JPH09292284A - 圧電アクチュエータ及びそれを用いた焦電型赤外線センサ - Google Patents

圧電アクチュエータ及びそれを用いた焦電型赤外線センサ

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JPH09292284A
JPH09292284A JP8105061A JP10506196A JPH09292284A JP H09292284 A JPH09292284 A JP H09292284A JP 8105061 A JP8105061 A JP 8105061A JP 10506196 A JP10506196 A JP 10506196A JP H09292284 A JPH09292284 A JP H09292284A
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displacement
shim
piezoelectric
piezoelectric actuator
chopper
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JP8105061A
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Katsumasa Miki
勝政 三木
Takeshi Masutani
武 増谷
Koji Nomura
幸治 野村
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Panasonic Holdings Corp
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 共振近傍で安定駆動を行う赤外線センサ用チ
ョッパを主目的とする貼り合わせ素子型圧電アクチュエ
ータにおいて、回動運動による他部材との接触を防止す
る。 【解決手段】 平板状の弾性体を折曲げてシム11、変
位拡大部13、変位部材18、結合部19を一体的に構
成し、シム11に圧電体12を接着してユニモルフ型貼
合わせ素子を構成し、変位部材18の平板部分の法線が
変位拡大部13の長手方向と、変位方向と両方に直行す
るように構成したので、変位量増大にともなって発生す
る変位の回動運動による赤外線検出部16との接触を防
止できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電気信号を機械的運
動に変換する圧電アクチュエータ及びそれを用いた焦電
型赤外線センサに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、焦電型赤外線センサは、電子レン
ジにおける調理物の温度測定や、エアコンにおける人体
の位置検出などの幅広い分野で利用され、今後ますます
需要が大きくなると思われる。焦電型赤外線センサは、
LiTaO3単結晶等の焦電体による焦電効果を利用し
たものである。焦電体は自発分極を有しており常に表面
電荷が発生するが、大気中における定常状態では大気中
の電荷と結びついて電気的に中性を保っており、この焦
電体に赤外線が入射すると焦電体の温度が変化し、これ
にともない表面の電荷状態も中性状態が壊れて変化す
る。この表面に発生する電荷を検知し赤外線入射量を測
定するのが焦電型赤外線センサである。
【0003】物体はその温度に応じた赤外線を放射して
おり、この焦電型赤外線センサを用いることにより物体
の位置や温度を検出できる。焦電効果は赤外線の入射量
の変化に起因するものであり、焦電型赤外線センサとし
て物体の温度を検出する場合、赤外線入射量を変化させ
る必要がある。この手段として用いられる手段をチョッ
パといい、入射する赤外線を強制的に断続し検出物体の
温度を検出する。従来のチョッパとしては、電磁モータ
及び圧電アクチュエータ等が用いられていた。
【0004】図5は弾性体平板に圧電体を接着したアク
チュエータをチョッパとして用いた焦電型赤外線センサ
の従来例である。一般的に金属等の弾性体平板に圧電体
を接着して貼合わせて素子を構成し、その素子の片端を
固定し、圧電体による歪を利用して全体を屈曲運動を発
生させるアクチュエータは、一般には弾性体平板の両面
に圧電体を接着したものはバイモルフ型、片面にのみ接
着したものはユニモルフ型と呼ばれており、また弾性体
平板はシムと呼ばれており、以下各部材をそのように呼
ぶ。
【0005】図5はバイモルフ型素子を焦電型赤外線セ
ンサ用チョッパとして用いたものであり、51はシム、
52a,52bは圧電体、53は遮蔽板、54は台座、
55は固定具、56はシム用配線、57a,57bは圧
電体用配線、58は赤外線検出部、59はスリット、6
0は赤外線である。
【0006】シム51の両面には圧電体52a,52b
がそれぞれ接着され、三者が一体となりバイモルフ型素
子が構成されている。圧電体52a,52bは表面に電
極が印刷され、また接着面に対し垂直方向に分極処理が
施されており、圧電体52a,52bそれぞれの分極の
方向は、シム51から取り出された配線56と圧電体5
2a,52bから取り出された配線57a,57bによ
りシム51と圧電体52a,52bそれぞれの間に加え
られる電界の向きにより異なるが、圧電体52a,52
bが常に互いに逆の方向に歪を発生するように決められ
る。すなわち、圧電体52a,52bの片方が分極方向
に伸びる方向で歪むとき、もう一方は分極方向に縮むよ
うに印加電界の方向と分極方向は決められる。
【0007】バイモルフ型素子は台座54と固定具55
とによりシム51の部分と圧電体52a,52bの部分
が同時に挟み込まれることにより保持されている。シム
51の圧電体52a,52bが接着されていない部分に
はシム用配線56が取り付けられ、また圧電体52a,
52bの表面には圧電体用配線57a,57bが取り付
けられている。バイモルフ型素子の自由端の先端部分に
は遮蔽板53が取り付けられ、遮蔽板53にはスリット
59が設けられている。遮蔽板53の近傍には赤外線検
出部58が遮蔽板53及びバイモルフ型素子に接触しな
いように配置される。
【0008】シム用配線56及び圧電体用配線57a,
57bによりシム51と圧電体52a,52bの間にそ
れぞれ電界が印加されると、バイモルフ型素子は片端固
定の屈曲運動を発生し、先端に取り付けられた遮蔽板5
3及びスリット59は電界の印加方向の変化に応じて往
復運動を行う。このスリット59の往復運動により赤外
線検出部58に入射する赤外線60を断続する。
【0009】しかしながら、上記の構成のバイモルフ型
チョッパは、赤外線を断続するのに十分な移動距離を得
るために固定部から先端の移動部までの寸法を大きくす
る必要があり、また非常に高い駆動電圧が必要である。
【0010】そこで、従来の改善方法として、バイモル
フ型素子あるいはユニモルフ型素子の先端移動部分に荷
重負荷を設けて共振周波数を低下させ、固定をシム部分
のみで行うことにより圧電体が脆性破壊することを防止
し、更に必要に応じて固定部近傍のシムに切り欠きを設
けるなどの手段により共振周波数をより低下させること
で、低電圧駆動で大きな変位を得ることができる。以下
に上記の特徴を持つチョッパの構造の一例を示す。
【0011】図6は従来の改善例における焦電型赤外線
センサ用チョッパとしてのユニモルフ型素子をシム部分
の固定場所の幅が細くなるように成形した場合の一例を
示す斜視図である。図6において、61a,61bはシ
ム、62a,62bは圧電体、63a,63bは重り、
64はセンサ台座、65a,65bはユニモルフ型素子
固定具、66a,66bはシム用配線、67a,67b
は圧電体用配線、68は赤外線検出部、69a,69b
はユニモルフ型素子固定ネジ、70は赤外線である。
【0012】また図7はシム61a,61bの詳細を示
す斜視図であり、71は遮蔽部、72は圧電体接着部、
73は切り欠き部、74は位置決め部、75a,75b
は固定用穴である。遮蔽部71と圧電体接着部72は折
曲げによって直角をなし、圧電体接着部72から位置決
め部74にいたる間に幅が圧電体接着部72よりも小さ
くなるように切り欠き部73を設け、位置決め部74の
両端には固定用穴75a,75bが設けられている。
【0013】シム61a,61bは図7に示すように幅
が細い切り欠き部73が設けられ、切り欠き部73にお
いて図6に示すようにセンサ台座64とユニモルフ型素
子固定具65a,65bによって挟まれ、更にユニモル
フ型素子固定ネジ69a,69bをそれぞれ固定用穴7
5a,75bに挿入して位置決め及び片端固定され、互
いに平行に向かい合うように配置されている。またシム
61a,61bのそれぞれ向かい合う面すなわち圧電体
接着部72には圧電体62a,62bが、センサ台座6
4やユニモルフ型素子固定具65a,65b及びシム6
1a,61bの先端の遮蔽部71、加えて切り欠き部7
3に接触しない位置で接着されてユニモルフ型圧電アク
チュエータを構成している。
【0014】赤外線検出部68はセンサ台座64上のユ
ニモルフ型素子の自由端近傍に配置され、赤外線70の
入射あるいは遮断を受ける。赤外線70を断続する遮蔽
部71はシム61a,61bの固定する側とは反対側の
端部を折曲げて構成され、この部分の平面部分に重り6
3a,63bがそれぞれ接着されている。シム61a,
61bの可動部以外の一箇所すなわち位置決め部74の
一箇所にはシム用配線66a,66bが、圧電体62
a,62bには圧電体用配線67a,67bがそれぞれ
ユニモルフ型素子の固定部に近い位置で取り付けられて
おり、シム用配線66a,66b及び圧電体用配線67
a,67bによりシム61aと圧電体62a、シム61
bと圧電体62bの間に電界を加えるとユニモルフ型素
子は曲げを起こし、先端の遮蔽部71が移動する。2つ
のユニモルフ型素子を同一周波数にて反対方向に駆動
し、赤外線70を断続的に遮断する。
【0015】圧電体とユニモルフ型素子の固定部の間の
シム部に切り欠き部73を設けることで、同一寸法で切
り欠き部を設けないユニモルフ型素子に比べてより共振
周波数を低下させることができるので、切り欠き部を設
けないものに比べてチョッパの小型化と低周波数駆動時
の変位量の増大が図れる。
【0016】以上のようにユニモルフ型素子を始めとす
る貼合わせ型素子の共振近傍での駆動により様々な利点
が得られるが、共振周波数近傍での駆動であるのでチョ
ッパの共振周波数が固体間でばらついた場合には大きな
変位量の差が発生し、一定に保つためには微細な調整
や、高精度が要求される部品加工や組立が必要であっ
た。また経時的に共振周波数が変化した場合には変位が
著しく変化した。さらに、変位の安定化を図るために共
振から駆動周波数を離すと、変位量は低下し同様の変位
を得るためには高い駆動電圧を必要とした。かつ、形状
を小型化して変位を得る場合、シムと圧電体との接着層
への負担が増大して剥がれの原因となる。このような課
題は従来例のチョッパに限らず、共振を利用した場合全
てに等しい課題である。
【0017】以上のような共振駆動の持つ問題を改善す
るため、以下の圧電アクチュエータを提案した。
【0018】図8はユニモルフ型の圧電アクチュエータ
に変位拡大部を設けた焦電型赤外線センサ用チョッパの
一例を示す斜視図である。
【0019】図8において、81はシム、82は圧電
体、83は変位拡大部、84はセンサ台座、85は固定
具、86a,86bは固定用ネジ、87はシム用配線、
88は圧電体用配線、89は赤外線検出部、90は赤外
線、91は折曲げ部である。
【0020】リン青銅やステンレス系合金等の弾性体平
板をコの字状に折曲げることによってシム81と変位拡
大部83は一体的にかつ結合部よりシム81及び変位拡
大部83は互いに平行および同一方向に長手寸法を有す
る構成となってる。さらに変位拡大部83において、結
合部と反対の先端は直角にかつシム81とは反対側に折
曲げ部91が形成されている。シム81の表面において
圧電体82が接着されて圧電体接着部(ユニモルフ型素
子)を形成している。
【0021】シム81は変位拡大部83との結合部の反
対側の端部近傍においてセンサ台座84と固定具85に
よって挟まれ、さらにセンサ台座84にはめネジ加工
が、固定具85には孔加工が施され、固定用ネジ86
a,86bによって固定されている。センサ台座84上
において赤外線検出部89が配置され、前記の変位拡大
部83の先端の折曲げ部91の近傍に位置している。
【0022】また、シム81の固定部近傍にはシム用配
線87が、さらに圧電体82の接着側と反対の表面のシ
ム81の固定部に近い位置においては圧電体用配線88
がそれぞれ取り付けられている。ここでシム用配線87
と圧電体用配線88より交流信号を印加するとシム81
と圧電体82との間に電位差が生じ、圧電体接着部の変
位拡大部83との結合部が変位し、これに応じて変位拡
大部先端部の折曲げ部91も変位し、この運動によって
赤外線検出部89の入射する赤外線90を断続し、チョ
ッパとしての役割を果たす。
【0023】ここで、前記構成の圧電アクチュエータ
(チョッパ)の共振特性を図9に示す。
【0024】図9はコの字状に折曲げられたシムと変位
拡大部からなる圧電アクチュエータの共振特性の一例で
あり、縦軸はアドミッタンス、横軸は駆動周波数を示し
ている。駆動周波数f1,f2のそれぞれの周波数におい
て共振現象を有していることがわかり、これらはそれぞ
れ前記圧電アクチュエータの主に圧電体接着部の振動に
起因する共振と、主に変位拡大部の振動に起因する共振
のいずれかであり、圧電アクチュエータの構成によりい
ずれかに相当し、また構成によって駆動周波数f1とf2
の差も変化する。
【0025】前記のようにシムと変位拡大部とを結合部
から同一方向に長手寸法を有する構成とすることによ
り、駆動周波数f1とf2の相対位置の操作が容易なもの
となる。例えば変位拡大部の長手寸法が一定で圧電体接
着部の固定部から圧電体までの長さのみを変化させた場
合、すなわち圧電体接着部の長手寸法のみを変化させた
場合において、当初圧電体接着部の長手寸法が短い状態
で圧電体接着部に起因する共振周波数がf2に相当した
場合、すなわち圧電体接着部に起因する共振周波数が変
位拡大部に起因する共振周波数よりも高い場合、圧電体
接着部の長手寸法を段々と長くしていくと両者の共振周
波数は相対的に近づき、ある長さにおいて両者は1つの
共振として重なった状態となり、さらに圧電体接着部の
長手寸法を長くした場合には両者の相対位置は逆転し、
変位拡大部に起因する共振周波数の方が圧電体接着部に
起因する共振周波数よりも高い値を有するようになる。
【0026】この時、駆動周波数f1とf2の間を近接さ
せる構成とした場合の変位拡大部の先端の変位と、駆動
周波数の関係を図10に示す。図10において、縦軸は
変位拡大部の先端部の変位、横軸は駆動周波数を示して
いる。
【0027】f1とf2の間の駆動周波数において両方の
共振の影響により変位が拡大され、かつ比較的変位量が
安定な周波数領域が存在することがわかる。よって、駆
動周波数f1とf2を近接させ、両周波数の間の周波数に
おいて駆動することにより共振による変位拡大効果と安
定した変位とが得られる。
【0028】またf1を圧電体接着部に主に起因する共
振周波数、f2を変位拡大部に主に起因する共振周波数
とすること、すなわち圧電体接着部に主に起因する共振
周波数よりも変位拡大部に主に起因する共振周波数の方
が高い構成を有することにより、変位は拡大されて安定
で、かつ印加した交流信号と変位拡大部の先端の時間差
が一定の周波数領域をさらに広く確保できる。
【0029】通常の共振を利用したユニモルフ型アクチ
ュエータは変位が駆動周波数により大幅な変化を示し、
これを安定にするため共振周波数より5%程度離れた周
波数において駆動した場合、同様の変位を得るためには
高い電圧を必要とした。これに対して前記の構成を有す
る圧電アクチュエータの場合、シムが約16mmの長手方
向の寸法を有し、変位拡大部に起因する共振周波数f2
が約100Hz、圧電体接着部に起因する共振周波数f1
が約85Hzとしたとき、f1とf2の間で駆動した場合±
30Vの交流印加により、変位拡大部の先端において
1.1±0.05mmの変位を約6Hzの区間で得ることが
可能である。
【0030】同様の効果は圧電体接着部の長手寸法が1
8mm以下の状態において、変位拡大部の長手寸法に応じ
てf2が120Hz以下の構成を有する圧電アクチュエー
タの場合、f2とf1の差がほぼf2の5〜25%の間に
おいて得られる。5%以内であっても同様の効果は得ら
れるが、この場合駆動を行える周波数領域が少なくなる
場合や、1方の共振が励振されなくなる場合がある。
【0031】以上のように前記の構成とすることによ
り、共振を利用しての駆動がより低電圧で安定して行
え、駆動及び組立、部材の加工が容易になる。さらに圧
電体と接着した部分の振動量を低くできるので圧電体と
シムとの剥離が起こりにくくなる。また折曲げた構成に
より全体の長手寸法が小型化し、この構成を焦電型赤外
線センサのチョッパとして用いることにより、焦電型赤
外線センサ全体の小型化が図れ、また赤外線検出部と同
一の台座への固定を行うことで簡易に赤外線検出部との
一体化が図れ、加えて赤外線検出部の近傍を開閉するこ
とができるので、開閉の面積を少なくできてチョッパの
負担を軽減できる。さらに、低電圧での駆動により圧電
体からのノイズが赤外線検出部への影響を低減できる。
【0032】以上の特徴を有するチョッパを簡易のため
に以下W共振型チョッパあるいはアクチュエータと呼
ぶ。
【0033】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら従来のW
共振型チョッパは、小型化と変位量の増加が図れた反
面、形状的な影響により変位拡大部の先端の変位が直線
運動から回動運動に近くなり、駆動時に折曲げ部が他の
部材と接触するといった問題が発生し、この結果焦電型
赤外線センサにおいては赤外線検出部と折曲げ部とを離
さなければならず、センサユニット全体の構造の大型化
や、チョッパに要求される変位量の増大による信頼性の
低下、入射赤外線に対する相対的な開閉面積の低下によ
るセンサの精度低下等が問題となった。
【0034】本発明は以上のようなチョッパの小型化に
伴う弊害を解消し、赤外線検出部等他部材との接触を防
止し、焦電型赤外線センサとしての精度を確保できる圧
電アクチュエータを提供することを目的とする。
【0035】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明の圧電アクチュエータは、一端を固定部に固定
した弾性部材からなるシムの他端に結合部を介してシム
とほぼ平行となる変位拡大部を一体に設け、前記シムに
分極処理された平板状の圧電体を接着し、変位拡大部の
自由端に少なくとも変位拡大部の長手方向と変位方向の
両方に対して垂直な平面をもつ変位部材を設けた構成と
したものである。
【0036】この構成とすることにより、信頼性に富ん
だ圧電アクチュエータが得られる。
【0037】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明
は、一端を固定部に固定した弾性部材からなるシムの他
端に結合部を介してシムとほぼ平行となる変位拡大部を
一体に設け、前記シムに分極処理された平板状の圧電体
を接着し、変位拡大部の自由端に少なくとも変位拡大部
の長手方向と変位方向の両方に対して垂直な平面をもつ
変位部材を設けた構成であり、この構成により変位部材
は変位拡大部の変位方向と平行に移動するため変位方向
以外の方向への動きを抑え、他の部材との接触を阻止で
き小型化が図れることになる。
【0038】請求項2に記載の発明は、変位部材を変位
拡大部と一体のもので構成してものであり、これにより
単なる折曲げによって構成できることになる。
【0039】請求項3に記載の発明は、変位部材を変位
拡大部とは別の部材で構成したものであり、加工が容易
で材料の有効活用が図れることになる。
【0040】請求項4に記載の発明は、変位拡大部にス
リットを設け、このスリットにより分離された部分を折
曲げて変位部材としたものであり、簡単に変位部材の形
成が可能となる。
【0041】請求項5に記載の発明は、変位拡大部の自
由端の一部を変位拡大部の幅方向に対して10〜90度
の角度をなす平面部となるように折曲げて変位部材とし
たものであり、単純な折曲げ加工だけで構成でき、強度
的にも優れたものとなる。
【0042】請求項6に記載の発明は、請求項1〜5の
いずれかに記載の圧電アクチュエータを用い、この圧電
アクチュエータの変位部材を赤外線検出部へ入射する赤
外線の断続手段とした焦電型赤外線センサであり、全体
として小型化が図れることになる。
【0043】以下、具体的な実施の形態を図面を用いて
説明する。 (実施の形態1)図1は本発明の第1の実施の形態にお
ける圧電アクチュエータとしてのW共振型チョッパにお
いて変位拡大部に取り付けられる平板形状の変位部材
を、平板形状部の平面が変位拡大部の自由端の変位方向
と、前記変位拡大部において前記圧電体接着部との結合
部から自由端への方向の2方向に対して垂直な法線をも
つ平面に対して平行である構成とし、焦電型赤外線セン
サと組み合わせた一例を示す斜視図である。
【0044】図1において、11は弾性体平板からなる
シム、12はこのシム11の片面に接着した圧電体、1
3はシム11と同じ弾性体平板からなる変位拡大部、1
4はシム11の一端を固定する固定部、15は圧電体用
配線、16は赤外線検出部、17は赤外線、18は変位
拡大部13の自由端に設けた変位部材、19はシム11
と変位拡大部13とも連結する結合部である。
【0045】シム11は材質として銅、鉄系の金属平板
が主として用いられ、中でも42アロイやスーパーイン
バーと呼ばれるような鉄とニッケル等の合金を用いるこ
とで、圧電体12との熱膨張の差を小さくでき変位位置
の温度依存性を小さくできる。シム11、変位拡大部1
3、変位部材18と結合部19は一体の金属部材により
構成され、平板形状よりそれぞれ折曲げることによって
形成されている。シム11と変位拡大部13は互いに平
行であり、結合部19を介してコの字形状を成してい
る。
【0046】シム11には平面に対して垂直方向に分極
された圧電体12が片面に接着されており、圧電体接着
部が構成されている。シム11の結合部19の反対側は
固定部14に、ネジ止め、接着あるいは溶接等によって
固定されている。圧電体12の表面には圧電体用配線1
5が取り付けられ、固定部14の材質は銅等の導電性材
料とする。変位部材18の平面部は変位拡大部13の平
面に対してほぼ直角に折り曲げられている。
【0047】圧電体用配線15と固定部14との間に交
流信号を加えることによって圧電体接着部には電界がか
かり、圧電体接着部にたわみが発生し、これにともなっ
て変位拡大部13の自由端が変位するのは従来例に述べ
たものと同様である。変位拡大部13の自由端の変位は
厳密に言えば回動運動であるが、特に変位量が小さい場
合には変位拡大部13の平面に垂直な方向での直線往復
運動と見なせる。
【0048】変位部材18は変位拡大部13の自由端近
傍に配置することにより最も変位量を大きくできる。か
つ変位部材18のもつ平面は、前述した変位拡大部13
の自由端の直線往復運動の方向と平行であり、さらに変
位拡大部13の自由端と結合部19を結ぶ方向、すなわ
ち変位拡大部13の長手方向に対しても平行であるよう
に位置している。言い替えれば、変位部材18平面は、
変位拡大部13と変位方向の両方に垂直な法線をもつ。
変位部材18の近傍には赤外線検出部16が、赤外線1
7が入射してくる側の逆側に配置され、変位部材18の
平面は赤外線17の入射方向と直角を成している。
【0049】全体の長手寸法が短く、かつ変位量が大き
くなると、変位は直線往復運動から回動運動へと移行し
ていく。この場合変位拡大部13の自由端は変位拡大部
13の長手方向に位置が変動するが、赤外線17の入射
方向には変動しない。よって赤外線検出部16と変位部
材18との接触も防止できる。
【0050】以上の構成に加え、従来例で述べたW共振
型チョッパの共振特性及び駆動方法を用いることによっ
て、変位部材18の変位量を安定にかつ大きなものとで
き、焦電型赤外線センサの小型化、特性の安定化に寄与
する。また本実施の形態の構成をとることによって赤外
線検出部16と変位部材18との接触を防止できるの
で、両者の間隔を小さくでき、焦電型赤外線センサ全体
の小型化が図れる。
【0051】また、通常焦電型赤外線センサはレンズ等
の集光手段を有しており、よって赤外線17が通過する
範囲は赤外線検出部16に近いほど狭い。ゆえに赤外線
検出部16とチョッパによる赤外線開閉箇所が近いほど
開閉面積は小さくできるが、これは本構成のチョッパを
用いることで容易に実現でき、開閉面積の減少にともな
う変位量の減少は、チョッパへの負担を軽減でき、より
小型化及び信頼性の向上が図れる。加えて従来例に述べ
た構成では焦電型赤外線センサ全体として赤外線入射方
向に長くなったが、本構成では同方向の寸法については
短くできる。
【0052】なお、折曲げ各部での折曲げ角は特性的に
許されれば必ずしも直角によらず、また適当なRを設け
ることも可能であることはいうまでもない。とくに変位
部材18については平面部と変位拡大部13の平面部と
が直角以外でも、入射赤外線の断続という目的が達成さ
れうる開閉面積を有するならば何等差し支えない。また
平面部に変えて、例えば任意の湾曲や屈折をもった略平
面部とした場合においても効果は同様に得られることは
いうまでもない。
【0053】(実施の形態2)図2は本発明の第2の実
施の形態における変位部材を別部材で構成したW共振型
チョッパを焦電型赤外線センサと組み合わせた一例を示
す斜視図である。
【0054】図2において、21はシム、22は圧電
体、23は変位拡大部、24は固定部、25は圧電体用
配線、26は赤外線検出部、27は赤外線、28は変位
部材、29は結合部である。
【0055】変位部材28と変位拡大部23とが別部材
によって構成され、変位部材28は2平面が直角を成す
構造を有し、うち1つの平面部分において接着などの方
法により変位拡大部23と結合している。
【0056】その他の構成、駆動方法、効果は実施の形
態1と同様であるが、加えて変位部材28は折曲げ方向
が他の折曲げ部と異なるが、変位部材28を別部材とす
ることによりこの折曲げを省略でき、曲げ加工が簡略化
され、かつシム21、変位拡大部23を一体で構成する
部材外形の凸部が省略されて長方形となり、同部材の加
工性を向上させ、材料のより有効活用が図れる。
【0057】なお、折曲げの代わりに接着を用いるのは
変位部材28のみに限らず、シム21と変位拡大部23
との結合にも適用できることはいうまでもない。また変
位部材28として接着する部材は、変位方向に対して垂
直方向に大きな寸法を持つブロック形状であっても、上
記の効果は同様に得られることはいうまでもない。
【0058】(実施の形態3)図3は本発明の第3の実
施の形態における変位部材を変位拡大部に設けられたス
リット部に隣接する部材の折曲げにより構成したW共振
型チョッパを焦電型赤外線センサと組み合わせた一例を
示す斜視図である。
【0059】図3において、31はシム、32は圧電
体、33は変位拡大部、34は固定部、35は圧電体用
配線、36は赤外線検出部、37は赤外線、38は変位
部材、39は結合部、40はスリット部である。
【0060】変位拡大部33の自由端の近傍には幅方向
にスリット部40が設けられ、これにより自由端側の部
分を折曲げることによって変位部材38が構成されてい
る。
【0061】その他の構成、駆動方法、効果等は実施の
形態1と同様であるが、加えて実施の形態1の変位部材
の折曲げの場合は、折曲げ前のシム、変位拡大部、結合
部と一体の部材に凸部を設けなければならず、部材の加
工が複雑になり材料的にも効率的な使用が行いにくかっ
たが、本実施の形態の構成とすることにより、以上の問
題点が解消され、より生産性が増し、材料の有効活用が
しやすくなる。
【0062】(実施の形態4)図4は本発明の第4の実
施の形態における平板状の前記変位拡大部の一部に幅方
向と10度以上の角度を成す折曲げ部を有するW共振型
チョッパを焦電型赤外線センサと組み合わせた一例を示
す斜視図である。
【0063】図4において、41はシム、42は圧電
体、43は変位拡大部、44は固定部、45は圧電体用
配線、46は赤外線検出部、47は赤外線、48は変位
部材、49は結合部である。
【0064】変位拡大部43は平板形状を有し、その先
端部において変位部材48が折曲げ加工によって変位拡
大部43と一体的に構成されている。なおかつ変位部材
48の折曲げ部は直線的で、変位拡大部43の幅方向に
対してほぼ45度の角度を成すようにされている。変位
部材48の先端部は変位拡大部43と平行な方向で一部
が除去されている。また変位拡大部43の平面部は赤外
線47の進行方向と平行になるように配置されている。
【0065】その他の構成及び駆動方法、効果等は実施
の形態1と同様であるが、加えて変位部材48の構成が
折曲げによるが、上記構成は変位部材48を形成する折
曲げ部分を変位拡大部43上に新たに設ける必要がな
く、平板形状より構成できるので変位拡大部43等を構
成するための部材の加工が容易であり、生産性が向上し
材料面での効率化が図れる。
【0066】上記構成のW共振型のアクチュエータを焦
電型赤外線センサのチョッパとして用いる歯場合におい
ては、変位部材48が赤外線47の入射方向に対して十
分に開閉機能を満たす面積、すなわち遮蔽部面積を有す
るよう変位拡大部43の幅及び折曲げ線と幅方向の角度
を設定することでチョッパとしての機能を果たす。
【0067】折曲げ線と幅方向の成す角については、0
度であれば赤外線47の入射に対して変位部材48の厚
み分しか遮蔽部面積がないので開閉機能を有さず、よっ
てある角度を持たせることにより遮蔽部面積を増加させ
ることができ、十分な開閉機能を持たせることができ
る。角度が小さい場合には遮蔽部面積が小さく、90度
では遮蔽部面積は最大にできるが、角度が大きくなるほ
ど折り曲げ線は長くなり、変位拡大部43の長手方向に
占める寸法は大きくなり、チョッパの全体形状の大型化
につながる。よって45度前後が比較的適すると思われ
るが、他の角度においてもチョッパとしての機能は果た
すことができる。
【0068】変位部材48の構成が単純な折曲げによる
ので、接着等に比べて強度的に優れ、かつねじり加工等
と比較して構成が容易である。また変位部材48は赤外
線検出部46と赤外線47の入射量を適当に調整するた
め、先端部を除去するなどの形状の加工も行うことがで
きる。
【0069】
【発明の効果】以上のように本発明は、シムと呼ばれる
弾性体平板の折曲げ、あるいは別の部材を接着等の方法
によって取り付けることにより、圧電アクチュエータに
単純形状で生産性のよい変位拡大部を容易に設けること
ができる。また変位拡大部及び圧電体接着部の各共振周
波数は、圧電体及び弾性体の厚み、長さ、幅、材質や、
圧電体の接着位置、折曲げ位置や変位拡大部の取り付け
位置、更にアクチュエータの固定位置等を操作すること
によって簡単に設定を変更できる。かつ変位拡大部を圧
電体接着部の先端近傍に取り付け、更に変位拡大部を圧
電体接着部に向かって配置する構成とすることにより、
圧電体接着部と変位拡大部の共振周波数は互いに相手の
形状によって受ける影響が少なくなり、各々の共振周波
数の操作がより容易になる。加えて、前述の操作によっ
て各共振周波数を近接させ、この間の周波数において駆
動を行うことで両方の共振によって変位は効率よく拡大
され、アクチュエータの小型化が図れる。合わせて、両
共振周波数の間では両共振変位の感度傾度が逆であり、
よって傾度の相殺効果により変位の周波数依存性が低下
し変位が安定する。さらに両共振ともに一定に距離を持
って駆動しており、変位感度が落ちた領域で駆動を行っ
ていることから、温度変化等の外乱による共振周波数の
変動に対して安定した変位を確保でき、なおかつ同様の
理由により組み立てばらつきによる変位特性の変動を小
さく抑えられる。
【0070】さらに上記アクチュエータの先端に変位部
材を配置する場合、変位部材の平面部の法線が変位拡大
部の長手方向と、変位方向の両方に垂直であるように配
置することで変位部材面は変位方向と平行に移動させる
ことができ、変位拡大部の先端の変位量が大きくなった
場合における回動運動による変位方向以外の方向への変
位部材の動きを抑え、他の部材との接触を防止できる。
以上の構成のW共振型アクチュエータを焦電型赤外線セ
ンサ用チョッパとして用いることで、赤外線検出部とチ
ョッパの遮蔽部すなわち変位部材の距離を小さくでき、
よって特に赤外線をレンズ等で集光させた場合には、チ
ョッパの開閉面積を小さくでき、チョッパに要求される
変位量を小さくできる。これによりチョッパの形状を小
さくできて焦電型赤外線センサ全体の小型化に寄与し、
またチョッパの機械的な負荷と低減できて信頼性が向上
し、かつチョッパ駆動に要する電力を小さくできる。
【0071】また変位拡大部において、幅方向に対して
45度を初めとする0度以外の角度を持たせた折り曲げ
加工により変位部材を形成することで、加工が容易でか
つ上記と同様に変位部材の他部材との接触を防止し、焦
電型赤外線センサのチョッパとしても用いることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の圧電アクチュエー
タの構成を示す斜視図
【図2】本発明の第2の実施の形態の圧電アクチュエー
タの構成を示す斜視図
【図3】本発明の第3の実施の形態の圧電アクチュエー
タの構成を示す斜視図
【図4】本発明の第4の実施の形態の圧電アクチュエー
タの構成を示す斜視図
【図5】従来の圧電アクチュエータを用いたチョッパの
構成を示す斜視図
【図6】従来の共振を用いたチョッパおよび焦電型赤外
線センサの構成を示す斜視図
【図7】従来の共振を用いたチョッパに使用のシムを示
す斜視図
【図8】従来のW共振型チョッパの構成を示す斜視図
【図9】従来のW共振型アクチュエータのアドミッタン
ス特性図
【図10】従来のW共振型アクチュエータの変位特性図
【符号の説明】
11,21,31,41 シム 12,22,32,42 圧電体 13,23,33,43 変位拡大部 18,28,38,48 変位部材 19,29,39,49 結合部

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一端を固定部に固定した弾性部材からな
    るシムの他端に結合部を介してシムとほぼ平行となる変
    位拡大部を一体に設け、前記シムに分極処理された平板
    状の圧電体を接着し、変位拡大部の自由端に少なくとも
    変位拡大部の長手方向と変位方向の両方に対して垂直な
    平面をもつ変位部材を設けた圧電アクチュエータ。
  2. 【請求項2】 変位部材を変位拡大部と一体のもので構
    成してなる請求項1に記載の圧電アクチュエータ。
  3. 【請求項3】 変位部材を変位拡大部と別部材で構成し
    た請求項1に記載の圧電アクチュエータ。
  4. 【請求項4】 変位拡大部にスリットを設け、このスリ
    ットにより分離された部分を折曲げて変位部材とした請
    求項1に記載の圧電アクチュエータ。
  5. 【請求項5】 変位拡大部の自由端の一部を変位拡大部
    の幅方向に対して10〜90度の角度をなす平面部とな
    るように折曲げて変位部材とした請求項1に記載の圧電
    アクチュエータ。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載の圧電ア
    クチュエータを用い、この圧電アクチュエータの変位部
    材を赤外線検出部へ入射する赤外線の断続手段とした焦
    電型赤外線センサ。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113295112A (zh) * 2021-04-26 2021-08-24 杭州电子科技大学 一种实现高动态范围的微波位移传感器

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