JPH09254832A - 全方向移動式の傾斜不整地走行車両及び脚装置の旋回方法 - Google Patents

全方向移動式の傾斜不整地走行車両及び脚装置の旋回方法

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JPH09254832A
JPH09254832A JP6788596A JP6788596A JPH09254832A JP H09254832 A JPH09254832 A JP H09254832A JP 6788596 A JP6788596 A JP 6788596A JP 6788596 A JP6788596 A JP 6788596A JP H09254832 A JPH09254832 A JP H09254832A
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健 山田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 クローラの地面に対する確実な接地で走行性
を確保でき、また鋭角的な走行方向の切換を可能とする
ことで斜行と旋回の繰り返しにより急傾斜地での登攀を
実現できる傾斜不整地走行車両を提供する。 【解決手段】 車体1と、平面三芒星形状の各頂点とな
る位置に配置された走行用の脚装置3,4,5の3組を
備えた傾斜不整地走行用車両であって、脚装置3,4,
5は同形で、脚装置3は、傾斜不整地に対し共に同じ姿
勢で接地するクローラ302,303の対をもつ脚下部
基台301と、車体1に連結された脚上部基台304と
を有し、この脚下部基台301の中央と脚上部基台30
4とは水平直交2軸回りの回転を自由に許し、脚上部基
台304に対して脚下部基台301を油圧モータ307
で垂直軸回りに回転駆動可能とし、車体1を脚上部基台
304と平行四辺形リンク機構310で連結してこの平
行四辺形リンク機構310を油圧シリンダ装置311で
姿勢変更させて車体1の姿勢を安定させるように構成し
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば農業,林業
などの作業において好適に用いられる傾斜不整地走行に
適した車両に関するものである。
【0002】
【従来技術】一般に、山間地等の傾斜し整地されていな
い不整地(いわゆるオフロード)という特別な状況での
作業(例えば造林作業)のためには、4組以上の走行駆
動用の足回り機構(以下単に「足回り」という)をもっ
た傾斜不整地走行用車両が用いられており、このような
車両では、傾斜不整地上で安定,確実に移動できるよう
に特別の構造,機構が備えられている場合が多い。
【0003】例えば、傾斜不整地では、4組以上の車輪
や履帯(クローラ)等で構成される足回りが夫々接地す
る地上面と車体とは相互に3次元的なねじれ関係になる
場合がしばしばであるが、車体はねじれることができな
い剛構造に設けられるから、前記のねじれ関係を何らか
の方法で吸収しないと各足と地上面との接地状態が確保
されずに空回りなどを招いて適当でない。そこで、車体
と各足回りの姿勢を拘束せずに、車体のねじれに関して
の相対的な回転を許容してねじれ関係を吸収する機構、
例えば前後左右4輪のうちの後2輪の軸は車体に固定す
るが、前2輪は共通の回転軸により支持させると共に、
この回転軸を車体に対してローリングを許容する軸支持
機構を介して連結する構造が採用することが考えられて
いる。
【0004】しかしこのような例えば前2輪の車体に対
するローリングを許容する軸支持機構を設けた車両は、
4組以上の各輪が個々独立に傾斜不整地に確実に接地で
きるという利点が得られる反面として、車体の安定性が
阻害されるという欠点があって、複数の足回りの機構
(4輪)で支持されている車体の安定性が軽視されるこ
とになっているという問題があった。前記の4輪をもつ
車両の例で言えば、傾斜不整地に対する4輪夫々の地上
面との接地性を優先する結果として、車両の重心が安定
面(これを外れると転倒してしまうという転倒限界域を
示す面)を外れると、せっかく4輪で支持する構造であ
るのに、前2輪の軸支持点と後2輪で形成される平面三
角形で規定されることになってこれが車体安定性に悪影
響を及ぼす結果になっていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このような問題を解決
するためには、4輪各々についてアクティブサスペンシ
ョンを採用して、傾斜不整地における各足の接地荷重,
接地圧分布と駆動速度を最適コントロールすることが考
えられるが、実際には、このアクティブサスペンション
の制御のためには、造林作業などで求められる車体の旋
回などに原因する重心移動などの変化の情報、地形,地
表状態を原因とした撹乱を区別した情報、などが必要と
なるが、現状の感知手段(センシング手段)では適当な
ものはないし、またこのような感知手段からの情報に基
づいて圧力等を細かく制御できる個別的な例えば油圧制
御装置として安価なものはないのが現状であり、実用的
に採用できる手段は現在までのところ提供されていな
い。
【0006】また以上のこととは別に、車両の旋回を円
滑に行わせるための機構として採用される差動装置(い
わゆる「ディファレンシャルギア」)は、旋回の内輪,
外輪に作用する負荷に応じて駆動速度を変化させるもの
として整地路面では有効に機能するものの、傾斜地や軟
弱地において路面側から受ける負荷は、旋回の内輪,外
輪の旋回半径差に基づくものとは必ずしも一致せず(極
端には無関係)、このために各輪に旋回動作とは無関係
の動きを行わせてしまうことが避けられず、不安定な旋
回や走行を招くという問題があった。
【0007】この問題は、例えば林地内での作業を行う
車両では走行中に車両が転倒、障害物,急傾斜により走
行不能となるなどの不測の事態を招く結果ともなり、極
めて重大な課題となっている。 本発明は以上のような
従来の傾斜不整地走行車両において課題とされていたい
くつかの問題を解決するためになされたものであり、そ
の目的の一つは、履帯等の走行駆動装置が確実に接地で
き、かつ車体の姿勢を安定させることに適した構造を有
する傾斜不整地走行車両を提供するところにある。
【0008】また本発明の別の目的は、車両の旋回のた
めに従来採用されていた差動装置は傾斜不整地の走行に
は適していないことに鑑みこれを廃止し、これに代わる
ために複数の走行駆動装置が個々独立に旋回できるよう
にした傾斜不整地走行車両を提供するところにある。
【0009】また更に本発明の別の目的は、前記複数の
走行駆動装置の個々独立の旋回性をよりスムースに与え
ることができる機構を備えた傾斜不整地走行車両を提供
するところにある。
【0010】本発明の他の目的は、停止状態から移動方
向を自由に選択することができ、したがって急傾斜地や
軟弱斜面でも、斜行と旋回を繰り返すことによる電光形
登攀が可能であり、また車両が鋭角的に走行方向を転向
できるため障害物,急傾斜により走行不能となることが
ないという従来にない優れた傾斜不整地走行を実現でき
る傾斜不整地走行車両を提供するところにある。
【0011】本発明の更に他の目的は、走行の方向性
(直線,旋回等)を確保できることにより、障害物との
衝突を確実に回避することができる傾斜不整地走行車両
を提供するところにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上述した目的を達成する
ためになされた本発明の傾斜不整地走行車両の特徴は前
記特許請求の範囲の各請求項に記載したところにある。
【0013】本願の請求項1に記載した発明は、車体
と、平面三芒星形状の各頂点となる位置に配置された走
行用の脚装置の3組とを備え、該3組の脚装置で形成さ
れる平面三角形の内側に重心が位置するようにこれら脚
装置により前記車体を支持した傾斜不整地走行用車両で
あって、脚装置の各々は、傾斜不整地に対し共に同じ姿
勢で接地するように並列された走行駆動手段の対をもつ
脚下部と、車体に連結された脚上部とを有し、この脚下
部の中央と脚上部とは水平直交2軸回りの回転を許す継
手を介して連結されていると共に、脚上部に対して脚下
部を垂直軸回りに回転駆動可能とした垂直軸回りの回転
駆動手段と、車体の前記脚上部との連結部を上昇,下降
させる上下動駆動手段を有するように設けられた構成を
なすことを特徴とする。
【0014】前記における走行用の「脚装置」は、例え
ばユニバーサルジョイント等の水平直交2軸回りの回転
を許す継手を介して連結された脚下部と脚上部を備えて
構成された車両のいわゆる「足」をなすものであり、こ
の脚装置の3組で車体を支持することと共に、本発明の
特徴的な構成の一つをなしている。すなわち、車体を支
持する3組の「脚下部」は、履帯(クローラ),車輪等
の走行駆動手段を並列して対に有していて、その中央部
(例えば対をなす履帯の中間でかつ履帯回転方向の中間
の位置)が、走行駆動手段の進行方向及び横方向の水平
直交2軸回りの回転(ピッチングとローリング)が自由
な継手を介して脚上部に連結された構成をなすことで、
走行駆動手段の傾斜不整地面に沿った確実な接地性が確
保される。前記構成において3組の脚装置が「平面三芒
星形状の各頂点となる位置に配置」というのは、中心か
ら円周方向に120°の等角度で分割された放射方向に
延出した線上の同一円周位置に各脚装置が配置されるこ
とをいい、前記各頂点は正三角形の各頂点位置と同じで
ある。
【0015】また脚装置は、油圧モータあるいは電動モ
ータ等の垂直軸回りの回転駆動手段により脚上部に対し
て脚下部が回転駆動可能に設けられ、更に車体の前記脚
上部との連結部を油圧シリンダあるいは電動モータ等の
上下動駆動手段により脚下部に対して上昇,下降駆動で
きるように設けられている。
【0016】したがってこれらの継手及び二つの駆動手
段により、脚下部と脚上部は、走行駆動手段の進行方向
をx軸、横方向をy軸、垂直方向をz軸としたときの各
軸回りの回転rx ,ry ,rz 及び各軸方向の移動l
x ,ly ,lz の6度の自由度のうち、x軸及びy軸方
向のlx ,ly は相互に拘束され、x軸及びy軸回りの
回転rx ,ry は自由に許され、z軸方向の移動lz と
同軸回りの回転rz は上述した油圧モータ等の駆動手段
により駆動制御されるという特徴的構成を備えることに
なる。なおz軸方向の移動lz と同軸回りの回転rz の
ための駆動手段を駆動しない場合には、これらの自由度
に関する脚下部と脚上部の関係は拘束される。
【0017】本発明の構成における脚装置の「脚上部」
は、その上端を剛構造の車体に対してピンジョイント,
ユニバーサルジョイント等により直接連結することもで
きるが、例えば平行四辺形リンク機構等を介して車体に
連結することができ、このようにすれば平行四辺形リン
ク機構の姿勢を駆動制御する油圧シリンダ装置等によ
り、上述した車体の前記脚上部との連結部を脚下部に対
して上昇,下降駆動させる上下動駆動手段を形成させる
ことができる。この平行四辺形リンク機構を用いる場合
には、該平行四辺形リンク機構の上端が脚上部の車体と
の連結部を構成することになる。
【0018】本発明の車両は、限定されるものではない
が、例えば造林等の林地作業を行うための作業機械車両
として特に好適に用いられ、車体は、先端に作業治具を
取り付けたクレーン等の作業装置を搭載するための作業
台として利用される。また操縦者が載る運転席台として
利用できる。
【0019】本発明の傾斜不整地走行車両は、以上の構
成をなすことによって、足回りの確実な接地性確保,走
行の安定などが得られる他、従来の車両では全く行うこ
とができなかった特徴的な走行を行うことができるとい
う特徴がある。すなわち、脚装置の例えば履帯の一対を
反対方向に等速走行駆動させることで旋回力を生じさせ
ながら、同時に垂直軸回りの回転駆動手段を駆動させる
ことで同方向の旋回力を脚下部に更に与えて、該脚装置
を円滑に超信地旋回(脚下部の中央を中心とした自転旋
回)させることができ、したがって3組の各脚装置の向
き(次の進行方向)を車両の停止状態のままで自由に決
めることができて全方向移動が可能となる。
【0020】このような各脚装置の超信地旋回を行うこ
とで、例えば斜行と旋回を繰り返してジグザグに登攀す
る電光形登攀が可能となるため、従来の傾斜不整地走行
車両では登攀不可能であった急斜面や軟弱斜面の走行
(登攀)が可能で、また障害物等があっても鋭角的に走
行方向を転向してこれを避けることができる。
【0021】また各脚装置の履帯等の左右の速度制御を
行うことなどにより、曲線走行ができることも当然であ
る。
【0022】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施形態を図面に基
づいて説明する。
【0023】図1は、本発明よりなる傾斜不整地走行車
両の正面図を示し、図2は同車両の同平面図、図3は同
車両の脚装置を旋回させる操作を行った場合の状態を説
明するための図である。なおこれらの図において、略三
角形状の車体1の上に搭載する作業装置は本発明に直接
関係しないので図示を省略し、例えばクレーン等の円形
回転基台2のみを図示した。
【0024】3,4,5は脚装置であるが、各脚装置
3,4,5は同形であるため、以下の説明においては全
体の構成関係等を説明する場合を除いて一つの脚装置3
について説明し、他の脚装置4,5については脚装置3
に対応する符号(例えば符号301に対応する符号40
1,501)を付して説明を省略する。
【0025】これら3組の脚装置は、上述のように同形
の装置として構成されていて、図2に示すように車体1
を中心として三芒星形状の各頂点位置に配置されて車体
1を3点支持するように構成されている。
【0026】そして脚装置(例えば3)は、脚下部と脚
上部とから構成されており、そのうちの脚下部は、脚下
部基台301の両側に左右一対の同形のクローラ(履
帯)302,303が組み付けられていて、図示しない
左右各別の駆動モータを駆動制御することによってこれ
ら一対のクローラが同方向に等速度回動,異速度回動,
反対方向に等速度回動,異速度回動することができるよ
うに設けられ、これにより、同じく図示しない制御装置
でクローラを回動制御することで該脚装置3は直進,後
進,曲線前進,曲線後進、更には脚下部基台301の中
心回りの旋回(超信地旋回)ができるようになってい
る。
【0027】304は脚装置3の脚上部基台であり、本
例ではこの上に所要の駆動装置を駆動させるための油圧
源装置や電源装置である駆動源及び走行を制御するため
の制御装置を含む走行駆動部305が搭載される。
【0028】306は前記脚下部基台301と脚上部基
台304を連結する継手としてのユニバーサルジョイン
トであり、クローラ302,303の進行方向をx軸
(図1の紙面の奥行き方向をなす軸)、これに直交する
横方向をy軸(図1の図形の左右方向をなす軸)とした
ときに、x,y軸回りの両者の相対的な回転を自由に許
すように構成されている。そして本例の特徴の一つとし
て、このユニバーサルジョイント306は、脚下部基台
301と脚上部基台304とを直接連結するのではな
く、脚下部基台301に対しての垂直軸(z軸;図1の
図形の上下方向をなす軸)回りの回転が拘束されている
該ユニバーサルジョイント306の上側の軸(垂直姿勢
の軸;図示せず)を垂直軸回りに回動させる手段、例え
ば油圧モータ307によって回転駆動させることができ
るようにして連結した構成を採用していることが挙げら
れる。
【0029】以上の構成をとることにより、脚下部基台
301と脚上部基台304は、クローラ302,303
の進行方向をx軸とした場合のx,y,zの3軸回りの
回転についてはx軸,y軸(図1の図形の左右方向)回
りは相対的な回転rx ,ryが自由に許容され、またz
軸回りの回転rz は油圧モータ307により駆動回転さ
れ、この油圧モータ307が停止されている場合には相
対的な回転が拘束(禁止)される。なお、ユニバーサル
ジョイント306で連結されることにより脚下部基台3
01と脚上部基台304とのx,y軸方向の相対的な移
動lx ,ly は拘束される。
【0030】本例の特徴的な構成のもう一つは、前記の
ように構成された脚上部基台304と車体1を以下の構
成により連結しているところにある。
【0031】すなわち、本例の車両は、脚上部基台30
4の上に構築した強度メンバーとしての一対のブラケッ
ト308と、車体1から水平方向に延出したブラケット
103,104,105との間に、これらに対してピン
ジョイント309,109で平行四辺形リンク機構31
0を連結することによって車体1の連結部を水平姿勢を
変更せずに上下動させる案内機構を組み付け、更にこの
平行四辺形リンク機構310の車体との姿勢を油圧シリ
ンダ装置311により制御することで、車体1の連結部
分の脚下部基台301からの高さを上下動させることが
できるように構成されている。本例車両における各脚装
置3,4,5の平行四辺形リンク機構310,410,
510の駆動は、車体1を適切な姿勢,位置に維持する
ために各別に制御されることは言うまでもない。
【0032】このように構成された平行四辺形リンク機
構の装置によって、各脚装置3,4,5に連結する部位
の各脚下部基台301からの高さは所望する状態に維持
することができる。したがって、走行する地表面の全体
的な傾斜、部分的な窪みやコブ等があっても、3組の脚
装置の油圧シリンダ装置311,411,511を全体
的にあるいは個々独立に駆動制御することで車体1の姿
勢を必要な範囲で安定維持(理想的には水平姿勢に維
持)することができる。
【0033】これにより、前記x,y,zの3次元各軸
についての移動及び回転に関する自由度に関し、x軸に
ついては回転rx が自在でかつ移動lx は拘束され、y
軸については回転ry が自在でかつ移動ly は拘束さ
れ、z軸については回転rz と移動lz が夫々油圧モー
タ307及び油圧シリンダ装置311の駆動手段によっ
て駆動制御されるという構成を備えた傾斜不整地走行車
両が構成されることになる。
【0034】以上のような構成を備えた傾斜不整地走行
車両の好ましい用い方として次のように操作する方法を
挙げることができる。
【0035】すなわち、図3の(イ)に示したように、
3組の脚装置3,4,5が直線走行姿勢にあるときは、
各脚装置のクローラ302,303等を等速回動させる
ことで車両は直進する。
【0036】次に、車両の進行を停止した状態として、
各脚装置3,4,5を独立に超信地旋回(自転)させる
ことができる。図3の(ロ)はこの超信地旋回を行う場
合の状況を示したものであり、脚装置3はすでに超信地
旋回を行って脚下部基台301の向きを90°旋回(自
転)させた後の状態を示し、脚装置4は超信地旋回を行
う前の状態を示している。そして脚装置5は超信地旋回
を行っている途中の状態を示し、この操作状況は、クロ
ーラ502とクローラ503を逆方向に等速で回動させ
ると共に、油圧モータ507により脚下部基台301に
図の反時計回り方向の回転駆動力を与える操作が行われ
ている。超信地旋回はクローラの逆方向回転を行わせる
だけでも理論的には可能であるが、本例の車両は傾斜不
整地や軟弱地面上においてかかる旋回を行うものである
から実際には前記の一対のクローラの逆方向回動のみで
は円滑な旋回ができない場合も考えられるため、回転駆
動手段である油圧モータ507により脚上部基台304
側から脚下部基台301に回転駆動力を併せて与えるよ
うにした本例の構成は極めて有効である。
【0037】以上の超信地旋回を各脚装置3,4,5に
ついてそれぞれ行わせることによって、図3の(ハ)に
示しているように各脚装置のクローラは図3(イ)に対
して90°転向した状態となり、直線走行の方向が90
°直角に変更した方向に走行を開始できることになる。
なお、転向の方向は90°に限定されるものでないこと
は当然であり、各脚装置の転向角度を自由に設定するこ
とで360°内のいずれの方向にも転向して走行開始で
きる。
【0038】このような超信地旋回の操作を行うこと
で、本例の車両は、例えば従来の車両では登攀不可能と
されていた急傾斜地において、急傾斜地に対する斜行と
旋回を繰り返す電光形(ジグザグ)登攀が可能となって
登攀できるという優れた利点が得られる。
【0039】また、3組の脚装置3,4,5を同角度に
旋回(自転)させるだけでなく、車体1を中心とした車
両全体の自転を行わせるように、ほぼ同心円上の円周の
沿った方向に各脚装置のクローラの向きを転向させるこ
ともでき、これによって図3の(ニ)に示したように公
転による車両全体の旋回を行わせることもできる。
【0040】このような車両全体の旋回を行わせること
で、例えば車体1上に360°の旋回ができない作業装
置を搭載したような場合であっても作業時の向きは車両
全体の旋回で自由に変更できるという利点が得られる。
【0041】図4は、以上のように構成された車両が、
一般に1.8m間隔の植え列で植栽される人工林地の下
草刈り等の作業を行う場合の走行状況を模式図的に示し
たものであり、車両の大きさ等の設計によって、傾斜不
整地に植栽された苗木の樹木間を3組の脚装置が走行し
ながら、その走行方向を鋭角的に変更できる本例車両の
特徴が極めて有効に機能することが理解できる。
【0042】
【発明の効果】以上述べたように、傾斜不整地を走行す
る車両について従来課題とされていた課題は、本発明の
請求項1に記載した構成を有する車両によって有効に解
決することができる。具体的には、車体を3組の脚装置
で支持すると共に、各脚装置は各々脚上部基台と脚下部
基台の相互を、x,y,zの3次元各軸の6度の自由度
に関して上述のように一部拘束,一部許容,一部駆動連
結する構成を採用することによって、履帯等の走行駆動
装置が確実に接地できて安定な走行が実現され、また車
体の姿勢が安定するという効果が得られる。
【0043】また本発明は、車両を支持する走行駆動装
置に関して3組の走行駆動装置が個々独立に旋回できる
ようにした脚装置を採用し、車両の方向転換のために従
来必要であった差動装置は使用しないようにしたので、
この差動装置は本来傾斜不整地、特に軟弱地面上の走行
には適していないという欠点の影響を全く受けることが
ないという効果がある。
【0044】本発明における3組の走行駆動装置が個々
独立に旋回できることによって、停止状態にある車両の
次の移動方向を自由に選択することができ、したがって
急傾斜地や軟弱斜面でも、斜行と旋回を繰り返すことに
よる電光形登攀が可能という従来にない優れた傾斜不整
地走行を実現できるという効果が得られる。
【0045】また造林作業などを行う整地されていない
傾斜不整地等において、前記のような走行の方向性(直
線,旋回等)を自由に、また鋭角的な走行方向の転向が
確保できることによって、障害物との衝突を確実に回避
できるという効果も得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の傾斜不整地走行車両の概
要を示す正面図。
【図2】図1の車両の平面図。
【図3】図1の車両の脚装置を旋回させる操作を行った
場合の状態を説明するための図。
【図4】図1の車両により人工林地の下草刈り等の作業
を行う場合の走行状況を模式図的に示した図。
【符号の説明】
1・・・車体、2・・・円形回転基台、3,4,5・・
・脚装置、103,104,105・・・ブラケット、
301・・・脚下部基台、302,303・・・クロー
ラ、304・・・脚上部基台、305・・・走行駆動
部、306・・・ユニバーサルジョイント、307・・
・油圧モータ、308・・・ブラケット、309・・・
ピンジョイント、310・・・平行四辺形リンク機構、
311・・・油圧シリンダ装置。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐々木 達也 茨城県つくば市竹園3丁目5−303−411

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車体と、平面三芒星形状の各頂点となる
    位置に配置された走行用の脚装置の3組とを備え、該3
    組の脚装置で形成される平面三角形の内側に重心が位置
    するようにこれら脚装置により前記車体を支持した傾斜
    不整地走行用車両であって、 前記脚装置の各々は、傾斜不整地に対し共に同じ姿勢で
    接地するように並列された走行駆動手段の対をもつ脚下
    部と、前記車体に連結された脚上部とを有し、この脚下
    部の中央と脚上部とは水平直交2軸回りの回転を許す継
    手を介して連結されていると共に、脚上部に対して脚下
    部を垂直軸回りに回転駆動可能とした垂直軸回りの回転
    駆動手段と、車体の前記脚上部との連結部を上昇,下降
    させる上下動駆動手段を有するように設けられているこ
    とを特徴とする全方向移動式の傾斜不整地走行車両。
  2. 【請求項2】 請求項1において、各脚装置の脚下部の
    走行駆動手段は、履帯型であることを特徴とする全方向
    移動式の傾斜不整地走行車両。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2において、車体の前記脚
    上部との連結部を上昇,下降させる上下動駆動手段は、
    脚上部に対する車体の上下動を案内する連結リンク機構
    と、上下動を駆動する駆動装置の組合せからなることを
    特徴とする全方向移動式の傾斜不整地走行車両。
  4. 【請求項4】 請求項3において、脚上部に対する車体
    の上下動を案内する連結リンク機構は、平行四辺形リン
    ク機構であることを特徴とする全方向移動式の傾斜不整
    地走行車両。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれかにおいて、
    車体は、林地作業を行うための作業装置を搭載する作業
    台であることを特徴とする全方向移動式の傾斜不整地走
    行車両。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし5のいずれかにおいて、
    脚上部に対して脚下部を垂直軸回りに回転駆動可能とし
    た垂直軸回りの回転駆動手段は、回転駆動の停止時には
    該垂直軸回りの回転を拘束するものであることを特徴と
    する全方向移動式の傾斜不整地走行車両。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし6のいずれかの車両の脚
    装置において、脚下部の並列した走行駆動手段の対を反
    対方向に等速走行駆動させながら、垂直軸回りの回転駆
    動手段を駆動させて、該脚装置を超信地旋回させること
    を特徴とする傾斜不整地走行車両の脚装置の旋回方法。
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