JPH09242506A - 翼チップクリアランスの調整方法 - Google Patents

翼チップクリアランスの調整方法

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JPH09242506A
JPH09242506A JP4577996A JP4577996A JPH09242506A JP H09242506 A JPH09242506 A JP H09242506A JP 4577996 A JP4577996 A JP 4577996A JP 4577996 A JP4577996 A JP 4577996A JP H09242506 A JPH09242506 A JP H09242506A
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thermal
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turbine
rotor
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Keiichi Sato
慶一 佐藤
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Ishikawajima Harima Heavy Industries Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 重量増加や効率低下がほとんどなく、かつ複
雑な制御装置を用いることなく、ラビングの発生を抑制
できる翼チップクリアランスの調整方法を提供する。 【解決手段】 タービン翼の先端を間隔を隔てて囲むケ
ーシング部材(例えばケーシング8及びシュラウドサポ
ート6a)の表面にタービン翼4aよりも十分厚いサー
マルバリアコーティングTBCを施し、かつ熱膨張量差
による剥がれを防止するスリットを設けて、ケーシング
部材を、タービン翼を含むロータの温度伝導率に近ずけ
て形成する。サーマルバリアコーティングは、例えば熱
伝導率の低いセラミック材からなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ジェットエンジン
に係わり、更に詳しくは、ジェットエンジンのガスター
ビンにおけるロータとステータの熱変位追従性の相違に
より発生する非定常時ラビングの防止方法に関する。
【0002】
【従来の技術】図3(A)は、ジェットエンジンのガス
タービン部の部分断面図であり、図3(B)はその部分
拡大図である。図3において、図示しない圧縮機で圧縮
された空気1の一部が燃焼器2に流入し、燃焼器2で高
温ガス3を発生させ、この高温ガス3で高圧タービン4
及び低圧タービン5を回転駆動し、この駆動力により圧
縮機を駆動するようになっている。タービン4,5の外
周部には、タービン翼4a,5aが円周上に複数配置さ
れ翼列を形成している。また、円弧状の複数のシュラウ
ド6,7が、タービン翼4a,5aを囲んで配置され、
これらのシュラウド6,7は、シュラウドサポート6a
を介して円筒形状のタービンケーシング8に取り付けら
れている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】軽量な従来のジェット
エンジンでは、最大定常保持後の急減速・再急加速時
に、ロータとステータ(ケーシング)の熱容量差による
熱変位追従性の違いによりラビングが発生することがあ
る。図4は、ロータチップとケーシングの半径方向位置
関係を示す図である。この図でロータチップは図3にお
けるタービン翼4aの先端、ケーシングは、シュラウド
6の内面の位置に相当する。図4から明らかなように、
ケーシングとロータチップのクリアランス(隙間)は、
加速時には高温ガスの温度上昇により両方が半径方向に
膨張するが、ロータチップは遠心力の影響で更に外側に
変位し、クリアランスが小さくなる。更に、一旦急減速
し、次いで再急加速した場合には、熱収縮した熱容量の
小さいシュラウド6の内面に、熱容量が大きく熱変位追
従性の遅いロータチップが接触する場合がある。この接
触(ラビングと呼ぶ)により、シュラウド又はロータチ
ップが摩耗してクリアランスが大きくなり、タービン効
率を低下させると共に、エンジン部品の寿命を短縮する
問題点があった。
【0004】この問題点を解決するために、大型エンジ
ンでは、アクティブ・クリアランス・コントロール・シ
ステム(ACCS)或いはタービン・ケース・クーリン
グ・システム(TCCS)と呼ばれる翼チップクリアラ
ンスの調整方法が用いられている。この方法は、タービ
ンケース外周に空気マニホールドを設置し、このマニホ
ールドから巡航時に冷却空気をタービンケース外面に吹
き付けてケースを収縮させ、翼チップクリアランスを適
正に補正するものである。
【0005】しかし、この方法では、大がかりなシステ
ムを必要とし、重量が大きくなり、かつ冷却空気を抽気
するためその分のエンジン効率が低下する問題点があっ
た。そのため、軽量で高性能を要求される比較的小型の
ジェットエンジンでは、適用が困難であった。
【0006】本発明はかかる問題点を解決するために創
案されたものである。すなわち、本発明の目的は、重量
増加や効率低下がほとんどなく、かつ複雑な制御装置を
用いることなく、ラビングの発生を抑制できる翼チップ
クリアランスの調整方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上述した非定常時のラビ
ングは、主として肉厚が薄い(熱容量が小さい)ケーシ
ングと、肉厚が厚い(熱容量が大きい)ロータとで、非
定常時の周囲空気温度の変化に対する熱変位追従性の違
いに起因すると考えられる。そこで、本願発明者は、重
量を増すことなくステータ側の熱に対する変位の追従性
を遅らせてロータ側に近づけることにより、非定常時の
ラビングを防止できることに着眼した。本発明はかかる
新規の知見に基づくものである。
【0008】すなわち本発明によれば、タービン翼の先
端を間隔を隔てて囲むケーシング部材を、タービン翼を
含むロータの温度伝導率に近ずけて形成する、ことを特
徴とする翼チップクリアランスの調整方法が提供され
る。
【0009】上述した本発明の方法によれば、ケーシン
グ部材の温度伝導率をロータに近づけて形成することに
より、非定常時の温度変化に対する温度の追従性をロー
タ側に近づけることができ、非定常時の熱膨張・熱収縮
による翼チップクリアランスを適正範囲に調整すること
が可能となる。ここで、温度伝導率kは、熱伝導率λ/
熱容量Cpで定義され、この値が大きいほど温度変化が
はやい。また、ケーシング部材とタービン翼を含むロー
タの熱変位追従性をほぼ同一にすることにより、定常状
態における熱膨張・熱収縮時の翼チップクリアランスも
適正に調整することができる。
【0010】本発明の好ましい実施形態によれば、前記
ケーシング部材の表面にタービン翼よりも十分厚いサー
マルバリアコーティングを施し、かつケーシング部材と
の熱膨張量差による剥がれを防止するスリットを設け
る。また、前記サーマルバリアコーティングは、熱伝導
率の低いセラミック材からなる、ことが好ましい。
【0011】温度伝導率kの定義における熱伝導率λ
は、部材の表面を断熱することにより、実質的に変える
ことができる。従って、熱容量の小さいケーシング部材
の表面に十分厚いサーマルバリアコーティングを施すこ
とにより、温度伝導率kをロータに近づけることができ
る。このサーマルバリアコーティングは、例えば、熱伝
導率の低いセラミック材からなり、熱膨張時に割れや剥
がれが生じやすいため、スリットを設け、耐熱金属材と
の熱膨張量差による剥がれを防止する。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施形態
を図面を参照して説明する。なお、各図において、共通
する部分には同一の符号を付して使用する。図1は、従
来のケーシング部材(図3におけるケーシング8及びシ
ュラウドサポート6a)の金属材料(Inco718)
とサーマルバリアコーティング(TBC)の熱伝導率の
比較図である。この図に示すように、TBCのコーティ
ング部は、金属材料の1/10以下の熱伝導率であり、
TBCのボンド部は、その中間の熱伝導率を有する。こ
こで、TBCは、熱伝導率の低いセラミック材からな
る。
【0013】TBCは、従来のジェットエンジンでも、
タービンノズルやタービン翼の耐熱性を高めるために用
いられている。この場合のTBCの厚さは、ボンド部で
0.05〜0.1mm、コーティング部で0.15〜
0.1mm程度であり、耐熱性を高めることはできる
が、上述した温度伝導率kにはほとんど影響しない厚さ
であった。
【0014】本発明によれば、タービン翼の先端を間隔
を隔てて囲むケーシング部材(図3におけるケーシング
8及びシュラウドサポート6a)として、従来の金属材
料(例えばInco718)をそのまま用い、接合面を
除くその表面にタービン翼よりも十分厚いサーマルバリ
アコーティング(TBC)を施す。このTBCの厚さ
は、コーティング部を少なくとも1mm以上とするのが
よい。また、TBCを厚くすると、ケーシング部材との
熱膨張量差による割れや剥がれが生じやすくなるので、
これを防ぐためにTBCに適当な間隔でスリット(隙
間)を設ける。このスリットの向きは、部材の熱膨張方
向に直交させるのがよいが、方眼状に設けてもよい。
【0015】上述した方法により、ケーシング部材の温
度伝導率k(=熱伝導率λ/熱容量Cp)をロータに近
ずけることができ、非定常時の温度変化に対する温度の
追従性をロータ側に近づけることができ、非定常時の熱
膨張・熱収縮による翼チップクリアランスを適正範囲に
調整し、かつ定常状態における熱膨張・熱収縮時の翼チ
ップクリアランスを適正に調整することが可能となる。
【0016】図2は、非定常時の翼チップクリアランス
の変化を示す模式図であり、(A)は従来例、(B)は
本発明の適用例を示している。各図において、横軸は時
間、縦軸は熱変位量とエンジン負荷であり、一点鎖線が
エンジン負荷、上下の実線がステータとロータの熱変位
を示している。図2(A)に示すように、従来例では、
最大定常保持後の急減速・再急加速時に、ロータとステ
ータ(ケーシング)の熱容量差による熱変位追従性の違
いにより図にAで示す位置でラビングが発生した。
【0017】これに対して、本発明の翼チップクリアラ
ンスの調整方法を適用した図2(B)では、ケーシング
部材(ステータ)を、ロータの温度伝導率に近ずけてい
るため、最大定常保持後の急減速・再急加速時であって
も、ラビングが生じにくくなる。
【0018】なお、図2は熱変位量のみを概念的に示し
たものであり、実際には、ロータの全変位は、図4に示
したように、熱変位に遠心力による変位を加えたものと
なる。また、本発明は上述した実施形態に限定されず、
本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更できることは
勿論である。
【0019】
【発明の効果】上述したように、本発明の方法によれ
ば、ケーシング部材の温度伝導率をロータに近づけて形
成することにより、非定常時の温度変化に対する変位の
追従性をロータ側に近づけることができ、非定常時の熱
膨張・熱収縮による翼チップクリアランスを適正範囲に
調整することができ、かつ定常状態における熱膨張・熱
収縮時の翼チップクリアランスを適正に調整することが
可能となる。
【0020】また、本発明の方法は、従来のアクティブ
・クリアランス・コントロール・システム(ACCS)
に比べ特別な配管や制御装置が不要なため、重量増がほ
とんどなく、かつ冷却空気の抽気等も必要ないため、エ
ンジン効率の低下がない。
【0021】従って、本発明の翼チップクリアランスの
調整方法は、重量増加や効率低下がほとんどなく、かつ
複雑な制御装置を用いることなく、ラビングの発生を抑
制できる、等の優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】金属材料(Inco718)とサーマルバリア
コーティング(TBC)の熱伝導率の比較図である。
【図2】非定常時の翼チップクリアランスの変化を示す
模式図である。
【図3】ジェットエンジンのガスタービン部の部分断面
図である。
【図4】ロータチップとケーシングの半径方向位置関係
を示す図である。
【符号の説明】
1 圧縮空気 2 燃焼器 3 高温ガス 4 高圧タービン 5 低圧タービン 4a,5a タービン翼 6,7 シュラウド 6a シュラウドサポート 8 タービンケーシング 9 ケーシング部材

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 タービン翼の先端を間隔を隔てて囲むケ
    ーシング部材を、タービン翼を含むロータの温度伝導率
    に近ずけて形成する、ことを特徴とする翼チップクリア
    ランスの調整方法。
  2. 【請求項2】 前記ケーシング部材の表面にタービン翼
    よりも十分厚いサーマルバリアコーティングを施し、か
    つケーシング部材との熱膨張量差による剥がれを防止す
    るスリットを設ける、ことを特徴とする請求項1に記載
    の翼チップクリアランスの調整方法。
  3. 【請求項3】 前記サーマルバリアコーティングは、熱
    伝導率の低いセラミック材からなる、ことを特徴とする
    請求項2に記載の翼チップクリアランスの調整方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009243444A (ja) * 2008-03-31 2009-10-22 Ihi Corp ジェットエンジン

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