JPH09257069A - 渦巻きばね - Google Patents
渦巻きばねInfo
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- JPH09257069A JPH09257069A JP8064935A JP6493596A JPH09257069A JP H09257069 A JPH09257069 A JP H09257069A JP 8064935 A JP8064935 A JP 8064935A JP 6493596 A JP6493596 A JP 6493596A JP H09257069 A JPH09257069 A JP H09257069A
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- Japan
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- spiral spring
- energy
- fiber
- long fibers
- fibers
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 長繊維の特定の配向状態による繊維強化樹脂
からなる複合材を形成し、この複合材を機械的に変形さ
せることにより比較的大容量の機械的エネルギーの蓄積
を可能とし、しかも前記複合材の変形を復元させる際
に、蓄積された機械的エネルギーを効率良く放出して各
種の動力源として有効に活用することができる渦巻きば
ねを提供する。 【解決手段】 複数本の長繊維と、これを帯状に保持す
るマトリックス樹脂からなる複合材から構成し、外部の
エネルギー源および/または負荷から与えられる回転動
作の機械的エネルギーを主として長繊維の弾性歪エネル
ギーとして蓄積し、所要時に前記蓄積された弾性歪エネ
ルギーを機械的エネルギーとして取出してエネルギー源
を補助するように、渦巻きばねを構成する。また、前記
複合材により外側と内側の表面層部10、10を構成す
ると共に、両表面層部に挾まれて両表面層間の距離を維
持するための軽量材料からなる中間層部12を設け、こ
れを渦巻き状に成形して構成する。
からなる複合材を形成し、この複合材を機械的に変形さ
せることにより比較的大容量の機械的エネルギーの蓄積
を可能とし、しかも前記複合材の変形を復元させる際
に、蓄積された機械的エネルギーを効率良く放出して各
種の動力源として有効に活用することができる渦巻きば
ねを提供する。 【解決手段】 複数本の長繊維と、これを帯状に保持す
るマトリックス樹脂からなる複合材から構成し、外部の
エネルギー源および/または負荷から与えられる回転動
作の機械的エネルギーを主として長繊維の弾性歪エネル
ギーとして蓄積し、所要時に前記蓄積された弾性歪エネ
ルギーを機械的エネルギーとして取出してエネルギー源
を補助するように、渦巻きばねを構成する。また、前記
複合材により外側と内側の表面層部10、10を構成す
ると共に、両表面層部に挾まれて両表面層間の距離を維
持するための軽量材料からなる中間層部12を設け、こ
れを渦巻き状に成形して構成する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複合材料を単層で
または積層して板状に形成して、機械的変位をエネルギ
ーとして蓄積すると共に、蓄積したエネルギーを動力源
として使用することができる渦巻き(ぜんまい)ばねお
よびその応用に関するものである。
または積層して板状に形成して、機械的変位をエネルギ
ーとして蓄積すると共に、蓄積したエネルギーを動力源
として使用することができる渦巻き(ぜんまい)ばねお
よびその応用に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、一般的に機械的エネルギーを
蓄積し、そしてこの蓄積したエネルギーを適宜放出する
ことができる手段として、次のものが知られている。
蓄積し、そしてこの蓄積したエネルギーを適宜放出する
ことができる手段として、次のものが知られている。
【0003】(1) ゴム:ゴムの重量当りの弾性歪エネル
ギーは、各種繊維に匹敵するが、変形量が大きく、また
常温で酸化されて脆くなり易く、耐久性に問題があるた
め、模型飛行機の動力源以外には余り使用されていな
い。また、形態安定性が悪いため、渦巻き(ぜんまい)
ばねに成形することは困難である。
ギーは、各種繊維に匹敵するが、変形量が大きく、また
常温で酸化されて脆くなり易く、耐久性に問題があるた
め、模型飛行機の動力源以外には余り使用されていな
い。また、形態安定性が悪いため、渦巻き(ぜんまい)
ばねに成形することは困難である。
【0004】(2) 金属ばね:金属ばねは、重量当りの弾
性歪エネルギー蓄積容量が低く、各種高張力繊維の1/
50〜1/100程度しかない。しかし、成形性が良い
ために、エネルギー容量が小さくてよいものや、その重
量を気にしなくてもよい用途、例えば玩具、時計、手巻
き式蓄音機、オルゴール、手動ラジオ等の手動式単独エ
ネルギー源に使用されるのみであり、軽量かつ大容量を
必要とする用途あるいは別個に存在するエネルギー源を
補助するいわゆるハイブリッド駆動源としては、使用さ
れていない。
性歪エネルギー蓄積容量が低く、各種高張力繊維の1/
50〜1/100程度しかない。しかし、成形性が良い
ために、エネルギー容量が小さくてよいものや、その重
量を気にしなくてもよい用途、例えば玩具、時計、手巻
き式蓄音機、オルゴール、手動ラジオ等の手動式単独エ
ネルギー源に使用されるのみであり、軽量かつ大容量を
必要とする用途あるいは別個に存在するエネルギー源を
補助するいわゆるハイブリッド駆動源としては、使用さ
れていない。
【0005】(3) 複合材料ばね:スプリングやダンパ等
の用途を目的としたFRP(繊維強化樹脂)により構成
したエネルギー吸収体が提案されている(特公昭59−
40101号公報)。この吸収体は、繊維強化によって
材料の強度および弾性率を高めるものであるが、振動と
しての機械的エネルギーを吸収し、これをできるだけ熱
エネルギーに変換して外部に放出することにより振動を
減衰させるものであり、強化材を保持する母材としては
粘弾性特性に優れている(粘性成分のウエイトが高い)
必要がある。しかし、このエネルギー吸収体は、例えば
回転の機械的エネルギーを効率よく蓄積し、この蓄積し
たエネルギーを、エネルギー損失なく再び回転の機械的
エネルギーとして放出して利用すること、すなわちハイ
ブリッド駆動源とするために、動力エネルギーを蓄積す
ることを目的としたものではない。
の用途を目的としたFRP(繊維強化樹脂)により構成
したエネルギー吸収体が提案されている(特公昭59−
40101号公報)。この吸収体は、繊維強化によって
材料の強度および弾性率を高めるものであるが、振動と
しての機械的エネルギーを吸収し、これをできるだけ熱
エネルギーに変換して外部に放出することにより振動を
減衰させるものであり、強化材を保持する母材としては
粘弾性特性に優れている(粘性成分のウエイトが高い)
必要がある。しかし、このエネルギー吸収体は、例えば
回転の機械的エネルギーを効率よく蓄積し、この蓄積し
たエネルギーを、エネルギー損失なく再び回転の機械的
エネルギーとして放出して利用すること、すなわちハイ
ブリッド駆動源とするために、動力エネルギーを蓄積す
ることを目的としたものではない。
【0006】また、FRP渦巻きばねも知られているが
(特開平1−120448号公報)、これは両側に織物
またはマットを使用することにより、ばねの割れを防
ぎ、耐へたり性、疲労強度の改善、弾性率の改善を行っ
たものである。このように、織物やマットを併用するこ
とにより、蓄積エネルギーの絶対値はともかくとして、
ばねの長手方向に対して直角方向の繊維が、重量または
体積当りの蓄積エネルギーにとってマイナスとなること
は考慮されてはいない。また、用途としても、往運動で
蓄えたエネルギーを復運動の駆動源としたり、手動巻上
げで蓄えたエネルギーを駆動源として利用するもののみ
であり、例えば別個に駆動源があって、必要な時に駆動
源を補助したり、駆動源にとっての負荷を平準化したり
(ロードレベリング)するような用途、すなわちハイブ
リッド駆動源としての用途は見当たらない。
(特開平1−120448号公報)、これは両側に織物
またはマットを使用することにより、ばねの割れを防
ぎ、耐へたり性、疲労強度の改善、弾性率の改善を行っ
たものである。このように、織物やマットを併用するこ
とにより、蓄積エネルギーの絶対値はともかくとして、
ばねの長手方向に対して直角方向の繊維が、重量または
体積当りの蓄積エネルギーにとってマイナスとなること
は考慮されてはいない。また、用途としても、往運動で
蓄えたエネルギーを復運動の駆動源としたり、手動巻上
げで蓄えたエネルギーを駆動源として利用するもののみ
であり、例えば別個に駆動源があって、必要な時に駆動
源を補助したり、駆動源にとっての負荷を平準化したり
(ロードレベリング)するような用途、すなわちハイブ
リッド駆動源としての用途は見当たらない。
【0007】(4) フライホイール:フライホイールは、
運動エネルギーの形で大容量のエネルギーを蓄積するこ
とが可能であるが、解決されていない問題も多く、実用
技術として完成されたものではない。
運動エネルギーの形で大容量のエネルギーを蓄積するこ
とが可能であるが、解決されていない問題も多く、実用
技術として完成されたものではない。
【0008】(5) 蓄電池:蓄電池は、蓄積エネルギー密
度は高いが、機械的エネルギーを蓄積して利用するため
には、発電機と電動機とを別個に、あるいは両機能を備
えた機−電変換器を必要とし、経済的な面以外にも各変
換ステップでの効率が問題となる。
度は高いが、機械的エネルギーを蓄積して利用するため
には、発電機と電動機とを別個に、あるいは両機能を備
えた機−電変換器を必要とし、経済的な面以外にも各変
換ステップでの効率が問題となる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】そこで、発明者等は、
鋭意研究を重ねた結果、長繊維を一方向に配列して帯状
の繊維強化樹脂(FRP)からなる複合材を形成し、こ
の複合材を両側の強度を保持するための表面層部とし、
これら両表面層の間に厚みを保持するための軽量材料か
ら形成される中間層部を設けてこれを挾持し、これらを
層状の板として形成して、これにより渦巻きばねを構成
することにより、渦巻きばねとして機械的エネルギーを
その重量や体積に対して大量に蓄積すると共に、この蓄
積エネルギーを効率良く放出して広く動力源として活用
することができることを突き止めた。
鋭意研究を重ねた結果、長繊維を一方向に配列して帯状
の繊維強化樹脂(FRP)からなる複合材を形成し、こ
の複合材を両側の強度を保持するための表面層部とし、
これら両表面層の間に厚みを保持するための軽量材料か
ら形成される中間層部を設けてこれを挾持し、これらを
層状の板として形成して、これにより渦巻きばねを構成
することにより、渦巻きばねとして機械的エネルギーを
その重量や体積に対して大量に蓄積すると共に、この蓄
積エネルギーを効率良く放出して広く動力源として活用
することができることを突き止めた。
【0010】従って、本発明の目的は、長繊維の特定の
配向状態による繊維強化樹脂からなる複合材を形成し、
この複合材を機械的に変形させることにより比較的大容
量の機械的エネルギーの蓄積を可能とし、しかも前記複
合材の変形を復元させる際に、蓄積された機械的エネル
ギーを効率良く放出して各種の動力源として有効に活用
することができる渦巻きばねを提供することにある。
配向状態による繊維強化樹脂からなる複合材を形成し、
この複合材を機械的に変形させることにより比較的大容
量の機械的エネルギーの蓄積を可能とし、しかも前記複
合材の変形を復元させる際に、蓄積された機械的エネル
ギーを効率良く放出して各種の動力源として有効に活用
することができる渦巻きばねを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明に係る渦巻きばねは、複数本の長繊維と、こ
れを帯状に保持するマトリックス樹脂からなる複合材で
構成し、外部のエネルギー源および/または負荷から与
えられる回転動作の機械的エネルギーを主として長繊維
の弾性歪エネルギーとして蓄積し、所要時に前記蓄積さ
れた弾性歪エネルギーを機械的エネルギーとして取出し
てエネルギー源を補助するように構成することを特徴と
する。
め、本発明に係る渦巻きばねは、複数本の長繊維と、こ
れを帯状に保持するマトリックス樹脂からなる複合材で
構成し、外部のエネルギー源および/または負荷から与
えられる回転動作の機械的エネルギーを主として長繊維
の弾性歪エネルギーとして蓄積し、所要時に前記蓄積さ
れた弾性歪エネルギーを機械的エネルギーとして取出し
てエネルギー源を補助するように構成することを特徴と
する。
【0012】この場合、長繊維は、引張り弾性率を4
0,000kgf/mm2 以下とし、引張り強度を25
0kgf/mm2 以上とする繊維から主として構成する
ことができる。
0,000kgf/mm2 以下とし、引張り強度を25
0kgf/mm2 以上とする繊維から主として構成する
ことができる。
【0013】しかるに、引張り弾性率は、好適には3
1,000kgf/mm2 以下であり、さらに好ましく
は6,000〜25,000kgf/mm2 である。一
方、引張り強度は、好適には340kgf/mm2 以上
であり、さらに好ましくは500kgf/mm2 以上で
ある。
1,000kgf/mm2 以下であり、さらに好ましく
は6,000〜25,000kgf/mm2 である。一
方、引張り強度は、好適には340kgf/mm2 以上
であり、さらに好ましくは500kgf/mm2 以上で
ある。
【0014】また、長繊維は、帯状の長手方向に配向す
れば好適である。この場合、繊維は、すだれ織りや組紐
状に形成されているものも使用することができる。
れば好適である。この場合、繊維は、すだれ織りや組紐
状に形成されているものも使用することができる。
【0015】一方、複合材は、少なくとも二層からな
り、各層内でそれぞれ長繊維が同一方向に配列されるよ
うに構成することができる。
り、各層内でそれぞれ長繊維が同一方向に配列されるよ
うに構成することができる。
【0016】この場合、長繊維は、帯状の長手方向に対
して±13.5度以内の傾きで長手方向に配列されるよ
うに構成することができる。
して±13.5度以内の傾きで長手方向に配列されるよ
うに構成することができる。
【0017】さらに、渦巻き状に巻回された帯状の外側
に位置する長繊維は、アラミド繊維、炭素繊維、ガラス
繊維、ポリエチレン繊維から選択される少なくとも一種
の繊維とし、内側に位置する部分においては、炭素繊
維、ガラス繊維、ボロン繊維、炭化珪素繊維から選択さ
れる少なくとも一種の繊維とすることができる。
に位置する長繊維は、アラミド繊維、炭素繊維、ガラス
繊維、ポリエチレン繊維から選択される少なくとも一種
の繊維とし、内側に位置する部分においては、炭素繊
維、ガラス繊維、ボロン繊維、炭化珪素繊維から選択さ
れる少なくとも一種の繊維とすることができる。
【0018】また、本発明に係る渦巻きばねは、外側と
内側の表面層部を、複数の長繊維とそれを帯状に保持す
るマトリックスとからなる複合材で構成し、中間層部を
前記表面層部より軽量化することを特徴とする。
内側の表面層部を、複数の長繊維とそれを帯状に保持す
るマトリックスとからなる複合材で構成し、中間層部を
前記表面層部より軽量化することを特徴とする。
【0019】この場合、内側の繊維は、フィラメント径
の大きい方が蓄積エネルギーが高くなるので好ましい。
の大きい方が蓄積エネルギーが高くなるので好ましい。
【0020】また、前記中間層部は、中空部分を形成す
ることができる。前記中間層部は、中空部分を有する軽
量材料で構成することができる。そして、前記軽量材料
の中空部分は、マイクロバルーンで構成することができ
る。
ることができる。前記中間層部は、中空部分を有する軽
量材料で構成することができる。そして、前記軽量材料
の中空部分は、マイクロバルーンで構成することができ
る。
【0021】さらに、前記長繊維は、引張り弾性率を4
0,000kgf/mm2 以下とし、引張り強度を25
0kgf/mm2 以上とする繊維から主として構成する
ことができる。
0,000kgf/mm2 以下とし、引張り強度を25
0kgf/mm2 以上とする繊維から主として構成する
ことができる。
【0022】そして、この場合に長繊維は、帯状の長手
方向に配向すれば好適であり、またすだれ織りや組紐状
に形成されている繊維を使用することもできる。
方向に配向すれば好適であり、またすだれ織りや組紐状
に形成されている繊維を使用することもできる。
【0023】一方、前記両表面層の複合材は、少なくと
も二層からなり、各層内でそれぞれ長繊維が同一方向に
配列されるように構成することができる。
も二層からなり、各層内でそれぞれ長繊維が同一方向に
配列されるように構成することができる。
【0024】さらに、前記長繊維は、帯状の長手方向に
対して±13.5度以内の傾きで長手方向に配列される
ように構成することができる。
対して±13.5度以内の傾きで長手方向に配列される
ように構成することができる。
【0025】また、渦巻きばねは、渦巻き状に巻回され
た帯状の外側に位置する表面層部の長繊維を、アラミド
繊維、炭素繊維、ガラス繊維、ポリエチレン繊維から選
択される少なくとも一種の繊維とし、内側に位置する表
面層部の長繊維が、炭素繊維、ガラス繊維、ボロン繊
維、炭化珪素繊維から選択される少なくとも一種の繊維
とすることができる。
た帯状の外側に位置する表面層部の長繊維を、アラミド
繊維、炭素繊維、ガラス繊維、ポリエチレン繊維から選
択される少なくとも一種の繊維とし、内側に位置する表
面層部の長繊維が、炭素繊維、ガラス繊維、ボロン繊
維、炭化珪素繊維から選択される少なくとも一種の繊維
とすることができる。
【0026】この場合も、内側の繊維は、フィラメント
径の大きい方が蓄積エネルギーが高くなるので好まし
い。
径の大きい方が蓄積エネルギーが高くなるので好まし
い。
【0027】なお、前記軽量材料からなる中間層部の厚
さは、両表面層部の平均厚さの0.2〜6倍とすること
ができる。
さは、両表面層部の平均厚さの0.2〜6倍とすること
ができる。
【0028】また、前記軽量材料からなる中間層部の厚
さは、外側表面層部の0.6〜5倍とすることができ
る。
さは、外側表面層部の0.6〜5倍とすることができ
る。
【0029】
【発明の実施の形態】本発明において、渦巻きばねを成
形するに際しては、基本的に、繊維強化樹脂用プリプレ
グを1層または2層以上積層したシートを使用して、こ
れを渦巻き状に成形し、加熱・加圧処理することにより
達成することができる。
形するに際しては、基本的に、繊維強化樹脂用プリプレ
グを1層または2層以上積層したシートを使用して、こ
れを渦巻き状に成形し、加熱・加圧処理することにより
達成することができる。
【0030】また、本発明においては、前記単層または
2層以上に積層したプリプレグの一側面または中間に、
軽量材料からなる層を設けて、これを渦巻き状に成形
し、加熱・加圧処理することにより、渦巻きばねを成形
することができる。
2層以上に積層したプリプレグの一側面または中間に、
軽量材料からなる層を設けて、これを渦巻き状に成形
し、加熱・加圧処理することにより、渦巻きばねを成形
することができる。
【0031】しかるに、本発明の繊維強化樹脂に使用す
る材料として、特に渦巻きばねの用途として好ましい繊
維の限定はないが、例えば渦巻きの外側では、引っ張り
に強いガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維等が好まし
く、一方内側の補強繊維としては、圧縮に強い炭素繊
維、ボロン繊維が好ましい。これらの繊維から得られる
ばねは、いずれも蓄積エネルギー容量が大きい。また、
前記軽量材料からなる軽量層を設ける場合においても、
これらの繊維が好適に使用される。
る材料として、特に渦巻きばねの用途として好ましい繊
維の限定はないが、例えば渦巻きの外側では、引っ張り
に強いガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維等が好まし
く、一方内側の補強繊維としては、圧縮に強い炭素繊
維、ボロン繊維が好ましい。これらの繊維から得られる
ばねは、いずれも蓄積エネルギー容量が大きい。また、
前記軽量材料からなる軽量層を設ける場合においても、
これらの繊維が好適に使用される。
【0032】また、前記繊維強化樹脂に使用するマトリ
ックス材料としては、熱硬化性樹脂として、エポキシ樹
脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、ビスマレイミド
樹脂等を使用することができ、また熱可塑性樹脂とし
て、ポリスルフォン樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素系
樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリフェ
ニルスルフィド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルス
ルフォン等を使用することができる。特に、これらの樹
脂類のなかでも、結晶性が高く、粘性変形し難いものが
好ましい。その他、セラミックスや金属も使用可能であ
るが、これらは重量当りのエネルギー蓄積容量の点から
樹脂類よりも劣る。
ックス材料としては、熱硬化性樹脂として、エポキシ樹
脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、ビスマレイミド
樹脂等を使用することができ、また熱可塑性樹脂とし
て、ポリスルフォン樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素系
樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリフェ
ニルスルフィド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルス
ルフォン等を使用することができる。特に、これらの樹
脂類のなかでも、結晶性が高く、粘性変形し難いものが
好ましい。その他、セラミックスや金属も使用可能であ
るが、これらは重量当りのエネルギー蓄積容量の点から
樹脂類よりも劣る。
【0033】本発明の繊維強化樹脂を構成するためのプ
リプレグとしては、市販の一方向プリプレグを使用する
ことができる。また、繊維を所要角度を有する一方向に
配列されたものを得るには、フィラメントワインダーを
使用して、所定の角度に配向したプリプレグとすること
ができる。この場合、市販の一方向プリプレグを使用し
て、積層時に所定の角度を持たせるように構成すること
もできる。また、表面層部を複数層から形成させる場合
には、層毎に角度を変えることも可能であり、一層毎に
正逆の角度を持たせてもよい。この場合、前記角度は、
エネルギー蓄積容量からは、ばねの長手方向に対して1
2度付近が最も好ましいが、角度設定をしない(0度
の)ものに比べて生産性は劣る。
リプレグとしては、市販の一方向プリプレグを使用する
ことができる。また、繊維を所要角度を有する一方向に
配列されたものを得るには、フィラメントワインダーを
使用して、所定の角度に配向したプリプレグとすること
ができる。この場合、市販の一方向プリプレグを使用し
て、積層時に所定の角度を持たせるように構成すること
もできる。また、表面層部を複数層から形成させる場合
には、層毎に角度を変えることも可能であり、一層毎に
正逆の角度を持たせてもよい。この場合、前記角度は、
エネルギー蓄積容量からは、ばねの長手方向に対して1
2度付近が最も好ましいが、角度設定をしない(0度
の)ものに比べて生産性は劣る。
【0034】繊維が織物の場合は、プリプレグを所定の
幅に切断して使用するか、中間層部と積層後、または積
層成形後に所定の幅に切断する。但し、この場合、通常
の織物や編物は、重量当りエネルギーの点から好ましく
ない。
幅に切断して使用するか、中間層部と積層後、または積
層成形後に所定の幅に切断する。但し、この場合、通常
の織物や編物は、重量当りエネルギーの点から好ましく
ない。
【0035】また、操業の点からは、所々に横糸を入れ
て縦糸をシート状に纏めた、いわゆるすだれ織りは、横
糸量が僅少なために、一方向プリプレグ用として良好に
使用することができる。
て縦糸をシート状に纏めた、いわゆるすだれ織りは、横
糸量が僅少なために、一方向プリプレグ用として良好に
使用することができる。
【0036】さらに、プリプレグを使用しなくても、樹
脂液を浸漬した糸を、ある角度でフィラメントワインダ
ーによりマンドレルに巻着けて組紐状となったものは、
正負の角度のものが入交じっており、各層の糸角度が一
定とは言い難いが、使用可能である。しかし、このフィ
ラメントワインダーを使用する方式は、生産性の点から
余り好ましくはない。
脂液を浸漬した糸を、ある角度でフィラメントワインダ
ーによりマンドレルに巻着けて組紐状となったものは、
正負の角度のものが入交じっており、各層の糸角度が一
定とは言い難いが、使用可能である。しかし、このフィ
ラメントワインダーを使用する方式は、生産性の点から
余り好ましくはない。
【0037】本発明の渦巻きばねにおいては、軽量材料
からなる中間層部を設けることによって、比較的蓄積エ
ネルギーの小さい繊維を使用しても比較的大きいエネル
ギー容量の渦巻きばねを得ることができる。
からなる中間層部を設けることによって、比較的蓄積エ
ネルギーの小さい繊維を使用しても比較的大きいエネル
ギー容量の渦巻きばねを得ることができる。
【0038】前記中間層部としての軽量材料からなる軽
量層としては、マイクロバルーン含有材料やハニカムを
使用することができるが、製造作業からは、マイクロバ
ルーン含有材料の使用が便利である。マイクロバルーン
としては、ガラスバルーンやシラスバルーンが好適であ
る。例えば、ガラスバルーンをエポキシマトリックスに
分散して、比重を0.125〜0.6g/ccとしたも
のが市販されている。マトリックス樹脂としては、何等
制限がなく、各種の公知のものが使用可能である。ま
た、発泡樹脂も使用可能である。
量層としては、マイクロバルーン含有材料やハニカムを
使用することができるが、製造作業からは、マイクロバ
ルーン含有材料の使用が便利である。マイクロバルーン
としては、ガラスバルーンやシラスバルーンが好適であ
る。例えば、ガラスバルーンをエポキシマトリックスに
分散して、比重を0.125〜0.6g/ccとしたも
のが市販されている。マトリックス樹脂としては、何等
制限がなく、各種の公知のものが使用可能である。ま
た、発泡樹脂も使用可能である。
【0039】そして、マイクロバルーンを中間層部に使
用する時は、予め樹脂に対して10〜20%(重量比。
容量比では10〜60%)混合し、必要な厚さに成形し
て、マトリックスが熱硬化性樹脂の場合は予めBステー
ジ化しておき、これを、表面層部としての、繊維を含有
したプリプレグと積層して成形する。
用する時は、予め樹脂に対して10〜20%(重量比。
容量比では10〜60%)混合し、必要な厚さに成形し
て、マトリックスが熱硬化性樹脂の場合は予めBステー
ジ化しておき、これを、表面層部としての、繊維を含有
したプリプレグと積層して成形する。
【0040】また、ハニカムを中間層部として使用する
ことも可能である。この場合、ハニカムの厚さ方向を中
間層部の厚さ方向として使用する。そこで、ばねの厚さ
の小さいものでは、製造作業性に問題があるが、厚さが
数mm以上の時には、特に数cm以上ある大容量のばね
では、好適に使用することができる。
ことも可能である。この場合、ハニカムの厚さ方向を中
間層部の厚さ方向として使用する。そこで、ばねの厚さ
の小さいものでは、製造作業性に問題があるが、厚さが
数mm以上の時には、特に数cm以上ある大容量のばね
では、好適に使用することができる。
【0041】なお、この中間層部には、繊維を織物状で
使用しても、容量当りの蓄積エネルギーを下げることが
ないので、ばねの幅方向の補強用に使用することができ
る。この場合、比重の小さい繊維のものが、重量を増や
さない点から好ましい。また、例えば前記中間層部に使
用する樹脂に発泡剤を混入しておき、成形時の加熱によ
り発泡させることにより、前記中間層部は、中空部分を
有する軽量材料で構成することができる。
使用しても、容量当りの蓄積エネルギーを下げることが
ないので、ばねの幅方向の補強用に使用することができ
る。この場合、比重の小さい繊維のものが、重量を増や
さない点から好ましい。また、例えば前記中間層部に使
用する樹脂に発泡剤を混入しておき、成形時の加熱によ
り発泡させることにより、前記中間層部は、中空部分を
有する軽量材料で構成することができる。
【0042】本発明の渦巻きばねの成形に際しては、熱
可塑性樹脂を使用する場合は、プレス成形により各層
(表面層部、中間層部)を融着し、必要な形に成形す
る。熱硬化性樹脂を使用する場合は、例えば所定の厚さ
のシリコンゴムからなるスペーサと積層物を重ね、伊達
巻き式に巻き込んで、真空包装し、オートクレーブで加
圧下に加熱して硬化させて成形する。この場合、シリコ
ンゴムの厚さに勾配を付けることにより、自然状態での
渦巻きの周回間のピッチを外側と内側とで変えることが
できる。
可塑性樹脂を使用する場合は、プレス成形により各層
(表面層部、中間層部)を融着し、必要な形に成形す
る。熱硬化性樹脂を使用する場合は、例えば所定の厚さ
のシリコンゴムからなるスペーサと積層物を重ね、伊達
巻き式に巻き込んで、真空包装し、オートクレーブで加
圧下に加熱して硬化させて成形する。この場合、シリコ
ンゴムの厚さに勾配を付けることにより、自然状態での
渦巻きの周回間のピッチを外側と内側とで変えることが
できる。
【0043】また、プルトルージョンによる成形を行う
場合には、熱可塑性樹脂では温度が未だ十分に冷える前
に、熱硬化性樹脂では完全硬化前に押出された成形品
を、スペーサ(例えば、耐熱シリコンゴムシート)と重
ねて軸に巻取り、しかる後に冷却または再硬化させて成
形する。この成形方式は、前記熱硬化性樹脂によるプリ
プレグ成形方式より、生産性の点で優れている。
場合には、熱可塑性樹脂では温度が未だ十分に冷える前
に、熱硬化性樹脂では完全硬化前に押出された成形品
を、スペーサ(例えば、耐熱シリコンゴムシート)と重
ねて軸に巻取り、しかる後に冷却または再硬化させて成
形する。この成形方式は、前記熱硬化性樹脂によるプリ
プレグ成形方式より、生産性の点で優れている。
【0044】なお、前記各スペーサを使用する成形方式
において、前記スペーサは、シリコンゴム以外のものと
して、エアバッグ等を使用することが可能である。
において、前記スペーサは、シリコンゴム以外のものと
して、エアバッグ等を使用することが可能である。
【0045】また、渦巻きばね形状として利用し得る構
成とする際には、巻取り、巻戻しにおけるばね各周回間
の接触を避けるために、外から内に向って剛性を小さく
設定することができる。この場合、幅を一定にして、厚
さに勾配を持たせるか、厚さを一定にして、幅に内から
外へ勾配を持たせるようにする。
成とする際には、巻取り、巻戻しにおけるばね各周回間
の接触を避けるために、外から内に向って剛性を小さく
設定することができる。この場合、幅を一定にして、厚
さに勾配を持たせるか、厚さを一定にして、幅に内から
外へ勾配を持たせるようにする。
【0046】さらに、本発明において、前記各層(表面
層部、中間層部)を平板状のままとし、板ばね形状とし
て利用し得る構成とすることもできる。
層部、中間層部)を平板状のままとし、板ばね形状とし
て利用し得る構成とすることもできる。
【0047】
【実施例】次に、本発明に係る渦巻きばねの実施例につ
き、添付図面を参照しながら以下詳細に説明する。
き、添付図面を参照しながら以下詳細に説明する。
【0048】実施例1 炭素繊維〔東レ(株)製のT300〕にエポキシ樹脂
(未硬化状態)を含浸させて、その繊維方向が長手方向
に対して±0°となるようにプリプレグ2層を積層して
なるプリプレグ積層物10、10(長さ2,500m
m、幅50mm、厚さ0.5mm)を作成した。
(未硬化状態)を含浸させて、その繊維方向が長手方向
に対して±0°となるようにプリプレグ2層を積層して
なるプリプレグ積層物10、10(長さ2,500m
m、幅50mm、厚さ0.5mm)を作成した。
【0049】このようにしてプリプレグ2層を積層して
作成したプリプレグ積層物10、10は、図1の(a)
に示すように、直径が20mmの金型20の周囲にシリ
コン板22と共に各周回間を等ピッチ間隔にして巻着し
た。
作成したプリプレグ積層物10、10は、図1の(a)
に示すように、直径が20mmの金型20の周囲にシリ
コン板22と共に各周回間を等ピッチ間隔にして巻着し
た。
【0050】前記積層物を全て巻着した後、図2に示す
ように、その外側をポリエステル製の加圧テープ24で
巻着し、ナイロン製のフィルムにより真空パックを行
う。その後、オートクレーブに入れ、温度130℃、圧
力3kg/cm3 gの加熱・加圧条件により、120分
間保持して硬化させた。
ように、その外側をポリエステル製の加圧テープ24で
巻着し、ナイロン製のフィルムにより真空パックを行
う。その後、オートクレーブに入れ、温度130℃、圧
力3kg/cm3 gの加熱・加圧条件により、120分
間保持して硬化させた。
【0051】得られた物について、加圧テープ24、シ
リコン板22および金型20を順次取外すことにより、
外周の直径が150mmの積層物からなる渦巻きばねを
得た。
リコン板22および金型20を順次取外すことにより、
外周の直径が150mmの積層物からなる渦巻きばねを
得た。
【0052】実施例2 プリプレグ積層物10の作成に際し、繊維方向を長手方
向に対して±12°となるように2層に積層した構成と
し、その他の構成は実施例1と全て同一として、プリプ
レグ積層物を作成した。次いで、ガラスのマイクロバル
ーンを充填したエポキシ樹脂のフィルム12〔日本石油
(株)製マイクロプライSF−6〕(長さ2,500m
m、幅50mm、厚さ1.5mm)を作成した。
向に対して±12°となるように2層に積層した構成と
し、その他の構成は実施例1と全て同一として、プリプ
レグ積層物を作成した。次いで、ガラスのマイクロバル
ーンを充填したエポキシ樹脂のフィルム12〔日本石油
(株)製マイクロプライSF−6〕(長さ2,500m
m、幅50mm、厚さ1.5mm)を作成した。
【0053】このようにして作成したプリプレグ積層物
10、10とフィルム12とは、図1の(b)に示すよ
うに、前記フィルム12を中間層部とし、その両側を前
記プリプレグ積層物10、10で挾持するよう積層し、
この積層物を金型20の周囲にシリコン板22と共に巻
着した。
10、10とフィルム12とは、図1の(b)に示すよ
うに、前記フィルム12を中間層部とし、その両側を前
記プリプレグ積層物10、10で挾持するよう積層し、
この積層物を金型20の周囲にシリコン板22と共に巻
着した。
【0054】前記積層物を全て巻着した後、前記実施例
1と同一の製造条件により、渦巻きばねを得た。
1と同一の製造条件により、渦巻きばねを得た。
【0055】実施例3 プリプレグ積層物10の作成に際し、繊維方向を長手方
向に対して±0°となるように2層に積層した構成と
し、その他の構成は実施例1と全て同一として、プリプ
レグ積層物を作成した。その他の構成材料および製造条
件は、前記実施例2と全て同一にして、渦巻きばねを得
た。
向に対して±0°となるように2層に積層した構成と
し、その他の構成は実施例1と全て同一として、プリプ
レグ積層物を作成した。その他の構成材料および製造条
件は、前記実施例2と全て同一にして、渦巻きばねを得
た。
【0056】実施例4 渦巻きばねの外側の表面層部を形成するプリプレグ積層
物10の作成に際し、実施例1の炭素繊維に代えてアラ
ミド繊維〔米国デュポン社製のKEVLAR−49〕に
エポキシ樹脂(未硬化状態)を含浸させて、その繊維方
向が長手方向に対して±13°となるように2層に積層
してなるプリプレグ積層物10、10(各層部につい
て、長さ2,500mm、幅50mm、厚さ0.5m
m)を作成した。その他の構成材料(内側の表面層部と
中間層部)および製造条件は、前記実施例2と全て同一
にして、渦巻きばねを得た。
物10の作成に際し、実施例1の炭素繊維に代えてアラ
ミド繊維〔米国デュポン社製のKEVLAR−49〕に
エポキシ樹脂(未硬化状態)を含浸させて、その繊維方
向が長手方向に対して±13°となるように2層に積層
してなるプリプレグ積層物10、10(各層部につい
て、長さ2,500mm、幅50mm、厚さ0.5m
m)を作成した。その他の構成材料(内側の表面層部と
中間層部)および製造条件は、前記実施例2と全て同一
にして、渦巻きばねを得た。
【0057】比較例 長さ2,500mm、幅50mm、厚さ0.5mmのば
ね鋼を使用し、これを所要の金型に渦巻き状に巻着し、
この状態のまま熱処理を行って、渦巻きばねを得た。
ね鋼を使用し、これを所要の金型に渦巻き状に巻着し、
この状態のまま熱処理を行って、渦巻きばねを得た。
【0058】A.重量当り蓄積エネルギーについての試
験 実施例1〜4および比較例においてそれぞれ得られた渦
巻きばねについて、重量当り蓄積エネルギーについての
試験を行った。
験 実施例1〜4および比較例においてそれぞれ得られた渦
巻きばねについて、重量当り蓄積エネルギーについての
試験を行った。
【0059】試験方法 試料として外周の直径が150mmの渦巻きばねSを、
図3に示すように、その内端を直径が15mmの芯棒3
0に固定し、その外端をケース32の内側に固定し、そ
して前記芯棒30に巻き着けたワイヤ34を、テンショ
ン万能引張り試験器により矢印方向に引張っていった時
の、荷重と変位とを計測した。
図3に示すように、その内端を直径が15mmの芯棒3
0に固定し、その外端をケース32の内側に固定し、そ
して前記芯棒30に巻き着けたワイヤ34を、テンショ
ン万能引張り試験器により矢印方向に引張っていった時
の、荷重と変位とを計測した。
【0060】まず、計測に際しては、同一のサンプルを
5個作成し、それらをそれぞれ破壊するまで引張った時
に、破壊歪みが最大となったサンプルの破壊歪みの80
%の歪みに対応した各サンプルの重量当り蓄積エネルギ
ー(kg・cm/kg)を、加重−変位曲線の下側面積
から求めた。これらを、各実施例について実施した。な
お、各渦巻きばねは、外周が固定され、内側から巻き取
っているので、ばねの各周間の摩擦が少なく、歪み−応
力特性曲線がほぼ直線を示し、前記曲線下の面積は、三
角法で求めることができた。これらの試験結果を表1に
示す。
5個作成し、それらをそれぞれ破壊するまで引張った時
に、破壊歪みが最大となったサンプルの破壊歪みの80
%の歪みに対応した各サンプルの重量当り蓄積エネルギ
ー(kg・cm/kg)を、加重−変位曲線の下側面積
から求めた。これらを、各実施例について実施した。な
お、各渦巻きばねは、外周が固定され、内側から巻き取
っているので、ばねの各周間の摩擦が少なく、歪み−応
力特性曲線がほぼ直線を示し、前記曲線下の面積は、三
角法で求めることができた。これらの試験結果を表1に
示す。
【0061】また、歪みを破壊にまで至らせずに、ヒス
テリシス特性を描く場合、戻りの勾配は往きと同じであ
り、それぞれヒステリシスは僅少であることが認められ
た。
テリシス特性を描く場合、戻りの勾配は往きと同じであ
り、それぞれヒステリシスは僅少であることが認められ
た。
【0062】試験結果
【表1】
【0063】上記の重量当り蓄積エネルギーの試験結果
から、本発明に係る実施例1〜4で得られる渦巻きばね
は、従来の比較例における渦巻きばねと比較して、約5
0倍以上の重量当り蓄積エネルギーを発揮し得ることが
確認された。
から、本発明に係る実施例1〜4で得られる渦巻きばね
は、従来の比較例における渦巻きばねと比較して、約5
0倍以上の重量当り蓄積エネルギーを発揮し得ることが
確認された。
【0064】B.繊維角度と重量当り蓄積エネルギーと
の関係 実施例2による渦巻きばねの製造に際し、繊維の長手方
向に対する角度を種々変更した場合における、繊維角度
α(°)と重量当り蓄積エネルギー(kg・cm/k
g)について測定した結果、図4に示す特性が得られ
た。この特性結果から、前記繊維角度が±12°付近に
おいて、重量当り蓄積エネルギーは最大値となること、
そしてこの角度は±13.5度以内であることが好まし
いことが確認された。
の関係 実施例2による渦巻きばねの製造に際し、繊維の長手方
向に対する角度を種々変更した場合における、繊維角度
α(°)と重量当り蓄積エネルギー(kg・cm/k
g)について測定した結果、図4に示す特性が得られ
た。この特性結果から、前記繊維角度が±12°付近に
おいて、重量当り蓄積エネルギーは最大値となること、
そしてこの角度は±13.5度以内であることが好まし
いことが確認された。
【0065】C.中間層部/表面層部の厚さと重量当り
蓄積エネルギーとの関係 実施例2による渦巻きばねの製造に際し、外側表面層部
の厚さt1 、内側表面層部の厚さt3 、中間層部の厚さ
t2 について種々変更し、重量当り蓄積エネルギー(k
g・cm/kg)について測定した。
蓄積エネルギーとの関係 実施例2による渦巻きばねの製造に際し、外側表面層部
の厚さt1 、内側表面層部の厚さt3 、中間層部の厚さ
t2 について種々変更し、重量当り蓄積エネルギー(k
g・cm/kg)について測定した。
【0066】まず、外側表面層部の厚さt1 に対する中
間層部の厚さt2 の比(t2 /t1)について測定した
結果、図5に示す特性が得られた。この特性結果から、
外側表面層部の厚さt1 に対する中間層部の厚さt2 の
比1.5〜3の範囲において最大値が得られることが判
った。
間層部の厚さt2 の比(t2 /t1)について測定した
結果、図5に示す特性が得られた。この特性結果から、
外側表面層部の厚さt1 に対する中間層部の厚さt2 の
比1.5〜3の範囲において最大値が得られることが判
った。
【0067】外側表面層部の厚さt1 および内側表面層
部の厚さt3 を共に0.04cmとした場合において、
中間層部の厚さt2 =0〜0.25cmに変化させた時
について測定した結果、図6に示す特性が得られた。こ
の特性結果から、中間層部の厚さt2 =0.025〜
0.2cmの範囲、すなわち中間層部の厚さが両表面層
部の平均厚さに対して0.6〜5倍の範囲で最大値が得
られること、一方、t3/t1 が1.25においてその
最大値が極大を示し、また最大値が存在するt3/t1
の範囲がほぼ0.5〜3であることが判った。なお、こ
の場合、ガラス繊維強化樹脂、アラミド繊維強化樹脂お
よびばね鋼について、同様の測定を行った結果、実施例
2によるものと比較して、重量当り蓄積エネルギーは約
3分の1以下であることが確認された。
部の厚さt3 を共に0.04cmとした場合において、
中間層部の厚さt2 =0〜0.25cmに変化させた時
について測定した結果、図6に示す特性が得られた。こ
の特性結果から、中間層部の厚さt2 =0.025〜
0.2cmの範囲、すなわち中間層部の厚さが両表面層
部の平均厚さに対して0.6〜5倍の範囲で最大値が得
られること、一方、t3/t1 が1.25においてその
最大値が極大を示し、また最大値が存在するt3/t1
の範囲がほぼ0.5〜3であることが判った。なお、こ
の場合、ガラス繊維強化樹脂、アラミド繊維強化樹脂お
よびばね鋼について、同様の測定を行った結果、実施例
2によるものと比較して、重量当り蓄積エネルギーは約
3分の1以下であることが確認された。
【0068】次に、前述した本発明に係る渦巻きばねを
使用して、エネルギーの蓄積・放出を行う動力源等に応
用した装置について説明する。
使用して、エネルギーの蓄積・放出を行う動力源等に応
用した装置について説明する。
【0069】応用例 図7は、回転軸の駆動回転エネルギーを渦巻きばねに蓄
積し、この渦巻きばねに蓄積されたエネルギーを適宜フ
リー回転状態に保持された回転軸の駆動源側に放出し
て、この回転軸に所要の駆動力を付与(リサイクル)す
るように構成する場合の基本原理を示すものである。
積し、この渦巻きばねに蓄積されたエネルギーを適宜フ
リー回転状態に保持された回転軸の駆動源側に放出し
て、この回転軸に所要の駆動力を付与(リサイクル)す
るように構成する場合の基本原理を示すものである。
【0070】すなわち、図7において、参照符号40は
一端を所要の駆動源(図示せず)に接続した回転軸を示
し、この回転軸40の一端40aには駆動源(例えば、
自動車のエンジン)に結合され、その他端部40bには
被動体(例えば、自動車の車輪)に結合されている。こ
のように構成された回転軸40の外周において、前記実
施例2に記載の構成からなる渦巻きばね42を囲繞配置
する。
一端を所要の駆動源(図示せず)に接続した回転軸を示
し、この回転軸40の一端40aには駆動源(例えば、
自動車のエンジン)に結合され、その他端部40bには
被動体(例えば、自動車の車輪)に結合されている。こ
のように構成された回転軸40の外周において、前記実
施例2に記載の構成からなる渦巻きばね42を囲繞配置
する。
【0071】この渦巻きばね42は、内側支持ケース4
4と外側保持ケース46との間に収納配置され、さらに
前記外側保持ケース46は、外部ハウジング48によっ
て全体を囲繞被覆されている。なお、前記外部ハウジン
グ48は、外部的に固定され、その両端部において、そ
れぞれ軸受50、51を介して回転軸40を回転自在に
保持する。
4と外側保持ケース46との間に収納配置され、さらに
前記外側保持ケース46は、外部ハウジング48によっ
て全体を囲繞被覆されている。なお、前記外部ハウジン
グ48は、外部的に固定され、その両端部において、そ
れぞれ軸受50、51を介して回転軸40を回転自在に
保持する。
【0072】しかるに、前記渦巻きばね42の内側支持
ケース44は、軸方向の両端部において軸受52、53
を介して回転軸40を回転自在に保持するように装着さ
れる。一方、前記外側保持ケース46は、軸方向の一端
部をワンウェイクラッチ54および軸受55を介して回
転軸40に対して係脱自在に結合装着される。
ケース44は、軸方向の両端部において軸受52、53
を介して回転軸40を回転自在に保持するように装着さ
れる。一方、前記外側保持ケース46は、軸方向の一端
部をワンウェイクラッチ54および軸受55を介して回
転軸40に対して係脱自在に結合装着される。
【0073】さらに、前記渦巻きばね42の内側支持ケ
ース44は、回転軸40側の一端において、回転軸40
に結合されて回転駆動するクラッチ56と係脱自在に結
合構成される。また、前記内側支持ケース44の一端
は、ワンウェイクラッチ58を介して外部ハウジング4
8の一端側の内側面に設けた結合部48aに係合する。
ース44は、回転軸40側の一端において、回転軸40
に結合されて回転駆動するクラッチ56と係脱自在に結
合構成される。また、前記内側支持ケース44の一端
は、ワンウェイクラッチ58を介して外部ハウジング4
8の一端側の内側面に設けた結合部48aに係合する。
【0074】一方、前記外側保持ケース46は、回転軸
40の他端側(負荷側)40bにおいて、前記ワンウェ
イクラッチ54を介して回転軸40に係脱自在に結合す
ると共に、外部ハウジング48の他端側の内側面に設け
た結合部48bにおいて、係脱自在なブレーキ結合を行
うブレーキ結合部60を構成する。
40の他端側(負荷側)40bにおいて、前記ワンウェ
イクラッチ54を介して回転軸40に係脱自在に結合す
ると共に、外部ハウジング48の他端側の内側面に設け
た結合部48bにおいて、係脱自在なブレーキ結合を行
うブレーキ結合部60を構成する。
【0075】次に、前記構成からなる装置における渦巻
きばね42のエネルギーの蓄積・放出動作について説明
する。
きばね42のエネルギーの蓄積・放出動作について説明
する。
【0076】まず、クラッチ56と渦巻きばね42の内
側支持ケース44とを係合状態とすると共に、渦巻きば
ね42の外側支持ケース46と外部ハウジング48とを
ブレーキ結合部60により結合状態にする。このように
して、回転軸40を駆動源により矢印方向に回転駆動す
れば、前記内側支持ケース44は、ワンウェイクラッチ
58に対してフリー回転する一方、前記外側支持ケース
46は、ブレーキ結合部60により外部ハウジング48
と係合して固定されるため、渦巻きばね42は、所要限
界まで内側から巻き締め操作される。なお、この場合、
回転軸40は、ワンウェイクラッチ54に対してフリー
回転する。また、駆動源が停止した場合においても、負
荷の慣性による回転軸40の回転動作により、渦巻きば
ね42が巻き締め操作されると共に、これが回転軸40
に対するブレーキの作用を及ぼすことができる。
側支持ケース44とを係合状態とすると共に、渦巻きば
ね42の外側支持ケース46と外部ハウジング48とを
ブレーキ結合部60により結合状態にする。このように
して、回転軸40を駆動源により矢印方向に回転駆動す
れば、前記内側支持ケース44は、ワンウェイクラッチ
58に対してフリー回転する一方、前記外側支持ケース
46は、ブレーキ結合部60により外部ハウジング48
と係合して固定されるため、渦巻きばね42は、所要限
界まで内側から巻き締め操作される。なお、この場合、
回転軸40は、ワンウェイクラッチ54に対してフリー
回転する。また、駆動源が停止した場合においても、負
荷の慣性による回転軸40の回転動作により、渦巻きば
ね42が巻き締め操作されると共に、これが回転軸40
に対するブレーキの作用を及ぼすことができる。
【0077】しかるに、所要限界以上の過剰な巻き締め
に際しては、前記内側支持ケース44と共に外側保持ケ
ース46が一体的に回転しようとするが、この場合、前
記外側保持ケース46と外部ハウジング48との結合部
分に、適宜のスリップ装置(図示せず)を介して前記外
側保持ケース46がスリップ回転することができるよう
に構成される。
に際しては、前記内側支持ケース44と共に外側保持ケ
ース46が一体的に回転しようとするが、この場合、前
記外側保持ケース46と外部ハウジング48との結合部
分に、適宜のスリップ装置(図示せず)を介して前記外
側保持ケース46がスリップ回転することができるよう
に構成される。
【0078】このような渦巻きばね42の巻き締め操作
によって、前記渦巻きばね42には、所要の弾性歪みエ
ネルギーを蓄積することができる。
によって、前記渦巻きばね42には、所要の弾性歪みエ
ネルギーを蓄積することができる。
【0079】次いで、前記回転軸40の回転駆動を停止
した後、前記渦巻きばね42の内側支持ケース44と回
転軸40との結合を行っているクラッチ56の係合を解
除すると、前記内側支持ケース44は、渦巻きばね42
に蓄積されたエネルギーにより、前記回転軸40の回転
駆動方向とは反対の方向に回転動作しようとするが、こ
の場合、内側支持ケース44と外部ハウジング48とを
結合するワンウェイクラッチ58が係合状態となり、フ
リー回転が阻止される。
した後、前記渦巻きばね42の内側支持ケース44と回
転軸40との結合を行っているクラッチ56の係合を解
除すると、前記内側支持ケース44は、渦巻きばね42
に蓄積されたエネルギーにより、前記回転軸40の回転
駆動方向とは反対の方向に回転動作しようとするが、こ
の場合、内側支持ケース44と外部ハウジング48とを
結合するワンウェイクラッチ58が係合状態となり、フ
リー回転が阻止される。
【0080】そこで、前記渦巻きばね42の外側支持ケ
ース46と外部ハウジング48との結合を行っているブ
レーキ結合部60の係合を解除すると、前記外側支持ケ
ース46は、渦巻きばね42に蓄積されたエネルギーに
より、前記外側支持ケース46と回転軸40とを前記回
転軸40の回転駆動方向と同一の方向に回転動作しよう
とする。この時、回転軸40が停止しているか、または
外側支持ケース46が回転しようとする回転数より低い
回転数の場合は、ワンウェイクラッチ54が結合状態と
なり、渦巻きばね42は、前記外側支持ケース46と回
転軸40とを一体的に回転動作させて蓄積されたエネル
ギーの放出を行う。
ース46と外部ハウジング48との結合を行っているブ
レーキ結合部60の係合を解除すると、前記外側支持ケ
ース46は、渦巻きばね42に蓄積されたエネルギーに
より、前記外側支持ケース46と回転軸40とを前記回
転軸40の回転駆動方向と同一の方向に回転動作しよう
とする。この時、回転軸40が停止しているか、または
外側支持ケース46が回転しようとする回転数より低い
回転数の場合は、ワンウェイクラッチ54が結合状態と
なり、渦巻きばね42は、前記外側支持ケース46と回
転軸40とを一体的に回転動作させて蓄積されたエネル
ギーの放出を行う。
【0081】これにより、回転軸40が停止している時
は、渦巻きばね単独で駆動スタートすることになり、ま
た回転軸40の回転速度が遅い場合は、渦巻きばねが駆
動源を補助することになる。この場合に、渦巻きばねの
エネルギー放出速度を制御する装置を設けて、回転軸4
0の回転速度が急激に大きくならないようにすることが
好ましい。
は、渦巻きばね単独で駆動スタートすることになり、ま
た回転軸40の回転速度が遅い場合は、渦巻きばねが駆
動源を補助することになる。この場合に、渦巻きばねの
エネルギー放出速度を制御する装置を設けて、回転軸4
0の回転速度が急激に大きくならないようにすることが
好ましい。
【0082】このようにして、回転軸40の回転駆動に
より渦巻きばね42に蓄積されたエネルギーは、回転軸
40の駆動停止に際して、クラッチ56、ブレーキ結合
部60およびワンウェイクラッチ58の係脱操作によっ
て、回転軸40の回転駆動方向において、それぞれ選択
的に放出させることができる。
より渦巻きばね42に蓄積されたエネルギーは、回転軸
40の駆動停止に際して、クラッチ56、ブレーキ結合
部60およびワンウェイクラッチ58の係脱操作によっ
て、回転軸40の回転駆動方向において、それぞれ選択
的に放出させることができる。
【0083】このようにして、坂道の下りや減速時のブ
レーキングにより、渦巻きばね42にエネルギーを回収
蓄積し、これをスタート時の駆動源として、また駆動源
の加速や登坂時の駆動源の力不足の補助としての機能を
発揮する。また、長い登坂の手前で駆動源の出力を高め
て、予め渦巻きばね42の蓄積エネルギー量を大きくし
ておくことも可能である。なお、駆動源によりバックす
る時には、ワンウェイクラッチ54の解除が必要であ
る。また、渦巻きばね42とエネルギーの出入りなし
に、負荷が駆動源により回転する場合は、クラッチ56
を脱離しておけば十分である。そして、この場合、駆動
源自体が逆回転する際には、クラッチ56を脱離し、ブ
レーキ結合部60を結合させ、ワンウェイクラッチ54
を解除する必要がある。
レーキングにより、渦巻きばね42にエネルギーを回収
蓄積し、これをスタート時の駆動源として、また駆動源
の加速や登坂時の駆動源の力不足の補助としての機能を
発揮する。また、長い登坂の手前で駆動源の出力を高め
て、予め渦巻きばね42の蓄積エネルギー量を大きくし
ておくことも可能である。なお、駆動源によりバックす
る時には、ワンウェイクラッチ54の解除が必要であ
る。また、渦巻きばね42とエネルギーの出入りなし
に、負荷が駆動源により回転する場合は、クラッチ56
を脱離しておけば十分である。そして、この場合、駆動
源自体が逆回転する際には、クラッチ56を脱離し、ブ
レーキ結合部60を結合させ、ワンウェイクラッチ54
を解除する必要がある。
【0084】また、前記渦巻きばね42に蓄積されたエ
ネルギーの回転軸40に対する放出に際し、前記外側保
持ケース46または内側保持ケース46と、それぞれワ
ンウェイクラッチ54またはクラッチ56を介して、回
転軸40との結合において、これらの結合部に、例えば
時計機構に適用されるテンプや振り子等の調速機構を設
けることにより、蓄積エネルギーの放出による回転軸4
0の速度制御を円滑に達成するように構成することがで
きる。
ネルギーの回転軸40に対する放出に際し、前記外側保
持ケース46または内側保持ケース46と、それぞれワ
ンウェイクラッチ54またはクラッチ56を介して、回
転軸40との結合において、これらの結合部に、例えば
時計機構に適用されるテンプや振り子等の調速機構を設
けることにより、蓄積エネルギーの放出による回転軸4
0の速度制御を円滑に達成するように構成することがで
きる。
【0085】さらに、前述した渦巻きばね42の利用に
際し、渦巻きばね42の両端部と、中心部側(例えば、
内側保持ケース44)および外側(例えば、外側保持ケ
ース46)との結合固定において、前記渦巻きばね42
を一定の安全圏内で歪ませて使用する場合は、単なる接
着やボルト止めで問題はない。しかし、前記渦巻きばね
42において、繊維が一方に配列され、しかも前記渦巻
きばね42を破壊限界近くまで歪ませて使用する場合
は、全繊維に負荷される歪ないし力を分散させる必要が
ある。また、前記ばねの曲げ応力が1個所に集中する場
合にも、その集中個所においてばねが折れることがあ
り、好ましくない。
際し、渦巻きばね42の両端部と、中心部側(例えば、
内側保持ケース44)および外側(例えば、外側保持ケ
ース46)との結合固定において、前記渦巻きばね42
を一定の安全圏内で歪ませて使用する場合は、単なる接
着やボルト止めで問題はない。しかし、前記渦巻きばね
42において、繊維が一方に配列され、しかも前記渦巻
きばね42を破壊限界近くまで歪ませて使用する場合
は、全繊維に負荷される歪ないし力を分散させる必要が
ある。また、前記ばねの曲げ応力が1個所に集中する場
合にも、その集中個所においてばねが折れることがあ
り、好ましくない。
【0086】そこで、図8に示すように、渦巻きばね4
2の端部43における両側面に対して、端部補強部材6
4、65により挾持するようにして接着固定する。この
ようにして、前記渦巻きばね42の端部43を強化し
て、これを所定の結合部に対して接着その他の方法によ
り取付けることにより、前記問題点を解消することがで
きる。また、図8に示す実施例においては、渦巻きばね
42の巻き終り端部43について示したが、図示しない
渦巻きばね42の巻き始め端部についても、前記と同様
の端部補強部材を取付けることができることは勿論であ
る。
2の端部43における両側面に対して、端部補強部材6
4、65により挾持するようにして接着固定する。この
ようにして、前記渦巻きばね42の端部43を強化し
て、これを所定の結合部に対して接着その他の方法によ
り取付けることにより、前記問題点を解消することがで
きる。また、図8に示す実施例においては、渦巻きばね
42の巻き終り端部43について示したが、図示しない
渦巻きばね42の巻き始め端部についても、前記と同様
の端部補強部材を取付けることができることは勿論であ
る。
【0087】この場合、端部補強部材64、65は、金
属や繊維織物等で補強した複合材料により構成すること
ができると共に、この端部補強部材64、65は、渦巻
きばね42の端部43より次第に離間するに従って、そ
の厚さが次第に薄くなるように形成し、ばねと共に湾曲
し得るようにして、応力の集中を避けるように設定する
ことが好ましい。なお、図8に示す実施例において、渦
巻きばね42の端部補強部材のうち、結合部材と接合す
る側の端部補強部材65(巻き終り端部43の外側面)
は、その先端部65aを外側に折曲げ突出させて係合し
易いように構成すれば好適である。また、図示しない渦
巻きばね42の巻き始め端部の端部補強部材について
も、結合部材と接合する側面(すなわち、巻き始め端部
の内側面)の先端部を、内側に折曲げ突出させて係合し
易いように構成する。
属や繊維織物等で補強した複合材料により構成すること
ができると共に、この端部補強部材64、65は、渦巻
きばね42の端部43より次第に離間するに従って、そ
の厚さが次第に薄くなるように形成し、ばねと共に湾曲
し得るようにして、応力の集中を避けるように設定する
ことが好ましい。なお、図8に示す実施例において、渦
巻きばね42の端部補強部材のうち、結合部材と接合す
る側の端部補強部材65(巻き終り端部43の外側面)
は、その先端部65aを外側に折曲げ突出させて係合し
易いように構成すれば好適である。また、図示しない渦
巻きばね42の巻き始め端部の端部補強部材について
も、結合部材と接合する側面(すなわち、巻き始め端部
の内側面)の先端部を、内側に折曲げ突出させて係合し
易いように構成する。
【0088】なお、この応用例において、図7に示す構
成においては、回転軸40を単一軸として構成した場合
を示したが、駆動源との結合側40aと、被動体との結
合側(負荷側)40bとを分離して、これらを適宜の軸
継手を介して結合する構成とすることもできる。
成においては、回転軸40を単一軸として構成した場合
を示したが、駆動源との結合側40aと、被動体との結
合側(負荷側)40bとを分離して、これらを適宜の軸
継手を介して結合する構成とすることもできる。
【0089】図9は、前述した渦巻きばねの複数個を直
列に結合配置して、回転軸の駆動回転エネルギーを渦巻
きばねに蓄積し、この渦巻きばねに蓄積されたエネルギ
ーを再度回転軸に放出して、この回転軸に所要の駆動力
を付与(リサイクル)するように構成した応用例を示す
ものである。なお、説明の便宜上、前記図7に示す構成
要素と同一の構成部分については、同一の参照符号を付
し、詳細な説明は省略する。
列に結合配置して、回転軸の駆動回転エネルギーを渦巻
きばねに蓄積し、この渦巻きばねに蓄積されたエネルギ
ーを再度回転軸に放出して、この回転軸に所要の駆動力
を付与(リサイクル)するように構成した応用例を示す
ものである。なお、説明の便宜上、前記図7に示す構成
要素と同一の構成部分については、同一の参照符号を付
し、詳細な説明は省略する。
【0090】すなわち、図9において、参照符号40は
一端を所要の駆動源(図示せず)に接続し、他端を負荷
に接続した回転軸を示し、この回転軸40の外周におい
て、前記実施例2に記載の構成からなる複数の渦巻きば
ね42a、42b、42c、42dを、順次隣接して囲
繞配置した構成からなる。
一端を所要の駆動源(図示せず)に接続し、他端を負荷
に接続した回転軸を示し、この回転軸40の外周におい
て、前記実施例2に記載の構成からなる複数の渦巻きば
ね42a、42b、42c、42dを、順次隣接して囲
繞配置した構成からなる。
【0091】これら複数の渦巻きばね42a〜42d
は、最初の渦巻きばね42aと最後の渦巻きばね42d
とについて、外側支持ケース46と内側保持ケース44
とに保持され、これら渦巻きばね42a、42b、42
c、42dについては、それぞれ順次渦巻きばねの内側
保持ケース部44a、44b、44cと外側支持ケース
部46a、46b、46cとを一体的に形成した連結ケ
ース47a、47b、47cにより保持されている。
は、最初の渦巻きばね42aと最後の渦巻きばね42d
とについて、外側支持ケース46と内側保持ケース44
とに保持され、これら渦巻きばね42a、42b、42
c、42dについては、それぞれ順次渦巻きばねの内側
保持ケース部44a、44b、44cと外側支持ケース
部46a、46b、46cとを一体的に形成した連結ケ
ース47a、47b、47cにより保持されている。
【0092】なお、本応用例において、外側支持ケース
46は、クラッチフォーク66a、クラッチスラスト軸
受66bおよび多板クラッチ66cからなるクラッチ機
構66を介して回転軸40と結合すると共に、ワンウェ
イクラッチ58を介して外部ハウジング48と係合して
いる。さらに、外側支持ケース46の一部は、前記内側
保持ケース部44a、44b、44cおよび内側保持ケ
ース44の内周部まで延在するスリーブ46′を備え、
このスリーブ46′に対してそれぞれ前記各内側保持ケ
ース部44a、44b、44cおよび内側保持ケース4
4が、軸受52、53を介して回転自在に保持されてい
る。
46は、クラッチフォーク66a、クラッチスラスト軸
受66bおよび多板クラッチ66cからなるクラッチ機
構66を介して回転軸40と結合すると共に、ワンウェ
イクラッチ58を介して外部ハウジング48と係合して
いる。さらに、外側支持ケース46の一部は、前記内側
保持ケース部44a、44b、44cおよび内側保持ケ
ース44の内周部まで延在するスリーブ46′を備え、
このスリーブ46′に対してそれぞれ前記各内側保持ケ
ース部44a、44b、44cおよび内側保持ケース4
4が、軸受52、53を介して回転自在に保持されてい
る。
【0093】また、本応用例において、内側保持ケース
44は、ブレーキドラム70a、ブレーキシュー70b
およびブレーキカム70cからなるブレーキ結合機構7
0を介して外部ハウジング48と結合すると共に、ワン
ウェイクラッチ54を介して回転軸40と係合してい
る。
44は、ブレーキドラム70a、ブレーキシュー70b
およびブレーキカム70cからなるブレーキ結合機構7
0を介して外部ハウジング48と結合すると共に、ワン
ウェイクラッチ54を介して回転軸40と係合してい
る。
【0094】その他の構成は、基本的に前記図7に示す
ものと同様である。従って、この図9に示す応用例にお
いても、その動作は前記図7に示す応用例と基本的に同
一であり、渦巻きばねを多連に構成した点で、弾性歪み
エネルギーの蓄積容量および放出容量を増大し得る点に
特徴がある。
ものと同様である。従って、この図9に示す応用例にお
いても、その動作は前記図7に示す応用例と基本的に同
一であり、渦巻きばねを多連に構成した点で、弾性歪み
エネルギーの蓄積容量および放出容量を増大し得る点に
特徴がある。
【0095】前述したように、本発明の渦巻きばねの構
成によれば、蓄積エネルギーを従来のものより大幅に高
めることができる。従って、この渦巻きばねを利用し
て、エネルギー蓄積装置を製造する場合には、前記渦巻
きばねの能力を十分に活用できる構造とする必要があ
る。そして、渦巻きばねの破壊歪みを検討し、この歪み
またはその近くにまで、ばねが歪み得るようにハウジン
グおよび巻取軸を設計する必要がある。少なくとも普通
の場合は、巻取軸の直径は成形金型の直径より小さい必
要がある。また、ある場所が最も早く破壊に近い点まで
歪んだ時には、他の部分も殆ど破壊に近いところまで歪
んでいるように設計することが、蓄積エネルギーを高め
ることになる。このためには、ばねの内側の周回と外側
の周回とで、破壊時点での曲率を実験により求め、それ
によりほぼ同時に破壊歪みに達するように、周回間のピ
ッチを設計することが望ましい。
成によれば、蓄積エネルギーを従来のものより大幅に高
めることができる。従って、この渦巻きばねを利用し
て、エネルギー蓄積装置を製造する場合には、前記渦巻
きばねの能力を十分に活用できる構造とする必要があ
る。そして、渦巻きばねの破壊歪みを検討し、この歪み
またはその近くにまで、ばねが歪み得るようにハウジン
グおよび巻取軸を設計する必要がある。少なくとも普通
の場合は、巻取軸の直径は成形金型の直径より小さい必
要がある。また、ある場所が最も早く破壊に近い点まで
歪んだ時には、他の部分も殆ど破壊に近いところまで歪
んでいるように設計することが、蓄積エネルギーを高め
ることになる。このためには、ばねの内側の周回と外側
の周回とで、破壊時点での曲率を実験により求め、それ
によりほぼ同時に破壊歪みに達するように、周回間のピ
ッチを設計することが望ましい。
【0096】なお、量産されたばねの破壊歪みには、当
然にバラツキが存在する。従って、使用範囲はバラツキ
を考慮した安全圏内でなければならない。例えば、平均
破壊歪みの80%以上の歪みを受けないように、巻取軸
の直径を設定したり、回転停止装置もしくはスリップ装
置を適宜設ける。
然にバラツキが存在する。従って、使用範囲はバラツキ
を考慮した安全圏内でなければならない。例えば、平均
破壊歪みの80%以上の歪みを受けないように、巻取軸
の直径を設定したり、回転停止装置もしくはスリップ装
置を適宜設ける。
【0097】また、本発明の渦巻きばねにおいては、外
側のハウジングと内側の巻取軸の間で歪みを受ける。渦
巻きばねの複数個を直列にして使用する場合は、一つの
ばねのハウジング側と巻取軸側とを順次連結させる。こ
の場合、ハウジングと巻取軸とにより、外側と内側のば
ね直径が規制される。しかし、このような規制のない装
置、例えばハウジングのない巻取りスプール方式では、
ばねの外側が引出されると共に、その外周が小さくな
り、ばねの各周回が軸方向に同時に集合していくので、
周回間に摩擦が生じる。このため、ばねの伸縮に際して
大きなヒステリシスを生じる。
側のハウジングと内側の巻取軸の間で歪みを受ける。渦
巻きばねの複数個を直列にして使用する場合は、一つの
ばねのハウジング側と巻取軸側とを順次連結させる。こ
の場合、ハウジングと巻取軸とにより、外側と内側のば
ね直径が規制される。しかし、このような規制のない装
置、例えばハウジングのない巻取りスプール方式では、
ばねの外側が引出されると共に、その外周が小さくな
り、ばねの各周回が軸方向に同時に集合していくので、
周回間に摩擦が生じる。このため、ばねの伸縮に際して
大きなヒステリシスを生じる。
【0098】しかしながら、ハウジングが存在すると、
外周は変わらないままで、巻取軸の回転と共に各周回が
順次内に向かって移動し、摩擦は比較的に少なく、この
ためにヒステリシスも僅少である。これにより、エネル
ギーの蓄積放出効率も高くなる。
外周は変わらないままで、巻取軸の回転と共に各周回が
順次内に向かって移動し、摩擦は比較的に少なく、この
ためにヒステリシスも僅少である。これにより、エネル
ギーの蓄積放出効率も高くなる。
【0099】なお、ばねの内側または外側の弾性率を小
さくすることにより、ヒステリシスを小さくすることが
できる。また、ばねの内側と外側とを機械的加工によっ
て摩擦抵抗を下げることにより、ヒステリシスを小さく
することもできる。さらに、ばねの内側ないし外側に、
パラフィン系オイル等のマトリックスを変化させない潤
滑剤を表面に付着させることによっても、摩擦抵抗を下
げてヒステリシスを小さくすることができる。
さくすることにより、ヒステリシスを小さくすることが
できる。また、ばねの内側と外側とを機械的加工によっ
て摩擦抵抗を下げることにより、ヒステリシスを小さく
することもできる。さらに、ばねの内側ないし外側に、
パラフィン系オイル等のマトリックスを変化させない潤
滑剤を表面に付着させることによっても、摩擦抵抗を下
げてヒステリシスを小さくすることができる。
【0100】さらに、本発明の渦巻きばねにおいては、
ばね変形において、外側表面層部では引張り変形が生
じ、内側表面層部では圧縮変形が生じ、そして厚み方向
の中間部では曲がるだけで、長さ方向の変形のない部分
が生じる。使用される材料の能力を精一杯活用するため
には、変形によって破壊される時には、全ての材料が破
壊点に達していることが好ましい。従って、前記長さ変
形しない部分より外側(外側表面層部)では、引張り変
形に強いものが好ましく、長さ変形しない部分より内側
(内側表面層部)では、圧縮変形に強いものが好まし
い。また、それぞれにおいて表面に向かって破壊変形の
大きなものとすることが好ましい。この様にして、繊維
および樹脂を選択することができる。
ばね変形において、外側表面層部では引張り変形が生
じ、内側表面層部では圧縮変形が生じ、そして厚み方向
の中間部では曲がるだけで、長さ方向の変形のない部分
が生じる。使用される材料の能力を精一杯活用するため
には、変形によって破壊される時には、全ての材料が破
壊点に達していることが好ましい。従って、前記長さ変
形しない部分より外側(外側表面層部)では、引張り変
形に強いものが好ましく、長さ変形しない部分より内側
(内側表面層部)では、圧縮変形に強いものが好まし
い。また、それぞれにおいて表面に向かって破壊変形の
大きなものとすることが好ましい。この様にして、繊維
および樹脂を選択することができる。
【0101】そして、各層部は、必ずしも層状でなくて
もよいが、表面から中間部に向かって繊維を変えること
も、生産性の問題を無視すれば好ましい。各層部が、複
数の層からなっている場合は、このような変更は比較的
に容易である。具体的には、例えば外側表面層部の外側
層をアラミド繊維やガラス繊維を使用し、内側層を炭素
繊維とし、内側表面層部の表面側(ばねの内側)に炭素
繊維を使用し、内側(ばねの中間部側)にボロン繊維や
炭化珪素繊維を使用することにより、両層部全層が同時
に破壊するように形成するのも好ましい態様である。
もよいが、表面から中間部に向かって繊維を変えること
も、生産性の問題を無視すれば好ましい。各層部が、複
数の層からなっている場合は、このような変更は比較的
に容易である。具体的には、例えば外側表面層部の外側
層をアラミド繊維やガラス繊維を使用し、内側層を炭素
繊維とし、内側表面層部の表面側(ばねの内側)に炭素
繊維を使用し、内側(ばねの中間部側)にボロン繊維や
炭化珪素繊維を使用することにより、両層部全層が同時
に破壊するように形成するのも好ましい態様である。
【0102】なお、内側表面層部の内側層と表面層と
を、繊維は同じであって、繊維のフィラメント径を表面
層で太いものを使用することにより、耐圧縮性を高めて
同時破壊性を高めることもできる。また、中空の中間層
部が存在する場合も同様に構成することができる。
を、繊維は同じであって、繊維のフィラメント径を表面
層で太いものを使用することにより、耐圧縮性を高めて
同時破壊性を高めることもできる。また、中空の中間層
部が存在する場合も同様に構成することができる。
【0103】以上、本発明の好適な実施例について説明
したが、本発明は前記実施例に限定されることなく、本
発明の精神を逸脱しない範囲内において、多くの設計変
更をなし得ることは勿論である。
したが、本発明は前記実施例に限定されることなく、本
発明の精神を逸脱しない範囲内において、多くの設計変
更をなし得ることは勿論である。
【0104】なお、従来のエネルギー変換機構を利用し
たハイブリッド駆動装置としては、例えば自転車では予
め充電された電池と電動機を搭載して、坂道で人力を補
助するものであったり、発電機、蓄電池、電動機(ある
いは発電機と電動機を一体化した交流機)を使用するハ
イブリッド駆動式自動車であったりする。これに対し
て、本発明の渦巻き(ぜんまい)ばねにおいては、回転
力を回転力のまま蓄積し、そのまま回転力として利用す
るものであり、エネルギーの変換がなく、そのため余分
な装置が不要である。従って、本発明の渦巻きばねは、
従来のばねに比べて、蓄積エネルギーが著しく改善され
ており、ハイブリッド駆動の有用な手段として使用する
ことができる。
たハイブリッド駆動装置としては、例えば自転車では予
め充電された電池と電動機を搭載して、坂道で人力を補
助するものであったり、発電機、蓄電池、電動機(ある
いは発電機と電動機を一体化した交流機)を使用するハ
イブリッド駆動式自動車であったりする。これに対し
て、本発明の渦巻き(ぜんまい)ばねにおいては、回転
力を回転力のまま蓄積し、そのまま回転力として利用す
るものであり、エネルギーの変換がなく、そのため余分
な装置が不要である。従って、本発明の渦巻きばねは、
従来のばねに比べて、蓄積エネルギーが著しく改善され
ており、ハイブリッド駆動の有用な手段として使用する
ことができる。
【0105】
【発明の効果】前述した実施例から明らかなように、本
発明に係る渦巻き(ぜんまい)ばねは、複数本の長繊維
と、これを帯状に保持するマトリックス樹脂からなる複
合材から構成し、外部の駆動源および/または負荷から
与えられる回転動作の機械的エネルギーを主として長繊
維の弾性歪エネルギーとして蓄積し、所要時に前記蓄積
された弾性歪エネルギーを機械的エネルギーとして取出
して駆動源を補助するように構成するものであって、例
えば前記複合材により外側と内側の表面層部を構成する
と共に、両表面層部に挾まれて両表面層間の距離を維持
するための軽量材料からなる中間層を設け、これを渦巻
き状に成形して渦巻きばねを構成することにより、前記
複合材を機械的に変形させることによって、比較的大容
量の機械的エネルギーの蓄積を可能とし、しかも前記複
合材の変形を復元させる際に、蓄積された機械的エネル
ギーを効率良く放出して各種の動力源として有効に活用
することができる。
発明に係る渦巻き(ぜんまい)ばねは、複数本の長繊維
と、これを帯状に保持するマトリックス樹脂からなる複
合材から構成し、外部の駆動源および/または負荷から
与えられる回転動作の機械的エネルギーを主として長繊
維の弾性歪エネルギーとして蓄積し、所要時に前記蓄積
された弾性歪エネルギーを機械的エネルギーとして取出
して駆動源を補助するように構成するものであって、例
えば前記複合材により外側と内側の表面層部を構成する
と共に、両表面層部に挾まれて両表面層間の距離を維持
するための軽量材料からなる中間層を設け、これを渦巻
き状に成形して渦巻きばねを構成することにより、前記
複合材を機械的に変形させることによって、比較的大容
量の機械的エネルギーの蓄積を可能とし、しかも前記複
合材の変形を復元させる際に、蓄積された機械的エネル
ギーを効率良く放出して各種の動力源として有効に活用
することができる。
【0106】また、本発明の渦巻きばねは、中間軽量層
部を設ける時は、重量当りの蓄積エネルギーを改善し、
さらに中間軽量層を設けない場合は、容量当りの蓄積エ
ネルギーを改善する。このため、長繊維として、その織
物や編み物、不織布を使用すると、改善効果を下げるの
で好ましくない。繊維は、実質的にばねの長手方向にの
み配向されていることが好ましい。
部を設ける時は、重量当りの蓄積エネルギーを改善し、
さらに中間軽量層を設けない場合は、容量当りの蓄積エ
ネルギーを改善する。このため、長繊維として、その織
物や編み物、不織布を使用すると、改善効果を下げるの
で好ましくない。繊維は、実質的にばねの長手方向にの
み配向されていることが好ましい。
【0107】従って、本発明に係る渦巻きばねは、これ
をエネルギーの蓄積・放出を行う動力源等に適用した装
置に応用することにより、負荷の変化をレベリングした
り、エネルギー源の変化をレベリングする手段として、
以下に例示するように広範囲の分野において利用するこ
とができる。
をエネルギーの蓄積・放出を行う動力源等に適用した装
置に応用することにより、負荷の変化をレベリングした
り、エネルギー源の変化をレベリングする手段として、
以下に例示するように広範囲の分野において利用するこ
とができる。
【0108】(1)負荷の変化をレベリングする手段 a.前途の高負荷が予想される時に、前もって駆動源に
無理を掛けることなく少しづつエネルギーを蓄積してお
き、高負荷時の駆動源を補助する。例えば、路線バス等
においては、ナビゲータと連動させて、予めプログラム
しておくことによって、登坂用エネルギーを用意するこ
とが可能である。また、自転車においては、前方の長い
登坂が見えた時に、その手前から出力を少しづつ上げ
て、渦巻きばねを巻いてエネルギーを蓄積し、登坂時に
蓄積エネルギーを放出することができる。
無理を掛けることなく少しづつエネルギーを蓄積してお
き、高負荷時の駆動源を補助する。例えば、路線バス等
においては、ナビゲータと連動させて、予めプログラム
しておくことによって、登坂用エネルギーを用意するこ
とが可能である。また、自転車においては、前方の長い
登坂が見えた時に、その手前から出力を少しづつ上げ
て、渦巻きばねを巻いてエネルギーを蓄積し、登坂時に
蓄積エネルギーを放出することができる。
【0109】b.低負荷時の余剰回転エネルギーを渦巻
きばねに蓄積し、高負荷時にエネルギー源を補助する。
例えば、電力需要の少ない時に余剰電力で渦巻きばねを
巻いてエネルギーを蓄積し、電力需要の大きい時に放出
することにより、電力負荷平準化に利用することができ
る。
きばねに蓄積し、高負荷時にエネルギー源を補助する。
例えば、電力需要の少ない時に余剰電力で渦巻きばねを
巻いてエネルギーを蓄積し、電力需要の大きい時に放出
することにより、電力負荷平準化に利用することができ
る。
【0110】c.ブレーキング時に、通常は熱として放
散される機械的エネルギーを、渦巻きばねに蓄積し、こ
れにより通常の回転時のエネルギー源を補助する。例え
ば、自動車、自転車、電車の降坂や減速の時に渦巻きば
ねを巻いてエネルギーを蓄積し、登坂や加速の時に蓄積
エネルギーを放出する。なお、エレベータも同様に適用
可能であり、エネルギー源であれば、必ずしもそれは物
を駆動するものに限定されない。
散される機械的エネルギーを、渦巻きばねに蓄積し、こ
れにより通常の回転時のエネルギー源を補助する。例え
ば、自動車、自転車、電車の降坂や減速の時に渦巻きば
ねを巻いてエネルギーを蓄積し、登坂や加速の時に蓄積
エネルギーを放出する。なお、エレベータも同様に適用
可能であり、エネルギー源であれば、必ずしもそれは物
を駆動するものに限定されない。
【0111】(2)エネルギー源の変化をレベリングす
る手段 a.風力発電において、強風時の駆動に際しエネルギー
を渦巻きばねに蓄積し、無風時ないし低風時の駆動に際
し蓄積エネルギーを放出して発電出力の平準化を達成す
る。
る手段 a.風力発電において、強風時の駆動に際しエネルギー
を渦巻きばねに蓄積し、無風時ないし低風時の駆動に際
し蓄積エネルギーを放出して発電出力の平準化を達成す
る。
【0112】b.潮流発電において、電池に代替して渦
巻きばねを使用し、この渦巻きばねにエネルギーを蓄積
し、無潮流ないし低潮流の時に際し蓄積エネルギーを放
出して発電出力の平準化を達成する。
巻きばねを使用し、この渦巻きばねにエネルギーを蓄積
し、無潮流ないし低潮流の時に際し蓄積エネルギーを放
出して発電出力の平準化を達成する。
【図1】本発明に係る渦巻きばねの製造工程の一実施例
を示す概略側面図である。
を示す概略側面図である。
【図2】図1に示す渦巻きばねの製造工程中の状態を示
す概略斜視図である。
す概略斜視図である。
【図3】本発明に係る渦巻きばね等の試料について試験
方法を示す説明図である。
方法を示す説明図である。
【図4】本発明に係る渦巻きばねの繊維角度と重量当り
蓄積エネルギーとの関係を示す特性線図である。
蓄積エネルギーとの関係を示す特性線図である。
【図5】本発明に係る渦巻きばねの外側表面層の厚さに
対する中間層の厚さの比と重量当り蓄積エネルギーとの
関係を示す特性線図である。
対する中間層の厚さの比と重量当り蓄積エネルギーとの
関係を示す特性線図である。
【図6】本発明に係る渦巻きばねの外側表面層の厚さに
対する中間層の厚さの変化と重量当り蓄積エネルギーと
の関係を示す特性線図である。
対する中間層の厚さの変化と重量当り蓄積エネルギーと
の関係を示す特性線図である。
【図7】本発明に係る渦巻きばねの応用に際しての基本
原理を示す概略説明図である。
原理を示す概略説明図である。
【図8】本発明に係る渦巻きばねの応用に際しての端部
の処理手段の一実施例を示す要部説明図である。
の処理手段の一実施例を示す要部説明図である。
【図9】図7に示す本発明に係る渦巻きばねの具体的な
応用例を示す概略説明図である。
応用例を示す概略説明図である。
10 プリプレグ積層物(表面層部) 12 フィルム(中間層部) 20 金型 22 シリコン板 24 加圧テープ 30 芯棒 32 ケース 34 ワイヤ 40 回転駆動軸 40a 駆動源 40b 被動体 42 渦巻きばね 42a〜42d 渦巻きばね 43 渦巻きばねの端部 44 内側支持ケース 44a〜44c 内側支持ケース部 46 外側保持ケース 46′ スリーブ 46a〜46c 外側保持ケース部 47a〜47c 連結ケース 48 外部ハウジング 48a 一端側の結合部 48b 他端側の結合部 50、51 軸受 52、53、55 軸受 54 ワンウェイクラッチ 56 クラッチ 58 ワンウェイクラッチ 60 ブレーキ結合部 64、65 端部補強部材 65a 先端部 66 クラッチ機構 66a クラッチフォーク 66b クラッチスラスト軸受 66c 多板クラッチ 70 ブレーキ結合機構 70a ブレーキドラム 70b ブレーキシュー 70c ブレーキカム
Claims (19)
- 【請求項1】 複数本の長繊維と、これを帯状に保持す
るマトリックス樹脂からなる複合材で構成し、外部のエ
ネルギー源および/または負荷から与えられる回転動作
の機械的エネルギーを主として長繊維の弾性歪エネルギ
ーとして蓄積し、所要時に前記蓄積された弾性歪エネル
ギーを機械的エネルギーとして取出してエネルギー源を
補助するように構成することを特徴とする渦巻きばね。 - 【請求項2】 負荷による渦巻きばねに対するエネルギ
ーの蓄積は、負荷へのブレーキ作用時に負荷が有するエ
ネルギーを回収して渦巻きばねに与えるように構成して
なる請求項1記載の渦巻きばね。 - 【請求項3】 長繊維は、引張り弾性率が40,000
kgf/mm2 以下であり、引張り強度が250kgf
/mm2 以上である繊維から主として構成してなる請求
項1記載の渦巻きばね。 - 【請求項4】 長繊維は、帯状の長手方向に配向してな
る請求項1記載の渦巻きばね。 - 【請求項5】 複合材は、少なくとも二層からなり、各
層内でそれぞれ長繊維が同一方向に配列されてなる請求
項1記載の渦巻きばね。 - 【請求項6】 長繊維が、帯状の長手方向に対して±1
3.5度以内の傾きで長手方向に配列されてなる請求項
4または5に記載の渦巻きばね。 - 【請求項7】 渦巻き状に巻回された帯状の外側に位置
する長繊維が、アラミド繊維、炭素繊維、ガラス繊維、
ポリエチレン繊維から選択される少なくとも一種の繊維
であり、内側に位置する部分においては、炭素繊維、ガ
ラス繊維、ボロン繊維、炭化珪素繊維から選択される少
なくとも一種の繊維である請求項1ないし6のいずれか
に記載の渦巻きばね。 - 【請求項8】 外側と内側の表面層部を、複数の長繊維
とそれを帯状に保持するマトリックスとからなる複合材
で構成し、中間層部を前記表面層部より軽量化したこと
を特徴とする渦巻きばね。 - 【請求項9】 中間層部に、中空部分を形成してなる請
求項8記載の渦巻きばね。 - 【請求項10】 中間層部を、中空部分を有する軽量材
料で構成してなる請求項8記載の渦巻きばね。 - 【請求項11】 軽量材料の中空部分を、マイクロバル
ーンで構成してなる請求項9記載の渦巻きばね。 - 【請求項12】 長繊維は、引張り弾性率が40,00
0kgf/mm2 以下であり、引張り強度が250kg
f/mm2 以上である繊維から主として構成してなる請
求項8記載の渦巻きばね。 - 【請求項13】 長繊維は、帯状の長手方向に配向して
なる請求項8記載の渦巻きばね。 - 【請求項14】 両表面層部の複合材は、それぞれ少な
くとも二層からなり、各層内でそれぞれ長繊維が同一方
向に配列されてなる請求項8記載の渦巻きばね。 - 【請求項15】 長繊維は、帯状の長手方向に対して±
13.5度以内の傾きで長手方向に配列されてなる請求
項13または14に記載の渦巻きばね。 - 【請求項16】 渦巻き状に巻回された帯状の外側に位
置する表面層部の長繊維が、アラミド繊維、炭素繊維、
ガラス繊維、ポリエチレン繊維から選択される少なくと
も一種の繊維であり、内側に位置する表面層部の長繊維
が、炭素繊維、ガラス繊維、ボロン繊維、炭化珪素繊維
から選択される少なくとも一種の繊維である請求項8な
いし15のいずれかに記載の渦巻きばね。 - 【請求項17】 軽量材料からなる中間層部の厚さが、
両表面層部の平均厚さの0.2〜6倍からなる請求項8
記載の渦巻きばね。 - 【請求項18】 軽量材料からなる中間層部の厚さが、
外側表面層部の0.6〜5倍からなる請求項8記載の渦
巻きばね。 - 【請求項19】 外部のエネルギー源および/または負
荷から与えられた回転の機械的エネルギーを、主として
長繊維の弾性歪みエネルギーとして蓄積し、所用時に蓄
積された前記エネルギーを機械的エネルギーとして取り
出してエネルギー源を補助するように構成してなる請求
項8記載の渦巻きばね。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP8064935A JP3017673B2 (ja) | 1996-03-21 | 1996-03-21 | 渦巻きばねおよびこれを使用するエネルギー蓄積・放出装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP8064935A JP3017673B2 (ja) | 1996-03-21 | 1996-03-21 | 渦巻きばねおよびこれを使用するエネルギー蓄積・放出装置 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH09257069A true JPH09257069A (ja) | 1997-09-30 |
| JP3017673B2 JP3017673B2 (ja) | 2000-03-13 |
Family
ID=13272393
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP8064935A Expired - Fee Related JP3017673B2 (ja) | 1996-03-21 | 1996-03-21 | 渦巻きばねおよびこれを使用するエネルギー蓄積・放出装置 |
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| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3017673B2 (ja) |
Cited By (18)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
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-
1996
- 1996-03-21 JP JP8064935A patent/JP3017673B2/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (1)
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