JPH09291413A - 表面フィブリル化繊維及びそれから得られるフィブリル含有分割繊維、並びにそれらの製造方法 - Google Patents

表面フィブリル化繊維及びそれから得られるフィブリル含有分割繊維、並びにそれらの製造方法

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JPH09291413A
JPH09291413A JP12400996A JP12400996A JPH09291413A JP H09291413 A JPH09291413 A JP H09291413A JP 12400996 A JP12400996 A JP 12400996A JP 12400996 A JP12400996 A JP 12400996A JP H09291413 A JPH09291413 A JP H09291413A
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fiber
polymer
fibril
coagulant
spinning
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JP12400996A
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Yoshihiko Hosako
芳彦 宝迫
Teruyuki Yamada
輝之 山田
Katsuhiko Shinada
勝彦 品田
Takashi Kozakura
隆史 小桜
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Mitsubishi Chemical Corp
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 セルロースエステルを含有し、フィブリルが
発生した極細繊維、及びそれらの製造方法を提供する。 【解決手段】 少なくともセルロースエステルを30重
量%以上含有する重合体を溶媒に溶解した紡糸原液を紡
糸原液吐出口から吐出するに際して、該重合体の凝固剤
流体を凝固剤流体噴出口から、該紡糸原液の吐出線方向
に対して0度以上、90度未満の角度で噴出し、該重合
体を剪断流速の中で凝固させ、形成された凝固体を洗浄
して、直径2ミクロン以下のフィブリルが主体繊維の繊
維軸方向沿って、前記主体繊維表面のほとんどを覆って
いる表面フィブリル化繊維を得る。この主体繊維は、叩
解により、分割され、極細繊維となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表面フィブリル化
繊維、それから得られるフィブリル含有分割繊維、並び
にそれらの製造方法に関する。さらに、詳しくは、濾過
材や人工皮革用のシート状物に用いることができるセル
ロースエステル重合体からなる表面フィブリル化繊維、
及び、フィブリル含有分割繊維、並びにそれらの製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】超極細繊維、フィブリル化繊維は、合成
紙または不織布等のシート状物を得るための原料として
好適に利用され、特に、エアーフィルター等で、低圧力
損失で高い濾過性能を要求される分野、微細な塵を除去
するクリーナー、獣毛調の風合を有する人工皮革用の基
材繊維として広く利用されている。
【0003】このような繊維としてこれまでポリエステ
ル系重合体、ポリプロピレン、ポリエチレン重合体の超
極細繊維及びフィブリル化した繊維の不織布が提案され
ている。 これらの繊維は後述する方式で製造される
が、一部は直接不織布に賦形されたり、あるいは溶解除
去工程を経て製造されるものである。これらは、ポリエ
ステル系重合体やポリオレフィン系重合体からなり、ポ
リマーの気質から吸湿性に劣る欠点を有している。ま
た、芳香族ポリアミド、セルロース重合体からなるフィ
ブリル繊維が提案されているが、繊維形態がパルプ状を
呈するため、高い空隙率を必要とするエアーフィルター
等の不織布用あるいは人工皮革用の基材繊維として実用
に絶えない。セルロースアセテートはその優れた重合体
特性から衣料、シガレットフィルター用の基材あるいは
止血剤等の歯科材料分野に広く利用されているが、上述
した様なフィブリル化繊維およびその製造法は未だ提案
されていない。
【0004】不織布、紙等の材料として有用に使用され
るフィブリル化繊維の製造法はこれまで数多くの方法が
知られている。無数のフィブリル繊維の連続糸(プレキ
シフィラメント)を製造する方法としては特開昭40ー
28125号公報および特開昭41ー6215号公報に
開示されているフラッシュ紡糸方式があることがよく知
られている。この紡糸方式は、溶剤の正規な沸点よりも
高い温度であり、かつ自生の蒸気圧域あるいはそれ以上
の高い圧力下にある結晶性重合体溶液を適当な形状のオ
リフィスから低圧域へおしだすことによって、溶剤が激
しく蒸発し、かつ押し出した重合体の多数が引き裂かれ
ることによって連続的なフィブリル繊維を形成せしめる
ものである。 本方式は瞬間的な溶剤の蒸発を必要とす
ることから比較的低沸点溶剤、たとえばベンゼン、トル
エン、シクロヘキサン、塩化メチレン等を使用する必要
があり、さらに重合体も使用する溶剤の高温、高圧下で
均一な溶液を形成し、しかも低圧域へ押し出した時には
該溶剤が非溶剤となる重合体を選定する必要があり、得
られるフィブリル状の繊維組成は限られたものとなる。
【0005】この方式のセルロースアセテート重合体へ
の適用例としては、特開昭49−7518号公報があ
る。得られた繊維の断面は円形ないし楕円形で、周囲に
激しい凹凸、突起物、触手状物を有する繊維で平均直径
が0.1μmから20μmと十分制御されて形態とは言
いがたい。さらに、製造方法も高温、高圧下での取り扱
いを必要とし、工業的に優位な方法とは言いがたい。
【0006】サブミクロンオーダーの繊維を製造する方
式として、ポリエステル繊維などで工業化されているメ
ルトブローン紡糸がある。この方法は押出機によって押
し出された溶融状態の重合体を高速の気流により、伸
張、細化、固化しサブミクロンオーダーの繊維を得る方
法であるが、熱溶融する重合体が前提となり、溶融温度
の高い重合体や熱変性する重合体には適用できない方式
である。
【0007】溶解特性の異なる2成分の重合体を海島複
合紡糸を行い、島成分を溶出することで超極細繊維を製
造する方法がある。この方式は繊維を製造した後、島成
分を溶出する必要があり、経済的でない。また、熱溶融
しない高分子物質の紡糸方式である溶液紡糸で精密な海
島複合繊維を紡糸することは現状では困難である。特公
昭52−18291号公報には、疎水性で互いに相溶性
のない二種以上の熱可塑性樹脂からなる混合物又は無機
物、有機物を添加した混合物を加熱溶融し、スリットノ
ズルから押し出し、一方向に延伸してから分子配向せし
めたバンドを3〜50mmの長さに切断して得たチップ
を物理的外力によってフィブリル化する方法において、
水溶性高分子を添加することによって叩解フィブリル化
を容易にする方法が提案されている。 該方法は熱可塑
性樹脂に適用可能な方法であり、本発明が目的とするセ
ルロースアセテートなどの比較的溶融温度が高くまた熱
変性を受ける重合体で、溶融賦形の難かしい重合体には
適用できない方法である。
【0008】溶融賦形の難しい重合体のフィブリル化繊
維の製造方法として、溶液紡糸が用いられる。この溶液
紡糸を必須とするポリマーのサブミクロンオーダーの繊
維を得る方法として特開平3−130411号公報にア
クリロニトリルが85%以上であるポリマーからなる直
径2μm以下、アスペクト比が1000以上の超極細繊
維が提案されている。この方式は抽出溶媒に対する溶解
性の異なるポリマーとの混合溶液を調製し、該溶液を公
知の紡糸方式で繊維化したのち一方のポリマーを溶出さ
せることによって極細繊維を得る方式であるが、上記海
島複合紡糸繊維と同様、ポリマーを溶出除去するため経
済的でないだけでなく、昨今の環境問題を考えると溶出
したポリマー溶液の回収或いは廃棄の問題を解決する必
要があり、工業的に優位な手法とは言いがたい。
【0009】特開平3−104915号公報にはアクリ
ロニトリルの主成分とする重量平均分子量30万以上の
ポリマーを3〜10重量%溶解した原液を湿式紡糸し、
多孔質の繊維とした後、叩解することで直径0.5μm
以下のフィブリルを有するアクリロニトリル系パルプの
製造方法が提案されている。この方式では叩解しても一
部が0.5μm以下のフィブリル繊維となるだけで基材
繊維が残り、高い表面積を必要とするフィルター等の用
途には不十分であり、また人工皮革用途に使用した場
合、基材繊維によって風合いの低下をきたし好ましくな
い。
【0010】セルロース系重合体の直径サブミクロンオ
ーダーの繊維を得る方法として、繊維と工業(Vol.48.N
o10(1992))にセルロース繊維を高圧ホモジナイザーで
叩解する方式が提案されている。この方式は結晶性の高
いセルロースの性質を利用し、フィブリル化の進んだセ
ルロース繊維をミクロフィブリルのオーダーまで叩解す
るものである。本方式は叩解に特別な装置を必要するた
め、汎用的でない。また、セルロースには応用できる方
式であるが、その他有用な熱溶融しない高分子であるセ
ルロースアセテート、アクリロニトリル系重合体には適
応が困難である。
【0011】特開平2−234909号公報には、離液
性液晶ポリマーからサブデニール繊維を製造する方法が
提案されている。この方法は光学異方性ポリマー溶液を
室中へ押し出すとともに、該室中へ加圧された気体を導
入し、気体を室中で、流れの流通方向に且つその周りに
接触させながら向け、気体と流れを共に隙間を通じてよ
り低圧の帯域中へ、流れを細らせ、そしてそれを繊維に
分割するために十分な速度で通過させ、該帯域中で分割
された流れを凝固流体と接触させるものである。この方
式は離液性液晶を形成するポリマー溶液が前提となり、
適用範囲が限定され、さらに押出口からでた高粘度重合
体溶液をさらに隙間に通す必要があり、重合体溶液によ
る隙間の閉塞が起こりやすく、工業的に優位な方法とは
言えない。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】セルロースエステルを
含有する重合体に対しては、従来の製造方法ではフィブ
リル含有繊維、及び、極細繊維を得ることが困難であっ
た。本発明は、濾過材や人工皮革用のシート状物に用い
ることができるセルロースエステルを含有する表面フィ
ブリル化繊維、及び、フィブリル含有分割繊維からなる
極細繊維を提供するものであり、また、それらの繊維の
工業的に優位な製造方法を提供するものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の要旨は、
少なくともセルロースエステルを30重量%含有する重
合体からなり、直径2μm以下のフィブリルが主体繊維
の繊維軸方向に沿って、前記主体繊維表面のほとんどを
覆っていることを特徴とする表面フィブリル化繊維であ
る。
【0014】本発明で用いるセルロースエステルの具体
例としては、セルロース(モノ)アセテート、セルロー
スジアセテート、セルローストリアセテート、セルロー
スアセテートブチレート、ベンジルセルロース、又はこ
れらの混合物が挙げられる。中でもセルロース(モノ)
アセテート、セルロースジアセテート、セルローストリ
アセテートが好ましく用いられる。
【0015】本発明の表面フィブリル化繊維は、主体繊
維AとフィブリルBとで構成されている。図1に示すよ
うに、主体繊維Aの繊維表面から分岐したフィブリル
B’、または/及び、主体繊維Aの表面から完全に分離
したフィブリルB”は、主体繊維Aの繊維表面を覆って
いる。また、図1に示すように、本発明の表面フィブリ
ル化繊維は、その主体繊維Aの端部、又は/及び中央部
がフィブリル状に分割されたものであっても良い。ここ
で、直径2μm以下のフィブリルBが主体繊維Aの繊維
軸方向に沿って、前記主体繊維表面を覆っているという
意味は、図2に示すように、主体繊維の繊維軸直角方向
の任意の断面に於いて、主体繊維表面の外側にフィブリ
ルBの断面が見られるような状態をいう。好ましくは、
主体繊維軸直角方向の任意の断面に於けるフィブリル断
面の観察される割合は90%以上である。この主体繊維
Aは、直径1μm〜100μmであり、フィブリルB
は、好ましくは、0.1μm〜2μmの直径を有し、フ
ィブリルBが主体繊維Aの繊維表面を繊維軸に沿って直
線的あるいは曲線的に積層されたように覆われている。
また、フィブリルBの多くは、そのものが分岐した構造
を有している。
【0016】このような構造を有する表面フィブリル化
繊維は不織布等に成形した場合、分岐した2μm以下の
繊維がからみあり、不織布等に機械的強度を与えるだけ
でなく、比表面積を増加させ、高い吸着特性を与えるこ
とができる。また、表面フィブリル化繊維は、必要に応
じて、所定長にカットして、紡績することにより、独特
の「ぬめり」感を有する糸条として利用することができ
る。
【0017】さらに、この表面フィブリル化繊維は、フ
ィブリル含有分割繊維の前駆体繊維としても利用でき
る。すなわち、表面フィブリル化繊維の該前駆体繊維
は、凝固工程などよる機械的負荷により、または、叩解
処理することによって、繊維直径を無段階に種々の太さ
を有するものとすることができる。
【0018】すなわち、本発明の第2の要旨は、少なく
ともセルロースエステル重合体を30重量%含有する重
合体からなり、直径2μm以下のフィブリル、及び、直
径100μm以下で、無段階に種々の太さを有する、ア
スペクト比(l/d)が1000以上である分割繊維か
ら構成されることを特徴とするフィブリル含有分割繊維
である。ここで、lは繊維長、dは繊維の見掛直径を示
す。本発明のフィブリル含有分割繊維とは、表面フィブ
リル化繊維の繊維が分割されて、分割繊維となったもの
を指し、また、分割繊維の直径が2μm以下となって、
分割繊維自体がフィブリル状になったものも含む。した
がって、分割繊維自体がフィブリル状となり、フィブリ
ルと一体となった集合体を形成する場合、繊維の直径は
好ましくは2μm以下であり、さらに好ましくは、フィ
ブリル、及び、繊維共、1μm以下の直径である。
【0019】本発明においては、叩解の程度は、任意に
コントロールできるものであり、前駆体繊維と叩解され
た繊維が混合されていても良く、またその混合割合も制
限するものではない。前駆体繊維を叩解することによっ
て、繊維はさらに分岐し、繊維軸方向に一部分は完全に
直径2μmのフィブリルまで分割され、また、他の一部
は部分的に分割され、さらに他の一部は叩解される前の
繊維直径を有する、無段階に種々の太さを有する繊維と
なる。それら繊維は、その一部が連続的に繋がり、他の
一部が不連続である繊維の集合体を形成する。このよう
な繊維構造は不織布等に供される繊維基材としてより好
適な形状を与えることができる。さらに、叩解を続ける
と最終的には、直径2μm以下(好ましくは1μm以
下)のフィブリル、及び、直径5μm以下(好ましくは
2μm以下)で、無段階に種々の太さを有する、アスペ
クト比(l/d)が1000以上であるフィブリル含有
分割繊維の集合体を形成する。さらには、繊維がすべて
フィブリルと同等の直径にまで分割され、直径2μm以
下のフィブリル状の繊維となる。
【0020】このような繊維は最終用途に応じて、叩解
条件を変更し、所望の形態の繊維を得ることができる。
例えば、エアーフィルター用の不織布等シート状物に供
される場合はシートに適切な強度を与える上で繊維の一
部がフィブリル化した構造、人工皮革に使用する場合は
独特な獣毛調風合いを出す上でほぼ100%フィブリル
状になった繊維から構成されるものが望ましい。
【0021】本発明においては、セルロースエステル以
外に、セルロースエステルを溶解させる溶媒に溶解可能
なセルロースエステル以外の重合体を、セルロースエス
テルと併用することが好ましい。このように他の重合体
を1種以上併用することで、さらに効率よく本発明の繊
維を得ることができ、しかも、他の重合体の機能(吸湿
性等)をセルロースエステルに付与することもできる。
【0022】これら他の重合体としては、例えば、セル
ロース、ポリアクリロニトリル系重合体、塩化ビニル、
ポリエステル系重合体、ポリスルホン等が上げられる
が、セルロースエステルの天然素材としての特性を損な
わないためにはセルロースおよび他のセルロース誘導体
等の天然高分子、あるいは繊維素材としての風合いを損
なわない上ではアクリロニトリル系重合体等フィルム形
成能を有する重合体が好ましい。例えば、セルロースと
セルロースアセテートの組み合わせでは、天然素材の風
合いを有する人工皮革、ニコチン、タールの吸着性に優
れたシガレットフィルターあるいは生分解機能を備えた
吸着性能に優れたなフィルター用不織布等の基材繊維と
なりうる。また、ポリアクリロニトリルとセルロースア
セテートの組み合わせでは吸湿性や優れた発色性を有す
るを人工皮革用素材として、ソフトな風合いを有する不
織布用の基材繊維として利用される。
【0023】本発明の第3の要旨は、少なくともセルロ
ースエステルを30重量%以上含有する重合体を溶媒に
溶解した紡糸原液を紡糸原液吐出口から吐出するに際し
て、該重合体の凝固剤流体を凝固剤流体噴出口から、該
紡糸原液の吐出線方向に対して0度以上、90度未満の
角度で噴出し、該重合体を剪断流速の中で凝固させ、形
成された凝固体を洗浄することを特徴とする表面フィブ
リル化繊維の製造方法である。
【0024】本発明では、紡糸原液の吐出線方向へ流体
が流れるように凝固剤流体を噴出するために、凝固剤流
体の噴出線方向と紡糸原液の吐出線方向のなす角度を0
度以上、90度未満であるように設定することが必要で
ある。凝固剤流体の噴出線方向と紡糸原液の吐出線方向
のなす角度が、前記範囲の場合、形成される凝固体と溶
媒および凝固剤の混合液をすみやかに混合セルの出口か
ら排出することが可能となる。さらに、好ましい角度は
20度から80度、より好ましくは30度から70度の
範囲に設定する必要がある。この範囲内で両液を吐出及
び噴出させることによって、混合セルに吐出される紡糸
原液と、混合セルに噴出される凝固剤流体が十分混合さ
れ、すみやかに紡糸原液と凝固剤流体の混合液は剪断流
となり、重合体は凝固され、本発明の表面フィブリル化
繊維を得ることが可能となる。
【0025】凝固剤流体の噴出線方向と紡糸原液の吐出
線方向が並行な場合、すなわち両者のなす角度が0度の
場合、紡糸原液と凝固剤流体は混合が不十分となり、得
られる表面フィブリル化繊維の断面は円形、楕円形およ
び矩形状を呈し、断面の大きさも不規則となり好ましく
ないが、他の重合体の混合あるいは適切な溶媒を選択す
ることにによって本発明繊維を得ることができる。逆
に、90度を越えると紡糸原液と凝固剤流体は十分混合
されるものの、凝固した重合体により、紡糸原液吐出
口、凝固剤噴出口等が詰まりやすくなる。
【0026】紡糸原液と凝固剤流体は十分混合されるよ
うに吐出、噴出される必要があり、上述したように紡糸
原液の吐出線方向および凝固剤流体の噴出線方向との角
度を調製する必要があるとともに、紡糸原液の吐出口お
よび凝固剤流体の噴出口も両液が接触できるようなノズ
ルに設計することとが好ましい。
【0027】本発明においては、紡糸原液吐出口と凝固
剤流体噴出口との合流部に備えた混合セル部に、紡糸原
液と吐出すると共に、凝固剤流体を噴出させることが好
ましい。混合セル内に吐出された紡糸原液は混合セル内
で凝固剤流体と混合され、凝固剤によって凝固される。
【0028】本発明でいう混合セルとは、紡糸原液と凝
固剤流体の混合による重合体の凝固および剪断を与える
箇所を意味し、具体的には紡糸原液と凝固剤流体が接触
した位置から下方部に設けられた、ある一定の長さを有
する隙間である。
【0029】本発明でいう凝固とは重合体溶液から表面
フィブリル化繊維が形成される最小限の溶媒と凝固剤の
置換を意味するものであり、凝固した繊維は溶媒を含有
したゲル状態をも含むものである。
【0030】本発明の製造方法において、さだかではな
いが、凝固された重合体は混合セル内でさらに剪断流速
下でさらに凝固が進むとともに、直径2μm以下のフィ
ブリルが繊維表面を覆うようになった、凝固剤又は溶媒
に膨潤された繊維の集合体を形成する。
【0031】形成された凝固体と溶媒および凝固剤流体
の混合流体は、ノズル系外に排出されるが、排出される
雰囲気としては、凝固剤や溶媒と凝固剤の混合溶媒によ
って調整される凝固液の気相又は液相が適宜選択でき
る。排出された凝固体は溶媒により膨潤状態にある場合
が多く、直接積層を行うと形成された凝固体同士が融着
し、得られる繊維の品位を損なう場合がある。このた
め、好ましくは液相中、さらに好ましくは重合体の溶媒
と凝固剤の混合液中に排出することが、膨潤状態にある
繊維の凝固を完結させること、洗浄等の後処理を効率よ
く行う上で、本発明の表面フィブリル化繊維を優位に製
造することができる。
【0032】また、形成された凝固体を直接凝固液中に
噴射する場合は、混合セルがなくても本発明の表面フィ
ブリル化繊維を得ることができる。
【0033】本発明おいては、セルロースエステル以外
に、セルロースエステルを溶解させる溶媒に溶解可能な
セルロースエステル以外の重合体を、セルロースエステ
ルと併用することが好ましい。セルロースエステルと他
の重合体の組み合わせとしては、該凝固剤に対する凝固
性のことなる組み合わせを選択する必要がある。この理
由は、さだかではないが、ノズル口より吐出された紡糸
原液が混合セル内で凝固剤流体の剪断下で凝固される際
に、各重合体の凝固速度の差によってフィブリルを発生
しやすくするためと推察される。
【0034】このような組み合わせとして、酢化度58
%以下のセルロースジアセテートとセルロースが好まし
く、その場合の溶媒としては、第三級アミンオキシド、
ニトロジエンジオキシド(N2O4)/ジメチルホルムア
ミド(DMF)の混合溶媒、塩化リチウム(LiCl)
/ジメチルアセトアミド(DMAC)の混合溶媒などが
用いることができ、凝固剤としては、水蒸気を用いるこ
とができる。セルロースエステル以外の重合体としてポ
リアクリロニトリル系重合体を用いて、セルロースアセ
テートとポリアクリロニトリル系重合体の組み合わせに
することも好ましく、その場合の溶媒としては、例え
ば、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等が
用いることができる。
【0035】本発明では、このようにして得た表面フィ
ブリル化繊維の前駆体繊維を、叩解により、極細にする
ことができる。叩解する方式としては、水に分散した溶
液を一般に使用されるミキサー、ビーター等の装置を使
用し、前駆体繊維とフィブリル含有分割繊維の比率を変
更した繊維の集合体を得ることができる。シート状に賦
形する後工程に応じて、増粘剤や消泡剤を添加すること
も可能である。また、前駆体繊維を適切な長さに切断し
た後、水分散を調製し、公知の方法により一旦シート状
に成形したのち、水流あるいは気流によって叩解するこ
とも可能である。
【0036】
【発明の実施の形態】ここで、本発明の高分子物質とし
て、セルロースエステル以外の重合体としてセルロース
を用いる場合について以下に詳しく述べる。セルロース
エステルとしては、酢化度58%以下のセルロースジア
セテートが良い。その理由は、酢化度が58%以上にな
ると後述するセルロースの溶媒に溶解しにくくなるため
である。セルロース材料としては、溶解パルプ及びパル
プフロック等から選択することできる。これらのパルプ
にはヘミセルロースやリグニン等が含まれていてもよ
い。これらの中でもα−セルロースの含有率が90重量
%以上であるパルプを用いることが好ましい。セルロー
ス材料として用いられるパルプの形状は、シート状及び
粉末状のいずれであってもよい。シート状のものはシュ
レッダー等の裁断機でチップ状にしてもよい。またセル
ロースの分子量が著しく低下しない範囲であれば、パル
プを粒子状に粉砕してもよい。セルロースアセテートと
セルロースの溶媒としては、第三級アミンオキシドであ
るN−メチルモルフォリン−N−オキシド、及び、N−
メチルモルフォリン−N−オキシドと均一に混合可能で
あり、かつセルロースを溶解不能な溶媒(以下非溶媒と
いう)と、からなる混合溶媒が挙げられる。ここで、非
溶媒として好ましく用いられるのは、水である。
【0037】セルロースアセテートとセルロースからな
る紡糸原液は、連続式、およびバッチ式のいずれでも調
整できる。すなわち、スクリュー式押出機等を用いて連
続的に溶解調整してもよく、また加熱手段および減圧脱
気手段を備えたタンク式の混練機でバッチ溶解調整して
もよい。溶解温度は特に限定はないが、90〜120℃
程度の範囲で行うのが好ましい。溶解温度があまり高温
では、セルロースの分解による重合度低下と溶媒の分解
および着色とが著しくなることがあり、またそれがあま
り低温では溶解が困難になることがある。
【0038】本発明繊維を得るためのセルロースアセテ
ート/セルロースの混合比率は100/0〜30/70
重量%で、好ましくは95/5〜60/40重量%であ
る。溶液の濃度は、6〜25重量%の範囲内にあること
が好ましい。さらに、好ましくは10〜22重量%であ
る。紡糸原液に用いられる混合溶媒中のN−メチルモル
フォリン−N−オキシド、およびセルロースの非溶媒で
あってN−メチルモルフォリン−N−オキシドに混合可
能な溶媒の含有率は、それぞれ、48〜90重量%、お
よび5〜22重量%が好ましい。なお、セルロースの非
溶媒に水を用いた場合、混合溶媒中に、重合体を投入す
る段階では、水の割合を20〜50重量%と大きく設定
し、その後減圧加熱下で水を除去し、水の割合を5〜2
2重量%に調整することが好ましい。
【0039】次に、セルロースアセテート以外の重合体
としてポリアクリロニトリル系重合体を用いる場合につ
いて説明する。本発明で用いるアクリロニトリル系重合
体は、通常のアクリル繊維を構成する重合体であれば特
に限定されない。アクリロニトリルの共重合成分として
は、通常のアクリル繊維を構成する共重合モノマーであ
れば特に限定されないが、例えば、以下のモノマーが挙
げられる。すなわち、アクリル酸メチル、アクリル酸エ
チル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチ
ル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸2ーヒ
ドロキシルエチル、アクリル酸ヒドロキシプロピルなど
に代表されるアクリル酸エステル類、メタアクリル酸メ
チル、メタアクリル酸エチル、メタクリル酸イソプロピ
ル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチ
ル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸n−ヘキシ
ル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸ラウリル、
メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒド
ロキシプロピル、メタクリル酸ジエチルアミノエチルエ
チルなどに代表されるメタクリル酸エステル類、アクリ
ル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、アクリ
ルアミド、N−メチロールアクリルアミド、ジアセトン
アクリルアミド、スチレン、ビニルトルエン、酢酸ビニ
ル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニリデン、フ
ッ化ビニル、フッ化ビニリデンなどの不飽和モノマーで
ある。さらに、染色改良などの目的で、p−スルホニル
メタリルエーテル、メタリルスルホン酸、アリルスルホ
ン酸、スチレンスルホン酸,2−アクリルアミド−2−
メチルプロパンスルホン酸、およびこれらのアルカリ金
属塩などを共重合してもよい。本発明に用いるアクリロ
ニトリル系重合体の分子量は特に限定されないが、分子
量10万以上かつ100万以下が望ましい。分子量10
万未満では、紡糸性が低下すると同時に原糸の糸質も悪
化する傾向にある。分子量100万を越えると紡糸原液
の最適粘度を与えるポリマー濃度が低くなり、生産性が
低下する傾向にある。
【0040】セルロースアセテートとアクリロニトリル
系重合体の混合物に用いられる溶媒としては、例えば、
ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等が上げ
られる。紡糸原液の調製は一般に公知な手法で容易に行
うことができる。
【0041】セルロースアセテート以外に他の重合体を
用いる場合の溶液の状態は、2種の重合体が相分離を起
こさない状態を維持されていれば問題はなく、該重合体
以外の他の高分子重合体物質、金属微粒子、改質剤ある
いは予め凝固剤を添加することも可能である。
【0042】このようにして得られた紡糸原液は通常工
業的に用いられる高粘度溶液を押し出すポンプ又は押し
出し機によって、紡糸ノズル1に供給される。図3及び
図4に本発明で使用される紡糸ノズル1を示す。本発明
の紡糸ノズル1は、紡糸原液の吐出部2と凝固剤流体の
噴出部3と、前記紡糸原液と前記凝固剤流体とが合流す
る混合セル部4とを備えており、前記紡糸原液吐出部2
の下流方向に沿って混合セル部4が直線上に配されてい
る。
【0043】前記紡糸原液吐出部2は、前記紡糸原液の
供給口2aに連結された供給室2bと、前記紡糸原液の
吐出方向を制御する紡糸原液流路2cを有している。前
記供給室2bは垂直方向に延びる円筒形状をなし、その
下端は徐々に絞り込まれてキャピラリー状の前記紡糸原
液流路2cに直線的に接続する。前記供給口2a及び供
給室2bは前記紡糸原液で使用されている重合体及び溶
剤、前記紡糸原液の粘度、又は吐出量に応じて適宜設定
が可能である。前記キャピラリー状の紡糸原液流路2c
は前記混合セル部4の上壁面に連通して前記紡糸原液の
吐出口2dを形成する。前記紡糸原液流路2cは前記紡
糸原液が前記紡糸原液吐出口2dから吐出されて前記凝
固剤流体と合流する際に斜行しない程度の長さに設定す
れば十分であり、一般に紡糸原液から繊維を紡糸する際
に使用される紡糸ノズル形状に用いられる構造により容
易に達成することができる。
【0044】なお、前記紡糸原液流路2cを図4に示す
ように、前記混合セル部4の上壁から突出させて前記紡
糸原液吐出口2dを前記混合セル部4の中程に形成する
ことも可能である。また、紡糸原液の吐出方向を制御す
るために前記紡糸原液流路2cの下流部にテーパー状の
絞り部を形成し、更に前記絞り部の下流をキャピラリー
状に形成することも可能であり、前記紡糸原液流路2c
の形状は前記紡糸原液に応じて適宜選択できる。前記紡
糸原液吐出口2dの大きさは、前記重合体溶液の粘度、
吐出量に応じ適宜選択可能であるが、概ね重合体溶液を
紡糸原液とした紡糸に使用されるノズルの口径であり、
数十μm(20μm)から数mm(2mm)の範囲で適
宜設定される。吐出口の形は特に限定するものではない
が、円径の吐出口が好ましく用いられる。
【0045】前記凝固剤噴出部3は、前記凝固剤流体の
供給口3aが形成された供給室3bと、前記凝固剤流体
の吐出方向を制御する凝固剤流路3cとを有し、前記凝
固剤流路3cは前記混合セル部4の上壁面に連通して前
記紡糸原液吐出口2dを囲む円形の開口が形成され、前
記開口が前記凝固剤流体の噴出口3dを形成する。な
お、前記凝固剤流路3cを前記混合セル部4の側部壁面
に連通して形成することも可能である。
【0046】前記凝固剤流路3cはその中心線が、前記
紡糸原液流路2cの中心線となす角度θが、前記紡糸原
液の吐出方向に0°≦θ<90°の範囲にあるように形
成される。図3のように、0°<θ<90°の範囲にし
ても良く。また、図4のように0°になるようにしても
良い。このように角度θを設定することにより、凝固剤
流体を該紡糸原液の吐出線方向に対して0度以上、90
度未満の角度で噴出させることができる。なお、好まし
くは、前記角度θを20°〜80°、より好ましくは3
0°〜70°の範囲となるように、前記凝固剤流路3c
を設定する。
【0047】更に、前記凝固剤流路3cは、同凝固剤流
路3cの中心線と前記紡糸原液流路2cの中心線との交
点Pの上流側に前記紡糸原液吐出口2dが配されるよう
に形成される。前記交点Pと前記紡糸原液吐出口2dと
の距離Lは0mm≦L≦10mmであることが好まし
い。前記紡糸原液吐出口2dが交点Pよりも下流側にあ
る場合、前記紡糸原液と前記凝固剤流体とは十分に混合
されず、フィブリルの発生度合いが極度に少なくなると
同時に、表面フィブリル化繊維の主体繊維の形状が楕円
形又はフィルム状を呈し好ましくない。また、交点Pよ
り必要以上に上方にある場合には、前記紡糸原液と前記
凝固剤流体の混合が円滑に行われず、前記混合セル部4
の壁面に重合体が付着し、前記混合セル部4の閉塞を誘
発する。更に、前記紡糸原液吐出口2dと前記凝固剤噴
出口3dとは、フィブリルの発生の度合いを向上させる
上で、ノズル製作上の制約範囲内で、可能な限り近くに
あることが好ましい。
【0048】更に、本実施の態様における前記凝固剤流
路3cは、前記紡糸原液吐出口2dを囲む円形のスリッ
ト形状であり、これは前記凝固剤流体を前記紡糸原液吐
出口2dから吐出された前記紡糸原液の周面に均一に噴
射するために好適な形状である。なお、複数のキャピラ
リー状流路を前記紡糸原液吐出口2dを中心にして放射
状に配することも可能である。前記凝固剤流路3cをス
リット形状にする場合、スリットの開度は特に限定され
るものではないが、概ね20μm〜1mmの範囲で設定
が可能である。前記凝固剤流体の噴出量は、前記紡糸原
液の吐出量に応じ、所望の表面フィブリル化繊維の形態
が得られるように設定されることが好ましい。なお、前
記凝固剤流体は気相状態にして噴射する場合が好ましい
が、このとき前記スリットの開度によって前記凝固剤流
体の噴出量をコントロールするよりも圧力コントロール
を行う方が容易である。また、前記凝固剤流体噴出口を
紡糸原液吐出口の中央に設けることも可能である。
【0049】混合セル部4は上壁に前記紡糸原液吐出口
2dと前記凝固剤噴出口3dとを有すると共に、下部は
開放して排出口4aを形成する円筒形状をなし、直径は
1mmφ以上、6mmφ以下に設定されている。前記混
合セル部4は前記紡糸原液流路2cの中心線と前記凝固
剤流路3cの中心線との交点Pから下流側に少なくとも
1mm以上の長さを有することが必要であり、前記紡糸
原液の吐出量、前記凝固剤流体の噴出量、又は所望する
表面フィブリル化繊維の形態に応じて適宜設定すること
ができる。前記混合セル部4の長さは、前記紡糸原液が
繊維形態に凝固するために要する時間を確保できる長
さ、及び剪断により重合体が表面フィブリル化繊維を形
成するために必要な長さがあれば十分であり、概ね交点
Pから下流側に1mm以上、好ましくは10mm以上、
更に好ましくは30mm以上である。なお、形成された
凝固体を直接凝固液中に噴射する場合は、混合セルがな
くても本発明の表面フィブリル化繊維を得ることができ
るが、紡糸原液吐出口2d、凝固剤流体の噴出口3dを
閉塞しないような長さの混合セルを設ける方が好まし
い。
【0050】前記混合セル部4の長さを長くすると得ら
れる主体繊維の平均デニールは小さくなり、また、フィ
ブリルの直径も小さくなるが、必要以上に長くすると生
成する主体繊維及びフィブリルによって詰まりが発生し
易くなる。逆に前記混合セル部4の長さを短くすると主
体繊維の平均デニールは大きくなり、また、主体繊維自
体が枝分かれすることも少なくなり、主体繊維の断面形
状は楕円〜フィルム状の不均一なものとなる。
【0051】前記混合セル4の径は、本発明が目的とす
る表面フィブリル化繊維を得る上で重要な要件である前
記混合セル部4内での前記凝固剤流体の線流速を支配す
る要因であり、十分な線流速を得られる大きさに設定す
る必要がある。なお、上述のような円筒形状に限るもの
ではなく、矩形スリットとすることも可能であり、その
場合でも断面の幅を1mm以上、6mm以下とすること
が好ましい。前記混合セル部4の断面積を小さくすれ
ば、線流速は増大するが、形成される主体繊維及びフィ
ブリルによる詰まりを発生し易くなり不都合が生じる。
逆に前記混合セル部4の断面積を大きくすると凝固剤流
体の線流速が低下し、フィブリルの発生の度合いが低下
してしまう。所望の表面フィブリル化繊維を得るために
必要な流速は、例えば凝固剤流体として気相状態を使用
した場合、100m/sec.以上の速度が必要であ
る。前記混合セル部4の断面積を大きくしても、気相の
流量を増加することによって必要な線流速を確保するこ
とも可能であるが、気相の流量の増大は溶剤回収等の後
工程での負荷が増大し、経済的不利益が大きくなる。前
記混合セル部4の形状は上記の如く十分な長さ及び必要
な線流速を確保できる断面積を有するものであればよ
く、断面の形状が円形、矩形等どのような形であっても
本発明の目的を達成することができる。また、前記混合
セル部4を前記排出口4aに向けて断面積が漸減又は漸
増する形状としたり、前記混合セル部4の先端部を丸く
して前記排出口4aを広げることもできる。
【0052】なお、前記混合セル部4に前記紡糸原液吐
出口2dを複数個設けることも可能であり、更に、複数
の前記紡糸原液吐出口2dそれぞれに対して前記凝固剤
噴出口3dを配して、1つの混合セル部4に設けること
も可能であり、生産性の高い紡糸ノズルを得ることがで
きる。
【0053】一方、混合セルの長さを一定として、紡糸
原液の吐出量を変更した場合、吐出量を上げると得られ
る主体繊維の平均デニールが太くなり、フィブリルも大
きくなる一方、繊維長も長くなる。逆に、吐出量を低下
すると、主体繊維の平均デニールは小さくなり、フィブ
リルの直径も小さくなる一方、繊維長は短くなる。
【0054】凝固剤流体の噴出量は混合セル内の剪断を
与える一方、紡糸原液との接触による重合体を凝固せし
める役割を有している。凝固を十分行う上での凝固流体
の適切な量は、重合体の種類、重合体の重合度、重合体
溶液の重合体濃度、重合体溶液の吐出量、使用する凝固
剤の種類、温度を適宜設定する必要がある。本発明にお
いて、例えば気相状態の凝固剤流体を使用する場合、混
合セル内での凝固剤流体が紡糸原液に対し十分な剪断を
与えるに必要な線流速を確保できるように、凝固剤流体
の流量を設定する。本発明の実施例に示すように、凝固
剤流体として気相状態の凝固剤流体を使用した場合、重
合体/凝固剤の重量比は概ね10から200の範囲にあ
るが、特に限定するものではない。凝固剤流体としては
使用する重合体によって適宜選択が可能であるが、工業
的には水が優位に使用される。また、十分な剪断流速を
得る上では、凝固剤流体が気相である方がより効果的で
あり、即ち、凝固剤流体として水蒸気を利用することに
よって、本発明の表面フィブリル化繊維を得るに十分な
剪断速度を容易に得ることができる。
【0055】上述した如く、混合セルの長さ、断面積、
紡糸原液の吐出量、紡糸原液の重合体濃度、凝固剤の噴
出量を調製することよって表面フィブリル化繊維の平均
デニール、及び繊維径を変更したものを得ることができ
る。
【0056】このようにして、前述した方法で調整され
た紡糸原液を前記紡糸原液供給口2aから前記紡糸原液
吐出部2へ供給すると共に、凝固剤流体を前記凝固剤供
給口3aから前記凝固剤噴射部3へ供給する。前記紡糸
原液は前記紡糸原液吐出部2の前記紡糸原液供給室2b
を通って前記紡糸原液流路2cにより吐出方向が規定さ
れ、前記紡糸原液吐出口2dから前記混合セル部4内へ
吐出される。それと同時に、前記凝固剤流体は前記凝固
剤噴射部3の前記供給室3bを通って前記凝固剤流路3
cにより噴射角度が規定され、前記凝固剤噴射口3dか
ら前記混合セル部4内の前記紡糸原液に向けて噴射され
る。前記紡糸原液は噴射された前記凝固剤流体と混合さ
れ、前記混合セル部4内で凝固、剪断を受けることによ
り表面フィブリル化繊維に賦形される。
【0057】さらに、混合セル4から、凝固体は凝固液
中に排出され、公知の方法で、さらに溶媒を除去するこ
とによって本発明の表面フィブリル化繊維を得ることが
できる。また、表面フィブリル化繊維を定法によって叩
解することにより、所望のフィブリル繊維を含んだ本発
明のフィブリル含有分割繊維を得ることができる。本発
明によるフィブリル含有分割繊維は洗浄工程、叩解工程
の後に公知のシート賦形装置を連続的に取り付け、シー
トを賦形後、公知の方法により乾燥を行うことによっ
て、不織布又は紙状に成形できる。なお、本発明で使用
される溶媒、凝固剤の回収は、蒸留等の公知の方法で回
収される。
【0058】
【実施例】次に本発明を実施例にて具体例に説明する。 [実施例1]セルロースジアセテート(ダイセル化学工
業社製 MBH)155gとセルロース(P&Gセルロ
ース社製 溶解パルプ V−60)75gを約41重量
%の水を含有するN−メチルモルフォリンN−オキシド
(サンテクノケミカル社製)2000g及び没食子酸プ
ロピル15gを、小平製作所製真空脱泡装置付きミキサ
ー(ACM−5型)に投入し、減圧加熱下で約2時間混
合しながら670gの水を脱水し、セルロースアセテー
ト/セルロースの均一溶液を調整した。溶解操作中は釜
温度を100℃に保った。次いで得られた溶液を100
℃に保ったまま、1.5kg/cm2 の窒素加圧下で押
し出し、ギヤポンプを用いて図3に示したノズル部へ定
量供給を行った。紡糸原液の吐出量はギヤポンプの回転
数により規定した。凝固剤流体として水蒸気を使用し、
水蒸気の供給量は減圧弁により供給圧力を規定すること
により行った。水蒸気量は図3に示すノズルより供給圧
力を変えて水蒸気のみを水中に噴射し、単位時間当たり
の重量の増分を求めることにより測定した。紡糸原液の
吐出口2の直径が0.2mm、混合セル部5の直径が2
mm、長さが24mm、凝固剤流体のスリット開度を3
90μmとし、紡糸原液の吐出線と水蒸気の吐出線との
なす角度が60度になるように製作したノズルを用い、
紡糸原液の供給量を4.5ml/min.、水蒸気の供
給圧を1.0kg/cm2 とし、温度30℃の水中へ噴
出した。このときの水蒸気消費量は水換算で73g/m
inであり、混合セル内の水蒸気の線流速を計算すると
約660m/sec.、水蒸気/重合体の比率は約10
0となった。凝固液中に浮遊した繊維を捕集し、更に沸
騰水中で1時間以上洗浄を行い、室温下で風乾を行っ
た。
【0059】この得られた繊維を走査型電子顕微鏡を用
いて、繊維断面、側面の形態を観察した。得られた繊維
は、直径1μm〜100μm、長さ1〜10cmで、
0.1〜1μmのフィブリルが繊維軸方向に沿って、繊
維表面に積層した構造を有する表面フィブリル化繊維で
あった。繊維の電子顕微鏡写真を図5(繊維側面)、図
6(繊維断面)に示す。得られた表面フィブリル化繊維
を前駆体繊維として、5m/mにカットし、該繊維5g
を水1Lに分散させ、家庭用ミキサーで30秒叩解処理
を行った。叩解処理後の繊維を風乾したのち、走査型電
子顕微鏡を用いて繊維側面の形態を観察した。直径1μ
m以下のフィブリルが前駆体繊維から分割し、絡みあっ
た状況が観察された。得られた電子顕微鏡写真を図7に
示した。さらに、叩解処理を続け、5分間の叩解処理を
行い、同様に得られた繊維を風乾した後、走査型電子顕
微鏡で側面を観察した。繊維は、ほぼ前駆体繊維の形は
なくなり、直径1μm以下の極細繊維の集合体であっ
た。得られた電子顕微鏡写真を図8に示す。さらに、叩
解処理を続け、合計20分間の叩解処理を行い繊維形状
を観察したところ、直径1μ以下のフィブリルからなる
極細繊維が交絡した状況が観察された。
【0060】[実施例2]セルロースジアセテート(ダ
イセル化学工業社製 MBH)230gと約41重量%
の水を含有するN−メチルモルフォリンN−オキシド2
000g及び没食子酸プロピル15gを、実施例1と同
様な装置を用い混合しながら、700gの水を脱水し、
セルロースジアセテートの溶液を調製した。次に得られ
た溶液を90℃に保ったまま、1.5kg/cm2の窒
素加圧下で押出、ギヤポンプを用いて実施例1と同様な
ノズルへ4.5ml/min.の速度で定量供給を行っ
た。さらに、実施例1と同様に凝固剤流体として水蒸気
を減圧弁により圧力を1.0kg/cm2に保ち混合セル
へ供給した。実施例1と同様な方法で水蒸気の供給流量
を測定したところ72g/min.であった。実施例1
と同様に水からなる凝固液へ吐出し、浮遊したセルロー
スジアセテート繊維を捕集し、十分洗浄を行い、乾燥し
た。得られた繊維は実施例1の前駆体繊維と同様の表面
フィブリル化繊維であるが、直径は、2μm以下のが多
く、その長さは1〜2cm程度であった。得られた前駆
体繊維を実施例1と同様な手法で5分間の叩解処理を施
したところ、図9に示す様に、ほとんどの前駆体繊維が
叩解により分割し、直径2μm以下のフィブリル状にな
った。
【0061】[実施例3]実施例1と同様の方法で調製
した原液を用い、ノズルの混合セルの長さを54m/m
にする以外、実施例1と同様な方法でセルロースジアセ
テート/セルロース重合体の賦形を行った。得られた繊
維は、直径0.5μm以下のフィブリルが繊維表面に積
層した構造を有する表面フィブリル化繊維であった。こ
の繊維を前駆体繊維として、実施例1と同様な方法で叩
解処理を5分間施したところ、実施例1と同様にほぼ前
駆体繊維が叩解されたフィブリル状の集合体になってい
た。 [実施例4]実施例1と同様の方法で調製した原液を用
い、ノズルの混合セルの長さを14m/mにする以外、
実施例1と同様な方法でセルロースアセテート/セルロ
ース重合体の賦形を行った。得られたの繊維は、フィブ
リルが繊維表面に積層した構造を有する表面フィブリル
化繊維であり、この繊維を前駆体繊維として、実施例1
と同様な方法で叩解処理を5min.間施したところ、
前駆体繊維が叩解されたフィブリル繊維が観察された。
【0062】[実施例5〜9]実施例1と同様な重合体
と溶剤を用い、実施例1と同様な方法でセルロースジア
セテート/セルロースの組成比率及び重合体濃度の異な
る溶液を調製し、実施例1と同様な方法で紡糸をおこな
い、同様な処理を実施して表面フィブリル化繊維の前駆
体繊維を得た。重合体の比率および紡糸原液の重合体濃
度を表1に示した。実施例5〜8で得られた表面フィブ
リル化繊維は実施例1と同様に、表面フィブリル化繊維
の周りに、直径1μm以下のフィブリルが繊維表面に積
層した構造を有していた。実施例1と同様な方法で5分
間の叩解処理を施した結果、実施例1と同様に前駆体繊
維が、分割により直径1μm以下のフィブリル状とな
り、そのフィブリルが絡み合った状況が観察された。実
施例9で得られた前駆体繊維の繊維表面は2μm以下の
フィブリルが繊維軸方向に積層した部分と網目状に積層
した部分が観察され、前駆体繊維も、一部分岐している
様子が観察された。実施例9の繊維を実施例1と同様な
方法で5分間の叩解処理を実施したところ、前駆体繊維
から分割したフィブリルが交絡した状況が観察された
が、実施例1に比較すると分割されない前駆体繊維が多
く残っていた。
【0063】
【表1】
【0064】[比較例1]セルロース(P&Gセルロー
ス社製 溶解パルプ Vー60)117gと約41重量
%の水を含有するN−メチルモルフォリンN−オキシド
2000g及び没食子酸プロピル15gを、実施例1と
同様な装置を用い約2時間混合しながら、648gの水
を脱水し、セルロースの均一溶液を調製した。溶解操作
は釜温度を100℃に保った。次に得られた紡糸原液を
100℃に保ったまま、1.5kg/cm2の窒素加圧
下で押出、ギヤポンプを用いて図3に示したノズル部へ
定量供給を行った。セルロース溶液の吐出量はギヤポン
プの回転数により規定した。実施例1と同様に凝固剤流
体として水蒸気を用いた。紡糸原液の吐出口2の直径が
0.2mm、混合セル部5の直径が2mm、長さが54
mm、凝固剤流体のスリット開度を390μmとし、紡
糸原液の吐出線と水蒸気の吐出線とのなす角度が60度
になるように製作したノズルを用い、紡糸原液の供給量
を6.0ml/min.、水蒸気の供給圧を1.5kg
/cm2 とし、温度30℃の水中へ噴出した。このとき
の水蒸気消費量を実施例1と同様な方法で測定したとこ
ろ水換算で87g/minであり、混合セル内の水蒸気
の線流速を計算すると約800m/sec.なった。実
施例1と同様に水からなる凝固液へ吐出し、浮遊したセ
ルロース繊維を捕集し、十分洗浄を行い、乾燥した。得
られたセルロース繊維は直径0.1μm〜数μmのフィ
ブリルが枝分かれした構造が観察されたが、繊維表面は
凹凸を有するだけで、フィブリルが繊維の表面に積層す
るような状態は観察されなかった。得られた繊維を実施
例1と同様な方法で5分間の叩解処理を実施したが、一
部のフィブリルが分岐した程度であった。
【0065】[実施例10]実施例1で使用したセルロ
ースジアセテート115gとアクリロニトリル/酢酸ビ
ニル=93/7重量%を水を媒体として過硫酸アンモニ
ウムと亜硫酸ナトリウムを重合触媒とし、重合を行い、
洗浄乾燥して、得られた比粘度0.17(0.1g/1
00ccのDMF溶液、25℃で測定)のアクリロニト
リル系重合体115gを770gのジメチルアセトアミ
ドに溶解し、セルロースジアセテート/アクリロニトリ
ル系重合体の23重量%の混合溶液を得た。この混合溶
液を紡糸原液として、実施例1と同様なノズルを用い、
紡糸原液を50℃に保ち、9.0ml/min.の速度
で混合セル内に吐出した。凝固流体として水蒸気を用
い、供給スチーム圧を1.0kg/cm2に保ち混合セル
内に噴出した。水蒸気流量は実施例1と同様な方法で測
定した結果、75g/min.であった。得られた繊維
を洗浄、乾燥した後、繊維の形態を観察した。得られた
繊維は太さ1μmから100μmであり、直径2μm以
下のフィブリルが繊維表面の繊維軸方向に積層した構造
を有する。得られた繊維を実施例1と同様な方法で5分
間の叩解処理を行ったところ、直径2μm以下のフィブ
リルが積層した構造が観察された。得られた電子顕微鏡
写真を図10に示す。
【0066】[実施例11]実施例10と同じ溶液を用
い、混合セル部の長さを1.5mmにする以外実施例1
0と同一条件で紡糸を行った。得られた繊維を実施例1
と同様な方法で5分間叩解した繊維を走査型電子顕微鏡
で観察したところ、実施例10とほぼ同様な繊維ができ
ることがわかった。
【0067】[実施例12]実施例10と同じ溶液を用
い、溶液の吐出線と凝固剤の噴出線が並行になる図4に
示す形状を有するノズルを用いて紡糸を行った。ノズル
は、紡糸原液の吐出口の直径2mmφ、凝固剤流体の流
路の開度250μm、紡糸原液の中心線と凝固剤流体流
路の中心線とのなす角度を60度とし、長さ0.3mm
の混合セルを設けた。実施例10と同様に紡糸原液の温
度を50℃に保ち、9.0ml/min.の速度で混合
セル内に吐出した。凝固剤流体として水蒸気を用い、水
蒸気は供給スチーム圧を1.0kg/cm2に保ち混合セ
ル内に噴出した。水蒸気流量は実施例1と同様な方法で
測定した結果、58g/min.であった。この時の、
水蒸気の混合セル内の線流速を計算したところ、約53
0m/secとなった。温度30℃の水中に紡出し、得
られた繊維を洗浄、乾燥した後、繊維の形態を観察し
た。得られた繊維は太さ1μmから100μm、であ
り、直径2μm以下のフィブリルが繊維の表面に積層し
た表面フィブリル化繊維であった。得られた表面フィブ
リル化繊維を前駆体繊維として、実施例1と同様な方法
で5分間の叩解処理を行ったところ、直径2μm以下の
フィブリルが積層した構造が観察されたが、一部分割さ
れない前駆体繊維も観察された。
【0068】[実施例13]実施例11と同じ紡糸原
液、ノズルを使用し、紡糸原液の吐出量を18.0ml
/min.にする以外、実施例12と同様な条件で紡糸
を行った。得られた繊維を観察したところ、実施例12
と同様な繊維が得られた。
【0069】[比較例2]実施例1で使用したセルロー
スジアセテート23gと実施例10で用いたアクリロニ
トリル系重合体207gを770gのジメチルアセトア
ミドに溶解し、セルロースジアセテート/アクリロニト
リル系重合体=10/90重量比の23重量%の混合溶
液を得た。この重合体溶液を実施例10と同じノズルを
用い、同様な条件で紡糸を行い、実施例1と同様な方法
で5分間の叩解処理を行い得られた繊維の形態観察を行
った。繊維断面は円形、矩形等不均一であり、繊維表面
は凹凸を有し、分割あるいは分岐したフィブリルは見ら
れなかった。
【0070】[比較例3]実施例2と同様な方式で調製
した重合体溶液を紡糸原液として用い、90℃に保ちな
がら、4.5ml/min.の速度で二流体ノズル(SP
RAYING SYSTEMS CO. 製 セットアップ No.22B)から
2.0kg/cm2ゲージ圧の水蒸気とともに30℃の水
中に吹き出したが、数分後にノズルが閉塞し、安定に紡
糸できなかった。
【0071】[比較例4]実施例2と同様な方式で調製
した重合体溶液を紡糸原液に用い、実施例2と同様なノ
ズルを用い紡糸を行った。紡糸原液を90℃に保ちなが
ら、4.5ml/min.の速度で混合セル内に吐出す
ると同時に、水蒸気の変わりにゲージ圧2.0kg/c
m2 加圧空気を凝固剤流体流路から混合セルへ噴出し
た。混合セルより塊状重合体が断続的に排出されるだけ
で、本発明の繊維は得られなかった。
【0072】
【発明の効果】本発明の表面フィブリル化繊維は、エア
ーフィルター等で、特に低圧力損失で高い濾過性能を要
求される不織布等のシート状物の基材繊維分野、あるい
は天然素材の風合いを有した人工皮革用の基材繊維等、
広い分野で有効に利用できる。また、本発明の製造方法
によれば、直径2μm以下のフィブリルを含有する繊維
を工業的に優位な方法で製造することが可能であり、さ
らに従来の技術では不可能であった比較的ガラス転移温
度の高い重合体または熱変性を受ける重合体のフィブリ
ル、及び極細繊維を低コストでしかも、安定に製造する
ことが可能であり、その工業的な意味は大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の表面フィブリル化繊維の側面を示す模
式図である。
【図2】本発明の表面フィブリル化繊維の繊維軸直角方
向の断面を示す模式図である。
【図3】本発明に用いられるノズルの一例を示す断面図
である。
【図4】本発明で用いられるノズルの別の一例を示す断
面図である。
【図5】本発明の実施例1で得られた表面フィブリル化
繊維の形態の一例を示す電子顕微鏡写真(2,000
倍)である。
【図6】本発明の実施例1で得られた表面フィブリル化
繊維の形態の一例を示す電子顕微鏡写真(500倍)で
ある。
【図7】本発明の実施例1で得られた前駆体繊維を30
秒間叩解処理した後のフィブリル含有分割繊維の一例を
示す電子顕微鏡写真(1,000倍)である。
【図8】本発明の実施例1で得られた前駆体繊維を5分
間叩解処理した後のフィブリル含有分割繊維の一例を示
す電子顕微鏡写真(1,000倍)である。
【図9】本発明の実施例2で得られた前駆体繊維を5分
間叩解処理したフィブリル含有分割繊維の形態の一例を
示す電子顕微鏡写真(3,500倍)である。
【図10】本発明の実施例10で得られた前駆体繊維を
5分間叩解処理したフィブリル含有分割繊維の形態の一
例を示す電子顕微鏡写真(1,000倍)である。
【符号の説明】
A :主体繊維 B :フィブリル B’:主体繊維表面から分岐したフィブリル B”:主体繊維表面から完全に分離したフィブリルB’ 1 :紡糸ノズル 2 :紡糸原液吐出部 2a:紡糸原液供給口 2b:紡糸原液供給室 2c:紡糸原液流路 2d:紡糸原液吐出部 3 :凝固剤噴出部 3a:凝固剤供給口 3b:凝固剤供給室 3c:凝固剤流路 3d:凝固剤噴出口 4 :混合セル部 4a:排出口 P :紡糸流路の中心線と凝固剤流路の中心線との交点 θ :紡糸流路の中心線と凝固剤流路の中心線との角度
フロントページの続き (72)発明者 小桜 隆史 広島県大竹市御幸町20番1号 三菱レイヨ ン株式会社中央技術研究所内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくともセルロースエステルを30重
    量%含有する重合体からなり、直径2μm以下のフィブ
    リルが主体繊維の繊維軸方向に沿って、前記主体繊維表
    面のほとんどを覆っていることを特徴とする表面フィブ
    リル化繊維。
  2. 【請求項2】 セルロースエステルを溶解させる溶媒に
    溶解可能なセルロースエステル以外の重合体を含有する
    請求項1記載の表面フィブリル化繊維。
  3. 【請求項3】 少なくともセルロースエステル重合体を
    30重量%含有する重合体からなり、直径2μm以下の
    フィブリル、及び、直径100μm以下で、無段階に種
    々の太さを有する、アスペクト比(l/d)が1000
    以上である分割繊維から構成されることを特徴とするフ
    ィブリル含有分割繊維。
  4. 【請求項4】 分割繊維の直径が2μm以下で、分割繊
    維自体がフィブリル状である請求項3記載のフィブリル
    含有分割繊維。
  5. 【請求項5】 セルロースエステルを溶解させる溶媒に
    溶解可能なセルロースエステル以外の重合体を含有する
    請求項3又は4記載のフィブリル含有分割繊維。
  6. 【請求項6】 少なくともセルロースエステルを30重
    量%以上含有する重合体を溶媒に溶解した紡糸原液を紡
    糸原液吐出口から吐出するに際して、該重合体の凝固剤
    流体を凝固剤流体噴出口から、該紡糸原液の吐出線方向
    に対して0度以上、90度未満の角度で噴出し、該重合
    体を剪断流速の中で凝固させ、形成された凝固体を洗浄
    することを特徴とする表面フィブリル化繊維の製造方
    法。
  7. 【請求項7】 紡糸原液吐出口と凝固剤流体噴出口との
    合流部に備えた混合セル部に、紡糸原液と吐出すると共
    に、凝固剤流体を噴出させる請求項6記載の表面フィブ
    リル化繊維の製造方法。
  8. 【請求項8】 剪断流速の中で凝固された凝固体を、凝
    固剤溶液中に噴出させる請求項6、又は請求項7記載の
    表面フィブリル化繊維の製造方法。
  9. 【請求項9】 溶媒が第三級アミンオキシドである請求
    項6、請求項7又は請求項8記載の表面フィブリル化繊
    維の製造方法。
  10. 【請求項10】 凝固剤流体が水蒸気である請求項6、
    請求項7、請求項8又は請求項9記載の表面フィブリル
    化繊維の製造方法。
  11. 【請求項11】 請求項6記載の方法で得た表面フィブ
    リル化繊維を、叩解により、極細にすることを特徴とす
    るフィブリル含有分割繊維の製造方法。
JP12400996A 1996-03-06 1996-04-22 表面フィブリル化繊維及びそれから得られるフィブリル含有分割繊維、並びにそれらの製造方法 Pending JPH09291413A (ja)

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