JPH09286627A - 光学素子成形型及び光学素子成形型の製造方法 - Google Patents

光学素子成形型及び光学素子成形型の製造方法

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JPH09286627A
JPH09286627A JP10575296A JP10575296A JPH09286627A JP H09286627 A JPH09286627 A JP H09286627A JP 10575296 A JP10575296 A JP 10575296A JP 10575296 A JP10575296 A JP 10575296A JP H09286627 A JPH09286627 A JP H09286627A
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glass
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 稜線部または稜線部近傍まで光学機能面とし
て使用できる光学素子を成形できる光学素子成形型を得
る。 【解決手段】 スリーブ2の直方体穴2aに、所望の光
学素子と同形状のブランク4を成形型素材3a、3bで
挟むようにして配置する。成形型素材3a、3bをヒー
ター7で加熱軟化した後、加圧棒6で押圧成形してブラ
ンク4の形状をそれぞれ転写した成形型を成形型素材3
a、3bにより製造する。そして、成形型を用いて加熱
軟化したガラス光学素子素材を成形して得られたガラス
中間体の形状よりガラスの収縮率を算出し、算出された
結果からガラスの収縮率分だけブランク4の形状を補正
して、補正後のブランク4により成形型素材3a、3b
を押圧成形して成形型を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、稜線部を有する光
学素子で特に稜線部近傍まで光学機能面として使用する
光学素子を押圧成形により製造する光学素子成形型及び
光学素子成形型の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、複数個の光学機能面を有する光学
素子をガラスの加熱軟化プレス成形法によって製造する
方法が、例えば特公平1−42901号公報に示されて
いる。特公平1−42901号公報に記載されている方
法は、複数個の光学機能面に対応する成形面をそれぞれ
有する複数の成形型部分の間にそれぞれ複数のプリフォ
ームされた素材を設置し、上記成形型部分を相互に押し
つけて個別に光学素子としての機能を有する複数の光学
機能面を加圧成形すると同時にそれらを互いに融点接合
させることにより複雑な形状を有する光学素子を一度に
製造する方法である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特公平
1−42901号公報に記載された方法により成形を行
う際に用いる成形型を加工する際、図10(a)に示す
ように、成形型61の稜線部62に、図10(a)のA
部拡大図である図10(b)に示すような逃げ溝63を
形成するか、図11に示すように、成形型65を稜線部
66で分割する少なくとも二体の成形型部材65a、6
5bにより構成しなければ、稜線部62、66を挟む成
形機能面64、67を鏡面に加工することはできなかっ
た。
【0004】上記従来の成形型61、65により光学素
子の成形を行った場合、逃げ溝63部分や二体の成形型
部材65a、65bを組み合わせた時にできる段差68
aや隙間68b(図11(b)のB部拡大断面図参照)
にガラス光学素子素材が入り込むために、成形した光学
素子の稜線部先端に余分なガラス光学素子素材がはみ出
し、稜線部付近まで光学機能面として使用することがで
きなかった。
【0005】本発明は、上記従来技術の問題点に鑑みて
なされたもので、請求項1の発明は、稜線部または稜線
部近傍まで光学機能面として使用できる光学素子を成形
できる光学素子成形型を提供することを目的とし、請求
項2の発明は、成形型を分割することなく稜線部まで成
形機能面として使用できる光学素子成形型を得ることが
できる光学素子成形型の製造方法を提供することを目的
とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は以下のように構成した。請求項1の発明
は、少なくとも一つ以上の稜線を有し、且つ稜線部また
は稜線部近傍まで光学機能面を有する光学素子を押圧成
形する光学素子成形型において、金属ガラスを素材と
し、少なくとも2面以上の成形機能面を一体に形成する
こととした。
【0007】請求項2の発明は、加熱されたガラス光学
素子素材を押圧成形することにより所望の光学素子を成
形する光学素子成形型の製造方法において、金属ガラス
素材を加熱軟化した後、所望の光学素子と同形状のブラ
ンクにて押圧成形して成形型を製造し、上記成形型を用
いて加熱軟化したガラス光学素子素材を成形して得られ
たガラス中間体の形状よりガラスの収縮率を算出し、算
出された結果からガラスの収縮率分だけ上記ブランクの
形状を補正して、補正後のブランクにより加熱軟化した
金属ガラス素材を押圧成形して請求項1記載の光学素子
成形型を製造することとした。
【0008】次に、本発明の請求項1、2の作用の作用
を説明する。ガラス遷移点温度以上結晶化開始温度以下
の温度範囲で押圧変形可能な特性を持つ金属ガラスを素
材とする、少なくとも一つ以上の稜線を有し、稜線部ま
たは稜線部近傍まで光学機能面として使用される光学素
子を成形する少なくとも2面以上の鏡面である成形機能
面を有する一体の光学素子成形型を成形により製造する
際に、金属ガラス素材を変形可能な温度に加熱軟化した
後、所望の光学素子と同形状のブランクにて押圧成形
し、金属ガラス素材の成形型を得、上記成形型を用いて
上記成形型が変形しない温度範囲(金属ガラスのガラス
遷移点温度以下)に加熱軟化したガラス光学素子素材を
成形し、得られたガラス中間体の形状よりガラス光学素
子素材の収縮率を算出し、算出された結果から所望の光
学素子の形状になるようにガラス光学素子素材の収縮率
分だけ上記ブランクの形状を補正して、補正後のブラン
クにより金属ガラス素材のガラス遷移点温度以上結晶化
開始温度以下の温度範囲に加熱軟化した金属ガラス素材
を押圧成形することにより、隙間や段差のない稜線部を
有する予めガラス光学素子素材の収縮率を見越した一体
の金属ガラス製の成形型が得られることである。
【0009】
【発明の実施の形態】
[発明の実施の形態1]本発明の実施の形態1を図1及
び図2に基づいて説明する。図1は本実施の形態1の光
学素子成形型を製造する装置の成形部近辺を示す断面図
である。図2は本実施の形態で製造した光学素子成形型
を用いて図1に示す製造装置により光学素子を成形する
際に用いるガラス光学素子素材を示す斜視図である。本
実施の形態では、光学素子としてペンタプリズムを成形
する光学素子成形型を製造する場合を例示している。
【0010】上記製造装置はスリーブ2、加圧棒6、ヒ
ーター7、反射板7及び外壁10等からなっており、そ
の全体が台座1上に配置されている。
【0011】スリーブ2は、線膨張率が4.2(×10
-6/k)である窒化珪素を素材とし、上記台座1上のほ
ぼ中央部に配置されている。スリーブ2の内部には上方
から直方体形状にくり抜いた穴(以下直方体穴という)
2aが設けられている。直方体穴2aの内部には上部か
ら成形型素材3a、ブランク4及び成形型3bが配置さ
れ、スリーブ2の直方体穴2aと成形型素材3a、3b
によりキャビティが形成されるようになっている。ま
た、スリーブ2には熱電対5を挿入するための穴が底面
部に穿設されており、この熱電対5を台座1に穿設した
貫通孔を挿通してスリーブ2内に配置し、スリーブ2の
温度を測定し得るようになっている。
【0012】成形型素材3a、3bは直方体形状の金属
ガラス材料からなり、本実施の形態においては、Co
68.8Fe4.2 Si1512(数値は原子%)を組成とする
金属ガラスを使用した。本実施の形態に用いた金属ガラ
スの線膨張率はガラス遷移点温度以下の領域において1
2.5(×10-6/k)である。なお、金属ガラスの材
料としては、この他にCo75Si1015(数値は原子
%)やCo70.8Fe4.2 Si1510(数値は原子%)や
Co75Fe5 Si4 16(数値は原子%)等を用いても
よい。
【0013】ブランク4は、その外形形状を上記成形型
素材3a、3bに転写して本実施の形態の光学素子成形
型を成形するもので、ステンレス鋼材を素材とし、その
外形形状は所望の光学素子であるペンタプリズムと同寸
法に加工されている。ブランク4の転写面である成形面
(上成形面4a、下成形面4b)は最大粗さ0.05
(μm)以下に鏡面加工されており、この上下成形面4
a、4bによりブランク4の上下に配置した成形型素材
3a、3bを所望形状の成形機能面を有する光学素子成
形型に成形し得るようになっている。
【0014】スリーブ2の直方体穴2aの上方には、直
方体穴2a内に配置した成形型素材3aを押圧するため
の加圧棒6が直方体穴2aと同軸上に配置されている。
この加圧棒6は、棒状の直方体形状で直方体穴2a内に
挿入可能となっており、その基端側に接続したシリンダ
ー(図示省略)により上下動自在となっている。また、
成形型素材3aと接触する加圧棒6の先端側は平面に形
成されている。
【0015】上記スリーブ2の周りには、ヒーター7が
反射板8に固定されて配置されている。このヒーター7
は、スリーブ2と成形型素材3a、3bとブランク4と
を加熱するための加熱手段であり、本実施の形態におい
ては、ヒーター7にランプヒーターを使用した。ヒータ
ー7は上記台座1に設けた貫通穴を挿通した導電線9
a、9bとつながれており、図示を省略した電源供給器
より電源を供給されるようになっている。
【0016】反射板8は、ヒーター7より発せられる赤
外線を反射するためのもので、ヒーター7を取り付けた
内面側は、鏡面に加工された後、TiN等により被覆さ
れている。この反射板8は、上記スリーブ2を囲むよう
にして上記台座1上に配置され、その上面には上記加圧
棒6が挿通し得る長方形の穴が設けられている。
【0017】反射板8の外側には、反射板8を取り囲む
ように外壁10が設けられている。この外壁10は成形
室11を外部より遮断するための壁で、台座1上に配置
されており、台座1と外壁10の間にはシール材12
a、12bが挟まれている。また、外壁10の上面に
は、加圧棒6を挿入するための長方形の穴が開けられて
おり、長方形の穴と加圧棒6の間の隙間にはシール材1
3が挿入されている。この外壁10の側面には、成形室
11内部の気圧を調整するためのパイプ14が取り付け
られており、このパイプ14は図示を省略した真空ポン
プに接続されている。パイプ14の途中には弁15が配
置されており、この弁15を開閉することにより成形室
11内部の気圧が調整可能となっている。
【0018】次に、上記構成からなる製造装置を用いた
本発明の実施の形態1の光学素子成形型の製造方法を説
明する。まず、外壁10を取り外した状態で、成形型素
材3aとブランク4と成形型素材3bとをヒーター7が
取り付けられた反射板8内に設置したスリーブ2の長方
形穴2a中に挿入し、ブランク4を成形型素材3aと成
形型素材3bにより上下から挟むように配置する。な
お、この時、加圧棒6は図示を省略したシリンダーによ
り上方に移動しておく。
【0019】スリーブ2への成形型素材3a、3b及び
ブランク4の配置が完了した後、外壁10を台座1上に
固定する。次に、図示を省略したシリンダーを作動させ
て加圧棒6を下降させ、加圧棒6の先端を成形型素材3
aに接触させる。加圧棒6が成形型素材3aに接触した
時に、図示を省略したシリンダーの作動を停止し、加圧
棒6の下降を停止する。
【0020】次に、図示を省略した真空ポンプを作動さ
せパイプ14を介して成形室11の減圧を開始する。こ
の時、弁15は開けておく。成形室11内の真空度が
1.333(Pa)以下になった後、弁15を閉じる。
その後、ヒーター7により、成形型素材3a、3bとブ
ランク4とスリーブ5の加熱を開始する。
【0021】そして、成形型素材3a、3bがガラス遷
移点温度以上(Co68.8Fe4.2 Si1512のガラス遷
移点温度450℃)で結晶化開始温度(Co68.8Fe
4.2 Si1512の結晶化温度)以下の温度(本実施の形
態では490℃)になった後、図示を省略したシリンダ
ーを作動させて加圧棒6を下降し、圧力100(MP
a)で成形型素材3aと成形型素材3bの押圧成形を行
う。これにより、成形型素材3a、成形型素材3bにブ
ランク4の成形面4a、4b形状が転写されて、成形機
能面(光学素子に光学機能面を押圧成形する面)を有す
る所望の光学素子成形型の形状に変形した後、冷却を開
始する。
【0022】得られた光学素子成形型の温度がガラス遷
移点温度(本実施の形態では450℃)以下になった
後、弁15を開き、成形室11内の真空度を弱める。そ
して、成形室11内が100(KPa)になった後、加
圧棒6を上昇させ、外壁10を取り除く。次に、ブラン
ク4により成形された成形型素材3aと成形型素材3b
及びブランク4をスリーブ2内から取り除き、ブランク
4の上下成形面4a、4bの形状をそれぞれ反転した形
状からなる稜線まで成形機能面を有する光学素子成形型
を得る。
【0023】以後、成形型素材3aにより得られた光学
素子成形型を成形型3a、成形型素材3bにより得られ
た光学素子成形型を成形型3bとし、成形型3a、3b
を用いて光学素子を成形する方法を説明する。本実施の
形態では、成形型3a、3bを製造する装置を用いて光
学素子(ペンタプリズム)を押圧成形するもので、以
下、図1及び図2を用いて説明する。なお、図1におい
て、成形型3a及び成形型3bには、上記ブランク4の
上下成形面4a、4bにより成形された成形機能面の図
示は省略してある。
【0024】図2は本発明の実施の形態1の光学素子成
形型(成形型3a、3b)により成形する光学素子の素
材を示す斜視図で、図2(a)は直方体形状、図2
(b)は円柱形状のものを示している。上記光学素子の
素材(以下、ガラス光学素子素材という)16には、本
実施の形態においてはガラス遷移点温度393℃、ガラ
ス軟化点温度449℃の重フリント系ガラスを使用し、
図2(a)に示す直方体形状のものを用いた。なお、ガ
ラス光学素子素材16の形状は、図2(b)のように円
柱形状等加工しやすい形状を選択可能である。
【0025】まず、外壁10を取り外した状態で、成形
型3aとガラス光学素子素材16と成形型3bとをスリ
ーブ2の長方形穴2a中に挿入し、上記ブランク4によ
り成形された成形機能面(図示省略)を下に向けた成形
型3aと上記成形機能面を上に向けた成形型3bとによ
りガラス光学素子素材16を上下から挟むように配置す
る。なお、この時、加圧棒6は図示を省略したシリンダ
ーにより上方に移動しておく。
【0026】スリーブ2への成形型3a、3b及びガラ
ス光学素子素材16の配置が完了した後、外壁10を台
座1上に固定する。次に、図示を省略したシリンダーを
作動させて加圧棒6を下降させ、加圧棒6の先端を成形
型3aに接触させる。加圧棒6が成形型3aに接触した
時に、図示を省略したシリンダーの作動を停止し、加圧
棒6の下降を停止する。
【0027】次に、図示を省略した真空ポンプを作動さ
せ、パイプ14を通じて成形室11内の減圧を開始す
る。この時、弁15は開けておく。成形室11の真空度
が1.333(Pa)以下になった後、弁15を閉じ
る。その後、ヒーター7により、成形型3aと成形型3
bとガラス光学素子素材16とスリーブ2の加熱を開始
する。
【0028】そして、ガラス光学素子素材16の温度が
ガラス遷移点温度である393℃以上(本実施の形態で
は420℃)になった時に図示を省略したシリンダーを
作動させて加圧棒2を下降し、成形型3aの成形機能面
と成形型3bの成形機能面とでガラス光学素子素材16
を加圧成形する。これにより、成形型3a、成形型3b
の成形機能面形状がガラス光学素子素材16に転写され
て、光学機能面を有する所望のガラス光学素子の形状に
変形した後、冷却を開始する。
【0029】得られたガラス光学素子素材16の温度が
ガラス遷移点温度である393℃以下に下がるまで成形
型3aと成形型3bとでガラス光学素子素材16を加圧
保持した後、加圧棒6を上昇させる。加圧棒6の上昇を
停止した後、弁15を開き成形室11内の真空度を弱め
る。そして、成形室15内が100(KPa)になった
後、さらに加圧棒6を上昇させ、外壁10を取り除く。
次に、成形型3aと製造された光学素子であるペンタプ
リズムとをスリーブ2内から取り出す。
【0030】次に、本発明の実施の形態1の成形型3
a、3bにより製造したペンタプリズムの光学機能面の
評価を行う。評価を行った後、成形したペンタプリズム
の要求される精度が満たされている場合は、成形型3
a、3b及び所望の光学素子の製造工程が終了する。要
求される精度が満たされていない場合、評価後の光学素
子設計値からの誤差量からガラス光学素子素材を成形す
る際のガラスの収縮率を算出し、その算出値に基づいて
ブランク4に形状の補正を行う。
【0031】次に、形状の補正を行ったブランク4を用
い、上述した工程を再び繰り返して成形型3a、3bを
製造し、同様の工程により得られる光学素子の光学機能
面が要求精度に達した後は、ガラス光学素子素材を入れ
換えるだけで、ガラス光学素子を大量に製造することが
できる。
【0032】なお、本発明の実施の形態1では、成形型
3a、3bの製造が終了した後に成形型3a、3bの表
面を被覆しなかったが、成形型の酸化防止や、ガラスの
成形型への焼き付き防止のために、白金や窒化クロム等
の被覆材で成形型の表面を被覆する方が望ましい。
【0033】本発明の実施の形態1によると、スリーブ
2内にて所望する光学素子と同一形状のブランク4によ
り成形型3a、3bを製造した後に、成形型3a、3b
を用いて同じスリーブ2内で光学素子を成形するので、
ペンタプリズムの各面の角度のズレが非常に少ない高精
度な光学素子を製造することができる。
【0034】また、プリズムに限らずフレネルレンズや
球欠レンズ等の光学素子を製造する場合も、研削研磨加
工により製造された成形型に発生する加工時の偏心のズ
レとスリーブ内に成形型を挿入する際に生じる偏心のズ
レが無くせるので偏心精度の優れた光学素子を製造する
ことができる。さらに、成形型の製造装置と光学素子の
製造装置を共通にできるので、設備が簡略化でき製造コ
ストを下げることができる。
【0035】[発明の実施の形態2]本発明の実施の形
態2を図3〜図9に基づいて説明する。図3は本発明の
実施の形態2の光学素子成形型を製造する装置の成形部
近辺を示す断面図、図4は成形開始直前時に成形部を真
上から見た図、図5は中子を示す斜視図、図6は本実施
の形態2に用いる成形型素材を示す斜視図、図7は光学
素子成形型(鋳型)を示す図で、図7(a)は平面図、
図7(b)は図7(a)のA−A線断面図である。図8
は本実施の形態2で製造した光学素子成形型を用いた光
学素子成形装置を示す断面図、図9は光学成形装置によ
り成形された光学素子のガラス中間体を示す斜視図であ
る。本発明の実施の形態2では、光学素子として三角の
プリズムを成形する光学素子成形型を製造する場合を例
示している。
【0036】上記成形型製造装置は中子21、22、外
型26a、26b、26c、ヒーター23、24、28
a、28b、28c及び外型を駆動するシリンダー1
7、31、32等により構成され、装置全体は台20上
に配置されている。
【0037】上記成形型製造装置には、図5(a)、
(b)に示す中子21、22が組み合わされて台20上
に設置されている。中子21は、本実施の形態の光学素
子成形型で成形する所望の三角プリズムの各光学機能面
とのなす角度と同角度の成形機能面21aを有し、所望
の三角プリズムの高さより中子21の高さが高い三角柱
形状に形成されている。中子21内には有底状の穴21
bが形成されており、この穴21b内に中子21を加熱
するためのヒーター23が挿入されるようになってい
る。この中子21は、穴21bの開口部のある面を除く
各成形機能面21aは最大粗さ0.05(μm)以下に
鏡面加工されており、本実施の形態においては、中子2
1の素材として炭化珪素を用いた。
【0038】中子22は、中子21と組み合わせて使用
するもので、円柱(上段部円柱22a、下段部円柱22
b)を二段に重ね合わせた形状に形成されている。中子
22には中子21を差し込むための三角形状の貫通孔2
2cが開けられており、この貫通孔22c内に中子21
が穴21cの開口部を下に向けて組み合わされるように
なっている。本実施の形態においては、中子22の素材
には炭化珪素を用いた。この中子22の下段部円柱22
bの外周には、中子22を加熱するためのヒーター24
が巻き付けられており、このヒーター24の外周は断熱
材26で覆われている。
【0039】中子21の上方には外型26aが配置され
るとともに、中子21及び中子22の上段部円柱22a
の外周には外型26b、26cが配置されており、中子
21、22と外型26a、26b、26cで形成される
空間に、図6に示す成形型素材30が配置されるように
なっている。
【0040】上記成形型素材30は金属ガラス材料から
なり、本実施の形態においてはCo 68.8Fe4.2 Si15
12(数値は原子%)を組成とする金属ガラスを使用し
た。また、成形型素材30は、本実施の形態においては
直方体に形成するとともに、有底状の円柱形状穴をくり
抜いた形状に形成されており、上記空間に配置する際
に、上記円柱形状穴に中子21及び中子22の上段部円
柱22aが挿入されるようになっている。
【0041】外型26aは、成形型素材30を鉛直上方
より加圧成形するための部材で直方体形状をなし、シリ
ンダー27にネジ止め等の手段により固定されており、
シリンダー27を駆動させることにより上下動可能とな
っている。本実施の形態においては、外型26aの素材
として炭化珪素を用いた。この外型26aの外周には、
外型26aを加熱するためのヒーター28aが巻き付け
られている。さらに、ヒーター28aはその外周が断熱
材29aで覆われており、ヒーター28aと断熱材29
aは、外型26aと同期して鉛直方向に移動可能となっ
ている。
【0042】外型26bは、成形型素材30を側面より
加圧成形するための部材で、窒化珪素を素材とし、図4
に示すようにコの字型に作成されている。外型26bの
外周には、外型26bを加熱するためのヒーター28b
が取り付けられており、さらにヒーター28bの外側に
は断熱材29bが配設されている。この外型26bは、
シリンダー31に取り付けられた断熱材29bに固定さ
れており、シリンダー31を駆動することにより水平方
向に移動可能となっている。
【0043】外型26cは成形型素材30を側面より加
圧成形するための部材で、窒化珪素を素材とし、図4に
示すように、直方体形状に作成されている。外型26c
の外側には、外型26cを加熱するためのヒーター28
cが取り付けられている。さらに、ヒーター28cの外
側には、シリンダー32に固定された断熱材29cが配
設されており、外型26cは断熱材29cに取り付けら
れている。この外型26cはシリンダー32が駆動する
ことにより、外型26bのコの字型形状の内側を摺動可
能となっている。
【0044】上記中子21、22及び外型26a、26
b、26cを囲むように外壁33が上記台20上に設け
られ、外壁33の内部に成形室11を形成している。外
壁33の側壁面には、成形室11内に図示されていない
ガス発生装置から窒素やアルゴン等の非酸化性ガスを送
り込むためのパイプ34が取り付けられている。さら
に、外壁33の壁面には、外型26a、26b、26c
と対応する位置に、断熱材29aと外型26bと外型2
6cとが移動する際に外壁33に接触しないように、穴
が開口されている。
【0045】次に、本発明の実施の形態2の光学素子成
形型の製造方法を説明する前に、本実施の形態2の光学
素子成形型を用いる光学素子の製造装置を図7及び図8
に基づいて説明する。
【0046】光学素子の製造装置は図8に示すように構
成され、図7に示す本実施の形態2の光学素子成形型
(以下、鋳型という)30aを固定するための成形型台
40が配設されている。この成形型台40には鋳型30
aを挿入するための穴が上方から形成されており、この
成形型台40の穴は鋳型30aと熱嵌合する大きさに設
けられている。本実施の形態の鋳型30aを形成する成
形型素材30である金属ガラスの線膨張率はガラス遷移
点温度以下の領域において12.5(×10-6/k)で
あるので、鋳型30aと熱嵌合するように、成形型台4
0の素材を線膨張率が3.3(×10-6/k)のサイア
ロンとした。成形型台40の外周には、成形型台40と
鋳型30aを加熱するためのヒーター41が巻き付けら
れており、成形型台40とヒーター41とは一緒に搬送
台42に挿入されている。
【0047】搬送台42は、成形型台40を保持して搬
送するための部材で、成形型台40を挿入できるように
内部に穴が設けられている。この搬送台42は、レール
支え43に取り付けられたレール44上を摺動する図示
されていないガイドに取り付けられており、上記ガイド
を駆動することにより、レール45上を摺動するように
なっている。
【0048】搬送台42が摺動する所定範囲で、搬送台
42を囲むように壁45が設けられ、光学素子の成形室
46が形成されている。壁45の上壁にはルツボ47と
シリンダー48が搬送台42の移動方向に沿って取り付
けられているとともに、壁45の側壁にはパイプ49が
取り付けられている。
【0049】ルツボ47は、ガラス光学素子素材50を
溶融するための白金製のルツボで、図示されていない加
熱装置により加熱可能となっている。ガラス光学素子素
材50は、ガラス遷移点温度393℃、軟化点温度44
9℃の重フリント系ガラスである。ルツボ47のノズル
は下方に向かって、成形型台40に固定された鋳型30
aの穴の真上に位置するように配設されており、ルツボ
47内の溶融したガラス光学素子素材50を成形型台4
0に固定された鋳型30aの穴内に供給し得るようにな
っている。
【0050】シリンダー48は、その先端に取り付けた
成形型51を上下動させるもので、成形型51が成形型
台40に固定された鋳型30aの穴の真上に位置するよ
うに配置されている。成形型51は、鋳型30a内に入
れられたガラス光学素子素材50を加圧成形するための
型で、円柱形状をしており、鋳型30の穴の円柱形部分
(中子22の上段部円柱22aで成形された穴)内を摺
動し得るようになっている。成形型51は、型取り付け
板52に取り付けられ、ヒーター53により型取り付け
板52と共に加熱される。また、成形型51と型取り付
け板52とヒーター53とは断熱材54を介し、シリン
ダー48に取り付けられている。
【0051】パイプ49は、非酸化性のガスを成形室4
6内に注ぐためのパイプで、図示を省略したガス発生装
置に接続されている。
【0052】壁45の側壁には、鋳型30a、成形型台
40及び搬送台42を成形室46に対して搬出入させる
ための開口部45aが設けられており、この開口部45
aは搬送台42と鋳型30aと成形型台40とが移動す
る際に壁45と接触しない大きさになっている。開口部
45aには、開口部45aを開閉する仕切り板55が設
けられており、成形型台40が壁45の開口部45aを
通過する時のみ図示を省略したシリンダーにより図の手
前方向に動いて開口部45aを開放し、それ以外の時
は、開口部45aを塞いでいる。
【0053】次に、上記光学素子成形型の製造装置を用
いた本発明の実施の形態2の光学素子成形型の製造方法
を説明する。まず、図3に示すように、成形型素材30
の穴30aの開口部を下側にし、中子21と中子22の
上段部円柱22aを穴30a内に挿入するようにして、
中子22の下段部円柱22bの上に載置する。そして、
パイプ34より非酸化性ガスを成形室11内に注ぎ込
む。本実施の形態では、非酸化性ガスとして窒素ガスを
使用した。
【0054】次に、図示を省略したランプヒーター等の
加熱装置により、外壁33と成形室11全体を加熱す
る。同時に、ヒーター28a、28b、28c及びヒー
ター23、24により、外型26a、26b、26c及
び中子21、22の加熱をそれぞれ開始する。
【0055】成形型素材30がガラス遷移点温度(Co
68.8Fe4.2 Si1512のガラス遷移温度450℃)で
結晶化開始温度(Co68.8Fe4.2 Si1512の結晶化
開始温度)以下の温度(本実施の形態では490℃)に
なり、外型26a、26b、26cと中子21、22と
の温度が成形型素材30のガラス遷移点温度(本実施の
形態では450℃)から50℃低い温度以上成形型素材
30の結晶化開始温度(本実施の形態では490℃)以
下の温度になった直後(本実施の形態では400℃)、
シリンダー27とシリンダー31とシリンダー32とを
同時に駆動させ、外型26aと外型26bと外型26c
により圧力100(MPa)で成形型素材30を中子2
1、22の方向に押して加圧成形を行う。
【0056】成形型素材30が各外型26a、26b、
26cと各中子21、22とに加圧保持された状態で、
成形型素材30の冷却を開始する。そして、成形型素材
30の温度がガラス遷移点温度以下になった後、シリン
ダー27、31、32を中子21、22から遠ざかる方
向に駆動し、加圧成形した成形型素材30より各外型2
6a、26b、26cを離型する。
【0057】次に、加圧成形した成形型素材30である
鋳型30aを成形室11より取り出す。この鋳型30a
は、図7に示すように、直方体の内部に中子21により
形成された三角形状の穴と中子22の上段部円柱22a
により形成された円筒形状の穴を有し、三角形状の穴で
所望の三角プリズムを備えた図9に示すガラス中間体6
0を成形し得るようになっている。なお、図7(a)は
鋳型30aの平面図、図7(b)は図7(a)のA−A
線断面図で、三角プリズムを成形する穴の稜線部を通ら
ない部分で切断してある。
【0058】次に、鋳型30aにより三角プリズムを成
形する方法を説明する。まず、鋳型30aを図8に示す
光学素子製造装置に移動させ、成形型台40の穴に挿入
する。その後、ヒーター41により、成形型台40と鋳
型30aの加熱を開始する。
【0059】鋳型30aの温度が、ルツボ47に収納し
たガラス光学素子素材50のガラス遷移点温度以上(本
実施の形態では435℃)になった後、ルツボ47のノ
ズルからガラス光学素子素材50を鋳型30aの三角形
状穴と円柱形状穴に流し込む。この時、ガラス光学素子
素材50は、ルツボ47内で107 〜103 (dPa・
s)範囲のガラス粘度に加熱されている。また、成形室
46内部は、パイプ49から流入してくる非酸化性ガス
(本実施の形態では、窒素ガスを用いた。)により非酸
化性雰囲気に保たれている。
【0060】鋳型30aの穴にガラス光学素子素材50
が充満した時に、ガラス光学素子素材50の流入を停止
する。次に、図示を省略したガイドを駆動させ、搬送台
42を図8の水平右方向に移動させる。そして、成形型
51の中心軸と鋳型30a内部の円柱形状穴の中心軸と
が一致する位置で搬送台42を停止させる。
【0061】次に、シリンダー48を駆動して成形型5
1を下降させる。この時、成形型51は、下降開始まで
にヒーター53により加熱されており、本実施の形態に
おいては、435℃に加熱した。成形型51が鋳型30
aの円柱形状穴の内部まで下降し、ガラス光学素子素材
50の加圧成形が開始される。そして、成形型51でガ
ラス光学素子素材50を加圧保持したまま、成形型51
と鋳型30aとガラス光学素子素材50の冷却を開始す
る。
【0062】加圧保持したガラス光学素子素材50の粘
度が4×1014(dPa・s)に達した後、シリンダー
48により成形型51を上昇して離型をするとともに、
図示を省略したシリンダーを駆動し仕切り板55を図の
手前方向に移動し、壁45の開口部45aを開放する。
次に、図示を省略したガイドを駆動し、搬送台42を図
8の水平右方向に移動させ、成形室46から外に出す。
そして、図9に示す成形されたガラス中間体60を鋳型
30aより取り出す。
【0063】ガラス中間体60は三角プリズムとして機
能する60bと不必要な60aの組合わさった形状をな
しているので、不必要な部分である45bを切断により
取り除くことで三角プリズムを得ることができる。
【0064】そして、得られた三角プリズムの光学機能
面を評価後、要求精度に達している場合は成形型(鋳型
30a)及び所望の光学素子の製造工程が終了する。要
求される精度が満たされていない場合、ガラス光学素子
素材を成形する際のガラスの収縮率を算出し、中子21
に形状の補正を行う。
【0065】次に、形状の補正を行った中子21を用
い、上述した工程を再び繰り返して鋳型30aを製造
し、同様の工程により得られる光学素子の光学機能面が
要求精度に達した後は、ガラス光学素子素材を入れ換え
るだけで、ガラス光学素子を大量に製造することができ
る。
【0066】本発明の実施の形態2によれば、ガラス光
学素子素材として溶融ガラスを使用できるので、ガラス
光学素子素材の製造工程を簡略化できる光学素子成形型
を得ることができる。また、加熱軟化した素材を押圧成
形することにより鏡面性が得られる金属ガラス成形型を
鋳型として使用するので、光学素子に対応する成形型を
製造する時、鋳型である光学素子成形型のみを製造すれ
ばよい。
【0067】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば以
下の効果を得ることができる。請求項1の発明によれ
ば、稜線部または稜線部近傍まで光学機能面として使用
できる光学素子を提供することができる。
【0068】請求項2の発明によれば、成形型を分割す
ることなく稜線部まで成形機能面として使用できる光学
素子成形型を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1の光学素子成形型の製造
に用いる製造装置の成形部近辺を示す断面図である。
【図2】本発明の実施の形態1の光学素子成形型により
成形するガラス光学素子素材を示す斜視図である。
【図3】本発明の実施の形態2の光学素子成形型の製造
に用いる製造装置の成形部近辺を示す断面図である。
【図4】本発明の実施の形態2の光学素子成形型の製造
に用いる製造装置の成形部を示す平面図である。
【図5】本発明の実施の形態2の光学素子成形型の製造
に用いる製造装置に備えた中子を示す斜視図である。
【図6】本発明の実施の形態2の光学素子成形型を成形
する成形型素材を示す斜視図である。
【図7】本発明の実施の形態2の光学素子成形型を示す
図で、図7(a)は平面図、図7(b)は図7(a)の
A−A線断面図である。
【図8】本発明の実施の形態2の光学素子成形型を用い
たガラス光学素子成形装置を示す断面図である。
【図9】本発明の実施の形態2の光学素子成形型により
製造した光学素子のガラス中間体を示す斜視図である。
【図10】従来の光学素子成形型を示す図で、図10
(a)は断面図、図10(b)は図10(a)のA部拡
大断面図である。
【図11】従来の光学素子成形型を示す図で、図11
(a)は断面図、図11(b)は図11(a)のB部拡
大断面図である。
【符号の説明】
2 スリーブ 3a、3b 成形型素材 4 ブランク 6 加圧棒 7 ヒーター 16、50 ガラス光学素子素材 21、22 中子 26a、26b、26c 外型 27、 31、32 シリンダー 30 成形型素材 60 ガラス中間体

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも一つ以上の稜線を有し、且つ
    稜線部または稜線部近傍まで光学機能面を有する光学素
    子を押圧成形する光学素子成形型において、金属ガラス
    を素材とし、少なくとも2面以上の成形機能面を一体に
    形成したことを特徴とする光学素子成形型。
  2. 【請求項2】 加熱されたガラス光学素子素材を押圧成
    形することにより所望の光学素子を成形する光学素子成
    形型の製造方法において、金属ガラス素材を加熱軟化し
    た後、所望の光学素子と同形状のブランクにて押圧成形
    して成形型を製造し、上記成形型を用いて加熱軟化した
    ガラス光学素子素材を成形して得られたガラス中間体の
    形状よりガラスの収縮率を算出し、算出された結果から
    ガラスの収縮率分だけ上記ブランクの形状を補正して、
    補正後のブランクにより加熱軟化した金属ガラス素材を
    押圧成形して請求項1記載の光学素子成形型を得る光学
    素子成形型の製造方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002020131A (ja) * 2000-06-30 2002-01-23 Hoya Corp ガラス造形物及びその製造方法
JP2003104736A (ja) * 2001-09-28 2003-04-09 Konica Corp 光学素子成形金型用成形金型、光学素子用成形金型、光学素子及び光学素子成形金型の製造方法
JP2009276703A (ja) * 2008-05-19 2009-11-26 Canon Inc 光学素子及びその製造方法
JP2009276704A (ja) * 2008-05-19 2009-11-26 Canon Inc 光学素子及び該光学素子の製造方法

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