JPH0925286A - 抗生物質tkr2554及びその製造方法 - Google Patents

抗生物質tkr2554及びその製造方法

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JPH0925286A
JPH0925286A JP7199168A JP19916895A JPH0925286A JP H0925286 A JPH0925286 A JP H0925286A JP 7199168 A JP7199168 A JP 7199168A JP 19916895 A JP19916895 A JP 19916895A JP H0925286 A JPH0925286 A JP H0925286A
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JP
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tkr2554
antibiotic
methanol
strain
culture
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Application number
JP7199168A
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English (en)
Inventor
Kazutada Takesako
一任 竹迫
Junko Yamamoto
純子 山本
Naoyuki Awazu
尚之 粟津
Hideharu Saito
英晴 斉藤
Ikunoshin Katou
郁之進 加藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Takara Shuzo Co Ltd
Original Assignee
Takara Shuzo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 真菌感染症の治療剤として有用な新規抗生物
質を提供する。 【解決手段】 (1)FAB−MS法による質量スペク
トルが、m/z436[M+H]+ のピークを有する、
(2)炭素数が、22であり、窒素数が、1である、
(3)メタノール中における紫外線吸収スペクトルの主
要な吸収波長(nm)が231、271shであり、そ
れらのE1% 1cm は、413、297である、(4)KB
r法による赤外線吸収スペクトルの主要な吸収波数が、
2920cm-1、2840cm-1、1750cm-1、1
700cm-1、1630cm-1、1510cm-1、14
10cm-1、1080cm-1である、(5)メタノール
に可溶であり、クロロホルム、水及びヘキサンに難溶で
ある、の理化学的性質を有する抗生物質TKR2554
又はその薬理学的に許容される塩。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、真菌感染症の治療
剤として有用な抗生物質TKR2554及びその製造方
法並びにこれを産生する微生物に関する。
【0002】
【従来の技術】真菌は、ヒト、動物、植物等に感染して
種々の疾病を引き起こすことが知られている。例えば、
ヒトの皮膚、口腔等に表在性真菌症を起こし、内臓、脳
等に全身性真菌症を起こし、ペット、家畜等の動物に対
しても同様の感染症を起こす。更に、果樹、野菜等の植
物に対しても、種々の病害を起こす。このうち、ヒトに
感染して、全身性真菌症を起こす原因真菌の主なものと
しては、カンジダ(Candida)、クリプトコッカ
ス(Cryptococcus)、アスペルギルス(
spergillus)等が知られ、表在性真菌症で
は、皮膚、口腔、膣等に感染するカンジダ、手足の皮膚
等に感染する白癬菌等が主なものと考えられている。生
活環境中にはこれら以外にも多様な真菌が存在し、動植
物の汚染を引き起こす原因と考えられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような真菌による
感染症、汚染に対する治療、防御の目的に使用可能であ
る抗真菌剤は、現在のところ、非常に少数のものが知ら
れているに過ぎない。このうち、特にヒトを始めとする
動物の全身性感染症に対する治療剤としては、アンホテ
リシンB、フルシトシン、ミコナゾール、フルコナゾー
ル等を挙げることができる。しかし、これらのものは、
効力、毒性、抗菌スペクトル等の点で問題があり、治療
剤としては充分なものではなかった。
【0004】本発明の目的は、上述の現状に鑑み、真菌
感染症の治療剤として有用な新規抗生物質を提供すると
ころにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、新規な抗
生物質の探索を目的として、多数の微生物を自然界より
分離し、その産生する抗生物質を単離し、生物学的性質
を調べたところ、アスペルギルス(Aspergill
us)属に属する微生物の培養物中に、カンジダ・アル
ビカンス、クリプトコッカス・ネオホルマンス等の病原
性真菌に対して抗菌活性を示す抗生物質が存在している
ことを見いだした。その後、本発明者らは、この抗生物
質を単離し、その理化学的性質を調べた結果、特有の理
化学的性質を有する文献未記載の新規物質であることを
確認し、この抗生物質を、TKR2554と命名した。
本発明は、上記抗生物質TKR2554及びその製造方
法を提供するものである。
【0006】上記抗生物質TKR2554は、下記
(1)、(2)、(3)、(4)及び(5)の理化学的
性質を有する。 (1)FAB−MS法による質量スペクトルが、m/z
436[M+H]+ のピークを有する (2)炭素数が、22であり、窒素数が、1である (3)メタノール中における紫外線吸収スペクトルの主
要な吸収波長(nm)が、231、271shであり、
それらのE1% 1cm は、413、297である (4)KBr法による赤外線吸収スペクトルの主要な吸
収波数が、2920cm-1、2840cm-1、1750
cm-1、1700cm-1、1630cm-1、1510c
-1、1410cm-1、1080cm-1である (5)メタノールに可溶であり、クロロホルム、水及び
ヘキサンに難溶である
【0007】上記抗生物質TKR2554は、また、図
3に示す 1H−NMRスペクトル、図4に示す13C−N
MRスペクトルを有し、逆相分配高速液体クロマトグラ
フィーにおいて、図5示す位置に溶出される特性を有す
る。
【0008】上記TKR2554は、アスペルギルス
Aspergillus)属に属し、上記TKR25
54を産生する菌株を培養し、その後、上記菌株の培養
物から単離することにより製造することができる。本発
明で使用される上記菌株としては、アスペルギルス(A
spergillus)属に属し、上記TKR2554
を産生するものであれば特に限定されず、例えば、アス
ペルギルス・エスピー(Aspergillus
p.)TKR2554株(以下「TKR2554株」と
いう)等を挙げることができる。
【0009】上記TKR2554株は、文献未記載の新
菌株であって、本発明者らによって初めて分離同定され
たものであり、TKR2554を有利に産生する特性を
有するものである。以下、上記TKR2554株の菌学
的性質を詳細に説明する。
【0010】上記TKR2554株は、各種培地におけ
るコロニー(以下「集落」ともいう)の色調が、表1に
示す通りである。なお、表中の色調は、日本工業規格J
ISZ 8102(1985年)による色名を基準と
し、培地に接種後、25℃で培養し、7日後に観察した
結果によって示したものである。
【0011】
【表1】
【0012】上記TKR2554株は、麦芽エキス寒天
培地、ツァペック寒天培地、サブロー寒天培地等で速や
かに生育し、そのコロニーの表面は粉状からビロード状
で、分生子頭の形成は非常に良好である。TKR255
4株の分生子柄は60〜220×4.0〜7.0μmの
滑面で、基底菌糸層より立ち上がる。頂のうは、直径2
2〜32μmの球形から亜球形で、頂のう表面全体から
6.0〜8.0×3.0〜3.2μmのフィアライドが
生じている。メトレは形成されない。分生子は表面が刺
状の球形から亜球形で、そのサイズは3.0〜4.2μ
mである。
【0013】上記TKR2554株の菌学的性質のう
ち、生理学的性質は、下記に示す通りである。 生育温度範囲:生育可能温度範囲が、15〜37℃であ
り、生育最適温度が、30℃付近である。 生育pH範囲:生育可能pH範囲が、pH3〜pH9で
あり、生育最適pHが、pH5〜pH6である。
【0014】上述の菌学的性質を有する菌種を、ケネス
・ビー・レーパー(KennethB.Raper)、
ドロシー・アイ・フェンネル(Dorothy I.F
ennell)著、ザ・ジーナス・アスペルギルス(T
he genus Aspergillus)、ザ・ウ
ィリアムズ・アンド・ウィルキンスカンパニー(The
Williams & Wilkins compa
ny)(1965年)等の文献に記載されたアスペルギ
ルス属の菌種について検索することにより、上記TKR
2554株は、アスペルギルス属に属する菌株であると
同定することができる。
【0015】しかしながら、アスペルギルス属に属する
菌株であって、TKR2554の産生能を有するものに
ついては、これまで報告がなされたことはない。そこで
本発明者らはこれを新菌株とし、アスペルギルス・エス
ピー TKR2554株(Aspergillus
p. TKR2554)と命名し、Aspergill
us sp. TKR2554と表示し、工業技術院生
命工学工業技術研究所に、寄託番号FERM P−14
831として寄託した。
【0016】本発明においては、上記TKR2554株
の他に、TKR2554株の自然的又は人工的変異株、
その他のアスペルギルス属に属する菌種等であって、T
KR2554の産生能を有する微生物を使用することが
できる。
【0017】本発明においては、TKR2554は、上
記TKR2554を産生する菌株を、栄養源含有培地に
接種し、培養することによって製造することができる。
上記栄養源のうち、炭素源としては、例えば、グルコー
ス、フルクトース、サッカロース、澱粉、デキストリ
ン、グリセリン、糖蜜、水飴、油脂類、有機酸等を挙げ
ることができる。
【0018】上記栄養源のうち、窒素源としては、例え
ば、大豆粉、綿実粉、コーンスチープリカー、カゼイ
ン、ペプトン、酵母エキス、肉エキス、胚芽、尿素、ア
ミノ酸、アンモニウム塩等の有機窒素化合物、無機窒素
化合物等を挙げることができる。上記栄養源のうち、塩
類としては、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、カル
シウム塩、マグネシウム塩、りん酸塩等の無機塩類を挙
げることができる。これらはそれぞれ単独で使用されて
もよく、適宜組み合わせて使用されてもよい。
【0019】上記栄養源含有培地には、更に必要に応じ
て、鉄塩、銅塩、亜鉛塩、コバルト塩等の重金属;ビオ
チン、ビタミンB1 等のビタミン類;その他、菌の生育
を助け、TKR2554の産生を促進する有機物、無機
物等を適宜添加することができる。上記栄養源含有培地
には、上記栄養源の他に、更に必要に応じて、シリコー
ンオイル、ポリアルキレングリコールエーテル等の消泡
剤、界面活性剤等を添加することができる。
【0020】上記TKR2554を産生する菌株を、上
記栄養源含有培地で培養するに際しては、抗生物質の産
生を微生物の培養によって行う際に一般的に使用される
方法を採用することができるが、液体培養法、中でも振
とう又は深部通気攪拌培養法を好適に使用することがで
きる。上記培養は、15〜30℃で行うことが好まし
く、培地のpHは、通常pH3〜8であるが、pH5付
近であることが好ましい。培養期間は、通常3〜15日
で充分な産生量を得ることができる。
【0021】上述の培養方法によって、TKR2554
は、培養液及び菌体に含有されて培養物中に蓄積され
る。本発明においては、培養物中に蓄積されたTKR2
554は、これら抗真菌性物質の理化学的性質を利用し
て培養物中から分離した後、必要に応じて更に精製し、
取得することができる。上記分離は、培養物全体を、酢
酸エチル、酢酸ブチル、クロロホルム、ブタノール、メ
チルイソブチルケトン等の非親水性有機溶媒で抽出する
ことにより行うことができる。また、培養物を濾過又は
遠心分離によって培養液と菌体とに分離した後、培養
液、菌体のそれぞれから分離することもできる。
【0022】上記培養液からTKR2554を分離する
には、上記非親水性有機溶媒で抽出する方法を採用する
こともでき、また、培養液を吸着性の担体に接触させ、
培養液中のTKR2554を担体に吸着させた後、溶媒
で溶出する方法を採用することもできる。上記担体とし
ては、例えば、活性炭、粉末セルロース、吸着性樹脂等
を挙げることができる。上記溶媒としては、担体の種
類、性質等によって適宜1種又は2種以上を組み合わせ
て使用することができ、例えば、含水アセトン、含水ア
ルコール類等の水溶性有機溶媒の含水溶液等を適宜組み
合わせたもの等を挙げることができる。上記菌体からT
KR2554を分離するには、アセトン等の親水性有機
溶媒で抽出する方法を採用することができる。
【0023】本発明においては、このようにして培養物
中から分離されたTKR2554の粗抽出物を、必要に
応じて、更に精製する工程に付することができる。上記
精製は、脂溶性抗生物質の分離、精製に通常使用される
方法によって行うことができ、このような方法として
は、例えば、シリカゲル、活性アルミナ、活性炭、吸着
性樹脂等の担体を用いるカラムクロマトグラフィー法、
高速液体クロマトグラフィー法等を挙げることができ
る。シリカゲルを担体として用いるカラムクロマトグラ
フィー法を採用する場合は、溶出溶媒としては、例え
ば、クロロホルム、酢酸エチル、メタノール、アセト
ン、水等を挙げることができ、これらは2種以上を併用
することができる。
【0024】上記高速液体クロマトグラフィー法を採用
する場合は、担体としては、例えば、オクタデシル基、
オクチル基、フェニル基等が結合した化学結合型シリカ
ゲル;ポリスチレン系ポーラスポリマーゲル等を挙げる
ことができ、移動相としては、例えば、含水メタノー
ル、含水アセトニトリル等の水溶性有機溶媒の含水溶液
等を使用することができる。
【0025】本発明のTKR2554は、そのまま、又
は、その薬理学的に許容される塩として医薬に使用する
ことができる。上記塩としては薬理学的に許容されるも
のであれば特に限定されず、例えば、塩酸、硫酸、硝
酸、りん酸、ふっ化水素酸、臭化水素酸等の鉱酸の塩;
ぎ酸、酢酸、酒石酸、乳酸、クエン酸、フマール酸、マ
レイン酸、こはく酸、メタンスルホン酸、エタンスルホ
ン酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、ナフ
タレンスルホン酸、カンファースルホン酸等の有機酸の
塩;ナトリウム、カリウム、カルシウム等のアルカリ金
属又はアルカリ土類金属等の塩等を挙げることができ
る。
【0026】本発明のTKR2554又は、その薬理学
的に許容される塩を医薬として投与する場合、本発明の
TKR2554、又は、その薬理学的に許容される塩
は、そのまま、又は、医薬的に許容される無毒かつ不活
性の担体中に、例えば、0.1〜99.5%、好ましく
は0.5〜90%含有する医薬組成物として、ヒトを含
む動物に投与される。上記担体としては、例えば、固
形、半固形若しくは液状の希釈剤、充填剤又はその他の
処方用の助剤等を挙げることができ、これらは、1種以
上を用いることができる。
【0027】上記医薬組成物は、投与単位形態で投与す
ることが好ましく、経口投与、組織内投与、局所投与
(経皮投与等)又は経直腸的に投与することができる。
上記医薬組成物は、これらの投与方法に適した剤型で投
与されることは当然である。本発明のTKR2554、
又は、その薬理学的に許容される塩を医薬として投与す
る場合、抗真菌剤としての用量は、年齢、体重等の患者
の状態、投与経路、病気の性質と程度等を考慮した上で
調整することが望ましいが、通常は、ヒトについては、
成人に対して本発明の有効成分量として、一日当たり、
10〜2000mgの範囲である。上記範囲未満の用量
で足りる場合もあるが、逆に上記範囲を超える用量を必
要とする場合もある。多量に投与するときは、一日数回
に分割して投与することが望ましい。
【0028】上記経口投与は、固形、粉末又は液状の用
量単位で行うことができ、例えば、末剤、散剤、錠剤、
糖衣剤、カプセル剤、ドロップ剤、舌下剤、その他の剤
型等により行うことができる。上記非経口投与は、例え
ば、溶液や懸濁剤等の皮下、筋肉内又は静脈内注射用の
液状用量単位形態を用いることによって行うことができ
る。これらのものは、本発明のTKR2554、又は、
その薬理学的に許容される塩の一定量を、例えば、水性
や油性の媒体等の注射の目的に適合する非毒性の液状担
体に懸濁又は溶解し、次いで該懸濁液又は溶液を滅菌す
ることにより製造される。
【0029】上記局所投与(経皮投与等)は、例えば、
液、クリーム、粉末、ペースト、ゲル、軟膏剤等の外用
製剤の形態を用いることによって行うことができる。こ
れらのものは、本発明のTKR2554、又は、その薬
理学的に許容される塩の一定量を、外用製剤の目的に適
合する香料、着色料、充填剤、界面活性剤、保湿剤、皮
膚軟化剤、ゲル化剤、担体、保存剤、安定剤等のうちの
一種以上と組み合わせることにより製造される。直腸投
与は、本発明のTKR2554、又は、その薬理学的に
許容される塩の一定量を、例えば、パルミチン酸ミリス
チルエステル等の高級エステル類、ポリエチレングリコ
ール、カカオ脂、これらの混合物等の低融点の固体に混
入した座剤等を用いて行うことができる。
【0030】
【実施例】以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説
明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではな
い。 実施例1 TKR2554株(FERM P−14831)の斜面
培養から一白金耳を、100mlの液体培地(ディフコ
ポテトデキストロースブロス 2.4%(W/V))を
入れた500ml容の三角フラスコに接種し、25℃で
2日間振とうし、種培養液を得た。この種培養液1.0
mlを、上記液体培地140mlを入れた500ml容
の三角フラスコ13本に接種し、25℃、11日間振と
う培養(振とう220rpm)を行った。このようにし
て得た培養液を遠心分離し、上澄み液と菌体とに分離し
た。得られた上澄み液を、水で平衡化したダイヤイオン
HP20(三菱化学社製)カラム(1L)に吸着させ、
50%メタノールで洗浄した。これを3Lのメタノール
で溶出し、活性画分を得た。
【0031】また、菌体にメタノール1Lを加えて充分
混合して抽出操作をした後、減圧濃縮を行った。得られ
た残渣に水1Lを加え、充分混合した。これを50%メ
タノールで洗浄しておいたHP20カラムに吸着させ
た。このカラムを50%メタノールで洗浄した後、3L
のメタノールで溶出し、活性画分を得た。培養上澄及び
菌体由来の活性画分を集め、減圧濃縮することにより、
残渣537mgを得た。
【0032】これを50%(V/V)アセトニトリル/
メタノール75mlに溶解し、分取用高速液体クロマト
グラフィーに付し、活性画分を得た。なお、高速液体ク
ロマトグラフィーの条件は下記によった。 装置:デルタプレップ4000システム(ウォーターズ
社製) カラム:ソーケンパック(8.0cm×50cm)(綜
研化学社製) 移動相:70%(V/V)アセトニトリル/水
【0033】この活性画分を減圧濃縮することにより、
TKR2554の粗精製物229mgを得た。これをメ
タノール1.6mlに溶解し、高速液体クロマトグラフ
ィーに付し、活性画分を得た。この画分を減圧濃縮する
ことにより、TKR2554の精製物108mgを白色
粉末として得た。なお、高速液体クロマトグラフィーの
条件は下記によった。 装置:LC−8A(島津製作所社製) カラム:YMCpack(2.0cm×25cm)(ワ
イエムシー社製) 移動相:0.05%トリフルオロ酢酸を含む50%(V
/V)アセトニトリル/水
【0034】理化学的性質 次に、得られた白色粉末がTKR2554であることを
確認するため、JMS−DX302型質量分析装置(日
本電子社製)を用いた質量分析、JNM−A500核磁
気共鳴装置(日本電子社製)を用いた重メタノール中で
1H−NMR(標準物質:テトラメチルシラン)、及
13C−NMR(標準物質:重メタノール)、UV−2
50型自記分光光度計(島津製作所社製)を用いた紫外
線吸収スペクトル分析(メタノール溶液約30μg/m
l中)、270−30型赤外分光光度計(日立製作所社
製)を用いた赤外線吸収スペクトル分析(KBr法)に
供し、それぞれの理化学的性質を調べた。
【0035】(1)質量分析 高速液体クロマトグラフィーに付し、得られた活性画分
を減圧濃縮することにより得られた白色粉末精製物は、
質量分析計によるFAB−MS測定で、m/z436
[M+H]+ であった。
【0036】(2)炭素数、窒素数 高速液体クロマトグラフィーに付し、得られた活性画分
を減圧濃縮することにより得られた白色粉末精製物は、
1H−NMRスペクトル測定、13C−NMRスペクトル
測定及びその解析により、炭素数22であり、窒素数1
であった。その 1H−NMRスペクトルを図3に、13
−NMRスペクトルを図4に示した。
【0037】(3)紫外線吸収スペクトル 高速液体クロマトグラフィーに付し、得られた活性画分
を減圧濃縮することにより得られた白色粉末精製物は、
紫外線吸収スペクトル測定装置によるメタノール中にお
ける測定での主要な吸収波長は下記のとおりであった。 UV(nm) (E1% 1cm ):231(413)、27
1sh(297) また、その紫外線吸収スペクトルを図1に示した。
【0038】(4)赤外線吸収スペクトル 高速液体クロマトグラフィーに付し、得られた活性画分
を減圧濃縮することにより得られた白色粉末精製物は、
KBr法による赤外線吸収スペクトル測定での主要な吸
収波数は下記のとおりであった。 IR(KBr)(cm-1):2920、2840、17
50、1700、1630、1510、1410、10
80 また、その赤外線吸収スペクトルを図2に示した。
【0039】また、これらのものは、いずれも、メタノ
ールに可溶であるが、クロロホルム、水、ヘキサンには
難溶であった。上記分析結果により、高速液体クロマト
グラフィーに付し、得られた活性画分を減圧濃縮するこ
とにより得られた白色粉末精製物は、TKR2554で
あった。
【0040】上記TKR2554を、600E型高速液
体クロマトグラフィー装置(ウォーターズ社製)を用い
た逆相分配高速液体クロマトグラフィー(HPLC)に
よる分析に供した。なお、高速液体クロマトグラフィー
の条件は下記によった。 カラム:CAPCELLPAKC18(6mm×150m
m)(資生堂社製) 移動相:0.05%トリフルオロ酢酸を含む50%(V
/V)アセトニトリル/水 カラム温度:40℃ 検出UV波長:220nm その結果、上記TKR2554は、図5に示す位置に溶
出されることが明らかとなった。
【0041】生物学的性質 得られたTKR2554を使用して各種微生物に対する
抗菌スペクトルを調べた。測定は、液体培地希釈法によ
り、菌の増殖をほぼ完全に阻止した濃度を最少生育阻害
濃度(μg/ml)として求めた。結果を表2に示し
た。また、部分的に菌の増殖を阻害する最少濃度を半阻
止濃度(μg/ml)として求め、併せて表2の括弧内
に示した。表中、YNBGは、イーストナイトロジェン
ベース(ディフコ社製)0.67%、グルコース1.0
%を含有するYNBG培地を表す。
【0042】
【表2】
【0043】表2の結果から、本発明の抗真菌性物質T
KR2554は、カンジダ・アルビカンス、カンジダ・
ケフィール、クリプトコッカス・ネオホルマンス等の病
原性真菌に対して抗菌活性を有することが判明した。
【0044】また、得られたTKR2554を、ICR
系マウスに50mg/kgを腹腔内投与したが、毒性は
認められなかった。
【0045】
【発明の効果】本発明により、真菌症の治療剤等の臨床
医薬として有用である抗真菌性物質TKR2554並び
にそれらの製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】抗真菌性物質TKR2554の紫外線吸収スペ
クトルを示す図である。横軸は波長(nm)を示す。
【図2】抗真菌性物質TKR2554の赤外線吸収スペ
クトルを示す図である。横軸は波数(cm-1)を示す。
【図3】抗真菌性物質TKR2554の 1H−NMRス
ペクトルを示す図である。横軸は化学シフト値(pp
m)を示す。
【図4】抗真菌性物質TKR2554の13C−NMRス
ペクトルを示す図である。横軸は化学シフト値(pp
m)を示す。
【図5】抗真菌性物質TKR2554のHPLCでの溶
出位置を示す図である。縦軸は相対紫外線吸収強度を示
し、横軸は保持時間(分)を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12R 1:66) (C12P 1/02 C12R 1:66) (72)発明者 斉藤 英晴 滋賀県大津市瀬田3丁目4番1号 寳酒造 株式会社中央研究所内 (72)発明者 加藤 郁之進 滋賀県大津市瀬田3丁目4番1号 寳酒造 株式会社中央研究所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記(1)、(2)、(3)、(4)及
    び(5)の理化学的性質を有することを特徴とする抗生
    物質TKR2554又はその薬理学的に許容される塩。 (1)FAB−MS法による質量スペクトルが、m/z
    436[M+H]+ のピークを有する (2)炭素数が、22であり、窒素数が、1である (3)メタノール中における紫外線吸収スペクトルの主
    要な吸収波長(nm)が、231、271shであり、
    それらのE1% 1cm は、413、297である (4)KBr法による赤外線吸収スペクトルの主要な吸
    収波数が、2920cm-1、2840cm-1、1750
    cm-1、1700cm-1、1630cm-1、1510c
    -1、1410cm-1、1080cm-1である (5)メタノールに可溶であり、クロロホルム、水及び
    ヘキサンに難溶である
  2. 【請求項2】 アスペルギルス(Aspergillu
    )属に属する菌株であって、抗生物質TKR2554
    を産生する菌株を培養し、その後、前記菌株の培養物か
    ら目的物を単離することを特徴とする抗生物質TKR2
    554の製造方法。
  3. 【請求項3】 アスペルギルス(Aspergillu
    )属に属し、抗生物質TKR2554を産生すること
    を特徴とする微生物。
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