JPH09249449A - 誘導加熱炉鋼材摺動部用耐火物製部材 - Google Patents

誘導加熱炉鋼材摺動部用耐火物製部材

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JPH09249449A
JPH09249449A JP8085825A JP8582596A JPH09249449A JP H09249449 A JPH09249449 A JP H09249449A JP 8085825 A JP8085825 A JP 8085825A JP 8582596 A JP8582596 A JP 8582596A JP H09249449 A JPH09249449 A JP H09249449A
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refractory
weight
tio
induction heating
steel material
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JP8085825A
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Toshimi Fukui
俊巳 福井
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Krosaki Harima Corp
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Kurosaki Refractories Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高温域での耐食性や機械的及び化学的な耐摩
耗性及び熱衝撃抵抗製に優れ、長時間使用できる高温摺
動部で使用できる耐火物製部材を得ること。 【解決手段】 化学組成としてAl23を60〜98重
量%、TiO2を1〜30重量%含有する、さらには、
化学組成としてAl23を60〜91重量%と、TiO
2が4〜14重量%と、その他にZrO2及び/またはM
gOを2.5〜18重量%含有する鋼材誘導加熱炉摺動
部用の耐火物製部材であり、不定形耐火物による成形体
で、1300〜1500°Cで焼成して得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鋼材誘導加熱炉の
大きな熱衝撃が加わる加熱部で加熱された鋼材が高温状
態で通過する箇所の、摺動部用部材として使用される耐
摩耗性、耐熱衝撃性に優れた耐火物製部材に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、鋼材誘導加熱炉においては、加工
処理される任意寸法に切断された鋼材を、高温加熱する
ために挿通させる貫通孔を設けた摺動部部材として、耐
摩耗性、耐熱衝撃性を求めて、種々耐火物の開発が検討
されてはいるが、このような耐摩耗性、耐熱衝撃性部材
用の耐火物として、アルミナ系に代わって、窒化物,酸
窒化物、とくに、低い熱膨張係数と高温での機械特性に
優れていることから、窒化珪素あるいはサイアロン系が
使用されるようになった。ところが、この窒化物,酸窒
化物系耐火物は、1200°Cを超えると母材の酸化が
進行し、本来有している機械的特性が失われる上に、高
価であることから、安価であり製造も簡単なアルミナ質
キャスタブルが使用されている。
【0003】しかしながら、このアルミナ質キャスタブ
ル、とくに、大きな熱衝撃が加わる鋼材誘導加熱炉摺動
部部材として用いられる場合の欠点は、高温での機械的
安定性に劣ることである。例えば、特公昭58−113
88号公報には、アルミナ質キャスタブルにシリカを添
加することで低水分化させ、高密度の硬化体を得ること
が示されている。このような不定形耐火物で得られたブ
ロックを焼成することで、シリカ含有化合物を生成させ
て、耐熱衝撃性を向上させることはできる。その反面、
このマトリックス部のシリカ成分がスケール成分(Fe
Ox)と反応して低融点化合物を生成し、化学的耐食性
を低下させ、マトリックス部から優先的に浸食、摩耗が
進行し、長時間使用することが困難となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、鋼材
誘導加熱炉における高温域での貫通孔内を鋼材が通過す
る箇所での、耐摩耗性、耐熱衝撃性に優れた摺動部用耐
火物製部材用として使用するハイアルミナ質耐火物のス
ケールなどに対する化学的安定性を、高温における熱衝
撃抵抗性を低下させることなく改善することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、従来のハイア
ルミナ質耐火物にチタン成分を加えることによって、高
温での耐食性や機械的強度及び化学的な耐磨耗性、熱衝
撃抵抗性に優れ、スケールの付着が少なく摺動部材のよ
うな耐熱衝撃部材用耐火物が得られるという知見に基づ
いて完成した。
【0006】すなわち、本発明の第1は、化学組成とし
てAl23を68〜98重量%、TiO2を1〜30重
量%含有することを特徴とする。また、第2の発明は、
化学組成としてAl23を60〜91重量%と、TiO
2が4〜14重量%を含有し、ほかに、ZrO2あるいは
MgOの中のいずれかあるいは両方を2.5〜18重量
%を含有することを特徴とする。
【0007】この耐火物製部材は、不定形耐火物による
成形体とし、これを1300〜1500°Cで焼成して
得られる。
【0008】本発明の誘導加熱炉加熱部装置は、摺動部
耐火物の貫通孔周囲に加熱コイルを埋設あるいは、外周
に巻き付けた状態でその耐火物を高温加熱することで、
貫通孔内を通過する鋼材が加熱されるもので、加熱され
た耐火物製部材の温度と周囲の温度差が大きいため、耐
摩耗性と共に耐熱衝撃性も求められることになる。
【0009】通常この耐火物製部材を形成する耐火物の
磨耗は、耐火物の貫通孔内を通過する時に、その表面を
摺動する材料との摩擦やエッジ部との接触による摩耗、
またはその酸化物との反応による化学的磨耗と、耐火物
の機械的な破損、欠落による機械的磨耗とにより進行す
る。
【0010】本発明に使用する耐火物は、マトリックス
中のTiO2成分が、シリカに比べ浸透してくるスケー
ルやマトリックス中のアルミナ成分との間に生成する液
相の生成温度が高いために、耐火物自体の化学的侵食は
抑制される。また、TiO2を含む緻密な反応相を形成
するものと考えられ、これもスケールの一定深さ以上へ
の浸透防止に有効に働くと考えられる。いずれにしても
TiO2成分の添加によって、優れた化学的耐磨耗性が
発現する。優れたスケール付着防止効果については、通
常、Al23は、スケールとの反応により高融点の化合
物を形成し明確な反応相とスケール付着層が形成される
が、TiO2が混在すると、その反応形成物とスケール
との接着強度が弱まり、スケールの堆積が抑制されると
推察される。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明は、その耐火物の焼結性の
向上や熱安定性から、SiO2成分を多量に含む原料骨
材を使用しない耐火物であり、原料中の不純物としても
できるだけSiO2が微量に存在する原料の選定を行う
ことが望ましい。SiO2自体は0.4重量%以下であ
ることが好ましい。SiO2を生成する化学成分の共存
は避ける必要があり、そのため、不純物の総量も3重量
%以下に、とくに2重量%以下になることが好ましい。
【0012】本発明の鋼材誘導加熱炉の摺動部の様な耐
摩耗性、耐熱衝撃性を持った部材に用いられる耐火物の
骨材としては、アルミナ、チタン等耐火物中に主成分の
Al23と、チタン成分をTiO2に換算で1〜30重
量%、もしくは4〜14重量%含有させる以外は、15
00°C以上の耐火度でシリカを構成成分として含有し
ない耐火原料であれば、ジルコニア、スピネル、マグネ
シア微粉及びこらの複合原料が1種または2種以上組み
合わせて使用できる。他にクロミア等の酸化物も使用で
きる。
【0013】アルミナ骨材として、電融アルミナ,焼結
アルミナ等を使用でき、その粒度は、製品の形状に左右
されるが、例えば10mm程度の厚みのチューブ形状で
あれば5mm以下が良く、6mm以下の厚みの場合3m
m以下が好ましい。それ以外のアルミナ微粉は電融アル
ミナ,焼結アルミナ,仮焼アルミナ等の他加熱すること
でアルミナとなる酸化物や合成された化合物が使用でき
る。また、これら骨材以外にハイアルミナセメントもA
23成分として含まれる。
【0014】Al23とTiO2成分の併存による効果
を得るには、Al23成分が60〜98重量%の範囲で
良く、Al23成分60重量%未満ではAl23成分そ
のものが働きはかわりなく、TiO2成分が多くなって
もそれ以上に効果は向上せず、98重量%以上であると
TiO2成分の耐熱衝撃性、耐食性、スケール付着防止
についての効果が失われる。
【0015】さらに、その他の配合物との組み合わせの
場合は、Al23成分は60〜91重量%以内の範囲と
してその他の成分を有効に生かすことが好ましい。
【0016】Al23成分とTiO2成分以外の成分を
含むものとして、ジルコニア質やマグネシア質の骨材が
使用され、ZrO2あるいはMgO又はその両方を2.
5〜18重量%含有することが好ましい。ZrO2は耐
食性と、スケール付着防止効果を向上させるが、2.5
重量%より少ないとその効果は小さく、18重量%より
多いと耐火物の熱膨張率を増加させるため好ましくな
い。
【0017】また、MgOはスピネルとして存在するこ
とが好ましく、低い熱膨張率により耐熱衝撃性が向上す
るが2.5重量%より少ないとスピネル生成量が少なく
なり耐熱衝撃性に効果がなくなり、18重量%より多い
とスケールとの反応によりTiO2成分によるスケール
付着防止効果を阻害する。MgOはAl23とスピネル
(MgAl24)成分として、熱膨張率が小さくなるの
で耐火物組成の熱衝撃抵抗性を向上させ、ZrO2成分
は、耐食性を向上させるために、2.5〜18重量%共
存させることでTiO2成分の働きを助ける。
【0018】その他クロミア等の酸化物を使用した場合
もZrO2同様に耐食性向上にスケール付着防止に貢献
する範囲で存在させることができる。
【0019】TiO2成分は、ルチル,アナターゼ,一
酸化チタン,三二酸化チタン等の酸化物、或いはチタン
酸アルミニウム,チタン酸カルシウム,チタン酸マグネ
シウム,チタン酸鉄等がチタンを含む複合酸化物として
使用される。また、チタンアルコキシドや塩化チタン等
のチタン塩、或いは金属チタン、チタン合金も使用でき
る。しかし、一般的にはルチル,アナターゼ等の酸化物
としての使用が好ましい。粒径は入手可能な範囲であれ
ば特に問題はない。
【0020】TiO2としての使用は、耐火物の組成の
特性を向上させる利点のみでなく、焼結性を向上させ、
通常のハイアルミナキャスタブルと比べ低温での焼成が
可能となる。TiO2成分が1重量%より少ないと、高
温での摺動部用耐火物製部材としての耐熱衝撃性やスケ
ールの付着防止特性やマトリックス部の焼結性に十分な
効果が得られない。30重量%より多くなっても著しい
効果の向上は認められないため、30重量%以下でよ
い。また、焼結性の向上には10μm以下の粉末を使用
することが好ましい。
【0021】ZrO2あるいはMgO成分が含有される
場合のTiO2成分は4〜14重量%の範囲が良く、4
重量%より少ないとその効果は得られず、14重量%よ
り多いと未反応TiO2残存量が増加し熱膨張率が増加
し、耐熱衝撃性を低下させる。
【0022】本発明の耐火物製部材は通常知られている
キャスタブル耐火物の施工法によって得ることができ
る。例えば、湿式法であれば、目的とする組成の配合物
を予め混合した後、適量の水を加えスリップを作成し、
このスリップを目的とする形状の型枠に流し込み成形す
る。この際の成形用結合剤が用いられるが、出来る限り
SiO2を含まない化合物が良く、水硬性ハイアルミナ
セメント、リン酸塩等の無機結合剤を5〜15重量%使
用するか、押し出し成形等に用いられるPED,PE
G,PVAの他、レゾール型フェノール樹脂やセルロー
ス系の熱硬化性の有機高分子結合剤等も添加することが
できる。その他、粉体の分散性を向上させるため適当な
分散剤や解膠剤等も添加できる。
【0023】スリップの鋳込みは、通常の鋳込み成形で
も良いが本件は振動鋳込みで実施した。これは低水分量
のスリップに流動性を与えるのに効果的であり、減圧振
動鋳込みが気泡の除去に有効である。鋳込まれた成形体
は、硬化後脱型し乾燥、焼成する。乾燥時間は使用、添
加した結合剤の種類、水分添加量により随時設定され
る。
【0024】また、乾式法であれば、通常の定形耐火物
の成形方法に準じて実施できる。即ち、目的となる配合
物を結合剤と予め混合し、造粒粉体を作成する。造粒粉
体は形状に合わせた型を用い、一軸成形、または冷間静
圧成形される。得られた成形体を焼成、或いは乾燥、焼
成し、場合によっては目的の形状に加工して製品を得
る。
【0025】本発明の化学組成にかかわる不定形耐火物
の焼成温度の条件設定は、強度発現効果を考えると少な
くとも1300〜1500°Cが好ましい。つまり、加
熱された摺動物が通過する時点で、焼成されていない不
定形耐火物成形体においても焼結して強度は発現する
が、一般耐火物が使用されるような溶湯との接触による
焼結ではないために有効な焼結状態になるとは限らな
い。よって、予め焼成することが好ましく、1300°
C以下では強度不足により耐磨耗性が低く、1500°
C以上で焼成を行っても特性の改善が期待できないので
必要ない。
【0026】
【実施例】本発明の耐火物を鋼材誘導加熱炉摺動部部材
に適用した例について説明する。
【0027】表1に本発明の耐火物の実施例1〜12
を、表2に実施例13〜20及び比較例1〜4を、ま
た、表3に実施例21〜24と比較例5、6として従来
のアルミナ質耐火物とサイアロン製品について、出発原
料と焼成温度、化学組成、物性値、評価結果とともに示
す。
【0028】物性評価方法については、全ての組成でチ
ューブ製品とは別に約φ50×50mmの物性評価用の
試料を振動鋳込み法で作成した。この試料を用いたアル
キメデス法による比重気孔率、圧縮強度をJIS測定法
に準じて測定した。
【0029】化学組成の分析は、ガラスビート法による
蛍光X線分析で決定した。なお、実施例における本発明
品の成分でSiO2含有量は0.2重量%以下であっ
た。また、1.5〜1.7重量%存在するCaO成分は
ハイアルミナセメントに起因する。
【0030】高温摺動特性は、内径φ50mm、外径φ
70mm、長さ100mmのチューブ状の焼成体を13
00°Cに加熱された電気炉中に固定し、φ40×10
0mmの鋼材(S45C)を約10cm/秒の速さで左
右に移動させた時の減寸量で評価した。試験時間は10
0時間で、10時間毎に新しい鋼材に交換し耐磨耗性試
験を行った。
【0031】スケールの付着性は高温摺動試験後の試料
の状態を目視により評価した。
【0032】耐熱衝撃性は、前述円筒試料を1300°
Cに加熱した電気炉中に挿入、空気中に取り出し強制空
冷を10回繰り返す空冷スポール試験により評価した。
【0033】
【表1】
【0034】実施例1〜12は、原料粉末をV型混合ミ
キサーを使用し混合、混合粉体を卓上ミキサー中で水を
加えてスリップとし、チューブ型へ振動テーブル上で鋳
込んで製造した。室温で一晩放置した後、脱型し、更に
100°Cの乾燥機中で乾燥した。結合剤としてハイア
ルミナセメント(通常5〜15重量%使用されるが、今
回の試料では10重量%使用)を用いた。成形体を13
00〜1500°Cの温度域で2時間焼成し、外径70
mm、内径50mm,長さ800mmの形状である耐火
物部材を得た。
【0035】耐火物部材の化学組成は、実施例1〜6及
び9,10がAl23にTiO2成分が加わった例、実
施例7,8は更にMgO成分を含む例で、MgO成分は
スピネルから得たものである。実施例11,12は、A
23、TiO2及びZrO2成分による例でZrO2
分はバデライトから得た。また、実施例6は焼成温度を
1500°Cで行った。評価試験の結果において、いず
れも耐摩耗性、耐熱衝撃性に問題はなく、スケールの付
着は認められなかった。
【0036】
【表2】
【0037】実施例14〜18は表1の耐火物部材と同
様の製造方法で、実施例19〜20は、原料粉末をV型
混合ミキサーを使用し混合、混合粉体を卓上ミキサー中
で水と熱硬化性樹脂を加えてスリップとし、チューブ型
へ振動テーブル上で鋳込み成形を行った。100°Cま
で徐々に昇温後乾燥機中で結合剤を硬化させ、脱型し
た。その成形体を1300〜1500°Cの温度域で2
時間焼成し、外径70mm、内径50mm,長さ800
mmの形状である耐火物部材を得た。
【0038】耐火物部材の化学組成として、実施例1
3,14及び17〜20はAl23、TiO2である
が、実施例13,14はTiO2の出発原料をルチル以
外のものから得た例であり、実施例17はアルミナ原料
の粒度を、実施例18は焼成温度を変えた例である。ま
た、実施例19,20はハイアルミナセメント以外の結
合剤を外掛け(+表示)で使用した例であり、そのため
化学組成にCaOが見あたらない。その結果評価試験に
おいて、いずれも耐摩耗性、耐熱衝撃性に問題はなく、
スケールの付着は認められなかった。
【0039】比較例1,2は、実施例1と同じ方法でチ
タンを含まないチューブ形状の成形体を作成、1300
°Cと1600°Cで2時間焼成し、外径70mm,内
径50mm、長さ800mmの形状の耐火物部材を得
た。
【0040】比較例1は、強度不足による明確な磨耗が
進行していた。一方比較例2は大きな減寸は見られない
がスケールの付着が激しかった。
【0041】比較例3,4は、実施例1と同じ方法でチ
タンの代わりにシリカ原料を5重量%使用し、チューブ
形状の成形体を作成、1300°Cと1500°Cで2
時間焼成した。1300°C焼成では、外径70mm、
内径50mm,長さ800mmの耐火物部材が得られた
が、1500°C焼成ではチューブの軟化変形や収縮割
れにより目的とする形状の耐火物部材は得られなかっ
た。
【0042】これら比較例3,4の耐磨耗性については
シリカが使用されているため、数mm程度の減寸が見ら
れ、スケールについては稼働面に半溶融状態で付着して
いた。
【0043】
【表3】
【0044】実施例21〜24は、表1の耐火性部材と
同様の方法で製造した例を示す。これらは、出発原料を
組み合わせ化学組成が規定のAl23、TiO2とMg
O,ZrO2の成分となる様に含有させた例を示す。評
価試験の結果においては、いずれも耐摩耗性、耐熱衝撃
性に問題はなく、スケールの付着は認められなかった。
【0045】従来品における評価試験の結果をみると、
比較例5は最も一般的なアルミナセラミックスを用いた
が、比較例2と同様の傾向を示し、減寸は見られないが
スケールの付着は激しく、一度の空冷スポール試験の使
用直後に熱衝撃によりバラバラとなり試験続行不能とな
った。また、耐熱衝撃性に優れた比較例6のサイアロン
セラミックスの場合、熱衝撃による割れは見られない
が、数時間の稼働で残寸が無くなったため、試験を中止
した。
【0046】1500°Cで焼成された実施例6,18
及び1300°C焼成で得られた他の実施例の本発明品
による耐火物部材は、圧縮強度が138〜181MPa
と高く、1600°Cで焼成されたTiO2成分未使用
の比較例2(129MPa)やシリカ使用の比較例3
(120MPa)より高強度化している。この様に本発
明品は低温焼成で高強度の耐火物部材を得ることができ
た。
【0047】本願発明品の実機評価による誘導加熱炉で
の摺動試験では、実施例で作成したチューブの高温摺動
試験を直接摺動型の誘導加熱炉で行った。製造したチュ
ーブは長さ720mmに切断し、2本1セットとして用
いた。チューブ内部を通過する鋼材は、約400mm移
動する間に最高1320°C程度となる。30日稼働後
のチューブの外観、スケールの付着量、チューブの磨耗
量により物性評価を行った。比較として、比較例2と3
のものを使用した。
【0048】本発明の実施例の場合、30日稼働後に大
きな割れが見られるが形状を保持しており、使用に全く
支障がない状態であった。TiO2量が少ない程減寸量
が多くなる傾向にあったが、減寸量は全て1mm以下で
あり、明確なスケールの堆積は認められなかった。これ
に対し、チタンを使用していない比較例2は、母材の減
寸は見られないが稼働部より割れが進行し、部分的に小
さな破片になっていた。また、明確なスケールの堆積が
見られた。シリカを使用した比較例3は稼働部に2〜3
mmの減寸が見られた。
【0049】本発明の優位性は、使用後の試料の微細組
織を顕微鏡写真で見ることにより明らかにできる。図1
の光学顕微鏡写真は実施例3の組織構造を示す。図1で
見ると、稼働部に数百μmのやや緻密化した反応層がみ
られ、スケールの付着は殆どなかった。その他の試料も
ほぼ同様であった。
【0050】図2は比較例2の高温摺動試験後の光学顕
微鏡写真である。この図2を見ると、明確なアルミナと
スケールの反応層とスケールの付着層が観察される。ま
た、図3は、比較例3の高温摺動試験後の光学顕微鏡写
真を示す。この図3を見ると、スケールの含浸、反応に
よりガラス的組織となった反応層とスケールの付着層が
見られる。
【0051】このように本発明の場合、従来材にない特
徴的な微細組織の変化により耐食性とスケールの付着防
止効果を発現していることがわかる。
【0052】
【発明の効果】
(1) 高温域での耐食性や機械的及び化学的な耐磨耗
性及び熱衝撃抵抗性に優れ、スケールの付着が少なく、
鋼材の誘導加熱炉における熱衝撃の大きな部位で、長時
間使用することができる摺動部用の耐火物製部材を得る
ことができる。
【0053】(2) スケールのように高温での反応性
の高い化合物が共存し、大きな熱衝撃が加わる用途での
使用も可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例3の高温摺動試験後の耐火物組織の光
学顕微鏡写真である。
【図2】 比較例2の高温摺動試験後の耐火物組織の光
学顕微鏡写真である。
【図3】 比較例3の高温摺動試験後の耐火物組織の光
学顕微鏡写真である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 化学組成としてAl23を68〜98重
    量%、TiO2を1〜30重量%含有する耐火物からな
    り、この耐火物に鋼材を挿通する貫通孔を設けた誘導加
    熱炉鋼材摺動部用耐火物性部材。
  2. 【請求項2】 化学組成としてAl23を60〜91重
    量%と、TiO24〜15重量%と、その他にZrO2
    よびMgOの中のいずれかあるいはその両方を2.5〜
    18重量%含有する耐火物からなり、この耐火物に鋼材
    を挿通する貫通孔を設けた誘導加熱炉鋼材摺動部用耐火
    物製部材。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載の耐火物
    が不定形耐火物であって、その不定形耐火物の成形体を
    1300〜1500°Cで焼成して得た誘導加熱炉鋼材
    摺動部用耐火物製部材。
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