JPH09253665A - 石炭の熱水処理排水の処理方法 - Google Patents

石炭の熱水処理排水の処理方法

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JPH09253665A
JPH09253665A JP7191396A JP7191396A JPH09253665A JP H09253665 A JPH09253665 A JP H09253665A JP 7191396 A JP7191396 A JP 7191396A JP 7191396 A JP7191396 A JP 7191396A JP H09253665 A JPH09253665 A JP H09253665A
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wastewater
coal
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treatment
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JP7191396A
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Inventor
Eiichiro Makino
英一郎 牧野
Noriyuki Okuyama
憲幸 奥山
Yoichi Kageyama
陽一 蔭山
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Nippon Brown Coal Liquefaction Co Ltd
Original Assignee
Nippon Brown Coal Liquefaction Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 石炭の熱水処理排水中の汚染物質量を簡単に
軽減し得、ひいては、活性汚泥処理法等の排水処理技術
による排水処理の際の排水処理負荷を軽減し得、その結
果、この排水処理のための排水処理設備の規模が小さく
てよく、又、動力の軽減が図れる石炭の熱水処理排水の
処理方法を提供する。 【解決手段】 石炭の熱水処理排水のpHをアルカリ性
(例えばpH9〜12)に調整した後、この排水中に酸素
含有ガス(空気等)を吹き込み該排水中に含まれるオレ
フィン類の酸化重合を促進させ、しかる後、この排水の
pHを酸性(例えばpH1〜4)に調整して該排水中の
オレフィン類の酸化重合物を強制的に沈殿させ、分離し
て除去することを特徴とする石炭の熱水処理排水の処理
方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、石炭の熱水処理排
水の処理方法に関し、詳細には、石炭と水との混合体を
高温・高圧にして高温・高圧下の熱水により石炭を改質
する石炭の熱水処理をした後の混合体から改質された石
炭を分離した後に残る排水である石炭の熱水処理排水の
中の汚染物質量を軽減させる石炭の熱水処理排水の処理
方法に関する技術分野に属するものである。
【0002】
【従来の技術】低品位炭(褐炭、亜瀝青炭)は、低硫黄
分、低灰分、高揮発分である等、燃料としての利点を有
しているが、高水分、高酸素含有且つ高自然発火性であ
るという欠点があり、それに起因して輸送上の経済性が
悪く、又、危険性が高く、そのため、山元周辺での利用
に留まっている。又、資源量が豊富で露天掘りが可能な
ものは、液化やガス化の原料に適するものの、脱水が課
題となっている。
【0003】上記低品位炭の欠点である高水分、高酸素
含有且つ高自然発火性は、主に、化学的にはカルボキシ
ル基等の如く酸素を含有する活性官能基が多いこと、
又、物理的には細孔構造が発達していることに起因して
いる。従って、低品位炭の活性官能基を分解・除去し、
更に、細孔構造を潰すこと(収縮による圧縮、自生ワッ
クスやタール分による閉塞等)により、脱水が促進さ
れ、水の再吸着が防止され、ひいては自然発火が抑制さ
れ、より高品位炭である瀝青炭の性質(即ち、低水分、
低酸素分、高発熱量、高濃度スラリー調整可能)に近づ
けることができる一方、石炭液化反応において炭酸塩ス
ケール生成の原因物質となる有機性のアルカリ金属及び
アルカリ土類金属を無機性の金属に転換することがで
き、その結果、低品位炭が改質される。
【0004】かかる低品位炭の改質の方法の一つに熱水
処理方法がある。この熱水処理方法は、石炭を高温・高
圧下の水(熱水)で処理することにより石炭中の水分を
非蒸発で効率的に除去する一方、石炭表面の親水基であ
るカルボキシル基等を分解し、又、石炭の細孔を石炭中
の揮発分で閉塞させ、それにより石炭中に水分が可逆的
に戻ることを防止する特徴を有する方法である。即ち、
熱水処理方法は、石炭と水との混合体を高温・高圧にし
て高温・高圧下の熱水により石炭を改質する方法であ
る。
【0005】上記熱水処理方法は、石炭を水スラリーと
して連続的に処理することができるが、熱水処理後のも
のは改質炭及び水とが共存する水スラリーであるため、
熱水処理後は改質炭の分離が必要となる。この改質炭分
離後の水(排水)は、石炭の熱水処理の際の分解により
生成した可溶性の有機物で汚染されていることが知られ
ており、その排水の汚染の程度は熱水処理条件と熱水処
理された炭種により異なるが、石炭濃度:約25%の水ス
ラリーを300 ℃で熱水処理した場合の排水のCOD(化
学的酸素要求量)は1900〜9300ppm であるとの報告があ
る。尚、一般的に排水は最終的に自然界に放出されるた
め、地球環境の保護を目的として定められた環境基準を
満たす必要がある。従って、上記改質炭分離後の排水中
の汚染物質を除去或いは汚染物質量を軽減する処理(排
水処理)が必要である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、一般的に石
炭は多量に利用されることにより経済性を発現するエネ
ルギー源であることから熱水処理に際しては多量に処理
されることになり、そのため、上記石炭の熱水処理後の
改質炭分離後の排水(以下、石炭の熱水処理排水とい
う)の場合は、排水量が極めて多く、しかも比較的高濃
度で水溶性有機物を含んでいるため、従来の一般の排水
処理技術を適用して排水処理をするのでは、大規模の排
水処理設備及び動力が必要となり、排水処理コストが極
めて高くなるという問題点がある。これは、石炭を改質
する熱水処理技術の実用化及び商業化に際して不利であ
り、大きな問題点となる。
【0007】即ち、生活排水、食品工業で発生する排
水、コークス炉で発生する排水等の如き一般の有機性排
水(有機物を含む排水)を対象とした排水処理方法とし
ては、物理化学的処理法と生物学的処理法とがあり、こ
の生物学的処理法は物理化学的処理法に比べてランニン
グコストが低く、汚染物質の除去率が高い。この生物学
的処理法の一つに活性汚泥処理法があり、この活性汚泥
処理法は排水の汚染度を示すCODが数百ppm 程度の排
水を多量に処理する場合に適しており、コークス炉で発
生する有機性排水である安水(COD:5000〜8000ppm
)の排水処理等に利用されている。この場合、排水は
予め工業用水等で希釈してCODを1000ppm以下にし、
しかる後に活性汚泥処理される。
【0008】上記一般の有機性排水の場合に対し、石炭
の熱水処理排水の場合は、排水処理量が極めて多い。例
えば、豪州ビクトリア褐炭の水分は60〜65%であり、熱
水処理により無水ベースで年間100 万トンの改質炭(脱
水炭)を得る場合、石炭の熱水処理排水(熱水処理・改
質炭分離後の有機性排水)は年間約200 万トン(6000ト
ン/日)発生する。又、10万バーレル/日の石炭液化商
業プラントには無水ベースで年間1000万トンの脱水炭が
必要であるので、石炭の熱水処理排水は年間約2000万ト
ン(60000 トン/日)発生することになる。しかも、石
炭の熱水処理排水には比較的高濃度で水溶性有機物を含
んでいる。
【0009】そのため、石炭の熱水処理排水の場合、前
記従来の一般の有機性排水処理技術の中でも多量排水処
理に適した活性汚泥処理法を適用したとしても、大規模
の排水処理設備及び動力が必要となり、又、余剰の汚泥
処理(活性汚泥が有機物を取り込み増殖して余分となっ
た活性汚泥部分の除去と廃棄処理)が必要となり、ひい
ては排水処理コストが極めて高くなるという問題点があ
る。
【0010】ここで、石炭の熱水処理排水について、活
性汚泥処理法等の排水処理技術により排水処理する前
に、低コストの簡単な方法により汚染物質量を軽減する
ことができれば、活性汚泥処理法等の排水処理技術によ
る排水処理の際に排水処理量は減らなくても排水処理負
荷が軽減されるので、大規模の排水処理設備及び動力並
びに余剰の汚泥処理が必要でなくなり、ひいては排水処
理コストの総計を低減することができる。
【0011】本発明はこの様な事情に着目してなされた
ものであって、その目的は、石炭の熱水処理排水中の汚
染物質量を簡単に軽減し得、ひいては、活性汚泥処理法
等の排水処理技術による排水処理の際の排水処理負荷を
軽減し得、その結果、この排水処理のための排水処理設
備の規模が小さくてよく、又、動力の軽減が図れ、更
に、余剰汚泥の処理の量が低減し、それに伴って発生す
る産業廃棄物(増殖した活性汚泥の廃棄)の量を大幅に
削減し得る石炭の熱水処理排水の処理方法を提供しよう
とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係る石炭の熱水処理排水の処理方法は、請
求項1〜7記載の石炭の熱水処理排水の処理方法として
おり、それは次のような構成としたものである。
【0013】請求項1記載の石炭の熱水処理排水の処理
方法は、石炭と水との混合体を高温・高圧にして高温・
高圧下の熱水により石炭を改質する石炭の熱水処理をし
た後の混合体から改質された石炭を分離した後に残る排
水である石炭の熱水処理排水の中の汚染物質量を軽減さ
せる石炭の熱水処理排水の処理方法であって、前記石炭
の熱水処理排水のpHをアルカリ性に調整した後、この
排水中に酸素含有ガスを吹き込み該排水中に含まれるオ
レフィン類の酸化重合を促進させ、しかる後、この排水
のpHを酸性に調整して該排水中のオレフィン類の酸化
重合物を強制的に沈殿させ、分離して除去することを特
徴とする石炭の熱水処理排水の処理方法である(第1発
明)。
【0014】請求項2記載の石炭の熱水処理排水の処理
方法は、前記酸素含有ガスが空気である請求項1記載の
石炭の熱水処理排水の処理方法(第2発明)。請求項3
記載の石炭の熱水処理排水の処理方法は、前記アルカリ
性に調整された排水のpHが9〜12である請求項1又は
2記載の石炭の熱水処理排水の処理方法である(第3発
明)。請求項4記載の石炭の熱水処理排水の処理方法
は、前記酸性に調整された排水のpHが1〜4である請
求項1、2又は3記載の石炭の熱水処理排水の処理方法
である(第4発明)。請求項5記載の石炭の熱水処理排
水の処理方法は、前記石炭が低品位炭である褐炭又は亜
瀝青炭である請求項1、2、3又は4記載の石炭の熱水
処理排水の処理方法である(第5発明)。請求項6記載
の石炭の熱水処理排水の処理方法は、前記排水中に含ま
れるオレフィン類がフェノール類又はトリメチルシクロ
ペンテノンである請求項1、2、3、4又は5記載の石
炭の熱水処理排水の処理方法である(第6発明)。請求
項7記載の石炭の熱水処理排水の処理方法は、前記フェ
ノール類がフェノール、エチルフェノール、メトキシカ
テコール、カテコール、ジヒドロキシトルエンの一種又
は二種以上である請求項6記載の石炭の熱水処理排水の
処理方法である(第7発明)。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明は石炭の熱水処理排水の処
理方法に係わり、次のようにして実施する。褐炭等の石
炭の熱水処理排水(即ち、褐炭等の石炭と水との混合体
を高温・高圧にして高温・高圧下の熱水により石炭を改
質する石炭の熱水処理をした後の混合体から改質された
石炭を分離した後に残る排水)に対し、先ず、アルカリ
を添加して該排水のpHをアルカリ性に調整する。次
に、このアルカリ性の排水中に空気等の酸素含有ガスを
吹き込む。そうすると、該排水中に含まれているオレフ
ィン類の酸化重合が促進され、オレフィン類の酸化重合
物が生成する(但し、この段階での重合物は溶解状態で
ある)。しかる後、この排水のpHを酸性に調整する。
そうすると、該排水中のオレフィン類の酸化重合物を強
制的に沈殿させることができる。そして、濾過法等の固
液分離方法により固液分離操作をし、或いは沈殿部分を
酸化重合物濃縮液として抜き出すことにより、前記沈殿
物であるオレフィン類の酸化重合物を排水から分離し除
去する。
【0016】以上の操作により、褐炭等の石炭の熱水処
理排水はオレフィン類の極めて少ない排水となる。即
ち、褐炭等の石炭の熱水処理排水は、前記の如く熱水処
理の際の分解により生成した可溶性の有機物が汚染物質
として含まれているが、その中にはオレフィン類が含ま
れている。このオレフィン類の大部分が、以上の操作に
より最終的にオレフィン類の酸化重合物の沈殿物となっ
て排水から分離され除去されるので、オレフィン類の極
めて少ない排水となる。従って、石炭の熱水処理排水中
の汚染物質量を軽減し得ることになる。
【0017】かかる本発明の実施の形態からもわかる如
く、本発明に係る石炭の熱水処理排水の処理方法によれ
ば、石炭の熱水処理排水をオレフィン類の極めて少ない
排水にすることができ、それ故に石炭の熱水処理排水中
の汚染物質量を軽減し得る。又、この方法は簡単に行い
得る。従って、本発明に係る石炭の熱水処理排水の処理
方法によれば、石炭の熱水処理排水中の汚染物質量を簡
単に軽減し得、ひいては、活性汚泥処理法等の排水処理
技術による排水処理の際の排水処理負荷を軽減し得、そ
の結果、この排水処理のための排水処理設備の規模が小
さくてよく、又、動力の軽減が図れるようになり、更
に、余剰汚泥の処理にともなう産業廃棄物の量の低減が
図れるようになる。
【0018】この詳細を以下説明する。本発明者らは、
主に褐炭等の炭化度の低い石炭の熱水処理排水について
の排水処理方法を探索すべく、鋭意研究を行っていたと
ころ、石炭の熱水処理排水には熱水処理の際の分解によ
り生成した可溶性の有機物が汚染物質として含まれてい
るが、その中にはオレフィン類が比較的多く含まれてい
ることがわかり、従って、このオレフィン類を石炭の熱
水処理排水から除去すれば、石炭の熱水処理排水中の汚
染物質量を大幅に軽減し得るはずであるということがわ
かった。
【0019】そこで、石炭の熱水処理排水中のオレフィ
ン類の除去方法について研究を重ねた。その結果、石炭
の熱水処理排水をアルカリ性に調整した後、この排水に
酸素含有ガス(空気や酸素等)を吹き込むと、該排水中
のオレフィン類に認められる水酸基やカルボニル基が活
性化され、オレフィン類の酸化重合が促進され、オレフ
ィン類の酸化重合物(溶解状態)が生成するということ
がわかった。そして、この排水のpHを酸性に調整する
と、該排水中のオレフィン類の酸化重合物を強制的に沈
殿させ、分離除去し得ることがわかった。即ち、石炭の
熱水処理排水は酸性であり、この酸性の状態の石炭の熱
水処理排水に酸素含有ガスを吹き込んでも、酸性下では
該排水中のオレフィン類に認められる水酸基やカルボニ
ル基は活性化されないため、オレフィン類の酸化重合が
促進されず、ひいてはオレフィン類の酸化重合物の沈殿
分離除去をすることができないが、これに対し、石炭の
熱水処理排水をアルカリ性に調整した後に酸素含有ガス
を吹き込むと、該排水中のオレフィン類に認められる水
酸基やカルボニル基が活性化されるため、オレフィン類
の酸化重合が促進され、ひいてはこの排水のpHを酸性
に調整することによりオレフィン類の酸化重合物の沈殿
分離除去をすることができることがわかった。尚、上記
のオレフィン類に認められる水酸基の活性化とは、オレ
フィン類がフェノール類等の如く水酸基を有するもので
ある場合における該水酸基の活性化のことであり、オレ
フィン類のカルボニル基の活性化とは、オレフィン類が
トリメチルシクロペンテノン等の如くカルボニル基を有
するものである場合における該二重結合の活性化のこと
である。
【0020】本発明は、かかる知見に基づきなされたも
のである。即ち、本発明に係る石炭の熱水処理排水の処
理方法(第1発明)は、前記の如く、石炭の熱水処理排
水のpHをアルカリ性に調整した後、この排水中に酸素
含有ガスを吹き込み該排水中に含まれるオレフィン類の
酸化重合を促進させ、しかる後、この排水のpHを酸性
に調整して該排水中のオレフィン類の酸化重合物を強制
的に沈殿させ、分離して除去するようにしている。故
に、石炭の熱水処理排水中のオレフィン類の大部分をオ
レフィン類の酸化重合物の沈殿物として排水から分離除
去し得る。その結果、石炭の熱水処理排水はオレフィン
類の極めて少ない排水となり、石炭の熱水処理排水中の
汚染物質量を軽減し得る。
【0021】又、本発明に係る石炭の熱水処理排水の処
理方法は、前記の如きプロセスによるものであるので、
簡単に行い得る。即ち、本発明に係る石炭の熱水処理排
水の処理方法は、石炭の熱水処理排水をアルカリ性に調
整する操作、該排水中に酸素含有ガスを吹き込む操作、
該排水のpHを酸性に調整する操作を順次遂行するもの
であり、この各操作はいずれも簡単な操作であり、しか
も複雑で大規模の処理設備及び大きな動力を要すること
なく行い得るので、全プロセスを簡単に遂行し得る。
【0022】更に、前記分離除去した沈殿物(オレフィ
ン類の酸化重合物)は、焼却処分することによりエネル
ギーの回収が可能である。又、石炭液化の原料の石炭と
して改質炭を使用する場合には、前記沈殿物を石炭液化
原料として利用することができる。
【0023】従って、本発明に係る石炭の熱水処理排水
の処理方法によれば、石炭の熱水処理排水中の汚染物質
量を簡単に軽減し得、ひいては、活性汚泥処理法等の排
水処理技術による排水処理の際の排水処理負荷を軽減し
得、その結果、この排水処理のための排水処理設備の規
模が小さくてよく、又、動力の軽減が図れるようにな
る。更に、余剰汚泥処理にともなう産業廃棄物の量の低
減が図れるようになる。
【0024】前記アルカリ性に調整後の排水のpHにつ
いては、9〜12にすることが望ましい(第3発明)。即
ち、この排水のpHが7超9未満の場合、排水への空気
の吹き込みの際の排水中のオレフィン類に認められる水
酸基やカルボニル基の活性化の程度が小さくなるために
オレフィン類の酸化重合の促進の度合いが小さくなり、
ひいては石炭の熱水処理排水中の汚染物質量の軽減の程
度が小さくなり、それを改善し向上させるにはオレフィ
ン類の酸化重合に必要な酸素含有ガスの吹き込み量及び
/又は吹き込み時間が増大する傾向にある。これに対
し、pHが9以上の場合はオレフィン類の酸化重合の促
進の度合いが大きく、その促進度合いはpH値の増大に
伴って大きくなるが、pHが12超の場合はpHの増大の
割りにはオレフィン類酸化重合の促進度合いの増大が小
さく、アルカリ性に調整するために添加するアルカリの
添加効率が悪くなる他、空気吹き込み後の排水のpHを
酸性に調整する工程において必要な酸の添加量が著しく
増大する傾向にある。かかる点から前記アルカリ性に調
整後の排水のpHは9〜12にすることが望ましく、更に
は、pH9〜11にすることが望ましい。
【0025】前記酸性に調整後の排水のpHについて
は、1〜4にすることが望ましい(第4発明)。即ち、
この排水のpHが4超7未満の場合、排水中のオレフィ
ン類の酸化重合物の沈殿が生じ難くなり、ひいては石炭
の熱水処理排水中の汚染物質量の軽減の程度が小さくな
る傾向にある。これに対し、pHが4以下の場合はオレ
フィン類の酸化重合物の沈殿の度合いが大きく、その沈
殿度合いはpH値が小さくなるほど大きくなるが、pH
が1未満の場合はpHを小さくする割りには沈殿度合い
の増大が小さく、酸性に調整するために添加する酸の添
加効率が悪くなる傾向にある。かかる点から前記酸性に
調整後の排水のpHは1〜4にすることが望ましく、更
には、pH1〜3にすることが望ましい。
【0026】本発明において、処理対象である石炭の熱
水処理排水の種類は限定されず、本発明は種々の石炭の
熱水処理排水の処理に適用することができるが、本発明
によれば前記の如く石炭の熱水処理排水中に汚染物質と
して比較的多く含まれるオレフィン類の大部分を除去す
ることができるので、本発明は特にオレフィン類の含有
量の多い石炭の熱水処理排水の処理に有効であり、好適
に用いることができる。かかるオレフィン類の含有量の
多い石炭の熱水処理排水としては、低品位炭である褐炭
又は亜瀝青炭の熱水処理排水(褐炭又は亜瀝青炭を熱水
処理をした後の混合体から改質された石炭を分離した後
に残る排水)があり、本発明はこれら排水の処理に好適
に用いることができる(第5発明)。
【0027】前記石炭の熱水処理排水中に含まれるオレ
フィン類としては、例えばフェノール類又はトリメチル
シクロペンテノンがあり、前者は前記排水への空気の吹
き込み工程において水酸基が活性化され、その酸化重合
が促進され、後者は前記排水への空気の吹き込み工程に
おいてカルボニル基が活性化され、その酸化重合が促進
される(第6発明)。前者のフェノール類としては、例
えば、フェノール、エチルフェノール、メトキシカテコ
ール、カテコール、ジヒドロキシトルエンがあり、これ
らは各々単独で或いは二種以上が混在して熱水処理排水
中に含まれており、いずれの場合も本発明は好適に用い
ることができる(第7発明)。
【0028】尚、本発明において、酸素含有ガスとは酸
素を含有するガス(気体)のことであり、この酸素含有
ガスとしては種類は限定されず、例えば空気、酸素、不
活性ガスと酸素との混合ガス等を使用することができる
が、中でも空気は取り扱い性がよく且つ経済性に優れて
おり、又、排水中のオレフィン類の酸化重合を充分に促
進させことができることから、空気を使用することが望
ましい(第2発明)。空気以外のものでは、酸素の含有
量の多いものほど排水中のオレフィン類の酸化重合をよ
り促進させことができる点ではよいが、取り扱い性が悪
くなり、又、ガス配合等の調整が必要であるという短所
がある。
【0029】本発明に係る石炭の熱水処理排水の処理方
法を適用した場合、石炭の熱水処理排水中の汚染物質量
の軽減の程度は、石炭の熱水処理排水の種類、アルカリ
性に調整後の排水のpH、空気の吹き込み量及び時間、
酸性に調整後の排水のpH等の条件によって異なるが、
下記条件の場合は汚染物質量を約半分に軽減することが
できる。即ち、低石炭化度炭であるビクトリア褐炭の熱
水処理排水のpHを10に調整した後、この排水中に空気
を排水1リットル(以下、リットルをLと表示する)に
対し1L/min で48時間連続して吹き込み、しかる後、
この排水のpHを2に調整して該排水中のオレフィン類
の酸化重合物を沈殿させ、これを分離して除去した場
合、CODで示される汚染度を約半分に軽減することが
できる。又、インドネシアバンコ褐炭の熱水処理排水に
ついて、空気の吹き込み量を0.25L/min とした点を除
き上記と同様の処理をした場合も、CODで示される汚
染度を約半分に軽減することができる。
【0030】
【実施例】
(実施例1) 平均粒径:0.25mm以下に粉砕されたヤルーン褐炭10kgに
蒸留水を10kg加えてなる混合体を40L(リットル)のオ
ートクレーブを用いて320 ℃にし、その高温(320 ℃)
・高圧下で30分間保持する石炭の熱水処理をした後、改
質された石炭を水(排水)と分離した。
【0031】上記排水(即ち石炭の熱水処理排水)に対
し、20vol%NaOH水溶液を添加して該排水のpHを10に調
整した後、この排水中に温度:30℃、流量:4L/分で
空気を48時間吹き込み、しかる後、この排水に対して酸
として希塩酸を添加して該排水のpHを2に調整し、次
いで、凝集剤としてタキフロックEC-775(商品名)を0.
25% 含む水溶液を2ml添加してオレフィン類の酸化重合
物を強制的に沈殿させた後、この沈殿物を濾過により分
離除去した。
【0032】上記濾過後の濾液(沈殿物除去後の排水)
中の汚染物質、及び、石炭の熱水処理排水(改質石炭分
離後の排水)中の汚染物質について分析した。その分析
結果を表1に示す。
【0033】(比較例1)上記実施例1と同様の石炭の
熱水処理排水に対し、温度:30℃、流量:4L/分で空
気を48時間吹き込み、次に、この排水に対して上記実施
例1と同様の凝集剤を2ml添加した後、沈殿物を濾過に
より分離除去した。そして、この濾液中の汚染物質につ
いて分析した。その分析結果を表1に示す。
【0034】表1よりわかる如く、比較例1の排水処理
の場合は、処理後の濾液(沈殿物除去後の排水)中のC
OD量は石炭の熱水処理排水中のCOD量と殆ど差がな
く、排水処理前後でCOD量に変化はない。
【0035】これに対し、実施例1の排水処理の場合
は、処理後の濾液(沈殿物除去後の排水)中のCOD量
は石炭の熱水処理排水中のCOD量の約半分であり、排
水処理によりCOD量が大幅に低減している。又、実施
例1の排水処理の場合、排水処理前後で酢酸等のカルボ
ン酸の量に変化はないが、フェノール類及びトリメチル
シクロペンテノンが排水処理により著しく低下してい
る。このように、COD量が排水処理により低減したの
は、オレフィン類の大部分が酸化重合物の沈殿物となっ
て排水から分離され除去されたためである。
【0036】(実施例2) 平均粒径:0.25mm以下に粉砕されたモーウェル褐炭に蒸
留水を加えてなるスラリー濃度:20質量%(無水無灰炭
基準)のスラリー1kgを3Lのオートクレーブを用いて
320 ℃又は300 ℃にし、その高温(320 ℃又は300 ℃)
・高圧下で30分間保持する石炭の熱水処理をした後、改
質石炭を水(石炭の熱水処理排水)と分離した。尚、こ
の熱水処理排水のpHは5であった。
【0037】上記熱水処理排水に対し、1N-NaOH水溶液
を添加して該排水のpHを10に調整した後、この排水中
に温度:30℃、流量:0.5 L/分で空気を48時間吹き込
み、しかる後、この排水に対して1N-HCl を添加して該
排水のpHを5又は2に調整し、次いで、凝集剤として
前記実施例1と同様の凝集剤を0.125%含む水溶液を1ml
添加してオレフィン類の酸化重合物を強制的に沈殿させ
た後、この沈殿物を濾過により分離除去した。
【0038】上記濾過後の濾液(沈殿物除去後の排水)
中の汚染物質について分析した。その分析結果を表2に
示す。なお、実施例2は熱水処理の際の温度(320 ℃又
は300 ℃)及び空気吹き後の調整pH(5又は2)によ
って4種類に分けられ、それらを実施例2A、実施例2B、
実施例2C、実施例2Dとし、表2に区分けして示した。こ
れら実施例2A〜2Dの熱水処理温度及び空気吹き後の調整
pHは下記の通りである。
【0039】 実施例2A --- 熱水処理温度:300
℃、空気吹き後の調整pH5 実施例2B --- 熱水処理温度:300 ℃、空気吹き後
の調整pH2 実施例2C --- 熱水処理温度:320 ℃、空気吹き後
の調整pH5 実施例2D --- 熱水処理温度:320 ℃、空気吹き後
の調整pH2
【0040】表2からわかる如く、空気吹き込み後沈殿
前の時点での排水のpHを5にした場合よりも2にした
場合の方が、処理後の濾液(沈殿物除去後の排水)中の
フェノール類の量が少なく、排水処理によりフェノール
類の量が低減している。
【0041】尚、石炭の熱水処理の際の温度が300 ℃の
場合よりも320 ℃の場合の方が、石炭の熱水処理排水中
のCOD量が多く、熱水処理排水の汚染度が高い。
【0042】(実施例3) 平均粒径:0.25mm以下に粉砕されたインドネシアバンコ
褐炭5.77kgに蒸留水を14.23kg 加えてなるスラリー濃
度:20質量%(無水炭基準)のスラリー20kgを40Lのオ
ートクレーブを用いて320 ℃にし、その高温(320 ℃)
・高圧下で30分間保持する石炭の熱水処理をした後、改
質石炭を水(石炭の熱水処理排水)と分離した。
【0043】上記熱水処理排水に対し、20vol%-NaOH 水
溶液を添加して該排水のpHを10に調整した後、この排
水中に温度:10℃、流量:1L/分で空気を48時間吹き
込み、しかる後、この排水に対して50質量%HCl を75ml
添加して該排水のpHを2に調整し、次いで、前記実施
例1と同様の凝集剤を0.25% 含む水溶液を2ml添加して
オレフィン類の酸化重合物を強制的に沈殿させた後、こ
の沈殿物を濾過により分離除去した。
【0044】上記濾過後の濾液(沈殿物除去後の排水)
中の汚染物質、及び、石炭の熱水処理排水(改質石炭分
離後の排水)中の汚染物質について分析した。その分析
結果を表3に示す。
【0045】(比較例2)上記実施例3と同様の石炭の
熱水処理排水に対し、温度:10℃、流量:1L/分で空
気を48時間吹き込み、次に、この排水に対して上記実施
例3と同様の凝集剤を2ml添加した後、沈殿物を濾過に
より分離除去した。そして、この濾液中の汚染物質につ
いて分析した。その分析結果を表3に示す。
【0046】表3よりわかる如く、比較例2の排水処理
の場合は、処理後の濾液(沈殿物除去後の排水)中のC
OD量は石炭の熱水処理排水中のCOD量の80%程度に
なっており、排水処理前後でCOD量に大きな変化はな
い。
【0047】これに対し、実施例3の排水処理の場合
は、処理後の濾液(沈殿物除去後の排水)中のCOD量
は石炭の熱水処理排水中のCOD量の30%程度となって
おり、排水処理によりCOD量が大幅に低減している。
又、実施例3の排水処理の場合、排水処理前後で酢酸等
のカルボン酸の量に変化はないが、フェノール類が排水
処理により著しく低下している。このように、COD量
が排水処理により低減したのは、オレフィン類の殆どが
酸化重合物の沈殿物となって排水から分離され除去され
たためである。
【0048】
【表1】
【0049】
【表2】
【0050】
【表3】
【0051】
【発明の効果】本発明に係る石炭の熱水処理排水の処理
方法によれば、石炭の熱水処理排水中の汚染物質量を簡
単に軽減し得、ひいては、活性汚泥処理法等の排水処理
技術による排水処理の際の排水処理負荷を軽減し得、そ
の結果、この排水処理のための排水処理設備の規模が小
さくてよく、又、動力の軽減が図れるようになり、更
に、余剰汚泥の処理にともなう産業廃棄物の量の低減が
図れるようになる。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 石炭と水との混合体を高温・高圧にして
    高温・高圧下の熱水により石炭を改質する石炭の熱水処
    理をした後の混合体から改質された石炭を分離した後に
    残る排水である石炭の熱水処理排水の中の汚染物質量を
    軽減させる石炭の熱水処理排水の処理方法であって、前
    記石炭の熱水処理排水のpHをアルカリ性に調整した
    後、この排水中に酸素含有ガスを吹き込み該排水中に含
    まれるオレフィン類の酸化重合を促進させ、しかる後、
    この排水のpHを酸性に調整して該排水中のオレフィン
    類の酸化重合物を強制的に沈殿させ、分離して除去する
    ことを特徴とする石炭の熱水処理排水の処理方法。
  2. 【請求項2】 前記酸素含有ガスが空気である請求項1
    記載の石炭の熱水処理排水の処理方法。
  3. 【請求項3】 前記アルカリ性に調整された排水のpH
    が9〜12である請求項1又は2記載の石炭の熱水処理排
    水の処理方法。
  4. 【請求項4】 前記酸性に調整された排水のpHが1〜
    4である請求項1、2又は3記載の石炭の熱水処理排水
    の処理方法。
  5. 【請求項5】 前記石炭が低品位炭である褐炭又は亜瀝
    青炭である請求項1、2、3又は4記載の石炭の熱水処
    理排水の処理方法。
  6. 【請求項6】 前記排水中に含まれるオレフィン類がフ
    ェノール類又はトリメチルシクロペンテノンである請求
    項1、2、3、4又は5記載の石炭の熱水処理排水の処
    理方法。
  7. 【請求項7】 前記フェノール類がフェノール、エチル
    フェノール、メトキシカテコール、カテコール、ジヒド
    ロキシトルエンの一種又は二種以上である請求項6記載
    の石炭の熱水処理排水の処理方法。
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