JPH0929419A - 繊維強化複合部材の製造方法 - Google Patents

繊維強化複合部材の製造方法

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JPH0929419A
JPH0929419A JP18869795A JP18869795A JPH0929419A JP H0929419 A JPH0929419 A JP H0929419A JP 18869795 A JP18869795 A JP 18869795A JP 18869795 A JP18869795 A JP 18869795A JP H0929419 A JPH0929419 A JP H0929419A
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JP
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reinforced composite
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alloy
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JP18869795A
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Makoto Suzuki
鈴木  誠
Masahiro Takahashi
昌博 高橋
Shinsuke Mori
伸介 森
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Suzuki Motor Corp
Original Assignee
Suzuki Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、鋳造後の再加熱が不必要なため、
熱効率、生産効率の向上が図られ、複合部材の強度劣化
が防止でき、繊維強化複合部材とアルミニウム合金の界
面にクラックが発生しない、良好な繊維強化複合部材の
製造方法を提供することを目的とする。 【解決手段】 金型内に配置した繊維成形体に析出硬化
型Al合金の溶湯を加圧充填して繊維強化複合部材を鋳
造したのち、金型から取り出し、直ちにマトリックスに
適正な溶体化温度雰囲気にさらして一定時間保持したの
ち、水中に浸漬して焼き入れし、人工時効処理を施す繊
維強化複合部材の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、四輪車等のエンジ
ン部品に使用されているアルミニウム合金(以下、Al
合金と記す)を利用した繊維強化複合部材(以下、複合
部材と記す)の製造方法に関する。さらに詳しくは、本
発明は、金型内に配置した繊維成形体にAl合金の溶湯
を加圧充填して得られる複合部材の製造方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】四輪車等のエンジン部品においては、低
燃費、高性能化による軽量化の要請に対応するために、
Al合金を採用しているが、本発明は、このAl合金を
利用した複合部材の製造方法に関するものである。従
来、この種の複合部材は、強化材である繊維によって強
化される。また、熱処理によるマトリックス金属自身の
強化も有効であることが知られている。析出硬化型Al
合金の熱処理による強化は、過飽和固溶体を時効し分解
させ、結晶中に第2相の粒子を分散し転位の運動を阻害
させることにより強化するものであるが、一般に、この
析出硬化型Al合金の強化には、JIS T6処理が用
いられる。このT6処理とは、まず、複合部材を鋳造
後、一旦常温に戻し、マトリックス金属に適正な溶体化
温度に加熱、保持し合金成分を固溶させたのち、急冷し
過飽和状態とする。次に、人工時効処理により合金成分
を析出させ、強化する熱処理方法である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記T6処理において
は、(a)複合部材をマトリックス金属に適正な溶体化
温度域に加熱、保持するため、鋳造後の再加熱が必要と
なり、熱効率、及び生産効率の点から不利である。ま
た、(b)T6処理では、複合部材を溶体化温度域に加
熱、保持する時間が、4時間と長いため、Alと繊維の
反応が進行し、複合部材の強度劣化をまねくおそれがあ
る。さらに、(c)溶体化温度域に加熱、保持したの
ち、焼き入れを行うが、複合部材の繊維成形体とAl合
金部の熱膨張率に差があるため、焼き入れ時のヒートシ
ョックにより繊維成形体とAl合金部の界面でクラック
が発生しやすい。
【0004】本発明は、上記従来の処理方法に対し、熱
効率、生産効率の向上が図られ、複合部材の強度劣化が
防止でき、繊維成形体とAl合金部の界面でクラックが
発生しない良好な複合部材の製造方法を提供することを
目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、金型内
に繊維成形体を配置したのち、析出硬化型Al合金の溶
湯を加圧充填することにより複合部材を鋳造し、次い
で、金型から取り出し、直ちにマトリックスに適正な溶
体化温度雰囲気にさらして一定時間保持したのち、水中
に浸漬して焼き入れし、人工時効処理を施すことにあ
る。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明は、その実施の形態とし
て、具体的には図1に示した手順で実施され、以下の工
程を含む。予熱工程 本発明では、まず使用する材料、及び金型を予熱する工
程を行う。本発明で使用する繊維成形体は、ホウ酸アル
ミウィスカー、アルミナ短繊維などを用いることがで
き、繊維長5μm〜30μm、繊維径0.3μm〜1.
4μmのものが好適であり、一般的には、炭化ケイ素
(SiC)ウィスカにより形成される。金型を好ましく
は、150℃〜250℃、また、上記繊維成形体を好ま
しくは700℃〜850℃に予熱したのち、金型底部へ
配置し、型締めする。金型の予熱温度は150℃に達し
ないとAlの充填不良、湯回り不良、及び複合化不良と
なり、300℃を越えると鋳造の際に金型がオーバーヒ
ートを起こして金型寿命を縮めるという不具合をおこ
す。また、繊維成形体の予熱温度については、700℃
に達しないと繊維成形体へのAlの含浸不良が生じるこ
ととなり、900℃を越えると繊維成形体を形成する繊
維自身が劣化するという不具合をおこす。充填工程 次に、700℃〜770℃に加熱したAl合金(JIS
AC8A)の溶湯をプランジャにて加圧し、キャビテ
ィ内に充填し、複合部材を鋳造する。
【0007】溶体化処理工程 以上で得られた、複合部材を金型から取り出し、直ちに
Al合金のマトリックスに適正な溶体化温度450℃〜
550℃に加熱したオーブンの中で30分〜3時間保持
する。保持時間は30分に満たないと鋳造品の加熱が不
十分となるため、溶体化が不十分になり、また、3時間
を越えても、製品の硬度に変化がみられない。焼き入れ工程 次に、複合部材を70℃以上の温水に浸漬し、焼き入れ
を行なう。水温は、70℃以上が好ましく、これに満た
ないと、繊維成形体とAl合金部の熱膨張率に差がある
ため、焼き入れ時のヒートショックによる内部応力が両
者の界面に集中し、クラックが発生するおそれがある。
なお、上限は、80℃以下が好ましい。これは、水温が
80℃を越えると、水が沸騰するため、焼き入れ効果が
小さくなるからである。時効処理工程 最後に、人工時効処理を温度150℃〜250℃、保持
時間4時間〜15時間の条件で施す。
【0008】従来、T6処理では、鋳造後の再加熱が必
要であった。これに対し、本発明では、複合部材を鋳造
したのち、金型から取り出し、直ちにマトリックスに適
正な溶体化温度雰囲気にさらすため、鋳造した複合部材
の常温から溶体化温度までの再加熱は、必要なくなる。
溶体化温度の加熱、保持時間について、T6処理は4時
間と長かったが、本発明では30分〜3時間に短縮され
る。また、ヒートショックによるクラックが、従来技術
のT5処理、及びT6処理では、処理個数に対し、5%
〜15%発生した。本発明では、焼き入れ時の好ましい
水温として75℃を用いるが、この水温を70℃以上に
することにより、急冷によるヒートショックが緩和さ
れ、クラック発生率が0%に減少する。しかも、得られ
た複合部材の硬度についてもT6処理と同等レベルであ
る。
【0009】
【実施例】以下に、実施例1〜6、及び比較例1、2を
示すが、本発明はこれらの実施例等に限定されるもので
はない。実施例1 図2に示した装置を用いて、ピストンを鋳造した。1は
金型フタ部、2は金型側面部、3は金型底部、4は金型
中央部(中子)、5は繊維成形体、6はAl合金の溶湯
を示す。繊維成形体5は、炭化ケイ素(SiC)ウィス
カにより形成され、繊維径0.3μm〜1.4μm、繊
維長5μm〜30μmとした。予熱温度は、750℃を
用いた。また、溶湯6は、Al合金(JIS AC8
A)を700℃の温度で溶解したものを用いた。以上の
条件で、ピストンのキャビティ部に相当する金型底部3
に繊維成形体5を配置し、型締めしたのち、プランジャ
にて加圧したAl合金の溶湯6をキャビティ内に充填
し、複合部材を鋳造した。得られた複合部材を金型から
取り出し、直ちにAl合金(JIS AC8A)の溶体
化温度510℃に設定したオーブンの中に1時間保持
し、次いで、70℃の温水に浸漬、焼き入れしたのち、
200℃で4時間の人工時効処理を施した。
【0010】実施例2〜4 実施例1と同一条件下で得られた複合部材を直ちにAl
合金の溶体化温度510℃に設定したオーブンの中にそ
れぞれ2時間(実施例2)、3時間(実施例3)、4時
間(実施例4)保持したのち、実施例1と同一の焼き入
れ処理、人工時効処理を施した。こののち、得られたA
l合金、及び複合部材の硬度をロックウェル硬さ計を用
いて測定した結果を図3、表1に示す。これからわかる
ように、実施例1〜4(溶体化処理時間を1、2、3、
4時間にした場合)におけるAl合金、及び複合部材の
硬度に差異はなかった。
【0011】
【表1】
【0012】実施例5、6 次に、実施例1〜4にて得られた、溶体化処理後の複合
部材を焼き入れする際に用いる水の温度を常温である1
0℃(実施例5)、及び温水である75℃(実施例6)
にて比較した。常温の場合は、図4、表2に示すとお
り、複合部材とAl合金の熱膨張率に差があり、ヒート
ショックの内部応力が両者の界面に集中するため、クラ
ックが5%〜15%の割合で発生した。ところが、温水
の場合は、焼き入れ時のヒートショックが緩和されるた
め、クラックが発生しなかった。また、表3に示すとお
り、複合部材とAl合金の硬度についても、温水での焼
き入れは、常温と同等レベルであるため、焼き入れ不足
等の問題はなかった。
【0013】
【表2】
【0014】
【表3】
【0015】比較例1、2 比較例として、従来技術であるT5処理(比較例1)、
及びT6処理(比較例2)も実施し、それぞれの処理後
の硬度を測定した結果を図3、及び表1に示す。これか
らわかるように、複合部材において、本発明、T5処
理、及びT6処理による硬度の差はなかった。また、A
l合金において、本発明は、T5処理以上の硬度、及び
T6処理と同等の硬度が得られた。しかも、その効果
は、溶体化温度510℃、保持時間が1時間でも十分に
認められた。
【0016】
【発明の効果】以上のことから明らかなように、本発明
によれば、複合部材を鋳造したのち、溶体化温度へ再加
熱する必要がないため、熱効率、生産効率、及び経済的
な点からも有利な繊維強化複合部材が提供される。ま
た、複合部材を溶体化温度に一定時間保持する際の保持
時間を従来の熱処理であるT6処理より短縮できるた
め、Al合金と繊維との反応を抑制し、複合部材の強度
劣化を防止できる。さらに、人工時効処理についても、
焼き入れに用いる水の温度を70℃〜80℃にすること
により、複合部材のうけるヒートショックを緩和させ、
繊維強化複合部材とAl合金部の界面に生じるクラック
の発生を防止できるという利点もあるため、四輪車等の
エンジン部品であるピストン、シリンダーヘッド、シリ
ンダーブロック等に好適に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施する工程のフローチャートであ
る。
【図2】本発明を実施する装置の概念的な説明図であ
る。
【図3】溶体化温度保持時間と得られる複合部材、Al
合金の硬度との関係を示す図である。
【図4】複合部材とAl合金の焼き入れ時の温度と熱膨
張係数の関係を示す図である。
【符号の説明】
1 金型フタ部 2 金型側面部 3 金型底部 4 金型中央部部(中子) 5 繊維成形体 6 Al合金の溶湯

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金型内に配置した繊維成形体に析出硬化
    型アルミニウム合金の溶湯を加圧充填して繊維強化複合
    部材を鋳造し、金型から取り出し、直ちにマトリックス
    に適正な溶体化温度雰囲気にさらして一定時間保持した
    のち、水中に浸漬して焼き入れし、人工時効処理を施す
    ことを特徴とする繊維強化複合部材の製造方法。
  2. 【請求項2】 溶体化温度雰囲気中の保持時間を30分
    〜3時間とすることを特徴とする請求項1記載の繊維強
    化複合部材の製造方法。
  3. 【請求項3】 水中に浸漬して焼き入れする際の水温を
    70℃〜80℃とすることを特徴とする請求項1記載の
    繊維強化複合部材の製造方法。
JP18869795A 1995-07-25 1995-07-25 繊維強化複合部材の製造方法 Pending JPH0929419A (ja)

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