JPH09243594A - 定電位電解式アンモニアガス検出器 - Google Patents

定電位電解式アンモニアガス検出器

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JPH09243594A
JPH09243594A JP8073191A JP7319196A JPH09243594A JP H09243594 A JPH09243594 A JP H09243594A JP 8073191 A JP8073191 A JP 8073191A JP 7319196 A JP7319196 A JP 7319196A JP H09243594 A JPH09243594 A JP H09243594A
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Tetsuya Iijima
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 二酸化炭素ガス、水素、及ぶ有機溶媒に対す
る感度を可及的に抑えて濃度の低いアンモニアガスを検
出すること。 【解決手段】 多孔質膜4aの電解液2側に作用極4b
が形成された隔膜4により封止された窓3を備えたセル
1に、エチレングリコールを含む中性電解液2と対極7
とを収容するとともに、作用極4bの電位を、0.1モ
ルの塩化カリウム電解液中の銀/塩化銀電極に対して0
乃至450mVに維持する。隔膜4から電解液2に溶け
こんだアンモニアは、作用電極4bで解離反応と、酸化
反応を受けて濃度に比例した電子を生成させる。一方、
水素や有機溶媒は、作用極4bの酸化力が弱いため、電
解電流を生じさせることができず、また二酸化炭素ガス
の酸化、還元反応はエチレングリコールに抑制される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術の分野】本発明は、定電位電解方式
を利用したアンモニアガス検出器に関する。
【0002】
【従来の技術】アンモニアガスの検出には、隔膜を介し
て被検知ガスを取り込む電解液中にガラス電極を封入し
たセベリングハウス型ガスセンサーが用いられている
が、出力電圧がアンモニアガス濃度の対数に比例するた
め、高濃度側の測定精度が低下するばかりでなく、ガラ
ス電極を使用する関係上、内部インピーダンスが数MΩ
と極めて高いため雑音を拾い易く、取り扱いが面倒であ
るという問題がある。
【0003】これに対して隔膜に白金黒の膜を形成した
作用極と対極とを電解液に接液させ、これら電極間に一
定電位を印加して、隔膜から電解液に溶け込んだガスに
より作用極で酸化、還元反応を生じさせ、このときの電
解電流を検出出力として利用する定電位電解式ガス検出
器は、大抵のガスに対して感度を有し、しかもガス濃度
に対する検出出力が一次関数となるため、広範な濃度に
対する精度が高く、また内部インピーダンスが低く、耐
雑音性が高いため、取り扱いが容易であるという特徴を
備えている。
【0004】しかしながら、このような優れた特徴を備
えた定電位電解式ガス検出器を用いてアンモニアガスを
検出しようとすると、作用極を構成している白金黒の強
い酸化力を利用する関係上、半導体工場のように水素や
洗浄用の有機溶媒が大量に使用されている環境では、環
境中の水素や有機溶媒による電解電流が生じ、アンモニ
アガスを検出することが不可能であるという問題があ
る。
【0005】定電位電解式ガス検出器の耐雑音性、及び
メンテナンスの容易さを生かしつつ水素や有機溶媒に対
する感度を抑えるために中性の電解液と貴金属や貴金属
酸化物からなる作用極とを用いたものも提案されてい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このように構成された
定電位電解式ガス検出器によれば、水素や有機溶媒を含
む環境中でもアンモニアを選択的に検出できるものの、
大気中に存在する二酸化炭素に対しても感度を示すた
め、アンモニアガスの検出に測定誤差を生じるという新
たな問題を抱えている。本発明はこのような問題に鑑み
てなされたものであって、その目的とするところは水素
や有機溶媒の存在や、さらには二酸化炭素ガスの存在に
関わりなく、環境中に存在する数10ppm程度のアン
モニアガスを高い精度で検出することができる新規な定
電位電解式アンモニアガス検出器を提供することであ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】このような問題を解消す
るために本発明においては、接液側に作用極が形成され
た気体透過性の隔膜により封止された窓を備えたセル
に、蒸気圧がエタノールよりも低いアルコールを含む中
性の電解液と対極とを収容するとともに、前記作用極
が、0.1モルの塩化カリウム電解液中の銀/塩化銀電
極に対して0乃至450mVの電位に維持するようにし
た。
【0008】
【作用】アンモニアの解離反応で生成した水酸イオンに
より、作用極が酸化する反応が同時に進行して、透過し
たアンモニアの濃度に比例した電子が生成されて検出出
力となる電解電流を生じさせる。一方、水素ガスや有機
溶媒は、作用極の酸化作用が弱いため、酸化されること
がなく、また二酸化炭素ガスの解離反応と作用極での還
元反応は、電解液のエチレングリコールに抑制されるた
め、その電解電流が極めて小さくなる。
【0009】
【発明の実施の態様】そこで以下に本発明の詳細を図示
した実施例に基づいて説明する。図1は、本発明の一実
施例を示すものであって、図中符号1は、セル容器で、
後述する電解液2を収容し、その1つの面には通孔3が
穿設されおり、ここに後述する隔膜4を、その外側をO
リング等のパッキング5を介してガス導入口6a、6a
‥‥を有する押さえ蓋6により液密に固定されている。
【0010】隔膜4は、電解液側に安定でかつ酸化力の
弱い貴金属金属、例えばAu(金)やルテニウム(R
u)、酸化ルテニウム(RuO2)の微粉末とフッ素樹
脂粉末を混合したものを、通気性と撥水性を備えたフッ
素樹脂等の多孔質膜4aに塗布、焼結したり、また反応
性スパッタリング等により膜を形成した作用極4bが作
り付けられている。
【0011】また、セル容器1内には作用極4bから一
定の距離を隔てて、銀線からなる対極7と、塩化カリウ
ム溶液により表面に酸化銀の膜が形成された銀線からな
る参照極8が設けられている。
【0012】これら作用極4b、対極7、及び参照極8
は、セル容器1と液密状態を維持するようにして外部に
引き出されて測定回路10に接続され、作用極4bは参
照極8との間に、0.1モルの塩化カリウム電解液中の
銀/塩化銀電極に対して電位が0乃至450mVとなる
ように設定されている。言うまでもなく、参照極の電解
液の成分及び電極の成分が特定されれば、作用極の電位
が一義的に定まるから、電解液の成分や電極の成分が変
わった場合にも換算できることは明らかである。なお、
対極7が参照極を兼ねるいわゆる2極式のものにあって
は、対極が所定電位に維持される。
【0013】一方、電解液2は、中性の電解液、この実
施例では0.1モル程度の塩化カリウム(KCl)、ま
たはこれに0.1モルの炭酸水素カリウム(KHCO
3)を含むものに、所定濃度のエチレングリコールを添
加して調製されている。なお、符号11は電解液注入
口、及び大気連通口を兼ねる通孔を示す。
【0014】この実施例において、アンモニアガスが隔
膜4を透過して、電解液2に溶け込むと、
【化1】 なる電解液2でのアンモニアの解離反応(水酸基の生
成)と、
【化2】 なる作用極4bを構成している酸化ルテニウムの酸化反
応(水酸基の消費)が進行して、透過したアンモニアの
濃度に比例した電子が生成される。
【0015】この電子は、電解電流として測定装置によ
り検出することができる。
【0016】そして、アンモニアガスの濃度と電解電流
との関係を調査したところ、図2に示したように電解電
流がアンモニアガスの濃度に対して極めて高い直線性を
示すことが判明した。
【0017】また水素や有機溶媒が隔膜4を透過して電
解液2に溶け込んだとしても、作用極4bの酸化作用が
弱いため、電解電流が発生することがない。
【0018】他方、二酸化炭素ガスが隔膜4を透過して
電解液に溶け込むと、一般的には
【化3】 なる二酸化炭素の解離反応(水素イオンの生成)と、
【化4】 なる酸化ルテニウムの還元反応(水素イオンの消費)が
生じる。
【0019】しかしながら、本発明における電解液2
は、エチレングリコールを含んでいるため、これらの反
応が抑制され、大気中に存在する6倍以上の2500p
pm程度の二酸化炭素ガスに対しても電解電流を生成し
ない。
【0020】すなわち、電解液にエチレングリコールを
添加しないで濃度2500ppmの二酸化炭素ガスを測
定すると、図3(a)に示したようにマイナス側に大き
な電解電流が流れた(図中領域C)。
【0021】これに対してエチレングリコールを75v
%含有する電解液を用いて上述と同様に濃度2500p
pmの二酸化炭素ガスを測定すると、図3(b)に示し
たように電解電流には変化が生じなかった(図中領域
C)。
【0022】高純度エアで掃気した後、濃度40ppm
のアンモニアガスを注入したところ(図中領域B)、エ
チレングリコールを含まない電解液、及びエチレングリ
コールを含む電解液を用いたものは、ともにアンモニア
ガスに対して電解電流を生じるものの、エチレングリコ
ールを含有する検出器の方が電解電流が大きかった。
【0023】さらに引き続いて高純度エアで掃気した
後、濃度2%の水素ガスを注入したところ(図中領域
H)、エチレングリコールを含まない電解液を用いた検
出器では、電解電流の発生が見られたが、エチレングリ
コールを含む検出器では水素ガスに起因する電解電流の
発生は見られなかった。
【0024】他方、エチレングリコールを75v%含む
電解液を用いた検出器において、作用極4bの最適な設
定電位を調査するために、作用極の銀/酸化銀に対する
電位をゼロV、及びマイナス200mVに設定した検出
器を用いて高純度エアと二酸化炭素ガスに対する電解電
流の変化を調べたところ、ゼロVのものでは図4(a)
に見られるようにベースラインが若干変動するものの、
二酸化炭素ガスの注入(図中領域C)に相関する電解電
流の発生は見られなかった。
【0025】これに対してマイナス200mVに設定し
た検出器にあっては図4(b)に見られるように二酸化
炭素ガスの注入(図中領域C)に一致して還元電流が生
じるばかりでなく、窒素ガス(図中領域N)に対しては
酸素の還元電流が生じることが判明した。
【0026】そして、アンモニアに対しては最高の感度
を、また二酸化炭素ガス等の干渉成分に対しては不感応
となる作用極の最適な電位を調べるために電位と電解電
流の関係を求めたところ、アンモニアガス(図中記号
●)、高純度エア(図中記号□)、窒素(図中■)、二
酸化炭素ガス(図中記号○)、水素ガス(図中記号▲)
のガスは、作用極4bの電位に対して図5に示したよう
な電解電流を発生させた。これらのことから干渉性ガス
の影響を可及的に小さいく抑えて、アンモニアガスを高
い感度で検出するには、作用極4bの電位を銀/塩化銀
の電極に対して100mV乃至350mV程度に設定す
るのが望ましい。
【0027】なお、上述の実施例においては、二酸化炭
素不感応剤としてエチレングリコールを75v%程度添
加しているが、干渉性ガスによる電解電流を抑えるだけ
なら10v%以上添加すればよい。すなわち図6は濃度
2500ppmの二酸化炭素ガスに対するエチレングリ
コールと電解電流の関係を示す線図であって、エチレン
グリコールの含有量が多くなるにつれて干渉性ガスに対
する電解電流が急激に小さくなり、エチレングリコール
が10v%になると、無添加時の電解電流がほぼ1/3
程度の20μAに減少する。
【0028】一方、図2からも明らかなように濃度10
ppm程度のアンモニアガスに対する電解電流は、20
μA程度であるから、エチレングリコールを10v%以
上添加すれば、大気中に存在する極めて薄い濃度のアン
モニアガスを検出することができる。
【0029】ところで、エチレングリコールの親水性を
有し、かつエタノールよりも蒸気圧が低いアルコール系
物質は、吸水性を有するから、吸水性に起因する電解液
の極端な増加を防止するためには、温帯地方では85v
%以下にするのが望ましく、また極端に乾燥した環境で
は95v%程度とするのが望ましい。
【0030】また二酸化炭素不感応剤としてエチレング
リコールを用いているが、エタノールの蒸気圧よりも低
いアルコール系物質、例えばプロピレングリコールやグ
リセリンも二酸化炭素ガスに対する不感応剤として機能
することが確認できた。このためプロピレングリコール
やグリセリンをそれぞれの吸水性及び使用される環境で
の湿度に応じて最適な濃度で添加しても同様の作用を奏
する。
【0031】
【発明の効果】以上、説明したように本発明において
は、接液側に作用極が形成された気体透過性の隔膜によ
り封止された窓を備えたセルに、蒸気圧がエタノールよ
りも低いアルコールを含む中性の電解液と対極とを収容
するとともに、作用極が、0.1モルの塩化カリウム電
解液中の銀/塩化銀電極に対して0乃至450mVの電
位に維持するようにしたので、環境中の水素や有機溶
媒、さらには二酸化炭素ガスの存在に関わりなく数10
ppm程度の極めて低い濃度のアンモニアガスを検出す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す装置の断面図である。
【図2】同上装置のアンモニアガスの濃度と電解電流の
関係を示す線図である。
【図3】図(a)、(b)は、それぞれ従来の定電位電
解式ガス検出器と本発明の検出器における二酸化炭素ガ
ス、アンモニアガス、及び水素ガスと電解電流との関係
を示す線図である。
【図4】本発明の検出器に設定される電位と二酸化炭素
ガス及び窒素ガスと電解電流との関係を示す線図であ
る。
【図5】本発明の検出器の作用極に設定される電位と電
解電流との関係をガスの種類にパラメータを取って示す
線図である。
【図6】大気中の二酸化炭素ガスに対するエチレングリ
コール濃度と電解電流の関係を示す線図である。
【符号の説明】
1 セル 2 電解液 3 窓 4 隔膜 4a 多孔質膜 4b 作用極 7 対極 8 基準極

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 接液側に作用極が形成された気体透過性
    の隔膜により封止された窓を備えたセルに、蒸気圧がエ
    タノールよりも低いアルコールを含む中性の電解液と対
    極とを収容するとともに、前記作用極が、0.1モルの
    塩化カリウム電解液中の銀/塩化銀電極に対して0乃至
    450mVの電位に維持されている定電位電解式アンモ
    ニアガス検出器。
  2. 【請求項2】 前記蒸気圧がエタノールよりも低いアル
    コールがエチレングリコール、プロピレングリコール、
    グリセリンの単体、または混合物である請求項1に記載
    の定電位電解式アンモニアガス検出器。
  3. 【請求項3】 前記作用極が貴金属又はその酸化物によ
    り構成されている請求項1に記載の定電位電解式アンモ
    ニアガス検出器。
  4. 【請求項4】 前記電解液が10乃至95v%のエチレ
    ングリコール、プロピレングリコール、グリセリンの単
    体、または混合物を含有する請求項1に記載の定電位電
    解式アンモニアガス検出器。
  5. 【請求項5】 前記作用極の電位が、0.1モルの塩化
    カリウム電解液中の銀/塩化銀電極に対して100乃至
    350mVに維持されている請求項1に記載の定電位電
    解式アンモニアガス検出器。
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