JPH09254266A - 繊維強化樹脂材料製ボルト、及び繊維強化樹脂材料製ナット - Google Patents

繊維強化樹脂材料製ボルト、及び繊維強化樹脂材料製ナット

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JPH09254266A
JPH09254266A JP8093147A JP9314796A JPH09254266A JP H09254266 A JPH09254266 A JP H09254266A JP 8093147 A JP8093147 A JP 8093147A JP 9314796 A JP9314796 A JP 9314796A JP H09254266 A JPH09254266 A JP H09254266A
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JP
Japan
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fiber
bolt
resin material
reinforced resin
nut
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JP8093147A
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Naoki Aihara
直樹 相原
Takao Yoshikawa
高雄 吉川
Naoto Mifune
直人 御船
Yoshihiro Sakamoto
吉弘 阪本
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Railway Technical Research Institute
Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Railway Technical Research Institute
Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 非磁性で、線膨張率が合成樹脂と近く、電気
絶縁性、耐蝕性、軽量化の条件を満足し得る締結具を提
供する。 【解決手段】 エポキシ樹脂からなるマトリクス21や
23内に炭素繊維からなる強化繊維22や強化クロス2
4を埋設しマトリクス21や23の強度を増大させたC
FRP等により形成され、ナットと螺合させることによ
り被締結物を締結物に締結させ、磁場又は温度の変化に
伴う軸力の変動を緩和させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、繊維強化樹脂材料
からなるボルト及びナットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、鉄道や道路、又は一般産業界等に
おいては、その施設、車両、又は機器に部材や部品を締
結するためにボルトとナットが多く使用されている。こ
れらのボルトやナットの材料には、強度及び経済性の観
点から、主として鋼が用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、鋼は強
磁性体であり、磁場が作用すると磁化され、磁場の方向
に力を受ける。このため、例えば、浮上式鉄道の地上コ
イルの締結のために鋼製ボルトを用いると、浮上式車両
の走行に悪影響を及ぼす懸念がある一方、浮上式車両の
走行のたびに所定方向等への力を繰り返し受けるため、
ボルト軸力の変動が大きく、疲労や締結力の緩み等の可
能性がある、という問題があった。
【0004】また、浮上式鉄道の地上コイルはプラスチ
ック製の封止体内に納められている。鋼の線膨張率とプ
ラスチックの線膨張率は異なっているため、環境温度の
変化に伴い膨張量の差から歪みが生じ、これが応力とな
り、結果的にボルト軸力の大きな変動となって現れる、
という問題もあった。
【0005】また、鋼は電気良導体であるが、電気絶縁
性が要求される締結箇所もある。また、鋼は水や化学成
分により腐食するが、耐蝕性が要求される締結条件の環
境も多い。さらに、鋼と同等の強度を有するという条件
を満足するならば、鋼より軽量であるというメリットは
非常に大きい。
【0006】本発明は上記の問題を解決するためになさ
れたものであり、本発明の解決しようとする課題は、非
磁性で、線膨張率が合成樹脂と近く、電気絶縁性、耐蝕
性、軽量化の条件を満足し得る締結具を提供することに
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明に係る第1の繊維強化樹脂材料製ボルトは、
合成樹脂からなる第1の母材内に第1の繊維部材を埋設
して前記第1の母材の強度を増大させた第1の繊維強化
樹脂材料により形成され、ナットと螺合させることによ
り被締結物を締結物に締結させ、磁場又は温度の変化に
伴う軸力の変動を緩和させるように構成した繊維強化樹
脂材料製ボルトにおいて、前記繊維強化樹脂材料製ボル
トの軸部内における前記第1の繊維部材は、前記繊維強
化樹脂材料製ボルトの軸方向に沿うように配設された複
数本の長繊維であることを特徴とする。
【0008】また、本発明に係る第2の繊維強化樹脂材
料製ボルトは、合成樹脂からなる第1の母材内に第1の
繊維部材を埋設して前記第1の母材の強度を増大させた
第1の繊維強化樹脂材料により形成され、ナットと螺合
させることにより被締結物を締結物に締結させ、磁場又
は温度の変化に伴う軸力の変動を緩和させるように構成
した繊維強化樹脂材料製ボルトにおいて、前記繊維強化
樹脂材料製ボルトの軸部内における前記第1の繊維部材
は、複数本の長繊維が略ロープ状に編まれ前記繊維強化
樹脂材料製ボルトの軸方向に沿うように配設されたもの
であることを特徴とする。
【0009】また、本発明に係る第3の繊維強化樹脂材
料製ボルトは、合成樹脂からなる第1の母材内に第1の
繊維部材を埋設して前記第1の母材の強度を増大させた
第1の繊維強化樹脂材料により形成され、ナットと螺合
させることにより被締結物を締結物に締結させ、磁場又
は温度の変化に伴う軸力の変動を緩和させるように構成
した繊維強化樹脂材料製ボルトにおいて、前記繊維強化
樹脂材料製ボルトの軸部内における前記第1の繊維部材
は、三次元的に分散配置された複数の短繊維であること
を特徴とする。
【0010】上記繊維強化樹脂材料製ボルトにおいて
は、好ましくは、繊維強化樹脂材料製ボルトの頭部内に
おける前記第1の繊維部材は、長繊維が帯状に整列され
て形成された強化テープどうしが略市松状に編み込まれ
て形成され前記繊維強化樹脂材料製ボルトの軸方向に積
層配置された複数枚の強化クロスとする。
【0011】また、好ましくは、繊維強化樹脂材料製ボ
ルトの頭部内における前記第1の繊維部材は、三次元的
に分散配置された複数の短繊維とする。
【0012】また、好ましくは、繊維強化樹脂材料製ボ
ルトにおいて、前記長繊維又は短繊維は、炭素,ガラ
ス,アラミド樹脂,ボロン,チタン,アルミナ及びポリ
ビニルアルコールのうちのいずれか一つからなる繊維又
はこれらの繊維の組合わせを含む。
【0013】また、本発明に係る第1の繊維強化樹脂材
料製ナットは、合成樹脂からなる第2の母材内に第2の
繊維部材を埋設して前記第2の母材の強度を増大させた
第2の繊維強化樹脂材料により形成され、ボルトに螺合
させることにより被締結物を締結物に締結させ、磁場又
は温度の変化に伴う前記ボルトの軸力の変動を緩和させ
るように構成した繊維強化樹脂材料製ナットにおいて、
前記繊維強化樹脂材料製ナット内における前記第2の繊
維部材は、長繊維が帯状に整列されて形成された強化テ
ープどうしが略市松状に編み込まれて形成され前記繊維
強化樹脂材料製ナットの軸方向に積層配置された複数枚
の強化クロスであることを特徴とする。
【0014】また、本発明に係る第2の繊維強化樹脂材
料製ナットは、合成樹脂からなる第2の母材内に第2の
繊維部材を埋設して前記第2の母材の強度を増大させた
第2の繊維強化樹脂材料により形成され、ボルトに螺合
させることにより被締結物を締結物に締結させ、磁場又
は温度の変化に伴う前記ボルトの軸力の変動を緩和させ
るように構成した繊維強化樹脂材料製ナットにおいて、
前記繊維強化樹脂材料製ナット内における前記第2の繊
維部材は、三次元的に分散配置された複数の短繊維であ
ることを特徴とする。
【0015】上記繊維強化樹脂材料製ナットにおいて
は、好ましくは、前記長繊維又は短繊維は、炭素,ガラ
ス,アラミド樹脂,ボロン,チタン,アルミナ及びポリ
ビニルアルコールのうちのいずれか一つからなる繊維又
はこれらの繊維の組合わせを含む。
【0016】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施形態につい
て、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0017】図1は、本発明に係る繊維強化樹脂材料製
ボルトの一実施形態であるボルトの構成を示した図であ
り、図1(A)はボルトの一部欠截側面図を、図1
(B)は図1(A)に示すボルトの頭部の一部欠截正面
図を、図1(C)は図1(B)に示す強化クロスの作成
方法を示す概念図を、それぞれ示している。
【0018】図1(A),図1(B)に示すように、こ
のボルト10は、頭部11と軸部12を有して構成され
ている。頭部11は、高さの低い略六角柱状に形成され
ている。頭部11には柱の軸方向に貫通する円形の貫通
孔15が開設されている。また、軸部12は、頭部11
の貫通孔15内に挿入されて固定された円柱状部14
と、円柱状部14に接続する雄ネジ部13を有してい
る。
【0019】上記した軸部12の内部の構造は、図1
(A)の下半部、及び図1(B)の右半部中央に示すよ
うに、母材であるマトリクス21の中に複数の強化繊維
22がボルトのほぼ全長にわたって埋設されている。各
強化繊維22は、ボルト10の軸方向に沿うように、か
つ相互にほぼ均一な間隔で配設されている。
【0020】マトリクス21の材料としては、エポキシ
樹脂が用いられている。また、強化繊維22としては、
炭素繊維が用いられている。炭素繊維の直径は、数μm
〜10μm程度である。また、炭素繊維の引張強さは、
概ね70〜350kg/mm2程度である。この炭素繊維は、
レーヨン、石油又は石炭の蒸留残査、あるいはポリアク
リロニトリル(PAN)を原料として作られた原糸を高
温加熱等により炭化させることにより形成する。
【0021】また、上記したボルトの頭部11の内部構
造を見ると、図1(A)の下半部、及び図1(B)の右
半部中央に示すように、母材であるマトリクス23の中
に複数の強化クロス24が積層され埋設されている。強
化クロス24の積層方向は、ボルト10の軸方向であ
る。各強化クロス24は、平板状あるいは布状をなして
おり、図1(C)に示すように、細幅帯状の強化テープ
25が相互に略市松状に編み込まれて形成されている。
また、各強化テープ25は、強化繊維27が一列に整列
されて全体として帯状又はシート状をなし、各強化繊維
27の間や周囲をマトリクス26が埋めている。
【0022】マトリクス23又は26の材料は上記した
マトリクス21と同様であり、また強化繊維27の材料
は上記した強化繊維22と同様である。
【0023】上記のようにして形成された材料は、繊維
強化樹脂材料(FRP:Fiber Reinforced Plastics)
と呼ばれ、母材中に埋設される繊維が炭素繊維の場合に
はCFRP(Carbon Fiber Reinforced Plastics)、ガ
ラス繊維の場合にはGFRP(Glass Fiber Reinforced
Plastics) と呼ばれる。これらの繊維強化樹脂材料
は、母材の強度を大幅に増大させる。一般に、繊維の方
向の引張強さは母材単独の場合の約30倍、繊維の方向
の弾性率は母材単独の場合の約15〜30倍、繊維の方
向の線膨張率は母材単独の場合の1/10以下程度の値
となる。
【0024】ただし、繊維強化樹脂材料は、繊維方向に
垂直な方向の強度等は非常に低く、異方性を示す。した
がって、本実施形態のボルト10のように、軸方向引張
力が卓越する軸部ではボルト軸方向に長繊維を並列配置
し、ねじりや圧縮等の複雑な応力が作用する可能性のあ
るボルト頭部では強化クロスの積層配置により擬似等方
性となるように構成すれば、ボルトに作用する応力に効
果的に対応できる。
【0025】次に、上記したボルト10の形成方法につ
いてその概要を説明する。まず、ボルトの軸部12は、
マトリクスの合成樹脂21を強化繊維22にあらかじめ
含浸させたものを用意し、これらを丸棒状に束ね、円柱
状型枠等の中で加熱圧縮することにより硬化させ、略丸
棒状の丸棒素材(図示せず)を形成する。この丸棒素材
を所定の長さに切断して軸部の原形となる軸部素材(図
示せず)を形成する。
【0026】一方、マトリクスの合成樹脂26を強化繊
維27にあらかじめ含浸させたものを用意し、これらを
互いに一列になるよう密接して並べ、平板プレス等の間
で加熱圧縮することにより硬化させ、強化テープ25を
形成する。次に、マトリクスの合成樹脂23を強化テー
プ25の表面や端縁にあらかじめ含浸させたものを用意
し、これらを互いに略市松状になるように編み込み、平
板プレス等の間で加熱圧縮することにより硬化させ、強
化クロス24を形成する。次に、マトリクスの合成樹脂
23を強化クロス24の表面などにあらかじめ含浸させ
たものを用意し、これらを互いに積層し、平板プレス等
の間で加熱圧縮することにより硬化させ、厚板状素材
(図示せず)を形成する。
【0027】次に、上記の厚板状素材から、略六角柱状
の部材を切出し、中央に貫通孔15を開設してボルト頭
部11を形成する。次に、貫通孔15内や上記の軸部素
材(図示せず)の一端にあらかじめマトリクスを含浸さ
せておき、貫通孔15内に軸部素材を挿入した後、加熱
圧縮等により硬化させ、ボルト原材(図示せず)を形成
する。最後に、旋盤等を用いて軸部の先端に雄ネジ部1
3を切削し、ボルト11を形成する。
【0028】上記のボルト形成方法は一例であり、他の
方法によってもボルトを形成可能である。例えば、ボル
ト軸部12と同一長さの強化繊維22にマトリクス21
をあらかじめ含浸させたものを用意し、これらを丸棒状
に束ね、型枠等の中で加熱圧縮する際に、型枠の内面に
雌ネジを形成しておき、硬化させることにより軸部12
を直接成形するようにしてもよい。その後の工程は上記
と同様である。
【0029】また、上記と同様にして、繊維強化樹脂材
料により、中央に貫通孔15が開設されたボルト頭部1
1を形成した後、旋盤等を用いて貫通孔15の内壁に雌
ネジを切削すれば、ナット(図示せず)を形成すること
ができる。
【0030】次に、本発明の他の実施形態について説明
する。図2は、本発明の他の実施形態であるボルトを用
いた部材の取付け例を示す図であり、図2(A)は部材
取付け前の状態を、図2(B)は部材取付け後の状態
を、それぞれ示している。
【0031】図に示すように、ボルト10Aは、定着部
16と、円柱状部14Aと、雄ネジ部13Aを有して構
成されている。定着部16は、異形鉄筋に類似した形状
を有し、丸棒状の本体の周面にらせん状又は環状のリブ
(突条)が設けられている。
【0032】このボルト10Aの内部には、図示はしな
いが、複数本の強化繊維(長繊維)が略ロープ状に編ま
れ、このロープ状部材(図示せず)がボルトの軸方向に
沿うように配設されている。このボルト10Aにおいて
は、マトリクスとしてエポキシ樹脂が用いられ、強化繊
維としてはガラス繊維が用いられている。すなわち、ボ
ルト10Aは、ガラス繊維強化プラスチック(GFR
P)製のボルトである。
【0033】ガラス繊維は、アルカリ成分をほとんど含
まないいわゆるEガラス又はいわゆるSガラス等を原料
とし、溶融ガラスを引き延ばしながら急速冷却させるこ
とにより形成する。ガラス繊維(長繊維)の直径は、数
μm〜20μm程度である。ガラス繊維の引張強さは、
Eガラスでは概ね350kg/mm2程度、Sガラスでは概ね
500kg/mm2程度である。
【0034】また、上記のボルト10Aは、上記のロー
プ状部材(図示せず)にエポキシ樹脂(図示せず)を含
浸させ、加熱圧縮成形等により丸棒状の素材(図示せ
ず)を形成し、この素材からボルトの雄ネジ部等を切削
することにより形成されたものである。
【0035】次に、このボルト10Aを用いた部材取付
け例について説明する。まず定着部16をコンクリート
壁C内に埋設し、ボルト10Aの雄ネジ部13Aが外方
に突出した状態でコンクリート壁Cに固定する(図2
(A)参照)。
【0036】次に、ボルト10Aに調整用のスペーサ4
3のボルト穴、浮上式鉄道の推進用コイル42のボルト
穴、浮上式鉄道の浮上用コイル41のボルト穴の順で挿
通させ、ナット30を螺合させて締結する(図2(B)
参照)。この場合のボルト10Aの軸力値の経時変化
を、ワッシャ型のロードセル50により実測した。ま
た、比較のため、通常の鋼製ボルトについても同様のロ
ードセルを装着して軸力値の経時変化を実測した。
【0037】上記の場合の各ボルトの軸力と温度と時間
の測定結果を図3に示す。図3において、曲線aは高マ
ンガン鋼製ボルトの軸力値を、曲線bは図2の実施形態
のGFRP製ボルト10Aの軸力値を、曲線cは気温の
値を、曲線dは浮上用コイル41の表面温度の値を、そ
れぞれ示している。
【0038】図に示すように、昼夜の気温変動(曲線
c)に伴い、高マンガン鋼製ボルトの軸力(曲線a)も
GFRP製ボルト10Aの軸力(曲線b)も変動する。
しかしながら、軸力の変動の大きさについては、GFR
P製ボルト10Aの軸力(曲線b)における変動値は、
高マンガン鋼製ボルトの軸力(曲線a)の変動値の約1
/3の値に低減されており、温度変化に伴うボルト軸力
の変動を緩和する顕著な効果があることがわかる。
【0039】また、図1の実施形態及び図2の実施形態
のいずれについても、ボルトやナットの材料は非磁性体
であるため、浮上式車両の走行等に悪影響を及ぼすこと
はなく、かつ浮上式車両の走行によりボルト近傍に高い
磁場変動が発生してもボルト軸力が変動するような大き
な力を受けることはない。さらに、プラスチックは優れ
た電気絶縁体であるとともに、耐蝕性も有し、かつ軽量
であるという、締結具としての上述の条件をすべて具備
している。
【0040】上記した図1の実施形態において、マトリ
クス21,23,26は第1の母材に相当し、強化繊維
22,強化クロス24は第1の繊維部材に相当してい
る。また、上記した図2の実施形態において、エポキシ
樹脂(図示せず)は第1の母材に相当し、ロープ状部材
(図示せず)は第1の繊維部材に相当している。また、
上記した図2の実施形態において、浮上用コイル41,
推進用コイル42,スペーサ43は被締結物に相当し、
コンクリート壁Cは締結物に相当している。
【0041】なお、本発明は、上記各実施形態に限定さ
れるものではない。上記各実施形態は、例示であり、本
発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的
に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、
いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含され
る。
【0042】例えば、図1に示した実施形態において
は、ボルト軸部内の軸方向に長繊維を配設して母材に埋
設し、ボルト頭部内に強化クロスを積層し母材に埋設し
た繊維強化樹脂材料製のボルト、又はボルト軸部内の軸
方向に長繊維を編んだロープ状部材を配設して母材に埋
設したボルト、あるいは、強化クロスを積層し母材に埋
設した繊維強化樹脂材料製のナットについて説明した
が、本発明はこれには限定されず、他の構造であっても
よく、例えば、母材内に短繊維を三次元的に分散配置さ
せ各短繊維の方向をランダムにさせたものなどであって
もよいし、強化クロスの場合も、短繊維により不織布状
に形成したものであってもよいし、織布状の織り方が平
織のほか、綾織、朱子織等であってもよい。要は、合成
樹脂からなる母材内に繊維からなる繊維部材を埋設して
母材の強度を増大させるようにした繊維強化樹脂材料に
より形成されたボルト又はナットであればどのようなも
のであってもよい。
【0043】また、上記各実施形態においては、FRP
のマトリクスとしてエポキシ樹脂を、強化繊維として炭
素繊維又はガラス繊維を用いた例について説明したが、
本発明はこれには限定されず、他のマトリクス、強化繊
維により構成してもよい。例えば、マトリクスとして
は、不飽和ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂などを用
いてもよい。また、強化繊維としては、アラミド樹脂
(芳香族ポリアミド樹脂)やポリビニルアルコール等の
合成樹脂繊維、チタン(Ti )等の金属、アルミナ(A
l23 )等の金属酸化物、SiC 等の炭化物やSiN 等
の窒化物を含むセラミックス、ボロン(B)等からなる
長繊維、短繊維、ウィスカなどを用いてもよいし、これ
らの長繊維、短繊維、ウィスカ等を組み合わせたもので
あってもよい。また、本発明に係る繊維強化樹脂材料に
おける長繊維、短繊維、ウィスカ等の配合量は、好適に
は50〜70体積%程度の数値から選ばれる。
【0044】また、上記各実施形態においては、ボルト
やナットにより締結する被締結物や締結物の一例として
浮上式鉄道に関する施設や部材等を例に挙げて説明した
が、本発明はこれには限定されず、一般の施設、車両、
船舶、航空機、機械又は器具等の部材又は部品等の締結
に広く適用可能である。
【0045】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
ボルトやナットが、合成樹脂からなる母材内に繊維部材
を埋設した繊維強化樹脂材料により形成されているの
で、被締結物を締結物に強固に締結させることができる
とともに、磁場又は温度の変化に伴うボルト軸力の変動
を緩和させることができる。また、非磁性、電気絶縁
性、耐蝕性、軽量性という利点も併せて有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態であるボルトの構成を示す
図であり、図1(A)はボルトの一部欠截側面図を、図
1(B)は図1(A)に示すボルトの頭部の一部欠截正
面図を、図1(C)は図1(B)に示す強化クロスの作
成方法を示す概念図を、それぞれ示している。
【図2】本発明の他の実施形態であるボルトを用いた部
材の取付け例を示す図であり、図2(A)は部材取付け
前の状態を、図2(B)は部材取付け後の状態を、それ
ぞれ示している。
【図3】図2に示す部材取付け例におけるボルトの軸力
と温度と時間の測定結果を示す図である。
【符号の説明】
10,10A ボルト 11 頭部 12 軸部 13,13A 雄ネジ部 14,14A 円柱状部 15 貫通孔 16 定着部 21 マトリクス 22 強化繊維 23 マトリクス 24 強化クロス 25 強化テープ 26 マトリクス 27 強化繊維 30 ナット 41 浮上用コイル 42 推進用コイル 43 スペーサ 50 ロードセル C コンクリート壁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29K 307:04 309:08 B29L 1:00 (72)発明者 御船 直人 東京都国分寺市光町二丁目8番地38 財団 法人鉄道総合技術研究所内 (72)発明者 阪本 吉弘 神奈川県横浜市青葉区鴨志田町1000番地 三菱化学株式会社横浜総合研究所内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 合成樹脂からなる第1の母材内に第1の
    繊維部材を埋設して前記第1の母材の強度を増大させた
    第1の繊維強化樹脂材料により形成され、ナットと螺合
    させることにより被締結物を締結物に締結させ、磁場又
    は温度の変化に伴う軸力の変動を緩和させるように構成
    した繊維強化樹脂材料製ボルトにおいて、 前記繊維強化樹脂材料製ボルトの軸部内における前記第
    1の繊維部材は、前記繊維強化樹脂材料製ボルトの軸方
    向に沿うように配設された複数本の長繊維であることを
    特徴とする繊維強化樹脂材料製ボルト。
  2. 【請求項2】 合成樹脂からなる第1の母材内に第1の
    繊維部材を埋設して前記第1の母材の強度を増大させた
    第1の繊維強化樹脂材料により形成され、ナットと螺合
    させることにより被締結物を締結物に締結させ、磁場又
    は温度の変化に伴う軸力の変動を緩和させるように構成
    した繊維強化樹脂材料製ボルトにおいて、 前記繊維強化樹脂材料製ボルトの軸部内における前記第
    1の繊維部材は、複数本の長繊維が略ロープ状に編まれ
    前記繊維強化樹脂材料製ボルトの軸方向に沿うように配
    設されたものであることを特徴とする繊維強化樹脂材料
    製ボルト。
  3. 【請求項3】 合成樹脂からなる第1の母材内に第1の
    繊維部材を埋設して前記第1の母材の強度を増大させた
    第1の繊維強化樹脂材料により形成され、ナットと螺合
    させることにより被締結物を締結物に締結させ、磁場又
    は温度の変化に伴う軸力の変動を緩和させるように構成
    した繊維強化樹脂材料製ボルトにおいて、 前記繊維強化樹脂材料製ボルトの軸部内における前記第
    1の繊維部材は、三次元的に分散配置された複数の短繊
    維であることを特徴とする繊維強化樹脂材料製ボルト。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし請求項3のうちのいずれ
    か1項に記載の繊維強化樹脂材料製ボルトの頭部内にお
    ける前記第1の繊維部材は、長繊維が帯状に整列されて
    形成された強化テープどうしが略市松状に編み込まれて
    形成され前記繊維強化樹脂材料製ボルトの軸方向に積層
    配置された複数枚の強化クロスであることを特徴とする
    繊維強化樹脂材料製ボルト。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし請求項3のうちのいずれ
    か1項に記載の繊維強化樹脂材料製ボルトの頭部内にお
    ける前記第1の繊維部材は、三次元的に分散配置された
    複数の短繊維であることを特徴とする繊維強化樹脂材料
    製ボルト。
  6. 【請求項6】 請求項2ないし請求項5のうちのいずれ
    か1項に記載の繊維強化樹脂材料製ボルトにおいて、前
    記長繊維又は短繊維は、炭素,ガラス,アラミド樹脂,
    ボロン,チタン,アルミナ及びポリビニルアルコールの
    うちのいずれか一つからなる繊維又はこれらの繊維の組
    合わせを含むことを特徴とする繊維強化樹脂材料製ボル
    ト。
  7. 【請求項7】 合成樹脂からなる第2の母材内に第2の
    繊維部材を埋設して前記第2の母材の強度を増大させた
    第2の繊維強化樹脂材料により形成され、ボルトに螺合
    させることにより被締結物を締結物に締結させ、磁場又
    は温度の変化に伴う前記ボルトの軸力の変動を緩和させ
    るように構成した繊維強化樹脂材料製ナットにおいて、 前記繊維強化樹脂材料製ナット内における前記第2の繊
    維部材は、長繊維が帯状に整列されて形成された強化テ
    ープどうしが略市松状に編み込まれて形成され前記繊維
    強化樹脂材料製ナットの軸方向に積層配置された複数枚
    の強化クロスであることを特徴とする繊維強化樹脂材料
    製ナット。
  8. 【請求項8】 合成樹脂からなる第2の母材内に第2の
    繊維部材を埋設して前記第2の母材の強度を増大させた
    第2の繊維強化樹脂材料により形成され、ボルトに螺合
    させることにより被締結物を締結物に締結させ、磁場又
    は温度の変化に伴う前記ボルトの軸力の変動を緩和させ
    るように構成した繊維強化樹脂材料製ナットにおいて、 前記繊維強化樹脂材料製ナット内における前記第2の繊
    維部材は、三次元的に分散配置された複数の短繊維であ
    ることを特徴とする繊維強化樹脂材料製ナット。
  9. 【請求項9】 請求項7又は請求項8に記載の繊維強化
    樹脂材料製ナットにおいて、前記長繊維又は短繊維は、
    炭素,ガラス,アラミド樹脂,ボロン,チタン,アルミ
    ナ及びポリビニルアルコールのうちのいずれか一つから
    なる繊維又はこれらの繊維の組合わせを含むことを特徴
    とする繊維強化樹脂材料製ナット。
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