JPH09255495A - 炭化珪素膜及びその形成方法 - Google Patents
炭化珪素膜及びその形成方法Info
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- JPH09255495A JPH09255495A JP6961096A JP6961096A JPH09255495A JP H09255495 A JPH09255495 A JP H09255495A JP 6961096 A JP6961096 A JP 6961096A JP 6961096 A JP6961096 A JP 6961096A JP H09255495 A JPH09255495 A JP H09255495A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 膜中に実質的に欠陥を有さず、電気的特性の
制御が容易にできる結晶性および表面モホロジーに優れ
た炭化珪素膜及び炭化珪素膜付き基板並びにそれらの製
造方法の提供。 【解決手段】 表面の中心線粗さ(Ra)が10nm以
下、好ましくは0.5〜3nmの範囲である表面粗さを
有する炭化珪素膜。表面のヒロック密度が200個/c
m2 以下、好ましくは0〜100個/cm2 の範囲であ
る炭化珪素膜。炭化珪素膜を有する基板であって、前記
炭化珪素膜が前記特性を有する炭化珪素膜である炭化珪
素膜付き基板。形状的欠陥又は結晶格子欠陥等の欠陥を
有する基体上に炭化珪素膜を析出させる炭化珪素膜の製
造方法。
制御が容易にできる結晶性および表面モホロジーに優れ
た炭化珪素膜及び炭化珪素膜付き基板並びにそれらの製
造方法の提供。 【解決手段】 表面の中心線粗さ(Ra)が10nm以
下、好ましくは0.5〜3nmの範囲である表面粗さを
有する炭化珪素膜。表面のヒロック密度が200個/c
m2 以下、好ましくは0〜100個/cm2 の範囲であ
る炭化珪素膜。炭化珪素膜を有する基板であって、前記
炭化珪素膜が前記特性を有する炭化珪素膜である炭化珪
素膜付き基板。形状的欠陥又は結晶格子欠陥等の欠陥を
有する基体上に炭化珪素膜を析出させる炭化珪素膜の製
造方法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表面モホロジーに
優れた炭化珪素膜、及び表面モホロジーに優れた炭化珪
素膜を有する基板並びにそれらの製造方法に関する。特
に、本発明は、予めゲッタリング源となる欠陥を形成し
ておいた基板上に炭化珪素を析出させることで表面モホ
ロジーに優れ、かつ結晶性や電気的特性に優れた炭化珪
素膜及びその製造方法を提供するものである。表面モホ
ロジーに優れ、結晶性および電気的特性に優れた炭化珪
素膜は、電力制御に用いられる大電力用半導体素子や通
信用高周波デバイス等の電子デバイス、圧力センサー、
加速度センサー、光センサー、温度センサーなどの各種
センサーに有用である。
優れた炭化珪素膜、及び表面モホロジーに優れた炭化珪
素膜を有する基板並びにそれらの製造方法に関する。特
に、本発明は、予めゲッタリング源となる欠陥を形成し
ておいた基板上に炭化珪素を析出させることで表面モホ
ロジーに優れ、かつ結晶性や電気的特性に優れた炭化珪
素膜及びその製造方法を提供するものである。表面モホ
ロジーに優れ、結晶性および電気的特性に優れた炭化珪
素膜は、電力制御に用いられる大電力用半導体素子や通
信用高周波デバイス等の電子デバイス、圧力センサー、
加速度センサー、光センサー、温度センサーなどの各種
センサーに有用である。
【0002】
【従来の技術】炭化珪素は、広い禁制帯幅と優れた化学
的安定性と耐環境性を有する半導体材料である。そのた
め炭化珪素は、シリコンを中心とした従来の半導体では
適用が困難であった高電圧、高温、または放射線照射下
での使用が可能な材料として期待されている。
的安定性と耐環境性を有する半導体材料である。そのた
め炭化珪素は、シリコンを中心とした従来の半導体では
適用が困難であった高電圧、高温、または放射線照射下
での使用が可能な材料として期待されている。
【0003】炭化珪素の製造方法としては、昇華法、液
相成長法及び気相成長法が知られている。昇華法は、る
つぼ内で原料の炭化珪素を2000〜2500℃の温度
で昇華させたガスを、原料の上方部に配置され原料より
50〜200℃低い温度に設定された炭化珪素単結晶か
らなる種結晶上で析出させて、炭化珪素単結晶を成長さ
せる方法である〔例えば、特公平7−88274号公
報、特公平7−91153号公報参照〕。
相成長法及び気相成長法が知られている。昇華法は、る
つぼ内で原料の炭化珪素を2000〜2500℃の温度
で昇華させたガスを、原料の上方部に配置され原料より
50〜200℃低い温度に設定された炭化珪素単結晶か
らなる種結晶上で析出させて、炭化珪素単結晶を成長さ
せる方法である〔例えば、特公平7−88274号公
報、特公平7−91153号公報参照〕。
【0004】液相成長法は、構成元素として炭素を含む
るつぼを用い、このるつぼ内で1650〜1800℃の
温度でシリコンを溶融させ、シリコン融液内にるつぼの
構成元素である炭素とシリコンとの反応により生成した
炭化珪素を溶融させ、前記融液面に接触させた種結晶に
単結晶炭化珪素を成長させる方法である〔例えば、特開
平7−172998号公報参照〕。気相成長法は、珪素
の原料ガスと炭素の原料ガスを基板上に供給することに
より、基板表面に炭化珪素を析出させる方法である〔例
えば、J.A.Powell et al.,ジャーナル・オブ・エレクト
ロケミカル・ソサエティ(J,Electrochem. Soc.)13
4,(1987)1558〕。さらに、これらのガスを
交互に反応炉内へ供給することにより、均一性の高い単
結晶炭化珪素を作製することができる〔例えば、特開平
7−118854号公報参照〕。
るつぼを用い、このるつぼ内で1650〜1800℃の
温度でシリコンを溶融させ、シリコン融液内にるつぼの
構成元素である炭素とシリコンとの反応により生成した
炭化珪素を溶融させ、前記融液面に接触させた種結晶に
単結晶炭化珪素を成長させる方法である〔例えば、特開
平7−172998号公報参照〕。気相成長法は、珪素
の原料ガスと炭素の原料ガスを基板上に供給することに
より、基板表面に炭化珪素を析出させる方法である〔例
えば、J.A.Powell et al.,ジャーナル・オブ・エレクト
ロケミカル・ソサエティ(J,Electrochem. Soc.)13
4,(1987)1558〕。さらに、これらのガスを
交互に反応炉内へ供給することにより、均一性の高い単
結晶炭化珪素を作製することができる〔例えば、特開平
7−118854号公報参照〕。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来の気相成長法によ
る炭化珪素単結晶成膜方法では、特にシリコンを基板と
して炭化珪素の成膜を行う場合、炭化珪素とシリコン基
板の界面に生じる結晶格子の不整合により、成膜した炭
化珪素の結晶性や、結晶表面のモホロジーが悪化すると
いう問題がある。そのため、シリコン基板上に炭化珪素
を成膜する場合には予めシリコン基板の表面を炭化水素
雰囲気中で炭化し、100Å程度の極薄の炭化珪素層を
形成させる必要がある〔小野 他、電子通信学会信学技
報、SSD80,(1980)125〕。
る炭化珪素単結晶成膜方法では、特にシリコンを基板と
して炭化珪素の成膜を行う場合、炭化珪素とシリコン基
板の界面に生じる結晶格子の不整合により、成膜した炭
化珪素の結晶性や、結晶表面のモホロジーが悪化すると
いう問題がある。そのため、シリコン基板上に炭化珪素
を成膜する場合には予めシリコン基板の表面を炭化水素
雰囲気中で炭化し、100Å程度の極薄の炭化珪素層を
形成させる必要がある〔小野 他、電子通信学会信学技
報、SSD80,(1980)125〕。
【0006】ところが、シリコン基板の表面を炭化する
工程中で極薄の表面炭化珪素層内にポーラスな欠陥が形
成され、この欠陥を通ってシリコン基板から炭化珪素層
表面に向かいシリコン原子が拡散してくる〔例えば、C.
J.Mogab et. al., J. App. Phys.45,(1974)1
075〕。この拡散シリコン原子は、炭化珪素層表面に
おいて局所的に凝集し、シリコン領域を形成してしま
う。このシリコン領域が原因となり、極薄の炭化珪素表
面の結晶性及びモホロジーが悪化する。そして、このよ
うな結晶性及びモホロジーが悪化した極薄炭化珪素層上
に気相成長により炭化珪素の成膜を行うと、極薄炭化珪
素層表面の状態が引き継がれ、成長させた炭化珪素膜中
に欠陥が生じて膜の結晶性が悪化したり、表面のモホロ
ジーが悪化してしまう。このため、シリコン基板上に易
動度やキャリア密度等の電気的特性を制御し易い、結晶
性及び表面モホロジーに優れた炭化珪素膜を形成するの
は困難であった。
工程中で極薄の表面炭化珪素層内にポーラスな欠陥が形
成され、この欠陥を通ってシリコン基板から炭化珪素層
表面に向かいシリコン原子が拡散してくる〔例えば、C.
J.Mogab et. al., J. App. Phys.45,(1974)1
075〕。この拡散シリコン原子は、炭化珪素層表面に
おいて局所的に凝集し、シリコン領域を形成してしま
う。このシリコン領域が原因となり、極薄の炭化珪素表
面の結晶性及びモホロジーが悪化する。そして、このよ
うな結晶性及びモホロジーが悪化した極薄炭化珪素層上
に気相成長により炭化珪素の成膜を行うと、極薄炭化珪
素層表面の状態が引き継がれ、成長させた炭化珪素膜中
に欠陥が生じて膜の結晶性が悪化したり、表面のモホロ
ジーが悪化してしまう。このため、シリコン基板上に易
動度やキャリア密度等の電気的特性を制御し易い、結晶
性及び表面モホロジーに優れた炭化珪素膜を形成するの
は困難であった。
【0007】また、炭化珪素と熱膨張係数が異なる基体
上に炭化珪素膜を成膜する場合には、高温で炭化珪素を
析出させた炭化珪素付基体を室温まで降温させる際に、
熱膨張係数の差より成膜後の炭化珪素膜に内部応力が生
じる。この内部応力は炭化珪素膜中に欠陥や亀裂を生じ
せしめる。また、基板の種類によらず、成膜時に、成膜
条件や成膜炉内の雰囲気などに依存して炭化珪素膜内に
結晶格子欠陥が発生してしまうこともあった。即ち、従
来の炭化珪素膜の成膜方法では、結晶性及び表面モホロ
ジーに優れ、電気的特性に優れた炭化珪素膜を形成する
ことは困難であった。
上に炭化珪素膜を成膜する場合には、高温で炭化珪素を
析出させた炭化珪素付基体を室温まで降温させる際に、
熱膨張係数の差より成膜後の炭化珪素膜に内部応力が生
じる。この内部応力は炭化珪素膜中に欠陥や亀裂を生じ
せしめる。また、基板の種類によらず、成膜時に、成膜
条件や成膜炉内の雰囲気などに依存して炭化珪素膜内に
結晶格子欠陥が発生してしまうこともあった。即ち、従
来の炭化珪素膜の成膜方法では、結晶性及び表面モホロ
ジーに優れ、電気的特性に優れた炭化珪素膜を形成する
ことは困難であった。
【0008】そこで本発明は、膜中に実質的に欠陥を有
さず電気的特性の制御が容易にできる、結晶性および表
面モホロジーに優れた炭化珪素膜及びそのような炭化珪
素膜を有する基板並びにそれらの製造方法を提供するこ
とを目的とする。
さず電気的特性の制御が容易にできる、結晶性および表
面モホロジーに優れた炭化珪素膜及びそのような炭化珪
素膜を有する基板並びにそれらの製造方法を提供するこ
とを目的とする。
【0009】本発明者らは、基板がシリコンである場合
に、炭化珪素膜内に欠陥が生じ、表面モホロジーが悪化
する原因として、シリコン基板の表面を炭化する際に、
表面炭化珪素層内にポーラスな欠陥が形成され、シリコ
ン基板から表面炭化珪素層の表面にシリコン原子が侵入
してくること、シリコン以外の基板の場合には、成膜中
に炭化珪素とシリコン基板との熱膨張率の差から内部応
力が生じ、この内部応力より炭化珪素膜中に亀裂が生じ
ることに着目した。そして、炭化珪素膜の成膜中に発生
する上記ポーラスな欠陥は、基板の表面に予め部分的に
導入しておいた溝のようなゲッタリング源となる欠陥に
吸収されること、及び欠陥が導入されていない領域の基
板表面に形成された炭化珪素膜の領域ではポーラスな欠
陥が低減されていることを見出した。さらに、上記のよ
うな予め導入したゲッタリング源となる欠陥は、炭化珪
素膜中に生じる亀裂を低減させることが可能であること
も見出した。加えて、成膜条件や反応炉内の状態によっ
て炭化珪素膜内に発生する結晶格子欠陥も、基板の表面
に予め部分的に導入しておいたゲッタリング源となる欠
陥に吸収され、その結果、欠陥が導入されていない領域
の基板表面に形成された炭化珪素膜の領域では結晶格子
欠陥の量が少なく結晶性の優れた炭化珪素膜を形成させ
ることができることも見いだした。
に、炭化珪素膜内に欠陥が生じ、表面モホロジーが悪化
する原因として、シリコン基板の表面を炭化する際に、
表面炭化珪素層内にポーラスな欠陥が形成され、シリコ
ン基板から表面炭化珪素層の表面にシリコン原子が侵入
してくること、シリコン以外の基板の場合には、成膜中
に炭化珪素とシリコン基板との熱膨張率の差から内部応
力が生じ、この内部応力より炭化珪素膜中に亀裂が生じ
ることに着目した。そして、炭化珪素膜の成膜中に発生
する上記ポーラスな欠陥は、基板の表面に予め部分的に
導入しておいた溝のようなゲッタリング源となる欠陥に
吸収されること、及び欠陥が導入されていない領域の基
板表面に形成された炭化珪素膜の領域ではポーラスな欠
陥が低減されていることを見出した。さらに、上記のよ
うな予め導入したゲッタリング源となる欠陥は、炭化珪
素膜中に生じる亀裂を低減させることが可能であること
も見出した。加えて、成膜条件や反応炉内の状態によっ
て炭化珪素膜内に発生する結晶格子欠陥も、基板の表面
に予め部分的に導入しておいたゲッタリング源となる欠
陥に吸収され、その結果、欠陥が導入されていない領域
の基板表面に形成された炭化珪素膜の領域では結晶格子
欠陥の量が少なく結晶性の優れた炭化珪素膜を形成させ
ることができることも見いだした。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、表面の中心線
平均粗さ(Ra)が10nm以下である表面粗さを有するこ
とを特徴とする炭化珪素膜に関する。また本発明は、表
面のヒロック密度が200個/cm2 以下であることを
特徴とする炭化珪素膜に関する。さらに本発明は、炭化
珪素膜を有する基板であって、前記炭化珪素膜が表面の
中心線平均粗さ(Ra)が10nm以下である表面粗さを有
するか、または表面のヒロック密度が200個/cm2
以下である炭化珪素膜であることを特徴とする炭化珪素
膜付き基板に関する。加えて本発明は、欠陥を有する基
体上に炭化珪素膜を析出させることを特徴とする炭化珪
素膜の製造方法に関する。
平均粗さ(Ra)が10nm以下である表面粗さを有するこ
とを特徴とする炭化珪素膜に関する。また本発明は、表
面のヒロック密度が200個/cm2 以下であることを
特徴とする炭化珪素膜に関する。さらに本発明は、炭化
珪素膜を有する基板であって、前記炭化珪素膜が表面の
中心線平均粗さ(Ra)が10nm以下である表面粗さを有
するか、または表面のヒロック密度が200個/cm2
以下である炭化珪素膜であることを特徴とする炭化珪素
膜付き基板に関する。加えて本発明は、欠陥を有する基
体上に炭化珪素膜を析出させることを特徴とする炭化珪
素膜の製造方法に関する。
【0011】
【発明の実施の形態】以下本発明について説明する。炭化珪素膜の成膜方法 本発明の製造方法においては、欠陥を有する基体上に炭
化珪素膜を析出させることが特徴である。ここで基体が
有する欠陥とは、例えば、形状的欠陥及び結晶格子欠陥
等であり、炭化珪素の膜が析出する際に、炭化珪素膜中
に発生する欠陥を吸収する能力のあるもの(ゲッタリン
グ源)である。形状的欠陥としては、例えば、溝やスポ
ットあるいは機械的損傷(表面の凹凸)等を挙げること
ができる。結晶格子欠陥には、例えば、面欠陥の1つで
ある積層欠陥がある。最密構造の結晶では、積層軸に対
して、面の重なり方に数種類の配置がある。これが順序
良く繰り返されて空間格子を形成しているが、この順序
が乱れることがある。このような面欠陥が積層欠陥であ
る。また、結晶格子欠陥には、他にも転位や空格子点で
あり、これらの欠陥は、例えば、基体の製造条件を制御
したり、あるいは基体を構成する元素と異なる元素を導
入することで形成することができる。
化珪素膜を析出させることが特徴である。ここで基体が
有する欠陥とは、例えば、形状的欠陥及び結晶格子欠陥
等であり、炭化珪素の膜が析出する際に、炭化珪素膜中
に発生する欠陥を吸収する能力のあるもの(ゲッタリン
グ源)である。形状的欠陥としては、例えば、溝やスポ
ットあるいは機械的損傷(表面の凹凸)等を挙げること
ができる。結晶格子欠陥には、例えば、面欠陥の1つで
ある積層欠陥がある。最密構造の結晶では、積層軸に対
して、面の重なり方に数種類の配置がある。これが順序
良く繰り返されて空間格子を形成しているが、この順序
が乱れることがある。このような面欠陥が積層欠陥であ
る。また、結晶格子欠陥には、他にも転位や空格子点で
あり、これらの欠陥は、例えば、基体の製造条件を制御
したり、あるいは基体を構成する元素と異なる元素を導
入することで形成することができる。
【0012】これらゲッタリング源となる欠陥は、基体
の炭化珪素膜を析出させる表面に部分的に設けるか、ま
たは基体の炭化珪素膜を析出させる表面と対向する面の
一部又は全部に設けることができる。欠陥を基体の炭化
珪素膜を析出させる表面に設ける場合、欠陥の存在する
基体の近傍では欠陥を反映した炭化珪素膜が形成される
が、欠陥から遠くなるとむしろ欠陥の少ない炭化珪素膜
となる。従って、必要とされる炭化珪素膜のサイズに応
じて欠陥を設ける位置(欠陥と欠陥の間隔)を適宜調整
することができる。例えば、図1に示すように、形状的
欠陥の1つである溝2を基体1の炭化珪素膜を析出させ
る表面に格子状に設けることができる。そして、炭化珪
素膜を使用する製品のサイズを考慮して、製品のサイズ
と同等又はそれ以上の大きさで欠陥の少ない領域が得ら
れるように、格子状の欠陥を形成する。また、溝は格子
状以外に、例えば、平行線状等に設けることもできる。
さらに、図2に示すように形状的欠陥の1つであるスポ
ット8を基体2の炭化珪素膜を析出させる表面に一定の
間隔で設けることができる。さらに、積層欠陥や結晶格
子欠陥も格子状や平行線状、さらにはスポットとして設
けることもできる。
の炭化珪素膜を析出させる表面に部分的に設けるか、ま
たは基体の炭化珪素膜を析出させる表面と対向する面の
一部又は全部に設けることができる。欠陥を基体の炭化
珪素膜を析出させる表面に設ける場合、欠陥の存在する
基体の近傍では欠陥を反映した炭化珪素膜が形成される
が、欠陥から遠くなるとむしろ欠陥の少ない炭化珪素膜
となる。従って、必要とされる炭化珪素膜のサイズに応
じて欠陥を設ける位置(欠陥と欠陥の間隔)を適宜調整
することができる。例えば、図1に示すように、形状的
欠陥の1つである溝2を基体1の炭化珪素膜を析出させ
る表面に格子状に設けることができる。そして、炭化珪
素膜を使用する製品のサイズを考慮して、製品のサイズ
と同等又はそれ以上の大きさで欠陥の少ない領域が得ら
れるように、格子状の欠陥を形成する。また、溝は格子
状以外に、例えば、平行線状等に設けることもできる。
さらに、図2に示すように形状的欠陥の1つであるスポ
ット8を基体2の炭化珪素膜を析出させる表面に一定の
間隔で設けることができる。さらに、積層欠陥や結晶格
子欠陥も格子状や平行線状、さらにはスポットとして設
けることもできる。
【0013】基体の炭化珪素膜を析出させる表面と対向
する面にも、上記と同様に格子状や平行線状、さらには
スポットとしての形状的欠陥、積層欠陥、結晶格子欠陥
を設けることができる。さらに、基体の炭化珪素膜を析
出させる表面と対向する面の全面を、例えば、サンドブ
ラスト等により凹凸化することにより、欠陥を全面に設
けることもできる。
する面にも、上記と同様に格子状や平行線状、さらには
スポットとしての形状的欠陥、積層欠陥、結晶格子欠陥
を設けることができる。さらに、基体の炭化珪素膜を析
出させる表面と対向する面の全面を、例えば、サンドブ
ラスト等により凹凸化することにより、欠陥を全面に設
けることもできる。
【0014】上記のようなゲッタリング源である欠陥
は、その種類に応じて、例えば、反応性イオンエッチン
グ、イオンミリング、イオン注入、化学エッチング、サ
ンドブラスト、切削法または研磨等により導入すること
ができる。尚、サンドブラスト法、切削法、研磨などで
は、形状的欠陥とともに格子欠陥も形成されることがあ
る。欠陥のうち、溝やスポットは、例えば、リソグラフ
ィープロセスを用いて作製することが可能である。リソ
グラフィープロセスを用いる場合は、従来の半導体作製
プロセスにおける一工程として組み込むことができ、実
用化が容易である。また、溝やスポットは、イオンエッ
チングに代表される物理的エッチングや酸やアルカリと
の化学反応による化学的エッチングあるいは機械的な切
削法を用いて作製することも可能である。表面凹凸のよ
うな機械的損傷は、サンドブラスト法で導入することが
可能であるし、研磨によって作製することもできる。
は、その種類に応じて、例えば、反応性イオンエッチン
グ、イオンミリング、イオン注入、化学エッチング、サ
ンドブラスト、切削法または研磨等により導入すること
ができる。尚、サンドブラスト法、切削法、研磨などで
は、形状的欠陥とともに格子欠陥も形成されることがあ
る。欠陥のうち、溝やスポットは、例えば、リソグラフ
ィープロセスを用いて作製することが可能である。リソ
グラフィープロセスを用いる場合は、従来の半導体作製
プロセスにおける一工程として組み込むことができ、実
用化が容易である。また、溝やスポットは、イオンエッ
チングに代表される物理的エッチングや酸やアルカリと
の化学反応による化学的エッチングあるいは機械的な切
削法を用いて作製することも可能である。表面凹凸のよ
うな機械的損傷は、サンドブラスト法で導入することが
可能であるし、研磨によって作製することもできる。
【0015】本発明の製造方法で用いる基体は、上記の
ような欠陥を導入でき、かつ炭化珪素膜の析出条件下で
熱的な変性等を生じないものであれば、制限なく使用で
きる。例えば、シリコン、サファイヤ、炭化珪素、酸化
マグネシウム、窒化アルミニウム、窒化チタニウム、炭
化チタニウム、ダイヤモンド等を挙げることができる。
本発明の製造方法において炭化珪素膜の析出は、いずれ
も公知の方法である昇華法〔例えば、特公平7−882
74号公報、特公平7−91153号公報参照〕、液相
成長法〔例えば、特開平7−172998号公報参照〕
及び気相成長法〔例えば、J.A.Powell et al., ジャー
ナル・オブ・エレクトロケミカル・ソサエティ(J,Elec
trochem. Soc.)134,(1987)1558、特開平
7−118854号公報参照〕のいずれの方法を用いて
も行うことができる。但し、大面積かつ結晶性の高い炭
化珪素膜を得るという観点から、気相成長法が適当であ
る。
ような欠陥を導入でき、かつ炭化珪素膜の析出条件下で
熱的な変性等を生じないものであれば、制限なく使用で
きる。例えば、シリコン、サファイヤ、炭化珪素、酸化
マグネシウム、窒化アルミニウム、窒化チタニウム、炭
化チタニウム、ダイヤモンド等を挙げることができる。
本発明の製造方法において炭化珪素膜の析出は、いずれ
も公知の方法である昇華法〔例えば、特公平7−882
74号公報、特公平7−91153号公報参照〕、液相
成長法〔例えば、特開平7−172998号公報参照〕
及び気相成長法〔例えば、J.A.Powell et al., ジャー
ナル・オブ・エレクトロケミカル・ソサエティ(J,Elec
trochem. Soc.)134,(1987)1558、特開平
7−118854号公報参照〕のいずれの方法を用いて
も行うことができる。但し、大面積かつ結晶性の高い炭
化珪素膜を得るという観点から、気相成長法が適当であ
る。
【0016】気相成長法による炭化珪素膜の製造は、基
体を反応炉内に据えて原料ガスを供給して基体表面に炭
化珪素をエピタキシャル成長させることで行える。炭化
珪素の原料としては、シラン系化合物と炭化水素を用い
てもよいし、有機珪素化合物を用いてもよい。原料ガス
であるシラン系化合物としては、例えば、ジクロルシラ
ン(SiH2Cl2)、SiH4、SiCl4 、SiHCl3などを用いること
ができる。原料ガスである炭化水素としては、例えば、
アセチレン(C2H2)、CH4 、C2H6、C3H8などを用いるこ
とができる。また、シラン系化合物と炭化水素とを併用
せず、(CH3)3SiCl、(CH3)4Siなどの有機珪素化合物を気
化させたガスのみで成膜することも可能である。基体と
してシリコン基板を用いる場合、炭化水素雰囲気中で熱
処理することで表面炭化珪素層を予め形成することもで
きる。また、特開平7−118854号公報に記載のよ
うに、少なくともシラン系化合物と炭化水素を減圧下の
反応炉内へ交互に供給して、基板上に単結晶炭化珪素膜
をエピタキシャル成長させることもできる。表面炭化珪
素層を予め形成し、その上にシラン系化合物と炭化水素
を減圧下の反応炉内へ交互に供給してエピタキシャル成
長により形成された単結晶炭化珪素膜は、特に結晶性が
良く表面モホロジーも良く好ましい。
体を反応炉内に据えて原料ガスを供給して基体表面に炭
化珪素をエピタキシャル成長させることで行える。炭化
珪素の原料としては、シラン系化合物と炭化水素を用い
てもよいし、有機珪素化合物を用いてもよい。原料ガス
であるシラン系化合物としては、例えば、ジクロルシラ
ン(SiH2Cl2)、SiH4、SiCl4 、SiHCl3などを用いること
ができる。原料ガスである炭化水素としては、例えば、
アセチレン(C2H2)、CH4 、C2H6、C3H8などを用いるこ
とができる。また、シラン系化合物と炭化水素とを併用
せず、(CH3)3SiCl、(CH3)4Siなどの有機珪素化合物を気
化させたガスのみで成膜することも可能である。基体と
してシリコン基板を用いる場合、炭化水素雰囲気中で熱
処理することで表面炭化珪素層を予め形成することもで
きる。また、特開平7−118854号公報に記載のよ
うに、少なくともシラン系化合物と炭化水素を減圧下の
反応炉内へ交互に供給して、基板上に単結晶炭化珪素膜
をエピタキシャル成長させることもできる。表面炭化珪
素層を予め形成し、その上にシラン系化合物と炭化水素
を減圧下の反応炉内へ交互に供給してエピタキシャル成
長により形成された単結晶炭化珪素膜は、特に結晶性が
良く表面モホロジーも良く好ましい。
【0017】このように本発明の方法は、予め基体表面
の一部(または全面)に溝やスポット等のゲッタリング
源となる欠陥を作製し、この基体上に炭化珪素薄膜を積
層するようにしたものである。ゲッタリング源となる欠
陥を有する基体を用いると、表面炭化する工程中あるい
は炭化珪素膜成膜工程中に、ポーラスな欠陥をゲッタリ
ングさせて減少させ、膜中の応力を緩和して亀裂の発生
を防止し、あるいは成膜中に発生する結晶格子欠陥を吸
収させて結晶格子欠陥を減少させることができる。ま
た、基体としてシリコン基板を用いる場合だけでなく、
シリコン以外の基板を用いる場合にも、ゲッタリング源
となる欠陥を有する基体を用いると、炭化珪素と基板と
の熱膨張率の差で生じる膜中の応力を緩和させて亀裂の
発生を防止でき、成膜中に発生する結晶格子欠陥を吸収
させて結晶格子欠陥を減少させることができる。そし
て、その結果、電気的特性、結晶性および表面モホロジ
ーに優れた炭化珪素膜を作製することができる。
の一部(または全面)に溝やスポット等のゲッタリング
源となる欠陥を作製し、この基体上に炭化珪素薄膜を積
層するようにしたものである。ゲッタリング源となる欠
陥を有する基体を用いると、表面炭化する工程中あるい
は炭化珪素膜成膜工程中に、ポーラスな欠陥をゲッタリ
ングさせて減少させ、膜中の応力を緩和して亀裂の発生
を防止し、あるいは成膜中に発生する結晶格子欠陥を吸
収させて結晶格子欠陥を減少させることができる。ま
た、基体としてシリコン基板を用いる場合だけでなく、
シリコン以外の基板を用いる場合にも、ゲッタリング源
となる欠陥を有する基体を用いると、炭化珪素と基板と
の熱膨張率の差で生じる膜中の応力を緩和させて亀裂の
発生を防止でき、成膜中に発生する結晶格子欠陥を吸収
させて結晶格子欠陥を減少させることができる。そし
て、その結果、電気的特性、結晶性および表面モホロジ
ーに優れた炭化珪素膜を作製することができる。
【0018】炭化珪素膜 上記の本発明の製造方法で得られる本発明の炭化珪素膜
は、表面モホロジーに優れたものであり、表面の中心線
平均粗さ(Ra)が10nm以下、好ましくは0.5〜3n
mの範囲である表面粗さを有する。尚、表面の中心線平
均粗さ(Ra)は、JIS B 0601に規定されて
いる。また、表面モホロジーに優れた本発明の炭化珪素
膜は、別の観点から、表面のヒロック密度が200個/
cm2 以下、好ましくは0〜100個/cm2 の範囲で
ある表面粗さを有する。尚、表面のヒロック密度は走査
型顕微鏡(SEM)や走査型トンネル顕微鏡(ST
M)、原子力間顕微鏡(AFM)等の走査型プローブ顕
微鏡で観察することにより測定することができる。
は、表面モホロジーに優れたものであり、表面の中心線
平均粗さ(Ra)が10nm以下、好ましくは0.5〜3n
mの範囲である表面粗さを有する。尚、表面の中心線平
均粗さ(Ra)は、JIS B 0601に規定されて
いる。また、表面モホロジーに優れた本発明の炭化珪素
膜は、別の観点から、表面のヒロック密度が200個/
cm2 以下、好ましくは0〜100個/cm2 の範囲で
ある表面粗さを有する。尚、表面のヒロック密度は走査
型顕微鏡(SEM)や走査型トンネル顕微鏡(ST
M)、原子力間顕微鏡(AFM)等の走査型プローブ顕
微鏡で観察することにより測定することができる。
【0019】本発明の炭化珪素膜は、αまたはβ−Si
Cの単結晶または多結晶膜であって、上記のような表面
特性を有するものである。尚、αまたはβ−SiCの単
結晶または多結晶膜は、製造条件をコントロールするこ
とで、適宜作製することができる。例えば、CVD法で
作製する場合、温度を例えば、約1500〜1600℃
の範囲とすることでα−SiCを得ることができ、10
00℃前後の温度とすることでβ−SiCを得ることが
できる。また、単結晶と多結晶とは、原料ガスの流量、
圧力及び温度等をコントロールすることで適宜作り分け
ることができる。例えば、CVD法で原料ガスを交互に
導入し、かつ原料ガスの流量、圧力及び温度等をコント
ロールすることで、単結晶膜を形成することができる。
さらに、本発明の炭化珪素膜は、例えば、1017〜1019cm
2 の範囲のキャリア密度と、50〜300cm2/(V・sec)
の範囲の易動度を有し、電気的特性の制御が容易にでき
る。さらに、膜厚は、用途等により適宜選定できる。通
常、例えば、大電力用半導体素子や通信用高周波デバイ
ス等の電子デバイスには5〜10μmの範囲、圧力セン
サー等の各種センサーには2〜5μmの範囲であること
が適当である。
Cの単結晶または多結晶膜であって、上記のような表面
特性を有するものである。尚、αまたはβ−SiCの単
結晶または多結晶膜は、製造条件をコントロールするこ
とで、適宜作製することができる。例えば、CVD法で
作製する場合、温度を例えば、約1500〜1600℃
の範囲とすることでα−SiCを得ることができ、10
00℃前後の温度とすることでβ−SiCを得ることが
できる。また、単結晶と多結晶とは、原料ガスの流量、
圧力及び温度等をコントロールすることで適宜作り分け
ることができる。例えば、CVD法で原料ガスを交互に
導入し、かつ原料ガスの流量、圧力及び温度等をコント
ロールすることで、単結晶膜を形成することができる。
さらに、本発明の炭化珪素膜は、例えば、1017〜1019cm
2 の範囲のキャリア密度と、50〜300cm2/(V・sec)
の範囲の易動度を有し、電気的特性の制御が容易にでき
る。さらに、膜厚は、用途等により適宜選定できる。通
常、例えば、大電力用半導体素子や通信用高周波デバイ
ス等の電子デバイスには5〜10μmの範囲、圧力セン
サー等の各種センサーには2〜5μmの範囲であること
が適当である。
【0020】炭化珪素膜付き基板 本発明の炭化珪素膜付き基板は、上記本発明の炭化珪素
膜を有する基板である。即ち、表面の中心線平均粗さ(R
a)が10nm以下、好ましくは0.5〜5nmの範囲で
ある表面粗さを有する表面モホロジーに優れた炭化珪素
膜を有する基板である。或いは、表面のヒロック密度が
200個/cm2 以下、好ましくは0〜100個/cm
2 の範囲である表面粗さを有する表面モホロジーに優れ
た炭化珪素膜を有する基板である。本発明の炭化珪素膜
付き基板の基板としては、例えば、シリコン基板、サフ
ァイヤ、炭化珪素、酸化マグネシウム、窒化アルミニウ
ム、窒化チタニウム、炭化チタニウム、ダイヤモンド等
を挙げることができる。また、上記基板の一部が欠如し
ているものであってもよい。基板の一部の欠如は、例え
ば、エッチングにより形成することができる。
膜を有する基板である。即ち、表面の中心線平均粗さ(R
a)が10nm以下、好ましくは0.5〜5nmの範囲で
ある表面粗さを有する表面モホロジーに優れた炭化珪素
膜を有する基板である。或いは、表面のヒロック密度が
200個/cm2 以下、好ましくは0〜100個/cm
2 の範囲である表面粗さを有する表面モホロジーに優れ
た炭化珪素膜を有する基板である。本発明の炭化珪素膜
付き基板の基板としては、例えば、シリコン基板、サフ
ァイヤ、炭化珪素、酸化マグネシウム、窒化アルミニウ
ム、窒化チタニウム、炭化チタニウム、ダイヤモンド等
を挙げることができる。また、上記基板の一部が欠如し
ているものであってもよい。基板の一部の欠如は、例え
ば、エッチングにより形成することができる。
【0021】本発明の炭化珪素膜や炭化珪素膜付き基板
は、前記本発明の製造方法により基体上に形成された炭
化珪素膜から製造できる。例えば、炭化珪素膜は、所望
の大きさの炭化珪素膜を形成できる間隔でゲッタリング
源となる欠陥を炭化珪素膜を析出させる表面に設けた基
体を用い、基体表面の欠陥のない領域上に析出した炭化
珪素膜をエッチング等により切り出すことで得ることが
できる。また、炭化珪素膜を析出させる表面と対向する
面に欠陥を有する基体を用いる場合には、比較的広い面
積の表面モホロジーに優れた炭化珪素膜を得ることも可
能である。また、炭化珪素膜付き基板は、炭化珪素膜の
製造方法に用いる基体として、炭化珪素膜付き基板の基
板となる材料を用い、その上に本発明の製造方法により
炭化珪素膜を成膜し、次いで所定の大きさ及び形状とな
るように切断等の加工をすることで得られる。その際、
素子等の用途に応じて基板の一部をエッチング等により
所望の形状に欠如させることもできる。
は、前記本発明の製造方法により基体上に形成された炭
化珪素膜から製造できる。例えば、炭化珪素膜は、所望
の大きさの炭化珪素膜を形成できる間隔でゲッタリング
源となる欠陥を炭化珪素膜を析出させる表面に設けた基
体を用い、基体表面の欠陥のない領域上に析出した炭化
珪素膜をエッチング等により切り出すことで得ることが
できる。また、炭化珪素膜を析出させる表面と対向する
面に欠陥を有する基体を用いる場合には、比較的広い面
積の表面モホロジーに優れた炭化珪素膜を得ることも可
能である。また、炭化珪素膜付き基板は、炭化珪素膜の
製造方法に用いる基体として、炭化珪素膜付き基板の基
板となる材料を用い、その上に本発明の製造方法により
炭化珪素膜を成膜し、次いで所定の大きさ及び形状とな
るように切断等の加工をすることで得られる。その際、
素子等の用途に応じて基板の一部をエッチング等により
所望の形状に欠如させることもできる。
【0022】以下、実施例に基づいて本発明の炭化珪素
薄膜の製造方法について詳細に説明する。 実施例1 図3は、実施例1で行った本発明の成膜方法を工程順に
示す縦断面図である。工程(a)では、3インチの直径
を有する単結晶シリコン基板1を用意した。次に工程
(b)で、この単結晶シリコン基板1表面に、反応性イ
オンエッチングにより格子状の溝2を設けた。図1は、
反応性イオンエッチングにより設けられた格子状の溝2
を有する単結晶シリコン基板1の平面図である。反応性
エッチングは、CF4 40sccm、 O2 10sccm、RF電力
300W、圧力5Paの条件下で行った。格子は、1cm
間隔とし、溝は、幅500μm、深さ0.5μmとした。
尚、この溝はイオンミリングで作製することもできる。
工程(c)で、シリコン基板を反応炉内に設置し、アセ
チレンガス4と水素雰囲気中で1020℃まで加熱し、
さらに60分間保つことで、予めシリコン基板1に表面
炭化層3を形成した。このときの表面炭化の条件を表1
に示す。エリプソメトリを用いてシリコン基板表面の膜
厚を測定したところ80Åであった。
薄膜の製造方法について詳細に説明する。 実施例1 図3は、実施例1で行った本発明の成膜方法を工程順に
示す縦断面図である。工程(a)では、3インチの直径
を有する単結晶シリコン基板1を用意した。次に工程
(b)で、この単結晶シリコン基板1表面に、反応性イ
オンエッチングにより格子状の溝2を設けた。図1は、
反応性イオンエッチングにより設けられた格子状の溝2
を有する単結晶シリコン基板1の平面図である。反応性
エッチングは、CF4 40sccm、 O2 10sccm、RF電力
300W、圧力5Paの条件下で行った。格子は、1cm
間隔とし、溝は、幅500μm、深さ0.5μmとした。
尚、この溝はイオンミリングで作製することもできる。
工程(c)で、シリコン基板を反応炉内に設置し、アセ
チレンガス4と水素雰囲気中で1020℃まで加熱し、
さらに60分間保つことで、予めシリコン基板1に表面
炭化層3を形成した。このときの表面炭化の条件を表1
に示す。エリプソメトリを用いてシリコン基板表面の膜
厚を測定したところ80Åであった。
【0023】
【表1】
【0024】工程(d)で、炭化層3を形成した後、引
き続き、基板温度1020℃の状態でシラン系化合物と
炭化水素を交互に反応炉内へと供給することで炭化珪素
膜6の成膜を実施した。シチン系化合物としては、ジク
ロルシラン(SiH2Cl2) 5を炭化水素としてアセチレン(C
2H2)4を使用した。尚、炉内温度を下げ一旦表面炭化を
施したシリコン基板を取り出し、別途反応炉内に設置
し、1020℃まで昇温してから成膜することもでき
る。炭化珪素膜の成長条件の詳細は表2に示した。
き続き、基板温度1020℃の状態でシラン系化合物と
炭化水素を交互に反応炉内へと供給することで炭化珪素
膜6の成膜を実施した。シチン系化合物としては、ジク
ロルシラン(SiH2Cl2) 5を炭化水素としてアセチレン(C
2H2)4を使用した。尚、炉内温度を下げ一旦表面炭化を
施したシリコン基板を取り出し、別途反応炉内に設置
し、1020℃まで昇温してから成膜することもでき
る。炭化珪素膜の成長条件の詳細は表2に示した。
【0025】
【表2】
【0026】図4は、工程(c)で、シリコン基板表面
を炭化して形成した表面炭化珪素層6の表面の走査型電
子顕微鏡(SEM)像である。観察は、ゲッタリング源
としての溝2に囲まれた領域7で行った。このSEM像
から、領域7の炭化珪素層表面は欠陥が少なく平滑であ
ることが分かる。図5は、工程(d)で成膜した炭化珪
素膜表面の走査型電子顕微鏡(SEM)像である。観察
は、ゲッタリング源としての溝2に囲まれた領域7で行
った。このSEM像から、領域7の炭化珪素膜表面が平
滑であることが分かる。図6は、工程(d)で成膜した
炭化珪素膜表面の走査型トンネル顕微鏡(STM)像で
ある。炭化珪素膜表面の領域7のJIS B 0601
に基づく中心線平均粗さ(Ra)は1.6nmであった。炭
化珪素膜表面の領域7のヒロックは、密度が10個/cm
2 であった。炭化珪素膜の結晶性を調べるために、X線
回折測定を実施した。観測されたピークは、立方晶炭化
珪素(n00)面によるもののみであった。この立方晶
炭化珪素200面ピークの半値幅は0.204度であっ
た。得られた炭化珪素膜の電気的特性をホール測定法を
用いて測定すると、炭化珪素膜のキャリア密度は1.7×
1017cm-3であり、易動度は220cm2 /V・sec であ
った。結果は、まとめて表3〜5に示す。
を炭化して形成した表面炭化珪素層6の表面の走査型電
子顕微鏡(SEM)像である。観察は、ゲッタリング源
としての溝2に囲まれた領域7で行った。このSEM像
から、領域7の炭化珪素層表面は欠陥が少なく平滑であ
ることが分かる。図5は、工程(d)で成膜した炭化珪
素膜表面の走査型電子顕微鏡(SEM)像である。観察
は、ゲッタリング源としての溝2に囲まれた領域7で行
った。このSEM像から、領域7の炭化珪素膜表面が平
滑であることが分かる。図6は、工程(d)で成膜した
炭化珪素膜表面の走査型トンネル顕微鏡(STM)像で
ある。炭化珪素膜表面の領域7のJIS B 0601
に基づく中心線平均粗さ(Ra)は1.6nmであった。炭
化珪素膜表面の領域7のヒロックは、密度が10個/cm
2 であった。炭化珪素膜の結晶性を調べるために、X線
回折測定を実施した。観測されたピークは、立方晶炭化
珪素(n00)面によるもののみであった。この立方晶
炭化珪素200面ピークの半値幅は0.204度であっ
た。得られた炭化珪素膜の電気的特性をホール測定法を
用いて測定すると、炭化珪素膜のキャリア密度は1.7×
1017cm-3であり、易動度は220cm2 /V・sec であ
った。結果は、まとめて表3〜5に示す。
【0027】比較例 ゲッタリング源としての欠陥を導入していない単結晶シ
リコン基板上への炭化珪素の成膜を実施した。図7は、
比較例の成膜方法を工程順に示す縦断面図である。工程
(a)で、シリコン基板11を用意し、工程(b)で、
シリコン基板11表面を炭化して炭化珪素層12を形成
した。炭化珪素層12中には凹状の欠陥13が存在す
る。工程(c)で、炭化珪素層12上に炭化珪素膜16
を形成した。炭化珪素膜16上には島状の突起物(ヒロ
ック)14が存在する。成膜条件の詳細は表2と同じで
ある。図8は工程(b)で形成した炭化珪素層12表面
の走査型電子顕微鏡(SEM)像である。このSEM像
から、表面には図7中13で示した凹状の欠陥が多数存
在していることが分かる。この凹状欠陥の密度は、3×
103 個/cm2 であった。図9は、工程(c)で形成し
た炭化珪素膜16の表面の走査型電子顕微鏡(SEM)
像である。図9より、この方法で成膜した炭化珪素膜表
面には明らかに島状の突起物(ヒロック)が多数存在し
ていることが確認された。図10は、工程(c)で形成
した炭化珪素膜16表面の走査型トンネル顕微鏡(ST
M)像である。STM像から炭化珪素膜表面には、炭化
し形成された炭化珪素層の欠陥に誘起された島状のヒロ
ックが多数存在していることが分かった。ヒロックは、
高さが約100nm、密度は300個/cm2 であった。表
面の中心線平均粗さ(Ra)は12.0nmであった。炭化
珪素膜の結晶性を調べるために、X線回折測定を実施し
た。観測されたピークは、立方晶炭化珪素(n00)面
によるもののみであった。X線回折測定から得られた炭
化珪素膜の立方晶炭化珪素200面ピークの半値幅は0.
327度であった。また、炭化珪素膜の易動度は10cm
2 /V・sec で、キャリア密度は1.2×1019cm-3であ
った。
リコン基板上への炭化珪素の成膜を実施した。図7は、
比較例の成膜方法を工程順に示す縦断面図である。工程
(a)で、シリコン基板11を用意し、工程(b)で、
シリコン基板11表面を炭化して炭化珪素層12を形成
した。炭化珪素層12中には凹状の欠陥13が存在す
る。工程(c)で、炭化珪素層12上に炭化珪素膜16
を形成した。炭化珪素膜16上には島状の突起物(ヒロ
ック)14が存在する。成膜条件の詳細は表2と同じで
ある。図8は工程(b)で形成した炭化珪素層12表面
の走査型電子顕微鏡(SEM)像である。このSEM像
から、表面には図7中13で示した凹状の欠陥が多数存
在していることが分かる。この凹状欠陥の密度は、3×
103 個/cm2 であった。図9は、工程(c)で形成し
た炭化珪素膜16の表面の走査型電子顕微鏡(SEM)
像である。図9より、この方法で成膜した炭化珪素膜表
面には明らかに島状の突起物(ヒロック)が多数存在し
ていることが確認された。図10は、工程(c)で形成
した炭化珪素膜16表面の走査型トンネル顕微鏡(ST
M)像である。STM像から炭化珪素膜表面には、炭化
し形成された炭化珪素層の欠陥に誘起された島状のヒロ
ックが多数存在していることが分かった。ヒロックは、
高さが約100nm、密度は300個/cm2 であった。表
面の中心線平均粗さ(Ra)は12.0nmであった。炭化
珪素膜の結晶性を調べるために、X線回折測定を実施し
た。観測されたピークは、立方晶炭化珪素(n00)面
によるもののみであった。X線回折測定から得られた炭
化珪素膜の立方晶炭化珪素200面ピークの半値幅は0.
327度であった。また、炭化珪素膜の易動度は10cm
2 /V・sec で、キャリア密度は1.2×1019cm-3であ
った。
【0028】実施例2 格子状の溝の代わりに図2に示すような円形スポット8
を有する3インチの直径を有する単結晶シリコン基板1
を用いた以外は実施例1と同様にして図3に示す工程に
より炭化珪素膜を形成した。尚、円形スポット8は、反
応性イオンエッチングにより図1の格子の交点に相当す
る位置(縦横1cm間隔で)に設けた。反応性エッチン
グは、CF4 40sccm、 O2 10sccm、RF電力300
W、圧力5Paの条件下で行った。スポットは、直径1m
m、深さ0.5μmである。このようにスポットが設けら
れたシリコン基板上に、実施例1と同様にして炭化珪素
単結晶膜を成長させて、炭化珪素膜表面をSEM、ST
M観察したところ、スポット間の領域ではヒロック密度
が50個/cm2 であり、従来法で作製した炭化珪素膜表
面に比べてヒロックが低減していることが分かった。表
面の中心線平均粗さ(Ra)は2.3nmであった。炭化珪
素膜の電気的特性を測定した結果から、易動度は100
cm2 /V・secで、キャリア密度は7.5×1017cm-3と
キャリア密度の両者とも比較例記載の炭化珪素膜成膜法
に比べ優れていることが分かった。
を有する3インチの直径を有する単結晶シリコン基板1
を用いた以外は実施例1と同様にして図3に示す工程に
より炭化珪素膜を形成した。尚、円形スポット8は、反
応性イオンエッチングにより図1の格子の交点に相当す
る位置(縦横1cm間隔で)に設けた。反応性エッチン
グは、CF4 40sccm、 O2 10sccm、RF電力300
W、圧力5Paの条件下で行った。スポットは、直径1m
m、深さ0.5μmである。このようにスポットが設けら
れたシリコン基板上に、実施例1と同様にして炭化珪素
単結晶膜を成長させて、炭化珪素膜表面をSEM、ST
M観察したところ、スポット間の領域ではヒロック密度
が50個/cm2 であり、従来法で作製した炭化珪素膜表
面に比べてヒロックが低減していることが分かった。表
面の中心線平均粗さ(Ra)は2.3nmであった。炭化珪
素膜の電気的特性を測定した結果から、易動度は100
cm2 /V・secで、キャリア密度は7.5×1017cm-3と
キャリア密度の両者とも比較例記載の炭化珪素膜成膜法
に比べ優れていることが分かった。
【0029】実施例3 格子状の溝2を、幅500μm、深さ2μmとし、かつ
化学エッチングにより形成した以外は、実施例1と同様
にして炭化珪素単結晶膜を形成した。化学エッチングに
使用したエッチング液はHNO3:HF=1:8の混合液であ
る。得られた炭化珪素膜の表面をSEM、STM観察し
たところ、エッチングにより形成された格子の間の領域
ではヒロック密度が10個/cm2 であり、従来法で作製
した炭化珪素膜表面に比べてヒロックが低減しているこ
とが分かった。炭化珪素膜表面の中心線平均粗さ(R
a)は、2.0nmであった。炭化珪素膜の電気的特性を測
定した結果から、易動度は113cm2 /V・sec で、キ
ャリア密度は6.7×1017cm-3とキャリア密度の両者と
も比較例記載の炭化珪素膜成膜法に比べ優れていること
が分かった。
化学エッチングにより形成した以外は、実施例1と同様
にして炭化珪素単結晶膜を形成した。化学エッチングに
使用したエッチング液はHNO3:HF=1:8の混合液であ
る。得られた炭化珪素膜の表面をSEM、STM観察し
たところ、エッチングにより形成された格子の間の領域
ではヒロック密度が10個/cm2 であり、従来法で作製
した炭化珪素膜表面に比べてヒロックが低減しているこ
とが分かった。炭化珪素膜表面の中心線平均粗さ(R
a)は、2.0nmであった。炭化珪素膜の電気的特性を測
定した結果から、易動度は113cm2 /V・sec で、キ
ャリア密度は6.7×1017cm-3とキャリア密度の両者と
も比較例記載の炭化珪素膜成膜法に比べ優れていること
が分かった。
【0030】実施例4 スポット8を、直径1mm、深さ2μmとし、スポットの
間隔を100μmとし、かつ化学エッチングにより形成
した以外は、実施例2と同様にして炭化珪素単結晶膜を
成長させた。化学エッチングは、実施例3と同様の条件
で行った。炭化珪素膜の表面をSEM、STM観察した
ところ、エッチングにより形成されたスボットの間の領
域ではヒロック密度が60個/cm2 であり、従来法で作
製した炭化珪素膜表面に比べてヒロックが低減している
ことが分かった。STM測定より求めた表面の中心線平
均粗さ(Ra)は2.6nmであった。炭化珪素膜の電気的
特性を測定した結果から、易動度は95cm2 /V・sec
で、キャリア密度は8.0×1017cm-3とキャリア密度の
両者とも比較例記載の炭化珪素膜成膜法に比べ優れてい
ることが分かった。
間隔を100μmとし、かつ化学エッチングにより形成
した以外は、実施例2と同様にして炭化珪素単結晶膜を
成長させた。化学エッチングは、実施例3と同様の条件
で行った。炭化珪素膜の表面をSEM、STM観察した
ところ、エッチングにより形成されたスボットの間の領
域ではヒロック密度が60個/cm2 であり、従来法で作
製した炭化珪素膜表面に比べてヒロックが低減している
ことが分かった。STM測定より求めた表面の中心線平
均粗さ(Ra)は2.6nmであった。炭化珪素膜の電気的
特性を測定した結果から、易動度は95cm2 /V・sec
で、キャリア密度は8.0×1017cm-3とキャリア密度の
両者とも比較例記載の炭化珪素膜成膜法に比べ優れてい
ることが分かった。
【0031】実施例5 図11に、本実施例における成膜方法の工程順の縦断面
図を示す。工程(a)では、3インチの直径を有する単
結晶シリコン基板21を用意した。次に工程(b)で、
この単結晶シリコン基板21の一方の表面(炭化珪素を
形成するのと反対側の面)の全面に、サンドブラスト法
により機械的損傷(表面凹凸)22を設けた。尚、機械
的損傷は、機械的に切削して導入しても良いし、研磨で
導入することもできる。工程(c)では、シリコン基板
21の機械的損傷22を有さないの面側に、実施例1と
同様にして表面炭化層23を形成した。次いで工程
(d)で、表面炭化層23の上に、実施例1と同様にし
て炭化珪素単結晶膜24を成長させた。炭化珪素膜表面
をSEM、STM観察したところ、測定範囲内でヒロッ
クを確認することは出来なかった。これは、従来法で作
製した炭化珪素膜表面に比べヒロックが低減しているこ
とを表わしている。炭化珪素膜の電気的特性を測定した
結果から、易動度は80cm2 /V・sec で、キャリア密
度は1.1×1018cm-3とキャリア密度の両者とも比較例
記載の炭化珪素膜成膜法に比べ優れていることが分かっ
た。尚、機械的損傷を裏面全体でなく、裏面に局所的に
設けても、ほぼ同様の結果が得られる。また、機械的損
傷を基体表面に局所的に導入しても同様の結果が得られ
る。
図を示す。工程(a)では、3インチの直径を有する単
結晶シリコン基板21を用意した。次に工程(b)で、
この単結晶シリコン基板21の一方の表面(炭化珪素を
形成するのと反対側の面)の全面に、サンドブラスト法
により機械的損傷(表面凹凸)22を設けた。尚、機械
的損傷は、機械的に切削して導入しても良いし、研磨で
導入することもできる。工程(c)では、シリコン基板
21の機械的損傷22を有さないの面側に、実施例1と
同様にして表面炭化層23を形成した。次いで工程
(d)で、表面炭化層23の上に、実施例1と同様にし
て炭化珪素単結晶膜24を成長させた。炭化珪素膜表面
をSEM、STM観察したところ、測定範囲内でヒロッ
クを確認することは出来なかった。これは、従来法で作
製した炭化珪素膜表面に比べヒロックが低減しているこ
とを表わしている。炭化珪素膜の電気的特性を測定した
結果から、易動度は80cm2 /V・sec で、キャリア密
度は1.1×1018cm-3とキャリア密度の両者とも比較例
記載の炭化珪素膜成膜法に比べ優れていることが分かっ
た。尚、機械的損傷を裏面全体でなく、裏面に局所的に
設けても、ほぼ同様の結果が得られる。また、機械的損
傷を基体表面に局所的に導入しても同様の結果が得られ
る。
【0032】実施例6 図12に示すように、図1及び3に示す格子状の溝2の
代わりに、イオン注入により格子状に格子欠陥(ゲッタ
リング源)32の形成を行った以外は、実施例1と同様
にして炭化珪素単結晶膜を形成した。即ち、工程(a)
では、3インチの直径を有する単結晶シリコン基板31
を用意した。次に工程(b)で、この単結晶シリコン基
板31表面に、イオン注入により格子状の格子欠陥32
を設けた。イオン注入は、格子状に開孔部を設けたフォ
トレジストパターンをマスクにし、イオンを打ち込む方
法で行った。図13に、シリコン基板31表面に設けた
フォトレジスト33および格子状開孔部34の縦断面図
を示す。格子状開孔部34の間隔は1cmとし、開孔部
34の幅は500μmとした。注入イオンはアルミニウ
ムイオン(Al+ ) とする。イオン注入には、イオン注
入装置を用いた。注入条件として、イオンの加速電圧は
200keVであり、アルミニウムイオンの注入量は1×
1015cm-2とした。イオンを注入した後、フォトレジ
スト33を除去して、格子欠陥32を設けたシリコン基
板31を得た。
代わりに、イオン注入により格子状に格子欠陥(ゲッタ
リング源)32の形成を行った以外は、実施例1と同様
にして炭化珪素単結晶膜を形成した。即ち、工程(a)
では、3インチの直径を有する単結晶シリコン基板31
を用意した。次に工程(b)で、この単結晶シリコン基
板31表面に、イオン注入により格子状の格子欠陥32
を設けた。イオン注入は、格子状に開孔部を設けたフォ
トレジストパターンをマスクにし、イオンを打ち込む方
法で行った。図13に、シリコン基板31表面に設けた
フォトレジスト33および格子状開孔部34の縦断面図
を示す。格子状開孔部34の間隔は1cmとし、開孔部
34の幅は500μmとした。注入イオンはアルミニウ
ムイオン(Al+ ) とする。イオン注入には、イオン注
入装置を用いた。注入条件として、イオンの加速電圧は
200keVであり、アルミニウムイオンの注入量は1×
1015cm-2とした。イオンを注入した後、フォトレジ
スト33を除去して、格子欠陥32を設けたシリコン基
板31を得た。
【0033】工程(c)で、シリコン基板を反応炉内に
設置し、アセチレンガス4を用い実施例1と同様にして
シリコン基板31に表面炭化層35を形成した。さらに
工程(d)で、実施例1と同様の条件でシラン系化合物
(ジクロルシラン(SiH2Cl2) 5)と炭化水素(アセチレ
ン(C2H2)4)を交互に反応炉内へと供給することで炭化
珪素膜36の成膜を実施した。炭化珪素膜の表面をSE
M、STM観察したところ、イオン注入を施した格子に
囲まれた領域内ではヒロック密度が10個/cm2 であ
り、従来法で作製した炭化珪素膜表面に比べてヒロック
が低減していることが分かった。炭化珪素膜表面の中心
線平均粗さ(Ra)は、1.9nmであった。炭化珪素
膜の電気的特性を測定した結果から、易動度は150c
m2 /V・secで、キャリア密度は6.0×1017c
m-3とキャリア密度の両者とも比較例に記載の炭化珪素
膜成膜法に比べ優れていることが分かった。
設置し、アセチレンガス4を用い実施例1と同様にして
シリコン基板31に表面炭化層35を形成した。さらに
工程(d)で、実施例1と同様の条件でシラン系化合物
(ジクロルシラン(SiH2Cl2) 5)と炭化水素(アセチレ
ン(C2H2)4)を交互に反応炉内へと供給することで炭化
珪素膜36の成膜を実施した。炭化珪素膜の表面をSE
M、STM観察したところ、イオン注入を施した格子に
囲まれた領域内ではヒロック密度が10個/cm2 であ
り、従来法で作製した炭化珪素膜表面に比べてヒロック
が低減していることが分かった。炭化珪素膜表面の中心
線平均粗さ(Ra)は、1.9nmであった。炭化珪素
膜の電気的特性を測定した結果から、易動度は150c
m2 /V・secで、キャリア密度は6.0×1017c
m-3とキャリア密度の両者とも比較例に記載の炭化珪素
膜成膜法に比べ優れていることが分かった。
【0034】
【表3】
【0035】
【表4】
【0036】
【表5】
【0037】表3に、炭化珪素膜の電気的特性を示し、
表4に、炭化珪素膜の結晶性の尺度である立方晶炭化珪
素200面ピークの半値幅を示し、表5に、炭化珪素膜
の表面モホロジーを示した。表3、表4、表5から、本
発明により形成した炭化珪素膜は極めて結晶性、表面モ
ホロジーそして電気的特性に優れていることが分かる。
表4に、炭化珪素膜の結晶性の尺度である立方晶炭化珪
素200面ピークの半値幅を示し、表5に、炭化珪素膜
の表面モホロジーを示した。表3、表4、表5から、本
発明により形成した炭化珪素膜は極めて結晶性、表面モ
ホロジーそして電気的特性に優れていることが分かる。
【0038】以上述べたように、ゲッタリング源となる
欠陥を予め付与したシリコン基体表面に形成した表面炭
化珪素層の表面は、欠陥が低減し表面モホロジーが良く
なっていることが確認された。そして、引き続き、欠陥
が低減し表面モホロジーが良くなった表面炭化珪素層上
へ炭化珪素膜の成膜を行った場合、成膜された炭化珪素
膜は、ゲッタリング源としての欠陥を付与しないシリコ
ン基板上の炭化珪素膜に比べ結晶性と表面モホロジーが
向上していることが確認された。この様に、本発明によ
れば、結晶性及び表面モホロジーに優れ、その結果、電
気的特性が非常に優れた炭化珪素単結晶膜を形成するこ
とが可能である。
欠陥を予め付与したシリコン基体表面に形成した表面炭
化珪素層の表面は、欠陥が低減し表面モホロジーが良く
なっていることが確認された。そして、引き続き、欠陥
が低減し表面モホロジーが良くなった表面炭化珪素層上
へ炭化珪素膜の成膜を行った場合、成膜された炭化珪素
膜は、ゲッタリング源としての欠陥を付与しないシリコ
ン基板上の炭化珪素膜に比べ結晶性と表面モホロジーが
向上していることが確認された。この様に、本発明によ
れば、結晶性及び表面モホロジーに優れ、その結果、電
気的特性が非常に優れた炭化珪素単結晶膜を形成するこ
とが可能である。
【図1】 格子状の溝2を有する単結晶シリコン基板1
の平面図。
の平面図。
【図2】 スポット8有する単結晶シリコン基板1の平
面図。
面図。
【図3】 実施例1の成膜方法を工程順に示す縦断面
図。
図。
【図4】 実施例1の工程(c)で形成した表面炭化珪
素層の表面の状態を示す図面に代わる走査型電子顕微鏡
(SEM)像写真。
素層の表面の状態を示す図面に代わる走査型電子顕微鏡
(SEM)像写真。
【図5】 実施例1の工程(d)で形成し炭化珪素膜の
表面の状態を示す図面に代わる走査型電子顕微鏡(SE
M)像写真。
表面の状態を示す図面に代わる走査型電子顕微鏡(SE
M)像写真。
【図6】 実施例1の工程(d)で成膜した炭化珪素膜
の表面の状態を示す走査型トンネル顕微鏡(STM)
像。
の表面の状態を示す走査型トンネル顕微鏡(STM)
像。
【図7】 比較例の成膜方法を工程順に示す縦断面図。
【図8】 比較例の工程(b)で形成した炭化珪素層表
面の表面の状態を示す図面に代わる走査型電子顕微鏡
(SEM)像写真。
面の表面の状態を示す図面に代わる走査型電子顕微鏡
(SEM)像写真。
【図9】 比較例の工程(c)で形成した炭化珪素膜の
表面の状態を示す図面に代わる走査型電子顕微鏡(SE
M)像写真。
表面の状態を示す図面に代わる走査型電子顕微鏡(SE
M)像写真。
【図10】 比較例の工程(c)で形成した炭化珪素膜
表面の状態を示す走査型トンネル顕微鏡(STM)像。
表面の状態を示す走査型トンネル顕微鏡(STM)像。
【図11】 実施例5の成膜方法の工程順の縦断面図。
【図12】 実施例6の成膜方法の工程順の縦断面図。
【図13】 実施例6の工程(b)で形成したフォトレ
ジストおよび格子状開孔部の縦断面図。
ジストおよび格子状開孔部の縦断面図。
Claims (13)
- 【請求項1】 表面の中心線平均粗さ(Ra)が10nm以
下である表面粗さを有することを特徴とする炭化珪素
膜。 - 【請求項2】 表面の中心線平均粗さ(Ra)が0.5〜3
nmの範囲である請求項1記載の炭化珪素膜。 - 【請求項3】 表面のヒロック密度が200個/cm2
以下であることを特徴とする炭化珪素膜。 - 【請求項4】 表面のヒロック密度が0〜100個/c
m2 の範囲である請求項3記載の炭化珪素膜。 - 【請求項5】 炭化珪素膜を有する基板であって、前記
炭化珪素膜が請求項1〜4のいずれか1項に記載の炭化
珪素膜であることを特徴とする炭化珪素膜付き基板。 - 【請求項6】 基板の一部が欠如している請求項5記載
の炭化珪素膜付き基板。 - 【請求項7】 基板の一部の欠如をエッチングにより形
成したものである請求項6記載の炭化珪素膜付き基板。 - 【請求項8】 欠陥を有する基体上に炭化珪素膜を析出
させることを特徴とする炭化珪素膜の製造方法。 - 【請求項9】 基体の炭化珪素膜を析出させる表面が部
分的に欠陥を有する請求項8記載の製造方法。 - 【請求項10】 基体の炭化珪素膜を析出させる表面と
対向する面の一部又は全部に欠陥を有する請求項8記載
の製造方法。 - 【請求項11】 欠陥が形状的欠陥又は結晶格子欠陥で
ある請求項8〜10のいずれか1項に記載の製造方法。 - 【請求項12】 欠陥を、反応性イオンエッチング、イ
オンミリング、イオン注入、化学エッチングまたはサン
ドブラストにより導入する請求項8〜11のいずれか1
項に記載の製造方法。 - 【請求項13】 シラン系化合物と炭化水素とを基板上
に交互に供給することにより、基板表面に炭化珪素を析
出させる請求項8〜12のいずれか1項に記載の製造方
法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP6961096A JPH09255495A (ja) | 1996-03-26 | 1996-03-26 | 炭化珪素膜及びその形成方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP6961096A JPH09255495A (ja) | 1996-03-26 | 1996-03-26 | 炭化珪素膜及びその形成方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH09255495A true JPH09255495A (ja) | 1997-09-30 |
Family
ID=13407804
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP6961096A Pending JPH09255495A (ja) | 1996-03-26 | 1996-03-26 | 炭化珪素膜及びその形成方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH09255495A (ja) |
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2012243812A (ja) * | 2011-05-16 | 2012-12-10 | Toyota Motor Corp | 半導体素子の製造方法 |
| JP2013155111A (ja) * | 2013-05-07 | 2013-08-15 | Kwansei Gakuin | SiC基板、炭素供給フィード基板及び炭素ナノ材料付きSiC基板 |
| JP2014237581A (ja) * | 2014-07-01 | 2014-12-18 | セイコーエプソン株式会社 | 立方晶炭化珪素半導体基板 |
-
1996
- 1996-03-26 JP JP6961096A patent/JPH09255495A/ja active Pending
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2012243812A (ja) * | 2011-05-16 | 2012-12-10 | Toyota Motor Corp | 半導体素子の製造方法 |
| US9508802B2 (en) | 2011-05-16 | 2016-11-29 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Gettering process for producing semiconductor device |
| JP2013155111A (ja) * | 2013-05-07 | 2013-08-15 | Kwansei Gakuin | SiC基板、炭素供給フィード基板及び炭素ナノ材料付きSiC基板 |
| JP2014237581A (ja) * | 2014-07-01 | 2014-12-18 | セイコーエプソン株式会社 | 立方晶炭化珪素半導体基板 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A977 | Report on retrieval |
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| A131 | Notification of reasons for refusal |
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