JPH09295372A - 複合積層体の製造方法 - Google Patents

複合積層体の製造方法

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JPH09295372A
JPH09295372A JP14172096A JP14172096A JPH09295372A JP H09295372 A JPH09295372 A JP H09295372A JP 14172096 A JP14172096 A JP 14172096A JP 14172096 A JP14172096 A JP 14172096A JP H09295372 A JPH09295372 A JP H09295372A
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treatment
composite laminate
rubber
plate
soft plate
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JP14172096A
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English (en)
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Tomomasa Sueyasu
知昌 末安
Hiroshi Takada
寛 高田
Hidetoshi Ogiwara
秀敏 荻原
Takeshi Hamanaka
浜中  剛
Yoshihide Fukahori
美英 深堀
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Bridgestone Corp
Original Assignee
Bridgestone Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 免震装置に用いられる破断特性に優れたさま
ざまな形状やサイズの複合積層体を、特殊な金型を必要
とせず、簡便に、生産性良く、短時間で製造する複合積
層体の製造方法を提供する。 【解決手段】 剛性を有する硬質板と粘弾性的性質を有
する軟質板とをそれぞれ複数個、交互に積層する際に、
加硫ゴム等の粘弾性的性質を有する軟質板の表面に、ハ
ロゲン化処理、酸処理、低圧プラズマ処理、コロナ放電
処理、紫外線照射処理、バフがけ処理からなる群より選
択される表面処理の少なくとも一つを施し、その後、軟
質板の処理面と隣接する硬質板とを、ウレタン系、エポ
キシ系、及びアクリル系接着剤からなる群より選択され
る接着剤により接着する、ことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は免震装置などに用い
られる複合積層体の製造方法に係り、特に、生産性が良
好で、自動化にも適する複合積層体の製造方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来、複数個の鋼板等の剛性を有する硬
質板と、粘弾性的性質を有するゴム等の軟質板とを交互
に積層した複合積層体をその構造内に配置してなる免震
構造体が、ビルや橋梁等の免震装置として広く用いられ
ている。このような免震構造体に用いられる複合積層体
は、軟質板としてゴム材料等の弾性体を、硬質板として
金属板を使用するのが一般的である。この複合積層体
は、従来、未加硫のゴム材料からなるシートと、表面に
接着向上処理を行った金属板を積層し、金型内で、加
圧、加熱することにより軟質板を構成する未加硫のゴム
材料を加硫し、金属板と接着させて製造されていた。
【0003】しかしながら、この方法によれば、加硫が
完了するまでに長時間を要し、表面粘着性を有する未加
硫ゴムシートを打抜き、積層すると言う煩雑な工程を有
しており生産性が悪い。さらに、所望の形状に適合し、
且つ、十分な強度を有する金型の製造が必要である、加
硫プレス機、加硫缶などの設備を必要とする、等の問題
があり、所望の形状やサイズの複合積層体を簡便に製造
することは困難であった。
【0004】また、未加硫ゴムシートを硬質板と積層し
た後に加硫するため、加熱方法や加熱温度の条件によっ
ては加硫状態が不均一になり、接着力の不十分な部分が
複合積層体中に存在する虞もあり、加硫条件の厳密な制
御が必要とされていた。
【0005】このため、複合積層体の各層を積層した
後、軟質板を構成するゴム材料を加硫接着する方法に換
えて、加硫ゴムの如く予め成形された軟質板と硬質板と
を接着剤で接着する方法も試みられているが、軟質板を
構成する粘弾性材料や硬質板と、接着剤との適合性、接
着強度の持続性などの問題から、免震装置に適する如き
破断特性に優れた、信頼性の高い複合積層体は得難く、
汎用されるに至っていないのが現状である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
従来の技術に鑑みてなされたものであり、免震装置に用
いられる破断特性に優れた複合積層体を、簡便に、生産
性良く製造する方法、さらに、該複合積層体のさまざま
な形状やサイズのものを、特殊な金型を製造することな
く、短時間で製造する方法の提供を目的とするものであ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の複合積層体の製
造方法は、剛性を有する硬質板と粘弾性的性質を有する
軟質板とをそれぞれ複数個、交互に積層した複合積層体
の製造方法であって、該粘弾性的性質を有する軟質板の
表面を、ハロゲン化処理、酸処理、低圧プラズマ処理、
コロナ放電処理、紫外線照射処理、バフがけ処理からな
る群より選択される表面処理の少なくとも一つを施し、
該軟質板の表面処理を施した面と隣接する硬質板とを、
接着剤により接着する、ことを特徴とする。
【0008】また、前記製造方法において、前記粘弾性
的性質を有する軟質板は、予め加硫されたゴム材料、好
ましくは、天然ゴム、イソプレンゴム、スチレンブタジ
エンゴム、ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、エチレ
ンプロピレンゴムからなる群より選択される少なくとも
1種であることを特徴とする。
【0009】前記表面処理のうち、前記ハロゲン化処理
は、塩素、臭素並びにヨウ素から選択されるハロゲン分
子、次亜塩素酸並びに次亜臭素酸から選択されるハロゲ
ン発生体及びN,N’−ジクロロ−p−トルエンスルホ
ンアミド並びにトリクロロイソシアヌル酸アミドより選
択される発ハロゲン化合物からなる群より選択される少
なくとも一つの化合物で処理することを特徴とする。ま
た、前記低圧プラズマ処理は、10-6Torr〜102Torr
の圧力下で、0〜108 Hzの周波数領域の直流又は交
流によりプラズマ放電を行う処理であることを特徴と
し、前記コロナ放電処理は、常圧下、103 〜108
zの周波数領域の直流又は交流によりコロナ放電を行う
処理であることを特徴とし、さらに、前記紫外線処理
は、前記軟質板表面に紫外線を照射して、化学変化を生
起させ、軟質板材料の表面に前記接着剤との親和性を有
する官能基を生成させる処理であることを特徴とする。
前記軟質板の表面処理を施した面と隣接する硬質板とを
接着する接着剤は、ウレタン系、エポキシ系、及びアク
リル系接着剤からなる群より選択される少なくとも1種
であることを特徴とする。
【0010】本発明の複合積層体の製造方法において
は、軟質板の表面を予め、特定の選択された処理方法、
即ち、ハロゲン化処理、酸処理、低圧プラズマ処理、コ
ロナ放電処理、紫外線照射処理、バフがけ処理からなる
群より選択される処理により接着性向上処理を施した
後、接着剤で硬質板と接着するため、軟質板を構成する
粘弾性的性質を有する材料表面の親和性が向上し、汎用
の接着剤を用いて軟質板と硬質板とを均一、且つ、強固
に接着することができる。従って、従来の加硫接着方法
の如く、特殊な金型や大規模な製造設備を必要とせず、
短時間で簡便に、破断特性に優れた複合積層体を製造す
ることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の複合積層体の製造方法に
ついて詳細に説明する。複合積層体を構成する粘弾性的
性質を有する軟質板に用いられる材料とは、50%モジ
ュラスが1.5〜20kgf/cm2 、25℃における
動的剪断弾性率Gが、1.5〜20kgf/cm2 の特
性を有するものを指す。各種材料の50%モジュラス及
び動的剪断弾性率Gは、例えば、JIS K6301、
K6394に準拠して測定することができる。
【0012】ここで、粘弾性的性質を有する材料として
は、熱可塑性ゴム、ウレタンゴム、各種の加硫ゴム、微
架橋ゴム、エラストマー、プラスチックス等の有機材
料、これらの発泡体、アスファルト、粘土等の無機材
料、及び、これらの混合材料など各種の材料であって、
上記粘弾性的性質を有するものを用いることができる
が、特に、従来、積層後の加硫接着によらなければ、硬
質板との良好な接着特性が得難かった、予め加硫された
ゴム材料、例えば、予め加硫された天然ゴム、イソプレ
ンゴム、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、ク
ロロプレンゴム、エチレンプロピレンゴムからなる群よ
り選択される少なくとも1種を用いた場合に、本発明の
効果が著しい。
【0013】これらの材料は、平板状に成形され、軟質
板として用いられる。軟質板の形状は特に制限はない
が、通常は、個々の軟質板は円盤状又は矩形の形状を有
する。軟質板の厚みには特に制限はなく、複合積層体が
用いられる目的に応じて選択できるが、一般には、1〜
20mm程度の厚みのものが使用される。
【0014】これらの材料は単独で用いても、複数種を
混合して用いてもよく、全体が均一な材料で形成されて
いてもよいが、内側部分に高ダンピング材料、外側部分
にクリープ性能の良くかつ柔らかい材料等と二種類以上
を組み合わせて使用してもよい。
【0015】軟質板の製造方法としては、公知の製造方
法を適用できる。即ち、ゴム材料の場合、段プレスによ
るモールド加硫による製造方法、プレス加硫、ロートキ
ュア等によりゴムシートを製造し、所定の形状に打抜く
製造方法等が挙げられ、他の粘弾性的性質を有する材料
の場合も、汎用のモールド成形、シート状に加工した後
の打抜き成形などが適用できる。
【0016】また、この複合積層体を構成する硬質板と
しては、金属、セラミックス、プラスチックス、FR
P、ポリウレタン、木材、紙板、スレート板、化粧板等
所要の剛性を有する各種の材料を使用することができ
る。ここで、所要の剛性とは、設計条件により大きく変
わるが、剪断変形した時、座屈現象が生じにくい剛性を
意味する。一般には、強度、耐久性の観点から、鋼板、
鉄板、アルミニウム板などの金属板が広く使用されてい
る。
【0017】硬質板の厚み、形状には特に制限はなく、
複合積層体が用いられる目的に応じて選択できるが、そ
の厚みは、一般には、0.5〜5mm程度の厚みのもの
が使用される。また、形状は、積層される軟質板と同様
に任意であるが、通常は、併用する軟質板と同じ形状の
ものを用いる。
【0018】前記軟質板と硬質板とを交互に複数段積層
して互いに接着して複合積層体を構成するものである。
また、予め平板状の軟質板と硬質板とを複数枚積層、接
着したユニットを形成し、それを積層して使用すること
もできる。接着工程においては、まず、軟質板の接着性
を向上するために、軟質板表面に、ハロゲン化処理、酸
処理、低圧プラズマ処理、コロナ放電処理、紫外線照射
処理、バフがけ処理からなる群より選択される表面処理
の少なくとも一つを施す。
【0019】ここで、ハロゲン化処理とは、軟質板表面
をハロゲン分子、ハロゲン発生体及び発ハロゲン化合物
からなる群より選択される少なくとも一つの化合物で処
理することを意味する。
【0020】ここで使用されるハロゲン分子としては、
塩素、臭素及びヨウ素が挙げられ、それらは水溶液の状
態でも使用しうる。ハロゲン発生体としては、次亜塩素
酸及び次亜臭素酸が挙げられ、それらは水溶液の状態で
も使用しうる。
【0021】また、本発明において発ハロゲン化合物と
は、分子内にハロゲン原子を有し、ハロゲンとしての特
質を発現するか、或いは、ハロゲノイドの如く、ハロゲ
ンに類似した特質を発現する化合物を包含するものであ
り、例えば、ハロゲン化イソシアナート、N−モノハロ
アルキルウレタン、N,N−ジハロアルキルウレタン、
N,N−ジハロアリルスルホンアミド、ハロゲン化硫
黄、スルフェニルハライド、ハロメチルエーテル、チオ
シアノゲン〔(SCN)2 〕、沃化アジド、臭化アジ
ド、塩化ヨウ素、臭化ヨウ素、トリクロロアセチックア
シッドアイオダイド、アセチックアシッドブロマイド、
硝酸ヨウ素、アルキルハイボハライド、アルキルチオニ
ルクロライド、塩化ニトロシル、臭化ニトロシル、ハロ
ゲン化イソシアヌル酸、ハロゲン化メチルヒダントイン
等が挙げられ、具体的には、沃化イソシアナート、N,
N−ジクロロエチルウレタン、N,N−ジブロモエチル
ウレタン、N,N’−ジクロロ−p−トルエンスルホン
アミド、N,N−ジブロモトルエンスルホンアミド、
N,N−ジクロロベンゼンスルホンアミド、tert−ブチ
ルハイボハライド、トリクロロイソシアヌル酸、ジクロ
ロイソシアヌル酸、トリクロロイソシアヌル酸アミド、
ジクロロジメチルヒダントイン、ジクロロメチルヘキシ
ルヒダントイン等が挙げられる。
【0022】前記処理剤のなかでも、接着力向上性、処
理加工性、ハンドリング性、安全性などの観点から、発
ハロゲン化合物、特に、N,N’−ジクロロ−p−トル
エンスルホンアミド及びトリクロロイソシアヌル酸アミ
ドから選択される少なくとも1種が好ましい。
【0023】これらの発ハロゲン化合物は、適当な溶媒
に0.1〜20重量%、好ましくは1〜15重量%の濃
度に溶解して用いることができる。適当な溶剤の具体例
としては、四塩化炭素、クロロホルム、ジクロロメタン
等のハロゲン化炭化水素、ベンゼン、ニトロベンゼン、
ハロゲン化ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭
化水素、ジメチルエーテル、テトラヒドロフラン(TH
F)、ジオキサン等の環状或いは鎖状エーテル、酢酸エ
チル等のエステル類、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、
オクタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素、アセト
ン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン等のケトン
類、エタノール、エチレングリコール、tert−ブチルア
ルコール等のアルコール類を挙げることができる。なか
でも、THF、ジオキサン、アセトン、ベンゼン、トル
エン、四塩化炭素、クロロホルム、メチルエチルケト
ン、酢酸エチル等が好ましく用いられる。
【0024】軟質板表面を前記ハロゲン分子、ハロゲン
発生体及び発ハロゲン化合物からなる群より選択される
少なくとも一つの化合物で処理するためには、これらの
水溶液或いは溶剤に溶解してなる溶液を軟質板表面に均
一に付着させればよく、ローラーコーティング、スプレ
ーコーティング、浸漬塗布などの公知のいかなる塗布方
法も適用することができる。
【0025】酸処理とは、軟質板表面を酸性化合物及び
酸発生化合物からなる群より選択される少なくとも一つ
の化合物で処理することであり、例えば、濃硫酸と重ク
ロム酸カリウムの水溶液に70℃程度の温度で浸漬させ
る方法等が挙げられる。酸処理を長時間にわたって行う
と軟質材料が劣化する虞があるため、処理時間は5〜1
0分間程度であることが好ましく、処理後には残留する
酸性化合物等を除去することが好ましい。
【0026】低圧プラズマ処理とは、例えば、低温プラ
ズマを80〜60000W sec/lの処理で照射す
るなどの処理を行って、表面を親水化する処理方法であ
る。このプラズマ処理は、10-6Torr〜102Torr 、特
に10-3Torr〜10Torrの低圧雰囲気下で、通常の低圧
プラズマ処理に使用される任意のガス、即ち、Ar、H
e、Ne、O2 、N2 、CO2 、CF4 、CHF3 等か
ら選択される1種以上のガス、若しくは、H2 O又はア
ルコールその他の有機物を気化した雰囲気下で、0〜1
8 Hzの周波数領域の直流又は交流によりプラズマ放
電処理を行うことが好ましい。電極は、直流、低周波交
流、高周波交流、マイクロ波などの放電の周波数に好適
なものを選択してもちいるが、マイクロ波を用いる場合
には、放電発生部と処理部を分離するダウンストリーム
法を適用することが一般的である。
【0027】コロナ放電処理とは、コロナ放電が発生し
うる領域の圧力、通常は大気圧付近の圧力下で、0〜1
8 Hzの周波数領域の直流又は交流、好ましくは10
3 〜106 Hzの周波数領域の交流においてコロナ放電
を行わせて、軟質板表面を粗面化する方法である。通
常、工業的には、直流、数Hz〜数百Hzの交流放電が
行われる。また、コロナ放電を行うための電極は、公知
のもの、例えば、平行平板電極、近似ロゴウスキ電極、
球電極、針−平板電極、ワイヤー−平板電極等を用いる
ことができる。
【0028】紫外線処理としては、軟質板表面に紫外線
を照射して、化学変化を生起させ、軟質板材料の表面に
カルボニル基、カルボキシル基、水酸基などの接着剤と
の親和性を有する官能基を生成させるものである。紫外
線照射は、過度になると軟質板材料自体を劣化させる虞
があるため、照射する紫外線の条件としては、例えば、
2537Åの波長の場合、50〜40000J/cm2
の光量範囲とすることが好ましい。
【0029】物理的な表面処理であるバフがけ処理と
は、表面にバフ加工を行って粗面化する処理方法であ
り、具体的には、ディスクサンダーなどにより表面を荒
らす方法等が挙げられる。なかでも、接着強度の観点か
ら、ハロゲン化処理、低圧プラズマ処理、コロナ放電処
理、紫外線照射処理から選択される処理を施すことが好
ましい。
【0030】本発明に係る複合積層体が上下に金属製の
フランジなどを有する場合には、軟質板のフランジとの
接着面にも前記の接着向上のための表面処理を行うこと
が好ましい。
【0031】これらの表面処理にあたっては、軟質板の
表面に予め、洗浄、脱脂などの前処理を施すことが処理
効果の観点から好ましい。
【0032】次に、この表面処理した軟質板を、接着剤
を用いて硬質板と接着する。接着剤は、前記軟質板の表
面処理した面に塗布してもよく、硬質板の前記軟質板と
接着する面に塗布してもよく、その両方に塗布してもよ
い。
【0033】ここで用いる接着剤としては、用いられる
軟質板、硬質板に適するものであれば公知の接着剤を任
意に使用し得るが、ウレタン系、エポキシ系、及びアク
リル系接着剤からなる群より選ばれる1種以上であるこ
とが接着性の観点から好ましい。ウレタン系接着剤とし
ては、ポリエステルポリオール若しくはポリエーテルポ
リオールとイソシアネート化合物の2液混合型接着剤、
ポリエステルポリオール若しくはポリエーテルポリオー
ルとイソシアネートとを反応させたプレポリマーからな
る湿気硬化型、前記プレポリマーとポリオールとの2液
混合型接着剤等を挙げることができる。エポキシ系接着
剤としては、エポキシ樹脂を主剤とし、硬化剤と混合し
て用いる2液混合型接着剤が一般的であり、使用しうる
エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型、F型、A
D型等のビスフェノール型エポキシ樹脂或いはポリエチ
レングリコール型、ポリプロピレングリコール型等のア
ルコール系グリシジルエーテル型エポキシ樹脂等の2官
能型グリシジルエーテル型エポキシ樹脂が挙げられ、硬
化剤としては、ジエチレントリアミン、テトラエチレン
テトラミン等の脂肪族アミン、ダイマー酸変性により得
られるポリアミド、ケテミン或いはイソホロンジアミ
ン、パラメンタンジアミン等の脂環式アミン、ジアミノ
ジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホン酸等の
芳香族アミン等のアミン系硬化剤、ドデセニル無水コハ
ク酸、ポリアゼライン酸無水物等の脂肪族、ヘキサヒド
ロ無水フタル酸等の脂環族、無水トリメリット酸、無水
ピロメリット酸などの芳香族、或いはハロゲン系の酸無
水物等の硬化剤が挙げられ、これら硬化剤は、少なくと
も1種を前記エポキシ樹脂のエポキシ当量に合わせ、組
み合わせて用いられる。これらの接着剤は、硬化後の破
断伸びが0.5%以上のものが好ましい。アクリル系接
着剤としては、アクリル酸エステル、メタクリル酸エス
テル系の樹脂を主剤とし、ケトン、芳香族炭化水素、脂
肪族エステル等の溶剤と併用したものや、ブタジエン、
スチレン、ジカルボン酸エステル等との共重合体等が挙
げられ、軟質板にゴム材料を用いた場合には、ブタジエ
ン−メタクリル酸エステル共重合体等を好適に使用する
ことができる。
【0034】表面処理を施した軟質板と硬質板とを接着
剤を介して積層し、複合積層体を接着成形するには、常
法により、ピンや合わせ治具等の位置決め治具を使用し
て位置を定めながら積層して行うことができる。この場
合、ボルトにより上下の位置決め治具又は複合積層体に
備えられた上下フランジを加圧固定するなど、被接着体
にある程度の圧力、例えば、0.5〜3kgf/cm2
程度の圧力を作用させて接着することもできる。接着
は、接着剤の種類に適する温度雰囲気下で所定時間放置
して行い、ピンや合わせ治具等を取り外して複合積層体
を得る。接着の際の雰囲気温度は、接着剤の種類に合わ
せて室温〜200℃程度を選択し得る。接着に要する時
間は、通常、数分間から数時間程度である。接着する際
に、被接着体を予熱し、その後、積層して接着すること
が、熱処理時間を短縮し、接着を短時間で完了させると
いう観点から好ましい。
【0035】また、本発明の製造方法においては、軟質
板のみならず、接着される硬質板の表面にも接着性向上
処理を施すことができる。硬質板の表面に施す接着性向
上処理としては、サンドブラスト、ショットブラスト等
の物理的表面処理或いはリン酸亜鉛、リン酸亜鉛カルシ
ウム等の無機被膜を表面に施す化成処理が挙げられる。
さらに、硬質板の表面に熱硬化性樹脂系塗料を焼付塗装
することも好ましい。これらの表面処理は、金属製フラ
ンジの軟質板との接着面に行うことも好適である。サン
ドブラスト、ショットブラスト等の物理的表面処理は、
常法により行うことができる。化成処理としては、リン
酸亜鉛、リン酸亜鉛カルシウム等の無機被膜を結晶粒径
0.5〜50μm、好ましくは10μm以下で、1〜2
0g/cm2 、好ましくは2〜5g/cm2 で施すこと
が好ましい。熱硬化性樹脂系塗料を焼付塗装する方法と
しては、エポキシ樹脂系カチオン塗料等を20〜100
μm程度塗布したのち、160〜180℃程度の温度で
焼付処理する方法などが挙げられる。硬質板に表面処理
を行う場合にも、硬質板の表面に予め、洗浄、脱脂など
の前処理を施すことが処理効果の観点から好ましい。
【0036】本発明の製造方法により得られる複合積層
体は、耐候性を付与するため、複合積層体の外側を耐候
性の優れた材料で被覆してもよい。この被覆材料として
は、例えば、ブチルゴム、アクリルゴム、ポリウレタ
ン、シリコンゴム、フッ素ゴム、多硫化ゴム、エチレン
プロピレンゴム(ERP及びEPDM)、クロロスルホ
ン化ポリエチレン、塩素化ポリエチレン、エチレン酢酸
ビニルゴム、クロロプレンゴムなどを用いることができ
る。これらの材料は単独でも、二種類以上をブレンドし
てもよい。また、天然ゴム、イソプレンゴムスチレンブ
タジエンゴム、ブタジエンゴム、ニトリルゴム等とブレ
ンドしてもよい。この被覆材料を適用する際には、本発
明の製造方法により向上した生産性を阻害しないような
方法を適用することが好ましく、例えば、熱硬化性ポリ
ウレタンを複合積層体の外周に塗布し、硬化させる方
法、型枠内に接着処理を完了した複合積層体を配置し、
被覆材料を注型する方法、熱可塑性エラストマーを巻き
付けて加熱成形する方法、インジェクション成形方法、
加硫ゴムを後接着する方法等を挙げることができる。
【0037】
【実施例】以下に本発明を図面を参照して実施例につい
て具体的に説明する。表1に実施例と比較例の条件と試
験結果をまとめて示している。
【0038】(実施例1)図1は本発明の製造方法によ
り得られる複合積層体10の概略断面図を示す。複合積
層体10は上、下、2枚のフランジ12、14との間に
硬質板16として、外径300mm、内径30mm、厚
さ2.3mmの鋼板15枚を使用し、軟質板18とし
て、50%モジュラスが12kgf/cm2 、引張り強
度が140kgf/cm2 、破断時の伸びが700%の
ゴム板を用い、硬質板16と同じ形状で、厚さ3mmの
軟質板18を16層用いた。上下のフランジ12、14
には積層体の位置決めと平行状態の調節のためのボルト
22を貫通させるための開口部を4か所に設けてある。
この複合積層体10は、以下のように製造した。
【0039】板状ゴムの製造 50%モジュラスが12kgf/cm2 、引張り強度が
140kgf/cm2、破断時の伸びが700%のゴム
材料を常法により厚さ3mm、幅70mmのゴムシート
を作成し、これを打抜き機を用いて、外径300mm、
中心に直径30mmの孔を有する形状に打抜き、中心に
開口部を有するドーナツ型の板状ゴムを製造し、軟質板
18とした。
【0040】軟質板の表面処理 軟質板18表面に、トリクロロイソシアヌル酸アミドの
3%アセトン溶液をローラーで均一に塗布した。
【0041】硬質板及びフランジの処理 外径300mm、内径30mm、厚さ2.3mmの鋼板
16の両面及び上下フランジ12、14の軟質板18と
接触する側の面に、ショットブラストによる表面処理を
行った。その後、被処理面にビスフェノールA型液状エ
ポキシ樹脂とポリアミドとをエポシキ当量で組み合わせ
てなる接着剤を、膜厚が100μmとなるように塗布し
た。
【0042】積層工程 図2に示す如く、直径28mmで、上部にM25のボル
ト孔を有する丸棒20(空想線で示す)を中心に取付
け、平行を調整するためのボルト22を4か所に取りつ
けた台座24の上に前記の下フランジ14をセットし、
その後、ずれが生じないように中央の丸棒20で位置決
めをしながら前記の処理を行った軟質板18と硬質板1
6とを交互に積層した。軟質板18を16枚、硬質板1
6を15枚セットした後に上フランジ12をセットし
た。
【0043】丸棒20のボルト孔を利用して圧縮治具2
6をボルトにより締めつけ固定して上下フランジ12、
14を圧縮固定した。また、台座24に配置されたボル
ト22をフランジ12、14に設けられた孔に貫通さ
せ、平行になるように調整して締めつけた。
【0044】図2は、台座24上でこの積層工程を完了
し、圧縮固定された状態の複合積層体10を示す概略断
面図である。
【0045】熱処理工程 この積層体を台座24ごとオーブンに入れ、100℃の
雰囲気下で1時間放置して接着した後、ボルト22及び
圧縮治具26を取外し、台座24より取り出して複合積
層体10を得て本発明品1とした。
【0046】複合積層体の性能評価 得られた複合積層体10に面圧80kgf/cm2 の垂
直荷重をかけ、剪断速度22cm/minで剪断試験を
実施し、破断時の軟質板18の厚み対剪断歪み比(%)
を求めた。試験は3個の試験体について行い、その平均
値を求めて測定値とした。数値が大きい程優れていると
評価する。また、複合積層体10の製造において、一人
の作業者が1台の設備で1基生産するのに要する時間を
生産サイクルとし、前記結果とともに下記表1に示し
た。
【0047】
【表1】
【0048】(比較例1)軟質板の表面処理として、ト
リクロロイソシアヌル酸アミドの3%アセトン溶液によ
る処理に換えて、アセトン洗浄を行った他は実施例1と
同様の素材を用いて、実施例1ど同様の製造方法にて複
合積層体を製造し、比較品1とした。得られた複合積層
体を実施例1におけるのと同様に評価し、結果を比較品
1の生産サイクルとともに、前記表1に示した。
【0049】(比較例2)軟質板の調整 軟質板原料として、厚み3.1mmの未加硫ゴムシート
を用い、実施例1と同様に打抜きで成形し、軟質板を得
た。
【0050】硬質板及びフランジの処理 外径300mm、内径30mm、厚さ2.3mmの鋼板
の両面及び上下フランジの軟質板と接触する側の面に、
ショットブラストによる表面処理を行った。その後、被
処理面に2液型加硫接着剤を、乾燥膜厚が40μmとな
るように塗布した。
【0051】積層工程 前記上下フランジ、軟質板、硬質板を実施例1と同様に
積層した。
【0052】熱処理工程 この積層体を台座ごとオーブンに入れ、130℃の雰囲
気下で4時間放置して加硫接着した後、ボルト及び圧縮
治具を取外し、台座より取り出して複合積層体を得て比
較品2とした。
【0053】複合積層体の性能評価 得られた複合積層体を実施例1におけるのと同様に評価
し、結果を比較品2の生産サイクルとともに、前記表1
に示した。
【0054】前記表1に明らかな如く、本発明の製造方
法により得られた実施例1の複合積層体は短時間で、剪
断特性に優れた複合積層体を得ることができた。一方、
本発明の軟質板に対する前処理を行わなかった比較例1
の複合積層体は軟質板と硬質板との接着力が不十分であ
るため、剪断応力に対する破断特性が不十分であった。
また、従来の加硫接着により製造された比較例2の複合
積層体は破断特性に優れるものの、接着時間が長く、生
産性が悪いことがわかった。
【0055】
【発明の効果】以上の説明から明らかなごとく、本発明
の複合積層体の製造方法によれば、免震装置に用いられ
る破断特性に優れた複合積層体を、簡便に、生産性良く
製造することができ、さらに、該複合積層体のさまざま
な形状やサイズのものを、特殊な金型を製造することな
く、短時間で製造することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例1により得られた複合積層体
の概略断面図である。
【図2】 台座上で積層工程を完了し、圧縮固定された
状態の複合積層体を示す概略断面図である。
【符号の説明】
10:複合積層体 16:硬質板 18:軟質板 24:積層位置決め用の台座
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08J 7/00 CEQ C08J 7/00 CEQA 303 303 304 304 306 306 C09J 133/08 JDB C09J 133/08 JDB 163/00 JFK 163/00 JFK 175/04 JEZ 175/04 JEZ F16F 1/40 F16F 1/40 // F16F 15/02 8312−3J 15/02

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 剛性を有する硬質板と粘弾性的性質を有
    する軟質板とをそれぞれ複数個、交互に積層した複合積
    層体の製造方法であって、 該粘弾性的性質を有する軟質板の表面に、ハロゲン化処
    理、酸処理、低圧プラズマ処理、コロナ放電処理、紫外
    線照射処理、バフがけ処理からなる群より選択される表
    面処理の少なくとも一つを施し、 該軟質板の表面処理を施した面と隣接する硬質板とを、
    接着剤により接着する、ことを特徴とする複合積層体の
    製造方法
  2. 【請求項2】 前記粘弾性的性質を有する軟質板が、予
    め加硫されたゴム材料からなることを特徴とする請求項
    1に記載の複合積層体の製造方法
  3. 【請求項3】 前記ゴム材料が、天然ゴム、イソプレン
    ゴム、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、クロ
    ロプレンゴム、エチレンプロピレンゴムからなる群より
    選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求
    項2に記載の複合積層体の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記ハロゲン化処理が、塩素、臭素並び
    にヨウ素から選択されるハロゲン分子、次亜塩素酸並び
    に次亜臭素酸から選択されるハロゲン発生体及びN,
    N’−ジクロロ−p−トルエンスルホンアミド並びにト
    リクロロイソシアヌル酸アミドより選択される発ハロゲ
    ン化合物からなる群より選択される少なくとも一つの化
    合物で処理することを特徴とする請求項1に記載の複合
    積層体の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記低圧プラズマ処理が、10-6Torr〜
    102Torr の圧力下で、0〜108 Hzの周波数領域の
    直流又は交流によりプラズマ放電を行う処理であること
    を特徴とする請求項1に記載の複合積層体の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記コロナ放電処理が、常圧下、0〜1
    8 Hzの周波数領域の直流又は交流によりコロナ放電
    を行う処理であることを特徴とする請求項1に記載の複
    合積層体の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記紫外線処理が、前記軟質板表面に紫
    外線を照射して、化学変化を生起させ、軟質板材料の表
    面に前記接着剤との親和性を有する官能基を生成させる
    処理であることを特徴とする請求項1に記載の複合積層
    体の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記接着剤が、ウレタン系、エポキシ
    系、及びアクリル系接着剤からなる群より選択される少
    なくとも1種であることを特徴とする請求項1に記載の
    複合積層体の製造方法。
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