JPH09245800A - 燃料電池および燃料電池用電極 - Google Patents
燃料電池および燃料電池用電極Info
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- JPH09245800A JPH09245800A JP8080935A JP8093596A JPH09245800A JP H09245800 A JPH09245800 A JP H09245800A JP 8080935 A JP8080935 A JP 8080935A JP 8093596 A JP8093596 A JP 8093596A JP H09245800 A JPH09245800 A JP H09245800A
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Abstract
よび電解質層への給水性を向上させ、電極におけるガス
透過性を確保する。 【解決手段】 カソード23を構成する電極基材は、親
水処理を施されたカーボンクロスからなり、親水部60
を形成する。また、カソード23は、電解質膜側の表面
に電解質膜側撥水部62を備え、ガス流路側の表面にガ
ス流路側撥水部64を備える。電池反応によって生じた
生成水の一部は、電解質膜側撥水部62によって弾かれ
て電解質膜に押し戻され、電解質膜が乾燥してしまうこ
とを防止する。残りの生成水は親水部60に吸収されて
ガス流路側へ導かれ、酸化ガス中に蒸散する。また、電
解質膜側撥水部62が備える撥水性によって、酸化ガス
のガス拡散性が向上する。
Description
料電池用電極に関し、詳しくは導電性とガス透過性とを
有する電極を備えた燃料電池および燃料電池用電極に関
する。
を、熱エネルギや機械エネルギを経由することなく直接
電気エネルギに変換する装置であり、高い発電効率を得
ることが可能な装置として知られている。燃料電池で
は、水素を含む燃料ガスをアノードに供給し、酸素を含
む酸化ガスをカソードに供給して、両極で起こる電気化
学反応によって起電力を得る。以下に、燃料電池で起こ
る電気化学反応を表わす式を示す。(1)式はアノード
における反応、(2)式はカソードにおける反応を示
し、(3)式は電池全体で起こる反応を表わす。
料電池が安定して発電するためには、各電極に燃料ガス
および酸化ガスが効率よく供給され続ける必要がある。
そのため燃料電池用電極としては、従来、ガス拡散能と
導電性とを備えた炭素系材料からなる極板が用いられて
きた。具体的には、炭素繊維からなる糸で織成したカー
ボンクロスや、やはり炭素繊維からなるカーボンフエル
トやカーボンペーパ等によって電極を形成していた。
気化学反応によって発電を行なうと、(2)式に示した
ようにカソードでは水が生成する。このように生成した
水がそのままカソードに留まるとガスの拡散路を塞いで
しまい、電極におけるガスの拡散が妨げられて電池反応
が低下する。そのため、電池反応によって生成した水を
速やかに電極から排水する必要がある。
ルオロエチレン(商品名テフロン、以下PTFEと呼
ぶ)とを混合して撥水カーボンを作製し、この撥水カー
ボンをペースト化したものをカーボンクロスの両面に塗
布して焼成し、カーボンクロスの表面に撥水性を持たせ
たうえで電極として用いていた。このように作製した電
極では、カーボンクロスに塗布した撥水カーボンによっ
て生成水が弾かれるため、生成水が排出され易くなる。
また、撥水カーボンによって電極表面の水が弾かれるた
め、ガス拡散性が向上する。この電極を両極に用いて固
体高分子電解質型燃料電池を作製し、図13に示す従来
条件に従って燃料電池を動作させると、図15に符号a
のグラフとして示したように高い電圧で安定した発電が
行なわれる。なおここで用いた電極は、アノード、カソ
ード共に、その両面に撥水カーボンが塗布されている。
に示した従来条件で燃料電池の運転を行なうと、燃料電
池によって発電された電力のうち、65%ものエネルギ
を燃料電池を運転するために消費してしまうことになっ
てしまい採用し難い。すなわち、燃料電池によって20
kWの電力を発電する際に、上記従来条件では、各電極
に供給する燃料ガスおよび酸化ガスを加湿するために5
kWを消費し、陽極に供給する酸化ガスを加圧するため
に8kWを消費してしまう。発電効率を向上させるため
には、発電時に消費してしまうこれらの電力を削減する
必要がある。
る電力について説明する。アノードでは(1)式に示し
た反応によってプロトンが生じるが、このプロトンは水
分子と結びついた状態で電解質膜中をカソードに向かっ
て移動する。このように電解質膜のアノード側では水が
消費されるため、燃料ガスを加湿しておくことによって
電解質膜の乾燥を防ぐ必要がある。カソードにおける反
応では(2)式のように水が生成するが、カソードに供
給される酸化ガスは加圧されているため、部分的に電解
質膜の表面が乾燥してしまうおそれがある。従って従来
は、燃料ガスと共に酸化ガスをも積極的に加湿し、図1
3に示す従来条件にて燃料電池を運転していた。このよ
うに燃料ガスおよび酸化ガスを加湿するために、燃料電
池によって20kWを発電する場合には、約5kWの電
力を消費してしまう。ここで、燃料ガスおよび酸化ガス
を上記のように積極的に加湿することをやめてしまい、
ガスの加湿のためにエネルギを消費しない構成とする
と、酸化ガスは加湿度0%となり、燃料ガスについて
は、原燃料のメタノールを水蒸気改質して燃料ガスを生
成する際に加湿されるので加湿度は60%程度となる。
される電力について説明する。燃料電池では、各電極に
供給するガスの圧力を高くした方が化学反応である電池
反応が促進されるため、空気などの酸化ガスをポンプ等
によって加圧している。図14は、燃料電池の出力を2
0kWと設定した場合に、加圧によって消費される電力
の大きさを示すグラフである。図14に示すように、加
圧によって消費される電力の大きさは、加圧する圧力と
空気過剰率とによって決まる。空気過剰率とは、燃料電
池を稼働させて所定の電力を得るために理論的に必要な
空気の量に対する実際に供給する空気量の割合のことを
いう。通常、燃料電池による発電を行なう際には過剰量
の空気を供給する必要がある。理論的に必要な量の空気
しか供給しない場合には、燃料電池内部の末端部に供給
される酸素の濃度が低くなってしまい電池反応の効率が
低下してしまう。そこで、末端部にも充分量の酸素が供
給されるように過剰量の空気を燃料電池に供給してい
る。
とし、空気過剰率を6としていた。このような条件で
は、燃料電池によって20kWを発電する際に、加圧用
ポンプの駆動のために約8kWの電力を消費してしま
う。図14に示すように、空気過剰率または供給圧力を
低くすればポンプによる消費電力は少なくなるが、発電
効率を維持するには酸化ガスの圧力をあまり下げるわけ
にはいかない。ここで、上記従来条件と同じく供給圧力
を0.15MPaとして、加圧用のポンプが消費する電
力が発電量の10%となるように加圧条件を設定する
と、空気過剰率は2となる。このような、加圧による電
力消費量が発電量の10%となる状態で、かつガスの加
湿を積極的には行なわない条件を図13に設定条件とし
て示す。なお、燃料ガスの供給圧力および過剰率は、酸
化ガスとの釣合を考慮して設定し、上記改質器と燃料電
池とを結ぶ燃料ガス供給路に設けた調圧弁によって調節
すればよい。
って燃料電池を運転したときに、運転のための消費電力
が10%という効率で実際に運転可能であるかどうかを
確かめるために、撥水カーボンを表面に塗布した電極
(従来から使用されている電極)を用いて固体高分子型
燃料電池を作製した。この燃料電池を用いて図13の設
定条件に従って運転を行なうと、図15に符号bのグラ
フとして示したように、高い電圧が得られないまま、時
間の経過に伴って短時間のうちに電圧降下を起こしてし
まう。
しないのは、電解質膜の湿潤化が不十分であり燃料電池
の内部抵抗が大きいことが原因と考えられる。また、す
ぐに電圧降下を起こしてしまうのは、電池反応によって
生成した水が電極内部に滞留してガス流路を塞いでしま
い、酸化ガスが電極に充分に供給されなくなってしまっ
て運転効率が低下するためと考えられる。特に上記設定
条件の下では、燃料ガスの加湿の割合が低くガスの流量
も少ないため、アノード側に対する水の供給が充分でな
いと考えられる。また、カソード側では、電池反応によ
って生成水が生じても、酸化ガスは全く加湿されていな
いために、電解質膜では部分的には水分不足になる箇所
が生じて抵抗値が上昇しているおそれがある。さらにカ
ソード側では、酸化ガスの流量が少ないこともあって生
成水が充分に排水されずにガス流路を塞いでしまうと考
えられる。従って、上記設定条件によって燃料電池を運
転するには、各電極においてはガスの拡散性を向上させ
るとともに電解質膜を充分な湿潤状態に保つための給水
性を備えさせ、カソードにおいては生成水の排水性を高
める必要がある。
散性の向上を実現する方法として、親水性の炭素繊維か
らなる縦糸と撥水性の炭素繊維からなる横糸とを織り込
んで電極を形成する方法が提案されている(例えば、特
開平7−105957号公報など)。このような方法で
は、親水性の炭素繊維が生成水の排除や補給水の供給を
行ない、撥水性の炭素繊維が水を弾いてガスの供給や排
出を行なうものとされている。
と平行に織り込まれた撥水性の糸によってガスの供給や
排出を行なっており、電極内のガス流路が電極面と平行
になるため、ガス透過のパスが長くなる。ガス透過の効
率の点からみると、ガス透過のパスは短い方が望まし
い。親水性の炭素繊維からなる縦糸と撥水性の炭素繊維
からなる横糸とを織り込んで形成した電極を用いて作製
した燃料電池によって発電を行なった結果を、図15に
符号cのグラフとして示した。撥水性のカーボンを塗布
した電極を用いる場合に比べて発電の状態は改善される
が、運転のための消費電力を10%に抑えた条件下で
は、このような電極を用いても、電解質膜の湿潤状態を
充分に保持しながら電極におけるガス拡散性を充分な程
度に維持することは困難な場合があると考えられる。
は、こうした問題を解決し、カソードにおける生成水の
排水性および電解質層への給水性と、アノードにおける
給水性とを向上させ、電極におけるガス透過性を確保す
ることを目的としてなされ、次の構成を採った。
発明の燃料電池は、電解質層と、該電解質層を挟持する
陽電極および陰電極を備える燃料電池において、前記陽
電極は、親水処理を施された電極基材の少なくとも前記
電解質層側の表面に、撥水性物質を有する撥水層を形成
してなることを要旨とする。
解質層の陽電極側の表面で生成した水滴は親水処理を施
された電極基材に吸収される。この電極基材に吸収され
た生成水は、電極表面に導かれて燃料電池に供給される
ガス中に気化し、ガスと共に燃料電池外に排出される。
このように、陽電極では生成水が速やかに排出されるた
め、生成水が電極内に滞留してガス流路を塞いでしまう
ことがない。また、陽電極において、電解質層側の表面
に形成された撥水層によって水が弾かれるため、生成水
がガス流路を塞ぐことが生じにくくなり、電池反応に関
与するガスが効率よく流通することができる。
陽電極はその両面に、導電性を有しない撥水性物質を用
いて前記撥水層を形成し、前記電解質層と接する側に形
成された撥水層は、他面に形成された撥水層よりも前記
撥水性物質を多く含有する構成としてもよい。
水層を形成した陽電極において、前記電解質層と接する
側に形成された撥水層は他面に形成された撥水層よりも
多くの撥水性物質を含有するため、前記電解質層と接す
る側に形成された撥水層では強い撥水性を示す。ここ
で、撥水性物質は導電性を有しないため、撥水性物質量
を単に増加させて撥水性を強化したのでは電極の抵抗値
が大きくなってしまい、却って電池性能を低下させてし
まう。そこで、両撥水層が含有する撥水性物質の総量を
抑制しつつ、各撥水層が含有する撥水性物質の量を上記
のように配分することにより、所望の面の撥水性を強化
して電極の抵抗値の上昇を抑制することができる。
て余剰となった生成水は、陽電極において電解質層と接
する側の面上に設けられた撥水層によって弾かれて電解
質膜に押し戻され、無加湿状態の加圧空気のために部分
的に乾燥した領域に供給されるため、電解質膜の乾燥を
防ぐことができる。ここで、電解質層と接する側の面に
形成した撥水層では撥水性物質量を多く含有しているた
め、電解質層で生じる生成水を効果的に押し戻し、電解
質膜の湿潤状態を充分に保つことができる。また、陽電
極において電解質層と接する側の面とは反対側の面にも
撥水層が形成されているため、この反対側の面でも水を
弾くことができる。従って、電極表面に導かれて蒸発せ
ずに残った生成水が電極表面で水の膜を形成してガスの
拡散を妨げてしまうことがなく、過剰の生成水は弾かれ
て排水され易くなる。
水層は、前記撥水性物質と、親水性を示す官能基の含有
量が所定量以下であるカーボン粉とを混合した後、前記
電極基材表面に塗布してなる構成としてもよい。
層は前記撥水性物質とカーボン粉とを混合したものを前
記電極表面に塗布してなるため、撥水層の備える撥水性
はカーボン粉によっても影響される。ここで、撥水層を
形成するカーボン粉は、親水性を示す官能基の含有量が
所定量以下であるため、撥水層の撥水性はさらに向上す
る。従って、陽電極において電解質層と接する側の面で
はさらに生成水が押し戻され易くなり、電解質層の湿潤
状態が良好に維持されるようになる。また、このように
撥水性が向上することで、電池反応に関わるガスも効率
よく拡散するようになる。
が、親水処理を施された電極基材よりなる構成としても
よい。このような場合には、上記した本発明における効
果に加えて、陰電極を構成する電極基材も親水処理を施
されているため、陰電極側の給水性が向上するという効
果を奏する。陰電極側に供給される燃料ガスは発電条件
に応じた量の加湿が行なわれているが、この燃料ガス中
の水蒸気は、親水処理を施された電極基材に速やかに吸
収される。この陰電極に吸収された水蒸気は、必要に応
じて電解質層に給水されるため、電解質層の陰電極側の
面が乾燥することを防止できる。このように、燃料ガス
中の水蒸気を効率よく電解質層に導くことができるた
め、陰電極側に供給する燃料ガスの加湿量を抑えること
が可能になる。
とガス透過性とを備える燃料電池用電極において、親水
処理を施された電極基材の少なくとも片側の表面に、撥
水性物質を備える撥水層を形成したことを要旨とする。
用電極は、所定の導電性とガス透過性とを備え、電極を
形成する電極基材は親水処理を施されて親水性を呈し、
この電極基材の少なくとも片側の表面には撥水性物質備
える撥水層を形成する。このような燃料電池用電極を陽
電極として燃料電池を組み立てて発電を行なった場合に
は、生じた起電力は所定の導電性によって伝えられると
共に、供給されたガスは所定のガス透過性によって効率
よく拡散することができる。また、電極基材が備える親
水性によって、電池反応で生じた過剰な生成水を電極表
面に導いて蒸散させることができる。さらに、電極表面
に形成された撥水層の撥水性によって、ガスの拡散性が
向上すると共に生成水が弾かれて排水が促進される。
て、前記電極基材はその両面に、導電性を有しない物質
を用いて前記撥水層を形成し、該電極基材の両面に形成
されたそれぞれの撥水層は、互いに異なる量の前記撥水
性物質を含有することとしてもよい。
て、前記撥水性物質を多く含有する側が電解質膜と接す
るように燃料電池を組み立てて発電を行なうと、電池反
応によって生じた生成水は、撥水性物質を多く含む撥水
層によって効果的に弾かれて電解質層に押し戻されるた
め、電解質層の乾燥を防ぐことができる。また、電解質
層を接しない側に形成された撥水層は、この電極表面で
蒸散し残った余剰の生成水を弾いて速やかに排水するこ
とができる。
前記撥水層は、前記撥水性物質と、親水性を示す官能基
の含有量が所定量以下であるカーボン粉とを混合した
後、前記電極基材表面に塗布してなる構成としてもよ
い。
記撥水層は前記撥水性物質とカーボン粉とを混合したも
のを前記電極表面に塗布してなるため、撥水層の備える
撥水性はカーボン粉によっても影響される。ここで、撥
水層を形成するカーボン粉は、親水性を示す官能基の含
有量が所定量以下であるため、撥水層の撥水性はさらに
向上する。従って、このような燃料電池用電極を陽電極
として燃料電池を組み立てて発電を行なうと、撥水性が
向上することによって電池反応に関わるガスが効率よく
拡散するようになる。また、このような燃料電池用電極
の両面で撥水性に差異があるときに、撥水性が強い側が
電解質層側となるように燃料電池を組み立てるならば、
陽電極において電解質層と接する側の面ではさらに生成
水が押し戻され易くなり、電解質層の湿潤状態が良好に
維持されるようになる。
該電解質層を挟持する陽電極および陰電極を備える燃料
電池と、該燃料電池に燃料ガスおよび空気を、所定圧力
および所定の空気過剰率で供給するガス供給手段とを備
えた燃料電池システムにおいて、前記燃料電池の陽電極
は、親水処理を施された電極基材の少なくとも前記電解
質層側の表面に、撥水性物質を有する撥水層を形成し、
前記ガス供給手段により供給される空気の空気過剰率を
3以下としたことを特徴とする。
システムは、電解質層と該電解質層を挟持する陽電極お
よび陰電極を備え、この陽電極は親水処理を施された電
極基材の少なくとも前記電解質層側の表面に、撥水性物
質を有する撥水層を形成している燃料電池によって発電
を行なう。燃料電池システムにおいて発電を行なう際に
は、この燃料電池に対して、ガス供給手段が燃料ガスお
よび空気を、所定圧力および所定の空気過剰率で供給す
る。このときガス供給手段は、空気過剰率が3以下とな
るように空気を供給する。
れば、燃料電池によって発電を行なう際に、電池反応に
よって生じた過剰な生成水は、親水処理を施された陽電
極の電極基部によって吸収され、電極表面に導かれて酸
化ガス中に蒸散するため、速やかに排水することができ
る。また、電極表面に形成された撥水層の撥水性によっ
て、陽電極におけるガスの拡散性が向上すると共に生成
水が弾かれて排水が促進される。さらに、ガス供給手段
が供給する空気は、空気過剰率が3以下であるため、燃
料電池に空気を供給するために多くのエネルギを消費し
てしまうことがない。
とることも可能である。すなわち、第1の他の態様とし
ては、上記した本発明の構成において、前記電極基材は
カーボンにより構成されることとすることができる。
電極基材に対して上記親水処理を施し、このカーボン製
の親水化した電極基材の表面に、必要に応じて上記撥水
層を形成する。従って、固体高分子型燃料電池やリン酸
型燃料電池等において従来電極基材として用いられてい
たカーボン製の電極基材に対して、本発明をそのまま適
用することができる。従来、カーボンは所定の親水性を
有するものとされていたが、このカーボンに対して、さ
らに上記した親水化の処理を施すことによって、陽電極
では生成水の吸収力が高まって排水性が向上し、陰電極
では燃料ガスと共に供給された水蒸気の保水性が向上し
て電解質層への給水性が高まるという効果を奏する。
本発明の構成において、前記撥水層は、前記撥水性物質
と、酸性官能基の含有量が0.3×10-4(mol/
g)以下であるカーボン粉とを混合した後、前記電極基
材表面に塗布してなる構成とすることができる。
前記撥水性物質とカーボン粉とを混合したものを前記電
極表面に塗布してなるため、前記撥水層の備える撥水性
はカーボン粉によっても影響される。ここで、撥水層を
形成するカーボン粉は、酸性官能基の含有量が0.3×
10-4(mol/g)以下であるが、酸性官能基は主要
な親水性官能基を含むため、酸性官能基の含有量が上記
のようなカーボン粉は、酸性官能基の含有量が上記を越
えるカーボン粉に比べて強い撥水性を示す。従って、撥
水層の撥水性がさらに向上する。陽極の電解質層と接す
る側の撥水層では、さらに生成水が押し戻され易くな
り、電解質層の湿潤状態が良好に維持されるようにな
る。また、撥水性が向上することによって、電池反応に
関わるガスも効率よく拡散するようになる。
を一層明らかにするために、以下本発明の実施の形態を
実施例に基づき説明する。図1は、本発明の好適な一実
施例である燃料電池20におけるカソード23での生成
水および酸化ガスの移動の様子を示す模式図であり、図
2は、上記燃料電池20を備えた燃料電池システム30
の概略を表わすブロック図である。説明の便を図って、
まず、図2に従って燃料電池システム30の構成から説
明する。燃料電池システム30は、燃料電池20の他
に、メタノールタンク31、水タンク32、改質器3
4、ポンプ36を主な構成要素とする。以下、これら燃
料電池システム30を構成する各部について説明する。
料電池であり、構成単位である単セル28を複数積層し
たスタック構造を有している。図3は、燃料電池20を
構成する単セル28の構成を例示する断面図である。単
セル28は、電解質膜21と、アノード22およびカソ
ード23と、セパレータ24、25とから構成されてい
る。
質膜21を両側から挟んでサンドイッチ構造を成すガス
拡散電極である。セパレータ24および25は、このサ
ンドイッチ構造をさらに両側から挟みつつ、アノード2
2およびカソード23との間に、燃料ガスおよび酸化ガ
スの流路を形成する。アノード22とセパレータ24と
の間には燃料ガス流路24Pが形成されており、カソー
ド23とセパレータ25との間には酸化ガス流路25P
が形成されている。セパレータ24、25は、図3では
それぞれ片面にのみ流路を形成しているが、実際にはそ
の両面にリブが形成されており、片面はアノード22と
の間で燃料ガス流路24Pを形成し、他面は隣接する単
セルが備えるカソード23との間で酸化ガス流路25P
を形成する。このように、セパレータ24、25は、ガ
ス拡散電極との間でガス流路を形成するとともに、隣接
する単セル間で燃料ガスと酸化ガスの流れを分離する役
割を果たしている。もとより、単セル28を積層してス
タック構造を形成する際、スタック構造の両端に位置す
る2枚のセパレータは、ガス拡散電極と接する片面にだ
けリブが形成されている。
料、例えばフッ素系樹脂により形成されたプロトン伝導
性のイオン交換膜であり、湿潤状態で良好な電気伝導性
を示す。本実施例では、ナフィオン膜(デュポン社製)
を使用した。電解質膜21の表面には、触媒としての白
金または白金と他の金属からなる合金が塗布されてい
る。触媒を塗布する方法としては、白金または白金と他
の金属からなる合金を担持したカーボン粉を作製し、こ
の触媒を担持したカーボン粉を適当な有機溶剤に分散さ
せ、電解質溶液(例えば、Aldrich Chemi
cal社、Nafion Solution)を適量添
加してペースト化し、そのペーストを膜成形して得たシ
ートを電解質膜21上にプレスするという方法をとる。
炭素繊維からなる糸で織成したカーボンクロス(日本カ
ーボン(株)製、GF-20-P7、平織)により形成されてい
る。ここで、アノード22およびカソード23は、その
基部において親水処理が施されており、その表面には撥
水性物質を備えた撥水部を形成しているが、これらの構
成は本発明の要部に対応するものであり、後に詳述す
る。なお、本実施例では、アノード22およびカソード
23をカーボンクロスにより形成したが、炭素繊維から
なるカーボンペーパまたはカーボンフエルトにより形成
する構成も好適である。
したカーボン粉を作製し、このカーボン粉を含有するペ
ーストを膜成形して得たシートを電解質膜21上にプレ
スする構成とした。このような方法を用いれば、電解質
膜21上において少量の触媒を均一に圧着することがで
き、このような電解質膜21を備える燃料電池20で
は、少量の触媒で効果的な触媒効果が得られる。あるい
は、上記した触媒担持カーボンを、カーボンクロスより
なるアノード22およびカソード23に練り込むことと
しても良い。もとより、触媒担持カーボンを練り込む面
は電解質膜21と接する側の面である。
電性部材、例えば、カーボンを圧縮してガス不透過とし
た緻密質カーボンにより形成されている。セパレータ2
4、25はその両面に、平行に配置された複数のリブを
形成しており、既述したように、アノード22の表面と
で燃料ガス流路24Pを形成し、隣接する単セルのカソ
ード23の表面とで酸化ガス流路25Pを形成する。こ
こで、各セパレータの表面に形成されたリブは、両面と
もに平行に形成する必要はなく、面毎に直行するなど所
定の角度をなすこととしてもよい。また、リブの形状は
平行な溝状である必要はなく、ガス拡散電極に対して燃
料ガスまたは酸化ガスを供給可能であればよい。
ル28の構成について説明した。実際に燃料電池20と
して組み立てるときには、セパレータ24、アノード2
2、電解質膜21、カソード23、セパレータ25の順
序で構成される単セル28を複数組積層し(本実施例で
は75組)、その両端に緻密質カーボンや銅板などによ
り形成される集電板26、27を配置することによっ
て、スタック構造を構成する。
び水タンク32から、メタノールおよび水の供給を受け
る。改質器34では、供給されたメタノールを原燃料と
して水蒸気改質法による改質を行ない、水素リッチな燃
料ガスを生成する。以下に改質器34で行なわれる改質
反応を示す。
反応は、(4)式で表わされるメタノールの分解反応
と、(5)式で表わされる一酸化炭素の変成反応とが同
時に進行し、全体として(6)式の反応が起きる。この
ような改質反応は全体として吸熱反応である。生成され
た水素リッチな燃料ガスは給燃路38を介して燃料電池
20に供給され、燃料電池20内では各単セル28にお
いて、前記燃料ガス流路24Pに導かれてアノード22
における電池反応に供される。本実施例の改質器34に
おいてメタノールを原燃料として上記した水蒸気改質に
よって燃料ガスを生成すると、改質器34内では改質反
応に必要な量以上の水蒸気が供給されるため、燃料電池
20に伝えられる燃料ガスは約60%の加湿度となる。
空気を燃料電池12に加圧供給する。ポンプ36に取り
込まれて加圧された空気は、空気供給路39を介して燃
料電池20に供給され、燃料電池20内では各単セル2
8において、前記酸化ガス流路25Pに導かれてカソー
ド23における電池反応に供される。一般に燃料電池で
は、両極に供給されるガスの圧力が増大するほど反応速
度が上昇するため電池性能が向上する。そこで、カソー
ド23に供給する空気は、このようにポンプ36によっ
て加圧を行なっている。なお、アノード22に供給する
燃料ガスの圧力は、既述した給燃路38に設けた調圧弁
37の開放状態を制御することによって容易に調節可能
である。また、本実施例では、ポンプ36によってカソ
ード23に供給する空気は、既述した図13の設定条件
に従って加湿を行なわないこととした。
料電池システム30では、アノード22での電池反応に
使用された後の燃料排ガスと、ポンプ36によって圧縮
された空気の一部とは改質器34に供給される。既述し
たように、改質器34における改質反応は吸熱反応であ
って外部から熱の供給が必要であるため、改質器34内
部には図示しないバーナが加熱用に備えられている。上
記燃料ガスと圧縮空気とは、このバーナの燃焼のために
用いられる。使用済みの燃料排ガスは排燃路41によっ
て改質器34に導かれ、圧縮空気は空気供給路39から
分岐する分岐空気路40によって改質器34に導かれ
る。燃料排ガスに残存する水素と圧縮空気中の酸素とは
バーナの燃焼に用いられ、改質反応に必要な熱量を供給
する。
料電池システム30の構成について説明したが、次に、
本発明の要部に対応する電極の構成について詳しく説明
する。燃料電池20の陽電極であるカソード23は、既
述したようにカーボンクロスからなるガス拡散電極であ
る。本実施例では、カソード23における生成水の排水
性を向上させる目的で、カソード23の親水処理を行な
った。カソード23の親水処理は、カソード23として
用いるカーボンクロスを、親水処理剤を含む溶液中に浸
漬することによって行なった。親水処理剤としてはSi
O2 を採用した。カーボンクロスに付着させる親水処理
剤の量は、この親水処理剤を含む溶液(日曹化成株式会
社製、アトロンNSi−500)の濃度によって調節す
ることができる。付着させる親水処理剤を増やせばカソ
ード23の排水性は向上するが、SiO2 は導電性を有
しないためカソード23の抵抗値が上昇してしまい、か
えって電池性能を低下させることにもなる。そこで、電
池性能を低下させない範囲でどのくらいの親水化が可能
であるかを調べた。
価の方法について説明する。図4は、親水化処理を施し
たガス拡散電極58の有する排水性を調べるために用い
た蒸発速度測定装置50の構成を表わす模式図である。
蒸発速度測定装置50内に設置されたガス拡散電極58
は、その片面は水槽51中に蓄えられた水と接し、他面
は外部に設けた窒素ボンベ52から窒素の供給を受ける
窒素流路56と接している。水槽51内の水は水位ゲー
ジ54に通じており、水槽51内の水量の変化はこの水
位ゲージ54における水位の変化として観察される。ま
た、蒸発速度測定装置50にはヒータ55が設けられて
おり、蒸発速度測定装置50の内部の温度を燃料電池の
運転温度に対応する所定の温度に保つ。ここでは、75
℃に保つこととした。窒素ボンベ52と窒素流路56と
の間には流量調節部57が設けられており、窒素流路5
6に供給する窒素ガスの流量を調節可能となっている。
窒素流路56内においてガス拡散電極表面58に供給さ
れる窒素ガス量は、燃料電池運転時の空気過剰率に対応
するものであり、流量調節部57を調節することで各空
気過剰率における燃料電池内のガス拡散電極の状態を再
現可能にしている。ただし、実験の簡便のため、測定時
の圧力は大気圧で行なった。
組み立て、装置内を上記所定の温度に保つと、水槽51
に蓄えられた水は徐々に気化して、ガス拡散電極58中
を拡散して窒素流路56に到達し、窒素ガスと共に外部
に排出される。そこで、所定時間毎に水位ゲージ54の
水位を測定すれば、ガス拡散電極を通じて蒸発した水量
を知ることができる。図5に示すように、横軸を測定時
間、縦軸を蒸発水量としてグラフの傾きを求めれば、各
ガス拡散電極について固有の蒸発速度を求めることがで
きる。本実施例では、このようにして調べた蒸発速度を
ガス拡散電極の備える排水性の目安とした。
理時間を変えることによって付着させるSiO2 量を変
えたガス拡散電極について、蒸発速度測定装置50を用
いてガス拡散性を比較した結果を表わす。燃料電池20
は、図13の設定条件で運転することを目標としている
が、この設定条件に従った空気過剰率2の場合には、親
水処理を施すガス拡散電極の重さに対する付着させたS
iO2 量の割合が0.5%以上のときに必要排水量を満
たすようになることが分かる。ここで必要排水量とは、
所定の出力で燃料電池が発電を行なったときに、電解質
膜21のカソード23側で生成される水分子の量と、電
解質膜21の内部でアノード22側からカソード23側
にプロトンと共に移動してくる水分子の量との和を基に
求めた量である。
電極の抵抗値との関係について調べると、図7に示すよ
うに、SiO2 の割合が0.5%までは従来用いていた
ガス拡散電極と抵抗値があまり変わらないが、それ以上
SiO2 を付着させると急激に抵抗値が上昇することが
分かった。以上の結果から本実施例では、付着させるS
iO2 の量を、ガス拡散電極の重量の0.5%としてカ
ソード23を作製した。
ーボンクロスに既述した親水処理を施して、カーボンク
ロス重量の0.5%のSiO2 を付着させ、さらに、従
来用いていたガス拡散電極と同様に撥水カーボンの塗布
を行なった。撥水カーボンの作製およびその塗布は以下
のようにして行なう。まず、カーボン粉(ファーネスブ
ラック、キャボット社製、商品名VALCAN XC72 )を、撥
水性物質であるポリテトラフルオロエチレン(商品名テ
フロン、以下PTFEと呼ぶ)やポリエチレングリコー
ルモノ−P−イソオクチルフェニルエーテル(以下、T
ritonX−100と呼ぶ)等の分散剤と共に水に懸
濁してよく混ぜ合わせる。このとき、PTFEとカーボ
ン粉とは等量を混ぜ合わせることとした。この懸濁液を
吸引ろ過あるいは加圧ろ過することで、PTFEが表面
に付着したカーボン粉を水から分離する。
ーボン粉を280℃程度で処理して上記分散剤などを蒸
発させ、撥水カーボンを作製してもよいが、この工程は
省略することができる。以後、このような焼き付けの工
程を省略したものも含めて、カーボンクロスの表面に塗
布するために作製したカーボン粉とPTFEとの混合物
を撥水カーボンと呼ぶことにする。このように作製した
撥水カーボンは、エタノール中に懸濁し、超音波処理な
どによって均一に分散させたうえで、カーボンクロスの
表面に塗布する。撥水カーボンは、カーボンクロスの両
面のそれぞれに、分散剤などを除いた量で4mg/cm
2 を塗布した。撥水カーボンの塗布後、カーボンクロス
は約320℃で焼成する。この焼成の工程によって、P
TEFは周囲のカーボンに結着し、エタノールと分散剤
とは蒸発してカソード23が完成する。カーボンクロス
に撥水カーボンを塗布する前に撥水カーボンの焼き付け
を行なわない場合にも、最終的に焼成を行なうことでこ
のように分散剤を蒸発させることができる。
いて燃料電池20を組み立て、図13の設定条件に従っ
て発電を行なったときの1A/cm2 定電流放電結果
を、図8に符号dのグラフとして示す。カーボンクロス
に0.5%重量のSiO2 を付着させる親水処理を施し
たうえで、その両面に上記撥水カーボンを4mg/cm
2 の割合で塗布したカソード23を用いると、親水処理
を行なわない従来のカソードを用いる場合(符号bのグ
ラフ)や、既述した親水性の縦糸と疎水性の横糸とを編
み込んだカソードを用いる場合(符号cのグラフ)に比
べて、高い電圧を安定して得ることができた。
23での生成水および酸化ガスの移動の様子は、すでに
図1で示した。カソード23は、カーボンクロスを親水
処理してなる親水部60と、親水部60の電解質膜側の
表面に撥水カーボンを塗布してなる電解質膜側撥水部6
2と、同じく親水部60のガス流路側の表面に撥水カー
ボンを塗布してなるガス流路側撥水部64とからなる。
ド23を構成する電極基材に上記親水処理を施して親水
部60を形成したために、カソード23側での電池反応
で生じた生成水は、この親水部60に容易に吸収される
ようになり、ガス拡散電極を通って酸化ガス流路25P
側に蒸散することによって効果的に排水されるようにな
った。これによって、カソード23内に生成水が留まっ
て凝縮し、ガスの流路を塞いでしまうことがなくなっ
た。従って、ガス不足によって電池反応が低下してしま
うことが防止され、安定した電圧の出力が可能になっ
た。また、本実施例の燃料電池20によれば、カソード
23の電解質膜21側の表面に撥水カーボンを塗布して
なる電解質膜側撥水部62を形成しているため、電池反
応で生じた生成水を弾いて電解質層21に押し戻すこと
が可能となっている。このように、生成水を電解質膜2
1に押し戻すことで電解質膜21の湿潤状態を保ち易く
なり、電解質膜21の乾燥による電池抵抗の上昇を防止
することができる。さらに、上記ガス流路側撥水部64
を形成したことによって、蒸散され残った生成水が電極
表面に留まってガスの拡散を妨げてしまうことを防止す
ることができる。
を用いたが、この他にもTiO2 、In2O3、Zr
O2、 Ta2O5などを用いることができる。このように
電極基材に付着させる親水処理剤は、燃料電池20の動
作を妨げず、カソード23の製造工程の条件や燃料電池
20の運転条件に耐えるものの中から選べばよい。特
に、この親水性物質が導電性を持たず、あるいは電池反
応を阻害する作用を有する場合には、電極基材の親水化
のために必要な量の親水化剤を付着させたときに、電池
性能の低下が許容範囲内であることが望ましい。もとよ
り、充分な導電性を有する親水化剤を用いれば、抵抗値
の上昇を考慮することなく付着させる親水化剤の割合を
決めることが可能となる。
述したように、親水性を有する物質を電極基材の表面に
付着させる場合には、この親水処理剤を含む液体中に電
極基材を浸漬することによって容易に達成できる。ま
た、電極基材の親水化の方法としてはこの他にも、電極
基材を化学的に処理することによって、電極基材の表面
的な化学的な構造を変化させて親水性を向上させる方法
をとることもできる。この場合にも、上記処理を施すこ
とによって電池性能の低下が生ずるならば、この電池性
能の低下は親水処理によって得られる効果に比べて許容
範囲内とすることが好ましい。
するためにPTFEを用いたが、撥水性物質としては、
ガス拡散電極の表面に撥水層を設けることによる抵抗値
の上昇が許容範囲内である使用量で、充分な撥水性をカ
ソード23に付加することができ、カーボン粉と均一に
混ぜ合わせることが可能であって、カソード23の製作
工程の条件や燃料電池20の運転条件に耐える物質であ
ればよい。さらに本実施例では、分散剤としてTrit
onX−100を用いたが、他種の界面活性剤等を用い
てもよく、カーボン粉と撥水性物質をが均一に分散する
のを助けることができればよい。ただし、焼成などによ
って最終的に除去することが可能であることが望まし
い。
量の撥水カーボンを塗布したが、以下に説明する第2実
施例では、電解質膜21側の撥水カーボン量を酸化ガス
流路25P側の撥水カーボン量よりも多くしてカソード
23aを形成した。カソード23aの各面に塗布する撥
水カーボン量以外は、上記第1実施例と同様に燃料電池
20aおよび燃料電池システム30aを構成した。第2
実施例以下の説明では、燃料電池を構成する各部におい
て、第1実施例と共通するカソード以外の部位について
は第1実施例と同様の符号を付すこととする。
の撥水カーボン量を酸化ガス流路25P側の撥水カーボ
ン量よりも多くする際、電解質膜21側の撥水カーボン
量を単に増加させたのでは、カソード23aの両面に塗
布する撥水カーボン量の総量が多くなってしまう。撥水
カーボンを構成するPTFEは導電性を持たないため
に、このような場合には電極抵抗が大きくなってしま
い、電池性能が却って悪化する。そこで、第2実施例で
は、撥水カーボンの総量は第1実施例と同じにして、塗
布する割合だけをカソード23aの両面で変えることと
した。電解質膜21側には6mg/cm2 の割合で塗布
し、酸化ガス流路25P側には2mg/cm2 の割合で
塗布した。
いて発電し、1A/cm2 定電流放電を行なった結果
を、図8に符号eのグラフとして示す。カソード23の
両面に等量の撥水カーボンを塗布した第1実施例の場合
に比べて、高い電圧を安定して得ることができた。
ード23aでは、電解質膜側撥水部62の含有する撥水
性物質量をガス流路側撥水部64が含有する撥水性物質
量に比べて多くなるよう形成しているため、第1実施例
でカソード23を親水処理することで得られた効果に加
えて、以下のような効果を奏する。すなわち、カソード
23aにおいて電解質膜側撥水部62の撥水性が向上し
ているため、生成水が弾かれて電解質膜21に押し戻さ
れる作用が強まり、図1で電解質膜側に水を押し戻す矢
印として表わした力がさらに強くなっている。そのた
め、電解質膜21の湿潤状態がさらに良好に維持される
ようになり、電解質膜21の乾燥による電池抵抗の上昇
を防止して高い電圧を得ることが可能となる。また、カ
ソード23aにおいて、電解質膜側撥水部62の撥水性
が向上して生成水が弾かれることによって、この部位で
のガス拡散性がさらに向上し、電池反応が促進されて、
より高い電圧を出力することが可能となった。もとよ
り、撥水カーボンを作製する際に、PTFEの代わりに
導電性を有する撥水性物質を用いるならば、カソード2
3aに塗布する撥水カーボンの総量を増やすことも可能
である。
るカソード23aは、第1実施例のカソード23に比べ
て酸化ガス流路25P側に塗布した撥水カーボン量が少
ないため、酸化ガス流路25Pから供給される酸化ガス
が透過し易くなり、電池性能が向上するという効果をも
奏する。酸化ガス流路25P側に撥水カーボンを塗布す
ることによって、生成水による水の膜が張ってガスの拡
散が妨げられてしまうのを防止することができるが、同
時に酸化ガス流路25P側に塗布した撥水カーボンは、
酸化ガス流路25Pからのガスの拡散を妨げてもいる。
生成水が生じる電解質膜21側では、既述したように撥
水性を備えることでガスの拡散性が向上するが、乾燥ガ
スが加圧供給される酸化ガス流路25P側では、撥水カ
ーボンの塗布は却ってガスの拡散を妨げている。第2実
施例のカソード23aは、酸化ガス流路25P側におい
て、過剰な生成水を弾く撥水性は維持しながら、撥水カ
ーボンを減らしたことによって酸化ガスの拡散性を向上
させることができた。
aの両面に塗布する撥水カーボンの割合を変えることに
よってに電解質膜21側の撥水性を強化した。カソード
23aにおいて電解質膜21側の撥水性を強化すること
によって、電解質膜21の乾き防止とカソード23aで
のガス拡散性の向上を図り、出力電圧を上昇させること
が可能であるが、上述したように、充分な導電性を有し
ない撥水性物質を用いる場合には電極抵抗の問題がある
ため、塗布する撥水カーボン量を増やして撥水性を強化
する方法には限界がある。ここで、撥水カーボン量を増
やす以外の方法で電極表面の撥水性を向上させるために
は、撥水カーボン自身の撥水性を向上させる方法が考え
られる。
着させた撥水性物質(本実施例ではPTFE)によって
与えられており、カーボン粉に付着させるPTFE量を
増やすことによって撥水カーボンの撥水性を向上させる
ことができる。しかし、このような場合には、撥水カー
ボンの総量を増やす場合と同じく導電性を持たないPT
FEの量が増えるため、電極の抵抗値が大きくなって採
用し難い。図9は、撥水カーボン中のPTFE量を変え
てガス拡散電極を形成したときの、ガス拡散電極が示す
抵抗値を測定した結果である。図9から分かるように、
従来撥水カーボンを作製するときの条件であったPTF
E量50%をこえてPTFE量を増やすと、ガス拡散電
極の抵抗値は大きく上昇してしまう。
の方法としては、撥水性物質を付着させるカーボン粉の
撥水性を向上させることも考えられる。従来、撥水カー
ボンを作製するためのカーボン粉は、ファーネスブラッ
クを用いてきた。抵抗値の大きさが許容範囲内で、ファ
ーネスブラックよりも撥水性の強いカーボンを用いるな
らば、これまでよりも撥水カーボン自身の撥水性を向上
できることになる。そこで、他のカーボン種であるアセ
チレンブラックおよび黒鉛化ブラックについて、導電性
と撥水性とに関してファーネスブラックとの比較を行な
った。
ラック、黒鉛化ブラックのそれぞれを用いて既述した実
施例にならって撥水カーボンを作製し、それぞれの撥水
カーボンをカーボンクロスに塗布して電極を作製した。
これら各電極の抵抗値を測定すると、図10に示すよう
に、いずれのカーボン種を用いて撥水カーボンを作製し
た場合にも抵抗値は大差なかった。なお、ここでは、い
ずれのカーボンを用いる場合にも、撥水カーボンの作製
時に混合するPTFE量はカーボン量と等量とした。
を比較した。各カーボンは、その構造中にいくらかの官
能基を含んでいると考えられるが、親水性の官能基が多
いほどカーボンの撥水性は低くなると考えられる。そこ
でまず、各カーボンが有する官能基の量の測定を行なっ
た。図11は、逆滴定法によって各カーボンの官能基を
測定した結果である。逆滴定法とは、試料に対して過剰
となるように第1の標準液の既知量を加え、その後、こ
の過剰分を第2の標準液で滴定して最終的に試料を定量
する方法である。特に、試料と標準液との反応速度が遅
い場合や、反応が平衡に達して進行し難くなる場合に有
効である。ここでは、第1の標準液として水酸化ナトリ
ウム溶液を用い、第2の標準液として塩酸溶液を用い
た。このように、図11には酸性の官能基のみを測定し
た結果を示すが、主要な親水基であるカルボキシル基、
フェノール基等は酸性であるため、親水性の目安とな
る。図11の結果から、アセチレンブラックおよび黒鉛
化ブラックは、ファーネスブラックよりも撥水性が強い
と予想される。
ルを滴下したときの接触角を測定することによって、各
カーボンの撥水性を比較した。ここでは、各カーボンに
ついて上記実施例に従って撥水カーボンを作製し、それ
ぞれの撥水カーボンを表面に塗布したガス拡散電極を用
意して、各々のガス拡散電極の上に種々の濃度のエタノ
ールを滴下したうえでその状態を写真撮影して接触角を
測定した。接触角とは、滴下した水滴表面と滴下された
面とがなす角度のことであり、撥水性が強いほど水滴は
強く弾かれるため接触角は大きくなる。ここで、撥水性
を調べる際に水の代わりにエタノールを用いたが、エタ
ノールは水よりも弾かれ易いという性質を有するので接
触角が大きくなり、測定が容易で差異が分かりやすくな
る。そこで、このように種々の濃度のエタノールを用い
て評価を行なうこととした。図12の接触角の測定から
も、アセチレンブラックおよび黒鉛化ブラックは、ファ
ーネスブラックよりも撥水性が強いという結果が得られ
た。
スブラックよりも撥水性が強いと考えられるアセチレン
ブラックおよび黒鉛化ブラックを用いて撥水カーボンを
作製し、燃料電池を組み立てた。アセチレンブラックよ
りなる撥水カーボンを塗布したカソード23bを備えた
燃料電池20bと、黒鉛化ブラックよりなる撥水カーボ
ンを塗布したカソード23cを備えた燃料電池20cと
について、1A/cm2 定電流放電を行なった結果を第
3実施例として、図8に符号fおよび符号gのグラフと
して示す。いずれの場合も、ファーネスブラックからな
る撥水カーボンを用いた燃料電池20に比べて高い電圧
を安定して得ることができた。もとより、これらカソー
ド23bおよび23cでは、その電極基材は既述した親
水処理が施されている。
0cでは、電極表面に塗布する撥水カーボンの撥水性が
さらに向上することによって、電池反応で生じた生成水
がさらに押し戻され易くなり、押し戻された生成水は電
解質膜21における乾燥気味の部位に速やかに伝えられ
るため、電解質膜21の湿潤状態がより一層良好に保持
されるようになった。そのため、燃料電池の発電中に電
解質膜21が乾燥して抵抗値が上昇することで電圧が降
下してしまうのを防止することができる。また、撥水カ
ーボンの撥水性がさらに向上したことで、カソード23
bおよびカソード23cのガス拡散性が向上し、電池反
応が促進されて、さらに高電圧を得ることができるよう
になった。
cを形成する際、親水処理を施した電極基材上に撥水カ
ーボンを塗布し、このとき特に、電解質膜21側の撥水
性を強化することによって、図13に示した設定条件に
従って酸化ガスを加湿せず空気過剰率も低い設定条件で
発電を行なった場合にも、電解質膜21の湿潤状態を維
持し、高いガス拡散性を実現することが可能となった。
23において、その両面に撥水カーボンを塗布する構成
とした。酸化ガス流路24P側の面に塗布する撥水カー
ボンは、この酸化ガス流路24P側で生成水が凝結した
場合にはこれを弾いて排水を促す。しかしながら、カソ
ード23において、酸化ガス流路24P側に塗布した撥
水カーボンがなくても燃料電池20の性能が許容範囲内
である場合には、酸化ガス流路24P側には撥水カーボ
ンを塗布しない構成としてもよい。ただし、カソード2
3を構成するカーボンクロスが、カーボン粉を塗布され
ないまま直接セパレータ25と接触する場合には、従来
のカーボンクロスでは接触面積が足りず、集電不良とな
るおそれがある。そこで、酸化ガス流路24P側には撥
水カーボンを塗布しない構成とする場合には、充分に織
りの細かいカーボンクロスを用いるなどして集電性を確
保することとすればよい。また、酸化ガス流路24P側
には、撥水処理を施していないカーボン粉を塗布して集
電性を確保することとしてもよい。このとき、撥水性の
強いカーボン粉を用いるならば、集電性と共に所定の撥
水性を付与することもできる。
をカーボン粉に付着させて撥水カーボンを作製し、この
撥水カーボンを塗布することによってカソード23表面
の撥水化を行なったが、もとより充分な導電性を有する
撥水性物質を塗布してカソード23の表面の撥水性を向
上させることとしてもよい。このような場合には、導電
性を有する撥水性物質を直接ペースト化してカソード2
3表面に塗布することが可能となり、撥水性物質を導電
性の担体に付着させる工程を省略することができる。
22は、従来用いてきたガス拡散電極と同様に、無処理
のカーボンクロスの表面に撥水カーボンを塗布したもの
を用いた。第4実施例では、第3実施例で用いたカソー
ド23cとともに、親水処理を施したアノード22dを
用いて燃料電池20dを組み立てた。このアノード22
dは、第1実施例のカソード22と同様に作製した。す
なわち、カーボンクロスを親水化処理してSiO2 を
0.5%の割合で付着させ、この親水処理したカーボン
クロスの両面に、PTFEを付着させた撥水カーボンを
各面4mg/cm2 の割合で塗布した。
行ない、1A/cm2 の定電流放電を行なった結果を図
8にグラフhとして示す。第3実施例の燃料電池20c
を用いた場合よりも更に高い電圧で安定して発電を行な
うことができた。ここで得られる電圧のレベルは、従来
の親水処理を施さないガス拡散電極を用いた燃料電池
を、図13に示した従来条件に従って運転したときに得
られる電圧のレベルとほぼ同等である(図15参照)。
ノード22dの電極基材であるカーボンクロスに対して
SiO2 を用いた親水処理を施したため、アノード22
dは、燃料ガスとともに供給される水蒸気を効率よく吸
収して通過させることができ、このように吸収した水蒸
気を、電池反応が進むにつれて水を失いがちな電解質膜
21に供給することができる。従って、燃料電池20d
では、電解質膜21の乾燥をさらに効果的に防止するこ
とが可能となる。
料ガス流路24Pにおいて水蒸気の凝縮が起こっても、
燃料ガス流路24P側のアノード22d表面に塗布され
た撥水カーボンによって水滴が弾かれ、排水が促され
る。従って、燃料ガス流路24P側で水蒸気の凝縮が起
こっても、アノード22dの表面で水の膜が張ってガス
の拡散が妨げられるといったことがない。
においては、アノード22dの基部に対しても親水化の
処理を施すことによって、図13に示した設定条件に基
づいて加湿度60%の燃料ガスをそのまま供給しても、
電解質膜21の湿潤状態を充分に保つことが可能になっ
た。
においては、第1ないし第3実施例と同じくその電極基
部の親水性を強化すると共に電解質膜21側の撥水性を
強化し、陰電極においては、電極基部の親水性の強化を
行なっている。これによって、図13の設定条件に基づ
いて発電を行なっても、従来用いてきた親水処理を施さ
ない電極によって従来条件に従って発電を行なう場合と
ほぼ同等の電圧レベルを安定して得られるようになっ
た。このように、第4実施例の燃料電池20dは、高い
電圧を安定して出力するという優れた電池性能に加え、
発電のために消費するエネルギ量が発電量の10%であ
る設定条件に基づいた発電が可能になったことから、シ
ステム全体のエネルギ効率を大きく向上させることがで
きるという優れた効果を奏する。
システム30において、発電のための消費エネルギが発
電量の10%となるように設定したものであり、供給す
るガスの加湿を積極的には行なわないこととして空気過
剰率を2としたが、消費エネルギ量が許容範囲であれ
ば、燃料電池の発電条件は設定条件ほど厳しくする必要
はない。所定範囲のエネルギを用いて燃料ガスや酸化ガ
スに対する加湿を行なってもよいし、空気過剰率を2以
上の所定の値に設定してもよい。この場合にも、本発明
の第1ないし第4実施例における効果を同様に得ること
ができ、出力電圧の上昇と安定化を図ることができる。
例えば、発電のための消費エネルギが発電量の20%で
も許容する場合には空気過剰率を3に設定することがで
きるため、酸化ガスの供給量の増加によってガスの拡散
性や生成水の排水性がさらに向上して電池性能の向上を
図ることが可能になる。さらに、空気過剰率を3に設定
する場合にも、ポンプ36よりもエネルギ効率の高い圧
縮機を用いることによって、システム全体のエネルギ効
率の低下を抑えることが可能である。
ード23cとともに、上記したアノード22dを用いる
ことによって、図8に示すような効果を得ることができ
た。アノード22dを用いることによって得られた第4
実施例での効果は、カソード側とは独立した効果であ
る。従って、既述した第1または第2実施例で用いたカ
ソード23、カソード23aあるいはカソード23bと
ともに上記アノード22dを用いた場合にも同様の効果
がみられ、その場合には、図8に示した第1実施例や第
2実施例の結果よりも高い電圧を得ることが可能にな
る。
両面に撥水カーボンを塗布する構成としたが、少なくと
も片面においてはこの様な撥水カーボンの塗布は行なわ
ない構成としてもよい。特に、電解質膜21と接する面
では、カソード側のように生成水が生じることがないた
め、撥水性が電解質膜21の湿潤状態の維持に役立つこ
とがない。撥水カーボンを塗布しない場合には、親水化
した電極基材が直接電解質膜21と接することになり、
この電極基材が吸収した水分を直接電解質膜21に与え
ることが可能となり、電解質膜21の湿潤性の維持にお
いてはかえって有利となることがある。従って、電解質
膜21と接する面では、撥水カーボンを塗布することに
よるガス拡散性の向上がなくなった場合の電池性能の低
下が許容範囲内であるならば、撥水カーボンの塗布を行
なわないこととすることができる。
水カーボンを塗布しない場合には、流路内で凝縮した水
滴を親水化した電極基材が直接吸収して電解質膜21に
供給することができるようになり、撥水カーボンによっ
て水滴を弾いて排水を促す場合とは異なる効果が得られ
る。従って、燃料ガス流路24P側の面においても撥水
カーボンの塗布を行なわないこととすることができる。
このように、アノード22dの各表面に撥水性の領域を
設けることは、電解質膜21の湿潤化やガス拡散性の維
持において相反する効果を示すことがあるため、各面に
撥水層を設けるかどうかは、電池の運転条件などに応じ
てそれぞれ適する条件を決めることとすればよい。
場合には、上記実施例のようにカーボンクロスでガス拡
散電極を構成すると接触面積が不足して集電性が不十分
となるため、織りの細かいカーボンクロスを用いるなど
して集電性を確保する必要がある。あるいは、撥水処理
を行なわないカーボン粉を塗布して集電性を確保するこ
ともできる。さらに、陰電極表面の親水性が強い方が有
利な条件で燃料電池を運転する場合には、SiO2 等に
よって親水化処理したカーボン粉を塗布することで、電
極表面の親水性を高めると共に集電性を確保してもよ
い。
燃料電池について説明したが、その他、リン酸型燃料電
池など、電極の濡れが問題となる他種の燃料電池の電極
に対して本発明を適用しても同様の効果を奏することが
できる。
本発明はこうした実施例に何等限定されるものではな
く、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々なる
様態で実施し得ることは勿論である。
および酸化ガスの移動の様子を示す模式図である。
ク図である。
る。
蒸発速度測定装置50の構成を示す説明図である。
量と蒸発に要した時間との関係をグラフにした説明図で
ある。
性との関係を示す説明図である。
の関係を示す説明図である。
定電流放電を行なった結果を示す説明図である。
FE量と電極抵抗との関係を示す説明図である。
各撥水カーボンを塗布した電極の有する抵抗値との関係
を示す説明図である。
果を表わす説明図である。
を示す説明図である。
ある。
エネルギを示す説明図である。
放電を行なった結果を示す説明図である。
Claims (8)
- 【請求項1】 電解質層と、該電解質層を挟持する陽電
極および陰電極を備える燃料電池において、 前記陽電極は、親水処理を施された電極基材の少なくと
も前記電解質層側の表面に、撥水性物質を有する撥水層
を形成してなる燃料電池。 - 【請求項2】 請求項1記載の燃料電池であって、 前記陽電極はその両面に、導電性を有しない撥水性物質
を用いて前記撥水層を形成し、 前記電解質層と接する側に形成された撥水層は、他面に
形成された撥水層よりも前記撥水性物質を多く含有する
燃料電池。 - 【請求項3】 前記撥水層は、前記撥水性物質と、親水
性を示す官能基の含有量が所定量以下であるカーボン粉
とを混合した後、前記電極基材表面に塗布してなる請求
項1または2記載の燃料電池。 - 【請求項4】 前記陰電極は、親水処理を施された電極
基材よりなる請求項1ないし3記載の燃料電池。 - 【請求項5】 所定の導電性とガス透過性とを備える燃
料電池用電極において、 親水処理を施された電極基材の少なくとも片側の表面
に、撥水性物質を備える撥水層を形成した燃料電池用電
極。 - 【請求項6】 請求項5記載の燃料電池用電極であっ
て、 前記電極基材はその両面に、導電性を有しない物質を用
いて前記撥水層を形成し、 該電極基材の両面に形成されたそれぞれの撥水層は、互
いに異なる量の前記撥水性物質を含有する燃料電池用電
極。 - 【請求項7】 前記撥水層は、前記撥水性物質と、親水
性を示す官能基の含有量が所定量以下であるカーボン粉
とを混合した後、前記電極基材表面に塗布してなる請求
項5または6記載の燃料電池用電極。 - 【請求項8】 電解質層と該電解質層を挟持する陽電極
および陰電極を備える燃料電池と、該燃料電池に燃料ガ
スおよび空気を、所定圧力および所定の空気過剰率で供
給するガス供給手段と を備えた燃料電池システムにおいて、 前記燃料電池の陽電極は、親水処理を施された電極基材
の少なくとも前記電解質層側の表面に、撥水性物質を有
する撥水層を形成し、 前記ガス供給手段により供給される空気の空気過剰率を
3以下としたことを特徴とする燃料電池システム。
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