JPH09249415A - 水酸化カルシウムの製造方法 - Google Patents

水酸化カルシウムの製造方法

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JPH09249415A
JPH09249415A JP8577296A JP8577296A JPH09249415A JP H09249415 A JPH09249415 A JP H09249415A JP 8577296 A JP8577296 A JP 8577296A JP 8577296 A JP8577296 A JP 8577296A JP H09249415 A JPH09249415 A JP H09249415A
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Tetsushi Iwashita
哲志 岩下
Shingo Ito
信吾 伊藤
Yoshimi Goto
義己 後藤
Takashi Inoi
崇 伊之井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 消化遅延剤の溶解装置と加水装置を既存の設
備に追加し、排ガス等の熱を利用して乾燥することで安
価に比表面積が大きく流動性の良好な水酸化カルシウム
を得る。 【解決手段】 酸化カルシウムに消化遅延剤を溶解した
水を添加、混合し、消化反応中あるいは消化反応後にさ
らに水を撹拌しながら添加して得られた含水状態の水酸
化カルシウムを乾燥させる水酸化カルシウムの製造方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は水酸化カルシウムの
製造方法に関するもので、大きな比表面積を持ち、しか
もサイロやタンクでの貯蔵時や配管等での輸送時に棚つ
りや付着、固結が起こりにくい流動性が良好な粉末水酸
化カルシウムの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】工業的に水酸化カルシウムを製造する方
法として、原料となる酸化カルシウムを消化機に装入し
ここで酸化カルシウムが水酸化カルシウムに水和するの
に必要な理論量の0.3〜2倍の水を加え、酸化カルシ
ウムと水を強力に撹拌して消化させ、さらに熟成機で撹
拌しながら消化ムラを無くし過剰の水分を蒸発させて排
出後必要に応じて粉砕、分級するいわゆる乾式消化法が
知られている。この方法で得られた水酸化カルシウムは
一般に付着水分0.5%以下、粒度−150μm以下の
不定形の粉末で比表面積が小さく流動性も悪い。従って
サイロやタンクでの貯蔵時や配管等での輸送時に棚つり
や付着、固結が起こりやすい。またこれらの問題を解決
するために、水、アルコール、界面活性剤を消化水とし
て用いる方法が提唱されているが、アルコール処理のた
めの設備が必要となるためコスト的に高くなる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は乾式消化装置
において特別な装置を付加することなく、比表面積が大
きく流動性の良好な水酸化カルシウム粉末を安価に得る
ことを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の水酸化カルシウ
ムの製造方法は、酸化カルシウムに消化遅延剤を溶解し
た水を添加、混合し、消化反応中あるいは消化反応後に
さらに水を撹拌しながら添加して得られた含水状態の水
酸化カルシウムを乾燥させることを特徴する。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明は乾式消化装置において消
化遅延剤を原料酸化カルシウム100重量部に対して
0.05〜3重量部添加した水により消化反応を開始さ
せることが望ましい。この時に使用される消化遅延剤と
してはセメントの硬化消化遅延剤として知られるクエン
酸、酒石酸、リグニンスルホン酸およびこれらの塩ある
いはしょ糖などが例示される。また消化水の添加量は通
常の乾式消化と同様に酸化カルシウムが水酸化カルシウ
ムを水和するに必要な理論水量の1.3〜2倍で良い。
次に消化反応中あるいは消化反応終了後にさらに水を撹
拌しながら添加する。添加される水の量は、生成した水
酸化カルシウム100重量部に対し水が15〜35重量
部になるように調整する。水が添加される場所は消化機
内や熟成機入り口近付が好ましい。上記のようにして得
られた水酸化カルシウム含水物は熟成機で撹拌しながら
熟成した後乾燥し、必要に応じて粉砕、分級する。この
ような実施形態のほか請求項2のように添加する水を、
上記に示した消化開始と消化反応中あるいは消化反応終
了後に添加した水の合量に相当する量を消化開始時に一
度に添加しても可能である。
【0006】一般に乾式消化装置で製造される水酸化カ
ルシウムは、原料である酸化カルシウムと水が反応する
際に短時間で大きな発熱反応を伴うために結晶面が発達
せず不定形粒子になりやすい。この消化反応中あるいは
消化反応終了後に過剰の水を加えて撹拌するとその水分
により水酸化カルシウムの団粒化が起きる。団粒化した
粒子の大きさは水分量を調節することにより容易に調整
できる。しかしこの場合団粒化した粒子を構成する水酸
化カルシウムは不定形であるため、団粒化した粒子は気
孔率が小さく見かけの表面積が低くなり水酸化カルシウ
ムの反応性の低下が懸念される。
【0007】一方前述したような消化遅延剤を添加した
水を用いて消化反応を行うと結晶化が促進され板状の水
酸化カルシウムが生成しやすいことが知られている。こ
の水酸化カルシウム粒子の比表面積は大きいが板状のた
め不定形粒子よりもかえって流動性が悪化することがあ
る。従って酸化カルシウムに消化遅延剤を添加した水を
用いて消化反応を行い、その消化反応中あるいは消化反
応終了後にさらに水を加えて団粒化を行うことで流動性
が改善できる。またこのようにして得られた団粒化した
粒子は板状結晶がカードハウス状に凝集しているため見
かけの表面積も低下せず反応性を低下しない。
【0008】本発明における消化遅延剤の添加量は原料
となる酸化カルシウムと水との反応性、いわゆる活性や
粒度との兼ね合いで決定される。消化遅延剤が少ないと
消化が速く水酸化カルシウムの結晶が十分に成長しない
し多すぎると消化反応が終了するまでの時間が長くなり
すぎるため装置全体の効率の低下を招くため、原料酸化
カルシウム100重量部に対し消化遅延剤0.05〜3
重量部用いるのが良い。さらに原料の酸化カルシウムは
均一な遅延効果を得るために3mm以下の粉粒物が好ま
しい。消化反応中あるいは消化反応終了後に添加する水
の量は生成する水酸化カルシウムの飽和含水量との兼ね
合いで決定される。少なすぎると団粒化が不十分にな
り、得られた水酸化カルシウムの流動性が悪化する。多
すぎると大きな塊あるいは粘土状になってしまうため、
生成した水酸化カルシウム100重量部に対して水15
〜35重量部になるように調整することが望ましい。
【0009】また請求項2のように消化開始時に一度に
水を添加する場合も同様に、生成した水酸化カルシウム
100重量部に対して水15〜35重量部になるように
調整することが望ましい。乾燥は一般的に用いられ方法
で行えば良いが、約550℃で水酸化カルシウムが脱水
して酸化カルシウムに変化するためこの温度以下で行う
必要がある。また燃料ガス等酸性ガスを多く含むもので
直接加熱することは水酸化カルシウムと酸性ガスが反応
してカルシウム塩を生成してしまうため避けなければな
らない。
【0010】そのほかに乾燥を補助する目的で、生成し
た含水水酸化カルシウムに酸化カルシウムを添加すれば
酸化カルシウムの水和のために必要な水分と水和熱によ
る水分の蒸発により含水量を低下させることは可能であ
るが、あまり多くの酸化カルシウムを添加すると乾燥の
ために添加した酸化カルシウムは通常の乾式消化と同じ
ため比表面積の低下や流動性の悪化を招く恐れがある。
【0011】
【発明の効果】本発明の水酸化カルシウムの製造方法に
よれば消化遅延剤の溶解装置と加水装置を既存の設備に
追加し、排ガス等の熱を利用して乾燥することで安価に
比表面積が大きく流動性の良好な水酸化カルシウムが得
られる。
【0012】
【実施例】
実施例1 自社製生石灰(JIS工業用石灰 生石灰特号)を−1
mmに粉砕して酸化カルシウム原料とした。この時のD
IN1060による反応性はtu=10.8分であっ
た。消化遅延剤としてクエン酸ナトリウムを酸化カルシ
ウム100重量部に対して0.2重量部になるように調
整した消化水を酸化カルシウムが水酸化カルシウムに消
化するのに必要な理論水量の1.3倍になるように原料
酸化カルシウムと撹拌、混合した。その後水をさらに原
料酸化カルシウム100重量部に対して50重量部添加
して生成した含水水酸化カルシウムの水分を測定すると
水酸化カルシウム100重量部に対して水25.3重量
部であった。このようにして得られた含水水酸化カルシ
ウムを熟成、乾燥後−150μmに粉砕分級して得られ
た水酸化カルシウム粉末の見かけ比重、安息角、比表面
積の測定結果を表1に示す。なお見かけ比重、安息角の
測定にはホソカワミクロン製パウダーテスターを用い、
比表面積の測定には窒素吸着法によるBET比表面積計
を用いた。
【0013】実施例2 実施例1に用いた生石灰とは異なる自社製生石灰(JI
S工業用石灰 生石灰特号)を−1mmに粉砕して酸化
カルシウム原料とした。この時のDIN1060による
反応性はtu=2.3分であった。消化遅延剤として食
品として市販されてい白砂糖を酸化カルシウム100重
量部に対して1.5重量部になるように調整した消化水
を酸化カルシウムが水酸化カルシウムに消化するに必要
な理論水量の2.9倍になるように原料酸化カルシウム
と撹拌、混合した。その後加水せずに生成した含水水酸
化カルシウムの水分を測定すると水酸化カルシウム10
0重量部に対し水27.6重量部であった。このように
して得られた含水水酸化カルシウムを熟成、乾燥後−1
50μmに粉砕分級して得られた水酸化カルシウム粉末
の見かけ比重、安息角、比表面積の測定結果を表1に示
す。
【0014】比較例1 実施例1で用いた−1mmの生石灰粉を酸化カルシウム
原料として消化遅延剤を用いず酸化カルシウムが水酸化
カルシウムに消化するのに必要な理論水量の1.3倍の
水とを撹拌、混合した。その後加水せずに得られた水酸
化カルシウムの水分を測定すると水酸化カルシウム10
0重量部に対し水0.2重量部であった。このようにし
て得られた含水水酸化カルシウムを熟成、乾燥後−15
0μmに粉砕分級して得られた水酸化カルシウム粉末の
見かけ比重、安息角、比表面積の測定結果を表1に示
す。表1からも判るとおり本発明による得られた水酸化
カルシウムは比表面積が大きく流動性も良好である。
【0015】
【表1】 表1: 実施例1 実施例2 比較例1 見かけ比重 0.58 0.56 0.41 安息角(度) 32 35 61 比表面積(g/m3) 39 42 16

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸化カルシウムに消化遅延剤を溶解した
    水を添加、混合し、消化反応中あるいは消化反応後にさ
    らに水を撹拌しながら添加して得られた含水状態の水酸
    化カルシウムを乾燥させることを特徴とした水酸化カル
    シウムの製造方法。
  2. 【請求項2】 酸化カルシウムに消化遅延剤を溶解した
    水を必要水量より過剰に添加、混合して得られた含水状
    態の水酸化カルシウムを乾燥させることを特徴とする請
    求項1に記載の水酸化カルシウムの製造方法。
  3. 【請求項3】 消化遅延剤の添加量が酸化カルシウム1
    00重量部に対して0.05〜3重量部であり、消化反
    応後の含水率が生成した水酸化カルシウム100重量部
    に対して15〜35重量部であることを特徴とする請求
    項1または2記載の水酸化カルシウムの製造方法。
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