JPH09268361A - 硼化物系サーメット溶射用粉末 - Google Patents
硼化物系サーメット溶射用粉末Info
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- JPH09268361A JPH09268361A JP8106201A JP10620196A JPH09268361A JP H09268361 A JPH09268361 A JP H09268361A JP 8106201 A JP8106201 A JP 8106201A JP 10620196 A JP10620196 A JP 10620196A JP H09268361 A JPH09268361 A JP H09268361A
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Abstract
しかも耐熱衝撃性および靭性をも有するサーメット溶射
被膜を形成するための溶射用粉末を提供する。 【解決手段】 重量比にてMo45.0〜65.0%、
B5.0〜8.0%、Co15.0〜30.0%、Cr
5.0〜15.0%、W3.0〜9.0%を含み、残部
不可避的不純物から構成される複合粉末組成物からなる
硼化物系サーメット溶射用粉末。
Description
ーメット材料であるタングステンカーバイド・コバルト
(WC−Co)系溶射被覆層に匹敵する硬さおよび耐摩
耗性と、クロムカーバイド・ニッケルクロム(Cr3C
2−NiCr)系溶射被覆層を凌駕する耐熱性および耐
酸化性を有し、かつ前記WC−Co系およびCr3C2
−NiCr系溶射被覆層には見られない高い耐熱衝撃性
および靭性を有するサーメット溶射被膜を生成するため
の溶射用粉末に関するものである。
の高性能化、高精度化、多様化およびエネルギーコスト
の低廉化が進むにつれ、溶射材料に金属とセラミックス
を成分とする材料を用いて溶射によりサーメット複合皮
膜を形成するサーメット溶射被覆層に対する要求性能は
ますます厳しくなり、以前に増して優れた性能を必要と
するようになっている。従来、サーメット溶射被覆層
(以下、単に被覆層または被膜層ともいう。)として施
されている代表的なものは温度によって異なる使用特性
を有しており、常温から500℃程度までの温度範囲に
おいてはWC−Co系やWC−Ni系のものが、またこ
れより高い900℃までの高温域においてはCr3C2
−NiCr系やCr3C2−Ni系のものが使用され、
これらの被膜層はそれぞれ目的に応じた硬度と、耐熱
性、耐摩耗性、耐酸化性などを有している。
の発展に伴って、サーメットの使用環境が多様化するに
つれて、より一層これらの特性の優れたものが望まれて
おり、上記した特性にさらに耐熱衝撃性、靭性を兼ね備
えた被膜材料の開発が望まれている。その一例を挙げる
と、自動車用等の表面処理鋼板を製造するための高温の
溶融亜鉛メッキ浴(450〜500℃)または溶融アル
ミニウムメッキ浴(700〜800℃)中に浸漬され
て、連続的に通過する鋼板を支持し、案内して該鋼板の
表面に均一な亜鉛メッキを被着させるために用いられる
シンクロール、サポートロール等を被覆する被膜層に
は、単に高い硬度や単耐熱性、耐摩耗性を有するのみな
らず、溶融金属に対する耐食性、耐熱衝撃性や優れた靭
性が求められる。
WC−Co系のものは、500℃までの乾燥雰囲気中で
は、硬度や耐摩耗性は優れているものの耐食性や耐熱性
が低く、特に500℃以上の酸化性雰囲気における耐熱
性や耐食性に問題がある。また、Cr3C2−NiCr
系のものは、900℃の高温域まで、耐食性や耐熱、耐
酸化性は維持されるものの硬度や耐摩耗性が劣る。さら
にこれらの被膜は一般に耐熱衝撃性が低く、靭性が劣っ
ているので被膜層が剥離し易く用途範囲が限られてい
る。
高硬度で耐摩耗性が優れていても耐食性や耐熱性が劣っ
ていたり、耐熱性や耐食性が優れていても耐摩耗性や硬
度が不十分であったりする上に、いずれも耐熱衝撃性が
低くまた靭性が劣り、これらすべての要求特性を同時に
満足することができるサーメット溶射被膜が得られてい
ないのが現状である。
メット溶射被膜における上記の問題点に鑑みてなされた
ものであって、高硬度で耐摩耗性、耐食性、耐熱性に優
れ、しかも耐熱衝撃性および靭性をも有するサーメット
溶射被膜を形成するための溶射用粉末を提供することを
目的とするものである。
解決すべく鋭意研究を重ねた結果、Mo2CoB2で表
わされるMo−Co系の複硼化物は、高い硬度や耐摩耗
性を示すだけでなく、優れた耐熱衝撃性と靭性を有する
こと、さらに前記複硼化物に金属結合相として優れた耐
熱性を有するCo−Cr−W系合金相を組み合わせ、こ
れらをサーメット化することによって、高い硬度と耐摩
耗性を有し、耐熱、耐酸化性および耐熱衝撃性を併せ有
するサーメット溶射被膜を得ることができることを見出
だした。また、前記サーメット被膜中に適量の複硼化物
相を緻密にしかも均一に分散形成させるためには含有さ
せるべきBに最適添加範囲が存在すること、また金属結
合相となるCoとCrとWは合金の状態ではなく、それ
ぞれを単体金属として添加するのが適当であることを見
出だした。
てB5.0〜8.0%、Co15.0〜30.0%、C
r5.0〜15.0%、W3.0〜9.0%を含み、残
部Moと不可避的不純物から構成される複合粉末組成物
からなる硼化物系サーメット溶射用粉末である。
好ましい粒度は溶射方法によって異なるが、大気または
減圧プラズマ溶射法を採用する場合には15〜53μm
の範囲が適当であり、また高速ガス炎溶射法による場合
には5〜45μmもしくは15〜53μmの範囲である
ことが好ましい。また、前記複合粉末組成物は、Moと
Bとの合計が50.0〜70.0%、CoとCrとの合
計が25.0〜45.0%の範囲であることが好まし
い。
溶射被覆層を得るためのサーメット溶射用粉末の構成成
分は上記した如くであるが、以下にそれぞれの成分限定
理由について説明する。
相を形成するために必要な元素であって、サーメット溶
射用粉末中のBの含有量が5.0重量%未満では、溶射
被覆時の熱影響と酸化により溶射被覆層中のB量が3.
0重量%未満にまで低下するため、得られた溶射被覆層
に十分な硬度と耐摩耗性が得られない。一方、8.0重
量%を超えると、硬度は高くなるが溶射被覆層の強度
(靭性や耐熱衝撃性)が著しく低下する。従って、溶射
用粉末中のB含有量は、5.0〜8.0%の範囲が適当
である。
ために必要な元素であり、該複硼化物相は、Mo2Co
B2で表されるが、サーメット溶射粉末中のMoの含有
量が45.0重量%未満では、前記複硼化物相の形成は
不十分となり、溶射被覆層は所望の硬度と耐摩耗性が得
られない。一方、65.0重量%を超えると硬度、耐摩
耗性および溶融亜鉛や溶融アルミニウムに対する耐食性
は向上する靭性や耐熱衝撃性、さらには粉末の溶射付着
効率(溶射時の歩留り)が著しく低下する。従って、溶
射用粉末中のMo含有量は、45.0〜65.0%の範
囲が適当である。
であるが、一方において複硼化物相の形成にも欠かせな
い元素であり、得られた溶射被覆層に高温強度、耐酸化
性を付与する効果を有する。Coの含有量が15.0重
量%未満では形成される金属結合相と複硼化物相との相
互固溶量が少なくなるためにその結合力が低下し、かつ
気孔等の欠陥が発生し易くなる。一方、30.0重量%
を超えると、金属結合相における耐食性を低下させると
ともに、複硼化物中において脆弱なCoB等の硼化物が
多量に形成するようになるので溶射被覆層の靭性が低下
してしまう。従って、溶射用粉末中のCo含有量は、1
5.0〜30.0重量%の範囲が適当である。
寄与する元素であり、Coと結合して金属結合相を形成
し靭性を向上させる効果を有する。Crの含有量が5.
0重量%未満では、上記した効果が十分に得られず、ま
た、15.0重量%を超えると、得られた溶射被覆層に
おける耐食性、耐熱性および耐酸化性をさらに向上させ
るものの靭性を低下させるので好ましくない。従って、
溶射用粉末中のCr含有量は、5.0〜15.0重量%
の範囲が適当である。
結合して、該金属結合相の耐食性と強度とを一層高める
とともに、さらにはW2CoB2で表される複硼化物を
形成するために必要な元素である。Wの含有量が3.0
重量%未満では前記した効果は得られず、また9.0重
量%を超えると金属結合相の強度がかえって低下してし
まう。従って、溶射用粉末中のW含有量は、3.0〜
9.0重量%の範囲が適当である。
ては、さらにMoとBとの合計量を50.0〜70.0
重量%に、またCoとCrとWの合計量を25.0〜4
5.0重量%に規制することにより、得られた溶射被覆
層の脆化や剥離現象を抑制することができる。また、上
記した本発明の溶射用粉末を製造する場合にはCo、C
rおよびWをそれぞれ単体金属粉末として用いることが
肝要である。これは、これらの元素を合金粉末の形態、
例えばステライト合金粉末等の形態で用いた場合には、
合金粉末中のCoはMoB等の硼化物と結合し難くMo
2CoB2複硼化物が形成されにくいからである。
メット溶射被覆する方法としては、常法、つまり溶射ガ
ンを使用した大気または減圧プラズマ溶射法もしくは高
速ガス炎溶射法が適用される。通常、プラズマ溶射法に
は15〜53μmの粒径の溶射用粉末が、また高速ガス
炎溶射法には5〜45μmもしくは15〜53μmの粒
径の溶射粉末が使用される。これらの粉末が、上記した
粒度範囲よりも粗い場合には、緻密な溶射被覆層を形成
させることが困難であり、従って硬度の低い溶射被覆層
しか得られない。また、上記範囲よりも粒度が微細であ
る場合には、粉末の流動性が低下するとともに、受熱効
率の高い微細粉末が溶融して、溶射ガンのノズル内面に
堆積するために溶射作業性が著しく損なわれる。
明する。尚本発明は下記の実施例に限定されるものでは
ない。
oB粉末、Co粉末、Cr粉末およびW粉末をそれぞれ
70重量%、18重量%、8重量%および4重量%採取
し、ステンレス鋼製容器に入れて振動ボールミル内で2
4時間湿式で粉砕混合した。該容器から取り出したスラ
リーを非酸化性雰囲気中において噴霧乾燥して造粒した
後、真空中で焼結し得られた粉末を回収し、これを空気
分級機によって5〜45μmの粉末に整粒して溶射用粉
末を調製した。
す。次にこの粉末を使用して高速ガス炎溶射法(燃料は
水素−酸素)により、SS400製基板上に0.4mm
厚さの溶射被覆層を形成した。その後、機械加工および
表面研磨により、該被覆層表面の凹凸を取り除き平滑度
▽▽▽の試験片を得た。
Cu−καX線回折法により同定した結果、主としてM
o2CoB2の三元系複硼化物相が認められた。またE
PMA定量分析による被覆層の組成分析を行った結果を
表2に示す。また試験片表面のビッカース硬度(荷重:
0.3kgf)は1,250であり、往復運動摩耗試験
機を用い、JIS H 8503 第9項に規定された
試験方法に従って、相手材にSiC研磨紙320番を使
用し、試験荷重を3.0kgf、往復荷重回数を1,6
00回として試験片の耐摩耗性試験を行った結果、摩耗
減量は、0.50mg/cm2であった。
分間保持した後、水中で急冷する熱サイクルを繰り返し
20回行い、1回毎に被覆層に生ずる亀裂や剥離の有無
を目視およびカラーチェックにより観察して耐熱衝撃性
の評価を行った結果、該熱サイクル中には異常は認めら
れず、高い耐熱衝撃性を有することが分かった。次に、
試験片を900℃の電気炉中に2時間保持して被覆層の
酸化増量の測定を行ったところ、その値は1.7mg/
cm2であり、高い耐酸化性を有することが確認され
た。以上の諸特性試験結果を総括して表3に示す。以上
の結果から本発明によるサーメット溶射被膜は、硬度、
耐摩耗性、耐高温酸化性、耐熱衝撃性および高温硬度
(耐熱性)の諸特性に優れており、本発明の有効性は十
分に立証されたものと言える。
る粉末の添加量と分級粒度範囲を変えた以外は実施例1
と同様の原料粉末を用い、その所定量を粉砕混合し、造
粒後焼結して実施例2〜4の溶射用粉末を得た。また、
W粉末、Co粉末およびC粉末ならびにCr粉末、Ni
粉末およびC粉末の所定量を用いて、それぞれ従来法に
よるWC−Co系サーメット溶射被膜形成用粉末(従来
例1〜2)およびCr3C2−NiCr系サーメット溶
射被膜形成用粉末(従来例3)を作成した。これらの粉
末組成物の化学組成を表1に併せ示す。
1と同様にしてSS基板上に高速ガス炎溶射法による溶
射被覆層を形成した試験片を得、各試験片について実施
例1と同様にして、溶射被覆層の組成分析および特性試
験を行い、それぞれ表2および表3に示した。
粉末を使用して得られた硼化物系サーメット溶射被膜
は、従来使用されてきたWC−Co系サーメット溶射被
膜に匹敵する硬度と耐摩耗性を有し、またCr3C2−
NiCr系サーメット溶射被膜を凌駕する耐酸化性と耐
熱性を備えるとともに、これら従来のサーメット溶射被
膜に比べて著しく高い耐熱衝撃性を有することが分か
る。また470℃で溶融しているZn−0.15%Al
中へ120時間(5日間)の浸漬試験を行ったところ実
施例1の腐食減量は、121mg/cm2であり、被膜
残存率は78.6%であった。同様に従来例1の腐食減
量は282mg/cm2であり、被膜残存率は33.9
%であり、この溶融亜鉛および溶融アルミニウムへの浸
漬試験結果によれば、本発明のサーメット溶射被膜のこ
れら溶融金属に対する耐腐食性は従来のサーメット溶射
被膜に比べて一段と優れていることが確認された。
を使用して得られた硼化物系サーメット溶射被膜は、硬
度、耐摩耗性、耐食性、耐熱性に優れ、しかも耐熱衝撃
性および靭性をも有するので幅広い用途に使用すること
ができ、工業上極めて有用な発明であるということがで
きる。
Claims (4)
- 【請求項1】 重量比にてB5.0〜8.0%、Co1
5.0〜30.0%、Cr5.0〜15.0%、W3.
0〜9.0%を含み、残部Moと不可避的不純物から構
成された複合粉末組成物からなる硼化物系サーメット溶
射用粉末。 - 【請求項2】 粒度が5〜45μmである請求項1記載
の硼化物系サーメット溶射用粉末。 - 【請求項3】 粒度が15〜53μmである請求項1記
載の硼化物系サーメット溶射用粉末。 - 【請求項4】 重量比にてMoとBとの合計量が50.
0〜70.0%、CoとCrとWとの合計量が25.0
〜45.0%である請求項1〜3のいずれか1項に記載
の硼化物系サーメット溶射用粉末。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP08106201A JP3134767B2 (ja) | 1996-04-03 | 1996-04-03 | 硼化物系サーメット溶射用粉末 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP08106201A JP3134767B2 (ja) | 1996-04-03 | 1996-04-03 | 硼化物系サーメット溶射用粉末 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
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| JP3134767B2 JP3134767B2 (ja) | 2001-02-13 |
Family
ID=14427560
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP08106201A Expired - Lifetime JP3134767B2 (ja) | 1996-04-03 | 1996-04-03 | 硼化物系サーメット溶射用粉末 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
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Cited By (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
1996
- 1996-04-03 JP JP08106201A patent/JP3134767B2/ja not_active Expired - Lifetime
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|---|---|
| JP3134767B2 (ja) | 2001-02-13 |
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