JPH09260170A - 希土類ボンド磁石の製造方法および希土類ボンド磁石用組成物 - Google Patents

希土類ボンド磁石の製造方法および希土類ボンド磁石用組成物

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JPH09260170A
JPH09260170A JP8061495A JP6149596A JPH09260170A JP H09260170 A JPH09260170 A JP H09260170A JP 8061495 A JP8061495 A JP 8061495A JP 6149596 A JP6149596 A JP 6149596A JP H09260170 A JPH09260170 A JP H09260170A
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Takeshi Ikuma
健 井熊
Takatomo Shinohara
孝友 篠原
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Abstract

(57)【要約】 【課題】成形性、成形の容易性、磁気特性、寸法安定性
に優れ、低空孔率の希土類ボンド磁石を提供すること。 【解決手段】本発明の希土類ボンド磁石の製造方法は、
まず、希土類磁石粉末と、結合樹脂と、酸化防止剤とを
所定の比率で混合し、その混合物を得る。また、さらに
その混合物を加熱下で混練して混練物を得る。次に、前
記混合物または混練物を造粒または整粒し、所望の粒径
の粒状物を得る。その後、この粒状物を用いて例えば温
間圧縮成形を行い、磁石形状とする。さらに、得られた
成形体に対し、必要に応じ熱処理を施して、希土類ボン
ド磁石を完成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、希土類ボンド磁石
の製造方法および希土類ボンド磁石用組成物に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】希土類ボンド磁石は、希土類磁石粉末と
結合樹脂(有機バインダー)との混合物(コンパウン
ド)を所望の磁石形状に加圧成形して製造されるもので
ある。その成形方法には、圧縮成形法、射出成形法およ
び押出成形法が利用されている。
【0003】圧縮成形法は、前記コンパウンドをプレス
金型中に充填し、これを圧縮成形して成形体を得、その
後、結合樹脂が熱硬化性樹脂である場合にはそれを硬化
させて磁石とする方法である。この方法は、他の方法に
比べ、結合樹脂の量が少なくても成形が可能であるた
め、得られた磁石中の樹脂量が少なくなり、磁気特性の
向上にとって有利である。
【0004】押出成形法は、加熱溶融された前記コンパ
ウンドを押出成形機の金型から押し出すとともに冷却固
化し、所望の長さに切断して、磁石とする方法である。
この方法では、磁石の形状に対する自由度が大きく、薄
肉、長尺の磁石をも容易に製造できるという利点がある
が、成形時における溶融物の流動性を確保するために、
結合樹脂の添加量を圧縮成形法のそれに比べて多くする
必要があり、従って、得られた磁石中の樹脂量が多く、
磁気特性が低下する傾向があるという欠点がある。
【0005】射出成形法は、前記コンパウンドを加熱溶
融し、十分な流動性を持たせた状態で該溶融物を金型内
に注入し、所定の磁石形状に成形する方法である。この
方法では、磁石の形状に対する自由度は、押出成形法に
比べさらに大きく、特に、異形状の磁石をも容易に製造
できるという利点がある。しかし、成形時における溶融
物の流動性は、前記押出成形法より高いレベルが要求さ
れるので、結合樹脂の添加量は、押出成形法のそれに比
べてさらに多くする必要があり、従って、得られた磁石
中の樹脂量が多く、磁気特性が低下する傾向があるとい
う欠点がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、以上のよう
な各方法には、次にような欠点がある。
【0007】第1に、製造された希土類ボンド磁石は、
空孔率が高く、特に熱硬化性樹脂を用いた場合には、空
孔率がより高くなる傾向を示すため、機械的強度が弱
く、耐食性に劣る。
【0008】第2に、コンパウンドは、そのまま、また
はペレット(塊状物)化して成形に供されるが、そのた
め、特に圧縮成形法においては、コンパウンドの金型へ
の挿入が困難であったり、コンパウンドが金型の隅々ま
で行きわたらなかったりすることがある。また、ペレッ
ト化されたコンパウンドの場合、金型への充填量を微妙
に調整することができず、そのため、磁石の目標寸法に
対しバラツキが生じ、すなわち寸法精度が悪く、成形の
安定性に欠ける。寸法のバラツキが大きいことから、目
標寸法に作り込むためには、目標寸法よりも大きく成形
した後、切削・研磨等の後加工により寸法を調整する必
要がある。これにより工程の増加、加工による不良材料
の発生からコストの増加が生じる。また、このような欠
点を解消するためには、成形機の構造や成形工程に特殊
な工夫を施さねばならず、成形機の消耗も著しく、成形
のサイクルタイムも長くなる。
【0009】本発明の目的は、成形性、成形の容易性、
磁気特性、寸法安定性に優れた低空孔率の希土類ボンド
磁石を得ることができる希土類ボンド磁石用組成物およ
び希土類ボンド磁石の製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】このような目的は、下記
(1)〜(20)の本発明により達成される。
【0011】(1) 希土類磁石粉末を結合樹脂により
結合してなる希土類ボンド磁石の製造方法であって、前
記希土類磁石粉末と前記結合樹脂との混合物または混練
物を得、この混合物または混練物を造粒または整粒し、
その粒状体を用いて成形を行うことを特徴とする希土類
ボンド磁石の製造方法。
【0012】(2) 前記混合物または混練物中の前記
希土類磁石粉末の添加量は、90〜99wt%である上記
(1)に記載の希土類ボンド磁石の製造方法。
【0013】(3) 前記混合物または混練物中に、酸
化防止剤が添加されている上記(1)または(2)に記
載の希土類ボンド磁石の製造方法。
【0014】(4) 前記混合物または混練物中の前記
酸化防止剤の添加量は、0.1〜2wt%である上記
(3)に記載の希土類ボンド磁石の製造方法。
【0015】(5) 前記成形は、圧縮成形である上記
(1)ないし(4)のいずれかに記載の希土類ボンド磁
石の製造方法。
【0016】(6) 前記粒状体の最大粒径が成形金型
のギャップの最小寸法以下である上記(5)に記載の希
土類ボンド磁石の製造方法。
【0017】(7) 前記粒状体の最大粒径が0.02
mm以上である上記(5)または(6)に記載の希土類ボ
ンド磁石の製造方法。
【0018】(8) 前記粒状体の平均粒径が10μm
〜2mmである上記(1)ないし(7)のいずれかに記載
の希土類ボンド磁石の製造方法。
【0019】(9) 前記造粒または整粒は、粉砕によ
り行われる上記(1)ないし(8)のいずれかに記載の
希土類ボンド磁石の製造方法。
【0020】(10) 前記成形は、冷間または温間成形
である上記(1)ないし(9)のいずれかに記載の希土
類ボンド磁石の製造方法。
【0021】(11) 前記結合樹脂は、熱可塑性樹脂で
ある上記(1)ないし(10)のいずれかに記載の希土類
ボンド磁石の製造方法。
【0022】(12) 前記結合樹脂は、熱硬化性樹脂で
ある上記(1)ないし(10)のいずれかに記載の希土類
ボンド磁石の製造方法。
【0023】(13) 前記成形の後、熱処理を行う上記
(1)ないし(12)のいずれかに記載の希土類ボンド磁
石の製造方法。
【0024】(14) 前記成形の後、前記熱可塑性樹脂
の融点以上の温度で熱処理を行う上記(11)に記載の希
土類ボンド磁石の製造方法。
【0025】(15) 希土類磁石粉末を結合樹脂により
結合してなる希土類ボンド磁石を製造するための希土類
ボンド磁石用組成物であって、希土類磁石粉末と結合樹
脂との混合物または混練物よりなる粒状体であり、か
つ、その平均粒径が10μm 〜2mmであることを特徴と
する希土類ボンド磁石用組成物。
【0026】(16) 希土類磁石粉末を結合樹脂により
結合してなる希土類ボンド磁石を圧縮成形により製造す
るための希土類ボンド磁石用組成物であって、希土類磁
石粉末と結合樹脂との混合物または混練物よりなる粒状
体であり、かつ、その最大粒径が成形金型のギャップの
最小寸法以下であることを特徴とする希土類ボンド磁石
用組成物。
【0027】(17) 前記粒状体の最大粒径が0.02
mm以上である上記(15)または(16)に記載の希土類ボ
ンド磁石用組成物。
【0028】(18) 前記希土類磁石粉末の含有量は、
90〜99wt%である上記(15)ないし(17)のいずれ
かに記載の希土類ボンド磁石用組成物。
【0029】(19) 酸化防止剤が添加されている上記
(15)ないし(18)のいずれかに記載の希土類ボンド磁
石用組成物。
【0030】(20) 前記酸化防止剤の含有量は、0.
1〜2wt%である上記(19)に記載の希土類ボンド磁石
用組成物。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、本発明の希土類ボンド磁石
用組成物および希土類ボンド磁石の製造方法について詳
細に説明する。
【0032】まず、本発明の希土類ボンド磁石用組成物
について説明する。
【0033】本発明の希土類ボンド磁石用組成物は、主
に、希土類磁石粉末と、結合樹脂(バインダー)とで構
成される。また、酸化防止剤を含有するものでもよい。
【0034】以下、これらの各構成成分について、説明
する。
【0035】1.希土類磁石粉末 希土類磁石粉末としては、希土類元素と遷移金属とを含
む合金よりなるものが好ましく、特に、次の[1]〜
[4]が好ましい。
【0036】[1] Smを主とする希土類元素と、C
oを主とする遷移金属とを基本成分とするもの(以下、
Sm−Co系合金と言う)。
【0037】[2] R(ただし、RはYを含む希土類
元素のうち少なくとも1種)と、Feを主とする遷移金
属と、Bとを基本成分とするもの(以下、R−Fe−B
系合金と言う)。
【0038】[3] Smを主とする希土類元素と、F
eを主とする遷移金属と、Nを主とする格子間元素とを
基本成分とするもの(以下、Sm−Fe−N系合金と言
う)。
【0039】[4] 前記[1]〜[3]の組成のもの
のうち、少なくとも2種を混合したもの。この場合、混
合する各磁石粉末の利点を併有することができ、より優
れた磁気特性を容易に得ることができる。
【0040】Sm−Co系合金の代表的なものとして
は、SmCo5 、Sm2 TM17(ただしTMは、遷移金
属)が挙げられる。
【0041】R−Fe−B系合金の代表的なものとして
は、Nd−Fe−B系合金、Pr−Fe−B系合金、N
d−Pr−Fe−B系合金、Ce−Nd−Fe−B系合
金、Ce−Pr−Nd−Fe−B系合金、これらにおけ
るFeの一部をCo、Ni等の他の遷移金属で置換した
もの等が挙げられる。
【0042】Sm−Fe−N系合金の代表的なものとし
ては、Sm2 Fe17合金を窒化して作製したSm2 Fe
17N3 が挙げられる。
【0043】磁石粉末における前記希土類元素として
は、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、
Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、ミ
ッシュメタルが挙げられ、これらを1種または2種以上
含むことができる。また、前記遷移金属としては、F
e、Co、Ni等が挙げられ、これらを1種または2種
以上含むことができる。また、磁気特性を向上させるた
めに、磁石粉末中には、必要に応じ、B、Al、Mo、
Cu、Ga、Si、Ti、Ta、Zr、Hf、Ag、Z
n等を含有することもできる。
【0044】また、磁石粉末の平均粒径は、特に限定さ
れないが、0.5〜100μm 程度が好ましく、1〜5
0μm 程度がより好ましい。また、後述するような少量
の結合樹脂で成形時の良好な成形性を得るために、磁石
粉末の粒径分布は、ある程度分散されている(バラツキ
がある)のが好ましい。これにより、得られたボンド磁
石の空孔率を低減することもできる。なお、前記[4]
の場合、混合する磁石粉末の組成毎に、その平均粒径が
異なっていてもよい。
【0045】磁石粉末の製造方法は、特に限定されず、
例えば、溶解・鋳造により合金インゴットを作製し、こ
の合金インゴットを適度な粒度に粉砕し(さらに分級
し)て得られたもの、アモルファス合金を製造するのに
用いる急冷薄帯製造装置で、リボン状の急冷薄片(微細
な多結晶が集合)を製造し、この薄片(薄帯)を適度な
粒度に粉砕し(さらに分級し)て得られたもの等、いず
れでもよい。
【0046】以上のような磁石粉末の希土類ボンド磁石
用組成物中での含有量は、90〜99wt%程度であるの
が好ましく、93〜99wt%程度であるのがより好まし
く、95〜99wt%程度であるのがより好ましい。磁石
粉末の含有量が少な過ぎると、磁気特性(特に磁気エネ
ルギー積)の向上が図れず、また、磁石粉末の含有量が
多過ぎると、相対的に結合樹脂の含有量が少なくなり、
成形性が低下する。
【0047】2.結合樹脂(バインダー) 結合樹脂(バインダー)としては、熱可塑性樹脂または
熱硬化性樹脂が用いられる。一般に、結合樹脂として熱
硬化性樹脂を用いた場合には、熱可塑性樹脂を用いた場
合に比べ、磁石の空孔率が増大し易いが、本発明の希土
類ボンド磁石用組成物(コンパウンド)を用いて磁石を
成形することにより、磁石の空孔率を低減することがで
きる。
【0048】熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリアミ
ド(例:ナイロン6、ナイロン46、ナイロン66、ナ
イロン610、ナイロン612、ナイロン11、ナイロ
ン12、ナイロン6−12、ナイロン6−66)、熱可
塑性ポリイミド、液晶ポリマー、ポリフェニレンオキシ
ド、ポリフェニレンサルファイド、ポリエチレン、ポリ
プロピレン等のポリオレフィン、変性ポリオレフィン、
ポリエーテル、ポリアセタール等、またはこれらを主と
する共重合体、ブレンド体、ポリマーアロイ等が挙げら
れ、これらのうちの1種または2種以上を混合して用い
ることができる。
【0049】これらのうちでも、成形性の向上がより顕
著であり、また機械的強度が強いことから、ポリアミ
ド、耐熱性向上の点から、液晶ポリマー、ポリフェニレ
ンサルファイドを主とするものが好ましい。また、これ
らの熱可塑性樹脂は、磁石粉末との混練性にも優れてい
る。
【0050】用いられる熱可塑性樹脂は、融点が400
℃以下のものであるのが好ましく、300℃以下のもの
であるのがより好ましい。融点が400℃を超えると、
成形時の温度が上昇し、磁石粉末等の酸化が生じ易くな
る。
【0051】また、成形性をより向上するために、用い
られる熱可塑性樹脂の平均分子量(重合度)は、100
00〜60000程度であるのが好ましく、12000
〜35000程度であるのがより好ましい。
【0052】熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ
樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、ポ
リエステル(不飽和ポリエステル)、ポリエーテル
(例:ポリエーテルニトリル)、ポリウレタン等が挙げ
られ、これらのうちの1種または2種以上を混合して用
いることができる。
【0053】これらのうちでも、成形性の向上がより顕
著であり、また機械的強度が強く、耐熱性に優れるとい
う点から、エポキシ樹脂、フェノール樹脂が好ましく、
エポキシ樹脂が特に好ましい。また、これらの熱硬化性
樹脂は、磁石粉末との混練性にも優れている。
【0054】なお、熱硬化性樹脂は、未硬化の状態で添
加されるが、その形態は、室温で固形(粉末状)、液
状、半液状のいずれのものでもよい。
【0055】以上のような結合樹脂の希土類ボンド磁石
用組成物中での含有量は、1〜10wt%程度であるのが
好ましく、1〜8wt%程度であるのが好ましく、1〜5
wt%程度であるのがより好ましい。結合樹脂の含有量が
多過ぎると、磁気特性(特に磁気エネルギー積)の向上
が図れず、また、結合樹脂の含有量が少な過ぎると、成
形性が低下する。
【0056】3.酸化防止剤 酸化防止剤は、希土類ボンド磁石用組成物の製造の際等
に、希土類磁石粉末の酸化(劣化、変質)や結合樹脂の
酸化(希土類磁石粉末の金属成分が触媒として働くこと
により生じる)を防止するために該組成物中に添加され
る添加剤である。この酸化防止剤の添加は、希土類磁石
粉末の酸化を防止し、磁石の磁気特性の向上を図るのに
寄与するとともに、希土類ボンド磁石用組成物の混練
時、成形時における熱的安定性の向上に寄与し、少ない
結合樹脂量で良好な成形性を確保する上で重要な役割を
果たしている。
【0057】この酸化防止剤は、希土類ボンド磁石用組
成物の製造時や磁石への成形時等において揮発したり、
変質したりするので、製造された希土類ボンド磁石中に
は、その一部が残留した状態で存在する。
【0058】酸化防止剤としては、希土類磁石粉末等の
酸化を防止または抑制し得るものであればいかなるもの
でもよく、例えば、アミン系化合物、アミノ酸系化合
物、ニトロカルボン酸類、ヒドラジン化合物、シアン化
合物、硫化物等の、金属イオン、特にFe成分に対しキ
レート化合物を生成するキレート化剤が好適に使用され
る。なお、酸化防止剤の種類、組成等については、これ
らのものに限定されないことは言うまでもない。
【0059】このような酸化防止剤を添加する場合、希
土類ボンド磁石用組成物中の酸化防止剤の添加量は、
0.1〜2wt%程度とするのが好ましく、0.5〜1.
5wt%程度とするのがより好ましい。この場合、酸化防
止剤の添加量は、結合樹脂の添加量に対し2〜150%
程度であるのが好ましく、30〜100%程度であるの
がより好ましい。
【0060】なお、本発明では、酸化防止剤の添加量
は、前記範囲の下限値以下であってもよく、また、無添
加であってもよいことは、言うまでもない。
【0061】前記結合樹脂と酸化防止剤との添加量は、
次のようなことに留意して決定される。
【0062】すなわち、希土類ボンド磁石用組成物中の
結合樹脂の添加量が少な過ぎると、混練の際の混練物の
粘度が高くなり混練トルクが増大し、発熱により磁石粉
末等の酸化が促進される傾向となるので、酸化防止剤等
の添加量が少ない場合には、磁石粉末等の酸化を十分に
抑制することができなくなるとともに、混練物(樹脂溶
融物)の粘度上昇等により成形性が劣り、低空孔率、高
機械的強度で寸法安定性に優れた磁石が得られない。ま
た、結合樹脂の添加量が多過ぎると、成形性は良好であ
るが、得られた磁石中の結合樹脂含有量が多くなり、磁
気特性が低下する。
【0063】一方、希土類ボンド磁石用組成物中の酸化
防止剤の添加量が少な過ぎると、酸化防止効果が少な
く、磁石粉末の含有量が多い場合に、磁石粉末等の酸化
を十分に抑制することができなくなる。また、酸化防止
剤の添加量が多過ぎると、相対的に樹脂量が減少し、成
形体の機械的強度が低下する傾向を示す。
【0064】このように、結合樹脂の添加量が比較的多
ければ、酸化防止剤の添加量を少なくすることができ、
逆に、結合樹脂の添加量が少なければ、酸化防止剤の添
加量を多くする必要がある。
【0065】従って、希土類ボンド磁石用組成物中の結
合樹脂と酸化防止剤との合計添加量は、1.0〜8.0
wt%であるのが好ましく、2.0〜6.0wt%であるの
がより好ましい。このような範囲とすることにより、成
形時における成形性、成形の容易性、磁石粉末等の酸化
防止の向上に寄与し、低空孔率、高機械的強度、高磁気
特性の磁石が得られる。
【0066】4.その他の添加剤 また、希土類ボンド磁石用組成物には、必要に応じ、例
えば、可塑剤(例えば、ステアリン酸塩、脂肪酸)、潤
滑剤(例えば、シリコーンオイル、各種ワックス、脂肪
酸、アルミナ、シリカ、チタニア等の各種無機潤滑
剤)、硬化剤、硬化促進剤、その他成形助剤等の各種添
加剤を添加することができる。
【0067】可塑剤の添加は、成形時の流動性を向上さ
せるので、より少ない結合樹脂の添加量で同様の特性を
得ることができ、また、より低い成形圧で圧縮成形する
ことを可能とする。潤滑剤の添加についても同様であ
る。可塑剤の添加量は、0.01〜0.2wt%程度であ
るのが好ましく、潤滑剤の添加量は、0.05〜0.5
wt%程度であるのが好ましい。
【0068】本発明の希土類ボンド磁石用組成物は、以
上に述べたような希土類磁石粉末と、結合樹脂と、好ま
しくは酸化防止剤と、必要に応じその他の添加剤とを混
合した混合物、または該混合物を混練した混練物を、例
えば後述するようにして造粒または整粒し、粒状体とし
たものである。なお、混合、混練、造粒、整粒の方法に
ついては、後に詳述する。
【0069】粒状体としては、その最大粒径が成形金型
のギャップ(粒状体を充填する空間)の最小寸法以下で
あるのが好ましく、また、その最大粒径が0.01mm以
上、特に0.05mm以上であるのが好ましい。粒状体の
最大粒径が成形金型のギャップの最小寸法を超えると、
粒状体を金型に充填する際に、そのままでは充填が困難
となるかまたは充填量の調整がし難くなり、ボンド磁石
の寸法精度の向上が図れない。一方、粒状体の最大粒径
が小さ過ぎると、得られたボンド磁石の空孔率が上昇す
る傾向を示す。
【0070】粒状体としては、その平均粒径が10μm
〜2mm程度であるのが好ましく、20μm 〜2mm程度で
あるのがより好ましく、50μm 〜2mm程度であるのが
さらに好ましい。粒状体の平均粒径が2mm以上では、成
形される磁石の寸法が小さい場合、すなわち成形金型の
ギャップの寸法が小さい場合に、粒状体の金型への充填
量を微妙に調整することが困難となり、ボンド磁石の寸
法精度の向上が図れない。一方、平均粒径10μm 以下
の粒状体は、製造(造粒)が困難かまたは手間がかかる
場合があり、また、平均粒径が小さ過ぎると、得られた
ボンド磁石の空孔率が上昇する傾向を示す。
【0071】このような粒状体は、粒径にある程度のバ
ラツキがあるものでもよいが、粒径が均一なものが好ま
しい。これにより、金型への充填密度が増大し、低空孔
率で寸法精度の高いボンド磁石が得られる。
【0072】なお、ここで言う粒状体は、粒径の大きい
ペレット(塊状物)とは区別される。
【0073】次に、本発明の希土類ボンド磁石の製造方
法について説明する。本発明の希土類ボンド磁石の製造
方法は、前述した希土類ボンド磁石用組成物を製造し、
この組成物を用いて、磁石形状に成形することにより行
われる。以下、代表的に圧縮成形法による製造方法につ
いて説明する。
【0074】(1) 前述した希土類磁石粉末と、結合
樹脂と、好ましくは酸化防止剤と、必要に応じその他の
添加剤とを混合する。この混合は、例えば、ヘンシェル
ミキサー等の混合機や撹拌機を用いて行われる。
【0075】(2) 前記(1)により得られた混合物
を混練する。この混練は、例えば2軸押出混練機、ロー
ル式混練機、ニーダー等の混練機を用いて行われる。
【0076】また、混合物の混練は、好ましくは用いる
結合樹脂の軟化温度(軟化点またはガラス転移点)また
は融点以上の温度で行われる。例えば、結合樹脂として
ポリアミドを用いた場合には、好ましい混練温度は、1
50〜280℃程度であり、エポキシ樹脂を用いた場
合、好ましい混練温度は、50〜150℃程度である。
また、混練時間は、結合樹脂の種類や、混練温度等の諸
条件により異なるが、通常は、5〜40分程度とされ
る。
【0077】このような条件で混練することにより、混
練の効率が向上し、常温で混練する場合に比べてより短
時間で均一に混練することができるとともに、結合樹脂
の粘度が下がった状態で混練されるので、希土類磁石粉
末の周囲を結合樹脂が覆うような状態となり、希土類ボ
ンド磁石用組成物中およびそれより製造された磁石中の
空孔率の減少に寄与する。
【0078】なお、混練物は、必要に応じペレット化さ
れる。
【0079】(3) 前記混合物または混練物を造粒ま
たは整粒し、前述したような粒径の粒状体、すなわち本
発明の希土類ボンド磁石用組成物を得る。
【0080】造粒または整粒の方法は、特に限定されな
いが、粉砕によりなされるのが好ましい。この粉砕は、
例えば、ボールミル、振動ミル、破砕機、ジェットミ
ル、ピンミル等を用いて行われる。
【0081】また、例えば押出式造粒機のような造粒機
を用いて行うこともでき、さらには、造粒機による造粒
と、前記粉砕とを組み合わせて行うこともできる。
【0082】また、粒状体の粒径の調整は、篩い等を用
いて分級することにより行うことができる。
【0083】(4) 前記(3)により得られた希土類
ボンド磁石用組成物を圧縮成形機の金型内(ギャップ)
に充填し、磁場中(配向磁場が例えば5〜20kOe 、配
向方向は、縦、横、ラジアル方向のいずれも可)または
無磁場中で圧縮成形する。
【0084】この圧縮成形は、冷間成形(常温付近での
成形)、温間成形のいずれでもよいが、好ましくは温間
成形とされる。すなわち、成形金型を加熱する等によ
り、成形時の材料温度が用いる結合樹脂の軟化温度付近
またはそれ以上の温度あるいは融点以上の温度となるよ
うにするのが好ましい。用いる結合樹脂がポリアミド等
の熱可塑性樹脂である場合、成形時における好ましい材
料温度は、例えば100〜350℃程度とされ、エポキ
シ樹脂等の熱硬化性樹脂である場合、成形時における好
ましい材料温度は、例えば30〜180℃程度とされ
る。
【0085】このような温間成形とすることにより、金
型内での成形材料の流動性が向上し、円柱状、ブロック
状のものは勿論のこと、円筒状(リング状)、平板状、
湾曲板状等の薄肉部を有する形状のもの、小型のもの、
長尺なものでも、低空孔率で、良好かつ安定した形状、
寸法のものを量産することができ、また、比較的低い成
形圧力でこのような長所を持つボンド磁石を成形(賦
形)することができる。
【0086】圧縮成形における成形圧力は、冷間成形の
場合、好ましくは20〜100kgf/mm2 程度、より好ま
しくは30〜70kgf/mm2 程度とされ、温間成形の場
合、好ましくは5〜50kgf/mm2 程度、より好ましくは
10〜40kgf/mm2 程度とされる。
【0087】(5) 前記(4)により得られた成形体
に対し、熱処理(焼成)を施す。この熱処理の第1の目
的は、結合樹脂が熱硬化性樹脂である場合に、それを熱
硬化させること、第2の目的は、結合樹脂を軟化または
溶融させ、結合樹脂による接着力を強化させて機械的強
度を向上することにある。
【0088】第1の目的のための熱処理は、結合樹脂を
その硬化温度以上の温度に加熱し、その加熱時間は、例
えば30分〜4時間程度と比較的長い。
【0089】第2の目的のための熱処理は、結合樹脂を
その軟化点以上の温度、好ましくは融点以上の温度に加
熱し、その加熱時間は、例えば1〜30分程度と比較的
短くてよい。
【0090】この熱処理は、前記(4)の工程と重複し
て、または(4)の工程と連続して行ってもよい。
【0091】なお、熱処理は、前記第1および第2の目
的以外の目的でなされてもよい。
【0092】以上のような方法で製造された希土類ボン
ド磁石は、低空孔率で、機械的強度が高く、耐食性に優
れ、また、寸法精度が高く、量産した場合にも寸法のバ
ラツキが少なく、寸法安定性に優れている。
【0093】また、磁気特性に優れ、特に、磁石粉末の
組成、磁石粉末の含有量の多さ等から、等方性磁石であ
っても、優れた磁気特性を有する。
【0094】すなわち、無磁場中で成形された希土類ボ
ンド磁石の場合、磁気エネルギー積(BH)max が6MGOe以
上を達成することができ、磁場中で成形された希土類ボ
ンド磁石の場合、磁気エネルギー積(BH)max が10MGOe
以上を達成することができる。
【0095】なお、本発明により得られた希土類ボンド
磁石の形状、寸法等は特に限定されず、例えば、形状に
関しては、例えば、円柱状、角柱状、円筒状、円弧状
(かわら状)、平板状、湾曲板状等のあらゆる形状のも
のが可能であり、その大きさも、大型のものから超小型
のものまであらゆる大きさのものが可能である。
【0096】
【実施例】以下、本発明の具体的実施例について説明す
る。
【0097】(実施例1)下記表1に示す原料組成で、
磁石粉末と結合樹脂(熱可塑性樹脂)と酸化防止剤等の
添加剤とを混合し、該混合物を混練し、該混練物を造粒
(整粒)して粒状体を得、該粒状体を成形機の金型内に
充填して無磁場中または磁場中で圧縮成形(温間成形)
し、冷却して、希土類ボンド磁石(サンプルNo. 1〜
6)を製造した。
【0098】この製造における各条件は、次の通りであ
る。
【0099】混合:ヘンシェルミキサーを用いて混合。
【0100】混練:2軸押出混練機により混練。混練温
度は200〜350℃、スクリュー回転数100〜30
0rpm 。
【0101】φ10mmの円柱状で吐出し、長さ5〜15
mmのペレットとした。
【0102】造粒:前記ペレットを粉砕して、1mmメッ
シュ以下の粉末とした。各サンプルとも、平均粒径は
0.2〜0.8mm。
【0103】成形:油圧プレス機を使用。成形温度は下
記表2参照、成形圧力10kgf/mm2 。成形品形状は、円
筒状(外径φ20mm×内径φ17mm×高さ5mm)
【0104】
【表1】
【0105】得られた希土類ボンド磁石について、磁束
密度Br、保磁力iHc 、磁気エネルギー積(BH)max 、密度
および空孔率を測定した。その結果を下記表2に示す。
【0106】なお、測定方法は、次の通りである。
【0107】磁気性能測定:成形サンプルから5mm角の
サンプルを切り出し、40kOeでパルス着磁した後、試
料振動型磁力計(以下「VSM」と記す)を用いて測
定。
【0108】密度測定:アルキメデス法(水中法)によ
り測定。
【0109】空孔率:秤量組成と成形体の密度の測定値
から算出。
【0110】
【表2】
【0111】(比較例1)前記表1に示す原料組成で、
磁石粉末と結合樹脂(熱可塑性樹脂)と酸化防止剤等の
添加剤とを混合し、該混合物を混練し、該混練物のペレ
ットを成形機の金型内に充填して無磁場中または磁場中
で圧縮成形(温間成形)し、冷却して、希土類ボンド磁
石(サンプルNo. 1’〜6’)を製造した。
【0112】この製造における各条件は、次の通りであ
る。
【0113】混合:ヘンシェルミキサーを用いて混合。
【0114】混練:2軸押出混練機により混練。混練温
度200〜350℃、スクリュー回転数100〜300
rpm 。
【0115】φ10mmの円柱状で吐出し、長さ5〜15
mmのペレットとした。
【0116】成形:油圧プレス機を使用。成形温度は前
記表2参照、成形圧力10kgf/mm2 。成形品形状は、円
筒状(外径φ20mm×内径φ17mm×高さ5mm) 成形結果は、次の通りである。
【0117】ペレットの寸法がφ10mm×5mm以上であ
るのに対し、金型のギャップの最小寸法(磁石肉厚)が
1.5mmであるために、ペレットを金型内に投入するこ
とが困難であり、よって、パンチでペレットを粉砕しな
がら、あるいは、ペレットを加熱、溶融した状態でパン
チを用いて何回かに分けて押し込みながらでないと成形
を行うことができなかった。そのため、成形に手間がか
かり、成形のサイクルタイムが長くなり、低コストで成
形することが困難であった。また、金型への充填量を制
御することが困難であり、目標寸法(サンプル長さ)に
対する成形品の寸法のバラツキが大きく、寸法安定に欠
けるものであった。
【0118】(実施例2)下記の磁石粉末と結合樹脂
(熱可塑性樹脂)と添加剤とを混合し、該混合物を混練
し、該混練物を造粒(整粒)して粒状体を得、該粒状体
を成形機の金型内に充填して磁場中で圧縮成形(冷間成
形)し、次いで熱処理を施し、冷却して、希土類ボンド
磁石(サンプルNo. 7)を製造した。
【0119】磁石粉末:Nd9.6 Pr2.4 Fe77.8Co
4.3 B5.9 平均粒径20μm (F.S.S.S.測定)、96.5wt% 結合樹脂:PPS(ポリフェニレンサルファイド)、
2.3wt% 添加剤:ヒドラジン系酸化防止剤1.2wt% 混合:ヘンシェルミキサーを用いて混合。
【0120】混練:2軸押出混練機により混練。混練温
度280〜350℃、スクリュー回転数100〜300
rpm 。
【0121】φ10mmの円柱状で吐出し、長さ5〜15
mmのペレットとした。
【0122】造粒:前記ペレットを粉砕して、0.8mm
メッシュ以下の粉末とした。
【0123】平均粒径は0.5mm。
【0124】成形:油圧プレス機を使用。成形温度は室
温。無磁場中、成形圧力70kgf/mm2 。仮成形品を成
形。
【0125】成形品形状は、円筒状(目標寸法:外径φ
25.00mm×内径φ23.00mm×高さl0.00m
m) 金型寸法:外径φ24.35mm×内径φ22.40mmの
ギャップ 熱処理:320℃で10分間加熱。樹脂成分を溶融させ
て樹脂間を接着。機械的強度の向上を図る。
【0126】得られた希土類ボンド磁石について、寸法
精度、磁気性能、密度、空孔率を調べたところ、次の通
りであった。
【0127】成形品寸法:外径φ24.98mm×内径φ
23.01mm×高さ10.02mm(n=10の平均
値)、高さ(長さ)のバラツキ σ=0.02 磁気性能:Br=6.88kG、iHc=9.63kOe 、
(BH)max=9.6MGOe 密度:6.08g/cm3 空孔率:2.06% (磁気性能の測定は、40kOe でパルス着磁した後、最
大印加磁場25kOe で直流磁気測定機により測定。) この実施例2では、金型への充填(給材)に際し、充填
量を微妙に調整することができ、その結果、極めて高い
寸法精度が得られることが確認された。また、磁気性能
も優れており、空孔率も極めて低い。
【0128】(比較例2)下記の磁石粉末と結合樹脂
(熱可塑性樹脂)と添加剤とを混合し、該混合物を混練
し、該混練物のペレットを成形機の金型内に充填して磁
場中で圧縮成形(冷間成形)し、次いで熱処理を施し、
冷却して、希土類ボンド磁石(サンプルNo.7’)を製
造した。
【0129】磁石粉末:Nd9.6 Pr2.4 Fe77.8Co
4.3 B5.9 平均粒径20μm (F.S.S.S.測定)、96.5wt% 結合樹脂:PPS(ポリフェニレンサルファイド)、
2.3wt% 添加剤:ヒドラジン系酸化防止剤1.2wt% 混合:ヘンシェルミキサーを用いて混合。
【0130】混練:2軸押出混練機により混練。混練温
度は280〜350℃、スクリュー回転数100〜30
0rpm 。
【0131】φ10mmの円柱状で吐出し、長さ5〜15
mmのペレットとした。
【0132】成形:油圧プレス機を使用。成形温度は室
温。無磁場中、成形圧力70kgf/mm2 。仮成形品を成
形。
【0133】成形品形状は、円筒状(目標寸法:外径φ
25.00mm×内径φ23.00mm×高さl0.00m
m) 金型寸法:外径φ24.35mm×内径φ22.40mmの
ギャップ 熱処理:320℃で10分間加熱。樹脂成分を溶融させ
て樹脂間を接着。機械的強度の向上を図る。
【0134】得られた希土類ボンド磁石について、寸法
精度を調べたところ、次の通りであった。
【0135】成形品寸法:外径φ24.98mm×内径φ
23.01mm×高さ9.52mm(n=10の平均値)、
高さのバラツキ σ=0.90 この比較例2では、造粒工程がないので、前記比較例1
と同様に、金型への給材が不安定となり、特に成形品の
高さにバラツキが生じ、安定した成形を行うことが困難
であった。また、給材を行うためにパンチを何度も上下
させてペレットを粉砕しながら押し込む必要があり、成
形時間が長くなった。また、給材中にパンチの破損が生
じた。
【0136】(実施例3)下記の磁石粉末と結合樹脂
(熱硬化性樹脂)と添加剤とを混合し、該混合物を造粒
(整粒)して粒状体を得、該粒状体を成形機の金型内に
充填して磁場中で圧縮成形(温間成形)し、次いで熱処
理を施し、冷却して、希土類ボンド磁石(サンプルNo.
8)を製造した。
【0137】磁石粉末:Sm(Co0.672 Fe0.22Cu
0.08Zr0.028 )8.35、平均粒径20μm (F.S.S.S.測
定)、97.5wt% 結合樹脂:フェノール樹脂2.45wt%+有機溶媒 樹脂は室温で固体、軟化温度60℃。
【0138】添加剤:ステアリン酸亜鉛0.05wt% 混合:万能撹拌機を用いて有機溶媒を蒸発させながら混
合。
【0139】造粒:解砕により、180μm メッシュ以
下の粉末とした。
【0140】平均粒径は100μm 。
【0141】成形:油圧プレス機を使用。成形温度80
℃。配向磁場17kOe (横磁場)、成形圧力30kgf/mm
2 。仮成形品を成形。
【0142】成形品形状は、かわら形状(目標寸法:外
周曲率半径R15.00mm×内周曲率半径r12.00
mm×120°×高さ8.00mm)径方向に磁場配向。
【0143】金型寸法:R14.70mm×r11.80
mm×120°のギャップ 熱処理:180℃で2時間加熱。
【0144】得られた希土類ボンド磁石について、寸法
精度、磁気性能、密度、空孔率を調べたところ、次の通
りであった。
【0145】成形品寸法:R15.03mm×r12.0
1mm×120°×l7.98mm(n=10の平均値)、
高さのバラツキ σ=0.015 磁気性能:Br=7.81kG、iHc=7.10kOe 、
(BH)max=13.6MGOe 密度:7.11g/cm3 空孔率:4.63% (磁気性能の測定は、かわら状磁石から5mm角の磁石片
を切り出した後、VSMで測定を行った。) この実施例3では、金型へ充填(給材)に際し、充填量
を微妙に調整することができ、その結果、極めて高い寸
法精度が得られることが確認された。また、磁気性能も
優れており、空孔率も低い。
【0146】(比較例3)下記の磁石粉末と結合樹脂
(熱硬化性樹脂)と添加剤とを混合し、該混合物を成形
機の金型内に充填して磁場中で圧縮成形(温間成形)
し、次いで熱処理を施し、冷却して、希土類ボンド磁石
(サンプルNo. 8’)を製造した。
【0147】磁石粉末:Sm(Co0.672 Fe0.22Cu
0.08Zr0.028 )8.35、平均粒径20μm (F.S.S.S.測
定)、97.5wt% 結合樹脂:フェノール樹脂2.45wt%+有機溶媒 樹脂は室温で固体、軟化温度60℃。
【0148】添加剤:ステアリン酸亜鉛0.05wt% 混合:万能撹拌機を用いて有機溶媒を蒸発させながら混
合。
【0149】成形:油圧プレス機を使用。成形温度80
℃。配向磁場17kOe (横磁場)、成形圧力30kgf/mm
2 。仮成形品を成形。
【0150】成形品形状は、かわら形状(目標寸法:外
周曲率半径R15.00mm×内周曲率半径r12.00
mm×120°×高さ8.00mm)径方向に磁場配向。
【0151】金型寸法:R14.70mm×r11.80
mm×120°のギャップ 熱処理:180℃で2時間加熱。
【0152】得られた希土類ボンド磁石について、寸法
精度を調べたところ、次の通りであった。
【0153】成形品寸法:R15.01mm×r11.9
8mm×120°×l7.46mm(n=10の平均値)、
高さのバラツキ σ=0.58 この比較例3では、造粒工程がないので、金型への給材
が不安定となり、特に成形品の高さにバラツキが生じ、
安定した成形を行うことが困難であった。また、給材を
行うためにパンチを何度も上下させて押し込む必要があ
り、成形時間が長くなった。また、給材されなかった原
料がパンチの側面に付着し、パンチの清掃工程が必要と
なった。
【0154】(実施例4)下記の磁石粉末と結合樹脂
(熱硬化性樹脂)とを混合し、該混合物を混練し、該混
練物を造粒(整粒)して粒状体を得、該粒状体を成形機
の金型内に充填して無磁場中で圧縮成形(冷間成形)
し、次いで熱処理を施し、冷却して、希土類ボンド磁石
(サンプルNo. 9)を製造した。
【0155】磁石粉末:Nd12.0Fe77.8Co4.3 B
5.9 、平均粒径25μm (F.S.S.S.測定)、98.0wt
% 結合樹脂:ビスフェノールA型エポキシ樹脂+アミン系
硬化剤 合計2.0wt% 樹脂は室温で液状。
【0156】混合:万能撹拌機を用いて混合。
【0157】混練:ライカイ式混練機を用いて混練。
【0158】造粒:押出式造粒機により、0.6mmメッ
シュ以下の粒体とした。
【0159】平均粒径は0.4mm。
【0160】成形:油圧プレス機を使用。成形温度は室
温。成形圧力50kgf/mm2 。
【0161】仮成形品を成形。
【0162】成形品形状は、円筒状(目標寸法:外径φ
10.00mm×内径φ8.00mm×高さ7.00mm) 金型寸法:外径φ9.65mm×内径φ7.75mmのギャ
ップ 熱処理:150℃で1時間加熱。
【0163】得られた希土類ボンド磁石について、寸法
精度、磁気性能、密度、空孔率を調べたところ、次の通
りであった。
【0164】成形品寸法:外径φ9.99mm×内径φ
7.98mm×高さ7.02mm(n=10の平均値)、高
さのバラツキ σ=0.030 磁気性能:Br=7.51kG、iHc=9.67kOe 、
(BH)max=11.5MGOe 密度:6.44g/cm3 空孔率:5.40%(磁気性能の測定は、40kOe
でパルス着磁した後、最大印加磁場25kOe で直流磁気
測定機により測定。) この実施例2では、金型へ充填(給材)に際し、充填量
を微妙に調整することができ、その結果、極めて高い寸
法精度が得られることが確認された。また、磁気性能も
優れており、空孔率も低い。
【0165】(比較例4)下記の磁石粉末と結合樹脂
(熱硬化性樹脂)とを混合し、該混合物を混練し、該混
練物を成形機の金型内に充填して無磁場中で圧縮成形
(冷間成形)し、次いで熱処理を施し、冷却して、希土
類ボンド磁石(サンプルNo. 9’)を製造した。
【0166】磁石粉末:Nd12.0Fe77.8Co4.3 B
5.9 、平均粒径25μm (F.S.S.S.測定)、98.0wt
% 結合樹脂:ビスフェノールA型エポキシ樹脂+アミン系
硬化剤合計2.0wt% 樹脂は室温で液状。
【0167】混合:万能撹拌機を用いて混合。
【0168】混練:ライカイ式混練機を用いて混練。
【0169】成形:油圧プレス機を使用。成形温度は室
温。成形圧力50kgf/mm2 。
【0170】仮成形品を成形。
【0171】成形品形状は、円筒状(目標寸法:外径φ
10.00mm×内径φ8.00mm×高さ7.00mm) 金型寸法:外径φ9.65mm×内径φ7.75mmのギャ
ップ 熱処理:150℃で1時間加熱。
【0172】得られた希土類ボンド磁石について、寸法
精度を調べたところ、次の通りであった。
【0173】成形品寸法:外径φ9.99mm×内径φ
7.98mm×高さ6.72mm(n=10の平均値)、高
さのバラツキ σ=0.86 この比較例4では、造粒工程がないので、金型への給材
が不安定となり、特に成形品の高さにバラツキが生じ、
安定した成形を行うことが困難であった。また、給材を
行うためにパンチを何度も上下させて押し込む必要があ
り、成形時間が長くなった。また、給材されなかった原
料がパンチの側面に付着し、パンチの清掃工程が必要と
なった。
【0174】(実施例5)下記の磁石粉末と結合樹脂
(熱可塑性樹脂)と添加剤とを混合し、該混合物を混練
し、該混練物を造粒(整粒)して粒状体を得、該粒状体
を成形機の金型内に充填して無磁場中で圧縮成形(温間
成形)し、冷却して、希土類ボンド磁石(サンプルNo.
10〜16)を製造した。
【0175】磁石粉末:Nd12.0Fe77.8Co4.3 B
5.9 、平均粒径25μm (F.S.S.S.測定)、97.2wt
% 結合樹脂:ポリアミド(PA12)、1.4wt% 添加剤:ヒドラジン系酸化防止剤1.4wt% 混合:ヘンシェルミキサーを用いて混合。
【0176】混練:2軸押出混練機を使用。混練温度1
50〜250℃、スクリュー回転数100〜250rpm
。
【0177】φ10mmの円柱状で吐出し、長さ5〜15
mmのペレットとした。
【0178】造粒:粉砕と分級により、粒度調整を行っ
た。
【0179】最大粒径および平均粒径は下記表3参照。
【0180】成形:油圧プレス機を使用。成形温度23
0℃、成形圧力10kgf/mm2 。成形品形状は、円筒状
(目標寸法:外径φ18.00mm×内径φ14.00mm
×高さ10.00mm) 給材は、造粒品(粒状体)を6.44g秤量した後、全
量を金型のギャップ内に周方向に均一に流し込んだ。
【0181】得られた希土類ボンド磁石について、密
度、空孔率、成形品の高さを調べたところ、下記表3に
示す通りであった。
【0182】
【表3】
【0183】表3に示すように、造粒品の粒径が小さく
なるにつれて、空孔率が増大する傾向を示す。これは、
粒径が小さいと、成形時のエアの巻き込みが多くなるこ
とが原因であると推定される。
【0184】従って、造粒品の最大粒径の下限値は、好
ましくは0.02mm、より好ましくは0.05mm、さら
に好ましくは1mmとされる。
【0185】造粒品の最大粒径が金型のギャップの最小
寸法(2.0mm)以下であると、金型への給材が容易に
行える。各サンプルは、寸法誤差が±5/100mm以内
であり、寸法粒度が高いものであった。
【0186】(実施例6)下記の磁石粉末と結合樹脂
(熱可塑性樹脂)と添加剤とを混合し、該混合物を混練
し、該混練物を造粒(整粒)して粒状体を得、該粒状体
を成形機の金型内に充填して無磁場中で圧縮成形(温間
成形)し、冷却して、希土類ボンド磁石(サンプルNo.
17〜22)を製造した。
【0187】磁石粉末:Nd12.0Fe77.8Co4.3 B
5.9 、平均粒径25μm (F.S.S.S.測定)、97.0wt
% 結合樹脂:ポリアミド(PA12)+ポリアミド(PA
6−12)、PA12/PA6−12の比率=5/5、
合計1.6wt% 添加剤:ヒドラジン系酸化防止剤1.4wt% 混合:ヘンシェルミキサーを用いて混合。
【0188】混練:2軸押出混練機を使用。混練温度1
50〜250℃、スクリュー回転数100〜250rpm
。
【0189】φ10mmの円柱状で吐出し、長さ5〜15
mmのペレットとした。
【0190】造粒:粉砕と分級により、最大粒径5mm
(平均粒径2mm)とした。
【0191】成形:油圧プレス機を使用。成形温度23
0℃、成形圧力10kgf/mm2 。成形品形状は、平板状
(目標寸法:横幅10.00mm×厚さamm(aは可変)
×高さ10.00mm) なお、成形に際しては、金型寸法:10.00mm×amm
(aは下記表4に示す)のギャップを持つ複数の金型を
用いた。このとき、a寸法の変化にかかわらず、成形品
の高さが10mmとなるように、金型ギャップへの造粒品
の充填量(下記表4に示す)を調整した。
【0192】得られた希土類ボンド磁石(成形品)の重
量および高さの測定結果を下記表4に示す。
【0193】
【表4】
【0194】表4に示すように、金型のギャップの最小
寸法aが、造粒品の最大粒径未満であるとき(サンプル
No. 17〜19)には、造粒品を全て金型内に充填する
ことが困難となり、寸法誤差が大きくなる。
【0195】(実施例7)圧縮成形後、230℃、5分
間熱処理を施した以外は、前記実施例5と同様にして希
土類ボンド磁石(サンプルNo. 24〜31)を製造し
た。測定結果は、表3とほぼ同様であった。
【0196】(実施例8)圧縮成形後、200℃、3分
間熱処理を施した以外は、前記実施例6と同様にして希
土類ボンド磁石(サンプルNo. 32〜37)を製造し
た。測定結果は、表4とほぼ同様であった。
【0197】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、少
ない結合樹脂量で、成形性、成形の容易性に優れ、低空
孔率で、機械的強度および寸法精度が高く、磁気特性に
優れた希土類ボンド磁石を提供することができる。
【0198】特に、粒状体の粒径が所望の範囲である場
合には、空孔率が極めて低くかつ寸法安定性に優れる希
土類ボンド磁石を提供することができる。
【0199】また、温間成形により製造する場合、低い
成形圧で、このような特性の磁石を得ることができ、製
造が容易である。

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 希土類磁石粉末を結合樹脂により結合し
    てなる希土類ボンド磁石の製造方法であって、 前記希土類磁石粉末と前記結合樹脂との混合物または混
    練物を得、この混合物または混練物を造粒または整粒
    し、その粒状体を用いて成形を行うことを特徴とする希
    土類ボンド磁石の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記混合物または混練物中の前記希土類
    磁石粉末の添加量は、90〜99wt%である請求項1に
    記載の希土類ボンド磁石の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記混合物または混練物中に、酸化防止
    剤が添加されている請求項1または2に記載の希土類ボ
    ンド磁石の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記混合物または混練物中の前記酸化防
    止剤の添加量は、0.1〜2wt%である請求項3に記載
    の希土類ボンド磁石の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記成形は、圧縮成形である請求項1な
    いし4のいずれかに記載の希土類ボンド磁石の製造方
    法。
  6. 【請求項6】 前記粒状体の最大粒径が成形金型のギャ
    ップの最小寸法以下である請求項5に記載の希土類ボン
    ド磁石の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記粒状体の最大粒径が0.02mm以上
    である請求項5または6に記載の希土類ボンド磁石の製
    造方法。
  8. 【請求項8】 前記粒状体の平均粒径が10μm 〜2mm
    である請求項1ないし7のいずれかに記載の希土類ボン
    ド磁石の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記造粒または整粒は、粉砕により行わ
    れる請求項1ないし8のいずれかに記載の希土類ボンド
    磁石の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記成形は、冷間または温間成形であ
    る請求項1ないし9のいずれかに記載の希土類ボンド磁
    石の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記結合樹脂は、熱可塑性樹脂である
    請求項1ないし10のいずれかに記載の希土類ボンド磁
    石の製造方法。
  12. 【請求項12】 前記結合樹脂は、熱硬化性樹脂である
    請求項1ないし10のいずれかに記載の希土類ボンド磁
    石の製造方法。
  13. 【請求項13】 前記成形の後、熱処理を行う請求項1
    ないし12のいずれかに記載の希土類ボンド磁石の製造
    方法。
  14. 【請求項14】 前記成形の後、前記熱可塑性樹脂の融
    点以上の温度で熱処理を行う請求項11に記載の希土類
    ボンド磁石の製造方法。
  15. 【請求項15】 希土類磁石粉末を結合樹脂により結合
    してなる希土類ボンド磁石を製造するための希土類ボン
    ド磁石用組成物であって、 希土類磁石粉末と結合樹脂との混合物または混練物より
    なる粒状体であり、かつ、その平均粒径が10μm 〜2
    mmであることを特徴とする希土類ボンド磁石用組成物。
  16. 【請求項16】 希土類磁石粉末を結合樹脂により結合
    してなる希土類ボンド磁石を圧縮成形により製造するた
    めの希土類ボンド磁石用組成物であって、 希土類磁石粉末と結合樹脂との混合物または混練物より
    なる粒状体であり、かつ、その最大粒径が成形金型のギ
    ャップの最小寸法以下であることを特徴とする希土類ボ
    ンド磁石用組成物。
  17. 【請求項17】 前記粒状体の最大粒径が0.02mm以
    上である請求項15または16に記載の希土類ボンド磁
    石用組成物。
  18. 【請求項18】 前記希土類磁石粉末の含有量は、90
    〜99wt%である請求項15ないし17のいずれかに記
    載の希土類ボンド磁石用組成物。
  19. 【請求項19】 酸化防止剤が添加されている請求項1
    5ないし18のいずれかに記載の希土類ボンド磁石用組
    成物。
  20. 【請求項20】 前記酸化防止剤の含有量は、0.1〜
    2wt%である請求項19に記載の希土類ボンド磁石用組
    成物。
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