが多くなるので、
装置材質の腐食等の問題も生じる。逆に処理濃度が10
00ppm 以下の低濃度であると、他の処理方法に比べ分
解に必要なエネルギーは小さいものの、エネルギーロス
が生じる。分子中に含まれるハロゲン元素の量に影響さ
れるが、炭素数1の有機ハロゲン化合物を処理する場合
は、0.1〜10vol% の有機ハロゲン化合物濃度が好
ましく、炭素数が2の場合は0.1〜6vol% が好まし
い。
【0025】また、触媒と接触させる温度は500℃を
超えないことが好ましい。触媒温度が500℃以上にな
ると、触媒とFとの反応が進行しやすくなり、触媒の性
能が低下しやすい。特に炭素数が1の有機ハロゲン化合
物を処理する場合、250〜450℃が好ましい。炭素
数が2の有機ハロゲン化合物の場合は、分子中のハロゲ
ン元素が多くなる場合があり、300〜500℃が好ま
しい。なお、500℃を超える温度で有機ハロゲン化合
物を処理すると、分解生成物であるHF,HClの高温ガ
スが装置内を流れることになり、有機ハロゲン化合物処
理装置の反応管,配管等の腐食が早く進行してしまい、
メンテナンス等のコストがかかる。
【0026】また、処理ガスは触媒上を空間速度で50
0〜100,000 /時で使用することが好ましい。炭
素数が1の有機ハロゲン化合物を処理する場合、空間速
度は1,000〜50,000/時が好ましく、炭素数2
の有機ハロゲン化合物を処理する場合は、500〜1
0,000 /時の空間速度が好ましい。
【0027】本発明を実施する反応器の形状としては基
本的には、通常の固定床,移動床,流動床型の反応器が
使用しうるが、分解生成ガスとしてフッ化水素,塩化水
素等の腐食ガスが発生するため、分解生成ガスを触媒層
通過後ただちにアルカリ溶液と接触させ、酸成分を除去
する反応器が好ましい。
【0028】処理装置は、少なくとも有機ハロゲン化合
物ガス供給装置,水蒸気供給装置,空気供給装置,触媒
を充填する反応器,触媒を加熱する加熱源,触媒,分解
生成ガス洗浄槽からなり、処理する有機ハロゲン化合物
濃度に応じて、装置サイズ,触媒使用量を調節できる。
処理する有機ハロゲン化合物が室温で液状である場合、
予めガス化して触媒層へ導入する。触媒を加熱する方法
としては、電気炉等により加熱しても良く、また、プロ
パン,灯油,都市ガス等の燃焼ガスに有機ハロゲン化合
物ガス,水蒸気を混合して触媒層へ導入しても良い。触
媒を充填する反応器の材質としては、インコネル,ハス
テロイ等の耐食性材料が好ましい。分解ガス洗浄槽の構
造としては、スプレー塔が洗浄する効率が高く、また結
晶析出等による配管閉塞等が起こりにくい。アルカリ溶
液中に分解生成ガスをバブリングする方法,充填塔によ
る洗浄法も好ましい方法である。さらに、これら装置の
全体を2tトラック等に積載し、廃棄された冷蔵庫,自
動車等の回収場、もしくは有機ハロゲン化合物詰めボン
ベを貯蔵している場所へ移動して、含有されている有機
ハロゲン化合物を抜き出し、直接処理することもでき
る。また、分解生成ガス洗浄槽内の洗浄液を循環する循
環ポンプや、排ガス中の一酸化炭素等を吸着する排ガス
吸着槽を同時に搭載しても良い。また、発電機,加熱源
となるプロパン,灯油,都市ガス等の燃料を充填したボ
ンベ等も同時に搭載しても良い。
【0029】本発明の触媒は、チタニア表面に、強酸点
を保持するシリカの多孔質層及びフッ化物を生成しにく
い酸化タングステン多孔質層を有するため、有機ハロゲ
ン化合物に対して高い活性を示すとともにチタニアのフ
ッ素化(TiOF2化)を抑制でき、高耐久性を示す。酸
化タングステンはフッ化物を生成しにくいことから耐久
性向上に働き、チタニアとシリカは分解率向上に働く。
この触媒は、従来触媒のようにただちに触媒性能が劣化
しないため、触媒交換等の操作が不要となり、フロン分
解プロセスを低コスト化できる。
【0030】この触媒の調製法は、含浸法が好ましく、
含浸法を用いると、多孔質のチタニア粒あるいは造粒し
てなるチタニア粒の表面にシリカ,酸化タングステンの
うち1種の多孔質層を形成するとともに、チタニア粒内
部にも均一にシリカ,酸化タングステンのうち1種以上
を分散させることができ、チタニア粒表面のシリカある
いは酸化タングステンが剥離した場合でも、チタニア粒
子はFとの反応性が低く、高活性,高耐久性を示す。本
発明の触媒を用いることで、10vol% を超えない高濃
度の有機ハロゲン化合物ガスを効率良く処理することが
できる。
【0031】また、チタニアとシリカと酸化タングステ
ンを含む触媒に、第三成分としてMo,Vを添加して
も、酸化モリブデン,酸化バナジウムが、酸化タングス
テンが剥離して露出した酸化チタン表面を覆うため、耐
久性が向上する。
【0032】また、SO4 イオンが存在すると触媒中の
反応点の酸性が増大する。強酸点は分解生成物中の強酸
であるHF,HClにより劣化しにくく、これは分解活
性向上,耐久性向上に効果的である。
【0033】
【発明の実施の形態】以下、実施例にて本発明を更に詳
細に説明するが、本発明はこれら実施例のみ限定される
ものではない。
【0034】(実施例1)本実施例は、チタニアの表面
を酸化タングステンの多孔質層で覆った後にさらにシリ
カの多孔質層で覆った触媒の活性を調べた結果である。
【0035】直径2〜3mmの粒状酸化チタン(堺化学
製、CS−224S)を粉砕し、0.5〜1mmに篩い分け
した後、120℃で2時間乾燥した。乾燥後の酸化チタ
ン100gに対し、パラタングステン酸アンモニウム82.
2g を溶かした過酸化水素水を含浸した。含浸後、再
び120℃で2時間乾燥し、500℃で2時間焼成し、
触媒Aを作製した。次に20重量%の含有率を有するシ
リカゾル25gに蒸留水50gを添加したゾル水溶液B
を作製する。前記ゾル水溶液Bに触媒Aを含浸、全体を
120℃で2時間大気中で乾燥後、500℃に2時間保
持して焼成し、触媒Cを作製した。触媒Cはチタニアに
対するシリカの量が5重量%である。チタニアに対する
シリカの量が10重量%の触媒Dは、20重量%の含有
率を有するシリカゾル51gに蒸留水24gを添加した
ゾル水溶液Eを作製した。ゾル水溶液Eに触媒Aを含
浸、全体を120℃で2時間大気中で乾燥後、500℃
に2時間保持して焼成,作製した。その他にもチタニア
の含有量に対するシリカの濃度を変化させた触媒を作製
して、分解活性との関係を求めた。
【0036】実験に用いた装置の構成は以下のようであ
る。反応管は内径16mmのインコネル製の反応管で、触
媒層を反応管中央に有している。内部に外径3mmのイン
コネル製の熱電対保護管を有している。この反応管を電
気炉で加熱し、熱電対で触媒温度を測定する。水蒸気量
の調整は、所定量の純水をポンプで反応管上部に供給
し、蒸発させることで行った。有機ハロゲン化合物はC
FC12を用いた。供給した処理ガスは下記の組成を有
する。
【0037】 CFC12 5% 水蒸気 25% 酸素 10〜20% 窒素 残部 この組成のガスを空間速度20,000 毎時で触媒温度
400〜440℃の触媒層へ通じた。触媒層を通過した
分解生成ガスは、アルカリ水溶液中にバブリングさせ、
アルカリ水溶液を通過したガス中のCFC12濃度をF
IDガスクロマトグラフで分析した。なお、有機ハロゲ
ン化合物の分解率は次式で求めた。
【0038】
【数1】
【0039】図1に反応開始5時間後のCFC12の分
解率とチタニアに対するシリカの濃度の関係を示す。
【0040】なお、国連環境計画(UNEP)では、CF
C処理方法として認定されるCFC分解率は99%と言
われている。
【0041】(実施例2)図2は本発明の触媒C及び触
媒Dについての触媒温度440℃で100hの連続分解
試験を行った結果である。試験条件は実施例1と同様で
ある。
【0042】(実施例3)本実施例は、処理する有機ハ
ロゲン化合物が室温で液体の場合の有機ハロゲン化合物
分解装置の例である。分解装置を図3に示す。
【0043】処理するCFC12ガス1は、FIDガス
クロマトグラフ等の分析計3により、濃度を測定し、空
気2でフロン濃度3%程度に希釈する。希釈されたフロ
ンガスに、フロンモル数の5倍量の水蒸気4を添加した
後、実施例1触媒を充填した触媒層5へ導入する。この
ときの空間速度は3,000 毎時である(空間速度=ガ
ス流量(ml/h)/触媒量(ml))。触媒層は外側
から電気炉6で加熱し、触媒温度を440℃とした。な
お、触媒の温度を上げる方法としては、プロパンガス等
を燃焼させた高温のガスを流す方法も使用できる。分解
生成ガスは、スプレーノズル7から噴霧される水酸化ナ
トリウム水溶液と接触しながらアルカリ吸収槽8へバブ
リングされる。アルカリ吸収槽8を通過したガスは活性
炭等を充填した吸着槽9を通過した後、大気に放出させ
る。なお、スプレーノズル7から噴霧する液は、単なる
水でも良く、炭酸カルシウム等のスラリー液でも良い。
アルカリ吸収槽8中の廃液となったアルカリ水溶液10
は定期的に取り出し、新しいアルカリ水溶液11を入れ
替えることができる。スプレーノズルから噴霧されるア
ルカリ液はアルカリ吸収槽8内の溶液をポンプ12によ
り循環させる。
【0044】(実施例4)本実施例は、処理する有機ハ
ロゲン化合物が室温で液体の場合の有機ハロゲン化合物
分解装置の例である。装置を図4に示す。
【0045】実施例3の有機ハロゲン化合物分解装置
に、予熱器14を設けた例である。ここでは実施例3と
の違いのみを説明する。CFC113液13のように、処理す
る有機ハロゲン化合物が室温で液体の場合、予熱器14
で気化させ、FIDガスクロマトグラフ等の分析計3に
より、濃度を測定し、空気2でフロン濃度3%程度に希
釈する。希釈されたフロンガスは、以下実施例3と同様
に処理する。
【0046】
【発明の効果】本発明によれば、クロロフルオロカーボ
ン類(CFC類),トリクロロエチレン,臭化メチル,
ハロン等のフッ素,塩素,臭素のハロゲンを含有する有
機化合物を高効率で分解し、かつ長時間活性を維持する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の触媒の、チタニアに対するシリカの濃
度と反応開始5時間後CFC12 の分解活性の関係を示す結
果である。
【図2】本発明の触媒についての、触媒温度440℃で
100hの連続分解試験を行った結果である。
【図3】本発明の実施例3の有機ハロゲン化合物分解装
置の構成を示す図である。
【図4】本発明の実施例4の有機ハロゲン化合物分解装
置の構成を示す図である。
【符号の説明】
1…CFC12ガス、2…空気、3…FIDガスクロマ
トグラフ、4…水蒸気、5…触媒層、6…電気炉、7…
スプレーノズル、8…アルカリ吸収槽、9…吸着槽、1
0…廃液、11…新アルカリ水溶液、12…ポンプ、1
3…CFC113液、14…余熱器。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 荒戸 利昭 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 山下 寿生 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 小豆畑 茂 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 玉田 慎 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立工場内

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】チタニアとシリカと酸化タングステンを含
    み、シリカをチタニアの約2〜約15重量%の濃度で含
    有し、かつTiとWの原子比がTiが20mol% 以上9
    5mol% 以下,Wが80mol% 以下5mol% 以上であ
    り、チタニアの少なくとも表面がシリカと酸化タングス
    テンの少なくとも1種類の多孔質層で覆われている触媒
    を、10vol% を超えない有機ハロゲン化合物を含むガ
    ス流と、500℃を超えない温度で、全ガス流量の30
    vol% を超えない水蒸気の存在下で接触させて、前記有
    機ハロゲン化合物を一酸化炭素,二酸化炭素とハロゲン
    化水素に分解する工程を含んでなることを特徴とする有
    機ハロゲン化合物含有ガスの処理方法。
  2. 【請求項2】請求項1記載の処理方法において、触媒
    が、チタニア粒子表面のシリカ,酸化タングステンのう
    ち少なくとも1種類の成分からなる多孔質層の厚さが1
    Å以上5mm以下の触媒であることを特徴とする有機ハロ
    ゲン化合物含有ガスの処理方法。
  3. 【請求項3】請求項1記載の処理方法において、触媒
    が、チタニアとシリカと酸化タングステンを含み、シリ
    カをチタニアの約2〜約15重量%の濃度で含有し、か
    つTiとWの原子比がTiが20mol% 以上90mol%
    以下,Wが80mol% 以下10mol% 以上であり、チタ
    ニア粒子表面から、Wを含む溶液を該チタニア粒子内部
    に含浸焼成し、続いてSiを含む溶液を、Wを含む溶液
    を含浸した該チタニア粒子内部に含浸し、焼成して調製
    した触媒であることを特徴とする有機ハロゲン化合物含
    有ガスの処理方法。
  4. 【請求項4】請求項1記載の処理方法において、触媒
    が、チタニアとシリカと酸化タングステンを含み、シリ
    カをチタニアの約2〜約15重量%の濃度で含有し、か
    つTiとWの原子比がTiが20mol% 以上90mol%
    以下,Wが80mol% 以下10mol% 以上であり、チタ
    ニア粒子表面から、Siを含む溶液を該チタニア粒子内
    部に含浸焼成し、続いてWを含む溶液を、Siを含む溶
    液を含浸した該チタニア粒子内部に含浸,焼成して調製
    した触媒であることを特徴とする有機ハロゲン化合物含
    有ガスの処理方法。
  5. 【請求項5】チタニアとシリカと酸化タングステンを含
    み、シリカをチタニアの約2〜約15重量%の濃度で含
    有し、TiとWの原子比がTiが20mol%以上95mol
    %以下,Wが80mol% 以下5mol% 以上であり、チタ
    ニアの少なくとも表面がシリカの多孔質層で覆われてお
    り、さらに該シリカ多孔質層表面が酸化タングステンの
    多孔質層で覆われていることを特徴とする有機ハロゲン
    化合物分解触媒。
  6. 【請求項6】チタニアとシリカと酸化タングステンを含
    み、チタニアに対してシリカを約2〜約15重量%の濃
    度で含有し、TiとWの原子比がTiが20mol% 以上
    95mol% 以下,Wが80mol% 以下5mol% 以上であ
    り、チタニアの少なくとも表面が酸化タングステンの多
    孔質層で覆われており、さらに該酸化タングステン多孔
    質層表面がシリカの多孔質層で覆われていることを特徴
    とする有機ハロゲン化合物分解触媒。
  7. 【請求項7】請求項4記載の触媒において、チタニア粒
    子表面のシリカ及び酸化タングステン多孔質層の厚さが
    1Å以上5mm以下であることを特徴とする有機ハロゲン
    化合物分解触媒。
  8. 【請求項8】請求項4〜7記載の触媒において、チタニ
    ア粒子表面からタングステンを含む溶液を該チタニア粒
    子内部に含浸し焼成し、該タングステン溶液を含浸焼成
    した該チタニア粒子表面にシリカを含む溶液を含浸焼成
    することを特徴とする有機ハロゲン化合物分解触媒。
  9. 【請求項9】請求項4〜7記載の触媒において、多孔質
    のチタニア粒の内部にシリカ,酸化タングステンのうち
    1種の成分が分散し、該チタニア粒の表面に酸化タング
    ステン,シリカのうちの1種以上の成分の多孔質層を形
    成することを特徴とする有機ハロゲン化合物分解用触
    媒。
  10. 【請求項10】請求項4〜8記載の触媒において、造粒
    によってできるチタニア粒の内部に酸化タングステンが
    分散し、該チタニア粒表面に酸化タングステンの多孔質
    層を形成し、更に該酸化タングステンの多孔質層の外表
    面にシリカの多孔質層を形成することを特徴とする有機
    ハロゲン化合物分解用触媒。
  11. 【請求項11】請求項4〜8記載の触媒において、第四
    成分としてS,Mo,Vの少なくとも一種以上の元素を
    含有し、各金属元素の割合がTi原子に対して、0.0
    01〜10mol% で存在することを特徴とする有機ハロ
    ゲン化合物分解用触媒。
  12. 【請求項12】チタニアとシリカと酸化タングステンを
    含み、シリカをチタニアの約2〜約15重量%の濃度で
    含有し、TiとWの原子比がTiが20mol%以上95m
    ol%以下,Wが80mol% 以下5mol% 以上であり、チ
    タニアの少なくとも表面がシリカの多孔質層で覆われて
    おり、さらに該シリカ多孔質層表面が酸化タングステン
    の多孔質層で覆われていることを特徴とする有機ハロゲ
    ン化合物分解触媒。
  13. 【請求項13】チタニアとシリカと酸化タングステンを
    含み、チタニアに対してシリカを約2〜約15重量%の
    濃度で含有し、TiとWの原子比がTiが20mol% 以
    上95mol% 以下,Wが80mol% 以下5mol% 以上で
    あり、チタニア粒子表面からW成分を含む溶液を該チタ
    ニア粒子内部に含浸し、焼成し、更に該W成分を含む溶
    液を含浸,焼成した該チタニア粒子をシリカゾル中に含
    浸,焼成することを特徴とする有機ハロゲン化合物分解
    触媒の製法。
  14. 【請求項14】チタニアとシリカと酸化タングステンを
    含み、チタニアに対してシリカを約2〜約15重量%の
    濃度で含有し、TiとWの原子比がTiが20mol% 以
    上95mol%以下,Wが80mol%以下5mol% 以上であ
    り、チタニア粒子表面からSi成分を含む溶液を該チタ
    ニア粒子内部に含浸し、焼成し、更に該Si成分を含む
    溶液を含浸,焼成した該チタニア粒子をW成分を含む溶
    液中に含浸,焼成することを特徴とする有機ハロゲン化
    合物分解触媒の製法。
  15. 【請求項15】請求項13記載の有機ハロゲン化合物分
    解触媒の製法において、チタニア粒子表面からW成分を
    含む過酸化水素溶液を該チタニア粒子内部に含浸し、焼
    成し、更に該W成分を含む溶液を含浸焼成した該チタニ
    ア粒子をシリカゾル中で含浸,焼成することを特徴とす
    る有機ハロゲン化合物分解触媒の製法。
  16. 【請求項16】有機ハロゲン化合物を処理する装置であ
    って、少なくとも、請求項5〜12記載の触媒と、該触
    媒を充填する反応器と、該触媒を加熱する加熱源と、有
    機ハロゲン化合物ガス供給装置及び水蒸気供給装置と、
    空気供給装置と、分解生成ガス洗浄槽からなり、該有機
    ハロゲン化合物ガス供給装置により供給させた有機ハロ
    ゲン化合物を、該空気供給装置より送られる空気で希釈
    し、さらにこの希釈ガスに該水蒸気供給装置から水蒸気
    を添加し、該加熱源により加熱された該反応器内の該触
    媒層へ導入し、該触媒層を通過したガスを該分解生成ガ
    ス洗浄槽に導入して無害化処理することを特徴とする有
    機ハロゲン化合物分解処理装置。
  17. 【請求項17】有機ハロゲン化合物を処理する装置であ
    って、少なくとも、請求項5〜12記載の触媒と、該触
    媒を充填する反応器と、該触媒を加熱する加熱源と、有
    機ハロゲン化合物ガス供給装置及び水蒸気供給装置と、
    空気供給装置と、分解生成ガス洗浄液循環ポンプと、分
    解生成ガス洗浄槽と、排ガス吸着槽からなり、該有機ハ
    ロゲン化合物ガス供給装置により供給させた有機ハロゲ
    ン化合物を、該空気供給装置より送られる空気で希釈
    し、さらにこの希釈ガスに該水蒸気供給装置から水蒸気
    を添加し、該加熱源により加熱された該反応器内の該触
    媒層へ導入し、該触媒層を通過したガスにただちに分解
    生成ガス洗浄液を該循環ポンプを用いて噴霧させ、その
    後、該分解生成ガス洗浄槽に導入して無害化処理し、分
    解生成ガス洗浄槽を通過した排ガスを、該排ガス吸着槽
    に導入した後、大気に放出することを特徴とする有機ハ
    ロゲン化合物分解処理装置。
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