JPH09249607A - 光学活性1,1’−ビフェナンスリル−2,2’−ジオール、当該化合物の製造法及び当該化合物からなる光学分割剤 - Google Patents
光学活性1,1’−ビフェナンスリル−2,2’−ジオール、当該化合物の製造法及び当該化合物からなる光学分割剤Info
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- JPH09249607A JPH09249607A JP8081017A JP8101796A JPH09249607A JP H09249607 A JPH09249607 A JP H09249607A JP 8081017 A JP8081017 A JP 8081017A JP 8101796 A JP8101796 A JP 8101796A JP H09249607 A JPH09249607 A JP H09249607A
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- C07—ORGANIC CHEMISTRY
- C07C—ACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
- C07C39/00—Compounds having at least one hydroxy or O-metal group bound to a carbon atom of a six-membered aromatic ring
- C07C39/12—Compounds having at least one hydroxy or O-metal group bound to a carbon atom of a six-membered aromatic ring polycyclic with no unsaturation outside the aromatic rings
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- C—CHEMISTRY; METALLURGY
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- C07B—GENERAL METHODS OF ORGANIC CHEMISTRY; APPARATUS THEREFOR
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- C07C2603/02—Ortho- or ortho- and peri-condensed systems
- C07C2603/04—Ortho- or ortho- and peri-condensed systems containing three rings
- C07C2603/22—Ortho- or ortho- and peri-condensed systems containing three rings containing only six-membered rings
- C07C2603/26—Phenanthrenes; Hydrogenated phenanthrenes
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 新規な光学活性1,1'- ビフェナンスリル-2,
2'-ジオールを提供する。また、様々なラセミ体の光学
分割や種々の不斉合成反応において、それらの反応に用
いられる基質に合った効率の良い新規な光学活性配位子
を提供する。 【解決手段】 本発明の新規な光学活性1,1'- ビフェナ
ンスリル-2,2'-ジオールは、光学活性フェニルエチルア
ミンを用い、N((S)-1-フェニルエチル)-1,1'- ビフェナ
ンスリル-2,2'-ジイルチオホスホリルアミドに導き、再
結晶で光学活性体となし、還元剤で水素化分解して得る
ことができる。
2'-ジオールを提供する。また、様々なラセミ体の光学
分割や種々の不斉合成反応において、それらの反応に用
いられる基質に合った効率の良い新規な光学活性配位子
を提供する。 【解決手段】 本発明の新規な光学活性1,1'- ビフェナ
ンスリル-2,2'-ジオールは、光学活性フェニルエチルア
ミンを用い、N((S)-1-フェニルエチル)-1,1'- ビフェナ
ンスリル-2,2'-ジイルチオホスホリルアミドに導き、再
結晶で光学活性体となし、還元剤で水素化分解して得る
ことができる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、1,1'- ビフェナン
スリル-2,2'-ジオール、光学活性1,1'- ビフェナンスリ
ル-2,2'-ジオール、当該化合物の製造法及び当該化合物
からなる光学分割剤に関する。本発明の新規な光学活性
ビフェナンスロール誘導体は、光学分割剤、光学活性ホ
スフィンの原料あるいは不斉合成反応の配位子として遷
移金属、希土類と錯体を形成せしめて有用な触媒となり
うるものである。
スリル-2,2'-ジオール、光学活性1,1'- ビフェナンスリ
ル-2,2'-ジオール、当該化合物の製造法及び当該化合物
からなる光学分割剤に関する。本発明の新規な光学活性
ビフェナンスロール誘導体は、光学分割剤、光学活性ホ
スフィンの原料あるいは不斉合成反応の配位子として遷
移金属、希土類と錯体を形成せしめて有用な触媒となり
うるものである。
【0002】
【従来の技術】従来、光学活性なビナフトールは、有機
合成反応、例えば、不斉水素化反応、不斉異性化反応、
不斉ヒドロシリル化反応、不斉エン反応、不斉ヘテロデ
ールスアルダー反応、不斉マイケル反応、不斉ニトロア
ルドール反応の配位子や配位子の原料としてよく知られ
た化合物で、これから誘導される金属錯体触媒について
は、数多くの報告(日本化学会編化学総説32”有機金属
錯体化学”237-238 頁昭和57年、”Asymmetric Catalys
is In Organic Synthesis ”野依良治著 A Wiley-Inte
rscience Publication、K.Mikami,M.Terada,S.Narisaw
a, T.Nakai SYNLETT 1992,255-265、M.Terada,S.Matsuk
awa,K.Mikami J.Chem.Soc.,Chem. Commun.,1993,327328
、M.Terada,K.Mikami,T.Nakai Tetrahedron Letters 1
991 32,pp935-938 、H.Sasai,T.Suzuki,M.Shibasaki J.
Am.Chem.Soc.1992,114,4418-4420、H.Sasai,T.Suzuki,
M.Shibasaki Tetrahedron Letters 1993 34, pp851-854
、H.Sasai,T.Suzuki,M.Shibasaki Tetrahedron Letter
s 1994 35, pp6123-6126 、H.Sasai,T.Suzuki,M.Shibas
aki J.Am.Chem.Soc.1993 115, 10372-10373、H.Sasai,
T.Arai,M.Shibasaki J.Am.Chem.Soc 1994 116,1571-157
2 、特開平5−17491号公報、D.Cai,J.Payack,D.B
ender,D.Hughes,T.Verhoeven,P.Reider J.Org.Chem.199
4,59,7180-7181) がなされている。
合成反応、例えば、不斉水素化反応、不斉異性化反応、
不斉ヒドロシリル化反応、不斉エン反応、不斉ヘテロデ
ールスアルダー反応、不斉マイケル反応、不斉ニトロア
ルドール反応の配位子や配位子の原料としてよく知られ
た化合物で、これから誘導される金属錯体触媒について
は、数多くの報告(日本化学会編化学総説32”有機金属
錯体化学”237-238 頁昭和57年、”Asymmetric Catalys
is In Organic Synthesis ”野依良治著 A Wiley-Inte
rscience Publication、K.Mikami,M.Terada,S.Narisaw
a, T.Nakai SYNLETT 1992,255-265、M.Terada,S.Matsuk
awa,K.Mikami J.Chem.Soc.,Chem. Commun.,1993,327328
、M.Terada,K.Mikami,T.Nakai Tetrahedron Letters 1
991 32,pp935-938 、H.Sasai,T.Suzuki,M.Shibasaki J.
Am.Chem.Soc.1992,114,4418-4420、H.Sasai,T.Suzuki,
M.Shibasaki Tetrahedron Letters 1993 34, pp851-854
、H.Sasai,T.Suzuki,M.Shibasaki Tetrahedron Letter
s 1994 35, pp6123-6126 、H.Sasai,T.Suzuki,M.Shibas
aki J.Am.Chem.Soc.1993 115, 10372-10373、H.Sasai,
T.Arai,M.Shibasaki J.Am.Chem.Soc 1994 116,1571-157
2 、特開平5−17491号公報、D.Cai,J.Payack,D.B
ender,D.Hughes,T.Verhoeven,P.Reider J.Org.Chem.199
4,59,7180-7181) がなされている。
【0003】これらの不斉合成反応において、ビナフト
ールは優れた光学活性な配位子であることが報告されて
おり、また光学活性なビナフトールから誘導される光学
活性なホスフィン類も同様な効果を持つことが報告され
ている。
ールは優れた光学活性な配位子であることが報告されて
おり、また光学活性なビナフトールから誘導される光学
活性なホスフィン類も同様な効果を持つことが報告され
ている。
【0004】上述のJ.Am.Chem.Soc.1993年、115 巻、10
372 頁には、不斉ニトロアルドール反応において、光学
活性なビナフトールとランタノイド金属からランタノイ
ド−ビナフトール錯体を調製し、アルデヒド類とニトロ
メタンから光学活性なニトロアルドール体を得ることが
報告されている。
372 頁には、不斉ニトロアルドール反応において、光学
活性なビナフトールとランタノイド金属からランタノイ
ド−ビナフトール錯体を調製し、アルデヒド類とニトロ
メタンから光学活性なニトロアルドール体を得ることが
報告されている。
【0005】また、J.Am.Chem.Soc.1990年、112 巻、39
49頁には、オレフィンとグリオキシル酸エステルとの不
斉エン反応が光学活性ビナフトール−チタン錯体を触媒
として、高い不斉収率で進行することが報告されてい
る。
49頁には、オレフィンとグリオキシル酸エステルとの不
斉エン反応が光学活性ビナフトール−チタン錯体を触媒
として、高い不斉収率で進行することが報告されてい
る。
【0006】さらに、上述のJ.Org.Chem. 1994年、71
80頁では、光学活性なビナフトールを出発原料とする光
学活性なBINAP[2,2'- ビス( ジフェニルホスフィノ)-1,
1'-ビナフチル] が合成できることが報告されている。
80頁では、光学活性なビナフトールを出発原料とする光
学活性なBINAP[2,2'- ビス( ジフェニルホスフィノ)-1,
1'-ビナフチル] が合成できることが報告されている。
【0007】しかしながら、これらの配位子やホスフィ
ンを用いても、対象とする反応または用いられる基質に
よっては化学選択性、触媒活性、立体選択性などの点か
ら充分でない場合があった。
ンを用いても、対象とする反応または用いられる基質に
よっては化学選択性、触媒活性、立体選択性などの点か
ら充分でない場合があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、様々
なラセミ体の光学分割や種々の不斉合成反応において、
それらの反応に用いられる基質に合った効率の良い新規
な光学活性配位子を提供するものである。
なラセミ体の光学分割や種々の不斉合成反応において、
それらの反応に用いられる基質に合った効率の良い新規
な光学活性配位子を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく光学活性な配位子化合物について鋭意研究
を重ねた結果、光学活性な1,1'-ビフェナンスリル-2,
2'-ジオールが、光学分割剤、光学活性な配位子、さら
には光学活性ホスフィンの原料として優れていることを
見出し、これらの知見に基いて本発明を完成したもので
ある。
を解決すべく光学活性な配位子化合物について鋭意研究
を重ねた結果、光学活性な1,1'-ビフェナンスリル-2,
2'-ジオールが、光学分割剤、光学活性な配位子、さら
には光学活性ホスフィンの原料として優れていることを
見出し、これらの知見に基いて本発明を完成したもので
ある。
【0010】すなわち、本発明は、以下に示すとおりで
ある。 1. 次式(I) 、
ある。 1. 次式(I) 、
【0011】
【化4】
【0012】で表される1,1'- ビフェナンスリル-2,2'-
ジオール。
ジオール。
【0013】2. 次式(II)、
【0014】
【化5】
【0015】で表される光学活性1,1'- ビフェナンスリ
ル-2,2'-ジオール。
ル-2,2'-ジオール。
【0016】3. 硝酸銅とフェニルエチルアミンで錯
体を調製し、それに2-フェナンスロールを反応させて
(±)-1,1'-ビフェナンスリル-2,2'-ジオールを生成
し、ピリジンの存在下、塩化チオホスホリルと光学活性
なフェニルエチルアミンを反応させてN-(1-フェニルエ
チル)-1,1'-ビフェナンスリル-2,2'-ジイルチオホスホ
ルアミドを作り、再結晶により、光学分割して光学活性
体を調製し、それを水素化分解することを特徴とする光
学活性1,1'- ビフェナンスリル-2,2'-ジオールの製造
法。
体を調製し、それに2-フェナンスロールを反応させて
(±)-1,1'-ビフェナンスリル-2,2'-ジオールを生成
し、ピリジンの存在下、塩化チオホスホリルと光学活性
なフェニルエチルアミンを反応させてN-(1-フェニルエ
チル)-1,1'-ビフェナンスリル-2,2'-ジイルチオホスホ
ルアミドを作り、再結晶により、光学分割して光学活性
体を調製し、それを水素化分解することを特徴とする光
学活性1,1'- ビフェナンスリル-2,2'-ジオールの製造
法。
【0017】4. 次式(II) 、
【0018】
【化6】
【0019】で表される光学活性1,1'- ビフェナンスリ
ル-2,2'-ジオールからなる光学分割剤。
ル-2,2'-ジオールからなる光学分割剤。
【0020】以下に、本発明をさらに詳しく説明する。
本発明の1,1'- フェナンスリル- 2,2'- ジオール(I)
は、ラセミ体および光学活性体のいずれをも含むもので
ある。
本発明の1,1'- フェナンスリル- 2,2'- ジオール(I)
は、ラセミ体および光学活性体のいずれをも含むもので
ある。
【0021】本発明の(+)体又は(−)体の光学活性
1,1'- ビフェナンスリル-2,2'-ジオールは、例えば次の
ようにして製造することができる。すなわち、フェナン
スレンを濃硫酸と反応せしめてスルホン化した後、塩化
バリウムで処理し、2-フェナンスレンスルホン酸バリウ
ムを得る。次に、このバリウム塩を電気炉を用いてアル
カリ溶融した後、塩酸で処理して2-フェナンスロールと
する。これを銅−アミン錯体存在下に酸化的にカップリ
ングしてラセミ体の1,1'- ビフェナンスリル- 2,2'- ジ
オール(I)を合成する。得られたジオールは光学活性
フェニルエチルアミンおよび塩化チオホスホリルとから
(±)-N((S)-1- フェニルエチル)-1,1'- ビフェナンス
リル-2,2'-ジイルチオホスホリルアミドに導き、再結晶
で光学活性体となし、最後に、これを水素化リチウムア
ルミニウムのような還元剤で水素化分解して、光学純度
がほぼ100%の1,1'- ビフェナンスリル-2,2'-ジオー
ルを得ることができる。
1,1'- ビフェナンスリル-2,2'-ジオールは、例えば次の
ようにして製造することができる。すなわち、フェナン
スレンを濃硫酸と反応せしめてスルホン化した後、塩化
バリウムで処理し、2-フェナンスレンスルホン酸バリウ
ムを得る。次に、このバリウム塩を電気炉を用いてアル
カリ溶融した後、塩酸で処理して2-フェナンスロールと
する。これを銅−アミン錯体存在下に酸化的にカップリ
ングしてラセミ体の1,1'- ビフェナンスリル- 2,2'- ジ
オール(I)を合成する。得られたジオールは光学活性
フェニルエチルアミンおよび塩化チオホスホリルとから
(±)-N((S)-1- フェニルエチル)-1,1'- ビフェナンス
リル-2,2'-ジイルチオホスホリルアミドに導き、再結晶
で光学活性体となし、最後に、これを水素化リチウムア
ルミニウムのような還元剤で水素化分解して、光学純度
がほぼ100%の1,1'- ビフェナンスリル-2,2'-ジオー
ルを得ることができる。
【0022】この方法において、(+)体のフェニルエ
チルアミンを用いると、得られるのは(+)1,1'-ビフェナ
ンスリル-2,2'-ジオールとなり、又、(−)体を得る場
合には(−)体のフェニルエチルアミンを用いればよ
い。
チルアミンを用いると、得られるのは(+)1,1'-ビフェナ
ンスリル-2,2'-ジオールとなり、又、(−)体を得る場
合には(−)体のフェニルエチルアミンを用いればよ
い。
【0023】銅−アミン錯体の存在下で酸化的にカップ
リングする工程においては、通常、銅塩と、銅塩に対し
て2−6倍、好ましくは3−4倍モルのアミンを使用し
て、メタノール、エタノールのような溶媒中であらかじ
め銅−アミン錯体を調製しておき、この中にフェナンス
ロールのメタノールあるいはエタノール溶液を攪拌しな
がら加えてカップリングを行う。酸化カップリングに使
用できる銅塩としては、塩化第二銅、酢酸第二銅、硝酸
第二銅などがあり、又これらの水和物でもよい。又、ア
ミン錯体に用いられるアミン類としては、Tetrahedron
41巻、3313頁、(1985 年) に記載されているようなフェ
ニルエチルアミン、ベンジルアミン、エチルアミン等の
アミン類を用いることができる。ここで使用されるアミ
ン類の銅錯体は、通常、基質( フェナンスロール) と等
モルから3 倍モルを用いてカップリング反応を行うが、
好ましくは1.0−1.1倍モルがよい。酸化カップリ
ングに使用する溶媒としては、メタノール、エタノー
ル、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、塩
化メチレン、ジクロロエタン等が挙げられる。
リングする工程においては、通常、銅塩と、銅塩に対し
て2−6倍、好ましくは3−4倍モルのアミンを使用し
て、メタノール、エタノールのような溶媒中であらかじ
め銅−アミン錯体を調製しておき、この中にフェナンス
ロールのメタノールあるいはエタノール溶液を攪拌しな
がら加えてカップリングを行う。酸化カップリングに使
用できる銅塩としては、塩化第二銅、酢酸第二銅、硝酸
第二銅などがあり、又これらの水和物でもよい。又、ア
ミン錯体に用いられるアミン類としては、Tetrahedron
41巻、3313頁、(1985 年) に記載されているようなフェ
ニルエチルアミン、ベンジルアミン、エチルアミン等の
アミン類を用いることができる。ここで使用されるアミ
ン類の銅錯体は、通常、基質( フェナンスロール) と等
モルから3 倍モルを用いてカップリング反応を行うが、
好ましくは1.0−1.1倍モルがよい。酸化カップリ
ングに使用する溶媒としては、メタノール、エタノー
ル、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、塩
化メチレン、ジクロロエタン等が挙げられる。
【0024】また、得られたジオールから(±)-N((S)
-1- フェニルエチル)-1,1'- ビフェナンスリル-2,2'-ジ
イルチオホスホリルアミド(化合物Aと略す。)を導く
工程では、通常、塩基と溶媒が共存される。反応温度は
20−120℃で行なうことができる。溶媒としては、
ピリジン、塩化メチレン、テトラヒドロフラン、トルエ
ン、ベンゼン等が用いられる。塩基としては、ピリジ
ン、トリエチルアミン、ジイソプロピルアミン等が好ま
しく、その量は基質(上記の得られたジオール)に対し
て2−10当量とする。なお、ピリジンは溶媒と塩基の
両方の役割を果たすので都合がよい。
-1- フェニルエチル)-1,1'- ビフェナンスリル-2,2'-ジ
イルチオホスホリルアミド(化合物Aと略す。)を導く
工程では、通常、塩基と溶媒が共存される。反応温度は
20−120℃で行なうことができる。溶媒としては、
ピリジン、塩化メチレン、テトラヒドロフラン、トルエ
ン、ベンゼン等が用いられる。塩基としては、ピリジ
ン、トリエチルアミン、ジイソプロピルアミン等が好ま
しく、その量は基質(上記の得られたジオール)に対し
て2−10当量とする。なお、ピリジンは溶媒と塩基の
両方の役割を果たすので都合がよい。
【0025】また、得られた化合物Aを光学分割する工
程では、まず、得られた化合物Aを1倍容量の溶媒にて
溶解し、ついでアルコールを3−5倍容量加え、特定の
光学活性体を析出させる。この溶媒としては、酢酸メチ
ル、酢酸エチル、酢酸ブチル等が好ましく、また、アル
コールとしてメタノール、エタノール、イソプロパノー
ル等が挙げられる。別な方法として、前記で得られた化
合物Aを1−3倍容量の溶媒にて加熱溶解し、ついで放
冷し、特定の光学活性体を析出させる方法を採用しても
よい。なお、ここでいう1倍容量とは、基質1gに対し
て溶媒を1mlという意味である。
程では、まず、得られた化合物Aを1倍容量の溶媒にて
溶解し、ついでアルコールを3−5倍容量加え、特定の
光学活性体を析出させる。この溶媒としては、酢酸メチ
ル、酢酸エチル、酢酸ブチル等が好ましく、また、アル
コールとしてメタノール、エタノール、イソプロパノー
ル等が挙げられる。別な方法として、前記で得られた化
合物Aを1−3倍容量の溶媒にて加熱溶解し、ついで放
冷し、特定の光学活性体を析出させる方法を採用しても
よい。なお、ここでいう1倍容量とは、基質1gに対し
て溶媒を1mlという意味である。
【0026】
【発明の効果】本発明の新規な光学活性1,1'- ビフェナ
ンスリル-2,2'-ジオールは、光学活性フェニルエチルア
ミンを用い、N((S)-1-フェニルエチル)-1,1'- ビフェナ
ンスリル-2,2'-ジイルチオホスホリルアミドに導き、再
結晶で光学活性体となし、還元剤で還元して得ることが
できる。本発明のこの新規化合物は、光学活性なホスフ
ィンに導いて遷移金属の錯体となし、不斉触媒として有
用である。又、光学活性な本化合物は、例えば1,1'- ビ
ナフチル-2,2'-ジカルボン酸とエステルを形成してジア
ステレオマーとなし、再結晶により光学分割して光学活
性体に導き、それを水素化分解することにより、光学活
性のジオールを得ることができる有用な化合物である。
ンスリル-2,2'-ジオールは、光学活性フェニルエチルア
ミンを用い、N((S)-1-フェニルエチル)-1,1'- ビフェナ
ンスリル-2,2'-ジイルチオホスホリルアミドに導き、再
結晶で光学活性体となし、還元剤で還元して得ることが
できる。本発明のこの新規化合物は、光学活性なホスフ
ィンに導いて遷移金属の錯体となし、不斉触媒として有
用である。又、光学活性な本化合物は、例えば1,1'- ビ
ナフチル-2,2'-ジカルボン酸とエステルを形成してジア
ステレオマーとなし、再結晶により光学分割して光学活
性体に導き、それを水素化分解することにより、光学活
性のジオールを得ることができる有用な化合物である。
【0027】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的
に説明するが、本発明はこれらによって何ら限定される
ものではない。なお、以下の数字は特に説明のない限り
重量基準である。
に説明するが、本発明はこれらによって何ら限定される
ものではない。なお、以下の数字は特に説明のない限り
重量基準である。
【0028】各実施例における物性の測定に用いた装置
は次のとおりである。 1H-NMR JMN-GX400(日本電子(株)製) 31P-NMR WEX-270(日本電子(株)製) GLC (ガスクロマトグラフィー) GC-15A ((株)島津製作所製) HPLC(高速液体クロマトグラフィー) LC-4A((株)島津製作所製)
は次のとおりである。 1H-NMR JMN-GX400(日本電子(株)製) 31P-NMR WEX-270(日本電子(株)製) GLC (ガスクロマトグラフィー) GC-15A ((株)島津製作所製) HPLC(高速液体クロマトグラフィー) LC-4A((株)島津製作所製)
【0029】
【実施例1】 (−)-1,1'-ビフェナンスリル-2,2'-ジオール ((-)-4)
の合成 (−)-1,1'-ビフェナンスリル-2,2'-ジオール ((-)-4)
の合成は、次の化学式で示す反応経路に従って実施し
た。
の合成 (−)-1,1'-ビフェナンスリル-2,2'-ジオール ((-)-4)
の合成は、次の化学式で示す反応経路に従って実施し
た。
【0030】
【化7】
【0031】(1) 2-フェナンスレンスルホン酸バリ
ウム (2)の合成 300ml の三口フラスコに滴下ロート、メカニカルスター
ラ、温度計を取り付ける。これにフェナンスレン (1) 5
0.0g(0.284mol)を入れ、バス温度を110 ℃にして融解さ
せた。攪拌しながら濃硫酸40.0mlを、反応混合物の温度
が120 ℃以上にならないよう約20分かけて滴下し、滴下
終了後、さらに3時間反応した。反応液を熱いうちに40
0ml の水にあけ、直ぐに 10Nカセイソーダ水溶液100ml
を加え、氷冷した( 液性がアルカリ性になっていること
を確認) 。完全に冷却して生じた沈殿物を濾過し、濾塊
を食塩水(90g/l) で洗浄して灰色の粘土状固体を得た。
これを濃塩酸10mlを含む750ml の沸騰水に懸濁させ、20
分間攪拌したのち熱濾過した。濾液に水酸化ナトリウム
( 粒状) を加えて中性にしたのち、加熱沸騰させ、塩化
バリウム10.0g を加えて放冷した。一晩放置して析出し
た沈殿物を濾別、乾燥して、バリウム塩 (2) 210.1g を
灰色固体として得た。
ウム (2)の合成 300ml の三口フラスコに滴下ロート、メカニカルスター
ラ、温度計を取り付ける。これにフェナンスレン (1) 5
0.0g(0.284mol)を入れ、バス温度を110 ℃にして融解さ
せた。攪拌しながら濃硫酸40.0mlを、反応混合物の温度
が120 ℃以上にならないよう約20分かけて滴下し、滴下
終了後、さらに3時間反応した。反応液を熱いうちに40
0ml の水にあけ、直ぐに 10Nカセイソーダ水溶液100ml
を加え、氷冷した( 液性がアルカリ性になっていること
を確認) 。完全に冷却して生じた沈殿物を濾過し、濾塊
を食塩水(90g/l) で洗浄して灰色の粘土状固体を得た。
これを濃塩酸10mlを含む750ml の沸騰水に懸濁させ、20
分間攪拌したのち熱濾過した。濾液に水酸化ナトリウム
( 粒状) を加えて中性にしたのち、加熱沸騰させ、塩化
バリウム10.0g を加えて放冷した。一晩放置して析出し
た沈殿物を濾別、乾燥して、バリウム塩 (2) 210.1g を
灰色固体として得た。
【0032】(2) 2-フェナンスロール (3)の合成 容量50mlのニッケルるつぼに水酸化カリウム50.0g 、カ
セイソーダ 50.0gを混合し、電気炉に入れて300 ℃で融
解した。これに4.92g(7.55mmol) の2-フェナンスレンス
ルホン酸バリウム (2)を加え、水酸化カリウム、カセイ
ソーダをそれぞれ20.0g 追加してさらに300 ℃で6時間
加熱した。冷えないうちに水800ml にあけ、これを濃塩
酸で酸性にして、遊離してきたフェナンスロールを酢酸
エチルで抽出した(500ml×4 回) 。無水硫酸ソーダで乾
燥し、溶媒留去の粗収物をシリカゲルカラムクロマトグ
ラフィー( n-ヘキサン/ 酢酸エチル=3)で精製した。
さらに得られた結晶をベンゼンから再結晶した。
セイソーダ 50.0gを混合し、電気炉に入れて300 ℃で融
解した。これに4.92g(7.55mmol) の2-フェナンスレンス
ルホン酸バリウム (2)を加え、水酸化カリウム、カセイ
ソーダをそれぞれ20.0g 追加してさらに300 ℃で6時間
加熱した。冷えないうちに水800ml にあけ、これを濃塩
酸で酸性にして、遊離してきたフェナンスロールを酢酸
エチルで抽出した(500ml×4 回) 。無水硫酸ソーダで乾
燥し、溶媒留去の粗収物をシリカゲルカラムクロマトグ
ラフィー( n-ヘキサン/ 酢酸エチル=3)で精製した。
さらに得られた結晶をベンゼンから再結晶した。
【0033】収量 1.51g、白色結晶、収率 5.7% mp=165-167 ℃
【0034】(3) (±)-1,1'-ビフェナンスリル-
2,2'-ジオール ((±)4) の合成 300ml 二口フラスコを窒素置換し、硝酸銅2.10g(17.3mm
ol) を入れ、メタノール30.0mlを加えて溶かした。
(±)-1- フェニルエチルアミン3.12g(25.7mmmol)を加
えて錯体調製し、メタノール20.0mlに溶かした2-フェナ
ンスロール (3) 1.50g(7.72mmol)を攪拌しながら滴下し
た。24時間後、硝酸銅2.08g(8.6mmmol) 、(±)-1- フ
ェニルエチルアミン2.71g(22.4mmmol)、メタノール20.0
mlから調製した溶液を追加して、さらに6時間攪拌し
た。2N希塩酸100ml を加えたのちメタノールを留去し、
残渣を酢酸エチル(50ml ×4)で抽出した。得られた有機
層を、2N塩酸水溶液(100ml×2)、水(100ml×3)で洗浄
し、硫酸マグネシウムで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾
燥、溶媒留去後、粗収量2.30g で褐色固体を得た。これ
をシリガゲルゲルカラムクロマトグラフィー(n-ヘキサ
ン/ 酢酸エチル=4) で精製した。
2,2'-ジオール ((±)4) の合成 300ml 二口フラスコを窒素置換し、硝酸銅2.10g(17.3mm
ol) を入れ、メタノール30.0mlを加えて溶かした。
(±)-1- フェニルエチルアミン3.12g(25.7mmmol)を加
えて錯体調製し、メタノール20.0mlに溶かした2-フェナ
ンスロール (3) 1.50g(7.72mmol)を攪拌しながら滴下し
た。24時間後、硝酸銅2.08g(8.6mmmol) 、(±)-1- フ
ェニルエチルアミン2.71g(22.4mmmol)、メタノール20.0
mlから調製した溶液を追加して、さらに6時間攪拌し
た。2N希塩酸100ml を加えたのちメタノールを留去し、
残渣を酢酸エチル(50ml ×4)で抽出した。得られた有機
層を、2N塩酸水溶液(100ml×2)、水(100ml×3)で洗浄
し、硫酸マグネシウムで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾
燥、溶媒留去後、粗収量2.30g で褐色固体を得た。これ
をシリガゲルゲルカラムクロマトグラフィー(n-ヘキサ
ン/ 酢酸エチル=4) で精製した。
【0035】収量 1.08g 、白色結晶、収率 72% mp=297.3-298.6 ℃ IR(KBr): cm -1 3456,1593,1459,1352,1234,1168,1145,815,749(1H NM
R、13C NMR 図1及び図2に示す。 元素分析 C28H18O2 計算値 C:87.42 H: 4.70 実測値 C:87.14 H: 4.66
R、13C NMR 図1及び図2に示す。 元素分析 C28H18O2 計算値 C:87.42 H: 4.70 実測値 C:87.14 H: 4.66
【0036】(4) (±)-N-((S)-1-フェニルエチ
ル)-1,1'- ビフェナンスリル-2,2'-ジイルチオホスホル
アミド ((±)5) の合成 窒素置換したフラスコに、(3)で合成した(±)-1,
1'-ビフェナンスリル-2,2'-ジオール ((±)4) (400mg,
1.04mmol)と、ピリジン(8.0ml) 、塩化チオホスホリル
(0.115ml, 1.13mmol) を入れて氷冷し、(S)-(-)-1-フェ
ニルエチルアミン(0.145ml,1.12mmmol) を加えた。4時
間加熱還流させ、放冷後、10% 硫酸(15ml)で反応を停止
した。これをジクロロメタン(15.0ml ×4)で抽出し、得
られた有機層を10% 硫酸(15ml ×2)で洗浄、硫酸ソーダ
で乾燥したのち、溶媒を留去した。得られた粗収物604
mgをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n-ヘキサン
/ 酢酸エチル=5) で精製した。
ル)-1,1'- ビフェナンスリル-2,2'-ジイルチオホスホル
アミド ((±)5) の合成 窒素置換したフラスコに、(3)で合成した(±)-1,
1'-ビフェナンスリル-2,2'-ジオール ((±)4) (400mg,
1.04mmol)と、ピリジン(8.0ml) 、塩化チオホスホリル
(0.115ml, 1.13mmol) を入れて氷冷し、(S)-(-)-1-フェ
ニルエチルアミン(0.145ml,1.12mmmol) を加えた。4時
間加熱還流させ、放冷後、10% 硫酸(15ml)で反応を停止
した。これをジクロロメタン(15.0ml ×4)で抽出し、得
られた有機層を10% 硫酸(15ml ×2)で洗浄、硫酸ソーダ
で乾燥したのち、溶媒を留去した。得られた粗収物604
mgをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n-ヘキサン
/ 酢酸エチル=5) で精製した。
【0037】収量 410mg、白色結晶、収率 70%1 H NMR(CDCl3) δ 1.54(d,J=6.75),1.61(d,J=6.77),3.48-3.75(m,1H),4.61
-4.94(m,1H),7.10-7.92(m,18H),8.59-9.02(m,3H)
-4.94(m,1H),7.10-7.92(m,18H),8.59-9.02(m,3H)
【0038】(5) 光学分割 (+)-N-((S)-1-フェニルエチル)-1,1'- ビフェナンス
リル-2,2'-ジイルチオホスホルアミド ((+)5) の調製 (±)-N-((S)-1-フェニルエチル)-1,1'- ビフェナンス
リル-2,2'-ジイルチオホスホルアミド ((±)5)(400m
g) を、熱時、酢酸エチル1容に溶解し、エタノール4
容をゆっくり滴下して結晶を析出させた。放冷後、結晶
を濾別し、母液を濃縮して得られる残渣をアセトニトリ
ルから再結晶した。得られた結晶を合わせ、アセトニト
リルに懸濁させて加熱還流させ、放冷後、結晶を濾取し
た。
リル-2,2'-ジイルチオホスホルアミド ((+)5) の調製 (±)-N-((S)-1-フェニルエチル)-1,1'- ビフェナンス
リル-2,2'-ジイルチオホスホルアミド ((±)5)(400m
g) を、熱時、酢酸エチル1容に溶解し、エタノール4
容をゆっくり滴下して結晶を析出させた。放冷後、結晶
を濾別し、母液を濃縮して得られる残渣をアセトニトリ
ルから再結晶した。得られた結晶を合わせ、アセトニト
リルに懸濁させて加熱還流させ、放冷後、結晶を濾取し
た。
【0039】収量 154mg 、白色結晶、収率 77% mp=170-171 ℃ 〔α〕D 25= + 443.8 °(C=0.64, CHCl3) IR(KBr): cm -1 3385,1455,1233,984,876,844,814,7471 H NMR(CDCl3) δ 1.59(d,J=6.76,3H),3.66(t,J=9.44,1H),4.61-4.74(m,1
H)
H)
【0040】(6) (−)-1,1'-ビフェナンスリル-
2,2'-ジオール ((-)4) の調製 窒素置換したフラスコに、 (+)-N-((S)-1-フェニルエチ
ル)-1,1'- ビフェナンスリル-2,2'-ジイルチオホスホル
アミド ((+)5) (30.1mg 、0.053mmol)を入れ、THF(4.0m
l)に溶かした。氷冷下でLiAlH4(10.2mg,0.266mmol)を加
え、室温で3時間反応させた。酢酸エチル(0.5ml) を加
えて反応を停止し、反応液を0.5N希塩酸(15ml)にあけ
た。酢酸エチル(10ml ×4)で抽出し、得られた有機層を
0.5N希塩酸(15ml ×2)、水(15ml ×2)で洗浄した。硫酸
ナトリウムで乾燥したのち、溶媒を留去し、得られた粗
収物39.5mgを薄層クロマトグラフィー(n-ヘキサン/ 酢
酸エチル=1)で精製した。
2,2'-ジオール ((-)4) の調製 窒素置換したフラスコに、 (+)-N-((S)-1-フェニルエチ
ル)-1,1'- ビフェナンスリル-2,2'-ジイルチオホスホル
アミド ((+)5) (30.1mg 、0.053mmol)を入れ、THF(4.0m
l)に溶かした。氷冷下でLiAlH4(10.2mg,0.266mmol)を加
え、室温で3時間反応させた。酢酸エチル(0.5ml) を加
えて反応を停止し、反応液を0.5N希塩酸(15ml)にあけ
た。酢酸エチル(10ml ×4)で抽出し、得られた有機層を
0.5N希塩酸(15ml ×2)、水(15ml ×2)で洗浄した。硫酸
ナトリウムで乾燥したのち、溶媒を留去し、得られた粗
収物39.5mgを薄層クロマトグラフィー(n-ヘキサン/ 酢
酸エチル=1)で精製した。
【0041】収量 19.2mg、白色結晶、収率 94% mp=244-245℃ [α]D25=-34.0° (c=0.95, CHCl3) Pirkle カラム( n-ヘキサン中イソプロパノール 30%)
により100%e.e.
により100%e.e.
【0042】
【使用例1】 光学分割による(−)-1,1'-ビナフチル-2,2'-ジメタノ
ール ((-)8) の生成 光学分割による(−)-1,1'-ビナフチル-2,2'-ジメタノ
ール ((-)8) の生成は、次の化学式で示す反応経路に従
って実施した。
ール ((-)8) の生成 光学分割による(−)-1,1'-ビナフチル-2,2'-ジメタノ
ール ((-)8) の生成は、次の化学式で示す反応経路に従
って実施した。
【0043】
【化8】
【0044】(1) 環状ジエステル( (-)-1,1'- ビフ
ェナンスリル-2,2'-イル 1,1'-ビナフチル-2,2'-ジカル
ボキシレート ((-)7) )の調製 (酸塩化物の調製)冷却器をつけたフラスコに、(±)
-1,1'-ビナフチル-2,2'-ジカルボン酸 ((±)6)(755m
g,2.20mmol)、塩化チオニル(10.0ml)を入れ、3 時間加
熱還流させた。塩化チオニルを留去した後、減圧下で2
時間乾燥した。 (エステル化反応)滴下ロート2個、還流冷却器を付け
た500ml 三口フラスコに、4-ジメチルアミノピリジン(D
MAP,538mg,4.40mmol) を入れ、窒素置換した。乾燥した
ベンゼン160ml 、乾燥ピリジン5.0ml に4-ジメチルアミ
ノピリジンを溶かした。乾燥ベンゼン70mlに溶かした
(-)-1,1'- ビフェナンスリル-2,2'-ジオール ((-)4) (8
51mg,2.20mmol)と、同じくベンゼン70mlに溶かした上記
で調製した酸塩化物を、加熱還流下、同じ滴下速度で1
時間かけて加えた。滴下終了後、さらに2時間反応させ
た。2N希塩酸(150ml) で反応を停止し、エーテル(100ml
×3)で抽出した。得られた有機層を2N希塩酸(200ml×
1)、水(200ml×3)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し
た。溶媒留去後、得られた淡黄色固体をシリカゲルカラ
ムクロマトグラフィー(n- ヘキサン/ 塩化メチレン=1)
で精製した。
ェナンスリル-2,2'-イル 1,1'-ビナフチル-2,2'-ジカル
ボキシレート ((-)7) )の調製 (酸塩化物の調製)冷却器をつけたフラスコに、(±)
-1,1'-ビナフチル-2,2'-ジカルボン酸 ((±)6)(755m
g,2.20mmol)、塩化チオニル(10.0ml)を入れ、3 時間加
熱還流させた。塩化チオニルを留去した後、減圧下で2
時間乾燥した。 (エステル化反応)滴下ロート2個、還流冷却器を付け
た500ml 三口フラスコに、4-ジメチルアミノピリジン(D
MAP,538mg,4.40mmol) を入れ、窒素置換した。乾燥した
ベンゼン160ml 、乾燥ピリジン5.0ml に4-ジメチルアミ
ノピリジンを溶かした。乾燥ベンゼン70mlに溶かした
(-)-1,1'- ビフェナンスリル-2,2'-ジオール ((-)4) (8
51mg,2.20mmol)と、同じくベンゼン70mlに溶かした上記
で調製した酸塩化物を、加熱還流下、同じ滴下速度で1
時間かけて加えた。滴下終了後、さらに2時間反応させ
た。2N希塩酸(150ml) で反応を停止し、エーテル(100ml
×3)で抽出した。得られた有機層を2N希塩酸(200ml×
1)、水(200ml×3)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し
た。溶媒留去後、得られた淡黄色固体をシリカゲルカラ
ムクロマトグラフィー(n- ヘキサン/ 塩化メチレン=1)
で精製した。
【0045】収量 170mg、白色結晶、収率 11% [α]D25=-397 °(c=0.51, CHCl3) IR(KBr): cm -1 1750,1461,1324,1271,1228,1202,1107,1050,820,7471H
NMR(CDCl3) δ 6.93-7.95(m,24H),8.62-8.75(m,4H) 元素分析 C50H28O4 計算値 C: 86.69 H: 4.07 実測値 C: 86.79 H: 4.32 FD-MS m/z 694(8),693(36),693(M+ ;100),346(M2+ :
2)
NMR(CDCl3) δ 6.93-7.95(m,24H),8.62-8.75(m,4H) 元素分析 C50H28O4 計算値 C: 86.69 H: 4.07 実測値 C: 86.79 H: 4.32 FD-MS m/z 694(8),693(36),693(M+ ;100),346(M2+ :
2)
【0046】(2) (−)-1,1'-ビナフチル-2,2'-ジ
メタノール ((-)8) の生成 窒素置換したフラスコに、(-)-1,1'- ビフェナンスリル
-2,2'-イル 1,1'-ビナフチル-2,2'-ジカルボキシレート
((-)7) (62.4mg,0.09mmol) を入れ、THF(10.0ml) に溶
かした。氷冷下で水素化リチウムアルミニウム(LiAlH4,
82.6mg,2.18mmol)を加え、室温で6時間反応させた。再
び氷冷し、酢酸エチル(2.0ml) を加えて反応を停止し、
水を数滴加えた後、反応液を0.5N希塩酸(15ml)にあけ
た。酢酸エチル(15 ml×4)で抽出し、得られた有機層を
水(15ml ×2)で洗浄した。硫酸ソーダで乾燥したのち、
溶媒を留去し、得られた粗収物 81.9mg を薄層クロマト
グラフィー( n-ヘキサン/ 酢酸エチル=2)で精製し
た。
メタノール ((-)8) の生成 窒素置換したフラスコに、(-)-1,1'- ビフェナンスリル
-2,2'-イル 1,1'-ビナフチル-2,2'-ジカルボキシレート
((-)7) (62.4mg,0.09mmol) を入れ、THF(10.0ml) に溶
かした。氷冷下で水素化リチウムアルミニウム(LiAlH4,
82.6mg,2.18mmol)を加え、室温で6時間反応させた。再
び氷冷し、酢酸エチル(2.0ml) を加えて反応を停止し、
水を数滴加えた後、反応液を0.5N希塩酸(15ml)にあけ
た。酢酸エチル(15 ml×4)で抽出し、得られた有機層を
水(15ml ×2)で洗浄した。硫酸ソーダで乾燥したのち、
溶媒を留去し、得られた粗収物 81.9mg を薄層クロマト
グラフィー( n-ヘキサン/ 酢酸エチル=2)で精製し
た。
【0047】(-)- 1,1'- ビナフチル-2,2'-ジメタノー
ル 収量 25.6mg 、白色結晶、収率 92% 光学純度 98% e.e. (+)-R-1,1'-ビナフチル-2,2'-ジメタノール(100% e.e.)1 H NMR(CDCl3) δ 3.47(br,2H),4.07(d,J=11.5Hz,2H),4.35(d,J=11.5Hz,2
H),7.00(d,J=8.44Hz,2H),7.21(t,J=7.55Hz,2H),7.44(t,
J=7.49Hz,2H),7.66(d,J=8.45Hz,2H),7.90(d,J=8.22Hz,2
H),7.93(d,J=8.46Hz,2H) 回収(-)-1,1'- ビフェナンスリル-2,2'-ジオール 収量 31.1mg 、白色結晶、収率 89% [α]D24=-32.0° (c=1.60, CHCl3)
ル 収量 25.6mg 、白色結晶、収率 92% 光学純度 98% e.e. (+)-R-1,1'-ビナフチル-2,2'-ジメタノール(100% e.e.)1 H NMR(CDCl3) δ 3.47(br,2H),4.07(d,J=11.5Hz,2H),4.35(d,J=11.5Hz,2
H),7.00(d,J=8.44Hz,2H),7.21(t,J=7.55Hz,2H),7.44(t,
J=7.49Hz,2H),7.66(d,J=8.45Hz,2H),7.90(d,J=8.22Hz,2
H),7.93(d,J=8.46Hz,2H) 回収(-)-1,1'- ビフェナンスリル-2,2'-ジオール 収量 31.1mg 、白色結晶、収率 89% [α]D24=-32.0° (c=1.60, CHCl3)
【図1】(±)-1,1'-ビフェナンスリル-2,2'-ジオール
の1H NMRスペクトルデータの説明図である。
の1H NMRスペクトルデータの説明図である。
【図2】(±)-1,1'-ビフェナンスリル-2,2'-ジオール
の13C NMR スペクトルデータの説明図である。
の13C NMR スペクトルデータの説明図である。
Claims (4)
- 【請求項1】 次式(I) 、 【化1】 で表される1,1'- ビフェナンスリル-2,2'-ジオール。
- 【請求項2】 次式(II)、 【化2】 で表される光学活性1,1'- ビフェナンスリル-2,2'-ジオ
ール。 - 【請求項3】 硝酸銅とフェニルエチルアミンで錯体を
調製し、それに2-フェナンスロールを反応させて(±)
-1,1'-ビフェナンスリル-2,2'-ジオールを生成し、ピリ
ジンの存在下、塩化チオホスホリルと光学活性なフェニ
ルエチルアミンを反応させてN-(1- フェニルエチル)-
1,1'-ビフェナンスリル-2,2'-ジイルチオホスホルアミ
ドを作り、再結晶により、光学分割して光学活性体を調
製し、それを水素化分解することを特徴とする光学活性
1,1'- ビフェナンスリル-2,2'-ジオールの製造法。 - 【請求項4】 次式(II) 、 【化3】 で表される光学活性1,1’−ビフェナンスリル−2,
2’−ジオールからなる光学分割剤。
Priority Applications (4)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP8081017A JPH09249607A (ja) | 1996-03-09 | 1996-03-09 | 光学活性1,1’−ビフェナンスリル−2,2’−ジオール、当該化合物の製造法及び当該化合物からなる光学分割剤 |
| DE69702276T DE69702276T2 (de) | 1996-03-09 | 1997-03-07 | Optisch aktive 1,1'-Biphenanthryl-2,2'-diol, Verfahren zu ihrer Herstellung, und diese enthaltendes Mittel zur optischen Spaltung |
| US08/812,543 US5849961A (en) | 1996-03-09 | 1997-03-07 | Optically active 1,1'-biphenanthryl-2,2'-diol, process for preparing the same, and resolving reagent comprising the same |
| EP97301547A EP0794167B1 (en) | 1996-03-09 | 1997-03-07 | Optically active 1,1'-biphenanthryl-2,2'-diol, process for preparing the same, and resolving reagent comprising the same |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP8081017A JPH09249607A (ja) | 1996-03-09 | 1996-03-09 | 光学活性1,1’−ビフェナンスリル−2,2’−ジオール、当該化合物の製造法及び当該化合物からなる光学分割剤 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH09249607A true JPH09249607A (ja) | 1997-09-22 |
Family
ID=13734735
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP8081017A Pending JPH09249607A (ja) | 1996-03-09 | 1996-03-09 | 光学活性1,1’−ビフェナンスリル−2,2’−ジオール、当該化合物の製造法及び当該化合物からなる光学分割剤 |
Country Status (4)
| Country | Link |
|---|---|
| US (1) | US5849961A (ja) |
| EP (1) | EP0794167B1 (ja) |
| JP (1) | JPH09249607A (ja) |
| DE (1) | DE69702276T2 (ja) |
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