JPH09243586A - 冷却または冷暖房システムに利用される熱媒体の腐食防止性測定方法、その方法を使用した測定装置及び電極 - Google Patents

冷却または冷暖房システムに利用される熱媒体の腐食防止性測定方法、その方法を使用した測定装置及び電極

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JPH09243586A
JPH09243586A JP8047382A JP4738296A JPH09243586A JP H09243586 A JPH09243586 A JP H09243586A JP 8047382 A JP8047382 A JP 8047382A JP 4738296 A JP4738296 A JP 4738296A JP H09243586 A JPH09243586 A JP H09243586A
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哲也 辻井
Masatsune Hasegawa
政恒 長谷川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 冷却または冷暖房システムに利用される熱媒
体の腐食防止性を、長期に渡って、簡単にしかも正確に
測定することができる簡易な測定方法、その方法を使用
した測定装置及び電極を提供すること。 【解決手段】 熱媒体C1と接触するように配置される
基準電極1と、同じく熱媒体C1と接触するように配置
され、かつ前記基準電極1から電気的に離隔された感知
電極2と、前記両電極1、2に結合された電圧応答装置
4とを有しており、前記基準電極1がカーボンにより形
成されていると共に感知電極2がステンレスにより形成
されていることを特徴とする測定装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、冷却または冷暖房
システムに利用される熱媒体の腐食防止性を測定する方
法、その方法を利用した測定装置及び電極に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来よ
り、熱媒体を間接的に利用した冷却または冷暖房システ
ムが普及している。例えば冷却システムは、自動車など
の内燃機関における冷却装置、ビール工場や乳製品工場
における醸造発酵工程、化学品工場における化学反応工
程などの冷却装置、製氷工場や冷却倉庫、さらには漁
船、コンテナ船における保冷冷却装置、氷蓄熱システム
などに適用されている。
【0003】一方冷暖房システムは、セントラルヒーテ
ィング、ソーラーシステム、床暖房システム、ガスヒー
トポンプ、スーパーヒートポンプなどの家庭用暖房用、
コージェネレーションなどの産業機械用、融雪、融氷、
霜取などのロードヒーティング用、工場、ビルなどの大
型規模空調システムにおける冷暖房用などに適用されて
いる。
【0004】これら冷却または冷暖房システムに利用さ
れる熱媒体には、冷却系または冷暖房系に使用されてい
る各種金属が腐食するのを防止するために、腐食防止剤
が添加されている。ところが、この腐食防止剤は長期間
の使用により、又冷却または冷暖房システムの使用時に
おける熱等により劣化したり、補水により濃度低下を起
こしたりして、腐食防止の機能が低下し、冷却系または
冷暖房系に使用されている金属が腐食されるという問題
がある。このため、一定期間を経過した熱媒体は新液と
交換することが行われている。
【0005】しかしながら、冷却または冷暖房システム
に利用される熱媒体の晒される状況はその用途によって
まちまちであり、一定期間を経過する以前に、既に腐食
防止剤が劣化して金属が腐食したり、冷却または冷暖房
システムを運転する時間が少なくほとんど劣化していな
いのに、新しい液と交換してしまい無駄であったりする
といった問題が発生している。
【0006】現在、熱媒体の腐食防止性を測定する方法
としては、熱媒体の濃度、pH、熱媒体中の金属イオン
量、腐食防止剤量などの熱媒体の性状が使用前の状態か
ら変化したことを熱媒体中の濃度、pH、金属イオン
量、腐食防止剤量などを分析して調べる方法がある。
又、金属腐食試験を実施し、直接腐食防止性を調べる方
法も行われている。
【0007】しかしながら、熱媒体の性状の変化を調べ
る方法では、熱媒体の腐食防止性が有効なものなのかど
うかを判別する基準が曖昧であり、しかも熱媒体の種類
によりその性状も様々で一定しておらず、正確な判定を
下すことができないという不具合があった。さらに、こ
の方法にあっては、熱媒体中の濃度、pH、金属イオン
量、腐食防止剤量など熱媒体の性状の変化を調べるのに
高価な分析機器が必要であり、研究室内でしか実施でき
ない等の問題があった。
【0008】一方、金属腐食試験を実施して、直接腐食
防止性を調べる方法では、専用の設備が必要であり、研
究室内でしか実施できないといった問題があった。
【0009】そこで、冷却または冷暖房システムに利用
される熱媒体の腐食防止性を簡単にしかも正確に測定す
ることができる簡易な測定装置が特公昭63−1981
5号公報に示されている。この装置は、自動車の冷却装
置(ラジエータ)に利用される熱媒体、つまり冷却水の
腐食防止性を測定するものであり、冷却水と接触するよ
うに配置される銀よりなる基準電極と鋼及びアルミニウ
ムからなる感知電極との間で生じる酸化還元電位を測定
し、この電位の大小によって冷却液の腐食防止性の有無
の判定ができるようにしたものである。
【0010】ところが、特公昭63−19815号公報
に示された装置は、長期に渡って使用することで電極部
分に腐食が発生し、測定された値が真値よりも大きくな
ってしまうという不具合があり、このため、腐食防止性
を十分有する冷却水でも、「新しく交換する必要があ
る」という誤った判定を下してしまうこともあった。
【0011】このような事情から、長寿命センサー(電
極)を有し、かつ熱媒体の腐食防止性を簡便にしかも正
確に測定できる装置が、一般ユーザー、ディーラー、整
備業者等から求められているというのが現状であった。
【0012】本発明は、このような要求に応えるべくな
されたものであり、冷却または冷暖房システムに利用さ
れる熱媒体の腐食防止性を、長期に渡って、簡単にしか
も正確に測定することができる簡易な測定方法、その方
法を使用した測定装置及び電極を提供することを目的と
するものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1記載の発明は、冷却または冷暖房システム
に利用される熱媒体の腐食防止性を測定する方法であっ
て、カーボンにより形成されている基準電極と、ステン
レスにより形成されている感知電極とを、両電極が電気
的に離隔された状態に熱媒体と接触するように配置し
て、前記感知電極側における防錆皮膜の形成に伴う電子
の放出と、基準電極側における電子の消費とを生ぜし
め、これら防錆皮膜の形成に伴う電子の放出及び電子の
消費により発生する酸化還元電位を測定することを特徴
とする熱媒体の腐食防止性測定方法をその要旨とした。
【0014】請求項2記載の発明は、冷却または冷暖房
システムに利用される熱媒体の腐食防止性を測定する装
置であって、熱媒体と接触するように配置される基準電
極と、同じく熱媒体と接触するように配置され、かつ前
記基準電極から電気的に離隔された感知電極と、前記両
電極に結合された電圧応答装置とを有しており、前記基
準電極がカーボンにより形成されていると共に感知電極
がステンレスにより形成されていることを特徴とする熱
媒体の腐食防止性測定装置をその要旨とした。
【0015】請求項3記載の発明は、冷却または冷暖房
システムに利用される熱媒体の腐食防止性を測定する装
置において、互いに電気的に離隔された状態に熱媒体と
接触するように配置される基準電極と感知電極とからな
り、前記基準電極がカーボンにより形成されると共に前
記感知電極がステンレスにより形成され、かつこれら基
準電極と感知電極とが電気絶縁材を介して一体に設けら
れていることを特徴とする熱媒体の腐食防止性測定装置
における電極をその要旨とした。
【0016】請求項4記載の発明は、円筒状に設けたス
テンレスの感知電極の内側に電気絶縁材を介して棒状の
端子が配置され、その端子の先端部分が円筒状の感知電
極から露出していて、この露出部分にカーボンシールよ
りなる基準電極が貼着されていることを特徴とする熱媒
体の腐食防止性測定装置における電極をその要旨とし
た。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の冷却または冷暖房
システムに利用される熱媒体の腐食防止性測定方法、そ
の方法を使用した測定装置及び電極を詳細に説明する。
本発明の冷却または冷暖房システムに利用される熱媒体
の腐食防止性の測定方法(以下単に測定方法という)
は、図1に示すように、カーボンにより形成されている
基準電極1とステンレスにより形成されている感知電極
2とを用いて、これら両電極1、2を電気的に離隔され
た状態に熱媒体C1と接触するように配置したときに、
両電極1、2間に生じる電子の授受に伴う酸化還元電位
を測定することで、熱媒体の腐食防止性を把握するとい
うものである。
【0018】熱媒体には、鋳鉄、銅、アルミニウム、
鋼、はんだ、黄銅といった冷却系または冷暖房系の各種
金属の腐食を防止するため、その主成分である水、エチ
レングリコールやプロピレングリコールなどのアルコー
ル類に加えて、モリブデン酸塩、脂肪酸塩、安息香酸
塩、リン酸塩、ケイ酸塩、硝酸塩、亜硝酸塩、トリアゾ
ール類、チアゾール類、アミン塩類などの腐食防止剤が
含まれている。これらの腐食防止剤は熱媒体中において
イオン化して存在している。
【0019】この熱媒体C1(十分な腐食防止性を有す
るもの)中にカーボンよりなる基準電極1とステンレス
よりなる感知電極2とを両電極1、2が電気的に離隔さ
れた状態に配置すると、感知電極2側では、熱媒体C1
中にイオンとして存在している安息香酸イオンやリン酸
イオンなどの腐食防止剤イオンが電子を放出することで
ステンレス表面に付着して皮膜3を形成し、ステンレス
の腐食が防止されるようになる。感知電極2は、この防
錆皮膜3の形成に伴って安息香酸イオンやリン酸イオン
などの腐食防止剤イオンから電子を受け取るのである
(電子の放出)。
【0020】一方、基準電極1側では、熱媒体C1のp
H濃度により下記の2つの反応が起こる。すなわち、熱
媒体C1が中性溶液の場合 1/2O2 +H2O +2e- → 2OH- ・・・(1)(酸素消費型) 熱媒体C1が酸性溶液の場合 2H+ +2e- → H2 ↑ ・・・(2)(水素発生型) といった反応が生じ、ここに電子の消費が生じることに
なる。
【0021】上記の如く、基準電極1と感知電極2との
間では酸化還元反応が生じ、これにより感知電極2側が
アノードに、基準電極1側がカソードとなって、電子
(e-)の流れができ、その電子の量が酸化還元電位と
して現れることになる。そして、この酸化還元反応によ
り生じた電位を、例えば両電極1、2に電圧応答装置4
を結合するなどして数値化し読みとるのである。
【0022】基準電極と感知電極との間で生じる酸化還
元電位は、熱媒体の腐食防止性能が低下すればするほど
小さくなる傾向がある。つまり腐食防止性能が低下した
熱媒体C2中では、溶存する腐食防止剤イオンの量が少
なくなっている。このため、図2に示すように、熱媒体
C2中に両電極1、2を配置したとき、感知電極2側に
おける防錆皮膜3は、溶存する腐食防止剤イオンの量だ
けからしか形成されないため、図1の場合に比べてその
防錆皮膜3の量は少なくなり、防錆皮膜3の形成に伴う
腐食防止剤イオンからの電子の受け取り量(電子の発生
量)も少なくなる。
【0023】また基準電極1側においても、感知電極2
側における防錆皮膜3の形成量が低下し、電子の受け取
り量(電子の発生量)が少なくなるに従って上記反応
(1)または反応(2)の発生も少なくなり、電子の消
費量も減ることになる。
【0024】このように熱媒体C2における腐食防止性
能の低下は、感知電極2側における防錆皮膜3の形成量
の低下、基準電極1側における電子の消費量の減少とい
う結果を生ぜしめ、これら両電極1、2間における酸化
還元電位が低下するという現象を導くことになる。
【0025】そして、この熱媒体における腐食防止性能
に従って変化する基準電極及び感知電極間における酸化
還元電位の大小を捉えることによって熱媒体における腐
食防止性の有効性を判断できるようにしたのが本発明の
測定方法なのである。
【0026】次に、本発明の冷却または冷暖房システム
に利用される熱媒体の腐食防止性測定装置(以下単に測
定装置という)並びに電極について説明する。尚、この
測定装置は上述の測定方法をそのまま使用したものであ
り、ここでの上記測定方法の説明は割愛する。図1に示
すようにこの測定装置は、基準電極1と感知電極2と、
これら両電極1、2に結合された電圧応答装置4とを有
している。
【0027】基準電極はカーボンにより形成されてい
る。カーボンは熱媒体中で変化せず、しかも導電性材料
として安定であることから、熱媒体の腐食防止性の測定
用としてきわめて有用である。このカーボンにより形成
されている基準電極としては、従来より炭素電極として
用いられている人造黒鉛電極、天然黒鉛電極、自焼成電
極、炭素質電極など所定の電極形状に成形された市販品
を用いることができる。また基準電極は、電極形状に限
らず円盤状、管状といった形態に成形することもでき
る。
【0028】さらに基準電極は、粉末状、粒状、繊維状
のカーボン材料を用いて、これに合成樹脂や合成繊維な
どの他の材料を複合した態様を採ることもできる。例え
ば繊維状のカーボンを用いて、これを合成繊維よりなる
織物、編物あるいは不織布の構成繊維中に含ませたり、
粉末状カーボンを用いて、これを合成繊維よりなる織
物、編物あるいは不織布の構成繊維表面または構成繊維
間隙に接着剤を介して付着させたりしてなるカーボンシ
ートや、粉末状、粒状、あるいは繊維状のカーボンを樹
脂中に分散しておき、これを発泡成形したカーボン入り
発泡成形体などを挙げることができる。
【0029】尚、基準電極として、カーボン材料と複合
した態様とするとき、他の材料として上述の電子の交換
に影響を及ぼすものは好ましくない。
【0030】感知電極はステンレス製である。ステンレ
ス鋼は金属(合金)であり、前述の如く熱媒体と接触す
るように配置したとき、その表面には腐食防止剤の皮膜
が形成されるが、ステンレス鋼自体、表面が緻密なクロ
ム酸化物の層に覆われていて腐食し難いという性質を持
っている。感知電極にはステンレス鋼として、マルテン
サイト系、フェライト系、オーステナイト系、オーステ
ナイト・フェライト系、析出硬化系のいずれの種類のも
のでも用いることができる。
【0031】その形態も基準電極と同じく任意であり、
棒状、板状、円盤状、管状、シート状など、当該測定装
置の用途や大きさなどを考慮して適宜決定すればよい。
【0032】また感知電極は、薄い箔状に成形してお
き、これに合成樹脂シートや合成繊維よりなる織物、編
物あるいは不織布を接合して複合一体化した態様を採る
こともできる。尚、この場合、感知電極として、合成樹
脂シートや合成繊維よりなる織物など、他の材料と複合
した態様とするとき、他の材料が上述の電子の交換に影
響を及ぼすものは好ましくない。
【0033】上記基準電極及び感知電極は、これら基準
電極と感知電極とが電気絶縁材を介して一体に設けられ
ている態様を採ることができる。例えば図3に示したも
のは、円筒状に設けたステンレスの感知電極12の内側
に電気絶縁材13を介して棒状の端子14が配置され、
その端子14の先端部分14aが円筒状の感知電極12
から露出していて、この露出した先端部分14aにカー
ボンシール11よりなる基準電極が貼着されているもの
である。
【0034】図4に示すように、カーボンシール11
は、合成繊維よりなる不織布20を基材として、この不
織布20の構成繊維表面及び繊維間隙にカーボン粉末を
接着材を介して付着させたものである。そして、このカ
ーボンシール11の両表面には粘着剤よりなる層22が
形成されていて、簡単に被粘着物(この態様では端子1
4の先端部分14a)に貼り付けることができるように
なっている。
【0035】前述の如くカーボンよりなる基準電極側で
は、ステンレスよりなる感知電極側で発生した電子を消
費する反応(1)または反応(2)が起きている。周知
の如くカーボンは微細な孔を持つ多孔質体であり、当該
基準電極を熱媒体と接触するように配置したとき、熱媒
体は同電極の表面のみならず、孔内にまで入り込み、こ
こで上記反応(1)または反応(2)が生じることにな
る。
【0036】ところが、反応が進むにつれて、基準電極
の表面及び内部において、これと接触状態にある熱媒体
中の酸素や水素原子の量が減り、電子の消費量が減るこ
とになる。このため、このままの状態で同基準電極を再
度用いて腐食防止性を測定しようとしても、基準電極の
表面及び内部には、酸素や水素原子の量が少ない熱媒体
が付着したままであることから、電子の消費が少なく、
電位の発生も低くなる。
【0037】そこで、熱媒体の腐食防止性を正確に測定
するためには、使用ごとに基準電極を新しくするか、熱
媒体(酸素や水素原子の量の減少した熱媒体)が付着し
ている部分を削るかのいずれかの方法を採らなければな
らない。
【0038】図3及び図4に示す態様は、このような煩
雑さを解決するために提案したものであり、カーボンシ
ール11を用い、これを測定毎に端子14の先端部分1
4aに貼り換えて使用するようにしたのである。
【0039】図5に示すものは、電気絶縁材としての合
成樹脂シート30の一方表面に基準電極としてのカーボ
ンシール11を貼り付けるとともに他方表面に感知電極
としてのステンレス泊31を接着したものである。この
態様の場合も、測定毎にカーボンシール11を合成樹脂
シート30に貼り換えて使用するようになっている。
【0040】上記基準電極1と感知電極2との間で生じ
る酸化還元電位は、両電極1、2に結合された電圧応答
装置4によって数値化されるようになっている。この場
合、感知電極2と電圧応答装置4との間の回路内あるい
は電圧応答装置4内部に増幅器を配し、両電極1、2間
で生じる酸化還元電位を増幅して、熱媒体における腐食
防止性をより高感度で捉えることができるようにしても
よい。
【0041】尚、両電極と電圧応答装置との間の回路内
あるいは電圧応答装置内部に測定値の大小によって熱媒
体における腐食防止性の有効性を判断する判定部を設け
ることもできる。更に、この判定部には測定値が「継続
使用不可」のレベルに達したとき、ブザーやランプで警
告するシステムを組み込むこともできる。
【0042】
【実施例】以下にその実施例を表に基づいて説明する。
腐食防止性測定に使用する床暖房実機回収液(循環液)
についての性状、すなわち循環液中の濃度、pH、金属
イオン量、腐食防止剤量を分析して調べ、同時に金属腐
食試験も実施し、その結果並びに試験結果に基づく各循
環液における腐食防止性の判定結果を表1に示した。
【0043】
【表1】
【0044】尚、循環液における腐食防止性の判定基準
は、循環液の性状については、pHが6.5〜11:金
属イオン濃度が10ppm以下を各々可(継続使用可
能)とし、上記範囲外の場合不可(継続使用不可であ
り、交換が必要)とした。同様に金属腐食についても、
その質量変化(mg/cm2 )アルミ鋳物が±0.3以
内、鋳鉄が±0.15以内、鋼が±0.15以内、黄銅
±0.15以内、はんだ±0.30以内、銅±0.15
以内を各々可とし、上記範囲外の場合不可とした。
【0045】次に、ステンレス(SUS304)にカー
ボンシールを貼ったものを基準電極とし、ステンレス
(SUS304)、アルミニウム、亜鉛、銅、はんだ、
鋼、鋳鉄、クロメートメッキ、ニッケルメッキの各種金
属により感知電極を構成して、両電極を各循環液に漬け
て皮膜形成に伴う酸化還元電位を測定した。これらの各
電極による測定結果を表2に示した。
【0046】
【表2】 電極の説明 (1) 電極はすべて10mm×10mmの100mm
2 。 (2) ステンレス(SUS304)、アルミニウム、
亜鉛、銅、はんだは#800耐水研磨紙で研磨した後エ
タノール中で超音波洗浄を行い、乾燥させた後使用。
【0047】上記表2に示された測定値に基づいて判定
基準を設けると、表3のようになる。
【0048】腐食防止剤の金属に対する皮膜形成に伴う
酸化還元電位は、より腐食し難い環境(循環液)、すな
わち循環液の腐食防止性が強ければ強いほど大きくなる
が、表2より明らかなように、その傾向を示す感知電極
はステンレス(304)と銅の2点である。ところが銅
は、一般に酸化しやすく銅の状態を維持するのが困難で
ある。このため、ステンレス(SUS304)が基準電
極として望ましいことが解る。
【0049】
【発明の効果】請求項1記載の測定方法は、熱媒体中に
カーボンよりなる基準電極とステンレスよりなる感知電
極とを両電極が電気的に離隔された状態に配置すること
で、感知電極側では、熱媒体中にイオンとして存在して
いる安息香酸イオンやリン酸イオンなどの腐食防止剤イ
オンが電子を放出することでステンレス表面に付着して
防錆皮膜を形成すると共に、基準電極側では、上述の反
応(1)または反応(2)が生じて電子が消費され、こ
れら基準電極と感知電極との間で生じた酸化還元電位を
測定することで、熱媒体の腐食防止性を測定する方法で
あり、熱媒体の腐食防止性を簡単にしかも正確に測定す
ることができる。
【0050】また、基準電極としてカーボン、感知電極
としてステンレスを用いているので、長期に使用しても
電極部分に腐食が発生し難く、常に正確な測定を行うこ
とができる。
【0051】請求項2記載の測定装置は、熱媒体中にカ
ーボンよりなる基準電極とステンレスよりなる感知電極
とを両電極が電気的に離隔された状態に配置すること
で、感知電極側では、熱媒体中にイオンとして存在して
いる安息香酸イオンやリン酸イオンなどの腐食防止剤イ
オンが電子を放出することでステンレス表面に付着して
防錆皮膜を形成すると共に、基準電極側では、上述の反
応(1)または反応(2)が生じて電子が消費され、こ
れら基準電極と感知電極との間で生じた酸化還元電位を
測定することで、熱媒体の腐食防止性が測定できるよう
になっており、熱媒体の腐食防止性を簡単にしかも正確
に測定することができる。
【0052】またこの測定装置は、基準電極がカーボン
により形成されていると共に感知電極がステンレスによ
り形成されているので、腐食し難く、長期に渡って使用
しても常に正確な測定がなされる。
【0053】またこの測定装置は、カーボンよりなる基
準電極と、ステンレスよりなる感知電極と、これら両電
極に結合された電圧応答装置の簡易な構成となっている
ので、手軽に持ち運びができ、必要なときにいつでも何
処でも測定ができる。
【0054】請求項3記載の電極は、カーボンにより形
成された基準電極とステンレスにより形成された感知電
極とが電気絶縁材を介して一体に設けられていることか
ら、より一層手軽に取り扱うことができる。
【0055】またこの電極は、基準電極がカーボンによ
り形成されていると共に感知電極がステンレスにより形
成されているので、腐食し難く、長期に渡って使用して
も常に正確な測定がなされる。
【0056】請求項4記載の電極は、基準電極としてカ
ーボンシールを用いていて、これを測定毎に端子の先端
部分に貼り換えて使用できるようになっているので、酸
素や水素原子の量の減少した熱媒体(電子の消費が既に
なされた熱媒体)が付着していることで、各電極におけ
る電子の消費ができなくなり、正確な測定ができなくな
るという恐れがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の測定装置を熱媒体(十分な腐食防止性
を有するもの)中に配置した状態を模式的に示した模式
図。
【図2】本発明の測定装置を熱媒体(腐食防止性が低下
したもの)中に配置した状態を模式的に示した模式図。
【図3】本発明の測定装置における電極を示した拡大断
面図。
【図4】基準電極としてのカーボンシールを示した要部
拡大断面図。
【図5】本発明の測定装置における電極の別例を示した
拡大断面図。
【符号の説明】
1・・・基準電極 2・・・感知電極 3・・・防錆皮膜 4・・・電圧応答装置 11・・・カーボンシール C・・・熱媒体

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 冷却または冷暖房システムに利用される
    熱媒体の腐食防止性を測定する方法であって、カーボン
    により形成されている基準電極と、ステンレスにより形
    成されている感知電極とを、両電極が電気的に離隔され
    た状態に熱媒体と接触するように配置して、前記感知電
    極側における防錆皮膜の形成に伴う電子の放出と、基準
    電極側における電子の消費とを生ぜしめ、これら防錆皮
    膜の形成に伴う電子の放出及び電子の消費により発生す
    る酸化還元電位を測定することを特徴とする熱媒体の腐
    食防止性測定方法。
  2. 【請求項2】 冷却または冷暖房システムに利用される
    熱媒体の腐食防止性を測定する装置であって、熱媒体と
    接触するように配置される基準電極と、同じく熱媒体と
    接触するように配置され、かつ前記基準電極から電気的
    に離隔された感知電極と、前記両電極に結合された電圧
    応答装置とを有しており、前記基準電極がカーボンによ
    り形成されていると共に感知電極がステンレスにより形
    成されていることを特徴とする熱媒体の腐食防止性測定
    装置。
  3. 【請求項3】 冷却または冷暖房システムに利用される
    熱媒体の腐食防止性を測定する装置において、互いに電
    気的に離隔された状態に熱媒体と接触するように配置さ
    れる基準電極と感知電極とからなり、前記基準電極がカ
    ーボンにより形成されると共に前記感知電極がステンレ
    スにより形成され、かつこれら基準電極と感知電極とが
    電気絶縁材を介して一体に設けられていることを特徴と
    する熱媒体の腐食防止性測定装置における電極。
  4. 【請求項4】 円筒状に設けたステンレスの感知電極の
    内側に電気絶縁材を介して棒状の端子が配置され、その
    端子の先端部分が円筒状の感知電極から露出していて、
    この露出部分にカーボンシールよりなる基準電極が貼着
    されていることを特徴とする請求項3記載の熱媒体の腐
    食防止性測定装置における電極。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2020046336A (ja) * 2018-09-20 2020-03-26 株式会社豊田中央研究所 腐食センサおよび腐食評価システム

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