JPH0924569A - 軟質合成樹脂製複合体 - Google Patents

軟質合成樹脂製複合体

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JPH0924569A
JPH0924569A JP7199028A JP19902895A JPH0924569A JP H0924569 A JPH0924569 A JP H0924569A JP 7199028 A JP7199028 A JP 7199028A JP 19902895 A JP19902895 A JP 19902895A JP H0924569 A JPH0924569 A JP H0924569A
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JP
Japan
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synthetic resin
thin film
mpa
elastic modulus
organic thin
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Pending
Application number
JP7199028A
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English (en)
Inventor
Takao Igarashi
孝雄 五十嵐
Katsunori Takamoto
克則 高本
Kazunari Ishiura
一成 石浦
Masaki Ishii
正樹 石井
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Kuraray Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】本発明は、−20〜60℃における貯蔵弾
性率が1000〜50MPaの範囲である合成樹脂の成
形品表面の少なくとも一部に、−20〜60℃における
貯蔵弾性率が2000〜100MPaで、厚みが20〜
60μmの有機薄膜を設け、さらに該有機薄膜上に無機
薄膜を設ける軟質合成樹脂製複合体である。 【効果】柔軟性を有することによる形態自由度を持ち、
かつ高温・多湿でもさらに屋外で使用する環境下におい
ても変質、膜剥離することのない合成樹脂製反射鏡や合
成樹脂製装飾品として有用な軟質合成樹脂製複合体を提
供することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、軟質合成樹脂製複
合体に関し、より詳しくは柔軟性を有することによる形
態自由度を持ち、かつ耐久性に優れた合成樹脂製反射鏡
や合成樹脂製装飾品として有用な軟質合成樹脂製複合体
に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】従
来、合成樹脂製反射鏡や合成樹脂製装飾品は、合成樹脂
成形体の表面にメッキ等の湿式プロセスや真空蒸着、ス
パッタリング、イオンプレーティングなどの乾式プロセ
スを用いて金属薄膜を形成し、さらに金属薄膜の変質や
傷つき防止のために、さらに保護塗料で被覆して実用化
されている。例えば、ABS樹脂の場合には、表面を硬
質クロムメッキ処理して車両用のマーク等の装飾品とし
て実用化されたり、またアクリル樹脂の場合には、シー
ト表面にアルミニウム薄膜を真空蒸着により形成し、保
護塗料で裏打ちし合成樹脂製ミラーとして実用化された
りしている。近年、合成樹脂製反射鏡や合成樹脂製装飾
品に対して、特に取付けの自由度を付与してほしいとい
う要求があるが、従来の硬質材料を使用した合成樹脂製
反射鏡や合成樹脂製装飾品などの場合には、柔軟性に欠
け、無理に曲げると薄膜にヒビワレが生じたり、成形品
が割れるなどといった問題があり、市場の要求に十分応
えられないのが実情であった。
【0003】したがって、本発明の目的は、柔軟性を有
することによる形態自由度を持ち、かつ高温・多湿でも
さらに屋外で使用する環境下においても変質、膜剥離す
ることのない合成樹脂製反射鏡や合成樹脂製装飾品とし
て有用な軟質合成樹脂製複合体を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意検討した結果、特定の柔軟性を有する
合成樹脂成形品と有機薄膜とを組み合わせ、合成樹脂成
形品上に設けた有機薄膜上にさらに無機薄膜を配するこ
とにより上記目的を達成できることを見出し、本発明を
完成した。すなわち、上記目的は本発明によれば、−2
0〜60℃における貯蔵弾性率が1000〜50MPa
の範囲である合成樹脂の成形品表面の少なくとも一部
に、−20〜60℃における貯蔵弾性率が2000〜1
00MPaで、厚みが20〜60μmの有機薄膜を設
け、さらに該有機薄膜の上に、無機薄膜を設けた軟質合
成樹脂製複合体によって達成される。
【0005】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
用いられる樹脂としては、−20〜60℃における貯蔵
弾性率が1000〜50MPa、好ましくは800〜1
50MPaの範囲である合成樹脂であることが必要であ
る。合成樹脂の貯蔵弾性率が1000MPaを越える場
合には、複合体が柔軟性の点で劣り、一方50MPa未
満の場合には、複合体の形態保持性が十分でなく、変形
が生じやすいといった問題がある。本発明において貯蔵
弾性率とは、動的粘弾性測定装置、好ましくはポリマ−
ラボラトリ−社製動的粘弾性測定装置DMTA MKII
を用いて、曲げモード、周波数1Hz、昇温速度3℃/
minの測定条件により得られるところの値をいう(以
下、同様)。
【0006】合成樹脂の種類は、上記貯蔵弾性率の範囲
内のものであれば特に制限さないが、例えば、ポリエー
テル系あるいはポリエステル系のエラストマー、ポリエ
ステル系ポリマーとブタジエン−スチレン−アクリロニ
トリル共重合体(以下、ABSと略記することがあ
る)、ポリ塩化ビニル(以下、PVCと略記することが
ある)、アクリル系コアシェルポリマーから選ばれた少
なくとも一種とのブレンド物、ポリウレタン、ポリ塩化
ビニル等が挙げられる。中でも該合成樹脂の成形品表面
に設ける有機薄膜との密着性に優れるポリエステル系エ
ラストマー、ポリブチレンテレフタレート(以下、PB
Tと略記することがある)系ポリマーとABSもしくは
アクリル系コアシェルポリマーとのブレンド物が好まし
く、柔軟性、耐光性、耐加水分解性の点でPBT系ポリ
マーとアクリル系コアシェルポリマーとのブレンドによ
る熱可塑性樹脂組成物が特に好ましく用いられる。
【0007】上記熱可塑性樹脂組成物の好ましい態様と
して、例えば (1) PBT系樹脂を製造するに際し、ビニル芳香族化合
物重合体ブロック(A-1)および1,2-結合が30%未満のポ
リブタジエンが水素添加された形の水添ポリブタジエン
ブロック(A-2) からなる群から選ばれる少なくとも1種
のブロック(A) と、水添ポリイソプレンブロック(B-1)
、1,2-結合が30〜80%のポリブタジエンが水素添加さ
れた形の水添ポリブタジエンブロック(B-2) および水添
イソプレン/ブタジエン共重合体ブロック(B-3) からな
る群から選ばれる少なくとも1種のブロック(B) とから
なり、かつ末端に水酸基を有する変性ブロック共重合体
(I) 、および/またはビニル芳香族化合物重合体ブロッ
ク(C) とポリイソブチレンブロック(D) とからなり、か
つ末端に水酸基を有する変性ブロック共重合体(II)を、
PBT系樹脂の理論生成重量と、変性ブロック共重合体
(I) および(II)の添加重量の合計との比が98/2〜4
0/60となる割合で、PBT系樹脂の重縮合反応が完
了するまでの時期に反応系に添加して得られたPBT系
樹脂組成物、ならびに (2) 乳化重合法により、主としてアクリル酸アルキルエ
ステルおよび/または下記の一般式
【0008】
【化1】CH2 =C(−R)−CH=CH2
【0009】(式中、Rは水素原子またはメチル基を表
す。)で示されるジエン化合物からなる単量体系を重合
させ、次いで、形成される外層部分のガラス転移点が5
0℃以上になるような組み合わせで選択されたラジカル
重合性単量体を重合させることによって得られた、硬質
の外層を75〜5重量%の割合で有する多層構造共重合
体粒子を含有し、かつ、上記PBT系樹脂組成物(1) /
上記多層構造共重合体粒子(2) の重量比が10/90〜
75/25の範囲内である熱可塑性樹脂組成物が挙げら
れ、特に好ましくは上記PBT系樹脂組成物(1) /上記
多層構造共重合体粒子(2) の重量比が30/70〜70
/30の範囲内の熱可塑性樹脂組成物である。
【0010】上記PBT系樹脂を製造するための酸成分
は、テレフタル酸またはそのエステル形成性誘導体のみ
からなっていてもよいが、必要に応じて、少量(通常20
モル%以下)の他の酸成分を含んでいてもよい。また、
ジオール成分は、1,4-ブタンジオールのみからなってい
てもよいが、必要に応じて、少量(通常20モル%以下)
の他のジオール成分を含んでいてもよい。PBT系樹脂
はその特性に大きな悪影響を受けない限り、例えばグリ
セリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトー
ル、トリメリット酸、ピロメリット酸などの三官能以上
のモノマー成分を少量含んでいてもよい。PBT系樹脂
組成物(1) の製造方法は、変性ブロック共重合体を添加
する以外は、通常のポリエステル系樹脂の合成における
と同様の任意の方法を採用することができる。
【0011】上記変性ブロック共重合体(I) および(I
I)の水酸基は、ブロック(A)、ブロック(B)、ブ
ロック(C)およびブロック(D)のいずれのブロック
の末端に位置していてもよいが、ハ−ドブロック(A)
または(C)の末端に位置していることが好ましい。変
性ブロック共重合体の末端水酸基の含有量は、平均し
て、1分子あたり0.5個以上であることが好ましく、
0.7〜2個の範囲であることが好ましい。また変性ブ
ロック共重合体(I) におけるブロック(A)または変性
ブロック共重合体(II)におけるブロック(C)の数平
均分子量は、4000〜50000の範囲内にあるのが好まし
く、変性ブロック共重合体(I) におけるブロック(B)
または変性ブロック共重合体(II)におけるブロック
(D)の数平均分子量は、 10000〜100000の範囲内にあ
るのが好ましく、さらに変性ブロック共重合体(I) およ
び変性ブロック共重合体(II)の数平均分子量は、 150
00〜150000の範囲内にあるのが好ましい。変性ブロック
共重合体としては、柔軟性の点でブロック(A)−ブロ
ック(B)−ブロック(A)−OHで示される変性トリ
ブロック共重合体であることがより好ましい。
【0012】上記多層構造共重合体粒子(2) の内核を形
成する弾性体相は、弾性体として機能させるために架橋
した分子鎖構造を有していることが好ましく、また、内
核中の分子鎖と外層中の分子鎖が化学結合によりグラフ
トされていることが好ましい。そのためには、アクリル
酸アルキルエステルおよび/またはジエン化合物からな
る単量体系の重合において、少量の多官能の重合性単量
体を併用することが好ましい場合がある。なおジエン化
合物を主成分とする単量体系を用いる場合には、それ自
体が架橋あるいはグラフト点として機能するため、多官
能の重合性単量体を併用しなくてもよい。また多層構造
重合体(2) における硬質の外層は、乳化重合法により、
上記のようにして得られた弾性体として機能する重合体
の存在下に、形成される外層部分のガラス転移点が50
℃以上になるような組み合わせで選択されたラジカル重
合性単量体を重合させることによって得られる。外層を
形成させるために使用されるラジカル重合性単量体とし
ては、例えば、メタクリル酸メチル等のメタクリル酸ア
ルキル、スチレンなどの芳香族ビニル化合物等が挙げら
れるが、耐候性の点でメタクリル酸メチルが最も好まし
い。用いる多層構造共重合体粒子(2) の平均粒子径は、
柔軟性の点で0.03〜0.5 μmの範囲にあることが好まし
い。
【0013】本発明に用いる合成樹脂成形品としては、
上記合成樹脂からなるフィルム、シートおよび合成樹脂
を各種形状を有する成形品にプレス成形や射出成形した
ものが用いられるが、これらの成形品表面は、平滑だけ
ではなく、装飾を目的に微細な形状や凹凸等を有した
り、文字等が刻まれたり突出したりしていても差しつか
えない。
【0014】合成樹脂成形品上に設ける有機薄膜として
は、−20〜60℃における貯蔵弾性率が、2000〜
100MPa、好ましくは1800〜200MPaであ
る有機薄膜であることが必要である。貯蔵弾性率が20
00MPaを越える場合には、複合体を曲げたときに有
機薄膜が割れやすくなるため好ましくなく、一方100
MPa未満では、ヒ−トショックテストなどの耐久性試
験で無機薄膜にクラックが発生したり、無機薄膜の光沢
が消失したりする場合があり好ましくない。上記貯蔵弾
性率の範囲を満足するものであれば、特に材料を限定さ
れず、例えば、ポリエステル系塗料、アクリルウレタン
系塗料、シリコン系塗料などが挙げられ、上記合成樹脂
および無機薄膜との密着性が特に優れるポリエステル系
塗料が好ましく用いられる。また有機薄膜の膜厚は、薄
すぎる場合には無機薄膜のクラック発生を抑制する効果
が小さく、また塗装外観が良くない場合があり好ましく
なく、また厚すぎる場合には柔軟性に劣り無機薄膜にヒ
ビワレが発生しやすく合成樹脂成形品の軟質性が発揮で
きなくなるなどの問題があり、20〜60μm、好まし
くは25〜45μmであることが必要である。
【0015】有機薄膜には、本発明の効果を損なわない
範囲において着色剤、紫外線吸収剤、光安定剤、抗酸化
剤など添加剤を含有させても差支えない。ま有機薄膜の
形成方法としては、上記の塗料を、例えばスプレー塗
布、流延塗布、刷毛塗り、浸漬塗布、回転塗布等により
塗布し、乾燥・硬化等の処理を行う方法が通常採用され
る。薄膜の乾燥・硬化の方法・条件としては、用いる塗
料に適した方法であればよく特に限定されるものではな
いが、例えば熱風循環乾燥、熱風循環電熱赤外線照射、
ガス赤外線照射、高周波誘電加熱などにより、通常60
〜130℃程度の温度で約30〜120分処理される。
【0016】合成樹脂成形品表面に設けた有機薄膜の上
に設ける無機薄膜としては、金属様光沢を発現すること
のできるものであれば特に制限されるものではなく、例
えばアルミニウム、クロム、ニッケル−クロム、チタ
ン、銅、銀、金などの金属や窒化チタン、酸化チタン、
酸化インジウム等のセラミックスなどが挙げられる。無
機薄膜の膜厚としては、通常50〜1000オングスト
ロ−ム程度であるが、反射鏡あるいは装飾品として使用
しうる美麗な金属光沢を有し、かつ高度の耐久性を必要
とするものについては150〜400オングストロ−ム
程度であることが好ましい。無機薄膜の形成方法として
は、真空蒸着、スパッタリング、イオンアシスト蒸着、
イオンプレーティングなどの乾式法および湿式メッキ法
などが通常用いられる。これらの方法のうち膜厚精度が
良好で密着性に優れているという点からスパッタリング
が最も好ましく用いられる。無機薄膜のスパッタリング
成膜条件についても、好ましくはArガス圧力を1×1
0-1Pa以下でスパッタリングすることが耐久性を有す
る金属薄膜、例えばクロム薄膜を得るのに重要である。
【0017】また本発明においては、無機薄膜を、傷付
きや水分、酸素等による変質、密着性の低下から保護す
る目的で、無機薄膜の少なくとも全面にわたって、好ま
しくは成形品の全面にわたって、15〜30μm程度の
オ−バ−コ−ト層を1層以上設けることが好ましい。オ
−バ−コ−ト用塗料としては、例えば、ポリエステル系
塗料、アクリルウレタン系塗料、シリコン系塗料、アル
キッド系塗料などが用いられ、さらに耐水性、耐油性等
を付与する目的でフッ素を含む塗料等や、無機薄膜との
密着性の点で特に優れるポリエステル系、アクリルウレ
タン系、アルキッド系などの塗料が好ましく用いられ
る。
【0018】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的
に説明するが、これに制限されるものではない。実施例
および比較例の合成樹脂ならびに薄膜の評価と複合体の
評価は下記の方法により行った。
【0019】(貯蔵弾性率の測定) 合成樹脂成形品;厚さ約3mmの成形平板から断面が約
3mm×1.5mmになるように試験片を切り出し、動
的粘弾性測定装置(ポリマーラボラトリー社製DMTA
MKII)を用いて測定した。測定条件は、曲げモー
ド、周波数1Hz、昇温速度3℃/minである。 有機薄膜;厚さ約1mmになるように塗料をシャーレ内
で乾燥・硬化し、断面が約1mm×3.5mmの試験片
を切り出し、上記と同じ装置、条件で測定した。
【0020】(膜厚の測定) 有機薄膜;断面を光学顕微鏡で拡大して測定した。 無機薄膜;多重干渉法により測定した。
【0021】(一般耐久性評価) 1.耐候性テスト サンシャインカーボンアークウエザオメータ(スガ試験
機(株)製)を用いて、ブラックパネル温度63℃にて
軟質合成樹脂複合体の金属光沢を有する無機薄膜を設け
た面側から1000時間曝露したのち、外観観察として
目視および×200倍の光学顕微鏡観察と薄膜の密着性
をJIS K5400に準拠した碁盤目セロハンテープ
剥離試験により評価した。 2.耐水テスト 45℃の温水中に200時間放置した後に耐候性テスト
と同様の評価を行った。 3.耐熱テスト 空気恒温槽中、70℃で100時間放置した後に耐候性
テストと同様の評価を行った。 4.冷熱湿テスト −30℃雰囲気で23時間放置した後室内で1時間放置
し、次に50℃温水中に23時間放置した後ふたたび室
内で1時間放置し、その後さらに80℃の空気恒温槽中
に1時間放置した後に室内に1時間放置するテストを3
サイクル実施する。その後耐候性テストと同様の評価を
行った
【0022】(柔軟性テスト)種々の曲率半径を有する
木型に軟質合成樹脂複合体を手で添わせて外観を目視観
察した。
【0023】実施例1 (ポリエステル系樹脂組成物の製造)テレフタル酸ジメ
チル74.8重量部、1,4-ブタンジオール41.7重量部、およ
びテトライソプロピルチタネート0.03重量部を反応槽に
仕込み(PBT の理論生成量:85重量部)、常圧下に170
℃から230 ℃まで徐々に昇温しながら加熱してエステル
交換反応を行い、メタノールが23.8重量部留出した時点
でエステル交換反応を停止した。その後、変性ブロック
共重合体であるSEEPS-OH[一方のポリスチレンブロック
末端に水酸基を有する、ポリスチレンブロック(数平均
分子量:6000)/1,3-ブタジエンとイソプレンとの共重
合体の水添物のブロック(数平均分子量:28000)/ポリ
スチレンブロック(数平均分子量:6000)のトリブロッ
ク体(水酸基含量:0.8 個/分子;水添前のブロック共
重合体基準でのスチレン単位含量:30重量%;イソプレ
ン単位/1,3-ブタジエン単位のモル比:1/1;水添前
の1,3-ブタジエンとイソプレンとの共重合体ブロック中
の1,3-ブタジエンにおける1 ,4- 結合量:95%、3,4-結
合量:5 %;1,3-ブタジエンとイソプレンとの共重合体
の水添物ブロック基準の不飽和度:5 %;数平均分子
量: 40000]の15重量部を添加し、次いで、系を減圧に
して重縮合反応系に移行させた。すなわち、約30分間を
要して、反応温度を230 ℃から250 ℃に昇温させ、かつ
圧力を常圧から0.2 mmHgの圧力まで減じた。この反
応温度および圧力の下で、約60分間を要して重縮合反応
を行った。次に、反応槽に窒素ガスを供給して系を常圧
に戻すことにより重縮合反応を停止させ、ポリエステル
系樹脂組成物[A-1 ]を得た。
【0024】(多層構造共重合体粒子の製造)窒素雰囲
気下、攪拌機、冷却管および滴下ロートを装着した重合
器に、蒸留水600 重量部、乳化剤としてのラウリルザル
コシン酸ナトリウム0.168 重量部およびステアリン酸ナ
トリウム2.1 重量部を加え、70℃に加熱して均一に溶解
させた次いで、同温度において、アクリル酸ブチル150
重量部および多官能の重合性単量体としてのメタクリル
酸アリル0.15重量部を加え、30分撹拌した後、ペルオキ
ソ二硫酸カリウム0.15重量部を加えて重合を開始した。
4時間後、ガスクロマトグラフィーで各単量体がすべて
消費されたことを確認した。次いで、得られた共重合体
にペルオキソ二硫酸カリウム0.3 重量部を加えた後メタ
クリル酸メチル48重量部およびアクリル酸エチル2.0 重
量部の混合物を滴下ロートより2時間かけて滴下した。
滴下終了後、70℃で、さらに30分間反応を続け、各単量
体が消費されたことを確認して重合を終了した。得られ
たラテックスの粒子径は0.23μmであった。これを−20
℃に24時間冷却して凝集させた後、凝集物を取り出し、
80℃の熱水で3回洗浄した。さらに、80℃で2日間減圧
乾燥して、多層構造共重合体粒子[B-1 ]を得た。得ら
れた多層構造共重合体粒子における外層部分のガラス転
移点(Tg)は105 ℃であった。
【0025】(合成樹脂の製造)上記のようにして得ら
れたポリエステル系樹脂組成物[A-1 ]および多層構造
共重合体粒子[B-1 ]を、60/40 (重量比)の割合で予
備混合し、30mmφのベント付押出機(プラスチック工
学研究所(株)製 BT−30)により250 ℃の温度で溶
融混練し、ペレット化した。得られた熱可塑性樹脂組成
物のペレットを真空乾燥後、射出成形機(東芝機械製
IS80)により射出成形し、3mm厚の平板成形品を得
た。得られた成形品の−20〜60℃の範囲における貯
蔵弾性率は、700〜230MPaであり、柔軟性のあ
るものであった。続いて、この成形品の片側の全面に、
芳香環とエステル基を持つプレポリマーとイソシアナー
トとエステル基を持つプレポリマーからなる2液混合タ
イプの熱硬化塗料をシンナーで希釈したものをスプレー
塗装により塗膜形成した後、熱風乾燥炉中で115℃で
90分間乾燥硬化して有機薄膜を設けた。DSCで反応
率を確認したところ十分硬化反応は進んでいることを確
認した。この有機薄膜の−20〜60℃の範囲における
貯蔵弾性率は、1800〜500MPaであり、膜厚は
35〜45μmであった。次に、上記有機薄膜のほぼ全
面にわたってクロム(純度99.9%)をスパッタリン
グ法により成膜した。膜厚は200〜230オングスト
ロ−ムであった。スパッタリング装置・条件を以下に示
す。 スパッタリング装置:(株)徳田製作所製高周波マグネ
トロンスパッタ装置CFS−4ES 到達圧力 :1.5×10-3Pa Arガス導入圧力 :1×10-1Pa 堆積速度 :2.3〜2.7A/秒
【0026】以上の方法で作成した合成樹脂製複合体は
クロム金属光沢を有する極めて外観良好なものであっ
た。曲げ試験では曲率半径60mmRまで曲げても異常
は見られず柔軟性に優れていた。また外観、密着性も異
常はなく良好であった。耐久性テストにおいても異常は
見られなかった。
【0027】実施例2 多層構造共重合体粒子として呉羽化学工業(株)製パラ
ロイドEXL2311を用いた以外は実施例1と同様に
して作製した合成樹脂は、−20〜60℃の範囲におけ
る貯蔵弾性率が650〜200MPaであった。この合
成樹脂を用いて実施例1と同じ方法で合成樹脂製複合体
を作製したところ、クロム金属光沢を有する極めて外観
良好なものであった。曲げ試験では曲率半径60mmR
まで曲げても異常は見られず柔軟性が優れ、また外観、
密着性も異常はなく良好であった。耐久性テストにおい
ても異常は見られなかった。
【0028】実施例3 ポリエステル系樹脂組成物[A-1 ]および多層構造共重
合体粒子[B-1 ]の混合比を、50/50 (重量比)とした
以外は実施例2と同様にして作製し、得られた合成樹脂
の−20〜60℃の範囲における貯蔵弾性率は470〜
120MPaであった。この合成樹脂を用いて実施例1
と同じ方法で合成樹脂製複合体を作製したところ、クロ
ム金属光沢を有する極めて外観良好なものであった。曲
げ試験では曲率半径60mmRまで曲げても異常は見ら
れず柔軟性が優れ、また外観、密着性も異常はなく良好
であった。耐久性テストにおいても異常は見られなかっ
た。
【0029】実施例4 実施例1で得られた金属光沢を有する軟質合成樹脂製複
合体のクロム薄膜の表面全面を覆うように、芳香環、エ
ステル基、フルオロアルキル基を持つプレポリマーとイ
ソシアナートとエステル基を持つプレポリマーからなる
2液混合タイプの熱硬化塗料をシンナーで希釈したもの
を用いてスプレー塗装により塗膜形成した後、熱風乾燥
炉中で75℃で60分間乾燥硬化して、膜厚20μmの
無色透明な薄膜を設けた。得られた複合体はクロム金属
光沢を有する極めて外観良好なものであった。また曲げ
試験では曲率半径60mmRまで曲げても異常は見られ
ず柔軟性が優れ、また外観、密着性も異常はなく良好で
あった。耐久性テストにおいても異常は見られなかっ
た。
【0030】実施例5 合成樹脂として、−20〜60℃における貯蔵弾性率が
900〜135MPaのポリエステルエラストマー(東
洋紡績(株)製ペルプレンS3001)を用い、射出成
形により平板(80mm×80mm×3mmt)を作製
した。次に実施例1と同様にして金属光沢を有する合成
樹脂製複合体を作製した。得られた複合体はクロム金属
光沢を有する極めて外観良好なものであった。曲げ試験
では曲率半径60mmRまで曲げても異常は見られず柔
軟性が優れ、また外観、密着性も異常はなく良好であっ
た。耐久性テストにおいても異常は見られなかった。
【0031】比較例1 合成樹脂として、−20〜60℃における貯蔵弾性率が
2050〜1700MPaのABS樹脂(宇部サイコン
(株)製サイコラックTグレード)を用い、射出成形に
より平板(80mm×80mm×3mmt)を成形し
た。次に実施例1と同様にして金属光沢を有する合成樹
脂製複合体を作成した。得られた複合体の外観良好であ
り、密着性、耐久性に問題はなかったが、硬質で柔軟性
がないものであった。
【0032】比較例2 実施例2で用いた合成樹脂を用い、有機薄膜の膜厚を1
5μmとした以外は実施例1と同様にして、合成樹脂製
複合体を作製した。得られた複合体の外観は良好なもの
であったが、耐久性テストにおいてクロム膜にクラック
が発生した。
【0033】比較例3 実施例2で用いた合成樹脂を用い、有機薄膜の膜厚を8
0μmとした以外は実施例1と同様にして、合成樹脂製
複合体を作製した。得られた複合体の外観は良好なもの
であったが、柔軟性に劣り90mmRの曲げ試験で薄膜
に割れが発生した。
【0034】
【発明の効果】本発明によれば、−20〜60℃におけ
る貯蔵弾性率が1000〜50MPaの範囲である合成
樹脂の成形品表面の少なくとも一部に、−20〜60℃
における貯蔵弾性率が2000〜100MPaで、厚み
が20〜60μmの有機薄膜を設け、該有機薄膜の上に
さらに無機薄膜を設けることを特徴とする軟質合成樹脂
製複合体であるから、柔軟性を有することによる形態自
由度を持ち、かつ高温・多湿でもさらに屋外で使用する
環境下においても変質、膜剥離することのない合成樹脂
製反射鏡や合成樹脂製装飾品として有用な軟質合成樹脂
製複合体を得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石井 正樹 茨城県つくば市御幸が丘41番地 株式会社 クラレ内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 −20〜60℃における貯蔵弾性率が1
    000〜50MPaの範囲である合成樹脂の成形品表面
    の少なくとも一部に、−20〜60℃における貯蔵弾性
    率が2000〜100MPaで、厚みが20〜60μm
    の有機薄膜を設け、さらに該有機薄膜上に無機薄膜を設
    けることを特徴とする軟質合成樹脂製複合体。
JP7199028A 1995-07-12 1995-07-12 軟質合成樹脂製複合体 Pending JPH0924569A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007182630A (ja) * 2005-12-30 2007-07-19 Meian Kokusai Gigyo Kofun Yugenkoshi 非金属材に多彩な金属光沢を与える方法及び多彩な金属光沢を有する非金属材
WO2007094163A1 (ja) * 2006-02-14 2007-08-23 Lintec Corporation 自動車マーキング用粘着シート
JP2015221528A (ja) * 2014-05-23 2015-12-10 株式会社太洋工作所 メッキ樹脂製品
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