JPH09256108A - 熱間圧延用工具鋼及び遠心鋳造ロール用外層材 - Google Patents
熱間圧延用工具鋼及び遠心鋳造ロール用外層材Info
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- JPH09256108A JPH09256108A JP8596396A JP8596396A JPH09256108A JP H09256108 A JPH09256108 A JP H09256108A JP 8596396 A JP8596396 A JP 8596396A JP 8596396 A JP8596396 A JP 8596396A JP H09256108 A JPH09256108 A JP H09256108A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 耐摩耗性、耐クラック性、耐焼付き性を兼備
し、工具として使用したときに相手材表面に損傷を発生
させない熱間圧延用工具鋼を提供すること。 【解決手段】 C: 3.5〜 5.5%、Si:0.1 〜 1.5
%、Mn:0.1 〜 1.2%、Cr: 4.0〜12.0%、Mo:
2.0〜 8.0%、V:12.0〜18.0%、残部Fe及び不可避
的不純物からなる熱間圧延用工具鋼である。
し、工具として使用したときに相手材表面に損傷を発生
させない熱間圧延用工具鋼を提供すること。 【解決手段】 C: 3.5〜 5.5%、Si:0.1 〜 1.5
%、Mn:0.1 〜 1.2%、Cr: 4.0〜12.0%、Mo:
2.0〜 8.0%、V:12.0〜18.0%、残部Fe及び不可避
的不純物からなる熱間圧延用工具鋼である。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐摩耗性、耐クラ
ック性、耐焼付き性を兼備し、工具として使用したとき
に相手材表面に損傷を発生させないピアサガイドシュ
ー、熱間圧延ロール等の熱間圧延用工具鋼及び遠心鋳造
しても偏析等を生じさせない圧延ロール用外層材に関す
る。
ック性、耐焼付き性を兼備し、工具として使用したとき
に相手材表面に損傷を発生させないピアサガイドシュ
ー、熱間圧延ロール等の熱間圧延用工具鋼及び遠心鋳造
しても偏析等を生じさせない圧延ロール用外層材に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、熱間工具用鋼として、JIS規格
(JIS G 4403)等に示されるような高速度工具鋼鋼材
(ハイス材)が広く知られており、主に鋼材の切削用に
用いられている。例えば、高難削材切削用に使用される
SKH10はC:1.45〜1.60%、Si:0.40%以下、M
n:0.40%以下、P: 0.030以下、S: 0.030以下、C
r:3.80〜4.50%、V:4.20〜5.20%、W: 11.50〜 1
3.50%、Co:4.20〜5.20%である。これらは電気炉等
によって溶製された後、熱処理及び熱間圧延又は鋳造を
行ない製造されている。
(JIS G 4403)等に示されるような高速度工具鋼鋼材
(ハイス材)が広く知られており、主に鋼材の切削用に
用いられている。例えば、高難削材切削用に使用される
SKH10はC:1.45〜1.60%、Si:0.40%以下、M
n:0.40%以下、P: 0.030以下、S: 0.030以下、C
r:3.80〜4.50%、V:4.20〜5.20%、W: 11.50〜 1
3.50%、Co:4.20〜5.20%である。これらは電気炉等
によって溶製された後、熱処理及び熱間圧延又は鋳造を
行ない製造されている。
【0003】また、シームレスパイプ製造の穿孔工程で
は穿孔時の被圧延材の膨らみを抑えるためにガイドシュ
ーと呼ばれる圧延用工具が使用されている。ガイドシュ
ーは1000℃を超える高温の被圧延材との直接接触による
伝熱と、被圧延材との摩擦発熱で工具表面が非常な高温
になる。このとき、被圧延材と工具が焼付き、被圧延材
の表面を損傷させるとともに工具寿命を著しく低下させ
る。工具をこの焼付きから守るために工具を冷却するこ
ともあるが、このとき、工具は熱衝撃を受け、工具表面
にしばしばクラックが発生する。従来、ガイドシューと
して、可能な限り焼付きを発生させないためにダクタイ
ル、合金ダクタイル、合金グレン等が使用されてきた
が、耐摩耗性が劣る欠点があった。特に、被圧延材が高
合金鋼(例えば13Cr系ステンレス)の場合、圧延負荷
が高く、10本程度のパイプの穿孔で摩耗の進行、クラッ
クの発生もしくは焼付きで交換を余儀なくされている。
は穿孔時の被圧延材の膨らみを抑えるためにガイドシュ
ーと呼ばれる圧延用工具が使用されている。ガイドシュ
ーは1000℃を超える高温の被圧延材との直接接触による
伝熱と、被圧延材との摩擦発熱で工具表面が非常な高温
になる。このとき、被圧延材と工具が焼付き、被圧延材
の表面を損傷させるとともに工具寿命を著しく低下させ
る。工具をこの焼付きから守るために工具を冷却するこ
ともあるが、このとき、工具は熱衝撃を受け、工具表面
にしばしばクラックが発生する。従来、ガイドシューと
して、可能な限り焼付きを発生させないためにダクタイ
ル、合金ダクタイル、合金グレン等が使用されてきた
が、耐摩耗性が劣る欠点があった。特に、被圧延材が高
合金鋼(例えば13Cr系ステンレス)の場合、圧延負荷
が高く、10本程度のパイプの穿孔で摩耗の進行、クラッ
クの発生もしくは焼付きで交換を余儀なくされている。
【0004】また、熱延鋼板製造の仕上げ圧延工程で
は、スタンド間で板が何らかの原因で2枚重ねになりそ
のまま圧延される場合がある。これを“絞り”トラブル
という。このときのロールと板との摩擦発熱、加工発熱
の増大でロール表面温度が局部的に上昇し、焼付きの発
生や、水冷時の熱衝撃によってロール表面にクラックが
発生する場合(絞りクラック事故)がある。従来、絞り
クラック発生の危険が高いところには遠心鋳造製高合金
グレンロールの使用が一般的であった。遠心鋳造製高合
金グレンロールは絞り遭遇時のクラック発生率が比較的
低く、また、クラックが発生した場合においてもその深
さが比較的浅いが、耐摩耗性が劣る。最近、ハイス系の
圧延ロールも使用しつつあるが、遠心鋳造製高合金グレ
ンロールより耐摩耗性は 3〜 5倍程度と非常に良好であ
るものの、絞り遭遇時の絞り発生率が高く、また、クラ
ックの深さが深いという欠点がある。
は、スタンド間で板が何らかの原因で2枚重ねになりそ
のまま圧延される場合がある。これを“絞り”トラブル
という。このときのロールと板との摩擦発熱、加工発熱
の増大でロール表面温度が局部的に上昇し、焼付きの発
生や、水冷時の熱衝撃によってロール表面にクラックが
発生する場合(絞りクラック事故)がある。従来、絞り
クラック発生の危険が高いところには遠心鋳造製高合金
グレンロールの使用が一般的であった。遠心鋳造製高合
金グレンロールは絞り遭遇時のクラック発生率が比較的
低く、また、クラックが発生した場合においてもその深
さが比較的浅いが、耐摩耗性が劣る。最近、ハイス系の
圧延ロールも使用しつつあるが、遠心鋳造製高合金グレ
ンロールより耐摩耗性は 3〜 5倍程度と非常に良好であ
るものの、絞り遭遇時の絞り発生率が高く、また、クラ
ックの深さが深いという欠点がある。
【0005】従来、ハイス系の圧延ロールとして、特開
平4-365836に記載の如く、C: 1.5〜 3.5%、Si:
1.5%以下、Mn: 1.2%以下、Cr: 5.5〜12.0%、
Mo:2.0〜 8.0%、V: 3.0〜10.0%、Nb: 0.6〜
7.0%を含有し、且つ下記(1)式と(2) 式を満足し、 V+ 1.8Nb≦ 7.5C− 6.0(%) …(1) 0.2 ≦Nb/V≦0.8 …(2) 残部Fe及び不可避的不純物からなる圧延用ロール外層
材であって、遠心鋳造しても外層内部において成分、組
織偏析のない、耐摩耗性と耐クラック性を兼備した圧延
用ロール外層材を用いるものが開示されている。
平4-365836に記載の如く、C: 1.5〜 3.5%、Si:
1.5%以下、Mn: 1.2%以下、Cr: 5.5〜12.0%、
Mo:2.0〜 8.0%、V: 3.0〜10.0%、Nb: 0.6〜
7.0%を含有し、且つ下記(1)式と(2) 式を満足し、 V+ 1.8Nb≦ 7.5C− 6.0(%) …(1) 0.2 ≦Nb/V≦0.8 …(2) 残部Fe及び不可避的不純物からなる圧延用ロール外層
材であって、遠心鋳造しても外層内部において成分、組
織偏析のない、耐摩耗性と耐クラック性を兼備した圧延
用ロール外層材を用いるものが開示されている。
【0006】一方、冷延鋼板の圧延のように冷間圧延に
使用するロールの場合、一般的には鍛造ロールが使用さ
れている。
使用するロールの場合、一般的には鍛造ロールが使用さ
れている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術の問題点に鑑みなされたものであり、本発明の課題
は、耐摩耗性、耐クラック性、耐焼付き性を兼備し、工
具として使用したときに相手材表面に損傷を発生させな
い熱間圧延用工具鋼を提供することにある。
術の問題点に鑑みなされたものであり、本発明の課題
は、耐摩耗性、耐クラック性、耐焼付き性を兼備し、工
具として使用したときに相手材表面に損傷を発生させな
い熱間圧延用工具鋼を提供することにある。
【0008】また、本発明の課題は、遠心鋳造しても偏
析等を生じさせない圧延ロール用外層材を提供すること
にある。
析等を生じさせない圧延ロール用外層材を提供すること
にある。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の本発明
に係る熱間圧延用工具鋼は、C: 3.5〜 5.5%、Si:
0.1 〜 1.5%、Mn:0.1 〜 1.2%、Cr: 4.0〜12.0
%、Mo: 2.0〜 8.0%、V:12.0〜18.0%、残部Fe
及び不可避的不純物からなるようにしたものである。
に係る熱間圧延用工具鋼は、C: 3.5〜 5.5%、Si:
0.1 〜 1.5%、Mn:0.1 〜 1.2%、Cr: 4.0〜12.0
%、Mo: 2.0〜 8.0%、V:12.0〜18.0%、残部Fe
及び不可避的不純物からなるようにしたものである。
【0010】請求項2に記載の本発明は、請求項1に記
載の熱間圧延用工具鋼において、更にNb: 8.0%以下
を含有するようにしたものである。
載の熱間圧延用工具鋼において、更にNb: 8.0%以下
を含有するようにしたものである。
【0011】請求項3に記載の本発明は、請求項1又は
2に記載の熱間圧延用工具鋼において、更にNi: 5.5
%以下を含有するようにしたものである。
2に記載の熱間圧延用工具鋼において、更にNi: 5.5
%以下を含有するようにしたものである。
【0012】請求項4に記載の本発明は、請求項2又は
3に記載の熱間圧延用工具鋼からなる遠心鋳造ロール用
外層材において、更に下記(1) 式を満足するものであ
る。 0.2 ≦Nb/V …(1)
3に記載の熱間圧延用工具鋼からなる遠心鋳造ロール用
外層材において、更に下記(1) 式を満足するものであ
る。 0.2 ≦Nb/V …(1)
【0013】
Si:0.1 〜 1.5% Siは脱酸、鋳造性の確保のために0.1 %以上添加する
が 1.5%を超えると耐摩耗性が低下するため上限を 1.5
%とする。
が 1.5%を超えると耐摩耗性が低下するため上限を 1.5
%とする。
【0014】Mn:0.1 〜 1.2% Mnは不純物として混入するSと結合してMnSを形成
し、Sによる脆化を防止するため0.1 %以上必要である
が、 1.2%を超えると耐クラック性が低下するため上限
を 1.2%とする。
し、Sによる脆化を防止するため0.1 %以上必要である
が、 1.2%を超えると耐クラック性が低下するため上限
を 1.2%とする。
【0015】Cr: 4.0〜12.0% Crは炭化物の形成と基地の強化で、耐摩耗性を向上さ
せるために 4.0%以上添加するが、12.0%を超えると耐
クラック性が低下するため上限を12.0%とする。より好
ましくは5.0 〜10.0%である。
せるために 4.0%以上添加するが、12.0%を超えると耐
クラック性が低下するため上限を12.0%とする。より好
ましくは5.0 〜10.0%である。
【0016】Mo: 2.0〜 8.0% MoはCrと同様に炭化物を形成することによる耐摩耗
性の向上に有効であるとともに、基地の焼入れ性、焼も
どし軟化抵抗を向上し、基地組織の強化に有効であるた
めに 2.0%以上必要であるが 8.0%を超えると耐クラッ
ク性が低下するため、上限を 8.0%とする。より好まし
くは2.0 〜5.0 %である。
性の向上に有効であるとともに、基地の焼入れ性、焼も
どし軟化抵抗を向上し、基地組織の強化に有効であるた
めに 2.0%以上必要であるが 8.0%を超えると耐クラッ
ク性が低下するため、上限を 8.0%とする。より好まし
くは2.0 〜5.0 %である。
【0017】C: 3.5〜 5.5%、V:12.0〜18.0% Cはロール外層材の耐摩耗性を向上する硬い炭化物を形
成させるための必須元素である。
成させるための必須元素である。
【0018】Vは耐摩耗性の向上に最も有効な硬いMC
(又はM4 C3 )炭化物(直径数μm 〜10μm 程度)を
形成するための必須元素であり、従来の高速度鋼のほと
んどに添加されている。耐摩耗性の向上のみの改善であ
れば 3.0%程度の添加でも十分であるが耐焼付き性、耐
クラック性に対して十分ではない。
(又はM4 C3 )炭化物(直径数μm 〜10μm 程度)を
形成するための必須元素であり、従来の高速度鋼のほと
んどに添加されている。耐摩耗性の向上のみの改善であ
れば 3.0%程度の添加でも十分であるが耐焼付き性、耐
クラック性に対して十分ではない。
【0019】焼付きは被圧延材と圧延工具との間で、金
属接触することで生じる。本発明の圧延工具の組織は粒
状MC(又はM4 C3 )炭化物、非粒状M7 C3 炭化物
及び基地からなる。この組織において耐焼付き性の改善
には粒状炭化物量の増大が効果があることがわかった。
そのため、従来の高速度鋼に比べ、粒状炭化物形成元素
であるV及びV量に見合ったCを多量に添加する必要が
ある。図1の試験でその効果を発揮するためにはCは
3.5%以上、Vは12.0%以上添加する必要があることが
わかった。一方、Vは18.0%を超えると焼付き性向上の
効果が飽和するとともに、溶解不良等の製造上の問題を
生じる危険が高くなるためVの上限を18.0%とする。
属接触することで生じる。本発明の圧延工具の組織は粒
状MC(又はM4 C3 )炭化物、非粒状M7 C3 炭化物
及び基地からなる。この組織において耐焼付き性の改善
には粒状炭化物量の増大が効果があることがわかった。
そのため、従来の高速度鋼に比べ、粒状炭化物形成元素
であるV及びV量に見合ったCを多量に添加する必要が
ある。図1の試験でその効果を発揮するためにはCは
3.5%以上、Vは12.0%以上添加する必要があることが
わかった。一方、Vは18.0%を超えると焼付き性向上の
効果が飽和するとともに、溶解不良等の製造上の問題を
生じる危険が高くなるためVの上限を18.0%とする。
【0020】Vが基地に残留することで耐クラック性が
向上する。焼付き性を確保するためのVの最低量、12.0
%においてもVが基地に残留し、耐クラック性を維持す
るためには図2の試験でCを 5.5%以下にする必要があ
ることがわかった。
向上する。焼付き性を確保するためのVの最低量、12.0
%においてもVが基地に残留し、耐クラック性を維持す
るためには図2の試験でCを 5.5%以下にする必要があ
ることがわかった。
【0021】図1の試験は、C: 2.0〜 6.0%、Si:
0.5%、Mn: 0.3%、Cr: 6.0%、Mo: 2.1%,
V: 7.0〜20.0%について1050℃焼ならし処理、 550℃
焼もどし処理を施した試料を用いた。そして、焼付き試
験はφ 190×10の相手材と55×40×10の試験材のすべり
摩耗方式で相手材を 300℃に加熱し、試験材を800rpmで
回転させ、荷重200kgfで 1分間圧接し焼付きの有無を測
定した。
0.5%、Mn: 0.3%、Cr: 6.0%、Mo: 2.1%,
V: 7.0〜20.0%について1050℃焼ならし処理、 550℃
焼もどし処理を施した試料を用いた。そして、焼付き試
験はφ 190×10の相手材と55×40×10の試験材のすべり
摩耗方式で相手材を 300℃に加熱し、試験材を800rpmで
回転させ、荷重200kgfで 1分間圧接し焼付きの有無を測
定した。
【0022】図2の試験は、C: 2.1〜 6.2%、Si:
0.4%,Mn: 0.5%、Cr: 5.8%、Mo: 2.5%、
V: 8.2〜19.8%について1050℃焼ならし処理、 550℃
焼もどし処理を施した試料を用いた。熱衝撃試験は1200
rpm で回転しているローラーに55×40×15の板状試験片
を15s間圧接した後、ただちに水冷し、クラックを発生
させる。圧接荷重は150kgfである。試験後、試験片を切
断し、クラック長さを測定した。より好ましくは、Cは
3.5 〜4.5 %、Vは13.0〜16.0%である。
0.4%,Mn: 0.5%、Cr: 5.8%、Mo: 2.5%、
V: 8.2〜19.8%について1050℃焼ならし処理、 550℃
焼もどし処理を施した試料を用いた。熱衝撃試験は1200
rpm で回転しているローラーに55×40×15の板状試験片
を15s間圧接した後、ただちに水冷し、クラックを発生
させる。圧接荷重は150kgfである。試験後、試験片を切
断し、クラック長さを測定した。より好ましくは、Cは
3.5 〜4.5 %、Vは13.0〜16.0%である。
【0023】Nb: 8.0%以下 NbはVと複合炭化物{V,Nb}Cを形成し、さらな
る耐摩耗性の向上が図られる。一方、 8.0%を超えると
溶解不良等の製造上の問題を生じるため上限は8.0%で
ある。
る耐摩耗性の向上が図られる。一方、 8.0%を超えると
溶解不良等の製造上の問題を生じるため上限は8.0%で
ある。
【0024】Ni: 5.5%以下 焼入れ性を向上させるために添加する。製品が小さい、
又は肉厚が薄いか、水焼入れ、油焼入れができる場合に
は必ずしも添加する必要はない。
又は肉厚が薄いか、水焼入れ、油焼入れができる場合に
は必ずしも添加する必要はない。
【0025】大型の熱間圧延用工具である圧延ロールで
は最大級で直径1500mm程度となる。この程度のロールに
おいて、冷却速度の遅い自然放冷でも焼入れが可能とす
る範囲として、 5.5%以下とする。 0.2≦Nb/V …(1)
は最大級で直径1500mm程度となる。この程度のロールに
おいて、冷却速度の遅い自然放冷でも焼入れが可能とす
る範囲として、 5.5%以下とする。 0.2≦Nb/V …(1)
【0026】VC炭化物はその比重が母溶湯に対して小
さく、遠心鋳造を行なうと偏析する。Nbはこの偏析の
防止にも効果がある。NbはVと複合炭化物{V,N
b}Cを形成し、V単独の炭化物のときより比重を増大
させる。それにより、遠心分離による偏析を防止する。
よって、Vの添加量に応じてNbの添加量も変化させる
必要がある。図3より遠心鋳造法で製造した場合に均一
なロール用外層材を得るためには 0.2≦Nb/Vとしな
ければならない。
さく、遠心鋳造を行なうと偏析する。Nbはこの偏析の
防止にも効果がある。NbはVと複合炭化物{V,N
b}Cを形成し、V単独の炭化物のときより比重を増大
させる。それにより、遠心分離による偏析を防止する。
よって、Vの添加量に応じてNbの添加量も変化させる
必要がある。図3より遠心鋳造法で製造した場合に均一
なロール用外層材を得るためには 0.2≦Nb/Vとしな
ければならない。
【0027】尚、図3において、「摩耗比(内層/外
層)」は、リング材の内層側から採取した試験片の摩耗
量(Iw)と外層側から採取した試験片の摩耗量(O
w)との比(Iw/Ow)である。図3の試験は、C:
4.0%、Si: 0.5%、Mn: 0.3%、Cr: 6.0%、
Mo: 2.1%、V:14.2%、Nb: 0〜11.0%を遠心鋳
造(140G)して得た肉厚 100mmのリングサンプルについ
て1050℃焼ならし処理、 550℃焼もどし処理を施した試
料を用いた。そして、摩耗試験はφ 190×15の相手材と
φ50×10の試験材の 2円盤のすべり摩耗方式で相手材を
800℃に加熱し、荷重100kgfで圧接した状態で試験材を
800rpmで回転させ、すべり率 3.9%として 120分後の摩
耗減量を測定して行なった。
層)」は、リング材の内層側から採取した試験片の摩耗
量(Iw)と外層側から採取した試験片の摩耗量(O
w)との比(Iw/Ow)である。図3の試験は、C:
4.0%、Si: 0.5%、Mn: 0.3%、Cr: 6.0%、
Mo: 2.1%、V:14.2%、Nb: 0〜11.0%を遠心鋳
造(140G)して得た肉厚 100mmのリングサンプルについ
て1050℃焼ならし処理、 550℃焼もどし処理を施した試
料を用いた。そして、摩耗試験はφ 190×15の相手材と
φ50×10の試験材の 2円盤のすべり摩耗方式で相手材を
800℃に加熱し、荷重100kgfで圧接した状態で試験材を
800rpmで回転させ、すべり率 3.9%として 120分後の摩
耗減量を測定して行なった。
【0028】
(実施例1)表1に示す化学組成(本発明材A1〜A1
2、比較材B1〜B9)の試料を、1050℃焼ならし処
理、 540℃焼もどし処理を施した後、熱間摩耗、焼付き
及び熱衝撃試験を行なった。本実施例では試料を製造す
る上での高速度鋼のような熱間圧延又は鍛造は行なって
いない。
2、比較材B1〜B9)の試料を、1050℃焼ならし処
理、 540℃焼もどし処理を施した後、熱間摩耗、焼付き
及び熱衝撃試験を行なった。本実施例では試料を製造す
る上での高速度鋼のような熱間圧延又は鍛造は行なって
いない。
【0029】
【表1】
【0030】摩耗試験、焼付き試験及び熱衝撃試験はそ
れぞれ前記した試験片を採取し、同一の条件で行なっ
た。
れぞれ前記した試験片を採取し、同一の条件で行なっ
た。
【0031】それら摩耗試験、焼付き試験及び熱衝撃試
験の結果を表2に示す。表2によれば、本発明材(A1
〜A12)は比較材に対し、耐摩耗性、耐焼付き性、耐
クラック性を同時に満足している。A9、A10、A1
2材はNbが添加されているため、無添加のものより更
に耐摩耗性が向上している。
験の結果を表2に示す。表2によれば、本発明材(A1
〜A12)は比較材に対し、耐摩耗性、耐焼付き性、耐
クラック性を同時に満足している。A9、A10、A1
2材はNbが添加されているため、無添加のものより更
に耐摩耗性が向上している。
【0032】
【表2】
【0033】B1材はC添加量が少ないために粒状炭化
物量が少なく焼付きが発生している。B2材はC添加量
が多いために、基地へのVの残留が少なく耐クラック性
が低下している。B3材はSi添加量が多いため、耐摩
耗性が低下している。B4材はMn添加量が多いため、
耐クラック性が低下している。B5材はCr添加量が少
ないため、耐摩耗性が低下している。B6材はCr添加
量が過多のため、耐クラック性が低下している。B7材
はMo添加量が少ないため、耐摩耗性が低下している。
B8材はMo添加量が過多であるため、耐クラック性が
低下している。B9はV量が不足しているため粒状炭化
物量が少なく焼付きが発生している。
物量が少なく焼付きが発生している。B2材はC添加量
が多いために、基地へのVの残留が少なく耐クラック性
が低下している。B3材はSi添加量が多いため、耐摩
耗性が低下している。B4材はMn添加量が多いため、
耐クラック性が低下している。B5材はCr添加量が少
ないため、耐摩耗性が低下している。B6材はCr添加
量が過多のため、耐クラック性が低下している。B7材
はMo添加量が少ないため、耐摩耗性が低下している。
B8材はMo添加量が過多であるため、耐クラック性が
低下している。B9はV量が不足しているため粒状炭化
物量が少なく焼付きが発生している。
【0034】(実施例2)表3に示す化学組成の溶湯
(本発明材:A21〜A24、比較材:B21〜B2
4)を遠心鋳造法(140G)により肉厚 100mmのリングサ
ンプルを鋳造し、1050℃焼ならし処理、 540℃焼もどし
処理を施した後、熱間摩耗、焼付き及び熱衝撃試験を行
なった。本実施例では試料を製造する上で高速度鋼のよ
うな熱間圧延又は鋳造は行なっていない。
(本発明材:A21〜A24、比較材:B21〜B2
4)を遠心鋳造法(140G)により肉厚 100mmのリングサ
ンプルを鋳造し、1050℃焼ならし処理、 540℃焼もどし
処理を施した後、熱間摩耗、焼付き及び熱衝撃試験を行
なった。本実施例では試料を製造する上で高速度鋼のよ
うな熱間圧延又は鋳造は行なっていない。
【0035】
【表3】
【0036】尚、摩耗試験は、リング材の内層側と外層
側からそれぞれφ50×10の試験片を採取し、前記条件と
同一の方法で行なった。焼付き試験及び熱衝撃試験はそ
れぞれ前記した試験片を採取し、同一の条件で行なっ
た。
側からそれぞれφ50×10の試験片を採取し、前記条件と
同一の方法で行なった。焼付き試験及び熱衝撃試験はそ
れぞれ前記した試験片を採取し、同一の条件で行なっ
た。
【0037】それら摩耗試験、焼付き試験及び熱衝撃試
験の結果を表4に示す。表4によれば、本発明材(A2
1〜A24)は比較材に対し、遠心鋳造時の均質性が満
足されている。
験の結果を表4に示す。表4によれば、本発明材(A2
1〜A24)は比較材に対し、遠心鋳造時の均質性が満
足されている。
【0038】
【表4】
【0039】B21〜B24材は(1) 式を満たしていな
いため、炭化物の偏析で外層の耐摩耗性が低下してい
る。
いため、炭化物の偏析で外層の耐摩耗性が低下してい
る。
【0040】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、耐摩耗
性、耐クラック性、耐焼付き性を兼備し、工具として使
用したときに相手材表面に損傷を発生させない熱間圧延
用工具鋼を得ることができる。また、遠心鋳造しても偏
析等を生じさせない圧延ロール用外層材を得ることがで
きる。
性、耐クラック性、耐焼付き性を兼備し、工具として使
用したときに相手材表面に損傷を発生させない熱間圧延
用工具鋼を得ることができる。また、遠心鋳造しても偏
析等を生じさせない圧延ロール用外層材を得ることがで
きる。
【図1】図1は焼付き性に及ぼすC及びVの影響を示す
線図である。
線図である。
【図2】図2は熱衝撃試験におけるクラック深さに及ぼ
すC及びVの影響を示す線図である。
すC及びVの影響を示す線図である。
【図3】図3は遠心鋳造したリング材の炭化物分布に起
因する外層と内層間の熱間摩耗比に及ぼすNbとVの含
有量比Nb/Vの影響を示す線図である。
因する外層と内層間の熱間摩耗比に及ぼすNbとVの含
有量比Nb/Vの影響を示す線図である。
Claims (4)
- 【請求項1】 C: 3.5〜 5.5%、Si:0.1 〜 1.5
%、Mn:0.1 〜 1.2%、Cr: 4.0〜12.0%、Mo:
2.0〜 8.0%、V:12.0〜18.0%、残部Fe及び不可避
的不純物からなることを特徴とする熱間圧延用工具鋼。 - 【請求項2】 請求項1に記載の熱間圧延用工具鋼にお
いて、更にNb: 8.0%以下を含有する熱間圧延用工具
鋼。 - 【請求項3】 請求項1又は2に記載の熱間圧延用工具
鋼において、更にNi: 5.5%以下を含有する熱間圧延
用工具鋼。 - 【請求項4】 請求項2又は3に記載の熱間圧延用工具
鋼からなる遠心鋳造ロール用外層材において、更に下記
(1) 式を満足する遠心鋳造ロール用外層材。 0.2 ≦Nb/V …(1)
Priority Applications (2)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| TW085102928A TW341602B (en) | 1996-03-15 | 1996-03-11 | Outer layer material for centrifugally cast roll |
| JP8596396A JPH09256108A (ja) | 1996-03-15 | 1996-03-15 | 熱間圧延用工具鋼及び遠心鋳造ロール用外層材 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP8596396A JPH09256108A (ja) | 1996-03-15 | 1996-03-15 | 熱間圧延用工具鋼及び遠心鋳造ロール用外層材 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH09256108A true JPH09256108A (ja) | 1997-09-30 |
Family
ID=13873401
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP8596396A Withdrawn JPH09256108A (ja) | 1996-03-15 | 1996-03-15 | 熱間圧延用工具鋼及び遠心鋳造ロール用外層材 |
Country Status (2)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH09256108A (ja) |
| TW (1) | TW341602B (ja) |
Cited By (18)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US6348109B1 (en) * | 1998-03-23 | 2002-02-19 | Uddeholm Tooling Aktiebolag | Steel material and method for its manufacturing |
| JP2006167726A (ja) * | 2004-12-13 | 2006-06-29 | Hitachi Metals Ltd | 耐摩耗性および耐熱亀裂性に優れる圧延ロール用外層材およびそれを用いた圧延ロール |
| JP2006342422A (ja) * | 2005-05-10 | 2006-12-21 | Hitachi Metals Ltd | 圧延ロール用外層材および圧延ロール |
| JP2006346744A (ja) * | 2005-05-16 | 2006-12-28 | Hitachi Metals Ltd | 圧延ロール用外層材および圧延ロール |
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| JP2007061827A (ja) * | 2005-08-29 | 2007-03-15 | Hitachi Metals Ltd | 圧延ロール用外層材および圧延ロール |
| JP2007125564A (ja) * | 2005-11-01 | 2007-05-24 | Hitachi Metals Ltd | 圧延用複合ロール |
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| JP2007144443A (ja) * | 2005-11-25 | 2007-06-14 | Hitachi Metals Ltd | 圧延用複合ロール |
| JP2007144444A (ja) * | 2005-11-25 | 2007-06-14 | Hitachi Metals Ltd | 圧延用複合ロール |
| JP2007144439A (ja) * | 2005-11-25 | 2007-06-14 | Hitachi Metals Ltd | 圧延用複合ロール |
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| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN111356542B (zh) * | 2018-01-31 | 2022-05-31 | 日立金属株式会社 | 复合硬质合金辊 |
-
1996
- 1996-03-11 TW TW085102928A patent/TW341602B/zh active
- 1996-03-15 JP JP8596396A patent/JPH09256108A/ja not_active Withdrawn
Cited By (21)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US6348109B1 (en) * | 1998-03-23 | 2002-02-19 | Uddeholm Tooling Aktiebolag | Steel material and method for its manufacturing |
| EP1832665A4 (en) * | 2004-09-13 | 2009-08-26 | Hitachi Metals Ltd | SLICED OUTER LAYER FOR ROLLING ROLLERS AND METHOD OF MANUFACTURING THEREOF |
| US8156651B2 (en) | 2004-09-13 | 2012-04-17 | Hitachi Metals, Ltd. | Centrifugally cast external layer for rolling roll and method for manufacture thereof |
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| JP2006342422A (ja) * | 2005-05-10 | 2006-12-21 | Hitachi Metals Ltd | 圧延ロール用外層材および圧延ロール |
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| JP2007061827A (ja) * | 2005-08-29 | 2007-03-15 | Hitachi Metals Ltd | 圧延ロール用外層材および圧延ロール |
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| WO2007077637A1 (ja) | 2005-12-28 | 2007-07-12 | Hitachi Metals, Ltd. | 遠心鋳造複合ロール |
| US8308622B2 (en) | 2005-12-28 | 2012-11-13 | Hitachi Metals, Ltd. | Centrifugally cast composit roll |
| EP1975265B1 (en) * | 2005-12-28 | 2019-05-08 | Hitachi Metals, Ltd. | Centrifugally cast composite roll |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| TW341602B (en) | 1998-10-01 |
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