JPH09268339A - 真空ろう付け用Al合金製ブレージングシート - Google Patents
真空ろう付け用Al合金製ブレージングシートInfo
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- JPH09268339A JPH09268339A JP8167196A JP8167196A JPH09268339A JP H09268339 A JPH09268339 A JP H09268339A JP 8167196 A JP8167196 A JP 8167196A JP 8167196 A JP8167196 A JP 8167196A JP H09268339 A JPH09268339 A JP H09268339A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 真空ろう付けで接合組立てる熱交換器に適し
た耐食性に優れたAl合金製ブレージングシートを見出
すこと。 【解決手段】 Al合金製ブレージングシートの構成
は、Si:0.01〜1.0mass%(以下単に%と
記す)、Fe:0.05〜0.8%、Mn:0.3〜
1.2%、Cu:0.1〜1.0%、Mg:0.01〜
0.20%、Ti:0.01〜0.20%を含有し、残
部がAlおよび不可避的不純物からなるAl合金芯材
と、その両面に、片面につき5〜20%のクラッド率で
被覆されたAl−Si−Mg系ろう材とからなり、更に
熱交換器の外面となる側のろう材と芯材の間に、Mg:
0.5〜2.0%を含有し、残部がAlおよび不可避的
不純物からなるAl合金であって、厚さが30μm以上
で、かつクラッド率が35%以下の中間層を設けたこと
を特徴とする。
た耐食性に優れたAl合金製ブレージングシートを見出
すこと。 【解決手段】 Al合金製ブレージングシートの構成
は、Si:0.01〜1.0mass%(以下単に%と
記す)、Fe:0.05〜0.8%、Mn:0.3〜
1.2%、Cu:0.1〜1.0%、Mg:0.01〜
0.20%、Ti:0.01〜0.20%を含有し、残
部がAlおよび不可避的不純物からなるAl合金芯材
と、その両面に、片面につき5〜20%のクラッド率で
被覆されたAl−Si−Mg系ろう材とからなり、更に
熱交換器の外面となる側のろう材と芯材の間に、Mg:
0.5〜2.0%を含有し、残部がAlおよび不可避的
不純物からなるAl合金であって、厚さが30μm以上
で、かつクラッド率が35%以下の中間層を設けたこと
を特徴とする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車および各種
産業用のAl合金製熱交換器等をろう付け(ブレージン
グ)、特に真空ろう付けで接合組立する場合に、これに
適した耐食性の優れた真空ろう付け用Al合金製ブレー
ジングシートに関するものである。
産業用のAl合金製熱交換器等をろう付け(ブレージン
グ)、特に真空ろう付けで接合組立する場合に、これに
適した耐食性の優れた真空ろう付け用Al合金製ブレー
ジングシートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】Al合金製の複雑な構造体を製造する場
合、ろう付け法は有効な手段であり、特にフラックスを
必要としない真空ろう付け法は、公害上の心配がない事
から盛んに行われている。真空ろう付けは、Alまたは
Al合金を芯材とし、その片面または両面にAl合金ろ
う材を皮材としてクラッドしたブレージングシートを用
いて各種形状に成形し、これらの部材を所定の構造体例
えば熱交換器に組立、これを真空中で加熱してろう付け
を行う方法である。
合、ろう付け法は有効な手段であり、特にフラックスを
必要としない真空ろう付け法は、公害上の心配がない事
から盛んに行われている。真空ろう付けは、Alまたは
Al合金を芯材とし、その片面または両面にAl合金ろ
う材を皮材としてクラッドしたブレージングシートを用
いて各種形状に成形し、これらの部材を所定の構造体例
えば熱交換器に組立、これを真空中で加熱してろう付け
を行う方法である。
【0003】真空ろう付け用ブレージングシートには、
各種の芯材用アルミニウム合金と皮材用アルミニウム合
金ろう材が開発され、現在ではこれらの材料についてJ
IS−Z−3263及びJIS−H−4000により規
格化されている。熱交換器に使用される真空ろう付け用
ブレージングシートとしては、芯材としてJIS−30
03(代表例Al−0.15mass%Cu−1.1m
ass%Mn合金、mass%は以下単に%と記す)、
JIS−3005(代表例Al−1.1%Mn−0.4
%Mg合金)、JIS−3105(代表例Al−0.6
%Mn−0.6%Mg合金)を、皮材としてJIS−4
004(代表例Al−10%Si−1.5 %Mg合
金)、JIS−4104(代表例Al−10%Si−
1.2%Mg−0.1%Bi合金)ろう材を用いるのが
通常である。またブレージングシートは、板厚が0.2
〜1.2mm程度であり、ろう材のクラッド率は全板厚
に対して片面につき5〜20%で、片面あるいは両面に
クラッドされている。
各種の芯材用アルミニウム合金と皮材用アルミニウム合
金ろう材が開発され、現在ではこれらの材料についてJ
IS−Z−3263及びJIS−H−4000により規
格化されている。熱交換器に使用される真空ろう付け用
ブレージングシートとしては、芯材としてJIS−30
03(代表例Al−0.15mass%Cu−1.1m
ass%Mn合金、mass%は以下単に%と記す)、
JIS−3005(代表例Al−1.1%Mn−0.4
%Mg合金)、JIS−3105(代表例Al−0.6
%Mn−0.6%Mg合金)を、皮材としてJIS−4
004(代表例Al−10%Si−1.5 %Mg合
金)、JIS−4104(代表例Al−10%Si−
1.2%Mg−0.1%Bi合金)ろう材を用いるのが
通常である。またブレージングシートは、板厚が0.2
〜1.2mm程度であり、ろう材のクラッド率は全板厚
に対して片面につき5〜20%で、片面あるいは両面に
クラッドされている。
【0004】こうしたブレージングシートを用いた中空
構造を有するAl合金製熱交換器としてはドロンカップ
タイプのエバポレータ、オイルクーラー、ラジエーター
等が製造されている。例えば図4に示すごとく、ドロン
カップタイプのエバポレータ10は、ブレージングシー
トを成形加工して図1および図2に示す部材1を作製
し、この部材1を図4に示すように積層し、積層した部
材1間にコルゲートフィン2を配設し、さらにサイドプ
レート6、6, 、冷媒入口管7、冷媒出口管8を配設し
て組立し、これを真空ろう付したもので、ろう付は1.
3×10-3〜1.3×10-2Pa台の真空中で、約87
3Kに加熱して行われる。
構造を有するAl合金製熱交換器としてはドロンカップ
タイプのエバポレータ、オイルクーラー、ラジエーター
等が製造されている。例えば図4に示すごとく、ドロン
カップタイプのエバポレータ10は、ブレージングシー
トを成形加工して図1および図2に示す部材1を作製
し、この部材1を図4に示すように積層し、積層した部
材1間にコルゲートフィン2を配設し、さらにサイドプ
レート6、6, 、冷媒入口管7、冷媒出口管8を配設し
て組立し、これを真空ろう付したもので、ろう付は1.
3×10-3〜1.3×10-2Pa台の真空中で、約87
3Kに加熱して行われる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】近年、自動車の軽量化
に伴い、これら熱交換器に使用する材料に対して、板厚
の薄肉化及び高強度化が要求されつつある。これに対応
する方策として、ブレージングシートの芯材にCuを添
加して、高強度を得ている。しかしながら、芯材中に添
加したCuは、ろう付加熱時に溶融したろう材中に拡散
し、ろう付加熱後にろう材が凝固する際に共晶部に排
出、濃化される。そのため芯材にCuが多いブレージン
グシート程、ろう材中に拡散したCu層が腐食の起点と
なり、腐食の進行が早くなるという問題がある。一方、
自動車用熱交換器の使用環境は様々であるが、特に腐食
環境の厳しい地方(例えば東南アジア、中近東地方)で
の使用に対して、耐蝕性の優れたドロンカップタイプの
熱交換器(又これに使用するブレージングシート)の開
発が切望されている。本発明の課題は、前記のような耐
食性に優れた熱交換器、これに使用する真空ろう付け用
Al合金製ブレージングシートを見出すことである。
に伴い、これら熱交換器に使用する材料に対して、板厚
の薄肉化及び高強度化が要求されつつある。これに対応
する方策として、ブレージングシートの芯材にCuを添
加して、高強度を得ている。しかしながら、芯材中に添
加したCuは、ろう付加熱時に溶融したろう材中に拡散
し、ろう付加熱後にろう材が凝固する際に共晶部に排
出、濃化される。そのため芯材にCuが多いブレージン
グシート程、ろう材中に拡散したCu層が腐食の起点と
なり、腐食の進行が早くなるという問題がある。一方、
自動車用熱交換器の使用環境は様々であるが、特に腐食
環境の厳しい地方(例えば東南アジア、中近東地方)で
の使用に対して、耐蝕性の優れたドロンカップタイプの
熱交換器(又これに使用するブレージングシート)の開
発が切望されている。本発明の課題は、前記のような耐
食性に優れた熱交換器、これに使用する真空ろう付け用
Al合金製ブレージングシートを見出すことである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決するため鋭意検討の結果、ブレージングシート部
材の耐食性を向上させるためには、中間層により、ろう
付加熱中の芯材からろう材へのCuの拡散の防止効果と
犠牲陽極効果を、ブレージングシートに付与することが
有効であるとの知見を得た。本発明は、上記の知見に基
づいてなされたものである。
を解決するため鋭意検討の結果、ブレージングシート部
材の耐食性を向上させるためには、中間層により、ろう
付加熱中の芯材からろう材へのCuの拡散の防止効果と
犠牲陽極効果を、ブレージングシートに付与することが
有効であるとの知見を得た。本発明は、上記の知見に基
づいてなされたものである。
【0007】即ち本発明は、プレス成形したブレージン
グシートを真空ろう付けにより接合してタンク部および
冷媒通路を構成する熱交換器用のAl合金製ブレージン
グシートであって、その構成は、Si:0.01〜1.
0%、Fe:0.05〜0.8%、Mn:0.3〜1.
2%、Cu:0.1〜1.0%、Mg:0.01〜0.
2%、Ti:0.01〜0.2%を含有し、残部がAl
および不可避的不純物からなるAl合金芯材と、その両
面に、片面につき5〜20%のクラッド率で被覆された
Al−Si−Mg系ろう材とからなり、更に前記タンク
部および冷媒通路の外面となる側のろう材と芯材の間
に、Mg:0.5〜2.0%を含有し、残部がAlおよ
び不可避的不純物からなるAl合金であって、厚さが3
0μm以上で、かつクラッド率が35%以下の中間層を
設けたことを特徴する真空ろう付け用Al合金製ブレー
ジングシートである。
グシートを真空ろう付けにより接合してタンク部および
冷媒通路を構成する熱交換器用のAl合金製ブレージン
グシートであって、その構成は、Si:0.01〜1.
0%、Fe:0.05〜0.8%、Mn:0.3〜1.
2%、Cu:0.1〜1.0%、Mg:0.01〜0.
2%、Ti:0.01〜0.2%を含有し、残部がAl
および不可避的不純物からなるAl合金芯材と、その両
面に、片面につき5〜20%のクラッド率で被覆された
Al−Si−Mg系ろう材とからなり、更に前記タンク
部および冷媒通路の外面となる側のろう材と芯材の間
に、Mg:0.5〜2.0%を含有し、残部がAlおよ
び不可避的不純物からなるAl合金であって、厚さが3
0μm以上で、かつクラッド率が35%以下の中間層を
設けたことを特徴する真空ろう付け用Al合金製ブレー
ジングシートである。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係わる真空ろう付
け用Al合金製ブレージングシートの芯材、ろう材、中
間層について、詳細に説明する。 1.芯材の合金組成について 先ず、本発明のブレージングシートの芯材に使用するA
l合金はAl−Si−Fe−Mn−Cu−Mg−Ti合
金であるが、添加元素の意義とその範囲の限定理由につ
いて説明する。Siは、Mn、Feとの金属間化合物を
析出し強度の向上に寄与している。添加量が0.05%
未満では強度の向上効果が十分ではなく、1.0%を越
えるとブレージング加熱時に芯材が溶融する危険性があ
る。従って、Siの添加量は0.05〜1.0%に規定
した。
け用Al合金製ブレージングシートの芯材、ろう材、中
間層について、詳細に説明する。 1.芯材の合金組成について 先ず、本発明のブレージングシートの芯材に使用するA
l合金はAl−Si−Fe−Mn−Cu−Mg−Ti合
金であるが、添加元素の意義とその範囲の限定理由につ
いて説明する。Siは、Mn、Feとの金属間化合物を
析出し強度の向上に寄与している。添加量が0.05%
未満では強度の向上効果が十分ではなく、1.0%を越
えるとブレージング加熱時に芯材が溶融する危険性があ
る。従って、Siの添加量は0.05〜1.0%に規定
した。
【0009】Feは、Mnとの金属間化合物を析出し強
度の向上に寄与している。添加量が0.05%未満では
強度の向上効果が十分ではなく、0.8%を越えると鋳
造時に巨大な晶出物を生じて、ブレージング加熱時に芯
材の再結晶粒径が小さくなり、ろう材の芯材への異常拡
散を生じ、ろう付け性が低下する。従って、Feの添加
量は0.05〜0.8%とするが、Mn/Fe比が大き
くなると、腐食の起点となりうるAl−Mn−Fe系の
金属間化合物の析出が抑制されるため、耐蝕性が向上す
る観点から、0.2〜0.4%とするのがより好まし
い。
度の向上に寄与している。添加量が0.05%未満では
強度の向上効果が十分ではなく、0.8%を越えると鋳
造時に巨大な晶出物を生じて、ブレージング加熱時に芯
材の再結晶粒径が小さくなり、ろう材の芯材への異常拡
散を生じ、ろう付け性が低下する。従って、Feの添加
量は0.05〜0.8%とするが、Mn/Fe比が大き
くなると、腐食の起点となりうるAl−Mn−Fe系の
金属間化合物の析出が抑制されるため、耐蝕性が向上す
る観点から、0.2〜0.4%とするのがより好まし
い。
【0010】Mnは、金属間化合物を合金中に分散さ
せ、強度を向上させるのに必要な元素である。この量が
0.3%未満では強度向上の効果が十分でなく、1.2
%を越えると成形性が低下し、積層型のエバポレーター
プレートとして成形が出来なくなる危険性があり、また
ろう付け時に芯材へのろう材の拡散量が増え、ろう付性
を低下させる。従ってその範囲は0.3〜1.2%とす
るが、Mn/Fe比が大きくなると、前記のごとく耐蝕
性が向上する観点から、0.8〜1.1%とするのがよ
り好ましい。
せ、強度を向上させるのに必要な元素である。この量が
0.3%未満では強度向上の効果が十分でなく、1.2
%を越えると成形性が低下し、積層型のエバポレーター
プレートとして成形が出来なくなる危険性があり、また
ろう付け時に芯材へのろう材の拡散量が増え、ろう付性
を低下させる。従ってその範囲は0.3〜1.2%とす
るが、Mn/Fe比が大きくなると、前記のごとく耐蝕
性が向上する観点から、0.8〜1.1%とするのがよ
り好ましい。
【0011】Cuは、芯材に固溶して芯材の強度を向上
させる役割をする。また、芯材に固溶することで芯材の
電位を貴にし、中間層である犠牲材との電位差を大きく
して中間層の犠牲陽極効果をより一層働かせる。しか
し、その添加量が0.1%未満では強度向上に寄与しな
い。また、添加量が1.0%を越えるとろう付け加熱冷
却過程で芯材の粒界にCuAl2 を析出し芯材の耐蝕性
を損ねるだけでなく、ろう付け加熱中にろう材に拡散す
る量が多くなり、ろう材自身の腐食の起点を増やしてし
まう。 また、添加量が1.0%を越えると873Kの
加熱で芯材が溶融する危険性がある。従って、Cuの添
加量は0.1〜1.0%とするが、0.3〜1.0%が
より好ましい。
させる役割をする。また、芯材に固溶することで芯材の
電位を貴にし、中間層である犠牲材との電位差を大きく
して中間層の犠牲陽極効果をより一層働かせる。しか
し、その添加量が0.1%未満では強度向上に寄与しな
い。また、添加量が1.0%を越えるとろう付け加熱冷
却過程で芯材の粒界にCuAl2 を析出し芯材の耐蝕性
を損ねるだけでなく、ろう付け加熱中にろう材に拡散す
る量が多くなり、ろう材自身の腐食の起点を増やしてし
まう。 また、添加量が1.0%を越えると873Kの
加熱で芯材が溶融する危険性がある。従って、Cuの添
加量は0.1〜1.0%とするが、0.3〜1.0%が
より好ましい。
【0012】Mgは、Cuの場合と同様に芯材に固溶し
て、芯材の強度向上に寄与する。添加量が0.01%未
満では強度向上に寄与しなく、また0.2%を越えると
芯材に粒界腐食を発生させ耐蝕性を損なう。従って、M
gの添加量は0.1〜0.2%とする。
て、芯材の強度向上に寄与する。添加量が0.01%未
満では強度向上に寄与しなく、また0.2%を越えると
芯材に粒界腐食を発生させ耐蝕性を損なう。従って、M
gの添加量は0.1〜0.2%とする。
【0013】Tiは、微量の添加で鋳塊組織の微細化の
効果がある。また、腐食を層状にする働きがあり耐蝕性
が向上する効果もある。本発明においては、耐蝕性の観
点から0.01〜0.20%添加する。その添加量が
0.01%未満ではその効果がなく、また0.20%を
越えると材料の製造が困難となる。なお、最適添加量
は、0.10〜0.20%程度とするのがよい。
効果がある。また、腐食を層状にする働きがあり耐蝕性
が向上する効果もある。本発明においては、耐蝕性の観
点から0.01〜0.20%添加する。その添加量が
0.01%未満ではその効果がなく、また0.20%を
越えると材料の製造が困難となる。なお、最適添加量
は、0.10〜0.20%程度とするのがよい。
【0014】芯材における上記以外の元素で不可避的不
純物としては、Cr、Zn等があるが、一般に許容され
る範囲、即ちCrは0.20%以下、Znは0.40%
以下なら、特に問題ない。
純物としては、Cr、Zn等があるが、一般に許容され
る範囲、即ちCrは0.20%以下、Znは0.40%
以下なら、特に問題ない。
【0015】2.ろう材について 本発明に用いられるろう材については、特に制限はな
い。通常、真空ろう付けに使用されるAl−Si−Mg
系ろう材、即ち4004(代表例Al−10%Si−
1.5%Mg合金)、4104(代表例Al−10%S
i−1.2%Mg−0.1%Bi合金)等を用いること
が出来る。また、ろう材のクラッド率についても、通常
のクラッド率即ち全板厚に対して片面につき5〜20%
を用いることが出来る。なお、本発明の場合、板の両面
にクラッドされる。
い。通常、真空ろう付けに使用されるAl−Si−Mg
系ろう材、即ち4004(代表例Al−10%Si−
1.5%Mg合金)、4104(代表例Al−10%S
i−1.2%Mg−0.1%Bi合金)等を用いること
が出来る。また、ろう材のクラッド率についても、通常
のクラッド率即ち全板厚に対して片面につき5〜20%
を用いることが出来る。なお、本発明の場合、板の両面
にクラッドされる。
【0016】3.中間層について 次に、本発明によるブレージングシートの中間層に使用
するAl−Mg合金について説明する。中間層に使用す
るAl−Mg合金は、芯材の元素Cuがろう付け加熱中
にろう材に拡散するのを防止する役目をする。この中間
層であるAl−Mg合金材は、合金中のMgがろう付け
加熱中に固溶し、ろう材、芯材よりも電位的に卑にな
る。このことによりろう材から発生した腐食が、犠牲陽
極効果により中間層で止まるといった効果がある。この
効果を得るため、本発明においてはMgは0.1〜2.
0%添加する。Mgをこの範囲にする理由は、添加量が
0.1%未満では、この効果が少なく、2.0%を越え
ると過腐食となるからである。また、別の理由としてM
gの添加量が2.0%を越えると、熱間圧延での合わせ
圧延(クラッド圧延)でろう材及び芯材に接合しないと
いう問題がある。
するAl−Mg合金について説明する。中間層に使用す
るAl−Mg合金は、芯材の元素Cuがろう付け加熱中
にろう材に拡散するのを防止する役目をする。この中間
層であるAl−Mg合金材は、合金中のMgがろう付け
加熱中に固溶し、ろう材、芯材よりも電位的に卑にな
る。このことによりろう材から発生した腐食が、犠牲陽
極効果により中間層で止まるといった効果がある。この
効果を得るため、本発明においてはMgは0.1〜2.
0%添加する。Mgをこの範囲にする理由は、添加量が
0.1%未満では、この効果が少なく、2.0%を越え
ると過腐食となるからである。また、別の理由としてM
gの添加量が2.0%を越えると、熱間圧延での合わせ
圧延(クラッド圧延)でろう材及び芯材に接合しないと
いう問題がある。
【0017】中間層のAl−Mg合金におけるMg以外
の元素で不可避的不純物としては、Si、Fe、Cr、
Zn等があるが、一般に許容される範囲は、Si0.6
%以下、Fe0.7%以下、Cr0.10%以下、Zn
0.20%以下であるが、特にSiは0.2%以下、F
eは0.25%以下とするのがより好ましい。
の元素で不可避的不純物としては、Si、Fe、Cr、
Zn等があるが、一般に許容される範囲は、Si0.6
%以下、Fe0.7%以下、Cr0.10%以下、Zn
0.20%以下であるが、特にSiは0.2%以下、F
eは0.25%以下とするのがより好ましい。
【0018】次に、このAl合金中間層は、芯材の一方
即ち熱交換器のタンク部および冷媒通路の外側に相当す
る面に設け、更にその上にろう材がクラッドされる。な
お、芯材の他方の面には、直接ろう材がクラッドされ
る。このようにタンク部および冷媒通路の外側に相当す
る面に中間層を設ける理由は、外側の方が腐食環境が過
酷となるからである。
即ち熱交換器のタンク部および冷媒通路の外側に相当す
る面に設け、更にその上にろう材がクラッドされる。な
お、芯材の他方の面には、直接ろう材がクラッドされ
る。このようにタンク部および冷媒通路の外側に相当す
る面に中間層を設ける理由は、外側の方が腐食環境が過
酷となるからである。
【0019】本発明に係わるAl合金製ブレージングシ
ートの中間層において、その厚さを30μm以上とした
のは、中間層の厚さが30μm未満の場合には、ろう付
加熱時に芯材のCuが中間層を通り越してろう材まで拡
散するからである。ろう材に達したCuは、ろうが溶
融、凝固する際に共晶部に排出されて濃化し、腐食の起
点となって耐食性を低下させる。
ートの中間層において、その厚さを30μm以上とした
のは、中間層の厚さが30μm未満の場合には、ろう付
加熱時に芯材のCuが中間層を通り越してろう材まで拡
散するからである。ろう材に達したCuは、ろうが溶
融、凝固する際に共晶部に排出されて濃化し、腐食の起
点となって耐食性を低下させる。
【0020】また、中間層のクラッド率を全板厚に対し
て35%以下としたのは、シートの全板厚に対して中間
層が厚くなりすぎると、芯材を犠牲防食する部分が多く
なりすぎて腐食が進行した場合に残留する板厚が薄くな
り、熱交換器の内部圧力に耐えられなくなるからであ
る。また、クラッド率が35%を越えると、熱間圧延で
のろう材と芯材との合わせ圧延で、各々を所定のクラッ
ド率に圧延することが困難となる。従って、Al−Mg
合金の中間層は、30μm以上の厚さで、かつクラッド
率は35%以下とする。
て35%以下としたのは、シートの全板厚に対して中間
層が厚くなりすぎると、芯材を犠牲防食する部分が多く
なりすぎて腐食が進行した場合に残留する板厚が薄くな
り、熱交換器の内部圧力に耐えられなくなるからであ
る。また、クラッド率が35%を越えると、熱間圧延で
のろう材と芯材との合わせ圧延で、各々を所定のクラッ
ド率に圧延することが困難となる。従って、Al−Mg
合金の中間層は、30μm以上の厚さで、かつクラッド
率は35%以下とする。
【0021】本発明に係わるAl合金製ブレージングシ
ートの構成は、前述のとおりであるが、このシート
(板)の断面構造を図示すると、図5のとおりである。
即ち、Al合金芯材5の熱交換器のタンク部および冷媒
通路の外面に相当する側Cに中間層4を介して、ろう材
3を設け、芯材5の他方の側(内面に相当する側)Dに
ろう材3, を設けた4層構造である。
ートの構成は、前述のとおりであるが、このシート
(板)の断面構造を図示すると、図5のとおりである。
即ち、Al合金芯材5の熱交換器のタンク部および冷媒
通路の外面に相当する側Cに中間層4を介して、ろう材
3を設け、芯材5の他方の側(内面に相当する側)Dに
ろう材3, を設けた4層構造である。
【0022】また、本発明に係わるAl合金製ブレージ
ングシートの製造方法は、従来と同様に、常法に従って
製造することができる。即ち芯材、中間層材、ろう材の
所定のAl合金材を溶解鋳造し、この鋳塊を均質化熱処
理(ソーキング)し、更に必要に応じて所定の厚さに圧
延し、これらを合わせ熱間圧延し、続いて冷間圧延(必
要に応じて焼鈍)して製造することが出来る。
ングシートの製造方法は、従来と同様に、常法に従って
製造することができる。即ち芯材、中間層材、ろう材の
所定のAl合金材を溶解鋳造し、この鋳塊を均質化熱処
理(ソーキング)し、更に必要に応じて所定の厚さに圧
延し、これらを合わせ熱間圧延し、続いて冷間圧延(必
要に応じて焼鈍)して製造することが出来る。
【0023】
【実施例】次に、本発明の実施例を、比較例従来例と比
較して更に詳細に説明する。表1に示す各種の芯材鋳塊
を製造し、これを面削後600℃×9時間の均質化熱処
理をした。この鋳塊の片面に表1に示すMg量の異なる
各種の中間層材を全板厚に対して5〜40%のクラッド
率で合わせ、更にその外側の両面にJIS−4004合
金(Al−10%Si−1.5%Mg合金)からなるろ
う材を片面あたり15%クラッドし、これを490℃に
加熱して、合わせ熱間圧延した。続いて、冷間圧延、中
間焼鈍、冷間圧延、最終焼鈍(360℃×2h)を行
い、表1に示す本発明例(No.1〜8)、比較例(N
o.9〜12)の厚さ0.4mmのブレージングシート
を製造した。なお、表1の如く中間層材を使用しない従
来例(No.13〜14)のブレージングシート(3層
材)も製造した。
較して更に詳細に説明する。表1に示す各種の芯材鋳塊
を製造し、これを面削後600℃×9時間の均質化熱処
理をした。この鋳塊の片面に表1に示すMg量の異なる
各種の中間層材を全板厚に対して5〜40%のクラッド
率で合わせ、更にその外側の両面にJIS−4004合
金(Al−10%Si−1.5%Mg合金)からなるろ
う材を片面あたり15%クラッドし、これを490℃に
加熱して、合わせ熱間圧延した。続いて、冷間圧延、中
間焼鈍、冷間圧延、最終焼鈍(360℃×2h)を行
い、表1に示す本発明例(No.1〜8)、比較例(N
o.9〜12)の厚さ0.4mmのブレージングシート
を製造した。なお、表1の如く中間層材を使用しない従
来例(No.13〜14)のブレージングシート(3層
材)も製造した。
【0024】これら表1に示すブレージングシート(焼
鈍材)を図1の形状にプレス成形して熱交換器の冷媒通
路部材を製作した。これを洗浄し、中間層側が外面とな
るように積層し、図4のような形状の熱交換器(ドロン
カップエバポレーター)に組み立てた。なおフインは、
3203合金(Al−1.2%Mn合金)からなるコル
ゲートフインを使用した。
鈍材)を図1の形状にプレス成形して熱交換器の冷媒通
路部材を製作した。これを洗浄し、中間層側が外面とな
るように積層し、図4のような形状の熱交換器(ドロン
カップエバポレーター)に組み立てた。なおフインは、
3203合金(Al−1.2%Mn合金)からなるコル
ゲートフインを使用した。
【0025】次に、これを6.7×10-3Paの真空中
で873K×3分間の真空ろう付加熱を行いドロンカッ
プエバポレーターを得た。得られたエバポレーターにつ
いて、JIS−H−8601の腐食試験(CASS試
験)を実施した。試験開始後2ケ月を経過したところ
で、表面腐食生成物を除去し、貫通孔食の有無、最大孔
食部の孔食深さを測定して評価した。なお孔食深さは、
光学顕微鏡を用いて焦点深度法により測定した。この測
定結果を表1に併記した。なお、上記の試験とは別に、
ろう付け後の芯材、中間層材、ろう材の電位を測定し表
1に併記した。
で873K×3分間の真空ろう付加熱を行いドロンカッ
プエバポレーターを得た。得られたエバポレーターにつ
いて、JIS−H−8601の腐食試験(CASS試
験)を実施した。試験開始後2ケ月を経過したところ
で、表面腐食生成物を除去し、貫通孔食の有無、最大孔
食部の孔食深さを測定して評価した。なお孔食深さは、
光学顕微鏡を用いて焦点深度法により測定した。この測
定結果を表1に併記した。なお、上記の試験とは別に、
ろう付け後の芯材、中間層材、ろう材の電位を測定し表
1に併記した。
【0026】
【表1】
【0027】表1から明らかな様に、本発明によるブレ
ージングシートは、中間層によるろう付加熱中の芯材か
らろう材へのCuの拡散の防止効果と犠牲陽極効果によ
り、従来例、比較例に比して、耐食性が格段に優れてい
ることがわかる。
ージングシートは、中間層によるろう付加熱中の芯材か
らろう材へのCuの拡散の防止効果と犠牲陽極効果によ
り、従来例、比較例に比して、耐食性が格段に優れてい
ることがわかる。
【0028】
【発明の効果】以上詳述したごとく本発明は、Al合金
製ブレージングシートの使用上腐食環境の過酷な一方の
面の耐食性を大幅に向上させることができ、従ってこれ
を熱交換器に使用した場合、その熱交換器の耐食寿命を
著しく向上させることが可能となり、工業上顕著な効果
を奏するものである。
製ブレージングシートの使用上腐食環境の過酷な一方の
面の耐食性を大幅に向上させることができ、従ってこれ
を熱交換器に使用した場合、その熱交換器の耐食寿命を
著しく向上させることが可能となり、工業上顕著な効果
を奏するものである。
【図1】ドロンカップエバポレータ用の成形部材を示す
平面図である。
平面図である。
【図2】図1のB−B’線に於ける断面図である。
【図3】図2の部材のA部の断面拡大図であり、従来の
Al合金製ブレージングシートの断面の構造を示す図で
ある。
Al合金製ブレージングシートの断面の構造を示す図で
ある。
【図4】熱交換器(ドロンカップエバポレータ)の一例
を示す説明図で、その概略断面図である。
を示す説明図で、その概略断面図である。
【図5】本発明に係わるAl合金製ブレージングシート
の断面の構造を示す図である。
の断面の構造を示す図である。
1 ドロンカップエバポレータ用の冷媒通路構成部材 2 フィン 3 ろう材層 4 中間層 5 芯材層 6 サイドプレート 7 冷媒入口管 8 冷媒出口管 10 熱交換器(ドロンカップエバポレータ) C 熱交換器のタンク部及び冷媒通路の外面に相当す
る側 D 熱交換器のタンク部及び冷媒通路の内面に相当す
る側
る側 D 熱交換器のタンク部及び冷媒通路の内面に相当す
る側
Claims (1)
- 【請求項1】 プレス成形したブレージングシートを真
空ろう付けにより接合してタンク部および冷媒通路を構
成する熱交換器用のAl合金製ブレージングシートであ
って、その構成は、Si:0.01〜1.0mass
%、Fe:0.05〜0.8mass%、Mn:0.3
〜1.2mass%、Cu:0.1〜1.0mass
%、Mg:0.01〜0.2mass%、Ti:0.0
1〜0.2mass%を含有し、残部がAlおよび不可
避的不純物からなるAl合金芯材と、その両面に、片面
につき5〜20%のクラッド率で被覆されたAl−Si
−Mg系ろう材とからなり、更に前記タンク部および冷
媒通路の外面となる側のろう材と芯材の間に、Mg:
0.5〜2.0mass%を含有し、残部がAlおよび
不可避的不純物からなるAl合金であって、厚さが30
μm以上で、かつクラッド率が35%以下の中間層を設
けたことを特徴する真空ろう付け用Al合金製ブレージ
ングシート。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP8167196A JPH09268339A (ja) | 1996-04-03 | 1996-04-03 | 真空ろう付け用Al合金製ブレージングシート |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP8167196A JPH09268339A (ja) | 1996-04-03 | 1996-04-03 | 真空ろう付け用Al合金製ブレージングシート |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH09268339A true JPH09268339A (ja) | 1997-10-14 |
Family
ID=13752815
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP8167196A Pending JPH09268339A (ja) | 1996-04-03 | 1996-04-03 | 真空ろう付け用Al合金製ブレージングシート |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH09268339A (ja) |
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| EP1075935A1 (fr) * | 1999-08-12 | 2001-02-14 | Pechiney Rhenalu | Bande ou tube en alliage d'aluminium pour la fabrication d'échangeurs de chaleur brasés |
| EP1254965A1 (en) * | 2001-05-03 | 2002-11-06 | Sapa Heat Transfer AB | High strength aluminium tube material |
| JP2011202285A (ja) * | 1999-04-12 | 2011-10-13 | Aleris Aluminum Koblenz Gmbh | ろう付け用シート |
| CN117070807A (zh) * | 2023-08-10 | 2023-11-17 | 江苏常铝铝业集团股份有限公司 | 一种高导热性空调箔及其制备方法 |
-
1996
- 1996-04-03 JP JP8167196A patent/JPH09268339A/ja active Pending
Cited By (7)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2011202285A (ja) * | 1999-04-12 | 2011-10-13 | Aleris Aluminum Koblenz Gmbh | ろう付け用シート |
| EP1075935A1 (fr) * | 1999-08-12 | 2001-02-14 | Pechiney Rhenalu | Bande ou tube en alliage d'aluminium pour la fabrication d'échangeurs de chaleur brasés |
| FR2797454A1 (fr) * | 1999-08-12 | 2001-02-16 | Pechiney Rhenalu | Bande ou tube en alliage d'aluminium pour la fabrication d'echangeurs de chaleur brases |
| US6451453B1 (en) | 1999-08-12 | 2002-09-17 | Pechiney Rhenalu | Aluminum alloy strip or tube for the manufacture of brazed heat exchangers |
| EP1413427A3 (fr) * | 1999-08-12 | 2005-03-30 | Pechiney Rhenalu | Bande ou tube en alliage d'aluminium pour la fabriction d'échangeurs de chaleur brasés |
| EP1254965A1 (en) * | 2001-05-03 | 2002-11-06 | Sapa Heat Transfer AB | High strength aluminium tube material |
| CN117070807A (zh) * | 2023-08-10 | 2023-11-17 | 江苏常铝铝业集团股份有限公司 | 一种高导热性空调箔及其制备方法 |
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