JPH09274843A - 電界放射型素子とその製造方法 - Google Patents

電界放射型素子とその製造方法

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JPH09274843A
JPH09274843A JP8180896A JP8180896A JPH09274843A JP H09274843 A JPH09274843 A JP H09274843A JP 8180896 A JP8180896 A JP 8180896A JP 8180896 A JP8180896 A JP 8180896A JP H09274843 A JPH09274843 A JP H09274843A
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film
reaction
field emission
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sacrificial
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JP8180896A
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Atsuo Hattori
敦夫 服部
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Yamaha Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 先端部の頂角および曲率半径が小さい電界放
出陰極(エミッタ)を有する電界放射型素子およびその
製造方法を提供することを課題とする。 【解決手段】 断面形状が互いに対向する2パートから
なるオーバーハング部を基板に形成する工程と、2パー
トのオーバーハング部の上に断面形状が2パートからな
る第1の犠牲膜を堆積する犠牲膜堆積工程と、2パート
からなる第1の犠牲膜の上に、該第1の犠牲膜の化学反
応を制御するための断面形状が2パートからなる反応制
御膜を堆積する制御膜堆積工程と、第1の犠牲膜を化学
反応させ、2パートからなるオーバーハング部を互いに
接触させる反応工程と、接触した領域の上に電界放射陰
極膜を堆積する工程と、電界放射陰極膜の先端を露出さ
せる電極露出工程とを含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電界放射型素子と
その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】電界放射型素子は、電界集中を利用し
て、先鋭なエミッタの先端から電子を放出させる素子で
ある。例えば、フラットパネルディスプレイは、多数の
エミッタを配列した電界放射エミッタアレイ(FEA)
を用いて構成できる。それぞれのエミッタは、ディスプ
レイの各画素を制御する。
【0003】図48(A)、(B)は、従来技術による
電界放射型素子の製造方法を説明する。図48(A)に
示すように、まず、垂直な側壁を持つ凹部を有する基板
101に、ステップカバレッジの良い堆積方法で犠牲膜
103を堆積する。垂直側壁と上面とが合わさる角部に
おいては、円形ないし楕円形断面の堆積が生じ、緩やか
に変化する斜面が生じる。したがって、当該凹部に堆積
した犠牲膜103は、上拡がりのテーパ形状を示す。凹
部形状および堆積量を調整することにより凹部底部に細
い先端を有する空間が形成される。
【0004】この犠牲膜103を成形型としエミッタ電
極(陰極)膜105を堆積する。その後、エミッタ下方
の基板101、犠牲膜103を除去すると先鋭な先端を
持つエミッタ電極105ができる。しかし、凹部の形状
や犠牲膜の堆積条件により、エミッタ電極105の先端
部Aの曲率半径が大きくなると、電界が集中しにくく、
好ましくない。
【0005】図48(B)に示すように、ステップカバ
レッジの悪い堆積方法で犠牲膜103を厚く堆積する
と、犠牲膜103の側面がこぶ状に成長し、やがて側面
同士が接触する。この上に電極膜を堆積すれば、先端部
の頂角が比較的小さなエミッタ電極105を形成するこ
とができる。
【0006】しかし、この方法によれば、犠牲膜を厚く
することが必要であり、エミッタ電極105の先端部
は、基板101の上面から上方向に離れた位置に成形さ
れてしまう。電界放出型素子として、エミッタ電極の他
にゲート電極を形成する場合、例えば基板上に導電膜を
形成し、導電膜を貫通して凹部を形成する。したがっ
て、ゲート電極は、基板101と犠牲膜103の境界付
近に形成される。図48(B)の方法により、エミッタ
電極105を形成すると、エミッタ電極とゲート電極と
の距離は離れてしまう。すると、電界放射型素子の駆動
電圧として高電圧を必要とし、好ましくない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】エミッタ電極の先端の
曲率半径が大きいと、電界が集中しにくく、電界放射型
素子としての性能は低下する。また、エミッタ電極とゲ
ート電極の相対位置が電界放射型素子の性能に多大な影
響を与える。
【0008】本発明の目的は、先端部の頂角および曲率
半径が小さい電界放射陰極(エミッタ)を有する電界放
射型素子とその製造方法を提供することである。本発明
の他の目的は、先端部の位置を精度よく決めることがで
きる電界放射陰極を有する電界放射型素子とその製造方
法を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の電界放射型素子
は、外形が2段の曲線または直線で形成される電界放射
陰極を有する。
【0010】また、本発明の2電極構造の電界放射型素
子は、外形が2段の曲線または直線で形成される電界放
射陰極と、前記電界放射陰極の先端を囲むように形成さ
れる制御電極とを有する。
【0011】さらに、本発明の3電極構造の電界放射型
素子は、外形が2段の曲線または直線で形成される電界
放射陰極と、前記電界放射陰極の先端を囲むように形成
される制御電極と、前記電界放射陰極に対向して形成さ
れる陽極とを有する。
【0012】2段形状とし、2段目の形状を高精度に制
御することにより、位置精度が高く、先端の頂角および
曲率半径の小さな電界放射陰極を製造できる。電界放射
陰極の先端に電界を集中させやすい。1段目の形状をほ
ぼ定めた後に限られた範囲内で2段目の形状を調整する
ので、2段目形状の制御を高精度かつ容易に行うことが
できる。
【0013】本発明の電界放射型素子の製造方法は、断
面形状が互いに対向する2パートからなるオーバーハン
グ部を基板に形成する工程と、化学反応が可能な物質
で、前記2パートのオーバーハング部の上に、断面形状
が2パートからなり、オーバーハング部の上面上からオ
ーバーハング部の下面上に連続した曲面を形成する第1
の犠牲膜を堆積する犠牲膜堆積工程と、前記2パートか
らなる第1の犠牲膜の上に、該第1の犠牲膜の化学反応
を減速制御するための断面形状が2パートからなる反応
制御膜を第1の犠牲膜の上面上で第1の犠牲膜の下面上
より厚くなるように堆積する制御膜堆積工程と、前記反
応制御膜を介して前記第1の犠牲膜を化学反応させ、前
記第1の犠牲膜の下部を上部よりも多く体積膨張させ、
2パートからなるオーバーハング部を互いに接触させる
反応工程と、前記接触した領域の上に電界放射陰極膜を
堆積する工程と、前記電界放射陰極膜の先端を露出させ
る電極露出工程とを含む。
【0014】断面形状が2パートからなるオーバーハン
グ部の上に第1の犠牲膜と厚さ分布を有する反応制御膜
を堆積した後化学反応させると、第1の犠牲膜を限られ
た範囲内で局部的に大きく体積膨張させることができ
る。2パートからなるオーバーハング部は、限られた範
囲内での体積膨張により相互の側面が接触しつながる。
その接触部には、2つの円ないし楕円が接触したかのよ
うに鋭い谷ができる。その谷を成形型として用いれば、
先端の頂角および曲率半径が小さい電界放射陰極を製造
することができる。
【0015】また、本発明の電界放射型素子の製造方法
は、断面形状が互いに対向する2パートからなるオーバ
ーハング部を基板に形成する工程と、化学反応が可能な
物質で、前記2パートのオーバーハング部の上に断面形
状が2パートからなり、オーバーハング部の上面上から
オーバーハング部の下面上に連続した曲面を形成する第
1の犠牲膜を堆積する犠牲膜堆積工程と、前記2パート
からなる第1の犠牲膜の上に、該第1の犠牲膜の化学反
応を減速制御するための断面形状が2パートからなる反
応制御膜を第1の犠牲膜の上面上で第1の犠牲膜の下面
上より厚くなるように堆積する制御膜堆積工程と、前記
反応制御膜を介して前記第1の犠牲膜を化学反応させ、
前記第1の犠牲膜の下部を上部よりも多く体積膨張させ
る反応工程と、前記2パートからなるオーバーハング部
上に絶縁膜を堆積し、2パートからなるオーバーハング
部を互いに接触させる接触工程と、前記接触した領域の
上に電界放射陰極膜を堆積する工程と、前記電界放射陰
極膜の先端を露出させる電極露出工程とを含む。
【0016】断面形状が2パートからなるオーバーハン
グ部の上に第1の犠牲膜と厚さ分布を有する反応制御膜
を堆積した後化学反応させると、第1の犠牲膜を限られ
た範囲内で局部的に大きく体積膨張させることができ
る。その後、2パートからなるオーバーハング部の接近
した間隔を閉じるように絶縁膜を堆積し、相互の側面を
接触させる。その接触部には、2つの円ないし楕円が接
触したかのように鋭い谷ができる。堆積すべき膜厚が薄
いので高精度の膜形成が容易となる。その谷を成形型と
して用いれば、先端の頂角および曲率半径が小さい電界
放射陰極を製造することができる。
【0017】さらに、本発明の2電極構造を有する電界
放射型素子の製造方法は、前記第1の犠牲膜が半導体ま
たは導電体であり、前記反応工程は、第1の犠牲膜の一
部のみを化学反応させる工程であり、前記電界放射陰極
膜は導電体からなる電界放射陰極であり、前記電極露出
工程は、前記電界放射陰極の先端および前記第1の犠牲
膜の未反応部の先端を露出させる工程である。
【0018】2パートからなるオーバーハング部の上に
第1の犠牲膜を堆積する工程と、さらに厚さ分布のある
反応制御膜を堆積する工程と、第1の犠牲膜を化学反応
させる工程の各プロセス条件を組み合わせることによ
り、エミッタ電極とゲート電極の相対位置を精度よく決
めることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】図1(A)〜(D)、図2(E)
〜(G)、図3(H)は、本発明の実施例による電界放
射型素子の製造工程を示す図である。以下、電界放射型
素子を構成するエミッタ(電界放射陰極)の製造工程を
示す。
【0020】図1(A)に示すように、基板10は、出
発基板10aと、その上に積層される約140nmの積
層膜10bから構成される。例えば、出発基板10aは
厚さ数十〜数百μmのSi基板からなり、積層膜10b
はSiNx からなる。
【0021】積層膜10bは、SiNx の他、SiO2
でもよい。出発基板10aにAlを用いることもでき
る。その場合、積層膜10bは、AlNX またはAl2
3 等である。以下、SiとSiNx を用いる場合を例
にとって説明する。
【0022】図1(B)では、積層膜10bの上に所定
パターンのレジスト膜を形成し、当該レジストをマスク
として積層膜10bを選択的にエッチングし孔12をあ
け、断面形状が2パートからなる積層膜10cを形成す
る。エッチングは、SF6 系のエッチングガスを用い
て、RIEにより行う。孔12は、直径が約0.5μ
m、深さが約140nmである。
【0023】図1(C)では、積層膜10cをマスクと
して、HF+HNO3 +H2 Oを用いて、出発基板10
aをウェットエッチングし孔12aをあけ、基板10d
を形成する。孔12aは、直径が約1.5μmであり、
深さが約0.5μmである。孔12aを形成することに
より、積層膜10cの孔12周辺部は、庇状に張り出
す。断面で見ると、図1(C)に示すような2パートか
らなるオーバーハング部13ができる。以下、断面が2
パートである状態を単に「2パート」と表す。
【0024】図1(D)では、CVD法により、例えば
多結晶Siからなる第1の犠牲膜15aを2パートから
なる積層膜10c上に堆積する。同時に、開口部から孔
12a底部にも堆積が生じ、第1の犠牲膜15bが基板
10d上に堆積される。
【0025】第1の犠牲膜15a,15bは、多結晶S
iの他、非晶質Si、WSix 、MoSix 、TaSi
x 、Al、Ta、Mo、Tiでもよい。また、CVD法
の他、スパッタ法を用いてもよい。例えば、DCスパッ
タ装置を用いて、PまたはBを含む多結晶Siをターゲ
ットとしてスパッタすれば、非晶質Siの第1の犠牲膜
15a,15bを形成することができる。スパッタの条
件は、例えば、パワーが1kWであり、Arガス圧力が
8mTorrである。
【0026】このまま成長を続けると、第1の犠牲膜1
5aは積層膜10cより上方に離れた位置で左右から合
体することになる。本実施例においては、第1の犠牲膜
15a間に十分な間隔がある状態で堆積を終了させる。
【0027】次に、図2(E)に示すように、CVD法
またはスパッタ法により例えばSiO2 からなる第2の
犠牲膜16a,16bを異方的に第1の犠牲膜15a,
15b上に堆積する。第2の犠牲膜16aは、2パート
からなる第1の犠牲膜15aの上面上にはほぼ均一の厚
さに堆積し、側面では上方で厚く下方に向かうに従って
徐々に厚さが減少する。オーバーハング部の裏の部分に
は第2の犠牲膜16aが堆積されないか、またはごく薄
く堆積される。第2の犠牲膜16bは、第1の犠牲膜1
5bの上に堆積される。
【0028】プラズマCVD法によりSiO2 を堆積す
るには、例えば温度を415℃、パワーを290W、圧
力を1.5Torrとし、SiH4 を100sccm、
2Oを500sccm、N2 を500sccm供給す
ることにより行う。
【0029】なお、第2の犠牲膜16a,16bは、S
iO2 の他、Al2 3 、Ta2 5 、MoOx 、Ti
2 でもよい。次に、加湿(ウェット)酸化法により酸
化処理を行い、2パートからなるオーバーハング部を体
積膨張させる。ここで、SiO2 で形成された第2の犠
牲膜16aは表面からSiで形成された第1の犠牲膜1
5a表面に供給される酸化剤(酸素等)の量を制限する
役割を果たす。第2の犠牲膜が厚い部分では供給される
酸化剤の量が少なく、薄い部分では供給される酸化剤の
量が多い。第2の犠牲膜16aが厚さ分布を有する側面
部分では上方から下方に向かうに従って酸化反応が多く
進行する。したがって、側面下方において体積膨張が大
きく側面下方が上方よりもより接近する。なお、反応後
の第2の犠牲膜は酸化シリコンとなるので、堆積した第
2の犠牲膜16aと合わせて反応膜16cと呼ぶ。
【0030】2パートからなるオーバーハング部の各側
面は、図2(F)に示すように、体積膨張した反応膜1
6cにより側面下部で互いに接触しつながる。なお、基
板10dの上には、反応膜16dが形成される。第1の
犠牲膜15cは、図2(E)に示す第1の犠牲膜15a
のうち酸化されずに残った部分であり、例えば多結晶S
iである。
【0031】加湿酸化を行い、断面形状が2パートから
なるオーバーハング部の各側面を互いに接触させた直後
に化学反応を止めれば、図2(F)に示すように、当該
接触部に鋭角の谷を形成することができる。当該接触部
は、2つの円ないし楕円が接触したかのように鋭い鋭角
を持つ。なお、開口部閉塞後、さらに酸化を行うと、元
2パートの犠牲膜の接触点は次第に上方に移動する。た
だし、側面上方には、もともと厚い第2の犠牲膜が形成
されているので、接触点の上方への移動は範囲が制限さ
れる。また、接触点が上下に変化しても、接触部の頂角
は鋭い鋭角を保つ。この鋭角を成形型として、以下エミ
ッタ電極を形成する。
【0032】なお、加湿酸化は、例えば縦型炉を用い
て、炉内温度を850℃とし、H2 ガスを30000c
c/min、O2 ガスを20000cc/min供給す
ることにより行う。
【0033】図2(G)では、反応膜16cの上に、例
えばTiNからなるエミッタ電極17を約0.2μm反
応性スパッタ法で堆積する。スパッタの条件は、例え
ば、DCスパッタ装置を用いて、パワーを5kW、圧力
を4mTorr、ターゲットをTiとし、N2 ガスを8
4sccm、Arガスを56sccm供給する。なお、
エミッタ電極17は、TiNの他、Mo、Cr、Ti、
Wでもよい。また、スパッタ法の他、CVD法を用いて
もよい。
【0034】反応膜16cの接触点が側面の下方に制御
されているため、エミッタ電極17の先端は積層膜10
cの画定する平面近傍に形成される。図3(H)では、
基板10dをHF+HNO3 +H2 Oでウェットエッチ
ングする。その後、反応膜16cをHF+NH4 Fでウ
ェットエッチングし、エミッタ電極17を露出させる。
【0035】エミッタ電極17の先端は、高さ0.3〜
0.8μmのでっぱりであり、頂角が約20°、曲率半
径が約10nm程度になることが予測される。エミッタ
電極17の先端の曲率半径および頂角を小さくすること
ができるので、エミッタ電極17の先端に電界を集中さ
せやすい。
【0036】図4(A)〜(C)は、上記のエミッタ電
極17を支持基板18で補強する方法を3種類示す。エ
ミッタ電極17は、膜厚が約0.2μmと薄いので、支
持基板18でエミッタ電極17を補強することが望まし
い。
【0037】図4(A)は、第1の方法を示す。上記に
より製造されたエミッタ電極17の凹部を、例えばSO
G膜からなる平坦化膜19aで埋める。その後、平坦化
膜19aをCMP法でエッチバックし、エミッタ電極1
7の表面を平坦化する。平坦化膜19aは、SOG膜の
他、PSGやBPSGをリフローして形成してもよい。
【0038】続いて、エミッタ電極17の上に支持基板
18を接着する。支持基板18は、例えば、ガラス、石
英またはAl2 3 である。図4(B)は、第2の方法
を示す。エミッタ電極17の上に、例えば低融点ガラス
からなる接着剤19bをリフローして、エミッタ電極1
7と支持基板18を接着する。接着剤19bは、エミッ
タ電極17の表面を平坦化する役目も有する。
【0039】接着剤19bは、低融点ガラスの他、Al
を用いてもよい。その場合、温度400〜500℃を保
ち、1kVの高電圧をかけ、静電気力によりエミッタ電
極17と支持基板18を陽極接合してもよい。接着剤1
9bにAlを用いれば、接着剤19bをエミッタ配線と
して用いることもできる。
【0040】図4(C)は、第3の方法を示す。エミッ
タ電極17の凹部を、例えばWからなる平坦化膜19a
で埋める。この場合、エミッタ電極17であるTiNの
膜厚を0.1〜0.05μmと薄くすることにより、エ
ミッタ先端のボイド発生を低減することができる。Ti
NはWをCVDする際の密着層であり、エミッタの強度
はWで補強するため薄くすることができる。その後、平
坦化膜19aをエッチバックし、エミッタ電極17の表
面を平坦化する。続いて、エミッタ電極17の上に、例
えばAlからなる接着剤19bを、さらにその上に支持
基板18を接着する。
【0041】なお、本実施例では、エミッタ電極の形状
を決める上で、図2(E)に示した第2の犠牲膜16a
の生成工程が重要である。第2の犠牲膜16aは、反応
制御膜としての機能を有する。第2の犠牲膜16aを、
以下の方法により生成してもよい。
【0042】図5(A)、(B)は、第2の犠牲膜を形
成する他の方法を示す図である。図1(D)の工程の
後、図5(A)に示すように、プラズマCVD法等によ
り第2の犠牲膜16d,16eを厚めに堆積する。ただ
し、第2の犠牲膜16dは、2パートを保つようにす
る。第2の犠牲膜16dは、開口部側壁において上方に
厚く、下方に向かうに従って薄く堆積する。
【0043】次に、図5(B)に示すように、等方ウェ
ットエッチングにより、第2の犠牲膜を表面から均一な
厚さを除去する。結果として、所望の第2の犠牲膜16
aの厚さ分布に修正する。第2の犠牲膜16aのオーバ
ーハング部の裏面を薄くすることができる。その後は、
前述に示した図2(F)から続く工程を続ければよい。
【0044】なお、図2(F)において、加湿酸化法に
より反応膜16c,16dを形成する場合について説明
した。酸化法の他、窒化法によって、SiNx からなる
反応膜16c,16dを形成してもよい。
【0045】窒化の条件は、例えば温度を1050℃、
RFパワーを10kW、圧力を130Paとし、NH3
を1slmで供給する。その他、反応により体積の増大
する反応を利用することができる。
【0046】以上は、エミッタ電極の製造工程を示し
た。次に、電界放射型素子の他の例として、2極管の製
造工程を示す。ここで、2極管とは、エミッタとゲート
の2電極の構造である。
【0047】図6は、2極管の製造工程を示す図であ
る。まず、前述の図2(G)に示す素子を製造する。そ
の後、基板10dの全部と下方から反応膜16cの一部
をエッチングし除去する。反応膜16cの一部を除去
し、図6に示すように、反応膜16fを残すことによ
り、エミッタ電極17の先端を露出させる。
【0048】第1の犠牲膜15cを導電性の多結晶Si
または非晶質Siで形成しておくと、第1の犠牲膜15
cがゲート電極を構成できる。2極管は、エミッタ電極
(電界放射陰極)17とゲート電極(制御電極)15c
を有する。反応膜16fは、エミッタ電極17とゲート
電極15cを電気的に絶縁する。なお、積層膜10c
は、エッチングにより除去してもよい。
【0049】2極管の場合は、エミッタ電極17とゲー
ト電極15cの相対位置が重要である。エミッタ電極1
7とゲート電極15cとの距離は、原則として小さい方
がよい。すなわち、2パートのゲート電極15cを相互
に結ぶ直線近傍上にエミッタ電極17の先端を形成する
ことが望ましい。
【0050】図7(A)は、ゲート電極15cとエミッ
タ電極17の相対位置を表す概略図である。ただし、図
6とは上下方向が逆である。距離Zgeは、エミッタ電
極17での電子放出により電子が飛ぶ方向に沿っての、
ゲート電極15cからエミッタ電極17までの距離であ
る。
【0051】図7(B)は、図7(A)においてゲート
電極15cの膜厚tdを0.4μmとしたときの最適な
距離Zgeを示すグラフである。横軸は、距離Zgeを
示し、縦軸はエミッタ電極17の先端の最大電界強度E
maxを示す。
【0052】このグラフは、エミッタ電極とゲート電極
の距離Zgeを−0.35μmから0.25μmまで変
化させたときのエミッタ電極の最大電界強度Emaxの
変化を示す。最大電界強度Emaxが大きいほど電界集
中しやすいので、電界放射型素子としての性能は向上す
る。距離Zgeが−0.1μmのとき、最大電界強度E
maxが極大値1.16×107 V/cmになる。つま
り、エミッタ電極17の先端は、ゲート電極の中心位置
よりも、図7(A)において少し上の位置(図6におい
ては下の位置)になるのが最適である。
【0053】本実施例によれば、第1の犠牲膜と第2の
犠牲膜を形成した後、酸化または窒化させ体積膨張させ
ることにより、以下の理由により、エミッタ電極17の
先端位置を精度よく制御することができる。
【0054】CVD法により形成される膜は、ほぼ時間
に比例して厚くなる。それに対し、酸化等の化学反応に
より形成される膜は、ほぼ時間の平方根に比例して厚く
なる。すなわち、時間の経過と共に膜厚が飽和する傾向
を持つ。酸化等によれば、時間が経過するほど細かな膜
厚の制御が可能になり、エミッタ電極の先端位置を精度
よく制御することができる。また、酸化の方がCVD法
よりも、均一性のよい膜を形成することができる。
【0055】また、第1の犠牲膜15a上に堆積させる
第2の犠牲膜16aの厚さを調整することにより、反応
速度を制御することができる。第2の犠牲膜16aの厚
さを厚くすれば、第1の犠牲膜15aの反応速度を遅く
することができる。2パートからなるオーバーハング部
の下部において、第2の犠牲膜16aの厚さを薄くすれ
ば、その部分の反応を促進させることができる。
【0056】2極管は、エミッタ電極17を陰極とし、
ゲート電極15cを制御電極とする。第2の犠牲膜16
aにより第1の犠牲膜15aの反応を制御し、エミッタ
電極17の先端を適した位置に形成すれば、ゲート電極
に印加する制御電圧を低くしても、エミッタ電極17の
先端から容易に電子を放出させることができる。
【0057】さらに、2極管においても、エミッタ電極
17の先端の頂角および曲率半径を小さくすることがで
きるので、電界放射型素子としての性能は向上する。図
8(A)〜(C)は、上記の2極管を支持基板18で補
強する方法を3種類示す。
【0058】図8(A)は、第1の方法を示す。エミッ
タ電極17の凹部を、例えばSOG膜、PSG膜または
BPSG膜からなる平坦化膜19aで埋め、CMP法で
エッチバックし、エミッタ電極17の表面を平坦化す
る。続いて、エミッタ電極17の上に支持基板18を接
着する。支持基板18は、例えば、ガラス、石英または
Al2 3 である。
【0059】図8(B)は、第2の方法を示す。エミッ
タ電極17の上に、例えば低融点ガラスからなる接着剤
19bをリフローし、エミッタ電極17の表面を平坦化
すると共に、エミッタ電極17と支持基板18を接着す
る。接着剤19bにAlを用いて、エミッタ電極17と
支持基板18を陽極接合してもよい。
【0060】図8(C)は、第3の方法を示す。エミッ
タ電極17の凹部を、例えばWからなる平坦化膜19a
で埋める。その後、平坦化膜19aをエッチバックし、
エミッタ電極17の表面を平坦化する。続いて、エミッ
タ電極17の上に例えばAlからなる接着剤19bを、
さらにその上に支持基板18を形成する。
【0061】図9は、2極管の他の製造工程を示す図で
ある。この2極管は、図6の2極管よりもゲート電極
(第1の犠牲膜)15cの膜厚が厚い。CVD法等によ
り、第1の犠牲膜を厚めに堆積し、第2の犠牲膜を薄め
に堆積する。その後、酸化処理を行えばよい。
【0062】第1の犠牲膜を厚めに堆積すると、2パー
トからなるオーバーハングの各側面のお互いの間隔はか
なり狭くなる。その結果、わずかな酸化を行うだけで2
パートからなるオーバーハング部の側面は相互に接触す
る。第1の犠牲膜はわずかに酸化されるだけなので、第
1の犠牲膜の酸化されない部分、すなわちゲート電極1
5cの膜厚は厚くなり、側面のでっぱりが大きくなる。
2パートからなるゲート電極の相互の間隔(ゲートホー
ル)は小さくなる。その結果、ゲート−エミッタ間の電
圧を低くしても、エミッタから電子放出させることがで
きる。後に示す3極管の場合も同様な効果がある。
【0063】例えば、第1の犠牲膜の膜厚を厚くするに
は、図1(D)において、第1の犠牲膜15aをより異
方的に堆積すればよい。第1の犠牲膜15aを異方的に
堆積することにより、オーバーハング部の上面上の膜厚
を厚くし、下面上の膜厚を比較的薄くできる。仮に、第
1の犠牲膜を等方的に堆積すると、オーバーハング部上
に堆積される第1の犠牲膜15aと基板10d上に堆積
される第1の犠牲膜15bが一体化しやすく、2パート
からなる第1の犠牲膜15aを形成しにくい。
【0064】また、ゲート電極15cの膜厚を厚くする
と、エミッタ電極17の先端をよりゲート電極の中心高
さ、さらにはより下部へと位置付けることができる。以
上は、2極管の製造工程を示した。次に、電界放射型素
子の他の例として、3極管の製造工程を示す。
【0065】図10(A)、(B)は、3極管の製造工
程を示す図である。ここで、3極管とは、アノード電
極、エミッタ電極、ゲート電極の3電極からなる。ま
ず、前述の工程に従い、図2(G)に示す素子を製造す
る。
【0066】その後、図10(A)に示すように、エミ
ッタ電極17の上に所定パターンのレジスト膜を形成し
(図示せず)、当該レジスト膜をマスクとし、Cl2
のエッチャントを用いてRIE(reactive ion etchin
g)を行い、エミッタ電極17aの両側にスリット開口
20を作る。エミッタ電極17bは、スリット開口20
の外側のエミッタ電極である。
【0067】エミッタ電極17aの直径は、約0.3μ
mである。スリット開口20の深さは、約0.2μmで
ある。図10(B)では、下方から反応膜16cの一部
と、基板10d上の膜16dをウェットエッチングによ
り除去する。例えば、SiO2 からなる反応膜16c,
16dをウェットエッチングするには、HF+NH4
を用いればよい。
【0068】反応膜16cの一部をエッチングにより除
去し、反応膜16eを残すことにより、エミッタ電極
(電界放射陰極)17a、ゲート電極(制御電極)15
cおよびアノード電極(陽極)10dを露出させること
ができる。ゲート電極15cは、例えば多結晶Siから
なる。
【0069】図11は、3極管の斜視図である。エミッ
タ電極17aは、エミッタ電極17bに接続され支持さ
れる。ゲート電極15cは、エミッタ電極17aの先端
付近に円形の孔を有する。エミッタ電極17aは、ゲー
ト電極15cの孔付近で針状に尖っている。
【0070】図12(A)は、図11の3極管の上下方
向を逆にした図であり、基板10dを透かしゲート電極
15cの孔(ゲートホール)を通してエミッタ電極17
aを見た図である。エミッタ電極17aの先端は針状に
尖っている。なお、エミッタ電極17aの先端は、その
他の形状に形成することもできる。
【0071】図12(B)は、ゲート電極15cに細長
いゲートホールをあけた場合の3極管の外観を示す。エ
ミッタ電極17aは、ゲートホールの長さ方向に沿った
頂をもつ山の形状になる。
【0072】図11において、3極管は、陰極であるエ
ミッタ電極17aと陽極であるアノード電極10dを有
し、ゲート電極15cに正電位を印加することにより、
エミッタ電極17aからアノード電極10dに向けて電
子を放出させることができる。
【0073】3極管の場合も、エミッタ電極17aの先
端の頂角および曲率半径を小さくすることができる。そ
して、エミッタ電極17aとゲート電極15cの相対位
置を精度よく制御することができる。
【0074】以上は、積層膜10cを例えばSiNx
絶縁体で形成する場合について説明した。次に、積層膜
10cを導電体で形成する場合について説明する。図1
0(C)は、他の3極管の例を示す図である。積層膜
(第1のゲート電極)10gは、WSix 、TaS
x 、MoSix 等の導電体で形成される。アノード電
極10eと積層膜10gの間には、SiO2 またはSi
x 等からなる絶縁膜10fが形成される。以下、製造
工程を示す。
【0075】図1(A)では、出発基板10aの上に絶
縁体で構成される積層膜10bを積層した基板10を用
いた。図10(C)に示す3極管の場合は、例えば、S
iからなる基板10eの上に、SiO2 等からなる絶縁
膜10fと導電体からなる積層膜10gを積層する。そ
の後は、前述と同様の工程を行えば、図10(C)に示
す3極管を製造することができる。
【0076】積層膜10gを導電体とすることにより、
第1のゲート電極10gと第2のゲート電極15cを積
層して低抵抗のゲート電極を形成することができる。ゲ
ート電極10g,15cとアノード電極10eとは、絶
縁膜10fで電気的に絶縁されている。
【0077】なお、積層膜10gは、必ずしも導電体で
ある必要はなく、絶縁体であってもよい。以上は、ゲー
ト電極となる第1の犠牲膜の上に、例えばSiO2 から
なる第2の犠牲膜を反応制御膜として堆積する場合につ
いて説明した。第2の犠牲膜は、第1の犠牲膜への酸化
剤の供給量を抑制し、第1の犠牲膜の反応を部分的に制
御する。
【0078】第2の犠牲膜をSiO2 でなく、SiOx
y で形成すれば、より酸化剤の供給量を少なくするこ
とができる。第2の犠牲膜は、SiO2 でも、SiOx
yでもよい。
【0079】第2の犠牲膜にSiOx y を用いる場
合、SiOx y におけるxとyの比率を自由に設定す
ることができる。yを0にすればSiO2 になる。xを
0にすればSiNx になる。
【0080】SiO2 またはSiOx y である第2の
犠牲膜は第1の犠牲膜への酸化剤の供給量を抑制するの
で、反応制御膜としての機能を有する。第2の犠牲膜が
SiNx であるときには、ほとんど酸化剤を通さないの
で、反応阻止膜としての機能を有する。
【0081】第2の犠牲膜がSiO2 である場合は前に
述べた。次に、第2の犠牲膜がSiNx の場合を説明す
る。図13(A)〜(C)、図14(D)、(E)は、
本発明の他の実施例による電界放射型素子の製造工程を
示す図である。以下、電界放射型素子を構成するエミッ
タ電極の製造工程を示す。
【0082】図13(A)は、図1(A)〜(C)の工
程の後の工程を示す。図13(A)では、CVD法によ
り、例えば多結晶Siからなる第1の犠牲膜15aを2
パートからなる積層膜10c上に異方的に堆積する。同
時に、開口部から孔12a底部にも堆積が生じ、第1の
犠牲膜15bが基板10d上に堆積される。
【0083】第1の犠牲膜15aは、積層膜10cの上
面上で均一に厚く堆積され、下面上で薄く堆積される。
第1の犠牲膜15aは、2パートを維持する。第1の犠
牲膜15a,15bは、多結晶Siの他、非晶質Si、
WSix 、MoSix 、TaSix 、Al、Ta、M
o、Tiでもよい。また、CVD法の他、スパッタ法を
用いてもよい。
【0084】次に、図13(B)に示すように、例えば
SiNx からなる反応阻止膜11a,11bを堆積す
る。反応阻止膜11aは、2パートからなる第1の犠牲
膜15aの上に異方的に堆積され、オーバーハング部
(第1の犠牲膜15a)の上面上および側面の上方を覆
うように堆積される。オーバーハング部の下面上および
側面の下方には堆積されない。反応阻止膜11bは、第
1の犠牲膜15bの上に堆積される。反応阻止膜11
a,11bは、酸化反応を阻止するための膜である。
【0085】SiNx からなる反応阻止膜11a,11
bをプラズマCVD法により成膜するには、例えば、温
度を415℃、パワーを300W、圧力を1Torrと
し、SiH4 を35sccm、N2 を500sccm供
給すればよい。
【0086】なお、反応阻止膜11aを厚めに堆積し、
その後、等方ウェットエッチングにより、反応阻止膜1
1aを表面から均一な厚さ除去し、所望の反応阻止膜1
1aの厚さ分布に修正してもよい。オーバーハング部の
下面の反応阻止膜を除去することができる。
【0087】次に、加湿(ウェット)酸化法により、反
応阻止膜11aをマスクとして、露出している第1の犠
牲膜15aの部分を酸化する。第1の犠牲膜15aは、
上面上および側面の上方が反応阻止膜11aで覆われ、
下面上および側面の下方が反応阻止膜11aで覆われて
いない。反応阻止膜11aで覆われている部分は酸化反
応が阻止され、反応阻止膜11aで覆われていない部分
は酸化反応が促進される。すなわち、オーバーハング部
の下面および側面の下方で酸化が促進され、その部分で
体積膨張する。
【0088】オーバーハング部の下部を体積膨張させ、
2パートからなるオーバーハング部の側面が相互に接触
するまで、酸化処理を進める。第1の犠牲膜15aが酸
化すると、図13(C)に示すように、SiO2 からな
る反応膜16aが形成される。反応膜16aは、元2パ
ートからなるオーバーハング部をつなぐ。
【0089】第1の犠牲膜は全てが酸化されず、第1の
犠牲膜15cが残る。酸化処理により、基板10dの上
には、反応膜16bが形成される。2パートが接触した
反応膜16aにできる谷は、2段のカーブで形成され
る。1段目のカーブは、オーバーハング部の上部におい
て反応阻止膜11aを型としたカーブであり、2段目の
カーブは、オーバーハング部の下部において反応膜16
aを型としたカーブである。反応膜16aに形成される
谷は、2つの円ないし楕円が接触したかのように鋭い鋭
角を持つ。この鋭角を成形型として、以下2段タイプの
エミッタ電極を形成する。
【0090】図14(D)では、反応膜16aおよび反
応阻止膜11aの上に、例えばTiNからなるエミッタ
電極17を約0.2μm反応性スパッタ法で堆積する。
なお、エミッタ電極17は、TiNの他、Mo、Cr、
Ti、Wでもよい。また、スパッタ法の他、CVD法を
用いてもよい。
【0091】図14(E)では、基板10dと反応膜1
6aと反応阻止膜11aをウェットエッチングし、エミ
ッタ電極17を露出させる。本実施例によれば、第1の
犠牲膜の上に反応阻止膜(SiNx )を形成し、反応阻
止膜をマクスとして酸化処理を行う。反応阻止膜を使う
ことにより、オーバーハング部の上部の反応を阻止し、
オーバーハング部の下部のみ反応させることができる。
その結果、2段タイプのエミッタ電極17を生成するこ
とができる。
【0092】2段タイプのエミッタ電極は、図3(H)
に示す1段タイプのエミッタ電極よりも、先端の頂角お
よび曲率半径を小さくすることが容易であり、先端の頂
角および曲率半径が小さな成形型であっても、容易にエ
ミッタ材料を充填できるため、エミッタ電極とゲート電
極の相対位置を精度良く決めることができる。エミッタ
電極の先端の頂角および曲率半径を小さくすれば、エミ
ッタ電極に電界を集中させやすく、電界放射型素子とし
ての均一性、再現性および性能を向上させることができ
る。
【0093】1段タイプのエミッタ電極の成形型は、エ
ミッタ電極の根元から先端に向けて徐々にエミッタ領域
が狭まって行くので、領域の狭まったエミッタ電極の先
端にまで奥深くエミッタ材料を充填(成膜)するのは容
易でない。それに対し、2段タイプのエミッタ電極の成
形型は、2段の曲線で形成されるため、1段タイプのよ
うに1段目の曲線を延長して徐々に先端を絞る形状に比
べ、先端形状を形成する2段目と1段目の境界部分に広
い開口領域が設けられ、先端にまでエミッタ電極を充填
しやすい。2段タイプのエミッタ電極は、先端が欠けに
くく、成形型の形状を再現性良く形成できる。
【0094】以上は、エミッタ電極の製造工程を示し
た。次に、電界放射型素子の他の例として、2極管の製
造工程を示す。図15は、2極管の製造工程を示す図で
ある。まず、上記の工程に従い、図14(D)に示す素
子を製造する。その後、基板10dと反応膜16aの全
部と下方から反応阻止膜11aの一部をエッチングし除
去する。反応阻止膜11aの一部を除去し、図15に示
すように、反応阻止膜11eを残すことにより、エミッ
タ電極17の先端を露出させる。
【0095】第1の犠牲膜15cを導電性の多結晶Si
または非晶質Siで形成しておくと、第1の犠牲膜15
cがゲート電極を構成できる。2極管は、エミッタ電極
17とゲート電極15cの電極を有する。反応膜11e
は、エミッタ電極17とゲート電極15cを電気的に絶
縁する。なお、積層膜10cは、エッチングにより除去
してもよい。
【0096】本実施例では、第1の犠牲膜を酸化させ体
積膨張させるので、CVD法の場合に比べ、前述の同様
の理由により、エミッタ電極17の先端位置を精度よく
制御することができる。
【0097】また、2極管の場合も、2段タイプのエミ
ッタ電極17を形成でき、エミッタ電極の先端の頂角お
よび曲率半径を小さくすることができ、先端の頂角およ
び曲率半径が小さな成形型であっても容易にエミッタ材
料を充填できるため、エミッタ電極17とゲート電極1
5cの相対位置を精度良く決めることができる。エミッ
タ先端の頂角および曲率半径を小さくすれば、エミッタ
電極17に電界を集中させやすく、電界放射型素子とし
ての均一性、再現性および性能は向上する。
【0098】以上は、2極管の製造工程を示した。次
に、電界放射型素子の他の例として、3極管の製造工程
を示す。図16(A)、(B)は、3極管の製造工程を
示す図である。まず、前述の工程に従い、図14(D)
に示す素子を製造する。
【0099】その後、図16(A)に示すように、エミ
ッタ電極17の上に所定パターンのレジスト膜を形成し
(図示せず)、当該レジスト膜をマスクとし、Cl2
のエッチャントを用いてRIEを行い、エミッタ電極1
7aの両側にスリット開口20を作る。エミッタ電極1
7bは、スリット開口20の外側のエミッタ電極であ
る。
【0100】エミッタ電極17aの直径は、約0.3μ
mである。スリット開口20の深さは、約0.2μmで
ある。次に、反応膜16aの全部と下方から反応阻止膜
11aの一部をウェットエッチングにより除去し、図1
6(B)に示すように、反応阻止膜11eを残す。エミ
ッタ電極17a、ゲート電極15cおよびアノード電極
10dが露出する。ゲート電極15cは、例えば多結晶
Siからなる。
【0101】図17は、3極管の斜視図である。エミッ
タ電極17aは、エミッタ電極17bに接続され支持さ
れる。ゲート電極15cは、エミッタ電極17aの先端
付近に円形の孔を有する。エミッタ電極17aは、ゲー
ト電極15cの孔付近で針状に尖っている。
【0102】3極管は、陰極であるエミッタ電極17a
と陽極であるアノード電極10dを有し、ゲート電極1
5cに正電位を印加することにより、エミッタ電極17
aからアノード電極10dに向けて電子を放出させるこ
とができる。
【0103】3極管の場合も、エミッタ電極17aの先
端の頂角および曲率半径を小さくすることができる。そ
して、エミッタ電極17aとゲート電極15cの相対位
置を精度よく制御することができる。
【0104】以上は、積層膜10cを例えばSiNx
絶縁体で形成する場合について説明したが、図10
(C)に示すような構成にすれば、積層膜10cを導電
体にすることもできる。
【0105】図18は、積層膜10cを導電体にした3
極管において、アノード電極10eの上にアノード電極
15dが付加されたものである。アノード電極15d
は、ゲート電極15cを成膜する際に、厚めに成膜する
ことにより残ったものであり、例えば多結晶Siで形成
される。
【0106】以上は、第1の犠牲膜を反応阻止膜でマス
クして、酸化等の反応処理を行う場合について述べた。
次に、第1の犠牲膜と反応阻止膜の上に、さらにSiO
2 等からなる犠牲膜を形成した後に、反応処理を行う場
合について説明する。
【0107】図19(A)〜(C)、図20(D)〜
(F)は、本発明の他の実施例による電界放射型素子の
製造工程を示す図である。以下、電界放射型素子を構成
するエミッタ電極の製造工程を示す。
【0108】図19(A)は、図1(A)〜(C)の工
程の後の工程を示す。図19(A)では、CVD法によ
り、例えば多結晶Siからなる第1の犠牲膜15aを2
パートからなる積層膜10c上に異方的に堆積する。同
時に、開口部から孔12a底部にも堆積が生じ、第1の
犠牲膜15bが基板10d上に堆積される。
【0109】第1の犠牲膜15aは、積層膜10cの上
面上で均一に厚く堆積され、下面上で薄く堆積される。
第1の犠牲膜15aは、2パートを維持する。第1の犠
牲膜15a,15bは、多結晶Siの他、非晶質Si、
WSix 、MoSix 、TaSix 、Al、Ta、M
o、Tiでもよい。また、CVD法の他、スパッタ法を
用いてもよい。
【0110】次に、図19(B)に示すように、CVD
法により、例えばSiNx からなる反応阻止膜11aを
第1の犠牲膜15aの上に堆積する。反応阻止膜11a
は、2パートからなる第1の犠牲膜15aの上に異方的
に堆積され、オーバーハング部(第1の犠牲膜15a)
の上面上および側面の上方を覆うように堆積される。オ
ーバーハング部の下面上および側面の下方には堆積され
ない。反応阻止膜11aは、第1の犠牲膜15aの酸化
反応を阻止するための膜である。
【0111】なお、反応阻止膜11aを厚めに堆積し、
その後、等方ウェットエッチングにより、反応阻止膜1
1aを表面から均一な厚さ除去し、所望の反応阻止膜1
1aの厚さ分布に修正してもよい。オーバーハング部の
下面の反応阻止膜を除去することができる。
【0112】図19(C)では、プラズマCVD法によ
り、例えばSiO2 からなる第2の犠牲膜16aを反応
阻止膜11aを覆うように堆積する。第2の犠牲膜16
aを堆積すると、2パートからなるオーバーハング部の
間を通過し、第1の犠牲膜15bの上に第2の犠牲膜1
6bが堆積される。
【0113】第1の犠牲膜15aの表面は、3つの領域
61、62、63からなる。領域61は、反応阻止膜1
1aおよび第2の犠牲膜16aにより覆われる領域であ
り、オーバーハング部の上部の領域である。領域62
は、第2の犠牲膜16aにのみ覆われる領域であり、オ
ーバーハング部の側面のやや下方の領域である。領域6
3は、何も覆われず露出している領域であり、オーバー
ハング部の下部の領域である。
【0114】次に、加湿(ウェット)酸化法により、第
1の犠牲膜15aを酸化する。第1の犠牲膜15aにお
いて、領域61は、反応阻止膜11aに覆われているの
で、酸素がほとんど供給されない。領域63は、露出し
ているので酸素が十分に供給される。領域62は、第2
の犠牲膜16aに覆われているので、第2の犠牲膜16
aの厚さに応じて酸素の供給量が決まる。第2の犠牲膜
16aが厚いほど酸素の供給量が少なくなる。
【0115】当該3つの領域61、62、63では、酸
化反応の進み具合が異なる。酸化されやすい領域の順番
は、63、62、61の順である。つまり、表面が露出
している領域63が一番酸化しやすい。逆に、反応阻止
膜11aで覆われている領域61はほとんど酸化されな
い。
【0116】酸化処理を行うと、反応阻止膜11aで覆
われない第1の犠牲膜の領域63および62で酸化反応
が進み体積膨張する。領域63が位置するオーバーハン
グ部の下部において最も酸化反応が促進され体積膨張
し、2パートからなるオーバーハング部の側面が下方に
おいて相互につながる。図20(D)に、側面が相互に
つながった反応膜16cを示す。当該側面がつながった
ところで、酸化反応を終了させる。
【0117】第1の犠牲膜15a(図19(C))が酸
化するとSiO2 となり、やはりSiO2 からなる第2
の犠牲膜16aと合わさり、図20(D)に示す反応膜
16c(SiO2 )を形成する。第1の犠牲膜は全てが
酸化されず、第1の犠牲膜15cが残る。酸化処理によ
り、基板10dの上には反応膜16dが形成される。
【0118】反応膜16cは、元2パートであったオー
バーハング部がつながることによりできたものであり、
そのつながった部分には鋭い谷ができる。反応膜16c
の表面形状は、2段のカーブで形成される。1段目のカ
ーブは、反応が阻止された領域(オーバーハングの上
部)のカーブであり、2段目のカーブは、反応が促進さ
れた領域(オーバーハングの下部)のカーブである。反
応が促進された領域に形成される谷は、2つの円ないし
楕円が接触したかのように鋭い鋭角を持つ。この鋭角を
成形型として、以下2段タイプのエミッタ電極を形成す
る。
【0119】図20(E)では、反応膜16cの上に、
例えばTiNからなるエミッタ電極17を約0.2μm
反応性スパッタ法で堆積する。なお、エミッタ電極17
は、TiNの他、Mo、Cr、Ti、Wでもよい。ま
た、スパッタ法の他、CVD法を用いてもよい。
【0120】図20(F)では、基板10dと反応膜1
6cをウェットエッチングにより除去し、エミッタ電極
17を露出させる。本実施例によれば、第1の犠牲膜の
上に反応阻止膜を成膜し、さらにその上に第2の犠牲膜
を成膜することにより、2段タイプのエミッタ電極17
を形成することができる。2段タイプのエミッタ電極
は、先端の頂角および曲率半径を小さくすることが容易
であり、電界放射型素子としての性能を向上させること
ができる。
【0121】以上は、エミッタ電極の製造工程を示し
た。次に、電界放射型素子の他の例として、2極管の製
造工程を示す。図21は、2極管の製造工程を示す図で
ある。まず、上記の工程に従い、図20(E)に示す素
子を製造する。その後、基板10dと下方から反応膜1
6cの一部をエッチングし除去する。反応膜16cの一
部を除去し、図21に示すように、反応膜16gを残す
ことにより、エミッタ電極17の先端を露出させる。
【0122】エミッタ電極17とゲート電極15cとの
間に導電性異物が挟まってもリークやショートが発生し
にくい。また、誘電率が真空の誘電率=1より大きい反
応膜16gをゲート電極15c上に残すことにより等電
位面(線)をエミッタ電極17に押し付け、エミッタ先
端の電界を強くできる。
【0123】第1の犠牲膜15cを導電性の多結晶Si
または非晶質Siで形成しておくと、第1の犠牲膜15
cがゲート電極を構成できる。2極管は、エミッタ電極
17とゲート電極15cの電極を有する。反応膜16g
と反応阻止膜11aは、エミッタ電極17とゲート電極
15cを電気的に絶縁する。絶縁膜が2層構造になって
いるので、絶縁耐圧が向上する。両方の膜の同一場所に
ピンホールやウィークスポットが存在する確率は、それ
ぞれの確率の積となるためである。なお、反応阻止膜1
1aは、導電体でもよい。また、積層膜10cは、エッ
チングにより除去してもよい。
【0124】以上は、2極管の製造工程を示した。次
に、電界放射型素子の他の例として、3極管の製造工程
を示す。図22(A)、(B)は、3極管の製造工程を
示す図である。
【0125】まず、前述の工程に従い、図20(E)に
示す素子を製造する。その後、図22(A)に示すよう
に、エミッタ電極17の上に所定パターンのレジスト膜
を形成し(図示せず)、当該レジスト膜をマスクとし、
Cl2 系のエッチャントを用いてRIEを行い、エミッ
タ電極17aの両側にスリット開口20を作る。エミッ
タ電極17bは、スリット開口20の外側のエミッタ電
極である。エミッタ電極17aの直径は、約0.3μm
である。スリット開口20の深さは、約0.2μmであ
る。
【0126】図22(B)では、下方から反応膜16c
の一部と反応膜16dの全部をウェットエッチングによ
り除去する。反応膜16cの一部をエッチングにより除
去し、反応膜16gを残すことにより、エミッタ電極1
7a、ゲート電極15cおよびアノード電極10dを露
出させることができる。
【0127】以上は、第1の犠牲膜の上に反応阻止膜を
形成し、さらにその上に第2の犠牲膜を形成し、酸化反
応させる場合について説明した。次に、当該3つの膜の
積層順序を異ならせ、第1の犠牲膜の上に第2の犠牲
膜、さらにその上に反応阻止膜を形成し、酸化反応させ
る場合について説明する。
【0128】図23(A)〜(C)、図24(D)〜
(F)は、本発明の他の実施例による電界放射型素子の
製造工程を示す図である。以下、電界放射型素子を構成
するエミッタ電極の製造工程を示す。
【0129】図23(A)は、図1(A)〜(C)の工
程の後の工程を示す。図23(A)では、CVD法によ
り、例えば多結晶Siからなる第1の犠牲膜15aを2
パートからなる積層膜10c上に異方的に堆積する。同
時に、開口部から孔12a底部にも堆積が生じ、第1の
犠牲膜15bが基板10d上に堆積される。
【0130】第1の犠牲膜15aは、積層膜10cの上
面上で均一に厚く堆積され、下面上で薄く堆積される。
第1の犠牲膜15aは、2パートを維持する。第1の犠
牲膜15a,15bは、多結晶Siの他、非晶質Si、
WSix 、MoSix 、TaSix 、Al、Ta、M
o、Tiでもよい。また、CVD法の他、スパッタ法を
用いてもよい。
【0131】次に、図23(B)に示すように、CVD
法により、第1の犠牲膜15aの表面に例えばSiO2
からなる第2の犠牲膜16aを堆積する。第1の犠牲膜
15bの上にも、第2の犠牲膜16bが堆積される。第
2の犠牲膜16aは、第1の犠牲膜15aの上面上では
ほぼ均一の厚さに堆積し、側面では上方で厚く下方に向
かうに従って徐々に厚さが減少する。
【0132】プラズマCVD法によりSiO2 を堆積す
るには、例えば温度を415℃、パワーを290W、圧
力を1.5Torrとし、SiH4 を100sccm、
2Oを500sccm、N2 を500sccm供給す
ることにより行う。
【0133】図23(C)では、CVD法により、例え
ばSiNx からなる反応阻止膜11aを第2の犠牲膜1
6aの一部を覆うように堆積する。反応阻止膜11a
は、2パートからなるオーバーハングの上面上および側
面の上方にのみ堆積され、下面上および側面の下方には
堆積されない。反応阻止膜11aは、第1の犠牲膜15
aの酸化反応を阻止するための膜である。反応阻止膜1
1bは、2パートのオーバーハングの間を通過して、第
2の犠牲膜16bの上に堆積される。
【0134】なお、反応阻止膜11aを厚めに堆積し、
その後、等方ウェットエッチングにより、反応阻止膜1
1aを表面から均一な厚さ除去し、所望の反応阻止膜1
1aの厚さ分布に修正してもよい。オーバーハング部の
下面の反応阻止膜を除去することができる。
【0135】第1の犠牲膜15aの表面は、3つの領域
61、62、63からなる。領域61は、反応阻止膜1
1aおよび第2の犠牲膜16aにより覆われる領域であ
り、オーバーハング部の上部の領域である。領域62
は、第2の犠牲膜16aにのみ覆われる領域であり、オ
ーバーハング部の側面の下方の領域である。領域63
は、何も覆われず露出している領域であり、オーバーハ
ング部の下部の領域である。
【0136】次に、加湿(ウェット)酸化法により、第
1の犠牲膜15aを酸化させる。第1の犠牲膜15aに
おいて、領域61は、反応阻止膜11aで覆われている
ので、酸素がほとんど供給されない。領域63は、露出
しているので酸素が十分に供給される。領域62は、第
2の犠牲膜16aに覆われているので、第2の犠牲膜1
6aの厚さに応じて酸素の供給量が決まる。第2の犠牲
膜16aが厚いほど酸素の供給量が少なくなる。当該3
つの領域61、62、63では、酸化反応の進み具合が
異なる。酸化されやすい領域の順番は、63、62、6
1の順である。
【0137】酸化処理を行うと、反応阻止膜11aで覆
われない第1の犠牲膜の領域63および62で酸化反応
が進み体積膨張する。領域63が位置するオーバーハン
グ部の下部において最も酸化反応が促進され体積膨張
し、2パートからなるオーバーハング部の側面が下方に
おいて相互につながる。図24(D)に、側面が相互に
つながった反応膜16cを示す。当該側面がつながった
ところで、酸化反応を終了させる。反応膜16cは、元
2パートであったオーバーハング部がつながることによ
りできたものであり、そのつながった部分には鋭い谷が
できる。
【0138】第1の犠牲膜15a(図23(C))が酸
化するとSiO2 となり、やはりSiO2 からなる第2
の犠牲膜16aと合わさり、図24(D)に示す反応膜
16c(SiO2 )を形成する。第1の犠牲膜は全てが
酸化されず、第1の犠牲膜15cが残る。酸化処理によ
り、基板10dの上には反応膜16dが形成される。
【0139】反応膜16cと反応阻止膜11aにより形
成される谷は、2段のカーブで形成される。1段目のカ
ーブは、反応阻止膜11aの型によるカーブであり、2
段目のカーブは、反応膜16cの型によるカーブであ
る。反応膜16cにより形成される谷は、2つの円ない
し楕円が接触したかのように鋭い鋭角を持つ。この鋭角
を成形型として、以下2段タイプのエミッタ電極を形成
する。
【0140】図24(E)では、反応阻止膜11aと反
応膜16cの上に、例えばTiNからなるエミッタ電極
17を約0.2μm反応性スパッタ法で堆積する。な
お、エミッタ電極17は、TiNの他、Mo、Cr、T
i、Wでもよい。また、スパッタ法の他、CVD法を用
いてもよい。
【0141】図24(F)では、基板10dと反応膜1
6cと反応阻止膜11aをウェットエッチングにより除
去し、2段タイプのエミッタ電極17を露出させる。エ
ミッタ電極17は、膜厚が薄いので、図4(A)〜
(C)に示した方法により、補強するのがよい。
【0142】2段タイプのエミッタ電極は、先端の頂角
および曲率半径を小さくすることが容易であり、電界放
射型素子としての性能を向上させることができる。本実
施例によれば、第1の犠牲膜の上に第2の犠牲膜、さら
にその上に反応阻止膜を形成し、酸化反応処理を行う。
第1の犠牲膜の上に、第2の犠牲膜と反応阻止膜を形成
すればよく、第2の犠牲膜と反応阻止膜はどちらが上で
もよい。
【0143】ただし、第1の犠牲膜と反応阻止膜の間に
第2の犠牲膜を形成すれば、第2の犠牲膜をバッファと
して機能させることができる。すなわち、酸化反応等を
行う際、基板全体を高温にした後温度を下げるので、第
1の犠牲膜の変形と反応阻止膜の変形との間に歪みが生
じやすい。第2の犠牲膜は、その歪みを吸収するための
バッファとして機能する。
【0144】以上は、エミッタ電極の製造工程を示し
た。次に、電界放射型素子の他の例として、2極管の製
造工程を示す。図25は、2極管の製造工程を示す図で
ある。まず、上記の工程に従い、図24(E)に示す素
子を製造する。その後、基板10dと反応膜16cと反
応阻止膜11aをエッチングし、図25に示すように、
反応阻止膜11eと反応膜16eを残す。エミッタ電極
17の先端が露出する。
【0145】第1の犠牲膜15cを導電性の多結晶Si
または非晶質Siで形成しておくと、第1の犠牲膜15
cがゲート電極を構成できる。2極管は、エミッタ電極
17とゲート電極15cを有する。反応膜16eと反応
阻止膜11eは、エミッタ電極17とゲート電極15c
を電気的に絶縁する。絶縁膜が2層構造になっているの
で絶縁耐圧が向上する。両方の膜の同一場所にピンホー
ルやウィークスポットが存在する確率は、それぞれの膜
にピンホールやウィークスポットが存在する確率の積に
なるからである。なお、反応阻止膜11eは、導電体で
もよい。また、積層膜10cは、エッチングにより除去
してもよい。
【0146】以上は、2極管の製造工程を示した。次
に、電界放射型素子の他の例として、3極管の製造工程
を示す。図26(A)、(B)は、3極管の製造工程を
示す図である。
【0147】まず、前述の工程に従い、図24(E)に
示す素子を製造する。その後、図26(A)に示すよう
に、エミッタ電極17の上に所定パターンのレジスト膜
を形成し(図示せず)、当該レジスト膜をマスクとし、
Cl2 系のエッチャントを用いてRIEを行い、エミッ
タ電極17aの両側にスリット開口20を作る。エミッ
タ電極17bは、スリット開口20の外側のエミッタ電
極である。エミッタ電極17aの直径は、約0.3μm
である。スリット開口20の深さは、約0.2μmであ
る。
【0148】図26(B)では、反応阻止膜11aと反
応膜16cをウェットエッチングし、反応阻止膜11e
と反応膜16eを残す。エミッタ電極17a、ゲート電
極15cおよびアノード電極10dが露出する。
【0149】以上は、CVD法等により、第1の犠牲膜
の表面に第2の犠牲膜を成膜する方法を示した。次に、
CVD法等の代わりに酸化処理により、第1の犠牲膜の
表面に第2の犠牲膜を成膜する方法を示す。
【0150】図27(A)〜(C)、図28(D)〜
(F)は、本発明の他の実施例による電界放射型素子の
製造工程を示す図である。以下、電界放射型素子を構成
するエミッタ電極の製造工程を示す。
【0151】図27(A)は、図1(A)〜(C)の工
程の後の工程を示す。図27(A)では、CVD法によ
り、例えば多結晶Siからなる第1の犠牲膜15aを2
パートからなる積層膜10c上に異方的に堆積する。同
時に、開口部から孔12a底部にも堆積が生じ、第1の
犠牲膜15bが基板10d上に堆積される。
【0152】第1の犠牲膜15aは、積層膜10cの上
面上で均一に厚く堆積され、下面上で薄く堆積される。
第1の犠牲膜15aは、2パートを維持する。第1の犠
牲膜15a,15bは、多結晶Siの他、非晶質Si、
WSix 、MoSix 、TaSix 、Al、Ta、M
o、Tiでもよい。また、CVD法の他、スパッタ法を
用いてもよい。
【0153】次に、図27(B)に示すように、第1の
犠牲膜を加湿(ウェット)酸化し、第1の犠牲膜15c
の表面に例えばSiO2 からなる第2の犠牲膜16aを
一様に成膜する。基板10dの表面にも、第2の犠牲膜
16bが成膜される。
【0154】加湿酸化は、例えば縦型炉を用いて、炉内
温度を850℃とし、H2 ガスを30000cc/mi
n、O2 ガスを20000cc/min供給することに
より行う。
【0155】図27(C)では、CVD法により、例え
ばSiNx からなる反応阻止膜11aを第2の犠牲膜1
6aの上に異方的に堆積する。反応阻止膜11aは、オ
ーバーハング部(第2の犠牲膜16a)の上面上および
側面の上方を覆うように堆積される。オーバーハング部
の下面上および側面の下方には堆積されない。反応阻止
膜11bは、第2の犠牲膜16bの上に堆積される。反
応阻止膜11a,11bは、酸化反応を阻止するための
膜である。
【0156】なお、反応阻止膜11aを厚めに堆積し、
その後、等方ウェットエッチングにより、反応阻止膜1
1aを表面から均一な厚さ除去し、所望の反応阻止膜1
1aの厚さ分布に修正してもよい。オーバーハング部の
下面の反応阻止膜を除去することができる。
【0157】第1の犠牲膜15cの表面は、2つの領域
61、62からなる。領域61は、反応阻止膜11aお
よび第2の犠牲膜16aにより覆われる領域であり、オ
ーバーハング部の上部の領域である。領域62は、第2
の犠牲膜16aにのみ覆われる領域であり、オーバーハ
ング部の下部の領域である。
【0158】次に、加湿(ウェット)酸化法により、第
1の犠牲膜15cを酸化する。第1の犠牲膜15cにお
いて、領域61は反応阻止膜11aにより覆われている
ので酸化反応が阻止され、領域62は反応阻止膜11a
により覆われていないので酸化反応が進む。
【0159】ただし、領域62は、第2の犠牲膜16a
により覆われているので、第2の犠牲膜16aの厚さに
より酸化速度が減速制御される。第2の犠牲膜16aが
厚いほど、酸化速度は遅くなる。
【0160】なお、第2の犠牲膜16aは、第1の犠牲
膜15cの反応を制御するだけでなく、先の実施例と同
様に、反応阻止膜11aと第1の犠牲膜15cの間に介
在するバッファとしての機能も有する。
【0161】酸化処理を行うと、反応阻止膜11aで覆
われない第1の犠牲膜の領域62で酸化反応が進み体積
膨張する。領域62で体積膨張すると、2パートからな
るオーバーハング部の側面が下方において相互につなが
る。図28(D)に、側面が相互につながった反応膜1
6cを示す。当該側面がつながったところで、酸化反応
を終了させる。反応膜16cは、元2パートであったオ
ーバーハング部がつながることによりできたものであ
り、そのつながった部分には鋭い谷ができる。
【0162】第1の犠牲膜15c(図23(C))が酸
化するとSiO2 となり、やはりSiO2 からなる第2
の犠牲膜16aと合わさり、図28(D)に示す反応膜
16c(SiO2 )を形成する。第1の犠牲膜は全てが
酸化されず、第1の犠牲膜15eが残る。酸化処理によ
り、基板10dの上には反応膜16dが形成される。
【0163】2パートが接触した反応膜16cと反応阻
止膜11aにより形成される谷は2段のカーブで形成さ
れる。1段目のカーブは、反応阻止膜11aの型による
カーブであり、2段目のカーブは、反応膜16cの型に
よるカーブである。反応膜16cにより形成される谷
は、2つの円ないし楕円が接触したかのように鋭い鋭角
を持つ。この鋭角を成形型として、以下2段タイプのエ
ミッタ電極を形成する。
【0164】図28(E)では、反応阻止膜11aと反
応膜16cの上に、例えばTiNからなるエミッタ電極
17を約0.2μm反応性スパッタ法で堆積する。な
お、エミッタ電極17は、TiNの他、Mo、Cr、T
i、Wでもよい。スパッタ法の他、CVD法でもよい。
【0165】図28(F)では、基板10dと反応膜1
6cと反応阻止膜11aをウェットエッチングにより除
去し、エミッタ電極17を露出させる。エミッタ電極1
7は、膜厚が薄いので、図4(A)〜(C)に示した方
法により、補強するのがよい。
【0166】本実施例によれば、第1の犠牲膜の表面に
第2の犠牲膜を酸化処理により一様に成膜した後、さら
にその上に反応阻止膜を成膜することにより、2段タイ
プのエミッタ電極17を形成する。2段タイプのエミッ
タ電極は、先端の頂角および曲率半径を小さくすること
が容易であり、先端の頂角および曲率半径が小さな成形
型であっても、容易にエミッタ材料を充填できるため、
エミッタ電極17とゲート電極15cの相対位置を精度
良く決めることができる。エミッタ先端の頂角および曲
率半径を小さくすれば、エミッタ電極17に電界を集中
させやすく、電界放射型素子としての均一性、再現性お
よび性能を向上させることができる。
【0167】以上は、エミッタ電極の製造工程を示し
た。次に、電界放射型素子の他の例として、2極管の製
造工程を示す。図29は、2極管の製造工程を示す図で
ある。まず、上記の工程に従い、図28(E)に示す素
子を製造する。その後、基板10dと反応膜16cと反
応阻止膜11aをエッチングし、図29に示すように、
反応阻止膜11dと反応膜16eを残す。エミッタ電極
17の先端が露出する。
【0168】第1の犠牲膜15eを導電性の多結晶Si
または非晶質Siで形成しておくと、第1の犠牲膜15
eがゲート電極を構成できる。2極管は、エミッタ電極
17とゲート電極15eを有する。反応膜16eと反応
阻止膜11dは、エミッタ電極17とゲート電極15e
を電気的に絶縁する。絶縁膜が2層構造になっているの
で絶縁耐圧が向上する。両方の膜の同一場所にピンホー
ルやウィークスポットが存在する確率は、それぞれの膜
にピンホールやウィークスポットが存在する確率の積に
なるからである。なお、反応阻止膜11dは、導電体で
もよい。また、積層膜10cは、エッチングにより除去
してもよい。
【0169】以上は、2極管の製造工程を示した。次
に、電界放射型素子の他の例として、3極管の製造工程
を示す。図30(A)、(B)は、3極管の製造工程を
示す図である。
【0170】まず、前述の工程に従い、図28(E)に
示す素子を製造する。その後、図30(A)に示すよう
に、エミッタ電極17の上に所定パターンのレジスト膜
を形成し(図示せず)、当該レジスト膜をマスクとし、
Cl2 系のエッチャントを用いてRIEを行い、エミッ
タ電極17aの両側にスリット開口20を作る。エミッ
タ電極17bは、スリット開口20の外側のエミッタ電
極である。エミッタ電極17aの直径は、約0.3μm
である。スリット開口20の深さは、約0.2μmであ
る。
【0171】図30(B)では、反応阻止膜11aと反
応膜16cのそれぞれの一部を下方からウェットエッチ
ングにより除去し、反応阻止膜11dと反応膜16eを
残す。エミッタ電極17a、ゲート電極15eおよびア
ノード電極10dが露出する。
【0172】以上は、第1の犠牲膜の上に、第2の犠牲
膜と反応阻止膜を形成し、その後、酸化反応させる方法
を示した。次に、第1の犠牲膜の上に反応阻止膜を形成
し、その後、酸化反応させ、さらにその後にエミッタ電
極の成形型の表面に絶縁膜を形成する方法を示す。
【0173】図31(A)〜(C)、図32(D)〜
(F)は、本発明の他の実施例による電界放射型素子の
製造工程を示す図である。以下、電界放射型素子を構成
するエミッタ電極の製造工程を示す。
【0174】図31(A)は、図1(A)〜(C)の工
程の後の工程を示す。図31(A)では、CVD法によ
り、例えば多結晶Siからなる第1の犠牲膜15aを2
パートからなる積層膜10c上に異方的に堆積する。同
時に、開口部から孔12a底部にも堆積が生じ、第1の
犠牲膜15bが基板10d上に堆積される。
【0175】第1の犠牲膜15aは、積層膜10cの上
面上で均一に厚く堆積され、下面上で薄く堆積される。
第1の犠牲膜15aは、2パートを維持する。第1の犠
牲膜15a,15bは、多結晶Siの他、非晶質Si、
WSix 、MoSix 、TaSix 、Al、Ta、M
o、Tiでもよい。また、CVD法の他、スパッタ法を
用いてもよい。
【0176】図31(B)では、CVD法により、例え
ばSiNx からなる反応阻止膜11aを第1の犠牲膜1
5aの上に異方的に堆積する。反応阻止膜11aは、オ
ーバーハング部(第1の犠牲膜15a)の上面上および
側面の上方を覆うように堆積され、下面上および側面の
下方には堆積されない。反応阻止膜11bは、第1の犠
牲膜15bの上に堆積される。反応阻止膜11a,11
bは、酸化反応を阻止するための膜である。
【0177】なお、反応阻止膜11aを厚めに堆積し、
その後、等方ウェットエッチングにより、反応阻止膜1
1aを表面から均一な厚さ除去し、所望の反応阻止膜1
1aの厚さ分布に修正してもよい。オーバーハング部の
下面の反応阻止膜を除去することができる。
【0178】次に、加湿(ウェット)酸化法により、反
応阻止膜11aをマスクとして、露出している第1の犠
牲膜15aの部分を酸化する。第1の犠牲膜15aは、
上面上および側面の上方が反応阻止膜11aで覆われ、
下面上および側面の下方が反応阻止膜11aで覆われて
いない。反応阻止膜11aで覆われている部分は酸化反
応が阻止され、反応阻止膜11aで覆われていない部分
は酸化反応が促進される。すなわち、オーバーハング部
の下面および側面の下方で酸化が促進され、その部分で
体積膨張する。
【0179】オーバーハング部の下部を体積膨張させ、
2パートからなるオーバーハング部の側面が相互に接触
するまで、酸化処理を進める。第1の犠牲膜15aが酸
化すると、図31(C)に示すように、SiO2 からな
る反応膜16aが形成される。反応膜16aは、元2パ
ートからなるオーバーハング部をつなぐ。
【0180】第1の犠牲膜は全てが酸化されず、第1の
犠牲膜15cが残る。酸化処理により、基板10dの上
には、反応膜16bが形成される。反応膜16aと反応
阻止膜11aにより形成される谷は2段のカーブで形成
される。1段目のカーブは、反応阻止膜11aの型によ
るカーブであり、2段目のカーブは、反応膜16aの型
によるカーブである。反応膜16aにより形成される谷
は、2つの円ないし楕円が接触したかのように鋭い鋭角
を持つ。
【0181】次に、図32(D)に示すように、CVD
法により、反応阻止膜11aと反応膜16aにより形成
される谷の表面に、例えばSiO2 からなる絶縁膜16
cを等方的に堆積する。絶縁膜16cは、2段のカーブ
で形成される谷の形状を保つ。
【0182】絶縁膜16cは、当該谷の形状、すなわち
エミッタ電極の成形型の形状を整える役割を有する。例
えば、エミッタ電極のでっぱりの高さを調整したり、エ
ミッタ電極のでっぱりの横幅を調整することができる。
【0183】なお、反応膜16aは、必ずしも2パート
のオーバーハング部をつないでいなくてもよい。反応膜
16aが2パートに別れていても、この工程で絶縁膜1
6cを堆積することにより、2パートの間の隙間を埋め
ることができる。
【0184】すなわち、図31(C)に示す工程では、
必ずしも2パートのオーバーハング部を接触させる必要
はなく、接触する直前で酸化反応を終了させてもよい。
2パートのオーバーハング部の側面の下方を体積膨張さ
せでっぱり部分を形成すればよい。でっぱり部分を形成
することにより、2段タイプの谷を形成することができ
る。
【0185】この絶縁膜16cを成形型として、以下2
段タイプのエミッタ電極を形成する。図32(E)で
は、絶縁膜16cの上に、例えばTiNからなるエミッ
タ電極17を約0.2μm反応性スパッタ法で堆積す
る。なお、エミッタ電極17は、TiNの他、Mo、C
r、Ti、Wでもよい。また、スパッタ法の他、CVD
法でもよい。
【0186】図32(F)では、絶縁膜16cをウェッ
トエッチングにより除去し、エミッタ電極17を露出さ
せる。エミッタ電極17は、膜厚が薄いので、図4
(A)〜(C)に示した方法により、補強するのがよ
い。
【0187】本実施例によれば、反応阻止膜をマスクと
して第1の犠牲膜を酸化させエミッタ電極の成形型を形
成した後、当該成形型の表面に絶縁膜を堆積し、2段タ
イプのエミッタ電極17を形成する。2段タイプのエミ
ッタ電極は、先端の頂角および曲率半径を小さくするこ
とが容易であり、先端の頂角および曲率半径が小さな成
形型であっても、容易にエミッタ材料を充填できるた
め、エミッタ電極17とゲート電極15cの相対位置を
精度良く決めることができる。エミッタの先端の頂角お
よび曲率半径を小さくすれば、エミッタ電極17に電界
を集中させやすく、電界放射型素子としての均一性、再
現性および性能を向上させることができる。
【0188】以上は、エミッタ電極の製造工程を示し
た。次に、電界放射型素子の他の例として、2極管の製
造工程を示す。図33は、2極管の製造工程を示す図で
ある。まず、上記の工程に従い、図32(E)に示す素
子を製造する。その後、基板10dと反応膜16aと反
応阻止膜11aと絶縁膜16cをエッチングし、図33
に示すように、絶縁膜16eと反応阻止膜11eを残
す。エミッタ電極17の先端が露出する。
【0189】第1の犠牲膜15cを導電性の多結晶Si
または非晶質Siで形成しておくと、第1の犠牲膜15
cがゲート電極を構成できる。2極管は、エミッタ電極
17とゲート電極15cを有する。絶縁膜16eと反応
阻止膜11eは、エミッタ電極17とゲート電極15c
を電気的に絶縁する。なお、反応阻止膜11eは、導電
体でもよい。また、積層膜10cは、エッチングにより
除去してもよい。
【0190】図34は、他の2極管の例を示す。この2
極管は、反応阻止膜11aをエッチング除去しないで残
す。図33に示す2極管は、一部の反応阻止膜11eを
残す。図34に示す2極管は、全ての反応阻止膜11a
を残す。すなわち、絶縁膜(SiO2 )のみエッチング
し、反応阻止膜(SiNx )をエッチングしない。その
結果、一部の絶縁膜16eと全部の反応阻止膜11aが
残る。
【0191】反応阻止膜11aは、エミッタ電極17と
ゲート電極15cの間に介在し、エミッタ電極17とゲ
ート電極15cの間にリーク電流が流れるのを防止す
る。図33に示す2極管は、エミッタ電極17とゲート
電極の間にゴミが付着すると、エミッタ電極17とゲー
ト電極15cの間にリーク電流が流れやすい欠点があ
る。図34に示す2極管は、そのような欠点がない。ま
た、誘電率が真空の誘電率=1より大きい反応阻止膜1
1aをゲート電極15c上に残すことにより、等電位面
(線)をエミッタ電極17に押し付け、エミッタ先端の
電界を強くできる。
【0192】以上は、2極管の製造工程を示した。次
に、電界放射型素子の他の例として、3極管の製造工程
を示す。図35(A)、(B)は、3極管の製造工程を
示す図である。
【0193】まず、前述の工程に従い、図32(E)に
示す素子を製造する。その後、図35(A)に示すよう
に、エミッタ電極17の上に所定パターンのレジスト膜
を形成し(図示せず)、当該レジスト膜をマスクとし、
Cl2 系のエッチャントを用いてRIEを行い、エミッ
タ電極17aの両側にスリット開口20を作る。エミッ
タ電極17bは、スリット開口20の外側のエミッタ電
極である。エミッタ電極17aの直径は、約0.3μm
である。スリット開口20の深さは、約0.2μmであ
る。
【0194】図35(B)では、絶縁膜16cと反応阻
止膜11aをウェットエッチングにより除去し、絶縁膜
16eと反応阻止膜11eを残す。エミッタ電極17
a、ゲート電極15cおよびアノード電極10dが露出
する。
【0195】次に、本実施例により製造される1段タイ
プのエミッタ電極と多段(2段)タイプのエミッタ電極
の形状を説明する。1段タイプのエミッタ電極は、例え
ば図3(H)に示すエミッタ電極であり、第1の犠牲膜
の上に例えばSiO2 (第2の犠牲膜)を堆積した後
に、酸化等の反応を行うことにより形成される。多段
(2段)タイプのエミッタ電極は、例えば図14(E)
に示すエミッタ電極であり、第1の犠牲膜の上に例えば
SiNx (反応阻止膜)を堆積した後に、酸化等の反応
を行うことにより形成される。
【0196】つまり、第1の犠牲膜の上にSiO2 を堆
積すれば、1段タイプのエミッタ電極を形成することが
でき、第1の犠牲膜の上にSiNx を堆積すれば、多段
(2段)タイプのエミッタ電極を形成することができ
る。したがって、第1の犠牲膜の上にSiOx y を堆
積すれば、1段タイプと多段(2段)タイプの中間の形
状を形成することができる。この際、SiOx y にお
けるxとyの比率を変えれば、1段タイプまたは多段
(2段)タイプのいずれの形状にも近づけることができ
る。このSiOx y は、第1の犠牲膜の反応を制御す
るための反応制御膜としての機能を有する。
【0197】図36(A)、(B)は、高さによる多段
(2段)タイプエミッタの第1の定義を示す。図36
(A)は、1段タイプのエミッタ形状を示す。1段タイ
プエミッタは、1段のカーブにより形成され、その高さ
をH0で表すことができる。
【0198】図36(B)は、多段(2段)タイプのエ
ミッタ形状を示す。多段(2段)タイプエミッタは、曲
率の異なる2段のカーブにより形成され、その高さをH
1とする。仮に、1段目のカーブにより1段タイプエミ
ッタを形成するとすると、図36(A)のエミッタと同
じく、高さがH0となる。
【0199】1段目のカーブが半径H0の真円を1/4
にした円弧からなる場合を考える。エミッタのアスペク
ト比は、高さ(根元から先端までの長さ)/底辺の長さ
(根元の太さを示す直径)で表される。1段タイプエミ
ッタ(図36(A))は、高さがH0であり、底辺の長
さが2×H0であるので、アスペクト比はH0/(2×
H0)=0.5になる。2段タイプエミッタは、アスペ
クト比が1段タイプエミッタより小さく、以下の定義で
表すことができる。
【0200】 H1 < H0 ・・・(1) ただし、電界放射型素子の特性に着目し、ゲート−エミ
ッタ間に低電圧を印加し、エミッタから電子を放出させ
るためには、H1がH0に近いことが好ましい。
【0201】1段目のカーブが半径H0の真円を1/4
にした円弧からなる場合を考える。エミッタのアスペク
ト比を0.25にするためには、底辺の長さが2×H0
のとき、高さH1=0.5×H0にする必要がある。
【0202】そこで、より好ましくは、以下の定義で表
すことができる。 H0 > H1 > 0.5×H0 ・・・(2) さらに、エミッタの先端位置を精度良く制御すること、
および成形型の奥深くまでエミッタ材料を充填すること
をも考慮すれば、H1が長すぎないことが好ましい。
【0203】1段目のカーブが半径H0の真円を1/4
にした円弧からなる場合を考える。エミッタのアスペク
ト比を0.475にするためには、底辺の長さが2×H
0のとき、高さH1=0.95×H0にする必要があ
る。
【0204】したがって、さらに、より好ましくは、以
下の定義で表すことができる。 0.5×H0 < H1 < 0.95×H0 ・・・(3) 図37(A)、(B)は、高さによる多段(2段)タイ
プエミッタの第2の定義を示す。
【0205】図37(A)は、1段タイプのエミッタ形
状を示す。1段タイプエミッタは、1段の直線により形
成され、その高さをH0で表すことができる。図37
(B)は、多段(2段)タイプのエミッタ形状を示す。
多段(2段)タイプエミッタは、傾きの異なる2段の直
線により形成され、その高さをH1とする。仮に、1段
目の直線により1段タイプエミッタを形成するとする
と、図37(A)のエミッタと同じく、高さがH0とな
る。
【0206】このエミッタ電極は、前述の製造工程によ
り多段(2段)タイプエミッタを製造した後に、エミッ
タの一部をエッチングにより除去し、1段目の直線を形
成する。この形状を持つエミッタ電極を用いれば、エミ
ッタ電極の集積度を上げ、エミッタ先端の最大電界強度
を大きくすることができる。
【0207】この時、2段タイプエミッタは、高さH1
と高さH0を用いて、上記(1)、(2)、(3)式の
定義と同じ定義で表される。図38(A)、(B)は、
高さによる多段(2段)タイプエミッタの第3の定義を
示す。
【0208】図38(A)は、1段タイプのエミッタ形
状を示す。1段タイプエミッタは、1段の直線により形
成され、その高さをH0で表すことができる。図38
(B)は、多段(2段)タイプのエミッタ形状を示す。
多段(2段)タイプエミッタは、傾きの異なる2段の直
線により形成され、その高さをH1とする。ただし、1
段目の直線は互いにほぼ平行である。仮に、2段目の直
線により1段タイプエミッタを形成するとすると、図3
8(A)のエミッタと同じく、高さがH0となる。
【0209】この時、2段タイプエミッタは、高さH1
と高さH0を用いて、上記(1)、(2)、(3)式の
定義と同じ定義で表される。図39(A)、(B)は、
頂角による多段(2段)タイプエミッタの第1の定義を
示す。
【0210】図39(A)は、1段タイプのエミッタ形
状を示す。1段タイプエミッタは、1段のカーブにより
形成され、その頂角をA0で表すことができる。図39
(B)は、多段(2段)タイプのエミッタ形状を示す。
多段(2段)タイプエミッタは、曲率の異なる2段のカ
ーブにより形成され、その頂角をA1とする。仮に、1
段目のカーブにより1段タイプエミッタを形成するとす
ると、図39(A)のエミッタと同じく、頂角がA0と
なる。
【0211】この時、2段タイプエミッタは、以下の定
義で表すことができる。 A1 > A0 ・・・(4) ただし、電界放射型素子の特性に着目し、ゲート−エミ
ッタ間に低電圧を印加し、エミッタから電子を放出させ
るためには、A1がA0に近いことが好ましい。
【0212】そこで、より好ましくは、以下の定義で表
すことができる。 A0 < A1 < 1.1×A0 ・・・(5) さらに、エミッタの先端位置を精度良く制御すること、
および成形型の奥深くまでエミッタ材料を充填すること
をも考慮すれば、A1が小さすぎないことが好ましい。
【0213】したがって、さらに、より好ましくは、以
下の定義で表すことができる。 1.05×A0 < A1 < 1.1×A0 ・・・(6) 図40(A)、(B)は、頂角による多段(2段)タイ
プエミッタの第2の定義を示す。
【0214】図40(A)は、1段タイプのエミッタ形
状を示す。1段タイプエミッタは、1段の直線により形
成され、その頂角をA0で表すことができる。図40
(B)は、多段(2段)タイプのエミッタ形状を示す。
多段(2段)タイプエミッタは、傾きの異なる2段の直
線により形成され、その頂角をA1とする。仮に、1段
目の直線により1段タイプエミッタを形成するとする
と、図40(A)のエミッタと同じく、頂角がA0とな
る。
【0215】この時、2段タイプエミッタは、頂角A1
と頂角A0を用いて、上記(4)、(5)、(6)式の
定義と同じ定義で表される。図41(A)、(B)は、
頂角による多段(2段)タイプエミッタの第3の定義を
示す。
【0216】図41(A)は、1段タイプのエミッタ形
状を示す。1段タイプエミッタは、1段の直線により形
成され、その頂角をA0で表すことができる。図41
(B)は、多段(2段)タイプのエミッタ形状を示す。
多段(2段)タイプエミッタは、傾きの異なる2段の直
線により形成される。ただし、1段目の直線は互いにほ
ぼ平行である。
【0217】2段の直線により形成される角の角度をA
1’とすると、2段タイプエミッタは、以下の定義で表
すことができる。 A1’ < 180° ・・・(7) 図42(A)、(B)は、断面積による多段(2段)タ
イプエミッタの第1の定義を示す。
【0218】図42(A)は、1段タイプのエミッタ形
状を示す。1段タイプエミッタは、1段のカーブにより
形成され、その断面積をS0で表すことができる。図4
2(B)は、多段(2段)タイプのエミッタ形状を示
す。多段(2段)タイプエミッタは、曲率の異なる2段
のカーブにより形成され、その断面積をS1とする。仮
に、1段目のカーブにより1段タイプエミッタを形成す
るとすると、図42(A)のエミッタと同じく、断面積
がS0となる。
【0219】1段目のカーブが半径H0の真円を1/4
にした円弧からなる場合を考える。エミッタのアスペク
ト比を0.5より小さくするためには、前述の式(1)
に対応し、2段タイプエミッタは、以下の定義で表すこ
とができる。
【0220】 S1 < S0 ・・・(8) ただし、電界放射型素子の特性に着目し、ゲート−エミ
ッタ間に低電圧を印加し、エミッタから電子を放出させ
るためには、S1がS0に近いことが好ましい。
【0221】1段目のカーブが半径H0の真円を1/4
にした円弧からなる場合を考える。エミッタのアスペク
ト比を0.25にするためには、前述の式(2)に対応
し、S1≒0.9×S0にする必要がある。
【0222】そこで、より好ましくは、以下の定義で表
すことができる。 S0 > S1 > 0.9×S0 ・・・(9) さらに、エミッタの先端位置を精度良く制御すること、
および成形型の奥深くまでエミッタ材料を充填すること
をも考慮すれば、S1が大きすぎないことが好ましい。
【0223】したがって、さらに、より好ましくは、以
下の定義で表すことができる。 0.95×S0 > S1 > 0.9×S0 ・・・(10) 図43(A)、(B)は、断面積による多段(2段)タ
イプエミッタの第2の定義を示す。
【0224】図43(A)は、1段タイプのエミッタ形
状を示す。1段タイプエミッタは、1段の直線により形
成され、その断面積をS0で表すことができる。図43
(B)は、多段(2段)タイプのエミッタ形状を示す。
多段(2段)タイプエミッタは、傾きの異なる2段の直
線により形成され、その断面積をS1とする。仮に、1
段目の直線により1段タイプエミッタを形成するとする
と、図43(A)のエミッタと同じく、断面積がS0と
なる。
【0225】この時、2段タイプエミッタは、断面積S
1と断面積S0を用いて、上記(8)、(9)、(1
0)式の定義と同じ定義で表される。図44(A)、
(B)は、断面積による多段(2段)タイプエミッタの
第3の定義を示す。
【0226】図44(A)は、1段タイプのエミッタ形
状を示す。1段タイプエミッタは、1段の直線により形
成され、その断面積をS0で表すことができる。図44
(B)は、多段(2段)タイプのエミッタ形状を示す。
多段(2段)タイプエミッタは、傾きの異なる2段の直
線により形成され、その断面積をS1とする。ただし、
1段目の直線は互いにほぼ平行である。仮に、2段目の
直線により1段タイプエミッタを形成するとすると、図
44(A)のエミッタと同じく、断面積がS0となる。
【0227】この時、2段タイプエミッタは、断面積S
1と断面積S0を用いて、上記(8)、(9)、(1
0)式の定義と同じ定義で表される。図45は、電界放
射型素子を用いたフラットパネルディスプレイの断面図
である。
【0228】電界放射型素子は、本実施例に示した方法
により製造されたエミッタ電極または2極管である。絶
縁体からなる支持基板41の上に、AlまたはCu等か
らなる配線層42と多結晶Si等からなる抵抗層43が
形成される。抵抗層43の上には、頂角および曲率半径
の小さい先端を持つエミッタ電極44が多数配列され、
電界放射エミッタアレイ(FEA)を形成する。ゲート
電極45は、各エミッタ電極44の先端付近に開口を有
し、開口ごとに独立して電圧を印加することができる。
複数のエミッタ電極44も、それぞれ独立して電圧を印
加することができる。
【0229】エミッタ電極44およびゲート電極45を
含む電子源に対向して、ガラスまたは石英等からなる透
明基板46を含む対向基板が配置される。対向基板は、
透明基板46の下にITO等からなる透明電極(アノー
ド電極)47が配置され、さらにその下に蛍光材48が
配置される。
【0230】電子源と対向基板とは、透明電極47とエ
ミッタ電極44の間の距離が0.1〜5mm程度に保た
れるように、接着剤を塗布したガラス基板からなるスペ
ーサ50を介して接合される。接着剤には、例えば低融
点ガラスが用いられる。
【0231】なお、スペーサ50としてガラス基板を用
いず、エポキシ樹脂等の接着剤中にガラスビーズ等を分
散させてスペーサ50を構成することもできる。ゲッタ
ー材51は、例えばTi、Al、Mg等で形成され、放
出ガスがエミッタ電極44の表面に再付着するのを防止
する。
【0232】対向基板には、予め排気管49が形成され
ている。排気管49を利用して、フラットパネルディス
プレイの内部を10-5〜10-9Torr程度まで真空排
気した後、バーナー等で排気管49を封止する。その
後、アノード電極(透明電極)47、エミッタ電極4
4、ゲート電極45の配線を行い、フラットパネルディ
スプレイを完成させる。
【0233】図46は、フラットパネルディスプレイの
斜視図である。ゲート電極45は、多数のゲートホール
53を有する。各ゲートホール53に対応して、エミッ
タ電極44が形成される。各エミッタ電極44の先端
は、絶縁膜54により仕切られている。エミッタ電極4
4から放出される電子は、真空である中空部52を介し
て蛍光材48に照射され発光する。
【0234】フラットパネルディスプレイは複数の画素
で構成される。1つの画素は、4つのエミッタで構成さ
れる電子源の領域PQRSと、それに対応する対向基板
の領域P’Q’R’S’で構成される。
【0235】エミッタ電極44の下に形成される抵抗層
43と配線層42は、画素(4つのエミッタ電極)毎に
平坦化層(絶縁膜)55で仕切られる。図47は、フラ
ットパネルディスプレイの電気回路を示す等価回路であ
る。フラットパネルディスプレイは、多数の2極管また
は3極管を含む電界放射エミッタアレイ(FEA)で構
成される。
【0236】2次元に配線されるエミッタ配線とゲート
配線の交点には、多数の3極管が配置される。各3極管
のアノード電極(透明基板)47は、常に正電位に保持
されている。各3極管は、エミッタ配線とゲート配線と
により2次元的に選択される。つまり、電圧が印加され
たエミッタ配線とゲート配線の交点に配置される3極管
が選択される。
【0237】選択された3極管のエミッタ電極およびゲ
ート電極には、それぞれ負電位および正電位が与えら
れ、エミッタ電極からアノード電極に向けて電子が放出
される。
【0238】本実施例では、第1の犠牲膜により構成さ
れる2パートからなるオーバーハング部の上に、厚さ分
布を有する反応制御膜(第2の犠牲膜または反応阻止
膜)を堆積する。その後、化学反応により体積膨張させ
ると、オーバーハング部を局部的に体積膨張させること
ができるので、1段または多段(2段)タイプエミッタ
の任意の成形型を形成することができる。この成形型を
用いれば、先端の頂角および曲率半径が小さいエミッタ
を作ることができる。
【0239】また、第1の犠牲膜を化学反応により体積
膨張させることにより、エミッタ電極とゲート電極の相
対位置を精度よく決めることができる。さらに、積層膜
10cのオーバーハング部の上にゲート電極を成膜する
ことにより、2パートのゲート電極の間の間隔(ゲート
径)を狭くできるので、ゲート電極に印加する制御電圧
を低くすることができ、電界放射型素子としての性能が
向上する。
【0240】以上実施例に沿って本発明を説明したが、
本発明はこれらに制限されるものではない。例えば、種
々の変更、改良、組み合わせ等が可能なことは当業者に
自明であろう。
【0241】
【発明の効果】以上説明したように、断面形状が2パー
トからなるオーバーハング部の上に第1の犠牲膜と反応
制御膜を堆積した後化学反応させる。反応制御膜に厚さ
分布を持たせることにより、第1の犠牲膜を局部的に大
きく体積膨張させることができるので、2パートからな
るオーバーハング部の間には、2つの円ないし楕円が接
触したかのように鋭い谷ができる。その谷を成形型とし
て用いれば、先端の頂角および曲率半径が小さい電界放
出陰極を製造することができる。
【0242】また、2電極を形成する際には、2パート
からなるオーバーハング部の上に第1の犠牲膜を堆積す
る工程と、さらに反応制御膜を堆積する工程と、第1の
犠牲膜を化学反応させる工程の各プロセス条件を組み合
わせることにより、エミッタ電極とゲート電極の相対位
置を精度よく決めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1(A)〜(D)は、本発明の実施例によ
る電界放射型素子の製造工程を示す図である。
【図2】 図2(E)〜(G)は、図1(D)に続く電
界放射型素子の製造工程を示す図である。
【図3】 図3(H)は、図2(G)に続く電界放射型
素子の製造工程を示す図である。
【図4】 図4(A)〜(C)は、エミッタ電極を支持
基板で補強する方法を3種類示す図である。
【図5】 図5(A)、(B)は、第2の犠牲膜を形成
する他の方法を示す図である。
【図6】 本実施例による2極管構造の電界放射型素子
の製造工程を示す図である。
【図7】 図7(A)はエミッタ電極とゲート電極の相
対位置を表す概略図であり、図7(B)はエミッタ電極
とゲート電極との間の距離と、最大電界強度の関係を示
すグラフである。
【図8】 図8(A)〜(C)は、2極管を支持基板で
補強する方法を3種類示す図である。
【図9】 本発明の他の実施例による電界放射型素子を
示す図である。
【図10】 図10(A)〜(C)は、本実施例による
3極管構造の電界放射型素子の製造工程を示す図であ
る。
【図11】 本実施例による3極管の斜視図である。
【図12】 図11の3極管の上下方向を逆にした図で
ある。図12(A)は針状の先端をもつエミッタ電極を
示し、図12(B)はある1次元方向に長さをもつ頂の
山の形状をした先端をもつエミッタ電極を示す斜視図で
ある。
【図13】 図13(A)〜(C)は、本発明の他の実
施例による電界放射型素子の製造工程を示す図である。
【図14】 図14(D)、(E)は、図13(C)に
続く電界放射型素子の製造工程を示す図である。
【図15】 本実施例による他の2極管構造の電界放射
型素子を示す図である。
【図16】 図16(A)、(B)は、本実施例による
他の3極管構造の電界放射型素子の製造工程を示す図で
ある。
【図17】 本実施例による3極管の斜視図である。
【図18】 本実施例による他の3極管構造の電界放射
型素子を示す図である。
【図19】 図19(A)〜(C)は、本発明の他の実
施例による電界放射型素子の製造工程を示す図である。
【図20】 図20(D)〜(F)は、図19(C)に
続く電界放射型素子の製造工程を示す図である。
【図21】 本実施例による他の2極管構造の電界放射
型素子を示す図である。
【図22】 図22(A)、(B)は、本実施例による
他の3極管構造の電界放射型素子の製造工程を示す図で
ある。
【図23】 図23(A)〜(C)は、本発明の他の実
施例による電界放射型素子の製造工程を示す図である。
【図24】 図24(D)〜(F)は、図23(C)に
続く電界放射型素子の製造工程を示す図である。
【図25】 本実施例による他の2極管構造の電界放射
型素子を示す図である。
【図26】 図26(A)、(B)は、本実施例による
他の3極管構造の電界放射型素子の製造工程を示す図で
ある。
【図27】 図27(A)〜(C)は、本発明の他の実
施例による電界放射型素子の製造工程を示す図である。
【図28】 図28(D)〜(F)は、図27(C)に
続く電界放射型素子の製造工程を示す図である。
【図29】 本実施例による他の2極管構造の電界放射
型素子を示す図である。
【図30】 図30(A)、(B)は、本実施例による
他の3極管構造の電界放射型素子の製造工程を示す図で
ある。
【図31】 図31(A)〜(C)は、本発明の他の実
施例による電界放射型素子の製造工程を示す図である。
【図32】 図32(D)〜(F)は、図31(C)に
続く電界放射型素子の製造工程を示す図である。
【図33】 本実施例による他の2極管構造の電界放射
型素子を示す図である。
【図34】 本実施例による他の2極管構造の電界放射
型素子を示す図である。
【図35】 図35(A)、(B)は、本実施例による
他の3極管構造の電界放射型素子の製造工程を示す図で
ある。
【図36】 高さによるエミッタの第1の定義を示す。
図36(A)は1段タイプエミッタの形状を示す図であ
り、図36(B)は多段(2段)タイプエミッタの形状
を示す図である。
【図37】 高さによるエミッタの第2の定義を示す。
図37(A)は1段タイプエミッタの形状を示す図であ
り、図37(B)は多段(2段)タイプエミッタの形状
を示す図である。
【図38】 高さによるエミッタの第3の定義を示す。
図38(A)は1段タイプエミッタの形状を示す図であ
り、図38(B)は多段(2段)タイプエミッタの形状
を示す図である。
【図39】 頂角によるエミッタの第1の定義を示す。
図39(A)は1段タイプエミッタの形状を示す図であ
り、図39(B)は多段(2段)タイプエミッタの形状
を示す図である。
【図40】 頂角によるエミッタの第2の定義を示す。
図40(A)は1段タイプエミッタの形状を示す図であ
り、図40(B)は多段(2段)タイプエミッタの形状
を示す図である。
【図41】 頂角によるエミッタの第3の定義を示す。
図41(A)は1段タイプエミッタの形状を示す図であ
り、図41(B)は多段(2段)タイプエミッタの形状
を示す図である。
【図42】 断面積によるエミッタの第1の定義を示
す。図42(A)は1段タイプエミッタの形状を示す図
であり、図42(B)は多段(2段)タイプエミッタの
形状を示す図である。
【図43】 断面積によるエミッタの第2の定義を示
す。図43(A)は1段タイプエミッタの形状を示す図
であり、図43(B)は多段(2段)タイプエミッタの
形状を示す図である。
【図44】 断面積によるエミッタの第3の定義を示
す。図44(A)は1段タイプエミッタの形状を示す図
であり、図44(B)は多段(2段)タイプエミッタの
形状を示す図である。
【図45】 電界放射型素子を用いたフラットパネルデ
ィスプレイの断面図である。
【図46】 電界放射型素子を用いたフラットパネルデ
ィスプレイの斜視図である。
【図47】 フラットパネルディスプレイの電気回路図
である。
【図48】 図48(A)、(B)は、従来技術による
電界放射型素子の断面図である。
【符号の説明】
10 基板、 11 反応膜、 12 孔、 1
1 反応阻止膜、13 オーバーハング部、 15
第1の犠牲膜、 17 エミッタ電極、18 支持基
板、 19a 平坦化膜、 19b 接着剤、 2
0 スリット開口、 41 支持基板、 42 配線
層、 43 抵抗層、 44 エミッタ電極、
45 ゲート電極、 46 透明基板、 47 透
明電極、 48 蛍光材、 49 排気管、 5
1 ゲーター材、 52 中空部、 53 ゲート
ホール、 54 絶縁膜、 55 平坦化層、
101 基板、 103 犠牲膜、 105 エミ
ッタ電極

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外形が2段の曲線または直線で形成され
    る電界放射陰極を有する電界放射型素子。
  2. 【請求項2】 外形が2段の曲線または直線で形成され
    る電界放射陰極と、 前記電界放射陰極の先端を囲むように形成される制御電
    極とを有する2電極構造の電界放射型素子。
  3. 【請求項3】 外形が2段の曲線または直線で形成され
    る電界放射陰極と、 前記電界放射陰極の先端を囲むように形成される制御電
    極と、 前記電界放射陰極に対向して形成される陽極とを有する
    3電極構造の電界放射型素子。
  4. 【請求項4】 さらに、前記電界放射陰極を支持する支
    持基板を有する請求項1〜3のいずれかに記載の電界放
    射型素子。
  5. 【請求項5】 断面形状が互いに対向する2パートから
    なるオーバーハング部を基板に形成する工程と、 化学反応が可能な物質で、前記2パートのオーバーハン
    グ部の上に、断面形状が2パートからなり、オーバーハ
    ング部の上面上からオーバーハング部の下面上に連続し
    た曲面を形成する第1の犠牲膜を堆積する犠牲膜堆積工
    程と、 前記2パートからなる第1の犠牲膜の上に、該第1の犠
    牲膜の化学反応を減速制御するための断面形状が2パー
    トからなる反応制御膜を第1の犠牲膜の上面上で第1の
    犠牲膜の下面上より厚くなるように堆積する制御膜堆積
    工程と、 前記反応制御膜を介して前記第1の犠牲膜を化学反応さ
    せ、前記第1の犠牲膜の下部を上部よりも多く体積膨張
    させ、2パートからなるオーバーハング部を互いに接触
    させる反応工程と、 前記接触した領域の上に電界放射陰極膜を堆積する工程
    と、 前記電界放射陰極膜の先端を露出させる電極露出工程と
    を含む電界放射型素子の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記制御膜堆積工程は酸化膜からなる反
    応制御膜を堆積する工程であり、前記反応工程は酸化反
    応させる工程である請求項5記載の電界放射型素子の製
    造方法。
  7. 【請求項7】 前記制御膜堆積工程は窒化膜からなる反
    応制御膜を堆積する工程であり、前記反応工程は窒化反
    応させる工程である請求項5記載の電界放射型素子の製
    造方法。
  8. 【請求項8】 前記制御膜堆積工程は窒化膜からなる反
    応制御膜を堆積する工程であり、前記反応工程は酸化反
    応させる工程である請求項5記載の電界放射型素子の製
    造方法。
  9. 【請求項9】 前記制御膜堆積工程は酸化窒化膜からな
    る反応制御膜を堆積する工程であり、前記反応工程は酸
    化反応させる工程である請求項5記載の電界放射型素子
    の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記制御膜堆積工程の後、さらに、前
    記反応制御膜を覆うように第2の犠牲膜を堆積する工程
    を含む請求項5記載の電界放射型素子の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記犠牲膜堆積工程の後、さらに、前
    記第1の犠牲膜の表面に第2の犠牲膜を成膜する工程を
    含み、前記制御膜堆積工程は該第2の犠牲膜の上に反応
    制御膜を堆積する工程である請求項5記載の電界放射型
    素子の製造方法。
  12. 【請求項12】 断面形状が互いに対向する2パートか
    らなるオーバーハング部を基板に形成する工程と、 化学反応が可能な物質で、前記2パートのオーバーハン
    グ部の上に断面形状が2パートからなり、オーバーハン
    グ部の上面上からオーバーハング部の下面上に連続した
    曲面を形成する第1の犠牲膜を堆積する犠牲膜堆積工程
    と、 前記2パートからなる第1の犠牲膜の上に、該第1の犠
    牲膜の化学反応を減速制御するための断面形状が2パー
    トからなる反応制御膜を第1の犠牲膜の上面上で第1の
    犠牲膜の下面上より厚くなるように堆積する制御膜堆積
    工程と、 前記反応制御膜を介して前記第1の犠牲膜を化学反応さ
    せ、前記第1の犠牲膜の下部を上部よりも多く体積膨張
    させる反応工程と、 前記2パートからなるオーバーハング部上に絶縁膜を堆
    積し、2パートからなるオーバーハング部を互いに接触
    させる接触工程と、 前記接触した領域の上に電界放射陰極膜を堆積する工程
    と、 前記電界放射陰極膜の先端を露出させる電極露出工程と
    を含む電界放射型素子の製造方法。
  13. 【請求項13】 前記制御膜堆積工程は、第1の犠牲膜
    の上面上で第1の犠牲膜の下面上よりも厚くなるように
    反応制御膜を堆積した後該反応制御膜を等方エッチング
    する工程を含む請求項5〜12のいずれかに記載の電界
    放射型素子の製造方法。
  14. 【請求項14】 前記第1の犠牲膜が半導体または導電
    体であり、 前記反応工程は、第1の犠牲膜の一部のみを化学反応さ
    せる工程であり、 前記電界放射陰極膜は導電体からなる電界放射陰極であ
    り、 前記電極露出工程は、前記電界放射陰極の先端および前
    記第1の犠牲膜の未反応部の先端を露出させる工程であ
    り、前記電界放射型素子が2電極構造を有する請求項5
    〜13のいずれかに記載の電界放射型素子の製造方法。
  15. 【請求項15】 前記基板は半導体または導電体であ
    り、 前記第1の犠牲膜が半導体または導電体であり、 前記反応工程は、第1の犠牲膜の一部のみを化学反応さ
    せる工程であり、 前記電界放射陰極膜は導電体であり、 前記電極露出工程は、前記電界放射陰極膜の先端および
    前記第1の犠牲膜の未反応部の先端および前記基板の一
    部上面を露出させる工程であり、前記電界放射型素子が
    3電極構造を有する請求項5〜13のいずれかに記載の
    電界放射型素子の製造方法。
  16. 【請求項16】 さらに、前記電界放射陰極膜を支持基
    板で支持する工程を含む請求項5〜15のいずれかに記
    載の電界放射型素子の製造方法。
JP8180896A 1996-04-03 1996-04-03 電界放射型素子とその製造方法 Withdrawn JPH09274843A (ja)

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