JPH09254254A - 熱可塑性樹脂フィルム及びその製造方法 - Google Patents

熱可塑性樹脂フィルム及びその製造方法

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JPH09254254A
JPH09254254A JP7039796A JP7039796A JPH09254254A JP H09254254 A JPH09254254 A JP H09254254A JP 7039796 A JP7039796 A JP 7039796A JP 7039796 A JP7039796 A JP 7039796A JP H09254254 A JPH09254254 A JP H09254254A
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JP
Japan
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film
resin
thermoplastic resin
die
temperature
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JP7039796A
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English (en)
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Akiko Yamamoto
明子 山本
Kenji Tsunashima
研二 綱島
Katsutoshi Miyagawa
克俊 宮川
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】フィルム表面の最大粗さが0.0005μ
m以上0.5μm以下であり、かつフィルムの長手方向
の厚みむらが4(%)以下であり、その厚みむらの波形
をフーリエ解析した際の、0.15以上0.45(1/
m)以下の波数におけるスペクトル強度和Pw1の、全
波数帯域におけるスペクトル強度和PwTに対する比、
Pw1/PwTが0.15以下であることを特徴とする
熱可塑性樹脂フィルム。 【効果】厚み均一性およびすじ状欠点が顕著に改善され
ており、二次加工時の蛇行やしわなどのトラブルを回避
することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は熱可塑性樹脂フィル
ムに関わるものである。更に詳しく言えば、フィルムの
厚みむらを、その発生原因により分離して防止すること
により、特有の周期を持った厚みむらの存在しない、非
常に厚み均一性の高い熱可塑性樹脂フィルムに関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性樹脂フィルムを製造するにあた
り、厚み均一性は重要な基本品質である。例えば熱可塑
性樹脂としてポリエステルを例にとると、ポリエステル
フィルムはその優れた特性のため、磁気記録媒体用ベー
スフィルム、コンデンサーなどの電気絶縁用途、プリン
ターリボンなどのOA用途、熱により穿孔して印刷する
感熱孔版原紙など、様々な用途で用いられているが、こ
れらの用途では年々フィルムの厚みについて高度な寸法
精度が要求されている。厚みむらが悪化することによ
り、フィルム厚みに起因する物性のむらとなり、製品の
品質の悪化につながる。また、直接製品の品質に関わら
ない場合でも、フィルムを製品に加工する際のトラブル
や、巻姿の悪化、引いてはそのために加工製品の品質の
悪化を招くことになり、好ましくない。
【0003】ところで、熱可塑性樹脂をフィルムに成形
する方法は、一般に、押出機により樹脂を溶融し、フィ
ルターなどを経由して異物を除去してから、成形するフ
ィルムの形態に合わせたスリットを持ったダイ(口金)
より吐出し、内部に冷却媒体を通した回転ロール(キャ
スティングドラム)上に連続的に成形する。この際に、
樹脂膜をキャスティングドラムに密着させるために、静
電気力を付加することもしばしば行われている。さら
に、フィルムの強度を増すために、得られたキャストフ
ィルムをフィルムの長手方向や幅方向に延伸することも
一般に行われている。
【0004】ここで、フィルムに厚みむらが生じる原因
としては、溶融押出して冷却ドラム上にシート状に押出
す際の吐出量の変動、ダイとキャスティングドラム間
(L−D間)のまだ溶融状態の樹脂膜の膜振動、キャス
ティングドラムの回転むらなどが挙げられる。
【0005】そこで従来から厚みむら改善のために種々
の方法が提案されている。例えば、溶融樹脂を冷却固化
するキャスティングドラムの回転むらを抑える方法(特
開昭55−93420号公報)や溶融樹脂をキャスティ
ングドラム上に静電気力で密着させる際に、静電気力を
受け易いように樹脂を改質する方法(特開昭59−91
121号公報)が提案されているが、いまだ、効果が十
分でない。
【0006】また、L−D間における膜振動を抑えるた
めに、熱可塑性樹脂の押出温度を下げて、樹脂の溶融粘
度を高める方法(特開平7−323464号公報)も提
案されているが、未だ実用化されていない。厚みむらを
低減する目的以外でも、一般に熱可塑性樹脂を融点以下
で押出す方法としては、例えば、特公昭53−1198
0号公報、特公昭53−19625号公報、特公平1−
55087号公報を挙げることができる。しかしこれら
の方法は、サーキュラダイを用いるものであり、サーキ
ュラダイの場合、円筒状に吐出されるため、端が無く融
点以下に冷却しても流れを乱しにくいが、フラットダイ
を用いた場合、端の方が先に固化しやすく、流れを乱し
やすいという問題がある。また、これらの公報はダイの
ランド部以前に樹脂を融点以下に冷却し、冷却の済んだ
樹脂をランド部に供給する構成を取っており。さらに言
えば、ダイ内部で融点以下に冷却して、樹脂を固化させ
てから、ランド部に供給して剪断をかけながら押出すも
のである。そのために、非常に高い押出圧力を必要と
し、通常の押出機では押出が困難であり、高圧力用の特
殊な押出機を必要とするものであり、押出安定性に劣る
ものである。さらに、ダイ本体、口金への負荷が大き
く、変形、耐久性低下の原因になる。また、このように
固化した樹脂を広幅に拡幅することは困難を極め、拡幅
できたとしても、流れのむらから厚みむらの悪いものと
なってしまう。
【0007】一方、特開平2−256003号公報や特
開平6−175282号公報に、特有の形態を持った厚
みむらを有しないフィルムについて記載があるが、その
製造方法について明確でない。
【0008】そこで我々はフィルムの押出・キャスト工
程を見直し、厚み均一性に優れたフィルムを得る方法を
提案した(ヨーロッパ特許公開676269号)が、こ
の方法によると、通常に比べて口金すじが発生しやすい
という問題があり、未だ実施には至っていない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】このようにフィルムの
厚みむらを改善する要求は強く、そのために種々の改善
方法が提案されてきたが、その効果はまだ十分ではな
く、特にある特有の周期を持つ厚みの変動に起因するト
ラブルは依然絶えることがない。本発明は、このような
問題点を解決するために、フィルムの製造工程の各工程
を見直し、また、フィルムの厚みむらの生じる原因を解
析することにより、完成されたものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、フィ
ルム表面の最大粗さが0.0005μm以上0.5μm
以下であり、かつフィルムの長手方向の厚みむらが4
(%)以下であり、その厚みむらの波形をフーリエ解析
した際の、0.15以上0.45(1/m)以下の波数
におけるスペクトル強度和Pw1の、全波数帯域におけ
るスペクトル強度和PwTに対する比、Pw1/PwT
が0.15以下であることを特徴とする熱可塑性樹脂フ
ィルムに関するものである。
【0011】
【発明の実施の形態】以下本発明を詳細に説明する。
【0012】本発明においては、フィルム表面の最大粗
さが0.0005μm以上0.5μm以下である必要が
ある。好ましくは0.3μm以下、さらに好ましくは
0.1μm以下である。本発明における表面最大粗さと
は、フィルムに偏光板を重ね、直交ニコル下で観察して
見られる白いすじ状の欠点に起因するものであり、フィ
ルム表面の最大粗さが0.5μmを超えると、フィルム
表面がすじ状に荒れる、いわゆる白すじ欠点となり、使
用に耐えられなくなるため好ましくない。しかし、フィ
ルムの走行性及びハンドリング性の観点から、フィルム
表面には微細な突起が形成していることが好ましく、表
面の最大粗さとしては0.0005μm以上とすること
が必要である。
【0013】また、本発明フィルムは、フィルムの長手
方向の厚みむらが4(%)以下である必要がある。好ま
しくは、3(%)以下であり、さらに好ましくは、2
(%)以下である。厚みむらが4(%)を超えると、フ
ィルムの厚い部分と薄い部分の厚みの差が大きくなりす
ぎるため、物性の差が大きく使用に耐えない。例えば、
感熱孔版原紙やプリンターリボンなどの用途では、この
厚みむらにより、印刷後の印字濃度のむらとなり、仕上
がりが不鮮明になる。また、電気絶縁やコンデンサーの
用途では、フィルムの薄い部分で絶縁破壊を起こし、装
置の故障の原因になることがある。最近の用途において
は、ハードウェアの高性能化により、特に高度な厚みむ
らが要求されつつある。
【0014】本発明においては、その厚みむらの波形を
フーリエ解析した際の、0.15以上0.45(1/
m)以下の波数におけるスペクトル強度和Pw1の、全
波数帯域におけるスペクトル強度和PwTに対する比、
Pw1/PwTが〜0.15以下であることが必要であ
る。好ましくは、〜0.12以下、さらに好ましくは、
〜0.1以下である。筆者らは、鋭意検討の結果、厚み
むらの周期に、発生するトラブルが対応することを突き
止めた。すなわち、厚みむらの波形を周波数解析する
と、ある周期の厚みむら成分が多い場合に、ある種のト
ラブルが発生するといった対応関係が存在する。ここ
で、フーリエ変換により厚みむらの波形を解析した際、
波数が0.15以上0.45(1/m)以下のスペクト
ル強度は、フィルムを二次加工する際の、蛇行や巻乱れ
などに寄与することがわかった。すなわち、0.15以
上0.45(1/m)以下の波数におけるスペクトル強
度和Pw1の、全波数帯域におけるスペクトル強度和P
wTに対する比、Pw1/PwTが0.15を越える
と、フィルムにコーティングなどの加工処理、あるい
は、一定幅へのスリット処理など二次加工をする際に、
蛇行や巻乱れなどのトラブルを引き起こす。
【0015】本発明における熱可塑性樹脂としては、ポ
リエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテンなど
のポリオレフィン樹脂、ナイロン6、ナイロン66など
のポリアミド樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリ
ブチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフ
タレート、ポリ−1,4−シクロヘキサンジメチレンテ
レフタレートなどのポリエステル樹脂、その他、ポリア
セタール樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂などを用
いることができる。特に、本発明においては、ポリエス
テルを用いた場合にその効果が高く、好ましい。すなわ
ち、本発明で述べているような二次加工時のトラブル
は、高温で搬送される場合に生じやすく、また、1〜2
μmといった非常に薄いフィルムを加工する際に発生し
やすく、耐熱性も高く、また、極薄製膜を行うことので
きるポリエステルにおいて、その効果が高いものであ
る。中でも、ポリエチレン−2,6−ナフタレートやポ
リエチレンテレフタレートが好ましく、特にポリエチレ
ンテレフタレートは、安価であるため、非常に多岐にわ
たる用途で用いられ、効果が高い。これらの樹脂はホモ
樹脂であってもよく、共重合またはブレンドであっても
よいが、特にイソフタル酸成分などを共重合させるなど
して、ポリマー自体の結晶性を低下させることも、適用
温度範囲を広げ、さらに効果を高めるため好ましい。し
かし、樹脂として共重合体を用いた場合、得られたフィ
ルム特性も、もはやホモ樹脂とは異なるものとなる。そ
こで本発明に使用される樹脂としては、ポリエチレンテ
レフタレート樹脂を元素分析した際に、アンチモンが検
出されず、ゲルマニウムが検出されることが好ましい。
そのためには、熱可塑性樹脂としてホモのポリエチレン
テレフタレートを使用する場合に、重合時の金属触媒と
してゲルマニウム系触媒を用いることが好ましく行われ
る。重合時の金属触媒としてアンチモン系触媒を用いた
場合とゲルマニウム系触媒を用いた場合とでは、ゲルマ
ニウム系触媒の方が樹脂のTcbが低下する。すなわち
ホモのポリエチレンテレフタレートにおいて、すじ状欠
点を発生させることなくポリマーの押出温度を従来以上
に低下することが可能となり、厚み均一性の観点からも
さらに好ましい。また、これらの樹脂の中に、公知の各
種添加剤、例えば、酸化防止剤、帯電防止剤、結晶核
剤、無機粒子が添加されていてもよい。
【0016】次に、本発明のフィルムの製造方法につい
て説明するが、必ずしもこれに限定されるものではな
い。
【0017】まず、熱可塑性樹脂の原料をペレットなど
の形態で用意し、必要に応じて、事前乾燥を熱風中、あ
るいは真空下で行い、押出機に供給する。押出機内にお
いて、融点以上に加熱溶融された樹脂は、溶融状態でフ
ィルター、ギアポンプ等を連結する加熱されたパイプ中
を通り異物を除去される。この際、ギアポンプを連結す
ることで樹脂の押出量の均一性が向上し、厚みむらの低
減に効果が高い。しかし、ギアポンプにより改善される
厚みむら成分は、波数0.10(1/m)以下といった
長周期の成分であり、ギアポンプの導入だけでは、本発
明の目的とするような厚みむら成分の低減は達成できな
い。
【0018】押出機よりダイに送られた樹脂はダイで目
的の形状に成形された後、吐出される。この吐出の際の
樹脂温度は、通常、融解終了温度(Tme)以上である。
ここで、波数が0.15以上0.45(1/m)以下の
成分の厚みむらは、樹脂をシート状に押出す際のダイと
キャスティングドラム間(L−D間)の膜振動に多く起
因している。さらに、この膜振動を抑えるために、L−
D間の樹脂を低温化することで高剛性化する手法が有効
であることがわかった(ヨーロッパ特許公開67626
9号)。この低温化のための冷却はダイの出口であるラ
ンド部で行われることが好ましい。もし、冷却が樹脂が
ダイに入る以前に行なわれると、粘度が上昇し、流動性
の悪化が生じてしまい、場合によっては固化するため、
押出異常や流れ異常が生じたり、または、押出が不能に
なることもあり、押出機、フィルター、ギアポンプに負
荷をかけ、変形または寿命の低下を引き起こすので好ま
しくない。また、ダイ中で冷却する場合でもランド部以
前(ダイホッパー部)で冷却を行うことは、樹脂が目的
の形に成形される過程であり、温度むら、流れ異常を生
じる原因となり、厚みむらの悪化を引き起こすため、好
ましくない。特にフラットダイは樹脂の流路長が幅方向
で異なるため、冷却時間の違いから熱履歴が均一でなく
なり、幅方向の温度むらが生じたりするため、成形性が
悪化したり、十分な厚みむら改善効果が得られないばか
りか、逆に厚みむらが悪くなる場合もあるため好ましく
ない。これに対し、冷却をダイのランド部で行うこと
は、樹脂が幅方向に拡大され、押出される形状に成形さ
れた後での冷却となり、均一な冷却が可能となる。ラン
ド部はダイ中の最も間隙の狭い部分であり、熱交換効率
が高く好適である。また樹脂は、冷却後、すぐに押し出
されるため、粘度上昇に伴う濾圧上昇、押出異常や固化
による流れ異常も最小限に抑えることができる。
【0019】ここでダイとしては、特に限定はされない
が、例えば、澤田慶司著「プラスチックの押出成形とそ
の応用」(株式会社誠文堂新光社)に説明されているよ
うな、内部に円筒状の溝(マニホルド)を有するマニホ
ルドダイ(Tダイとも言う)、魚の尾のような形状をし
たフィッシュテールダイ、その中間の形状をしたコート
ハンガダイのいずれでもよい。フラットダイは、通常、
溶融樹脂を幅方向に広げるダイホッパーと呼ばれる部分
と、樹脂を幅方向に広げた後、目的の形状に成形する最
終部分であり、一定のスリット間隙を有する平行部分で
あるランド部と呼ばれる部分から構成される。樹脂はこ
のランド部を通過した直後に大気に解放され、キャステ
ィングドラム上に押出される。
【0020】このとき、ダイリップのポリマー接液面の
表面粗さが〜0.6S以下であることが必要である。好
ましくは〜0.3S以下であり、さらに好ましくは〜
0.1S以下である。上記のように、樹脂を冷却して押
し出す場合、ポリマーとの接液面粗さが0.6Sを超え
ると、ポリマーの部分滞留が生じ、部分的に結晶が成長
してすじ状欠点の原因となるため好ましくない。
【0021】ダイより吐出される樹脂の温度は、樹脂が
結晶性の場合、融解終了温度(Tme)未満、降温結晶化
開始温度(Tcb)−20℃を超える温度で行うことが好
ましい。高分子樹脂の場合、溶融状態にある樹脂をTme
未満に冷却しても短時間では固化しない、いわゆる過冷
却の液相状態を保つことができる。しかも、この状態の
樹脂は粘度が高く、ランド部から押出された後のダイと
冷却ドラム間の膜振動や外乱に対して安定であり、厚み
むらの小さなフィルムを得ることができる。ダイのラン
ド部の冷却手段としては、特に限定はしないが、例え
ば、ランド部に冷却のための孔を設け、その中に冷媒を
通す方法がある。冷媒としては、空気、または水など各
種液体状の冷媒を用いることができ、冷媒の温度、流量
をコントロールすることによって、所望の温度に設定す
ることができる。このようなダイを用いれば、現行のフ
ィルムの製造に用いている樹脂、装置がそのまま使え、
しかも本発明におけるような成分の厚みむらの小さいフ
ィルムが得られるという点で優れている。また、冷却は
樹脂のTcb−20℃を超える温度にとどめることが好ま
しい。通常、結晶性樹脂を融点以上で溶融状態とした後
に、温度を低下させていくと、結晶が生成し始める温度
(これを降温結晶化開始温度:Tcbと呼ぶ)が存在す
る。そのため、これまでの検討(ヨーロッパ特許公開6
76269号)では、ポリマーの低温化は、Tcbを超え
る温度にとどめることが必須であった。しかし、我々は
鋭意研究の結果、この結晶化の原因が、ダイのランド部
におけるポリマーの部分滞留によるものであることを突
き止めた。すなわち、Tcb以下の温度においてポリマー
は冷却過渡という非常に不安定な状態にあり、ダイのラ
ンド部の接液面において部分的に滞留した場合、微細な
結晶となり、これが溶融ポリマーの流れをせきとめ、あ
るいは流出してフィルム表面にすじ状欠点として現れる
ことが分かった。そこで我々は、ダイリップの冷却部に
おけるポリマー接液面の表面粗さを〜0.6S以下と平
滑にすることにより、ポリマー流れが円滑となり、ダイ
より吐出される樹脂の温度をTcb−20℃まで低温化し
ても、すじ状欠点を生じることなく安定に押し出せるこ
とを見い出した。またこれにより、フィルムの厚み均一
性がさらに向上することが明らかとなった。このとき、
接液面が平滑であればあるほど、ポリマーの流れがスム
ーズとなり、口金すじの発生が抑えられる。しかし樹脂
温度がTcb−20℃以下の温度になると、もはや冷却過
渡状態にはなく、流れているポリマーの中にも結晶化が
始まり、押出されたフィルムの表面荒れ、押出異常、流
れむらを生じたり、経時で固化し、もはや通常の押出機
では押出困難となるため好ましくない。ダイのランド部
で樹脂を融点以下まで冷却するわけであるが、その際に
重要なことは、樹脂を決して固化させないということで
ある。高分子の過冷却状態を利用して、融点以下である
が、液相状態で押し出すことが重要である。
【0022】ところで、融解終了温度(Tme)、降温結
晶化開始温度(Tcb)は示差走査熱量計(DSC)によ
って決定することができる。DSCとは熱分析で通常用
いられており、物質の融解、結晶化、相転移、熱分解等
の状態変化に伴う吸熱、発熱を測定する方法である。D
SCにて熱可塑性樹脂の昇温時の融解温度、降温時の結
晶化温度を測定する場合、公知の方法を用いることがで
きる。
【0023】ダイから吐出されたシート状の溶融樹脂
は、キャスティングドラム上で冷却固化され、フィルム
に成形される。この際、シート状の溶融樹脂に静電気を
印加してドラム上に密着させ、急冷固化する方法が好ま
しく用いられる。
【0024】また、特に限定はしないが、フィルムに機
械的、光学的等の特性を持たせるため、その後ロール延
伸方式やテンター延伸方式、熱処理等を組み合わせ、一
軸延伸、逐次二軸延伸、同時二軸延伸、縦多段延伸、再
縦・再横延伸等の様々な方法により、延伸することも好
ましく行われる。
【0025】
【物性値の評価・測定方法】
(1)フィルム表面の最大粗さ (株)小坂研究所製の表面形状測定器(モデルSE−3
C)を用いて測定を行った。フィルムの両エッジ部か
ら、それぞれ全幅に対して30%相当を除き、ほぼフラ
ットな中央部の表面を幅方向に測定した。測定条件は下
記のとおりとし、20回の平均値をもって値とした。
【0026】 触針先端半径:2μm 触針荷重 :0.7N 測定長 :16mm カットオフ :0.08mm なお、最大粗さには、粗さ曲線の測定長さにおける、最
大の山と最深の谷を平均線に平行な2直線ではさみ、そ
の距離をもって値とした。
【0027】(2)フィルムの長手方向厚みむら アンリツ株式会社製フィルムシックネステスタKG60
1Aおよび電子マイクロメータK306Cを用い、フィ
ルムの縦方向に30mm幅、10m長にサンプリングし
たフィルムを連続的に厚みを測定する。フィルムの搬送
速度は3m/分とした。10m長での厚み最大値Tmax
(μm)、最小値Tmin (μm)から、 R=Tmax −Tmin を求め、Rと10m長の平均厚みTave (μm)から 厚みむら(%)=(R/Tave )×100 として求めた。
【0028】(3)フィルムの長手方向厚みむらのフー
リエ解析 上述の長手方向厚みむら測定時に、電子マイクロメータ
からの出力をアナログ/デジタルコンバータ(A/Dコ
ンバータ)を介して、数値化処理し、コンピュータに取
り込んだ。この際、電子マイクロメータの出力電圧と、
A/Dコンバータの入力電圧の適正化のため、必要に応
じて、電子マイクロメータとA/Dコンバータの間にプ
リアンプを設けてもよい。本発明においては、電子マイ
クロメータの出力を、自作のプリアンプを介して、カノ
ープス電子株式会社製A/DコンバータADX−98E
および専用トリガユニットADT−98Eに接続し、日
本電気株式会社製パーソナルコンピュータPC−980
1VMにデータを取り込んだ。データの取り込みソフト
ウェアは自作したものを用いた。データの取り込みは、
10m長の厚みむら測定中に、0.195秒の間隔で1
024点サンプリングした(3m/分で搬送測定してい
るため、0.195秒×1024×3m/分÷60秒/
分=9.98mで、9.98mの厚みむらデータを取り
込み)。もちろん、これらの機器に限定される必要はな
く、同様の機能を持つ公知の機器は多数存在する。この
ように取り込んだデータを上述のコンピュータにおい
て、自作のソフトウェアを用い、高速フーリエ変換(F
FT)処理を施した。この際、流れ方向の変数に、フィ
ルムの製膜速度と測定時の搬送速度から換算した、製膜
時間(秒)を取ると、FFT処理により、周波数(1/
s)に対する強度分布が得られ、また、流れ方向の変数
に、フィルムの長さ(m)を取ると、FFT処理によ
り、波数(1/m)に対する強度分布が得られる。FF
T処理については、例えば、「技術者の数学1」初版
(共立出版株式会社 共立全書516)などにフーリエ
変換の理論について、「光工学」初版(共立出版株式会
社)などにFFT処理の手法について記載があるなど公
知の処理である。ここで、取り込んだデータに下式のよ
うにフーリエ変換処理を施し、スペクトル強度和を求め
た。
【0029】
【数1】 ここで、Xnの実数部をan 、虚数部をbn として、ス
ペクトル強度Pwn は、下記数2で表せる。
【0030】
【数2】 一方、nに対する波数は、測定長が10mから、n/1
0(1/m)であり、波数αからβまでのスペクトル強
度和は、α、βに対応するnをnα、nβとして、下記
数3のようになる。
【0031】
【数3】 そして、全強度和は、1≦n≦(N/2−1)における
和となり、全スペクトル強度和は、下記数4で表され
る。
【0032】
【数4】 (4)熱特性 示差走査熱量計として、セイコー電子工業株式会社製
“ロボット”DSC−RDC220を用い、データ解析
装置として、同社製ディスクステーションSSC/52
00を用いて、サンプル約5mgをアルミニウム製の受
皿上300℃で5分間溶融保持し、液体窒素で急冷固化
した後、室温から昇温速度20℃/分で昇温した。この
時観測される融解の吸熱ピークの開始温度をTmb、ピー
ク温度をTm、ピーク終了温度をTmeとした。また30
0℃まで昇温後、5分間溶融保持し、降温速度20℃/
分で降温した。この際観測される降温結晶化の発熱ピー
クの開始温度をTcb、ピーク温度をTc、ピーク終了温
度をTceとした。
【0033】(5)樹脂温度 ダイランド部における熱可塑性樹脂の温度はダイに専用
の孔を設け、樹脂の流路内に熱電対を挿入し、樹脂の漏
れを防ぐシールを施して測定した。
【0034】(6)ポリマー接液面の表面粗さ ダイリップのポリマーとの接液面の表面粗さは、東京精
密社製接触式表面粗さ計Surfcomを用いて測定
し、JIS−B−0601で定義される最大高さで表し
た。測定条件は、測定基準長さを0.25mmとし、針
の角度を90°測定深0.1mmとした。最大高さは、
実施例では実測の最大高さをRmax 、それ以外では許せ
る最大値表示Sで示した。ここでいう許せる最大値と
は、指定された表面からランダムに抜き取った数カ所の
Rmax の算術平均値を示す。例えば6.3Sという場合
には、最大高さは0μm Rmax ≦6.3S≦6.3μ
m Rmax を意味する。
【0035】(7)フィルムの加工適性 500mm幅に巻取られたフィルムを、アンワインダか
ら巻出しながら、搬送速度20m/分で、井上金属工業
株式会社製のオーブン処理装置に供給し、180℃の熱
処理を施して、100mの長さで巻取った。その際に、
蛇行などにより、巻取ったフィルムの端部が10mmを
越えて突出して不揃いとなったものを「×」、端部の突
出が5mm以上、10mm以下のもの、また、5mm未
満であるが加工中にしわが観測されたものを「△」、端
部の突出が5mm未満であり、かつ、加工中にしわが観
測されなかったものを「○」とした。
【0036】
【実施例】本発明を実施例に基づいて説明する。
【0037】実施例1 熱可塑性樹脂として、極限粘度0.65のポリエチレン
テレフタレートを用いた。DSCを用いて熱特性を測定
したところ、Tg:69℃、Tmb:240℃、Tm:2
55℃、Tme:268℃、Tcb:211℃、Tc:18
8℃、Tce:174℃であった。このポリエチレンテレ
フタレートのペレットを180℃で3時間真空乾燥して
押出機に供給し、290℃で溶融状態とし、成形用ダイ
に供給した。ダイは、リップ間隙1mm、ランド長25
mmのマニホルドダイを用いた。本ダイのポリマー接液
面の表面粗さの実測値は、0.45μm Rmax であっ
た。本ダイのランド部には、幅方向に直径7mmの空孔
を複数あけ、ここに水を通すことにより冷却可能な構造
としてある。ダイホッパー部の温度は290℃とし、ラ
ンド部には、25℃の冷却用空気を流量54000cm
3 /分通して冷却した。この状態で樹脂を押出し、ダイ
から押し出されたフィルムを、静電気を印加しながら表
面温度25℃に保たれたキャスティングドラム上で急冷
固化した。ダイ入口での樹脂の温度は290℃、ランド
部入口の樹脂温度286℃、ランド部出口での樹脂温度
202℃であった。得られたキャストフィルムをロール
延伸法により、90℃で3.0倍にる縦延伸し、その後
テンター延伸機に導いて90℃、3.0倍で横延伸、2
00℃熱処理を施して二軸延伸フィルムを得た。
【0038】得られたフィルムの押出条件は、表1に、
測定された表面粗さ、厚みむら、加工適性などの物性
を、表2に示す。表面が平滑で厚みむらが小さく、フー
リエ変換解析した際の膜振動の波数域における厚みむら
成分が小さく、厚み均質性の高い、二次加工における蛇
行、しわなどのないフィルムを得ることができた。
【0039】実施例2 実施例1において、ポリマー接液面の粗さが0.1μm
Rmax のダイリップを用い、その他の条件は実施例1
と同様として、キャストフィルムを得た。ダイ入口、ラ
ンド部入口、ランド出口での樹脂温度は、それぞれ29
0℃、284℃、202℃であった。得られたキャスト
フィルムを実施例1と同様の条件にて延伸、熱処理を施
して二軸延伸フィルムを得た。
【0040】得られたフィルムの押出条件は、表1に、
測定された厚みむら、加工適性などの物性を、表2に示
す。フィルム表面がさらに平滑で、膜振動起因の厚みむ
らが小さく、厚み均質性の高い、二次加工における蛇
行、しわなどのないフィルムを得ることができた。
【0041】実施例3 実施例2において、ランド部に流す冷却用空気流量を6
7000cm3 /分として二軸延伸フィルムを得た。ダ
イ入口、ランド部入口、ランド部出口での樹脂温度はそ
れぞれ290℃、284℃、195℃であった。得られ
たキャストフィルムを実施例1と同様の条件にて延伸、
熱処理を施して二軸延伸フィルムを得た。
【0042】得られたフィルムの押出条件は表1に、測
定された厚みむら、加工適正などの物性を、表2に示
す。フィルム表面が平滑で、膜振動起因の厚みむらがさ
らに小さく、厚み均質性の高い、二次加工における蛇
行、シワのないフィルムを得ることができた。
【0043】比較例1 実施例1において、冷却用空気を流さずに、二軸延伸フ
ィルムを得た。ダイ入口、ランド部入口、出口での樹脂
温度はそれぞれ290℃、288℃、278℃であっ
た。
【0044】得られたフィルムの押出条件は表1に、測
定された厚みむら、加工適性などの物性を、表2に示
す。フィルム表面は平滑だったものの、0.15〜0.
45(1/m)の波数域における厚みむら成分が大き
く、全体の厚みむらも大きくなった。二次加工において
も、蛇行やシワが多く見られた。
【0045】比較例2 実施例1において、ポリマー接液面の粗さが1.2μm
Rmax のダイリップを用い、その他の条件は実施例1
と同様として、二軸延伸フィルムを得た。ダイ入口、ラ
ンド部入口、出口での樹脂温度はそれぞれ290℃、2
84℃、202℃であった。
【0046】得られたフィルムの押出条件は表1に、測
定された厚みむら、加工適性などの物性を、表2に示
す。フィルム表面には、すじ状の粗大な突起が見られ、
厚みむらも悪化した。二次加工においてもシワが多発
し、使用に耐えるものではなかった。
【0047】比較例3 実施例1において、ポリマー接液面の粗さが1.2μm
Rmax のダイリップを用い、また冷却用空気流量を4
5000cm3 /分とし、その他の条件は実施例1と同
様にして二軸延伸フィルムを得た。ダイ入口、ランド部
入口、出口での樹脂温度はそれぞれ290℃、288
℃、225℃であった。
【0048】得られたフィルムの押出条件は表1に、測
定された厚みむら、加工適性などの物性を、表2に示
す。0.15〜0.45(1/m)の波数域における厚
みむら成分は小さく、全体の厚みむらも低く抑えられた
ものの、フィルム表面が粗く、すじ状の欠点も見られ
た。二次加工においても、蛇行やシワが多く見られた。
【0049】比較例4 実施例2において、その他の条件は同様として冷却用空
気流量を116000cm/分とした。このときのダイ
入口、ランド部入口、出口での樹脂温度はそれぞれ29
0℃、280℃、150℃であった。
【0050】冷却を開始して数分すると、フィルム表面
に結晶化物が確認できるようになり、さらに数分後には
リップ先端に結晶化ポリマーが付着して押出し不可能と
なった。
【0051】実施例4 実施例1において、熱可塑性樹脂として、ゲルマニウム
系金属触媒を用いて重合した固有粘度0.65のポリエ
チレンテレフタレート樹脂(以下、PETGeと表記す
る)を用いた。DSCを用いて熱特性を測定したとこ
ろ、Tg:72℃、Tmb:210℃、Tm:243
℃、Tmc:260℃、Tcb:190℃、Tc:16
5℃、Tce:130℃であった。このPETGeのペレ
ットを180℃で3時間真空乾燥して押出機に供給し、
290℃で溶融状態とし、成形用ダイに供給し、ダイの
冷却用空気流量を85000cm3 /分とし、その他の
条件は実施例1と同様としてキャストフィルムを得た。
ダイ入口での樹脂の温度は290℃、ランド部入口の樹
脂温度286℃、ランド部出口での樹脂温度181℃で
あった。得られたキャストフィルムを実施例1と同様の
条件にて延伸、熱処理を施して二軸延伸フィルムを得
た。
【0052】得られたフィルムの押出条件は表1に、測
定された表面粗さ、厚みむら、加工適性などの物性を、
表2に示す。表面が平滑で厚みむらが小さく、フーリエ
変換解析した際の膜振動の波数域における厚みむら成分
が小さく、厚み均質性の高い、二次加工における蛇行、
しわなどのないフィルムを得ることができた。
【0053】実施例5 実施例4において、ポリマー接液面の粗さが0.1μm
Rmax のダイリップを用い、その他の条件は実施例4
と同様として、キャストフィルムを得た。ダイ入口、ラ
ンド部入口、ランド出口での樹脂温度は、それぞれ29
0℃、284℃、180℃であった。得られたキャスト
フィルムを実施例1と同様の条件にて延伸、熱処理を施
して二軸延伸フィルムを得た。
【0054】得られたフィルムの押出条件は表1に、測
定された厚みむら、加工適性などの物性を、表2に示
す。フィルム表面がさらに平滑で、膜振動起因の厚みむ
らが小さく、厚み均質性の高い、二次加工における蛇
行、しわなどのないフィルムを得ることができた。
【0055】実施例6 実施例5において、ランド部に流す冷却用空気流量を1
01000cm3 /分として二軸延伸フィルムを得た。
ダイ入口、ランド部入口、ランド部出口での樹脂温度は
それぞれ290℃、282℃、171℃であった。得ら
れたキャストフィルムを実施例1と同様の条件にて延
伸、熱処理を施して二軸延伸フィルムを得た。
【0056】得られたフィルムの押出条件は表1に、測
定された厚みむら、加工適正などの物性を、表2に示
す。フィルム表面が平滑で、膜振動起因の厚みむらがさ
らに小さく、厚み均質性の高い、二次加工における蛇
行、シワのないフィルムを得ることができた。
【0057】比較例5 実施例4において、冷却用空気を流さずに、二軸延伸フ
ィルムを得た。ダイ入口、ランド部入口、出口での樹脂
温度はそれぞれ290℃、288℃、276℃であっ
た。
【0058】得られたフィルムの製膜各工程の条件は、
表1に、測定された厚みむら、加工適性などの物性を、
表2に示す。フィルム表面は平滑だったものの、0.1
5〜0.45(1/m)の波数域における厚みむら成分
が大きく、全体の厚みむらも大きくなった。二次加工に
おいても、蛇行やシワが多く見られた。
【0059】比較例6 実施例4において、ポリマー接液面の粗さが1.2μm
Rmax のダイリップを用い、その他の条件は実施例4
と同様として、二軸延伸フィルムを得た。ダイ入口、ラ
ンド部入口、出口での樹脂温度はそれぞれ290℃、2
84℃、182℃であった。
【0060】得られたフィルムの製膜各工程の条件は、
表1に、測定された厚みむら、加工適性などの物性を、
表2に示す。フィルム表面には、すじ状の粗大な突起が
見られ、厚みむらも悪化した。二次加工においてもシワ
が多発し、使用に耐えるものではなかった。
【0061】比較例7 実施例4において、ポリマー接液面の粗さが1.2μm
Rmax のダイリップを用い、また冷却用空気流量を7
8000cm3 /分とし、その他の条件は実施例4と同
様にして二軸延伸フィルムを得た。ダイ入口、ランド部
入口、出口での樹脂温度はそれぞれ290℃、288
℃、195℃であった。
【0062】得られたフィルムの押出条件は表1に、測
定された厚みむら、加工適性などの物性を、表2に示
す。0.15〜0.45(1/m)の波数域における厚
みむら成分は小さく、全体の厚みむらも低く抑えられた
ものの、フィルム表面が粗く、すじ状の欠点も見られ
た。二次加工においても、蛇行やシワが多く見られた。
【0063】比較例8 実施例5において、その他の条件は同様として冷却用空
気流量を223000cm3 /分とした。このときのダ
イ入口、ランド部入口、出口での樹脂温度はそれぞれ2
90℃、280℃、115℃であった。
【0064】冷却を開始して数分すると、フィルム表面
に結晶化物が確認できるようになり、さらに数分後には
リップ先端に結晶化ポリマーが付着して押出し不可能と
なった。
【0065】
【表1】
【表2】
【0066】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の熱可塑性樹脂フィルムは、厚み均一性が顕著に改善さ
れており、さらにすじ状欠点が少なく、二次加工時の蛇
行やしわなどのトラブルを回避することができる。しか
も、製造方法は、必ずしも本発明に記載の方法に限定さ
れるわけではないが、既存設備の小改造で済み、条件の
制御が容易な方法である。さらに、ダイのランド部の冷
却により、オリゴマが発生しにくいという効果もある。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フィルム表面の最大粗さが0.0005
    μm以上0.5μm以下であり、かつフィルムの長手方
    向の厚みむらが4(%)以下であり、その厚みむらの波
    形をフーリエ解析した際の、0.15以上0.45(1
    /m)以下の波数におけるスペクトル強度和Pw1の、
    全波数帯域におけるスペクトル強度和PwTに対する
    比、Pw1/PwTが0.15以下であることを特徴と
    する熱可塑性樹脂フィルム。
  2. 【請求項2】 熱可塑性樹脂が、ポリエステルであるこ
    とを特徴とする請求項1に記載の熱可塑性樹脂フィル
    ム。
  3. 【請求項3】 熱可塑性樹脂が、ポリエチレンテレフタ
    レートであることを特徴とする請求項1または請求項2
    に記載の熱可塑性樹脂フィルム。
  4. 【請求項4】 熱可塑性樹脂が、ポリエチレン−2,6
    −ナフタレートであることを特徴とする請求項1〜請求
    項3のいずれかに記載の熱可塑性樹脂フィルム。
  5. 【請求項5】 熱可塑性樹脂がポリエチレンテレフタレ
    ートであって、該樹脂を元素分析した際に、アンチモン
    が検出されず、ゲルマニウムが検出されることを特徴と
    する請求項1に記載の熱可塑性樹脂フィルム。
  6. 【請求項6】 熱可塑性樹脂が、ポリエチレンテレフタ
    レート樹脂であって、該樹脂の降温結晶化開始温度(T
    cb)が200℃以下であることを特徴とする請求項1
    に記載の熱可塑性樹脂フィルム。
  7. 【請求項7】 ダイより吐出される樹脂の温度が、融解
    終了温度(Tme)未満、降温結晶化開始温度(Tcb)−
    20℃を超える温度であり、かつ該ダイリップのポリマ
    ー接液面の表面粗さが0.6S以下であることを特徴と
    する請求項1〜請求項6のいずれかに記載の熱可塑性樹
    脂フィルムの製造方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002067142A (ja) * 2000-08-31 2002-03-05 Unitika Ltd 同時二軸延伸ポリアミドフィルム及びその製造方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002067142A (ja) * 2000-08-31 2002-03-05 Unitika Ltd 同時二軸延伸ポリアミドフィルム及びその製造方法

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