JPH09286806A - 重合体用改質剤、その製造方法、およびそれを用いた重合体の改質方法 - Google Patents

重合体用改質剤、その製造方法、およびそれを用いた重合体の改質方法

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JPH09286806A
JPH09286806A JP8718496A JP8718496A JPH09286806A JP H09286806 A JPH09286806 A JP H09286806A JP 8718496 A JP8718496 A JP 8718496A JP 8718496 A JP8718496 A JP 8718496A JP H09286806 A JPH09286806 A JP H09286806A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フェノール系重合禁止剤および/またはア
ミン系重合禁止剤を50〜3,000ppmと、銅イオ
ン0.01〜20ppmを含有する下記一般式で示され
る硫酸エステル(塩)からなる重合体用改質剤。 一般式 【解決手段】 本発明の改質剤は保存安定性に優れ、か
つ単量体を重合する際、重合阻害を起こさない。本発明
の改質剤を用ることにより、帯電防止性に優れた合成樹
脂や、染色性に優れた合成繊維が得られる。 本発明の
改質剤を乳化重合用乳化剤として用いることにより、化
学的安定性、機械的安定性に優れた低起泡性の重合体エ
マルションが得られる。また、重合体エマルションから
得られた乾燥塗膜の耐水性、接着性に優れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、改質剤および改質
方法に関する。さらに詳しくは、特定の重合禁止剤を特
定量含有させることにより保存安定性の優れた硫酸エス
テル(塩)からなる重合体用改質剤、その製造方法、お
よびそれを用いた重合体の改質方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、重合体、例えば(メタ)アクリロ
ニトリル、スチレン、ブタジエン、(メタ)アクリル酸
またはその塩、もしくはエステル、塩化ビニリデン、塩
化ビニルなどのエチレン性不飽和単量体(以下単量体と
称す。)の重合体を改質する目的で一般式(1)で示さ
れる硫酸エステル(塩)を用いる方法が知られている
(特開昭60−170611公報、特開昭62−349
47公報)。 一般式 (式中、Rは水素原子またはメチル基、Aはアルキレン
基、Mは1価または2価の陽イオンであり、OAでオキ
シアルキレン基を表す。nは2以上の整数、mは1また
は2であり陽イオンの原子価を表わす。)
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の改質剤は保存安定性が悪く、低温での保管が必要であ
った。しかも、低温保管していても、一部重合物が副生
し、重合体の改質効果を低下せしめるという問題があっ
た。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、これらの
問題の解決を目的に鋭意検討した結果、特定の重合禁止
剤を特定量含有させることにより、保存安定性の優れた
硫酸エステルまたは塩からなる重合体用改質剤、および
重合体の改質方法を見いだし、本発明に至った。すなわ
ち本発明は、重合禁止剤として、フェノール系化合物
(B1)および/またはアミン系化合物(B2)を50
〜3,000ppmと、銅イオン(C)0.01〜20
ppmを含有する一般式(1)で示される硫酸エステル
(塩)(A)からなる重合体用改質剤;その製造方法;
並びにエチレン性不飽和単量体の重合体の製造の際にア
ニオン性単量体を用いて改質を行う方法において、この
改質剤を用いる重合体の改質方法である。 一般式 (式中、Rは水素原子またはメチル基、Aはアルキレン
基、Mは1価または2価の陽イオンであり、(OA)n
でポリオキシアルキレン基を表す。nは2〜30の数、
mは1または2であり陽イオンの原子価を表わす。)
【0005】
【発明の実施の形態】本発明の硫酸エステルまたはその
塩(A)において、一般式(1)中のAで表されるアル
キレン基は、例えば炭素数2〜4のアルキレン基(エチ
レン基、プロピレン基、ブチレン基)が挙げられる。こ
れらのアルキレン基は酸素と共にオキシアルキレン基を
形成している。該オキシアルキレン基は同種のものでも
よく、または異種のものでもよく、また、これらの結合
様式はブロック状でも、ランダム状でもよい。好ましい
ものは、オキシプロピレン基、オキシエチレン基とオキ
シプロピレン基との併用である。とくに好ましいのはポ
リオキシアルキレン鎖中にオキシプロピレン基の数が2
以上含まれるものである。Mとしては、水素、アルカリ
金属(リチウム、ナトリウム、カリウムなど)、アルカ
リ土類金属(カルシウム、マグネシウムなど)、アンモ
ニウム、有機アミンカチオン(アルカノールアミン、低
級アルキルアミンなど)が挙げられる。これらのうち好
ましいのは、アルカリ金属(ナトリウム、リチウム、カ
リウム)、アンモニウムである。nは、通常2〜30、
好ましくは、3〜15である。nが1の場合は、重合し
ようとする単量体との相溶性が悪く、共重合しにくくな
る。nが30を超えると重合しようとする単量体の共重
合性が悪くなる。
【0006】一般式(1)で示される硫酸エステル
(塩)としては、例えば次の一般式(2)、(3)で表
される化合物が挙げられる。 一般式 一般式 一般式(3)において、オキシプロピレン基とオキシエ
チレン基はランダムでもブロックでも良い。これらのう
ち、好ましいものは次の一般式(4)で示されるもので
ある。
【0007】一般式(1)で示される硫酸エステル
(塩)の製造方法としては、例えば (1)(メタ)アクリル酸のアルキレンオキサイド付加
物を、硫酸化剤により硫酸エステル、必要により塩にす
る方法 (2)ポリアルキレングリコールモノ硫酸エステル
(塩)と(メタ)アクリル酸とをエステル化し、必要に
より塩にする方法などが挙げられる。 (1)の方法においては、(メタ)アクリル酸、ヒドロ
キシエチルもしくはヒドロキシプロピル(メタ)アクリ
レートにアルキレンオキサイドを付加する方法と、(メ
タ)アクリル酸にポリアルキレングリコールを脱水縮合
させる方法が挙げられる。また硫酸エステルを製造する
ための硫酸化剤としては、発煙硫酸、硫酸、クロル硫
酸、スルファミン酸などが挙げられる。塩にする方法と
しては、アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の水酸
化物、アンモニア水、有機アミンなどで中和する方法が
挙げられる。さらに、硫酸化する際に着色防止を目的に
尿素を添加する方法もある。
【0008】本願の硫酸エステルの塩の場合、工業的、
大規模に製造する際に、硫酸化剤として発煙硫酸、硫
酸、クロル硫酸を用いて硫酸エステル化したものをさら
にアルカリで中和して塩にすると、硫酸エステルが加水
分解することがある。すなわち、硫酸エステルをアルカ
リに加える工程では、pHが高いため(メタ)アクリル
酸とポリアルキレングリコールモノ硫酸エステルに加水
分解し易い。逆に、アルカリを硫酸エステルに加える工
程では、初期のpHが低いため、ポリアルキレングリコ
ール(メタ)アクリレートと硫酸のアルカリ塩へ加水分
解が起こり易い。それに対し、硫酸化剤としてスルファ
ミン酸を用いた場合は、すでにアンモニウム塩を形成し
ているのでさらに中和は必要としないため好ましい。こ
れをさらにアルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸
化物で塩交換してもよい。
【0009】硫酸化反応の際には、重合防止のために、
フェノール系化合物(B1)、アミン系化合物(B2)
の少なくとも1種、および銅イオン(C)を添加してお
く必要がある。硫酸化反応時の重合禁止剤の量は副反応
の重合防止に必要な量、もしくは、過剰量を添加してお
き、硫酸化反応後に過剰の重合禁止剤を除去する方法が
挙げられる。除去する方法としては、吸着剤による方
法、抽出による方法などが挙げられる。
【0010】本発明において、フェノール系重合禁止剤
(B1)としては、ハイドロキノンモノメチルエーテ
ル、ハイドロキノン、2,6−ジ−タシャリーブチル−
4−メチルフェノール、2,4−ジメチル6−タシャリ
ーブチル−フェノール、ピロガロールなどが挙げられ
る。アミン系重合禁止剤(B2)としては、フェノチア
ジン、ジフェニルアミンなどが挙げられる。これらの重
合禁止剤で好ましいものは、ハイドロキノンモノメチル
エーテル、フェノチアジンである。重合禁止剤の量は、
本発明の改質剤に対して、通常50〜3,000pp
m、好ましくは300〜1,500ppmである。50
ppm未満の場合は経日で重合物が副生成し、3,00
0ppmを超えると単量体を用いて重合体を製造する際
の改質剤として用いた場合に重合阻害を起こす。
【0011】本発明において、銅イオン(C)を形成す
る銅化合物としては、塩化第二銅、硫酸銅、水酸化第二
銅などが挙げられる。銅化合物は、改質剤中でその他の
物質との塩または錯体を形成していてもよい。銅イオン
(C)の含有量は、本発明の改質剤に対して通常0.0
1〜20ppm、好ましくは0.1〜10ppmであ
り、特に好ましくは0.1〜5ppmである。銅の含有
量が0.01ppm未満の場合は、経日で重合物が副生
成する。20ppmを超えた場合も重合物が副生成し、
また単量体を用いて重合体を製造する際の改質剤として
用いた場合重合阻害を起こす。本発明において、フェノ
ール系重合禁止剤および/またはアミン系重合禁止剤
と、銅イオンの何れかしか使用ない場合は経日で重合物
が副生する。
【0012】本発明において、さらに保存安定性を向上
させるため、さらに緩衝剤(D)を使用することができ
る。緩衝剤としては、有機酸(クエン酸、酒石酸、リン
ゴ酸、乳酸、酢酸など)やりん酸などの塩(ナトリウ
ム、カリウム、アンモニウムなど)が挙げられる。この
緩衝剤は、単独で使用しても併用してもよい。これらの
うち好ましいものは有機酸とその塩であり、特に好まし
いものは、クエン酸とクエン酸塩(水素ナトリウム、ク
エン酸ナトリウムなど)である。本発明の改質剤中の緩
衝剤の含有量は、通常50〜5,000ppm、好まし
くは、2,500〜3,000ppmである。
【0013】本発明の改質剤は、重合体、特にエチレン
性不飽和単量体の重合体の改質を行うために使われ、そ
の重合体は、合成樹脂、合成ゴム、合成繊維、合成樹脂
エマルションとして使用される。例えば、次のようなエ
チレン性不飽和単量体が挙げられる。 (a)ニトリル基含有単量体 (メタ)アクリロニトリル (b)不飽和カルボン酸[(メタ)アクリル酸、マレイ
ン酸、フマル酸、イタコン酸など]のエステル 炭素数1〜20のアルキル(メチル、エチル、ブチル、
2−エチルヘキシル基など)(メタ)アクリレート;グ
リコール(エチレングリコール、1,4−ブタンジオー
ル、ポリプロピレングコールなど)のジ(メタ)アクリ
レート;マレイン酸、フマル酸、イタコン酸の炭素数1
〜12のアルキルのジエステルまたは半エステルなど (c)不飽和カルボン酸のアミド (メタ)アクリルアミド (d)ハロゲン含有単量体 塩化ビニル、塩化ビニリデン、クロロプレンなど (e)芳香族ビニル単量体 スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエンなど (f)脂肪族炭化水素単量体 エチレン、プロピレン、ブタジエン、イソプレンなど (g)ビニルエステルまたは(メタ)アリルエステル 酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ジビニルフタレー
ト、アリルアセテートなど (h)不飽和カルボン酸またその塩 (メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン
酸およびその塩
【0014】本発明の改質剤の使用量は重合体の種類、
単量体の組成、目的、要求される性能などにより、種々
変えることができる。帯電防止性、染色性などを目的と
して疎水性の重合体を製造する場合には、本発明の改質
剤が重合体中に通常0.1〜10重量%、好ましくは、
0.2〜5重量%含まれるようにするのがよい。0.1
重量%未満では、帯電防止効果や染色性の向上効果が小
さい。10重量%より多くなると水に対する親和性が強
すぎて不都合なことが多い。また合成樹脂エマルション
の乾燥塗膜の耐水性、接着性の向上などを目的として用
いる場合には、0.1〜20重量%、好ましくは0.5
〜5重量%である。0.1重量%未満の場合は、合成樹
脂エマルションの貯蔵安定性が悪くなる。また20重量
%を超えると、合成樹脂エマルションの乾燥塗膜の耐水
性や接着性が低下する。
【0015】本発明の改質剤による重合体の改質は種々
の方法で行うことができる。重合方法としては、塊状重
合、溶液重合、懸濁重合、乳化重合の何れでもよい。重
合はブロック重合、ランダム重合、グラフト重合のいず
れでもよい。また発泡成形品、繊維、フィルム、注型品
などの表面で重合させてもよい。
【0016】本発明の改質剤は単量体の乳化重合の際に
使用しする反応性乳化剤として特に有用である。このよ
うな乳化剤としての使用は、種々の方法で行うことがで
きる。例えば乳化重合法において、通常の乳化剤の代わ
りに本発明の改質剤を用いることにより行うことができ
る。
【0017】重合を開始させる方法としては、電子線、
γ線あるいは紫外線の照射による方法、加熱による開始
の方法および重合開始剤を使用する方法などをとること
ができる。開始剤を使用する方法において、開始剤とし
ては、過硫酸塩(過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム
など);パーオキシ化合物(ベンゾイルパーオキサイ
ド、ラウロイルパーオキサイド、過酸化水素など);ア
ゾ系開始剤(アゾビスイソブチロニトリルなど);レド
ックス系開始剤(亜硫酸塩とパーオキシ化合物、過酸化
水素と鉄(2価)など)のような開始剤を用いることが
できる。
【0018】溶液重合の場合は、ジメチルホルムアミ
ド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホオキシドな
どの溶剤が用いられる。また、乳化重合または懸濁重合
の場合は、水と水溶性溶剤(メタノール、イソプロピル
アルコール、アセトンなど)との混合溶剤を用いること
ができる
【0019】上記の重合方法において、重合の際に各種
メルカプタン類(ドデシルメルカプタンなど)のような
重合調節剤、および部分けん化ポリビニルアルコールな
どの分散剤を必要により用いることができる。また、乳
化重合の場合には、その他の乳化剤も使用でき、例えば
アニオン界面活性剤(ドデシルベンゼンスルホン酸ナト
リウム、ラウリル硫酸エステルナトリウムなど)や非イ
オン界面活性剤(ポリオキシエチレンアルキルフェニル
エーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルなど)
が使用できる。乾燥塗膜の耐水性などの性能のため、こ
れらの乳化剤の量は制限される。
【0020】上記の各種の重合方法において、重合温度
は重合方法、共重合しようとする単量体の種類によって
異なるが、通常−5〜150℃である。
【0021】上記の各種の重合方法において、本発明の
改質剤の他に、他のアニオン単量体[(メタ)アクリル
酸、スルホプロピル(メタ)アクリレート、スルホプロ
ピル(メタ)アクリルアミド、スチレンスルホン酸塩な
ど]を併用することもできる。併用する場合本発明の改
質剤の量は、本発明の改質剤と他のアニオン単量体の合
計重量に対して通常20重量%以上、好ましくは50重
量%以上である。
【0022】本発明の改質剤は、公知のアニオン性単量
体からなる改質剤に比較して、単量体の重合率が上が
る、性能(重合度、帯電防止性、染色性など)が向上
した重合体が得られる、得られた重合体エマルション
は優れた機械的安定性および化学的安定性を有し、起泡
性も少ない、重合体エマルションより得られた乾燥塗
膜は優れた耐水性、接着性を有している、重合体フィ
ルムの透明性を損なわない、重合体に親水性を付与す
ることができる、重合体フィルムの表面にほこり、
油、垢などの汚れが付着しにくく、また付着した場合で
も容易に除去できる、エマルションから重合体を取り
出す場合には、廃水中に乳化剤がほとんど流出しない重
合体エマルションを与えるなどの性能・効果を有する。
【0023】本発明により改質された重合体は、合成樹
脂、合成繊維、繊維処理剤、紙加工剤、ヘヤースプレー
用樹脂などとして有用である。またこれらの重合体のエ
マルションは接着、被覆、含浸および分散用組成物の製
造等に使用することができ、水系塗料、水系接着剤、紙
加工用樹脂、繊維加工用樹脂(糊剤、不織布のバインダ
ーなど)、繊維改質剤、フロアーポリシュ用樹脂エマル
ション、土壌侵食防止用樹脂、コンクリート用、モルタ
ル用混和剤などの用途に有用である。さらに、ポリ塩化
ビニル、ABS樹脂などの合成樹脂、合成ゴム、合成繊
維等の製造に使用することができる。
【0024】
【実施例】以下に、実施例により、本発明を説明する
が、本発明はこれに限定されるものではない。なお、分
析法、評価法は次の通りである。
【0025】<銅イオン含量>原子吸光分光光度計(型
式:HITACHI 180−80)を用いて、32
4.8nmにおける吸光度を測定し検量線から銅イオン
含量を求めた。
【0026】<ハイドロキノンモノメチルエーテル含量
>分光光度計(HITACHI U−1000)を用い
て、420nmにおける吸光度を測定し、検量線からハ
イドロキノンモノメチルエーテル含量を求めた。
【0027】<合成中のポリマー副生量>HPLC分析
を行い、 チャートのピーク面積から副生した重合物含
量(%)を求めた。 (HPLC条件) 機種 :LC−10AD(島津製作所(株)製) カラム:ShodexOHpakSB−802.5(昭
和電工(株)製) 移動相:メタノール/高純度イオン交換水=57/43
(体積比) 流速 :0.6ml/分 試料濃度:0.9% 注入量:10μl 検出器:示差屈折計
【0028】<保存時のポリマー副生量>50℃の恒温
槽に3ヶ月保存し、重合物の副生量をHPLCで測定し
た。重合物量の求め方、および測定条件は、合成中のポ
リマー副生量と同じ。
【0029】<モノマーの重合阻害性>後述の実施例1
1で、(改質剤X1)の代わりに表1の実施例1〜9お
よび比較例1〜6の改質剤を用いる以外は同様の方法で
乳化重合して、重合体エマルションを作成し、得られた
重合体エマルション1.5gを秤量し、130℃で1.
5時間乾燥後の重量を測定し、100%重合した場合の
理論固形分に対する蒸発残渣の百分率(%)からモノマ
ーの重合転化率を求めた。さらにその値によりモノマー
の重合阻害性を下記の基準で判定した。 ○:重合阻害なし ;重合転化率=97%以上 △:重合阻害若干あり;重合転化率=90%以上〜97
%未満 ×:重合阻害性大 ;重合転化率=90%未満
【0030】<乳化重合転化率>後述の実施例10およ
び比較例7で得られた重合体エマルション1.5gを秤
量し、130℃で1.5時間乾燥後の重量を測定し、1
00%重合した場合の理論固形分に対する蒸発残渣の百
分率(%)からモノマーの重合転化率を求めた。
【0031】<凝塊物含量>150メッシュの金網で濾
過し、濾過残渣を水で洗浄後、130℃で5時間乾燥し
凝塊物量を使用モノマーに対する重量%で表わした。
【0032】<エマルションの機械的安定性>重合体エ
マルション22gをビーカーに取りホモミキサーにて、
10,000rpmで30分間攪拌し生成した凝固物を
150メッシュの金網で濾別し、冷水で洗浄後130℃
で5時間乾燥した。この乾燥物重量を採取エマルション
中の固形物重量に対する%で表わした。
【0033】<エマルションの化学的安定性>固形分
0.5%に水にて希釈した重合体エマルション50ml
を凝固・分離させるのに必要な1/10NCaCl2
容量(ml)で表わした。
【0034】<エマルションの起泡性>固形分3%に水
にて希釈した重合体エマルション30mlを100ml
の共栓付メスシリンダーにとり、10回強振し、5分後
の泡量(ml)で表わした。
【0035】<フィルムの耐水性>重合体エマルション
をスライドガラス上に拡げ、60℃にて8時間さらに2
0℃にて24時間乾燥して、0.2mmの厚さのフィル
ムを作成した。このフィルムの耐水性をJISK−68
28の水滴試験法により試験し、時間で表わした。
【0036】<フィルムの接着性>上記の方法で作成し
たフィルムにセロファン粘着テープを貼り、20℃で1
80°剥離試験によりフィルムとセロファン粘着テープ
との接着強度を測定し、g/cmで表わした。
【0037】<エマルション廃液中のCOD>重合体エ
マルションを−10℃にて24時間の冷凍により凍結破
壊し、30℃で融解後重合体を濾別した。濾液のCOD
をJISK0102−1971に従って測定し、ppm
で表わした。
【0038】製造例1 5Lのガラス製フラスコの中にポリオキシプロピレン
(n=9)グリコールモノメタクリレート608g、ハ
イドロキノンモノメチルエーテル1.05g、エチレン
ジクロライド304gを仕込、均一に溶解した。−3〜
5℃で、クロロ硫酸139.8g(1.2モル)を脱塩
酸しながら10時間かけて徐々に滴下し、硫酸化率99
%のメタクリロイロキシポリオキシプロピレン(n=
9)硫酸エステル681gを得た。引続き、−3〜5℃
で20%水酸化ナトリウム水溶液430gを、徐々に仕
込、中和し、メタクリロイロキシポリオキシプロピレン
(n=9)硫酸エステルナトリウム塩703gを得た。
そのもののpHは6.5であった。次いで、濾過助剤と
してラヂオライト#600[昭和化学工業(株)製]3
0gを用いて、析出した硫酸ナトリウムと塩化ナトリウ
ムを濾別し、濾液1,303gを得た。濾液に水390
gを仕込溶解後、45℃、150torrで1,2−ジ
クロロエタンを留去し、ハイドロキノンモノメチルエー
テルを1500ppmを含有するメタクリロイロキシポ
リオキシプロピレン(n=9)硫酸エステルナトリウム
塩668gを含む水溶液1,336gを得た。これを
(改質剤Y1)とした。
【0039】製造例2 製造例1で、ハイドロキノンモノメチルエーテルの代わ
りに、塩化第二銅2水和物0.385g(銅として0.
144g)、吸着剤として、ラヂオライト#600の代
わりに、キョーワード1000[協和化学工業(株)
製]34gとキョーワード700SL[協和化学工業
(株)製]68gを用いて銅を吸着させ後、濾別する以
外は同様の方法で、銅イオン10ppm含むメタクリロ
イロキシポリオキシプロピレン(n=9)硫酸エステル
ナトリウム塩632gを含む水溶液1,265gを得
た。これを(改質剤Y2)とした。
【0040】製造例3 5Lのガラス製フラスコの中にポリオキシプロピレン
(n=9)グリコールモノメタクリレート608g、塩
化第二銅・2水和物0.385g(銅イオンとして0.
144g)、ハイドロキノンモノメチルエーテル1.0
5g、尿素6.1gを仕込、均一に分散させた。スルフ
ァミン酸126.1g(1.3モル)を仕込、90℃で
10時間反応し、硫酸化率95%のメタクリロキシポリ
オキシプロピレン(n=9)硫酸エステルアンモニウム
塩670gを得た。次いで30℃まで冷却し、1,2−
ジクロルプロパン705gを加え均一溶解した。吸着剤
(キョーワード1000(34g)、キョーワード70
0SL(68g):協和化学工業(株)製)を用いて吸
着処理後、濾別した。銅イオン含有量(有効成分当り)
2ppmの濾液1,300gを得た。ついで水648g
を仕込溶解後、35℃、60torrで1,2−ジクロ
ルプロパンを留去した。同条件で水酸化ナトリウム30
%水溶液117.5gをアンモニアを系外に留去しなが
ら、5時間かけて滴下した。銅イオン含量2ppm、ハ
イドロキノンモノメチルエーテル1,500ppm含む
メタクリロイロキシポリオキシプロピレン(n=9)硫
酸エステルナトリウム塩620gを含む水溶液1,29
6gを得た。これを(改質剤X1)とした。
【0041】製造例4 製造例3で、ハイドロキノンモノメチルエーテルの代わ
りに、フェノチアジン1.20gを用いる以外は同様の
方法で、銅イオン含量3ppm、フェノチアジン1,0
00ppmを含むメタクリロイロキシポリオキシプロピ
レン(n=9)硫酸エステルナトリウム塩620gを含
む水溶液1,296gを得た。これを(改質剤X2)と
した。
【0042】製造例5 製造例3で、ポリオキシプロピレン(n=9)グリコー
ルモノメタクリレートの代わりに、オキシプロピレン7
モル/オキシエチレン2モルランダム付加物のメタクリ
レート580gを用いる以外は同様の方法で、銅イオン
含量1ppm、ハイドロキノンモノメチルエーテル1,
600ppmを含む下記のメタクリロイロキシポリオキ
シアルキレン硫酸エステルナトリウム塩600gを含む
水溶液1,280gを得た。これを(改質剤X3)とし
た。
【0043】製造例6 製造例3で、ポリオキシプロピレン(n=9)グリコー
ルモノメタクリレートの代わりに、オキシプロピレン7
モル/オキシエチレン2モルランダム付加物のアクリレ
ート580gを用いる以外は同様の方法で、銅イオン含
量1ppm、ハイドロキノンモノメチルエーテル1,0
00ppmを含む下記のアクリロイロキシポリオキシア
ルキレン硫酸エステルナトリウム塩595gを含む水溶
液1,280gを得た。これを(改質剤X4)とした。 CH2=CH2−CO(OC367(OC242OS0
3Na
【0044】製造例7 製造例2で、塩化第二銅2水和物0.385g(銅とし
て0.144g)と共にハイドロキノンモノメチルエー
テル1.05gを用いる以外は同様の方法で、銅イオン
10ppmとハイドロキノンメチルエーテル1,500
ppmを含むメタクリロイロキシポリオキシプロピレン
(n=9)硫酸エステルナトリウム塩632gを含む水
溶液1,265gを得た。これを(改質剤X5)とし
た。
【0045】製造例8 製造例3で、塩化第二銅2水和物を予め添加せずにハイ
ドロキノンモノメチルエーテルだけ添加して90℃で硫
酸化反応させる方法で、ハイドロキノンモノメチルエー
テル1,000ppmを含むメタクリロイロキシポリオ
キシプロピレン(n=9)硫酸エステルナトリウム塩6
25gを含む水溶液1,290gを得た。これを(改質
剤Y3)とした。
【0046】実施例1〜5 製造例3〜7で得られた(改質剤X1)〜(改質剤X
5)は何ら重合禁止剤を後添加せずそのまま用いた。 実施例6〜8 製造例1と2で得られた(改質剤Y1)と(改質剤Y
2)各100gに、塩化第二銅・2水和物、ハイドロキ
ノンモノメチルエーテルを表1の量になるようにさらに
添加し、均一に溶解し、(改質剤X6)〜(改質剤X
8)とした。 実施例9 (改質剤Y2)100gに、ハイドロキノンモノメチル
エーテルを有効成分当り1,000ppmと緩衝剤のク
エン酸3ナトリウムを有効成分当り3,000ppmに
なるようにさらに添加し、均一に溶解し、(改質剤X
9)とした。
【0047】比較例1〜3 (改質剤Y1)、(改質剤Y2)、(改質剤Y3)を後
添加せずそのまま比較例として用いた。 比較例4〜6 (改質剤Y1)、(改質剤Y2)、(改質剤X1)10
0gに塩化第二銅・2水和物とハイドロキノンモノメチ
ルエーテルを表1の量になるように加え、(改質剤Y
4)〜(改質剤Y6)とした。
【0048】実施例1〜9、比較例1〜6の銅イオン含
量、ハイドロキノンモノメチルエーテル含量、フェノチ
アジン含量、クエン酸3ナトリウム含量と、合成中のポ
リマー副生量、保存時のポリマー副生量およびモノマー
との重合性の評価結果を表1に示す。
【0049】
【表1】
【0050】*MEHQ:ハイドロキノンモノメチルエ
ーテル **PT:フェノチアジン ***SC:クエン酸3ナトリウム
【0051】実施例10 窒素雰囲気下で、メチルメタクリレート50g、(改質
剤X1)の水分を0.2%まで除去したもの2g、およ
びラウロイルパーオキサイド0.1gをガラスモールド
に仕込み、60℃で4時間重合を行い厚さ2mmの重合
体を得た。冷却後モールドから取り出した重合体は、重
合転化率99.9%で、透明なガラス状の樹脂板であっ
た。この樹脂板の表面抵抗値をJISK6911−19
79の方法により測定したところ、5×10Ω11であり
帯電防止性は良好であった。
【0052】実施例11 攪拌機、滴下ロート、窒素導入口、温度計および還流冷
却器を備えた反応容器に、イオン交換水117.5g、
(改質剤X1)1.6g、炭酸水素ナトリウム0.08
g、過硫酸アンモニウム0.16g、スチレン22gお
よびブチルアクリレート18gを仕込み、攪拌乳化し、
窒素置換後、攪拌下75℃で30分間重合した。引続
き、イオン交換水134.5g、(改質剤X1)を5.
6g、炭酸水素ナトリウム0.28g、過硫酸アンモニ
ウム0.56g、スチレン77g、およびブチルアクリ
レート63gからなる乳化液を滴下ロートより2時間に
わたり滴下し、攪拌下80℃で重合を行った。さらに過
硫酸アンモニウム1%水溶液18gを追加後、85℃に
昇温し2時間重合を行い、重合体エマルションを得た。
【0053】比較例7 (改質剤X1)の代わりに同重量のドデシルベンゼンス
ルホン酸ナトリウムを使用した以外は、実施例11の方
法に従って乳化重合を行い、重合体エマルションを得
た。
【0054】比較例8 (改質剤X1)の代わりに同重量のナトリウムスルホプ
ロピルメタクリレートを使用した以外は、実施例11の
方法に従って重合を行ったが、多量の凝塊物が生成して
安定なエマルションは得られなっかった。
【0055】実施例11および比較例7のモノマーの重
合転化率、凝塊物の生成量、エマルションの機械安定
性、化学的安定性、起泡性、乾燥塗膜の耐水性および接
着性の評価結果を表2に示す。
【0056】
【表2】
【0057】表1の結果から、本発明の改質剤は保存安
定性に優れ、かつモノマーとの重合も阻害せず、重合率
の高い重合体が得られる。また、表2の結果から、本発
明の改質剤を乳化重合用乳化剤として得られた重合体エ
マルションは、低起泡性で、化学的安定性、機械的安定
性に優れている。重合体エマルションから得られたフィ
ルムは耐水性、接着性に優れている。さらに、重合体エ
マルションから樹脂分を取り出した後、廃水(ろ液)の
CODも低く、廃水処理工程の負荷が低減される。
【0058】
【発明の効果】本発明の改質剤は保存安定性に優れ、公
知のアニオン性モノマーからなる改質剤に比較して、単
量体の重合率が上がる、性能(重合度、帯電防止性、染
色性など)の向上した重合体が得られる、得られた重合
体エマルションは優れた機械的安定性および化学的安定
性を有し、起泡性も少ない、重合体エマルションより得
られた乾燥塗膜は優れた耐水性、接着性を有している、
等の効果を有する。また上記の効果に加えて、本発明の
改質剤は重合体フィルムの透明性を損なわない、重合体
に親水性を付与することができる、重合体フィルムの表
面にほこり、油、垢などの汚れが付着しにくく、また付
着した場合でも容易に除去できるなどの効果を有する。
さらに、エマルションから重合体を取り出す場合には、
廃水中に乳化剤がほとんど流出しない重合体エマルショ
ンを与えるという効果もある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 久田 伸夫 京都市東山区一橋野本町11番地の1 三洋 化成工業株式会社内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1)で示される硫酸エステルま
    たはその塩(A)、フェノール系重合禁止剤(B1)お
    よび/またはアミン系重合禁止剤(B2)を50〜3,
    000ppm、並びに銅イオン(C)0.01〜20p
    pmからなる重合体用改質剤。 一般式 (式中、Rは水素原子またはメチル基、Aはアルキレン
    基、Mは1価または2価の陽イオンであり、(OA)n
    でポリオキシアルキレン基を表す。nは2〜30の数、
    mは1または2であり陽イオンの原子価を表わす。)
  2. 【請求項2】 該フェノール系重合禁止剤(B1)がハ
    イドロキノンモノメチルエーテルである請求項1記載の
    改質剤。
  3. 【請求項3】 該アミン系重合禁止剤(B2)がフェノ
    チアジンである請求項1記載の改質剤。
  4. 【請求項4】 ポリオキシアルキレン鎖がオキシプロピ
    レン基を2個以上含有する請求項1〜3いずれか記載の
    改質剤。
  5. 【請求項5】 さらに緩衝剤(D)を含有する請求項1
    〜4いずれか記載の改質剤。
  6. 【請求項6】 該緩衝剤(D)がクエン酸またはクエン
    酸の塩である請求項5記載の改質剤。
  7. 【請求項7】 エチレン性不飽和単量体の重合体の製造
    の際にアニオン性単量体を用いて改質を行う方法におい
    て、請求項1〜6いずれか記載の改質剤を用いる重合体
    の改質方法。
  8. 【請求項8】 エチレン性不飽和単量体を請求項1〜6
    いずれか記載の改質剤の存在下に乳化重合させる請求項
    7記載の改質方法。
  9. 【請求項9】 改質剤を単量体合計重量に対して、0.
    1〜20重量%使用する請求項7または8記載の改質方
    法。
  10. 【請求項10】 ポリアルキレングリコール(メタ)ア
    クリレートに銅イオン(C)並びに、フェノール系重合
    禁止剤(B1)および/またはアミン系重合禁止剤(B
    2)を予め添加して硫酸化反応を行い、請求項1〜6い
    ずれか記載の改質剤を製造することを特徴とする重合体
    用改質剤の製造方法。
  11. 【請求項11】 ポリアルキレングリコール(メタ)ア
    クリレートに少なくとも銅イオン(C)とフェノール系
    重合禁止剤(B1)を予め添加して、スルファミン酸で
    硫酸化反応を行う請求項10記載の重合体用改質剤の製
    造方法。
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