JPH09244689A - Hmmパラメータの並列推定方法 - Google Patents

Hmmパラメータの並列推定方法

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JPH09244689A
JPH09244689A JP8057204A JP5720496A JPH09244689A JP H09244689 A JPH09244689 A JP H09244689A JP 8057204 A JP8057204 A JP 8057204A JP 5720496 A JP5720496 A JP 5720496A JP H09244689 A JPH09244689 A JP H09244689A
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Tomohito Nakagawa
智仁 中川
Hideo Maejima
英雄 前島
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Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】複数のマイコンを用いた音声認識装置におい
て、HMMパラメータを効率的に推定する方法を提供す
る。 【解決手段】初期値の異なったBaumのパラメータ推定計
算を、複数のマイコン(PE)でそれぞれ並列に実行さ
せ、一定の間隔で他のPEで実行されているパラメータ
の推定系列と比較し、劣った推定系列に確率的な修正を
加える手順を繰り返すことで、局所最適解を回避しつつ
最適なHMMパラメータを計算する。上記確率的修正を
厳密な確率過程にすると、経路競合により通信負荷が多
大となるので、事前に競合が生じないPE選択を類型化
し、それを確率的に選択する。さらに、この際生じるP
E選択確率の偏重を回避するため、各PEが担当してい
る推定系列を、その修正の際に入れ換える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数のマイコン
(以下PEと略記する)を用いた音声認識装置におい
て、認識処理に用いられる隠れマルコフモデル(HM
M)のパラメータを、効率的に推定する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
1.音声認識におけるHMMパラメータの推定問題 1.1 音声認識におけるHMM 音声認識は、例えば図1のようなシステムで構成させ
る。マイクロフォンなどの音声入力装置102で入力さ
れた音声信号は、AD変換によってデジタル信号に変換
される。その後、音の定常的な性質を表現するため、一
定の区間(以下、フレーム)ごとに特徴抽出される。認
識処理では、特徴抽出されたパラメータ群(以下、特徴
ベクトル)の時系列的な性質により認識を行う。この時
系列的な音の性質を表現するモデルとして、HMMが用
いられる。
【0003】本発明は、この認識処理で用いるHMMパ
ラメータを動的に調整するような場合、特徴抽出された
信号に基づいて、HMMパラメータを推定する処理を想
定している。
【0004】1.2 HMMによる音声認識の基本原理 ここでは、本発明の説明に必要な範囲で、簡単にHMM
による音声認識方法について説明する。まず、図2のよ
うなマルコフモデルを考える。マルコフモデルとは「時
点n+1の状態が、時点nの状態によってのみ与えられ
る確率モデル」を意味する。この確率的な挙動は、状態
間の遷移確率によって表現される。音声認識では、状態
として固有の出力確率(具体的には、ある特徴ベクトル
のパターンを出力する確率)を与える。そして、入力さ
れた特徴ベクトルの系列(以下、観測系列)と比較し、
状態の遷移過程を推測する。具体的には、観測系列のよ
うな特徴ベクトルを出力する確率の最も高い状態遷移系
列を計算する。各認識要素は状態の遷移系列の類型と対
応している。この一連の手順により、最も確率が高い認
識要素が計算できる。なお、HMMのHidden(隠れ)と
は、直接状態遷移が観測できない(従って推定してい
る)ことを意味している。
【0005】1.3 HMMにおけるパラメータ推定問題 先に示したHMMにおいて、HMMのパラメータ(具体
的には、状態遷移確率aij,bij)を計算する必要があ
る。Baumは、最ゆう推定原理を用いたHMMのパラメー
タ推定法を実現した。
【0006】最ゆう推定法においては、あるパラメータ
の関数(以下、ゆう度関数)としてシステムを表現し、
教師としての観測系列に対して、そのシステムの出力が
最大となるようにパラメータを決定する。Baumのアルゴ
リズムは、具体的には、次のような手順で実行される。
【0007】Step 1 初期値の選定 Step 2 パラメータの反復推定 Step 3 状態遷移確率および出力確率の確定 このうち、Step2において反復計算が必要になる。この
手順は、 Step 2-1 フォワード(Forward)変数の計算 Step 2-2 バックワード(Backward)変数の計算 Step 2-3 状態遷移確率の推定(中間的な推定値の算
出) Step 2-4 出力確率の推定(同上) Baumのアルゴリズムにおいて、Step 2-1, 2-2 のForwar
d変数およびBackward変数の計算は、次の数1のよう
に、状態遷移確率および出力確率に依存する。
【0008】
【数1】
【0009】また、Step 2-3, 2-4 の状態遷移確率およ
び出力確率の計算は、次の数2のように、Forward 変数
およびBackward 変数に依存する。
【0010】
【数2】
【0011】このような反復計算において、最適解に収
束するか否かは初期設定に依存する。このような問題
は、非線形最適化問題に多い。
【0012】本発明では、非線形最適化問題における確
率的探索法を一部応用している。そこで、次に非線形最
適化問題における確率的探索法の従来技術を示す。
【0013】1.4 非線形最適化問題における確率的探索
法 多峰性関数の最適化問題を解くために、一般に確率的な
探索方法を用いる。ここでは、代表的なシミュレーテッ
ドアニーリング法(以下、SA)法および遺伝的アルゴ
リズム(GA法)について簡単に説明する。
【0014】(1)SA法 SA法は、局所最適を回避する方法として脚光を浴びて
いる。これは、熱力学とのアナロジから、状態の更新
(遷移)を確率的に実行する。すなわち、最小にすべき
評価関数をエネルギー関数に見立てて、古い状態と新し
い状態とを比較する。そして、新しい状態のエネルギー
が低ければ確率1で(すなわち、必ず新しい状態に)遷
移し、新しい状態のエネルギーが高ければ、ボルツマン
分布に従ってexp(−ΔE/T) の確率で遷移する。ここ
で、温度Tは遷移確率を決定するパラメータである。
【0015】SA法では、熱力学とのアナロジから、温
度Tを最初は高くとり、徐々に温度Tを下げてエネルギ
ー最小状態に到達する。言い換えれば、最初は遷移確率
を大きく取り、徐々に遷移確率を下げることで、大域最
適解に到達する方法である。
【0016】これはちょうど、高温から急速に冷やす焼
き入れ(最急降下法などに例えられる)より、ゆっくり
冷やす焼きなましがエネルギー的に最小状態に近いこと
に例えられている。SA法は、近似的解法ではあるが、
比較的良質の解が得られることが知られている。最も、
この処理の計算時間は膨大であり、それがSA法を応用
する際の問題になっている。
【0017】(2)GA法 確率的探索法の一手法として、GA法が近年脚光を浴び
ている。このGA法は主に生物の進化とのアナロジから
ホランド(Holland)によって提案された。GA法は、生
物の進化と対応する「増殖・交叉・突然変異・淘汰」の
各過程によって計算される。
【0018】例えば、単純にGA法を非線形最適化問題
に適用した例を示す。まず、最初に定義域上にランダム
に複数の点(以下、個体)を選択する。ここで、各点の
値(例えば、2進のビットパターン)を遺伝子に見立て
る。
【0019】GA法では、親と同一の個体(ビットパタ
ーン)を生成する。これを増殖という。増殖も一種の確
率過程であり、次の交配において選択される確率に影響
する。次に、生成された個体の中から一定の交配すなわ
ち、遺伝子の組替えを行う。これは通常の反復法におけ
る値の更新に相当する。このあと突然変異と呼ばれる確
率的な遺伝子の変更を行う。このように一定の確率頻度
で解を動かすことで、解が局所最適に落ち込むことを防
いでいる。これらの過程によって生成された個体は、一
定の評価に基づいて淘汰すなわち消滅する。これらの過
程を何世代も経ることにより、次第に最適解に収斂され
ていく。
【0020】従って、GA法もSA法と同様に、非常に
多大な計算時間を要する。しかし、各処理は比較的独立
であり、並列計算には適した方法である。また、GA法
の枠組は、基本的に「増殖・交叉・突然変異・淘汰」の
各過程を具備する一連の確率的手法であり、「何をどの
ように修正するか」によって様々な方法が可能である。
また、他の計算手法と複合的に処理することも十分可能
であり、現在様々なアプローチが試みられている。
【0021】本発明では、このような競合的な確率的探
索法を応用している。ここで競合的な確率的探索とは、
複数の探索を並列的に実行し、確率的に比較修正して、
大域最適解に到達する探索の確率を向上させる方法であ
る。当該手法の代表例がGAであるが、他にもモンテカ
ルロシミュレーションによる探索などがある。
【0022】(3) 並列計算システム 並列計算機には、共有メモリ型と分散メモリ型とがあ
る。共有メモリ型では、全てのプロセッサ(PE)が共
通のメモリにアクセスできるので、計算処理には都合が
良いが、ハードウェアが複雑になる。これに対して、分
散メモリ型では、各プロセッサに付随してメモリが存在
する(ローカルメモリ)。このため、ハードウェアは単
純で、並列度も大きく取れるが、データの整合性の問題
や通信の問題により、計算効率を引き出すのが難しい。
本発明は、このような分散メモリ型計算機を用いて効率
的にHMMパラメータを学習する方法を提供している。
【0023】尚、分散メモリ型計算機には、図3(a)
のようにハイパーキューブ型トポロジのものと、同図
(b)のようなメッシュ型トポロジのものがある。ハイ
パーキューブ型では、PE間通信が効率的に実行できる
が、機構的に複雑になるため、現在ではメッシュ型の並
列計算機が多い。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】Baumのアルゴリズム
は、大域最適解に収束することが保証されていないの
で、初期値の設定が推定パラメータの精度に大きく影響
する。しかし、初期値の選択に関してはヒューリスティ
ックに決定されているのが実情で、体系的な局所解回避
法は未だ提案されていない。
【0025】また、SA法・GA法に代表される確率的
探索法は、構造的に並列処理が可能な部分も多く、いく
つかの並列処理方法が提案されている。しかし、分散メ
モリ型計算機では、通信の負荷が多大なため、可能な限
り通信を抑制する計算手法が必要になる。
【0026】本発明の目的は、HMMパラメータ推定の
代表的な方法であるBaumのアルゴリズムに、確率的探索
法の要素を取り入れ、かつ並列処理−特に分散メモリ型
計算機に適した方法を提供することにある。
【0027】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本発明では次の手段を用いる。第一に、Baumのア
ルゴリズムに基づくパラメータの推定系列を複数個用意
し、その各々の推定系列を各PEで並列に実行させる。
この複数の推定系列に対して、例えばGAのような確率
的手法を適用して、推定系列を修正し、最終的に大域最
適に収斂させる。第二に、PE間のデータ通信の負荷を
低減するため、選択対象を隣接PEに限定し疑似的な確
率過程によって処理を実行する。さらに、PE間通信の
競合を回避するため、予め通信競合しない選択の組合せ
を抽出し、そのパターンを確率的に選択する手段を用い
る。このような手段は、厳密な確率的手法ではないが、
大域解に到達させるための手段としては十分である。最
も、上記の手段だけでは、選択される相手が偏重する恐
れがある。そこで、第三の手段として、推定系列の比較
・修正に際して、処理PEの交換を行う。これによっ
て、相当回数の反復実行の後には、平均的に確率的な処
理と等価になる。
【0028】本発明により、従来のBaumのアルゴリズム
の手軽さで、SA法あるいはGA法のような確率的探索
法に近い最適解が得られる。さらに、分散メモリ型並列
計算機で効率的に実現できる。
【0029】
【発明の実施の形態】本発明の実施例1を説明する。本
実施例では、2つの計算ユニットを持つ並列処理型のマ
イコンの使用を想定した例について説明する。ここで
は、本発明を実現する最も簡単な例として、2つの推定
系列で処理することを考える。
【0030】図4は、実施例1の処理の概要を示したフ
ローチャートである。本実施例では、各計算ユニットが
独立に計算するフェーズI、具体的には、手順411〜
413および手順421〜423と各計算ユニットが連携
して計算するフェーズII、具体的には手順402・40
4とを交互に繰り返して最適解を得る。以下、フェーズ
IとフェーズIIに分けて説明する。
【0031】START401より処理を開始する。これによ
り、各計算ユニットが一斉に計算を開始する。そして、
フェーズIに入る。1番目の計算ユニットが担当してい
る推定系列1に着目すると、手順411において必要な
初期設定が行われる。
【0032】本実施例では、2個のPEを用いたシステ
ムを考える。この両者は、異なった初期推定値より推定
を開始する。手順411は推定系列1の初期設定であ
り、手順421は推定系列2の初期設定である。手順4
12では、従来のBaumの方法における推定値の更新に基
づいて、推定値を更新する。具体的には、各観測系列
(特徴ベクトル列)に対して、数1によるForward 変数
およびBackward変数の計算と、数2による状態遷移確率
および出力確率の計算を繰り返す。
【0033】2番目の計算ユニットが担当している推定
系列2すなわち、手順421・422および423でも探
索系列1と同様の処理を行う。ここで、手順421は推
定系列1の手順411の処理に対応する。同様に、手順
422は手順412と、手順423は手順413とそれ
ぞれ対応する。
【0034】次に、フェーズIIすなわち、各計算ユニッ
トが連携して処理する処理について説明する。このフェ
ーズIIは、基本的に推定系列の再構成を行う手順402
と、収束を判定する手順404とよりなる。この手順4
04で劣った系列のパラメータを修正する。この判定
は、両者のゆう度を比較するなどの方法で評価できる。
【0035】図5には、手順402の構成例について説
明する。この実施例1では、最も簡単な例として推定系
列が2系統の最小構成になっているため、比較する推定
系列は系列1と2に固定されている。そこで、手順41
3および423より手順402に実行が移ったなら、す
なわち、系列1および2ともフェーズIの実行が終了す
れば、手順501により推定系列の優劣を比較する。
【0036】推定系列の優劣は、例えば、ゆう度等を考
慮した優劣比較のための評価関数を設定し、その比較に
よって実行できる。ここで、必要な値は手順412およ
び手順422で計算された値をそれぞれテーブル511
および512に格納しておき、それを用いれば良い。
【0037】この結果に基づいて、手順502によっ
て、劣性と評価された推定系列を修正する。この修正法
は、いくつかの方法が考えられるが、最も簡単な方法と
しては、探索点をランダムに選定する方法が可能であ
る。また、GA類似の手法によって、系列1の性質と系
列2の性質を確率的に修正する。例えば、2進表現した
探索点を適当に交配して、新しい探索点を生成する方法
も可能である。ここで、再構成された探索点により、テ
ーブル511あるいは512を更新する。
【0038】次に複数のPEを用いた本発明の実施例2
について説明する。図6には、本実施例2の処理のフロ
ーの概要を示す。実施例1と同様に、手順401よりS
TARTする。n個の推定系列はそれぞれn番のPEが
担当するものとする。推定系列1の手順611〜613
は、実施例1と同様の処理を行えば良い。探索系統nす
なわち、手順691〜693においても、実施例1で示
した推定系列1と同様の処理を行う。ここで、手順69
1は推定系列1の手順611の処理に対応する。同様
に、手順692は手順612と、手順693は手順61
3とそれぞれ対応する。
【0039】次に、フェーズIIすなわち、各計算ユニッ
トが連携して処理する処理について説明する。このフェ
ーズIIは、基本的には実施例1と同様で、推定系列の再
構成を行う手順601と大域最適解を判定する手順60
2とよりなる。しかし、n系列のため、再構成の方法で
いくつか異なる方法が考えられる。
【0040】図7aには、推定系列の再構成を行う手順
601の処理のフローを示す。手順701では、n個の
推定系列を2者1組のペア(以下、比較対)に分類し、
そこで優劣比較を行う。この比較対は、理屈の上ではラ
ンダムに選択すれば良い。そして、このような実現方法
が最も単純である。ここでは、図3aのようなハイパー
キューブ型計算機を前提として、効率的な比較対の選定
方法を説明する。
【0041】図3aのあるノード(PEのこと)に着目
する。これを0番(2進表現で0000)とする。ハイパーキ
ューブにおいては、2進表現で任意の1ビットを変更し
た番号のノード−すなわち、1番(2進表現で0001)
・2番(2進表現で0010)・4番(2進表現で010
0)および8番(2進表現で1000)と隣接する。こ
の様子を、図7bに示す。
【0042】図8では、この手順701について、より
詳細に示してある。分散型並列計算機においては、PE
間のデータ通信を効率的に処理する必要がある。PE間
のデータ転送は、転送回数の低減とともに、通信路の競
合を抑制しなければならない。本発明は、フェーズIで
は各PEが独立して処理する構造から、データ転送の回
数は低減される。そこで、通信路の競合を抑制する方法
を次に説明する。
【0043】第一の方法は、通信路が競合しない比較対
の組合せをテーブルとして管理する方法を考える。この
組合せは、非常に数多く存在するが、テーブルとしても
できるだけ多く用意した方がよい。実行時には、図8a
における手順821で、このテーブルのインデックスを
ランダムに選択する。これにより、比較対は選択したテ
ーブルに従って決定できる。
【0044】図9には、この一例を示す。図9aは、パ
ターンiにおける比較対の組合せを示す。この例では、
通信競合は全く生じない。各PEは、図9bのように、
インデックスが与えられた場合の組になる相手PEをテ
ーブルにすれば良い。これは、図8aの手順822にお
いて実行される。例えば、PE1はテーブル731を持
つ。ここでは、iに対して、PE2が選択される。同様
に、PE16はテーブル739を持つ。ここでは、iに
対してPE12が選択される。そして、比較対のうち必
ずPE番号の小さいPEが推定系列の再構成601を実
行するように予め決めておけば、各PEは通信競合する
ことなく処理を実行できる。
【0045】第二の方法は、通信方向をすべて揃える。
これは、ハイパーキューブにおいては、PE番号を2進
表現で表現した時に、同じ位置のビットを反転させるこ
とで実現できる。16PEのシステムなら、1〜4の任
意の位置をランダムに選択し、それに応じて対応するビ
ットを反転させれば良い。これは、図8の手順821に
相当する。例えば、2番目のビットを反転させるとする
と、(0,2)(1,3)(4,6)(5,7)(8,
10)(9,11)(12,14)(13,15)の組
が得られることになる。
【0046】手順822では、手順821で得られた比
較対ごとに、推定系列の優劣比較を行う。この処理は、
基本的に手順702と同様に行えば良い。ただし、全て
の比較対について処理を行う。各組の比較は並列に実行
できる。各組の計算は、該当する2個のPEで並列処理
することも理屈の上では可能である。しかし、それほど
重たい計算でもないので、ここでは一方のPEに実行さ
せる例を示す。すなわち、上記の例では、PE2→PE
0,PE3→PE1,PE6→PE4,PE7→PE
5,PE10→PE8,PE11→PE9,PE14→
PE12,PE15→PE13のデータ転送を行い、P
E0,PE1,PE4,PE5,PE8,PE9,PE
12,PE13において推定系列の優劣比較を行えば良
い。
【0047】手順703では、上記の比較対ごとの評価
で劣性と評価された推定系列について行う。これも、上
で示した各PE−すなわち、PE0,PE1,PE4,P
E5,PE8,PE9,PE12,PE13によってそ
れぞれ並列に実行できる。
【0048】この方法では、疑似的な確率的処理を行っ
ている。すなわち、完全にランダムに比較対を生成する
のではなく、予め効率的な組のパターンを決めておき、
そのパターンを確率的に選択する方法を用いている。も
ちろん、完全にランダムに組合せることも可能である。
【0049】
【発明の効果】本発明は、Baumのアルゴリズムにおける
局所解の回避に有効である。以下、本発明の効果につい
て、収束速度・並列効率・解の性質の3点について述べ
る。
【0050】(1)収束速度に関して SA法あるいはGA法のような確率的探索法において時
間のかかる理由は、局所最適を回避するための確率的処
理は、いわば「後戻り」の処理であるため、収束を遅ら
せる結果をもたらすことにある。そもそも、確率的な過
程を導入した意味は、局所最適の回避であるから、陥っ
た局所解を修正すれば十分であり、すべての手順におい
て確率過程を導入するべき理由はない。
【0051】本発明においては、複数のパラメータ推定
系列を用意し各系列は基本的に独立して計算を行ってい
る(フェーズI)、そして陥った局所解を淘汰するため
の確率的処理としてのみPE間通信の発生するGA類似
の競合的な疑似確率的探索手法を取り入れている(フェ
ーズII)。従って、SAあるいはGAに比べて確率的処
理の重みは小さく、全体的に収束速度の低下は僅少に抑
えられる。
【0052】(2)並列効率に関して フェーズIにおいて、各PE独立でのパラメータ推定は
Baumのアルゴリズムによって行われる。この処理ではP
E間通信が一切発生しないため、複数のマイコンを用い
た疎結合型のシステムおいても効率的な実行が期待でき
る。
【0053】一方、フェーズIIにおいては、各PE間で
のデータ通信が発生するが、これらはフェーズIのよう
な反復過程でないために、全体としてフェーズIIに占め
る割合は僅少である。
【0054】(3)解の性質について 複数存在するパラメータの推定系列のうち、劣っている
推定系列を一定の確率的処理により改廃・更新するた
め、局所最適の回避が可能になり、良質の解が得られ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】音声認識装置の一例を示すブロック図。
【図2】left-to-right 型HMMの構成例を示す説明
図。
【図3】複数のマイコンを用いた装置の接続形態の例を
示すモデル図。
【図4】実施例1によるHMMパラメータ推定方法の処
理フロー図。
【図5】実施例1における手順402の詳細の処理フロ
ー図。
【図6】実施例2によるHMMパラメータ推定方法の処
理フロー図。
【図7】実施例2における手順601の詳細図。
【図8】実施例2における手順601の詳細図。
【図9】実施例2におけるパターンの組合わせおよびP
Eテーブルの構成を示す説明図。
【符号の説明】
401…START、402…パラメータの再評価、4
03…END、404…収束判定、411…推定系列1
の初期設定、412…系列1の推定値の更新、413…
系列1の反復回数の判定、421…推定系列2の初期設
定、422…系列2の推定値の更新、423…系列2の
反復回数の判定、501…パラメータの評価、502…
劣性推定系列の修正、511…系列1の過去の推定値の
データ、512…系列2の過去の推定値のデータ、61
1…系列1の初期設定、612…系列1の推定値の更
新、613…系列1の局所解の判定、691…系列nの
初期設定、692…系列nの推定値の更新、693…系
列nの局所解の判定、601…推定系列の再構成、60
2…大域解の判定、701…比較する系列の組の選択、
702…推定系列の優劣比較、703…劣性推定系列の
修正、711…系列1の評価データ、719…系列nの
評価データ、731…系列1のPEテーブル、739…
系列nのPEテーブル、821…インデックスの選択、
822…推定系列の選定。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数のマイコンを用いた音声認識装置にお
    ける初期値の異なったBaum-Welchのパラメータ推定を、
    各マイコン(以下PE)がそれぞれ独立かつ並列に実行
    する計算方法であって、各PEがそれぞれ独立にパラメ
    ータを推定する第一の手順と、各PEで実行したパラメ
    ータの推定系列の結果を比較して、各PEで実行してい
    る推定系列を修正する第二の手順を繰り返して最適解を
    得ることを特徴とする隠れマルコフモデル(HMM)の
    パラメータ推定方法。
  2. 【請求項2】比較する系列を選択する第一の手順と推定
    系列の優劣を比較する第二の手順と、第二の手順で劣性
    と判定された推定系列を修正する第三の手順により現在
    計算している推定値あるいは収束性に影響するパラメー
    タを修正する推定系列の修正方法。
  3. 【請求項3】予めPE間の通信競合の発生しないPEの
    組合せのテーブルを複数個具備し、推定系列の選択時に
    おいてそのテーブルより任意の組合せを選択し、対応す
    るPEによって処理されている推定系列の中から確率的
    に推定系列を選択する推定系列の選択方法。
  4. 【請求項4】請求項2の第二の手順で劣性と判定された
    推定系列を修正する第三の手順の後に、各PEで実行し
    ている推定系列のデータを相手PEに転送する第四の手
    順を具備し、各PEがそれぞれ比較した相手のPEが処
    理すべき計算を引継いで計算するパラメータの推定方
    法。
  5. 【請求項5】請求項2または3において、ハイパーキュ
    ーブ型にPEを結合したシステムを用い、 PE番号を2進表現した場合の特定の位置をランダムに
    選択する第一の手順と、各PEのPE番号において、第
    一の手順で選択した特定の位置を反転する第二の手順に
    よって、複数の推定系列から確率的に推定系列を選択す
    る推定系列の選択方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011238128A (ja) * 2010-05-12 2011-11-24 Nec System Technologies Ltd 描画装置、描画方法、及びプログラム
CN106126192A (zh) * 2016-06-30 2016-11-16 电子科技大学 一种基于hmm的含错lfsr序列生成多项式估计方法

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