JPH09294537A - 乳児用調製乳 - Google Patents

乳児用調製乳

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JPH09294537A
JPH09294537A JP8131445A JP13144596A JPH09294537A JP H09294537 A JPH09294537 A JP H09294537A JP 8131445 A JP8131445 A JP 8131445A JP 13144596 A JP13144596 A JP 13144596A JP H09294537 A JPH09294537 A JP H09294537A
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Hiroaki Matsuyama
博昭 松山
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 骨形成促進作用を賦与した新規な乳児用調製
乳の提供。 【解決手段】 乳由来の塩基性タンパク質及び/または
乳由来の塩基性ペプチドを配合した乳児用調製乳。塩基
性タンパク質は、チーズホエーを陽イオン交換樹脂に吸
収させ、塩濃度 0.1〜2.0Mの溶出液で溶出することによ
って得ることができる。塩基性ペプチドは得られた塩基
性タンパク質をタンパク分解酵素で分子量 2,000〜20,0
00に分解することによって得ることができる。調製粉乳
においては、製品100g当り 100〜1,000mg が、また液状
調製乳においては、製品 100ml当り13〜130 mgが配合さ
れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、乳由来の塩基性タ
ンパク質及び/又は乳由来の塩基性ペプチドを配合して
骨形成促進作用を賦与した新規な乳児用調製乳に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、幼児や児童の骨が弱くなっており
骨折し易いことが問題となっている。また、高齢化に伴
って骨粗鬆症、骨折、腰痛等の各種骨疾患の患者も増加
している現状にある。そして、これらの原因としては、
カルシウムの摂取不足、カルシウム吸収能の低下、活性
型ビタミンD3 分泌の不足、ホルモンのアンバランス等
が指摘されている。そこで、これらの各種骨疾患を防止
するためにカルシウム補給を目的とした各種カルシウム
剤が開発されている。また、骨粗鬆症等の骨疾患を防止
するためには、乳児期を含めた成長期に骨量を増加させ
て最大骨量をできるだけ高めておくことが有効であると
いうことが明らかとなり、乳児栄養においても骨を強化
する目的で乳児用調製乳に炭酸カルシウム等の各種カル
シウム剤が添加されるようになってきている。しかしな
がら、牛乳中に含まれるカルシウムは母乳中に含まれる
カルシウムに比べて吸収性が悪いという報告もある(Gur
r,M.I., J. Dairy Res., vol.48, pp.519-554, 1981)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、従来よ
り乳成分中に含まれる骨成長促進物質について探索を進
めてきた。その結果、乳中に含まれる塩基性タンパク質
画分に骨成長促進作用があることを見出した。そして、
この塩基性タンパク質は、陽イオン交換樹脂クロマトグ
ラフィーにより乳又は乳由来の原料から容易に得られる
ことや経口摂取により骨代謝を改善することができるこ
とも見出した。さらには、この塩基性タンパク質をペプ
シンやパンクレアチン等のタンパク質分解酵素で加水分
解した塩基性ペプチドにも骨成長促進作用があることを
見出し、これらの物質を有効成分とする骨強化剤を提案
した (特願平7-207509号) 。
【0004】そして、乳由来の塩基性タンパク質や乳由
来の塩基性ペプチドを配合した食餌を哺乳中期から後期
のラットに投与したところ、通常の食餌を投与したラッ
トよりも骨の成長が促進されることを見出し、本発明を
完成するに至った。したがって、本発明は、骨形成促進
作用を賦与した新規な乳児用調製乳を提供することにあ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の特徴は、乳児用
調製乳に塩基性タンパク質及び/又は塩基性ペプチドを
配合して乳児用調製乳に骨形成促進作用を賦与したこと
にある。
【0006】本発明でいう乳児用調製乳は、大別すると
乳児用調製粉乳及び乳児用液体調製乳に分けることがで
きる。乳児用調製粉乳には、乳児用調製粉乳、未熟児用
調製粉乳、フォローアップミルク、医薬用特殊調製粉
乳、その他、乳児の人工哺育に用いる粉乳類があり、ま
た、乳児用液体調製乳には、乳児の人工哺育を目的とし
て調製した液状の調製乳がある。
【0007】本発明で使用する乳由来の塩基性タンパク
質は、牛乳、人乳、山羊乳、羊乳等の哺乳類の乳あるい
はそのホエー等から得られるものであって、アミノ酸組
成として、リジン、ヒスチジン、アルギニン等の塩基性
アミノ酸を15重量%以上含有している。そして、この塩
基性タンパク質は、例えば、脱脂乳や乳清等の乳原料を
陽イオン交換樹脂に接触させて塩基性タンパク質を吸着
させた後、塩濃度 0.1〜2.0M、好ましくは 0.1〜1.0Mの
溶出液で溶出することにより得ることができる。
【0008】また、乳由来の塩基性タンパク質を得る方
法としては、アルギン酸ゲルを用いる方法 (特開昭 61-
246198号公報) 、硫酸エステル化物を用いる方法 (特開
昭 63-255300号公報) 、無機の多孔質粒子を用いる方法
(特開平1- 86839号公報) 、陽イオン交換体を用いる方
法 (特開平5-202098号公報) 等を挙げることができる。
さらに、必要に応じ、このようにして得られた塩基性タ
ンパク質をイオン交換法、逆浸透法、限外濾過法、電気
透析法等の手段で脱塩及び濃縮し、液状のままで使用す
るか、あるいは、凍結乾燥、噴霧乾燥等の手段で粉末化
して使用することもできる。
【0009】本発明で使用する乳由来の塩基性ペプチド
は、上記した乳由来の塩基性タンパク質に、ペプシン、
トリプシン、キモトリプシン、パンクレアチン等のタン
パク質分解酵素を作用させて得られるものであって、塩
基性タンパク質と同様のアミノ酸組成を有している。そ
して、この塩基性ペプチドは、例えば、ペプシンを用い
てタンパク質分解酵素処理する場合は、塩基性タンパク
質のpHを塩酸等の酸でpH1.5に調整し、ペプシンを作用
させた後、水酸化ナトリウム等のアルカリで中和するこ
とにより得ることができる。また、ペプシン等のタンパ
ク質分解酵素を作用させた後、さらにパンクレアチン等
のタンパク質分解酵素を作用させ、分子量 2,000〜20,0
00の塩基性ペプチドを得ることもできる。さらに、必要
に応じ、このようにして得られた塩基性ペプチドをイオ
ン交換法、逆浸透法、限外濾過法、電気透析法等の手段
で脱塩及び濃縮し、液状のままで使用するか、あるい
は、凍結乾燥、噴霧乾燥等の手段で粉末化して使用する
こともできる。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の乳児用調製乳では、調製
粉乳の場合、乳由来の塩基性タンパク質及び/又は乳由
来の塩基性ペプチドを製品100g当たり 100〜1,000mg 配
合し、また、液体調製乳の場合、乳由来の塩基性タンパ
ク質及び/又は乳由来の塩基性ペプチドを製品 100ml当
たり13〜130mg 配合することが好ましい。
【0011】乳児用調製乳は、タンパク質、脂質、糖
質、ビタミン類、ミネラル類を主成分として構成される
ものであるが、さらに、乳児用調製乳に配合することが
可能なその他の有効成分を含有させていても良い。
【0012】以下に乳児用調製乳の主成分を列挙する。
タンパク質としては、カゼイン、乳清タンパク質濃縮物
(WPC)、乳清タンパク質分離物(WPI)、αs−
カゼイン、β−カゼイン、α−ラクトアルブミン、β−
ラクトグロブリン等の乳タンパク質、乳タンパク質分画
物、卵タンパク質、大豆タンパク質や小麦タンパク質等
の植物タンパク質を使用することができる。また、これ
らのタンパク質をタンパク質分解酵素や酸等で処理して
得られるペプチドや遊離アミノ酸等を窒素源として使用
しても良い。さらに、特定の生理効果を賦与する目的で
タウリン、シスチン、アルギニン、グルタミン等のアミ
ノ酸を使用することもできる。なお、これらのタンパク
質、ペプチド、遊離アミノ酸は、製品固形分当たり5〜
30重量%となるよう配合すれば良い。
【0013】糖質としては、デンプン、可溶性多糖類、
デキストリン、ショ糖、乳糖、麦芽糖、ぶどう糖やガラ
クトシルラクトース、フラクトオリゴ糖、ラクチュロー
ス等のオリゴ糖、人工甘味料等を使用することができ
る。なお、これらの糖質は、製品固形分当たり40〜80重
量%となるよう配合すれば良い。
【0014】脂質としては、乳脂肪、ラード、牛脂、魚
油等の動物性油脂やコーン油、大豆油、菜種油、ヤシ
油、パーム油、パーム核油、サフラワー油、エゴマ油、
アマニ油、月見草油、中鎖脂肪酸トリグリセリド(MC
T)及び綿実油等の植物性油脂を使用することができ
る。また、これらの油脂の分別油、水添油、エステル交
換油を使用しても良い。なお、これらの脂質は、製品固
形分当たり40重量%以下となるよう配合すれば良い。
【0015】ビタミンとしては、ビタミンA、ビタミン
B類、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、ビタミン
K類、葉酸、パントテン酸、β−カロチン、ニコチン酸
アミド等を使用することができる。なお、これらのビタ
ミン類は、製品固形分当たり10mg〜5g/100g となるよう
配合すれば良い。
【0016】ミネラルとしては、カルシウム、マグネシ
ウム、カリウム、鉄、銅、亜鉛、ナトリウム、ヨウ素、
マンガン、セレン等を使用することができる。なお、こ
れらのミネラル類は、製品固形分当たり1mg〜5g/100g
となるよう配合すれば良い。なお、ビタミン及びミネラ
ルの配合に当たっては、文献 (乳幼児食品を含む特殊用
途食品のCODEX規格及び関連衛生規則, CAC/VOL.IX
−第1版及びSupplement 1,2,3,4, 日本国際酪農連盟発
行, 1993; 1993年版指定品目食品添加物便覧(改訂第31
版), 食品と科学社発行, 1993; 届け出制食品添加物・
食品素材天然物便覧(第12版), 食品と科学社発行, 19
92) に記載されているビタミン及びミネラルの中から、
乳児用調製乳に使用可能なものを選択して使用すれば良
い。
【0017】本発明の骨形成促進作用を賦与した乳児用
調製乳を製造するに当たっては、調製粉乳の場合、上記
した原料を配合し均質化して調製した溶液に、乳由来の
塩基性タンパク質及び/又は乳由来の塩基性ペプチドを
添加し、混合した後、常法に従い濃縮及び乾燥して製品
とするか、あるいは、除菌した乳由来の塩基性タンパク
質及び/又は乳由来の塩基性ペプチドの乾燥粉末を乳児
用調製粉乳と粉々混合して製品とすれば良い。また、液
体調製乳の場合、上記した原料を滅菌して調製した溶液
に、除菌した乳由来の塩基性タンパク質及び/又は乳由
来の塩基性ペプチドを添加し、混合した後、常法に従い
冷却して製品とすれば良い。
【0018】以下に、参考例、実施例及び試験例を示
し、本発明を詳細に説明する。
【試験例1】陽イオン交換樹脂(S-Sepharose) カラムを
用い、母乳、ウシ生乳及び市販の乳児用調製粉乳中に含
まれる塩基性タンパク質の濃度を測定した。すなわち、
50mMクエン酸ナトリウム緩衝液(pH 6.5)で平衡化した S
-Sepharoseカラムに各試料を通液し、塩基性タンパク質
を吸着させた。そして、このカラムを脱イオン水で十分
洗浄した後、1M塩化ナトリウム溶液で塩基性タンパク質
を溶出し、この溶出画分中に含まれるタンパク質の濃度
をプロテインアッセイキット (BioRad社製) で定量し
て、塩基性タンパク質の濃度を算出した。その結果を表
1に示す。なお、市販の乳児用調製粉乳については、固
形率が13%となるよう純水に溶解したものを用いた。
【0019】
【表1】
【0020】
【参考例1】生乳50,000リットルにレンネット凝乳酵素
(ハンセン社製) を最終濃度で0.0032%になるように加
えてチーズカードを形成させた。ステンレスメッシュを
用いて、ホエーとカードを分離して、未殺菌チーズホエ
ー40,000リットルを得た。陽イオン交換樹脂であるスル
ホン化キトパール(富士紡績製)400kg を充填したカラ
ムに、前記未殺菌チーズホエー40,000リットルを通液し
た後、このカラムを脱イオン水で十分洗浄した。次に、
0.98M塩化ナトリウムを含む 0.02M炭酸緩衝液(pH 7.0)
で樹脂に吸着した塩基性タンパク質画分を溶出し、逆浸
透膜により脱塩及び濃縮した後、凍結乾燥して粉末状の
塩基性タンパク質画分 1.7kgを得た。
【0021】
【試験例2】参考例1で得られた塩基性タンパク質画分
について、成分組成を分析した。なお、タンパク質はケ
ールダール法、脂肪はソックスレー抽出法、灰分は湿式
灰化法によりそれぞれ定量した。その結果を表2に示
す。
【0022】
【表2】 ───────────────── 水分 1.0 (重量%) タンパク質 97.0 脂肪 0.4 灰分 0.3 その他 1.3 ─────────────────
【0023】
【試験例3】参考例1で得られた塩基性タンパク質画分
について、アミノ酸組成を分析した。なお、アミノ酸組
成は、塩基性タンパク質画分を6N塩酸溶液で 110℃、24
時間加水分解した後、アミノ酸分析計 (日立L-8500型)
で測定した。その結果を表3に示す。
【0024】
【表3】 ────────────────── アスパラギン酸 11 (重量%) セリン 5 グルタミン酸 12 プロリン 6 アラニン 6 ロイシン 10 リジン 9 ヒスチジン 3 アルギニン 8 その他 30 ──────────────────
【0025】
【参考例2】陽イオン交換樹脂であるスルホン化キトパ
ール(富士紡績製)4kgを充填したカラムに、参考例1
の未殺菌チーズホエー 400リットルを通液した後、この
カラムを脱イオン水で十分洗浄した。次に、 0.98M塩化
ナトリウムを含む 0.02M炭酸緩衝液(pH 7.0)で樹脂に吸
着した塩基性タンパク質画分を溶出した。そして、塩酸
でpHを 1.5に調整した後、ペプシン (関東化学製) を2
%濃度となるように添加し、37℃で1時間撹拌しながら
酵素反応を行い、さらに、水酸化ナトリウムでpHを 6.8
に調整した後、パンクレアチン (和光純薬製) を 0.5%
濃度となるように添加し、37℃で1時間撹拌しながら酵
素反応を行った。なお、酵素反応の停止は、85℃で10分
間加熱して酵素を失活させることにより行った。このよ
うにして得られた加水分解物を分子量分画30,000の限外
濾過膜で処理し、透過液を逆浸透膜により脱塩及び濃縮
した後、凍結乾燥して粉末状の塩基性ペプチド画分150g
を得た。
【0026】
【試験例4】参考例2で得られた塩基性ペプチド画分に
ついて、成分組成を分析した。なお、タンパク質はケー
ルダール法、脂肪はソックスレー抽出法、灰分は湿式灰
化法によりそれぞれ定量した。その結果を表4に示す。
【0027】
【表4】 ───────────────── 水分 1.0 (重量%) タンパク質 98.0 脂肪 0.2 灰分 0.1 その他 0.7 ─────────────────
【0028】
【試験例5】参考例2で得られた塩基性ペプチド画分に
ついて、アミノ酸組成を分析した。なお、アミノ酸組成
は、塩基性タンパク質画分を6N塩酸溶液で 110℃、24時
間加水分解した後、アミノ酸分析計 (日立L-8500型) で
測定した。その結果を表5に示す。
【0029】
【表5】 ────────────────── アスパラギン酸 10 (重量%) セリン 5 グルタミン酸 13 プロリン 7 アラニン 5 ロイシン 9 リジン 10 ヒスチジン 2 アルギニン 9 その他 30 ──────────────────
【0030】
【実施例1】脱脂乳80kgに乳清タンパク質濃縮物 (WP
C) 1.5kg と乳糖15kgを添加して溶解し、さらに、所定
量のアルカリで溶解したカゼイン 25gを添加して溶解し
た。そして、水溶性ビタミン成分 (ビタミンB1 、ビタ
ミンB2 、ナイアシン、ビタミンB6 、ビオチン、葉
酸、パントテン酸、ビタミンB12、ビタミンC、コリン
及びイノシトール) とミネラル成分 (カルシウム、リ
ン、塩素、鉄、マグネシウム、カリウム、銅、ヨウ素、
亜鉛、マンガン及びセレン) 0.7kg を添加して溶解し、
さらに、参考例1で得られた粉末状の塩基性タンパク質
画分1kgを添加して溶解した。次に、脂溶性ビタミン
(ビタミンA、β−カロチン、ビタミンD、ビタミンE
及びビタミンK) を添加して溶解した調製脂肪 (パーム
油、カノーラ油、大豆油及び魚油の混合油脂) 9kgを添
加して混合し、均質化した後、殺菌し、濃縮及び乾燥し
て乳児用調製粉乳30kgを得た。
【0031】
【実施例2】牛乳24kgに乳清タンパク質濃縮物 (WP
C) 0.7kg と乳糖 4.4kgを添加して溶解し、さらに、所
定量のアルカリで溶解したカゼイン6gを添加して溶解し
た。そして、水溶性ビタミン成分 (ビタミンB1 、ビタ
ミンB2 、ナイアシン、ビタミンB6 、ビオチン、葉
酸、パントテン酸、ビタミンB12、ビタミンC、コリン
及びイノシトール) とミネラル成分 (カルシウム、リ
ン、塩素、鉄、マグネシウム、カリウム、銅、ヨウ素、
亜鉛、マンガン及びセレン) 0.06kgを添加して溶解し、
さらに、参考例2で得られた塩基性ペプチド画分 50gを
添加して溶解した。次に、脂溶性ビタミン (ビタミン
A、β−カロチン、ビタミンD、ビタミンE及びビタミ
ンK) を添加し溶解した調製脂肪 (パーム油、カノーラ
油、大豆油及び魚油の混合油脂) 2kgを添加して混合
し、均質化した後、殺菌し、濃縮及び乾燥して乳児用調
製粉乳10kgを得た。
【0032】
【試験例6】参考例2で得られた塩基性ペプチド画分を
用いて、ラットの哺乳試験を実施した。哺乳は、W.G.Wa
llの方法(Science, vol.109, p.1313, 1975)に従った。
生後3日齢のSD系ラット16匹を2群に分け、それぞれ
のラットの胃にポリエチレンチューブ (SP10、内径0.28
mm、夏目製作所製) を装着し、表6に示した配合の調製
粉乳を25%濃度となるように調乳して、シリンジポンプ
(WPI社製) で胃内に送乳した。なお、送乳量は、成
長に応じて調整した (1ml/日〜 10ml/日) 。そして、哺
乳は21日齢まで行い、21日齢時にラットを解剖して大腿
骨を摘出し、レオロメーター (RX-100、アイテクノ社)
で骨強度を測定した。その結果を図1に示す。それによ
ると、塩基性ペプチド画分を添加した本発明群の骨強度
は、対照群の骨強度に比べて有意に高いことが認められ
た。
【0033】
【表6】 ラット乳の組成(g/100g) ─────────────────────────────────── 対照群 本発明群 ─────────────────────────────────── 乳清タンパク質濃縮物 (WPC) 2.1 (g/100g) 1.6 (g/100g) カゼイン 34 34 塩基性ペプチド画分 ─ 0.5 乳糖 10.36 10.36 ビタミン混合物1) 0.08 0.08 塩化コリン 0.46 0.46 ミネラル混合物2) 7 7 油脂混合物3) 46 46 ─────────────────────────────────── 1)ビタミン混合物は、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK、ビ タミンC、ビタミンB1 、ビタミンB2 、ビタミンB6 、ビタミンB12、ナイア シン、パントテン酸、葉酸及びビオチンの混合物。 2)ミネラル混合物は、炭酸カリウム、塩化ナトリウム、炭酸カルシウム、クエ ン酸第一鉄ナトリウム、硫酸亜鉛、硫酸マグネシウム及び硫酸銅の混合物。 3)油脂混合物は、乳脂肪、パーム油、大豆油、ラード及びレシチンの混合物。
【0034】
【試験例7】参考例1で得られた塩基性タンパク質画分
を哺乳後期のラットに投与する実験を行った。15日齢の
SD系雄ラット16匹を早期離乳させて2群に分け、表7
に示した配合の飼料を28日齢まで投与した。なお、15日
齢〜28日齢のラットは、ヒトの場合、哺乳後期から離乳
初期のフォローアップミルクを飲用する時期に相当す
る。
【0035】
【表7】 ──────────────────────────────── 対照群 本発明群 ──────────────────────────────── カゼイン 20.0 (g/100g) 19.0 (g/100g) DL−メチオニン 0.3 0.3 塩基性タンパク質濃縮物 ─ 1.0 ラード 19.0 19.0 コーン油 1.0 1.0 ミネラル混合物1) 3.5 3.5 ビタミン混合物2) 1.0 1.0 重酒石酸コリン 0.2 0.2 セルロース 5.0 5.0 α−コーンスターチ 15.0 15.0 ショ糖 35.0 35.0 ──────────────────────────────── 1),2) ミネラル混合物及びビタミン混合物はAIN-76TMの配合による。
【0036】そして、28日齢時にラットを解剖して大腿
骨を摘出し骨基質成分を分析した。なお、大腿骨の骨基
質成分は、6N塩酸溶液で 110℃、24時間加水分解した
後、アミノ酸分析計 (日立L-8500型) で測定した。その
結果を表8に示す。これによると、哺乳後期から離乳初
期に塩基性タンパク質画分を摂取することにより、骨基
質の成分であるハイドロキシプロリン及びプロリン含量
が増加し、骨基質の成長を促進することが認められた。
【0037】
【表8】 ─────────────────────────────────── 対照群 本発明群 ─────────────────────────────────── ハイドロキシプロリン 1,780±45 (ppm) 1,890±51* (ppm) プロリン 2,890±60 3,010±60* ハイドロキシリジン 600±21 610±21 リジン 2,300±95 2,410±95 ─────────────────────────────────── 数値は、平均値±標準偏差を表す。 *対照群と有意差あり(p<0.05)
【0038】
【発明の効果】本発明の乳由来の塩基性タンパク質及び
/又は乳由来の塩基性ペプチドを配合した乳児用調製乳
は、経口投与により骨の成長を促進する作用を有するこ
とから、人工栄養児の骨の成長を促進すると共に、各種
の骨疾患、特に骨軟症等を予防することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】試験例6における調製粉乳を投与したラットの
骨強度の対照との比較を示す。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 乳由来の塩基性タンパク質及び/又は乳
    由来の塩基性ペプチドを配合して骨形成促進作用を賦与
    した乳児用調製乳。
  2. 【請求項2】 調製乳が調製粉乳である請求項1記載の
    乳児用調製乳。
  3. 【請求項3】 乳由来の塩基性タンパク質及び/又は乳
    由来の塩基性ペプチドの配合量が、製品100g当たり 100
    〜1,000mg である請求項2記載の乳児用調製乳。
  4. 【請求項4】 調製乳が液体調製乳である請求項1記載
    の乳児用調製乳。
  5. 【請求項5】 乳由来の塩基性タンパク質及び/又は乳
    由来の塩基性ペプチドの配合量が、製品 100ml当たり13
    〜130mg である請求項4に記載の乳児用調製乳。
  6. 【請求項6】 乳由来の塩基性タンパク質が、乳又は乳
    由来の原料を陽イオン交換樹脂に接触させて塩基性タン
    パク質を吸着させた後、塩濃度 0.1〜2.0Mの溶出液で溶
    出して得られる塩基性タンパク質画分である請求項1〜
    5のいずれかに記載の乳児用調製乳。
  7. 【請求項7】 乳由来の塩基性ペプチドが、乳又は乳由
    来の原料を陽イオン交換樹脂に接触させて塩基性タンパ
    ク質を吸着させた後、塩濃度 0.1〜2.0Mの溶出液で溶出
    して得られる塩基性タンパク質画分をタンパク質分解酵
    素で分解して得られる塩基性ペプチド画分である請求項
    1〜5のいずれかに記載の乳児用調製乳。
  8. 【請求項8】 乳由来の塩基性ペプチドは、タンパク質
    分解酵素としてペプシン及びパンクレアチンを使用して
    得られる分子量 2,000〜20,000の塩基性ペプチド画分で
    ある請求項7に記載の乳児用調製乳。
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