JPH09266725A - 花卉類の栽培方法 - Google Patents

花卉類の栽培方法

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JPH09266725A JP8103975A JP10397596A JPH09266725A JP H09266725 A JPH09266725 A JP H09266725A JP 8103975 A JP8103975 A JP 8103975A JP 10397596 A JP10397596 A JP 10397596A JP H09266725 A JPH09266725 A JP H09266725A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ペチュニア、ゼラニウム、ポインセチア等の
花卉類の矮化その他の形態制御を矮化剤等の薬剤を使用
することなく行えるようにする。 【解決手段】 ペチュニア属、テンジクアオイ属又はユ
ーフォルビア属から選ばれる花卉類の栽培方法におい
て、育苗期以降、特に本葉展開以降開花又は苞葉形成ま
での明期の光質を制御することにより、草丈、枝長、花
冠長、花筒長、花数、花房の大きさ、苞葉数又は苞葉長
に関する形態を制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、花卉類の栽培方法
に関する。さらに詳しくは、本発明は、栽培光の光質を
制御することにより植物体の形態を制御し、草丈の矮化
等を可能とする花卉類の栽培方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、卓上観賞用にポット栽培した花卉
類の需要が伸びている。このようなポット栽培における
花卉類に対しては、一般にその植物体を小形化させるこ
とが望まれている。そのため、ポット栽培においては、
植物体を小形化させる手法として、通常、ウニコナゾー
ル等の矮化剤を葉面散布することが行われている。ま
た、昼夜温度の温度差を利用するDIF法も行われてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、矮化剤
の使用は、人体や環境への悪影響が懸念される。そこ
で、矮化剤を使用することなくポット栽培における花卉
類を矮化させることが望まれている。
【0004】一方、花卉類をポット栽培するに際して
は、観賞用植物としての価値を高めるために、花の数や
大きさ、花房を構成する小花の密度、苞葉の数や大きさ
等の形態を制御できるようにすることも望まれている。
【0005】このような花卉類の矮化その他の形態制御
の手法の一つとして、果菜類や葉菜類の成育を制御する
ために近年試みられている栽培光の光質の制御が考えら
れる。しかしながら、光質の植物への影響の現れ方は、
その光の波長分布、光強度、照射時間等の種々のファク
ターだけでなく、植物の種類等によっても多種多様であ
る。したがって、任意の種類の植物体をポット栽培に好
適な所望の形態に矮化させる栽培条件を見出すことは容
易でなく、そのために広くポット栽培されているペチュ
ニア、ゼラニウム、ポインセチア等の花卉類について
も、光質の制御による矮化栽培は行われていないのが実
情である。
【0006】本発明は以上のような従来技術の課題を解
決しようとするものであり、矮化剤等の薬剤を使用する
ことなく、栽培光の制御により花卉類の形態を制御でき
るようにすることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、ペチュニア
属、テンジクアオイ属及びユーフォルビア属について
は、育苗期以降の栽培光の光質を制御することにより、
上記の目的が達成できることを見出し、本発明を完成さ
せるに至った。
【0008】即ち、本発明は、ペチュニア属、テンジク
アオイ属又はユーフォルビア属から選ばれる花卉類の栽
培方法において、育苗期以降、特に、本葉展開以降開花
又は苞葉形成までの明期の栽培光の光質を制御すること
により、草丈、枝長、花冠長、花筒長、花数、花房の大
きさ、苞葉数又は苞葉長に関する形態を制御することを
特徴とする花卉類の栽培方法を提供する。
【0009】特に好ましい態様として、ペチュニア属を
栽培するにあたり、その栽培光を非白色光、特に好まし
くは黄色光とすることにより草丈を矮化する方法、ま
た、栽培光を緑色光とすることにより花筒長を長くする
方法を提供する。
【0010】また、テンジクアオイ属を栽培するにあた
り、その栽培光を非白色光、特に好ましくは黄色光又は
青色光とすることにより草丈を矮化する方法、あるい
は、栽培光を赤色光又は青色光とすることにより草丈を
矮化し、かつ小花密度を高める方法を提供する。
【0011】また、ユーフォルビア属を栽培するにあた
り、その栽培光を青色光とすることにより草丈を矮化す
る方法、あるいは栽培光を黄色光とすることにより苞葉
数を増加させ、かつ、苞葉長を大きくする方法を提供す
る。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明が栽培対象とする花卉類の
うち、ペチュニア属は、ペチュニア等を含み、テンジク
アオイ属は、ゼラニウム、ペラルゴニウム、ツタベゼラ
ニウム、ニオイゼラニウム等を含み、ユーフォルビア属
はポインセチア、ハツユキソウ等を含む。
【0013】また、本発明において、ペチュニア属の花
の形態に関する用語のうち「花筒長」、「覆輪部」、
「着色部」、「花冠半径(長)」及び「花冠半径
(短)」のそれぞれが意味する部位は、ペチュニアにつ
いて、図1に示した通りである。また、テンジクアオイ
属の形態に関する用語のうち、「花房」、「小花」、
「花房径(長)」、「花房径(短)」、「花房高」、
「草丈」、「第一花柄長」、「主柄長」及び「第一側枝
長」のそれぞれが意味する部位は、ゼラニウムについ
て、図2に示した通りである。
【0014】本発明の栽培方法においては、これらを栽
培する際の光の光質、より具体的には、栽培光の波長分
布を制御することにより矮化その他の所定の形態制御を
行う。
【0015】ここで、栽培光の波長分布の制御態様とし
ては、白色、赤色、黄色、緑色あるいは青色といった区
分の波長域の光を使用することを意味する。しかし、こ
れらの各色の栽培光の波長分布は、厳密に他の色の波長
域の光を含むことを排除するものではない。栽培光のエ
ネルギー分布の中心が、各色の区域内にあれば、本発明
の効果を得ることができる。例えば、光源として各色の
メタルハライドランプを使用することにより表1に示す
5種の光質を得ることができるが、本発明における栽培
光の光質の制御は、このように区分される光を使用する
ことにより行うことができる。
【0016】
【表1】 栽培光の波長分布 (全光量に対する%) UV-A 青 緑 黄 赤 近赤外 赤外波長(nm) 330-400 400-500 500-550 550-600 600-700 700-750 >750 栽培光光質 白色光 2.25 9.67 5.69 10.41 15.31 10.00 48.35 赤色光 1.80 6.77 2.68 21.41 32.62 4.60 31.35 黄色光 0.35 3.17 0.36 47.06 5.85 1.11 42.34 緑色光 7.43 9.07 33.95 5.49 6.68 3.70 34.22 青色光 6.15 40.88 5.84 6.68 5.18 3.62 34.13
【0017】このような光質の栽培光のうち、いずれを
使用するかは、栽培する当該花卉類の種類やその花卉類
の植物体に付与する所望の形態に応じて適宜設定する。
【0018】例えば、ペチュニア属に属する花卉類の草
丈を矮化する場合には、非白色光を使用する。この場
合、特に黄色光を使用することが好ましい。また、ペチ
ュニア属に属する花卉類の花筒長を長くする場合には緑
色光を使用する。
【0019】テンジクアオイ属に属する花卉類の草丈を
矮化する場合にも非白色光を使用する。この場合、特に
黄色光又は青色光を使用することが好ましい。また、テ
ンジクアオイ属に属する花卉類の草丈を矮化し、かつ小
花密度を高める場合には、赤色光又は青色光を使用す
る。
【0020】ユーフォルビア属に属する花卉類の草丈を
矮化する場合には青色光を使用する。また、ユーフォル
ビア属に属する花卉類の苞葉数を増加させ、かつ苞葉長
を大きくする場合には、黄色光を使用する。
【0021】本発明において、上記のような特定の光質
の光で栽培する時期及び期間は、当該花卉類の種類、当
該花卉類に付与する所望の形態、光強度、日長等に応じ
て適宜設定することができるが、育苗期以降とすればよ
く、種子あるいは萌芽期においては特定の光質の光を照
射しなくてもよい。また、十分に成育し開花した後、あ
るいは十分に苞葉が成長した後にまで引き続き特定の光
質の光を照射する必要もない。例えば、植物体を矮化さ
せる場合には、通常、好ましくは、本葉展開から開花又
は苞葉形成までの栽培期間の栽培光を特定の光質のもの
とする。
【0022】また、栽培期間中の栽培光の一日あたりの
照射時間は、従来の栽培方法と同様とすることができ、
終日照射することは不要である。また、照射時間は、所
望の開化時期、苞葉の形成時期等に応じて適宜設定する
ことができる。したがって、例えばポインセチア等の短
日植物に対しては、栽培後期から、明期に比して暗期を
長くすることが好ましい。
【0023】なお、本発明において、栽培光の光質を制
御する以外は、従来の栽培方法と同様に行うことができ
る。
【0024】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説
明する。
【0025】実施例1:ペチュニアの栽培 育苗したペチュニア(品種名=バカラブルーピコティ
ー、花冠の着色部=青色、覆輪部=白色)を、8月18
日から6週間にわたって各種光質の栽培光あたり5株を
次のように栽培した。
【0026】即ち、育苗したペチュニアをプラスチック
ボトルに移植し、グロースチャンバーの底部に設置し
た。このグロースチャンバー内の上部には光源としてメ
タルハライドランプを設置し、紫外線をアクリル板でカ
ットし、前述の表1に示した5種の光質の光を栽培光と
した。この場合、光源の高さを調節することにより、栽
培光の光強度が植物上部において400μmol・m-2
・s-1となるようにした。また、日長は明暗各12時間
とした。
【0027】栽培期間中、1週間ごとに草丈、生体重、
乾物重、花の大きさ(花冠半径(長)、花冠半径
(短)、花筒長、覆輪の幅)を測定した。
【0028】これらの結果を、グロースチャンバー内の
栽培42日後の草丈について表2に示し、グロースチャ
ンバー内の栽培30日後の花の大きさについて表3に示
す。なお、表2中のアルファベット文字は、a 、ab、ab
c 及びb の群の中で異なる文字を付した値の間に、ダン
カンの多重検定による5%レベルの有意差のあることを
示している。
【0029】表2から、非白色光で栽培することにより
草丈を抑制でき、矮化した植物体を得られること、特に
黄色光で栽培すると白色光で栽培した場合に対して草丈
を約70%程度に矮化させることができ、植物体の矮化
に有効であることがわかる。
【0030】なお、この場合、葉、花、茎及び根の合計
の乾物重は、黄色光で栽培したものと他の光で栽培した
ものとで差異がなかったことから、生育は正常であった
ことが確認できる。
【0031】花の大きさに関しては、表3から、花冠半
径は、黄色光で栽培することにより小さくでき、青色光
で栽培することにより大きくできることがわかる。ま
た、花筒長は、緑色光で栽培することにより長くできる
ことがわかる。
【0032】実施例2:ゼラニウム 育苗したゼラニウム(品種名=オービックホワイト)
を、4月6日〜6月末に、実施例1と同様のグロースチ
ャンバーを用いて各種光質の栽培光あたり5株栽培し
た。ただし、栽培光の光強度は、植物上部において36
0μmol・m-2・s-1となるように調整した。また、
日長は明暗各12時間とした。
【0033】栽培期間中、1週間ごとに草丈、第一花柄
長、主柄長、第一側枝長、第一花房の小花数、花房の大
きさ(花房径(長)、花房径(短)、花房高)を測定し
た。
【0034】これらの結果を、グロースチャンバー内の
栽培56日後の草丈について表2に示した。第一花柄長
については図3に示した。小花の数、花房の大きさにつ
いては、花房あたりの小花数が最大時のデータを表4に
示した。
【0035】表2から、非白色光で栽培することにより
草丈を抑制でき、矮化した植物体を得られること、特に
黄色光又は青色光で栽培すると白色光で栽培した場合に
対して草丈を約70%程度に矮化させることができ、植
物体の矮化に有効であることがわかる。
【0036】図3から、非白色光で栽培することにより
第一花柄長の短い矮化した植物体を得られること、特に
黄色光又は青色光で栽培すると白色光で栽培した場合に
対して第一花柄長を約65%程度に矮化させることがで
き、植物体の矮化に有効であることがわかる。同様の矮
化傾向は、主柄長、第一側枝長においても観察され、こ
のような光質の制御が植物体全体としての矮化に有効で
あることがわかる。
【0037】表4から、第一花房の小花数は白色光、赤
色光、黄色光で栽培することにより多くでき、かつ、赤
色光、青色光で栽培することにより花の大きさを小さく
できることから、赤色光、青色光で栽培することにより
小花密度の高いコンパクトな花房を得られることがわか
る。
【0038】実施例3:ポインセチア ポインセチア(品種名=V10)を9月上旬から10月
上旬まで育苗し、その後実施例1と同様のグロースチャ
ンバーを用いて各種光質の栽培光あたり5株を3か月間
栽培した。ただし、光強度は植物上部において600μ
mol・m-2・s-1となるように調整した。また、日長
は、当初明暗各12時間としたが、成育期後期(グロー
スチャンバーでの栽培開始後1か月経過以降)では明期
10時間、暗期14時間の短日条件とした。
【0039】栽培期間中、1週間ごとに草丈、苞葉数、
最大苞葉長を測定した。
【0040】これらの結果を、グロースチャンバー内の
栽培100日後の草丈について表2に示した。グロース
チャンバー内の栽培100日後の最大苞葉長について図
4に示し、苞葉数について主茎あたりの枚数を図5に示
した。
【0041】表2から、青色光で栽培することにより草
丈を抑制でき矮化した植物体を得られることがわかる。
【0042】また、黄色光で栽培することにより草丈が
高くなることがわかり、さらに図4及び図5から、黄色
光で栽培することにより、苞葉数が多くかつ最大苞葉長
を長くできることがわかる。
【0043】
【表2】 草丈 (cm) 光質 供試植物 ゼラニウム ペチュニア ポインセチア 白 17.1 b 15.9 b 39.1 bc 赤 15.9 b 13.6 ab 38.5 abc 黄 12.2 a 11.1 a 41.4 c 緑 14.7 ab 14.8 b 37.5 ab 青 12.4 a 14.4 b 35.8 a
【0044】
【表3】 ペチュニアの花の大きさ(平均値,cm) 光質 花筒長 覆輪の幅 花冠半径(長) 花冠半径(短) 青 4.71 0.85 3.05 1.83 黄 4.88 1.49 2.84 1.68 赤 5.29 1.04 3.13 1.79 緑 5.64 0.95 3.11 1.66 白 5.13 1.08 3.03 1.74
【0045】
【表4】 光質 小花数 花房径(長) 花房径(短) 花房高 (個/花房) (cm) (cm) (cm) 白 17.3 10.13 8.40 7.63 赤 18.5 8.45 6.58 6.53 黄 15.5 9.27 7.67 7.67 緑 9.5 8.63 7.27 6.97 青 13.5 8.73 6.55 6.18
【0046】
【発明の効果】本発明によれば、ペチュニア、ゼラニウ
ム、ポインセチア等の花卉類の矮化その他の形態制御を
矮化剤等の薬剤を使用することなく行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ペチュニアの花の形態に関する用語の説明図で
ある。
【図2】ゼラニウムの形態に関する用語の説明図であ
る。
【図3】ゼラニウムの第一花柄長と栽培日数との関係図
である。
【図4】ポインセチアの苞葉長と光質との関係図であ
る。
【図5】ポインセチアの苞葉数と光質との関係図であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 奥島 里美 茨城県つくば市吾妻4丁目11 108−401

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ペチュニア属、テンジクアオイ属又はユ
    ーフォルビア属から選ばれる花卉類の栽培方法におい
    て、育苗期以降に明期の栽培光の光質を制御することに
    より、草丈、枝長、花冠長、花筒長、花数、花房の大き
    さ、苞葉数又は苞葉長に関する形態を制御することを特
    徴とする花卉類の栽培方法。
  2. 【請求項2】 本葉展開以降開花又は苞葉形成までの光
    質を制御する請求項1記載の栽培方法。
  3. 【請求項3】 ペチュニア属について、栽培光を非白色
    光とすることにより草丈を矮化する請求項1又は2記載
    の栽培方法。
  4. 【請求項4】 ペチュニア属について、栽培光を黄色光
    とすることにより草丈を矮化する請求項3記載の栽培方
    法。
  5. 【請求項5】 ペチュニア属について、栽培光を緑色光
    とすることにより花筒長を長くする請求項1又は2記載
    の栽培方法。
  6. 【請求項6】 テンジクアオイ属について、栽培光を非
    白色光とすることにより草丈を矮化する請求項1又は2
    記載の栽培方法。
  7. 【請求項7】 テンジクアオイ属について、栽培光を黄
    色光又は青色光とすることにより草丈を矮化する請求項
    6記載の栽培方法。
  8. 【請求項8】 テンジクアオイ属について、栽培光を赤
    色光又は青色光とすることにより草丈を矮化し、かつ小
    花密度を高める請求項6記載の栽培方法。
  9. 【請求項9】 ユーフォルビア属について、栽培光を青
    色光とすることにより草丈を矮化する請求項1又は2記
    載の栽培方法。
  10. 【請求項10】 ユーフォルビア属について、栽培光を
    黄色光とすることにより苞葉数を増加させ、苞葉長を大
    きくする請求項1又は2記載の栽培方法。
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