JPH09261008A - ディジタルビーム形成装置のためのfir型ディジタルフィルタのフィルタ係数演算装置、ディジタルビーム形成装置のためのfir型ディジタルフィルタ及びディジタルビーム形成装置 - Google Patents

ディジタルビーム形成装置のためのfir型ディジタルフィルタのフィルタ係数演算装置、ディジタルビーム形成装置のためのfir型ディジタルフィルタ及びディジタルビーム形成装置

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JPH09261008A
JPH09261008A JP8088534A JP8853496A JPH09261008A JP H09261008 A JPH09261008 A JP H09261008A JP 8088534 A JP8088534 A JP 8088534A JP 8853496 A JP8853496 A JP 8853496A JP H09261008 A JPH09261008 A JP H09261008A
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龍 三浦
Yoshio Karasawa
好男 唐沢
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 広帯域の所望信号に対処でき、荷重係数の演
算時間を少なくでき、しかも所望信号の入射方向に関す
る事前知識を必要としないディジタルビーム形成装置を
提供する。 【解決手段】 複数のアンテナ素子からなるアレーアン
テナと、各アンテナ素子で受信された受信信号をディジ
タル信号に変換して出力する変換手段と、フィルタ係数
に基づいてディジタル信号をろ波して出力する複数のF
IR型ディジタルフィルタと複数のろ波後のディジタル
信号を加算して出力する加算器とを含むDBF回路と、
サンプリング周波数で正規化された正規化時間周波数と
アンテナ素子間隔の逆数で正規化された正規化空間周波
数とで形成された2次元周波数平面において、所定の幅
と長さを有する所望通過領域で振幅を有する複数のFI
R型ディジタルフィルタのフィルタ係数を演算する係数
演算手段を備えた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、到来する伝搬波信
号のうち、所望信号の方向にビームを形成して受信し、
干渉信号の到来方向にはヌルを向けて抑圧するディジタ
ルビーム形成装置と、当該ディジタルビーム形成装置の
ためのFIR型ディジタルフィルタのフィルタ係数演算
装置及びFIR型ディジタルフィルタに関する。
【0002】
【従来の技術】ビーム形成技術は従来からレーダーやソ
ナーで用いられている重要な信号処理技術である。しか
し、レーダーやソナーでは、一般に比帯域幅の狭い狭帯
域信号が使用されることが多い。音響信号のように、比
帯域幅が無限大のベースバンドの伝搬波を対象とする広
帯域のビームを形成する従来の方法としては、従来技術
文献1「西川他、“ファンフィルタを用いた広帯域ビー
ム形成”,電子情報通信学会技術研究報告CAS89−
85,pp.95−100,1989年」に開示された方
法がある。この従来の広帯域ビームの形成方法は、地下
資源の探査における地震波データ処理で用いられている
ファンフィルタ(速度フィルタとも呼ばれる。)を用い
て広帯域のビームを所望の方向に形成するというもので
ある。
【0003】また、伝搬波信号が電波で、搬送波を用い
る情報伝送において、広帯域信号のビームを形成する装
置としては、以下に示す装置がある。ここで、本明細書
において、高周波(RF)信号の帯域幅が搬送波周波数に
比べて無視できないような信号を広帯域信号と呼ぶこと
にする。但し、帯域幅は搬送波周波数の1/2より狭い
ものとする。図9は、従来技術文献2「O.L.Fros
t, III,“An algorithm of linearly constrained ad
aptive array processing", Proceedings of the IE
EE,Vol.60, No.8, pp.926−935, 19
72年8月」に開示された適応ビームフォーマを応用し
た、上述の広帯域信号に対する第1の従来例の適応ディ
ジタルビーム形成装置のブロック図である。図9の第1
の従来例の適応ディジタルビーム形成装置は、近似的に
同一の指向特性・周波数特性を持つN個のアンテナ素子
1−1乃至1−Nからなるアレーアンテナ100と、受
信機2−1乃至2−Nと、A/D変換器3−1乃至3−
Nと、ミキサー4−1乃至4−Nと、低域通過ディジタ
ルフィルタ5−1乃至5−Nと、ディジタル局部発振器
60と、有限インパルス応答(以下、FIRという。)
型ディジタルフィルタ9−1乃至9−Nと、第2の係数
制御器11bと、加算器10とからなる。
【0004】以下、図9を用いて第1の従来例の適応デ
ィジタルビーム形成装置を説明する。複数N個のアンテ
ナ素子1−kで受信された高周波信号はそれぞれ、受信
機2−kで中間周波信号に変換され、A/D変換器3−
kでそれぞれディジタル中間周波信号に変換される(以
下、中間周波数をfIFという。)。ここで、k=1,
2,…,Nであり、以下、本明細書において特に断らな
い限り同様とする。そしてこれらのディジタル中間周波
信号は、ディジタル局部発振器60で発振した周波数f
IFのディジタル正弦波とミキサー4−kでそれぞれ混合
され、低域通過ディジタルフィルタ5−kにより高周波
成分がカットされて、低域通過ディジタルフィルタ5−
kから複素数であるディジタル同相・直交信号x
k(m)が出力される。ここで、ディジタル同相・直交
信号xk(m)において、実部は同相成分であり、虚部
は直交成分である。また、図面のラインに2と示してい
るのは複素数の記号を示す。
【0005】N個のディジタル同相・直交信号x
1(m)、x2(m)、…、xN(m)はそれぞれFIR
型ディジタルフィルタ9−1乃至9−Nに入力される。
FIR型ディジタルフィルタ9−kは、第2の係数制御
器11bから入力される荷重係数wEk,0(m)、wE
k,1(m)、…、wEk,q-1(m)に基づいて、入力され
るディジタル同相・直交信号xk(m)をディジタル的
にろ波して、ろ波後のディジタル同相・直交信号x
k(m)を加算器10に出力する。ここで、第2の係数
制御器11bは、ディジタル同相・直交信号x
1(m)、x2(m)、…、xN(m)に基づいて、適応
ディジタルビーム形成装置の出力zes(m)において、
広帯域の所望信号を抽出して広帯域の干渉信号を抑圧す
るように荷重係数wEk,0(m)、wEk,1(m)、…、
wEk,q-1(m)を演算して、荷重係数wEk,0(m)、
wEk,1(m)、…、wEk,q-1(m)をFIR型ディジ
タルフィルタ9−kに出力する。
【0006】これらの荷重係数wEk,0(m)、wEk,1
(m)、…、wEk,q-1(m)は一般に複素数である。
ここで、qはFIR型ディジタルフィルタ9−kのタッ
プ長であり所定の整数である。荷重係数wE
k,0(m)、wEk,1(m)、…、wEk, q-1(m)の演
算方法は、例えば、参照信号を用いる場合にはLMS
(Least Mean Squares)法、所望信号の入射方向が既知
であれば方向拘束付きLMS法等の公知の方法を用いる
ことができる。ここで、図9の第1の従来例の適応ディ
ジタルビーム形成装置のように、全て同じ指向特性を持
つアンテナ素子1−kからの信号を制御対象とする構成
をエレメントスペース構成という。
【0007】第1の従来例の適応ディジタルビーム形成
装置において、対象とする高周波信号の帯域幅が搬送波
周波数に比べて無視できない広帯域信号を扱う場合、広
帯域のビームやヌルを形成するためには、周波数に依存
しない単なる荷重係数の代わりに、周波数に依存する
「荷重係数」を実現する必要があるので、FIR型ディ
ジタルフィルタを用いている。
【0008】また、図10は、広帯域信号に対処でき、
演算すべき荷重係数の数も少なくて済む適応ディジタル
ビーム形成装置として、従来技術文献3「J.F.Yan
g他,“Wideband adaptive arrays based on the cohe
rent signal−subspace transformation",IEEE
International Confererence on Acoustics,Speec
h,and Signal Processing,pp.2011−201
4,1987年」に開示された第2の従来例の適応ディ
ジタルビーム形成装置の構成を示すブロック図である。
この第2の従来例の適応ディジタルビーム形成装置は、
受信信号に対してコヒーレント部分空間変換と呼ばれる
非線形な前処理を信号変換器20で行って広帯域信号に
対処するものである。この変換後に、FIR型ディジタ
ルフィルタを用いることなく、1つのパスあたり1つの
荷重係数により適応処理を行っている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来技
術文献1に開示された従来の広帯域ビームの形成方法
は、電波である搬送波を用いる情報伝送には適用するこ
とができないという問題点があった。また、エレメント
スペース構成の第1の従来例の適応ディジタルビーム形
成装置の場合、FIR型ディジタルフィルタ9−1乃至
9−Nにおいて、演算するべき荷重係数wE
1,0(m)、wE1,1(m)、…、wE1,q-1(m)、w
2,0(m)、…、wEL,q-1(m)の数はq×N個とな
り、FIR型ディジタルフィルタ9−kのタップ長qと
アンテナ素子数Nとが共に多い場合には、制御すべき荷
重係数の数は非常に多くなってしまい、そのために荷重
係数を演算するための信号処理演算量も飛躍的に多くな
ってしまうという問題点があった。また、第2の従来例
の適応ディジタルビーム形成装置では、信号変換器20
におけるコヒーレント部分空間変換が信号の入射方向に
関する正確な事前知識を必要とするという問題点があっ
た。
【0010】本発明の第1の目的は、以上の問題点を解
決して、電波である搬送波を用いる情報伝送に適用する
ことができるディジタルビーム形成装置のためのFIR
型ディジタルフィルタのフィルタ係数演算装置を提供す
ることにある。
【0011】本発明の第2の目的は、以上の問題点を解
決して、電波である搬送波を用いる情報伝送に適用する
ことができるディジタルビーム形成装置のためのFIR
型ディジタルフィルタを提供することにある。
【0012】本発明の第3の目的は、以上の問題点を解
決して、広帯域の所望信号に対処でき、荷重係数の演算
時間を少なくでき、しかも所望信号の入射方向に関する
事前知識を必要としないディジタルビーム形成装置を提
供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明に係る請求項1記
載のディジタルビーム形成装置のためのFIR型ディジ
タルフィルタのフィルタ係数演算装置は、複数のアンテ
ナ素子が1直線上に所定の素子間隔で並置されたリニア
アレーアンテナを用いて、上記複数のアンテナ素子に対
応してそれぞれ設けられ、所望の入射角の方向でビーム
を形成するディジタルビーム形成装置のための複数のF
IR型ディジタルフィルタのフィルタ係数演算装置であ
って、上記ディジタルビーム形成装置のサンプリング周
波数で正規化された正規化時間周波数F1の第1の軸
と、上記素子間隔の逆数で正規化された正規化空間周波
数F2の第2の軸とで形成された2次元周波数平面にお
いて、第2の軸上で中心を有し、所定の幅を有して負の
正規化時間周波数から正の正規化時間周波数に延在する
所望通過領域で振幅を有する上記複数のFIR型ディジ
タルフィルタのフィルタ係数を演算する係数演算手段を
備えたことを特徴とする。
【0014】また、請求項2記載のディジタルビーム形
成装置のためのFIR型ディジタルフィルタのフィルタ
係数演算装置は、請求項1記載のFIR型ディジタルフ
ィルタのフィルタ係数演算装置において、上記係数演算
手段は、所定の1次元FIR型ディジタルフィルタの周
波数応答を所定の変数変換することにより、上記所望通
過領域に対応しかつ、上記正規化時間周波数F1と上記
正規化空間周波数F2とに関する周波数応答を演算し、
演算された周波数応答を逆フーリエ変換することにより
インパルス応答を演算し、演算されたインパルス応答に
基づいて上記所望通過領域で振幅を有する上記複数のF
IR型ディジタルフィルタのフィルタ係数を演算するこ
とを特徴とする。
【0015】さらに、請求項3記載のディジタルビーム
形成装置のためのFIR型ディジタルフィルタのフィル
タ係数演算装置は、請求項1又は2記載のFIR型ディ
ジタルフィルタのフィルタ係数演算装置において、上記
係数演算手段は、上記2次元周波数平面において、上記
所望通過領域で所定の振幅を有し、かつ上記第2の軸上
で中心を有し所定の幅を有して負の正規化時間周波数か
ら正の正規化時間周波数に延在するサイドローブレベル
を下げるべき領域で所定の減衰量を有する上記複数のF
IR型ディジタルフィルタのフィルタ係数を演算するこ
とを特徴とする。
【0016】また、請求項4記載のディジタルビーム形
成装置のためのFIR型ディジタルフィルタのフィルタ
係数演算装置は、請求項2記載のFIR型ディジタルフ
ィルタのフィルタ係数演算装置において、上記係数演算
手段は、上記1次元FIR型ディジタルフィルタの通過
領域を上記2次元周波数平面上で回転させて、当該回転
させた通過領域を上記2次元周波数平面上で平行移動さ
せることにより変数変換して、上記所望通過領域に対応
する、上記正規化時間周波数F1と上記正規化空間周波
数F2とに関する周波数応答を演算し、演算された周波
数応答を逆フーリエ変換することによりインパルス応答
を演算し、演算されたインパルス応答に基づいて上記所
望通過領域で振幅を有する上記複数のFIR型ディジタ
ルフィルタのフィルタ係数を演算することを特徴とす
る。
【0017】また、請求項5記載のディジタルビーム形
成装置のためのFIR型ディジタルフィルタのフィルタ
係数演算装置は、請求項2又は3記載のFIR型ディジ
タルフィルタのフィルタ係数演算装置において、上記係
数演算手段は、上記ディジタルビーム形成装置によって
形成されるビームパターンが周波数に対して変化しない
ように、上記1次元FIR型ディジタルフィルタの周波
数応答を変数変換することにより、上記所望通過領域に
対応しかつ、上記正規化時間周波数F1と上記正規化空
間周波数F2とに関する周波数応答を演算し、演算され
た周波数応答を逆フーリエ変換することによりインパル
ス応答を演算し、演算されたインパルス応答に基づいて
上記所望通過領域で所定の振幅を有する上記複数のFI
R型ディジタルフィルタのフィルタ係数を演算すること
を特徴とする。
【0018】さらに、本発明に係る請求項6記載のディ
ジタルビーム形成装置のためのFIR型ディジタルフィ
ルタは、請求項1乃至5のうちの1つに記載のFIR型
ディジタルフィルタのフィルタ係数演算装置によって演
算された上記複数のFIR型ディジタルフィルタのフィ
ルタ係数が設定されたことを特徴とする。
【0019】また、本発明に係る請求項7記載のディジ
タルビーム形成装置は、複数のアンテナ素子からなるア
レーアンテナと、上記各アンテナ素子によって受信され
た各受信信号をそれぞれA/D変換して、上記各受信信
号に対応する各ディジタル信号を出力する変換手段と、
それぞれ複数のフィルタ係数に基づいて、上記変換手段
から出力される上記複数のディジタル信号をろ波して出
力する複数のFIR型ディジタルフィルタと、上記複数
のFIR型ディジタルフィルタから出力される複数のろ
波後のディジタル信号を加算して加算後の信号を出力信
号として出力する加算器とを含むDBF回路とを備え、
上記複数のFIR型ディジタルフィルタの複数のフィル
タ係数は、請求項1乃至5のうちの1つに記載のフィル
タ係数演算装置によって演算されたことを特徴とする。
【0020】さらに、本発明に係る請求項8記載のディ
ジタルビーム形成装置は、複数N個のアンテナ素子から
なるアレーアンテナと、上記各アンテナ素子によって受
信された各受信信号をそれぞれA/D変換して、上記各
受信信号に対応する各ディジタル信号を出力する変換手
段と、上記各アンテナ素子に対して複数N個のFIR型
ディジタルフィルタが対応しかつ形成すべき複数B個の
ビームの各ビームに対して複数N個のFIR型ディジタ
ルフィルタが対応するように設けられ、それぞれ上記各
ディジタル信号を予め決められたフィルタ係数に従って
ろ波して出力する複数(N×B)個のFIR型ディジタ
ルフィルタと、それぞれ上記各ビームを形成するための
複数N個のFIR型ディジタルフィルタから出力される
複数N個の信号を加算して出力する複数B個の加算器と
を備え、上記変換手段から出力される各ディジタル信号
に基づいて、複数B個の異なる方向にそれぞれビームを
形成して、当該ビームに対応する複数B個のビーム受信
信号を出力するビーム形成手段と、上記ビーム形成手段
から出力される複数B個のビーム受信信号から複数M個
のビーム受信信号を選択して出力する信号選択手段と、
上記信号選択手段から入力される上記複数M個のビーム
受信信号と入力される複数M個の荷重係数とをそれぞれ
乗算して乗算結果の信号を出力する複数M個の乗算器
と、上記信号選択手段から出力される複数M個のビーム
受信信号に基づいて、少なくとも所望信号の周波数を含
む所定の周波数範囲において、上記アレーアンテナの主
ビームを所望信号の到来方向に向けかつ干渉信号の到来
方向の受信信号のレベルを零にするような上記複数M個
の荷重係数を上記各乗算器に対して演算して、当該複数
M個の荷重係数をそれぞれ対応する上記各乗算器に出力
する係数制御手段と、上記複数M個の乗算器から出力さ
れる複数M個の乗算結果の信号を加算して受信信号とし
て出力する加算手段とを備えたことを特徴とする。
【0021】また、請求項9記載のディジタルビーム形
成装置は、請求項8記載のディジタルビーム形成装置に
おいて、上記複数(N×B)個のFIR型ディジタルフ
ィルタの複数のフィルタ係数は、請求項1乃至5のうち
の1つに記載のフィルタ係数演算装置によって演算され
たことを特徴とする。
【0022】また、本発明に係る請求項10記載のディ
ジタルビーム形成装置は、複数N個のアンテナ素子から
なるアレーアンテナと、上記各アンテナ素子によって受
信された各受信信号をそれぞれA/D変換して、上記各
受信信号に対応する各ディジタル信号を出力する変換手
段と、上記各アンテナ素子に対して複数N個の荷重係数
器が対応しかつ形成すべき複数B個の第1のビームの各
第1のビームに対して複数N個の荷重係数器が対応する
ように設けられ、それぞれ上記各ディジタル信号を予め
決められた第1の荷重係数で乗算して出力する複数(N
×B)個の荷重係数器と、それぞれ上記各第1のビーム
を形成するための複数N個の荷重係数器から出力される
複数N個の信号を加算して出力する複数B個の第1の加
算器とを備え、上記変換手段から出力される各ディジタ
ル信号に基づいて、複数B個の異なる方向にそれぞれ第
1のビームを形成して、当該第1のビームに対応する複
数B個の第1のビーム受信信号を出力するビーム形成手
段と、上記各第1のビーム受信信号に対して複数L個の
FIR型ディジタルフィルタが対応し、かつ形成すべき
複数B個の第2のビームの各第2のビームに対して複数
L個のFIR型ディジタルフィルタが対応するように設
けられ、それぞれ上記各第1のビーム受信信号を、上記
複数B個の第2のビームを形成するように予め決められ
た複数のフィルタ係数でろ波して出力する複数(L×
B)個のFIR型ディジタルフィルタと、それぞれ上記
各第2のビームを形成するための複数L個のFIR型デ
ィジタルフィルタから出力される複数L個の信号を加算
して上記各第2のビームに対応した各第2のビーム受信
信号を出力する複数B個の第2の加算器と、上記複数B
個の加算器から出力される複数B個の第2のビーム受信
信号から複数M個の第2のビーム受信信号を選択して出
力する信号選択手段と、上記信号選択手段から入力され
る上記複数M個の第2のビーム受信信号と入力される複
数M個の第2の荷重係数とをそれぞれ乗算して乗算結果
の信号を出力する複数M個の乗算器と、上記信号選択手
段から出力される複数M個の第2のビーム受信信号に基
づいて、少なくとも所望信号の周波数を含む所定の周波
数範囲において、上記アレーアンテナの主ビームを所望
信号の到来方向に向けかつ干渉信号の到来方向の受信信
号のレベルを零にするような上記複数M個の第2の荷重
係数を上記各乗算器に対して演算して、当該複数M個の
第2の荷重係数をそれぞれ対応する上記各乗算器に出力
する係数制御手段と、上記複数M個の乗算器から出力さ
れる複数M個の乗算結果の信号を加算して受信信号とし
て出力する加算手段とを備えたことを特徴とする。
【0023】また、請求項11記載のディジタルビーム
形成装置は、請求項10記載のディジタルビーム形成装
置において、上記複数(L×B)個のFIR型ディジタ
ルフィルタの複数のフィルタ係数は、請求項1乃至5の
うちの1つに記載のフィルタ係数演算装置によって演算
されたことを特徴とする。
【0024】さらに、請求項12記載のディジタルビー
ム形成装置は、請求項8、9、10又は11記載のディ
ジタルビーム形成装置において、上記係数制御手段は、
上記ディジタルビーム形成装置から出力される信号の包
絡線を一定に保つように、上記各荷重係数を演算するこ
とを特徴とする。
【0025】
【発明の実施の形態】
<第1の実施形態>図1は、本発明に係る第1の実施形
態のディジタルビーム形成装置の構成を示すブロック図
である。第1の実施形態のディジタルビーム形成装置
は、図9の第1の従来例の適応ディジタルビーム形成装
置において、第2の係数制御器11bに代えて、FIR
型ディジタルフィルタ係数演算器13を備える。ここ
で、第1の実施形態のディジタルビーム形成装置におい
て、FIR型ディジタルフィルタ係数演算器13は、詳
細後述するように、ビームを形成するべき方向である入
射角θが与えられたとき、周波数応答G(F1,F2)を
演算して、演算された周波数応答G(F1,F2)を逆フ
ーリエ変換することによりインパルス応答g(m1,m2)
を演算して、さらに当該インパルス応答g(m1,m2)に
基づいて荷重係数wk ,sを演算して出力し、FIR型デ
ィジタルフィルタ9−1乃至9−Nはそれぞれ、当該荷
重係数wk,sに基づいて、入力されるディジタル同相・
直交信号xk(m)をろ波して、加算器10に出力する
ことを特徴とする。これによって、加算器10は複数N
個のろ波後のディジタル同相・直交信号xk(m)を加
算して、加算後の信号を、広帯域の所望信号が抽出され
かつ広帯域の干渉信号が抑圧された出力信号z(m)と
して出力する。ここで、k=1,2,…,Nであり、以
下、本明細書において特に断らない限り同様とする。ま
た、ディジタル同相・直交信号xk(m)における括弧
()内のmは時刻(時刻の番号)を表す。
【0026】以下、図1を参照して、第1の実施形態の
ディジタルビーム形成装置について詳細に説明する。第
1の実施形態のディジタルビーム形成装置において、複
数N個のアンテナ素子1−kで受信された高周波信号は
それぞれ、第1の従来例の適応ディジタルビーム形成装
置と同様に、受信機2−kで中間周波信号に変換され、
A/D変換器3−kでそれぞれディジタル中間周波信号
に変換される。そして、これらのディジタル中間周波信
号は、ディジタル局部発振器60で発振した周波数fIF
のディジタル正弦波とミキサー4−kでそれぞれ混合さ
れ、低域通過ディジタルフィルタ5−kにより高周波成
分がカットされて、低域通過ディジタルフィルタ5−k
から複素数であるディジタル同相・直交信号xk(m)
が出力される。そして、ディジタル同相・直交信号xk
(m)は、FIR型ディジタルフィルタ9−1乃至9−
Nと加算器10とからなるDBF回路6のFIR型ディ
ジタルフィルタ9−kに入力される。ここで、第1の実
施形態において、アレーアンテナ100は一直線上に所
定の素子間隔dでアンテナ素子1−1乃至1−Nが並置
されたリニアアレーアンテナである。
【0027】FIR型ディジタルフィルタ係数演算器1
3は、詳細後述するように、ビームを形成するべき方向
である入射角θが与えられたとき、ディジタルビーム形
成装置の出力信号z(m)において、広帯域の所望信号
を抽出して広帯域の干渉信号を抑圧するように荷重係数
k,0、wk,1、…、wk,q-1を演算して、荷重係数
k ,0、wk,1、…、wk,q-1をFIR型ディジタルフィ
ルタ9−kに出力する。
【0028】そして、DBF回路6において、FIR型
ディジタルフィルタ9−kは、FIR型ディジタルフィ
ルタ係数演算器13から入力される荷重係数wk,0、w
k,1、…、wk,q-1に基づいて、入力されるディジタル同
相・直交信号xk(m)をディジタル的にろ波して、ろ
波後のディジタル同相・直交信号xk(m)を加算器1
0に出力する。加算器10は各FIR型ディジタルフィ
ルタ9−kから入力される複数N個のろ波後のディジタ
ル同相・直交信号xk(m)を加算して、加算後の信号
を、広帯域の所望信号が抽出されかつ広帯域の干渉信号
が抑圧された出力信号z(m)として出力する。
【0029】次に、図2を参照して、FIR型ディジタ
ルフィルタ9−kの構成を説明する。FIR型ディジタ
ルフィルタ9−kは、図2に示すように、(q−1)個
の遅延器91−1乃至91−(q−1)と、q個の乗算
器92−1乃至92−qと、(q−1)個の加算器93
−1乃至93−(q−1)とからなる。ここで、FIR
型ディジタルフィルタ9−kにおいてqはタップ長と呼
ばれ、第1の実施形態では奇数に設定される。そして、
FIR型ディジタルフィルタ9−kに入力されるディジ
タル同相・直交信号xk(m)は、遅延器91−1と乗
算器92−1とに入力される。また、FIR型ディジタ
ルフィルタ9−kに入力される荷重係数wk,s-1は乗算
器92−s(s=1,2,…,q)に入力される。
【0030】FIR型ディジタルフィルタ9−kにおい
て、遅延器91−s(s=1,2,…,q−1)は、入
力されるディジタル同相・直交信号xk(m−s+1)
を1サンプル周期だけ遅らせて1サンプル周期だけ遅れ
た信号xk(m−s)を遅延器91−(s+1)と乗算
器92−(s+1)とに出力する。乗算器92−1は、
入力されるディジタル同相・直交信号xk(m)と荷重
係数wk,0とを乗算して、加算器93−1に出力する。
乗算器92−s(s=2,3,…,q)は、入力される
信号xk(m−s+1)と荷重係数wk,s-1とを乗算し
て、加算器93−(s−1)に出力する。加算器93−
1は、乗算器92−1から入力される信号と乗算器92
−2から入力される信号とを加算して、加算器93−2
に出力する。加算器93−s(s=2,3,…,q−
2)は、加算器93−(s−1)から入力される信号と
乗算器92−(s+1)から入力される信号とを加算し
て、加算器93−(s+1)に出力する。加算器93−
(q−1)は、加算器93−(q−2)から入力される
信号と乗算器92−qから入力される信号とを加算し
て、加算器10に出力する。ここで、第1の実施形態で
は、(q−1)個の加算器93−1乃至93−(q−
1)を設けて構成したが、本発明はこれに限らず、(q
−1)個の加算器93−1乃至93−(q−1)に代え
て、乗算器92−1乃至92−qから出力されるq個の
出力信号を一括して加算して加算器10に出力する1つ
の加算器を用いて構成してもよい。また、そのような加
算器を用いずに、乗算器92−1乃至92−qから出力
されるq個の出力信号を直接、加算器10に出力しても
よい。
【0031】以上のように構成されたFIR型ディジタ
ルフィルタ9−kは、FIR型ディジタルフィルタ係数
演算器13から入力される各荷重係数wk,0、wk,1
…、wk,q-1に基づいて、低域通過ディジタルフィルタ
5−kから入力されるディジタル同相・直交信号x
k(m)をディジタル的にろ波して加算器10に出力す
る。以上の様に構成されたFIR型ディジタルフィルタ
9−1乃至9−Nを備えたDBF回路6は、2次元ディ
ジタルフィルタと考えることができる。なお、図2のF
IR型ディジタルフィルタ9−1乃至9−Nの構造は直
接形としたが、他の構成、例えば、縦続形やラティス形
でもよい。ただし、FIR型ディジタルフィルタ9−k
に入力される荷重係数wk,sの演算方法はFIR型ディ
ジタルフィルタ9−kの構造に応じて異なる。
【0032】次に、FIR型ディジタルフィルタ係数演
算器13における荷重係数wk,sの演算方法について説
明する。まず、所望信号の入射角θを、図1に示すよう
に、アンテナ素子1−1乃至1−Nが並置されたライン
の垂線と所望信号の入射する方向との角度で定義する。
また、高周波信号である所望信号の周波数f1と搬送波
信号の搬送波周波数fcとディジタルビーム形成装置の
サンプリング周波数fsとを用いて正規化時間周波数F1
を次の数1で定義する。さらに、入射角θと光速cと所
望信号の周波数f1とを用いて、非正規化空間周波数f2
を数2のように定義し、当該非正規化空間周波数f2
数3で表すようにアンテナ素子1−1乃至1−Nの素子
間隔dの逆数で正規化して、正規化空間周波数F2を定
義する。ここで、アンテナ素子の素子間隔dの逆数1/
dは、空間サンプリング周波数と呼ばれる。すなわち、
正規化時間周波数F1は、ある時刻における周波数f1
搬送波周波数fcとの差をサンプリング周波数fsで正規
化した周波数であり、正規化空間周波数F2は入射角θ
を考慮したある時刻においてアンテナ素子1−kの並置
ライン上で正規化した空間周波数である。
【0033】
【数1】F1=(f1−fc)/fs
【数2】f2=(f1sinθ)/c
【数3】F2=df2=(df1sinθ)/c={(dsin
θ)/c}(fs1+fc
【0034】また、DBF回路6を2次元ディジタルフ
ィルタとみたときの、伝達特性H(f1,θ)は、次の数
4で表すことができ、当該伝達特性H(f1,θ)は、上
述のように定義した正規化時間周波数F1と正規化空間
周波数F2とを用いて数5に示す周波数応答G(F1,F
2)に変換することができる。すなわち、周波数応答G
(F1,F2)は、正規化時間周波数F1と正規化空間周
波数F2との2次元周波数平面上の周波数応答である。
【0035】
【数4】
【数5】
【0036】ここで、数4において、TsはDBF回路
6内のサンプリング間隔であって、DBF回路6におけ
るサンプリング周波数fsの逆数、すなわちTs=1/fs
表される。また、数4、数5において、qは上述のよう
にFIR型ディジタルフィルタ9−kのタップ長であ
る。上述の数4と数5は、素子間隔dが一定であると仮
定した場合に成り立つ数式であって、この方法は、素子
間隔dが一定のリニアアレーにしか適用できないという
制約がある。しかし、アンテナ素子1−1乃至1−Nが
平面に格子状に縦横それぞれ等間隔に配置されている場
合には、数4と数5を拡張することで対応できる。すな
わち、ディジタルフィルタを3次元(時間−空間2次
元)とした場合にも適用できる。
【0037】このDBF回路6は、広帯域ビームを所望
の方向に形成する周波数−角度平面上での所望特性を、
正規化時間周波数F1と正規化空間周波数F2平面の2次
元周波数平面上での所望特性に変換して、2次元ディジ
タルフィルタの特性を2次元周波数平面上での所望特性
に近似させることにより実現したものである。本発明者
らは、上述の処理において、搬送波を用いて情報を伝送
する電波の処理をする広帯域のDBF回路6では、図3
(a)で示す周波数−角度平面における所望特性は、2
次元周波数平面上においては図3(b)に示す所望通過
域で表されることを見いだした。
【0038】ここで、広帯域のマルチビームを形成し
て、そのあとビームを選択してアダプティブな広帯域ビ
ームや広帯域ヌルを形成するには、各ビームを形成する
回路の位相特性が周波数に関して線形であり、かつその
傾きがすべてそろっていなければならないが、これから
述べる方法はその要求を満足させることができる。
【0039】そこでまず、DBF回路6に入力されるデ
ィジタル同相・直交信号xk(m)について詳細に検討
した結果、入射角θで入射する信号に対応するディジタ
ル同相・直交信号xk(m)の、DBF回路6の入力時
における時間と空間に関する2次元スペクトルが、2次
元周波数平面上で次の数6で表される直線上にあること
を見いだした。図5は、当該2次元スペクトルSpを模
式的に示した図である。
【0040】
【数6】F2={(dsinθ)/c}(fs1+f
【0041】すなわち、数6で表される直線は、図3
(b)に示した矩形の所望通過域の幅方向の中心に位置
する直線である。従って、図3(b)に示した矩形の所
望通過域は、次の数7に示す不等式で表すことができ、
ディジタルビーム形成装置のサンプリング周波数で正規
化された正規化時間周波数Fの第1の軸と、上記素子
間隔の逆数で正規化された正規化空間周波数F2の第2
の軸とで形成された2次元周波数平面において、第2の
軸上で中心を有し、所定の幅を有して負の正規化時間周
波数から正の正規化時間周波数に延在する。
【0042】
【数7】{(dsinθ)/c}(fs1+fc)−ε≦F2≦{(ds
inθ)/c}(fs1+fc)+ε
【0043】ここで、数7におけるεは図3(b)に示
した矩形の所望通過域の幅に対応する所定の小さな数で
ある。すなわち、数7で示した図3(b)の矩形の所望
通過域において振幅特性D(F1,F2)=1であり、当該
所望通過域の外部では振幅特性D(F1,F2)=0である
振幅特性を近似的に実現できる2次元ディジタルフィル
タであるDBF回路6を構成することができれば、入射
角θの方向に広帯域ビームを形成するDBF回路6を構
成できることになる。ここで、第1の実施形態では、F
1=±0.5の近傍においても、振幅特性D(F1,F2)=
0にした。
【0044】次に、上述の矩形の所望通過域で振幅を有
する振幅特性、すなわち、数7で示した図3(b)の矩
形の所望通過域において振幅特性D(F1,F2)=1であ
り、当該所望通過域の外部では振幅特性D(F1,F2)=
0である振幅特性を近似的に実現できる2次元ディジタ
ルフィルタの検討を行った。その結果を図4を参照して
説明する。
【0045】まず、アンテナ素子数Nに基づいて、1次
元線形位相FIR型狭帯域低域通過ディジタルフィルタ
(以下、FIR型低域通過ディジタルフィルタとい
う。)のインパルス応答長Niを次のように定義する。
すなわち、アンテナ素子数Nが奇数の場合は、Ni=N
とし、アンテナ素子数Nが偶数の場合は、Ni=N−1
とする。これによって、インパルス応答長Niを、常に
奇数に設定する。次に、インパルス応答長がNiのFI
R型狭帯域低域通過ディジタルフィルタのインパルス応
答p(m)を求める。ここで、FIR型狭帯域低域通過デ
ィジタルフィルタの帯域幅はなるべく狭い方が良い。イ
ンパルス応答p(m)の計算方法はいくつか知られている
が、一番簡単なのは、p(m)=1/Niとすることであ
る。
【0046】ここでは簡単のため、振幅特性には影響を
与えない、線形位相成分は除いた、零位相部分のみを考
える。従って、ここで求めたFIR型低域通過ディジタ
ルフィルタの周波数応答P(F2)は次の数8で表すこ
とができる。ここで、数8の周波数応答P(F2)は、
零位相なので、p(m)=p(−m)の関係が成り立
つ。
【0047】
【数8】
【0048】ここで、数8において、Tm(x)はm次
の第1種チェビシェフ多項式であって、T0(x)=
1,T1(x)=x,Tm(x)=2xTm-1(x)−T
m-2(x);m=2,3,…,Tm(cosx)=cos(m
x)である。数8の周波数応答P(F2)を2次元周波
数平面上に表すと図4(a)のように表すことができ
る。
【0049】次に、図4(a)に示された数8の周波数
応答P(F2)を2次元周波数平面上で図4(b)に示
すように回転させる。この回転は以下のようにして行
う。すなわち、数8におけるcos(2πF2)を、次の数9で
表される関数R(F1,F2)に置き換えると、周波数特
性を近似的に回転することができる。
【0050】
【数9】R(F1,F2)=Rc(F1)cos(2πF2)−Rs(F1)
sin(2πF2)
【数10】 ここで、a0=sin(uπ)/(uπ),am=2・(−1)musin
(uπ)/{π(u2−m2)}
【数11】 ここで、bm=2・(−1)mmsin(uπ)/{π(u2−m2)}
【数12】u=−(dfs/c)sinθ
【0051】ここで、数9における関数Rc(F1)は数1
0で表され、関数Rs(F1)は数11で表される。また数
10、数11におけるuは数12で表される定数であ
る。また、数11におけるcmはm=0を中心とする、長
さ2L+1の適当な窓関数である(方形窓を除く)。ここ
で、回転角は、tan-1(−u)で表される。以上の周波数
特性の回転方法は、公知の方法であり、従来技術文献4
「長谷川他,“スペクトル変換に基づく通過域可変2D
FIRファンフィルタ”電子情報通信学会技術研究報告
CAS89−158」に詳しく述べられている。
【0052】次に、回転した周波数特性をF2軸に沿っ
て平行移動する。平行移動量F2shif tは、次の数13で
与えられる。
【0053】
【数13】F2shift=(dfc/c)sinθ
【0054】以上のように平行移動した周波数応答G
(F1,F2)は次の数14で表すことができる。
【0055】
【数14】
【0056】ここで、アンテナ素子数Nが偶数の場合
は、数14の右辺にさらにcos{π(F2−F2shift)}を
掛けることにより、次の数15で表される。
【0057】
【数15】
【0058】次に、数14又は数15の周波数応答に基
づいてインパルス応答を求め、荷重係数wk,sを計算す
る。それにはまず、2のべき乗で表される適切な点数I
で、時間周波数F1と空間周波数F2とを2次元周波数平
面上で、それぞれ−0.5から0.5の間を等間隔に分
割する。それらの点上でそれぞれ、数14または数15
で表される周波数応答G(F1,F2)を求め、当該周波数
応答G(F1,F2)を逆離散(高速)フーリエ変換すると
インパルス応答g(m1,m2)が得られる。そして、以上
のように求めたインパルス応答g(m1,m2)を用いて、
荷重係数wk,sは次の数16で与えられる。ここで、m1
は時間に関する変数であり、m2は空間に関する変数で
ある。
【0059】
【数16】 wk,s=g(s−(q−1)/2,−k+(N−1)/2+1) k=1,2,…,N;s=0,1,…,q−1
【0060】ここで、m1,m2の範囲は−I/2からI
/2までに設定し、アンテナ素子数Nが偶数の場合は、
上式の(N−1)/2はN/2とする。時間方向(m1)に関
しては、g(m1,m2)をqの値に応じて途中で打ち切る
ことになる。以上の原理に基づいて、DBF回路6を、
上述の数7で示した図3(b)の矩形の所望通過域にお
いて近似的に振幅特性D(F1,F2)=1であり、当該所
望通過域の外部では近似的に振幅特性D(F1,F2)=0
である振幅特性を有する2次元ディジタルフィルタとし
て動作させることにより、所望信号の入射角θの方向に
広帯域のビームを形成することができる。
【0061】以上の原理に基づいてDBF処理を実行す
るために、第1の実施形態において、FIR型ディジタ
ルフィルタ係数演算器13は、ビームを形成するべき方
向である入射角θに基づいて、FIR型低域通過ディジ
タルフィルタの通過特性を2次元周波数平面上で回転さ
せた後平行移動することにより、2次元ディジタルフィ
ルタの周波数応答G(F1,F2)を演算して、当該周波
数応答G(F1,F2)を逆離散フーリエ変換することに
よりインパルス応答g(m1,m2)を演算して、さらに当
該インパルス応答g(m1,m2)に基づいて荷重係数wk,s
を演算する。そして、DBF回路6において、FIR型
ディジタルフィルタ9−1乃至9−Nはそれぞれ、荷重
係数wk,sに基づいて、入力されるディジタル同相・直
交信号xkをディジタル的にろ波して、ろ波後のディジ
タル同相・直交信号xkを出力し、加算器10は複数N
個のろ波後のディジタル同相・直交信号xkを加算して
出力する。これによって、DBF回路6は、上述の振幅
特性D(F1,F2)を有する2次元ディジタルフィルタと
して動作するので、所望信号の入射角θが与えられてい
るとき、その方向に広帯域のビームを形成することがで
き、当該広帯域のビームに対応した広帯域の所望信号で
ある出力信号z(m)を出力する。
【0062】以上、詳述した第1の実施形態のディジタ
ルビーム形成装置においては、広帯域の伝搬波信号であ
る所望信号は、広帯域の干渉信号とともにN個のアンテ
ナ素子1−1乃至1−Nで受信されて、アンテナ素子1
−1乃至1−Nで受信された受信信号はそれぞれ、A/
D変換器3−1乃至3−Nでディジタル信号に変換され
て、低域通過ディジタルフィルタ5−kによって低域ろ
波された後、各FIR型ディジタルフィルタ9−1乃至
9−Nによって、広帯域の所望信号を抽出し、所望信号
とは異なる入射角の広帯域の干渉信号を抑圧するように
演算された荷重係数wk,0、wk,1、…、wk,q-1に基づ
いてろ波された後合成されて、所望信号が抽出され、干
渉信号が抑圧された所望の出力信号z(m)がディジタ
ルビーム形成装置の出力信号として出力される。
【0063】以上の第1の実施形態のディジタルビーム
形成装置において、FIR型ディジタルフィルタ係数演
算器13は、最適化手法を用いたり、連立方程式を解く
ことなく、周波数応答G(F1,F2)を計算して当該周
波数応答G(F1,F2)を逆フーリエ変換することによ
り荷重係数wk,sを演算しているので、高速に荷重係数
k,sを計算することができる。
【0064】以上の第1の実施形態において、DBF回
路6は、FIR型ディジタルフィルタ係数演算器13に
よって演算された荷重係数wk,sに基づいて入力される
ディジタル同相・直交信号xk(m)をろ波して出力す
るFIR型ディジタルフィルタ9−1乃至9−Nと加算
器10とを備えているので、上述の振幅特性D(F1,
2)を有する2次元ディジタルフィルタとして動作す
る。これによって、DBF回路6は、所望信号の入射角
θの方向に広帯域のビームを形成することができ、当該
広帯域のビームに対応した広帯域の所望信号である出力
信号z(m)を出力することができる。
【0065】以上の第1の実施形態のディジタルビーム
形成装置は、上述のDBF回路6とFIR型ディジタル
フィルタ係数演算器13とを備えているので、電波であ
る搬送波を用いた情報伝送において、電波である所望信
号の到来方向に広帯域のビームを形成することができ、
当該広帯域のビームに対応する広帯域の所望信号を受信
して、ベースバンド信号である所望の出力信号z(m)
を出力することができる。
【0066】以上の第1の実施形態のディジタルビーム
形成装置において、DBF回路6は、線形の位相特性を
有し、当該位相特性の傾きはタップ長qの値で決まる。
従って、後述する適応ディジタルビーム形成装置に適し
た広帯域マルチビームを形成するために本方法を用いる
場合は、各シングルビームDBF回路においてタップ長
qを揃えることにより、広帯域のマルチビームを形成す
ることができる。
【0067】<第2の実施形態>図6は本発明に係る第
2の実施形態の適応ディジタルビーム形成装置のブロッ
ク図である。以下、図6を参照して第2の実施形態の適
応ディジタルビーム形成装置について説明する。図6の
第2の実施形態の適応ディジタルビーム形成装置は、図
10の第2の従来例の適応ディジタルビーム形成装置に
おいて、信号変換器20に代えて、第1のマルチビーム
形成器7aと信号選択器8とを備えたことを特徴とす
る。
【0068】以下、図6を参照して第2の実施形態の適
応ディジタルビーム形成装置について詳細に説明する。
ここで、図6の第2の実施形態において、図1の第1の
実施形態及び図10の第2の従来例と同様のものには同
様の符号を付して示している。第2の実施形態の適応デ
ィジタルビーム形成装置において、N個のアンテナ素子
1−kで受信された高周波信号はそれぞれ、第1の実施
形態の適応ディジタルビーム形成装置と同様に、受信機
2−kで中間周波信号に変換され、A/D変換器3−k
でそれぞれディジタル中間周波信号に変換される。そし
てこれらのディジタル中間周波信号は、ディジタル局部
発振器60で発振した周波数fIF のディジタル正弦波
とミキサー4−kでそれぞれ混合され、低域通過ディジ
タルフィルタ5−kにより高周波成分がカットされて、
低域通過ディジタルフィルタ5−kから複素数であるデ
ィジタル同相・直交信号x1(m)x2(m)、…、x
N(m)が出力されて、当該信号は第1のマルチビーム
形成器7aに入力される。
【0069】第1のマルチビーム形成器7aは、FIR
型ディジタルフィルタ7−1−1乃至7−B−Nと加算
器10−1乃至10−Bとを備えた、一種の空間フィル
タバンクである。ここで、ディジタル同相・直交信号x
1(m)は、FIR型ディジタルフィルタ7−1−1,
7−2−1,7−3−1,…,7−B−1に入力され、
ディジタル同相・直交信号x2(m)は、FIR型ディ
ジタルフィルタ7−1−2,7−2−2,7−3−2,
…,7−B−2に入力され、以下同様にディジタル同相
・直交信号xk(m)(k=3,4,…,N)は、FI
R型ディジタルフィルタ7−1−k,7−2−k,7−
3−k,…,7−B−kに入力される。
【0070】さらに詳細に説明すると、FIR型ディジ
タルフィルタ7−1−k(k=1,2,…,N)はそれ
ぞれ、入力されるディジタル同相・直交信号xk(m)
を所定の係数に基づいてディジタル的にろ波して加算器
10−1に出力する。そして、加算器10−1はろ波後
の各ディジタル同相・直交信号xk(m)を加算して、
加算後の信号y1(m)を信号選択器8に出力する。こ
こで、FIR型ディジタルフィルタ7−1−kの各フィ
ルタ係数である荷重係数は、第1の実施形態のFIR型
ディジタルフィルタ係数演算器13と同様の方法を用い
て、所定の方向に広帯域のビームを形成して当該ビーム
の方向から入射される広帯域の信号に対応する信号y1
(m)に出力するように設定する。しかしながら、本発
明では、FIR型ディジタルフィルタ7−1−kの各荷
重係数は、他の方法を用いて、所定の方向に広帯域のビ
ームを形成して当該ビームの方向から入射される広帯域
の信号に対応する信号y1(m)に出力するように設定
してもよい。
【0071】また、FIR型ディジタルフィルタ7−2
−kはそれぞれ、入力されるディジタル同相・直交信号
k(m)を所定の係数に基づいてディジタル的にろ波
して加算器10−2に出力する。そして、加算器10−
2はろ波後の各ディジタル同相・直交信号xk(m)を
加算して、加算後の信号y2(m)を信号選択器8に出
力する。ここで、FIR型ディジタルフィルタ7−2−
kの各係数は、所定の方向に広帯域のビームを形成して
当該ビームの方向から入射される広帯域の信号に対応す
る信号y2(m)を出力するように設定される。以下同
様にして、FIR型ディジタルフィルタ7−b−kはそ
れぞれ、ろ波後のディジタル同相・直交信号xk(m)
を出力し、加算器10−b(b=3,4,…,B)はそ
れぞれ、所定のビームに対応した信号yb(m)を信号
選択器8に出力する。ここで、第1のマルチビーム形成
器7aによって形成される上述の各ビームの位相特性を
揃え、かつ、無ひずみ伝送を実現するためには、FIR
型ディジタルフィルタ7−1−1乃至7−B−Nは周波
数に関して同一の線形位相特性である必要がある。この
ような特性を有するFIR型ディジタルフィルタとして
は、直接形構成、縦続形構成、ラティス形構成などが考
えられ、第2の実施形態ではいずれの構成でもよい。
【0072】信号選択器8は、第1のマルチビーム形成
器7aから出力される複数B個の信号y1(m),y
2(m),…,yB(m)からM個の信号を選択して、選
択した信号yn1(m),yn2(m),…,yn
M(m)をそれぞれ、乗算器12−1乃至12−Mに出
力する。ここで、信号選択器8における選択の方法は、
第2の実施形態では、電力の大きい順にM個の信号を選
択するように構成した。しかしながら本発明はこれに限
らず、所定のしきい値以上の電力を有する信号を選択す
る等、他の方法を用いてもよい。また、選択する信号の
数Mは、ビーム数B以下の整数であって、アンテナ素子
数Nや想定する干渉波の数に応じて決定されるが、好ま
しくは、アンテナ素子数Nの半分から1/4程度に設定
される。
【0073】乗算器12−1乃至12−Mの各荷重係数
wB1(m)、wB2(m)、…、wBM(m)は、適応
ディジタルビーム形成装置の出力において、所望信号を
抽出して干渉信号を抑圧するように、第1の係数制御器
11aで適応的に制御する。制御すべき荷重係数の数は
M個である。これらの各荷重係数wB1(m)、wB
2(m)、…、wBM(m)は一般に複素数である。乗算
器12−1乃至12−Mの出力信号を加算器10で加算
して、干渉信号が抑圧された、所望の到来信号である出
力信号z(m)を出力する。
【0074】ここで、第2の実施形態の適応ディジタル
ビーム形成装置において、第1の係数制御器11aは、
以下に説明する処理を実行して、出力信号z(m)の包
絡線を一定に保つような荷重係数wB1(m)、wB
2(m)、…、wBM(m)を演算する。このように、出
力信号z(m)の包絡線を一定に保つように荷重係数w
1(m)、wB2(m)、…、wBM(m)を演算する
処理はCMA処理と呼ばれ、当該CMA処理は、例え
ば、FM信号、FSK信号、PSK信号などに対して有
効であり、参照信号を必要としないという利点がある。
【0075】まず、荷重係数wB1(m)、wB
2(m)、…、wBM(m)を演算するための評価関数J
を数17のように定義し、時刻mにおける信号ベクトル
Y(m)と荷重係数wB1(m)、wB2(m)、…、w
M(m)からなるベクトルW(m)をそれぞれ数1
8、数19のように定義する。
【0076】
【数17】J=(1/4)E[│z(m)│2−σ2]
【数18】 Y(m)=[yn1(m),yn2(m),…,ynM(m)]T
【数19】 W(m)=[wB1(m),wB2(m),…,wBM(m)]T
【0077】ここで、数17において、E[・]は期待値
であり、σは所望の包絡線の値である。また、数18と
数19において、[・]Tは転置行列を表す。数17の評
価関数Jを最小にするベクトルを解析的に求めることは
できない。そこで、勾配法を用いて係数ベクトルW
(m)を逐次的に更新していく。この場合の係数ベクト
ルW(m)の更新式は次の数20で表すことができる。
また、出力信号z(m)は数21で表される。
【0078】
【数20】W(m+1)=W(m)−μ[{│z(m)│2
σ2}z(m)Y*(m)]
【数21】z(m)=WT(m)Y(m)
【0079】数20で、μは適当な正の定数であり、μ
は係数ベクトルW(m)が収束するように設定する。ま
た、*は複素共役を表す。係数ベクトルW(m)の初期
値W(0)は、信号選択器8の出力信号のうち、電力が最
大の信号が入力される乗算器12の荷重係数を0以外の
適当な値に設定し、その他の係数を0とする。
【0080】このように数20に従って、乗算器12−
1乃至12−Mの荷重係数を更新すれば、所望の受信信
号の包絡線が一定であるFM信号、FSK信号、PSK
信号などの場合、干渉信号は抑圧され、所望信号が抽出
される。このとき、所望信号の入射方向には広帯域のビ
ームを形成し、干渉信号の入射方向には広帯域のヌルを
形成していることになる。この方法では信号の種類は限
られるが、信号の入射方向に関する事前知識を必要とせ
ず、拘束条件付き係数演算方法より実用的であるので、
第2の実施形態では数20に従って荷重係数を更新する
ように構成している。
【0081】次に、第2の実施形態の適応ディジタルビ
ーム形成装置の動作を確認するために行ったシミュレー
ションの結果について説明する。図7は、当該シミュレ
ーションの結果であるアレーアンテナ100の放射パタ
ーンを示すグラフである。図7のグラフは、ビームの放
射方向を示す角度に対する相対電力で示している。ここ
で、ビームの放射方向を示す角度は、アンテナ素子1−
1乃至1−Nが並置されたラインの垂線に対する角度で
表し、縦軸の相対電力は主ビームの電力を基準として規
格化して示している。また、図7のグラフには、周波数
fを搬送波周波数fcに設定した場合と、周波数f=
0.95fcに設定した場合と、周波数f=1.05fc
に設定した場合の、3つの場合についてシミュレーショ
ンをして、それぞれの場合について示している。
【0082】図7のグラフから明らかなように、上述の
周波数f=fcの場合、周波数f=0.95fcの場合及
び周波数f=1.05fcの場合のいずれの場合におい
ても、所望信号の到来方向である40度の方向に主ビー
ムを形成することができ、干渉信号の到来方向の60度
の方向にヌルを形成することができる。すなわち、所望
信号の入射方向に、搬送波周波数fcに対して10%の
帯域を有する比較的広帯域のビームを形成することがで
き、干渉信号の入射方向には搬送波周波数fcに対して
10%の帯域を有する比較的広帯域のヌルを形成するこ
とができることを示している。すなわち、第2の実施形
態の適応ディジタルビームフォーミング装置によれば、
比較的広帯域の所望の信号を抽出することができ、比較
的広帯域の干渉信号を抑圧することができることを示し
ている。
【0083】以上のように構成したビームスペース形構
成の第2の実施形態の適応ディジタルビーム形成装置
は、マルチビーム形成処理の演算が必要になるが、図9
に示した第1の従来例のエレメントスペース形構成の広
帯域用の適応ビーム形成装置に比べて制御すべき荷重係
数の数は極めて少なくできる。これによって、荷重係数
の制御に要する演算量やハードウェアの量が非常に少な
くできるので有利である。
【0084】また、以上の第2の実施形態の適応ディジ
タルビーム形成装置は、信号の入射方向に関する事前知
識を全く必要としないで広帯域のビームを形成すること
ができ、かつマルチビーム処理そのものを線形なものに
できる。すなわち、第2の従来例の適応ディジタルビー
ム形成装置に比較して上述の点で優れている。
【0085】<第3の実施形態>図8は本発明に係る第
3の実施形態の適応ディジタルビーム形成装置のブロッ
ク図である。以下、図8を参照して第3の実施形態の適
応ディジタルビーム形成装置について説明する。
【0086】図8の第3の実施形態の適応ディジタルビ
ーム形成装置は、図6の第2の実施形態の適応ディジタ
ルビーム形成装置において、第1のマルチビーム形成器
7aに代えて、第3のマルチビーム形成器7cを備えた
ことを特徴する。ここで、第3のマルチビーム形成器7
cは、第2のマルチビーム形成器7bと複数(B×2)
個のFIR型ディジタルフィルタ7c−1−1乃至7c
−B−2と加算器10−1乃至10−Bとからなる。図
8の第3の実施形態において、図6の第2の実施形態と
同様のものには同様の符号を付して示している。
【0087】第3の実施形態の適応ディジタルビーム形
成装置において、N個のアンテナ素子1−kで受信され
た高周波信号はそれぞれ、第1及び第2の実施形態の適
応ディジタルビーム形成装置と同様に、受信機2−kで
中間周波信号に変換され、A/D変換器3−kでそれぞ
れディジタル中間周波信号に変換される。そして、これ
らのディジタル中間周波信号は、ディジタル局部発振器
60で発振した周波数fIF のディジタル正弦波とミキ
サー4−kでそれぞれ混合され、低域通過ディジタルフ
ィルタ5−kにより高周波成分がカットされて、低域通
過ディジタルフィルタ5−kから複素数であるディジタ
ル同相・直交信号x1(m)x2(m)、…、xN(m)が出
力されて、当該信号は第3のマルチビーム形成器7cに
入力される。
【0088】図8の適応ディジタルビーム形成装置の第
3のマルチビーム形成器7cについて、図11を参照し
て詳細に説明する。当該第3のマルチビーム形成器7c
において、第2のマルチビーム形成器7bは、図11に
示すように、複数(B×N)個の荷重係数器71−1−
1乃至71−B−Nと複数B個の加算器72−1乃至7
2−Bとからなる。そして、第2のマルチビーム形成器
7bにおいて、ディジタル同相・直交信号x1(m)は
荷重係数器71−1−1乃至71−B−1に入力され、
ディジタル同相・直交信号x2(m)は荷重係数器71
−1−2乃至71−B−2に入力される。同様に、ディ
ジタル同相・直交信号xk(m)(k=3,4,…,
N)は荷重係数器71−1−k乃至71−B−kに入力
される。図11に示すように、荷重係数器71−1−k
(k=1,2,…,N)は、入力されるディジタル同相
・直交信号xk(m)と荷重係数α1kとを乗算して、乗
算結果xk(m)・α1kを加算器72−1に出力する。
加算器72−1は、各荷重係数器71−1−kから入力
される複数N個の乗算結果xk(m)・α1kを加算し
て、加算結果である信号y1(m)をFIR型ディジタ
ルフィルタ7c−1−1とFIR型ディジタルフィルタ
7c−B−2とに出力する。ここで、各荷重係数器71
−1−kにおける各荷重係数α1kは、所定の方向にビー
ムを形成して当該ビームに対応する信号y1(m)が加
算器72−1から出力されるように、予め所定の値に設
定されている。
【0089】また、荷重係数器71−2−kは、入力さ
れるディジタル同相・直交信号xk(m)と荷重係数α
2kとを乗算して、乗算結果xk(m)・α2kを加算器7
2−2に出力する。加算器72−2は、各荷重係数器7
1−2−kから入力される複数N個の乗算結果x
k(m)・α2kを加算して、加算結果である信号y
2(m)をFIR型ディジタルフィルタ7c−1−2と
FIR型ディジタルフィルタ7c−2−1に出力する。
ここで、各荷重係数器71−2−kにおける荷重係数α
2kは、所定の方向にビームを形成して当該ビームに対応
する信号y2(m)が加算器72−1から出力されるよ
うに、予め所定の値に設定されている。
【0090】また、荷重係数器71−b−k(b=3,
4,…,B)は、同様に、入力されるディジタル同相・
直交信号xk(m)と荷重係数αbkとを乗算して、乗算
結果xk(m)・αbkを加算器72−bに出力する。加
算器72−bは、各荷重係数器71−b−kから入力さ
れる複数N個の乗算結果xk(m)・αbkを加算して、
加算結果である信号yb(m)をFIR型ディジタルフ
ィルタ7c−(b−1)−2とFIR型ディジタルフィ
ルタ7c−b−1とに出力する。ここで、各荷重係数器
71−b−kにおける各荷重係数αbkは、所定の方向に
各ビームを形成して当該ビームに対応する信号y
b(m)が各加算器72−bから出力されるように、予
め所定の値に設定されている。上述のように構成された
第2のマルチビーム形成器7bは、予め設定された複数
B個の異なる方向にそれぞれビームを形成して、当該ビ
ームに対応する複数B個の信号yb(m)(b=1,
2,…,B)を出力する。
【0091】ここで、第2のマルチビーム形成器7bか
ら出力される複数B個の信号y1(m)、y2(m)、
…、yB(m)は、荷重係数αbkを用いて次の数22で
表すことができる。この数22は、高速フーリエ変換
(FFT)を用いて第2のマルチビーム形成器7bを構
成した場合においても成り立つ。ただし、この場合はア
ンテナ素子数N=ビーム数Bに設定される。
【0092】
【数22】
【0093】さらに、第2のマルチビーム形成器7bを
用いてビームを形成をしたときの当該ビームの放射電力
強度Hb(f,θ)は、次の数23で表すことができる。
【0094】
【数23】
【0095】ここで、数23において、bはビーム番号
であり、dは隣接するアンテナ素子1−kの素子間隔で
あり、等間隔のリニアアレーを想定している。また、f
cは搬送波周波数であり、λcは搬送波の波長である。ま
た、θは所望信号の入射角であり、アンテナ素子1−k
が並置されたラインの垂線と所望信号の入射する方向と
の角度で定義される。ここで、第2のマルチビーム形成
器7bを高速フーリエ変換(FFT)を用いて構成した
場合について考えると、荷重係数αbkは次の数24で表
すことができる。
【0096】
【数24】αbk=(1/B)・exp{j2π(b−1)(k−1)/
B},k=1,2,3,…,N
【0097】数24におけるb=1は入射角θ=0°の
ビームに対応する。数23の入射角θに0°を代入する
と、数23で表される放射電力強度H1(f,θ)は周波数
fに依存しない定数になる。従って、入射角θ=0°で
入射された広帯域信号はそのまま受信される。しかし、
b=1以外のビームの放射電力強度Hb(f,θ)は周波数
fに依存し、搬送波周波数fcから離れた周波数を有す
る信号の受信電力は減衰する。すなわち、入射角θ=0
°でない方向から入射される信号に対して、第2のマル
チビーム形成器7bは、一種の帯域通過フィルタとして
動作をするので、当該帯域通過フィルタの通過帯域に比
べて広い周波数範囲を有する広帯域信号のうち、搬送波
周波数fcから離れた周波数を有する通過帯域外の信号
を減衰させて、狭帯域信号として出力する。ここで、当
該帯域通過フィルタの通過帯域は、入射角θに対応して
決定される。このように、荷重係数αbkを周波数に依存
しない値として予め設定された荷重係数器71−b−k
を用いて構成された第2のマルチビーム形成器7bは、
入射角θ=0°ではない方向から入射される信号に対し
て一種の帯域通過フィルタとして動作をするので、所望
の信号が広帯域である第3の実施形態では、それぞれ当
該所望信号に比べて狭帯域の複数B個のビーム受信信号
である信号y1(m)、y2(m)、…、yN(m)を出
力する。
【0098】また、図8の第3のマルチビーム形成器7
cにおいて、形成すべき複数B個の広帯域のビームの各
ビームに対応して、それぞれ1対のFIR型ディジタル
フィルタと1つの加算器が設けられる。すなわち、形成
すべき第1番目の広帯域のビームに対応して、FIR型
ディジタルフィルタ7c−1−1,7c−1−2と加算
器10−1とが設けられる。そして、FIR型ディジタ
ルフィルタ7c−1−1は、入力される狭帯域のビーム
受信信号である信号y1(m)を予め設定されたフィル
タ係数である荷重係数で、ディジタル的にろ波して加算
器10−1に出力し、FIR型ディジタルフィルタ7c
−1−2は、入力される狭帯域のビーム受信信号である
信号y2(m)を、予め設定されたフィルタ係数である
荷重係数でディジタル的にろ波して加算器10−1に出
力する。加算器10−1は入力される2つのろ波後の信
号y1(m),y2(m)を加算して、加算後の信号v1
(m)を信号選択器8に出力する。ここで、FIR型デ
ィジタルフィルタ7c−1−1,7c−1−2の各荷重
係数は、所定の方向に第1番目の広帯域のビームを形成
して、当該ビームに対応する広帯域の受信信号である信
号v1(m)を加算器10−1から出力するように設定
される。
【0099】また、形成すべき第2番目の広帯域のビー
ムに対応して、FIR型ディジタルフィルタ7c−2−
1,7c−2−2と加算器10−2が設けられる。そし
て、FIR型ディジタルフィルタ7c−2−1は、入力
される狭帯域のビーム受信信号である信号y2(m)を
予め設定されたフィルタ係数である荷重係数で、ディジ
タル的にろ波して加算器10−2に出力し、FIR型デ
ィジタルフィルタ7c−2−2は、入力される狭帯域の
ビーム受信信号である信号y3(m)を、予め設定され
たフィルタ係数である荷重係数でディジタル的にろ波し
て加算器10−2に出力する。加算器10−2は入力さ
れる2つのろ波後の信号y2(m),y3(m)を加算し
て、加算後の信号v2(m)を信号選択器8に出力す
る。ここで、FIR型ディジタルフィルタ7c−2−
1,7c−2−2の各荷重係数は、所定の方向に第2番
目の広帯域のビームを形成して、当該ビームに対応する
広帯域の受信信号である信号v2(m)を加算器10−
2から出力するように設定される。
【0100】同様に、形成すべき第b番目(b=3,
4,…,B−1)の広帯域のビームに対応して、FIR
型ディジタルフィルタ7c−b−1,7c−b−2と加
算器10−bとが設けられる。そして、FIR型ディジ
タルフィルタ7c−b−1は、入力される狭帯域のビー
ム受信信号である信号yb(m)を、予め設定されたフ
ィルタ係数である荷重係数でディジタル的にろ波して加
算器10−bに出力し、FIR型ディジタルフィルタ7
c−b−2は、入力される狭帯域のビーム受信信号であ
る信号yb+1(m)を、予め設定されたフィルタ係数で
ある荷重係数でディジタル的にろ波して加算器10−b
に出力する。加算器10−bは入力される2つのろ波後
の信号yb(m),yb+1(m)を加算して、加算後の信
号vb(m)を信号選択器8に出力する。ここで、FI
R型ディジタルフィルタ7c−b−1,7c−b−2の
各荷重係数は、所定の方向に第b番目の広帯域のビーム
を形成して、当該ビームに対応する広帯域の受信信号で
ある信号vb(m)を加算器10−bから出力するよう
に設定される。
【0101】また、形成すべき第B番目の広帯域のビー
ムに対応して、FIR型ディジタルフィルタ7c−B−
1,7c−B−2と加算器10−Bとが設けられる。そ
して、FIR型ディジタルフィルタ7c−B−1は、入
力される狭帯域のビーム受信信号である信号yB(m)
を、予め設定されたフィルタ係数である荷重係数でディ
ジタル的にろ波して加算器10−Bに出力し、FIR型
ディジタルフィルタ7c−B−2は、入力される狭帯域
のビーム受信信号である信号y1(m)を、予め設定さ
れたフィルタ係数である荷重係数でディジタル的にろ波
して加算器10−Bに出力する。加算器10−Bは入力
される2つのろ波後の信号yB(m),y1(m)を加算
して、加算後の信号vB(m)を信号選択器8に出力す
る。ここで、FIR型ディジタルフィルタ7c−B−
1,7c−B−2の各荷重係数は、所定の方向に第B番
目の広帯域のビームを形成して、当該ビームに対応する
広帯域の受信信号である信号vB(m)を加算器10−
Bから出力するように設定される。
【0102】すなわち、図8の第3のマルチビーム形成
器7cにおいて、第2のマルチビーム形成器7bは上述
したように、広帯域の所望信号の周波数帯域をカバーし
きれない。そこで、第2のマルチビーム形成器7bの後
ろに、形成すべき広帯域のビームに対応して所定の荷重
係数値を有する1対のFIR形ディジタルフィルタと加
算器とを接続することによって、広帯域マルチビームを
形成している。図8では、第2のマルチビーム形成器7
bで形成されるビームのうち、隣り合う2つのビームを
選んで所定の方向に広帯域のビームを形成するように構
成している。しかしながら、本発明は隣り合う2つのビ
ームでなくてもよい。また、選択数は2つに限定され
ず、第2のマルチビーム形成器7bから出力される信号
k(m)のうちの2以上の信号を選択して広帯域のビ
ームを形成するようにしてもよい。
【0103】ここで、FIR型ディジタルフィルタ7c
−b−1,7c−b−2の各フィルタ係数である荷重係
数は、第1の実施形態のFIR型ディジタルフィルタ係
数演算器13と同様の方法を用いて、所定の方向にビー
ムを形成して当該ビームの方向から入射される広帯域の
信号に対応する信号vb(m)を出力するように設定し
てもよいし、他の方法を用いてもよい。FIR型ディジ
タルフィルタ7c−b−1,7c−b−2は、直接形構
成、縦続形構成、ラティス形構成などが考えられるが、
第3の実施形態ではいずれの構成でもよい。
【0104】信号選択器8は、第2の実施形態と同様
に、第3のマルチビーム形成器7cから出力されるB個
の信号v1(m),v2(m),…,vB(m)からM個
の信号を選択して、選択した信号yn1(m),yn
2(m),…,ynM(m)をそれぞれ、乗算器12−1
乃至12−Mに出力する。
【0105】乗算器12−1乃至12−Mは、第2の実
施形態と同様に、それぞれ入力される各信号yn
1(m),yn2(m),…,ynM(m)と各荷重係数
wB1(m)、wB2(m)、…、wBM(m)とを乗算
して出力し、加算器10は乗算器12−1乃至12−M
の出力信号を加算して、干渉信号が抑圧された、所望の
到来信号である出力信号z(m)を出力する。
【0106】以上のように構成された第3の実施形態の
適応ディジタルビーム形成装置は、第2の実施形態の適
応ディジタルビーム形成装置と同様の効果を有するとと
もに、第2の実施形態の適応ディジタルビーム形成装置
に比較して、広帯域マルチビーム形成における演算量を
さらに少なくできる。
【0107】<第4の実施形態>次に、第4の実施形態
の適応ディジタルビーム形成装置について説明する。こ
の第4の実施形態の適応ディジタルビーム形成装置は、
図1の第1の実施形態の適応ディジタルビーム形成装置
と同様に構成されるが、荷重係数wk,sの計算方法が異
なる。すなわち、上述の第1の実施形態の適応ディジタ
ルビーム形成装置においては、1次元線形位相FIR型
狭帯域低域通過ディジタルフィルタの通過領域を、2次
元周波数平面上で回転させた後平行移動する変数変換を
施すことによって、2次元ディジタルフィルタであるD
BF回路6の振幅特性を所望の特性に近似させて荷重係
数wk,sを計算したが、第4の実施形態の適応ディジタ
ルビーム形成装置においては、1次元零位相FIR形低
域通過ディジタルフィルタ(以下、1次元原形フィルタ
という。)の周波数応答を、ディジタルビーム形成装置
によって所定の方向に形成するビーム方向上の周波数が
2次元周波数平面上においてビーム形成方向に応じた所
定の直線上に変換されるように、変数変換を施すことに
よって、DBF回路6の振幅特性を所望の特性に近似さ
せて荷重係数wk,sを計算している。以上の点を除いて
は第1の実施形態と同様に構成される。以下、第4の実
施形態の荷重係数計算方法について詳細に説明する。
【0108】ここではまず、1次元零位相FIR形低域
通過ディジタルフィルタに施す変数変換について説明し
た後、DBF回路6の荷重係数wk,sの計算方法につい
て説明する。
【0109】第4の実施形態における変数変換は、第1
の実施形態の数8でF2=Fとおいた周波数応答の式に
現れるcos(2πF)を、適切な4つの関数cos(2πF1),s
in(2πF1),cos(2πF2),sin(2πF2)で表される関数
S(F1,F2)に置き替えることによって行う。ここで、
関数S(F1,F2)は次の数25に示す振幅特性DT(F1,
2)を近似する関数であって、詳細は後述する。
【0110】
【数25】DT(F1,F2)=cos[2πF2/{(fs/fc)F1
1}−2πF2shift
【0111】ここで、数25におけるF2shiftは、第1
の実施形態の数13と同一の式で表されるシフト量で、
ビームを形成すべき方向に対応する入射角θによって定
まる。また、数8におけるp(m)は第4の実施形態で
は1次元原形フィルタのインパルス応答である。この数
25の振幅特性DT(F1,F2)は、数6と数13とを用い
て導くことができ、1次元原形フィルタの任意の1次元
周波数F(実際には一部の周波数を除く。)を、次の数
26で表される2次元周波数平面上の直線に写像する。
【0112】
【数26】F=F2/{(fs/fc)F1+1}−F2shift
【0113】例えば、1次元原形フィルタの1次元周波
数F=0は2次元周波数平面上の直線F2=F2shift{(f
s/fc)F1+1}に写像される。従って、第1の実施形態で
用いた1次元FIR型狭帯域低域通過ディジタルフィル
タに対してこの写像を施せば、通過域は2次元周波数平
面上の直線F2=F2shift{(fs/fc)F1+1}近傍に現れる
ことになる。言い換えると、入射角θの方向にビームを
形成するためには、2次元周波数平面上では通過域がF
2=(dfc sinθ/c){(fs/fc)F1+1}近傍に現れるから、
シフト量F2shiftを数13に従って決定し、1次元FI
R型狭帯域低域通過ディジタルフィルタに対して、第1
の実施形態で用いた変数変換方法に代えて、数25ある
いは数26の写像を行えばよいことになる。図12に数
26を用いて写像したときの例を示す。この例では、ア
ンテナ素子の間隔d=0.45λcとし、ビーム形成方
向θ=40°を想定し、1次元周波数Fを+0.5から
−0.5の間で、0.1の間隔で分割して、各1次元周
波数Fに対して示している。
【0114】上述の写像が理想的に行われれば、このよ
うな変数変換によって得られる2次元ディジタルフィル
タの振幅特性の各等振幅線は第1の実施形態における数
6の直線に沿うことになる。一方、数6で表される直線
は、周波数−角度平面上では、角度θにおける周波数軸
に平行な直線に対応する。従って、2次元周波数平面上
での2次元ディジタルフィルタの振幅特性の等振幅線が
数6に沿うということは、対応する周波数−角度平面上
では等振幅線は周波数軸に平行になる。これはDBF回
路6の指向特性が周波数に依存しないということであ
る。つまり、このような変数変換によって得られる2次
元ディジタルフィルタとしてのDBF回路6の指向特性
は、入射角θのみに依存し、周波数に依存しない。言い
換えると、第4の実施形態では、2次元ディジタルフィ
ルタとしてのDBF回路6の指向特性が周波数に依存し
ないように、1次元FIR型狭帯域低域通過ディジタル
フィルタに対して変数変換を施している。
【0115】次に、数25の振幅特性DT(F1,F2
を近似する関数S(F1,F2)を求める方法について説
明する。この近似は、数25で表される周波数特性に対
するインパルス応答を2次元窓関数で打ち切るという窓
関数法(従来技術文献5「西川他,“フーリエ変換法に
よるファンフィルタの設計”,電子情報通信学会第6回
ディジタル信号処理シンポジウム講演論文集,講演番号
B3−2,pp.287−292,1991年」ではフ
ーリエ級数法と呼ばれている。)を用いる。具体的手順
は、以下の手順SS1乃至手順SS4に示す。
【0116】(手順SS1)正規化時間周波数F1と正
規化空間周波数F2とを、−0.5≦F1<0.5,−
0.5≦F2<0.5の範囲において適当な間隔でサン
プリングし、サンプリングした各正規化時間周波数F1
及び各正規化空間周波数F2に対する振幅特性D
T(F1,F2)の各周波数応答値を計算する。高速フー
リエ変換を後で用いる場合は、サンプリングする点数J
(偶数)は、好ましくは、例えば128点等の2のべき
乗で表すことができる値に設定する。 (手順SS2)手順SS1で求めた振幅特性DT(F1
2)の各周波数応答値を2次元逆離散(高速)フーリ
エ変換して振幅特性DT(F1,F2)の周波数応答値に
対するインパルス応答(複素数)を求める。当該インパ
ルス応答を理想インパルス応答と呼び、hTI(m1,
2)で表す。ここで、(m1,m2)=(0,0)が理想
インパルス応答hTI(m1,m2)の中心となるようにす
る。引数m1及びm2はそれぞれ、−J/2,(−J/
2)+1,...,−1,0,1,...,(J/2)−1で
ある。 (手順SS3)理想インパルス応答hTI(m1,m2)を
2次元窓関数w2D(m1,m2)で打ち切る。つまり、理
想インパルス応答hTI(m1,m2)と2次元窓関数w2D
(m1,m2)の積をとる。ここで、2次元窓関数w
2D(m1,m2)は例えば次の数27で表される。
【0117】
【数27】w2D(m1,m2)=w1D(m1)w1D(m2
【0118】数27において、w1D(mi)は、奇数で
ある打ち切り項数Laに対して、引数miが、次の数28
を満足するときには、窓関数の中心がmi=0(i=
1,2)である例えばハミング窓関数等の方形窓以外の
適当な窓関数で表され、数28を満足しない場合には、
関数値が0である窓関数である。
【0119】
【数28】−(La−1)/2≦mi≦(La−1)/2
【0120】ここで、打ち切り項数Laは、第1の実施
形態の数10、数11の打ち切り項数Lとは異なる。こ
の操作で得られるインパルス応答hT’(m1,m2)は、次
の数29で表される。
【0121】
【数29】 h’T(m1,m2)=hTI(m1,m2)w2D(m1,m2) ここで、−(La−1)/2≦mi≦(La−1)/2,i
=1,2
【0122】(手順SS4)スケーリングを行う。これ
は、DBF回路6の特性を劣化させないように、手順S
S3で求めたインパルス応答hT’(m1,m2)の周波数応
答値の最大値及び最小値をそれぞれ1,−1にする操作
である。そのため、(手順SS3)で求めたインパルス
応答hT’(m1,m2)の周波数応答値を計算し、その最大
値hTmaxと最小値hTminとを求める。そして次の数
30で表されるスケーリング定数c1,c2を計算し、こ
れらのスケーリング定数c1,c2を用いて、次の数31
又は数32で表されるスケーリング後の2次元インパル
ス応答hT(m1,m2)を求める。この2次元インパルス
応答hT(m1,m2)には、hT(m1,m2)=hT*(−
1,−m2)の関係があり、従ってその周波数応答S
(F1,F2)は実数で、cos(2πF1),sin
(2πF1),cos(2πF2),sin(2πF2
の関数になる。ここで、hT*(−m1,−m2)の*
は、共役複素数であることを表す。
【0123】
【数30】c1=2/(h’Tmax−h’Tmin),c2=c1
h’Tmax−1
【数31】(m1,m2)≠(0,0)のとき、hT(m1,
2)=c1h’T(m1,m2)
【数32】(m1,m2)=(0,0)のとき、hT(m1,
2)=c1h’T(0,0)−c2
【0124】次に、以上の手順で求めた2次元インパル
ス応答hT(m1,m2)を用いて、DBF回路6における荷
重係数を計算する方法について説明する。以下の計算方
法において、2次元インパルス応答hT(m1,m2)の周波
数応答が関数S(F1,F2)となる。DBF回路6におけ
る荷重係数の計算方法は次のステップS1乃至ステップ
S3からなる。
【0125】<ステップS1>まず、インパルス応答長
がMc(奇数)である1次元線形位相FIR形低域通過
ディジタルフィルタの周波数応答P(F)を求める。1
次元線形位相FIR形低域通過ディジタルフィルタの周
波数応答P(F)は数8においてNi=Mc,F2=Fと
おくことにより、次の数32で表される。ここで、第4
の実施形態では、良い特性を得るためにタップ数Mc
値は素子数Nより小さく設定する。
【0126】
【数32】
【0127】<ステップS2>次に、数32における右
辺のcos(2πF)を数34で表される関数S(F1,F2)で
置き替える変数変換を行う。従って、置き替え後の周波
数応答G(F1,F2)は次の数33で表される。ここで、
数33では、零位相部分のみを示している。以下の説明
の数式においても、同様に零位相部分のみを示す。
【0128】
【数33】
【数34】
【0129】<ステップS3>次に、第1の実施形態と
同様にして、数33で表される周波数応答G(F1,F2)
のインパルス応答g(m1,m2)を計算し、当該インパルス
応答g(m1,m2)から荷重係数wn,kを求める。
【0130】
【数35】 wn,k=g(k−(q−1)/2,−n+(N−1)/2+1) ここで、n=1,2,…,N;k=0,1,…,q−1
であり、qはタップ数である。
【0131】以上の方法で得られるDBF回路6の周波
数−角度平面上での振幅特性の等振幅線は、周波数−角
度平面上で、近似的に周波数軸に平行に現れる。従っ
て、1次元原形フィルタの特性を、狭帯域ではなく所望
のビーム幅に応じた帯域幅に設定でき、かつ対応する特
定の周波数範囲の阻止域の減衰量を大きくすることによ
りサイドローブレベルを低くすることができるので、こ
れによって、第4の実施形態のDBF回路6は、詳細後
述するように、広帯域でかつ広角ビームを形成すること
ができ、しかもあらかじめ決めた方向の範囲内において
サイドローブレベルを他の領域のサイドローブレベルよ
り低くすることができる。なお、従来技術文献5の方法
では、あらかじめ決めた方向の範囲内のサイドローブレ
ベルを他の領域のサイドローブレベルより下げることが
できない。
【0132】また、第4の実施形態におけるDBF回路
6の位相特性は線形であり、当該移相特性の傾きはタッ
プ数qの値で決まる。従って、本方法を用いて、広帯域
マルチビームを形成する場合は、各シングルビームDB
F回路でタップ数qの値をそろえればよい。
【0133】次に、あらかじめ決められた方向の範囲に
おけるサイドローブレベルを他の領域のサイドローブレ
ベルより下げるようにDBF回路6の荷重係数を計算す
る方法について説明する。以下の説明において、ビーム
を形成する方向を角度θ0とし、サイドローブレベルを
下げたい方向範囲の角度θをθ1≦θ≦θ2とする。ここ
ではθ0>θ2とする。つまり、サイドローブレベルを下
げたい方向範囲はθ0より小さいものとする。しかしな
がら、本発明はこれに限らず、θ0<θ1に設定してもよ
いし、また、サイドローブレベルを下げたい方向範囲を
複数設けることもできる。
【0134】上述の変数変換を用いることにより、図1
3(a)に示した周波数−角度平面における所望の特性
は、2次元周波数平面上では図13(b)に示すように
表すことができる。すなわち、設計すべき1次元ディジ
タルフィルタは、第1の実施形態における低域通過ディ
ジタルフィルタではなく、一般に複素係数をもつ線形位
相FIR形帯域通過ディジタルフィルタ(以下、1次元
複素係数帯域通過ディジタルフィルタという。)であ
る。当該1次元複素係数帯域通過ディジタルフィルタ
は、次の数36で表される周波数F0を中心とする狭帯
域の通過域を持ち、次の数37で表される周波数範囲F
01≦F≦F02におけるサイドローブレベルが、他の阻止
域のサイドローブレベルより低くなるように設定され
る。これは例えば、従来技術文献6「西原明法他,“R
emez アルゴリズムによる複素ディジタルフィルタの設
計”,電子情報通信学会技術研究報告,CAS88−20,p
p.37−42,1988年6月」に示されている方法などを用い
ることができる。
【0135】
【数36】F0=(dfc/c)sinθ0
【数37】 F0i=(dfc/c)sinθi,ここで、i=1,2
【0136】周波数応答については零位相部分のみを考
える。インパルス応答長がMc(奇数)の1次元零位相
FIR形複素係数ディジタルフィルタの周波数応答P
c(F)は数38のように表すことができる。ここで、イ
ンパルス応答pc(m)は、pc(m)=pc*(-m)の関係がある
(ここで、*は複素共役を表す。)。また、タップ数Mc
はDBF回路6における荷重係数の計算方法のステップ
S1と同様に選定される。
【0137】
【数38】
【0138】ここで、数38におけるUm(cos(2πF))
は第2種のチェビシェフ関数であって、以下の数39、
数40、数41の関係がある。
【0139】
【数39】U0(cos(2πF))=0
【数40】U1(cos(2πF))=sin(2πF)
【数41】Um(cos(2πF))=2cos(2πF)Um-1(cos(2
πF))−Um-2(cos(2πF)) ここで、m=2,3,…である。
【0140】数38が第1の実施形態における数8と大
きく異なるのは、周波数応答Pc(F)にsin(2πF)が
含まれていることである。従って、数38のcos(2πF)
に関数Sc(F1,F2)を代入し、かつ数38のsin(2πF)
に関数Ss(F1,F2)を代入する変数変換を実行する。こ
こで、関数Sc(F1,F2)、関数Ss(F1,F2)はそれぞれ
数42のDTC(F1,F2)と数43のDTS(F1,F2)を近似
する適切な4つの関数cos(2πF1),sin(2πF1),cos
(2πF2),sin(2πF2)で表される関数であって、次の
数42と数43で表される。
【0141】
【数42】Sc(F1,F2)≒DTC(F1,F2)=cos[2πF2
/{(fs/fc)F1+1}]
【数43】Ss(F1,F2)≒DTS(F1,F2)=sin[2πF2
/{(fs/fc)F1+1}]
【0142】ここで、数42、数43における、D
TC(F1,F2)とDTS(F1,F2)はそれぞれ数25におい
て、F2shift=0、F2shift=0.25としたものであ
って、上述の(手順SS1)乃至(手順SS4)の方法
を用いて近似することにより、求めることができる。
【0143】以上のようにして得られる2次元ディジタ
ルフィルタの周波数応答Gc(F1,F2)は次の数44で表
すことができる。この数44の周波数応答Gc(F1,F2)
を用いて、第1の実施形態と同様にして、インパルス応
答を計算し、DBF回路6の荷重係数を求める。
【0144】
【数44】
【0145】このように、数25を用いて変数変換を行
っているので、特定の方向のサイドローブレベルを下げ
ることが従来例の最適化手法を使用することなく可能に
なった。
【0146】また、広角ビーム形成については、ビーム
形成方向の範囲を上述のθ1≦θ≦θ2とし、1次元複素
係数帯域通過ディジタルフィルタの通過域の範囲を数3
7で表される周波数範囲F01≦F≦F02に設定すればよ
い。従って、第4の実施形態では、広角のビームを形成
することができかつ特定の方向のサイドローブレベルを
下げることができる。
【0147】以上の説明において、θ0>θ2、すなわ
ち、サイドローブレベルを下げたい方向範囲はθ0より
小さいものとしたが、θ0<θ2の場合及びサイドローブ
レベルを低くすべき方向を複数設けることも可能であ
る。すなわち、第4の実施形態では、サイドローブレベ
ルを低くすべき方向を少なくとも1つ設定でき、当該方
向は任意の位置に設定することができる。
【0148】以上の第4の実施形態では、数25又は数
26を用いて変数変換をしているので、周波数−角度平
面上における入射角θに対応する直線が、2次元周波数
平面上では数6で表される所定の直線に変換される。従
って、周波数−角度平面上において、2次元ディジタル
フィルタとしてのDBF回路6の等振幅線は周波数軸に
平行になる。従って、このような変数変換によって得ら
れるDBF回路6の指向特性は、入射角θのみに依存
し、周波数に依存しないようにできる。言い換えると、
第4の実施形態では、DBF回路6の指向特性が周波数
に依存しないように、FIR型狭帯域低域通過ディジタ
ルフィルタに対して変数変換を施している。
【0149】以上詳述したように、第4の実施形態で
は、ディジタルビーム形成装置によって所定の方向に形
成するビーム方向上の任意の周波数が2次元周波数平面
上において、数6で表される所定の直線上に変換される
ように、1次元線形位相FIR型ディジタルフィルタの
周波数応答に対して変数変換することにより、所望通過
領域に対応する、正規化時間周波数F1と正規化空間周
波数F2とに関する2次元ディジタルフィルタの周波数
応答を演算し、演算された当該周波数応答を逆フーリエ
変換することにより2次元ディジタルフィルタのインパ
ルス応答を演算し、演算された当該インパルス応答に基
づいて2次元ディジタルフィルタが所望通過領域で振幅
を有するように、各FIR型ディジタルフィルタ9−1
乃至9−Nの荷重係数wk,sを演算している。これによ
って、第4の実施形態の適応ディジタルビーム形成装置
は、広帯域でかつ広角ビームを形成することができ、し
かもあらかじめ決められた方向においてサイドローブレ
ベルを他の領域のサイドローブレベルより低くすること
ができる。
【0150】次に、第4の実施形態におけるシミュレー
ションの結果について説明する。図14は、第4の実施
形態のDBF回路6を用いて広帯域ビームをθ=56°
方向に形成したときのDBF回路6の指向特性を示すグ
ラフである。図14のグラフには、f=0.95fc
f=fc及びf=1.05fcの3つの周波数について、
角度θに対する相対電力を示している。図14から明ら
かなように、上述の3つの周波数における指向特性はほ
ぼ一致している。すなわち、図14のグラフから、第4
の実施形態のDBF回路6は、中心周波数f=fcに対
して±5%の比較的広帯域の周波数に依存しないビーム
を形成することができることがわかる。
【0151】また、図15は、第4の実施形態のDBF
回路6を用いて広帯域ビームをθ=60°の方向に形成
し、−50°≦θ≦−20°の方向範囲におけるサイド
ローブレベルを他の領域のサイドローブレベルより約2
0dB低くしたときの指向特性を示すグラフである。図
15においても、図14と同様に、f=0.95fc
f=fc及びf=1.05fcの3つの周波数について、
角度θに対する相対電力を示している。図15から明ら
かなように、第4の実施形態のDBF回路6を用いるこ
とにより、広帯域ビームをθ=60°の方向に形成する
ことができ、かつ−50°≦θ≦−20°におけるサイ
ドローブレベルを他の領域のサイドローブレベルより約
20dBだけ低く設定することができることがわかる。
【0152】さらに、図16は、第1のマルチビーム形
成器7aを構成する単一ビーム形成器(DBF回路)に
上述の荷重係数計算法を用い、第2の実施形態で説明し
た適応ビーム形成法を用いた場合の干渉波抑圧時の指向
特性を示す。図中、S1は入射角25°の所望波を示
し、I1・I2はそれぞれ入射角35°の干渉波及び入
射角−50°の干渉波を示す。図16においても、図1
4と同様に、f=0.95fc、f=fc及びf=1.0
5fcの3つの周波数について、角度θに対する相対電
力を示している。図16から明らかなように、第4の実
施形態のDBF回路6を用いることにより、広帯域ビー
ムをθ=25°の所望波の方向に形成することができ、
しかも入射角35°の干渉波及び入射角−50°の干渉
波の到来方向にそれぞれヌルを形成できる。ここで、図
14乃至図16のいずれのグラフもサンプリング周波数
fsは、0.2fcに設定した。
【0153】以上の第4の実施形態のDBF回路6で
は、サイドローブレベルのコントロールが可能であり、
かつ、一部分(ある方向範囲)のサイドローブレベルの
みを下げることができる。また、第2の実施形態におけ
る第1のマルチビーム形成器7aを構成する広帯域DB
F回路6として用いることができ、所望波と干渉波の入
射角が離れている場合においても干渉波の方向にヌルを
形成することができる。従って、第4の実施形態のDB
F回路6は、単一ビームの形成にも用いることができる
が、好ましくは第1のマルチビーム形成器7aを構成す
るDBF回路6として使用される。
【0154】<変形例>以上の第1と第2の実施形態で
は、伝搬波信号が電波で、搬送波を用いる情報伝送の場
合について述べたが、本発明はこれに限らず、搬送波を
用いないベースバンド伝送の場合にも適用することがで
きる。この場合、周波数変換操作が不要であるので、受
信機2−kを除いて構成され、ディジタル同相・直交信
号x1(m)、x2(m)、…、xN(m)は実数値をと
ることもある。以上のように構成しても第1と第2の実
施形態と同様の効果を有する。但しこの場合、2次元デ
ィジタルフィルタの通過域の形状を適切に変更する必要
がある。
【0155】以上の第1乃至第4の実施形態では、ディ
ジタル中間周波信号からディジタル同相・直交信号xk
(m)を生成する手段にミキサー4−kと低域通過ディ
ジタルフィルタ5−kとを用いる構成としたが、もちろ
ん他の方法でも良い。例えば、ディジタルヒルベルト変
換器とミキサーを用いて実現できる。また、アナログ信
号処理によりアナログ中間周波信号からアナログ同相・
直交信号を生成して、その後サンプリングとA/D変換
を行ってもよい。以上のように構成しても第1と第2と
第3の実施形態と同様の効果を有する。
【0156】以上の第2と第3の実施形態の適応ディジ
タルビーム形成装置では、出力信号z(m)の包絡線を
一定に保つように荷重係数wk,sを演算するCMA処理
を実行するように構成したが、本発明はこれに限らず、
参照信号が得られれば、例えばLMS処理のような他の
処理を実行するように構成してもよい。以上のように構
成しても第2と第3の実施形態と同様の効果を有する。
【0157】以上の第1乃至第4の実施形態の適応ディ
ジタルビーム形成装置は、アンテナ素子1−1乃至1−
Nが一直線上に配列されたリニアアレーアンテナである
アレーアンテナ100を用いて構成したが、本発明はこ
れに限らず、アンテナ素子が2次元的に配列されたアレ
ーアンテナを用いて構成してもよい。以上のように構成
しても第1乃至第4の実施形態と同様の効果を有する。
【0158】
【発明の効果】本発明に係る請求項1記載のフィルタ係
数演算装置は、上記ディジタルビーム形成装置のサンプ
リング周波数で正規化された正規化時間周波数F1と、
上記素子間隔の逆数で正規化された正規化空間周波数F
2とで形成された2次元周波数平面における所望通過領
域で振幅を有する上記複数のFIR型ディジタルフィル
タのフィルタ係数を演算する上記係数演算手段を備えて
いるので、電波である搬送波を用いる情報伝送に適用す
ることができるディジタルビーム形成装置のためのFI
R型ディジタルフィルタのフィルタ係数を演算すること
ができる。
【0159】また、請求項2記載のディジタルビーム形
成装置のためのFIR型ディジタルフィルタのフィルタ
係数演算装置は、請求項1記載のフィルタ係数演算装置
において、上記係数演算手段は、所定の1次元FIR型
ディジタルフィルタの周波数応答を所定の変数変換する
ことにより、上記所望通過領域に対応しかつ、上記正規
化時間周波数F1と上記正規化空間周波数F2とに関する
周波数応答を演算し、演算された周波数応答を逆フーリ
エ変換することによりインパルス応答を演算し、演算さ
れたインパルス応答に基づいて上記所望通過領域で振幅
を有する上記複数のFIR型ディジタルフィルタのフィ
ルタ係数を演算しているので、ディジタルビーム形成装
置のためのFIR型ディジタルフィルタのフィルタ係数
を高速かつ容易に演算することができる。
【0160】さらに、請求項3記載のディジタルビーム
形成装置のためのFIR型ディジタルフィルタのフィル
タ係数演算装置は、請求項1又は2記載のFIR型ディ
ジタルフィルタのフィルタ係数演算装置において、上記
係数演算手段は、上記2次元周波数平面において、上記
所望通過領域で所定の振幅を有し、かつ上記第2の軸上
で中心を有し所定の幅を有して負の正規化時間周波数か
ら正の正規化時間周波数に延在するサイドローブレベル
を下げるべき領域で所定の減衰量を有する上記複数のF
IR型ディジタルフィルタのフィルタ係数を演算してい
るので、所望波と干渉波の到来方向が想定される場合に
は、所望波の到来方向にビームを形成しかつ干渉波の到
来方向にヌルを形成するディジタルビーム形成装置のた
めのFIR型ディジタルフィルタのフィルタ係数を高速
かつ容易に演算することができる。
【0161】また、請求項4記載のディジタルビーム形
成装置のためのFIR型ディジタルフィルタのフィルタ
係数演算装置は、請求項2記載のFIR型ディジタルフ
ィルタのフィルタ係数演算装置において、上記係数演算
手段は、上記1次元FIR型ディジタルフィルタの通過
領域を上記2次元周波数平面上で回転させて、当該回転
させた通過領域を上記2次元周波数平面上で平行移動さ
せることにより変数変換して、上記所望通過領域に対応
する、上記正規化時間周波数F1と上記正規化空間周波
数F2とに関する周波数応答を演算し、演算された周波
数応答を逆フーリエ変換することによりインパルス応答
を演算し、演算されたインパルス応答に基づいて上記所
望通過領域で振幅を有する上記複数のFIR型ディジタ
ルフィルタのフィルタ係数を演算している。これによっ
て、所望波の到来方向にビームを形成しかつ当該ビーム
の近傍にヌルを形成するディジタルビーム形成装置のた
めのFIR型ディジタルフィルタのフィルタ係数を高速
かつ容易に演算することができる。
【0162】また、請求項5記載のディジタルビーム形
成装置のためのFIR型ディジタルフィルタのフィルタ
係数演算装置は、請求項2又は3記載のFIR型ディジ
タルフィルタのフィルタ係数演算装置において、上記係
数演算手段は、上記ディジタルビーム形成装置によって
形成されるビームパターンが周波数に対して変化しない
ように、上記1次元FIR型ディジタルフィルタの周波
数応答を変数変換することにより、上記所望通過領域に
対応しかつ、上記正規化時間周波数F1と上記正規化空
間周波数F2とに関する周波数応答を演算し、演算され
た周波数応答を逆フーリエ変換することによりインパル
ス応答を演算し、演算されたインパルス応答に基づいて
上記所望通過領域で所定の振幅を有する上記複数のFI
R型ディジタルフィルタのフィルタ係数を演算してい
る。これによって、所望波と干渉波の到来方向が想定さ
れる場合には、所望波の到来方向にビームを形成しかつ
干渉波の到来方向にヌルを形成するディジタルビーム形
成装置のためのFIR型ディジタルフィルタのフィルタ
係数を高速かつ容易に演算することができる。
【0163】本発明に係る請求項6記載のディジタルビ
ーム形成装置のためのFIR型ディジタルフィルタは、
上記フィルタ係数が請求項1乃至5のうちの1つに記載
のフィルタ係数演算装置によって演算されて設定される
ので、電波である搬送波を用いる情報伝送に使用される
ディジタルビーム形成装置に使用することができる。
【0164】本発明に係る請求項7記載のディジタルビ
ーム形成装置は、上記アレーアンテナと、上記変換手段
と、それぞれ複数のフィルタ係数に基づいて上記変換手
段から出力される上記複数のディジタル信号をろ波して
出力する複数のFIR型ディジタルフィルタと上記FI
R型ディジタルフィルタから出力される複数のろ波後の
ディジタル信号を加算して出力する加算器とを含むDB
F回路とを備え、上記複数のFIR型ディジタルフィル
タの複数のフィルタ係数は、請求項1乃至5のうちの1
つに記載のフィルタ係数演算装置によって演算されるの
で、広帯域のビームを所望の方向に形成することがで
き、当該ビームに対応した広帯域の所望の信号である受
信信号を出力することができる。
【0165】本発明に係る請求項8記載のディジタルビ
ーム形成装置は、上記複数のビーム形成手段と、上記信
号選択手段とを備えているので、上記係数制御手段にお
いて演算するべき広帯域のビームを形成するための荷重
係数を、従来例に比較して少なくできる。これによっ
て、上記係数制御手段の構成を簡単にできる。
【0166】また、請求項9記載のディジタルビーム形
成装置は、請求項8記載のディジタルビーム形成装置に
おいて、上記複数(N×B)個のFIR型ディジタルフ
ィルタの複数のフィルタ係数は、請求項1乃至5のうち
の1つに記載のフィルタ係数演算装置によって演算され
ているので、FIR型ディジタルフィルタのフィルタ係
数を高速かつ容易に演算することができる。
【0167】本発明に係る請求項10記載のディジタル
ビーム形成装置は、第1のビームに対応する複数B個の
第1のビーム受信信号を出力するビーム形成手段と、複
数(L×B)個のFIR型ディジタルフィルタと、複数
B個の第2の加算器と、上記信号選択手段とを備えてい
るので、請求項8記載のディジタルビーム形成装置に比
較して、フィルタ係数の演算量をさらに少なくできる。
【0168】また、請求項11記載のディジタルビーム
形成装置は、請求項10記載のディジタルビーム形成装
置において、上記複数(L×B)個のFIR型ディジタ
ルフィルタの複数のフィルタ係数は、請求項1又は2記
載のフィルタ係数演算装置によって演算されているの
で、FIR型ディジタルフィルタのフィルタ係数を高速
で演算することができる。
【0169】さらに、請求項12記載のディジタルビー
ム形成装置は、請求項8、9、10又は11記載のディ
ジタルビーム形成装置において、上記係数制御手段は、
上記ディジタルビーム形成装置から出力される信号の包
絡線を一定に保つように、上記各荷重係数を演算するの
で、送信機から送信される送信信号の包絡線が一定であ
るFM信号、FSK信号、PSK信号などを受信する場
合、所望信号の入射方向に関する事前知識を必要としな
いで、干渉信号を抑圧して所望信号を抽出することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る第1の実施形態のディジタルビ
ーム形成装置の構成を示すブロック図である。
【図2】 図1のディジタルビーム形成装置のFIR型
ディジタルフィルタの構成を示すブロック図である。
【図3】 (a)は、図1のDBF回路6の動作原理を
説明するための、周波数−角度平面において所望方向の
ビームを示すグラフであり、(b)は、(a)の周波数
−角度平面における所望方向のビームを2次元周波数平
面に変換したときの所望通過域を示すグラフである。
【図4】 (a)は、数8で表されるFIRディジタル
フィルタの周波数応答P(F2)を2次元周波数平面に
示したグラフであり、(b)は、(a)で示した周波数
応答P(F2)を2次元周波数平面上で所定の角度だけ
回転させたグラフであり、(c)は、(b)で示した回
転された周波数応答P(F2)を2次元周波数平面上で
平行移動して、図3(b)に示した所望通過域と一致さ
せた時のグラフである。
【図5】 2次元周波数平面上に2次元スペクトルSp
を模式的に示した図である。
【図6】 本発明に係る第2の実施形態の適応ディジタ
ルビーム形成装置のブロック図である。
【図7】 図6の適応ディジタルビーム形成装置によっ
て放射される放射ビームの放射パターンを示すグラフで
ある。
【図8】 本発明に係る第3の実施形態の適応ディジタ
ルビーム形成装置のブロック図である。
【図9】 第1の従来例の適応ディジタルビーム形成装
置の構成を示すブロック図である。
【図10】 第2の従来例の適応ディジタルビーム形成
装置の構成を示すブロック図である。
【図11】 図8の第2のマルチビーム形成器7bの構
成を示すブロック図である。
【図12】 本発明に係る第4の実施形態において、数
6を1次元周波数Fをパラメータとして2次元周波数平
面上に表したときのグラフである。
【図13】 (a)は、第4の実施形態におけるDBF
回路6の動作原理を説明するための、周波数−角度平面
において所望方向のビームとサイドローブレベルを下げ
るべき領域とを示すグラフであり、(b)は、(a)の
周波数−角度平面における所望方向のビームとサイドロ
ーブレベルを下げるべき領域とを2次元周波数平面に変
換したときの所望通過域とサイドローブレベルを下げる
べき領域とを示すグラフである。
【図14】 第4の実施形態において、入射角θ=56
°の方向に広帯域のビームを形成したときの指向特性を
示すグラフである。
【図15】 第4の実施形態において、入射角θ=60
°の方向に広帯域のビームを形成し、入射角θが−50
°乃至−20°の方向のサイドローブレベルを低くした
ときの指向特性を示すグラフである。
【図16】 第4の実施形態において、所望波の入射角
θ=25°とし、干渉波の入射角θを35°及び−50
°として、干渉信号を抑圧するように荷重係数を演算し
たときの指向特性を示すグラフである。
【符号の説明】
1−1乃至1−N…アンテナ素子、 2−1乃至2−N…受信機、 3−1乃至3−N…A/D変換器、 4−1乃至4−N…ミキサー、 5−1乃至5−N…低域通過ディジタルフィルタ、 6…DBF回路、 7a…第1のマルチビーム形成器、 7b…第2のマルチビーム形成器、 7c…第3のマルチビーム形成器、 7−1−1乃至7−B−N,9−1乃至9−N,7c−
1−1乃至7c−B−2…FIR型ディジタルフィル
タ、 8…信号選択器、 10,10−1乃至10−B,93−1乃至93−(q
−1)…加算器、 11a…第1の係数制御器、 11b…第2の係数制御器、 12−1乃至12−M,92−1乃至92−q…乗算
器、 13…FIR型ディジタルフィルタ係数演算器、 60…ディジタル局部発振器、 91−1乃至91−(q−1)…遅延器、 100…アレーアンテナ。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01Q 25/00 H01Q 25/00 H03H 17/02 601 9274−5J H03H 17/02 601C (72)発明者 アブデセラム・クルーシェ・ジェディ 京都府相楽郡精華町大字乾谷小字三平谷5 番地 株式会社エイ・ティ・アール光電波 通信研究所内 (72)発明者 三浦 龍 京都府相楽郡精華町大字乾谷小字三平谷5 番地 株式会社エイ・ティ・アール光電波 通信研究所内 (72)発明者 唐沢 好男 京都府相楽郡精華町大字乾谷小字三平谷5 番地 株式会社エイ・ティ・アール光電波 通信研究所内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のアンテナ素子が1直線上に所定の
    素子間隔で並置されたリニアアレーアンテナを用いて、
    上記複数のアンテナ素子に対応してそれぞれ設けられ、
    所望の入射角の方向でビームを形成するディジタルビー
    ム形成装置のための複数のFIR型ディジタルフィルタ
    のフィルタ係数演算装置であって、 上記ディジタルビーム形成装置のサンプリング周波数で
    正規化された正規化時間周波数F1の第1の軸と、上記
    素子間隔の逆数で正規化された正規化空間周波数F2
    第2の軸とで形成された2次元周波数平面において、第
    2の軸上で中心を有し、所定の幅を有して負の正規化時
    間周波数から正の正規化時間周波数に延在する所望通過
    領域で所定の振幅を有する上記複数のFIR型ディジタ
    ルフィルタのフィルタ係数を演算する係数演算手段を備
    えたことを特徴とするディジタルビーム形成装置のため
    のFIR型ディジタルフィルタのフィルタ係数演算装
    置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のFIR型ディジタルフィ
    ルタのフィルタ係数演算装置において、 上記係数演算手段は、所定の1次元FIR型ディジタル
    フィルタの周波数応答を所定の変数変換することによ
    り、上記所望通過領域に対応しかつ、上記正規化時間周
    波数F1と上記正規化空間周波数F2とに関する周波数応
    答を演算し、演算された周波数応答を逆フーリエ変換す
    ることによりインパルス応答を演算し、演算されたイン
    パルス応答に基づいて上記所望通過領域で振幅を有する
    上記複数のFIR型ディジタルフィルタのフィルタ係数
    を演算することを特徴とするディジタルビーム形成装置
    のためのFIR型ディジタルフィルタのフィルタ係数演
    算装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載のFIR型ディジタ
    ルフィルタのフィルタ係数演算装置において、 上記係数演算手段は、上記2次元周波数平面において、
    上記所望通過領域で所定の振幅を有し、かつ上記第2の
    軸上で中心を有し所定の幅を有して負の正規化時間周波
    数から正の正規化時間周波数に延在するサイドローブレ
    ベルを下げるべき領域で所定の減衰量を有する上記複数
    のFIR型ディジタルフィルタのフィルタ係数を演算す
    ることを特徴とするディジタルビーム形成装置のための
    FIR型ディジタルフィルタのフィルタ係数演算装置。
  4. 【請求項4】 請求項2記載のFIR型ディジタルフィ
    ルタのフィルタ係数演算装置において、 上記係数演算手段は、上記1次元FIR型ディジタルフ
    ィルタの通過領域を上記2次元周波数平面上で回転させ
    て、当該回転させた通過領域を上記2次元周波数平面上
    で平行移動させることにより変数変換して、上記所望通
    過領域に対応する、上記正規化時間周波数F1と上記正
    規化空間周波数F2とに関する周波数応答を演算し、演
    算された周波数応答を逆フーリエ変換することによりイ
    ンパルス応答を演算し、演算されたインパルス応答に基
    づいて上記所望通過領域で振幅を有する上記複数のFI
    R型ディジタルフィルタのフィルタ係数を演算すること
    を特徴とするディジタルビーム形成装置のためのFIR
    型ディジタルフィルタのフィルタ係数演算装置。
  5. 【請求項5】 請求項2又は3記載のFIR型ディジタ
    ルフィルタのフィルタ係数演算装置において、 上記係数演算手段は、上記ディジタルビーム形成装置に
    よって形成されるビームパターンが周波数に対して変化
    しないように、上記1次元FIR型ディジタルフィルタ
    の周波数応答を変数変換することにより、上記所望通過
    領域に対応しかつ、上記正規化時間周波数F1と上記正
    規化空間周波数F2とに関する周波数応答を演算し、演
    算された周波数応答を逆フーリエ変換することによりイ
    ンパルス応答を演算し、演算されたインパルス応答に基
    づいて上記所望通過領域で所定の振幅を有する上記複数
    のFIR型ディジタルフィルタのフィルタ係数を演算す
    ることを特徴とするディジタルビーム形成装置のための
    FIR型ディジタルフィルタのフィルタ係数演算装置。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至5のうちの1つに記載のF
    IR型ディジタルフィルタのフィルタ係数演算装置によ
    って演算された上記複数のFIR型ディジタルフィルタ
    のフィルタ係数が設定されたことを特徴とするディジタ
    ルビーム形成装置のためのFIR型ディジタルフィル
    タ。
  7. 【請求項7】 複数のアンテナ素子からなるアレーアン
    テナと、 上記各アンテナ素子によって受信された各受信信号をそ
    れぞれA/D変換して、上記各受信信号に対応する各デ
    ィジタル信号を出力する変換手段と、 それぞれ複数のフィルタ係数に基づいて、上記変換手段
    から出力される上記複数のディジタル信号をろ波して出
    力する複数のFIR型ディジタルフィルタと、上記複数
    のFIR型ディジタルフィルタから出力される複数のろ
    波後のディジタル信号を加算して加算後の信号を出力信
    号として出力する加算器とを含むDBF回路とを備え、 上記複数のFIR型ディジタルフィルタの複数のフィル
    タ係数は、請求項1乃至5のうちの1つに記載のフィル
    タ係数演算装置によって演算されたことを特徴とするデ
    ィジタルビーム形成装置。
  8. 【請求項8】 複数N個のアンテナ素子からなるアレー
    アンテナと、 上記各アンテナ素子によって受信された各受信信号をそ
    れぞれA/D変換して、上記各受信信号に対応する各デ
    ィジタル信号を出力する変換手段と、 上記各アンテナ素子に対して複数N個のFIR型ディジ
    タルフィルタが対応しかつ形成すべき複数B個のビーム
    の各ビームに対して複数N個のFIR型ディジタルフィ
    ルタが対応するように設けられ、それぞれ上記各ディジ
    タル信号を予め決められたフィルタ係数に従ってろ波し
    て出力する複数(N×B)個のFIR型ディジタルフィ
    ルタと、それぞれ上記各ビームを形成するための複数N
    個のFIR型ディジタルフィルタから出力される複数N
    個の信号を加算して出力する複数B個の加算器とを備
    え、上記変換手段から出力される各ディジタル信号に基
    づいて、複数B個の異なる方向にそれぞれビームを形成
    して、当該ビームに対応する複数B個のビーム受信信号
    を出力するビーム形成手段と、 上記ビーム形成手段から出力される複数B個のビーム受
    信信号から複数M個のビーム受信信号を選択して出力す
    る信号選択手段と、 上記信号選択手段から入力される上記複数M個のビーム
    受信信号と入力される複数M個の荷重係数とをそれぞれ
    乗算して乗算結果の信号を出力する複数M個の乗算器
    と、 上記信号選択手段から出力される複数M個のビーム受信
    信号に基づいて、少なくとも所望信号の周波数を含む所
    定の周波数範囲において、上記アレーアンテナの主ビー
    ムを所望信号の到来方向に向けかつ干渉信号の到来方向
    の受信信号のレベルを零にするような上記複数M個の荷
    重係数を上記各乗算器に対して演算して、当該複数M個
    の荷重係数をそれぞれ対応する上記各乗算器に出力する
    係数制御手段と、 上記複数M個の乗算器から出力される複数M個の乗算結
    果の信号を加算して受信信号として出力する加算手段と
    を備えたことを特徴とするディジタルビーム形成装置。
  9. 【請求項9】 請求項8記載のディジタルビーム形成装
    置において、上記複数(N×B)個のFIR型ディジタ
    ルフィルタの複数のフィルタ係数は、請求項1乃至5の
    うちの1つに記載のフィルタ係数演算装置によって演算
    されたことを特徴とするディジタルビーム形成装置。
  10. 【請求項10】 複数N個のアンテナ素子からなるアレ
    ーアンテナと、 上記各アンテナ素子によって受信された各受信信号をそ
    れぞれA/D変換して、上記各受信信号に対応する各デ
    ィジタル信号を出力する変換手段と、 上記各アンテナ素子に対して複数N個の荷重係数器が対
    応しかつ形成すべき複数B個の第1のビームの各第1の
    ビームに対して複数N個の荷重係数器が対応するように
    設けられ、それぞれ上記各ディジタル信号を予め決めら
    れた第1の荷重係数で乗算して出力する複数(N×B)
    個の荷重係数器と、それぞれ上記各第1のビームを形成
    するための複数N個の荷重係数器から出力される複数N
    個の信号を加算して出力する複数B個の第1の加算器と
    を備え、上記変換手段から出力される各ディジタル信号
    に基づいて、複数B個の異なる方向にそれぞれ第1のビ
    ームを形成して、当該第1のビームに対応する複数B個
    の第1のビーム受信信号を出力するビーム形成手段と、 上記各第1のビーム受信信号に対して複数L個のFIR
    型ディジタルフィルタが対応し、かつ形成すべき複数B
    個の第2のビームの各第2のビームに対して複数L個の
    FIR型ディジタルフィルタが対応するように設けら
    れ、それぞれ上記各第1のビーム受信信号を、上記複数
    B個の第2のビームを形成するように予め決められた複
    数のフィルタ係数でろ波して出力する複数(L×B)個
    のFIR型ディジタルフィルタと、 それぞれ上記各第2のビームを形成するための複数L個
    のFIR型ディジタルフィルタから出力される複数L個
    の信号を加算して上記各第2のビームに対応した各第2
    のビーム受信信号を出力する複数B個の第2の加算器
    と、 上記複数B個の加算器から出力される複数B個の第2の
    ビーム受信信号から複数M個の第2のビーム受信信号を
    選択して出力する信号選択手段と、 上記信号選択手段から入力される上記複数M個の第2の
    ビーム受信信号と入力される複数M個の第2の荷重係数
    とをそれぞれ乗算して乗算結果の信号を出力する複数M
    個の乗算器と、 上記信号選択手段から出力される複数M個の第2のビー
    ム受信信号に基づいて、少なくとも所望信号の周波数を
    含む所定の周波数範囲において、上記アレーアンテナの
    主ビームを所望信号の到来方向に向けかつ干渉信号の到
    来方向の受信信号のレベルを零にするような上記複数M
    個の第2の荷重係数を上記各乗算器に対して演算して、
    当該複数M個の第2の荷重係数をそれぞれ対応する上記
    各乗算器に出力する係数制御手段と、 上記複数M個の乗算器から出力される複数M個の乗算結
    果の信号を加算して受信信号として出力する加算手段と
    を備えたことを特徴とするディジタルビーム形成装置。
  11. 【請求項11】 請求項10記載のディジタルビーム形
    成装置において、上記複数(L×B)個のFIR型ディ
    ジタルフィルタの複数のフィルタ係数は、請求項1乃至
    5のうちの1つに記載のフィルタ係数演算装置によって
    演算されたことを特徴とするディジタルビーム形成装
    置。
  12. 【請求項12】 上記係数制御手段は、上記ディジタル
    ビーム形成装置から出力される信号の包絡線を一定に保
    つように、上記各荷重係数を演算することを特徴とする
    請求項8、9、10又は11記載のディジタルビーム形
    成装置。
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