JPH09266894A - 磁気共鳴検査装置とその方法 - Google Patents

磁気共鳴検査装置とその方法

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JPH09266894A
JPH09266894A JP8079112A JP7911296A JPH09266894A JP H09266894 A JPH09266894 A JP H09266894A JP 8079112 A JP8079112 A JP 8079112A JP 7911296 A JP7911296 A JP 7911296A JP H09266894 A JPH09266894 A JP H09266894A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 人体内の静磁場の実質的な均一度を向上する
ことで、画像歪を低減し、高速撮影手法、脂肪信号抑圧
撮影手法、そして高分解能スペクトル計測手法を可能と
するMRI装置を提供する。 【解決手段】 複数のシムコイル102と傾斜磁場コイ
ル104にはそれぞれ独立の電源103、105が接続
されている。これらの電源は計算機112によってその
動作が制御されており、磁石により形成される静磁場の
均一度を補正する。このため電源103、105は、直
流電流と交流電流の合成された電流でコイルを駆動し、
回転する補正磁場を生成する。これにより被検者108
の検査部位の静磁場の均一度を実質的に高めることがで
きる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は核磁気共鳴(以下、
NMRという)現象を用いて、人体の内部を無侵襲に測
定して医学診断に供する画像やスペクトルを得る磁気共
鳴検査装置に関すし、特に、実質的な静磁場を高均一度
を図った磁気共鳴検査装置に関する。
【0002】
【従来の技術】磁気共鳴検査(以下、MRIという)装
置はNMR現象を利用して被検体である人体の内部組織
のNMR信号から断層画像を構成したり、検査部位のN
MRスペクトルを計測して医学診断に役立つ情報を無侵
襲に得る検査装置である。
【0003】MRI装置では、被検体は永久磁石或いは
超伝導磁石等によって形成される均一な静磁場内に置か
れ、ここで被検体の組織を構成する特定原子、例えばプ
ロトンのラーモア歳差運動の周波数(ラーモア周波数)
ωと一致する周波数の高周波磁場を照射して核スピンを
励起し、それが元の状態に戻るときに発生するNMR信
号を自由誘導減衰(FID)信号として或いはスピンエ
コー信号として計測する。ここで原子核のラーモア周波
数ωは、 ω=γ・H0 (γは原子核に固有な定数:磁気回転比、H0は静磁場
強度)で表され、静磁場強度に依存する。通常は、静磁
場に傾斜磁場を重畳して空間的に磁場強度を異ならせ、
NMR信号に位置情報を付与しながら、所定の繰り返し
時間(TR)で計測シーケンスを繰り返し、1枚の画像
或いはスペクトルに必要な複数のNMR信号を計測す
る。このようなMRI計測においては、小さな傾斜磁場
で高い空間分解能を得るために静磁場には高い均一度が
必要とされる。
【0004】また近年、単一の繰り返し時間TR内に複
数の位相エンコードされたエコー信号を計測する高速撮
影技術(特公平6−46985号公報)や、一回の核ス
ピンの共鳴励起で画像マトリクスに必要とする全位相エ
ンコドのエコー信号を計測するEPI撮影技術(特公昭
60−42906号公報(USP4,165,479))が開発され
臨床適用が進められており、このような高速撮影技術で
は静磁場の更に高い均一度が要求される。即ち、このよ
うな高速撮影技術では、図7に示すように、読み出し用
の傾斜磁場をスイッチングして複数nのエコー信号を発
生させ、各エコー信号に異なる位相エンコードが付与さ
れるようにしており、信号の減衰特性がnを決める要素
となる。一般に、励起された核スピンが元の状態に戻る
現象を緩和といい、核スピンを巨視的磁化と見た場合
に、縦方向の磁化成分が静磁場の方向に一致する緩和を
縦緩和、横方向の磁化成分がゼロとなる緩和を横緩和
(T2緩和)というが、このT2緩和は静磁場の均一度が
悪い程、緩和速度が大となる。この静磁場の均一度を加
味した横緩和を実効的横緩和T2*と言い、実効的横緩
和T2*の速度が速い場合には、1回の励起で計測され
るエコー信号の数nを増加するのに限界を生じる。即
ち、1回の励起で計測されるエコー信号の数を多くする
ためには、実効的横緩和T2*の速度が遅いこと、即ち
静磁場均一度が高いことが要求される。
【0005】また、脂肪組織の水素原子核スピンの共鳴
周波数ω’が他の組織(主に水分子)中の水素原子核ス
ピンの共鳴周波数ωと異なることを利用して、脂肪の水
素原子核のみを選択的に飽和させる技術が開発されてい
るが、ここで共鳴周波数の差異(ω’−ω)は約4pp
mなので静磁場の均一度の数値が4ppmに比べ十分低
いことが要求される。この均一度を全ての被検体で達成
することは困難であり、脂肪の信号抑圧が十分に機能し
ない場合がある。
【0006】このような静磁場の高い均一度の要求に対
し、従来MRI装置では静磁場発生用の磁石と傾斜磁場
発生用コイルとの間に補正磁場発生用のシムコイルが設
けられている。シムコイルは、例えばX、Y、Z、X
2、Y2、Z2・・・等の複数のコイルの組合せからな
り、局所的な磁場の誤差を補正する。通常、磁石の均一
度は高い均一度が得られる超電導磁石でも数ppm/4
0cmdsvを有しているが、このような複数のシムコ
イルを組み込むことで、均一度をある程度(1ppm前
後の値)改善することができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、近年、NM
R信号に含まれる化学シフト(δ)情報を利用して、例
えば脂肪酸基の水素原子核と水の水酸基の水素原子核を
分離する手法(スペクトルスコピックイメージング)も
開発され、特定の疾病診断に利用されている(特公平7
−51124号公報、1991年発行の日本磁気共鳴医
学会誌「化学シフトイメージング法による脂肪量の定量
的評価−Duchenne型筋ジストロフィー症における検討
−」等)。一般に水素原子核の化学シフトは通常7pp
m(最大でも20ppm)の範囲に分布するため、スペ
クトルスコピックイメージングにおいては静磁場として
も7ppm以下の均一度が要求されるが、前述したよう
に従来装置ではシムコイルを組込んだ場合でも数ppm
程度しか達成されていないため、より高分解能の化学シ
フトを利用することはできなかった。
【0008】更に、人体を試料とする場合、組織の違い
や、血液、体腔内ガス等により、局所的に磁化率が異な
る。この磁化率の違いにより、印加された静磁場の均一
度が局所的に変化する。この変化は局所的なので、先述
のシムコイルでは補正が不可能である。このことから、
高分解能のスペクトルを医学診断に利用することが従来
のMRI装置では極めて限られた範囲でしかできなかっ
た。
【0009】一方、分析化学で用いられる高分解能スペ
クトルを計測するNMRスペクトルメーターでは、種々
の形状をしたシムコイルに電流を流し、この発生する磁
場により試料が存在する空間の磁場の不均一を補正して
いる。このシムコイルにより磁場の均一度は10-7〜1
-8(0.1〜0.01ppm)を達成する。更に、微
妙な不均一な磁場内で試料の全ての核スピンが平均的な
静磁場強度を経験するように、試料を高速で回転するこ
とが行われている。これにより実質的に試料内の磁場の
均一度は10-9(0.001ppm)程度に高められ高
分解能のスペクトルが得られている。
【0010】しかし、この方法を人体を試料とするMR
I装置に適用することは不可能であり、また逆に、磁石
やシムコイルを回転することはその重量と大きさから非
現実的である。
【0011】そこで本発明の目的は、人体内で実質的に
静磁場の均一度を改善して画像歪を減少することであ
り、本発明の他の目的は高速撮影手法を適用できるMR
I装置を提供することである。また本発明の他の目的は
人体内で実質的に静磁場の均一度を改善して脂肪の信号
を効果的に抑圧する手法を適用できるMRI装置を提供
することである。本発明の更に他の目的は人体内で実質
的に高い均一度の静磁場を達成し、高分解能のスペクト
ルを計測し医学診断に供するMRI装置を提供すること
である。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明のMRI装置は、被検体を配設する空間に均一な磁場
を発生する静磁場発生手段と、空間に位置に応じて磁場
強度が異なる磁場を発生する傾斜磁場発生手段と、静磁
場発生手段の発生する静磁場の均一度を改善する磁場を
発生する補正手段と、被検体の核スピンを共鳴励起する
高周波磁場を発生する高周波磁場発生手段と、核スピン
の核磁気共鳴信号を検出する検出手段と、検出された核
磁気共鳴信号を演算処理し、結果を表示する手段とを備
え、核磁気共鳴現象を利用して被検体の内部を計測して
診断情報を得るMRI装置において、補正手段により発
生する補正磁場と被検体との位置を相対的に変化させる
ようにしたものである。尚、本発明において補正磁場
は、補正手段及び傾斜磁場発生手段の2つの磁場発生手
段を用いて発生させることもできる。以下、両者を含む
概念として補正磁場発生手段と言う。
【0013】補正磁場と被検体との位置を相対的に変化
させることは、補正磁場として回転磁場を生成すること
により達成される。具体的には補正磁場発生手段を、複
数の磁場発生用コイルで構成し、これら磁場発生用コイ
ルを直流成分と交流成分の合成された電流で駆動するも
のである。補正磁場が回転することにより、被検体が回
転するのと同等の効果を生じ均一度の高い静磁場を人体
内に作ることができる。更に電気的に回転する補正磁場
を形成しているので、特定軸中心でしか回転できない分
析用のNMRスペクトルメーターの場合と異なり、任意
の軸を中心に或いは任意の点を中心に三次元的に回転す
ることができ、更に均一度の高い静磁場を人体内に作る
ことができる。
【0014】本発明のより具体的な態様として、回転す
る補正磁場を形成するために、補正磁場発生手段を駆動
する電源は、所定の波形の交流を出力する手段と、補正
磁場発生手段を構成する複数の磁場発生用コイルに所定
の補正磁場発生用直流電流を出力する手段と、直流電流
を交流で変調する手段とを備える。このような電源回路
は、アナログ回路としてもデジタル回路としても構成す
ることができるが、制御が容易であること、またフェイ
ズロックがないことから後者の方が有利である。所定の
波形の交流を出力する手段としては任意の波形、例えば
sin波形を発生する関数発生器が利用できる。
【0015】また本発明の磁気共鳴検査法は、被検体を
均一な静磁場空間に配設し、被検体に高周波磁場と、ス
ライス用、位相エンコード用及び読みだし用の各傾斜磁
場を所定のシーケンスに従ってパルス的に印加すること
により、被検体の目的部位に核磁気共鳴を生じさせ、こ
の核磁気共鳴に基づく信号を検出して目的部位の画像や
NMRスペクトルを得る際に、静磁場の均一度を向上す
る調整過程を被検体の配設毎に行うとともに、この調整
により発生する補正磁場と被検体の位置関係を少なくと
も核磁気共鳴信号を検出する期間中、相対的に変化させ
るものであり、具体的には、a)静磁場に少なくとも2
軸方向の補正磁場を重畳するとともに静磁場を均一化す
るのに最適な補正磁場を決定し、b)次いで被検体を静
磁場空間に配置し、決定された補正磁場を回転する補正
磁場として印加し、c)更に静磁場を均一化するのに最
適な回転補正磁場の条件を決定し、d)決定された条件
で回転する補正磁場を印加しながら所定のシーケンスを
実行するものである。
【0016】工程a)は水などの均一な試料を静磁場空
間内に配置して、そのNMR信号を計測して行う。この
工程は、静磁場発生手段である磁石本体は比較的安定し
ているため、頻繁に行う必要はない。b)以降の工程
は、被検体毎に行われ、より具体的には、b)では回転
磁場を形成するために補正磁場発生手段の電源に数kH
z程度の交流信号を重畳する。c)でこの交流信号の振
幅を変化させながら、最適な補正磁場が得られる振幅を
決定する。最適な条件はNMR信号を計測することによ
り決めることができる。これにより検査対象である被検
体に応じた、高い均一度の静磁場を人体内に達成するこ
とができる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施例を図
面により説明する。
【0018】図1は本発明の好適な実施例のMRI装置
の構成図を示す。このMRI装置は、静磁場発生手段と
して磁石101が設けられ、そのボア内に磁石101の
発生する静磁場の均一度を補正するシムコイル102、
静磁場に重畳される傾斜磁場を発生する傾斜磁場コイル
104及び被検体108の検査部位の核スピンを共鳴励
起する高周波磁場を発生する高周波コイル106が組み
込まれている。
【0019】磁石101としては、永久磁石、常電導磁
石或いは超電導磁石が採用されるが、図示する実施例で
は、例えば外径2メートル、内径1メートル、長さ2メ
ートルの容器内に超電導線をソレノイド状に巻いた超電
導磁石が用いられている。このソレノイド状超電導磁石
は、典型的には1.5テスラの磁場強度を有し、磁石ボ
アの中心40センチの球空間で5ppmの磁場均一度を
有している。
【0020】シムコイル102は、静磁場をX、Y、Z
の3軸方向に1次補正するX、Y、Zコイル、2次補正
するX2、Y2、Z2コイル、3次補正するX3、Y3、Z3
コイル、XY方向、YZ方向或いはXZ方向に補正する
1次補正コイル等の複数のコイルから成り、一例とし
て、公知のNMRスペクトルメータに用いられているも
のを相似形で大きくしたコイル形状と同じものが使用で
きる。通常傾斜磁場コイルを兼ねたX、Y、Zコイルを
除く、9〜12種類のコイルから構成される。これらシ
ムコイルはボビンに巻付けられたもの或いはパターン形
成されてボビンに固定されたものが磁石ボアの内側組み
込まれている。各シムコイル102にはそれぞれ独立の
電流が流せるように電源回路103が接続され、前記磁
石ボアの中心空間の磁場均一度を向上する様に一定の電
流が流されている。この電流値の調整方法は後述する。
【0021】傾斜磁場コイル104は、X、Y、Zの3
軸方向の3つコイルから成り、それぞれボビンに固定さ
れ、シムコイル102の内側に組み込まれている。これ
らの傾斜磁場コイル104にはx、y、zの独立の傾斜
磁場電源105が接続されており、磁場均一度向上の電
流と被検体検査部位のNMR信号に位置情報をエンコー
ドするためのパルス電流が印加される。
【0022】これらシムコイル102及び傾斜磁場コイ
ル104の各電源103、105は人体が配置される空
間(40cm/dsv)に磁場均一度を補正するに充分
な電流容量と安定度を有しており、更に後述するように
回転する補正磁場を生成するための手段を備えている。
尚、これら複数のコイルと電源は、お互に干渉すること
がない。
【0023】高周波コイル106は、被検体の検査部位
の核スピンを共鳴励起するために、特定の共振特性を有
している。例えば、磁場強度が1.5テスラの装置で対
象核種が水素である場合、64MHzに共振特性を有し
ている。高周波コイル106には核スピン励起に十分な
強度の高周波磁場が発生できるように例えば20KW程
度の高周波電力アンプ107が接続されている。
【0024】被検者108は患者テーブル109の上に
横になり、目的の検査部位の近傍にNMR信号検出用の
高周波コイル110を装着した状態で磁石101の中心
の空間に搬入されている。検出用の高周波コイル110
には検出されたNMR信号を増幅、検波する受信回路1
11が接続されている。
【0025】以上述べたシム電源103、傾斜磁場電源
105、高周波電力アンプ107、受信回路111は計
算機112に接続されている。計算機112はこれらユ
ニットの動作を制御する信号を発生するとともに、検出
されたNMR信号を診断に有効な形に変換するためにデ
ータ処理する。処理後のデータはモニター113に表示
され診断に利用される。装置を操作するオペレータコン
ソール114が計算機112に接続されている。以上
が、本発明によるMRI装置の基本構成である。
【0026】更に本発明のMRI装置では、シムコイル
及び傾斜磁場コイルの発生する補正磁場を電気的に回転
させるための手段としてこれらの電源103、105に
は関数発生器と変調器が組込まれている。
【0027】このようなシムコイル電源の一実施例を図
2に示す。尚、図中点線で囲った部分は、この電源が傾
斜磁場コイルの電源である場合に必要なパルス駆動回路
を示すもので、この電源がシムコイルの電源である場合
には不要である。
【0028】この電源回路は、図示しない関数発生器及
び計算機112にデータバス212を介して接続された
2つのメモリ回路204、207と、データバス212
からメモリ回路にデータを読み込むタイミングを決定す
るためのクロック回路210と、同じくデータバス21
2に接続され、データバスからのデータをどのメモリ回
路或いはクロック回路210に書込むかを選択するセレ
クト回路211とを備えている。またメモリ回路20
4、207には、それぞれが出力するデータをデジタル
/アナログ変換するデジタル/アナログ(D/A)変換
器205、208と、各D/A変換器205、208の
出力を入力する変調器である電流アンプ202が接続さ
れ、電流アンプ202の出力は、シムコイル201に接
続される。
【0029】一方のメモリ回路204には、セレクト回
路211によって、静磁場の均一度を補正するための補
正電流値(後述する調整において計算機112によって
求められた値)が入力され、この値(データ)はD/A
変換器205で一定の電圧に変換され、電流アンプ20
2の一方の入力端子203に送出される。
【0030】他方のメモリ回路207には、同じくセレ
クト回路211によって、関数発生器から送られたデー
タ、例えば一周期に相当するsin波形が書き込まれて
おり、D/A変換器208はこのデータをsin波形の
電圧として出力する。この交流信号の周波数は数kHz
程度であり、振幅は後述する調整により決められる。電
流アンプ202はふたつの入力端子に印加された一定の
電圧とsin波形で変化する電圧を加算して、それぞれ
の電圧に対応した電流をコイル201に流す。これによ
り補正電流の一部が関数発生器の発生する波形で変化し
たものとなる。
【0031】ここで、メモリー回路207に書き込まれ
たデータを読み出す際に、クロック回路210の発生す
るタイミングパルスに同期して、データを逐次読みだす
ように構成されているおり、クロック回路210のタイ
ミングパルスの周期によってそのsin波形の周期を変
化することができる。またメモリー回路207にはアド
レス発生器209が接続されており、アドレス発生器2
09の出力信号によってsin波形の位相が制御され
る。従って、ここではsin波形の電圧を出力すること
としたが、別のコイルでは例えばcos波形の電圧を出
力することができる。これにより、例えば、X方向のコ
イルをsinω波形で変調し、Y方向のコイルをcos
ω波形で変調することができ、結果として二つの傾斜磁
場コイルが発生する合成磁場は角速度ωで回転すること
になる。
【0032】以上はシム電源の構成の説明であるが、前
述したように傾斜磁場電源の場合は破線で囲まれたパル
ス駆動回路213が追加されており、このパルス駆動回
路213の出力は電流アンプ202で一定の電圧とsi
n波形で変化する電圧の二つの成分と加算されて傾斜磁
場コイルに印加される。
【0033】尚、図2ではデジタル回路で構成した電源
を例示したが、要するに補正磁場のための直流成分を交
流に変調できる回路であれば、アナログ回路で構成する
ことも可能である。但し、フェイズロックがないこと、
制御が容易であることからデジタル回路構成とすること
が有利である。また関数発生器の発生する波形としてs
in波形を例示したが、これに限定されるものではな
い。
【0034】次に以上のような構成におけるMRI装置
の動作について図3及び図4のフロー図並びに図5及び
図6に示すシーケンス図を参照して説明する。
【0035】まず始めに、磁石の磁場均一度の調整をシ
ムコイルと傾斜磁場コイルの電流を変化することで調整
する(図3のフロー)。このため図1に示す装置におい
て、被検者108の代わりにファントム試料を磁石10
1の中心に配置する(301)。ファントム試料として
は、例えば直径20センチメートルの球状でかつ水素核
が均一に分布するものが採用できる。この状態で図5に
示すように、矩形の高周波磁場パルス501を発生する
ように高周波電源107の出力を高周波コイル106に
印加する(302)。この初期状態(n=1)では補正磁
場はかけない。高周波磁場パルス501後のFID信号
502を同じ高周波コイル106で検出する(303)。
このFID信号502を受信回路111で増幅し計算機
112でフーリェ変換してスペクトル503を得る(30
4)。得られたスペクトル503の半値幅Δh1を求め
る(305)。次に、シムコイル用の電源103と傾斜磁
場電源105の電流値をそれぞれ変化させながら補正磁
場を加え(307、308)、再び高周波磁場パルス504を
印加して、FID信号505の検出、スペクトル506
の半値幅Δh2を求める過程(303〜305)を繰り返す。
図5では1つのコイルの電流値507のみ示している
が、少なくとも2のコイルでこのような操作を実施す
る。こうしてスペクトルの半値幅が最小になる各コイル
の電流値を求める(306、309)。最小値を求める工程
(306)は、予め設定された回数(n)だけ電流値を変
化させて、その中で最小のものを求めてもよいし、半値
幅が設定されたしきい値以下となるときを最小値として
もよい。その他、最小値を求める公知のアルゴリズムを
適宜採用できる。
【0036】尚、磁場均一度の尺度としてスペクトルの
半値幅を用いているのは、これがFID信号の減衰特性
に対応していることによる。一般にFID信号の減衰特
性は磁場の均一度による減衰と核スピンの緩和過程によ
る減衰の両特性を示すが、磁場均一度が良くなるとFI
D信号の減衰は核スピンの緩和過程が支配的となり、そ
のスペクトルの半値幅は当然狭くなる。そこで、スペク
トルの半値幅を電流値を変化しながら逐次比較して求め
ることで、磁場均一度を最良にすることができる。
【0037】この調整作業の最後に、それぞれの電流値
が常時各コイルに流れるようにシム電源と傾斜磁場電源
を計算機より制御する(307)。磁石本体の均一度は比
較的安定であるから、この操作は頻繁に行う必要が無
く、MRI装置の導入時と毎月の定期点検時に再調整を
行えば充分である。
【0038】上述のように調整が行われたMRI装置で
は、磁石自体の均一度がかなり改善されたものとなって
いるが、既に述べたように理想的な磁場は達成すること
ができず、更に実際の検査では被検体の影響も加味され
静磁場の均一度は複雑な分布を示す。従って、実際の検
査にあたっては、シムコイルと傾斜磁場コイルにより形
成される補正磁場に電気的な手法によって回転を加え
る。
【0039】次に実際の検査におけるフローを説明す
る。まず図1に示すように被検者108を磁石101の
中心に配設する(図4(401))。この状態で図6に示
すように、矩形の高周波磁場パルス601を発生するよ
うに高周波電源107の出力を高周波コイル106に印
加する(402)。高周波磁場パルス601後のFID信
号602を検出用の高周波コイル110で検出する(40
3)。このFID信号602を受信回路111で増幅し
計算機112でフーリェ変換してスペクトル603を得
る(404)。得られたスペクトル603の半値幅Δh3
を求める(405)。次に各シムコイル電源と傾斜磁場電
源のそれぞれの調整の電流値507(図3に示すフロー
図(309)で設定された電流値)に交流信号を重畳させ
(407)、その交流信号604の振幅を変化させながら
(408)再び高周波磁場パルス605を印加して、FI
D信号606の検出、スペクトル607の半値幅Δh4
を求める過程(402〜406)を操り返す。
【0040】尚、図6では1つのコイルについてのみ示
しているが、少なくとも2方向のシムコイル及び/又は
傾斜磁場コイルについて行う。実際には、補正磁場の回
転は一次の補正項であるx、y、zの補正磁場で初期の
目的の均一度をほぼ達成できる。
【0041】図6のシーケンスで得られるスペクトル6
03、607は、均一な材質の試料の場合とは異なり、
被検者108の検査部位によっては、複数のスペクトル
が存在する場合がある。この場合のスペクトルの半値幅
は特定(例えば最大振幅を示す)のピークを用いるか、
全てのピークの半値幅の平均値を用いてもよい。スペク
トルの半値幅を交流信号604を変化しながら逐次比較
して求めることにより、被検体の検査部位の実質的な磁
場均一度を最良にすることができる。
【0042】この調整作業の最後に、それぞれの電流値
と交流信号が常時各コイルに流れるようにシム電源と傾
斜磁場電源を計算機112より制御する(409)。以上
の調整が終了すると検査の目的に応じた撮影パルスシー
ケンスが起動する(410)。すなわち、高速撮影法や高
分解能スペクトル計測シーケンスで検査が進められる。
【0043】一例として、被検者108の頭部を図7に
示す高速撮影手法で検査する場合について述べる。図7
の期間Aで、目的の部位のスピンエコー信号を得るた
め、傾斜磁場Z703、704の存在のもとで90°高
周波パルス701と180°高周波パルス702を検査
部位に印加する。これにより、90°高周波パルス70
1と180°高周波パルス702の間に2倍時間経過の
期間Eでスピンエコー信号713が発生する。更に、傾
斜磁場Xの反転パルス708と709により、グラジエ
ントエコー信号712が期間Cで発生、傾斜磁場Xの反
転パルス710と711により、グラジエントエコー信
号714が期間Gで発生する。グラジエントエコー信号
は磁場の均一度によるT2*で減衰するが、磁場均一度
が高い場合その減衰特性は緩和時間T2のカーブに近づ
く。この結果、スピンエコー信号と同様にグラジエント
エコー信号もS/Nが高いので画像のマトリクスデータ
として用いることができる。各エコー信号を検出する前
の期間B、期間D、期間Fで傾斜磁場Yの位相エンコー
ドパルス705、706、707が印加される。これに
より、グラジエントエコー信号712は位相エンコード
パルス705で符号化され、スピンエコー信号713は
位相エンコードパルス705、706で符号化され、グ
ラジエントエコー信号714は位相エンコードパルス7
05、706、707で符号化される。すなわちTR
(期間Aから待ち時間の期間D)内で三つの異なる符号
化されたNMR信号が計測され、通常の撮影法に比べて
1/3の時間で検査を終了できる。
【0044】撮影パルスシーケンスとしては、上述した
グラジエントスピンエコー(GSE)法の他、EPI法
等に適用できることは言うまでもなく、この場合にもS
/Nが高いマトリクスデータを得ることができる。また
本発明は、脂肪のNMR信号を抑圧する撮影手法やスペ
クトロスコピックイメージング法にも好適に適用でき
る。
【0045】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、静
磁場の均一度を補正する補正磁場と被検体との相対位置
を変化させながらMRI検査を行うことにより、被検体
の存在する空間の静磁場の均一度を実質的に向上するこ
とができ、これにより磁場不均一に起因するMRI画像
の歪を低減することができる。また、被検体の検査部位
より得られるNMR信号の減衰が静磁場の均一度による
影響が少なくなるので、傾斜磁場反転による高速撮影シ
ーケンスにおいてもS/Nの高い検査結果が得られる。
さらに、脂肪のNMR信号を抑圧する撮影手法において
もプロトンについての高品質画像を得ることができる。
さらに、被検体の検査部位の高分解能スペクトル計測が
可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用されるMRI装置の好適な実施例
の構成図。
【図2】本発明によるMRI装置の要部を示す図。
【図3】本発明による補正磁場の調整のフローの1実施
例を示す図。
【図4】図3の補正磁場の調整のためのシーケンスの1
実施例を示す図。
【図5】本発明によるMRI検査次の補正磁場の調整の
フローの1実施例を示す図。
【図6】図5の補正磁場の調整のためのシーケンスの1
実施例を示す図。
【図7】本発明が適用されるMRI撮影シーケンスの1
実施例を示す図。
【符号の説明】
101……超電導磁石(静磁場発生手段) 102……シムコイル(補正手段) 103……シム電源 104……傾斜磁場コイル(傾斜磁場発生手段/補正手
段) 105……傾斜磁場電源 106……照射用高周波コイル 107……高周波電力アンプ(高周波磁場発生手段) 108……被検者 110……受信用高周波コイル(検出手段)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被検体を配設する空間に均一な磁場を発生
    する静磁場発生手段と、前記空間に位置に応じて磁場強
    度が異なる磁場を発生する傾斜磁場発生手段と、前記静
    磁場発生手段の発生する静磁場の均一度を改善する磁場
    を発生する補正手段と、前記被検体の核スピンを共鳴励
    起する高周波磁場を発生する高周波磁場発生手段と、前
    記核スピンの核磁気共鳴信号を検出する検出手段と、前
    記検出された核磁気共鳴信号を演算処理し、結果を表示
    する手段とを備え、核磁気共鳴現象を利用して被検体の
    内部を計測して診断情報を得る磁気共鳴検査装置におい
    て、 前記補正手段又は前記補正手段及び前記傾斜磁場発生手
    段により発生する補正磁場と前記被検体との位置を相対
    的に変化させる手段を備えたことを特徴とする磁気共鳴
    検査装置。
  2. 【請求項2】前記補正磁場は、前記被検体に対する回転
    磁場であることを特徴とする請求項1記載の磁気共鳴検
    査装置。
  3. 【請求項3】前記補正手段は、複数の磁場発生用コイル
    と、前記磁場発生用コイルの各々を直流成分と交流成分
    の合成された電流で駆動する電源とから構成されること
    を特徴とする請求項2記載の磁気共鳴検査装置。
  4. 【請求項4】前記電源は、所定の波形の交流を出力する
    手段と、前記複数の磁場発生用コイルに所定の補正磁場
    発生用直流電流を出力する手段と、前記直流電流を前記
    交流で変調し、各磁場発生用コイルに印加する手段とを
    備えたことを特徴とする請求項3記載の磁気共鳴検査装
    置。
  5. 【請求項5】被検体を均一な静磁場空間に配設し、被検
    体に高周波磁場と、スライス用、位相エンコード用及び
    読みだし用の各傾斜磁場を所定のシーケンスに従ってパ
    ルス的に印加することにより、前記被検体の目的部位に
    核磁気共鳴を生じさせ、この核磁気共鳴に基づく信号を
    検出して前記目的部位の画像やNMRスペクトルを得る
    核磁気共鳴検査法において、 a)前記静磁場に少なくとも2軸方向の補正磁場を重畳
    するとともに前記静磁場を均一化するのに最適な補正磁
    場を決定し、 b)次いで前記被検体を静磁場空間に配置し、前記決定
    された補正磁場を回転する補正磁場として印加し、 c)更に前記静磁場を均一化するのに最適な回転補正磁
    場の条件を決定し、 d)決定された条件で回転する補正磁場を印加しながら
    所定のシーケンスを実行することを特徴とする核磁気共
    鳴検査法。
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