JPH09254227A - 熱可塑性樹脂被覆強化繊維束及びその製造方法 - Google Patents
熱可塑性樹脂被覆強化繊維束及びその製造方法Info
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- JPH09254227A JPH09254227A JP8094690A JP9469096A JPH09254227A JP H09254227 A JPH09254227 A JP H09254227A JP 8094690 A JP8094690 A JP 8094690A JP 9469096 A JP9469096 A JP 9469096A JP H09254227 A JPH09254227 A JP H09254227A
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- thermoplastic resin
- reinforcing fiber
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 成形材料としてのフレキシビリテイを有し、
成形品とした場合に優れた機械的特性を与え、深絞り時
のシワの発生のない良好な加工性を有する成形材料の提
供を課題とする。 【解決手段】 熱可塑性樹脂により被覆された強化繊維
束において、該繊維束が間隔をおいて部分的に切断され
ており、且つ、相隣る切断部分の位置が幅方向にずれて
いる強化繊維束、及び該繊維束を用いた織物状の成形材
料。
成形品とした場合に優れた機械的特性を与え、深絞り時
のシワの発生のない良好な加工性を有する成形材料の提
供を課題とする。 【解決手段】 熱可塑性樹脂により被覆された強化繊維
束において、該繊維束が間隔をおいて部分的に切断され
ており、且つ、相隣る切断部分の位置が幅方向にずれて
いる強化繊維束、及び該繊維束を用いた織物状の成形材
料。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は熱可塑性樹脂コンポ
ジットの成形材料に関し、特に成形時の優れた型馴染み
性を有する成形材料を可能とする熱可塑性樹脂被覆強化
繊維束に関する。
ジットの成形材料に関し、特に成形時の優れた型馴染み
性を有する成形材料を可能とする熱可塑性樹脂被覆強化
繊維束に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、マトリックス樹脂として熱硬化性
樹脂を用いたコンポジットが主流であつた。しかし、近
年、成形サイクルの短縮化、リサイクルの容易さ、後加
工が可能であること、作業環境のクリーンさ、耐衝撃性
の向上等の点からマトリックス樹脂として熱可塑性樹脂
を用いたコンポジットが開発されてきており、成形性が
良く、優れた物性を有するコンポジットを可能とする成
形材料の開発が大きな課題となっている。特公昭63−
37694には、直接溶融樹脂を強化繊維に含浸させ、
固化させた成形材料について記載されているが、ここで
は、強化繊維への樹脂の含浸を完全なものにする為に、
樹脂の溶融粘度を低下させると共に、樹脂浴中に設けた
バーを用いてしごくことにより、含浸させる方法が採ら
れている。よって、得られる成形材料は、含浸度が高く
非常に硬いものとなる為、成形時に型に沿い難いという
問題が生じる。
樹脂を用いたコンポジットが主流であつた。しかし、近
年、成形サイクルの短縮化、リサイクルの容易さ、後加
工が可能であること、作業環境のクリーンさ、耐衝撃性
の向上等の点からマトリックス樹脂として熱可塑性樹脂
を用いたコンポジットが開発されてきており、成形性が
良く、優れた物性を有するコンポジットを可能とする成
形材料の開発が大きな課題となっている。特公昭63−
37694には、直接溶融樹脂を強化繊維に含浸させ、
固化させた成形材料について記載されているが、ここで
は、強化繊維への樹脂の含浸を完全なものにする為に、
樹脂の溶融粘度を低下させると共に、樹脂浴中に設けた
バーを用いてしごくことにより、含浸させる方法が採ら
れている。よって、得られる成形材料は、含浸度が高く
非常に硬いものとなる為、成形時に型に沿い難いという
問題が生じる。
【0003】特公平3−35100には、樹脂を溶媒、
溶液又はエマルジョンにして強化繊維に含浸後、溶媒、
分散液を除去した成形材料について記載されている。こ
の場合には、含浸は比較的容易ではあるが、含浸後に溶
媒又は分散液を完全に除去することは困難である。また
含浸度を上げると硬い物となる為、成形時型に馴染み難
いという問題が生じる。特開昭60−209033及び
60−209034には、樹脂を繊維状にし、強化繊維
と混繊した成形材料、特開昭60−28543には、樹
脂繊維と強化繊維を交織した成形材料について記載され
ている。この場合前二者については共に得られた成形材
料はフレキシブルであり、型に沿い易く、取り扱いも容
易であるが複雑な形状、例えば箱型などではシワが発生
する。これらの成形材料全てに共通していることは、強
化繊維として連続繊維を使用している為に、深絞り、複
雑な形状にはシワ等が発生することである。
溶液又はエマルジョンにして強化繊維に含浸後、溶媒、
分散液を除去した成形材料について記載されている。こ
の場合には、含浸は比較的容易ではあるが、含浸後に溶
媒又は分散液を完全に除去することは困難である。また
含浸度を上げると硬い物となる為、成形時型に馴染み難
いという問題が生じる。特開昭60−209033及び
60−209034には、樹脂を繊維状にし、強化繊維
と混繊した成形材料、特開昭60−28543には、樹
脂繊維と強化繊維を交織した成形材料について記載され
ている。この場合前二者については共に得られた成形材
料はフレキシブルであり、型に沿い易く、取り扱いも容
易であるが複雑な形状、例えば箱型などではシワが発生
する。これらの成形材料全てに共通していることは、強
化繊維として連続繊維を使用している為に、深絞り、複
雑な形状にはシワ等が発生することである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、成形材料と
してのフレキシビリティーを有し、成形品とした場合に
優れた機械的特性を与え、深絞りの時のシワの発生のな
い優れた加工性を有する成形材料の開発を目的とする。
してのフレキシビリティーを有し、成形品とした場合に
優れた機械的特性を与え、深絞りの時のシワの発生のな
い優れた加工性を有する成形材料の開発を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記課題の解
決が熱可塑性樹脂により被覆された強化繊維束におい
て、該繊維束が間隔をおいて部分的に切断されており、
且つ、相隣る切断部分の位置が幅方向にずれている熱可
塑性樹脂被覆強化繊維束とすることにより可能であるこ
とを見出だしなされたものである。本発明における強化
繊維束のフィラメント数としては3000〜15000
本の強化繊維束が用いられ、また、強化繊維束の切断部
分の間隔は10〜60mmの範囲にあることが望まし
い。本発明の熱可塑性樹脂被覆強化繊維束を経糸及び緯
糸とし織物とすることにより、より好適な成形材料が得
られる。また、スリーブとすることも可能である。ま
た、前記の熱可塑性樹脂被覆強化繊維束やこれを用いた
織物、スリーブを成形材料とする熱可塑性樹脂コンポジ
ット成形品も本発明の範囲に入る。本発明の強化繊維束
は、熱可塑性樹脂により被覆された強化繊維束をロータ
リーカッターで切断する際に、刃幅を繊維束の幅と同じ
か小さくし、且つ、刃の位置を幅方向にずらし、強化繊
維束を部分的に切断することにより製造することができ
る。
決が熱可塑性樹脂により被覆された強化繊維束におい
て、該繊維束が間隔をおいて部分的に切断されており、
且つ、相隣る切断部分の位置が幅方向にずれている熱可
塑性樹脂被覆強化繊維束とすることにより可能であるこ
とを見出だしなされたものである。本発明における強化
繊維束のフィラメント数としては3000〜15000
本の強化繊維束が用いられ、また、強化繊維束の切断部
分の間隔は10〜60mmの範囲にあることが望まし
い。本発明の熱可塑性樹脂被覆強化繊維束を経糸及び緯
糸とし織物とすることにより、より好適な成形材料が得
られる。また、スリーブとすることも可能である。ま
た、前記の熱可塑性樹脂被覆強化繊維束やこれを用いた
織物、スリーブを成形材料とする熱可塑性樹脂コンポジ
ット成形品も本発明の範囲に入る。本発明の強化繊維束
は、熱可塑性樹脂により被覆された強化繊維束をロータ
リーカッターで切断する際に、刃幅を繊維束の幅と同じ
か小さくし、且つ、刃の位置を幅方向にずらし、強化繊
維束を部分的に切断することにより製造することができ
る。
【0006】
【発明の実施の態様】本発明の成形材料の強化繊維とし
ては、ガラス繊維、炭素繊維等の無機繊維、アラミド繊
維、ポリエチレン繊維等の有機繊維、更にボロン繊維、
アルミナ繊維等の金属繊維があるが、特にこれらに限定
されるものではなく、また、これらの強化繊維を2種以
上併用しても良い。これらの強化繊維を本発明の場合
は、フィラメント数が3000〜15000本、好まし
くは6000〜12000本の繊維束として用いる。ま
た、強化繊維のフィラメント径としては5〜20μm、
好ましくは7〜10μmの範囲のものが用いられる。強
化繊維束への熱可塑性樹脂の被覆方法は、本発明の出願
人が既に出願している特願平7−169247号による
方法が望ましいが、これに限定されるものではない。
ては、ガラス繊維、炭素繊維等の無機繊維、アラミド繊
維、ポリエチレン繊維等の有機繊維、更にボロン繊維、
アルミナ繊維等の金属繊維があるが、特にこれらに限定
されるものではなく、また、これらの強化繊維を2種以
上併用しても良い。これらの強化繊維を本発明の場合
は、フィラメント数が3000〜15000本、好まし
くは6000〜12000本の繊維束として用いる。ま
た、強化繊維のフィラメント径としては5〜20μm、
好ましくは7〜10μmの範囲のものが用いられる。強
化繊維束への熱可塑性樹脂の被覆方法は、本発明の出願
人が既に出願している特願平7−169247号による
方法が望ましいが、これに限定されるものではない。
【0007】この方法は、図3に示すように溶融熱可塑
性樹脂7を円筒上に押し出すダイス4の中心部に強化繊
維束3を通しダイスを出た直後の溶融樹脂7に接触させ
被覆する方法である。無圧状態で被覆できるため、樹脂
が繊維束中に殆ど含浸していないところに特徴がある。
繊維束中に樹脂が含浸していると被覆繊維束が剛性を有
するようになるため、コンポジットの成形材料としては
型に対する型馴染み性が悪くなる。本発明に使用できる
熱可塑性樹脂被覆繊維束としては樹脂の含浸度が、繊維
束を構成するフィラメントの総断面積の50%以下であ
ることが望ましい。樹脂が被覆された繊維束は、空冷、
または水冷されて巻き取られるがローラ間を通る間に偏
平化される。本発明に使用される樹脂被覆繊維束の幅は
3mm以上4〜10mm程度が望ましい。
性樹脂7を円筒上に押し出すダイス4の中心部に強化繊
維束3を通しダイスを出た直後の溶融樹脂7に接触させ
被覆する方法である。無圧状態で被覆できるため、樹脂
が繊維束中に殆ど含浸していないところに特徴がある。
繊維束中に樹脂が含浸していると被覆繊維束が剛性を有
するようになるため、コンポジットの成形材料としては
型に対する型馴染み性が悪くなる。本発明に使用できる
熱可塑性樹脂被覆繊維束としては樹脂の含浸度が、繊維
束を構成するフィラメントの総断面積の50%以下であ
ることが望ましい。樹脂が被覆された繊維束は、空冷、
または水冷されて巻き取られるがローラ間を通る間に偏
平化される。本発明に使用される樹脂被覆繊維束の幅は
3mm以上4〜10mm程度が望ましい。
【0008】本発明の強化繊維束の被覆に用いられる熱
可塑性樹脂としては、ナイロン6、ナイロン12、ナイ
ロン66、芳香族ナイロン等のポリアミド樹脂、ポリエ
チレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等
のポリエステル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン等
のオレフィン系樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹
脂、ポエーテルイミド樹脂、ポリエーテルサルフォン樹
脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリカーボネー
ト樹脂等があげられるが、特にこれに限定されるもので
はなく、また、これら熱可塑性樹脂を2種類以上併用し
て用いても良い。本発明の樹脂被覆強化繊維束におい
て、強化繊維の体積含有率は30〜75%が望ましい。
従って熱可塑性樹脂の体積含有率は75〜30%にな
る。熱可塑性樹脂の体積含有率が30%未満では、均一
なコーティングが困難であると共に、形成された被膜が
薄く、後工程で剥離などのトラブルを生じる恐れがある
ためである。また、逆に熱可塑性樹脂の体積含有率を7
5%より大きくすると、樹脂分が多くなりすぎて、成形
体の機械的強度が不十分となる。
可塑性樹脂としては、ナイロン6、ナイロン12、ナイ
ロン66、芳香族ナイロン等のポリアミド樹脂、ポリエ
チレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等
のポリエステル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン等
のオレフィン系樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹
脂、ポエーテルイミド樹脂、ポリエーテルサルフォン樹
脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリカーボネー
ト樹脂等があげられるが、特にこれに限定されるもので
はなく、また、これら熱可塑性樹脂を2種類以上併用し
て用いても良い。本発明の樹脂被覆強化繊維束におい
て、強化繊維の体積含有率は30〜75%が望ましい。
従って熱可塑性樹脂の体積含有率は75〜30%にな
る。熱可塑性樹脂の体積含有率が30%未満では、均一
なコーティングが困難であると共に、形成された被膜が
薄く、後工程で剥離などのトラブルを生じる恐れがある
ためである。また、逆に熱可塑性樹脂の体積含有率を7
5%より大きくすると、樹脂分が多くなりすぎて、成形
体の機械的強度が不十分となる。
【0009】熱可塑性樹脂被覆強化繊維束は、糸ガイド
を通しプルローラに供給され、ついでロータリーカッタ
ーに供給され部分切断される。ロータリーカッターは、
切断刃が埋め込まれたカッターロールと対向して設置さ
れるゴムロールとから構成される。 切断刃は、幅が5
mm以下のものを用い、ロールの幅方向に位置をずらし
て装着される。図2を用いて説明すると、例えば、樹脂
被覆繊維束の幅を4mmとし、切断刃は4mmのものと
2mmの2種類を用い、カッターロール2上の周方向に
一定間隔をおいて4mm(A)、2mm(B)、4mm
(C)の順に、且つ、これら3枚の刃がロールの幅方向
に0.1〜0.2mm程度重なりながら位置ずれするよ
うに装着される。樹脂被覆繊維束5は切断刃(B)が繊
維束の中央にくるようにカッター部に供給される。最初
に繊維束の一方の端部が切断刃(A)により部分切断さ
れ、次いで繊維束の中央部が切断刃(B)により部分切
断され、その次に繊維束の他端部が切断刃(C)により
部分切断される。従って、切断刃(A)、(B)、
(C)を通る間に繊維束のフィラメントは少なくとも1
回は切断されることになる。切断刃は一定の間隔をおい
て、幅4mmの刃が幅方向で(A)の位置に装着され、
同様に(B)、(C)の位置に装着される。本発明の場
合、(A)から次の(A)までの距離Lが10〜60m
mであることが望ましい。
を通しプルローラに供給され、ついでロータリーカッタ
ーに供給され部分切断される。ロータリーカッターは、
切断刃が埋め込まれたカッターロールと対向して設置さ
れるゴムロールとから構成される。 切断刃は、幅が5
mm以下のものを用い、ロールの幅方向に位置をずらし
て装着される。図2を用いて説明すると、例えば、樹脂
被覆繊維束の幅を4mmとし、切断刃は4mmのものと
2mmの2種類を用い、カッターロール2上の周方向に
一定間隔をおいて4mm(A)、2mm(B)、4mm
(C)の順に、且つ、これら3枚の刃がロールの幅方向
に0.1〜0.2mm程度重なりながら位置ずれするよ
うに装着される。樹脂被覆繊維束5は切断刃(B)が繊
維束の中央にくるようにカッター部に供給される。最初
に繊維束の一方の端部が切断刃(A)により部分切断さ
れ、次いで繊維束の中央部が切断刃(B)により部分切
断され、その次に繊維束の他端部が切断刃(C)により
部分切断される。従って、切断刃(A)、(B)、
(C)を通る間に繊維束のフィラメントは少なくとも1
回は切断されることになる。切断刃は一定の間隔をおい
て、幅4mmの刃が幅方向で(A)の位置に装着され、
同様に(B)、(C)の位置に装着される。本発明の場
合、(A)から次の(A)までの距離Lが10〜60m
mであることが望ましい。
【0010】前記したようなロータリーカッターを通る
ことにより、樹脂被覆強化繊維束5は、図1に示すよう
に端部(a)、中央部(b)、他端部(c)の順に部分
切断され、それが繰り返されて本発明の熱可塑性樹脂被
覆強化繊維束1となる。図1は本発明の熱可塑性樹脂被
覆強化繊維束の一例を模式的に示したものである。図1
に示すように、例えば端部(a)におけるフィラメント
の切断長さL´は10〜60mmの範囲になる。中央部
(b)、他端部(c)におけるフィラメントの切断長も
同じである。熱可塑性樹脂が繊維束の周囲を被覆してい
るため連続した繊維束のように見えるが、内部の強化繊
維束は切断部分がずれてはいるが基本的には10〜60
mmの範囲の長さに切断されている。前記の説明では、
繊維束の幅方向の部分切断を3ケ所に分けて切断してい
るが、2ケ所でも可能であり、また、各部分における切
断長さは一定であっても良いが、10〜60mmの範囲
内であれば必ずしも一定にする必要はない。また、カッ
ターロールへの切断刃の装着は、切断されていないフィ
ラメントが発生しないようにロールの幅方向で0.1〜
0.2mm程度オーバーラップさせることが望ましい。
フィラメントの切断長さを10〜60mmとするのは、
10mmより短いとコンポジットを成形した場合に充分
な補強効果を得られない。また、60mmより長い場合
は、深絞り成形や複雑な形状の成形の際に成形体の表面
にシワが入りやすくなる。
ことにより、樹脂被覆強化繊維束5は、図1に示すよう
に端部(a)、中央部(b)、他端部(c)の順に部分
切断され、それが繰り返されて本発明の熱可塑性樹脂被
覆強化繊維束1となる。図1は本発明の熱可塑性樹脂被
覆強化繊維束の一例を模式的に示したものである。図1
に示すように、例えば端部(a)におけるフィラメント
の切断長さL´は10〜60mmの範囲になる。中央部
(b)、他端部(c)におけるフィラメントの切断長も
同じである。熱可塑性樹脂が繊維束の周囲を被覆してい
るため連続した繊維束のように見えるが、内部の強化繊
維束は切断部分がずれてはいるが基本的には10〜60
mmの範囲の長さに切断されている。前記の説明では、
繊維束の幅方向の部分切断を3ケ所に分けて切断してい
るが、2ケ所でも可能であり、また、各部分における切
断長さは一定であっても良いが、10〜60mmの範囲
内であれば必ずしも一定にする必要はない。また、カッ
ターロールへの切断刃の装着は、切断されていないフィ
ラメントが発生しないようにロールの幅方向で0.1〜
0.2mm程度オーバーラップさせることが望ましい。
フィラメントの切断長さを10〜60mmとするのは、
10mmより短いとコンポジットを成形した場合に充分
な補強効果を得られない。また、60mmより長い場合
は、深絞り成形や複雑な形状の成形の際に成形体の表面
にシワが入りやすくなる。
【0011】本発明の熱可塑性樹脂被覆強化繊維束は、
そのままの状態で成形材料とすることもできる。また、
樹脂被覆繊維束を経糸及び緯糸として製織し織物状の成
形材料とすることもできる。この織物状の成形材料は、
柔軟性を有しているため型馴染み性が良く、また、構成
している強化繊維が切断されているため、深絞り成形の
場合も強化繊維に無理な負荷がかからず成形体の表面に
シワが入ったり、強化繊維がコーナー部で切断したりす
ることがない。強化繊維の切断長さが10〜60mmの
範囲であるため得られたコンポジットの強度は十分に保
持される。また、樹脂被覆繊維束を構成糸として編組
し、スリーブ状の成形材料とすることもできる。本発明
の樹脂被覆繊維束を製織したり編組する場合は、事前に
加熱処理することもできる。部分的に切断されているた
め切断部分がガイドや織機の筬に引っ掛かる可能性があ
るため、事前に加熱処理をして切断部分の樹脂を溶融修
復させ、その危険性を少なくすることができる。
そのままの状態で成形材料とすることもできる。また、
樹脂被覆繊維束を経糸及び緯糸として製織し織物状の成
形材料とすることもできる。この織物状の成形材料は、
柔軟性を有しているため型馴染み性が良く、また、構成
している強化繊維が切断されているため、深絞り成形の
場合も強化繊維に無理な負荷がかからず成形体の表面に
シワが入ったり、強化繊維がコーナー部で切断したりす
ることがない。強化繊維の切断長さが10〜60mmの
範囲であるため得られたコンポジットの強度は十分に保
持される。また、樹脂被覆繊維束を構成糸として編組
し、スリーブ状の成形材料とすることもできる。本発明
の樹脂被覆繊維束を製織したり編組する場合は、事前に
加熱処理することもできる。部分的に切断されているた
め切断部分がガイドや織機の筬に引っ掛かる可能性があ
るため、事前に加熱処理をして切断部分の樹脂を溶融修
復させ、その危険性を少なくすることができる。
【0012】
<実施例1>6K炭素繊維(フィラメント径 7μm,
フィラメント本数 6000本)に図3に示すコーティ
ング装置を用い、ナイロン66樹脂をコーティングし、
炭素繊維の体積含有率が50%の樹脂被覆炭素繊維束を
巻き取った。巻き取られた樹脂被覆炭素繊維束の幅はお
およそ4mmで、断面形状は偏平であった。この樹脂被
覆炭素繊維束を図2に示すように刃幅4mm(A)、2
mm(B)、4mm(C)の切断刃をカッターロールの
幅方向にずらして、且つ、A,B,Cの切断刃が幅向で
0.1mmづつ重なり、Cの次の刃が幅方向でAの位置
にあり、刃AA間の距離Lを40mmになるように装着
し、また、刃B,Cは刃AA間でほぼ等間隔になるよう
に装着されたカッターロールに通し、約13mmの間隔
で部分的に切断されたナイロン樹脂被覆炭素繊維束を得
た。得られた繊維束は樹脂がコーティングされているた
め連続しているように見えるがフィラメントは原則とし
て40mm間隔に切断されている。この樹脂被覆炭素繊
維束を経10本、緯10本の織り密度で製織した。この
織物を10枚重ね、成形温度270℃、成形圧力10kg
f /cm2 、保持時間20分で、100mm×150m
m×30hの箱型の成形体を作成し、成形性と機械的特
性を評価した。成形性は4角のシワの発生具合を目視で
評価し、機械的特性は底辺部からサンプルを切出し曲げ
強さを測定した。測定法は、ASTM D−790によ
る。結果を表1に示す。
フィラメント本数 6000本)に図3に示すコーティ
ング装置を用い、ナイロン66樹脂をコーティングし、
炭素繊維の体積含有率が50%の樹脂被覆炭素繊維束を
巻き取った。巻き取られた樹脂被覆炭素繊維束の幅はお
およそ4mmで、断面形状は偏平であった。この樹脂被
覆炭素繊維束を図2に示すように刃幅4mm(A)、2
mm(B)、4mm(C)の切断刃をカッターロールの
幅方向にずらして、且つ、A,B,Cの切断刃が幅向で
0.1mmづつ重なり、Cの次の刃が幅方向でAの位置
にあり、刃AA間の距離Lを40mmになるように装着
し、また、刃B,Cは刃AA間でほぼ等間隔になるよう
に装着されたカッターロールに通し、約13mmの間隔
で部分的に切断されたナイロン樹脂被覆炭素繊維束を得
た。得られた繊維束は樹脂がコーティングされているた
め連続しているように見えるがフィラメントは原則とし
て40mm間隔に切断されている。この樹脂被覆炭素繊
維束を経10本、緯10本の織り密度で製織した。この
織物を10枚重ね、成形温度270℃、成形圧力10kg
f /cm2 、保持時間20分で、100mm×150m
m×30hの箱型の成形体を作成し、成形性と機械的特
性を評価した。成形性は4角のシワの発生具合を目視で
評価し、機械的特性は底辺部からサンプルを切出し曲げ
強さを測定した。測定法は、ASTM D−790によ
る。結果を表1に示す。
【0013】<実施例2>実施例1における切断刃AA
間の距離を10mmとした他は実施例1と同様に行っ
た。
間の距離を10mmとした他は実施例1と同様に行っ
た。
【0014】<比較例1>実施例1で得られたナイロン
樹脂被覆炭素繊維束を部分切断せずに実施例1と同様な
織物を製織し、実施例1と同様な成形体を成形し、成形
性と機械的特性を評価した。結果を表1に示す。
樹脂被覆炭素繊維束を部分切断せずに実施例1と同様な
織物を製織し、実施例1と同様な成形体を成形し、成形
性と機械的特性を評価した。結果を表1に示す。
【0015】<比較例2>6K炭素繊維束とナイロン繊
維を炭素繊維の含有率が50%となるように、炭素繊
維、ナイロン繊維を各々経6本/6本、緯6本/6本の
織り密度で製織し交織織物を得た。この織物を17枚重
ね実施例1と同様な条件で箱型の成形物を成形し、成形
性と機械的特性を評価した。
維を炭素繊維の含有率が50%となるように、炭素繊
維、ナイロン繊維を各々経6本/6本、緯6本/6本の
織り密度で製織し交織織物を得た。この織物を17枚重
ね実施例1と同様な条件で箱型の成形物を成形し、成形
性と機械的特性を評価した。
【0016】
【発明の効果】本発明の熱可塑性樹脂被覆強化繊維束
は、樹脂が被覆されているので連続しているが構成フィ
ラメントは切断されているため、前記繊維束を用いた成
形材料は、深絞り成形や複雑な形状の成形物でも成形性
が良く、また、切断されているフィラメントは、一定の
長さを有しているため機械的特性も従来品と比較して遜
色のない成形物が得られる。本発明の熱可塑性樹脂被覆
強化繊維束は、被覆樹脂が強化繊維束中に殆ど含浸して
いないため柔軟性を有しており、従ってこの繊維束を用
いた成形材料は賦形性に優れている。更に、本発明の熱
可塑性樹脂被覆強化繊維束は、繊維束の周りに均一に熱
可塑性樹脂が被覆されているため、成形時の樹脂の繊維
束への含浸性が良いという利点も有する。
は、樹脂が被覆されているので連続しているが構成フィ
ラメントは切断されているため、前記繊維束を用いた成
形材料は、深絞り成形や複雑な形状の成形物でも成形性
が良く、また、切断されているフィラメントは、一定の
長さを有しているため機械的特性も従来品と比較して遜
色のない成形物が得られる。本発明の熱可塑性樹脂被覆
強化繊維束は、被覆樹脂が強化繊維束中に殆ど含浸して
いないため柔軟性を有しており、従ってこの繊維束を用
いた成形材料は賦形性に優れている。更に、本発明の熱
可塑性樹脂被覆強化繊維束は、繊維束の周りに均一に熱
可塑性樹脂が被覆されているため、成形時の樹脂の繊維
束への含浸性が良いという利点も有する。
【図1】本発明の熱可塑性樹脂被覆強化繊維束の拡大模
式図
式図
【図2】本発明の熱可塑性樹脂被覆強化繊維束の製造方
法に用いるカッターロールの部分拡大模式図
法に用いるカッターロールの部分拡大模式図
【図3】強化繊維束の樹脂被覆法の一例
1.本発明の熱可塑性樹脂被覆強化繊維束 a,b,c.部分切断部 2.カッターロール A,B,C.切断刃 3.強化繊維束 4.ダイス 5.熱可塑性樹脂被覆強化繊維束 6.樹脂溶融押出部 7.溶融樹脂
【表1】
Claims (7)
- 【請求項1】 熱可塑性樹脂により被覆された強化繊維
束において、該繊維束が間隔をおいて部分的に切断され
ており、且つ、相隣る切断部分の幅方向の位置がずれて
いることを特徴とする熱可塑性樹脂被覆強化繊維束。 - 【請求項2】 請求項1における強化繊維束のフィラメ
ント数が3000〜15000本である熱可塑性樹脂被
覆強化繊維束。 - 【請求項3】 請求項1又は2における強化繊維束の切
断部分の間隔が10〜60mmの範囲にある熱可塑性樹
脂被覆強化繊維束。 - 【請求項4】 請求項1、2又は3の熱可塑性樹脂被覆
強化繊維束を経糸及び緯糸とする織物であることを特徴
とする熱可塑性樹脂コンポジット成形材料。 - 【請求項5】 請求項1、2又は3の熱可塑性樹脂被覆
強化繊維束を構成糸とするスリーブであることを特徴と
する熱可塑性樹脂コンポジット成形材料。 - 【請求項6】 請求項1、4又は5の熱可塑性樹脂コン
ポジット成形材料を用いて成形されたことを特徴とする
熱可塑性樹脂コンポジット成形品。 - 【請求項7】 熱可塑性樹脂により被覆された強化繊維
束をロータリーカッターで切断する際に、刃幅を前記強
化繊維束の幅と同じか小さくし、且つ、刃の位置を幅方
向にずらし、強化繊維束を部分的に切断することを特徴
とする熱可塑性樹脂被覆強化繊維束の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP8094690A JPH09254227A (ja) | 1996-03-26 | 1996-03-26 | 熱可塑性樹脂被覆強化繊維束及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP8094690A JPH09254227A (ja) | 1996-03-26 | 1996-03-26 | 熱可塑性樹脂被覆強化繊維束及びその製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH09254227A true JPH09254227A (ja) | 1997-09-30 |
Family
ID=14117197
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP8094690A Pending JPH09254227A (ja) | 1996-03-26 | 1996-03-26 | 熱可塑性樹脂被覆強化繊維束及びその製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH09254227A (ja) |
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2008099670A1 (ja) | 2007-02-02 | 2008-08-21 | Toray Industries, Inc. | プリプレグ基材、積層基材、繊維強化プラスチック、プリプレグ基材の製造方法、および、繊維強化プラスチックの製造方法 |
| JP2009286817A (ja) * | 2008-05-27 | 2009-12-10 | Toray Ind Inc | 積層基材、繊維強化プラスチック、およびそれらの製造方法 |
| GB2506218A (en) * | 2013-03-28 | 2014-03-26 | Rolls Royce Plc | Method of forming a composite article including partially severing tows |
| JP6567231B1 (ja) * | 2019-01-10 | 2019-08-28 | 三菱電機株式会社 | 炭素繊維強化プラスチック製補強板、補強板付き部材、ホーム柵、及び炭素繊維強化プラスチック製補強板の製造方法 |
| EP4450264A1 (en) | 2023-04-18 | 2024-10-23 | Euro Advanced Carbon Fiber Composites GmbH | An automated fiber placement device and method of producing formable laminates |
-
1996
- 1996-03-26 JP JP8094690A patent/JPH09254227A/ja active Pending
Cited By (13)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2008099670A1 (ja) | 2007-02-02 | 2008-08-21 | Toray Industries, Inc. | プリプレグ基材、積層基材、繊維強化プラスチック、プリプレグ基材の製造方法、および、繊維強化プラスチックの製造方法 |
| US8354156B2 (en) | 2007-02-02 | 2013-01-15 | Toray Industries, Inc. | Prepreg base material, layered base material, fiber-reinforced plastic, process for producing prepreg base material, and process for producing fiber-reinforced plastic |
| EP3501774A1 (en) | 2007-02-02 | 2019-06-26 | Toray Industries, Inc. | Prepreg base material, laminated base material and fibre reinforced plastic |
| US8758874B2 (en) | 2007-02-02 | 2014-06-24 | Toray Industries, Inc. | Prepreg base material, layered base material, fiber-reinforced plastic, process for producing prepreg base material, and process for producing fiber-reinforced plastic |
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| GB2506218B (en) * | 2013-03-28 | 2016-09-07 | Rolls Royce Plc | Method of forming a composite article including partially severing tows |
| US9266290B2 (en) | 2013-03-28 | 2016-02-23 | Rolls-Royce Plc | Method of forming an article |
| GB2506218A (en) * | 2013-03-28 | 2014-03-26 | Rolls Royce Plc | Method of forming a composite article including partially severing tows |
| JP6567231B1 (ja) * | 2019-01-10 | 2019-08-28 | 三菱電機株式会社 | 炭素繊維強化プラスチック製補強板、補強板付き部材、ホーム柵、及び炭素繊維強化プラスチック製補強板の製造方法 |
| WO2020144793A1 (ja) * | 2019-01-10 | 2020-07-16 | 三菱電機株式会社 | 炭素繊維強化プラスチック製補強板、補強板付き部材、ホーム柵、及び炭素繊維強化プラスチック製補強板の製造方法 |
| CN113272118A (zh) * | 2019-01-10 | 2021-08-17 | 三菱电机株式会社 | 碳纤维强化塑料制加强板、带有加强板的构件、站台栅栏及碳纤维强化塑料制加强板的制造方法 |
| CN113272118B (zh) * | 2019-01-10 | 2023-01-17 | 三菱电机株式会社 | 碳纤维强化塑料制加强板、带有加强板的构件、站台栅栏及加强板的制造方法 |
| EP4450264A1 (en) | 2023-04-18 | 2024-10-23 | Euro Advanced Carbon Fiber Composites GmbH | An automated fiber placement device and method of producing formable laminates |
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