JPH09263732A - 無機質接着剤組成物 - Google Patents

無機質接着剤組成物

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JPH09263732A
JPH09263732A JP7439296A JP7439296A JPH09263732A JP H09263732 A JPH09263732 A JP H09263732A JP 7439296 A JP7439296 A JP 7439296A JP 7439296 A JP7439296 A JP 7439296A JP H09263732 A JPH09263732 A JP H09263732A
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幸法 村岡
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和久 末長
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満 瀧本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 コロイダルシリカをバインダとする無機質接
着剤組成物を安定化させる。 【解決手段】 コロイダルシリカをバインダとして、粉
末状酸化物をフィラーとして、残部に水を含んで成る無
機質接着剤組成物であり、組成物を50℃で3日以上保
持した後、組成物中の水溶性Na2Oの濃度が300〜
1,500ppm、pHが9.5〜11.0の範囲に調
整されている組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、無機質接着剤組成
物に関する。さらに詳細には、安定化したコロイダルシ
リカをバインダとして用いる安定性に優れた無機質接着
剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】無機質接着剤は、一般に水ガラス、珪酸
リチウム、コロイダルシリカ、燐酸アルミニウム等のバ
インダに酸化物をフィラーとして混合することにより調
製される。
【0003】ランプを構成するガラス材料と金属、セラ
ミックス等から成る口金材料とを無機質接着剤で固着す
ることはすでに報告されている。たとえば、特公昭55
−14820は、コロイダルシリカをバインダとし、耐
火物粉末をフィラーとして混合したランプ用無機質接着
剤を開示する。
【0004】しかしながら、コロイダルシリカは、水ガ
ラス、珪酸リチウム、燐酸アルミニウムと比較してゲル
化を起こしやすく、特に酸化物(耐火物)と混合して、
無機質接着剤を調製するとき、このゲル化が加速され問
題となっていた。特に、自動充填性、フィラーの沈降性
の2点より、耐火物を微粒化したフィラーを使用した場
合、無機質接着剤が増粘、固化し、1週間〜1ケ月以内
で使用不能となることが頻繁であった。このため、接着
剤を大量に製造し貯蔵することが難しく、受注があって
から製造するのが慣行であった。さらに、製品の輸送も
保冷庫で運ぶ等の特殊な移送方法が必要であり、使用者
側でも製品を使用するまで5〜10℃の保冷庫に保管す
るなどして、取扱いが煩雑でコストも高くなっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】コロイダルシリカを安
定化する方法は、種々提案されてきたが、それらの方法
を接着剤に適用しても期待する安定性が得られない。こ
れは、接着剤組成物中に存在するフィラーが安定化に干
渉し悪影響を及ぼすためである。したがって、コロイダ
ルシリカのみを公知の方法で安定化してもそれをフィラ
ーとともに使用する接着剤組成物においてその安定化効
果は組成物の安定化に結び付かない。
【0006】本発明の目的は、上記の問題を解決するた
め、コロイダルシリカをバインダとし、粉末状酸化物を
フィラーとして成る安定化された無機質接着剤組成物を
提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、所定粒子
径のコロイダルシリカと所定粒子径の粉末状酸化物フィ
ラーとから成る接着剤組成物において、50℃で3日以
上前記組成物を保持後、組成物中の水溶性Na2Oの濃
度およびpH値が所定範囲内であればコロイダルシリカ
のゲル化が抑制され、増粘、固化を示さないことを見出
し、本発明の組成物を完成した。さらに、水溶性Na2
Oの濃度を所定範囲に保つため、予め水溶性Na2Oあ
るいはその前駆体をバインダであるコロイダルシリカ
に、またはフィラーに添加することが有効であることを
見出した。
【0008】すなわち、本発明は、粒子径5〜300m
μのコロイダルシリカを主成分とするバインダを固形分
換算で6〜20重量%と、平均粒子径1〜30μの粉末
状酸化物を固形分換算で50〜90重量%と、残部とし
て水とを含んで成る組成物であり、かつ該組成物を50
℃で3日以上保持した後、組成物中の水溶性Na2Oの
濃度が300〜1,500ppmであり、そして組成物
のpHが9.5〜11.0の範囲にあることを特徴とす
る無機質接着剤組成物を提供する。さらに本発明は、粒
子径5〜300mμのコロイダルシリカを主成分とする
バインダを固形分換算で6〜20重量%と、平均粒子径
1〜30μの粉末状酸化アルミニウムを固形分換算で3
0〜90重量%と、平均粒子径1〜30μの付加的粉末
状酸化物を固形分換算で0〜70重量%と、残部として
水とを含んで成る組成物であり、かつ該組成物を50℃
で3日以上保持した後、組成物中の水溶性Na2Oの濃
度が300〜1,500ppmであり、そして組成物の
pHが9.5〜11.0の範囲にあることを特徴とする
無機質接着剤組成物を提供する。ここで「付加的粉末状
酸化物」とは、酸化アルミニウム以外の酸化物の粉末を
指す。前記無機質接着剤組成物では、粉末状酸化アルミ
ニウムは、Na2Oを0.1〜0.8重量%含有するこ
とが好ましい。加えて本発明は、粒子径5〜300mμ
のコロイダルシリカを主成分とするバインダを固形分換
算で6〜20重量%と、平均粒子径1〜30μの粉末状
ムライトを固形分換算で30〜90重量%と、平均粒子
径1〜30μの付加的粉末状酸化物を固形分換算で0〜
70重量%と、残部として水とを含んで成る組成物であ
り、かつ該組成物を50℃で3日以上保持した後、組成
物中の水溶性Na2Oの濃度が300〜1,500pp
mであり、さらに水溶性Na2Oの濃度がムライト当た
りに換算すると400ppm以上であり、そして組成物
のpHが9.5〜11.0の範囲にあることを特徴とす
る無機質接着剤組成物を提供する。ここで「付加的粉末
状酸化物」とは、ムライト以外の酸化物の粉末を指す。
前記無機質接着剤組成物において、バインダは、コロイ
ダルシリカに水溶性Na2Oを添加したものであること
が好ましい。本発明に用いるコロイダルシリカとして
は、粒子径10〜20mμのものが好ましく、特に粒子
径15〜20mμのものがさらに好ましい。本発明に用
いる粉末状酸化物としては、平均粒子径1〜10μのも
のが好ましい。
【0009】以下、本発明の接着剤組成物の様々な側面
をいくつかの実施の形態に基づいてさらに詳しく説明す
る。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の無機質接着剤組成物中、
使用できるコロイダルシリカとしては、市販のもの(粒
子径5〜300mμ)でよいが、好ましくは、その粒度
を調整する必要がある。好ましい粒子径の範囲は、一般
的に10〜20mμであり、粒子径が10mμ未満であ
ると、コロイダルシリカの安定性が悪く(グル化が起こ
りやすい)高濃度のものが得られにくいため、接着剤と
して使用すると接着部に亀裂が入りやすくなる。なお、
コロイダルシリカは他の珪酸塩系あるいは燐酸塩系バイ
ンダに比べ、結合力が小さいため通常の条件下できるだ
け高濃度の液、好ましくは35〜40重量%のものが用
いられる。一方、粒子径が20mμを超えると接着強度
が小さくなるので好ましくない。特に好ましい粒子径の
範囲は、15〜20mμである。
【0011】組成物中のコロイダルシリカの割合は、固
形分換算で6〜20重量%とされる。割合が6重量%未
満となると、バインダとしての作用が不十分となり機械
的強度が低下し十分な接着力が得られない。一方、20
重量%を超すと一般に接着部の接着力は増加するが、充
填剤(フィラー)の割合が減少するため接着部に亀裂が
入りやすくなり、加えて接着部の機械的強度が小さくな
るという不都合を生じるので好ましくない。
【0012】組成物中フィラーとして添加される粉末状
酸化物としては、アルミナ、ムライト、石英、石英ガラ
ス、ジルコニア、珪酸ジルコニウム、珪砂、珪酸アルミ
ニウム、コージェライト等を挙げることができる。前記
のもののうち、アルミナおよびムライトが特に好まし
い。粉末状酸化物は単独または混合物として用いること
ができる。
【0013】粉末状酸化物の平均粒子径は、1〜30μ
とされる。平均粒子径が1μ未満になると乾燥時におけ
る接着剤の乾燥収縮が大きくなり接着層に亀裂を生じ、
接着強度も小さくなり、加えて接着剤の可使時間が著し
く短くなるという不都合を生じる。一方、30μを超す
と接着強度が低下し、加えて接着剤施工の際の作業性が
低下するという不都合を生じる。また、自動充填性など
の作業性も低下する。特に好ましい平均粒子径の範囲
は、1〜10μである。
【0014】接着剤組成物中の粉末状酸化物の混合割合
は、一般的に固形分換算で30〜90重量%、好ましく
は50〜90重量%とされる。粉末状酸化物の割合が3
0重量%未満となると接着剤の強度の低下、あるいは接
着部に亀裂が入りやすくなるので好ましくなく、一方9
0重量%を超すと接着性、機械的強度が著しく低下する
ので好ましくない。
【0015】前記の市販コロイダルシリカは、少量のN
2O(通常0.3〜0.4重量%)で安定化されてい
るが、このNa2Oが粉末状酸化物と混合されると反応
しコロイダルシリカを不安定化することがある。その結
果、増粘、固化等を生じたりするが、これら増粘、固化
の程度は粉末状酸化物の種類、粒度、表面状態等に影響
を受けるので、一義的に評価することが困難である。
【0016】本発明者らは、コロイダルシリカと粉末状
酸化物を混合し、接着剤組成物を調製した後に、50℃
で3日以上保持した後、水抽出を行ったときの水溶性の
Na2O(Naイオンを酸化物として算出)が接着剤基
準で300〜1,500ppmであり、かつ組成物のp
Hが9.5〜11.0のとき組成物は長期間安定で3ケ
月以上を増結、固化を示さないことを見出した。コロイ
ダルシリカおよび粉末状酸化物から成る組成物が前記の
条件を満たさない場合、水溶性Na2Oまたはその前駆
体を組成物に添加し、50℃3日以上保持後の水溶性N
2O濃度および組成物のpHを前記の範囲に調節する
必要がある。
【0017】通常、粉末状酸化物はNa2Oを表面に吸
着あるいはNa2Oと反応するため水溶性Na2Oおよび
pHの両方とも前記の範囲に調整することには困難を伴
う。そこで本発明に従えば、NaOH(苛性ソーダ)を
添加することにより水溶性Na2O、pHを所定範囲に
なるよう調整することができる。NaOHの添加につい
ては、結果として、バインダに添加されていればよく、
バインダそのものに予め添加し、粉末状酸化物を混合す
る方法、あるいはバインダとフィラーを混合した後、接
着剤組成物を製造する段階で添加する方法などがあり、
添加方法そのものに特に限定はない。
【0018】使用される粉末状酸化物によっては、接着
剤組成物中にNa2Oを放出するものもあり、このよう
な場合には水溶性Na2Oを添加する必要はない。例と
してはある種のアルミナ粉末等が挙げられる。たとえば
市販のアルミナの中には、水溶性のNa2Oをすでに含
有しているものがあり、このような製品を使用すると接
着剤組成物の水分散系においてNa2Oは徐々に水分に
溶解し、長期間に亘り水溶性のNa2Oを放出するので
結果的にはNa2Oを前記のように添加したのと同じ効
果が得られる。粉末酸化物として前記のようなアルミナ
を使用する場合、アルミナ中にNa2Oとして0.1〜
0.8重量%を含むものが好ましい。Na2Oの含有量
が0.1重量%未満であると水溶性Na2Oの放出効果
が少なく、また逆に0.8重量%を超すと水溶性Na2
Oの放出量が多すぎ接着剤組成物の安定化が阻害される
ことがある。このような場合、特に本発明の接着剤組成
物をガラス材料の接着に用いるとガラスに対し耐食性が
劣化することなどのために好ましくない状況になる。使
用するアルミナが低ソーダアルミナ(Na2Oの含有量
が低い)場合、前記のように水溶性Na2Oの前駆体
(たとえばNaOH)を接着剤組成物に添加して水溶性
Na2OおよびpHに関して所定の条件を満たすように
することができる。
【0019】本発明の別の実施の形態として、粉末状酸
化物にムライトを使用できる。ムライトは、熱膨張係数
がランプ用のガラスに近く、またコロイダルシリカとの
適合性が良く、接着強度が強いため、ランプの口金用の
接着剤のフィラーとして使用されてきた。市販のムライ
ト粉末は、前記のソーダアルミナと同程度のNa2Oを
含有している。しかしながら、ムライトの場合水溶性N
2Oを放出することなく、むしろ組成物中でNa2Oを
取込むことが見出された。このような取込み効果を補償
するために、水溶性Na2OおよびpHに関して前記の
所定範囲にある接着剤組成物を調製するためには、Na
OHをフィラーであるムライト粉末に添加する必要があ
る。この場合、50℃、3日間組成物を保持した後、水
溶性Na2Oが組成物中で濃度300〜1,500pp
mであり、かつムライト当たりに換算すると400pp
m以上になるように水溶性Na2Oの前駆体(たとえ
ば、NaOH)を添加すればよい。添加量がこのような
範囲を超える量で使用すると、前記と同様ガラスに対し
て耐食性が劣化するなどの悪影響がある。
【0020】本発明において、水溶性Na2Oの濃度を
接着剤組成物が50℃で3日間保持された後、評価した
理由は、保持時間が少なくとも3日間であれば評価が可
能であるからである。すなわち、通常、接着剤組成物中
で水溶性Na2Oの溶出、吸収は(粉末状酸化物に対す
る吸収)約3日間で平衡状態に近くなり、それ以後の溶
出、吸収は緩慢となる。もちろん、3日以上の期間、接
着剤組成物を前記条件で保持することも可能であるが、
実用上は接着剤組成物を調製後、寝かせる期間が短いほ
ど好ましいのでそれ以上長期に亘って保持する利点は少
ない。水溶性Na2OおよびpHの評価方法について
は、以下の実施例中に詳しく述べる。
【0021】本発明の接着剤組成物には、必要に応じ他
の補助剤を添加することができる。このような添加可能
な補助剤としては、増粘剤、沈降防止剤としてベントナ
イト等の粘土類、亀裂防止剤として、無機質繊維、また
は熱膨張係数調整剤としてペタライト、スポテュメン等
の低熱膨張係数を有する充填剤等を用いることができ
る。さらに、本発明の接着剤組成物は水の添加により任
意の粘度とすることができる。組成物の粘度は用途に応
じて調整するが、通常はB型粘度計で5,000〜20
0,000cpsの範囲が好ましい。
【0022】本発明の接着剤組成物を製造するに際し
て、バインダとフィラーおよびその他の補助剤の混合方
法としては公知の方法を用いることができ、通常の羽根
撹拌、ライカイ器などによる混合、ボールミルなどによ
る混合等が使用できる。
【0023】本発明の接着剤組成物により接着された接
着部は、常温で乾燥することにより充分な硬化を起こす
が、硬化時間を短縮するのが望まれる場合には、加熱硬
化を行ってもよく、そのような加熱温度は任意に設定す
ることができる。本発明の接着剤組成物は、特にランプ
を構成するガラス材料と口金金属部の接着に利用する
と、接着強度の優れたランプを得ることができる。この
場合、従来の有機質バインダを含む接着剤、シリコン樹
脂、セメントまたは低融点ガラスを使用した従来のラン
プ接着部に比較して、本発明を利用すると、耐熱性、耐
熱衝撃性についても顕著に優れた接着部を形成すること
ができる。
【0024】以下に実施例により本発明をさらに詳細に
説明するが本発明はこれらによって制限されるものでは
ない。なお、実施例中の部および%は全て重量基準を示
す。
【0025】実施例1 平均粒子径17.5mμで、固形分濃度40%のコロイ
ダルシリカを23.3部と、5%のNaOH水溶液の1
部とを混合した。この混合液を平均粒子径6.2μのム
ライト粉末75.7部に加え混合し、本発明の無機質接
着剤組成物を製造した。得られた組成物の粘度は、約3
0,000cps、pHは10.5であった。製造直後
の組成物をガラス容器に入れ、50℃で3日間保持し
た。保持後の粘度は29,000cpsでpHは9.8
であった。さらに、組成物1部に対し、水を9部加え、
充分に混合した後、遠心沈降分離し、上澄み液を濾過
し、Na2Oを分析した(分析方法については後述)。
Na2Oは組成物全体を基準にして520ppm、使用
したムライト粉末を基準にして690ppmであった。
本例の組成物は、室温で4ケ月放置したところ、粘度は
32,000cpsと安定で、特に使用に際しての問題
はなかった。
【0026】実施例2、3 コロイダルシリカ、ムライトの使用量を表1に示す量と
した以外、実施例1と同様にして本発明の無機質接着剤
組成物を製造した。組成物中の水溶性Na2Oの濃度、
組成物の粘度およびpHを測定した。それらの結果を表
1に併記する。
【0027】実施例4 平均粒子径17.5mμで、固形分濃度40%のコロイ
ダルシリカを23.5部と、5%のNaOH水溶液の1
部とを混合した。この混合液を平均粒子径6.5μのア
ルミナ粉末75.5部に加え混合し、本発明の無機質接
着剤組成物を製造した。なお、使用したアルミナ粉末中
のNa2O含有量は0.25%であった。得られた組成
物の粘度は、約27,000cps、pHは10.3で
あった。製造直後の組成物をガラス容器に入れ、50℃
で3日間保持した。保持後の粘度は28,000cps
でpHは10.1であった。さらに、組成物1部に対
し、水を9部加え、充分に混合した後、遠心沈降分離
し、上澄み液を濾過し、Na2Oを分析した。Na2Oは
組成物を基準にして850ppmであった。本例の組成
物は、室温で4ケ月放置したところ、粘度は29,00
0cpsと安定で、特に使用に際しての問題はなかっ
た。
【0028】実施例5 平均粒子径17.5mμで、固形分濃度40%のコロイ
ダルシリカを24.6部、平均粒子径5.9μのアルミ
ナ粉末75.4部に加え混合し、本発明の無機質接着剤
組成物を製造した。なお、使用したアルミナ粉末中のN
2O含有量は0.25%であった。得られた組成物の
粘度は約29,000cps、pHは10.2であっ
た。製造直後の組成物をガラス容器に入れ、50℃で3
日間保持した。保持後の粘度は31,000cpsでp
Hは9.8であった。さらに、組成物1部に対し、水を
9部加え、充分に混合した後、遠心沈降分離し、上澄み
液を濾過し、Na2Oを分析した。Na2Oは組成物を基
準にして650ppmであった。本例の組成物は、室温
で4ケ月放置したところ、粘度は30,000cpsと
安定で、特に使用に際しての問題はなかった。
【0029】実施例6 平均粒子径11.5mμで、固形分濃度40%のコロイ
ダルシリカを24.1部、平均粒子径5.9μのアルミ
ナ粉末75.9部に加え混合し、本発明の無機質接着剤
組成物を製造した。なお、使用したアルミナ粉末中のN
2O含有量は0.25%であった。得られた組成物の
粘度は、約29,000cps、pHは10.2であっ
た。製造直後の組成物をガラス容器に入れ、50℃で3
日間保持した。保持後の粘度は31,000cpsでp
Hは9.8であった。さらに、組成物1部に対し、水を
9部加え、充分に混合した後、遠心沈降分離し、上澄み
液を濾過し、Na2Oを分析した。Na2Oは組成物を基
準にして650ppmであった。本例の組成物は、室温
で2ケ月放置したところ、粘度は30,000cpsと
安定で、特に使用に際しての問題はなかった。しかし、
4ケ月を経過すると粘度は65,000cpsと増粘傾
向を示した。
【0030】比較例1 平均粒子径17.5mμで、固形分濃度40%のコロイ
ダルシリカを23.1部と、平均粒子径6.2μのムラ
イト粉末75.9部とを混合し、無機質接着剤組成物を
製造した。得られた本例の組成物の粘度は、約28,0
00cps、pHは9.8であった。製造直後の組成物
をガラス容器に入れ、50℃で3日間保持した。保持後
の粘度は90,000cpsでpHは8.2であった。
さらに、組成物1部に対し、水を9部加え、充分に混合
した後、遠心沈降分離し、上澄み液を濾過し、Na2
を分析した。Na2Oは組成物を基準にして170pp
m、ムライト粉末を基準にして220ppmであった。
本例の組成物は、室温で2週間放置したところ、粘度は
100,000cps以上であり固結寸前で、使用でき
なかった。
【0031】比較例2 コロイダルシリカ、ムライトの使用量を表1に示す量と
した以外、比較例1と同様にして無機質接着剤組成物を
製造した。組成物中の水溶性Na2Oの濃度、組成物の
粘度およびpHを測定した。それらの結果を表1に併記
する。
【0032】
【表1】
【0033】物性試験 実施例、比較例、表1に示す接着剤組成物の各物性につ
いては、以下の要領で測定した。 a)粘度 B型粘度計を使用して測定した。 b)粉末状酸化物の粒子径 レーザ回折型粘度計(島津製作所製)を使用して測定し
た。 c)コロイダルシリカの粒子径 コロイダルシリカを酸でpH2〜3に下げ、蒸発乾固
(110〜130℃)後、洗浄、乾燥したものの比表面
積を測定し、その値より粒子径を逆算した。 d)50℃保持後の水溶性Na2O 組成物試料をポリ容器に入れ、密封した上で50℃で3
日間保持した。保持後、一定量試料をサンプリングし、
10倍量の水で希釈し、充分に撹拌した後、遠心沈降分
離にかけ、固液を分離し、上澄み液を採取した。上澄み
液中のNa2O量を原子吸光法により測定した。 e)50℃保持後のpH d)に記載のようにして50℃で3日間保持した試料を
室温まで冷却し、pHメータで測定した。
【0034】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、無機質接
着剤組成物中のバインダであるコロイダルシリカが安定
化され、ゲル化(増粘、固化等)が起こらないため、組
成物が長期間にわたり、保存、かつ使用可能である。
【0035】さらに本発明によれば、無機質接着剤組成
物を冷却保存する必要がなく、保管コスト、輸送コスト
を従来技術の接着剤組成物より大幅に下げることができ
る。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粒子径5〜300mμのコロイダルシリ
    カを主成分とするバインダを固形分換算で6〜20重量
    %と、平均粒子径1〜30μの粉末状酸化物を固形分換
    算で50〜90重量%と、残部として水とを含んで成る
    組成物であり、かつ該組成物を50℃で3日以上保持し
    た後、組成物中の水溶性Na2Oの濃度が300〜1,
    500ppmであり、そして組成物のpHが9.5〜1
    1.0の範囲にあることを特徴とする無機質接着剤組成
    物。
  2. 【請求項2】 粒子径5〜300mμのコロイダルシリ
    カを主成分とするバインダを固形分換算で6〜20重量
    %と、平均粒子径1〜30μの粉末状酸化アルミニウム
    を固形分換算で30〜90重量%と、平均粒子径1〜3
    0μの付加的粉末状酸化物を固形分換算で0〜70重量
    %と、残部として水とを含んで成る組成物であり、かつ
    該組成物を50℃で3日以上保持した後、組成物中の水
    溶性Na2Oの濃度が300〜1,500ppmであ
    り、そして組成物のpHが9.5〜11.0の範囲にあ
    ることを特徴とする無機質接着剤組成物。
  3. 【請求項3】 粉末状酸化アルミニウムは、Na2Oを
    0.1〜0.8重量%含有する請求項2記載の無機質接
    着剤組成物。
  4. 【請求項4】 粒子径5〜300mμのコロイダルシリ
    カを主成分とするバインダを固形分換算で6〜20重量
    %と、平均粒子径1〜30μの粉末状ムライトを固形分
    換算で30〜90重量%と、平均粒子径1〜30μの付
    加的粉末状酸化物を固形分換算で0〜70重量%と、残
    部として水とを含んで成る組成物であり、かつ該組成物
    を50℃で3日以上保持した後、組成物中の水溶性Na
    2Oの濃度が300〜1,500ppmであり、さらに
    水溶性Na2Oの濃度がムライト当たりに換算すると4
    00ppm以上であり、そして組成物のpHが9.5〜
    11.0の範囲にあることを特徴とする無機質接着剤組
    成物。
  5. 【請求項5】 バインダは、コロイダルシリカに水溶性
    Na2Oを添加したものである請求項1または4記載の
    無機質接着剤組成物。
  6. 【請求項6】 コロイダルシリカは、粒子径10〜20
    mμである請求項1〜5いずれかに記載の無機質接着剤
    組成物。
  7. 【請求項7】 コロイダルシリカは、粒子径15〜20
    mμである請求項1〜5いずれかに記載の無機質接着剤
    組成物。
  8. 【請求項8】 粉末状酸化物の平均粒子径は、1〜10
    μである請求項1〜7いずれかに記載の無機質接着剤組
    成物。
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JP2001329230A (ja) * 2000-05-22 2001-11-27 Asahi Kagaku Kogyo Co Ltd 無機質接着剤組成物、その製造方法および接着方法
JP2001329231A (ja) * 2000-05-22 2001-11-27 Asahi Kagaku Kogyo Co Ltd 無機質接着剤組成物、その製造方法および接着方法
JP2007063305A (ja) * 2005-08-29 2007-03-15 Asahi Kagaku Kogyo Co Ltd 接着性組成物

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