JPH09279310A - 拡散接合性の優れたステンレス箔およびそれを用いたメタル担体 - Google Patents

拡散接合性の優れたステンレス箔およびそれを用いたメタル担体

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JPH09279310A
JPH09279310A JP8094548A JP9454896A JPH09279310A JP H09279310 A JPH09279310 A JP H09279310A JP 8094548 A JP8094548 A JP 8094548A JP 9454896 A JP9454896 A JP 9454896A JP H09279310 A JPH09279310 A JP H09279310A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、メタル担体の平箔と波箔の拡散接
合を安定に行うことを可能ならしめる耐熱ステンレス箔
および該ステンレス箔を用いて製造したメタル担体を提
供する。 【解決手段】 ステンレス箔を製造するとき、間に焼鈍
過程を含む数回の圧延で段階的に板厚を減じて行く。こ
のとき、圧延によって板は押しつぶされ、箔厚方向の平
均結晶粒サイズは小さくなる。結晶粒界は粒内に比べて
拡散係数が大きいため、結晶粒サイズが小さいほど粒界
が多数存在し、拡散現象が助長されることになる。とら
に、圧下率が大きいほど、結晶粒内に加工歪が蓄えられ
るため拡散現象が助長される。すなわち、加工を加える
ほど拡散接合性の優れた材料が得られることになる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、各種内燃機関の排ガス
浄化用触媒コンバータのメタルハニカム体を製造する上
で、拡散接合性が優れた耐熱ステンレス箔、および該ス
テンレス箔を用いて製造するメタル担体に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】自動車、ボイラー、発電用の内燃機関の
排ガス浄化用触媒コンバータの担体には、耐熱ステンレ
ス製の外筒に、耐熱ステンレス製のハニカム体をインサ
ートしたメタル担体、あるいはセラミック製のハニカム
体をインサートしたセラミック担体が使用されている。
メタル担体はセラミック担体と比較して、エンジン始動
時の初期消化能に優れ、更には圧力損失も小さいという
特徴を有している。
【0003】従来のメタル担体において、ハニカム体
は、平箔(箔厚50ミクロン程度のステンレス箔)と該
平箔をコルゲート加工した波箔とを重ね、渦巻状に巻き
とって製造されている。そして、該ハニカム体を該外筒
にインサートし、該平箔と該波箔を接合するとともに、
該ハニカム体と該外筒を接合してメタル担体とする。
【0004】ここで用いるステンレス箔とは、Alを
0.5%〜8%含み、高温酸化雰囲気でアルミナ皮膜が
生成されて生地を防御する耐熱ステンレス箔を指す。A
l添加量の下限を0.5%としたのは、これ以上少ない
Al添加量では必要な厚さのアルミナ皮膜が形成されな
いことに起因する。そしてAl添加量の上限を8%とし
たのは、これ以上多いAl添加量では箔圧延が困難とな
り、工業的に意味が無くなるからである。
【0005】ここでいう平箔と波箔の接合方法として、
ロウ付け、抵抗溶接、あるいは拡散接合等が用いられて
きている。なかでも拡散接合は、ロウ材等を用いること
なく、高温高真空下に保持することにより接合する方法
であり、生産性も高いため、メタル担体の製造コスト低
減に対し最適の方法と言える。この拡散接合によるメタ
ル担体の製造については、米国特許第4300956号
明細書で示されている。
【0006】拡散接合は本来、被接合部の接触部が接合
する方法のため、平箔と波箔の接触部を確保することが
重要である。従来の拡散接合において、平箔と波箔の接
触を確保する方法として平箔と波箔間の接触面圧を高め
ることが言及されてきた。すなわち、ハニカム体の巻き
取り時に、平箔にバックテンションをかけて波箔ととも
に巻き取り軸の周りに巻回して、ハニカム体を硬く巻き
上げてきた。更にそうしてできたハニカム体を外筒に挿
入後、高真空下あるいは非酸化性雰囲気下で高温熱処理
しメタル担体を製作しようとした。しかし、ハニカム体
の拡散接合組み立てに計算上必要な値のバックテンショ
ンを負荷すると、平箔と波箔を巻き取る際に波箔が座屈
する、巻き取り軸が変形する、あるいはそのバックテン
ションが偏重することにより平箔が破断し、巻き取り不
能になるという問題が起きた。
【0007】そこで本発明者等は、特開平8−3891
2号公報に示す方法を考案した。この方法はステンレス
箔の表面を平滑にすることで拡散接合性を高め、低いバ
ックテンションで巻き取っても、ハニカム体が拡散接合
で組み立てることを可能ならしめるものである。ただ
し、ステンレス箔の表面を平滑に仕上げるために、箔圧
延の仕上げロールとしてブライト仕上げロールを用いる
等の特別な配慮が必要となり、これが箔圧延コストを引
き上げる要因になる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、自動車、ボ
イラー、発電用等の各種内燃機関の排ガス浄化用触媒コ
ンバータのステンレス製メタルハニカム体を製造する上
で、ステンレス箔の平箔と該平箔をコルゲート加工して
得られた波箔の拡散接合が不安定になる問題を解決する
ものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明の要旨と
するところは、ハニカム体を構成するAlを0.5%〜
8%含む耐熱ステンレス箔において、最終焼鈍工程以後
の圧延による圧下率が85%〜99%の範囲内にあり、
箔厚方向の平均結晶粒サイズが0.001ミクロン〜5
ミクロンの範囲にあることを特徴とする拡散接合性の優
れたステンレス箔であり、該ステンレス箔を用いて製造
することを特徴とするメタル担体である。
【0010】
【発明の実施の形態】触媒コンバータ用メタル担体で使
用されるメタルハニカム体を構成する厚さ数十ミクロン
のステンレス箔同士を拡散接合するとき、その拡散過程
において接合すべき素材の表面特性が大きく影響を与え
る。表面特性のうち、ミクロな接触状態を支配する表面
粗さに着目し、これを平滑化することで拡散接合性を向
上させたのが先述の本発明者らによる特開平8−889
12号公報に開示している。引き続き詳細に探索した結
果、同じ表面粗さのステンレス箔でも拡散接合性の異な
るものが存在し、これがステンレス箔の最終焼鈍後の圧
延における圧下率と箔厚方向の平均結晶粒サイズによる
ものであることを見出した。
【0011】このことについて以下詳細に述べる。ステ
ンレス箔を製造するとき、焼鈍過程を含む数回の圧延で
段階的に板厚を減じて行く。たとえば、板厚1mmの焼鈍
材が与えられて箔圧50ミクロンまで仕上げるとき、粗
圧延で250ミクロンまで板厚を減じて、再焼鈍し、仕
上げ圧延で50ミクロンまで板厚を減ずる。
【0012】このとき、圧延によって板は押しつぶさ
れ、箔厚方向の平均結晶粒サイズは小さくなり、結晶粒
内にも加工歪が蓄積される。ここでいう箔厚方向の平均
結晶粒サイズとは、箔長手方向に圧延された結晶が箔厚
方向に存在する個数(n)を測定し、箔厚(t)をnで
除することで算出した。結晶粒界は粒内に比べて拡散係
数が大きいため、細粒ほど粒界が多数存在し、拡散現象
が速やかに進行する。更に、結晶粒内も加工歪が蓄積さ
れ内部欠陥が多いほど拡散現象が速やかに進行する。す
なわち、加工を加えるほど拡散接合性の優れた材料が得
られることになる。
【0013】ただしこの効果が、圧延後焼鈍工程を加え
て再結晶させると失われてしまう。すなわち、触媒コン
バータ用ステンレス箔用素材として供される最終圧延に
おいて、如何に加工を加え箔厚方向に細粒化したか、そ
して加工歪を蓄積させ内部欠陥を多くしたかがポイント
となる。
【0014】表1は、最終焼鈍工程後の圧下率と箔厚方
向の結晶粒サイズがステンレス箔の拡散接合性に与える
影響を示す。ここでは、Alを5%含有したフェライト
系ステンレス箔を供試材料として用いた。拡散接合性
は、圧下率と平均結晶粒サイズをそれぞれ設定したステ
ンレス箔でハニカム体を作製し、これを破壊試験した結
果で判定した。良好な接合部が形成されたものを○、口
開きが発生したもの、およびテレスコープ状に破損した
ものを●で表記した。
【0015】
【表1】
【0016】図1は、破壊試験の方法を示す。本方法
は、ハニカム体の周囲をダイスで支え、中央をポンチ3
で加圧したときの破壊形態で判定するものである。尚、
ハニカム体の作製条件は以下の通りである。 平箔に8kgf のバックテンションをかけながら、波箔と
一緒に平箔を巻回し、外径98.5mmのハニカム体を作
製した。そのハニカム体を外径102mmの外筒に挿入
し、縮径機にて外径100mmに縮径した。その後、10
-4torrの真空下で1250℃、90min の真空熱処理を
実施することで拡散接合を遂行し、ハニカム体を作製し
た。表に見るように、最終焼鈍工程以後の圧延による圧
下率が85%〜99%の範囲内にあり、箔厚方向の平均
結晶粒サイズが0.001ミクロン〜5ミクロンの範囲
にあるとき、良好な拡散接合メタル担体が得られた。
【0017】表2も、最終焼鈍工程後の圧下率と箔厚方
向の結晶粒サイズがステンレス箔の拡散接合性に与える
影響を示す。ただし表1の場合、ハニカム体作製の熱処
理条件が1250℃、90min であったが、表2の場合
は、1200℃、60min であり、拡散接合条件として
は厳しいものであるが、工業的には生産性もよく、コス
トダウンが可能な熱処理となる。
【0018】
【表2】
【0019】表に見るように、最終焼鈍工程以後の圧延
による圧下率が90%〜99%の範囲内にあるか、もし
くは箔厚方向の平均結晶粒サイズが0.001ミクロン
〜2ミクロンの範囲にあるとき、拡散接合条件が厳しい
にも拘らず極めて良好な拡散接合メタル担体が得られ
た。ここで最終焼鈍過程後の圧下率を99%以下とした
のは、そして箔厚方向の平均結晶粒サイズを0.001
%以上としたのは、これらの要因が拡散接合性に与える
影響がそこで工業的に飽和するからである。尚、それぞ
れのステンレス箔表面粗さを測定したところ、平均粗さ
で概ね0.30〜0.35ミクロンであったため、表面
粗さによる拡散接合性への影響は同等と評価した。
【0020】
【実施例】既存のステンレス箔を3種用意した。いずれ
もCr添加量20%である。 A:圧下率75%、平均結晶粒サイズ5ミクロン、Al
添加量7% B:圧下率80%、平均結晶粒サイズ5ミクロン、Al
添加量5% C:圧下率80%、平均結晶粒サイズ3ミクロン、Al
添加量3% 更に、本発明によるステンレス箔を4種用意した。いず
れもCr添加量20%である。 D:圧下率85%、平均結晶粒サイズ3ミクロン、Al
添加量7% E:圧下率95%、平均結晶粒サイズ3ミクロン、Al
添加量5% F:圧下率85%、平均結晶粒サイズ0.1ミクロン、
Al添加量3% G:圧下率95%、平均結晶粒サイズ0.1ミクロン、
Al添加量3% 既存のフェライト系ステンレス箔A,B,Cを用いて作
製したハニカム体は1250℃、90min の拡散熱処理
条件でも破壊試験でテレスコープ状に破壊した。
【0021】本発明によるフェライト系ステンレス箔
D,E,F,Gを用いて作製したハニカム体は1250
℃、90min の拡散熱処理条件で破壊試験に合格した。
特に、E,F,Gを用いて作製したハニカム体において
は、1200℃、60min の拡散熱処理条件でも破壊試
験に合格するという極めて良好な特性を示した。このよ
うに、既存のステンレス箔と本発明によるステンレス箔
の拡散接合性との差異は明確である。
【0022】既存のステンレス箔A,B,Cと本発明に
よるステンレス箔D,E,F,Gを用いて、1250
℃、90min の熱処理条件でメタル担体A,B,C,
D,E,F,Gを作製して、ガソリンエンジンの排気系
に搭載し、1サイクル:過熱950℃×8分+冷却室温
×10分の耐久試験を900サイクル実施したところ、
A,B,Cは100サイクルでハニカム体が大きく破損
したが、D,E,F,Gは900サイクル実施してもす
べて合格した。
【0023】
【発明の効果】以上のように本発明によると、各種内燃
機関の排ガス浄化用触媒コンバータの担体に使用され
る、ハニカム体の平箔と波箔の拡散接合を良好に行うこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ハニカム体の破壊試験方法を示す図。
【符号の説明】
1 ハニカム体 2 ダイス 3 ポンチ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F01N 3/28 301 B23K 20/00 310G // B23K 20/00 310 310L B01D 53/36 ZABC (72)発明者 内海 徹 愛知県東海市東海町5−3 新日本製鐵株 式会社名古屋製鐵所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Alを0.5%〜8%含む耐熱ステンレ
    ス箔において、箔を製造する最終焼鈍工程以後で圧下率
    85%〜99%の圧延がされ、箔厚方向の平均結晶粒サ
    イズが0.001ミクロン〜5ミクロンの範囲にあるこ
    とを特徴とする拡散接合性の優れたステンレス箔。
  2. 【請求項2】 箔を製造する最終焼鈍工程以後の圧延に
    よる圧下率が90%〜99%の範囲内にあることを特徴
    とする請求項1記載の拡散接合性の優れたステンレス
    箔。
  3. 【請求項3】 箔の箔厚方向の平均結晶粒サイズが0.
    001ミクロン〜2ミクロンの範囲にあることを特徴と
    する請求項1記載の拡散接合性の優れたステンレス箔。
  4. 【請求項4】 請求項1,2あるいは3の何れかに示す
    拡散接合性の優れたステンレス箔を用いて製造すること
    を特徴とするメタル担体。
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