JPH09253372A - ミシン - Google Patents

ミシン

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JPH09253372A
JPH09253372A JP9064296A JP9064296A JPH09253372A JP H09253372 A JPH09253372 A JP H09253372A JP 9064296 A JP9064296 A JP 9064296A JP 9064296 A JP9064296 A JP 9064296A JP H09253372 A JPH09253372 A JP H09253372A
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JP
Japan
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encounter
shuttle
shaft
hook
drive
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JP9064296A
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English (en)
Inventor
Masaki Shimizu
正樹 清水
Satoru Kato
哲 加藤
Akio Takahashi
章郎 高橋
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Brother Industries Ltd
Original Assignee
Brother Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 針隙を変更することなく、糸輪捕捉用釜の出
合い位置設定や出合い位置変更の操作性を高め得るよう
なミシンを提供する。 【解決手段】 全回転釜の出合い位置補正に際して、先
ず、操作パネルの手動操作により出合い位置を設定する
場合には、「+」キー或いは「−」キーを操作すること
により、釜駆動モータがステップ送りにより正転駆動或
いは逆転駆動されて、剣先の出合い位置が目視により設
定され、釜駆動モータの駆動パルス数に対応するカウン
ト値Iに基づいて、釜軸の初期設定位置からこの出合い
位置までの出合い角度αを求めておく。そして、縫製開
始時に、主軸基準位置と釜軸初期設定位置(基準位置)
との位相差である基準位相差に対する出合い角度αに応
じて、駆動開始タイミングが、演算式「198°−α」
で求められ、主軸の回転位置がその回転駆動タイミング
となったときに釜駆動モータの駆動が開始されて、釜軸
が回転される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主軸と糸輪捕捉用
釜とを相互に独立に駆動しつつ、糸輪捕捉用釜を主軸に
同期して回転するように釜駆動モータを同期制御するミ
シンに関し、特に糸輪捕捉用釜の剣先が縫針と出合う出
合い位置の設定操作を容易に且つ安全に行な得るように
したものに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、通常のミシンのミシン本体は、ベ
ッド部と脚柱部とアーム部及びヘッド部とを主体として
構成され、アーム部内にミシンモータで駆動される主軸
が配設され、ヘッド部の針棒と縫針と天秤とが主軸の駆
動力で昇降駆動される。また、ベッド部内には下軸と縫
針と協働する糸輪捕捉用釜とが配設され、下軸も主軸か
らの駆動力で回転駆動される。縫針と糸輪捕捉用釜とを
同期作動させる必要から、従来のミシンでは下軸も主軸
で駆動するように構成してある。
【0003】ところで、糸輪捕捉用釜を専用の駆動モー
タでミシン主軸とは独立に駆動することにより、糸輪捕
捉用釜をミシン主軸に同期駆動させつつ、縫製条件に応
じて糸輪捕捉用釜の時々刻々の回転状態を制御すること
ができる。そこで、例えば、特開昭60−21750号
公報には、縫針を駆動する針駆動モータと、糸輪捕捉用
釜を駆動する釜駆動モータとを設け、縫針と糸輪捕捉用
釜とが同期作動するように針駆動モータと釜駆動モータ
とを同期制御し、一連の縫目をパーフェクト・ステッチ
とするミシンが提案されている。
【0004】更に、特開平3−234291号公報に
は、縫針をミシンモータで主軸を介して駆動し、糸輪捕
捉用釜をミシンモータと異なる駆動モータで独立に駆動
し、ミシン主軸の回転量を検出するロータリエンコーダ
を設け、手動操作でミシン主軸を回動操作した分だけ駆
動モータを回動させる連動制御手段を設けて、縫針と糸
輪捕捉用釜との連動関係がずれないようにしたミシンが
提案されている。
【0005】ここで、このように、糸輪捕捉用釜をミシ
ンモータとは独立に釜駆動モータで駆動する釜軸独立駆
動型のミシンを工場で組み立てる際に、糸輪捕捉用釜に
ついては、釜駆動モータで独立に駆動される釜軸に取付
けビスにより着脱可能に取付けるようにしている。即
ち、糸輪捕捉用釜を釜軸に取付ける際には、縫針の出合
い位置を基準として、釜駆動モータを駆動して釜軸を、
糸輪捕捉用釜の剣先がその縫針と出合う出合い位置に回
転させておき、調整用ゲージを用いて、或いは目視によ
り、その剣先が縫針と出合う出合い位置を精度良く調整
するのと同時に、剣先と縫針との針隙を精度良く調節し
た状態で、糸輪捕捉用釜を取付けビスで釜軸に取付ける
ようになっている。
【0006】一方、ユーザーの要望により、糸輪捕捉用
釜を交換する場合や、縫い調子を縫製する加工布に応じ
て変更する為に、剣先の出合い調整だけを行うような場
合でも、取付けビスを緩めたときには、糸輪捕捉用釜の
出合い位置と針隙との両方が調整不良になることから、
前述したのと同様に、調整用ゲージを用いて、或いは目
視により、出合い位置と針隙とを同時に調整してから糸
輪捕捉用釜を釜軸に取付けるようになっている。特に、
縫い調子を変更する場合には、試し縫いをして、所望の
縫い調子が得られるまで、これら出合い位置と針隙の調
整を繰り返することになる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、糸輪捕
捉用釜を独立駆動するようにして、ミシン主軸と釜軸の
連動駆動機構を省略し、ミシンの駆動系を簡略化するよ
うにした釜軸独立駆動型のミシンにおいては、縫針の出
合い位置に対する釜軸の出合い位置は、常に所定の回転
位置関係であることから、糸輪捕捉用釜の取付け時や交
換時、或いは縫い調子を加工布に応じて変更するような
場合、取付けビスを緩めることで、糸輪捕捉用釜の出合
い位置と針隙との両方が調整不良になり、取付けビスで
糸輪捕捉用釜を釜軸に取付ける際には、これら出合い位
置と針隙の調整をすることになり、調整作業が複雑化し
且つ多大の調整作業時間を要するという問題がある。更
に、通電状態の釜駆動モータに連結されている釜を手で
調整することは危険である。
【0008】本発明の目的は、針隙を変更することな
く、糸輪捕捉用釜の出合い位置設定や出合い位置変更の
操作性及び安全性を高め得るようなミシンを提供するこ
とである。
【課題を解決するための手段】請求項1のミシンは、ミ
シンモータで主軸を介して駆動される縫針と、縫針と協
働して糸輪を捕捉する糸輪捕捉用釜と、糸輪捕捉用釜を
ミシンモータとは独立に主軸に同期して回転駆動する釜
駆動モータとを備えたミシンにおいて、釜駆動モータを
駆動して釜軸を所定の釜軸基準位置から回転させること
により、糸輪捕捉用釜の剣先が縫針と出合う出合い位置
を初期設定する出合い位置設定手段と、出合い位置設定
手段で初期設定された釜軸の出合い位置までの出合い角
度を釜軸基準位置を基準として求める設定値演算手段
と、縫製開始時に、設定値演算手段で求められた出合い
角度に基づいて、主軸の基準位置からの回転開始タイミ
ングに対する相対的な釜軸の駆動開始タイミングを補正
する釜駆動タイミング補正手段とを備えたものである。
【0009】作用について説明すると、出合い位置設定
手段は、釜駆動モータを駆動して釜軸を所定の釜軸基準
位置から回転させることにより、糸輪捕捉用釜の剣先が
縫針と出合う出合い位置を初期設定するので、設定値演
算手段は、出合い位置設定手段で初期設定された釜軸の
出合い位置までの出合い角度を釜軸基準位置を基準とし
て求める。そして、釜駆動タイミング補正手段は、縫製
開始時に、設定値演算手段で求められた出合い角度に基
づいて、主軸の基準位置からの回転開始タイミングに対
する相対的な釜軸の駆動開始タイミングを補正する。
【0010】即ち、釜軸の出合い位置までの出合い角度
を釜軸基準位置を基準として求めておき、縫製開始に伴
って回転が開始される主軸の基準位置からの回転開始タ
イミングに対して、釜軸の駆動開始タイミングが、出合
い角度に基づいて、つまり糸輪捕捉用釜の剣先が縫針と
出合うべき出合い位置になるタイミングに補正されて主
軸に同期して回転駆動されることから、糸輪捕捉用釜の
取付けビスを緩めることなく、しかも針隙を変更せず
に、糸輪捕捉用釜の出合い位置設定の操作性を高めるこ
とができる。更に、釜に手を触れないで調整が可能とな
り、安全性も高めることができる。
【0011】請求項2のミシンは、請求項1の発明にお
いて、前記出合い位置設定手段は、操作盤を手動操作し
て釜駆動モータをステップ送りして、目視により出合い
位置を設定するように構成されたものである。作用につ
いて説明すると、請求項1と同様の作用を奏するが、操
作盤を手動操作して釜駆動モータを正回転方向に或いは
逆回転方向にステップ送りすることで、糸輪捕捉用釜の
剣先の縫針に出合う出合い位置を目視により微調整で
き、糸輪捕捉用釜の出合い位置設定に加えて、出合い位
置変更の操作性を高めることができる。
【0012】請求項3のミシンは、請求項1の発明にお
いて、前記出合い位置設定手段は、針板の針孔に出合い
検出センサを設け、出合い検出センサからの検出信号に
基づいて出合い位置を初期設定するように構成されたも
のである。作用について説明すると、出合い検出センサ
を針板の針孔に設け、釜駆動モータを回転させることで
剣先がこの出合い検出センサに当接したときに、出合い
検出センサから出力される検出信号に基づいて出合い位
置を初期設定でき、出合い位置設定を自動化することが
できる。
【0013】請求項4のミシンは、請求項1〜請求項3
の何れか1項の発明において、前記釜駆動タイミング補
正手段は、主軸基準位置と釜軸基準位置の位相差である
基準位相差に対する出合い角度に応じて釜軸の駆動開始
タイミングを補正するものである。作用について説明す
ると、釜軸の駆動開始タイミングを、主軸基準位置と釜
軸基準位置の位相差である基準位相差に対する出合い角
度に応じて、簡単な演算により精度良く補正することが
できる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態につい
て、図面に基づいて説明する。本実施形態は、3台の刺
繍ミシンを備え、各刺繍ミシンにおいては、糸輪捕捉用
の全回転釜を、ミシンモータとは独立に釜駆動モータで
回転駆動するようにした多頭型刺繍ミシンに本発明を適
用した場合のものである。この多頭型刺繍ミシンMにつ
いて説明すると、図1に示すように、左右方向に延びる
ベースフレーム1の上面の後部側には、左右方向に所定
長さを有する平面視略矩形状のミシン支持板2が配設さ
れ、このミシン支持板2の後端部分には、左右方向に延
びる支持フレーム3が立設され、この支持フレーム3
に、3つのヘッド部4〜6が所定間隔毎に左右方向に並
設されるとともに、ミシン支持板2の前端部に位置する
ベースフレーム1には、これらヘッド部4〜6の各々に
対応させて、ベッドユニット10〜12に構成されたシ
リンダ状のベッド部7〜9の各後端部が夫々支持されて
いる。
【0015】即ち、支持フレーム3に設けられたへッド
部4〜6と、独立構造のベッドユニット10〜12とか
らなる3台の多針式刺繍ミシンM1〜M3が並設されて
いる。これら刺繍ミシンM1〜M3のヘッド部4〜6の
各々の前端部には、左右方向に1列状に配列された12
本の針棒21を上下動可能に支持するとともに、12個
の天秤23を揺動可能に支持する針棒ケース20が左右
方向移動可能に夫々支持され、各針棒ケース20は、針
棒変更モータ115(図8参照)で駆動される針棒変更
機構(図示略)により、一斉に左右方向に移動されて、
刺繍縫いの糸色を同時に変更可能になっている。
【0016】また、ミシン支持板2の前側でベッドユニ
ット10〜12の上面と同一高さになるように、作業用
テーブル13が水平に配設され、この作業用テーブル1
3を含み、この作業用テーブル13の左右両側に設けら
れた1対の補助テーブル14・15に亙って、左右方向
に延びる平面視矩形枠状の可動枠16が載置されてい
る。
【0017】そして、この可動枠16の左端部の駆動枠
部16aがX軸駆動機構(図示略)によりX軸方向(左
右方向)に移動駆動されるとともに、その右端部の駆動
枠部16bとこの駆動枠部16aとがY軸駆動機構(図
示略)によりY軸方向(前後方向)に移動駆動される。
従って、可動枠16は、X軸駆動モータ117(図8参
照)で駆動されるX軸駆動機構とY軸駆動モータ119
(図8参照)で駆動されるY軸駆動機構とにより、XY
平面上を移動可能になっている。また、補助テーブル1
6bの後側には、刺繍縫製に関するメッセージを表示す
るディスプレイ18aを有し、種々の指令を実行する為
の操作パネル18が設けられている。
【0018】次に、各刺繍ミシンM1〜M3毎に設けら
れ、針棒21を上下駆動する針棒上下駆動機構25につ
いて、図2に基づいて説明する。各ヘッド部4〜6の先
端部には、上下方向に延びる基針棒26が配設され、こ
の基針棒26はその上端部及び下端部において、フレー
ムFに支持されている。この基針棒26には、後述の連
結ピン34と係合する係合溝27aを有する上下動部材
27が上下動可能に挿嵌され、この上下動部材27の下
端部に設けられた針棒抱き28は、基針棒26に上下動
可能且つ回転不能に挿嵌されるとともに、上下動部材2
7の下端部に、上下動部材27を回転可能に連結してい
る。そして、この針棒抱き28は、枢支軸29に揺動可
能に枢支された揺動レバー30に連結されたリンク31
に連結されている。
【0019】一方、各ヘッド部4〜6を挿通して左右方
向向きに配設されたミシン主軸17に偏心カム32が固
着されており、この偏心カム32に外嵌された偏心レバ
ー33の下端部が揺動レバー30に連結されている。と
ころで、前記12本の針棒21の各々には、その下端部
に縫針22が装着されるとともに、その高さ方向の略中
段部に連結ピン34が夫々固着されるとともに、この連
結ピン34と針棒ケース20の支持フレームとの間に圧
縮バネ35が外嵌されており、針棒21はこの圧縮バネ
35により常に上方の針上位置に弾性付勢されている。
更に、針棒ケース20が左右方向に移動したときに、上
下動部材27に対向する針棒21の連結ピン34が、上
下動部材27の係合溝27aに選択的に係合されるよう
になっている。
【0020】これにより、ミシンモータ110の所定回
転方向への回転駆動によりミシン主軸17が回転され
て、偏心レバー33と揺動レバー30とリンク31とを
介して、上下動部材27と針棒抱き28とが一体的に上
下動するのに伴って、連結ピン34を介して上下動部材
27に連結されている針棒21だけが主軸17に調時し
て上下に往復駆動される。次に、各刺繍ミシンM1〜M
3毎に設けられ、針棒21をその最上位置(上死点位
置)にジャンプさせる針棒ジャンプ機構40について、
図2に基づいて説明する。針棒ケース20内には、水平
向きの針棒ジャンプ用ソレノイド41が設けられるとと
もに、平面視略L字状の回動レバー42が鉛直軸回りに
回動可能に針棒ケース20に取付けられている。そし
て、その回動レバー42の駆動部42aが針棒ジャンプ
用ソレノイド41のプランジャーに当接するとともに、
その従動部42bに取付けた上下方向向きの操作軸43
が、上下動部材27に一体形成された突出状の係合部2
7aに係合可能になっている。
【0021】更に、上下動部材27は、その上端部に設
けた巻きバネ44により、2点鎖線で示す回動したジャ
ンプ位置から実線で示す通常の連結位置に回動するよう
に、常に弾性付勢されている。これにより、針棒21が
連結ピン34を介して上下動部材27に連結されている
ときに、針棒ジャンプ用ソレノイド41が所定時間だけ
駆動されて、そのプランジャーが右方に進出したときに
は、回動レバー42が平面視にて時計回転回りに回動し
て、操作軸43と係合部27aとを介して、上下動部材
27が2点鎖線で示すジャンプ位置に回動して、連結ピ
ン34と係合溝27aとの係合が解除され、これと同時
に、針棒21は圧縮バネ35により針上位置に一気に移
動(ジャンプ作動)するようになっている。
【0022】一方、針棒21がその針上位置にジャンプ
した状態で且つ上下動部材27が連結位置に復帰してい
るときに、上下動部材27が下方からその略最上位置の
方向に上昇するときには、上下動部材27は連結ピン3
4に下側から当接して、一時的にジャンプ位置に回動す
るが、巻きバネ44により直ぐに連結位置に回動復帰
し、連結ピン34は係合溝27aに自動的に連結するよ
うになっている。ここで、各ベッド部7〜9に設けられ
た押え足45は、押え足駆動ソレノイド106で駆動さ
れる図示外の押え足駆動機構により、ベッド部7〜9上
の加工布Wを押圧する押え位置と、所定距離上昇した退
避位置とに亙って上下に位置切換え可能になっている。
【0023】次に、ベッドユニット10〜12につい
て、図3〜図7に基づいて説明する。ここで、3つのベ
ッドユニット10〜12は同様の構成なので、左端のベ
ッドユニット10について説明する。前後方向に延びる
断面略U字状のベッドケース50は、その後端部におい
て、ミシン支持板2の前端部に位置する左右方向に延び
るベースフレーム1に固着した1対の支持ブラケット5
1に取付けられ、ベッドケース50の前端部分には、釜
モジュール55が着脱可能に固定されている。ここで、
ベッドケース50の上側は、その前端部分において、針
板52で覆われるとともに、針板52に連続するカバー
板53で覆われている。
【0024】次に、釜モジュール55について説明す
る。図4〜図5に示すように、ベッドケース50の前端
部には、取付けブロック56がビス57により着脱可能
に固着され、この取付けブロック56の後端側には、パ
ルスモータからなる釜駆動モータ58が取付けられてい
る。一方、取付けブロック56の前端側には、糸輪捕捉
用の全回転釜59が設けられ、この全回転釜59に固着
された釜軸60は、前後方向に位置調節可能に取付けブ
ロック56に枢支されている。そして、釜軸60の後端
部に取付けた第1連結部材62と、釜駆動モータ58の
駆動軸58aの前端部に取付けた第2連結部材63とが
相互に連結されている。つまり、これら釜軸60と駆動
軸58aとは、両連結部材62,63からなるカップリ
ング61で連結されている。
【0025】ここで、全回転釜59について簡単に説明
すると、図21に示すように、ボビンを収容するボビン
ケース67を保持する内釜と、この内釜の外側を回転す
る外釜59aとからなり、その外釜59aには、上糸4
7を引っかけて上糸ループ47cを形成する為の剣先5
9bが形成されている。そして、主軸18が約「200
°」のときに、剣先59bと縫針22の目孔とが出合う
出合いタイミング(図19参照)となり、剣先59bは
この出合いタイミングのときに、縫針22の目孔から延
びる針側の上糸47aを引っかけて、外釜59aの回転
により、内釜と外釜59aとの間を移動する上糸ループ
47cを形成する。
【0026】更に、その第2連結部材63には、ディス
クエンコーダ64が取付けられ、このディスクエンコー
ダ64に形成された複数のスリットを光学的に検出し
て、釜軸回転信号を出力するフォトセンサからなる第2
エンコーダセンサ65が取付けブロック56に取付けら
れている。そして、釜駆動モータ58の駆動により、駆
動軸58aとカップリング61とを介して釜軸60が回
転駆動されて、全回転釜59が所定の回転方向に、ミシ
ン主軸17に対して2倍の回転速度Kで回転駆動され
る。ここで、ベッドユニット10の前端部は、ベッドケ
ース50の前端部の下端にヒンジ機構を介して開閉可能
に枢支された保護カバー66で覆われている。
【0027】ここで、全回転釜59を前後方向に位置調
節可能に枢支する枢支構造について簡単に説明する。前
記取付けブロック56の円筒状部分の直ぐ内側には、円
筒状のベアリングケース70が前後方向に摺動可能に設
けられ、このベアリングケース70内には、ベアリング
71が圧入されている。そして、取付けブロック56の
左側壁部には、偏心ピン72が取付けられるとともに、
その偏心ピン72の先端のピン部がベアリングケース7
0の左側壁に形成された縦長のピン孔に係合している、
一方、取付けブロック56の右側壁部には、ベアリング
ケース70を固定可能なセットビス73が取り外し可能
に設けられている。
【0028】即ち、セットビス73を緩める一方、偏心
ピン72を時計回り方向又は反時計回り方向に回転させ
ることにより、ピン孔を介してベアリングケース70を
前方又は後方に微小距離(例えば、1〜2mm)だけ移動
して、同時に全回転釜59の位置を前後方向に微調節で
き、針隙を調節することができる。
【0029】次に、各ベッドユニット10〜12に設け
られ、上糸47と下糸48とを切断する糸切り機構80
について、図3〜図6に基づいて説明する。取付けブロ
ック56に固着した固定板(図示略)は全回転釜59の
上側に延び、その固定板には、可動刃81が、実線で示
す待機位置と、2点鎖線で示す最大回動位置とに亙って
揺動可能に枢支されている。そして、この可動刃81と
協働して上糸47と下糸48とを切断する為の固定刃8
2は、固定板の直ぐ上側の針板52の下側に、刃部を前
向きにして取付けられている。
【0030】そして、可動刃81に連結された糸切り作
動レバー83は、ベッドケース50内を挿通して後方に
延びている。即ち、糸切り作動レバー83の前方への移
動により、可動刃81が時計回り方向に回動して、図6
に2点鎖線で示す最大回動位置まで往動した後、糸切り
作動レバー83の後方への移動により、可動刃81が反
時計回り方向に復動する途中において、上糸47と下糸
48とが可動刃81の係合部81aに係合され、その後
可動刃81と固定刃82との協働により上糸47と下糸
48とが同時に切断される。
【0031】次に、前記糸切り機構80を駆動する糸切
り駆動機構85について、図3・図7に基づいて説明す
る。前記糸切り作動レバー83の後端部は、ベッドケー
ス50の後端部に水平回動可能に枢着された平面視略L
字状の回動板86の従動部86aに連結されている。一
方、ベースフレーム1の左端部には、ベースフレーム1
に固着された取付け板87に糸切りモータ88が下側か
ら取付けられ、この糸切りモータ88の駆動ギヤ89に
噛合する扇形の揺動部材90は、段付きボルト91によ
り、取付け板87に回動可能に枢支されている。更に、
この揺動部材90には、板状の連結板92の基端部が取
付けられ、その連結板92の先端部には、左右方向に延
びる糸切り作動軸93の左端部が連結されている。
【0032】そして、その糸切り作動軸93には、回動
板86の駆動部86bが連結されている。これにより、
糸切りモータ88の反時計回り方向の回転により揺動部
材90が所定角度だけ時計回り方向に回動して、連結板
92を介して糸切り作動軸93が所定距離だけ右方へ移
動することにより、回動板86が時計回り方向に回動し
て、糸切り作動レバー83が前方へ移動され、可動刃8
1が最大回動位置まで往動する。その後、糸切りモータ
88の時計回り方向の回転により、糸切り作動軸93の
左方への移動を介して回動板86が反時計回り方向に回
動して、糸切り作動レバー83が後方へ移動され、前述
したように、可動刃81に係合された上糸47と下糸4
8とが、可動刃81と固定刃82により同時に切断され
る。
【0033】ところで、前記揺動部材90の近傍位置の
取付け板87には、フォトセンサからなる移動位置検出
センサ94が取付けられるとともに、揺動部材90に
は、その移動位置検出センサ94を検出作動する遮蔽板
95が取付けられている。即ち、その移動位置検出セン
サ94は、可動刃81の切断位置から最大回動位置まで
の移動範囲に移動しているときには、その遮蔽板95を
検出しないことから、「L」レベルの移動位置検出信号
DSを出力する一方、可動刃81の切断位置まで復動方
向に移動したときには、遮蔽板95を検出して「H」レ
ベルの移動位置検出信号DSを出力する。
【0034】次に、多頭型刺繍ミシンMの制御系の概要
について、図8のブロック図に基づいて説明する。釜駆
動制御以外の刺繍ミシンM全体の制御を司るミシン制御
装置100は、CPU101とROM102及びRAM
103とを含むマイクロコンピュータと、そのマイクロ
コンピュータにデータバスなどのバスを介して接続され
た入力インターフェース(図示略)及び出力インターフ
ェース(図示略)とから構成されている。
【0035】このミシン制御装置100には、ヘッド部
4に関して、針棒ジャンプ用ソレノイド41の為の駆動
回路105と、押え足駆動ソレノイド106の為の駆動
回路107と、糸切れセンサ108が夫々接続され、他
のヘッド部5,6についても同様に接続されている。更
に、ミシン制御装置100には、ミシンモータ110を
駆動する駆動回路111と、ミシンモータ110に設け
られたディスクエンコーダの1回転で1000個のスリ
ット信号を出力する第1エンコーダセンサ112と、こ
の第1エンコーダセンサ112の1回転で1個の主軸原
点信号を出力する主軸原点センサ113と、針棒21の
停止位置(ミシン主軸17の約100°の回転位置)を
検出する停止位置センサ114と、針棒ケース20を移
動させて駆動する針棒21を変更する針棒変更モータ1
15の為の駆動回路116と、X軸駆動モータ117の
為の駆動回路118と、Y軸駆動モータ119の為の駆
動回路120と、縫製開始や種々の指令を指示する為の
複数のスイッチが設けられるとともに、ディスプレイ1
8aが設けられた操作パネル18が夫々接続されてい
る。
【0036】一方、ミシン制御装置100に接続され、
全回転釜59の駆動制御や糸切断制御を司る釜軸制御装
置150は、CPU151とROM152及びRAM1
53とを含むマイクロコンピュータと、そのマイクロコ
ンピュータにデータバスなどのバスを介して接続された
入力インターフェース(図示略)及び出力インターフェ
ース(図示略)とから構成されている。この釜軸制御装
置150には、ベッドユニット10に関して、釜駆動モ
ータ58の為の駆動回路154と、ディスクエンコーダ
64の1回転で50個のスリット信号を出力する第2エ
ンコーダセンサ65と、このディスクエンコーダ64の
1回転で1個の釜軸同期信号を出力する釜軸原点センサ
155が夫々接続され、他のベッドユニット11,12
についても同様に接続されている。更に、釜軸制御装置
150には、移動位置検出センサ94と、糸切りモータ
88の為の駆動回路156が夫々接続されている。
【0037】ここで、ミシンモータ110は、インダク
ションモータからなり、インバータ制御される。そし
て、ミシンモータ110に設けられたディスクエンコー
ダの1回転で第1エンコーダセンサ112から出力され
る1000個の主軸回転信号(スリット信号)は、40
00パルスに細分化され、ミシン制御パルスとしてモー
タの駆動制御に用いられる。一方、釜駆動モータ58
は、ステッピングモータからなり、500パルスを受け
て1回転し、同時に全回転釜59も1回転する。そし
て、釜駆動モータ58は、ミシン主軸17が1回転する
間に2回転するように、倍速(以下、これを釜軸回転速
度Kとする)駆動制御される。
【0038】次に、釜軸制御装置150で実行される釜
軸駆動制御のルーチンについて、図9〜図15のフロー
チャートに基づいて説明する。但し、図中符号Si(i
=10、11、12・・・・)は各ステップである。こ
こで、ミシン制御装置100から釜軸制御装置150に
出力される信号について、図18に基づいて簡単に説明
すると、縫製開始時には、通常、ミシン主軸17は約
「100°」の回転位置で停止しており、更に針棒21
は針棒ジャンプ機構40により、その最上位置にジャン
プして停止している。
【0039】そして、N針分の針落ちデータを有する刺
繍データを刺繍縫いする場合、ミシン制御装置100か
らの主軸駆動信号が「H」レベルに切換えられると同時
に、ミシンモータ110の駆動が開始される。ここで、
この刺繍データには、糸替えの為の糸切りデータが含ま
れておらず、N針分の刺繍縫いを順次実行し、最終のN
針目で糸切りを実行するものとする。
【0040】そして、図19において、縫製中におけ
る、針棒運動軌跡と、天秤運動軌跡と、釜糸糸量と、全
回転釜59の回転位置とを、主軸17の回転位置に対応
させて夫々示す。ここで、全回転釜59の剣先59bが
縫針22と出合う出合いタイミングは、主軸17の約
「198°」の回転位置である。また、全回転釜59の
回転位置は、剣先59aの回転位置(回転角度)で示
す。ところで、針棒21は、1針目において、ミシン主
軸17の「0°」のとき、つまり針棒21の最上位置の
ときに、自動的に上下動部材27に連結されるので、縫
い始めにおける上糸47の引き込み動作(ピッカー動
作)をしない場合には、2針目以降から縫目が形成され
る。そして、N針目の最終縫目において、ミシン主軸1
7の約「260°」のときに、主軸駆動信号が「L」レ
ベルに切換えられるとともに、糸切り信号が出力され、
その後ミシン主軸17の「270°〜440°(88
°)」に亙って糸切り動作が実行され、その直後のミシ
ン主軸17の「460°(100°)」のときに、ミシ
ン主軸17の回転が実際に停止される。
【0041】この多頭型刺繍ミシンMに電源が投入され
ると、この制御が開始され、先ず主軸・釜軸初期設定処
理(図10参照)が実行される(S10)。この制御が開
始されると、先ず停止位置センサ114からの停止位置
信号が読み込まれて、主軸17が停止位置、つまり、前
回の縫製処理が終了して糸切断した状態のときには、通
常「100°」の初期設定位置のときであり、この停止
位置のときには(S25:Yes )、釜軸60の回転位置
は、主軸17の約「13°」の回転位置なので、釜軸同
期信号が釜軸原点センサ155から出力されるときの回
転位置に戻す為に、釜駆動モータ58が1パルス分だけ
逆転駆動され(S26)、釜軸原点センサ155から釜軸
同期信号が出力されないときには(S27:No)、S26〜
S27が繰り返して実行され、釜軸60が、主軸17の
「180°」に対応する初期設定位置に回動したときに
は(S27:Yes )、この制御を終了して、釜軸駆動制御
のS11にリターンする。
【0042】ところで、主軸17が停止位置でないとき
には(S25:No)、ミシン制御装置100により、ディ
スプレイ18aに、その旨のエラーメッセージが表示さ
れるので、オペレータがミシン主軸17を手動で回転さ
せて停止位置を設定する。次に、釜軸駆動制御におい
て、操作パネル(操作盤に相当する)18に設けられた
出合い位置設定キーが操作されないとき(S11:No)、
またミシン制御装置100から「H」レベルの主軸駆動
信号が出力されないとき、つまり縫製を開始しないとき
には(S12:No)、このS11〜S12を繰り返して待機さ
れる。
【0043】ここで、出合い位置設定キーが操作され
て、ミシン制御装置100から出合い位置設定制御の開
始が指示されたときには(S11:Yes )、出合い位置手
動設定処理制御(図27参照)が実行される(S24)。
この制御が開始されると、主軸17の停止位置が確認さ
れ(S130 )、釜軸60が、釜軸原点センサ155から
釜軸同期信号が入力される初期設定位置に回動される
(S131 〜S134 )。次に、RAM153に既に記憶さ
れている出合い角度分に基づいて、釜駆動モータ58が
駆動されて釜軸60が回転される(S135)。このとき
に、駆動パルスカウンタのカウント値Iがその駆動パル
ス数だけインクリメントされる。
【0044】次に、操作パネル18に設けられた「+」
キーが操作されたときには(S136、S137 :Yes )、
釜駆動モータ58が1パルス分だけ正転駆動されて、剣
先59bが出合い位置に向かう方向に微小移動され(S
140 )、カウント値Iが1つインクリメントされる(S
141 )。一方、「−」キーが操作されたときには(S13
8 :Yes )、釜駆動モータ58が1パルス分だけ逆転駆
動されて、剣先59bが出合い位置から戻る方向に微小
移動され(S142 )、カウント値Iが1つデクリメント
される(S143 )。
【0045】そして、目視による出合い位置の設定完了
に際して、設定キーが操作されたときには(S139 :Ye
s )、カウント値Iに基づいて、釜軸60の初期設定位
置からこの出合い位置までの出合い角度αが出合い設定
値としてRAM153に更新して記憶され(S144 )、
釜軸60が元の同期位置である初期設定位置まで戻され
(S145 )、この制御を終了して、釜軸駆動制御のS10
にリターンする。即ち、図28に示すように、釜駆動モ
ータ58を駆動して釜軸60を、釜軸同期信号が入力さ
れる釜軸初期設定位置(所定の釜軸基準位置に相当し、
主軸17の「180°」の回転位置)から剣先59bが
縫針22と出合う出合い位置(主軸の「198°」の回
転位置)まで回転させて、釜軸60の出合い位置までの
出合い角度αを、釜軸初期設定位置を基準として求めて
おく。
【0046】そして、釜軸駆動制御において、縫製開始
に際して、ミシン制御装置100から「H」レベルの主
軸駆動信号が出力(図18参照)されたときには(S1
2:Yes )、ミシンモータ110が同時に回転駆動さ
れ、主軸17が回転位置「100°」から駆動される。
そして、図20に示すように、縫製開始後の1針目にお
いて、主軸17が約「170°」まで回転して、主軸原
点センサ113から主軸同期信号が出力されたときには
(S13:Yes )、釜軸の駆動開始タイミング演算処理が
実行される(S14)。
【0047】即ち、主軸17の回転位置を基準として、
この主軸17に同期させて釜軸60を駆動制御すること
から、主軸同期信号が出力される「170°」、また出
合い位置の「198°」は、絶対的な回転位置である
が、この主軸17の「170°」のときの主軸基準位置
から10°遅れた釜軸60の初期設定位置「180°
(主軸17に対応させた回転位置)」は、絶対的な回転
位置とはならないので、主軸基準位置と釜軸初期設定位
置(基準位置)との位相差である基準位相差(約10
°)に対する出合い角度αに応じて、釜軸60の駆動開
始タイミングを補正する為に、駆動開始タイミングが、
演算式「198°−α」で求められる。
【0048】そして、第1エンコーダセンサ112から
出力される主軸回転信号を常にカウントすることで、主
軸17の回転位置が読み込まれ(S15)、主軸17の回
転位置が、S14で求めた回転駆動タイミングとなったと
きには(S16:Yes )、S17以降により、釜駆動モータ
58の駆動が開始されて、釜軸60が回転される。これ
により、釜軸60が「198°」の出合い位置まで回転
したときには、剣先59bが縫針22に確実に出合うこ
とになる。これにより、剣先59bの縫針22に出合う
出合い位置を目視により微調整でき、全回転釜59の出
合い位置設定に加えて、縫い調子を加工布Wに応じて変
更するときの出合い位置変更の操作性を高めることがで
きる。
【0049】次に、ミシン制御装置100からの指令
で、上糸47を加工布Wの下側へ引き込む引き込み動作
をするときには(S17:Yes )、上糸引き込み処理(図
11参照)が実行される(S18)。この制御が開始され
ると、釜軸60を主軸17に同期させながら回転駆動さ
せる釜軸同期駆動処理制御(図12参照)が実行される
(S30)。この制御が開始されると、第1エンコーダセ
ンサ112から出力される主軸回転信号を常にカウント
することで、主軸17の回転位置が読み込まれ(S4
0)、その主軸17の回転に同期させる為に、釜軸60
を1ステップ分駆動するタイミングのときには(S41:
Yes )、釜駆動モータ58を1ステップ分回転駆動され
る(S42)。
【0050】次に、釜軸60の回転を確認するために、
釜駆動モータ58の駆動パルス数をカウントするカウン
タのカウント値Iが1つインクリメントされ(S43)、
第2エンコーダセンサ65からの釜軸回転信号が変化し
ないときに(S44:No)、カウント値Iが所定カウント
値P(例えば、10〜15)以下のときには(S45:Ye
s )、この制御を終了して上糸引き込み処理制御のS31
にリターンする。一方、釜軸回転信号が変化したときに
は(S44:Yes )、釜軸60が確実に駆動していること
から、そのカウント値Iがクリアされ(S46)、同様に
S31にリターンする。
【0051】ところで、釜軸60を駆動するタイミング
でないときに(S41:No)、釜軸原点センサ155から
釜軸同期信号が入力されないときには(S47:No)、同
様にリターンする。しかし、釜軸同期信号が入力された
ときには(S47:Yes )、主軸17の回転位置に対応す
る釜駆動モータ58の駆動パルス数の許容数をテーブル
化した同期駆動位置テーブルのデータをROM152に
予め格納しているので、S40で読み込んだ主軸17の回
転位置と、釜駆動モータ58の駆動パルス数と、その同
期駆動位置テーブルのデータとに基づいて、釜軸60が
主軸17に対して同期許容範囲内で同期駆動されている
ときには(S48:Yes )、同様にS31にリターンする。
【0052】ここで、カウント値Iが所定カウント値P
よりも大きいとき(S45:No)、或いは釜軸60が主軸
17に対する同期許容範囲を越えて、つまり同期駆動さ
れていないときには(S48:No)、異常処理制御(図1
5参照)が実行される(S49)。この制御が開始される
と、針棒ジャンプ用ソレノイド41が所定時間だけ駆動
される(S80)。その結果、前述したように、上下動部
材27がジャンプ位置に回動して、針棒21が針上位置
に一気にジャンプ作動する。これにより、縫針22と全
回転釜59との衝突を防止できる。
【0053】次に、ミシン制御装置100に対して、ミ
シンモータ110の駆動を停止させる為に主軸駆動停止
指令が出力される(S81)。これにより、ミシン制御装
置100から駆動回路111にブレーキ作動信号が出力
され、ミシンモータ110が即時に停止される。これと
同時に、駆動回路154に対しても同様に、ブレーキ作
動信号を出力する駆動停止処理が実行され(S82)、釜
駆動モータ58が即時に停止される。次に、ミシン制御
装置100に対して、異常停止した旨のエラーメッセー
ジをディスプレイ18aに表示する表示指令が出力され
る(S83)。そして、オペレータがその異常状態を解除
して、操作パネル18のエラー解除スイッチなどの操作
によりエラー状態が解除されたときには(S84:Yes
)、この制御を終了して、釜軸駆動制御のS10にリタ
ーンする。
【0054】そして、上糸引き込み処理制御において、
主軸17が「280°」の回転位置まで回転していない
ときには(S31:No)、S30〜S31が繰り返して実行さ
れ、図20に示すように、2針目において、主軸17が
「280°」の回転位置になったときには(S31:Yes
)、主軸17が「460°(100°)」の回転位置
になるまで釜駆動モータ58の駆動を停止して、釜軸6
0の回転を強制的に停止させる(S32:No)。
【0055】即ち、主軸17が「280°〜460°」
で、2針目の縫い途中のときには、全回転釜59は、図
19〜図21に示す回転位置であり、剣先59bで係合
された上糸47の上糸ループ47cが形成されて全回転
釜59から外れない状態のときであり、しかも布送りが
実行されながら、縫針22及び天秤23が上昇する期間
である。
【0056】これにより、縫針22及び天秤23の上昇
に応じて、縫針22の目孔から延びる上糸47aが上方
に引っ張られる。その結果、加工布Wの上側に出ている
上糸端が、加工布Wや針板52の針孔52aを挿通し
て、全回転釜59の方に引き込まれて、上糸ループ47
cは実質的には形成されなくなる。そして、主軸17が
「100°」の回転位置になったとき、つまり全回転釜
59が主軸17に調時する回転位置に達したときには
(S32:Yes )、この制御を終了して、釜軸駆動制御の
S19にリターンし、実際の縫製が開始される。
【0057】そして、釜軸駆動制御において、縫製処理
制御(図13参照)が実行される(S19)。この制御が
開始されたときに、ミシン制御装置100からの主軸駆
動信号が「H」レベルで、縫製中のときには(S55:Ye
s )、3針目から最終のN針目の縫い動作のときまで、
つまり主軸駆動信号が「L」レベルになって縫製処理が
終了するまで、前述したように、釜軸同期駆動処理制御
が繰り返して実行されて、縫い動作が1針毎に順々に行
われる(S56)。そして、最終のN針目の縫い動作にな
って、「L」レベルの主軸駆動信号が入力されたときに
は(S55:No)、この制御を終了して、釜軸駆動制御の
S20にリターンする。
【0058】そして、釜軸駆動制御において、最終縫目
のときに、ミシン制御装置100からの指令で、糸切断
を実行しないときには(S20:No)、主軸17が「36
0°」になるまで釜軸同期駆動処理制御が実行され(S
22、S23:No)、剣先59bが縫針22に衝突しないよ
うに、主軸17が「360°」の回転位置になったとき
には(S23:Yes )、S10に戻る。一方、糸切断を実行
するときには(S20:Yes )、縫い終り上糸残量確保処
理制御(図14参照)が実行される(S21)。ここで、
この縫い終り上糸残量確保処理制御と略同時的に、主軸
17の「270°」の回転位置から、糸切断処理が実行
されることになるが、この糸切断処理については後述す
るものとする。
【0059】次に、縫針22の目孔から先の上糸残量を
確保する残量確保処理制御が開始されると、図22に示
すように、最終のN針目の縫い動作の途中において、主
軸17が「300°」の回転位置に達するまで、釜軸6
0を所定の回転速度Kで回転駆動しながら釜軸同期駆動
処理が実行される(S60、S61:No)。そして、主軸1
7が「300°」に達したときには(S61:Yes )、主
軸17が「335°」に達するまで(これが所定期間に
相当する)、釜駆動モータ58の駆動を一時的に停止し
て、釜軸60の回転を強制的に一時停止させる(S62:
No)。
【0060】即ち、N針目の縫い途中のときで、主軸1
7が「300°〜335°」のときには、全回転釜59
は、図22〜図23に示す回転位置であり、上糸ループ
47cが最大に形成されて全回転釜59から外れない状
態のときであり、しかも布送りが実行されながら、縫針
22及び天秤23が上昇する期間である。このとき、縫
針22の目孔から延びる上糸47aは加工布Wに連なっ
ており、この期間において、全回転釜59の回転が一時
停止されることから、天秤23の上昇に応じて不足する
糸量は、図示外の糸駒から繰り出されることになる。
【0061】これにより、後述する糸切断動作で切断さ
れたときに、次回の縫い動作の開始時における上糸端部
の目孔からの抜けを防止するだけの十分な上糸残量が、
糸駒から繰り出された糸量分に対応して確保される。そ
して、主軸17が「335°」に達したときには(S6
2:Yes )、S63〜S76により、主軸17が約「38
°」分回転する回転期間に亙って、釜駆動モータ58を
主軸17の回転速度に比例した高速の回転速度となるよ
うに、しかも自起動周波数を越えないように駆動制御し
て、上糸ループ47cを迅速に全回転釜59から外すこ
とで、上糸残量の安定化が図られる。
【0062】即ち、主軸17が「335°」に達したと
きから、最初の10パルス分だけ、釜駆動モータ58が
所定の回転速度Kで回転駆動され(S63〜S64:Yes
)、次に駆動パルス周期が、K=1.5 となるように設
定され(S65)、次の10パルス分だけ、釜駆動モータ
58が回転速度1.5 Kで回転駆動され(S66〜S67:Ye
s)、次に駆動パルス周期が、K=2となるように設定
され(S68)、次の141パルス分だけ、釜駆動モータ
58が回転速度2Kで回転駆動される(S69〜S70:Ye
s )。
【0063】そして、駆動パルス周期が、K=1.5 とな
るように設定され(S71)、次の10パルス分だけ、釜
駆動モータ58が回転速度1.5 Kで回転駆動され(S72
〜S73:Yes )、次に駆動パルス周期が、K=1となる
ように設定され(S74)、次の10パルス分だけ、釜駆
動モータ58が回転速度Kで回転駆動され(S75〜S7
6:Yes )、この制御を終了して、釜軸駆動制御のS10
にリターンする。次に、この上糸残量確保処理と同時に
実行される糸切断処理制御について、図16〜図17に
基づいて説明する。
【0064】ところで、この切断処理制御は、電源の投
入とともに、前述した釜軸駆動制御と並行して実行され
る糸切り制御に含まれるものであり、先ずその糸切り制
御について説明する。この多頭型刺繍ミシンMに電源が
投入されると、この制御が開始され、先ずS90〜S98に
より、可動刃81の初期設定が実行される。即ち、移動
位置検出センサ94からの移動位置検出信号DSが
「H」レベルのとき、つまり遮蔽板95を検出して可動
刃81の切断位置のときには(S90:Yes )、糸切りモ
ータ88の駆動方向フラグDFのフラグデータとして、
往動方向を指示する「1」がセットされ(S91)、移動
位置検出信号DSが「L」レベルになるまで、つまり可
動刃81を切断位置から所定量だけ往動方向に回動する
まで、糸切りモータ88が1パルスずつ駆動される(S
92、S93)。
【0065】そして、移動位置検出信号DSが「L」レ
ベルになったときには(S93:No)、糸切りモータ88
が更に5パルス余分に駆動されて、可動刃81が更に往
動方向に微小所定量だけ回動される(S94)。次に、糸
切りモータ88の駆動方向フラグDFのフラグデータと
して、復動方向を指示する「0」がセットされ(S9
5)、移動位置検出信号DSが「H」レベルになるま
で、つまり可動刃81が切断位置に移動復帰するまで、
糸切りモータ88が1パルスずつ駆動される(S96、S
97)。そして、移動位置検出信号DSが「H」レベルに
なったときには(S97:Yes )、糸切りモータ88が更
に5パルス分だけ余分に駆動されて、可動刃81が更に
復動方向に微小所定量だけ回動される(S98)。
【0066】そして、ミシン制御装置100から「H」
レベルの主軸駆動信号を受けたときには(S99:Yes
)、ミシン制御装置100から糸切り信号を受けるま
で、S99とS100 を繰り返して待機する一方、N針目の
最終の縫い動作において、主軸17が約「260°」の
回転位置のときに、糸切り信号を受けたときには(S10
0:Yes )、切断処理制御(図17参照)が実行される
(S101 )。この制御が開始されて、主軸17が「27
0°」の回転位置に達したときは(S110 :Yes )、駆
動方向フラグDFがセットされ(S111 )、図24に示
すように、主軸制御パルスを「11」パスル分カウント
して糸切りモータ88を1パルス駆動することを、20
パルス分だけ繰り返して実行される(S112 〜S11
3)。
【0067】そして、糸切りモータ88を20パルス分
駆動したときには(S113 :Yes )、主軸制御パルスを
「4」パスル分カウントして糸切りモータ88を1パル
ス駆動することを、27パルス分だけ繰り返して実行さ
れる(S114 〜S115 )。更に、糸切りモータ88を2
7パルス分駆動したときには(S115 :Yes )、主軸制
御パルスを「2」パスル分カウントして糸切りモータ8
8を1パルス駆動することを、121パルス分繰り返し
て実行される(S116 〜S117 )。即ち、この最終の1
21パルス分を駆動するときに、全回転釜59の外側5
9aの外周部の剣先59bと対向する部位に形成された
二股状の糸案内部59c(図23参照)から上糸47が
外れて分離した、縫針22からの上糸47aと、下糸4
8及び加工布側の上糸47bとが可動刃81で分けられ
る。
【0068】そして、糸切りモータ88が121パルス
分駆動されたときには、図25に示すように、可動刃8
1は、これら下糸48と加工布側の上糸47bを係合可
能にして、その最大回動位置に往動した状態である。こ
こで、図25においては、説明の都合上、可動刃81が
位置する水平面における、縫針22からの上糸(針糸)
47aと、加工布Wに連なる上糸47bと、下糸48を
示すものである。
【0069】次に、この状態のときに、釜軸60を主軸
17の回転速度に比例した高速の回転速度で回転するタ
イミングである主軸17の「335°」の回転位置まで
糸切りモータ88の駆動が停止され(S118 :No)、主
軸17が「335°」の回転位置に達したときには(S
118 :Yes )、可動刃81を復動させる為に駆動方向フ
ラグDFがリセットされ(S119 )、主軸制御パルスを
「3」パスル分カウントして糸切りモータ88を1パル
ス駆動することを、100パルス分繰り返して実行され
る(S120 〜S121 )。このとき、下糸48及び加工布
側の上糸47bが可動刃81の係合部81aに係合され
る。
【0070】更に、糸切りモータ88を100パルス分
駆動したときには(S121 :Yes )、主軸制御パルスを
「14」パスル分カウントして糸切りモータ88を1パ
ルス駆動することを、移動位置検出信号DSが「H」レ
ベルになるまで繰り返して実行される(S122 〜S123
)。ここで、糸切りモータ88の100パルス分の駆
動期間の最終部分のときに、図24に1点鎖線で示すタ
イミングにおいて、可動刃81と固定刃82との協働に
より上糸47と下糸48とが同時に切断される。更に、
糸切りモータ88が更に5パルス分だけ余分に駆動され
て、可動刃81が更に復動方向に微小所定量だけ回動さ
れる(S124 〜S125 )。
【0071】そして、5パルス分だけ余分に回動された
ときは(S125 :Yes )、可動刃81が初期設定された
ことになり、この制御を終了して糸切り制御のS99にリ
ターンして、前述したように、次の糸切り信号の入力待
ちが実行される。このときには、図26に示すように、
可動刃81は、元の待機位置まで往動した状態であり、
切断された下糸48の端部は、固定刃82の下側に設け
た図示外の糸保持部で保持されている。
【0072】即ち、図22、図24に示すように、糸切
断タイミングは、全回転釜59を主軸17の回転速度に
比例した高速で回転駆動して、主軸17の略所定の回転
位置のときに、上糸ループ47cを全回転釜59から迅
速に外すことで、上糸ループ47cが全回転釜59から
外れるタイミングのばらつきが小さくなり、切断後に確
保する上糸残量の安定化を図ることができる。更に、こ
のときに確保された上糸残量は、次回の縫い動作の開始
時において、上糸端部が縫針22の目孔から抜けるのを
確実に防止するだけの十分な糸量になっている。
【0073】ところで、図29、図30に示すように、
各ベッドユニット10〜12の針板52の針孔52aに
出合い検出センサ160を取付けて、この出合い検出セ
ンサ160から入力される検出信号に基づいて、出合い
位置を自動的に初期設定することも可能である。即ち、
針棒21がその最上位置にジャンプしているときに、出
合い検出センサ160が針孔52aに装着される。この
出合い検出センサ160について説明すると、針孔52
aを挿通して下方に延びる電極161は、全回転釜59
の剣先59bに、縫針22の出合い位置と同じ位置で当
接可能であり、外周部を絶縁体162で被服されてい
る。
【0074】また、この絶縁体162には、出合い検出
センサ160を針板52に磁力により着脱可能に取付け
る為のリング状のマグネット163が接着固定されてい
る。更に、その電極161の上端部に接続された接続線
Lは、釜軸制御装置150に接続されている。そして、
この接続線Lの電位は、図示外のプルアップ抵抗を介し
て常に5Vに設定されており、この出合い検出センサ1
60からは常に「H」レベルの検出信号が出力されてい
るが、釜軸60が出合い位置まで回転して、接地されて
いる剣先59bがこの電極161に当接したときには、
出合い検出センサ160からは「L」レベルの検出信号
を出力するようになっている。
【0075】次に、このように、出合い検出センサ16
0が針孔52aに装着されてから、出合い位置設定キー
の操作により実行される出合い位置自動設定制御のルー
チンについて、図31のフローチャートに基づいて説明
する。この制御が開始されたときには、S150 〜S154
が、前述したS130 〜S134と同様に制御された後、釜
駆動モータ58の駆動パルス数をカウントするカウンタ
のカウント値Iがクリアされる(S155 )。次に、出合
い検出センサ160からは「L」レベルの検出信号が入
力されるまで、釜駆動モータ58を1パルス駆動する毎
にカウント値Iが1つずつインクリメントされるととも
に(S156 、S157 、S158 :No)、そのカウント値I
が剣先59bと縫針22との衝突を防止する為の所定値
Q以下か否か判定される(S161 )。
【0076】そして、図30に示すように、剣先59b
が縫針22に当接して、「L」レベルの検出信号が入力
されたときには(S158 :Yes )、そのカウント値Iに
基づいて、釜軸60の初期設定位置からこの出合い位置
までの出合い角度αが出合い設定値としてRAM153
に更新して記憶され(S159 )、釜軸60が元の同期位
置である初期設定位置まで戻され(S160 )、この制御
を終了して、釜軸駆動制御にリターンする。そして、前
述したように、この出合い角度αに基づいて求められた
駆動開始タイミングから釜軸60が駆動される。ところ
で、そのカウント値Iが所定値Qよりも大きくなったと
きには(S161 :No)、エラー表示されるとともに、エ
ラー解除処理が実行される(S162 、S163 )。
【0077】以上の多頭刺繍ミシンMにおいて、全回転
釜59の出合い位置補正の作用について説明する。先
ず、操作パネル18の手動操作により出合い位置を設定
する場合には、「+」キー或いは「−」キーを操作する
ことにより、釜駆動モータ58がステップ送りにより正
転駆動或いは逆転駆動されて、剣先59bの出合い位置
が目視により設定され、釜駆動モータ58の駆動パルス
数に対応するカウント値Iに基づいて、釜軸60の初期
設定位置からこの出合い位置までの出合い角度αを求め
ておく。そして、縫製開始時に、主軸基準位置と釜軸初
期設定位置(基準位置)との位相差である基準位相差に
対する出合い角度αに応じて、駆動開始タイミングが、
演算式「198°−α」で求められ、主軸17の回転位
置がその回転駆動タイミングとなったときに釜駆動モー
タ58の駆動が開始されて、釜軸60が回転される。
【0078】このように、操作パネル18を手動操作し
て、釜駆動モータ58のステップ送りにより、釜軸60
の初期設定位置からこの出合い位置までの出合い角度α
を求めておき、縫製開始時に、主軸基準位置と釜軸初期
設定位置(基準位置)との位相差である基準位相差に対
する出合い角度αに応じて、駆動開始タイミングが演算
式「198°−α」で求められ、主軸17の基準位置か
らの回転開始タイミングに対する相対的な釜軸60の駆
動開始タイミングが補正されるので、剣先59bの縫針
22に出合う出合い位置を目視により微調整でき、出合
い位置を精度よく補正できる上、全回転釜59の出合い
位置設定に加えて、縫い調子を加工布Wに応じて変更す
るときの出合い位置変更の操作性を高めることができ
る。
【0079】一方、出合い検出センサ160を針孔52
aに装着して、釜駆動モータ58を駆動しながら、全回
転釜59の出合い位置を自動的に設定する場合にも、手
動操作と同様に、釜駆動モータ58の駆動パルス数に対
応するカウント値Iに基づいて出合い角度αが求めら
れ、縫製開始時に、この出合い角度αに応じた駆動開始
タイミングで釜軸60が駆動されるので、出合い位置設
定を自動化することができる。
【0080】尚、出合い検出センサ160を、近接スイ
ッチやフォトインタラプタなどの各種の検知素子を針板
52の下側に常に装着するように構成したり、出合い位
置設定を自動的に設定した後に、手動操作を介してその
出合い位置を微調整可能に構成する等、前記実施形態に
関し、既存の技術や当業者に自明の技術に基づいて種々
の変更を加えることもあり得る。また、1台の刺繍ミシ
ンを備え、糸輪捕捉用釜をミシンモータ110とは独立
に駆動するようにした各種のミシンに本発明を適用し得
ることは勿論である。更に、ミシンモータ110にステ
ッピングモータを適応したり、釜駆動モータ58にAC
サーボモータを適応したり、各種のモータを必要に応じ
て採用できる。
【0081】
【発明の効果】請求項1のミシンにおいては、ミシンモ
ータで駆動される縫針と、糸輪捕捉用釜と、糸輪捕捉用
釜を独立に駆動する釜駆動モータとを備えたミシンに、
更に出合い位置設定手段と、設定値演算手段と、釜駆動
タイミング補正手段とを設け、釜軸の出合い位置までの
出合い角度を釜軸基準位置を基準として求めておき、縫
製開始に伴って回転が開始される主軸の基準位置からの
回転開始タイミングに対して、釜軸の駆動開始タイミン
グが、出合い角度に基づいて、つまり糸輪捕捉用釜の剣
先が縫針と出合うべき出合い位置になるタイミングに補
正されて主軸に同期して回転駆動されることから、糸輪
捕捉用釜の取付けビスを緩めることなく、しかも針隙を
変更せずに、糸輪捕捉用釜の出合い位置設定の操作性を
高めることができる。更に、釜に手を触れないで調整が
可能となり、安全性を高めることができる。
【0082】請求項2のミシンにおいては、請求項1と
同様の効果を奏するが、操作盤を手動操作して釜駆動モ
ータを正回転方向に或いは逆回転方向にステップ送りす
ることで、糸輪捕捉用釜の剣先の縫針に出合う出合い位
置を目視により微調整でき、糸輪捕捉用釜の出合い位置
設定に加えて、出合い位置変更の操作性を高めることが
できる。
【0083】請求項3のミシンにおいては、請求項1と
同様の効果を奏するが、出合い検出センサを針板の針孔
に設け、釜駆動モータを回転させることで剣先がこの出
合い検出センサに当接したときに、出合い検出センサか
ら出力される検出信号に基づいて出合い位置を初期設定
でき、出合い位置設定を自動化することができる。請求
項4のミシンにおいては、請求項1〜請求項3の何れか
1項と同様の効果を奏するが、釜軸の駆動開始タイミン
グを、主軸基準位置と釜軸基準位置の位相差である基準
位相差に対する出合い角度に応じて、簡単な演算により
精度良く補正することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】多頭型刺繍ミシンの斜視図である。
【図2】針棒ジャンプ機構を含む針棒上下動機構の概略
斜視図である。
【図3】作業用テーブル及びベッドユニットを示す要部
平面図である。
【図4】釜モジュールを設けたベッドユニットの部分平
面図である。
【図5】釜モジュールを設けたベッドユニットの部分縦
断側面図である。
【図6】ベッドユニットの先端部の部分拡大平面図であ
る。
【図7】糸切り駆動機構の拡大平面図である。
【図8】多頭型刺繍ミシンの制御系のブロック図であ
る。
【図9】釜軸駆動制御のルーチンの概略フローチャート
である。
【図10】主軸・釜軸初期設定処理制御のルーチンの概
略フローチャートである。
【図11】上糸引き込み処理制御のルーチンの概略フロ
ーチャートである。
【図12】釜軸同期駆動処理制御のルーチンの概略フロ
ーチャートである。
【図13】縫製処理制御のルーチンの概略フローチャー
トである。
【図14】縫い終り上糸残量確保処理制御のルーチンの
概略フローチャートである。
【図15】異常処理制御のルーチンの概略フローチャー
トである。
【図16】糸切り制御のルーチンの概略フローチャート
である。
【図17】切断処理制御のルーチンの概略フローチャー
トである。
【図18】N針分の刺繍データの縫製に関して出力され
る各種の信号のタイムチャートである。
【図19】針棒と天秤の運動曲線と釜糸糸量曲線と全回
転釜の回転位置とを主軸の回転位置に対応して示す説明
図である。
【図20】縫い開始時における主軸の回転に対する釜軸
回転速度を示す線図である。
【図21】主軸が約「280°」のときに一時停止され
た全回転釜の正面図である。
【図22】糸切り時における主軸の回転に対する釜軸回
転速度を示す線図である。
【図23】主軸が約「300°」のときに一時停止され
た全回転釜の正面図である。
【図24】主軸の回転に対する糸切りモータの駆動パル
ス数を示す線図である。
【図25】可動刃が最大回動位置に往動して上下両糸と
係合可能な図6相当図である。
【図26】可動刃が待機位置に復動して上下両糸を切断
した図6相当図である。
【図27】出合い位置手動設定制御のルーチンの概略フ
ローチャートである。
【図28】出合い角度に基づいて釜軸の駆動開始タイミ
ングを補正する説明図である。
【図29】出合い検出センサを設けた図8相当図であ
る。
【図30】出合い検出センサの要部縦断正面図でる。
【図31】出合い位置自動設定制御のルーチンの概略フ
ローチャートである。
【符号の説明】
M 多頭型刺繍ミシン 17 ミシン主軸 18 操作パネル 21 針棒 22 縫針 52 針板 52a 針穴 55 釜モジュール 58 釜駆動モータ 59 全回転釜 59b 剣先 60 釜軸 110 ミシンモータ 113 主軸原点センサ 150 釜軸制御装置 155 釜軸原点センサ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ミシンモータで主軸を介して駆動される
    縫針と、縫針と協働して糸輪を捕捉する糸輪捕捉用釜
    と、糸輪捕捉用釜をミシンモータとは独立に主軸に同期
    して回転駆動する釜駆動モータとを備えたミシンにおい
    て、 前記釜駆動モータを駆動して釜軸を所定の釜軸基準位置
    から回転させることにより、糸輪捕捉用釜の剣先が縫針
    と出合う出合い位置を初期設定する出合い位置設定手段
    と、 前記出合い位置設定手段で初期設定された釜軸の出合い
    位置までの出合い角度を釜軸基準位置を基準として求め
    る設定値演算手段と、 縫製開始時に、前記設定値演算手段で求められた出合い
    角度に基づいて、主軸の基準位置からの回転開始タイミ
    ングに対する相対的な釜軸の駆動開始タイミングを補正
    する釜駆動タイミング補正手段と、 を備えたことを特徴とするミシン。
  2. 【請求項2】 前記出合い位置設定手段は、操作盤を手
    動操作して釜駆動モータをステップ送りして、目視によ
    り出合い位置を設定するように構成されたことを特徴と
    する請求項1に記載のミシン。
  3. 【請求項3】 前記出合い位置設定手段は、針板の針孔
    に出合い検出センサを設け、出合い検出センサからの検
    出信号に基づいて出合い位置を初期設定するように構成
    されたことを特徴とする請求項1に記載のミシン。
  4. 【請求項4】 前記釜駆動タイミング補正手段は、主軸
    基準位置と釜軸基準位置の位相差である基準位相差に対
    する出合い角度に応じて釜軸の駆動開始タイミングを補
    正することを特徴とする請求項1〜請求項3の何れか1
    項に記載のミシン。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107558022A (zh) * 2016-06-30 2018-01-09 兄弟工业株式会社 下轴单元和缝制装置
CN117737926A (zh) * 2024-01-04 2024-03-22 曾定强 缝纫机及缝纫机的控制方法

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CN107558022A (zh) * 2016-06-30 2018-01-09 兄弟工业株式会社 下轴单元和缝制装置
CN107558022B (zh) * 2016-06-30 2020-07-17 兄弟工业株式会社 下轴单元和缝制装置
CN117737926A (zh) * 2024-01-04 2024-03-22 曾定强 缝纫机及缝纫机的控制方法

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